説明

暖房便座装置

【課題】便蓋内の通路から吹出口を介して温風を便座に吹き出して便座を加温する暖房便座装置において、便座の加温が効率よく行われるようにする。
【解決手段】便座3及び便蓋4を倒伏させると、流入口18が便座ボックス2の温風流出口7に当接する。便蓋4の底蓋体11が発泡合成樹脂にて構成されており、ポリプロピレン等の通常の便蓋用合成樹脂に比べて柔軟性に富んでいるので、流入口18は流出口7にほぼ気密に当接し、通路19とダクト6とが連通状態となる。そのため、温風発生装置5を作動させると、温風がダクト6、流出口7及び流入口18を介して通路19に流入し、各吹出口20〜26から流出し、便座3の上面が加温される。便座3の上面と便蓋4の底板部16との間に通気スペースがあいているので、便座3の上面に満遍なく温風が吹き付けられ、便座3の上面が満遍なく加温される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座に向って温風を吹き出すよう構成された便蓋を備えた暖房便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便座に対し便蓋から温風を吹き付けて便座を加温するよう構成した暖房便座装置が特開平11−164794の図4,5に記載されている。この暖房便座装置にあっては、便座ボックス内に温風発生装置が設置され、便蓋内に温風の通路が設けられ、便蓋の下面に温風の吹出口が複数個設けられている。温風発生装置からの温風が便蓋内の通路を通って各吹出口から吹き出し、便座が加温される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−164794
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、便蓋内の通路から吹出口を介して温風を便座に吹き出して便座を加温する暖房便座装置において、便座の加温が効率よく行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(請求項1)の暖房便座装置は、便座及び便蓋を備え、該便蓋には、基端側から先端側に向って延在する温風の通路が設けられ、該便蓋の下面には、該通路からの温風を吹き出す吹出口が設けられており、該吹出口は、便蓋の基端側から先端側に間隔をおいて複数個設けられており、該通路に温風を供給する温風発生装置を備えた暖房便座装置において、該便蓋の下面の少なくとも一部を断熱材料にて構成したことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2の暖房便座装置は、請求項1において、該便蓋は、上面側を構成する上側殻体と、該上側殻体の下面側に着脱可能に装着された底蓋体とを備えており、該上側殻体と底蓋体とで囲まれた空間部が前記通路となっており、該底蓋体に前記吹出口が設けられ、該底蓋体の少なくとも一部が前記断熱材料にて構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の暖房便座装置は、請求項1又は2において、前記通路の側面及び天井面の少なくとも一部が断熱材料にて構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の暖房便座装置は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記断熱材料は発泡合成樹脂であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の暖房便座装置は、請求項1ないし4のいずれか1項において、該便蓋の先端側の吹出口は基端側の吹出口よりも開口面積が大きいことを特徴とするものである。
【0010】
請求項6の暖房便座装置は、請求項1ないし5のいずれか1項において、該便蓋の基端側よりも先端側の方が前記通路の断面積が大きいことを特徴とするものである。
【0011】
請求項7の暖房便座装置は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記通路の内面に、温風を吹出口に導入するためのバッフルが設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項8の暖房便座装置は、請求項7において、便蓋の基端側よりも先端側の方が該バッフルの突出高さが大きいことを特徴とするものである。
【0013】
請求項9の暖房便座装置は、請求項1ないし8のいずれか1項において、前記便蓋及び便座が支持部材に起立倒伏方向回動可能に取り付けられており、該支持部材内に前記温風発生装置が設置されており、該支持部材の前面に温風流出口が設けられており、前記便蓋の後端面には、倒伏時に該温風流出口に密着する温風流入口が設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項10の暖房便座装置は、請求項1ないし9のいずれか1項において、前記吹出口に網体が着脱可能に設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項11の暖房便座装置は、請求項10において、該網体は、すべての吹出口を覆うように連続しており、該網体に、便蓋からの取り外し時に摘むための片部が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項12の暖房便座装置は、請求項1ないし11のいずれか1項において、前記温風発生装置の作動を制御する制御装置が設けられており、該制御装置は、人体を検知したときに温風発生装置を作動させる第1モードと、人体を検知しないときに温風発生装置を作動させる第2モードとを実行可能であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項13の暖房便座装置は、請求項1ないし12のいずれか1項において、前記便座の少なくとも上面に、断熱材料よりなる表装材を着脱可能に設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明(請求項1)の暖房便座装置では、温風の通路及び吹出口を有した便蓋の下面の少なくとも一部を断熱材料にて構成したので、温風の温度低下を抑制することができ、便座の暖房効率が向上する。
【0019】
請求項2の暖房便座装置によれば、底蓋体を上側殻体から取り外して便蓋内部や底蓋体を清掃することができる。
【0020】
請求項3の暖房便座装置によれば、通路の側面及び天井面の少なくとも一部を断熱材料にて構成したことにより、便蓋内における温風の温度低下が抑制され、便座の暖房効率が向上する。
【0021】
請求項4の通り、断熱材料としては発泡合成樹脂が好適である。例えば底蓋体の全体を発泡合成樹脂により構成することができる。
【0022】
請求項5,6,8の暖房便座装置によれば、先端側の吹出口からも十分な風量にて温風が吹き出すようになる。
【0023】
請求項7の暖房便座装置によれば、通路から温風がスムーズに吹出口に導かれるようになる。
【0024】
請求項9の暖房便座装置によれば、便座ボックスなどの支持部材内に設置された温風発生装置からの温風が漏風することなく便蓋の通路内に流入するようになる。
【0025】
請求項10の暖房便座装置によれば、通路内にゴミ等が浸入することが防止される。網体が吹出口に着脱可能であるため、網体を取り外して清掃することができる。
【0026】
請求項11の暖房便座装置によれば、網体に設けられた片部を摘んで網体を容易に取り外すことができる。
【0027】
請求項12の暖房便座装置によれば、人体を検知したときに温風発生装置を作動させて便座の暖房を行うだけでなく、予め便座を暖めておくことも可能である。
【0028】
請求項13の暖房便座装置によれば、便座に座ったときの温感が向上する。また、便座の表装材を取り外して清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態に係る暖房便座装置の便蓋開状態を示す斜視図である。
【図2】図1の暖房便座装置の便蓋閉状態の斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】(a)図は便蓋の斜視図、(b)図は上側殻体と底蓋体との係合関係を示す斜視図、(c)図は(b)図のリブ部分の拡大斜視図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】図4のVI−VI線断面図である。
【図7】図4のVII−VII線断面図である。
【図8】別の実施の形態を示す断面図である。
【図9】さらに別の実施の形態を示す断面図である。
【図10】図9の構造の一部を示す斜視断面図である。
【図11】別の実施の形態に係る暖房便座装置の便座の一部を示す平面図である。
【図12】実施の形態に係る暖房便座装置の断面図である。
【図13】実施の形態に係る暖房便座装置の断面図である。
【図14】実施の形態に係る暖房便座装置の断面図である。
【図15】実施の形態に係る暖房便座装置の断面図である。
【図16】(a)図は実施の形態に係る便蓋の温風流入口付近の縦断面図、(b)図はパッキンの斜視図である。
【図17】異なる実施の形態に係る暖房便座装置の斜視図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線断面図である。
【図19】網体の斜視図である。
【図20】表装材と便座の斜視図である。
【図21】(a)図は図20のXXI−XXI線断面図、(b)図は表装材付き便座の断面図である。
【図22】さらに別の実施の形態に係る暖房便座装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図〜第7図は第1の実施の形態に係る暖房便座装置を示す。
【0031】
第1,2図の通り、陶器などよりなる洋風便器1の後部上面に支持部材として便座ボックス2が設置され、該便座ボックス2に便座3及び便蓋4が各々のヒンジ部によって上下方向(起立倒伏方向)回動可能に取り付けられている。この実施の形態では、第3図の通り、便座ボックス2内に温風発生装置5が設置され、該温風発生装置5からの温風がダクト6及び便座ボックス2の前面の左右両サイドの温風流出口7を介して便蓋4内に導入され、通路19を通り、便蓋4の下面の吹出口20〜26から便座3の上面に吹き出し、便座3を加温するように構成されている。便座3は、中央孔3a(第1図)を有し、洋風便器1の便鉢の上縁を周回する環形状である。なお、便座3はU形であってもよい。
【0032】
第3図〜第7図の通り、便蓋4は、底蓋体10と上側殻体11とを組み合わせて温風の通路19を形成したものである。第4図の通り、底蓋体10には、便座3の中央孔3aと略同形状の中央孔13が設けられている。(ただし、第22図の便蓋4’の底蓋体10’のように、中央孔13がプレート部13’で閉鎖されていてもよい。)底蓋体10には、この中央孔13を囲む内周壁14と、底蓋体10の外周を周回する外周壁15と、該内周壁14の下部と外周壁15の下部とをつなぐ底板部16とを有している。外周壁14と内周壁16との間隔は、第5図の通り、便座3の幅とほぼ同一である。外周壁15の外周面には、周方向に間隔をおいて小リブ17が設けられている。この小リブ17は、底蓋体10を上側殻体11にしっかりと嵌め合わせるためのものである。
【0033】
底蓋体10の後辺の左右両端部から後方にヒンジ部12が突設されている。各ヒンジ部12の後端面に温風の流入口18(第3,4,7図)が設けられている。この実施の形態では、流入口18は後方へ突出する筒状である。
【0034】
底板部16には、便蓋4の周方向に間隔をおいて、複数個の温風吹出口20〜26が設けられている。第3図の通り、吹出口20〜24は、便蓋4の左右のサイド部に配置されている。吹出口20は、最も後方、すなわち最も流入口18に近接して配置されており、吹出口21,22,23,24,25は、この順に後方から前端にかけて配列されている。吹出口25は便蓋4の最前縁部に位置している。各吹出口20〜25は、この順に開口面積が大きくなっている。この実施の形態では、吹出口の周方向の長さを変えることにより、吹出口の開口面積を変化させているが、これに限定されるものではない。
【0035】
吹出口26は、中央孔13の後方に位置している。吹出口26の開口面積は吹出口20又は21と同等とされている。
【0036】
底蓋体10は、内周壁14、外周壁15、底板部16、小リブ17及び流入口18を含めて断熱材料にて一体に成形されている。この実施の形態では、断熱材料として硬質発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂が用いられている。
【0037】
上側殻体11は、従来の便蓋と同様形状のものであり、便蓋全体を覆う平板状の主板部11aと、該主板部11aの周縁から垂設された周壁部11bとを有する。上側殻体11の後辺の左右両サイドにはヒンジ部11c(第4,7図)が設けられている。第7図の通り、このヒンジ部11cの後端面には、底蓋体10の流入口18が差し込まれた開口(符号略)が設けられている。なお、開口の代りに周壁部11bの下端から切り込まれたU字形の切欠部を設けてもよい。
【0038】
この上側殻体11に対し底蓋体10を嵌合させることにより、便蓋4が構成される。この嵌合に際しては、外周壁15を周壁部11bの内周面に沿わせるようにして底蓋体10を上側殻体11に押し込む。外周壁15にリブ17が設けられており、リブ17が周壁部11bに押し付けられることにより底蓋体10がしっかりと上側殻体11に嵌め合わされて一体化され、便蓋4とされる。この便蓋4には、底蓋体10の内周壁14、外周壁15、底板部16と上側殻体11の主板面11aとで囲まれていることにより温風通路19が形成される。なお、マイナスドライバー等の工具を外周壁15と周壁部11bとの間に差し込み、こじることにより、底蓋体10を上側殻体11から取り外すことができる。
【0039】
なお、この実施の形態では、第5図及び第6図に明示の通り、内周壁14及び外周壁15は底板部16よりも若干下方に突出している。そのため、第5図の通り便蓋4が便座3上に倒伏した状態にあっては、底板部16と便座3の上面との間には若干(例えば高さ5〜20mm程度)の通気スペースが形成される。
【0040】
前記便座3と、このように形成された便蓋4とが、ヒンジ軸(図示略)を介して便座ボックス4に起倒回動可能に取り付けられることにより、暖房便座装置が構成される。
【0041】
この実施の形態では、便座3及び便蓋4を倒伏させると、流入口18が便座ボックス2の温風流出口7に当接する。便蓋4の底蓋体11が発泡合成樹脂にて構成されており、ポリプロピレン等の通常の便蓋用合成樹脂に比べて柔軟性に富んでいるので、流入口18は流出口7にほぼ気密に当接し、通路19とダクト6とが連通状態となる。そのため、温風発生装置5を作動させると、温風がダクト6、流出口7及び流入口18を介して通路19に流入し、各吹出口20〜26から流出し、便座3の上面が加温される。第5図の通り、便座3の上面と便蓋4の底板部16との間に通気スペースがあいているので、便座3の上面に満遍なく温風が吹き付けられ、便座3の上面が満遍なく加温される。この実施の形態では、流入口18から遠い吹出口ほど開口面積が大きなものとなっている。そのため、各吹出口20〜26からの吹き出し温風量がほぼ均等化され、便座3を温度ムラなく加温することができる。
【0042】
[別の実施の形態]
第8図〜第17図を参照して別の実施の形態に係る暖房便座装置の便蓋について説明する。
【0043】
第8図の便蓋4Aは、底蓋体10Aの底板部16Aを、流入口18に近づくほど厚みが大きくなるように構成したものである。この便蓋4Aにあっては、通路19の高さが流入口18から遠ざかるほど大きくなるので、通路19の末端側(便蓋4Aの先端側)にも十分量の温風が供給され、各吹出口20〜26からの温風吹出量が均等化される。
【0044】
第9,10図に示す便蓋4Bは、底蓋体10Bの底板部16に、通路19から温風を吹出口20〜24に導くためのバッフルを設けたものである。各吹出口20〜24の流入口18から遠い側の辺縁部にバッフル30〜34(バッフル33,34は図示略)が設けられている。バッフル30〜34の高さは、流入口18から遠いものほど高いものとなっている。この実施の形態によれば、通路19から温風がスムーズに各吹出口20〜24に流入すると共に、バッフル30〜34の高さを流入口18から遠いものほど高くしているので、各吹出口30〜35からの温風吹出量が均等化される。なお、便蓋先端部の吹出口25では、左右の流入口18,18からの温風がぶつかるように合流するので、バッフルを設けるまでもなく通路19内の温風が吹出口25からスムーズに吹き出す。
【0045】
なお、バッフル30〜34を立設すると、通路19内の温風の流れがバッフル30〜34によって乱れるおそれがある。そこで、第11図の底板部10B’のように、上流側の吹出口21と下流側の吹出口22とで、吹出口21,22の位置を通路19の幅方向において交互に配置してもよい。例えば、吹出口20,22,24を底板部16の内周側に配置し、吹出口21,23,25を底板部16の外周側に配置する。
【0046】
第12図の便蓋4Cは、底板部10Cの本体部分を非発泡合成樹脂にて構成し、その底板部16の上面に発泡合成樹脂40を積層状に設けたものである。発泡合成樹脂40はインサート成形又は二色成形で形成されてもよく、別体のものを接着又は嵌合により装着してもよい。発泡合成樹脂40及び後述の発泡合成樹脂41,42には、吹出口25と重なる位置関係にて吹出口が設けられている。
【0047】
第13図の便蓋4Dでは、底板部16だけでなく内周壁14及び外周壁15にも重なるようにU字形(上向きコ字形)断面形状の発泡合成樹脂41を設けている。第14図の便蓋4Eでは、底板部16の下面に重なるように発泡合成樹脂42を設けている。第15図の便蓋4Fでは、通路19の天井面部分に発泡合成樹脂43を設けている。この発泡合成樹脂43により、上側殻体11を通した放熱を防止する。発泡合成樹脂43はインサート成形、二色成形又は主板面11aへの接着等により設けられる。図示は省略するが、第1図〜第14図の各実施の形態においても、通路19の天井面に発泡合成樹脂43を設けてもよい。
【0048】
なお、このように便蓋の本体部分を非発泡合成樹脂にて構成すると、この非発泡合成樹脂は発泡合成樹脂に比べて硬質であるので、流入口18と便座ボックスの流出口7との間のシール性が不足するおそれがある。そこで、第16図のように、流入口18に筒状のゴムパッキン60を装着し、ゴムパッキン60を流入口18よりも長く突出させることが好ましい。
【0049】
本発明では、第17図〜第19図の便蓋4Gのように、吹出口20〜26を覆う網体50を設けてもよい。網体50は合成樹脂製メッシュよりなり、メッシュサイズは♯40程度が好適である。この網体50を設けることにより、吹出口20〜26を通って通路19内にゴミ等が入り込むことが防止される。
【0050】
この実施の形態では、網体50はすべての吹出口20〜26を覆うように便蓋4Gを周回する連続した環状である。この網体50は便蓋4Gの底板部16の下面に重なるように内周壁14の下端縁と外周壁15の下端縁との間に着脱可能に嵌め込まれている。第19図の通り、網体50には、取り外し時に摘むための片部51が設けられているので、着脱を容易に行うことができる。この網体50を取り外して該網体50や、便蓋4Gの底面を十分に清掃することができる。便蓋4Gのその他の構成は便蓋4と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
【0051】
本発明では、第20図及び第21図のように、便座3の上面を覆うように断熱材料よりなる表装材70を着脱可能に設けてもよい。この断熱材料としては発泡合成樹脂が好適である。この表装材70は、第21図の通り、便座3の上面と便座の内周面及び外周面とを覆う下向きコ字形断面形状であり、便座3に対し上方から嵌合する。
【0052】
本発明では、温風発生装置5の制御装置は、便器1の使用者を検知したときに該温風発生装置を作動させる(第1モード)よう構成されるのが好ましい。ただし、便器1の使用者を検知していないときでも、間欠的に又は低出力にて温風発生装置5を作動させて便座3を予熱してもよい(第2モード)。間欠的に作動させる場合、1時間に5〜10回、1回当り1〜5分程度作動させるのが好ましい。低出力にて作動させる場合、ヒータの定格出力の10〜50%程度とするのが好ましい。
【0053】
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態とされてもよい。例えば、便座3及び便蓋4を取り付ける支持部材は、便座ボックスではなく、ロータンクカバーであってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 洋風便器
2 便座ボックス
3 便座
4,4’,4A〜4G 便蓋
5 温風発生装置
6 ダクト
7 温風流出口
10,10’ 底蓋体
11 上側殻体
14 内周壁
15 外周壁
16 底板部
17 小リブ
18 流入口
19 通路
20〜26 吹出口
30〜32 バッフル
40〜43 発泡合成樹脂
50 網体
51 片部
70 表装材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座及び便蓋を備え、
該便蓋には、基端側から先端側に向って延在する温風の通路が設けられ、
該便蓋の下面には、該通路からの温風を吹き出す吹出口が設けられており、
該吹出口は、便蓋の基端側から先端側に間隔をおいて複数個設けられており、
該通路に温風を供給する温風発生装置を備えた暖房便座装置において、
該便蓋の下面の少なくとも一部を断熱材料にて構成したことを特徴とする暖房便座装置。
【請求項2】
請求項1において、該便蓋は、上面側を構成する上側殻体と、該上側殻体の下面側に着脱可能に装着された底蓋体とを備えており、
該上側殻体と底蓋体とで囲まれた空間部が前記通路となっており、
該底蓋体に前記吹出口が設けられ、該底蓋体の少なくとも一部が前記断熱材料にて構成されていることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記通路の側面及び天井面の少なくとも一部が断熱材料にて構成されていることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記断熱材料は発泡合成樹脂であることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、該便蓋の先端側の吹出口は基端側の吹出口よりも開口面積が大きいことを特徴とする暖房便座装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、該便蓋の基端側よりも先端側の方が前記通路の断面積が大きいことを特徴とする暖房便座装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記通路の内面に、温風を吹出口に導入するためのバッフルが設けられていることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項8】
請求項7において、便蓋の基端側よりも先端側の方が該バッフルの突出高さが大きいことを特徴とする暖房便座装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項において、前記便蓋及び便座が支持部材に起立倒伏方向回動可能に取り付けられており、
該支持部材内に前記温風発生装置が設置されており、
該支持部材の前面に温風流出口が設けられており、
前記便蓋の後端面には、倒伏時に該温風流出口に密着する温風流入口が設けられていることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、前記吹出口に網体が着脱可能に設けられていることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項11】
請求項10において、該網体は、すべての吹出口を覆うように連続しており、該網体に、便蓋からの取り外し時に摘むための片部が設けられていることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項において、前記温風発生装置の作動を制御する制御装置が設けられており、
該制御装置は、人体を検知したときに温風発生装置を作動させる第1モードと、人体を検知しないときに温風発生装置を作動させる第2モードとを実行可能であることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項において、前記便座の少なくとも上面に、断熱材料よりなる表装材を着脱可能に設けたことを特徴とする暖房便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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