景品払出装置
【課題】カセットに間違った景品が収納されることを防止できる景品払出装置を提供すること。
【解決手段】この景品払出装置1では、読取部50が、キャビネット3に装填されたカセット4に収納された景品2から、この景品2の種類を特定する種類情報を読み取るので、カセット4に収納された景品2の種類を把握することができる。その結果、カセット4に間違った景品2が収納されることを防止できる。景品2の種類情報は、景品2の色であってもよいし、景品2に内蔵されたICチップに記録されたものであってもよい。
【解決手段】この景品払出装置1では、読取部50が、キャビネット3に装填されたカセット4に収納された景品2から、この景品2の種類を特定する種類情報を読み取るので、カセット4に収納された景品2の種類を把握することができる。その結果、カセット4に間違った景品2が収納されることを防止できる。景品2の種類情報は、景品2の色であってもよいし、景品2に内蔵されたICチップに記録されたものであってもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技施設では、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の個数に応じて遊技客に景品を払い出すための景品払出装置が設置されている(下記特許文献1参照)。
特許文献1の景品払出装置には、複数の景品を収納する複数のカセットが、景品払出装置に対して交換可能に装填されており、必要な枚数の景品が各カセットから繰り出されて遊技客に払い出される。
【0003】
そして、各カセットには、決まった種類の景品が収納されており、各カセットは、景品払出装置において、各カセットに対して予め定められた位置に装填される。
特許文献1の景品払出装置では、カセットが、景品払出装置において、予め定められた位置とは違う位置に装填されること防止するために、景品払出装置側に、誤挿入防止ピンが設けられ、カセット側に誤挿入防止ピン挿入口が設けられている。
【0004】
これにより、カセットが、景品払出装置において、予め定められた位置に装填されようとすると、誤挿入防止ピン挿入口に誤挿入防止ピンが挿入されて、カセットは、問題なく景品払出装置に完全に装填される。しかし、カセットが、景品払出装置において、予め定められた位置とは違う位置に装填されようとすると、装填途中において、誤挿入防止ピンが誤挿入防止ピン挿入口に挿入されずにカセットにぶつかるので、カセットは、景品払出装置に完全に装填されない。この結果、カセットの誤挿入(誤装填)を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−275490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の景品払出装置では、カセットに間違った景品が収納されても、このカセットは、予め定められた位置に装填されるのであれば、そのまま景品払出装置に完全に装填されてしまう。これにより、このカセットから、間違って収納された景品が、本来の価値とは異なる価値を有する景品として、間違えて払い出されてしまう。
ここで、景品が間違えて払い出されると、次の問題点が生じる。まず、間違った景品を客がそのまま持ち帰ってしまうと、店または客が損害を被る。また、店員が間違いに気付いて、払い出した(間違った)景品を正しい景品に交換すると、手間がかかるうえ、客に不信感を抱かせる。そして、カセット内の残りの間違えた景品を正しい景品に入れ替えなければならないが、遊技店では、通常、景品の補充作業を行う店員(管理者)と、景品交換作業を行う店員とが異なることが多いので、管理者を呼んで景品を詰め替えるには時間がかかり、その間、景品交換作業を停止しなくてはならない。
【0007】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、カセットに間違った景品が収納されることを防止できる景品払出装置を提供することを主たる目的とする。
この発明は、また、カセット装填に係る使い勝手の向上を図ることができる景品払出装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、装置本体と、景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、を含むことを特徴とする、景品払出装置である。
【0009】
請求項2記載の発明は、各景品には、その景品の種類を表す色がつけられており、前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品の色を前記種類情報として読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置である。
請求項3記載の発明は、各景品には、その景品の種類を表す種類情報が記録されたICチップが内蔵されており、前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品内のICチップの前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置である。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記カセットは、複数枚の景品を積層状態で収納可能であり、前記読取手段は、前記カセットに積層状態で収納された景品の積層方向において移動しながら、前記カセットに収納されたすべての景品の前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置である。
請求項5記載の発明は、前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、各前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納されるべき景品の種類情報を、前記受入部毎に設定登録する設定登録手段と、各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報と、前記設定登録手段が当該受入部について設定登録していた種類情報とが一致しない場合に、その旨を報知する報知手段と、を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置である。
【0011】
請求項6記載の発明は、装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、装置本体と、景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する設定登録手段と、を含むことを特徴とする、景品払出装置である。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記設定登録手段は、各前記受入部において、前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納される景品の種類情報の条件を予め定めており、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たす場合に、前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録するものであり、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たさない場合に、その旨を報知する報知手段を含むことを特徴とする、請求項6記載の景品払出装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、この景品払出装置では、読取手段が、装置本体に装填されたカセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取るので、カセットに収納された景品の種類を把握することができる。
その結果、カセットに間違った景品が収納されることを防止できる。
ここで、景品の種類情報は、請求項2記載の発明のように、景品の色であってもよいし、請求項3記載の発明のように、景品に内蔵されたICチップに記録されたものであってもよい。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、読取手段が、カセットに積層状態で収納された景品の積層方向において移動しながら、カセットに収納されたすべての景品の種類情報を読み取るので、景品払出装置では、カセットに収納されたすべての景品の種類を把握することができる。
請求項5記載の発明によれば、この景品払出装置では、装置本体に装填されるカセットを受け入れる受入部が、カセットと同様に、複数設けられており、設定登録手段が、各受入部に受け入れられるカセットに収納されるべき景品の種類情報を、受入部毎に設定登録する。
【0015】
そして、各受入部において、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報と、設定登録手段が当該受入部について設定登録していた種類情報とが一致しない場合に、報知手段が、その旨を報知するので、間違った景品が収納されたカセットが受入部に受け入れられたまま放置されることを防止できる。
請求項6記載の発明によれば、この景品払出装置では、読取手段が、装置本体に装填されたカセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取るので、カセットに収納された景品の種類を把握することができる。
【0016】
その結果、カセットに間違った景品が収納されることを防止できる。
そして、この景品払出装置では、装置本体に装填されるカセットを受け入れる受入部が、カセットと同様に、複数設けられている。
ここで、設定登録手段が、各受入部において、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する。
【0017】
これにより、カセットを受入部に受入れさせる(装填する)のに先立って、どの種類の景品が収納されたカセットをどの受入部に受け入れさせるべきかについて注意を払わずに済むので、カセット装填に係る使い勝手の向上を図ることができる。
また、景品払出装置では、どの種類の景品がどの受入部に収納されたかを把握することができ、その把握した内容に基づいて、必要な種類の景品を必要な枚数分払い出すことができる。
【0018】
請求項7記載の発明によれば、設定登録手段は、各受入部において、受入部に受け入れられるカセットに収納される景品の種類情報の条件を予め定めている。
そして、設定登録手段は、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たす場合に、読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する。
ここで、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たさない場合に、報知手段が、その旨を報知するので、ユーザに対して、前記条件を満たすようにカセットを装填し直すように促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】景品払出装置1を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【図2】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の斜視図である。
【図3】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の分解斜視図である。
【図4】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある下ユニット20の斜視図である。
【図5】カセット4を斜め上側から見た斜視図であって、(a)は、景品2が1枚も収納されていない状態を示し、(b)は、複数枚の景品2が収納された状態を示している。
【図6】景品払出装置1の模式的な側断面図である。
【図7】(a)は、1つの読取部50を右上側から見た斜視図であり、(b)は、装填されたカセット4とこのカセット4に対応する読取部50とを右上側から見た斜視図であり、(c)は、(b)において、カセット4の内部を露出させた図である。
【図8】景品払出装置1における制御回路構成ブロック図であって、読取部50による景品2の色読取りに関連する部分を示したものである。
【図9】景品払出装置1のキャビネット3内におけるすべての景品払出ユニット5、カセットホルダ23およびカセット4の、上方から見た場合におけるレイアウトを模式的に示した図である。
【図10】検査処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】第2表示部7Bの表示内容を示している。
【図12】確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】変形例に係る確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】変形例に係る景品払出装置1の右側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。なお、以下では、左右方向と幅方向とは同じであり、上下方向と垂直方向とは同じである。そして、前後方向および左右方向(幅方向)は、水平方向に含まれている。
<景品払出装置の概要>
図1は、景品払出装置1を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【0021】
図1に示す景品払出装置1は、たとえば、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。
図1を参照して、景品払出装置1から景品の払い出しを受ける客は、景品払出装置1の後側(図1における奥側)に位置し、従業員は、景品払出装置1の前側に位置して接客を行う。
【0022】
ここで、景品払出装置1で取り扱われる景品(後述する図5(b)の符号2を参照)は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品2は、一般的に、1〜3mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品2には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、100円、500円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた4つの種類が存在する。また、景品2には、その種類を識別するために、種類を示す情報が表面に目視可能に印字されていたり、RFIDタグ等が内蔵されていたりする。また、景品には、偽造等の不正を防止するための処理が施されていることもある。さらに、景品の表面が、種類毎に色分けされていることもある。
【0023】
景品払出装置1は、その外郭をなす略直方体形状の装置本体としてのキャビネット3と、キャビネット3に収容される複数(この例では、4つ)の景品払出ユニット5(後述する図2参照)とを備えている。各景品払出ユニット5には、複数のカセット4(後述する図5参照)が交換可能に収納される。各カセット4には、複数の景品2が上下に積み重ねられた状態で収納される。
【0024】
複数の景品払出ユニット5は、幅方向に並んだ状態でキャビネット3内に収容される。各景品払出ユニット5内には、横方向2列に4個ずつ、合計で8個のカセット4が配置されている。従って、キャビネット3内には、横方向8列に4個ずつカセット4が配置される。横方向に並ぶ第1列〜第8列までの8つの列を、左から順に第1レーン〜第8レーンと呼ぶ。このような景品払出装置1では、全体で、多種類の景品2を多量に収納することができ、そして、多種類の景品2を一度に払い出すことができる。
【0025】
キャビネット3の前壁において、各景品払出ユニット5と幅方向において一致する各部分は、扉6を構成している。つまり、扉6は、景品払出ユニット5と同様、4つ設けられている。扉6を開くことで、対応する景品払出ユニット5をキャビネット3から引き出すことができる。
キャビネット3の上面には、報知手段としての表示部7が設けられている。表示部7は、客用の第1表示部7Aと、従業員用の第2表示部7Bとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、表示部7は、いわゆるタッチパネルになっており、表示部7には、景品払出装置1の動作を制御するために操作される操作部(図示せず)が表示される。
【0026】
キャビネット3の上面における表示部7より後側において、各景品払出ユニット5の上方位置には、上記第1レーン〜第8レーンに対応して、8個の払出口8が形成されている。8つの払出口8は、幅方向に並んでいる。各払出口8は、キャビネット3の内部に上から連通している。また、各払出口8には、シャッタ9が設けられている。シャッタ9は、前後にスライドすることによって、払出口8を開閉する。図1では、シャッタ9が払出口8を閉じた状態が示されている。
【0027】
また、図1には一部しか示されていないが、景品払出装置1には、カセット4(図5参照)に収納された景品2を払い出すために、第1搬送部10と、第2搬送部11と、保留部12と、リフト部13と、送出部14とが備えられている。
景品払出装置1における景品2の大まかな払い出し手順として、まず、第1搬送部10が、カセット4(図5参照)に収納された景品2から、所定の払出枚数に相当する景品群を分離して、上方へ搬送する。次いで、第2搬送部11が、上方に搬送された景品2(景品群)を払出口8側へ向けて略水平に搬送する。そして、保留部12が、搬送された景品2を払出口8の下方で保留する。その後、リフト部13が、保留された景品2を払出口8へ向けて持ち上げる。最後に、送出部14が、払出口8まで持ち上げられた景品2をキャビネット3の上面に押し出す。ここで、シャッタ9と、シャッタ9をスライドさせる構成とが、上述した送出部14に含まれる。このようにして、景品払出装置1内に収納された景品2が払出口8から払い出される。
【0028】
これらの構成(第1搬送部10、第2搬送部11、保留部12、リフト部13および送出部14)は、以下で景品払出ユニット5を説明する際に、個別に説明される。
<景品払出ユニット>
図2は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の斜視図である。
【0029】
図2に示すように、各景品払出ユニット5は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。景品払出ユニット5は、その上下方向における略6分の5の部分をなす下ユニット20と、下ユニット20の上側に配置される上ユニット21とを含んでいる。
また、景品払出ユニット5(詳しくは、下ユニット20)の前面(図2における手前側の面)には、ハンドル26が設けられている。ハンドル26は、上述したように景品払出ユニット5をキャビネット3(図1参照)から引き出す際に、把持される。
【0030】
図3は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の分解斜視図である。
図3に示すように、下ユニット20と上ユニット21とは、分離可能である。具体的には、上ユニット21は、キャビネット3(図1参照)側に固定されており、景品払出ユニット5では、ハンドル26を把持することで、下ユニット20だけをキャビネット3から引き出すことができる。
【0031】
以下では、下ユニット20と上ユニット21とを個別に説明する。
(1)下ユニット
下ユニット20は、その外郭をなす下ケーシング22と、受入部としての8つのカセットホルダ23(図3では右側4つのカセットホルダ23が現れている。)と、8つのカセット4(図3では8つのカセット4のうちの1つが下ユニット20の上方に配置された状態で示されている。)と、4つの搬送機構24(図3では図示されず、図2を参照)とを含んでいる。カセットホルダ23、カセット4および搬送機構24は、常態では、下ケーシング22内に配置されている。ここで、搬送機構24が、上述した第1搬送部10を構成している。
【0032】
上述したように下ユニット20がキャビネット3(図1参照)から引き出されることで下ユニット20と上ユニット21とが分離された状態(図3に示す状態)では、下ケーシング22の上面が開放されている。
(1−1)カセットホルダ
図4は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある下ユニット20の斜視図である。
【0033】
図4に示すように、8つのカセットホルダ23は、前後(図4における手前側と奥側とを結ぶ方向)に4つ、左右に2つ並ぶように配置されている。各カセットホルダ23は、垂直方向に延びる4本の保持レール25を含んでいる。4本の保持レール25は、上方から見て四角形の4つの角をなすように、配置されている(図4における最も右側のカセットホルダ23を参照)。
(1−2)カセット
図5は、カセット4を斜め上側から見た斜視図であって、(a)は、景品2が1枚も収納されていない状態を示し、(b)は、複数枚の景品2が収納された状態を示している。
【0034】
図5に示すように、各カセット4は、上下方向に長手であり、その平断面は、図5では、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット4において、上面は、景品2をカセット4内に収容するために開放されている一方で、底面は、カセット4に収容された景品2がカセット4から落下しないように、塞がれている。
図5におけるカセット4の右面は、上述した略コ字形状の平断面をなすべく、上下方向におけるすべての範囲に亘って連続して開放されており、このように開放された部分を開放部28という。開放部28は、カセット4において開放された上面に対して連続している。
【0035】
カセット4の前面および後面には、カセット4の内側へ凹みつつ、上下に延びる溝29が1つずつ形成されている。また、図5におけるカセット4の左面には、溝29が、前後に間隔を隔てて2つ形成されている(図5では図示されておらず、図3において単独で示されたカセット4の右面を参照)。これらの溝29は、後述するようにカセット4が下ケーシング22に装填される際に、カセット4の装填をガイドするためのものである。
【0036】
カセット4の上端には、ハンドル30が取付けられている。ハンドル30は、前後に間隔を隔てる2つの遊端部を有する略U字形状である。ハンドル30において、前側の遊端部30Aは、カセット4の前面において溝29より上側の部分によって支持されており、後側の遊端部(図示されていない)は、カセット4の後面において溝29より上側の部分によって支持されている。これにより、ハンドル30全体は、カセット4の上端によって回動自在に支持されている。そのため、ハンドル30を適宜回動させることでハンドル30を良好に掴み、カセット4をぶら下げた状態で移動させることができる。
【0037】
カセット4は、図5(b)に示すように、所定の1種類の複数枚の景品2を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で、最大でたとえば100枚程度収納することができる。この状態で、積層状態にある景品2は、カセット4の底壁4Aに載置されている。
景品2が収納されたカセット4は、図3に示すように、開放された下ケーシング22の上面を介して、下ケーシング22(換言すればキャビネット3)に対して上から装填され、対応するカセットホルダ23によって保持される(受け入れられる)。
【0038】
詳しくは、カセット4の装填に伴い、各カセット4の4つの溝29(図5も参照)に、対応するカセットホルダ23の4本の保持レール25が外側かつ下側から嵌り込み、カセット4は、各溝29において保持レール25にガイドされることによって、下降する。そして、カセット4が下限まで到達すると、カセット4の下降は停止する。このとき、カセット4は、4本の保持レール25によって外側から囲まれることで位置決めされる。このように、カセット4は、対応するカセットホルダ23によって保持される。
【0039】
ここで、下ケーシング22において、カセットホルダ23は、左右に2つ並ぶように配置されているので、左右に並ぶカセットホルダ23のそれぞれに保持されたカセット4は、左右に並んで配置される。このとき、左右に並んで配置された2つのカセット4のうち、左側のカセット4の開放部28と、右側のカセット4の開放部28とが水平方向において対向している。つまり、各カセット4は、その開放部28が下ケーシング22の幅方向中央を向くように、下ケーシング22に装填されている。
(1−3)搬送機構
図2を参照して、上述した4つの搬送機構24は、下ケーシング22内において、前後に並んで配置されている(図2では1つの搬送機構24が図示されている。)。各搬送機構24は、下ケーシング22内において左右に並ぶカセットホルダ23(換言すれば左右に並ぶカセット4)の間に配置されている(図3も参照)。
【0040】
各搬送機構24は、垂直方向に延びる支持レール31と、搬送ユニット32と、モータ33とを含んでいる。
搬送ユニット32は、支持レール31によって上下方向へスライド自在に支持されている。この状態で、搬送ユニット32は、搬送機構24の左右両側にあるカセットホルダ23のいずれか一方に装填されたカセット4の開放部28(図3参照)に対して水平方向から対向している。
【0041】
モータ33は、支持レール31の下端に固定されている。モータ33が駆動されると、モータ33の駆動力が、ベルトやチェーンなどの伝達部材を介して搬送ユニット32に伝達され、搬送ユニット32が、支持レール31に支持された状態で、上下方向へスライドする。
これにより、搬送ユニット32は、カセット4の開放部28(図5(a)参照)からカセット4内にアクセスすることで、カセット4に収納された景品2(図5(b)参照)を、上側の景品2から順に、必要な枚数(払出枚数)だけ分離し、上方へ搬送することができる。ここで、上限近傍にあるときの搬送ユニット32の位置を待機位置という。
【0042】
また、搬送機構24は、垂直方向に延びる支持レール31を中心として、回動することができる。これにより、図2の姿勢を基準として、右前に向いていた搬送ユニット32が、搬送機構24が180°回動することによって、左後へ向く(図示されていない)。
そのため、搬送機構24の搬送ユニット32は、図3を参照して、たとえば、まず、右側のカセットホルダ23に装填された右側のカセット4に左から対向する。そして、上述した手順によって、右側のカセット4に収納された景品2(図5(b)参照)を、払出枚数分だけ、上側の景品2から順に、上方の上ユニット21に搬送する(図2も参照)。
【0043】
この結果、右側のカセット4のすべての景品2が搬送されて右側のカセット4が空になると、搬送機構24は、上述したように、垂直方向に延びる支持レール31(図2参照)を中心として180°回動する。
これにより、搬送ユニット32は、左側のカセットホルダ23に装填された左側のカセット4に右から対向し、今度は、左側のカセット4に収納された景品2を、上側の景品2から順に、上述した手順によって、分離し、上方へ搬送することができる。
【0044】
このように、1つの搬送機構24(図2参照)は、左右のカセット4の間に配置されて、これら2つのカセット4におけるそれぞれの景品2を分離搬送している。つまり、搬送機構24とカセット4とが、1対2の関係になっており、1つの搬送機構24は、左右に並んで配置された2つのカセット4のそれぞれに収納された景品2に対して対応可能である。これにより、搬送機構24をカセット4と同じ数だけ設けなくても、1つの搬送機構24だけで、複数のカセット4のそれぞれに収納された景品2を分離搬送することができるので、景品払出ユニット5の簡略化および小型化を図ることができる。なお、搬送機構24とカセット4とが、1対3の関係、1対4の関係、1対5の関係・・・となるように、1つの搬送機構24が、より多くのカセット4に対応していても構わない。
【0045】
また、図2に示す搬送ユニット32は、上下に移動することで、カセット4に収納された景品2を搬送しているが、たとえば、特定のセンサ(図示せず)を備え、上下に移動する際に、このセンサによってカセット4内の景品2を計数してもよい。
(2)上ユニット
図3に示すように、上ユニット21は、その外郭をなす上ケーシング80と、上ケーシング80内に配置される保留ボックス81およびエレベータ82とを含んでいる。
【0046】
上ケーシング80は、前後方向に長手で上下に扁平なボックス形状である。なお、図3において、上ケーシング80の右壁は省略されている。上ケーシング80では、上面が開放されている。
また、上ケーシング80の底面には、上ケーシング80内に連通する6つの開口83が形成されている。6つの開口83は、前後に3つ、左右に2つ並ぶように形成されている。各開口83は、前後に長手の矩形状であり、特に、前後に3つ並ぶ開口83において、真ん中にある開口83は、残りの開口83よりも前後方向に2倍程度大きい。
【0047】
図2に示すように下ユニット20がキャビネット3(図1参照)内にある状態(下ユニット20と上ユニット21とが一体化された状態)では、各開口83は、対応するカセット4(図3参照)の開放された上面に対して真上から臨んでいる。
つまり、左側で前後に並ぶ3つの開口83において、最も前側の開口83は、下ユニット20において左側で前後に並ぶ4つのカセット4のうち、最も前側のカセット4の上面に対して上から臨んでいる(図3も参照)。また、左側で前後に並ぶ3つの開口83において、最も後側の開口83は、下ユニット20において左側で前後に並ぶ4つのカセット4のうち、最も後側のカセット4の上面に対して上から臨んでいる(図3も参照)。一方、前後方向で真ん中にある開口83は、前後に並ぶ4つのカセット4のうち、前から2番目および3番目のカセット4の上面に対して上から臨んでいる(図3も参照)。右側で前後に並ぶ3つの開口83についても同様である。
【0048】
保留ボックス81は、左右に2つ設けられている。保留ボックス81は、左右にやや薄いボックス形状であり、その上面および底面は、開放されている。
保留ボックス81の平断面は、カセット4と同様に、略コ字形状をなしている(図5参照)。左側の保留ボックス81では、右面が上下方向における全域において開放されており、右側の保留ボックス81では、左面が上下方向における全域において開放されている。各保留ボックス81において、このように開放された部分を、開放部84という。開放部84は、保留ボックス81の開放された上面および底面の両方に対して連続している。
【0049】
左側の保留ボックス81は、上ケーシング80の左壁によって前後方向へスライド自在に支持されており、右側の保留ボックス81は、上ケーシング80の右壁(図示せず)によって前後方向へスライド自在に支持されている。左右の保留ボックス81は、互いに連動することなく、単独でスライドすることができる。
そして、各保留ボックス81は、前後にスライドする際に、左右方向において同じ側で前後に並ぶ3つの開口83の上方を通過する。
【0050】
ここで、左側で前後に並ぶ3つの開口83において最も後側の開口83(左側の保留ボックス81と同じ位置にある開口83)を参照して、上述したように搬送ユニット32が、この開口83の下方にあるカセット4(図3参照)の景品2を上方へ搬送する際、左右方向で同じ側にある保留ボックス81(ここでは左側の保留ボックス81)は、搬送される景品2の真上に位置するように移動してから、この位置で待機する。
【0051】
そして、搬送ユニット32によって上方へ搬送されてきた景品2は、この景品2を収納していたカセット4の上方にある開口83(ここでは、左側における最も後側の開口83)、待機している保留ボックス81の開放された底面を順に通過し、保留ボックス81内に収容される。つまり、保留ボックス81は、カセット4に対して上方(上下方向における隣)に配置され、搬送ユニット32が搬送してきた景品2を受け入れる。この後、搬送ユニット32は、元の位置(上述した待機位置)へ戻る。
【0052】
なお、保留ボックス81内に景品2が収容されると、保留ボックス81に設けられた爪(図示せず)が、保留ボックス81内に突出し、保留ボックス81内で最も下側にある景品2に対して下から係合する。これにより、保留ボックス81内に収容された景品2が保留ボックス81の底面から落下することはない。
エレベータ82は、上ケーシング80の底壁の前後方向略中央位置にあり、上ケーシング80の底壁において左右に隣り合う開口83の間で前後に延びる部分(リブ85という。)に上から取り付けられている。この状態で、エレベータ82は、リブ85上で前後に移動することができる。エレベータ82は、左右に間隔を隔てて配置される2枚の水平な板状のステージ86と、伸縮機構87とを含んでいる。
【0053】
2枚のステージ86のうち、左側のステージ86は、左側で前後に3つ並ぶ開口83における真ん中の開口83に対して上から臨んでおり、右側のステージ86は、右側で前後に3つ並ぶ開口83における真ん中の開口83に対して上から臨んでいる。この状態で、2枚のステージ86は、連結部材88によって連結され、一体化されている。
伸縮機構87は、いわゆるパンタグラフ構造であり、図2に示すように上下に扁平な収縮状態と、上側へ伸び出た伸長状態(図示せず)とに姿勢を変えることができる。伸縮機構87では、その前後方向略中央部分(上昇部分89という。)が、伸縮機構87が収縮状態から伸長状態へ姿勢を変えるときに最も上昇する。伸縮機構87が収縮状態と伸長状態との間で姿勢を変える際、上昇部分89は、垂直方向に沿って直線的に上下する。2枚のステージ86を連結する連結部材88は、伸縮機構87の上昇部分89に上から取り付けられている。
【0054】
図2に示すように伸縮機構87が収縮状態にあるときには、各ステージ86は、左右方向で同じ側にある保留ボックス81の底面よりも低い位置にある。そして、伸縮機構87が伸長状態にあるときには(図示せず)、各ステージ86は、左右で同じ側にある保留ボックス81よりも高い位置にあり、キャビネット3の上面において左右方向で同じ位置にある払出口8(図1参照)に一致する。
【0055】
ここで、上述したように保留ボックス81内に景品2が収容されると、保留ボックス81は、前後方向にスライドし、左右方向で同じ側にあるステージ86の真上(換言すれば払出口8の真下)で停止する。つまり、保留ボックス81は、受け入れた景品2を所定位置(ステージ86の真上かつ払出口8の真下)に搬送する。このとき、伸縮機構87は、収縮状態にある。
【0056】
このように、保留ボックス81は、搬送ユニット32によって搬送された景品2を払出口8側へ搬送した後、搬送された景品2を払出口8の下方で保留することから、上述した第2搬送部11および保留部12として機能している。保留ボックス81により、カセット4から搬送された景品2を、払出口8へ向けて確実に搬送することができる。
なお、ステージ86の真下に位置するカセット4の景品2を払い出す場合には、ステージ86を含むエレベータ82全体が、このカセット4に対して前後のどちらかへずれる。そして、このカセット4から搬送された景品2が保留ボックス81内に収容されると、払出口8の真下にステージ86が配置されるように、エレベータ82が元の位置に戻る。
【0057】
そして、このように保留ボックス81が景品2を所定位置(ステージ86の真上かつ払出口8の真下)に搬送すると、収縮状態にあった伸縮機構87が、伸長状態へと姿勢を変える(図示せず)。これにより、保留ボックス81の真下にあったステージ86が、垂直方向に沿って上昇する。この際、このステージ86は、保留ボックス81の開放された底面を通過し、その後、保留ボックス81に収容された景品2のうち最も下側に位置する景品2の底面を下から押し上げる。これにより、保留ボックス81に収容されたすべての景品2は、ステージ86に載置された状態で上昇する。
【0058】
そして、伸縮機構87が伸長状態になったときには、保留ボックス81に収容されていたすべての景品2は、ステージ86によって持ち上げられ、保留ボックス81の開放された上面よりも上方へ移動する(図示せず)。このとき、キャビネット3の上面において左右方向で同じ位置にある払出口8(図1参照)が開放されており、保留ボックス81の開放された上面よりも上方へ移動した景品2は、開放された払出口8からキャビネット3の上面に露出される。つまり、エレベータ82は、保留ボックス81によって所定位置(ステージ86の真上かつ払出口8の真下)に搬送された景品2を払出口8へ持ち上げていることから、上述したリフト部13として機能している。エレベータ82により、搬送ユニット32がカセット4から搬送した景品2を、景品払出装置1の払出口8へ向けて確実に搬送することができる。
【0059】
ここで、図1を参照して、払出口8を開閉するシャッタ9は、払出口8を開放したときには、払出口8に対して前側(従業員側)にずれている(この状態は図示せず)。上述したように景品2が払出口8から露出されると、シャッタ9は、後側(客側)へスライドし、景品2を後側の客へ向けて押し出しつつ、払出口8を閉じる。この後、伸縮機構87(図2参照)は、収縮状態に戻る(図示せず)。
【0060】
図6は、景品払出装置1の模式的な側断面図である。
図6を参照して、以上で説明した本発明の景品払出装置1の各景品払出ユニット5における景品2の払い出し動作をまとめる。なお、図6の太線矢印は、払い出される景品2(図5(b)参照)の流れを示している。
各景品払出ユニット5において、下ユニット20の各カセット4に収納された景品2は、必要な枚数(払出枚数)だけ分離された後、上向きへ搬送されて上ユニット21内に受け渡される。その後、上ユニット21内に受け渡された景品2は、中央位置(払出口8の真下)へ搬送される。次に、払出口8のシャッタ9が開放されるとともに、景品2がエレベータ82によって払出口8まで持ち上げられ、最後に、払出口8を閉じようとするシャッタ9によって後側(図6における左側)に押し出され、客に払い出される。
(3)読取部
この景品払出装置1では、キャビネット3に装填された各カセット4に収納された景品2(図5(b)参照)の種類を把握することができる。そのために、景品払出装置1は、各景品払出ユニット5において、読取手段としての読取部50を備えている。
【0061】
図7において、(a)は、1つの読取部50を右上側から見た斜視図であり、(b)は、装填されたカセット4とこのカセット4に対応する読取部50とを右上側から見た斜視図であり、(c)は、(b)において、カセット4の内部を露出させた図である。
図7(a)に示すように、読取部50は、前後方向(図7(a)において左手前側と右奥側とを結ぶ方向であり、図7(b)および図7(c)において同じ。)に長手で左右に薄く、幅方向から見て略矩形の板状である。
【0062】
読取部50には、カラーセンサ52が設けられており、カラーセンサ52は、読取部50の図7(a)における右面(検知面51という。)から露出されている。
カラーセンサ52は、発光部52Aと、受光部52Bとを含んでいる。カラーセンサ52では、発光部52Aが、検知面51に対向配置された被検知物に対して白色光を照射し、その反射光を受光部52Bが受光する。そして、カラーセンサ52は、受光部52Bが受光した反射光に基づいて、詳しくは、反射光をRGBデータに変換して分析することで、被検知物の表面の色を検知する。
【0063】
読取部50は、図4に示すように、各景品払出ユニット5において、8つのカセットホルダ23と同様に、8つ設けられている(図4では右側4つの読取部50が図示されている。)。各読取部50は、対応するカセットホルダ23に取り付けられており、詳しくは、カセットホルダ23を構成する4本の保持レール25における幅方向外側(景品払出ユニット5の幅方向の外壁に隣接する側)で前後に並ぶ2本の保持レール25の下端部間に架設されている。
【0064】
この状態で、各読取部50では、上述した検知面51(図7(a)参照)が、景品払出ユニット5(詳しくは下ユニット20の下ケーシング22)の幅方向中央を向いている。そのため、図4に現れている右側4つの読取部50では、検知面51でなく、読取部50において幅方向で検知面51とは反対側の面が主に見えている。
そして、読取部50に関連して、図7(b)に示すように、各カセット4の下端部には、開口53が形成されている。なお、厳密には、図7(b)では、開口53は、読取部50の裏側(左側)にあって、隠れている。開口53は、カセット4において、上述した開放部28が形成された面(図7(b)における左面)とは反対側の面(図7(b)における右面)の下端部に形成されている。開口53は、読取部50とほぼ同じ大きさを有する前後に長手の略矩形状である。
【0065】
上述したように、景品2が収納されたカセット4(図5(b)参照)が、景品払出ユニット5の下ケーシング22に対して上から装填され(図3で単独で示されたカセット4を参照)、対応するカセットホルダ23によって保持される(図3で単独で示されたカセット4以外のカセット4を参照)。このとき、各カセットホルダ23の読取部50(図4参照)では、検知面51(図7(a)参照)が、対応するカセット4の開口53に対して水平方向から臨み、図7(c)に示すように、開口53を介して、カセット4内に収納された下端側の景品2の幅方向における端面(図7(c)では右端面)に対向する。そして、この状態で、検知面51に設けられたカラーセンサ52(図7(a)参照)が、開口53から露出された景品2の色を検知する(読み取る)。
【0066】
図8は、景品払出装置1における制御回路構成ブロック図であって、読取部50による景品2の色読取りに関連する部分を示したものである。
図8に示すように、この景品払出装置1には、たとえばマイクロコンピュータ等で構成された設定登録手段としての制御部60が備えられている。
制御部60は、景品払出装置1内のすべての読取部50(図4参照)、表示部7(ここでは第2表示部7Bであり、図1参照)、第2表示部7Bにおける上述した操作部(図8では符号61を付している。)、記憶部62、および、通信部63のそれぞれに対して電気的に接続されている。
【0067】
制御部60は、操作部61が所定の手順で操作(押下)されるのに応じて、読取部50に対して、この読取部50に対応するカセット4(図7(b)および図7(c)参照)に収納された景品2の色の読取りを実行させる。これに関連して、制御部60は、記憶部62に記憶されたデータを読み出したり、記憶部62にデータを書き込んだりし、また、色の読取り結果を表示部7に表示させたりする。
【0068】
また、制御部60は、通信部63を介して、外部機器(たとえば、景品払出装置1を管理する図示しない景品管理機)に接続されており、景品管理機(図示せず)から指示を受けるのに応じて、読取部50に対して、カセット4の景品2の色の読取りを実行させることができ、色の読取り結果を景品管理機(図示せず)に送信することができる。
記憶部62には、取り扱おうとする景品2の種類情報と色情報とを組み合わせた管理テーブルが記憶されており、これを参照することにより、色情報に基づいて種類を特定したり、種類情報に基づいて色情報を特定することが可能となっている。また、カセットホルダ23毎に予め設定される種類設定情報(後述する登録済み種類情報S)もここに記憶される。
(3−1)検査処理
この景品払出装置1では、読取部50を用いることで、キャビネット3の各カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に正しい景品2が収納されているのかを検査することができ、以下では、この処理(検査処理)について説明する。
【0069】
図9は、景品払出装置1のキャビネット3内におけるすべての景品払出ユニット5、カセットホルダ23およびカセット4の、上方から見た場合におけるレイアウトを模式的に示した図である。なお、図9において、下側が、図1における景品払出装置1の前側(扉6が設けられた従業員側)であり、上側が、図1における景品払出装置1の後側(客側)である。
【0070】
検査処理を説明するのに先立って、まず、図9を参照して、キャビネット3内のレイアウトについて説明する。
この景品払出装置1では、上述したように4つの景品払出ユニット5が、幅方向に並んだ状態でキャビネット3内に収容されており、各景品払出ユニット5では、8つのカセットホルダ23が、前後(図9における上下方向)に4つ、左右に2つ並ぶように配置されている。つまり、景品払出装置1全体では、カセットホルダ23は、前後に4つ、左右に8つ並ぶように、合計で32個設けられている。
【0071】
上述したように、各カセットホルダ23では1つのカセット4が受入れられることから、景品払出装置1全体では、カセット4は、カセットホルダ23と同様に、前後に4つ、左右に8つ並ぶように、合計で32個配置(装填)されており、それぞれのカセット4が、対応するカセットホルダ23に受け入れられている。この状態で、前後に4つ並ぶカセット4の組が、左右に8つ並ぶことで、上述した第1レーン〜第8レーンを構成している。
【0072】
ここで、景品払出装置1のキャビネット3内における32個のカセット4のそれぞれを、最も左奥(図9における左上)のカセット4を基準として、左右方向におけるカセット4の順番を示す変数mと、前後方向(図9における上下方向)におけるカセット4の順番を示す変数nとを用いた座標(m,n)によって、区別する。また、32個のカセットホルダ23も、カセット4と同様に、座標(m,n)で区別される。つまり、座標(m,n)は、各カセット4およびカセットホルダ23を識別するためのものである。
【0073】
座標(m,n)を用いてカセット4を識別すると、たとえば、最も左奥のカセット4の座標(m,n)は、(1,1)であり、このカセット4の右隣りのカセット4の座標(m,n)は、(2,1)である。そして、最も右前(図9における右下)のカセット4の座標(m,n)は、(8,4)である。カセットホルダ23の座標は、対応するカセット4の座標と同じである。
【0074】
ここで、上述したように、カセット4に収納される景品2(図7(c)参照)には、100円、500円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた4つの種類が存在し、各カセット4には、所定の1種類の複数枚の景品2が収納されている。
そして、各景品2の表面には、その景品2の種類を表す色がつけられている。たとえば、100円の景品2の場合の色は、赤であり、500円の景品2の場合の色は、青であり、1000円の景品2の場合の色は、黄であり、5000円の景品2の場合の色は、緑である。つまり、景品2の種類を特定する種類情報は、ここでは、景品2の表面(特に端面)の色である。
【0075】
景品払出装置1では、各カセットホルダ23に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の種類情報(色)が、制御部60(図8参照)によって、記憶部62(図8参照)において、カセットホルダ23毎に予め設定登録されている。詳しくは、この設定登録された種類情報は、上述した各カセットホルダ23を識別する座標(m,n)と関連付けて、登録済み種類情報S(m,n)と定義される。
【0076】
たとえば、最も左奥のカセットホルダ23(座標(m,n)=(1,1))に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の色が赤であるとすると、このカセットホルダ23についての登録済み種類情報S(1,1)は、赤色である。また、最も右前のカセットホルダ23(座標(m,n)=(8,4))に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の色が緑であるとすると、このカセットホルダ23についての登録済み種類情報S(8,4)は、緑色である。
【0077】
このようにして、記憶部62(図8参照)では、すべてのカセットホルダ23についての登録済み種類情報Sが設定登録(記憶)されている。図9を参照して、たとえば、一番左で前後に4つ並ぶカセットホルダ23(上述した第1レーンのカセット4に対応するカセットホルダ23)において、各カセットホルダ23に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の登録済み種類情報S(色)は、後側(図9における上側)のカセットホルダ23から順に、赤、赤、青、青である。
【0078】
なお、上述した制御部60(図8参照)による種類情報の設定登録は、操作部61(図8参照)を所定の手順で操作することによって実行可能である。または、種類情報は、上述した景品管理機(図示せず)で設定され、通信部63(図8参照)を介して記憶部62に登録されるようにすれば操作性が向上する。種類情報の設定登録は、カセットホルダ23毎に1回ずつ実行されてもよいし、複数のカセットホルダ23についてまとめて実行されてもよい。
【0079】
図10は、検査処理の手順を示すフローチャートである。
以下では、上述したように32個すべてのカセットホルダ23に関する登録済み種類情報Sが記憶部62(図8参照)に記憶された状態において、上述した検査処理を行う場合の手順を、図10を参照しながら説明する。
すべてのカセット4が下ユニット20において対応するカセットホルダ23(図3参照)に受け入れられ、さらに、すべての下ユニット20がキャビネット3(図1参照)内に収容されると(つまりすべてのカセット4がキャビネット3に装填されると)、従業員(または景品払出装置1をメンテナンスする者)が、第2表示部7B(図1参照)の操作部61(図8参照)における、景品2の色読取り(検査処理)に関連する操作キーを押下する。
【0080】
従業員によって操作キーが押下されると(ステップS1でYES)、制御部60(図8参照)は、各カセット4に収納された景品2の色読取りを実行する。なお、景品2の色読取りは、操作キーの押下の他に、すべてのカセット4がカセットホルダ23に受け入れられた時点や、下ユニット20がキャビネット3内に収容された時点に実行されてもよい(後述する確認処理の場合でも同様)。
【0081】
景品2の色読取りの実行に先立って、制御部60は、最初に景品2の色読取り(検査処理)を行うカセット4(カセットホルダ23)の座標(m,n)を特定する(ステップS2)。ここでは、制御部60は、座標(m,n)を(1,1)とし、最初に景品2の色読取りを行うカセット4を、図9における最も左奥のカセットホルダ23に受け入れられたカセット4とする。以下では、カセット(m,n)といった具合に、カセット4(カセットホルダ23)の文字の後に座標(m,n)を付けることで、どの位置のカセット4(カセットホルダ23)かがわかるようにして説明する。
【0082】
そして、ステップS2の処理で、最初に景品2の色読取りを行うカセット(1,1)が特定された後、カセット(1,1)に収納された景品2の種類情報(色)が、このカセット(1,1)に対応する読取部50(図7参照)によって読み取られる(ステップS3)。ここで、読取部50によって景品2から実際に読み取られた種類情報は、上述した各カセット4(カセットホルダ23)を識別する座標(m,n)と関連付けて、実際の種類情報R(m,n)と定義される。そのため、このカセット(1,1)に収納された景品2の色が赤である場合には、このカセット(1,1)、詳しくは、カセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセットについての実際の種類情報R(1,1)は、赤である。
【0083】
ステップS3の処理が終了すると、制御部60(図8参照)は、景品2の色読取りを行ったカセット4(ここでは、カセット(1,1))を受け入れるカセットホルダ(1,1)について記憶部62(図8参照)に記憶(設定登録)されていた登録済み種類情報S(1,1)を参照し、実際の種類情報R(1,1)と、登録済み種類情報S(1,1)とを比較する(ステップS4)。
【0084】
ここで、実際の種類情報R(1,1)と、登録済み種類情報S(1,1)とが一致していなければ(ステップS4でNO)、カセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセット(1,1)には、間違った種類(色)の景品2が収納されている。そのため、制御部60(図8参照)は、景品2の色読取りを行ったカセット(1,1)のチェック結果をNGとし、このチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS5)。
【0085】
一方、実際の種類情報R(1,1)と、登録済み種類情報S(1,1)とが一致していれば(ステップS4でYES)、カセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセット(1,1)には、正しい種類(色)の景品2が収納されている。そのため、制御部60(図8参照)は、景品2の色読取りを行ったカセット(1,1)のチェック結果をOKとし、このチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS6)。
【0086】
そして、制御部60(図8参照)は、この時点で最後に景品2の色読取り(検査処理)を行ったカセット4(換言すれば、このカセット4を受け入れているカセットホルダ23)の座標(m,n)における変数n(前後並びの順番)が4であるかを確認する(ステップS7)。
変数nが4でなければ(ステップS7でNO)、制御部60(図8参照)は、この変数nをインクリメント(+1)する(ステップS8)。
【0087】
つまり、上述したようにカセット(1,1)の景品2の色読取りを行った後には、制御部60(図8参照)は、次に景品2の色読取りを行うカセット4を、カセット(1,1)に対して前後の同じ列(上述した第1レーン)で前側に並ぶカセット(1,2)とする(図9も参照)。これに応じて、ステップS3では、カセット(1,2)に収容された景品2の色読取りが実行され、その後、制御部60は、カセット(1,2)を受け入れているカセットホルダ(1,2)について、実際の種類情報R(1,2)と、登録済み種類情報S(1,2)とを比較し(ステップS4)、そのチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS5またはS6)。
【0088】
そして、変数nが4になるまで、つまり、キャビネット3(図9参照)内の同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェックが実行されるまで、ステップS3〜S8までの処理(各カセットホルダ23のカセット4に対する個別の検査処理)が繰り返される。
同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェックが完了すると(ステップS7でYES)、制御部60(図8参照)は、この時点で最後に景品2の色読取りを行ったカセット4(換言すれば、このカセット4を受け入れているカセットホルダ23)の座標(m,n)における変数m(左右並びの順番)が8であるかを確認する(ステップS9)。
【0089】
変数mが8でなければ(ステップS9でNO)、制御部60(図8参照)は、この変数mをインクリメント(+1)し、変数nを1にする(ステップS10)。
つまり、上述したように同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りを行った後(ここでは、第1レーンのカセット(1,4)の景品2の色読取りが完了した後)には、制御部60は、次に景品2の色読取りを行うカセット4を、カセット(1,4)の属する第1レーンの右隣りのレーン(上述した第2レーン)で最も奥にあるカセット(2,1)とする(図9参照)。これに応じて、ステップS3では、カセット(2,1)に収容された景品2の色読取りが実行され、その後、制御部60は、カセット(2,1)を受け入れているカセットホルダ(2,1)について、実際の種類情報R(2,1)と、登録済み種類情報S(2,1)とを比較し(ステップS4)、そのチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS5またはS6)。
【0090】
そして、変数nが4になるまで、つまり、キャビネット3(図9参照)内の同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェックが実行されるまで、ステップS3〜S8までの処理が繰り返される(ステップS7でYES)。その後、再び変数mおよびnが変更され(ステップS10)、最終的に変数mが8になるまで、残りのレーンのすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェック(つまり、ステップS3〜S10までの処理)が実行される。
【0091】
このようにして、同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の検査処理が、左のレーン(上述した第1レーン)のカセット4から順に実行され、32個すべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェック(検査処理)が完了すると(ステップS9でYES)、制御部60は、記憶部62に記憶させていたすべてのカセット4(カセットホルダ23)についての上述したチェック結果を、第2表示部7B(図8参照)に表示させる。なお、カセット4が装填されていない場合やカセット4が空である場合には「空」である旨の情報が出力され、上述した管理テーブルに無い色が検出された場合には「エラー」情報が出力される。
【0092】
図11は、第2表示部7Bの表示内容を示している。
第2表示部7Bにおいて、検査処理によるチェック結果は、たとえば、図11に示すように表示される。
図11では、図9で示した32個のカセットホルダ23のレイアウトのイメージが表になって示されている。つまり、第2表示部7Bでは、左右に4つ並べて配置された景品払出ユニット5(図11において右に行くほど大きくなる括弧書きの数字を参照)のそれぞれにおいて左右に並ぶカセットホルダ23の前後の列(つまり、上述した第1レーン〜第8レーンであり、図11において下に行くほど大きくなる括弧書きの数字を参照)のイメージが示されている。図11では、各カセットホルダ23に受け入れられたカセット4におけるチェック結果が表示されている。
【0093】
たとえば、図11において「OK」または「NG」が示された複数の欄における、最も左上の欄に示された「OK」とは、最も左の景品払出ユニット5の左側の前後の列(上述した第1レーン)における最も奥側のカセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセット(1,1)のチェック結果がOKであったということである(図9も参照)。つまり、カセット(1,1)に収納されるべき景品2の色(登録済み種類情報S(1,1))が赤であったの対し、カセット(1,1)に実際に収納されていた景品2の色(実際の種類情報R(1,1))が赤であったということである。
【0094】
もう一つ例を挙げると、図11において最も右下の欄に対する左隣りの欄に示された「NG」とは、カセットホルダ(7,4)に受け入れられたカセット(7,4)のチェック結果がNGであったということである(図9も参照)。つまり、カセット(7,4)に収納されるべき景品2の色(登録済み種類情報S(7,4))が黄であったのに、カセット(7,4)に実際に収納されていた景品2の色(実際の種類情報R(7,4))は黄でなかったということである。
【0095】
従業員は、このように第2表示部7Bに表示されたチェック結果を見て、チェック結果がNGとなっている欄に該当する位置にあるカセットホルダ23に受け入れられたカセット4の景品2を、正しい景品2に換える。または、従業員は、間違った景品2が収納されたカセット4を取り外し、正しい景品2が収納された別のカセット4をカセットホルダ23に装填し直す。
【0096】
このように、各カセットホルダ23(図4参照)において、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50(図7参照)が読み取った種類情報Rと、制御部60(図8参照)が当該カセットホルダ23について設定登録していた種類情報Sとが一致しない場合(上述したNGのチェック結果がある場合)には、表示部7(第2表示部7B)が、その旨を報知する。そのため、間違った景品2が収納されたカセット4がカセットホルダ23に受け入れられたまま放置されることを防止できる。
【0097】
なお、NGのチェック結果がある場合には、制御部60(図8参照)は、それ以降の景品払出装置1の運転(景品2の払出処理等)を停止させてもよい。また、NGのチェック結果がある場合、その旨を第2表示部7Bに表示するだけでなく、ブザー(図示せず)などで警告音を発するようにしてもよい。また、第2表示部7Bには、OKやNGといったチェック結果だけでなく、「カセットに間違った景品が収納されています。」「ここには○○景品を収納して下さい。」といったコメントが表示されるようにしてもよい。また、チェック結果に関する情報(特にNGの場合)を景品管理機等に出力して表示させてもよい。
【0098】
そして、以上のように、この景品払出装置1(図1参照)では、読取部50(図7参照)が、キャビネット3に装填されたカセット4に収納された景品2から、この景品2の種類を特定する種類情報(ここでは景品2の色)を読み取る。そのため、カセット4に収納された景品2の種類を把握することができる。その結果、上述した検査処理を実行することで、カセット4に間違った景品2が収納されることを防止できる。特に、補充作業時に確認できるので、修正作業(詰め直し)を速やかに行える。
【0099】
つまり、カセット4が所定のカセットホルダ23に正しく受け入れられていても、このカセット4に収納された景品2の種類が間違っている場合が想定されるが、本発明では、カセット4に収納された景品2の種類を直接検査するので、カセット4に間違った景品2が収納されたまま景品2の払出が行われるような不具合を未然に防止できる。
(3−2)確認処理
この景品払出装置1では、上述した検査処理とは別に、読取部50を用いることで、各カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の種類を確認して登録することができ、以下では、この処理(確認処理)について説明する。
【0100】
図12は、確認処理の手順を示すフローチャートである。
図12を参照して、確認処理では、図10の場合と同様に、すべてのカセット4が対応するカセットホルダ23(図3参照)に保持され、さらに、すべての下ユニット20がキャビネット3(図1参照)内に収容されると、従業員が、第2表示部7B(図1参照)の操作部61(図8参照)における、景品2の色読取り(確認処理)に関連する操作キーを押下する。
【0101】
操作キーが押下されると(ステップS21でYES)、制御部60(図8参照)は、各カセット4に収納された景品2の色読取りを実行する。景品2の色読取りの実行に先立って、制御部60は、図10のステップS2の処理と同様に、最初に景品2の色読取り(確認処理)を行うカセット4(カセットホルダ23)の座標を特定する(ステップS22)。ここでは、制御部60は、座標(m,n)を(1,1)とし、最初に景品2の色読取りを行うカセット4を、図9における最も左奥のカセットホルダ23に受け入れられたカセット4とする。
【0102】
これにより、まず、カセット(1,1)に収納された景品2の種類情報(色)、つまり、上述した実際の種類情報R(1,1)が、このカセット(1,1)に対応する読取部50(図7参照)によって読み取られる(ステップS23)。ステップS23の処理により、制御部60は、各カセットホルダ23(ここでは、カセット(1,1))に収納された景品2の種類を確認する。
【0103】
ステップS23の処理が終了すると、制御部60(図8参照)は、実際の種類情報R(1,1)を、カセットホルダ(1,1)に収納された景品2の種類情報として、記憶部62に設定登録する(ステップS24)。
このように、ステップS23およびS24において、各カセットホルダ23(ここでは、カセットホルダ(1,1))に収納された景品2の種類の確認(登録)処理が行われている。
【0104】
そして、図10のステップS7およびステップS9の処理で説明したように、制御部60は、キャビネット3(図9参照)内の同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報Rの設定登録(ステップS23およびS24における確認(登録)処理)を、左のレーンのカセット4から順に実行する(ステップS25〜S28)。
【0105】
最終的に、制御部60は、キャビネット3における32個すべてのカセットホルダ23(図9参照)に受け入れられたカセット4の景品2の色読取りを実施して、各カセットホルダ(m,n)に受け入れられたカセット(m,n)における景品2の実際の種類情報R(m,n)を、カセットホルダ(m,n)に収納された景品2の種類情報として、記憶部62に設定登録する(S27でYES)。
【0106】
このように、制御部60(図8参照)は、各カセットホルダ23において、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50が読み取った(確認した)種類情報Rを、当該カセットホルダ23に収納された景品2の種類情報として設定登録する。なお、カセット4が装填されていない場合やカセット4が空である場合には「空」である旨の情報が出力され、上述した管理テーブルに無い色が検出された場合には「エラー」情報が出力される。
【0107】
これにより、カセット4の装填位置に決まりが無く、カセット4をカセットホルダ23に受入れさせる(装填する)のに先立って、どの種類の景品2が収納されたカセット4をどのカセットホルダ23に受け入れさせるべきかについて注意を払わずに済むので、カセット4装填に係る使い勝手の向上を図ることができる。
また、景品払出装置1では、確認処理によって、どの種類の景品2がどのカセットホルダ23に収納されたかを把握することができ、その把握した内容に基づいて、必要な種類の景品2を必要な枚数分払い出すことができる。
【0108】
図13は、変形例に係る確認処理の手順を示すフローチャートである。
図13におけるステップS31〜S38までの処理は、図12におけるステップS21〜S28までの処理と同じである。
しかし、制御部60は、32個すべてのカセットホルダ23(図9参照)に受け入れられたカセット4の景品2の色読取りを実施して、各カセット(m,n)における景品2の実際の種類情報R(m,n)を、当該カセットホルダ(m,n)に収納された景品2の種類情報として、記憶部62に設定登録すると(ステップS37のYES)、さらに、所定の条件が満たされたかを確認する(ステップS39)。
【0109】
ここで、所定の条件として、図9を参照して、以下のものが一例として挙げられ、制御部60は、所定の条件を設定して、記憶部62に記憶させている。
・条件例1:第1レーン〜第8レーンの各レーンにおいて、前後に並ぶ4つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色がすべて同じであること(1つの払出口8からは同じ景品2が払い出されるように設定したい場合)。
・条件例2:各景品払出ユニット5の8つのカセットホルダ23において、少なくとも6つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色がすべて同じであること(各種類とも6カセット以上は設定したい場合)。
・条件例3:各景品払出ユニット5の8つのカセットホルダ23において、3つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色がすべて赤で、残り4つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色が青または黄色で、最後の1つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色が緑であること。
【0110】
このように、制御部60(図8参照)は、各カセットホルダ23において、カセットホルダ23に受け入れられるカセット4に収納される景品2の種類情報(色)の条件を予め定めている。なお、この条件は、操作部61(図8参照)を操作することで設定されたり、上述した景品管理機(図示せず)から景品払出装置1に送信されたりする。
そして、図13を参照して、制御部60(図8参照)は、このような条件(条件は1つだけでもよいし、複数の条件が組み合わされてもよい。)が満足されたか確認し、満足された場合には(ステップS39でYES)、上述した記憶部62による32個すべてのカセットホルダ23についての実際の種類情報R(m,n)の設定登録を確定する。
【0111】
一方、制御部60は、このような条件が満足されない場合には(ステップS39でNO)、その旨を第2表示部7B(図8参照)に表示して従業員に報知(上述した警告音による報知も含まれる。)し、上述した記憶部62に記憶された32個すべてのカセットホルダ23についての実際の種類情報R(m,n)を記憶部62から削除する(ステップS40)。これにより、従業員は、上述した条件を満たすように、カセット4に収納された景品2を入れ換えて、正しい景品2が収納されたカセット4をキャビネット3に装填し直す。
【0112】
以上のように、制御部60(図8参照)は、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50が読み取った種類情報Rが、当該カセットホルダ23について定められていた前記条件を満たす場合に、読取部50が読み取った種類情報Rを、当該カセットホルダ23に収納された景品2の種類情報として設定登録する。そして、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50が読み取った種類情報Rが、当該カセットホルダ23について定められていた前記条件を満たさない場合には、第2表示部7B(図8参照)が、その旨を報知する。これにより、ユーザに対して、前記条件を満たすようにカセット4を装填し直すように促すことができる。
【0113】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、上記の実施例では、景品2(図7(c)参照)の種類を特定するための種類情報は、景品2の表面の色である。ここで、景品2では、その全表面に、種類情報を示す色が付けられていてもよいが、読取部50に読み取られる部分だけに、種類情報を示す色が付けられていてもよい。その場合、異なる種類の景品2では、読取部50に読み取られる部分以外の部分の色が同じとなることがありえる。
【0114】
また、景品2には、その景品2の種類を表す種類情報が記録されたICチップが内蔵されていて、読取部50が、景品2の表面の色でなく、景品2内のICチップの種類情報を読み取るICチップリーダで構成されてもよい。
また、図7(a)に示すように読取部50がカラーセンサ52を用いる構成において、カラーセンサ52が被検知物の色を正確に判断するための処置(たとえば、色を判断するために用いるしきい値の設定等)は、必要に応じて適宜実施される。具体的には、異なる種類の景品2同士で色が似ている場合には、カラーセンサ52の感度を上げる。
【0115】
また、読取部50は、図7(b)および図7(c)に示すように、カセット4の下端部の開口53から、カセット4の下端側の景品2の種類情報(色)を読み取っているが、上述した開放部28からカセット4内の景品2の種類情報を読み取ってもよい。
この場合、読取部50は、上述した搬送ユニット32(図2参照)に対して一体化されており、搬送ユニット32の上下移動に伴って、カセット4に積層状態で収納された景品2の積層方向(上下方向)において移動しながら、カセット4に収納されたすべての景品2の種類情報を開放部28から読み取る。これにより、景品払出装置1では、カセット4に収納されたすべての景品2の種類を把握することができる。従って、設定対象外の景品2がカセット4内に少量混入している場合にも検出できる。
【0116】
なお、上述した検査処理を開始するトリガーの一例として、上述した景品管理機から指示を受けることが挙げられる。また、カセット4の着脱検知手段(図示せず)や扉6の開閉検知手段(図示せず)と連携させることにより、検査処理を自動スタートさせてもよい。具体的には、カセット4が着脱されて扉6が閉じられたタイミングで検査処理がスタートする。
【0117】
図14は、変形例に係る景品払出装置1の右側断面図である。
上記の実施形態では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる(比較的大型の)景品払出装置1を例示した(図1参照)が、本発明は、図14に示すように遊技施設のカウンタ等に載せられる卓上タイプの景品払出装置1にも適用可能である(なお、卓上タイプの景品払出装置の構成については、特開2008−093190を参照。)。
【0118】
変形例に係る景品払出装置1では、キャビネット3の上面を開閉することができ、キャビネット3の上面から、上下に長手のカセット4をキャビネット3に装填することができる。変形例に係る景品払出装置1では、図14における左右方向において、2つのカセット4を並べて配置することができる。
そして、変形例に係る景品払出装置1でも、上述した景品払出装置1(図1参照)と同様に、装填されたカセット4に収納された景品2の種類情報を読取部50によって読み取ることができる。その場合、読取部50は、たとえば、装填されたカセット4の下端部近傍に配置されており、カセット4内においてカセット4の下端部に位置する景品2の種類情報を読み取る。
【符号の説明】
【0119】
1 景品払出装置
2 景品
3 キャビネット
4 カセット
7 表示部
23 カセットホルダ
50 読取部
60 制御部
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技施設では、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の個数に応じて遊技客に景品を払い出すための景品払出装置が設置されている(下記特許文献1参照)。
特許文献1の景品払出装置には、複数の景品を収納する複数のカセットが、景品払出装置に対して交換可能に装填されており、必要な枚数の景品が各カセットから繰り出されて遊技客に払い出される。
【0003】
そして、各カセットには、決まった種類の景品が収納されており、各カセットは、景品払出装置において、各カセットに対して予め定められた位置に装填される。
特許文献1の景品払出装置では、カセットが、景品払出装置において、予め定められた位置とは違う位置に装填されること防止するために、景品払出装置側に、誤挿入防止ピンが設けられ、カセット側に誤挿入防止ピン挿入口が設けられている。
【0004】
これにより、カセットが、景品払出装置において、予め定められた位置に装填されようとすると、誤挿入防止ピン挿入口に誤挿入防止ピンが挿入されて、カセットは、問題なく景品払出装置に完全に装填される。しかし、カセットが、景品払出装置において、予め定められた位置とは違う位置に装填されようとすると、装填途中において、誤挿入防止ピンが誤挿入防止ピン挿入口に挿入されずにカセットにぶつかるので、カセットは、景品払出装置に完全に装填されない。この結果、カセットの誤挿入(誤装填)を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−275490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の景品払出装置では、カセットに間違った景品が収納されても、このカセットは、予め定められた位置に装填されるのであれば、そのまま景品払出装置に完全に装填されてしまう。これにより、このカセットから、間違って収納された景品が、本来の価値とは異なる価値を有する景品として、間違えて払い出されてしまう。
ここで、景品が間違えて払い出されると、次の問題点が生じる。まず、間違った景品を客がそのまま持ち帰ってしまうと、店または客が損害を被る。また、店員が間違いに気付いて、払い出した(間違った)景品を正しい景品に交換すると、手間がかかるうえ、客に不信感を抱かせる。そして、カセット内の残りの間違えた景品を正しい景品に入れ替えなければならないが、遊技店では、通常、景品の補充作業を行う店員(管理者)と、景品交換作業を行う店員とが異なることが多いので、管理者を呼んで景品を詰め替えるには時間がかかり、その間、景品交換作業を停止しなくてはならない。
【0007】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、カセットに間違った景品が収納されることを防止できる景品払出装置を提供することを主たる目的とする。
この発明は、また、カセット装填に係る使い勝手の向上を図ることができる景品払出装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、装置本体と、景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、を含むことを特徴とする、景品払出装置である。
【0009】
請求項2記載の発明は、各景品には、その景品の種類を表す色がつけられており、前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品の色を前記種類情報として読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置である。
請求項3記載の発明は、各景品には、その景品の種類を表す種類情報が記録されたICチップが内蔵されており、前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品内のICチップの前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置である。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記カセットは、複数枚の景品を積層状態で収納可能であり、前記読取手段は、前記カセットに積層状態で収納された景品の積層方向において移動しながら、前記カセットに収納されたすべての景品の前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置である。
請求項5記載の発明は、前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、各前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納されるべき景品の種類情報を、前記受入部毎に設定登録する設定登録手段と、各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報と、前記設定登録手段が当該受入部について設定登録していた種類情報とが一致しない場合に、その旨を報知する報知手段と、を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置である。
【0011】
請求項6記載の発明は、装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、装置本体と、景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する設定登録手段と、を含むことを特徴とする、景品払出装置である。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記設定登録手段は、各前記受入部において、前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納される景品の種類情報の条件を予め定めており、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たす場合に、前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録するものであり、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たさない場合に、その旨を報知する報知手段を含むことを特徴とする、請求項6記載の景品払出装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、この景品払出装置では、読取手段が、装置本体に装填されたカセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取るので、カセットに収納された景品の種類を把握することができる。
その結果、カセットに間違った景品が収納されることを防止できる。
ここで、景品の種類情報は、請求項2記載の発明のように、景品の色であってもよいし、請求項3記載の発明のように、景品に内蔵されたICチップに記録されたものであってもよい。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、読取手段が、カセットに積層状態で収納された景品の積層方向において移動しながら、カセットに収納されたすべての景品の種類情報を読み取るので、景品払出装置では、カセットに収納されたすべての景品の種類を把握することができる。
請求項5記載の発明によれば、この景品払出装置では、装置本体に装填されるカセットを受け入れる受入部が、カセットと同様に、複数設けられており、設定登録手段が、各受入部に受け入れられるカセットに収納されるべき景品の種類情報を、受入部毎に設定登録する。
【0015】
そして、各受入部において、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報と、設定登録手段が当該受入部について設定登録していた種類情報とが一致しない場合に、報知手段が、その旨を報知するので、間違った景品が収納されたカセットが受入部に受け入れられたまま放置されることを防止できる。
請求項6記載の発明によれば、この景品払出装置では、読取手段が、装置本体に装填されたカセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取るので、カセットに収納された景品の種類を把握することができる。
【0016】
その結果、カセットに間違った景品が収納されることを防止できる。
そして、この景品払出装置では、装置本体に装填されるカセットを受け入れる受入部が、カセットと同様に、複数設けられている。
ここで、設定登録手段が、各受入部において、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する。
【0017】
これにより、カセットを受入部に受入れさせる(装填する)のに先立って、どの種類の景品が収納されたカセットをどの受入部に受け入れさせるべきかについて注意を払わずに済むので、カセット装填に係る使い勝手の向上を図ることができる。
また、景品払出装置では、どの種類の景品がどの受入部に収納されたかを把握することができ、その把握した内容に基づいて、必要な種類の景品を必要な枚数分払い出すことができる。
【0018】
請求項7記載の発明によれば、設定登録手段は、各受入部において、受入部に受け入れられるカセットに収納される景品の種類情報の条件を予め定めている。
そして、設定登録手段は、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たす場合に、読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する。
ここで、受入部に受け入れられたカセットに収納された景品から読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たさない場合に、報知手段が、その旨を報知するので、ユーザに対して、前記条件を満たすようにカセットを装填し直すように促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】景品払出装置1を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【図2】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の斜視図である。
【図3】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の分解斜視図である。
【図4】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある下ユニット20の斜視図である。
【図5】カセット4を斜め上側から見た斜視図であって、(a)は、景品2が1枚も収納されていない状態を示し、(b)は、複数枚の景品2が収納された状態を示している。
【図6】景品払出装置1の模式的な側断面図である。
【図7】(a)は、1つの読取部50を右上側から見た斜視図であり、(b)は、装填されたカセット4とこのカセット4に対応する読取部50とを右上側から見た斜視図であり、(c)は、(b)において、カセット4の内部を露出させた図である。
【図8】景品払出装置1における制御回路構成ブロック図であって、読取部50による景品2の色読取りに関連する部分を示したものである。
【図9】景品払出装置1のキャビネット3内におけるすべての景品払出ユニット5、カセットホルダ23およびカセット4の、上方から見た場合におけるレイアウトを模式的に示した図である。
【図10】検査処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】第2表示部7Bの表示内容を示している。
【図12】確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】変形例に係る確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】変形例に係る景品払出装置1の右側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。なお、以下では、左右方向と幅方向とは同じであり、上下方向と垂直方向とは同じである。そして、前後方向および左右方向(幅方向)は、水平方向に含まれている。
<景品払出装置の概要>
図1は、景品払出装置1を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【0021】
図1に示す景品払出装置1は、たとえば、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。
図1を参照して、景品払出装置1から景品の払い出しを受ける客は、景品払出装置1の後側(図1における奥側)に位置し、従業員は、景品払出装置1の前側に位置して接客を行う。
【0022】
ここで、景品払出装置1で取り扱われる景品(後述する図5(b)の符号2を参照)は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品2は、一般的に、1〜3mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品2には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、100円、500円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた4つの種類が存在する。また、景品2には、その種類を識別するために、種類を示す情報が表面に目視可能に印字されていたり、RFIDタグ等が内蔵されていたりする。また、景品には、偽造等の不正を防止するための処理が施されていることもある。さらに、景品の表面が、種類毎に色分けされていることもある。
【0023】
景品払出装置1は、その外郭をなす略直方体形状の装置本体としてのキャビネット3と、キャビネット3に収容される複数(この例では、4つ)の景品払出ユニット5(後述する図2参照)とを備えている。各景品払出ユニット5には、複数のカセット4(後述する図5参照)が交換可能に収納される。各カセット4には、複数の景品2が上下に積み重ねられた状態で収納される。
【0024】
複数の景品払出ユニット5は、幅方向に並んだ状態でキャビネット3内に収容される。各景品払出ユニット5内には、横方向2列に4個ずつ、合計で8個のカセット4が配置されている。従って、キャビネット3内には、横方向8列に4個ずつカセット4が配置される。横方向に並ぶ第1列〜第8列までの8つの列を、左から順に第1レーン〜第8レーンと呼ぶ。このような景品払出装置1では、全体で、多種類の景品2を多量に収納することができ、そして、多種類の景品2を一度に払い出すことができる。
【0025】
キャビネット3の前壁において、各景品払出ユニット5と幅方向において一致する各部分は、扉6を構成している。つまり、扉6は、景品払出ユニット5と同様、4つ設けられている。扉6を開くことで、対応する景品払出ユニット5をキャビネット3から引き出すことができる。
キャビネット3の上面には、報知手段としての表示部7が設けられている。表示部7は、客用の第1表示部7Aと、従業員用の第2表示部7Bとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、表示部7は、いわゆるタッチパネルになっており、表示部7には、景品払出装置1の動作を制御するために操作される操作部(図示せず)が表示される。
【0026】
キャビネット3の上面における表示部7より後側において、各景品払出ユニット5の上方位置には、上記第1レーン〜第8レーンに対応して、8個の払出口8が形成されている。8つの払出口8は、幅方向に並んでいる。各払出口8は、キャビネット3の内部に上から連通している。また、各払出口8には、シャッタ9が設けられている。シャッタ9は、前後にスライドすることによって、払出口8を開閉する。図1では、シャッタ9が払出口8を閉じた状態が示されている。
【0027】
また、図1には一部しか示されていないが、景品払出装置1には、カセット4(図5参照)に収納された景品2を払い出すために、第1搬送部10と、第2搬送部11と、保留部12と、リフト部13と、送出部14とが備えられている。
景品払出装置1における景品2の大まかな払い出し手順として、まず、第1搬送部10が、カセット4(図5参照)に収納された景品2から、所定の払出枚数に相当する景品群を分離して、上方へ搬送する。次いで、第2搬送部11が、上方に搬送された景品2(景品群)を払出口8側へ向けて略水平に搬送する。そして、保留部12が、搬送された景品2を払出口8の下方で保留する。その後、リフト部13が、保留された景品2を払出口8へ向けて持ち上げる。最後に、送出部14が、払出口8まで持ち上げられた景品2をキャビネット3の上面に押し出す。ここで、シャッタ9と、シャッタ9をスライドさせる構成とが、上述した送出部14に含まれる。このようにして、景品払出装置1内に収納された景品2が払出口8から払い出される。
【0028】
これらの構成(第1搬送部10、第2搬送部11、保留部12、リフト部13および送出部14)は、以下で景品払出ユニット5を説明する際に、個別に説明される。
<景品払出ユニット>
図2は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の斜視図である。
【0029】
図2に示すように、各景品払出ユニット5は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。景品払出ユニット5は、その上下方向における略6分の5の部分をなす下ユニット20と、下ユニット20の上側に配置される上ユニット21とを含んでいる。
また、景品払出ユニット5(詳しくは、下ユニット20)の前面(図2における手前側の面)には、ハンドル26が設けられている。ハンドル26は、上述したように景品払出ユニット5をキャビネット3(図1参照)から引き出す際に、把持される。
【0030】
図3は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット5の分解斜視図である。
図3に示すように、下ユニット20と上ユニット21とは、分離可能である。具体的には、上ユニット21は、キャビネット3(図1参照)側に固定されており、景品払出ユニット5では、ハンドル26を把持することで、下ユニット20だけをキャビネット3から引き出すことができる。
【0031】
以下では、下ユニット20と上ユニット21とを個別に説明する。
(1)下ユニット
下ユニット20は、その外郭をなす下ケーシング22と、受入部としての8つのカセットホルダ23(図3では右側4つのカセットホルダ23が現れている。)と、8つのカセット4(図3では8つのカセット4のうちの1つが下ユニット20の上方に配置された状態で示されている。)と、4つの搬送機構24(図3では図示されず、図2を参照)とを含んでいる。カセットホルダ23、カセット4および搬送機構24は、常態では、下ケーシング22内に配置されている。ここで、搬送機構24が、上述した第1搬送部10を構成している。
【0032】
上述したように下ユニット20がキャビネット3(図1参照)から引き出されることで下ユニット20と上ユニット21とが分離された状態(図3に示す状態)では、下ケーシング22の上面が開放されている。
(1−1)カセットホルダ
図4は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある下ユニット20の斜視図である。
【0033】
図4に示すように、8つのカセットホルダ23は、前後(図4における手前側と奥側とを結ぶ方向)に4つ、左右に2つ並ぶように配置されている。各カセットホルダ23は、垂直方向に延びる4本の保持レール25を含んでいる。4本の保持レール25は、上方から見て四角形の4つの角をなすように、配置されている(図4における最も右側のカセットホルダ23を参照)。
(1−2)カセット
図5は、カセット4を斜め上側から見た斜視図であって、(a)は、景品2が1枚も収納されていない状態を示し、(b)は、複数枚の景品2が収納された状態を示している。
【0034】
図5に示すように、各カセット4は、上下方向に長手であり、その平断面は、図5では、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット4において、上面は、景品2をカセット4内に収容するために開放されている一方で、底面は、カセット4に収容された景品2がカセット4から落下しないように、塞がれている。
図5におけるカセット4の右面は、上述した略コ字形状の平断面をなすべく、上下方向におけるすべての範囲に亘って連続して開放されており、このように開放された部分を開放部28という。開放部28は、カセット4において開放された上面に対して連続している。
【0035】
カセット4の前面および後面には、カセット4の内側へ凹みつつ、上下に延びる溝29が1つずつ形成されている。また、図5におけるカセット4の左面には、溝29が、前後に間隔を隔てて2つ形成されている(図5では図示されておらず、図3において単独で示されたカセット4の右面を参照)。これらの溝29は、後述するようにカセット4が下ケーシング22に装填される際に、カセット4の装填をガイドするためのものである。
【0036】
カセット4の上端には、ハンドル30が取付けられている。ハンドル30は、前後に間隔を隔てる2つの遊端部を有する略U字形状である。ハンドル30において、前側の遊端部30Aは、カセット4の前面において溝29より上側の部分によって支持されており、後側の遊端部(図示されていない)は、カセット4の後面において溝29より上側の部分によって支持されている。これにより、ハンドル30全体は、カセット4の上端によって回動自在に支持されている。そのため、ハンドル30を適宜回動させることでハンドル30を良好に掴み、カセット4をぶら下げた状態で移動させることができる。
【0037】
カセット4は、図5(b)に示すように、所定の1種類の複数枚の景品2を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で、最大でたとえば100枚程度収納することができる。この状態で、積層状態にある景品2は、カセット4の底壁4Aに載置されている。
景品2が収納されたカセット4は、図3に示すように、開放された下ケーシング22の上面を介して、下ケーシング22(換言すればキャビネット3)に対して上から装填され、対応するカセットホルダ23によって保持される(受け入れられる)。
【0038】
詳しくは、カセット4の装填に伴い、各カセット4の4つの溝29(図5も参照)に、対応するカセットホルダ23の4本の保持レール25が外側かつ下側から嵌り込み、カセット4は、各溝29において保持レール25にガイドされることによって、下降する。そして、カセット4が下限まで到達すると、カセット4の下降は停止する。このとき、カセット4は、4本の保持レール25によって外側から囲まれることで位置決めされる。このように、カセット4は、対応するカセットホルダ23によって保持される。
【0039】
ここで、下ケーシング22において、カセットホルダ23は、左右に2つ並ぶように配置されているので、左右に並ぶカセットホルダ23のそれぞれに保持されたカセット4は、左右に並んで配置される。このとき、左右に並んで配置された2つのカセット4のうち、左側のカセット4の開放部28と、右側のカセット4の開放部28とが水平方向において対向している。つまり、各カセット4は、その開放部28が下ケーシング22の幅方向中央を向くように、下ケーシング22に装填されている。
(1−3)搬送機構
図2を参照して、上述した4つの搬送機構24は、下ケーシング22内において、前後に並んで配置されている(図2では1つの搬送機構24が図示されている。)。各搬送機構24は、下ケーシング22内において左右に並ぶカセットホルダ23(換言すれば左右に並ぶカセット4)の間に配置されている(図3も参照)。
【0040】
各搬送機構24は、垂直方向に延びる支持レール31と、搬送ユニット32と、モータ33とを含んでいる。
搬送ユニット32は、支持レール31によって上下方向へスライド自在に支持されている。この状態で、搬送ユニット32は、搬送機構24の左右両側にあるカセットホルダ23のいずれか一方に装填されたカセット4の開放部28(図3参照)に対して水平方向から対向している。
【0041】
モータ33は、支持レール31の下端に固定されている。モータ33が駆動されると、モータ33の駆動力が、ベルトやチェーンなどの伝達部材を介して搬送ユニット32に伝達され、搬送ユニット32が、支持レール31に支持された状態で、上下方向へスライドする。
これにより、搬送ユニット32は、カセット4の開放部28(図5(a)参照)からカセット4内にアクセスすることで、カセット4に収納された景品2(図5(b)参照)を、上側の景品2から順に、必要な枚数(払出枚数)だけ分離し、上方へ搬送することができる。ここで、上限近傍にあるときの搬送ユニット32の位置を待機位置という。
【0042】
また、搬送機構24は、垂直方向に延びる支持レール31を中心として、回動することができる。これにより、図2の姿勢を基準として、右前に向いていた搬送ユニット32が、搬送機構24が180°回動することによって、左後へ向く(図示されていない)。
そのため、搬送機構24の搬送ユニット32は、図3を参照して、たとえば、まず、右側のカセットホルダ23に装填された右側のカセット4に左から対向する。そして、上述した手順によって、右側のカセット4に収納された景品2(図5(b)参照)を、払出枚数分だけ、上側の景品2から順に、上方の上ユニット21に搬送する(図2も参照)。
【0043】
この結果、右側のカセット4のすべての景品2が搬送されて右側のカセット4が空になると、搬送機構24は、上述したように、垂直方向に延びる支持レール31(図2参照)を中心として180°回動する。
これにより、搬送ユニット32は、左側のカセットホルダ23に装填された左側のカセット4に右から対向し、今度は、左側のカセット4に収納された景品2を、上側の景品2から順に、上述した手順によって、分離し、上方へ搬送することができる。
【0044】
このように、1つの搬送機構24(図2参照)は、左右のカセット4の間に配置されて、これら2つのカセット4におけるそれぞれの景品2を分離搬送している。つまり、搬送機構24とカセット4とが、1対2の関係になっており、1つの搬送機構24は、左右に並んで配置された2つのカセット4のそれぞれに収納された景品2に対して対応可能である。これにより、搬送機構24をカセット4と同じ数だけ設けなくても、1つの搬送機構24だけで、複数のカセット4のそれぞれに収納された景品2を分離搬送することができるので、景品払出ユニット5の簡略化および小型化を図ることができる。なお、搬送機構24とカセット4とが、1対3の関係、1対4の関係、1対5の関係・・・となるように、1つの搬送機構24が、より多くのカセット4に対応していても構わない。
【0045】
また、図2に示す搬送ユニット32は、上下に移動することで、カセット4に収納された景品2を搬送しているが、たとえば、特定のセンサ(図示せず)を備え、上下に移動する際に、このセンサによってカセット4内の景品2を計数してもよい。
(2)上ユニット
図3に示すように、上ユニット21は、その外郭をなす上ケーシング80と、上ケーシング80内に配置される保留ボックス81およびエレベータ82とを含んでいる。
【0046】
上ケーシング80は、前後方向に長手で上下に扁平なボックス形状である。なお、図3において、上ケーシング80の右壁は省略されている。上ケーシング80では、上面が開放されている。
また、上ケーシング80の底面には、上ケーシング80内に連通する6つの開口83が形成されている。6つの開口83は、前後に3つ、左右に2つ並ぶように形成されている。各開口83は、前後に長手の矩形状であり、特に、前後に3つ並ぶ開口83において、真ん中にある開口83は、残りの開口83よりも前後方向に2倍程度大きい。
【0047】
図2に示すように下ユニット20がキャビネット3(図1参照)内にある状態(下ユニット20と上ユニット21とが一体化された状態)では、各開口83は、対応するカセット4(図3参照)の開放された上面に対して真上から臨んでいる。
つまり、左側で前後に並ぶ3つの開口83において、最も前側の開口83は、下ユニット20において左側で前後に並ぶ4つのカセット4のうち、最も前側のカセット4の上面に対して上から臨んでいる(図3も参照)。また、左側で前後に並ぶ3つの開口83において、最も後側の開口83は、下ユニット20において左側で前後に並ぶ4つのカセット4のうち、最も後側のカセット4の上面に対して上から臨んでいる(図3も参照)。一方、前後方向で真ん中にある開口83は、前後に並ぶ4つのカセット4のうち、前から2番目および3番目のカセット4の上面に対して上から臨んでいる(図3も参照)。右側で前後に並ぶ3つの開口83についても同様である。
【0048】
保留ボックス81は、左右に2つ設けられている。保留ボックス81は、左右にやや薄いボックス形状であり、その上面および底面は、開放されている。
保留ボックス81の平断面は、カセット4と同様に、略コ字形状をなしている(図5参照)。左側の保留ボックス81では、右面が上下方向における全域において開放されており、右側の保留ボックス81では、左面が上下方向における全域において開放されている。各保留ボックス81において、このように開放された部分を、開放部84という。開放部84は、保留ボックス81の開放された上面および底面の両方に対して連続している。
【0049】
左側の保留ボックス81は、上ケーシング80の左壁によって前後方向へスライド自在に支持されており、右側の保留ボックス81は、上ケーシング80の右壁(図示せず)によって前後方向へスライド自在に支持されている。左右の保留ボックス81は、互いに連動することなく、単独でスライドすることができる。
そして、各保留ボックス81は、前後にスライドする際に、左右方向において同じ側で前後に並ぶ3つの開口83の上方を通過する。
【0050】
ここで、左側で前後に並ぶ3つの開口83において最も後側の開口83(左側の保留ボックス81と同じ位置にある開口83)を参照して、上述したように搬送ユニット32が、この開口83の下方にあるカセット4(図3参照)の景品2を上方へ搬送する際、左右方向で同じ側にある保留ボックス81(ここでは左側の保留ボックス81)は、搬送される景品2の真上に位置するように移動してから、この位置で待機する。
【0051】
そして、搬送ユニット32によって上方へ搬送されてきた景品2は、この景品2を収納していたカセット4の上方にある開口83(ここでは、左側における最も後側の開口83)、待機している保留ボックス81の開放された底面を順に通過し、保留ボックス81内に収容される。つまり、保留ボックス81は、カセット4に対して上方(上下方向における隣)に配置され、搬送ユニット32が搬送してきた景品2を受け入れる。この後、搬送ユニット32は、元の位置(上述した待機位置)へ戻る。
【0052】
なお、保留ボックス81内に景品2が収容されると、保留ボックス81に設けられた爪(図示せず)が、保留ボックス81内に突出し、保留ボックス81内で最も下側にある景品2に対して下から係合する。これにより、保留ボックス81内に収容された景品2が保留ボックス81の底面から落下することはない。
エレベータ82は、上ケーシング80の底壁の前後方向略中央位置にあり、上ケーシング80の底壁において左右に隣り合う開口83の間で前後に延びる部分(リブ85という。)に上から取り付けられている。この状態で、エレベータ82は、リブ85上で前後に移動することができる。エレベータ82は、左右に間隔を隔てて配置される2枚の水平な板状のステージ86と、伸縮機構87とを含んでいる。
【0053】
2枚のステージ86のうち、左側のステージ86は、左側で前後に3つ並ぶ開口83における真ん中の開口83に対して上から臨んでおり、右側のステージ86は、右側で前後に3つ並ぶ開口83における真ん中の開口83に対して上から臨んでいる。この状態で、2枚のステージ86は、連結部材88によって連結され、一体化されている。
伸縮機構87は、いわゆるパンタグラフ構造であり、図2に示すように上下に扁平な収縮状態と、上側へ伸び出た伸長状態(図示せず)とに姿勢を変えることができる。伸縮機構87では、その前後方向略中央部分(上昇部分89という。)が、伸縮機構87が収縮状態から伸長状態へ姿勢を変えるときに最も上昇する。伸縮機構87が収縮状態と伸長状態との間で姿勢を変える際、上昇部分89は、垂直方向に沿って直線的に上下する。2枚のステージ86を連結する連結部材88は、伸縮機構87の上昇部分89に上から取り付けられている。
【0054】
図2に示すように伸縮機構87が収縮状態にあるときには、各ステージ86は、左右方向で同じ側にある保留ボックス81の底面よりも低い位置にある。そして、伸縮機構87が伸長状態にあるときには(図示せず)、各ステージ86は、左右で同じ側にある保留ボックス81よりも高い位置にあり、キャビネット3の上面において左右方向で同じ位置にある払出口8(図1参照)に一致する。
【0055】
ここで、上述したように保留ボックス81内に景品2が収容されると、保留ボックス81は、前後方向にスライドし、左右方向で同じ側にあるステージ86の真上(換言すれば払出口8の真下)で停止する。つまり、保留ボックス81は、受け入れた景品2を所定位置(ステージ86の真上かつ払出口8の真下)に搬送する。このとき、伸縮機構87は、収縮状態にある。
【0056】
このように、保留ボックス81は、搬送ユニット32によって搬送された景品2を払出口8側へ搬送した後、搬送された景品2を払出口8の下方で保留することから、上述した第2搬送部11および保留部12として機能している。保留ボックス81により、カセット4から搬送された景品2を、払出口8へ向けて確実に搬送することができる。
なお、ステージ86の真下に位置するカセット4の景品2を払い出す場合には、ステージ86を含むエレベータ82全体が、このカセット4に対して前後のどちらかへずれる。そして、このカセット4から搬送された景品2が保留ボックス81内に収容されると、払出口8の真下にステージ86が配置されるように、エレベータ82が元の位置に戻る。
【0057】
そして、このように保留ボックス81が景品2を所定位置(ステージ86の真上かつ払出口8の真下)に搬送すると、収縮状態にあった伸縮機構87が、伸長状態へと姿勢を変える(図示せず)。これにより、保留ボックス81の真下にあったステージ86が、垂直方向に沿って上昇する。この際、このステージ86は、保留ボックス81の開放された底面を通過し、その後、保留ボックス81に収容された景品2のうち最も下側に位置する景品2の底面を下から押し上げる。これにより、保留ボックス81に収容されたすべての景品2は、ステージ86に載置された状態で上昇する。
【0058】
そして、伸縮機構87が伸長状態になったときには、保留ボックス81に収容されていたすべての景品2は、ステージ86によって持ち上げられ、保留ボックス81の開放された上面よりも上方へ移動する(図示せず)。このとき、キャビネット3の上面において左右方向で同じ位置にある払出口8(図1参照)が開放されており、保留ボックス81の開放された上面よりも上方へ移動した景品2は、開放された払出口8からキャビネット3の上面に露出される。つまり、エレベータ82は、保留ボックス81によって所定位置(ステージ86の真上かつ払出口8の真下)に搬送された景品2を払出口8へ持ち上げていることから、上述したリフト部13として機能している。エレベータ82により、搬送ユニット32がカセット4から搬送した景品2を、景品払出装置1の払出口8へ向けて確実に搬送することができる。
【0059】
ここで、図1を参照して、払出口8を開閉するシャッタ9は、払出口8を開放したときには、払出口8に対して前側(従業員側)にずれている(この状態は図示せず)。上述したように景品2が払出口8から露出されると、シャッタ9は、後側(客側)へスライドし、景品2を後側の客へ向けて押し出しつつ、払出口8を閉じる。この後、伸縮機構87(図2参照)は、収縮状態に戻る(図示せず)。
【0060】
図6は、景品払出装置1の模式的な側断面図である。
図6を参照して、以上で説明した本発明の景品払出装置1の各景品払出ユニット5における景品2の払い出し動作をまとめる。なお、図6の太線矢印は、払い出される景品2(図5(b)参照)の流れを示している。
各景品払出ユニット5において、下ユニット20の各カセット4に収納された景品2は、必要な枚数(払出枚数)だけ分離された後、上向きへ搬送されて上ユニット21内に受け渡される。その後、上ユニット21内に受け渡された景品2は、中央位置(払出口8の真下)へ搬送される。次に、払出口8のシャッタ9が開放されるとともに、景品2がエレベータ82によって払出口8まで持ち上げられ、最後に、払出口8を閉じようとするシャッタ9によって後側(図6における左側)に押し出され、客に払い出される。
(3)読取部
この景品払出装置1では、キャビネット3に装填された各カセット4に収納された景品2(図5(b)参照)の種類を把握することができる。そのために、景品払出装置1は、各景品払出ユニット5において、読取手段としての読取部50を備えている。
【0061】
図7において、(a)は、1つの読取部50を右上側から見た斜視図であり、(b)は、装填されたカセット4とこのカセット4に対応する読取部50とを右上側から見た斜視図であり、(c)は、(b)において、カセット4の内部を露出させた図である。
図7(a)に示すように、読取部50は、前後方向(図7(a)において左手前側と右奥側とを結ぶ方向であり、図7(b)および図7(c)において同じ。)に長手で左右に薄く、幅方向から見て略矩形の板状である。
【0062】
読取部50には、カラーセンサ52が設けられており、カラーセンサ52は、読取部50の図7(a)における右面(検知面51という。)から露出されている。
カラーセンサ52は、発光部52Aと、受光部52Bとを含んでいる。カラーセンサ52では、発光部52Aが、検知面51に対向配置された被検知物に対して白色光を照射し、その反射光を受光部52Bが受光する。そして、カラーセンサ52は、受光部52Bが受光した反射光に基づいて、詳しくは、反射光をRGBデータに変換して分析することで、被検知物の表面の色を検知する。
【0063】
読取部50は、図4に示すように、各景品払出ユニット5において、8つのカセットホルダ23と同様に、8つ設けられている(図4では右側4つの読取部50が図示されている。)。各読取部50は、対応するカセットホルダ23に取り付けられており、詳しくは、カセットホルダ23を構成する4本の保持レール25における幅方向外側(景品払出ユニット5の幅方向の外壁に隣接する側)で前後に並ぶ2本の保持レール25の下端部間に架設されている。
【0064】
この状態で、各読取部50では、上述した検知面51(図7(a)参照)が、景品払出ユニット5(詳しくは下ユニット20の下ケーシング22)の幅方向中央を向いている。そのため、図4に現れている右側4つの読取部50では、検知面51でなく、読取部50において幅方向で検知面51とは反対側の面が主に見えている。
そして、読取部50に関連して、図7(b)に示すように、各カセット4の下端部には、開口53が形成されている。なお、厳密には、図7(b)では、開口53は、読取部50の裏側(左側)にあって、隠れている。開口53は、カセット4において、上述した開放部28が形成された面(図7(b)における左面)とは反対側の面(図7(b)における右面)の下端部に形成されている。開口53は、読取部50とほぼ同じ大きさを有する前後に長手の略矩形状である。
【0065】
上述したように、景品2が収納されたカセット4(図5(b)参照)が、景品払出ユニット5の下ケーシング22に対して上から装填され(図3で単独で示されたカセット4を参照)、対応するカセットホルダ23によって保持される(図3で単独で示されたカセット4以外のカセット4を参照)。このとき、各カセットホルダ23の読取部50(図4参照)では、検知面51(図7(a)参照)が、対応するカセット4の開口53に対して水平方向から臨み、図7(c)に示すように、開口53を介して、カセット4内に収納された下端側の景品2の幅方向における端面(図7(c)では右端面)に対向する。そして、この状態で、検知面51に設けられたカラーセンサ52(図7(a)参照)が、開口53から露出された景品2の色を検知する(読み取る)。
【0066】
図8は、景品払出装置1における制御回路構成ブロック図であって、読取部50による景品2の色読取りに関連する部分を示したものである。
図8に示すように、この景品払出装置1には、たとえばマイクロコンピュータ等で構成された設定登録手段としての制御部60が備えられている。
制御部60は、景品払出装置1内のすべての読取部50(図4参照)、表示部7(ここでは第2表示部7Bであり、図1参照)、第2表示部7Bにおける上述した操作部(図8では符号61を付している。)、記憶部62、および、通信部63のそれぞれに対して電気的に接続されている。
【0067】
制御部60は、操作部61が所定の手順で操作(押下)されるのに応じて、読取部50に対して、この読取部50に対応するカセット4(図7(b)および図7(c)参照)に収納された景品2の色の読取りを実行させる。これに関連して、制御部60は、記憶部62に記憶されたデータを読み出したり、記憶部62にデータを書き込んだりし、また、色の読取り結果を表示部7に表示させたりする。
【0068】
また、制御部60は、通信部63を介して、外部機器(たとえば、景品払出装置1を管理する図示しない景品管理機)に接続されており、景品管理機(図示せず)から指示を受けるのに応じて、読取部50に対して、カセット4の景品2の色の読取りを実行させることができ、色の読取り結果を景品管理機(図示せず)に送信することができる。
記憶部62には、取り扱おうとする景品2の種類情報と色情報とを組み合わせた管理テーブルが記憶されており、これを参照することにより、色情報に基づいて種類を特定したり、種類情報に基づいて色情報を特定することが可能となっている。また、カセットホルダ23毎に予め設定される種類設定情報(後述する登録済み種類情報S)もここに記憶される。
(3−1)検査処理
この景品払出装置1では、読取部50を用いることで、キャビネット3の各カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に正しい景品2が収納されているのかを検査することができ、以下では、この処理(検査処理)について説明する。
【0069】
図9は、景品払出装置1のキャビネット3内におけるすべての景品払出ユニット5、カセットホルダ23およびカセット4の、上方から見た場合におけるレイアウトを模式的に示した図である。なお、図9において、下側が、図1における景品払出装置1の前側(扉6が設けられた従業員側)であり、上側が、図1における景品払出装置1の後側(客側)である。
【0070】
検査処理を説明するのに先立って、まず、図9を参照して、キャビネット3内のレイアウトについて説明する。
この景品払出装置1では、上述したように4つの景品払出ユニット5が、幅方向に並んだ状態でキャビネット3内に収容されており、各景品払出ユニット5では、8つのカセットホルダ23が、前後(図9における上下方向)に4つ、左右に2つ並ぶように配置されている。つまり、景品払出装置1全体では、カセットホルダ23は、前後に4つ、左右に8つ並ぶように、合計で32個設けられている。
【0071】
上述したように、各カセットホルダ23では1つのカセット4が受入れられることから、景品払出装置1全体では、カセット4は、カセットホルダ23と同様に、前後に4つ、左右に8つ並ぶように、合計で32個配置(装填)されており、それぞれのカセット4が、対応するカセットホルダ23に受け入れられている。この状態で、前後に4つ並ぶカセット4の組が、左右に8つ並ぶことで、上述した第1レーン〜第8レーンを構成している。
【0072】
ここで、景品払出装置1のキャビネット3内における32個のカセット4のそれぞれを、最も左奥(図9における左上)のカセット4を基準として、左右方向におけるカセット4の順番を示す変数mと、前後方向(図9における上下方向)におけるカセット4の順番を示す変数nとを用いた座標(m,n)によって、区別する。また、32個のカセットホルダ23も、カセット4と同様に、座標(m,n)で区別される。つまり、座標(m,n)は、各カセット4およびカセットホルダ23を識別するためのものである。
【0073】
座標(m,n)を用いてカセット4を識別すると、たとえば、最も左奥のカセット4の座標(m,n)は、(1,1)であり、このカセット4の右隣りのカセット4の座標(m,n)は、(2,1)である。そして、最も右前(図9における右下)のカセット4の座標(m,n)は、(8,4)である。カセットホルダ23の座標は、対応するカセット4の座標と同じである。
【0074】
ここで、上述したように、カセット4に収納される景品2(図7(c)参照)には、100円、500円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた4つの種類が存在し、各カセット4には、所定の1種類の複数枚の景品2が収納されている。
そして、各景品2の表面には、その景品2の種類を表す色がつけられている。たとえば、100円の景品2の場合の色は、赤であり、500円の景品2の場合の色は、青であり、1000円の景品2の場合の色は、黄であり、5000円の景品2の場合の色は、緑である。つまり、景品2の種類を特定する種類情報は、ここでは、景品2の表面(特に端面)の色である。
【0075】
景品払出装置1では、各カセットホルダ23に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の種類情報(色)が、制御部60(図8参照)によって、記憶部62(図8参照)において、カセットホルダ23毎に予め設定登録されている。詳しくは、この設定登録された種類情報は、上述した各カセットホルダ23を識別する座標(m,n)と関連付けて、登録済み種類情報S(m,n)と定義される。
【0076】
たとえば、最も左奥のカセットホルダ23(座標(m,n)=(1,1))に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の色が赤であるとすると、このカセットホルダ23についての登録済み種類情報S(1,1)は、赤色である。また、最も右前のカセットホルダ23(座標(m,n)=(8,4))に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の色が緑であるとすると、このカセットホルダ23についての登録済み種類情報S(8,4)は、緑色である。
【0077】
このようにして、記憶部62(図8参照)では、すべてのカセットホルダ23についての登録済み種類情報Sが設定登録(記憶)されている。図9を参照して、たとえば、一番左で前後に4つ並ぶカセットホルダ23(上述した第1レーンのカセット4に対応するカセットホルダ23)において、各カセットホルダ23に受け入れられるカセット4に収納されるべき景品2の登録済み種類情報S(色)は、後側(図9における上側)のカセットホルダ23から順に、赤、赤、青、青である。
【0078】
なお、上述した制御部60(図8参照)による種類情報の設定登録は、操作部61(図8参照)を所定の手順で操作することによって実行可能である。または、種類情報は、上述した景品管理機(図示せず)で設定され、通信部63(図8参照)を介して記憶部62に登録されるようにすれば操作性が向上する。種類情報の設定登録は、カセットホルダ23毎に1回ずつ実行されてもよいし、複数のカセットホルダ23についてまとめて実行されてもよい。
【0079】
図10は、検査処理の手順を示すフローチャートである。
以下では、上述したように32個すべてのカセットホルダ23に関する登録済み種類情報Sが記憶部62(図8参照)に記憶された状態において、上述した検査処理を行う場合の手順を、図10を参照しながら説明する。
すべてのカセット4が下ユニット20において対応するカセットホルダ23(図3参照)に受け入れられ、さらに、すべての下ユニット20がキャビネット3(図1参照)内に収容されると(つまりすべてのカセット4がキャビネット3に装填されると)、従業員(または景品払出装置1をメンテナンスする者)が、第2表示部7B(図1参照)の操作部61(図8参照)における、景品2の色読取り(検査処理)に関連する操作キーを押下する。
【0080】
従業員によって操作キーが押下されると(ステップS1でYES)、制御部60(図8参照)は、各カセット4に収納された景品2の色読取りを実行する。なお、景品2の色読取りは、操作キーの押下の他に、すべてのカセット4がカセットホルダ23に受け入れられた時点や、下ユニット20がキャビネット3内に収容された時点に実行されてもよい(後述する確認処理の場合でも同様)。
【0081】
景品2の色読取りの実行に先立って、制御部60は、最初に景品2の色読取り(検査処理)を行うカセット4(カセットホルダ23)の座標(m,n)を特定する(ステップS2)。ここでは、制御部60は、座標(m,n)を(1,1)とし、最初に景品2の色読取りを行うカセット4を、図9における最も左奥のカセットホルダ23に受け入れられたカセット4とする。以下では、カセット(m,n)といった具合に、カセット4(カセットホルダ23)の文字の後に座標(m,n)を付けることで、どの位置のカセット4(カセットホルダ23)かがわかるようにして説明する。
【0082】
そして、ステップS2の処理で、最初に景品2の色読取りを行うカセット(1,1)が特定された後、カセット(1,1)に収納された景品2の種類情報(色)が、このカセット(1,1)に対応する読取部50(図7参照)によって読み取られる(ステップS3)。ここで、読取部50によって景品2から実際に読み取られた種類情報は、上述した各カセット4(カセットホルダ23)を識別する座標(m,n)と関連付けて、実際の種類情報R(m,n)と定義される。そのため、このカセット(1,1)に収納された景品2の色が赤である場合には、このカセット(1,1)、詳しくは、カセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセットについての実際の種類情報R(1,1)は、赤である。
【0083】
ステップS3の処理が終了すると、制御部60(図8参照)は、景品2の色読取りを行ったカセット4(ここでは、カセット(1,1))を受け入れるカセットホルダ(1,1)について記憶部62(図8参照)に記憶(設定登録)されていた登録済み種類情報S(1,1)を参照し、実際の種類情報R(1,1)と、登録済み種類情報S(1,1)とを比較する(ステップS4)。
【0084】
ここで、実際の種類情報R(1,1)と、登録済み種類情報S(1,1)とが一致していなければ(ステップS4でNO)、カセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセット(1,1)には、間違った種類(色)の景品2が収納されている。そのため、制御部60(図8参照)は、景品2の色読取りを行ったカセット(1,1)のチェック結果をNGとし、このチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS5)。
【0085】
一方、実際の種類情報R(1,1)と、登録済み種類情報S(1,1)とが一致していれば(ステップS4でYES)、カセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセット(1,1)には、正しい種類(色)の景品2が収納されている。そのため、制御部60(図8参照)は、景品2の色読取りを行ったカセット(1,1)のチェック結果をOKとし、このチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS6)。
【0086】
そして、制御部60(図8参照)は、この時点で最後に景品2の色読取り(検査処理)を行ったカセット4(換言すれば、このカセット4を受け入れているカセットホルダ23)の座標(m,n)における変数n(前後並びの順番)が4であるかを確認する(ステップS7)。
変数nが4でなければ(ステップS7でNO)、制御部60(図8参照)は、この変数nをインクリメント(+1)する(ステップS8)。
【0087】
つまり、上述したようにカセット(1,1)の景品2の色読取りを行った後には、制御部60(図8参照)は、次に景品2の色読取りを行うカセット4を、カセット(1,1)に対して前後の同じ列(上述した第1レーン)で前側に並ぶカセット(1,2)とする(図9も参照)。これに応じて、ステップS3では、カセット(1,2)に収容された景品2の色読取りが実行され、その後、制御部60は、カセット(1,2)を受け入れているカセットホルダ(1,2)について、実際の種類情報R(1,2)と、登録済み種類情報S(1,2)とを比較し(ステップS4)、そのチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS5またはS6)。
【0088】
そして、変数nが4になるまで、つまり、キャビネット3(図9参照)内の同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェックが実行されるまで、ステップS3〜S8までの処理(各カセットホルダ23のカセット4に対する個別の検査処理)が繰り返される。
同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェックが完了すると(ステップS7でYES)、制御部60(図8参照)は、この時点で最後に景品2の色読取りを行ったカセット4(換言すれば、このカセット4を受け入れているカセットホルダ23)の座標(m,n)における変数m(左右並びの順番)が8であるかを確認する(ステップS9)。
【0089】
変数mが8でなければ(ステップS9でNO)、制御部60(図8参照)は、この変数mをインクリメント(+1)し、変数nを1にする(ステップS10)。
つまり、上述したように同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りを行った後(ここでは、第1レーンのカセット(1,4)の景品2の色読取りが完了した後)には、制御部60は、次に景品2の色読取りを行うカセット4を、カセット(1,4)の属する第1レーンの右隣りのレーン(上述した第2レーン)で最も奥にあるカセット(2,1)とする(図9参照)。これに応じて、ステップS3では、カセット(2,1)に収容された景品2の色読取りが実行され、その後、制御部60は、カセット(2,1)を受け入れているカセットホルダ(2,1)について、実際の種類情報R(2,1)と、登録済み種類情報S(2,1)とを比較し(ステップS4)、そのチェック結果を記憶部62(図8参照)に記憶させる(ステップS5またはS6)。
【0090】
そして、変数nが4になるまで、つまり、キャビネット3(図9参照)内の同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェックが実行されるまで、ステップS3〜S8までの処理が繰り返される(ステップS7でYES)。その後、再び変数mおよびnが変更され(ステップS10)、最終的に変数mが8になるまで、残りのレーンのすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェック(つまり、ステップS3〜S10までの処理)が実行される。
【0091】
このようにして、同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の検査処理が、左のレーン(上述した第1レーン)のカセット4から順に実行され、32個すべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報のチェック(検査処理)が完了すると(ステップS9でYES)、制御部60は、記憶部62に記憶させていたすべてのカセット4(カセットホルダ23)についての上述したチェック結果を、第2表示部7B(図8参照)に表示させる。なお、カセット4が装填されていない場合やカセット4が空である場合には「空」である旨の情報が出力され、上述した管理テーブルに無い色が検出された場合には「エラー」情報が出力される。
【0092】
図11は、第2表示部7Bの表示内容を示している。
第2表示部7Bにおいて、検査処理によるチェック結果は、たとえば、図11に示すように表示される。
図11では、図9で示した32個のカセットホルダ23のレイアウトのイメージが表になって示されている。つまり、第2表示部7Bでは、左右に4つ並べて配置された景品払出ユニット5(図11において右に行くほど大きくなる括弧書きの数字を参照)のそれぞれにおいて左右に並ぶカセットホルダ23の前後の列(つまり、上述した第1レーン〜第8レーンであり、図11において下に行くほど大きくなる括弧書きの数字を参照)のイメージが示されている。図11では、各カセットホルダ23に受け入れられたカセット4におけるチェック結果が表示されている。
【0093】
たとえば、図11において「OK」または「NG」が示された複数の欄における、最も左上の欄に示された「OK」とは、最も左の景品払出ユニット5の左側の前後の列(上述した第1レーン)における最も奥側のカセットホルダ(1,1)に受け入れられたカセット(1,1)のチェック結果がOKであったということである(図9も参照)。つまり、カセット(1,1)に収納されるべき景品2の色(登録済み種類情報S(1,1))が赤であったの対し、カセット(1,1)に実際に収納されていた景品2の色(実際の種類情報R(1,1))が赤であったということである。
【0094】
もう一つ例を挙げると、図11において最も右下の欄に対する左隣りの欄に示された「NG」とは、カセットホルダ(7,4)に受け入れられたカセット(7,4)のチェック結果がNGであったということである(図9も参照)。つまり、カセット(7,4)に収納されるべき景品2の色(登録済み種類情報S(7,4))が黄であったのに、カセット(7,4)に実際に収納されていた景品2の色(実際の種類情報R(7,4))は黄でなかったということである。
【0095】
従業員は、このように第2表示部7Bに表示されたチェック結果を見て、チェック結果がNGとなっている欄に該当する位置にあるカセットホルダ23に受け入れられたカセット4の景品2を、正しい景品2に換える。または、従業員は、間違った景品2が収納されたカセット4を取り外し、正しい景品2が収納された別のカセット4をカセットホルダ23に装填し直す。
【0096】
このように、各カセットホルダ23(図4参照)において、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50(図7参照)が読み取った種類情報Rと、制御部60(図8参照)が当該カセットホルダ23について設定登録していた種類情報Sとが一致しない場合(上述したNGのチェック結果がある場合)には、表示部7(第2表示部7B)が、その旨を報知する。そのため、間違った景品2が収納されたカセット4がカセットホルダ23に受け入れられたまま放置されることを防止できる。
【0097】
なお、NGのチェック結果がある場合には、制御部60(図8参照)は、それ以降の景品払出装置1の運転(景品2の払出処理等)を停止させてもよい。また、NGのチェック結果がある場合、その旨を第2表示部7Bに表示するだけでなく、ブザー(図示せず)などで警告音を発するようにしてもよい。また、第2表示部7Bには、OKやNGといったチェック結果だけでなく、「カセットに間違った景品が収納されています。」「ここには○○景品を収納して下さい。」といったコメントが表示されるようにしてもよい。また、チェック結果に関する情報(特にNGの場合)を景品管理機等に出力して表示させてもよい。
【0098】
そして、以上のように、この景品払出装置1(図1参照)では、読取部50(図7参照)が、キャビネット3に装填されたカセット4に収納された景品2から、この景品2の種類を特定する種類情報(ここでは景品2の色)を読み取る。そのため、カセット4に収納された景品2の種類を把握することができる。その結果、上述した検査処理を実行することで、カセット4に間違った景品2が収納されることを防止できる。特に、補充作業時に確認できるので、修正作業(詰め直し)を速やかに行える。
【0099】
つまり、カセット4が所定のカセットホルダ23に正しく受け入れられていても、このカセット4に収納された景品2の種類が間違っている場合が想定されるが、本発明では、カセット4に収納された景品2の種類を直接検査するので、カセット4に間違った景品2が収納されたまま景品2の払出が行われるような不具合を未然に防止できる。
(3−2)確認処理
この景品払出装置1では、上述した検査処理とは別に、読取部50を用いることで、各カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の種類を確認して登録することができ、以下では、この処理(確認処理)について説明する。
【0100】
図12は、確認処理の手順を示すフローチャートである。
図12を参照して、確認処理では、図10の場合と同様に、すべてのカセット4が対応するカセットホルダ23(図3参照)に保持され、さらに、すべての下ユニット20がキャビネット3(図1参照)内に収容されると、従業員が、第2表示部7B(図1参照)の操作部61(図8参照)における、景品2の色読取り(確認処理)に関連する操作キーを押下する。
【0101】
操作キーが押下されると(ステップS21でYES)、制御部60(図8参照)は、各カセット4に収納された景品2の色読取りを実行する。景品2の色読取りの実行に先立って、制御部60は、図10のステップS2の処理と同様に、最初に景品2の色読取り(確認処理)を行うカセット4(カセットホルダ23)の座標を特定する(ステップS22)。ここでは、制御部60は、座標(m,n)を(1,1)とし、最初に景品2の色読取りを行うカセット4を、図9における最も左奥のカセットホルダ23に受け入れられたカセット4とする。
【0102】
これにより、まず、カセット(1,1)に収納された景品2の種類情報(色)、つまり、上述した実際の種類情報R(1,1)が、このカセット(1,1)に対応する読取部50(図7参照)によって読み取られる(ステップS23)。ステップS23の処理により、制御部60は、各カセットホルダ23(ここでは、カセット(1,1))に収納された景品2の種類を確認する。
【0103】
ステップS23の処理が終了すると、制御部60(図8参照)は、実際の種類情報R(1,1)を、カセットホルダ(1,1)に収納された景品2の種類情報として、記憶部62に設定登録する(ステップS24)。
このように、ステップS23およびS24において、各カセットホルダ23(ここでは、カセットホルダ(1,1))に収納された景品2の種類の確認(登録)処理が行われている。
【0104】
そして、図10のステップS7およびステップS9の処理で説明したように、制御部60は、キャビネット3(図9参照)内の同じレーンにおける4つすべてのカセット4の景品2の色読取りおよび種類情報Rの設定登録(ステップS23およびS24における確認(登録)処理)を、左のレーンのカセット4から順に実行する(ステップS25〜S28)。
【0105】
最終的に、制御部60は、キャビネット3における32個すべてのカセットホルダ23(図9参照)に受け入れられたカセット4の景品2の色読取りを実施して、各カセットホルダ(m,n)に受け入れられたカセット(m,n)における景品2の実際の種類情報R(m,n)を、カセットホルダ(m,n)に収納された景品2の種類情報として、記憶部62に設定登録する(S27でYES)。
【0106】
このように、制御部60(図8参照)は、各カセットホルダ23において、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50が読み取った(確認した)種類情報Rを、当該カセットホルダ23に収納された景品2の種類情報として設定登録する。なお、カセット4が装填されていない場合やカセット4が空である場合には「空」である旨の情報が出力され、上述した管理テーブルに無い色が検出された場合には「エラー」情報が出力される。
【0107】
これにより、カセット4の装填位置に決まりが無く、カセット4をカセットホルダ23に受入れさせる(装填する)のに先立って、どの種類の景品2が収納されたカセット4をどのカセットホルダ23に受け入れさせるべきかについて注意を払わずに済むので、カセット4装填に係る使い勝手の向上を図ることができる。
また、景品払出装置1では、確認処理によって、どの種類の景品2がどのカセットホルダ23に収納されたかを把握することができ、その把握した内容に基づいて、必要な種類の景品2を必要な枚数分払い出すことができる。
【0108】
図13は、変形例に係る確認処理の手順を示すフローチャートである。
図13におけるステップS31〜S38までの処理は、図12におけるステップS21〜S28までの処理と同じである。
しかし、制御部60は、32個すべてのカセットホルダ23(図9参照)に受け入れられたカセット4の景品2の色読取りを実施して、各カセット(m,n)における景品2の実際の種類情報R(m,n)を、当該カセットホルダ(m,n)に収納された景品2の種類情報として、記憶部62に設定登録すると(ステップS37のYES)、さらに、所定の条件が満たされたかを確認する(ステップS39)。
【0109】
ここで、所定の条件として、図9を参照して、以下のものが一例として挙げられ、制御部60は、所定の条件を設定して、記憶部62に記憶させている。
・条件例1:第1レーン〜第8レーンの各レーンにおいて、前後に並ぶ4つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色がすべて同じであること(1つの払出口8からは同じ景品2が払い出されるように設定したい場合)。
・条件例2:各景品払出ユニット5の8つのカセットホルダ23において、少なくとも6つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色がすべて同じであること(各種類とも6カセット以上は設定したい場合)。
・条件例3:各景品払出ユニット5の8つのカセットホルダ23において、3つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色がすべて赤で、残り4つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色が青または黄色で、最後の1つのカセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2の色が緑であること。
【0110】
このように、制御部60(図8参照)は、各カセットホルダ23において、カセットホルダ23に受け入れられるカセット4に収納される景品2の種類情報(色)の条件を予め定めている。なお、この条件は、操作部61(図8参照)を操作することで設定されたり、上述した景品管理機(図示せず)から景品払出装置1に送信されたりする。
そして、図13を参照して、制御部60(図8参照)は、このような条件(条件は1つだけでもよいし、複数の条件が組み合わされてもよい。)が満足されたか確認し、満足された場合には(ステップS39でYES)、上述した記憶部62による32個すべてのカセットホルダ23についての実際の種類情報R(m,n)の設定登録を確定する。
【0111】
一方、制御部60は、このような条件が満足されない場合には(ステップS39でNO)、その旨を第2表示部7B(図8参照)に表示して従業員に報知(上述した警告音による報知も含まれる。)し、上述した記憶部62に記憶された32個すべてのカセットホルダ23についての実際の種類情報R(m,n)を記憶部62から削除する(ステップS40)。これにより、従業員は、上述した条件を満たすように、カセット4に収納された景品2を入れ換えて、正しい景品2が収納されたカセット4をキャビネット3に装填し直す。
【0112】
以上のように、制御部60(図8参照)は、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50が読み取った種類情報Rが、当該カセットホルダ23について定められていた前記条件を満たす場合に、読取部50が読み取った種類情報Rを、当該カセットホルダ23に収納された景品2の種類情報として設定登録する。そして、カセットホルダ23に受け入れられたカセット4に収納された景品2から読取部50が読み取った種類情報Rが、当該カセットホルダ23について定められていた前記条件を満たさない場合には、第2表示部7B(図8参照)が、その旨を報知する。これにより、ユーザに対して、前記条件を満たすようにカセット4を装填し直すように促すことができる。
【0113】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、上記の実施例では、景品2(図7(c)参照)の種類を特定するための種類情報は、景品2の表面の色である。ここで、景品2では、その全表面に、種類情報を示す色が付けられていてもよいが、読取部50に読み取られる部分だけに、種類情報を示す色が付けられていてもよい。その場合、異なる種類の景品2では、読取部50に読み取られる部分以外の部分の色が同じとなることがありえる。
【0114】
また、景品2には、その景品2の種類を表す種類情報が記録されたICチップが内蔵されていて、読取部50が、景品2の表面の色でなく、景品2内のICチップの種類情報を読み取るICチップリーダで構成されてもよい。
また、図7(a)に示すように読取部50がカラーセンサ52を用いる構成において、カラーセンサ52が被検知物の色を正確に判断するための処置(たとえば、色を判断するために用いるしきい値の設定等)は、必要に応じて適宜実施される。具体的には、異なる種類の景品2同士で色が似ている場合には、カラーセンサ52の感度を上げる。
【0115】
また、読取部50は、図7(b)および図7(c)に示すように、カセット4の下端部の開口53から、カセット4の下端側の景品2の種類情報(色)を読み取っているが、上述した開放部28からカセット4内の景品2の種類情報を読み取ってもよい。
この場合、読取部50は、上述した搬送ユニット32(図2参照)に対して一体化されており、搬送ユニット32の上下移動に伴って、カセット4に積層状態で収納された景品2の積層方向(上下方向)において移動しながら、カセット4に収納されたすべての景品2の種類情報を開放部28から読み取る。これにより、景品払出装置1では、カセット4に収納されたすべての景品2の種類を把握することができる。従って、設定対象外の景品2がカセット4内に少量混入している場合にも検出できる。
【0116】
なお、上述した検査処理を開始するトリガーの一例として、上述した景品管理機から指示を受けることが挙げられる。また、カセット4の着脱検知手段(図示せず)や扉6の開閉検知手段(図示せず)と連携させることにより、検査処理を自動スタートさせてもよい。具体的には、カセット4が着脱されて扉6が閉じられたタイミングで検査処理がスタートする。
【0117】
図14は、変形例に係る景品払出装置1の右側断面図である。
上記の実施形態では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる(比較的大型の)景品払出装置1を例示した(図1参照)が、本発明は、図14に示すように遊技施設のカウンタ等に載せられる卓上タイプの景品払出装置1にも適用可能である(なお、卓上タイプの景品払出装置の構成については、特開2008−093190を参照。)。
【0118】
変形例に係る景品払出装置1では、キャビネット3の上面を開閉することができ、キャビネット3の上面から、上下に長手のカセット4をキャビネット3に装填することができる。変形例に係る景品払出装置1では、図14における左右方向において、2つのカセット4を並べて配置することができる。
そして、変形例に係る景品払出装置1でも、上述した景品払出装置1(図1参照)と同様に、装填されたカセット4に収納された景品2の種類情報を読取部50によって読み取ることができる。その場合、読取部50は、たとえば、装填されたカセット4の下端部近傍に配置されており、カセット4内においてカセット4の下端部に位置する景品2の種類情報を読み取る。
【符号の説明】
【0119】
1 景品払出装置
2 景品
3 キャビネット
4 カセット
7 表示部
23 カセットホルダ
50 読取部
60 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、
装置本体と、
景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、
前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、
を含むことを特徴とする、景品払出装置。
【請求項2】
各景品には、その景品の種類を表す色がつけられており、
前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品の色を前記種類情報として読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置。
【請求項3】
各景品には、その景品の種類を表す種類情報が記録されたICチップが内蔵されており、
前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品内のICチップの前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置。
【請求項4】
前記カセットは、複数枚の景品を積層状態で収納可能であり、
前記読取手段は、前記カセットに積層状態で収納された景品の積層方向において移動しながら、前記カセットに収納されたすべての景品の前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置。
【請求項5】
前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、
各前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納されるべき景品の種類情報を、前記受入部毎に設定登録する設定登録手段と、
各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報と、前記設定登録手段が当該受入部について設定登録していた種類情報とが一致しない場合に、その旨を報知する報知手段と、
を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置。
【請求項6】
装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、
装置本体と、
景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、
前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、
前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、
各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する設定登録手段と、
を含むことを特徴とする、景品払出装置。
【請求項7】
前記設定登録手段は、
各前記受入部において、前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納される景品の種類情報の条件を予め定めており、
前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たす場合に、前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録するものであり、
前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たさない場合に、その旨を報知する報知手段を含むことを特徴とする、請求項6記載の景品払出装置。
【請求項1】
装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、
装置本体と、
景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、
前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、
を含むことを特徴とする、景品払出装置。
【請求項2】
各景品には、その景品の種類を表す色がつけられており、
前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品の色を前記種類情報として読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置。
【請求項3】
各景品には、その景品の種類を表す種類情報が記録されたICチップが内蔵されており、
前記読取手段は、前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品内のICチップの前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置。
【請求項4】
前記カセットは、複数枚の景品を積層状態で収納可能であり、
前記読取手段は、前記カセットに積層状態で収納された景品の積層方向において移動しながら、前記カセットに収納されたすべての景品の前記種類情報を読み取ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置。
【請求項5】
前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、
各前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納されるべき景品の種類情報を、前記受入部毎に設定登録する設定登録手段と、
各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報と、前記設定登録手段が当該受入部について設定登録していた種類情報とが一致しない場合に、その旨を報知する報知手段と、
を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置。
【請求項6】
装置内に収納された景品を払い出すための景品払出装置であって、
装置本体と、
景品を収納し、前記装置本体に対して交換可能に装填される複数のカセットと、
前記装置本体に装填された前記カセットに収納された景品から、この景品の種類を特定する種類情報を読み取る読取手段と、
前記装置本体に複数設けられ、前記装置本体に装填される前記カセットを受け入れる受入部と、
各前記受入部において、前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録する設定登録手段と、
を含むことを特徴とする、景品払出装置。
【請求項7】
前記設定登録手段は、
各前記受入部において、前記受入部に受け入れられる前記カセットに収納される景品の種類情報の条件を予め定めており、
前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たす場合に、前記読取手段が読み取った種類情報を、当該受入部に収納された景品の種類情報として設定登録するものであり、
前記受入部に受け入れられた前記カセットに収納された景品から前記読取手段が読み取った種類情報が、当該受入部について定められていた前記条件を満たさない場合に、その旨を報知する報知手段を含むことを特徴とする、請求項6記載の景品払出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−167087(P2010−167087A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12235(P2009−12235)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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