説明

曲げ導波路、その製造方法、曲げ導波路を利用した光伝送モジュール及び曲げ導波路を採用した熱補助磁気記録ヘッド

【課題】曲げ導波路、その製造方法、曲げ導波路を利用した光伝送モジュール及び曲げ導波路を採用した熱補助磁気記録ヘッド
【解決手段】入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する近接場光強化開口構造の出力端を有するコアと、コアを取り囲む金属クラッドと、を備え、コアは、曲線に曲がっており、曲線の曲率半径は、入射される光の波長に対する透光度がピークとなる共振半径であることを特徴とする曲げ導波路である。これにより、別途の光学要素なしに、既存の近接場光強化開口が有するフィールド強化特性をそのまま維持しつつ、入射された光を所定角度に方向転換しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ導波路、その製造方法、曲げ導波路を利用した光伝送モジュール、及び曲げ導波路を採用した熱補助磁気記録ヘッドに係り、さらに詳細には、強化された近接場光を具現可能であり、かつ集積型に製作可能な曲げ導波路、その製造方法、曲げ導波路を利用した光伝送モジュール、及び曲げ導波路を採用した熱補助磁気記録ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録ヘッド分野において、磁気記録の高密度化のための熱補助磁気記録(Heat Assisted Magnetic Recording、以下‘HAMR’という)方式が研究されている。HAMR方式とは、記録媒体の局所部位をキュリー温度近くに加熱して、該当位置の保磁力を一時的に減少させて記録を行う方式である。HAMR方式を利用すれば、既存の磁気記録方式に比べて、記録のために必要な磁場のサイズを縮小しうる。このとき、データの記録される領域は、キュリー温度近くに加熱された部分であるため、記録密度は、ギャップ間の磁場を発生させる磁極のサイズではなく、加熱される部分の幅によって決定される。例えば、加熱手段がレーザダイオードである場合、レーザダイオードから照射されるレーザ光のスポットサイズによってデータ記録密度が決定される。
【0003】
これにより、HAMRヘッドは、記録媒体にレーザ光を照射するための光伝送モジュールが要求される。光伝送モジュールは、メインポールに隣接した位置まで光を伝達し、記録媒体に結ばれる光スポットのサイズを小さくしつつ、高い光度を有させる。このような光伝送モジュールは、光源、導波路及び小型開口を備え、メインポールに隣接した小さい空間に集積される。ところが、従来の磁気ヘッドの構造を大きく変えないためには、光伝送モジュールの配置位置が制限される。例えば、光源から小型開口まで光を伝達する導波路は、メインポールに垂直(図19で、x方向)して配置されることが容易であるが、この場合、導波路の方向は、メインポールの端部に隣接して配置される小型開口の方向と90°の差がある。したがって、この場合には、導波路と小型開口との間には、90°の方向転換をさせる光学要素が必要である。このような光学要素としてミラーを採用しうるが、薄膜に製造される従来の磁気ヘッド上に、このような体積を有する構造の光学要素を集積するのは、現実的に難しいという問題点がある。
【0004】
さらに、光伝送モジュールは、既存の磁気ヘッド工程のような一括工程内で製作されることが望ましい。このためには、例えば、175℃以下の低温工程で製作が可能であり、プラナー工程によって製作可能な導波路及び小型開口が要求される。
【0005】
一方、小型開口は、導波路を通じて伝送された光を記録媒体の記録層に伝達する。このとき、高記録密度を達成するためには、記録層に伝えられる光は、近接場スポットサイズを有すると同時に、記録層をキュリー温度近くに加熱できる高い強度を有さねばならない。一般的に、最小スポットサイズは、小型開口のサイズによって決定される。開口のサイズが小さいほど、さらに高い記録密度の向上が期待される。しかし、開口のサイズが入射光の波長よりはるかに小さくなれば、開口のパワー効率が大きく低下する。すなわち、小型開口を小さくすれば、高空間分解能は実現可能であるが、パワー効率が過度に低いため、小型開口の適用に限界がある。このような低い透過効率の問題を克服するために、色々な形態の近接場光強化開口が提案されて研究されてきた。しかし、設置される位置がHAMRヘッドのように、制限的な装置に容易に設置される近接場光強化開口は製作し難い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、HAMRヘッドの光伝送モジュールに要求される、設置される位置が容易に方向を転換して近接場光を放出できる導波路、その製造方法、曲げ導波路を利用した光伝送モジュール、及び曲げ導波路を採用したHAMRヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態による曲げ導波路は、入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する近接場光強化開口構造の出力端を有するコアと、前記コアを取り囲む金属クラッドと、を備え、前記コアは、曲線に曲がっており、前記曲線の曲率半径は、前記入射される光の波長に対する透光度がピークとなる共振半径であることを特徴とする。
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態による導波路の製造方法は、基板上に金属を積層して下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層上に所定の曲率半径を有する曲線にパターンされたコア層を積層するが、前記コア層の幅及び厚さは、入射される光の波長より小さいか、または同じであり、前記曲率半径は、入射される光の波長に対する透光度がピークとなるように形成する工程と、前記コア層上に金属を積層して上部クラッド層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態による曲げ導波路を利用した光伝送モジュールは、入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する近接場光強化開口構造の出力端を有するコアと、前記コアを取り囲む金属クラッドとを備える第1導波路を備え、前記第1導波路は、前記コアが曲線に曲がっており、前記曲線の曲率半径は、前記入射される光の波長に対する透光度がピークとなる共振半径となる曲げ導波路であることを特徴とする。
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態による曲げ導波路を採用したHAMRヘッドは、磁気記録媒体に情報を記録するための磁場を形成する磁気記録部と、前記磁気記録媒体の記録予定領域を加熱するために光を照射する光伝送モジュールとを備えるHAMRヘッドであって、前記光伝送モジュールは、入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する近接場光強化開口構造の出力端を有するコアと、前記コアを取り囲む金属クラッドとを備える第1導波路と;前記第1導波路に光を伝送する第2導波路とを備え、前記第1導波路は、前記コアが曲線に曲がっており、前記コアの曲率半径は、前記入射される光の波長に対する透光度がピークとなる共振半径となる曲げ導波路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明による曲げ導波路、その製造方法、曲げ導波路を採用した光伝送モジュール及び曲げ導波路を採用したHAMRヘッドは、次のような効果を有する。
【0012】
第一に、別途の光学要素なしに既存の近接場光強化開口が有するフィールド強化特性をそのまま維持しつつ、入射された光を所定角度に方向転換しうる。
【0013】
第二に、C型開口のような近接場光強化開口構造によって、小さいスポットサイズと光度とが得られる。
【0014】
第三に、曲げ導波路は、低温のプラナープロセスを通じて製造可能であるので、従来の磁気記録ヘッドと共に一括製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態による曲げ導波路、その製造方法、曲げ導波路を利用した光伝送モジュール、及び曲げ導波路を採用したHAMRヘッドを詳細に説明する。
【0016】
まず、本発明の曲げ導波路の原理について説明する。
【0017】
図1A及び図1Bは、フィールド強化メカニズムを示す。
【0018】
図1Aは、近接場光強化開口11が設けられた薄い金属プレート10に光Lが入射されるところを図式的に示す。このとき、近接場光強化開口11とは、強化された近接場光を放出する開口であって、例えば、図2で示されるC型開口がある。図面を参照すれば、薄い金属プレート10の場合、近接場光強化開口11を通じて入射される光Lが開口を通過するためには、透過共振条件を満足せねばならない。透過共振は、近接場光強化開口11の入力端側及び出力端側から発生する金属プレート10の電荷及び電流の集合的な表面共振に起因する。このように透過共振条件を満足する入射光は、近接場光強化開口11でフィールド強化されることによって、透過率の急減なしに後方散乱される。
【0019】
一方、図1Bを参照すれば、厚い金属プレート15の場合には、近接場光強化開口16の内部でも追加的な電荷及び電流の振動があり、他の様相の厚さ共振が存在する。したがって、近接場光強化開口16での全体透過及びフィールド強化は、表面共振だけでなく、厚さ共振の相互作用によって決定される。このような厚さ共振は、後述するように、近接場光強化開口16の厚さ方向に透過される光Lが定常波をなす時になされる。すなわち、金属プレート15が一定厚さ以上を有する場合に、近接場光強化開口16に入射される光Lが円滑に透過されるためには、金属プレート15と入射される光Lとは、所定の厚さ共振条件を満足せねばならない。
【0020】
次いで、図2ないし図7Cを参照して、金属プレートの厚さによる共振特性を説明する。
【0021】
図2は、近接場光強化開口構造の一例であって、金属プレート18に設けられたC型開口19を示し、図3は、このような金属プレート18の厚さによる共振特性をグラフで示す。ここで、金属プレート18は、導電性に優れた金(Au)で形成され、その厚さは、数nmから1200nmまで変化する。また、C型開口19は、縦方向の長さaが270nmであり、横方向の長さbが180nmであり、ギャップGが90nmであるサイズを有する。
【0022】
まず、金属プレート18が数nmないし数十nmの厚さの薄膜である時のC型開口19の共振特性を説明すれば、650THz付近(図4を参照すれば、651.464THz)で表面共振周波数が現れる。この表面共振周波数は、金属プレート18の厚さが数nmないし500nmの範囲内にある場合に、厚さ変化に関係なしに一定に維持され、金属プレート18の厚さが500nm以上になれば、消える。図4は、薄膜の金属プレート18における開口共振特性を示す周波数応答関数(Frequency Response Fuction:FRF)のグラフである。このFRFは、薄膜の金属プレート18に設けられたC型開口19にインパルスを入力し、出力反応を求めて得られる。ピーク地点の開口共振は、C型開口19の入力端側と出力端側とで発生する金属プレート18の電荷及び電流の集合的な表面共振に起因すると解析される。すなわち、C型開口19の入力端側と出力端側とで電子及び電流は、カップリングされつつ表面共振されて、入射された光は、消滅波状に透過できる。
【0023】
一方、金属プレート18の厚さが500nmを超えれば、C型開口19の入力端側と出力端側とで電子及び電流の表面共振がカップリングされないことによって、表面共振による透過がそれ以上期待できなくなる。しかし、図3のグラフに示されたように、金属プレート18の厚さ増大によって、最初の共振周波数、すなわち、表面共振周波数以外にも、相継いで残りの共振周波数は新たに現れる。例えば、金属プレート18の厚さが100nmに若干及ばない付近で厚さ共振が生じ、これに該当する1次厚さ共振周波数が厚さ増大につれて徐々に増加する。そして、金属プレート18の厚さが100nmとなる付近で、さらに他の厚さ共振が生じ、これに該当する2次厚さ共振周波数は、厚さ増加につれて徐々に減少する。前記1次及び2次厚さ共振周波数は、厚さ850nmの付近で重なる現象を示す。
【0024】
入射光の周波数が780nm(384.6THz)である場合に、厚さ共振は、図面から分かるように、厚さ300nm、720nm、1130nmで期待できる。図5は、このような厚さ共振を金属プレート18の厚さに対する透過される電場の強度(すなわち、光度)のグラフとして示す。図5によれば、1次厚さ共振における光度が最も大きく、以後の2次及び3次厚さ共振における光度は、徐々に低下する様相を示すが、金属プレート18の厚さが増加しても、C型開口19のフィールド強化特性が依然として存在するということが分かる。
【0025】
図6Aないし図6Cは、C型開口19の内部で伝播される光の強度分布を示す。図面から分かるように、金属プレート18の厚さが増加するにつれて、C型開口19の内部で伝播される光の強度分布が1次、2次及び3次の定常波パターンを示すということが分かる。すなわち、C型開口19の内部に伝播される光が定常波をなす時に、透過出力の急激な減少なしに透過され、このとき、金属プレート18の厚さは、定常波の節間隔に該当するということが分かる。
【0026】
図7Aないし図7Cは、図6Aないし図6Cに示されたC型開口19を通過した光の開口透過後40nmでのスポット形態をそれぞれ示す。前記スポットは、そのサイズ及び形態がほとんど類似しており、単に、ピークの光度で差を示す。このように、スポットのサイズ及び形態が類似しているのは、C型開口19の出力端では、開口断面の形態がほとんどC型になって同一であるためであると解析される。
【0027】
以下、前述した原理を利用した本発明の実施形態を説明する。
【0028】
図8Aは、本発明の一実施形態による曲げ導波路の斜視図であり、図8Bは、図8AのVIII−VIII線による断面図である。
【0029】
図面を参照すれば、本実施形態の導波路20は、曲線に曲がったコア22と、前記コア22を取り囲む金属クラッド21とを有する。
【0030】
前記金属クラッド21は、導電性の良好な金属材質で形成される。図示された金属クラッド21の外郭形状は、コア22の曲げ形状と類似しているが、このような形状に限定されない。例えば、図13A及び図13Bに示したように、金属クラッド31の外郭形状は、曲げコア22が置かれた面上から見た時に、正四角形のような形状であってもよい。
【0031】
コア22は、透光される透明材質で形成される。前記コア22は、所定の曲率半径Rを有する曲線で90°曲がっている。前記コア22の横断面は、コア22の全領域にわたって金属クラッド21の一部が前記コア22の中心部側に突出して形成されたリッジ部23を有するC型開口構造を有する。これにより、前記コア22の入力端22aと出力端22bとは、C型開口構造を有する。このとき、C型開口は、入射される光の波長とその大きさとが同じであるか、または小さいスポットサイズの近接場光を放出できるように設計される。
【0032】
前記C型開口は、近接場光強化開口構造の一例であって、入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する。近接場光強化開口は、例えば、C型開口、L型開口、X型開口、蝶ネクタイ型アンテナ探針など当該技術分野において公知とされており、これについては、ここで詳細な説明を省略する。
【0033】
前記コアの曲率半径Rは、後述するように、前記入射される光の波長に対する透光度がピークとなる共振半径でなければならない。
【0034】
以下、本実施形態の導波路20における共振半径について説明する。
【0035】
金属プレートが厚くなれば、開口の入力端と出力端との距離が遠くなるので、観点を変えて見れば、開口は、一種の導波路コアと解釈される。すなわち、図2ないし図7Cを参照して述べたC型開口19は、一種の直線C型導波路と見なせる。これと同様に、本実施形態の導波路20は、曲線C型導波路と見なせる
【0036】
図2ないし図7Cを参照して説明されたところによれば、厚い金属プレート18に設けられたC型開口19を入射光が通過するためには、厚さ共振条件を満足せねばならない。これと同様に、本実施形態のコア22は、入射光が大きい損失なしに通過するために、所定の共振条件を満足せねばならない。
【0037】
図9及び図10は、本実施形態の導波路20における入力周波数についてのFRFを示すグラフであって、導波路20の半径共振特性を示す。図面を参照すれば、導波路20の曲率半径Rが300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、及び800nmと異なるようにする時に、異なる半径共振周波数が現れるということが見られる。曲率半径Rが300nmである時に、200THz〜800THzの区間に3個のピーク(380THz、494THz、750THz)が存在する。最初の周波数ピーク(すなわち、1次半径共振周波数)は、曲率半径Rが増大すれば、右側に少しずつ移動し、そのサイズは、大きくなるということが分かる。残りの周波数ピーク(すなわち、2次以上の半径共振周波数)は、曲率半径Rが増大するにつれて最初の周波数ピークに向けて速く移動し、そのサイズは、徐々に縮小する。また、曲率半径Rの増大によって、800THzの区間内に新たなピークが出現し続け、その挙動は類似している。
【0038】
図11は、図9及び図10の結果に基づいて、曲率半径の変化によって変化する共振周波数の変化を示すグラフである。共振周波数の変化の様相は、前で導出されたように、1次半径共振周波数のみが曲率半径の増大につれて徐々に増加し、残りの周波数は、曲率半径の増大につれて指数関数的に減少するようになる。このような様相は、図3を参照して説明されたC型開口、すなわち直線C型導波路の様相とほとんど類似している。但し、直線C型導波路と異なる点は、厚さ増大につれてほとんど共振周波数値が変わらなかった表面共振が観察されないという点である。これは、次のように理解される。直線C型導波路の場合には、入力端と出力端とが同じ方向に位置している。したがって、二面の間に存在する電荷間のカップリングが存在し、これにより、入力端と出力端とをつなぐ消滅波が存在する。この場合にも、厚さが所定の限界値以上増大して、それ以上のカップリングが難しくなれば、消滅波が存在しなくなり、それ以上の厚さ共鳴周波数は、現れない。一方、本実施形態の導波路20のような曲線C型導波路の場合には、入力端と出力端とが90°の角をなすので、入力端と出力端との間に存在する電荷間のカップリングが不可能であり、表面共振周波数も存在しなくなると考えられる。入射光の周波数を461.5THz(650nm)とすれば、曲率半径Rが350nmと800nmとである導波路20で共振現象が発生する。したがって、入射光の周波数を461.5THzとする時に、C型開口構造のコアを有する導波路20の曲率半径Rを350nmまたは800nmに設計すれば、電場の強度が大きく低下せずにフィールド強化特性を維持しうる。
【0039】
図12は、曲率半径変化による電場強度の変化を計算したグラフである。グラフでの電場強度は、入射光の周波数が461.5THzである時に、曲げ導波路20の出力端から10nmほど離れた地点に分布された電場で最大値である。図面を参照すれば、曲率半径Rが350nmと800nmとである曲げ導波路で電場強度が最大となる。これは、図11の解釈と一致し、入射光の周波数が461.5THzに対して、共振半径は、350nmと800nmとであることを再確認できる。
【0040】
図13A及び図13Bは、共振半径を有する導波路の内部で伝播される光の強度分布を示す。図面に示された曲げ導波路は、金属クラッド31の形状を除いては、図8A及び図8Bに示された曲げ導波路20と実質的に同一である。図面を参照すれば、曲げ導波路における共振次数は、コア32の曲率半径Rの増大につれて増加し、これにより、導波路の内部での光度のパターン様相も変化することが見られる。
【0041】
図9ないし図13Bを参照すれば、導波路が曲がっている場合にも、直線導波路での厚さ共振に対応する共振特性が現れることが分かり、このような共振は、図11に示されるように、入射される光の波長と曲げ導波路の曲率半径とが所定関係を満足する時になされる。すなわち、本実施形態の共振半径は、入射される光の波長に対する透光度がピークとなる曲率半径、すなわち、入射される光の波長に対して共振が起きる曲率半径である。
【0042】
前述したように、本実施形態の導波路(図8Aの20)によれば、入力端22aの方向と出力端22bの方向とが90°の差が出ても、半径共振条件を満足する場合には、伝送される光を90°に方向転換しうる。それと共に、本実施形態の導波路20は、方向転換だけでなく、出力端がC型開口構造を有するので、入射される波長以下の小さいスポットサイズと強い光度とを有する近接場光を放出しうる。
【0043】
本実施形態の導波路20は、光を90°に方向転換する場合であるが、これに限定されるものではない。
【0044】
図14A及び図14Bは、伝送される光を任意のθ(0<θ<180°)ほど方向転換する場合に、前述した実施形態の一変形例を示す。金属クラッドの外郭形状には、別途の限定が要求されないので、図面では、曲げ導波路のコア71のみを示す。図14Bは、図14Aのコア71をA方向及びB方向に見た形状であって、C型開口の構造を示す。本変形例の導波路20は、入力端71aと出力端71bとの角度がθであり、入力端71aと出力端71bとの距離は、角度θに比例する。入力端71aと出力端71bとの距離は、半径共振条件の変数となるので、本変形例のコア71の共振半径は、入射される光の波長だけでなく、角度θによって変わりうる。
【0045】
図15は、図8A及び図8Bを参照して説明した実施形態の他の変形例を示す。本変形例のコア73の任意の地点での横断面形状や、入力端73a及び出力端73bの形状は、図14Bと実質的に同一である。本変形例は、図14Aで角度θが180°である場合であって、伝送される光を180°に方向転換する場合を示す。このように、図14Aでの角度θは、任意の値が可能である。
【0046】
図16は、本発明の第2実施形態を示す。
【0047】
図面を参照すれば、本実施形態の曲げ導波路は、S型に曲がったコア75を備える。本実施形態もやはり、金属クラッドの外郭形状には、別途の限定が要求されないので、図面では、曲げ導波路のコア75のみを示す。また、本実施形態のコア75の任意の地点での横断面形状と、入力端75a及び出力端75bの形状とは、図14Bと実質的に同じC型開口構造である。
【0048】
前記コア75は、図8Aを参照して説明されたコア22が2個連結された形態と理解される。すなわち、S型曲線は、2個の方向が相互逆である2個の曲率半径R1,R2と定義され、それぞれの曲率半径R1,R2は、図9ないし図13Cを参照して説明された所定の半径共振条件を満足せねばならない。このように、2個の曲率半径R1,R2がそれぞれ共振半径に該当する場合、入射された光は、それぞれの曲率半径R1,R2が定義される区間で最大の透過効率を有して貫通して出射される。
【0049】
このように、90°の方向転換が可能なコア22を逆方向に接合することによって、方向転換はなく、光路を平行に移動させる構造が可能である。
【0050】
図17Aないし図17Cは、本発明の第3実施形態による曲げ導波路を示す。本実施形態もやはり、金属クラッドの外郭形状には、別途の限定が要求されないので、図17Aでは、曲げ導波路のコアのみを示す。図17Bは、図17Aに示されたコアで入力端をA方向から見た形態であって、幅の広いC型開口の構造を示す。図17Cは、図17Aに示されたコア81で出力端81bをB方向から見た形態であって、幅の狭いC型開口の構造を示す。
【0051】
図面を参照すれば、コア81の全体幅及び厚さは、コア81の任意の横断面で一定であるが、コア81の中心部側に金属クラッド(図示せず)が突出して形成されたリッジ部82の幅が入力端81aから出力端81bに行くほど狭くなる。このようなテーパ構造は、外部の光源ないしさらに他の導波路とのカップリング効率を高めつつ、放出される近接場光のスポットサイズの縮小に有利である。すなわち、外部の光源とのカップリング効率を高めるために、コア81の全体幅及び厚さは、十分に大きくし、入力端81a側のリッジ部82aの幅も十分に広くする。放出される近接場光のスポットサイズは、出力端81b側のリッジ部82bの幅と比例するので、出力端81b側のリッジ部82bの幅を入射される波長より十分に狭くする。
【0052】
前述したテーパ構造は、一例であり、これに限定されない。例えば、リッジ部の幅だけでなく、コア81の横断面自体が入射された光の伝送方向に行くほど小さくなるテーパ構造も可能である。一方、本実施形態の曲げ導波路は、厚さが一定した平板型導波路であってもよく、この場合、コア81の厚さは、一定しつつ、コア81の幅が入射された光の伝送方向に行くほど小さくなるテーパ構造も可能である。このようなテーパ構造でも、前記図9ないし図13Cを参照して説明された半径共振のような共振現象が発生し、前記コア81の曲率半径は、入射される光の波長に対して、かかる共振が起きる共振半径でなければならない。
【0053】
前述した実施形態で、コアの横断面は、C型開口構造であるが、これに限定されるものではない。前記コアの横断面は、入射される光の共振が発生するように適切に設計される。但し、少なくとも前記コアの出力端側の断面は、近接場光を放出するために、近接場光強化開口構造を有さねばならない。
【0054】
以下、図18Aないし図18Jを参照して、図8A及び図8Bを参照して説明した導波路の製造方法の一実施形態について説明する。
【0055】
まず、図18Aを参照すれば、基板50上に金属層52を積層する。このような積層は、スパッタリングを利用してなされうる。
【0056】
次いで、図18Bのように、金属層52上にレジスト53をマスキングし、金属層52の一部を反応性イオンエッチング(Reactive−Ion Etching:RIE)工程を利用してエッチングした後、レジスト53を除去し、図18Cのように、リッジ構造の下部クラッド層54を形成する。図18Dは、このような下部クラッド層54のみを別途に示した斜視図である。図18Dに示したように、下部クラッド層54のリッジ部が所定の曲率半径を満足する曲線形状となるように、レジスト53のパターンを形成する。
【0057】
次いで、図18Eのように、下部クラッド層54上にレジン55をスピンコーティングを利用して塗布する。前記レジン55は、紫外線硬化物質で形成する。前記レジン55の厚さは、入射される光の波長より小さいか、または同じサイズである。
【0058】
次いで、図18Fのように、レジン55上にパターン57,58を転写し、隠されていない部分58を通じてレジン55に紫外線(UV)を照射する。このように紫外線を照射された部分は、硬化してコア層56をなす。前記転写されるパターン57,58で隠されていない部分58の幅は、入射される光の波長より小さいか、または同一にする。さらに、前記レジン55に形成するパターン57,58もやはり、所定の曲率半径を満足する曲線形状にして、製造される曲げ導波路が半径共振条件を満足するようにする。
【0059】
次いで、図18Gに示したように、硬化されていないレジン55とその上に転写されたパターンとを除去する。図18Hは、下部クラッド層54及びその上に形成されたコア層56のみを別途に示した斜視図である。
【0060】
次いで、図18Iのように、コア層56上に上部クラッド層59を積層する。このような上部クラッド層59は、金属をスパッタリングを利用して積層することによって形成しうる。
【0061】
図18Jは、完成された曲げ導波路の斜視図を示す。
【0062】
前述したように、曲げ導波路の製造は、通常的な磁気ヘッドの製造工程のようなプラナープロセス方式でなされる。これにより、後述するような曲げ導波路を利用した近接場光発生装置及び曲げ導波路を採用したHAMRヘッドのような装置を一括製造工程上で製造しうる。
【0063】
図19及び図20を参照して、本発明の一実施形態による光伝送モジュール及びHAMRヘッドについて説明する。
【0064】
図19は、本発明の一実施形態によるHAMRヘッドの斜視図であり、図20は、前記HAMRヘッドで採用される光伝送モジュールを別途に示す。
【0065】
図面を参照すれば、本実施形態のHAMRヘッド100は、磁気記録媒体(図示せず)に情報を記録するための磁場を形成する磁気記録部と、磁気記録媒体の記録予定領域を加熱するために光Lを照射する光伝送モジュール160とを備える。さらに、前記HAMRヘッド100は、記録された情報を読み取るための再生素子180と共に集積される。190及び195は、漂遊フィールドを遮蔽する遮蔽層を表す。
【0066】
前記磁気記録部は、メインポール110と、リターンポール120と、誘導コイル130と、サブヨーク140と、を備える。前記メインポール110は、磁気記録媒体を磁化させる磁場を形成する。前記リターンポール120は、メインポール110の一面から所定距離ほど離隔されて配置されて、メインポール100と磁気的に連結されて磁路を形成する。前記誘導コイル130は、メインポール110に磁場を誘導する。一方、サブヨーク140は、メインポール110の他面に設けられて、メインポール110の端部に磁束を集束するのを補助する。
【0067】
本実施形態の光伝送モジュール160は、磁気記録媒体の記録予定領域を加熱するための手段である。光伝送モジュール160は、開口167aを通じて磁気記録媒体に光Lを照射する第1導波路167と、外部の光源159から供給された光Lを第1導波路167に伝送する第2導波路165とを備える。
【0068】
前記光伝送モジュール160は、磁気記録媒体に情報が記録される直前に光を照射できるように、メインポール110に隣接するように配置されることが望ましい。サブヨーク140の端部は、メインポール110の端部に及ばないように位置するので、光伝送モジュール160は、前記サブヨーク140の端部、メインポール110の他面及び遮蔽層190で取り囲まれた所定空間に配置される。このような空間は、従来の磁気記録ヘッドの構造でも容易に確保されるので、従来の磁気記録ヘッドの薄膜製造工程を大きく変更せずとも、本実施形態のHAMRヘッドの製造が可能である。第1及び第2導波路167,165は、サブヨーク140と同じ層に積層されて形成されるように平板型構造を有する。170は、前記光伝送モジュール160とサブヨーク140との厚さ差を補正する補助マウントを表す。
【0069】
磁気記録媒体と対面するHAMRヘッド100の一面を底面とすれば、第2導波路165の入力端は、前記HAMRヘッド100の側面に設けられる。一方、前記第2導波路165の入力端が位置するHAMRヘッド100の側面には、外部の光源159から伝送される光Lをガイドする光ファイバ150が配置される。155は、光ファイバ150を支持するサスペンションである。前記光源159は、例えば、レーザを放出するレーザダイオード(LD:Laser Diode)でありうる。
【0070】
光ファイバ150は、円形の断面を有する一方、第2導波路165は、平板型導波路であって、その入力端は、直方形断面を有するので、このような断面形状の差によって、カップリング効率が低下しうる。これにより、光源159と第2導波路165との接触部位を増やしてカップリング効率を向上させるために、第2導波路165の入力端の直方形断面をその幅方向(すなわち、z方向)に十分に長くする。また、前記光ファイバ150として傾斜型屈折率単一モードの光ファイバを採用して、カップリング効率をさらに向上させうる。光ファイバ150と第2導波路165との結合部位にボールレンズないし屈折率分布型レンズを介在させて、カップリング効率を高める方法が利用される。
【0071】
前記第2導波路165は、HAMRヘッド100の側面で光Lを伝送されて、メインポール110の端部側に位置する第1導波路167に光Lをガイドする。第2導波路165の出力端は、第1導波路167とのカップリング効率を高めるために、その幅が第1導波路167の入力端のサイズとほぼ同じであることが望ましい。このように、第2導波路165の光ファイバ150及び第1導波路167とのカップリング効率を高めるために、第2導波路165においては、入力端の幅が出力端の幅より広い。すなわち、第2導波路165は、そのコアの幅が光伝送方向に行くほど徐々に狭くなるテーパ状でありうる。
【0072】
前記第1導波路167としては、前述した本発明の曲げ導波路が採用される。
【0073】
第1導波路167の入力端は、前記第2導波路165の出力端とカップリングされる。このようなカップリングとしては、例えば、密着して接触するバットカップリング方式が採用される。第1導波路167のコアと第2導波路165のコアとは、一体に形成することもできる。
【0074】
第1導波路167の出力端は、磁気記録媒体に光を照射するために、HAMRヘッド100の底面に向かう。一方、第2導波路165の入力端は、HAMRヘッド100の側面に配置されるので、図面に示したように、第2導波路165は、x方向に光を伝送し、第2導波路165の出力端は、x方向に向かう。したがって、第1導波路167の入力端は、−x方向に向かい、その出力端は、−z方向に向かうので、第1導波路167の入力端と出力端との角度が90°となる。第1導波路167で光損失を最小限にするために、前記第1導波路167の曲率半径は、前述したように、光源159から出射される光の波長と前記角度とによって決定さえる共振半径とによって設計される。例えば、前記第1導波路167として、図8A及び図8Bを参照して説明された90°に曲がったC型導波路が採用される。さらに、前記第1導波路167の出力端のサイズは、放出する近接場光のスポットサイズを小さくするために、可能なかぎり、小さくすることが望ましいが、その入力端のサイズは、第2導波路167の出力端のサイズと類似にすることが望ましいので、第1導波路167のコアは、入射された光の伝送方向に行くほどその幅が狭くなるテーパ構造を有しうる。
【0075】
前記第1導波路167は、第2導波路165から光Lを伝送されて、光のエネルギーの分布を変えて、強化された近接場光を磁気記録媒体に照射する。照射された光によって、磁気記録媒体は局所的に加熱され、磁気記録媒体の記録層の保磁力は低下するので、磁気記録媒体は、たとえメインポール110で発生する磁場の強度が高くないとしても、容易に磁気記録され、保磁力の大きい材料を磁気記録媒体に使用できるので、記録密度を向上させうる。
【0076】
前記説明で多くの事項が具体的に記載されているが、それらは、発明の範囲を限定するものではなく、望ましい実施形態の例示として解釈されねばならない。例えば、当業者ならば、HAMRヘッド100における構成要素の位置を異なるようにし、構成要素の種類をさらに多様化しうる。
【0077】
さらに、図19及び図20を参照して説明した導波路及び光伝送モジュールは、HAMRヘッドに採用された場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。本発明の曲げ導波路及びそれを利用する光伝送モジュールは、小さい光スポット及び高い光度を有する光学手段であって、HAMRだけでなく、単分子検出、分光学、ナノ粒子操作とシングル量子ドット、ナノ粒子やナノワイヤのようなナノ物質の研究分野及び超高密度記録装置分野など多様な応用分野を有している。
【0078】
例えば、生化学分野の場合、分子レベルの研究のためのマイクロスコピー、分光学及び光操作分野に高空間分解能を有する近接場探針を使用するが、近接場探針の設置場所が制限される場合にも、容易に本発明の曲げ導波路及びそれを利用する光伝送モジュールを近接場探針として採用することによって、容易に設置しうる。
【0079】
他の例として、光記録装置において、半導体レーザの前端に小型開口を有する超小型開口レーザ(Very Small Aperture Laser:VSAL)装置にも、曲げ導波路とそれを利用する光伝送モジュールとが適用されて、光記録装置の記録密度及び再生速度を大きく向上させうる。
【0080】
このような本願発明である曲げ導波路、その製造方法、曲げ導波路を採用した光伝送モジュール及び曲げ導波路を採用したHAMRヘッドは、理解を助けるために、図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、磁気記録ヘッド関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1A】フィールド強化メカニズムを示す図面である。
【図1B】フィールド強化メカニズムを示す図面である。
【図2】通常的なC型開口の正面図である。
【図3】図2のC型開口の厚さによる共振周波数を示すグラフである。
【図4】図2のC型開口の厚さが10nmである時の周波数による共振周波数を示すグラフである。
【図5】図2のC型開口の厚さによる光度を示すグラフである。
【図6A】C型開口の厚さによる伝播モードを視覚化した図面である。
【図6B】C型開口の厚さによる伝播モードを視覚化した図面である。
【図6C】C型開口の厚さによる伝播モードを視覚化した図面である。
【図7A】図6AのC型開口の開口通過後に、40nmでの電場の強度を視覚化した図面である。
【図7B】図6BのC型開口の開口通過後に、40nmでの電場の強度を視覚化した図面である。
【図7C】図6CのC型開口の開口通過後に、40nmでの電場の強度を視覚化した図面である。
【図8A】本発明の第1実施形態による曲げ導波路の斜視図である。
【図8B】本発明の第1実施形態による曲げ導波路の断面図である。
【図9】図8Aの曲げ導波路の周波数による半径共振周波数を示すグラフである。
【図10】図8Aの曲げ導波路の周波数による半径共振周波数を示すグラフである。
【図11】図8Aの曲げ導波路の半径による半径共振周波数を示すグラフである。
【図12】図8Aの曲げ導波路の半径による開口通過後に、10nmでの電場の強度を示すグラフである。
【図13A】曲げ導波路における電場の強度を視覚化した図面である。
【図13B】曲げ導波路における電場の強度を視覚化した図面である。
【図14A】本発明の第1実施形態による曲げ導波路の変形例である。
【図14B】本発明の第1実施形態による曲げ導波路の変形例である。
【図15】本発明の第1実施形態による曲げ導波路の他の変形例である。
【図16】本発明の第2実施形態による曲げ導波路の断面図である。
【図17A】本発明の第3実施形態による曲げ導波路の断面図である。
【図17B】本発明の第3実施形態による曲げ導波路の断面図である。
【図17C】本発明の第3実施形態による曲げ導波路の断面図である。
【図18A】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18B】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18C】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18D】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18E】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18F】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18G】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18H】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18I】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図18J】本発明の第1実施形態による導波路の製造方法を示す図面である。
【図19】本発明の一実施形態によるHAMRヘッドの斜視図である。
【図20】図19の光伝送モジュールを示す図面である。
【符号の説明】
【0083】
20 曲げ導波路
21 金属クラッド
22 曲げコア
22a 入力端
22b 出力端
23 リッジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が入射される入力端と、入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する近接場光強化開口構造の出力端とを有するコアと、
前記コアを取り囲む金属クラッドと、を備え、
前記コアは、曲線に曲がっており、前記曲線の曲率半径は、前記入射される光の波長に対する透光度がピークとなる共振半径であることを特徴とする導波路。
【請求項2】
前記コアの出力端は、前記金属クラッドの一部が前記コアの中心部側に突出して形成されたリッジ部を有するC型開口構造であることを特徴とする請求項1に記載の導波路。
【請求項3】
前記コアの横断面は、前記コアの全領域にわたってC型開口構造であることを特徴とする請求項2に記載の導波路。
【請求項4】
前記リッジ部の幅は、前記入力端から前記出力端に行くほど狭くなることを特徴とする請求項3に記載の導波路。
【請求項5】
前記コアは、前記コアの全領域にわたって同じ横断面サイズを有することを特徴とする請求項1に記載の導波路。
【請求項6】
前記コアは、前記入力端側の横断面サイズと前記出力端側の横断面サイズとが異なることを特徴とする請求項1に記載の導波路。
【請求項7】
前記コアは、その横断面のサイズが前記入力端から前記出力端に行くほど小さくなるテーパ状であることを特徴とする請求項6に記載の導波路。
【請求項8】
前記コアの厚さは、一定であり、前記コアの幅は、前記入力端から前記出力端に行くほど狭くなることを特徴とする請求項7に記載の導波路。
【請求項9】
前記コアは、曲率半径の原点を基準に、前記入力端と前記出力端との角度がθ(0<θ<180°)である円形の曲線に曲がっていることを特徴とする請求項1に記載の導波路。
【請求項10】
前記コアは、曲線に曲がった構造であり、前記曲線は、一つ以上の曲率半径で定義されることを特徴とする請求項1に記載の導波路。
【請求項11】
基板上に金属を積層して下部クラッド層を形成する工程と、
前記下部クラッド層上に所定の曲率半径を有する曲線にパターン化されたコア層を積層するが、前記コア層の幅及び厚さは、入射される光の波長より小さいか、または同一であり、前記曲率半径は、入射される光の波長に対する透光度がピークとなるように形成する工程と、
前記コア層上に金属を積層して上部クラッド層を形成する工程と、を含むことを特徴とする導波路の製造方法。
【請求項12】
前記下部クラッド層を積層する工程は、
基板上に金属を積層し、前記積層された金属の一部をエッチングしてリッジ部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の導波路の製造方法。
【請求項13】
前記コア層を積層する工程は、
前記下部クラッド層上にレジンを積層する工程と、
前記レジンにパターンを転写する工程と、
前記レジンに紫外線を照射して前記パターンのオープンされた領域を硬化させる工程と、
前記硬化した領域を除外した残りのレジンを除去する工程と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の導波路の製造方法。
【請求項14】
光が入射される入力端と、入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する近接場光強化開口構造の出力端とを有するコアと;前記コアを取り囲む金属クラッドとを含む第1導波路を備え、
前記第1導波路は、前記コアが曲線に曲がっており、前記曲線の曲率半径は、前記入射される光の波長に対する透光度がピークとなる共振半径となる曲げ導波路であることを特徴とする光伝送モジュール。
【請求項15】
前記第1導波路に光を伝送する第2導波路をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の光伝送モジュール。
【請求項16】
前記第1導波路と第2導波路とは、バットカップリングされていることを特徴とする請求項15に記載の光伝送モジュール。
【請求項17】
前記第1導波路のコアの出力端は、前記金属クラッドの一部が前記コアの中心部側に突出して形成されたリッジ部を有するC型開口構造であることを特徴とする請求項14に記載の光伝送モジュール。
【請求項18】
前記第1導波路のコアの横断面は、前記コアの全領域にわたってC型開口構造であることを特徴とする請求項17に記載の光伝送モジュール。
【請求項19】
前記リッジ部の幅は、前記入力端から前記出力端に行くほど狭くなるテーパ状であることを特徴とする請求項18に記載の光伝送モジュール。
【請求項20】
前記第1導波路のコアは、その横断面のサイズが前記入力端から前記出力端に行くほど小さくなるテーパ状であることを特徴とする請求項15に記載の光伝送モジュール。
【請求項21】
前記第1導波路のコアは、曲率半径の原点を基準に、前記入力端と前記出力端との角度がθ(0<θ<180°)である円形の曲線に曲がっていることを特徴とする請求項14に記載の光伝送モジュール。
【請求項22】
前記第1導波路のコアは、曲線に曲がった構造であり、前記曲線は、一つ以上の曲率半径で定義されることを特徴とする請求項14に記載の光伝送モジュール。
【請求項23】
磁気記録媒体に情報を記録するための磁場を形成する磁気記録部と、前記磁気記録媒体の記録予定領域を加熱するために光を照射する光伝送モジュールとを備える熱補助磁気記録ヘッドにおいて、
前記光伝送モジュールは、
光が入射される入力端と、入射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場光を放出する近接場光強化開口構造の出力端とを有するコアと;前記コアを取り囲む金属クラッドとを含む第1導波路と、
前記第1導波路に光を伝送する第2導波路と、を備え、
前記第1導波路は、前記コアが曲線に曲がっており、前記コアの曲率半径が、前記入射される光の波長に対する透光度がピークとなるような共振半径となる曲げ導波路であることを特徴とする熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項24】
前記磁気記録媒体と対面する熱補助磁気記録ヘッドの一面を底面とすれば、前記第2導波路の入力端は、前記熱補助磁気記録ヘッドの側面に設けられることを特徴とする請求項23に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項25】
前記第1導波路は、その入力端が前記第2導波路の出力端とカップリングされ、その出力端は、前記熱補助磁気記録ヘッドの底面に向けて曲がっていることを特徴とする請求項24に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項26】
前記第1導波路のコアの出力端は、前記金属クラッドの一部が前記コアの中心部側に突出して形成されたリッジ部を有するC型開口構造であることを特徴とする請求項23に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項27】
前記第1導波路のコアの横断面は、前記コアの全領域にわたって同じ形状であることを特徴とする請求項26に記載の磁気記録ヘッド。
【請求項28】
前記リッジ部の幅は、前記第1導波路の入力端から出力端に行くほど狭くなるテーパ状であることを特徴とする請求項27に記載の光伝送モジュール。
【請求項29】
前記第1導波路のコアは、その横断面のサイズが前記第1導波路の入力端から出力端に行くほど小さくなるテーパ状であることを特徴とする請求項23に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項30】
前記曲率半径は、それぞれ共振半径に対応することを特徴とする請求項10に記載の導波路。
【請求項31】
前記曲率半径は、それぞれ共振半径に対応することを特徴とする請求項22に記載の光伝送モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18G】
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【図18H】
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【図18I】
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【図18J】
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【図19】
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【図20】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2008−117509(P2008−117509A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203386(P2007−203386)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】