説明

曲げ加工装置

【課題】曲げ方向に制約を受けることなく、被加工物を曲げ加工できる曲げ加工装置を得る。
【解決手段】曲げ型32と、曲げ型32の周りを公転可能な締め型42とにより長尺状の被加工物4を挟持し、締め型42を公転させ被加工物4を曲げ加工する曲げ機構30を備えると共に、被加工物4を把持するチャック機構46を取り付けた固定台48を備える。また、曲げ機構30が取り付けられ、曲げ機構30を移動する関節型ロボット2を備える。チャック機構46は、把持した被加工物4を長手方向中心の廻りにひねり回転可能で、曲げ機構30により挟持した被加工物4を長手方向中心の廻りに関節型ロボット2を駆動して予め設定されたひねり角度範囲内でひねる(ステップ120)。ひねりがひねり角度範囲を超えるときチャック機構46を制御して被加工物4を長手方向中心の廻りにひねる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の被加工物、例えばパイプや棒状材を所定の方向に曲げ加工する際に、曲げ機構を被加工物の廻りに移動して曲げ加工する曲げ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1にあるように、被加工物をチャック機構により把持して、互いに平行な軸の廻りで回動する平行関節と、前記平行な軸と直交する軸の廻りに回動する直交関節とをそれぞれ複数有する関節型ロボットの先端に曲げ機構を取り付ける。そして、各関節を回動して曲げ機構を移動して被加工物をチャック機構に向かって移動し、被加工物をチャック機構に把持させて、各関節を回動して曲げ機構を移動して、複数箇所で被加工物を曲げ加工するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−116604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした従来のものでは、種々の方向に被加工物を曲げ加工する際、関節型ロボットにより曲げ機構を被加工物の長手方向中心の廻りにひねり回転して、所定の曲げ方向となるように制御しているが、関節型ロボットのアームと被加工物とが干渉し、曲げ方向が360度の全範囲となるように曲げ機構を被加工物の長手方向中心の廻りにひねり回転できないという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、曲げ方向に制約を受けることなく、被加工物を曲げ加工できる曲げ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
曲げ型と、該曲げ型の周りを公転可能な締め型とにより長尺状の被加工物を挟持し、前記締め型を公転させ前記被加工物を曲げ加工する曲げ機構を備えると共に、前記被加工物を把持するチャック機構を取り付けた固定台を備え、また、前記曲げ機構が取り付けられ、前記曲げ機構を移動する関節型ロボットを備えると共に、前記関節型ロボット、前記曲げ機構及び前記チャック機構を制御する制御手段を備え、前記関節型ロボットにより前記曲げ機構を移動し、前記曲げ機構により前記被加工物を曲げ加工する曲げ加工装置において、
前記チャック機構は、把持した前記被加工物を長手方向中心の廻りにひねり回転可能で、
前記制御手段は、前記曲げ機構により挟持した前記被加工物を長手方向中心の廻りに前記関節型ロボットを駆動して予め設定されたひねり角度範囲内でひねるロボットひねり制御手段と、ひねりが前記ひねり角度範囲を超えるとき前記チャック機構を制御して前記被加工物を長手方向中心の廻りにひねるチャックひねり制御手段とを備えたことを特徴とする曲げ加工装置がそれである。
【0007】
前記関節型ロボットは、互いに平行な軸の廻りで回動する平行関節と、前記平行な軸と直交する軸の廻りに回動する直交関節とをそれぞれ複数有する構成でもよい。また、前記チャックひねり制御手段は、前記被加工物をひねり回転するときに、前記関節型ロボットと前記被加工物とが干渉する際、逆方向にひねり回転するようにするとよい。あるいは、前記チャックひねり制御手段は、前記被加工物をひねり回転するときに、前記関節型ロボットと前記被加工物とが干渉する際、前記関節型ロボットを逃がしてから前記被加工物をひねり回転するようにするとよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の曲げ加工装置は、被加工物を長手方向中心の廻りに関節型ロボットを駆動して予め設定されたひねり角度範囲内でひねり、ひねりがひねり角度範囲を超えるときチャック機構を制御して被加工物を長手方向中心の廻りにひねるので、曲げ方向に制約を受けることなく、被加工物を曲げ加工できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態としての曲げ加工装置の正面図である。
【図2】本実施形態の曲げ加工装置の左側面図である。
【図3】本実施形態の曲げ加工装置の平面図である。
【図4】本実施形態の関節型ロボットの左側面図である。
【図5】本実施形態の曲げ機構の拡大側面図である。
【図6】本実施形態の曲げ機構の拡大平面図である。
【図7】本実施形態の曲げ加工装置の制御系統を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の制御回路で行われるひねり制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の関節型ロボットの側面方向からの動作説明図である。
【図10】本実施形態の関節型ロボットの平面方向からの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に示すように、1は機台であり、機台1上には関節型ロボット2が載置されている。関節型ロボット2には、パイプ等の長尺状の被加工物4を曲げ加工する後述する曲げ機構30が取り付けられ、関節型ロボット2は、互いに平行な軸の廻りで回動する3組の第1〜第3平行関節6,8,10と、この平行な各軸と直交する軸の廻りで回動する2組の第1、第2直交関節12,14とを備えている。
【0011】
関節型ロボット2は、機台1に取り付けられた固定部16を備え、固定部16と第1旋回台18とは、第1直交関節12により接続されている。第1直交関節12は、鉛直な軸CV1の廻りで第1旋回台18を所定角度で回動駆動する周知の機構を有するものである。
【0012】
第1旋回台18には、第1アーム20の一端が第1平行関節6を介して接続されている。第1平行関節6は水平な軸CH1の廻りで第1アーム20を所定角度で回動駆動する周知の機構を有するものである。第1平行関節6の水平な軸CH1と第1直交関節12の鉛直な軸CV1とは直交している。
【0013】
第1アーム20の他端と第2アーム22の一端とが第2平行関節8を介して接続されている。第2平行関節8は第1平行関節6の水平な軸CH1と平行な軸CH2の廻りで第2アーム22を所定角度で回動駆動する周知の機構を有するものである。
【0014】
第2アーム22の他端には、第2旋回台24が第2直交関節14を介して接続されている。第2直交関節14は、第1、第2平行関節6,8の水平な軸CH1,CH2と直交する軸CV2の廻りで第2旋回台24を所定角度で回動駆動する周知の機構を有するものである。第2旋回台24には、先端アーム26の一端が第3平行関節10を介して接続されている。第3平行関節10は、先端アーム26を第1、第2平行関節6,8の水平な軸CH1,CH2と平行な軸CH3の廻りに回動するものである。
【0015】
また、図4に示すように、先端アーム26の先端に補助関節28が設けられており、補助関節28に曲げ機構30が取り付けられている。補助関節28は第3平行関節10と機械的に同期して、第3平行関節10により先端アーム26を360度旋回すると、補助関節28により曲げ機構30を360度旋回させる構成のものである。尚、補助関節28は、第3平行関節10と独立して旋回する構成でも実施可能である。
【0016】
曲げ機構30は、図5、図6に示すように、曲げ型32を備え、曲げ型32はその軸方向に3種類の曲げ半径に応じた3つの溝34,36,38が積層されて形成されている。また、シリンダ40により駆動されて曲げ型32に向かって移動し、曲げ型32と共に被加工物4を挟持する締め型42が設けられており、この締め型42は被加工物4を挟持した状態で曲げ型32の廻りを公転し、締め型42を所定の角度回転して、曲げ加工できるように構成されている。そして、この締め型42に並んで曲げ加工時の反力を受ける圧力型44が設けられている。尚、曲げ加工は、コンプレッション曲げに限らず、ドロー曲げであってもよい。
【0017】
また、図1に示すように、被加工物4の後端を把持するチャック機構46が設けられており、チャック機構46は固定台48に取り付けられている。チャック機構46に把持された被加工物4は、水平な状態となるように構成されており、第1直交関節12の鉛直な軸CV1と直交するように構成されている。チャック機構46は、被加工物4を把持した状態で、図1に矢印で示すように、被加工物4を長手方向中心の廻りに正逆両方向に回転駆動することができるように構成されている。更に、関節型ロボット2の両側には、搬入用受け台50と搬出用受け台52とがそれぞれ設けられている。
【0018】
関節型ロボット2は、第1〜第3平行関節6,8,10、第1、第2直交関節12,14を旋回することにより、図9、図10に示すように、曲げ機構30の姿勢や移動位置を制御できる。
【0019】
例えば、図9(イ)、(ロ)に示すように、被加工物4の曲げ方向に応じて、被加工物4の曲げ方向と曲げ型32の溝34の方向とが一致するように曲げ機構30を移動できる。本実施形態では、第3平行関節10と補助関節28とは同期した一定の関係があるので、曲げ方向が定まれば、溝34を被加工物4と当接させることにより、先端アーム26及び第3平行関節10の位置は定まる。
【0020】
第2平行関節8の位置は、第1平行関節6を中心とし、第1平行関節6と第2平行関節8との間の距離を半径とする円弧上にあると共に、第3平行関節10を中心とし、第2平行関節8と第3平行関節10との間の距離を半径とする円弧上にある。よって、第2平行関節8はこれらの両円弧の交点にあれば、曲げ型32の位置が定まる。このとき、交点は2点存在する場合があるが、その場合には、第2アーム22が被加工物4と干渉したり、曲げ加工後の被加工物4の先端が第2アーム22と干渉したりしない交点を選択する。
【0021】
こうして、各第1〜第3平行関節6,8,10の位置が定まることにより、固定部16と第1アーム20とのなす角度、第1アーム20と第2アーム22とのなす角度、第2アーム22と先端アーム26とのなす角度が各々求められる。この求めた各角度に応じて、各第1〜第3平行関節6,8,10により第1アーム20、第2アーム22、先端アーム26を所定の角度に旋回する。これにより、曲げ型32の溝34が被加工物4に当接するように移動される。
【0022】
一方、図9(イ)に示すように、被加工物4の曲げ方向が水平方向である状態から、曲げ方向を変更するために曲げ機構30を被加工物4の長手方向中心の廻りに関節型ロボット2の第1〜第3平行関節6,8,10を駆動して回転する。図9(イ)に示す反時計方向廻りの回転を−方向とすると、−90度を超えると関節型ロボット2のいずれかのアーム20,22,26と被加工物4とが干渉する。
【0023】
また、図9(ロ)に示すように、曲げ方向を変更するために曲げ機構30を被加工物4の長手方向中心の廻りに関節型ロボット2の第1〜第3平行関節6,8,10を駆動して回転する。図9(ロ)に示す時計方向廻りの回転を+方向とすると、+125度を超えると関節型ロボット2のいずれかのアーム20,22,26と被加工物4とが干渉する。
【0024】
図10(イ)に示すように、被加工物4と直交する平面内に、関節型ロボット2の第1アーム20、第2アーム22、先端アーム26がある場合には、第1〜第3平行関節6,8,10を旋回して、図9(イ)、(ロ)に示すように、曲げ方向が所定の方向となるように、曲げ機構30を被加工物4の廻りに移動できる。
【0025】
また、図10(ロ)に示すように、被加工物4の先端側に曲げ加工位置がある場合、第1直交関節12を駆動すると共に、第2直交関節14を第1直交関節12と反対側に駆動して、先端アーム26の軸方向が被加工物4と直交するように移動すると共に、第1〜第3平行関節6,8,10を駆動する。第1直交関節12を旋回すると、曲げ機構30が被加工物4から離れるので、その分、第1〜第3平行関節6,8,10を駆動して、曲げ型32の溝34を被加工物4と当接させる。他の溝36,38と当接させることにより、曲げ形状を変えることもできる。
【0026】
また、図10(ハ)に示すように、チャック機構46に接近した曲げ加工位置で曲げ加工する場合も、同様に、第1直交関節12を駆動して、曲げ加工位置に曲げ機構30を移動する。その際、第2直交関節14を第1直交関節12と反対側に駆動して、先端アーム26の軸方向が被加工物4と直交するように移動すると共に、第1〜第3平行関節6,8,10を駆動する。
【0027】
複数箇所で曲げ加工する場合には、図10(ロ)に示すように、被加工物4の先端側の曲げ加工位置から、チャック機構46に接近する曲げ加工位置に向かって、前述した動作を繰り返して被加工物4を順に曲げ加工する。
【0028】
関節型ロボット2、曲げ機構30、チャック機構46は、図7に示すように、それぞれ制御手段としての制御回路54に接続されており、制御回路54により、関節型ロボット2、曲げ機構30、チャック機構46の駆動がそれぞれ制御されるように構成されている。
【0029】
次に、前述した本実施形態の曲げ加工装置の作動について、制御回路54において行われるひねり制御処理と共に、図8に示すフローチャートによって説明する。
まず、所定の長さに予め切断された被加工物4が搬入受け台50上に搬送される。そして、図10(ニ)に示すように、関節型ロボット2の第1直交関節12を駆動して、関節型ロボット2を搬入受け台50の被加工物4と対向させる。また、関節型ロボット2の第1〜第3平行関節6,8,10を駆動して、曲げ機構30を移動し、被加工物4が曲げ型32の溝34に当接するように移動する。
【0030】
次に、締め型42を移動して、曲げ機構30により被加工物4を挟持する。曲げ機構30により被加工物4を挟持した後、関節型ロボット2を制御して、各第1〜第3平行関節6,8,10及び第1、第2直交関節12,14を駆動して、図10(イ)に示すように、被加工物4をチャック機構46に移動する。
【0031】
被加工物4の移動は、被加工物4をチャック機構46で把持できるように、搬入受け台50上の被加工物4をチャック機構46に向かって移動する。そして、被加工物4を移動してチャック機構46に挿入した後、チャック機構46を制御して、被加工物4をチャック機構46により把持する。
【0032】
関節型ロボット2を制御して、曲げ機構30を被加工物4の曲げ加工位置に移動する。曲げ加工箇所が複数ある場合には、被加工物4の先端側から曲げ加工を開始する。曲げ機構30を曲げ加工位置に移動した後、締め型42、圧力型44を駆動して、被加工物4に突き当て、締め型42を圧力型44の廻りに所定の曲げ角度に応じて公転させる。
【0033】
曲げ加工終了後、締め型42、圧力型44を元の位置に戻し、次の曲げ加工を行なう場合には、関節型ロボット2を制御して、次の曲げ加工位置に曲げ機構30を移動し、曲げ機構30により被加工物4を曲げ加工する。
【0034】
曲げ方向を変更する場合には、ひねり制御処理を実行する。ひねり方向を変更する際、締め型42を移動して、曲げ機構30により被加工物4を挟持し、曲げ機構30を被加工物4の長手方向中心の廻りにひねり回転して、被加工物4をひねることができる。
【0035】
ひねり制御処理では、まず、曲げ方向を変更するひねり角度が予め設定されたひねり角度範囲内であるか否かを判断する(ステップ100)。本実施形態では、図9(イ)(ロ)に示すように、ひねり角度が+125度から−90度のひねり角度範囲で曲げ機構30を被加工物4の長手方向中心の廻りにひねり回転すると、関節型ロボット2のいずれかのアーム20,22,26と被加工物4とが干渉する。
【0036】
ひねり角度がひねり角度範囲内にあるときには、強制的にチャック機構46により被加工物4をひねり回転させるか否かを判断する(ステップ110)。強制的にひねり回転するか否かは、予め設定される曲げ加工データに設定されており、強制的にひねり回転させないときには、関節型ロボット2を制御して、各第1〜第3平行関節6,8,10を駆動して、被加工物4を挟持した曲げ機構30を被加工物4の長手方向中心の廻りにひねり回転する(ステップ120)。そして、一端本制御処理を終了して、前述したように、曲げ機構30により被加工物4を予め設定された曲げ方向に、予め設定された曲げ角度で曲げ加工する。
【0037】
一方、ステップ100の処理により、ひねり角度がひねり角度範囲外と判断したときには、または、ステップ110の処理により、強制的にチャック機構46によるひねり回転が指定されていると判断したときには、チャック機構46により被加工物4を正方向にひねり回転すると干渉するか否かを判断する(ステップ130)。
【0038】
例えば、被加工物4に曲げ機構30により曲げ加工が施されて、チャック機構46により把持した被加工物4をひねり回転すると、曲げ加工した被加工物4と関節型ロボット2とが干渉する場合がある。曲げ加工した被加工物4の形状は、曲げ加工データから想定でき、関節型ロボット2の各アーム20,22,26の位置から、被加工物4と関節型ロボット2とが干渉するか否かを判断できる。
【0039】
チャック機構46により把持した被加工物4を、チャック機構46により正方向にひねり回転しても、干渉しないと判断すると、チャック機構46により被加工物4をその長手方向中心の廻りに正方向に予め設定されたひねり角度でひねる(ステップ140)。そして、一端本制御処理を終了して、曲げ機構30により被加工物4を予め設定された曲げ方向に、予め設定された曲げ角度で曲げ加工する。
【0040】
また、ステップ130の処理により、チャック機構46により被加工物4を正方向にひねり回転すると干渉すると判断したときには、逆方向にひねり回転すると干渉するか否かを判断する(ステップ150)。
【0041】
逆方向にひねり回転すると干渉しないときには、チャック機構46により被加工物4をその長手方向中心の廻りに逆方向に予め設定されたひねり角度でひねる(ステップ160)。そして、一端本制御処理を終了して、曲げ機構30により被加工物4を予め設定された曲げ方向に、予め設定された曲げ角度で曲げ加工する。
【0042】
ステップ150の処理により、逆方向にひねり回転しても干渉すると判断すると、関節型ロボット2を制御して、各第1〜第3平行関節6,8,10及び第1、第2直交関節12,14を駆動して、関節型ロボット2と被加工物4とが干渉しない位置に関節型ロボット2の各アーム20,22,26を逃がす(ステップ170)。
【0043】
次に、チャック機構46により被加工物4をその長手方向中心の廻りに正方向(あるいは逆方向)に予め設定されたひねり角度でひねる(ステップ180)。ひねった後、関節型ロボット2を制御して、各第1〜第3平行関節6,8,10及び第1、第2直交関節12,14を駆動して、曲げ機構30を曲げ位置に移動する(ステップ190)。そして、一端本制御処理を終了して、曲げ機構30により被加工物4を予め設定された曲げ方向に、予め設定された曲げ角度で曲げ加工する。
【0044】
このように、被加工物4を長手方向中心の廻りに関節型ロボット2を駆動して予め設定されたひねり角度範囲内でひねり、ひねりがひねり角度範囲を超えるときチャック機構46を制御して被加工物4を長手方向中心の廻りにひねるので、曲げ方向に制約を受けることなく、被加工物を曲げ加工できる。
【0045】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0046】
1…機台 2…関節型ロボット
4…被加工物 6,8,10…平行関節
12,14…直交関節 30…曲げ機構
32…曲げ型 42…締め型
44…圧力型 46…チャック機構
48…固定台 50…搬入用受け台
52…搬出用受け台 54…制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ型と、該曲げ型の周りを公転可能な締め型とにより長尺状の被加工物を挟持し、前記締め型を公転させ前記被加工物を曲げ加工する曲げ機構を備えると共に、前記被加工物を把持するチャック機構を取り付けた固定台を備え、また、前記曲げ機構が取り付けられ、前記曲げ機構を移動する関節型ロボットを備えると共に、前記関節型ロボット、前記曲げ機構及び前記チャック機構を制御する制御手段を備え、前記関節型ロボットにより前記曲げ機構を移動し、前記曲げ機構により前記被加工物を曲げ加工する曲げ加工装置において、
前記チャック機構は、把持した前記被加工物を長手方向中心の廻りにひねり回転可能で、
前記制御手段は、前記曲げ機構により挟持した前記被加工物を長手方向中心の廻りに前記関節型ロボットを駆動して予め設定されたひねり角度範囲内でひねるロボットひねり制御手段と、ひねりが前記ひねり角度範囲を超えるとき前記チャック機構を制御して前記被加工物を長手方向中心の廻りにひねるチャックひねり制御手段とを備えたことを特徴とする曲げ加工装置。
【請求項2】
前記関節型ロボットは、互いに平行な軸の廻りで回動する平行関節と、前記平行な軸と直交する軸の廻りに回動する直交関節とをそれぞれ複数有することを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工装置。
【請求項3】
前記チャックひねり制御手段は、前記被加工物をひねり回転するときに、前記関節型ロボットと前記被加工物とが干渉する際、逆方向にひねり回転することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の曲げ加工装置。
【請求項4】
前記チャックひねり制御手段は、前記被加工物をひねり回転するときに、前記関節型ロボットと前記被加工物とが干渉する際、前記関節型ロボットを逃がしてから前記被加工物をひねり回転することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の曲げ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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