説明

暖房便座装置

【課題】座った瞬間と、時間が経過した後と、で感じる便座の内外周での温度差を低減でき、熱さを感じることなく快適に着座し続けることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】人体を検知する人体検知手段と、内周側および外周側にそれぞれ設けられ加熱量を異ならせることができる複数のヒータと、前記ヒータの上方に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、前記人体検知手段が人体を検知すると、前記内周側に配設されたヒータの加熱量を前記外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、または前記内周側に配設されたヒータの加熱を停止する制御を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする暖房便座装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、暖房便座装置に関し、具体的には便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、便座の座面は、PP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂で製造されている。そのため、使用者が便座に座ったときに、硬い座り心地を与えている。また一方、冬場などの気温の低いときに冷えた便座に座ると、冷感を感じる。そこで、座り心地を向上させるために、圧縮変形性あるいは弾力性(クッション性)を有する基材に発熱体を挟持させた着座採暖具(暖房便座装置)がある(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、クッション性を有する便座において、発熱体(ヒータ)がクッション部の内部あるいは下に配置されている場合には、使用者が便座に座ると、便座の座面とヒータとの距離が変化する。すなわち、便座の座面とヒータとが接近する。このとき、使用者は便座の内周側に座るため、便座の内周側寄りのクッションが外周側寄りのクッションよりも圧縮される傾向がある。
【0004】
そのため、便座の内周側および外周側のヒータを同じように加熱制御したままにしておくと、使用者は便座に座った瞬間は「暖かい」と感じても、時間が経過すると「熱い」と感じることもあり得る。これにより、使用者は不快感を感ずる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−210231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、座った瞬間と、時間が経過した後と、で感じる便座の内外周での温度差を低減でき、熱さを感じることなく快適に着座し続けることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、人体を検知する人体検知手段と、内周側および外周側にそれぞれ設けられ加熱量を異ならせることができる複数のヒータと、前記ヒータの上方に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、前記人体検知手段が人体を検知すると、前記内周側に配設されたヒータの加熱量を前記外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、または前記内周側に配設されたヒータの加熱を停止する制御を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする暖房便座装置である。
【0008】
この暖房便座装置によれば、人体検知手段が人体を検知すると、制御部は、内周側に配設されたヒータの加熱量を外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、あるいは内周側に配設されたヒータの加熱を停止する。すなわち、制御部は、内周側に配設されたヒータの加熱量と、外周側に配設されたヒータの加熱量と、のバランスを変化させる。
【0009】
そのため、使用者が便座の内周側に座り、内周側寄りのクッション部が外周側寄りのクッション部よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。また、使用者が便座に座ってもクッション部が圧縮されにくい便座の外周側では、内周側のヒータよりも加熱量が大きいので、便座の外周側の温度は冷めにくい。これにより、便座に座った瞬間と、便座に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座の内外周での温度差を低減することができる。また、使用者は、熱さを感じることなく快適に便座に着座し続けることができる。
【0010】
また、第2の発明は、内周側および外周側にそれぞれ設けられ加熱量を異ならせることができる複数のヒータと、前記ヒータの上に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、前記便座の上方を覆う便蓋と、前記便蓋の開閉を検知する便蓋開閉検知手段と、前記便蓋が開いたことを前記便蓋開閉検知手段が検知すると、前記内周側に配設されたヒータの加熱量を前記外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、または前記内周側に配設されたヒータの加熱を停止する制御を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする暖房便座装置である。
【0011】
この暖房便座装置によれば、便蓋が開いたことを便蓋開閉検知手段が検知すると、制御部は、内周側に配設されたヒータの加熱量を外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、あるいは内周側に配設されたヒータの加熱を停止する。すなわち、制御部は、内周側に配設されたヒータの加熱量と、外周側に配設されたヒータの加熱量と、のバランスを変化させる。
【0012】
例えば、使用者がトイレ室に入室し、便蓋が自動的に開いたときに、制御部は、内周側に配設されたヒータの加熱量を外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、あるいは内周側に配設されたヒータの加熱を停止することができる。あるいは、使用者がトイレ室に入室し、便蓋を手動で開けたときに、制御部は、内周側に配設されたヒータの加熱量を外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、あるいは内周側に配設されたヒータの加熱を停止することができる。
【0013】
そのため、使用者が便座の内周側に座り、内周側寄りのクッション部が外周側寄りのクッション部よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。また、使用者が便座に座ってもクッション部が圧縮されにくい便座の外周側では、内周側のヒータよりも加熱量が大きいので、便座の外周側の温度は冷めにくい。これにより、便座に座った瞬間と、便座に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座の内外周での温度差を低減することができる。また、使用者は、熱さを感じることなく快適に便座に着座し続けることができる。
【0014】
また、第3の発明は、第1の発明において、前記人体検知手段は、前記便座に着座する前の人体を検知することを特徴とする暖房便座装置である。
【0015】
この暖房便座装置によれば、人体検知手段は、便座に着座する前の人体を検知するとこができる。このような人体検知手段は、例えば、使用者が便座に着座する直前において便座の上方に存在する人体を検知することができる着座検知センサである。あるいは、人体検知手段は、例えば、便器の前方にいる使用者、すなわち便座から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる人体検知センサである。あるいは、人体検知手段は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる入室検知センサである。
【0016】
着座検知センサおよび入室検知センサとしては、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
一方で、入室検知センサとしは、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検出するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
【0017】
これによれば、便座に着座する前の人体を人体検知手段が検知すると、制御部は、内周側に配設されたヒータの加熱量を外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、あるいは内周側に配設されたヒータの加熱を停止する。そのため、使用者は、便座に座った瞬間でも「熱い」と感じることはなく、快適に便座に着座することができる。
【0018】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記便座は、前記外周側に配設されたヒータの熱を前記内周側に伝達する熱伝達部材をさらに有することを特徴とする暖房便座装置である。
【0019】
この暖房便座装置によれば、外周側に配設されたヒータの熱を便座の内周側に伝達する熱伝達部材が便座に設けられている。すなわち、熱伝達部材は、便座の内周側に接触する使用者の内腿に外周側に配設されたヒータの熱を伝達することができる。そのため、制御部が内周側に配設されたヒータの加熱量を外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させたり、あるいは内周側に配設されたヒータの加熱を停止した後でも、使用者は、冷感を感ずることはない。
【発明の効果】
【0020】
本発明の態様によれば、座った瞬間と、時間が経過した後と、で感じる便座の内外周での温度差を低減でき、熱さを感じることなく快適に着座し続けることができる暖房便座装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
【図2】本実施形態にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図3】本実施形態の便座を上方から眺めたときの平面模式図である。
【図4】本実施形態の便座の断面を表す断面模式図である。
【図5】使用者が着座した状態の便座の断面を表す断面模式図である。
【図6】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図7】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の他の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図8】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図9】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図10】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図11】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図12】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図13】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図14】本発明の他の実施の形態にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図15】本実施形態の便座の断面を表す断面模式図である。
【図16】使用者が着座した状態の便座の断面を表す断面模式図である。
【図17】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図18】本実施形態にかかる暖房便座装置の他の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
【図19】内周側ヒータおよび外周側ヒータの設置形態の変形例を表す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
また、図2は、本実施形態にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
また、図3は、本実施形態の便座を上方から眺めたときの平面模式図である。
また、図4は、本実施形態の便座の断面を表す断面模式図である。
また、図5は、使用者が着座した状態の便座の断面を表す断面模式図である。
なお、図4および図5は、図1および図3に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
【0023】
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、暖房便座機能部400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、暖房便座機能部400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
【0024】
便座200は、後に詳述するように、ヒータ210を内蔵する。このヒータ210は、通電されて発熱することにより、便座200を暖めることができる。ヒータ210は、複数の系統のヒータを有し、本実施形態にかかる暖房便座装置100では、図3に表したように、内周側ヒータ211と、中間ヒータ213と、外周側ヒータ215と、を有する。そして、暖房便座機能部400の内部に設けられた制御部410は、内周側ヒータ211と、中間ヒータ213と、外周側ヒータ215と、をそれぞれ制御することができ、それぞれの加熱量を異ならせることができる。また、便座200は、図4に表したように、温度検知手段270を内蔵する。
【0025】
暖房便座機能部400は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の加熱量を制御する制御部410を有する。また、暖房便座機能部400は、人体を検知することができる人体検知手段420を備える。より具体的には、暖房便座装置100は、便座200への使用者の着座を検知する着座検知センサ421と、便座200の前方にいる使用者を検知する人体検知センサ423と、トイレ室への使用者の入室を検知する入室検知センサ425と、を有する。つまり、本願明細書において「人体検知手段」とは、着座検知センサ421や、人体検知センサ423や、入室検知センサ425などのように、人体を検知することができる検知手段をいう。
【0026】
着座検知センサ421は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。すなわち、着座検知センサ421は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知することができる。このような着座検知センサ421としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
【0027】
また、人体検知センサ423は、便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ423は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ423としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
【0028】
また、入室検知センサ425は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ425は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。このような入室検知センサ425としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検出するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
【0029】
図1に表したトイレ装置では、暖房便座機能部400の上面に凹設部441が形成され、この凹設部441に一部が埋め込まれるように入室検知センサ425が設けられている。入室検知センサ425は、便蓋300が閉じた状態では、その基部付近に設けられた透過窓310を介して使用者の入室を検知する。また、着座検知センサ421および人体検知センサ423は、暖房便座機能部400の前方の中央部に設けられている。但し、着座検知センサ421、人体検知センサ423、および入室検知センサ425の設置形態は、これだけに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0030】
また、暖房便座機能部400は、便蓋300の開閉を検知する便蓋開閉検知センサ(便蓋開閉検知手段)430を有する。便蓋開閉検知センサ430としては、例えば、ホールICまたはマイクロスイッチなどを用いることができる。そのため、便蓋開閉検知センサ430は、暖房便座機能部400に内蔵されていることに限定されず、便蓋300のヒンジ部や暖房便座機能部400の外部に設けられていてもよい。つまり、便蓋開閉検知センサ430は、便蓋300の開閉を検知できればよい。これは、着座検知センサ421、人体検知センサ423、および入室検知センサ425についても同様であり、着座検知センサ421、人体検知センサ423、および入室検知センサ425は、暖房便座機能部400に内蔵されていることに限定されない。
【0031】
また、暖房便座機能部400は、衛生洗浄装置としての機能部を併設してもよい。すなわち、暖房便座機能部400は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などを適宜備えてもよい。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0032】
またさらに、暖房便座機能部400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。この際、暖房便座機能部400の側面には、脱臭ユニットからの排気口443及び室内暖房ユニットからの排出口445が適宜設けられる。ただし、本発明においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
【0033】
便座200は、図3〜図5に表したように、ヒータ210を内蔵する。このヒータ210は、複数の系統のヒータを有し、より具体的には図3に表したように、便座200の内周側に配設された内周側ヒータ211と、内周側ヒータ211よりも便座200の外周側に配設された外周側ヒータ215と、内周側ヒータ211と外周側ヒータ215との間に配設された中間ヒータ213と、を有する。ヒータ210としては、いわゆる「チュービングヒータ」や、「シースヒータ」、「ハロゲンヒータ」、「カーボンヒータ」などを用いることができる。
【0034】
また、便座200は、基材230と、弾力性(クッション性)を有するクッション部240と、クッション部240の上面や側面を覆う表面部250と、ヒータ210の上に隣接して設けられた熱伝達部材260と、基材230の内部に設けられた断熱材220と、温度検知手段270と、を有する。基材230は、上板231と底板233とを有する。但し、基材230は、一体的に形成されていてもよい。また、表面部250の表面は、着座面として機能する。
【0035】
基材230は、例えばPP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂から形成されている。熱伝達部材260としては、例えばアルミシートやカーボンシートなどが挙げられる。クッション部240は、ヒータ210の上に設けられクッション性を有するため、使用者が便座200に座ったときの座り心地を向上させることができる。また、断熱材220は、便座200の下への放熱を抑えることができる。
【0036】
ここで、使用者600が便座200に着座すると、図5に表したように、クッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離は変化する。すなわち、使用者600が便座200に座る前と座った後とを比較した場合、クッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離は、座った後の方がより小さい。これは、クッション部240はクッション性を有し、使用者600が便座200に座ったことにより、そのクッション部240が圧縮変形させられるためである。
【0037】
このとき、使用者600は、図5に表したように、便座200の内周側に座るため、内周側寄りのクッション部240は、外周側寄りのクッション部240よりも圧縮される傾向がある。すなわち、使用者600が便座200に座った後では、内周側寄りのクッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離は、外周側寄りのクッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離よりも小さい。
【0038】
そのため、内周側ヒータ211と、中間ヒータ213と、外周側ヒータ215と、を同じように加熱制御したままにしておくと、使用者600は便座200に座った瞬間では「暖かい」と感じても、時間が経過すると「熱い」と感じることもあり得る。これは、クッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離が小さくなると、ヒータ210と使用者(人体)600との間における熱伝達係数が大きくなり、熱抵抗が小さくなるためである。これにより、ヒータ210からの熱エネルギーは、クッション部240および表面部250へ移動しやすくなり、その熱流束は大きくなる。
【0039】
そこで、本実施形態にかかる暖房便座装置100では、人体検知手段420が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量が相対的に低下するように、内周側ヒータ211と外周側ヒータ215の加熱量のバランスを変更する。すなわち、人体検知手段420が人体を検知すると、外周側ヒータ215の加熱量に対する内周側211の加熱量の割合を低下させる。例えば、人体検知手段420が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。または、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。すなわち、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量と、外周側ヒータ215の加熱量と、のバランスを変化させる。
【0040】
これによれば、人体検知手段420が人体を検知したことにより、または便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知したことにより、制御部410は、内周側ヒータ211および外周側ヒータ215をそれぞれ制御する。そして、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。そのため、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差を低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0041】
なお、制御部410がヒータ210の加熱量を制御する手段としては、制御部410がヒータ210の出力の設定を制御したり、制御部410がヒータ210の温度の設定を制御したりする手段などが挙げられる。これらのいずれの手段であっても、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止することができる。
【0042】
また、便座200は、前述したように、ヒータ210の上に隣接して設けられた熱伝達部材260を有する。この熱伝達部材260は、外周側ヒータ215の熱を便座200の内周側に伝達することができる。すなわち、熱伝達部材260は、便座200の内周側に接触する使用者600の内腿に外周側ヒータ215の熱を伝達することができる。そのため、制御部410が内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させたり、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止した後でも、使用者600は、冷感を感ずることはない。
【0043】
以下、制御部410がヒータ210の出力の設定を制御する場合を例に挙げて、本実施形態にかかる暖房便座装置100の動作の具体例を図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
【0044】
制御部410は、人体検知手段420が人体を検知する前すなわち待機状態では、図6に表したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。続いて、人体検知手段420が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させる(タイミングt1)。
【0045】
このとき、ヒータ210の出力は、図6に表したようなパルス状に制御されることに限定されるわけではなく、一定の出力値として制御されてもよい。この場合でも、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力値は、外周側ヒータ215の出力値よりも低く制御される。これは、後述する図8、図10、図12、および図17に関する動作についても同様である。
【0046】
続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt2)。
【0047】
本具体例によれば、人体検知手段420が人体を検知したことにより、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させる。そのため、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差を低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0048】
図7は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の他の具体例を例示するタイミングチャートである。
制御部410は、人体検知手段420が人体を検知する前すなわち待機状態では、図7に表したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。続いて、人体検知手段420が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止する(タイミングt1)。一方、制御部410は、外周側ヒータ215の出力の「ON/OFF」制御を継続する。
【0049】
続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt2)。
【0050】
本具体例によれば、人体検知手段420が人体を検知したことにより、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止する。そのため、制御部410は、内周側ヒータ211の出力と、外周側ヒータ215の出力と、のバランスを大きく変化させることができる。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差をより低減することができる。また、熱伝達部材260は、便座200の内周側に接触する使用者600の内腿に外周側ヒータ215の熱を伝達することができるため、制御部410が内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止した後でも、使用者600は、冷感を感ずることはない。
【0051】
図8は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知する前すなわち待機状態では、図6に関して前述したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。続いて、制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知しても、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt1)。
【0052】
続いて、着座検知センサ421が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させる(タイミングt2)。ここで、着座検知センサ421が、便座200の上方の使用者600を検知して着座していると認識する場合には、制御部410は、使用者が便座200に着座する直前に、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させることができる。そのため、使用者は、便座200に座った瞬間でも「熱い」と感じることはない。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。そのため、快適に便座200に着座することができる。
【0053】
続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt3)。
【0054】
図9は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知する前すなわち待機状態では、図7に関して前述したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。続いて、制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知しても、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt1)。
【0055】
続いて、着座検知センサ421が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止する(タイミングt1)。一方、制御部410は、外周側ヒータ215の出力の「ON/OFF」制御を継続する。ここで、着座検知センサ421が、便座200の上方の使用者600を検知して着座していると認識する場合には、制御部410は、使用者が便座200に着座する直前に、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。そのため、使用者が便座200に座った瞬間に「熱い」と感じることをより確実に抑えることができる。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。これにより、使用者は、快適に便座200に着座することができる。
【0056】
続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt3)。
【0057】
図10は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知する前すなわち待機状態では、図6に関して前述したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。
【0058】
続いて、制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させる(タイミングt1)。これによれば、使用者が便器800の前方にいるときに、すなわち使用者がトイレ室に入室して便座200に近づいたときに、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させることができる。そのため、使用者は、便座200に座った瞬間でも「熱い」と感じることはない。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。そのため、快適に便座200に着座することができる。
【0059】
続いて、着座検知センサ421が人体を検知しても、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させた制御を継続して実行する(タイミングt2)。続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt3)。
【0060】
図11は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知する前すなわち待機状態では、図7に関して前述したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。
【0061】
続いて、制御部410は、人体検知センサ423が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止する(タイミングt1)。一方、制御部410は、外周側ヒータ215の出力の「ON/OFF」制御を継続する。これによれば、使用者が便器800の前方にいるときに、すなわち使用者がトイレ室に入室して便座200に近づいたときに、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。そのため、使用者が便座200に座った瞬間に「熱い」と感じることをより確実に抑えることができる。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。これにより、使用者は、快適に便座200に着座することができる。
【0062】
続いて、着座検知センサ421が人体を検知しても、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止した制御を継続して実行する(タイミングt2)。続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt3)。
【0063】
図12は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知する前すなわち待機状態では、制御部410は、図6に関して前述したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。
【0064】
続いて、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させる(タイミングt1)。これによれば、使用者がトイレ室に入室し、便蓋300が自動的に開いたときに、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させることができる。あるいは、使用者がトイレ室に入室し、便蓋300を手動で開けたときに、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させることができる。つまり、制御部410は、より早い段階において、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させることができる。
【0065】
そのため、使用者は、便座200に座った瞬間でも「熱い」と感じることはなく、快適に便座200に着座することができる。また、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。そのため、これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差をより確実に低減することができる。
【0066】
続いて、着座検知センサ421が人体を検知しても、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させた制御を継続して実行する(タイミングt2)。続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt3)。
【0067】
図13は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャートである。
便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知する前すなわち待機状態では、制御部410は、図7に関して前述したように、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。
【0068】
続いて、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止する(タイミングt1)。一方、制御部410は、外周側ヒータ215の出力の「ON/OFF」制御を継続する。これによれば、使用者がトイレ室に入室し、便蓋300が自動的に開いたときに、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。あるいは、使用者がトイレ室に入室し、便蓋300を手動で開けたときに、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。つまり、制御部410は、より早い段階において、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。
【0069】
そのため、制御部410は、より早い段階において、内周側ヒータ211の出力と、外周側ヒータ215の出力と、のバランスを大きく変化させることができる。これにより、使用者は、便座200に座った瞬間でも「熱い」と感じることはない。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。よって、快適に便座200に着座することができる。また、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差をより確実に低減することができる。
【0070】
続いて、着座検知センサ421が人体を検知しても、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止した制御を継続して実行する(タイミングt2)。続いて、人体検知手段420が人体を検知しなくなると、制御部410は、温度検知手段270からの検知信号に基づいてヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt3)。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、人体検知手段420が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。または、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。そのため、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差を低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0072】
なお、本実施形態にかかる暖房便座装置100の動作は、図8〜図13に関して前述した動作に限定されるわけではない。例えば、入室検知センサ425が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させたり、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止してもよい。これによれば、使用者がトイレ室のドアを開けて入室した直後や、トイレ室に入室しようとしてドアの前にいるときに、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させたり、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。
【0073】
そのため、制御部410は、さらに早い段階において、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させたり、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。これにより、そのため、使用者は、便座200に座った瞬間でも「熱い」と感じることはなく、快適に便座200に着座することができる。また、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差をより確実に低減することができる。
【0074】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図14は、本発明の他の実施の形態にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
【0075】
本実施形態にかかる暖房便座装置100は、図1に表した暖房便座装置と同様に便座200を有し、その便座200は、第1の温度検知手段271および第2の温度検知手段272を内蔵する。一方、本実施形態では、着座検知センサ421や、人体検知センサ423や、入室検知センサ425や、便蓋開閉検知センサ430などは、必ずしも設けなくてもよい。その他の構造や要部構成は、図1および図2に関して前述した暖房便座装置と同様である。
【0076】
図15は、本実施形態の便座の断面を表す断面模式図である。
また、図16は、使用者が着座した状態の便座の断面を表す断面模式図である。
なお、図15および図16は、図1および図3に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。
【0077】
便座200は、図15および図16に表したように、第1の温度検知手段(人体検知手段)271と、第2の温度検知手段(人体検知手段)272と、を内蔵する。第2の温度検知手段272は、クッション部240の中または上に設けられている。一方、第1の温度検知手段271は、ヒータ210からみて第2の温度検知手段272よりも近傍に設けられている。
【0078】
すなわち、第1の温度検知手段271は、ヒータ210の近傍に設置されている。一方、第2の温度検知手段272は、ヒータ210から上方に離間した位置、すなわちヒータ210からみてクッション部240側および表面部250側に離間した位置に設置されている。つまり、第2の温度検知手段272は、ヒータ210からの熱エネルギーがクッション部240側および表面部250側へ移動するときに、第1の温度検知手段271よりも下流側に設置されている。
なお、便座200を上方から眺めたときの内周側ヒータ211と、中間ヒータ213と、外周側ヒータ215と、の設置形態は、図3に表した設置形態と同様である。
【0079】
ここで、使用者600が便座200に着座すると、図16に表したように、クッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離は変化する。また、使用者600は、図16に表したように、便座200の内周側に座るため、内周側寄りのクッション部240は、外周側寄りのクッション部240よりも圧縮される傾向がある。すなわち、使用者600が便座200に座った後では、内周側寄りのクッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離は、外周側寄りのクッション部240および表面部250の上面と、ヒータ210と、の距離よりも小さい。これらは、図4および図5に関して前述した如くである。そのため、内周側ヒータ211と、中間ヒータ213と、外周側ヒータ215と、を同じように加熱制御したままにしておくと、使用者600は便座200に座った瞬間では「暖かい」と感じても、時間が経過すると「熱い」と感じることもあり得る。
【0080】
そこで、本実施形態にかかる暖房便座装置100では、制御部410は、第1の温度検知手段271と、第2の温度検知手段272と、によりそれぞれ検知された温度から温度差を算出し、その温度差に基づいてヒータ210の加熱量を制御(変更)する。これについてより詳細に説明すると、まず、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、には差(温度差)がある。これは、前述したように、第1の温度検知手段271は、ヒータ210の近傍に設置されている一方で、第2の温度検知手段272は、ヒータ210からみてクッション部240側および表面部250側に離間した位置に設置されているためである。
【0081】
そして、使用者600が便座200に着座すると、図16に表したように、クッション部240が圧縮変形させられるため、第2の温度検知手段272は、第1の温度検知手段271側へ移動する。そうすると、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の差(温度差)は小さくなる。つまり、第2の温度検知手段272が検知した温度は、第1の温度検知手段271が検知した温度に近づく。これは、クッション部240が圧縮変形することにより、ヒータ210からの熱エネルギーの熱流束が大きくなるためである。
【0082】
言い換えれば、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差を算出することにより、ヒータ210からの熱エネルギーの熱流束を算出(推測)することができる。そして、制御部410は、算出された熱流束に基づいてヒータ210の加熱量を制御する。なお、制御部410は、算出された熱流束に基づいてヒータ210の加熱量を制御するときには、その熱流束に応じたヒータ210の加熱量を予め保存したデータベースを参照してもよいし、所定の数式により算出してもよい。
【0083】
そして、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が小さくなった場合には、ヒータ210からの熱エネルギーの熱流束が大きくなったことを示すため、クッション部240は、圧縮変形された状態、すなわちたわみ量の大きい状態である。このとき、制御部410は、使用者が便座200に着座したと判断し、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。
【0084】
一方、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が小さくならない場合には、ヒータ210からの熱エネルギーの熱流束に大きな変化がないことを示すため、クッション部240は、圧縮変形されていない状態、すなわちたわみ量の小さい状態である。このとき、制御部410は、使用者が便座200に着座していないと判断し、ヒータ210の加熱量の制御を維持する。
【0085】
つまり、本実施形態では、第1の温度検知手段271および第2の温度検知手段272は、人体を検知することができる人体検知手段420として機能する。また、第1の温度検知手段271および第2の温度検知手段272は、図15および図16に表したように、外周側ヒータ215よりも内周側ヒータ211および中間ヒータ213の近傍に設けられている。そのため、第1の温度検知手段271および第2の温度検知手段272は、使用者600の便座200への着座の状況すなわちクッション部240の圧縮変形の状況による温度差の変化をより早く、より確実に検知することができる。これにより、制御部410は、使用者600の便座200への着座の状況すなわちクッション部240の圧縮変形の状況をより早く、より確実に判断することができる。
【0086】
これによれば、着座検知センサ421や、人体検知センサ423や、入室検知センサ425や、便蓋開閉検知センサ430が設けられていない場合でも、制御部410は、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差に基づいて、内周側ヒータ211および外周側ヒータ215をそれぞれ制御できる。そのため、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差を低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0087】
以下、本実施形態にかかる暖房便座装置100の動作の具体例を図面を参照しつつ説明する。
図17は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
【0088】
制御部410は、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が小さくなる前すなわち待機状態では、図17に表したように、ヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。続いて、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が所定の量よりも小さくなると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させる(タイミングt1)。
【0089】
続いて、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が所定の量よりも大きくなると、制御部410は、ヒータ210の出力の「大/小」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt2)。
【0090】
本具体例によれば、制御部410は、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差に基づいて、使用者が便座200に着座したことを判断し、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させる。つまり、制御部410は、使用者が便座200に着座したことをより確実に判断することができ、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を外周側ヒータ215の出力よりも低下させることができる。
【0091】
そのため、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。また、使用者600が便座200に座ってもクッション部240が圧縮されにくい便座200の外周側では、内周側ヒータ211よりも加熱量が大きいので、便座200の外周側の温度は冷めにくい。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差をより確実に低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0092】
図18は、本実施形態にかかる暖房便座装置の他の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
制御部410は、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が小さくなる前すなわち待機状態では、図18に表したように、ヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持している。続いて、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が小さくなると、制御部410は、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止する(タイミングt1)。一方、制御部410は、外周側ヒータ215の出力の「ON/OFF」制御を継続する。
【0093】
続いて、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が大きくなると、制御部410は、ヒータ210の出力の「ON/OFF」を制御することにより、便座200の着座面の温度を待機温度に維持する(タイミングt2)。
【0094】
本具体例によれば、制御部410は、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差に基づいて、使用者が便座200に着座したことを判断し、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止する。つまり、制御部410は、使用者が便座200に着座したことをより確実に判断することができ、内周側ヒータ211および中間ヒータ213の出力を停止することができる。
【0095】
そのため、制御部410は、使用者が便座200に着座したことをより確実に判断し、内周側ヒータ211の出力と、外周側ヒータ215の出力と、のバランスを大きく変化させることができる。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差をより確実に低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部410は、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差に基づいて、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。そのため、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差をより確実に低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0097】
次に、内周側ヒータ211および外周側ヒータ215の設置形態の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図19は、内周側ヒータおよび外周側ヒータの設置形態の変形例を表す平面模式図である。
なお、図19は、図3に表した平面模式図と同様に、便座を上方から眺めたときの平面模式図である。
【0098】
内周側ヒータ211および外周側ヒータ215は、図19に表したように、便座200に内蔵され、互いに別の系統として設けられている。内周側ヒータ211は、便座200の内周側に配設されている。一方、外周側ヒータ215は、内周側ヒータ211よりも便座200の外周側に配設され、便座200に着座した使用者の太腿の辺りに配設されている。そして、外周側ヒータ215は、線材216により制御部410に接続されている。なお、図19に表した変形例では、2つの外周側ヒータ215が左右にそれぞれ1つずつ設けられているが、外周側ヒータ215の設置数は、これだけに限定されるわけではない。
【0099】
本変形例にかかる暖房便座装置100では、図3〜図5に関して前述したように、人体検知手段420が人体を検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。または、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ430が検知すると、制御部410は、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。または、第1の温度検知手段271が検知した温度と、第2の温度検知手段272が検知した温度と、の温度差が小さくなった場合には、制御部410は、使用者が便座200に着座したと判断し、内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させる、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止する。
【0100】
そのため、使用者600が便座200の内周側に座り、内周側寄りのクッション部240が外周側寄りのクッション部240よりも圧縮されても、使用者は、着座してから時間が経過しても「熱い」と感じることはない。また、便座200に着座した使用者の太腿の下のクッション部240は、内周側寄りのクッション部240ほどには使用者の体重を受けず圧縮変形しにくい。そのため、制御部410が外周側ヒータ215の加熱量を低下させたり、外周側ヒータ215の加熱を停止しなくとも、使用者は、着座してから時間が経過しても太腿の部分を「熱い」と感じることはない。さらに、制御部410は、外周側ヒータ215の加熱量の制御を維持する。そのため、制御部410が内周側ヒータ211の加熱量を外周側ヒータ215の加熱量よりも低下させたり、あるいは内周側ヒータ211の加熱を停止した後でも、使用者600は、冷感を感ずることはない。
【0101】
これにより、便座200に座った瞬間と、便座200に座ってから時間が経過した後と、で感じる便座200の内外周での温度差を低減することができる。また、使用者600は、熱さを感じることなく快適に便座200に着座し続けることができる。
【0102】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや人体検知手段420やヒータ210の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0103】
100 暖房便座装置、 200 便座、 210 ヒータ、 211 内周側ヒータ、 213 中間ヒータ、 215 外周側ヒータ、 216 線材、 220 断熱材、 230 基材、 231 上板、 233 底板、 240 クッション部、 250 表面部、 260 熱伝達部材、 270 温度検知手段、 271 第1の温度検知手段、 272 第2の温度検知手段、 300 便蓋、 310 透過窓、 400 暖房便座機能部、 410 制御部、 420 人体検知手段、 421 着座検知センサ、 423 人体検知センサ、 425 入室検知センサ、 430 便蓋開閉検知センサ、 441 凹設部、 443 排気口、 445 排出口、 600 使用者、 800 便器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体を検知する人体検知手段と、
内周側および外周側にそれぞれ設けられ加熱量を異ならせることができる複数のヒータと、前記ヒータの上方に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、
前記人体検知手段が人体を検知すると、前記内周側に配設されたヒータの加熱量を前記外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、または前記内周側に配設されたヒータの加熱を停止する制御を実行する制御部と、
を備えたことを特徴とする暖房便座装置。
【請求項2】
内周側および外周側にそれぞれ設けられ加熱量を異ならせることができる複数のヒータと、前記ヒータの上に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、
前記便座の上方を覆う便蓋と、
前記便蓋の開閉を検知する便蓋開閉検知手段と、
前記便蓋が開いたことを前記便蓋開閉検知手段が検知すると、前記内周側に配設されたヒータの加熱量を前記外周側に配設されたヒータの加熱量よりも低下させる、または前記内周側に配設されたヒータの加熱を停止する制御を実行する制御部と、
を備えたことを特徴とする暖房便座装置。
【請求項3】
前記人体検知手段は、前記便座に着座する前の人体を検知することを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
【請求項4】
前記便座は、前記外周側に配設されたヒータの熱を前記内周側に伝達する熱伝達部材をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の暖房便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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