説明

時間経過指示器具及び時間の経過を指示するための方法及び該器具を備えた物品

還元された酸化還元染料の、酸素の存在下での色変化特性に基づく時間指示器具は、予め定められた計量された量の酸化還元染料の酸化型の、予め定められたアルカリ性媒体中の有効量の還元剤を伴うレセプタクルへの初期の導入によって特徴付けられる。酸化還元染料の酸化型の還元型への転換は、封止済レセプタクル内で生じる。レセプタクルに導入される酸化された染料の量および還元剤の量の両方を厳密に制御することにより、酸化還元染料の還元型の予め定められた量だけを、レセプタクル内において形成させることができることを確実とする。予め定められた総表面積および酸素がレセプタクル内に進入することができる割合を有するレセプタクル内において形成された還元染料の量により、酸化還元染料の色遷移時間間隔が厳密に制御可能になる。時間指示器具の製造方法もまた開示されている。時間指示器具を組み込む、時間に敏感である製品のためのコンテナおよび有効期間の満了を示すためのバッジなどの物品がまた開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視認者に対する時間経過指示器具、時間の経過を指示するための方法、および時間に敏感な製品または点検に関連して用いられるバッジおよびコンテナなどの、この器具を備えた物品またはコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者に現在利用可能である多数の製品または点検は、それらの新鮮さ、効力および/または安全性が制限された持続時間、または「保管寿命」を有するという点において「時間に敏感」である。消費者が、製品が使用不可能になるまでの時間を追うことができるようにする時間指示器具を提供するために種々の試みがなされてきた。
【0003】
時間指示器具は、初期知覚色から最終知覚色への物質の色の変化に依存している。物質の初期から最終知覚色への変化が生じる間の時間間隔は、「色遷移時間間隔」と呼ばれている。本出願のコンテクストにおいて、この間隔は、物質が初期知覚色の色相から遷移し始めてから、最終色相が達成されて終了するまでの時間から計測される。予備的な「遅延時間間隔」が、色遷移時間間隔の開始までのいくつかの初期時間標識から定義され得る。時間指示器具の運用についての全体の「経過時間」は、遅延時間間隔および色遷移時間間隔の和である。
【0004】
時間指示器具は、染料拡散に、または還元染料の酸素との反応に基づくことができ、ここで反応は封止済レセプタクル内で実施される。例えば、米国特許第4,903,254号明細書、同5,633,835号明細書、および同3,480,402号明細書ならびに国際公開第02/46741号パンフレットを参照のこと。
【0005】
還元染料の酸素との反応に基づく時間指示器具を生産するために、染料がレセプタクルの外で還元され、次いでフィルタ紙基材上に付着される。基材はレセプタクルに挿入される前にすすがれる。このプロセスは時間がかかり、およびこの器具を製造するためのプロセスコストが増加する。さらに、フィルタ紙上への染料および還元剤の無制御的な吸収のために、レセプタクル内にパッケージされる還元染料の量および還元剤の過剰量を厳密に制御することが困難である。これにより、色遷移時間間隔および経過時間の長さを制御することが困難になる。
【0006】
還元された酸化還元染料の酸素との反応に基づく時間指示技術はまたパッケージングについての時間−温度履歴の監視にも対応することができ、予め定められた時間−温度の組み合わせが溶液中の亜鉛の濃度から測定される。例えば、積層工程を包含し、および染料の還元がポーチの外で実施される米国特許第3,768,976号明細書を参照のこと。これらの工程は、とりわけ、このようなシステムの生産コストを高くしてしまう可能性がある。さらに、このような時間指示方法は、相当な量の、反応性成分を含有する液体を使用しており、およびポーチの破損は安全上の問題を生じさせ得る。
【0007】
従って、以上の点に即して、時間経過指示器具およびこの器具の経済的な製造方法を提供することが望ましい。遅延時間および色遷移時間の両方を厳密に調整することが可能である時間指示器具を提供することも、有益であると考えられている。時間に敏感な製品または点検に有用である、コンテナまたはバッジなどの、時間指示器具を包含する物品を提供することがさらに有益であると考えられている。
【0008】
このような時間指示器具ならびにこれを製造する方法および使用する方法は、従来技術において入手可能なものを超えて、使用者に顕著なコスト的および性能的有益性をもたらすと考えられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、時間指示器具およびこれの製造方法および使用方法を対象としている。本発明に基づく時間指示器具は、還元された酸化還元染料の酸素の存在下での変色特性に基づいている。
【0010】
本発明は、予め定められた計量された量の酸化型の酸化還元染料の、予め定められたアルカリ性媒体中の有効量の還元剤を伴うレセプタクルへの初めからの導入によって特徴付けられる。次いで、レセプタクルは封止される。酸化還元染料の酸化型の還元型への転換は、現場で(in situ:すなわち、レセプタクル内)で生じる。レセプタクルは、0.1cc−mil/100インチ2−1日−1気圧〜350cc−mil/100インチ2−1日−1気圧の範囲の酸素透過度で酸素がレセプタクルの内部容積に進入可能であるよう、1つまたは複数の材料から作製されている。
【0011】
レセプタクルに導入される、酸化された染料の量および還元剤の量の両方を厳密に制御することによって、予め定められた量の酸化還元染料の還元型のみがレセプタクル内で形成可能になることを保障する。レセプタクル内で形成されることができる還元染料の量を制御することにより、および酸素がレセプタクルに進入することができる割合を制御することにより(レセプタクルの構成に用いる材料の選択、およびレセプタクルの表面積の選択により)、酸化還元染料の色遷移時間間隔を厳密に制御可能とすることができる。
【0012】
レセプタクルに導入される還元剤の量は、酸化還元染料の酸化型の全量を還元型に転換するために必要とされる量に一致し得る。あるいは、この還元剤の量を超える量、またはこれ未満の量の一方がレセプタクルに導入され得る。還元剤は、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(「hydro」)および水酸化ナトリウム(NaOH)を含む水溶液である。グリセロールなどの保水剤もまた溶液中に含まれ得る。
【0013】
酸化還元染料よりも速く酸素と反応することができる脱酸素材料もまた、レセプタクルに導入され得る。レセプタクル内の脱酸素材料の量は、予め定められた遅延時間が色遷移時間の開始前に定義されるよう、レセプタクルへの酸素透過度およびレセプタクルの表面積に従って決定される。遅延時間の継続時間は、脱酸素材料の量に従って調整的に選択可能である。
【0014】
還元剤自体が脱酸素材料であるため、過剰量のこの還元剤が用いられた場合には、酸化された染料を還元型に転換するために必要とされる量に追加されるその分量が、遅延時間を制御するために役立つ。丁度の量またはより少ない量の還元剤が用いられる場合(または、脱酸素剤として作用することができない還元剤が用いられた場合)の他の事例においては、追加の脱酸素材料がレセプタクルに配置されてもよい。
【0015】
生産直後には、本発明の時間指示器具は、典型的には、好適な酸素不透過性材料で形成されたジャケット中に封入されているであろうことが予期される。ジャケットの開裂に伴って、酸素のレセプタクルへの拡散が開始されることができる。
【0016】
本発明の時間指示器具は、その内部に無数の時間に敏感な製品がパッケージされ得る広く多様なコンテナと共に用い得る。時間指示器具はまた、バッジにおけるもの(例えば、有効な期間の満了を表示するためのセキュリティーパス)、または潤滑剤またはフィルタの交換のための時間を表示するためなどの点検に関連して用いられ得る。いずれの場合においても、時間指示器具は、場合によって、コンテナまたはバッジの外部上に付けられまたは内部に配置され得る。当然ながら、コンテナまたはバッジの内部に時間指示器具が封止される場合には、酸素不透過性ジャケットはおそらく用いられないであろう。
【0017】
本発明は、本出願の一部を構成する添付の図面を参照して、以下の本明細書における詳細な記載からより完全に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の詳細な説明の全体にわたって、類似の符号は、図面のすべての図における類似の要素を指す。
【0019】
図1は、本発明の時間指示器具において用いられる還元された酸化還元染料の時間依存性色特性のグラフ表示であり、ここで、時間がx軸上にプロットされており、および色がy軸上にプロットされている。グラフは、本出願の明細書および特許請求の範囲の全体にわたって用いられる用語の理解を容易とするために有用である。
【0020】
上記に要点を述べたように、一態様において、本発明は、予め定められた時間が経過したことの使用者へのシグナルとして、還元された酸化還元染料の酸化された染料の最終知覚色への遷移を利用する時間指示器具を対象とする。全体の経過時間(ET)が、予め定められた開始時刻t0に始まりおよび時刻t2で終了するとして、図1にグラフで示されている。
【0021】
還元された酸化還元染料が、その初期知覚色c0から最終知覚色c2に変遷する間の時間間隔は、「色遷移時間間隔」と称され、図1においてCTTとして示してあり、および時刻t1および時刻t2の間に延在しているとしてグラフに示されている。時刻t1においては、還元された酸化還元染料が初期知覚色の色相c0から遷移され始めている。時刻t2においては、最終知覚色c2の色相が視認者に表されている。
【0022】
予備的な「遅延時間間隔」(DT)が初期時間標識t0および時刻t1の間に延在しているとして定義される(これは色遷移時間間隔CTTの開始を示す)。遅延時間間隔の間のいくつかの時点において、還元された酸化還元染料はその初期知覚色c0を達成する。酸化還元染料が、初期知覚色を達成する前に予備的な変色を経るといった事例もあり得る。これらの変色は、色遷移時間間隔の開始を示すものではなく、初期知覚色が発現され得る条件を達成するために、還元された酸化還元染料に必要な単なる導入的な変化である。
【0023】
還元された酸化還元染料の色相は、初期知覚色c0から最終知覚色c2に向けて進むにつれて「コントラスト色範囲」c1を通る。コントラスト色範囲c1の開始は時刻tmで生じ、ここで、tmは時刻t1および時刻t2の間にある。
【0024】
本願明細書において完全に解明されるように、本発明の時間指示器具はまた、その中に配置されたメッセージ証印を包含し得る。メッセージ証印は、予め定められたメッセージ色が付与される。メッセージ色は、コントラスト色範囲c1の外の色相によって不明瞭とされる一方で、コントラスト色範囲c1の内である色相とは識別可能なコントラストを示すよう選択されることができる。時刻tmおよび時刻t2の間の間隔は、従って、メッセージ証印が、コントラスト色範囲内の色相に対して段々と高くなるコントラストを示し、従って、次第に視認者に対して視認性が高くなる、「メッセージ出現時間間隔」(MAT)を定義する。
【0025】
図2Aおよび2Bを参照すると、本発明に基づく、全体が符号10で示されている時間指示器具の高度に様式的な側面図および平面図が示されている。器具10は、内部容積14を内包する封止済レセプタクル12を含む。
【0026】
レセプタクル12は、いずれかの多様な形態で構成され得る。好ましくは、図2Aおよび2Bに示すとおり、レセプタクル12は、それぞれが互いに重畳されている、第1のおよび第2の高分子バリアフィルム16、18によって画定されている。バリア性フィルム16、18は可撓性であることが好ましいが、剛性フィルムも用いられ得る。バリア性フィルム16、18は、周縁封止ライン20に沿って封止されて、内部容積14を内包している。封止ライン20内のフィルム16、18の面積は、レセプタクルの予め定められた総表面積12を画定する。各バリア性フィルム16および/または18は、それ自体多層フィルム構造を含み得る。バリア性フィルムの少なくとも1つ(例えばフィルム16)は、透明または、(透明でなければ)視認用孔16Vと同等に設けられている。レセプタクル12は、後述するように、酸素が内部容積14に、予め定められた酸素透過度で進入することができるよう構成されている。
【0027】
バリアフィルム
いずれかの多数の種々の高分子材料は、バリア性フィルム16、18のために用いられ得る。高分子材料は、レセプタクル12の内容物に対して不活性であることが望ましい。好適な高分子材料としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、およびポリプロピレン(非延伸または二軸延伸)が挙げられる。熱封止性ポリエステルフィルムおよびナノクレイ−含有フィルムもまた好適である。ポリ(塩化ビニリデン)−被覆ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたはポリ(塩化ビニリデン)−被覆ポリプロピレンフィルムなどの被覆材料もまた、レセプタクルの内部容積への酸素の透過速度を低減させるために用いられ得る。他の好適なコーティングとしては、シリカ、炭素、アルミニウム、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、またはナノクレイ粒子を含有するポリマーが挙げられる。
【0028】
高分子材料の組み合わせのいずれかが、レセプタクル12の内部容積14に、0.1cc−mil/100インチ2−1日−1気圧〜350cc−mil/100インチ2−1日−1気圧の範囲の酸素透過度で酸素が進入することができるよう、バリア性フィルム16、18として用いられるために選択され得る。レセプタクル12に進入する酸素の量は、バリア性フィルム16、18の厚さおよびレセプタクルの総表面積によっても影響される。好ましくは、各バリア性フィルム16、18は、二分の一mil(0.5mil)〜五mil(5mil)(12μm〜125μm)の範囲の厚さ寸法を有する。
【0029】
周縁封止部20の形成方式もまた、酸素透過速度の制御を補助することができる。例えば、周縁封止部は、熱封止、接着剤または機械的クランプまたは締結具を用いて形成することができる。
【0030】
図2Aおよび2Bに示された本発明の実施形態において、予め定められた量の還元された酸化還元染料22(点によって図示される)が、レセプタクル12の内部容積14に包含された基材24上に担持されている。還元された酸化還元染料22は、酸素と反応して色遷移時間間隔にわたって初期知覚色c0から最終知覚色c2へ変遷するという特性を有する。還元された酸化還元染料22の最終色c2への変遷は(視認者によって知覚されるとおり)、経過時間の終了を示す。還元された酸化還元染料22は、視認者にレセプタクルの外部から視認可能であるようレセプタクル12内に位置される(場合に応じて透明フィルム16または視認用孔16Vの一方を通して)。
【0031】
酸化還元染料
ロイコメチレンブルー、インジゴカルミン、Ciba Scarlet B.G.、Cibanone Yellow、ナトリウムアントラキノンβ−スルホネートを包含する、酸化還元染料のいずれか、または酸化還元染料の混合物を用い得る。およそ4平方インチ(4in2;6.45cm2)の表面積を有するレセプタクル中に配置される還元された酸化還元染料の重量は、好ましくは0.025mg〜200mgの範囲、およびより好ましくは0.025mg〜1mgの範囲である。
【0032】
好ましい酸化還元染料は、Cibanone Yellow染料である。この染料の還元型は、濃い青または赤−オレンジ(考慮されるべき好ましい還元剤の成分の比に応じて)としての知覚初期色を呈する。酸化型のこの染料の知覚最終色は黄色である。
【0033】
興味深いことに、ポリプロピレンのような比較的低バリア性のフィルムがレセプタクルの形成に用いられている場合、色変化は、基材24の染色された領域の周縁から開始して中心に向かって進むことが見出されている。
【0034】
基材
図2Aおよび2Bに図示されているように、還元された酸化還元染料22は、セルロース紙のシートなどの好適な基材24中または上に担持されている。基材24としての使用に好適である他の材料としては、固体または半固体(例えば、(架橋親水性)ポリエステル、ニトロセルロースレーヨン繊維、ナイロン繊維、シリカゲルなどのゲル、フィルタ紙、毛管現象により液体を吸込むいずれかの類似材料、またはこれらの2つ以上の組み合わせ)が挙げられる。他の好適基材としてはまた、固体吸着媒(クレイ、ゼオライト、処理ガラス、皮革および織布などの)が挙げられる。基材24は、後述されるようにメッセージ証印42用の有用な担体として役立つことができる(図3A〜3E)。メッセージ証印42は、代わりに、レセプタクル12の底部境界を形成するフィルム18の内部表面上に配置され得る。
【0035】
他の実施形態において、還元された酸化還元染料22が内部容積14内に直接的に収容され得ることは、本発明の予期の範囲内にある。例えば、還元された酸化還元染料22は、粉末、丸剤、液体、またはゲルの形態で配置され得る。これらの事例においては、個別のメッセージパネル(図示せず)が、レセプタクル12内に位置され得ると共に、還元された酸化還元染料の下に位置され得る。
【0036】
本発明によれば、酸化還元染料は酸化型にある状態でレセプタクル12に導入される。酸化還元染料は、予め定められた計量された量の、アルカリ性媒体中の還元剤(レセプタクル12内に、その封止前に同様に導入される)の存在下に、現場で転換される(すなわち、レセプタクル12の内部容積14において)。アルカリ性媒体中の還元剤は、26で網掛けされた液体として図2A中に図示されている。
【0037】
いくつかの点において、レセプタクルはまた、予め定められた量の使用済還元剤をその中に有する。例示する目的のため、使用済還元剤28は図2A中に記号「+」によって図示されている。使用済還元剤は、レセプタクル12中において、アルカリ性媒体中の有効量の還元剤の存在下に酸化された酸化還元染料の現場での転換の結果として形成される。
【0038】
還元剤
好適な還元剤としては、硫酸アンモニウム、第一鉄化合物、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(「hydro」)、単糖、および少糖類、アスコルビン酸、またはグルコースが挙げられる。好ましい還元剤は、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(「hydro」)および水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液である。
【0039】
還元剤をアルカリ性媒体中に導入することができ、これは計量されたアルカリを含有する脱酸素水から形成することができる。
【0040】
水酸化ナトリウム(NaOH)に対するヒドロ亜硫酸ナトリウム(「hydro」)の比は、酸化還元染料の初期知覚色を決定する。水酸化ナトリウムに対するヒドロ亜硫酸ナトリウムの比は、一(1)から八(8)、または一(1)から四(4)の範囲にあることができる。
【0041】
酸化還元染料に対するアルカリ性媒体中の還元剤の比は、十六から1万(16〜10,000)の範囲にあることができる。
【0042】
色遷移時間間隔制御
本発明の時間指示器具10の特徴は、色遷移時間間隔の持続時間を厳密に制御する性能である。本発明によれば、この制御は、レセプタクル12内に予め定められた量の還元型の酸化還元染料を配置することによって達成される。酸化還元染料の還元型の所望量は、レセプタクルへの酸素透過度およびレセプタクルの表面積に従って決定される。これらの要因の両方が、レセプタクルに進入する酸素の量に影響を及ぼす。還元された酸化還元染料の厳密な量についての制御は、酸化還元染料の酸化型をレセプタクルに初期において導入し、およびその後予め定められた有効量の還元剤をレセプタクルに導入することによって達成される。厳密な予め定められた量の還元された酸化還元染料が、これにより、酸化型の転換によって現場(すなわち、レセプタクル内で)で生成される。
【0043】
一つのケースにおいて、レセプタクルに導入される還元剤の有効量は、酸化還元染料の酸化型の実質的にすべてをその還元型に転換するために必要な量のみに等しい。
【0044】
しかしながら、代替として、還元剤の有効量は酸化還元染料の酸化型のすべてをその還元型に転換するために必要な量より過剰であり得、従って過剰量の還元剤をレセプタクル内に残留させる。
【0045】
さらなる代替として、還元剤の有効量は、酸化還元染料の酸化型のすべてをその還元型に転換するために必要な量未満であり得る。この場合においては、酸化還元染料の酸化型の残留分がレセプタクル中に残留する。(過剰量の還元剤または酸化された染料の残留分のレセプタクル内での存在は、「他のレセプタクル含有物」29の実施形態であり、および図2Aに、図2A中の記号「/」によって図示される。)
【0046】
遅延時間間隔制御
還元された酸化還元染料よりも速く酸素と反応することができる脱酸素材料がレセプタクルに導入され得る。レセプタクル内の脱酸素材料の量は、レセプタクルへの酸素透過度およびレセプタクルの表面積に従って決定される。遅延時間間隔DT(図1)の持続時間は、レセプタクル中の脱酸素材料の量に従って選択可能である。(レセプタクル中の脱酸素材料の存在は、29によって図2Aに示される、「他のレセプタクル含有物」の他の実施形態である。)
【0047】
好ましい還元剤自体が脱酸素材料であるため、この還元剤が過剰量で用いられる場合に、酸化された染料を還元型に転換するために必要な量に追加のその分量が遅延時間の制御に役立つ。好ましい還元剤が丁度の量またはより少ない量で用いられる(または、脱酸素剤として役立つことができない還元剤が用いられる)他の事例においては、追加の脱酸素材料をレセプタクル中に配置することができる。
【0048】
脱酸素材料
いかなる脱酸素材料(好ましくは紫外光によって活性化されるもの)をも用いられ得る。好適な脱酸素材料としては、Ageless(登録商標)E−200酸素指示錠剤などの、三菱化学株式会社によって商品名「Ageless(登録商標)」で販売されている酸素指示錠剤が挙げられる。Cryovac CompanyによってCryovac(登録商標)OS2000系として販売されている紫外光活性性高分子脱酸素系、または国際公開第2004/005424号パンフレットに記載の紫外光活性性半導体配合物もまた用いられ得る。他の好適な脱酸素材料としては、タンニン、カルボヒドラジドおよびComletion Products and ServicesによってOS−8として販売されている材料、非硫黄系脱酸素剤である有機塩が挙げられる。紫外光活性性材料が、時間指示器具の無酸素環境中での保管の必要性を排除して、時間指示器具についてより長い保管寿命の利益を提供するため、好ましい場合がある。
【0049】
保水剤
レセプタクルは、保水材料をも含有し得る。好適な保水材料としては、グリセロール、水−グリセロール混合物、PEG、寒天−水混合物が挙げられる。(レセプタクル中の保水材料の存在は、29によって図2A中に示される「他のレセプタクル含有物」の他の実施形態である)
【0050】
過剰な還元剤/酸化された染料の残留分、脱酸素材料および/または保水剤の組み合わせは、29によって図2Aに示される「他のレセプタクル含有物」に包含され得る。
【0051】
酸素不透過性ジャケット
レセプタクル12は、重畳された上方および下方シース(それぞれ)32、34から形成された酸素不透過性ジャケット30中に内包されることができる。シースは、符号36によって呈示されるとおり、酸素不透過性の態様でそれらの相互に接合接触する縁部に沿って封止される。酸素不透過性ジャケット30の上方シース32およびレセプタクルを形成する1つのフィルム16の部分が、図示の明確さのために図2Bにおいて切り抜かれている。酸素不透過性ジャケット30として用いるために好適な材料は、金属化フォイルまたは金属化ポリマーフィルムである。
【0052】
上方シース32の一領域が38のように有孔とされており、取り外し可能なタブ40を画定している。タブ40取り付け位置にあると、レセプタクル12へ透過する酸素は利用可能ではない。しかしながら、タブ40を取り外すと上方フィルム16の部分を酸素に露出させ、これにより、レセプタクル12への酸素透過を許容する。この動作は、時刻t0を表し、および遅延時間間隔を開始させる。
【0053】
また、酸素不透過性ジャケットを用いる代わりに、還元剤が、架橋性ポリエーテル、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、アルギン酸塩等などのフィルムまたは脆性材料中に封入され得る。
【0054】
図3Aから3Eは、上記のメッセージ証印42の運用を図示する一連の様式的な表示である。メッセージ証印42は、メッセージの視認者への伝達に機能する、英字、数字または記号文字のいかなる組み合わせをも含み得る。図3Aから3Eにおいて、メッセージ証印は視認者に対して単語「無効」を表す。
【0055】
メッセージ証印42は、紙基材24上に担持され得、この場合、水不溶性インクでプリントされ得る。また、証印は、フィルム16または18、またはレセプタクル内に配置された個別のメッセージパネルにプリントされ得、またはそうでなければ取り付けられ得る。
【0056】
証印42は、コントラスト色範囲c1(初期知覚色c0を含む)の外の色相によって不明瞭とされる一方で、コントラスト色範囲c1の内であって最終知覚色c2を含む色相について識別可能なコントラストを有する色が付与される。このように、証印は、酸化還元染料が初期知覚色c1から最終知覚色c2に変遷するにつれてより視認可能になる。
【0057】
図3Aおよび3Bに示されているように、色遷移時間間隔の初期段階間際である時刻ta、tbでは、メッセージパネル上に含まれている証印(すなわち、メッセージ「無効」)は完全に不明瞭であり(図3A)および、時間が経過するにつれて、ほんのかすかに視認可能となる(図3B)。メッセージ出現時間間隔MAT(図1)の始めである時刻tmでは、証印42および酸化還元染料22の間のコントラストは識別可能であることができ、およびメッセージ証印42が出現し始める(図3C)。色遷移時間間隔の終了間際である時刻tCでは、証印は明確に識別可能になる(図3D)。最後に、酸化還元染料が最終知覚色c2を示す時刻t2では、証印の描画は完全に視認可能である(図3E)。
【0058】
2つ以上のメッセージ証印が時間指示器具10において用いられ得る。各メッセージ証印は、色コントラスト範囲およびメッセージ出現時間に基づいて、視認者にとって不明瞭であるかまたは識別可能であるかのいずれかである、予め定められた色が付与される。
【0059】
図4Aから4Fは、本発明の時間指示器具10についての種々の使用法を示す。
【0060】
図4A〜4Dを参照すると、本発明に基づく時間指示器具10が共に用いられ得る、時間に敏感な製品または物品のための種々のコンテナが示されている。コンテナは、内部に時間に敏感な製品または物品が配置される、支持的なおよび/または保護的な筐体(すなわち、パッケージ)を提供する。
【0061】
製品または物品は、新鮮さ、効力および/または安全性が、限定的な持続時間または固有の、至適、寿命を有するいかなる品でもあることができる。このような製品の例示的な(包括的ではないが)リストとしては、加工食品(例えば、ベビーフード、図4A)、生鮮食品(例えば、オレンジジュース、図4B)、食肉製品(図4C)、または医療用機器(例えば、コンタクトレンズ、図4D)が挙げられるであろう。時間指示器具10が実用性を見出す無数の他の製品および物品のうち、薬、殺虫剤、殺菌剤、冷媒ガス、化粧品、バッテリー、油、薬品、血液成分、または写真フィルムのためのコンテナまたはパッケージングが包含される。
【0062】
コンテナは、いずれかの簡便な方策で構成され、および列挙した物品のいずれかを収容するために簡便ないずれかのサイズおよび形状を示し得る。
【0063】
本発明に基づく時間経過指示器具10はコンテナに付けられる。この明細書および特許請求の範囲の全体で用いられるとおり、「付ける」とは、器具10が、レセプタクル12内の酸化還元染料が表されていると共に、視認者によって視認可能であるよう、コンテナ上または中のいずれかの簡便な位置に位置されることを意味する。
【0064】
時間指示器具10は、コンテナの外部(図4A、4Bおよび4D)または、コンテナの内部内(図4C)の一方に付けられ得る。コンテナの外部に付けられた場合には、時間指示器具10の酸素不透過性ジャケット30のタブ40が用いられ得る。器具10は、タブ40を除去して上方酸素−透過性フィルム16の一部を酸素に露出させて、図1に図示される時間依存変色プロセスを開始させる(すなわち、タブ40の除去がt0を設定する)ことにより、使用者によって機能開始される。
【0065】
図4Eおよび4Fは、本発明に基づく時間指示器具10の、セキュリティバッジまたは点検タグなどの点検環境における使用を例示する。時間指示器具10のための点検用途としては、通知(例えば、自動車または炉におけるフィルタの交換のためまたはポンプまたは他の器具における潤滑剤の交換のため)およびビジターパスが挙げられる。図4Eは、初期の発行された状態でのバッジを例示する。図4Fは、酸化還元染料がその最終知覚色に達したときのバッジの状態を示す。図4Fに示されるとおり、単語「失効」によって図示される、メッセージ証印42も使用され得る。
【0066】
図5は、本発明の他の態様に基づく、時間指示器具10の生産プロセスを図示する様式的な概略図である。紙基材24がレセプタクル12内に配置された、時間指示器具10の実施形態の生産を、先ず検討する。
【0067】
基材24の供給ストリップ102が供給コンベヤ104上をローディングステーション108に向かって方向106に搬送される。ローディングステーション108は、主処理コンベヤ110の隣に位置されている。各基材24は、付着された、予め定められた計量された量の酸化型の酸化還元染料22を含有する。メッセージ証印42が基材24上にプリントされている。酸化された酸化還元染料22の付着およびメッセージ証印42のプリントは、供給コンベヤ104に隣接する予備的な生産ラインまたは他の場所でなされればよい。
【0068】
主処理コンベヤ110は、ローディングステーション108を通過して方向112に移動する。酸素不透過性ジャケットの下方フォイルシース34を形成する金属フォイルストリップおよび下方高分子フィルム18が、(前者の上に後者が置かれて)主処理コンベヤ110によって運搬される。
【0069】
基材ローディングステーション108では、個別の紙基材24が供給ストリップ102からカッター114によって切り離されると共に、主処理コンベヤ110上の下方高分子フィルム18上に順番に付着される。この動作は、参照矢印116によって図示される。紙基材24は、それらの間に規定された、予め定められた間隔距離118でフィルム18上に置かれる。
【0070】
基材24は、無酸素雰囲気を内包する筐体122に搬送される。いかなる不活性雰囲気を用いてもよいが、窒素雰囲気が好ましい。筐体122内のディスペンサステーション124では、予め定められた計量された量の還元剤が各基材24上に付着される。還元剤がアルカリ性媒体内に保有されていることが重要である。hydroを単独で、染色された基材またはアルカリ性化合物を含有する染色された基材に添加しても、酸化還元染料の還元型への完全な転換はもたらされないことが見出されている。
【0071】
基材24上に分取される還元剤の量は、基材24上の酸化還元染料の酸化型を予め定められた量の還元型に現場で転換することが可能である量である。前述のとおり、酸化還元染料の還元型の予め定められた量は、基材の色遷移時間間隔が厳密に制御されることが可能であるようレセプタクルへの酸素透過度12(図2A)に従って決定される。
【0072】
ディスペンサステーション124の下流の筐体122内の地点128では、上方フィルム16が下方フィルム18上に置かれる。次いで、上方および下方フィルム16、18が、それらのマージン20に沿って、符号130によって図示される熱シーラーによって一緒に封止され、これにより、封止済レセプタクル12が形成される。前述の考察から理解され得るように、上述の態様で形成された封止済レセプタクル12は、予め定められた計量された量の酸化還元染料の酸化型をアルカリ性媒体中の有効量の還元剤と共に一緒に有する。レセプタクル内の還元剤の量は、酸化還元染料の酸化型を予め定められた量の還元型に現場(すなわち、レセプタクル12内で)転換することができる量である。酸化還元染料の還元型の色遷移時間が厳密に制御されることが可能であるよう、酸化還元染料の還元型の予め定められた量はレセプタクルへの酸素透過度に従って決定される。
【0073】
酸化還元染料の還元型への転換を加速するために、レセプタクル12は、筐体122内の加熱ゾーン132で加熱されることができる。加熱ゾーン内の温度は、摂氏六十度(60℃)未満であり得る。
【0074】
未だ筐体122内ではあるが、加熱ゾーン132を過ぎた後、ジャケット30の上方シース32が下方シース34上に重ねられる。これは符号136によって示されている。上方シース32および下方シース34の相互に接合接触する縁部の間の酸素不透過性封止36はシーラー140によって形成されている。
【0075】
仕上がった時間指示器具のストリップが巻き取りリール142によって回収される。
【0076】
代わりに、符号146で示唆されているように、証印42は下方フィルム18上に直接的にプリントされていてもよい。この場合には、供給コンベヤ104が基材24を主処理ラインに供給する必要性が無くなる。
【0077】
酸化還元染料の酸化型およびアルカリ性媒体中の有効量の還元剤を封止済レセプタクル内に付着させると、還元型への染料の転換が現場(すなわち、封止済レセプタクル内)で生じることができる。従って、本発明に基づく時間指示器具10は、高速で、高処理量生産プロセスで、生産されることができる。このような生産プロセスに対する被適用性は時間指示器具のコストを軽減し得る。
【実施例】
【0078】
以下の実施例において、時間指示器具用のレセプタクルが、高酸素バリア性プラスチックフィルム(例えば、PVDC−被覆PETフィルムまたは熱封止性PETフィルム)またはポリプロピレンフィルムを用いて形成される。染料(Cibanon Yellow GC PST(00943HF4)染料)を、ノースカロライナ州ハイポイント(High Point,North Carolina)のCiba Specialty Chemicalsから得た。実施例で用いた染料の量、NaOHおよびヒドロ亜硫酸ナトリウム(「hydro」)の量が以下に示されている。
【0079】
「経過時間」(ET)、「色遷移時間」(CTT)、「遅延時間」(DT)および「メッセージ出現時間」(MAT)についての時間間隔は、図1に関連して定義されているとおりであり、および以下に開示されている。
【0080】
時間指示器具を調製するための基本手順
本明細書上記に記載の本発明に基づく時間指示器具を、実施例において用いるために以下のとおり調製した。
所望のサイズ(例えば、1.5インチ×3.0インチ(3.8cm×7.6cm)または1インチ×1インチ(2.5cm×2.5cm))のレセプタクルを、2片のフィルムを互いに重ねて置きおよび底縁および一側縁を二重熱封止することにより調製した。
【0081】
フィルタ紙基材を、例えば、0.375インチ(1cm)のディスクまたは1インチ(2.5cm)の正方形の、所望のサイズに切り取った。
【0082】
予め定められた量の染料溶液をフィルタ紙基材上にピペットで取り、および空気乾燥させた。
【0083】
乾燥したフィルタ紙基材をレセプタクルに挿入し、およびさらなる縁を二重熱封止した。
【0084】
ヒドロ亜硫酸ナトリウム(「hydro」)の水性NaOH中の溶液を不活性雰囲気下に調製しpHが11より大きい溶液を得た。
【0085】
窒素パージ下に、予め定められた量のhydro/水性NaOH溶液をレセプタクルに添加し、レセプタクルをクランプで締め付けることにより過剰な窒素を除去し、およびレセプタクルの最後の縁を二重熱封止した。
【0086】
以下の実施例において他に記載のない限りにおいて、記載の比は重量比である。これらの実施例において用いたCibanon Yellow GC PST(00943HF4)染料は、酸化型においては黄色でありおよび還元型においては青または赤−オレンジである。封止済レセプタクル中において、hydroおよび水性NaOHの存在下に、染色されたフィルタ紙基材は、黄色から、無酸素時に青または赤−オレンジに、変化する。この転換は、レセプタクルを60℃未満の温度に簡単に加熱することにより、加速させることができる。還元染料が元の(黄色)色に戻るまでの経過時間は、NaOH、染料およびhydro、および高分子フィルムレセプタクルの酸素透過度(OTR)の相対量に依存する。これらの可変要素を操作することにより、数時間〜2カ月以上の範囲内で制御された態様で、色変化のための経過時間を異ならせられる。
【0087】
レセプタクルに進入する酸素の量が酸素透過度およびレセプタクルの総表面積の両方に応じて変化することとなるため、酸化還元染料および還元剤の量は、二平方インチ(2インチ2;5.08cm2)未満の、または九平方インチ(9インチ2;22.8cm2)を超えるレセプタクルについて調製される必要があり得る。
【0088】
A.経過時間への染料/hydro比の効果
上記の基本手順に従い、1インチ×1インチ(2.54cm×2.54cm)フィルタ紙基材を、表1に示した重量の染料を用いて染色し、および二軸延伸ポリプロピレンフィルムから形成されたレセプタクルに配置した。NaOH対hydroを選択された比で含む水溶液を添加し、およびレセプタクルを封止した。レセプタクルは、およそ1.05in×1.05in(2.67cm×2.67cm)の大きさであった。レセプタクルを熱封止し、ならびに23℃および55%相対湿度(「RH」)で保持した。各実施例についての経過時間が表1に示されている。
【0089】
表1−経過時間への染料対Hydro比の効果

【0090】
実施例1〜3は、hydro/染料比の増加は経過時間を長期化させることを実証する。
【0091】
B.経過時間への温度およびhydro対NaOH比の効果
表2に示した量の染料、NaOHおよびhydroを用いて、上記の基本手順に従い時間指示器具を形成した。一面がPVDCで被覆されたPETの1つのフィルム、および熱封止性PETバリア性フィルムの1つのフィルムからレセプタクルを形成した(PVDCコーティングがレセプタクル内の内部容積に対向する。)。レセプタクルを熱封止し、ならびに10℃、22℃、および30℃の温度、50−55%RHで評価した。
【0092】
表2−ETへのHydro/NaOHおよび温度の効果

【0093】
これらの実施例4〜6は、経過時間がHydro/NaOH比から基本的に独立していることおよび温度の上昇は経過時間を短期化させることを実証する。
【0094】
C.経過時間へのhydroの効果
表3に示した量の染料、hydro、およびHydro/NaOH比を用いて、上記の基本手順に従い時間指示器具を形成した。両面がPVDCで被覆されたPETのフィルムからレセプタクルを形成した。レセプタクルを熱封止し、ならびに22℃および50%RHで保持した。各実施例についての経過時間が表3に示されている。
【0095】
表3−経過時間へのhydroの効果

【0096】
これらの実施例7〜11は、hydroの量の増加は経過時間を長期化させることを実証する。
【0097】
D.色遷移時間および経過時間への染料の量の効果
表4に示した量の染料、NaOHおよびhydroを用いて、上記の基本手順に従い時間指示器具を形成した。二軸延伸ポリプロピレンのフィルムからレセプタクルを形成した。レセプタクルを熱封止し、ならびに23℃および55%RHで保持した。初期知覚色は赤−オレンジであり、最終知覚色は黄色であった。各実施例についての経過時間が表4に示されている。
【0098】
表4−ETおよびCTTへの染料の量の効果

【0099】
経過時間は、すべての4つの実施例について同程度(85.5〜86.3時間)であったが、染料の重量が0.05mgから10mgに増加された場合、色遷移時間は二倍近くまでのびた。これらの結果は、色遷移時間は、経過時間と独立に制御されることができることを実証する。
【0100】
これらの実施例12〜15はまた、レセプタクル中に存在する還元された酸化還元染料の量に従って色遷移時間は制御されることを実証する。レセプタクル中の還元染料の量を減らすと色遷移時間の短期化をもたらす。
【0101】
E.色遷移時間およびメッセージアクセス時間へのhydroの効果
0.025mgの染料、Hydro/NaOH比=4、および表5に示した量のNaOHを用いて上記の基本手順に従い時間指示器具を形成した。一面がPVDCで被覆されたPETの2つのフィルムからレセプタクルを形成した(PVDCコーティングは、レセプタクル内の内部容積に対向した)。レセプタクルを熱封止し、ならびに22℃および50%RHで保持した。各実施例についての色遷移時間(CTT)およびメッセージ出現時間(MAT)が表5に示されている。
【0102】
表5−CTTおよびMATへのhydroの効果

【0103】
これらの実施例16〜18は、hydroを増加させると、色遷移時間、メッセージ出現時間および経過時間のすべてが増加することを実証する。
【0104】
これらの実施例16〜18はまた、還元剤および脱酸素剤の両方として機能するhydroの量を増加させると、遅延時間が長期化することを実証する。
【0105】
F.ポリプロピレンフィルムを用いる指示器具パッケージの実施例
0.1mgの染料、および表6に示した量のhydroおよびHydro/NaOH比を用いて上記の基本手順に従い時間指示器具を形成した。ノバスコシア州ノースシドニー(North Sydney,Nova Scotia)のCopol International LtdからCP−301 UO PP フィルムとして市販されている、非延伸ポリプロピレンの2つのフィルムからレセプタクルを形成した。レセプタクルを熱封止し、ならびに23℃および55%RHで保持した。各実施例についての色遷移時間およびメッセージ出現時間が表6に示されている。
【0106】
表6−ポリプロピレンフィルムを用いる指示器具パッケージについてのCTTおよびMAT

【0107】
これらの実施例19〜21は、レセプタクルに非延伸ポリプロピレンフィルムを利用しており、および比較的短いCTT、MATおよびETを結果としてもたらした。
【0108】
これらの実施例19〜21はまた、還元剤および脱酸素剤の両方として機能するhydroの量を増加させると、遅延時間が長期化することを実証する。
【0109】
G.活性化エネルギーへのフィルムタイプおよび組成物の効果
上記の基本手順に従い、ディスクまたは正方形形状のフィルタ紙基材を、各実施例について表7に列挙した重量で染色し、および表7に列挙したバリア性フィルムを用いて形成したレセプタクルに配置した。ポリプロピレンの2つのフィルムから形成されたレセプタクルが「PP/PP」と称される。一面がPVDCで被覆されたPETの1つのフィルム、および熱封止性PETバリア性フィルムの1つのフィルムから形成されたレセプタクルが「PET−PVDC/HS−PET」と称される。
【0110】
各レセプタクルはおよそ1.05インチ×1.05インチ(2.7cm×2.7cm)の大きさであった。各実施例についてのhydroおよびNaOHを含有する水溶液(0.1ml)を、窒素雰囲気下で、ピペットでレセプタクルに取った。次いで、レセプタクルを熱封止し、ならびに23℃および55%RHで保持した。各実施例についての経過時間および活性化エネルギーが表7に示されている。
【0111】
本明細書中上記に記載の本発明の教示による利益を有する当業者は、数多くの改変をこれになし得る。このような改変は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の思想の範囲内にあると解釈される。
【0112】
表7−ETへの活性化エネルギーの効果

【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の時間指示器具において用いられる酸化還元染料材料の時間依存性色特性のグラフ表示である。
【図2A】図2Aは、本発明に基づく時間指示器具の高度に様式的な側断面図である。
【図2B】図2Bは、図示の明確さのために、外側酸素不透過性ジャケットおよびレセプタクルを形成する1つのフィルムの一部分を切り抜いた、図2Aに示した時間指示器具の高度に様式的な平面図である。
【図3A】図3Aは、色遷移時間間隔内に定義された種々の時刻での、本発明に基づく器具において用いられるメッセージ証印の運用を図示する様式的な視認図である。
【図3B】図3Bは、色遷移時間間隔内に定義された種々の時刻での、本発明に基づく器具において用いられるメッセージ証印の運用を図示する様式的な視認図である。
【図3C】図3Cは、色遷移時間間隔内に定義された種々の時刻での、本発明に基づく器具において用いられるメッセージ証印の運用を図示する様式的な視認図である。
【図3D】図3Dは、色遷移時間間隔内に定義された種々の時刻での、本発明に基づく器具において用いられるメッセージ証印の運用を図示する様式的な視認図である。
【図3E】図3Eは、色遷移時間間隔内に定義された種々の時刻での、本発明に基づく器具において用いられるメッセージ証印の運用を図示する様式的な視認図である。
【図4A】図4Aは、本発明に基づく器具が用いられ得る種々の環境を図示する様式的な視認図である。
【図4B】図4Bは、本発明に基づく器具が用いられ得る種々の環境を図示する様式的な視認図である。
【図4C】図4Cは、本発明に基づく器具が用いられ得る種々の環境を図示する様式的な視認図である。
【図4D】図4Dは、本発明に基づく器具が用いられ得る種々の環境を図示する様式的な視認図である。
【図4E】図4Eは、本発明に基づく器具が用いられ得る種々の環境を図示する様式的な視認図である。
【図4F】図4Fは、本発明に基づく器具が用いられ得る種々の環境を図示する様式的な視認図である。
【図5】図5は、本発明に基づく時間指示器具の生産の様式的な概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部容積を内包し、予め定められた総表面積を有し、およびレセプタクルの少なくとも一部が透明である封止済レセプタクルと、前記内部容積内に配置された予め定められた量の還元された酸化還元染料とを含み、前記還元された酸化還元染料が前記レセプタクルの外部から視認可能であり、前記酸化還元染料が、その還元型において、酸素と反応するにつれその色相が変化し、色遷移時間間隔にわたって初期知覚色から最終知覚色へ変遷する特性を有する器具であって、
前記レセプタクルが、0.1cc−mil/100インチ2−1日−1気圧〜350cc−mil/100インチ2−1日−1気圧の範囲の酸素透過度で酸素が前記レセプタクルの内部容積に進入可能であるよう構成された1つまたは複数の材料から作製されており、
前記材料が、好ましくは12μm〜125μmの範囲の厚さを有すると共に、好ましくはポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの2つ以上の組み合わせであり、
前記レセプタクルが、予め定められた量の使用済還元剤をその中に含み、前記使用済還元剤は、前記レセプタクルの封止前にその中に導入された、アルカリ性媒体中の有効量の還元剤の存在下での、酸化還元染料の酸化型の還元型への現場での転換から生成されており、
前記レセプタクルが、任意によりその内部に配置された基材または保水材料を含んでもよく、前記酸化還元染料が前記基材中または前記基材上に配置されており、
前記基材は、ポリエステル、ニトロセルロースレーヨン繊維、ナイロン繊維、ゲル、紙、クレイ、ゼオライト、処理ガラス、皮革、織布、毛管現象により液体を吸込むいずれかの材料、またはこれらの2つ以上の組み合わせを包含し、
前記保水材料は、グリセロール、水−グリセロール混合物、PEG、寒天−水混合物を包含し、
前記レセプタクルへの導入時においては、実質的にすべての前記酸化還元染料が酸化型であり、および
前記現場での転換後に前記レセプタクル中に存在する前記酸化還元染料の還元型の量が、前記酸化還元染料の還元型の色遷移時間が厳密に制御されることが可能であるよう、前記レセプタクルへの酸素透過度および前記レセプタクルの総表面積に従って決定される器具。
【請求項2】
前記レセプタクルが、紙、ゲル、またはこれらの組み合わせを包含する吸着媒である基材を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記レセプタクルが、前記レセプタクル内に配置されたグリセロールである保水材料を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項4】
前記レセプタクルを形成する材料のうちの一つの上または前記基材上に配置されたメッセージ証印をさらに含み、
前記メッセージ証印は、前記初期知覚色を含む色コントラスト範囲外である酸化還元染料の色相によって不明瞭とされる一方で、前記最終知覚色を含む色コントラスト範囲内である酸化還元染料の色相に対して識別可能なコントラストを有する色が付与され、
前記証印は、任意により、前記基材上に水不溶性インクでプリントされており、および
前記メッセージ証印の色と前記色コントラスト範囲内の前記酸化還元染料の色相との間の前記コントラストによって、予め定められたメッセージアクセスのために、前記メッセージ証印は前記レセプタクルの外部から視認可能になる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の器具。
【請求項5】
酸素不透過性材料を含む、またはそれから作製されるジャケットをさらに含み、前記材料の開裂が前記器具の機能を開始させ、および前記酸素不透過性材料が好ましくは金属化ポリマーフィルムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の器具。
【請求項6】
アルカリ性媒体中の前記還元剤がヒドロ亜硫酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムの溶液を含み、アルカリ性溶液中の前記還元剤は、好ましくはフィルムまたは脆性材料中に封入されており、および前記溶液は、任意により、水、グリセロール、または両方を含みかつ好ましくは水溶液である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
水酸化ナトリウムに対するヒドロ亜硫酸ナトリウムの比が1〜8または1〜4の範囲であり、前記比は前記初期知覚色の色相を決定する、請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記酸化還元染料に対するアルカリ性媒体中の前記還元剤の比が16〜10,000の範囲であり、および封止する前の前記レセプタクルに導入される前記還元剤の有効量は、実質的に(1)前記酸化還元染料の酸化型のすべてをその還元型に転換するために必要な量にのみ等しい、または(2)前記酸化還元染料の酸化型の予め定められた分量が封止済レセプタクル中に存在するよう、前記酸化還元染料の酸化型のすべてをその還元型に転換するために必要な量未満である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
前記レセプタクル内に配置された有効量の脱酸素材料をさらに含み、
前記脱酸素材料は、前記酸化還元染料よりも速く酸素と反応することが可能であり、任意により、紫外光により活性化可能であり、
前記レセプタクル内の前記脱酸素材料の量は、前記色遷移時間の開始前に予め定められた遅延時間が定義されるよう、前記レセプタクルへの酸素透過度および前記レセプタクルの総表面積に従って決定され、および
前記脱酸素材料の量の程度によって前記遅延時間の継続期間が調整的に選択可能である、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
コンテナ内に配置された時間に敏感な物品についての有効寿命時間の表示方法または点検バッジについての有効な時間の表示方法であって、
(a)器具を前記コンテナまたは前記点検バッジの、視認者に視認可能な位置に付ける工程であって、前記器具自体が請求項1〜9のいずれか一項に記載のものである工程、
(b)前記知覚最終色を検出するために前記レセプタクル中の前記酸化還元染料を監視する工程、および任意により
(c)前記酸化還元染料が前記最終知覚色へ遷移された場合、前記物品を廃棄する工程
を含む方法。
【請求項11】
器具の製造方法であって、
(a)封止時に予め定められた総表面積を有するレセプタクルの内部容積内に、予め定められた計量された量の酸化還元染料の酸化型を配置する工程であって、前記レセプタクルが、0.1cc−mil/100インチ2−1日−1気圧〜350cc−mil/100インチ2−1日−1気圧の範囲の酸素透過度で酸素が前記レセプタクルの内部容積に進入可能であるように1つまたは複数の材料から作製されており、
前記材料が好ましくはポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの2つ以上の組み合わせであり、前記材料は、任意により、12μm〜125μmの範囲の厚さを有し、
前記酸化還元染料が、その還元型において、酸素と反応するにつれその色相が変化し、色遷移時間間隔にわたって初期知覚色から最終知覚色へ変遷する特性を有し、
任意により基材上または基材中に前記酸化還元染料を配置する工程およびこれに続く、前記基材を前記レセプタクル内に配置する工程、
任意により、請求項4に記載のメッセージ証印を、前記材料のうちの一つまたは前記基材の中またはその上に配置する工程、
(b)アルカリ性媒体中の有効量の還元剤を前記レセプタクルに導入する工程であって、前記還元剤の量が、前記酸化還元染料の酸化型を予め定められた量の還元型に現場で転換することが可能である量であり、
前記酸化還元染料の還元型の予め定められた量が、前記酸化還元染料の還元型の色遷移時間が厳密に制御されることが可能であるよう、前記レセプタクルへの酸素透過度および前記レセプタクルの総表面積に従って決定され、
前記初期知覚色を含む色コントラスト範囲外である前記酸化還元染料の色相によって不明瞭とされる一方で、前記最終知覚色を含む色コントラスト範囲内である前記酸化還元染料の色相に対して識別可能なコントラストを有する色が付与され、
前記メッセージ証印の色と前記色コントラスト範囲内の前記酸化還元染料の色相との間のコントラストによって、予め定められたメッセージアクセス時間の間、前記メッセージ証印が前記レセプタクルの外部から視認可能になる工程、
(c)前記レセプタクルを封止して前記器具を作製する工程、
(d)任意により、前記器具を60℃未満の温度で硬化する工程、
および
(e)任意により、前記器具を、酸素不透過性材料を含むまたはそれから作製される酸素不透過性材料から形成されるジャケット中に内包させる工程であって、前記材料の開裂が方法を開始させる工程
を含む方法。
【請求項12】
前記レセプタクルを形成する材料のうちの一つの上または前記基材上に前記メッセージ証印を配置する工程、および前記基材上または前記基材中に前記酸化還元染料を配置する工程、およびこれに続く、前記基材を前記レセプタクル内に配置する工程を含み、前記基材が、任意により紙またはゲルまたは両方を含む固体または半固体吸着媒である方法であって、前記方法は、任意により、前記レセプタクルを封止する前に、前記基材上に前記メッセージ証印を配置する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基材が紙またはゲルまたは両方を含み、前記メッセージが、任意により、前記基材上に水不溶性インクでプリントされている、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記器具が、前記レセプタクル内に配置された保水材料をさらに含み、前記保水材料は、任意によりグリセロールを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ジャケット中に前記器具を内包する工程をさらに含み、前記酸素不透過性材料が、任意により金属化ポリマーフィルムを含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
アルカリ性媒体中の前記還元剤がヒドロ亜硫酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムの溶液を含み、アルカリ性溶液中の前記還元剤は、好ましくはフィルムまたは脆性材料中に封入されており、水酸化ナトリウムに対するヒドロ亜硫酸ナトリウムの比が1〜8または1〜4の範囲であり、および前記比は初期知覚色の色相を決定し、前記溶液は好ましくは水溶液であり、および前記溶液は、任意により、水、グリセロール、または両方を含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
酸化還元染料に対するアルカリ性媒体中の還元剤の比が、16〜10,000の範囲である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レセプタクルを封止する前に、前記レセプタクルに還元剤を導入する工程、または有効量の脱酸素材料を前記レセプタクル内に配置する工程をさらに含み、前記還元剤が、実質的に、前記酸化還元染料の酸化型のすべてをその還元型に転換するために必要な量に等しく、または前記酸化還元染料の酸化型のすべてをその還元型に転換するために必要な量を超える量であり、または前記酸化還元染料の酸化型の予め定められた分量が封止済レセプタクル中に存在するよう前記酸化還元染料の酸化型のすべてをその還元型に転換するために必要な量未満であり、前記脱酸素材料が請求項4に記載のものである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
時間の経過を指示する器具を含む、時間に敏感な物品のためのコンテナであって、
前記コンテナが、前記時間に敏感な物品が受容される筐体を画定し、
前記器具が前記コンテナに付けられており、視認者に視認可能であり、そして請求項1〜9のいずれか一項に記載のものであるコンテナ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−522163(P2008−522163A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543531(P2007−543531)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/042768
【国際公開番号】WO2006/058228
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】