説明

有害な植物病原菌類を防除するためのアゾロピリミジンの使用

植物病原菌類を防除するのに適している式(I):
【化1】


のアゾロピリミジン(式中の記号は明細書中で定義したとおりである)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害な菌類を防除するための特定のアゾロピリミジンの使用、植物病原性の有害な菌類を防除する方法、新規な殺菌性アゾロピリミジン化合物、それらの製造方法、ならびに当該化合物を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2は、6-フェニル-7-アミノトリアゾロピリミジンを一般論として開示している。特許文献3は、炭素原子を介して結合した基により5位と7位が置換されたトリアゾロピリミジンを開示している。特許文献4には、殺菌的および医薬的に活性であるとして特定の6-フェニルトリアゾロピリミジンが記載されている。特許文献5には、6位が複素環により置換された5-ハロ-7-アミノピラゾロピリミジンが一般論として開示されている。これらの化合物が有害菌類を防除することは知られている。
【0003】
しかし、公知の化合物は多くの場合に十分に満足というわけではなく、例えば、施用量、活性スペクトル、活性持続期間、耐性を生ずる傾向、または製造方法の経済面などにおいて満足とはいかない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第550113号
【特許文献2】国際公開第99/48893号
【特許文献3】国際公開第03/004465号
【特許文献4】国際公開第02/002563号
【特許文献5】国際公開第05/000851号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、公知の化合物に対して、少なくともいくつかの面で利点をもたらす更なる殺菌性アゾロピリミジン類を提供することが恒常的な課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シクロアルキルまたはハロゲン化アミノ置換基を7位に有する特定のアゾロピリミジンは、有害な植物病原菌類を防除するのに特に適していることが見い出された。
【0007】
このタイプの化合物の一部は、WO 2002/002563およびWO 2005/030775から抗癌剤として知られている。
【0008】
したがって、本発明は、有害な植物病原菌類を防除するための式Iのアゾロピリミジン:
【化1】

【0009】
およびその農業上許容される塩の使用を提供し、ここで、式I中の置換基はそれぞれ以下のように定義される:
G、E、Qは、
a) GがN、EがC-W2、QがNもしくはC-W3であるか、
b) GがC-W1、EがC-W2、QがNであるか、または
c) GがC-W1、EがN、QがC-W3であり、
W1、W2、W3は、それぞれが独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-ハロアルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、ホルミル、チオカルバモイル、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C1-C4-アルコキシイミノアルキル、ヒドロキシイミノアルキル、CR10R11OR12、またはC(R13)=NR14であり、
R10、R11、R12は、それぞれが独立して、水素、C1-C8-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C1-C8-アルコキシ-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、またはベンジルであり、
R11およびR12は、一緒になって、オキシ-C1-C5-アルキレンオキシであってもよく、ここで、炭素鎖はメチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、およびエトキシメチルから選択される1〜3個の基で置換されていてもよく、
R13は、水素またはC1-C8-アルキルであり、
R14は、C1-C8-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、フェニル、またはフェニルアミノであり、ここで、フェニル基は1〜5個のRb基で置換されていてもよく、
Rは、NR1R2、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C12-ハロシクロアルキルであり、ここで、Rは以下からそれぞれ独立して選択される1、2、3または4個の同一のもしくは異なるRa基を含んでいてもよく、
Raは、Rb、カルボキシル、OC(O)ORΠまたはC1-C6-アルキルチオであり、
Rbは、Rc、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルケニルオキシであり、
Rcは、水素、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、フェニル、ナフチル、または5-、6-、7-、8-、9-もしくは10員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)であり、
あるいは、2個のRa、Rb、RC、RΠ、Rdおよび/またはRdd基は、それらが結合している原子と一緒になって、3〜12員の飽和、部分不飽和または芳香族の環を形成し、該環は炭素環式であるか、またはN、OおよびSの群から選択される1〜4個のへテロ原子を含み、また、該環は置換されていないか、または1〜4個のRd基(ハロゲンの場合には最大数まで)で置換されており、
RΠは、C1-C8-アルキル、C3-C8-アルケニル、C3-C8-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルケニルであり、
ここで、上記Ra、Rb、RcおよびRΠ基中の脂肪族基、脂環式基または芳香族基は部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または1、2もしくは3個のRd基を有していてもよく、
Rdは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)、C3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)(ここで、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルまたはアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する); シクロアルキル、シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ(ここで、該環系は3〜10個の環員を有する); アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリール-C1-C6-アルコキシ、アリール-C1-C6-アルキル、ヘタリール、ヘタリールオキシ、ヘタリールチオ(ここで、アリール基は好ましくは6〜10個の環員を有し、ヘタリール基は5または6個の環員を有し、該環系は部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または1〜3個のRdd基を有していてもよい)であり、
Rddは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)、C3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)(ここで、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルまたはアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)であり、
R1は、C1-C12-ハロアルキル、C2-C12-ハロアルケニル、またはC2-C12-ハロアルキニルであり、
R2は、H、R1、C1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-ハロシクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C3-C6-ハロシクロアルケニル、C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C3-C8-シクロアルコキシ、NH2、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、フェニル、ナフチル、5-もしくは6員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)、またはZ-Y-(CR7R8)p-(CR5R6)q-CR3R4-#(ここで、#は窒素原子への結合部位である)であり、
R3、R4、R5、R6、R7、R8は、それぞれが独立して、水素、C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-ハロアルケニル、C2-C8-アルキニル、C2-C8-ハロアルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C3-C6-ハロシクロアルケニル、フェニル、ナフチル、または5-もしくは6員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)であり、
R5はまた、R3またはR7と共に、これらの基が結合している原子と一緒になって、5-、6-、7-、8-、9-もしくは10員の飽和または部分不飽和の環(環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSの群から選択される1、2または3個のへテロ原子を含んでいてもよく、かつ/または1個以上の置換基Raを有していてもよい)を形成することもでき、
R3はR4と、R5はR6と、R7はR8と、それぞれ一緒になって、酸素であることによりカルボニル基を形成することもでき、また、C2-C5-アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン鎖(O、NおよびSの群から選択される1、2または3個のへテロ原子により中断されてもよい)を形成することによりスピロ基を形成することもでき、
R1〜R8は、それぞれが独立して、1、2、3または4個の同一のもしくは異なるRa基を有していてもよく、
Yは、酸素または硫黄であり、
Zは、水素、カルボキシル、ホルミル、C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-ハロアルケニル、C2-C8-アルキニル、C2-C8-ハロアルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、C(NRA)SRΠ、C(S)RΠ、C(NRΠ)NRARB、C(NRΠ)RA、C(NRΠ)ORA、C(O)NRARB、C(S)NRARB、C1-C8-アルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルチオ、C1-C8-アルキルスルホニル、C(O)-C1-C4-アルキレン-NRAC(NRΠ)NRARB、C(S)-C1-C4-アルキレン-NRAC(NRΠ)NRARB、C(NRΠ)-C1-C4-アルキレン-NRAC(NRΠ)NRARB、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含み、かつ直接結合されるか、またはカルボニル、チオカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルもしくはC1-C4-アルキルチオカルボニル基を介して結合される)であり、Z基中の炭素鎖は1個以上のRb基で置換されていてもよく、
RA、RBは、それぞれが独立して、水素、C2-アルケニル、C2-アルキニル、またはRΠについて挙げた基のうちの1つであり、
RAおよびRBは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、またはRAおよびRΠは、それらが結合している炭素原子およびへテロ原子と一緒になって、5-もしくは6員の飽和、部分不飽和、または芳香族の環(環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSの群から選択される1、2または3個の更なるへテロ原子を含んでいてもよく、かつ/または1個以上の置換基Raを有していてもよい)を形成することもでき、
あるいは、
Zは、R6またはR8と共に、5-もしくは6員の飽和または部分不飽和の環(環員として、炭素原子およびYだけでなく、NおよびSの群から選択される1または2個の更なるへテロ原子を含んでいてもよく、かつ/または1個以上の置換基Raを有していてもよい)を形成することもでき、
該Z基は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または1、2もしくは3個のRb基を有していてもよく、
Wは、フェニルまたは5-もしくは6員のヘテロアリール(環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSの群から選択される1、2または3個の更なるへテロ原子を含む)であり、ここで該環系は、Lm基のみならず、少なくとも1個の置換基P1を有し、
P1は、Y1-Y2-Tであり、
Y1は、CRaRa’、C(O)O、C(O)NRb、O、NRbまたはS(O)rであり、
Y2は、C3-C8-アルキレン、C2-C8-アルケニレン、C2-C8-アルキニレン、C3-C8-アルキレン-(Y3-(C2-C4-アルキレン))s、C3-C8-アルケニレン-(Y3-(C2-C4-アルキレン))s、C3-C8-アルキニレン-(Y3-(C2-C4-アルキレン))sであり、そして、RがC3-C6-シクロアルキルもしくはC3-C12-ハロシクロアルキルであり、かつ/またはY1がCRaRa’、C(O)O、CONRb、NRbもしくはS(O)rである場合には、C1-C2-アルキレンであってもよく、かつ/またはTがOC(O)Ra、NRbRb’、C(O)NRbRb’、C(NORc)RaもしくはT1-C(=T2)-T3である場合には、C1-C2-アルキレンであってもよく、
Y3は、O、SまたはNRbであり、
rは、0、1または2であり、
sは、1または2、好ましくは1であり、
Tは、ORc、OC(O)Ra、NRbRb’、C(O)NRbRb’、C(NORc)Ra、T1-C(=T2)-T3であり、RがNR1R2もしくはC3-C12-ハロシクロアルキルと定義される場合には、C(O)ORcまたはC(ORc)2Raであってもよく、
T1はO、NRbであり、
T2はO、S、NRbであり、
T3はRa、ORc、SRc、NRbRb’であり、
ここで、Ra’およびRb’は、それぞれRaおよびRbから独立して、これらの基について定義したとおりであり、
Lは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアナト(OCN)、シアノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C8-アルコキシ、C1-C8-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルキルオキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)-アルキルアミノ、C1-C4-アルキルカルボニルアミノ、C(O)-RΦ、C(S)-RΦ、S(O)n-RΦ; C1-C8-アルコキシイミノ-(C1-C8)-アルキル、C2-C10-アルケニルオキシイミノ-(C1-C8)-アルキル、C2-C10-アルキニルオキシイミノ-(C1-C8)-アルキル、C2-C10-アルキニルカルボニル、C3-C6-シクロアルキルカルボニル、または5-、6-、7-、8-、9-もしくは10員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)であり、
RΦは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニルオキシ、C2-C4-アルキニルオキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、またはジ-C1-C4-アルキルアミノであり、ここで、該RΦ基は1、2もしくは3個の同一のまたは異なるRb基で置換されていてもよく、
nは、ゼロ、1または2であり、
mは、ゼロ、1、2、3、4または5であり、そして
Xは、ハロゲン、シアノ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシである。
【0010】
さらに、化合物Iを用いて有害菌類、特に植物病原性の有害菌類を防除するための方法が見い出された。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の化合物は多様な経路で得ることができる。式I中のRがNR1R2である場合、該化合物を製造するには、式IIのアミノアゾールを、式IIIの適切に置換されたフェニルマロネート(式中、R”がアルキル、好ましくはC1-C6-アルキル、特にメチルまたはエチルである)と反応させる。
【化2】

【0012】
この反応は通常80℃〜250℃、好ましくは120℃〜180℃の温度で、溶媒なしに、もしくは不活性有機溶媒中で塩基の存在下に(EP-A 770 615参照)、またはAdv. Het. Chem. Vol. 57, p. 81ff. (1993)に記載の条件下で酢酸の存在下に実施する。
【0013】
適当な溶媒は脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、例えばトルエン、o-、m-およびp-キシレン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ニトリル、ケトン、アルコール、さらにN-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドである。より好ましくは、前記反応を溶媒なしで、またはクロロベンゼン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン中で実施する。上に挙げた溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0014】
適当な塩基は、一般に、無機化合物、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩;有機金属化合物、特にアルカリ金属アルキル、ハロゲン化アルキルマグネシウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシド、ジメトキシマグネシウム;さらに、有機塩基、例えば三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ピリジン、置換ピリジン(例:コリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン);さらに、二環式アミンである。特に好ましくは、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリンまたはN-メチルピペリジンのような三級アミンを用いる。
【0015】
塩基は一般に触媒量で用いられるが、等モル量で、過剰量で、または適宜に溶媒として使用してもよい。
【0016】
一般的には、出発物質を互いと等モル量で反応させる。収率の点からすると、トリアゾールに対して過剰の塩基およびマロネートIIIを用いることが有利である。
【0017】
式IIIのマロネートは、有利には、適切に置換されたブロモ芳香族化合物をジアルキルマロネートと、Cu(I)触媒のもとで、反応させることにより得られる [Chemistry Letters、pp. 367-370, 1981; EP-A 10 02 788参照]。
【0018】
あるいはまた、式IIIのマロネートは、下記のスキームに従って公知の条件下に製造することができる [March, Advanced Organic Chemistry, 3rd ed., p. 792ff, J. Wiley & Sons, New York (1985)参照]:
【化3】

【0019】
この反応は通常-100℃〜+200℃、好ましくは+20℃〜+100℃の温度で、不活性有機溶媒中の塩基の存在下に実施する [US 4,454,158; Bioorgan. & Med. Chem. Lett. Vol. 15, p. 2970 (2005); Organ. Proc. Res. & Develop., Vol. 8, p. 411 (2004); J. Am. Chem. Soc, Vol. 125, p. 13948 (2003); Ann. Pharm. Fr., Vol. 60, p. 314 (2004); Pharmazie, Vol. 44, p. 115 (1989)参照]。
【0020】
WO-A 94/20501から知られている条件下で、式IVのジヒドロキシアゾロピリミジンを式Vのジハロアゾロピリミジン(式中、Yがハロゲン原子、好ましくは臭素または塩素原子、特に塩素原子である)に変換する。用いるハロゲン化剤 [HAL] は、適宜に溶媒の存在下での、塩素化剤または臭素化剤、例えばオキシ臭化リンまたはオキシ塩化リンが有利である。
【化4】

【0021】
この反応は通常0℃〜150℃、好ましくは80℃〜125℃で実施する [EP-A 770 615参照]。
【0022】
式Vのジハロアゾロピリミジンは式VIのアミン(式中の可変記号は式Iについて定義したとおりである)を用いて製造する。
【化5】

【0023】
この反応は0℃〜70℃、好ましくは10℃〜35℃で、好ましくは不活性溶媒、例えばエーテル(例:ジオキサン、ジエチルエーテル、特にテトラヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素(例:ジクロロメタン)、または芳香族炭化水素(例:トルエン)の存在下に、実施することが有利である [WO 05/000851参照]。
【0024】
三級アミン(例:トリエチルアミン)または無機塩基(例:炭酸カリウム)のような塩基を用いることが好適である。式VIのアミンを過剰に用いて塩基として作用させることも可能である。
【0025】
こうして、最初に挙げた刊行物から知られている5,7-ジクロロアゾロピリミジンを用いて、式Iの5-クロロアゾロピリミジンを得ることが可能である。それらは本発明の主題の好適な部分を構成する。他の5,7-ジハロアゾロピリミジンは引用文献と同様にして得ることができる。
【0026】
式VIのアミンは上記文献から知られており、公知の方法で製造することができるか、または市販されている。
【0027】
式Iの化合物(式中、RがNR1R2で、XがC1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである)は下記の合成経路により有利な方法で得ることができる:
【化6】

【0028】
ケトエステルIIIaから出発して、5-アルキル-7-ヒドロキシアゾロピリミジンIVaを得る。式IIIaおよびIVaにおいて、X1はC1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである。出発物質IIIaはEP-A 10 02 788に記載の条件を用いて有利に製造できる [Chem. Pharm. Bull., 9, 801 (1961)参照]。
【0029】
この方法で得られた5-アルキル-7-ヒドロキシアゾロピリミジンを先に記載した条件下でハロゲン化剤 [HAL] と反応させると、式Vaの7-ハロ-アゾロピリミジン(式中、Halはハロゲン原子である)が得られる。塩素化剤または臭素化剤、例えばオキシ臭化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、臭化チオニル、または塩化スルフリルを用いることが好ましい。この反応は無溶媒でまたは溶媒の存在下で行うことができる。通常の反応温度は0〜150℃、好ましくは80〜125℃である。
【化7】

【0030】
化合物VaとアミンVIとの反応は先に記載した条件下で実施する。
【0031】
あるいはまた、式Iの化合物(式中、XがC1-C4-アルキルである)は、化合物I(式中、Xがハロゲン、特に塩素である)と式IIIbのマロネートから製造することもできる。式IIIbにおいて、X”は水素またはC1-C3-アルキルであり、R#はC1-C4-アルキルである。それらを式VIIの化合物に変換して、脱カルボキシル化すると、化合物Iが得られる [US 5,994,360参照]。式VIIの化合物は新規である。
【化8】

【0032】
マロネートIIIbは文献から公知である [J. Am. Chem. Soc., Vol. 64, 2714 (1942); J. Org. Chem., Vol. 39, 2172 (1974); Helv. Chim. Acta, Vol. 61, 1565 (1978)] か、または引用文献に従って製造することができる。
【0033】
その後のエステルVIIの加水分解は慣用条件下で実施する。各種の構造要素に応じて、化合物VIIのアルカリまたは酸による加水分解が有利である。エステル加水分解の条件下では、化合物Iへの完全なまたは部分的な脱カルボキシル化がすでに存在しうる。
【0034】
脱カルボキシル化は通常20℃〜180℃、好ましくは50℃〜120℃の温度で、不活性溶媒中で、適宜に酸の存在下に実施する。適当な酸は塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸である。適当な溶媒は水、脂肪族炭化水素(例:ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル)、芳香族炭化水素(例:トルエン、o-、m-およびp-キシレン)、ハロゲン化炭化水素(例:塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン)、エーテル(例:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソール、テトラヒドロフラン)、ニトリル(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ケトン(例:アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、tert-ブチルメチルケトン)、アルコール(例:メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノール)、さらにジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、およびジメチルアセトアミドである。より好ましくは、この反応を塩酸または酢酸中で実施する。上に挙げた溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0035】
式I中のRが炭素を介して結合された基(式Ia中のR’)であり、Xがアルキルまたはハロアルキルである場合、該化合物は、式IIのアミノアゾールを、適切に置換された式IIIcの1,3-ジケトン(式中、Rは式Iに従う炭素を介して結合された基であり、X”がアルキルまたはハロアルキル、好ましくはC1-C6-アルキル、特にメチルまたはエチルである)と反応させることにより製造される。
【化9】

【0036】
この反応は、化合物IIと化合物IIIとの反応について先に記載した条件下で行うことが有利である。
【0037】
あるいはまた、式Iの化合物(式中、式I中のRが炭素を介して結合された基であり、Xがハロゲン、特に塩素である)は、式Vaのジハロ化合物:
【化10】

【0038】
(式中、Halはハロゲン、特に塩素である)から、WO 03/004465に記載の条件下で製造することもできる。
【0039】
式Iの化合物(式中、Xがシアノ、アルコキシまたはハロアルコキシである)は、化合物I(式中、Xがハロゲン、好ましくは塩素である)を化合物M-X’(式VIII)と反応させることにより有利な方法で得ることができる。導入される基X’の意味に応じて、化合物IVは無機シアン化物、アルコキシドまたはハロアルコキシドである。この反応は不活性溶媒の存在下で実施することが有利である。式VIII中のカチオンMはそれほど重要ではないが、実用的な理由のため、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩が通常好適である。
【化11】

【0040】
この反応は通常0〜120℃、好ましくは10〜40℃で実施する [J. Heterocycl. Chem., Vol. 12, pp. 861-863 (1975)参照]。
【0041】
適当な溶媒としては、エーテル(例:ジオキサン、ジエチルエーテル、好ましくはテトラヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素(例:ジクロロメタン)、および芳香族炭化水素(例:トルエン)が挙げられる。
【0042】
式Iの化合物(式中、XがC1-C4-アルキルである)はまた、式Iの5-ハロアゾロピリミジンを式VIIIaの有機金属試薬とカップリングさせることによって得ることができる。この方法の一実施形態では、NiまたはPd触媒のような遷移金属触媒のもとで反応を行う。
【化12】

【0043】
式VIIIaにおいて、Mは原子価Yの金属イオン、例えばB、ZnまたはSnであり、X”はC1-C3-アルキルである。この反応は、例えば、以下の方法と同様にして実施することができる:J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 1187 (1994), 同書 1, 2345 (1996); WO 99/41255; Aust. J. Chem., Vol. 43, 733 (1990); J. Org. Chem., Vol. 43, 358 (1978); J. Chem. Soc. Chem. Commun. 866 (1979); Tetrahedron Lett., Vol. 34, 8267 (1993); 同書 Vol. 33, 413 (1992)。
【0044】
さらに、式Iの化合物は、基P1の代わりに、基W上に求核的に交換可能な基を有する対応の前駆物質からも得られる。その後、求核置換によって基P1を導入する [WO 05/30775参照]。
【0045】
あるいはまた、式Iの化合物(式中、P1が酸素を介して結合された基である)は同様のヒドロキシル化合物(式IX)から製造することができ、該ヒドロキシル化合物については公知化合物からのエーテル開裂により得られる [WO 99/48893参照]。この場合には、塩基性条件下でのヒドロキシル基の求核置換によって基P1が導入される。
【0046】
これらのヒドロキシル化合物は、Lm基に加えて、Wがヒドロキシル基で置換されている式Iに相当する(式IX)。
【0047】
式Iの化合物(式中、P1が窒素を介して結合された基である)は、基Wがアミノ基を有する前駆物質(適宜に、対応するニトロ置換化合物から還元により得られる)から有利な方法で製造することができる。
【0048】
反応混合物は慣用方法で後処理されるが、例えば、水と混合し、相を分離させ、適切な場合には、粗生成物をクロマトグラフにかけて精製する。一部の中間体および最終生成物は無色または薄褐色の粘性オイルの形で得られるので、このオイルを精製するか、または減圧下に適度な高温で揮発性成分を除去する。中間体および最終生成物が固体として得られる場合は、再結晶または温浸により精製することもできる。
【0049】
個々の化合物Iが上記の経路で得られない場合には、それらを他の化合物Iの誘導体化によって製造することができる。
【0050】
合成で異性体の混合物が得られる場合、一般的に、必ずしも分離が必要というわけではない。なぜなら、個々の異性体が施用の準備中に、または施用中に(例えば、光、酸または塩基の作用のもとで)相互変換される場合があるからである。そうした変換は施用後にも起こることがあり、例えば、植物を処理する場合では処理した植物において、または防除される有害菌類において起こりうる。
【0051】
上記式中の記号の定義においては集合語が使用されており、これらは一般に以下の置換基を代表している:
ハロゲン: フッ素、塩素、臭素およびヨウ素;
アルキル: 飽和の直鎖または分枝鎖炭化水素基(炭素原子数1〜4、6または8)、特にC1-C6-アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピル;
ハロアルキル: 先に挙げた直鎖または分枝鎖アルキル基(炭素原子数1〜2、4または6)の水素原子の一部または全部が先に挙げたハロゲン原子で置換されている上記のアルキル基、特にC1-C2-ハロアルキル、例えばクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロ-エチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イル;
【0052】
アルケニル: 任意の位置に1または2個の二重結合を有する、不飽和の直鎖または分枝鎖炭化水素基(炭素原子数2〜4、6または8)、特にC2-C6-アルケニル、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニルおよび1-エチル-2-メチル-2-プロペニル;
【0053】
アルキニル: 任意の位置に1または2個の三重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基(炭素原子数2〜4、6または8)、特にC2-C6-アルキニル、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、3-メチル-1-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-1-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニルおよび1-エチル-1-メチル-2-プロピニル;
【0054】
シクロアルキル: 単環式または二環式飽和炭化水素基(炭素環員数3〜6または8)、特にC3-C8-シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル;
【0055】
5-または6員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む):
- 非芳香族の飽和または部分不飽和の5-または6員ヘテロシクリル(1〜3個の窒素原子ならびに/または1個の酸素もしくは硫黄原子または1〜2個の酸素および/もしくは硫黄原子を含む)、例えば2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、3-イソキサゾリジニル、4-イソキサゾリジニル、5-イソキサゾリジニル、3-イソチアゾリジニル、4-イソチアゾリジニル、5-イソチアゾリジニル、3-ピラゾリジニル、4-ピラゾリジニル、5-ピラゾリジニル、2-オキサゾリジニル、4-オキサゾリジニル、5-オキサゾリジニル、2-チアゾリジニル、4-チアゾリジニル、5-チアゾリジニル、2-イミダゾリジニル、4-イミダゾリジニル、2-ピロリン-2-イル、2-ピロリン-3-イル、3-ピロリン-2-イル、3-ピロリン-3-イル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、1,3-ジオキサン-5-イル、2-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-ヘキサヒドロピリダジニル、4-ヘキサヒドロピリダジニル、2-ヘキサヒドロピリミジニル、4-ヘキサヒドロピリミジニル、5-ヘキサヒドロピリミジニルおよび2-ピペラジニル;
【0056】
- 5員ヘテロアリール(1〜4個の窒素原子、または1〜3個の窒素原子および1個の硫黄もしくは酸素原子を含む):環員として、炭素原子に加えて、1〜4個の窒素原子、または1〜3個の窒素原子および1個の硫黄もしくは酸素原子を含むことができる5員ヘテロアリール基、例えば2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、および1,3,4-トリアゾール-2-イル;
【0057】
- 6員へテロアリール(1〜3個または1〜4個の窒素原子を含む):環員として、炭素原子に加えて、1〜3個または1〜4個の窒素原子を含むことができる6員へテロアリール基、例えば2-ピリジニル、3-ピリジニル、4-ピリジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニルおよび2-ピラジニル;
アルキレン: 2〜8個のCH2基からなる2価の非分枝鎖、例えばCH2CH2、CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2 および CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2;
【0058】
オキシアルキレン: 一方の原子価が酸素原子を介して骨格に結合される、2〜4個のCH2基からなる2価の非分枝鎖、例えばOCH2CH2、OCH2CH2CH2 および OCH2CH2CH2CH2;
オキシアルキレンオキシ: 両方の原子価が酸素原子を介して骨格に結合される、1〜3個のCH2基からなる2価の非分枝鎖、例えばOCH2O、OCH2CH2O および OCH2CH2CH2O。
【0059】
本発明によれば、農業上許容される塩として、特にカチオンの塩および酸の酸付加塩が含まれるが、そうしたカチオンおよびアニオンは本ピリミジン類の農薬作用に悪影響を及ぼさないものである。
【0060】
したがって、適当なカチオンは、特に、アルカリ金属イオン(好ましくはナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属イオン(好ましくはカルシウム、マグネシウム、バリウム)、遷移金属イオン(好ましくはマンガン、銅、亜鉛、鉄)、アンモニウムイオン(所望により、1〜4個の(C1-C4)-アルキル置換基および/または1個のフェニルもしくはベンジル置換基を有していてよく、好ましくはジイソプロピルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム)、さらにホスホニウムイオン、スルホニウムイオン(好ましくはトリ(C1-C4)-アルキルスルホニウム)、ならびにスルホキソニウムイオン(好ましくはトリ(C1-C4)-アルキルスルホキソニウム)である。
【0061】
有用な酸付加塩のアニオンは、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物、硫酸水素イオン、硫酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、安息香酸イオン、ならびに(C1-C4)-アルカン酸のアニオン、好ましくはギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオンおよび酪酸イオンである。それらは本化合物を対応するアニオンの酸(好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸または硝酸)と反応させることにより生成される。
【0062】
本発明の範囲には、キラル中心をもつ式Iの化合物の(R)-および(S)-異性体とラセミ体が含まれる。
【0063】
非対称に置換された基の束縛回転の結果として、式Iの化合物のアトロプ異性体も存在しうる。それらもまた本発明の主題の一部を構成する。
【0064】
可変記号に関する中間体の実施形態は式Iのものに相当する。
【0065】
本発明による式Iのアゾロピリミジンの使用に関して、置換基(それぞれの場合に単独でまたは組合せで)の以下の定義が好ましい:
一実施形態は、RがNR1R2である化合物Iに関する。これらの化合物は式I.aに相当する:
【化13】

【0066】
R1がC1-C12-ハロアルキル、C2-C12-ハロアルケニルまたはC2-C12-ハロアルキニルであり、R2がR1またはH(より好ましくはH)である式I.aの化合物が好適である。
【0067】
R1がC1-C16-ハロアルキル、C2-C6-ハロアルケニルまたはC2-C6-ハロアルキニルである式I.aの化合物がさらに好適である。
【0068】
R1がC2-ハロアルキル(より好ましくは2,2,2-トリフルオロエチル)である式I.aの化合物がさらに好適である。
【0069】
R1がC3-ハロアルキル(より好ましくは1-メチル-2,2,2-トリフルオロエチル)である式I.aの化合物がさらに好適である。
【0070】
R1がC4-C6-ハロアルキルである式I.aの化合物も好適である。
【0071】
R2がH、C1-C6-アルキル、C3-C6-アルケニル、C3-C6-アルキニル、C2-C3-ハロアルキルまたはC2-C4-ハロアルケニルである式I.aの化合物が好適である。
【0072】
R2が水素である化合物が特に好適である。
【0073】
R2がメチルである化合物も好適である。
【0074】
R2がエチルである化合物も好適である。
【0075】
R2がプロピルである化合物も好適である。
【0076】
R2がイソプロピルである化合物も好適である。
【0077】
R2がアリルである化合物も好適である。
【0078】
R2がプロパルギルである化合物も好適である。
【0079】
R1がC1-C6-ハロアルキル、C2-C6-ハロアルケニルまたはC2-C6-ハロアルキニルであり、R2がR1またはH(最も好ましくはH)である式I.aの化合物が特に好適である。
【0080】
R1がA1基である化合物I.aが特に好適である:
【化14】

【0081】
式中、
Z1は水素、フッ素またはC1-C6-フルオロアルキルであり、Z2は水素またはフッ素であるか、あるいはZ1とZ2は一緒になって二重結合を形成し; wは0または1であり; R3Aは水素またはメチルである。R2は好ましくはR1またはH、より好ましくはHである。メチルまたはエチル、特に好ましくはH。
【0082】
Z1およびZ2はそれぞれが独立して、好ましくはフッ素または水素であるか、二重結合を形成する。
【0083】
R1および/またはR2がキラル中心をもつハロアルキルまたはハロアルケニル基を含む場合は、これらの基について(S)-異性体が好ましい。R1またはR2中にキラル中心をもつハロゲンフリーのアルキルまたはアルケニル基の場合には、(R)-配置の異性体が好ましい。
【0084】
更なる実施形態は、Rが炭素を介して結合された基である化合物Iに関する。これらの化合物は、R’がC3-C6-シクロアルキルまたはC3-C12-ハロシクロアルキルである式I.bに相当する:
【化15】

【0085】
更なる実施形態は、R’がC3-C8-ハロシクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキルである化合物I.bに関する。
【0086】
好適な実施形態は、R’がC3-シクロアルキル、C5-またはC6-シクロアルキル、特にC6-シクロアルキルである化合物I.bに関する。
【0087】
更なる好適な実施形態は、R’がC3-C6-シクロアルキル、より好ましくはC6-シクロアルキル、またはC3-C6-ハロシクロアルキルである化合物I.bに関する。
【0088】
更なる実施形態は、R’がC3-ハロシクロアルキル、C4-、C5-またはC6-ハロシクロアルキルである化合物I.bに関する。
【0089】
R’が少なくとも1個のRb基を有する場合、Rbは好ましくはハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニルおよびC1-C6-アルコキシから選択される。
【0090】
一実施形態は、WがP1およびLmで置換されたフェニルである化合物Iに関する。
【0091】
Lmとして有用な基は特に次の基である:ハロゲン、例えばフッ素または塩素; シアノ; ニトロ; アルコキシカルボニル; アミノカルボニル; C1-C4-アルキル、例えばメチル; C1-C4-ハロアルキル、例えばトリフルオロメチル; C1-C4-アルコキシ、例えばメトキシ。
【化16】

【0092】
W基の実施形態は、特に、P1基に加えて、次の置換を有していてもよいフェニル基に関する:
2位: フッ素、塩素またはメチル; 3位: 水素、フッ素またはメトキシ; 4位: 水素、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、シアノ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはハロアルキル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシまたはシアノ; 5位: 水素、フッ素、塩素またはメチル、より好ましくは水素またはフッ素; 6位: 水素、フッ素、塩素またはメチル、より好ましくは水素またはフッ素。
【0093】
P1基は3、4または5位に位置することが好ましい。
【0094】
化合物Iの2つの実施形態において、P1およびLm基で置換されたフェニル基はAまたはB基である:
【化17】

【0095】
化合物Iの更なる実施形態において、特にAおよびB基において、Lmは次の置換基の組合せの1つである:2-Cl; 2-F; 2,6-Cl2; 2,6-F2; 2-F, 6-Cl; 2-F, 6-CH3; 2,4,6-F3; 2,6-F2, 4-OCH3; 2-Cl, 4-OCH3; 2-F, 4-OCH3、2-CH3, 4-OCH3、2-CH3, 4-F; 2-CF3; 2-OCH3, 6-F; 2,4-F2; 2-F, 4-Cl; 2-Cl, 4-F; 2-Cl, 5-F; 2,3-F2; 2,5-F2; 2,3,4-F3; 2-CH3; 2,4-(CH3)2; 2-CH3, 4-Cl; 2-CH3, 5-F; 2-F, 4-CH3; 2,6-(CH3)2; 2,4,6-(CH3)3; 2,6-F2, 4-CH3
【0096】
化合物Iの更なる実施形態において、特にA基において、Lmは次の置換基の組合せの1つである:2-F; 2-Cl; 2-CH3; 2,6-F2; 2-F, 6-Cl; 2-F, 6-CH3
【0097】
AまたはB基を有する式Iの化合物はそれぞれ式I.AおよびI.Bに相当する:
【化18】

【0098】
一実施形態は、WがP1およびLmで置換されたヘテロアリール(1〜4個の窒素原子または1〜3個の窒素原子と1個の硫黄もしくは酸素原子を含む)である化合物Iに関する。
【0099】
一実施形態では、W基は、窒素原子を介して結合される、P1およびLmで置換されたヘテロアリールである。
【0100】
更なる実施形態では、W基は、炭素原子を介して結合される、P1およびLmで置換されたヘテロアリールである。
【0101】
一実施形態は、WがP1およびLmで置換された5員ヘテロアリール(1〜4個の窒素原子または1〜3個の窒素原子と1個の硫黄もしくは酸素原子を含む)である化合物Iに関する。
【0102】
更なる実施形態は、Wがピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、1,2,3-トリアゾールまたは1,2,4-トリアゾールである化合物Iに関する。
【0103】
更なる実施形態は、Wがチオフェン、ピラゾールまたはチアゾールである化合物Iに関する。
【0104】
一実施形態は、WがP1およびLmで置換された6員ヘテロアリール(1〜3個または1〜4個の窒素原子を含む)である化合物Iに関する。
【0105】
更なる実施形態は、Wがピリジン、ピリミジン、ピリダジンまたはピラジンである化合物Iに関する。
【0106】
一実施形態は、Wが2-、3-または4位で結合されたピリジルである化合物Iに関し、該ピリジルは同一のまたは異なるLmでモノ置換〜テトラ置換されていてもよく、Lmは好ましくはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、メトキシイミノエチルおよび/またはトリフルオロメチル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシおよび/またはシアノである。
【0107】
式Iの化合物の一実施形態は式I.CおよびI.Dの化合物に関する:
【化19】

【0108】
更なる実施形態は、Wが2-または4位で結合されたピリミジルである化合物Iに関し、該ピリミジルは同一のまたは異なるLmでモノ置換またはジ置換されていてもよく、Lmは好ましくはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、メトキシイミノエチルおよび/またはトリフルオロメチル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシおよび/またはシアノである。
【0109】
式Iの化合物の一実施形態は式I.EおよびI.Fの化合物に関する:
【化20】

【0110】
更なる実施形態は、Wが2-または3位で結合されたチエニルである化合物Iに関し、該チエニルは同一のまたは異なるLmでモノ置換またはジ置換されていてもよく、Lmは好ましくはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、メトキシイミノエチルおよび/またはトリフルオロメチル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシおよび/またはシアノである。
【0111】
式Iの化合物の一実施形態は式I.GおよびI.Hの化合物に関する:
【化21】

【0112】
更なる実施形態は、Wが2-、4-または5位で結合されたチアゾリルである化合物Iに関し、該チアゾリルはLmで置換されていてもよく、ここでLmは好ましくはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、メトキシイミノエチルおよび/またはトリフルオロメチル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシおよび/またはシアノである。
【0113】
式Iの化合物の一実施形態は式I.IおよびI.Jの化合物に関する:
【化22】

【0114】
更なる実施形態は、Wが4-または5位で結合されたイミダゾリルである化合物Iに関し、該イミダゾリルは同一のまたは異なるLmでモノ置換またはジ置換されていてもよく、ここでLmは好ましくはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、メトキシイミノエチルおよび/またはトリフルオロメチル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシおよび/またはシアノである。
【0115】
式Iの化合物の一実施形態は式I.KおよびI.Lの化合物に関する:
【化23】

【0116】
更なる実施形態は、Wが1-、3-、4-または5位で結合されたピラゾリルである化合物Iに関し、該ピラゾリルは同一のまたは異なるLmでモノ置換〜トリ置換されていてもよく、ここでLmは好ましくはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、メトキシイミノエチルおよび/またはトリフルオロメチル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシおよび/またはシアノである。
【0117】
式Iの化合物の一実施形態は式I.M、I.NおよびI.Oの化合物に関する:
【化24】

【0118】
更なる実施形態は、Wが2-、3-、または4位で結合されたオキサゾリルである化合物Iに関し、該オキサゾリルは同一のまたは異なるLmでモノ置換またはジ置換されていてもよく、ここでLmは好ましくはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、メトキシイミノエチルおよび/またはトリフルオロメチル、より好ましくはフッ素、塩素、メチル、メトキシおよび/またはシアノである。
【0119】
式Iの化合物の一実施形態は式I.PおよびI.Qの化合物に関する:
【化25】

【0120】
化合物Iの好適な実施形態、特に式I.A〜I.Qにおいて、少なくとも1個の基Lは、アゾロピリミジン骨格へのW基の結合点に対してオルト位にあり、特に塩素、フッ素またはメチルである。
【0121】
更なる実施形態では、ヘテロ芳香族基Wのヘテロ原子は結合点に対してオルト位にある。
【0122】
指数mは、構造的に可能であれば、好ましくは1〜4であり、2個以上の基Lは同一でも異なっていてもよい。ヘテロ芳香族基Wが、P1基に加えて、別の置換基を有する場合、これらは好ましくは、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、シアノ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびハロアルキルからなる群より選択される。更なる実施形態では、任意の置換基Lmはフッ素、塩素、メチルおよびメトキシからなる群より選択される。更なる実施形態では、任意の置換基Lmは塩素、メチルおよびメトキシからなる群より選択される。更なる実施形態は、P1基に加えて、塩素で置換されたヘテロ芳香族基Wに関する。更なる実施形態は、P1基に加えて、フッ素で置換されたヘテロ芳香族W基に関する。
【0123】
P1基の一実施形態では、Y1がCRaRa’である。
【0124】
P1基の更なる実施形態では、Y1がC(O)Oである。
【0125】
P1基の更なる実施形態では、Y1がC(O)NRbである。
【0126】
P1基の更なる実施形態では、Y1が酸素である。
【0127】
P1基の更なる実施形態では、Y1がNRbである。
【0128】
P1基の更なる実施形態では、Y1が硫黄である。
【0129】
P1基の一実施形態では、Y2がC1-C8-アルキレン、好ましくはC2-C8-アルキレンである。
【0130】
P1基の更なる実施形態では、Y2がC3-C8-アルキレン、好ましくはC3-C4-アルキレン、より好ましくはC3-アルキレン(プロピレン)である。
【0131】
P1基の更なる実施形態では、Y2がC1-アルキレン(メチレン)である。
【0132】
P1基の更なる実施形態では、Y2がC2-アルキレン(エチレン)である。
【0133】
P1基の更なる実施形態では、Y2が##-CH(CH3)-CH2- (##はY1への結合点である)である。
【0134】
P1基の更なる実施形態では、Y2が##-CH2-CH(CH3)- (##はY1への結合点である)である。
【0135】
P1基の更なる実施形態では、Y2がC4-アルキレン(ブチレン)である。
【0136】
P1基の更なる実施形態では、Y2がC2-C8-アルケニレンである。
【0137】
P1基の更なる実施形態では、Y2がC2-C8-アルキニレンである。
【0138】
P1基の更なる実施形態では、Y2、特にC1-C8-アルキレンがヘテロ原子により中断されている。適当なヘテロ原子は特に酸素およびNRbであり、この場合のRbは好ましくは水素、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルコキシカルボニルまたはC1-C4-アルキル(好ましくはメチル)である。
【0139】
一実施形態は、TがOHである化合物Iに関する。
【0140】
更なる実施形態は、TがORcである化合物Iに関し、ここでRcは好ましくは水素、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、C1-C6-アルキレン、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)である。
【0141】
更なる実施形態は、TがORcである化合物Iに関し、ここでRcは好ましくはC1-C4-アルキル、より好ましくはメチルである。
【0142】
更なる実施形態は、TがORcである化合物Iに関し、ここでRcはC3-C6-シクロアルキル; 5-もしくは6員のヘテロシクリルまたは5-もしくは6員のへテロアリール、好ましくは6員ヘタリール、例えばピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4-トリアジンおよび1,3,5-トリアジン、また、好ましくは5員へテロアリール、例えばピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、チアゾールおよびオキサゾール、また、好ましくは6員ヘテロシクリル、例えばテトラヒドロピランおよびピペリジン、また、好ましくは5員ヘテロシクリル、例えばテトラヒドロフランおよびピロリジンである。
【0143】
更なる実施形態において、TがORcである場合の定義として特定されるRaおよびRΠ基は置換されていないか、または1〜3個の置換基Rdで置換されており、ここでRdは好ましくは次のように定義される:ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)。さらに、Rdはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)が好ましく、特にハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルまたはオキソ(=O)、より好ましくはハロゲン、アルキル、アルコキシまたはオキソ(=O)である(ただし、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルおよびアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)。
【0144】
更なる実施形態は、TがOC(O)Raである化合物Iに関し、ここでRaは次のように定義される:水素、シアノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、OC(O)ORΠ、C1-C6-アルキルチオ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠフェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)。Raは好ましくは水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠまたはC(O)NRΠである。
【0145】
更なる実施形態において、TがOC(O)Raである場合の定義として特定されるRaおよびRΠ基は置換されていないか、または1〜3個の置換基Rdで置換されており、ここでRdは好ましくは次のように定義される:ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)、より好ましくはハロゲン、アルキル、アルコキシまたはオキソ(=O)(ただし、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルおよびアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)。
【0146】
更なる実施形態は、TがNRbRb’である化合物Iに関し、ここでRb’はRbについて定義したとおりであり、RbおよびRb’はそれぞれ独立して、水素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、OC(O)ORΠ、C1-C6-アルキルチオ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)である。
【0147】
T = NRbRb’の更なる実施形態では、RbおよびRb’は好ましくは水素、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠまたはC(O)NRΠ2である。
【0148】
T = NRbRb’の更なる実施形態では、RbおよびRb’は好ましくは水素、C1-C6-アルキル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠまたはC(O)NRΠ2である。
【0149】
T = NRbRb’の更なる実施形態では、RbおよびRb’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)を形成する。
【0150】
更なる実施形態において、T = NRbRb’の場合の定義として特定されるRb、Rb’およびRΠ基は置換されていないか、または1〜3個の置換基Rdで置換されており、ここでRdは好ましくは次のように定義される:ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)。さらに、Rdはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)が好ましく、特にハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルまたはオキソ(=O)、より好ましくはハロゲン、アルキル、アルコキシまたはオキソ(=O)である(ただし、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルおよびアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)。
【0151】
NRbRb’の好ましい定義は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N-メチルピペラジニル、モルホリニル、ピラゾリル、トリアジニルおよびピロリドニル、より好ましくはメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピペラジニルおよびN-メチル-ピペラジニルである。
【0152】
一実施形態では、NbRa’基がジメチルアミノである。
【0153】
更なる実施形態では、該基がメチルアミノである。
【0154】
更なる実施形態では、該基がアミノである。
【0155】
更なる実施形態は、TがC(O)NRbRb’である化合物Iに関し、ここでRb’はRbについて定義したとおりであり、RbおよびRb’はそれぞれ独立して、水素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、OC(O)ORΠ、C1-C6-アルキルチオ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)である。
【0156】
T = C(O)NRbRb’の更なる実施形態では、RbおよびRb’は好ましくは水素、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、またはC(O)NRΠ2である。
【0157】
T = C(O)NRbRb’の更なる実施形態では、RbおよびRb’は好ましくは水素、C1-C6-アルキル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠまたはC(O)NRΠ2である。
【0158】
T = C(O)NRbRb’の更なる実施形態では、RbおよびRb’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)を形成する。
【0159】
更なる実施形態において、T = C(O)NRbRb’の場合の定義として特定されるRb、Rb’およびRΠ基は置換されていないか、または1〜3個の置換基Rdで置換されており、ここでRdは好ましくは次のように定義される:ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)。さらに、Rdはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)が好ましく、特にハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルまたはオキソ(=O)、より好ましくはハロゲン、アルキル、アルコキシまたはオキソ(=O)である(ただし、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルおよびアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)。
【0160】
更なる実施形態は、TがC(=NORc)Raである化合物Iに関し、ここでRaは水素、シアノ、ヒドロキシル、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、OC(O)ORΠ、C1-C6-アルキルチオ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)であり、Rcは水素、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、OC(O)ORΠ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)である。
【0161】
T = C(=NORc)Raの更なる実施形態において、Rcは好ましくは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠまたはC(O)NRΠ2、より好ましくは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルまたはC2-C6-アルキニルである。
【0162】
T = C(=NORc)Raの更なる実施形態において、Raは好ましくは水素、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノまたはジ-C1-C6-アルキルアミノ、より好ましくは水素、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノまたはジ-C1-C6-アルキルアミノである。
【0163】
更なる実施形態において、T = C(=NORc)Raの場合の定義として特定されるRa、RcおよびRΠ基は置換されていないか、または1〜3個の置換基Rdで置換されており、ここでRdは好ましくは次のように定義される:ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)。さらに、Rdはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)が好ましく、特にハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルまたはオキソ(=O)、より好ましくはハロゲン、アルキル、アルコキシまたはオキソ(=O)である(ただし、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルおよびアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)。
【0164】
更なる実施形態は、TがT1-C(=T2)T3である化合物Iに関する。
【0165】
更なる実施形態では、T1が酸素である。
【0166】
更なる実施形態では、T1がNRbである。
【0167】
更なる実施形態では、T2が酸素である。
【0168】
更なる実施形態では、T2が硫黄である。
【0169】
更なる実施形態では、T2がNRbである。
【0170】
更なる実施形態では、T3がRaである。
【0171】
更なる実施形態では、T3がORcである。
【0172】
更なる実施形態では、T3がSRcである。
【0173】
更なる実施形態では、T3がNRbRb’である。
【0174】
T1-C(=T2)T3の更なる実施形態において、Raは好ましくは水素、シアノ、ヒドロキシル、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、OC(O)ORΠ、C1-C6-アルキルチオ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む)である。
【0175】
T1-C(=T2)T3の更なる実施形態において、RbおよびRcは好ましくは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠまたはC(O)NRΠ2である。
【0176】
更なる実施形態において、T1-C(=T2)T3の定義として挙げたRa、Rb、RcおよびRΠ基は置換されていないか、または1〜3個の置換基Rdで置換されており、ここでRdは好ましくは次のように定義される:ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)。さらに、Rdはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)またはC3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)が好ましく、特にハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルまたはオキソ(=O)、より好ましくはハロゲン、アルキル、アルコキシまたはオキソ(=O)である(ただし、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルおよびアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)。
【0177】
一実施形態は、Xがフッ素、塩素または臭素(特に塩素)である化合物Iに関する。
【0178】
更なる実施形態は、Xがフッ素である化合物Iに関する。
【0179】
更なる実施形態は、Xがシアノである化合物Iに関する。
【0180】
更なる実施形態は、Xがアルキル(特にメチル)である化合物Iに関する。
【0181】
更なる実施形態は、Xがアルコキシ(特にメトキシ)である化合物Iに関する。
【0182】
一実施形態は、GがN、EがC-W2、QがNである化合物Iに関する。これらの化合物は式I.1に相当する:
【化26】

【0183】
更なる実施形態は、GがN、EがC-W2、QがC-W3である化合物Iに関する。これらの化合物は式I.2に相当する:
【化27】

【0184】
更なる実施形態は、GがC-W1、EがC-W2、QがNである化合物Iに関する。これらの化合物は式I.3に相当する:
【化28】

【0185】
更なる実施形態は、GがC-W1、EがN、QがC-W3である化合物Iに関する。これらの化合物は式I.4に相当する:
【化29】

【0186】
化合物Iの一実施形態において、W1は水素、フッ素、塩素または臭素であり、特に水素である。
【0187】
化合物Iの一実施形態において、W2は水素、シアノ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、ホルミル、ハロアルキル(1〜4個の炭素原子と1〜9個のフッ素、塩素および/または臭素原子を有する)、アルキル(1〜4個の炭素原子を有する)、シクロアルキル(3〜6個の炭素原子を有する)、チオカルバモイル、アルコキシカルボニル(アルコキシ部分に1〜4個の炭素原子を有する)、アルキルカルボニル(アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有する)、ヒドロキシイミノアルキル(アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有する)、またはアルコキシイミノアルキル(アルコキシ部分に1〜4個の炭素原子、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有する)であり、特に水素、アミノまたはC1-C4-アルキルであり、好ましくは水素である。
【0188】
化合物Iの一実施形態において、W3は水素、シアノ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、ホルミル、ハロアルキル(1〜4個の炭素原子と1〜9個のフッ素、塩素および/または臭素原子を有する)、アルキル(1〜4個の炭素原子を有する)、シクロアルキル(3〜6個の炭素原子を有する)、チオカルバモイル、アルコキシカルボニル(アルコキシ部分に1〜4個の炭素原子を有する)、アルキルカルボニル(アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有する)、ヒドロキシイミノアルキル(アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有する)もしくはアルコキシイミノアルキル(アルコキシ部分に1〜4個の炭素原子、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル(アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有する)またはジアルキルアミノカルボニル(アルキル部分にそれぞれ1〜4個の炭素原子を有する)である。W3は好ましくは水素、シアノ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルであり、特に好ましくはシアノである。
【0189】
化合物Iの更なる実施形態では、W3がCR10R11OR12である。
【0190】
化合物Iの更なる実施形態では、W3がC(R13)=NR14である。
【0191】
化合物Iの更なる実施形態は下記の式に相当する:
【化30】






【0192】
上記式中、可変記号は式Iについて定義したとおりである。
【0193】
特にそれらの使用に関しては、以下の表にまとめられた化合物Iが好ましい。一の置換基として表に特定された基は、それらの特定された組合せに関わりなく、当該置換基の特に好ましい実施形態を構成する。
【表1】


































【表2】

【0194】
表1〜1254に個々に示した化合物に加えて、Xがシアノである対応する誘導体も本発明の更なる実施形態を構成する。
【0195】
表1〜1254に個々に示した化合物に加えて、Xがメチルである対応する誘導体も本発明の更なる実施形態を構成する。
【0196】
表1〜1254に個々に示した化合物に加えて、Xがメトキシである対応する誘導体も本発明の更なる実施形態を構成する。
【0197】
表1〜1254に個々に示した化合物に加えて、Xがフッ素である対応する誘導体も本発明の更なる実施形態を構成する。
【0198】
式Iの化合物は公知のものもあれば、新規なものもある。
【0199】
したがって、本発明はまた、以下のように定義される式Iのアゾロピリミジンを提供する:
Y1はC(O)O、C(O)NRA、またはS(O)tであり、
tは1または2であり、
残りの記号および指数はそれぞれ式Iに関して特定された定義および選択優先性を有する。
【0200】
本発明はさらに、以下のように定義される式Iのアゾロピリミジンを提供する:
TはORc (RcはH以外)、OC(O)Ra、NRbRb’、C(O)NRbRb’、C(NORc)Ra、またはT1-C(=T2)-T3であり、RがNR1R2またはC3-C12-ハロシクロアルキルと定義される場合には、TはさらにC(O)ORcまたはC(ORc)2Raでもあり、
残りの記号および指数はそれぞれ式Iに関して特定された定義および選択優先性を有する。
【0201】
本発明はさらに、Tが少なくとも1個のオキソ基(=O)で置換されている式Iのアゾロピリミジンを提供する。
【0202】
本発明はさらに、以下のように定義される式Iの化合物を提供する:
Wは5-または6員のヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSからなる群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含み、該環系は、Lm基のほかに、少なくとも1個の置換基P1を有し、
残りの記号および指数はそれぞれ式Iに関して特定された定義および選択優先性を有する。
【0203】
本発明はさらに、記号および指数が以下のように定義される式Iのアゾロピリミジンを提供する:
G、E、Qは、
a) GがN、EがC-W2、QがC-W3であるか、
b) GがC-W1、EがC-W2、QがNであるか、または
c) GがC-W1、EがN、QがC-W3であり、そして
残りの記号および指数はそれぞれ式Iに関して特定された定義および選択優先性を有する。
【0204】
本発明はさらに、以下のように定義される式Iの化合物を提供する:
XはF、I、シアノ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり、そして
残りの記号および指数はそれぞれ式Iに関して特定された定義および選択優先性を有する。
【0205】
本発明はさらに、以下のように定義される式Iの化合物を提供する:
RはC3-C12-ハロシクロアルキルであり、そして
残りの記号および指数はそれぞれ式Iに関して特定された定義および選択優先性を有する。
【0206】
本発明はさらに、以下のように定義される式Iの化合物を提供する:
TはOC(O)Raであり、そして
残りの記号および指数はそれぞれ式Iに関して特定された定義および選択優先性を有する。
【0207】
化合物Iは殺菌剤として使用するのに適している。それらは子嚢菌類(Ascomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)および卵菌類(Peronosporomycetes; 同義語Oomycetes)のクラスからの広範な植物病原菌類に対して優れた活性を有している。それらの一部は浸透的に有効であり、作物の保護において葉用殺菌剤として、種子粉衣(seed dressing)用殺菌剤として、また、土壌用殺菌剤として利用することができる。
【0208】
それらは、様々な作物、例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、カラスムギ、イネ、トウモロコシ、イネ科の植物、バナナ、ワタ、ダイズ、コーヒー、サトウキビ、ブドウ、果実および観賞用の植物、ならびに野菜、例えばキュウリ、豆類、トマト、ジャガイモおよびウリ科の植物に、さらにはこうした植物の種子に、感染した無数の菌類を防除するのに特に重要である。
【0209】
化合物Iは、野菜、アブラナ、サトウダイコン、果実およびイネのアルテルナリア(Alternaria)属の種、例えばジャガイモおよびトマトのA. solani(ジャガイモ夏疫病菌、トマト輪紋病菌)またはA. alternata(黒斑病菌)の防除に適している。
【0210】
化合物Iは、サトウダイコンおよび野菜のアファノマイセス(Aphanomyces)属の種の防除に適している。
【0211】
化合物Iは、穀類および野菜のアスコチタ(Ascochyta)属の種の防除に適している。
【0212】
化合物Iは、トウモロコシ、穀類、イネおよび芝生のビポラリス(Bipolaris)属の種およびドレクスレラ(Drechslera)属の種、例えばトウモロコシのD. maydis(ごま葉枯病菌)の防除に適している。
【0213】
化合物Iは、穀類のBlumeria graminis(うどんこ病)の防除に適している。
【0214】
化合物Iは、イチゴ、野菜、花およびブドウのBotrytis cinerea (灰色かび病) の防除に適している。
【0215】
化合物Iは、レタスのBremia lactucae(べと病菌)の防除に適している。
【0216】
化合物Iは、トウモロコシ、ダイズ、イネおよびサトウダイコンのセルコスポラ(Cercospora)属の種の防除に適している。
【0217】
化合物Iは、トウモロコシ、穀類、イネのコクリオボルス(Cochliobolus)属の種、例えば穀類のCochliobolus sativus(斑点病菌)、イネのCochliobolus miyabeanus(葉枯病菌)の防除に適している。
【0218】
化合物Iは、ダイズおよびワタのコレトリクム(Colletotricum)属の種の防除に適している。
【0219】
化合物Iは、トウモロコシ、穀類、イネおよび芝生のドレクスレラ(Drechslera)属の種、ピレノフォラ(Pyrenophora)属の種、例えばオオムギのD. teres(網斑病菌)またはコムギのD. tritici-repentis(黄斑病菌)の防除に適している。
【0220】
化合物Iは、Phaeoacremonium chlamydosporium、Ph. aleophilumおよびFormitipora punctata (同義語 Phellinus punctatus)が原因となるブドウのエスカ病(Esca)の防除に適している。
【0221】
化合物Iは、トウモロコシのエキセロヒルム(Exserohilum)属の種の防除に適している。
【0222】
化合物Iは、キュウリ植物のErysiphe cichoracearum(うどんこ病菌)およびSphaerotheca fuliginea(うどんこ病菌)の防除に適している。
【0223】
化合物Iは、各種植物のフザリウム(Fusarium)属の種およびバーティシリウム(Verticillium)属の種、例えば穀類のF. graminearum(赤かび病菌)またはF. culmorum(赤かび病菌)、トマトなどの多数の植物のF. oxysporum(萎ちょう病菌)の防除に適している。
【0224】
化合物Iは、穀類のGaeumanomyces graminis(立枯病菌)の防除に適している。
【0225】
化合物Iは、穀類およびイネのジベレラ(Gibberella)属の種、例えばイネのGibberella fujikuroi(ばか苗病菌)の防除に適している。
【0226】
化合物Iは、イネのGrainstaining complex(種々の病原菌)の防除に適している。
【0227】
化合物Iは、トウモロコシおよびイネのヘルミンソスポリウム(Helminthosporium)属の種の防除に適している。
【0228】
化合物Iは、穀類のMichrodochium nivale(紅色雪腐病菌)の防除に適している。
【0229】
化合物Iは、穀類、バナナおよび落花生類のマイコスファレラ(Mycosphaerella)属の種、例えばコムギのM. graminicola(葉枯病菌)またはバナナのM. fijiensis(ブラックシガトカ病菌)の防除に適している。
【0230】
化合物Iは、キャベツおよび球根植物のペロノスポラ(Peronospora)属の種、例えばキャベツのP. brassicae(べと病菌)またはタマネギのP. destructor(べと病菌)の防除に適している。
【0231】
化合物Iは、ダイズのPhakopsora pachyrhizi(さび病菌)およびPhakopsora meibomiae(さび病菌)の防除に適している。
【0232】
化合物Iは、ダイズおよびヒマワリのホモプシス(Phomopsis)属の種の防除に適している。
【0233】
化合物Iは、ジャガイモおよびトマトのPhytophthora infestans(疫病菌)の防除に適している。
【0234】
化合物Iは、各種植物のフィトフトラ(Phytophthora)属の種、例えばトウガラシのP. capsici(疫病菌)の防除に適している。
【0235】
化合物Iは、ブドウのPlasmopara viticola(べと病菌)の防除に適している。
【0236】
化合物Iは、リンゴのPodosphaera leucotricha(うどんこ病菌)の防除に適している。
【0237】
化合物Iは、穀類のPseudocercosporella herpotrichoides(眼紋病菌)の防除に適している。
【0238】
化合物Iは、各種植物のシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)、例えばキュウリのP. cubensis(べと病菌)またはホップのP. humili(うどんこ病菌)の防除に適している。
【0239】
化合物Iは、各種植物のパクシニア(Puccinia)属の種、例えば穀類のP. triticina(赤さび病菌)、P. striformins(黄さび病菌)、P. hordei(小さび病菌)、もしくはP. graminis(さび病菌)、またはアスパラガスのP. asparagi(さび病菌)の防除に適している。
【0240】
化合物Iは、イネのPyricularia oryzae(いもち病菌)、Corticium sasakii(紋枯病菌)、Sarocladium oryzae(葉しょう腐敗病菌)、S. attenuatum(褐色米病菌)、Entyloma oryzae(黒しゅ病菌)の防除に適している。
【0241】
化合物Iは、芝生および穀類のPyricularia grisea(いもち病菌)の防除に適している。
【0242】
化合物Iは、芝生、イネ、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ヒマワリ、サトウダイコン、野菜および他の植物のピチウム(Pythium)属の種、例えば各種植物のP. ultiumum(立枯病菌)、芝生のP. aphanidermatum(立枯病菌)の防除に適している。
【0243】
化合物Iは、ワタ、イネ、ジャガイモ、芝生、トウモロコシ、アブラナ、サトウダイコン、野菜および他の植物のリゾクトニア(Rhizoctonia)属の種、例えばサトウダイコンおよび各種植物のR. solani(葉腐病菌)の防除に適している。
【0244】
化合物Iは、オオムギ、ライムギおよびライコムギのRhynchosporium secalis(雲形病菌)の防除に適している。
【0245】
化合物Iは、アブラナおよびヒマワリのスクレロチニア(Sclerotinia)属の種の防除に適している。
【0246】
化合物Iは、コムギのSeptoria tritici(葉枯病菌)およびStagonospora nodorum(ふ枯病菌)の防除に適している。
【0247】
化合物Iは、ブドウのErysiphe (同義語 Uncinula) necator(うどんこ病菌)の防除に適している。
【0248】
化合物Iは、トウモロコシおよび芝生のセトスパエリア(Setospaeria)属の種の防除に適している。
【0249】
化合物Iは、トウモロコシのSphacelotheca reilinia(黒穂病菌)の防除に適している。
【0250】
化合物Iは、ダイズおよびワタのチエバリオプシス(Thievaliopsis)属の種の防除に適している。
【0251】
化合物Iは、穀類のチレチア(Tilletia)属の種の防除に適している。
【0252】
化合物Iは、穀類、トウモロコシおよびサトウダイコンのウスチラゴ(Ustilago)属の種、例えばトウモロコシのU. maydis(黒穂病菌)の防除に適している。
【0253】
化合物Iは、リンゴおよびナシのベンツリア(Venturia)属の種(黒星病)、例えばリンゴのV. inaequalis(黒星病菌)の防除に適している。
【0254】
さらに、本化合物は、遺伝子工学的操作を含む品種改良のため、昆虫や菌類による攻撃に対して耐性がある作物にも使用することができる。
【0255】
化合物Iはまた、材料(例えば、木材、紙、塗料、繊維、または織物)の保護において、また、貯蔵品の保護において有害菌類を防除するにも適している。木材の保護では、次の有害菌類が特に注目される:子嚢菌類(Ascomycetes)、例えばオフィオストマ属の種(Ophiostoma spp.)、セラトシスティス属の種(Ceratocystis spp.)、黒酵母(Aureobasidium pullulans)、スクレロフォーマ属の種(Sclerophoma spp.)、ケトミウム属の種(Chaetomium spp.)、フミコラ属の種(Humicola spp.)、ペトリエラ属の種(Petriella spp.)、トリキュラス属の種(Trichurus spp.);担子菌類(Basidiomycetes)、例えばコニオフォラ属の種(Coniophora spp.)、コリオルス属の種(Coriolus spp.)、キカイガラタケ属の種(Gloeophyllum spp.)、カワキタケ属の種(Lentinus spp.)、ヒラタケ属の種(Pleurotus spp.)、ポリア属の種(Poria spp.)、セルプラ属の種(Serpula spp.)およびシミタケ属の種(Tyromyces spp.);不完全菌類(Deuteromycetes)、例えばアスペルギルス属の種(Aspergillus spp.)、クラドスポリウム属の種(Cladosporium spp.)、ペニシリウム属の種(Penicillium spp.)、トリコデルマ属の種(Trichoderma spp.)、アルテルナリア属の種(Alternaria spp.)、パエシロマイセス属の種(Paecilomyces spp.)、および接合菌類(Zygomycetes)、例えばケカビ属の種(Mucor spp.)、さらに材料の保護では次の酵母:カンジダ属の種(Candida spp.)およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)。
【0256】
本化合物および/またはその農業上許容される塩は、菌類、または菌類の攻撃から保護すべき植物、種子もしくは材料、または土壌を、殺菌的に有効な量の本活性化合物で処理することにより利用される。本化合物を施用するのは、菌類が材料、植物または種子に感染する前でも後でもよい。
【0257】
したがって、本発明はさらに、菌類、または菌類の攻撃から保護すべき材料、植物、土壌もしくは種子を、有効量の、本発明による少なくとも1種の化合物Iおよび/またはその農業上許容される塩で処理することによる、植物病原菌類の防除方法を提供する。
【0258】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1種の式(Ia)の化合物および/またはその農業上許容される塩、ならびに少なくとも1種の固体または液体の担体を含有する、植物病原菌類を防除するための組成物を提供する。
【0259】
殺菌組成物は一般に0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の活性化合物を含有する。
【0260】
作物の保護に利用する場合は、所望する作用効果の種類に応じて、活性化合物の施用量を0.01〜2.0kg/haとする。
【0261】
種子の処理では、必要とされる活性化合物の量は、一般に種子100kgあたり1〜1000g、好ましくは種子100kgあたり5〜100gである。
【0262】
材料または貯蔵品の保護に使用する場合には、活性化合物の施用量は施用エリアの種類と所望の作用効果によって変わる。材料を保護する際の典型的な施用量は、例えば、処理すべき材料の立方メートルあたり0.001g〜2kg、好ましくは0.005g〜1kgの活性化合物とする。
【0263】
式Iの化合物は、その生物学的活性が相違する可能性のある、様々な結晶形で存在することができる。それらも同様に本発明の主題の一部を構成する。
【0264】
化合物Iは通常の製剤、例えば溶液剤、乳剤、懸濁液剤、散粉剤、粉剤、ペースト剤、粒剤などに処方することができる。施用形態は特定の使用目的によって決まる。いずれの場合にも、本化合物の微細かつ均一な分散を確実にすべきである。
【0265】
製剤は公知の方法で調製され、例えば、所望により乳化剤や分散剤を用いて、活性化合物を溶剤および/または担体で増量することにより調製する。この目的に適する溶剤/助剤は本質的に以下のものである:
− 水、芳香族溶剤(例:Solvesso製品、キシレン)、パラフィン類(例:鉱油留分)、アルコール類(例:メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例:シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン類(NMP、NOP)、アセテート類(グリコールジアセテート)、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸および脂肪酸エステル類。基本的には、混合溶剤を使用することもできる。
【0266】
− 担体、例えば粉砕天然鉱物(例:カオリン、クレー、タルク、チョーク)および粉砕合成鉱物(例:微細シリカ、シリケート)、乳化剤、例えば非イオン形成性およびアニオン性乳化剤(例:ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩)、ならびに分散剤、例えばリグノ亜硫酸廃液およびメチルセルロース。
【0267】
界面活性剤として使用するのに好適なものは以下のものである:リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、およびジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、脂肪アルコール硫酸塩、脂肪酸および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらにスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシ化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸廃液ならびにメチルセルロース。
【0268】
直接スプレー可能な溶液剤、乳剤、ペースト剤または油性分散液剤の調製に好適なものは以下のものである:中〜高沸点の鉱油留分(例:灯油またはディーゼル油、さらにコールタール油)、植物または動物起源の油、脂肪族、環式および芳香族炭化水素(例:トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはそれらの誘導体)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、強極性溶剤(例:ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよび水)。
【0269】
粉剤、広域散布剤および散粉製品は、本活性物質と固体担体を混合するか、または同時に粉砕することによって調製することができる。
【0270】
粒剤(例えば、被覆粒剤、含浸粒剤、均質粒剤など)は、本活性化合物を固体担体に結合させることにより調製することができる。固体担体の例としては以下のものがある:鉱物質土類(例:シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム)、粉砕合成材料、肥料(例:硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素)、植物起源の製品(例:穀粉、樹皮粉、木粉、堅果殻粉)、セルロース粉末、および他の固体担体。
【0271】
一般に、本製剤は、活性化合物を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%含有する。本活性化合物は、純度90%〜100%、好ましくは95%〜100%(NMRスペクトルによる)で用いる。
【0272】
以下は製剤の例である:
1. 水で希釈する製品
A) 水溶性濃縮液剤(SL、LS)
10重量部の本活性化合物を90重量部の水または水溶性溶媒に溶解させる。別法として、湿潤剤または他の助剤を添加する。本活性化合物は水で希釈すると溶解する。これにより、活性化合物含量が10重量%の製剤が得られる。
【0273】
B) 分散性濃縮液剤(DC)
20重量部の本活性化合物を70重量部のシクロヘキサノンに、10重量部の分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)を加えて、溶解させる。水で希釈することにより分散液が得られる。活性化合物含量は20重量%である。
【0274】
C) 乳化性濃縮液剤(EC)
15重量部の本活性化合物を75重量部のキシレンに、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれも5重量部)を加えて、溶解させる。水で希釈することにより乳濁液が得られる。この製剤の活性化合物含量は15重量%である。
【0275】
D) 乳剤(EW、EO、ES)
25重量部の本活性化合物を35重量部のキシレンに、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれも5重量部)を加えて、溶解させる。この混合物を、乳化装置(Ultraturrax)を用いて30重量部の水に添加し、均質な乳剤とする。水で希釈することにより乳濁液が得られる。この製剤の活性化合物含量は25重量%である。
【0276】
E) 懸濁製剤(SC、OD、FS)
撹拌型ボールミル内で、20重量部の本活性化合物に10重量部の分散剤と湿潤剤および70重量部の水または有機溶媒を添加して粉砕することにより、活性化合物の微細懸濁液が得られる。水で希釈することにより活性化合物の安定した懸濁液が得られる。この製剤の活性化合物含量は20重量%である。
【0277】
F) 水分散性粒剤および水溶性粒剤(WG、SG)
50重量部の本活性化合物に50重量部の分散剤と湿潤剤を添加して微粉砕し、専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床など)を用いて水分散性または水溶性の粒剤とする。水で希釈することにより本活性化合物の安定な分散液または溶液が得られる。この製剤の活性化合物含量は50重量%である。
【0278】
G) 水分散性粉剤および水溶性粉剤(WP、SP、SS、WS)
ローター・ステーターミル内で、75重量部の本活性化合物に25重量部の分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを添加して粉砕する。水で希釈することにより本活性化合物の安定な分散液または溶液が得られる。この製剤の活性化合物含量は75重量%である。
【0279】
H) ゲル製剤(GF)
ボールミル内で、20重量部の本活性化合物、10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤および70重量部の水または有機溶剤を粉砕して微細な懸濁液とする。水で希釈することにより、活性化合物含量が20重量%の安定な懸濁液が得られる。
【0280】
2. 希釈せずに施用する製品
I) 散粉剤(DP、DS)
5重量部の本活性化合物を微粉砕し、95重量部の微細カオリンと十分に混合する。これにより、活性化合物含量が5重量%の散粉製品が得られる。
【0281】
J) 粒剤(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の本活性化合物を微粉砕し、99.5重量部の担体と結合させる。現在用いられる方法は押出法、噴霧乾燥法、または流動床法である。これにより、希釈せずに施用する活性化合物含量0.5重量%の粒剤が得られる。
【0282】
K) ULV溶液剤(UL)
10重量部の本活性化合物を90重量部の有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解させる。これにより、希釈せずに施用する活性化合物含量10重量%の製品が得られる。
【0283】
水溶性濃縮液剤(LS)、懸濁液剤(FS)、散粉剤(DS)、水分散性および水溶性粉剤(WS、SS)、乳剤(ES)、乳化性濃縮液剤(EC)およびゲル製剤(GF)は通常、種子の処理に用いられる。こうした製剤は希釈しない状態で、または好ましくは希釈した状態で種子に施用する。種子への施用は播種前に行うことができる。
【0284】
本活性化合物は、そのままで、その製剤の形態で、またはその製剤から調製された施用の形態で使用することができ、例えば、スプレー、噴霧、散粉、広域散布、または散水により、直接スプレー可能な溶液、粉末、懸濁液もしくは分散液、乳濁液、油性分散液、ペースト、散粉製品、広域散布製品、または顆粒の形態で用いられる。施用の形態はもっぱら意図した目的によって決まるが、いずれの場合にも、その意図は本活性化合物の可能な限り微細な分散を確実にすることである。
【0285】
水性の施用形態のものは、濃縮乳剤、ペースト剤、または粉末水和剤(スプレー可能な粉剤、油性分散液剤)から、水を加えることにより調製することができる。乳剤、ペースト剤、または油性分散液剤を調製するには、本物質をそのままで、あるいは油または溶剤に溶解させて、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中でホモジナイズする。あるいはまた、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤もしくは乳化剤、必要に応じて溶剤もしくは油、を含む濃縮液を調製することが可能であり、かかる濃縮液は水で希釈するのに適している。
【0286】
直ぐに使用可能な製剤中の本活性化合物の濃度は、比較的広い範囲で変えることができる。一般に、それらは0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%の範囲である。
【0287】
本活性化合物はまた、少量散布(ULV:ultra-low volume)法でも首尾よく使用することができ、この方法によると、95重量%を超える活性化合物を含む製剤を施用することが可能であり、添加剤なしで活性化合物を施用することさえ可能である。
【0288】
本活性化合物には、適宜に使用直前(タンクミックス)まで、さまざまな種類の油、湿潤剤、補助剤、除草剤、殺菌剤、他の農薬、または殺細菌剤を添加することができる。これらの組成物は本発明による組成物に1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で添加し混合することができる。
【0289】
これに関連して以下のものは補助剤として特に適している:有機的に修飾されたポリシロキサン、例えばBreak Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシラート、例えばAtplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)およびLutensol ON 30(登録商標);EO-POブロックポリマー、例えばPluronic RPE 2035(登録商標)およびGenapol B(登録商標);アルコールエトキシラート、例えばLutensol XP 80(登録商標);ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、例えばLeophen RA(登録商標)。
【0290】
殺菌剤としての施用形態の本発明の化合物は、他の活性成分(例えば、除草剤、殺虫剤、成長調節剤、殺菌剤)と共に、または肥料とさえも、一緒に存在させることができる。本化合物またはそれを含む組成物を1種以上の別の活性成分(特に殺菌剤)と混合する場合には、多くの事例で活性スペクトルを広げたり、耐性の発生を防止したりすることが可能である。多くの場合には、相乗効果が得られる。
【0291】
したがって、本発明はさらに、少なくとも1種の式Iの化合物および/またはその農業上許容される塩と、少なくとも1種の別の活性成分である殺菌剤、殺虫剤、除草剤および/または成長調節剤との組合せを提供する。
【0292】
本発明の化合物と一緒に施用することができる以下の殺菌剤のリストは、可能な組合せを例示するものであり、それらに限定するものではない:
ストロビルリン系
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、(2-クロロ-5-[1-(3-メチルベンジルオキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバミン酸メチル、(2-クロロ-5-[1-(6-メチルピリジン-2-イルメトキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバミン酸メチル、2-(オルト-(2,5-ジメチルフェニルオキシメチレン)フェニル)-3-メトキシアクリル酸メチル;
【0293】
カルボキサミド系
- カルボキサニリド系:ベナラキシル(benalaxyl)、ベノダニル(benodanil)、ボスカリド(boscalid)、カルボキシン(carboxin)、メプロニル(mepronil)、フェンフラム(fenfuram)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、フルトラニル(flutolanil)、フラメトピル(furametpyr)、メタラキシル(metalaxyl)、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、チフルザミド(thifluzamide)、チアジニル(tiadinil)、N-(4'-ブロモビフェニル-2-イル)-4-ジフルオロメチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド、N-(4'-トリフルオロメチルビフェニル-2-イル)-4-ジフルオロメチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド、N-(4'-クロロ-3'-フルオロビフェニル-2-イル)-4-ジフルオロメチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド、N-(3',4'-ジクロロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2-シアノフェニル)-3,4-ジクロロイソチアゾール-5-カルボキサミド;
- カルボン酸モルホリド系:ジメトモルホ(dimethomorph)、フルモルホ(flumorph);
- ベンズアミド系:フルメトベル(flumetover)、フルオピコリド(fluopicolide)(ピコベンズアミド(picobenzamid))、ゾキサミド(zoxamide);
- 他のカルボキサミド系:カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、マンジプロパミド(mandipropamid)、N-(2-(4-[3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-イニルオキシ]-3-メトキシフェニル)エチル)-2-メタンスルホニルアミノ-3-メチルブチルアミド、N-(2-(4-[3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-イニルオキシ]-3-メトキシフェニル)エチル)-2-エタンスルホニルアミノ-3-メチルブチルアミド;
【0294】
アゾール系
- トリアゾール系:ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、エニルコナゾール(enilconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルトリアホール(flutriafol)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、トリアジメホン(triadimefon)、トリチコナゾール(triticonazole);
- イミダゾール系:シアゾファミド(cyazofamid)、イマザリル(imazalil)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizole);
- ベンゾイミダゾール系:ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole);
- その他:エタボキサム(ethaboxam)、エトリジアゾール(etridiazole)、ヒメキサゾール(hymexazole);
【0295】
複素環式窒素化合物
- ピリジン系:フルアジナム(fluazinam)、ピリフェノックス(pyrifenox)、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチルイソキサゾリジン-3-イル]ピリジン;
- ピリミジン系:ブピリメート(bupirimate)、シプロジニル(cyprodinil)、フェリムゾン(ferimzone)、フェナリモル(fenarimol)、メパニピリム(mepanipyrim)、ヌアリモル(nuarimol)、ピリメタニル(pyrimethanil);
- ピペラジン系:トリホリン(triforine);
- ピロール系:フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil);
- モルホリン系:アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph);
- ジカルボキシミド系:イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin);
- その他:アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)、アニラジン(anilazine)、カプタン(captan)、カプタホル(captafol)、ダゾメット(dazomet)、ジクロメジン(diclomezine)、フェノキサニル(fenoxanil)、ホルペット(folpet)、フェンプロピジン(fenpropidin)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、オクチリノン(octhilinone)、プロベナゾール(probenazole)、プロキナジド(proquinazid)、ピロキロン(pyroquilon)、キノキシフェン(quinoxyfen)、トリシクラゾール(tricyclazole)、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、N,N-ジメチル-3-(3-ブロモ-6-フルオロ-2-メチルインドール-1-スルホニル)-[1,2,4]トリアゾール-1-スルホンアミド;
【0296】
カルバメート系およびジチオカルバメート系
- ジチオカルバメート系:フェルバム(ferbam)、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)、メチラム(metiram)、メタム(metam)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram);
- カルバメート系:ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、フルベンチアバリカルブ(flubenthiavalicarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、プロパモカルブ(propamocarb)、3-(4-クロロフェニル)-3-(2-イソプロポキシカルボニルアミノ-3-メチルブチリルアミノ)プロピオン酸メチル、N-(1-(1-(4-シアノフェニル)エタンスルホニル)ブタ-2-イル)カルバミン酸4-フルオロフェニル;
【0297】
他の殺菌剤
- グアニジン系:ドジン(dodine)、イミノクタジン(iminoctadine)、グアザチン(guazatine);
- 抗生物質:カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxins)、ストレプトマイシン(streptomycin)、バリダマイシンA (validamycin A);
- 有機金属化合物:フェンチン塩(fentin salts);
- 硫黄含有複素環式化合物:イソプロチオラン(isoprothiolane)、ジチアノン(dithianon);
- 有機リン化合物:エディフェンホス(edifenphos)、ホセチル(fosetyl)、ホセチル-アルミニウム(fosetyl-aluminum)、イプロベンホス(iprobenfos)、ピラゾホス(pyrazophos)、トルクロホスメチル(tolclofos-methyl)、亜リン酸およびその塩;
- 有機塩素化合物:チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、クロロタロニル(chlorothalonil)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、フルスルファミド(flusulfamide)、フタリド(phthalide)、ヘキサクロロベンゼン(hexachlorobenzene)、ペンシクロン(pencycuron)、キントゼン(quintozene);
- ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル(binapacryl)、ジノカップ(dinocap)、ジノブトン(dinobuton);
- 無機活性化合物:ボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
- その他:スピロキサミン(spiroxamine)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、メトラフェノン(metrafenone)。
【0298】
したがって、本発明はさらに、表Bに示した組成物に関する。表Bの1列は、それぞれの場合に、式Iの化合物(成分1)(好ましくは、本明細書に好適なものとして記載した化合物のうちの1つ)および当該列に示した別の特定の活性化合物(成分2)を含有する殺菌組成物に相当する。本発明の一実施形態によれば、表Bの各列の成分1はそれぞれ、表1〜1254に具体的に個別に示した式Iの化合物のうちの1つである。
【表3】






【0299】
上記の成分2として明記した活性化合物II、それらの製法、それらの有害菌類に対する作用効果は広く知られており(http://www.hclrss.demon.co.uk/index.html参照)、それらは市販されている。IUPACに従って命名した化合物、それらの製法、およびそれらの殺菌作用も同様に知られている [EP-A 226 917; EP-A 10 28 125; EP-A 10 35 122; EP-A 12 01 648; WO 98/46608; WO 99/24413; WO 03/14103; WO 03/053145; WO 03/066609; WO 04/049804参照]。
【0300】
本発明はさらに、本発明による式I-Iのアゾロピリミジン(特に、好適なものとして上記説明中に記載した式I-Iのアゾロピリミジン)および/またはその製薬上許容される塩の医薬としての使用に関し、特に哺乳類(例えばヒト)の腫瘍を治療するためのそれらの使用に関する。したがって、本発明はまた、式I-Iの化合物を含有する、特に腫瘍治療用の、医薬を提供し、さらに、特に腫瘍治療用の、医薬を製造するための式I-Iの化合物の使用を提供する。
【実施例】
【0301】
A. 合成実施例
以下の合成実施例に記載した方法を利用して、出発化合物を適切に修飾することにより更なる化合物Iを得た。このようにして得られた化合物を、物理データと共に以下の表に示す。
【0302】
実施例1(化合物732-A5)
{5-クロロ-6-[2,6-ジフルオロ-4-(3-メトキシプロポキシ)フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル}-(2,2,2-トリフルオロエチル)アミン
6mlのテトラヒドロフラン中の0.16g (6.75mmol)の水素化ナトリウムを0.72g (8mmol)の3-メトキシ-1-プロパノールと混合し、室温で撹拌した。約15分後、0.95g (2.5mmol)の[5-クロロ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル](2,2,2-トリフルオロエチル)アミン (WO 1998/46607と同様にして製造したもの)を添加し、この混合物を60℃で一晩撹拌した。次に反応混合物を室温へと冷却し、酢酸エチルで希釈して、水および希塩酸と混合した。相を分離し、水相を酢酸エチルで2回以上抽出した。その後合わせた有機相を乾燥させ、濃縮し、残留物を、アセトニトリル/水の混合溶媒を用いてRP 18シリカゲルの分離用MPLCで精製した。これにより、0.15g (13.6%)の表題化合物が黄色のオイルとして得られた。
【0303】
1H NMR (CDCl3, δ/ppm):
8.4 (s, 1H); 6.65 (d, 2H); 6.2 (t, 幅広, 1H); 4.2 (m, 2H); 4.1 (t, 2H); 3.55 (t, 2H); 3.4 (s, 3H); 2.1 (m, 2H)。
【0304】
実施例2(化合物740-A8)
{5-クロロ-6-[4-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]-ピリミジン-7-イル}-(S)-(2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)アミン
10mlのテトラヒドロフラン中の0.32g (13.4mmol)の水素化ナトリウムを1.63g (15.8mmol)の3-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパノールと混合し、室温で撹拌した。約15分後、2g (5mmol)の5-クロロ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル-(S)-(2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)アミン (WO 1998/46607と同様にして製造したもの) を添加し、この混合物を60℃で一晩撹拌した。次に反応混合物を室温へと冷却し、水で希釈し、水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を蒸発により濃縮し、残留物を、酢酸エチル/メタノールの混合溶媒を用いてシリカゲルで吸引濾過した。その後、最初にロータリーエバポレーターで、次に高真空下でのKugelrohr蒸留器で、揮発性成分を蒸発させて除いた。これにより、1.5g (63%)の表題化合物が黄色のオイルとして得られた。
【0305】
1H NMR (CDCl3, δ/ppm):
8.4 (s, 1H); 6.65 (m, 2H); 5.9 (d, 幅広, 1H); 4.8 (m, 1H); 4.1 (t, 2H); 2.5 (t, 2H); 2.3 (s, 6H); 2.0 (m, 2H); 1.4 (d, 3H)。
【0306】
表Iに示した、残りの式I-Iの化合物を同様の方法で製造した。
【表4】




【0307】
実施例3(化合物739-A4、II-1)
{3-[4-(7-シクロヘキシル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロ-フェノキシ]-プロピル}-ジメチル-アミンの合成
3.1 6-(4-tert-ブトキシ-2,6-ジフルオロ-フェニル)-7-シクロヘキシル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン
600mlのジメチルスルホキシド中の56g (0.5mol)のカリウム-t-ブタノラートおよび37g (0.1mol)の7-シクロヘキシル-5-メチル-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンを室温で一晩撹拌した。次にこの反応混合物を水で希釈し、希塩酸で酸性化し、メチル-t-ブチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相を水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させてから濃縮した。残留物を、シクロヘキサノール/酢酸エチルの混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、26.2g (61%)の表題化合物が黄色のオイルとして得られた。
1H-NMR (CDCl3):
8,45 (s, 1H); 6,75 (d, 2H); 2,9 (s, 幅広, 1H); 2,45 (m, 5H); 1,8 (d, 幅広, 2H); 1,7 (m, 3H); 1,5 (s, 9H); 1,2 (m, 幅広, 3H)。
【0308】
3.2 4-(7-シクロヘキシル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロ-フェノール
100mlのトリフルオロ酢酸中の26.2g (0.071mol)の6-(4-tert-ブトキシ-2,6-ジフルオロフェニル)-7-シクロヘキシル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンを室温で4時間撹拌した。次にこの反応混合物を真空濃縮し、残留物を酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム溶液と混合した。固体が沈殿したので、これを吸引濾過し、ヘキサンで洗浄して乾燥させた。母液を濃縮して、2番目の結晶画分を得た。これにより、合計20.8g (79%)の表題化合物が淡い色の固体(融点:290〜292℃)として得られた。
【0309】
1H-NMR (DMSO-d6):
10,95 (s, 1H); 6,75 (d, 2H); 2,95 (s, 幅広, 1H); 2,35 (m, 5H); 1,8 (d, 幅広, 2H); 1,6 (m, 3H); 1,2 (m, 3H)。
【0310】
3.3 {3-[4-(7-シクロヘキシル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロ-フェノキシ]-プロピル}-ジメチル-アミン
10mlのテトラヒドロフラン中の1.05g (3mmol)の -(7-シクロヘキシル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロ-フェノール、1.2gのトリフェニルホスフィンおよび0.41g (4mmol)のジメチルアミノプロパノールを滴下しながら、0.75g (4.5mol)のジエチルアゾジカルボキシラートと混合した。わずかな発熱が生じた。2時間後、反応混合物を濃縮したところ、固体が沈殿した(トリフェニルホスフィンオキシド)。この沈殿物をメチル-t-ブチルエーテルと共に撹拌し、吸引濾過して捨てた。母液を濃縮し、残留物を、酢酸エチル/メタノールの混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、1.3gの表題化合物が粘性の塊として得られ、これは徐々に結晶化した(融点:95〜97℃)。
【0311】
1H-NMR (CDCl3):
8,45 (s, 1H); 6,65 (d, 2H); 4,15 (t, 2H); 2,9 (s, 幅広, 1H); 2,5 (t, 2H); 2,4 (s, 3H); 2,3 (s, 6H); 2,0 (m, 2H); 1,8 (d, 幅広, 3H); 1,7 (m, 2H); 1,2 (m, 3H)。
【0312】
表2に示した、残りの式I-IIの化合物を同様の方法で製造した。
【表5】

【0313】
B. 生物学的実施例
活性化合物の処方
本活性化合物は別々にまたは一緒に、25mgの活性化合物を含む原液として調製した。これは、アセトンおよび/またはDMSOと乳化剤Wettol(エトキシル化アルキルフェノール系の乳化および分散作用を有する湿潤剤)との混合物(溶剤/乳化剤99:1の容量比)を用いて10mlにし、次にこの混合物に水を加えて100mlにしたものである。この原液を記載した溶剤/乳化剤/水の混合物を用いて下記の活性化合物濃度に希釈した。
【0314】
使用例1−Alternaria solaniが原因のトマトの輪紋病(early blight)に対する効力
鉢植えのトマトの葉に、下記濃度の本活性化合物を含む水性懸濁液を流れ落ちる程度までスプレーした。翌日、処理した葉に2%バイオモルト(biomalt)溶液中のAlternaria solaniの胞子の水性懸濁液(0.17×106胞子/mlの密度)を感染させた。その後、この植物を20〜22℃の水蒸気飽和チャンバーに入れた。5日後、未処理のまま感染させた植物(対照)には、その感染を肉眼により%で評価できる程度に病気が発生していた。
【0315】
この試験では、250ppmの活性成分濃度の化合物I-1、I-2、I-3、I-5、I-6、I-7、I-8、I-17、I-20、I-21、I-22、I-28、I-30、I-32、I-33、II-1、II-2、II-3、II-4およびII-5で処理した植物はせいぜい15%しか感染していなかったが、未処理の植物は90%が感染していた。
【0316】
使用例2−Erysiphe [同義語 Blumeria] graminis forma specialis. triticiが原因のコムギの赤さび病(brown rust)に対する効力
鉢植えのコムギ苗の葉に、下記濃度の本活性化合物を含む水性懸濁液を流れ落ちる程度までスプレーした。懸濁液または乳濁液は上記のとおりに調製した。スプレー層が乾いてから24時間後、コムギの赤さび病の胞子(Erysiphe [同義語 Blumeria] graminis forma specialis. tritici)をまぶした。その後、被験植物を温度20〜24℃、相対大気湿度60〜90%の温室に入れた。7日後、赤さび病の発生の程度を葉の全面積に対する感染%として肉眼で評価した。
【0317】
この試験では、250ppmの濃度の化合物I-1、I-2、I-3、I-4およびI-5で処理した植物はせいぜい10%しか感染していなかったが、未処理の植物は90%が感染していた。
【0318】
使用例3−Phytophthora infestansが原因のトマトの疫病(late blight)に対する保護的処理による活性
鉢植えのトマトの葉に、下記濃度の本活性化合物を含む水性懸濁液を流れ落ちる程度までスプレーした。翌日、処理した葉にPhytophthora infestansの胞子嚢の水性懸濁液を感染させた。その後、この植物を18〜20℃の水蒸気飽和チャンバーに入れた。6日後、未処理のまま感染させた植物(対照)には、その感染を%として肉眼で評価できる程度に疫病が発生していた。
【0319】
この試験では、250ppmの濃度の化合物I-4、I-9、I-11、I-15、I-16、I-17、I-20、I-21、I-26、I-27、I-28、I-30、I-32、I-33、I-35、I-36、I-37、I-39、I-41、II-1、II-2、II-3、II-4およびII-5で処理した植物はせいぜい15%しか感染していなかったが、未処理の植物は90%が感染していた。
【0320】
使用例4−Pyrenophora teresが原因のオオムギの網斑病(net blotch)に対する1日の保護的施用による活性
鉢植えのオオムギ苗の葉に、下記濃度の本活性化合物を含む水性懸濁液を流れ落ちる程度までスプレーした。スプレー層が乾いてから24時間後、被験植物に網斑病(net blotch)の病原菌であるPyrenophora [同義語 Drechslera] teresの胞子の水性懸濁液を接種した。その後、この被験植物を温度20〜24℃、相対大気湿度95〜100%の温室に入れた。6日後、病気発生の程度を葉の全面積に対する感染%として肉眼で評価した。
【0321】
この試験では、250ppmの濃度の化合物I-6、I-7、I-8、I-9、I-15、I-16、I-21、I-26、I-27、I-28、I-30、I-34、I-35、I-36、II-1、II-2、II-3、II-4およびII-5で処理した植物はせいぜい15%しか感染していなかったが、未処理の植物は90%が感染していた。
【0322】
使用例5−コムギのPuccinia recondita(コムギ赤さび病)に対する保護的活性
鉢植えのコムギ苗の葉に、下記濃度の本活性化合物を含む水性懸濁液をずぶぬれになるまでスプレーした。翌日、処理した葉にコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の胞子をまぶした。その後、この植物を20〜22℃の高大気湿度(90〜95%)チャンバーに24時間入れた。この間に胞子が発芽し、発芽管が植物組織に侵入した。翌日、被験植物を温室に戻し、温度20〜22℃、相対大気湿度65〜70%でさらに7日間栽培した。その後、葉上の赤さび病発生の程度を肉眼により%で評価した。
【0323】
この試験では、250ppmの濃度の化合物I-11、I-13、I-22、I-34およびI-37で処理した植物はせいぜい15%しか感染していなかったが、未処理の植物は90%が感染していた。
【0324】
マイクロ試験
マイクロ試験のために、本活性化合物をDMSO中の10,000ppm濃度の原液として別々に処方した。
【0325】
使用例6−マイクロタイター試験でのBotrytis cineraが原因の灰色かび病に対する活性
本活性化合物の原液をマイクロタイター(MTP)に分注し、菌類用のモルト(麦芽)ベースの水性栄養培地を用いて下記濃度に希釈した。続いて、Botrytis cineraの胞子の水性懸濁液を加えた。その後プレートを温度18℃、相対湿度ほぼ100%の湿潤チャンバーに入れた。接種後7日目に、MTPを405nmで吸光光度計によりスキャンした。
【0326】
測定したパラメーターを活性化合物フリーの対照サンプルの成長(100%)および病原菌フリーで活性化合物フリーのブランク値と比較して、各活性化合物における病原菌の相対成長(%)を評価した。
【0327】
これらの試験において、125ppmの活性化合物I-10、I-12、I-14、I-18、I-19、I-23、I-26、I-30、I-31、I-38およびII-6で処理された病原菌は15%未満の相対成長を示した。
【0328】
使用例7−マイクロタイター試験でのPhytophthora infestansが原因の疫病(late blight)に対する活性
本活性化合物の原液をマイクロタイター(MTP)に分注し、菌類用の豆エキスベースの水性栄養培地を用いて下記濃度に希釈した。続いて、Phytophthora infestansの胞子の水性懸濁液を加えた。その後プレートを温度18℃、相対湿度ほぼ100%の湿潤チャンバーに入れた。接種後7日目に、MTPを405nmで吸光光度計によりスキャンした。
【0329】
測定したパラメーターを活性化合物フリーの対照サンプルの成長(100%)および病原菌フリーで活性化合物フリーのブランク値と比較して、各活性化合物における病原菌の相対成長(%)を評価した。
【0330】
これらの試験において、125ppmの活性化合物I-12、I-18、I-19、I-31、I-38およびII-6で処理された病原菌は10%未満の相対成長を示した。
【0331】
使用例8−マイクロタイター試験でのSeptoria triticiが原因のセプトリア葉枯病(Septoria leaf blotch)に対する活性
本活性化合物の原液をマイクロタイター(MTP)に分注し、菌類用のモルト(麦芽)ベースの水性栄養培地を用いて下記濃度に希釈した。続いて、Septoria triticiの胞子の水性懸濁液を加えた。その後プレートを温度18℃、相対湿度ほぼ100%の湿潤チャンバーに入れた。接種後7日目に、MTPを405nmで吸光光度計によりスキャンした。
【0332】
測定したパラメーターを活性化合物フリーの対照サンプルの成長(100%)および病原菌フリーで活性化合物フリーのブランク値と比較して、各活性化合物における病原菌の相対成長(%)を評価した。
【0333】
これらの試験において、125ppmの活性化合物I-10、I-14およびI-26で処理された病原菌は15%未満の相対成長を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのアゾロピリミジン:
【化1】

[式中、
G、E、Qは、
a) GがN、EがC-W2、QがNもしくはC-W3であるか、
b) GがC-W1、EがC-W2、QがNであるか、または
c) GがC-W1、EがN、QがC-W3であり、
W1、W2、W3は、それぞれが独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-ハロアルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、ホルミル、チオカルバモイル、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C1-C4-アルコキシイミノアルキル、ヒドロキシイミノアルキル、CR10R11OR12、またはC(R13)=NR14であり、
R10、R11、R12は、それぞれが独立して、水素、C1-C8-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C1-C8-アルコキシ-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、またはベンジルであり、
R11およびR12は、一緒になって、オキシ-C1-C5-アルキレンオキシであってもよく、ここで、炭素鎖はメチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、およびエトキシメチルから選択される1〜3個の基で置換されていてもよく、
R13は、水素またはC1-C8-アルキルであり、
R14は、C1-C8-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、フェニル、またはフェニルアミノであり、ここで、フェニル基は1〜5個のRb基で置換されていてもよく、
Rは、NR1R2、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C12-ハロシクロアルキルであり、ここで、Rは以下からそれぞれ独立して選択される1、2、3または4個の同一のもしくは異なるRa基を含んでいてもよく、
Raは、Rb、カルボキシル、OC(O)ORΠまたはC1-C6-アルキルチオであり、
Rbは、Rc、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルケニルオキシであり、
Rcは、水素、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、アミノ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、アミノカルボニル、C(O)NHRΠ、C(O)NRΠ2、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)であり、
あるいは、2個のRa、Rb、RC、RΠ、Rdおよび/またはRdd基は、それらが結合している原子と一緒になって、3〜12員の飽和、部分不飽和または芳香族の環を形成し、該環は炭素環式であるか、またはN、OおよびSの群から選択される1〜4個のへテロ原子を含み、また、該環は置換されていないか、または1〜4個のRd基(ハロゲンの場合には最大数まで)で置換されており、
RΠは、C1-C8-アルキル、C3-C8-アルケニル、C3-C8-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルケニルであり、
ここで、上記Ra、Rb、RcおよびRΠ基中の脂肪族基、脂環式基または芳香族基は部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または1、2もしくは3個のRd基を有していてもよく、
Rdは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)、C3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)(ここで、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルまたはアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する); シクロアルキル、シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ(ここで、該環系は3〜10個の環員を有する); アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリール-C1-C6-アルコキシ、アリール-C1-C6-アルキル、ヘタリール、ヘタリールオキシ、ヘタリールチオ(ここで、アリール基は好ましくは6〜10個の環員を有し、ヘタリール基は5または6個の環員を有し、該環系は部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または1〜3個のRdd基を有していてもよい)であり、
Rddは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、ジアルキルアミノチオカルボニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、C1-C8-アルキルイミノ(=N-C1-C8-アルキル)、C1-C8-アルコキシイミノ(=N-O-C1-C8-アルキル)、C3-C8-アルケニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルケニル)、C3-C8-アルキニルオキシイミノ(=N-O-C3-C8-アルキニル)(ここで、これらの基中のアルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、これらの基中のアルケニルまたはアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する)であり、
R1は、C1-C12-ハロアルキル、C2-C12-ハロアルケニル、またはC2-C12-ハロアルキニルであり、
R2は、H、R1、C1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-ハロシクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C3-C6-ハロシクロアルケニル、C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C3-C8-シクロアルコキシ、NH2、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、フェニル、ナフチルまたは5-もしくは6員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)、またはZ-Y-(CR7R8)p-(CR5R6)q-CR3R4-#(ここで、#は窒素原子への結合部位である)であり、そして
R3、R4、R5、R6、R7、R8は、それぞれが独立して、水素、C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-ハロアルケニル、C2-C8-アルキニル、C2-C8-ハロアルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C3-C6-ハロシクロアルケニル、フェニル、ナフチル、または5-もしくは6員の飽和、部分不飽和、または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)であり、
R5はまた、R3またはR7と共に、これらの基が結合している原子と一緒になって、5-、6-、7-、8-、9-もしくは10員の飽和または部分不飽和の環(環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSの群から選択される1、2または3個のへテロ原子を含んでいてもよく、かつ/または1個以上の置換基Raを有していてもよい)を形成することもでき、
R3はR4と、R5はR6と、R7はR8と、それぞれ一緒になって、酸素であることによりカルボニル基を形成することもでき、また、C2-C5-アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン鎖(O、NおよびSの群から選択される1、2または3個のへテロ原子により中断されてもよい)を形成することによりスピロ基を形成することもでき、
R1〜R8は、それぞれが独立して、1、2、3または4個の同一のもしくは異なるRa基を有していてもよく、
Yは、酸素または硫黄であり、
Zは、水素、カルボキシル、ホルミル、C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-ハロアルケニル、C2-C8-アルキニル、C2-C8-ハロアルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C(O)RΠ、C(O)ORΠ、C(S)ORΠ、C(O)SRΠ、C(S)SRΠ、C(NRA)SRΠ、C(S)RΠ、C(NRΠ)NRARB、C(NRΠ)RA、C(NRΠ)ORA、C(O)NRARB、C(S)NRARB、C1-C8-アルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルチオ、C1-C8-アルキルスルホニル、C(O)-C1-C4-アルキレン-NRAC(NRΠ)NRARB、C(S)-C1-C4-アルキレン-NRAC(NRΠ)NRARB、C(NRΠ)-C1-C4-アルキレン-NRAC(NRΠ)NRARB、フェニル、ナフチル、5-、6-、7-、8-、9-または10員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含み、かつ直接結合されるか、またはカルボニル、チオカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルもしくはC1-C4-アルキルチオカルボニル基を介して結合される)であり、Z基中の炭素鎖は1個以上のRb基で置換されていてもよく、
RA、RBは、それぞれが独立して、水素、C2-アルケニル、C2-アルキニル、またはRΠについて挙げた基のうちの1つであり、
RAおよびRBは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、またはRAおよびRΠは、それらが結合している炭素原子およびへテロ原子と一緒になって、5-もしくは6員の飽和、部分不飽和、または芳香族の環(環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSの群から選択される1、2または3個の更なるへテロ原子を含んでいてもよく、かつ/または1個以上の置換基Raを有していてもよい)を形成することもでき、
あるいは、
Zは、R6またはR8と共に、5-もしくは6員の飽和または部分不飽和の環(環員として、炭素原子およびYだけでなく、NおよびSの群から選択される1または2個の更なるへテロ原子を含んでいてもよく、かつ/または1個以上の置換基Raを有していてもよい)を形成することもでき、
該Z基は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または1、2もしくは3個のRb基を有していてもよく、
Wは、フェニルまたは5-もしくは6員のヘテロアリール(環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSの群から選択される1、2または3個の更なるへテロ原子を含む)であり、ここで該環系は、Lm基のみならず、少なくとも1個の置換基P1を有し、
P1は、Y1-Y2-Tであり、
Y1は、CRaRa’、C(O)O、C(O)NRb、O、NRbまたはS(O)rであり、
Y2は、C3-C8-アルキレン、C2-C8-アルケニレン、C2-C8-アルキニレン、C3-C8-アルキレン-(Y3-(C2-C4-アルキレン))s、C3-C8-アルケニレン-(Y3-(C2-C4-アルキレン))s、C3-C8-アルキニレン-(Y3-(C2-C4-アルキレン))sであり、そして、RがC3-C6-シクロアルキルもしくはC3-C12-ハロシクロアルキルであり、かつ/またはY1がCRaRa’、C(O)O、CONRb、NRbもしくはS(O)rである場合には、C1-C2-アルキレンであってもよく、かつ/またはTがOC(O)Ra、NRbRb’、C(O)NRbRb’、C(NORc)RaもしくはT1-C(=T2)-T3である場合には、C1-C2-アルキレンであってもよく、
Y3は、O、SまたはNRbであり、
rは、0、1または2であり、
sは、1または2、好ましくは1であり、
Tは、ORc、OC(O)Ra、NRbRb’、C(O)NRbRb’、C(NORc)Ra、T1-C(=T2)-T3であり、RがNR1R2もしくはC3-C12-ハロシクロアルキルと定義される場合には、C(O)ORcまたはC(ORc)2Raであってもよく、
T1はO、NRbであり、
T2はO、S、NRbであり、
T3はRa、ORc、SRc、NRbRb’であり、
ここで、Ra’およびRb’は、それぞれRaおよびRbから独立して、これらの基について定義したとおりであり、
Lは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアナト(OCN)、シアノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C8-アルコキシ、C1-C8-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C6-シクロアルキルオキシ、C3-C6-シクロアルケニルオキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)-アルキルアミノ、C1-C4-アルキルカルボニルアミノ、C(O)-RΦ、C(S)-RΦ、S(O)n-RΦ; C1-C8-アルコキシイミノ-(C1-C8)-アルキル、C2-C10-アルケニルオキシイミノ-(C1-C8)-アルキル、C2-C10-アルキニルオキシイミノ-(C1-C8)-アルキル、C2-C10-アルキニルカルボニル、C3-C6-シクロアルキルカルボニル、または5-、6-、7-、8-、9-もしくは10員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環(O、NおよびSの群から選択される1、2、3または4個のへテロ原子を含む)であり、
RΦは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニルオキシ、C2-C4-アルキニルオキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、またはジ-C1-C4-アルキルアミノであり、ここで、該RΦ基は1、2もしくは3個の同一のまたは異なるRb基で置換されていてもよく、
nは、ゼロ、1または2であり、
mは、ゼロ、1、2、3、4または5であり、そして
Xは、ハロゲン、シアノ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシである]
およびその農業上許容される塩の、有害な植物病原菌類を防除するための使用。
【請求項2】
式Iの化合物が式I.a:
【化2】

に相当する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式Iの化合物が式I.b:
【化3】

[式中、R’は炭素を介して結合された請求項1に記載のR基である]
に相当する、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
式I中のXがハロゲンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
式I中のXがメチルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
式I中のXがメトキシまたはシアノである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
WがP1およびLmで置換されたフェニルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
GがN、EがC-W2、そしてQがNである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【化4】

【請求項9】
GがN、EがC-W2、そしてQがC-W3である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【化5】

【請求項10】
GがC-W1、EがC-W2、そしてQがNである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【化6】

【請求項11】
GがC-W1、EがN、そしてQがC-W3である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【化7】

【請求項12】
P1が酸素を介して結合された基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
固体または液体の担体、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、及び更なる農薬活性成分を含有する組成物。
【請求項14】
100kgあたり1〜1000gの量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む種子。
【請求項15】
有害な植物病原菌類、または菌類感染から保護すべき材料、植物、土壌もしくは種子を、有効量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物で処理することを含んでなる、有害な植物病原菌類の防除方法。
【請求項16】
Y1がC(O)O、C(O)NRA、またはS(O)tであり、
Eが1または2であり、そして
残りの記号および指数がそれぞれ請求項1で式Iに関して定義したとおりである、
式Iのアゾロピリミジン。
【請求項17】
TがORc (ここでRcは水素以外)、OC(O)Ra、NRbRb’、C(O)NRbRb’、C(NORc)Ra、T1-C(=T2)-T3であり、RがNR1R2またはC3-C12-ハロシクロアルキルと定義される場合には、C(O)ORcまたはC(ORc)2Rdであってもよく、そして
残りの記号および指数がそれぞれ請求項1で式Iに関して定義したとおりである、
式Iのアゾロピリミジン。
【請求項18】
Wが5-もしくは6員のヘテロアリール(環員として、炭素原子だけでなく、O、NおよびSの群から選択される1、2または3個の更なるへテロ原子を含む)であり、ここで該環系は、Lm基のみならず、少なくとも1個の置換基P1を有し、そして
残りの記号および指数がそれぞれ請求項1で式Iに関して定義したとおりである、
式Iのアゾロピリミジン。
【請求項19】
G、E、Qが、
a) GがN、EがC-W2、QがNもしくはC-W3であるか、
b) GがC-W1、EがC-W2、QがNであるか、または
c) GがC-W1、EがN、QがC-W3であり、そして
残りの記号および指数がそれぞれ請求項1で式Iに関して定義したとおりである、
式Iのアゾロピリミジン。
【請求項20】
XがF、I、シアノ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり、そして
残りの記号および指数がそれぞれ請求項1で式Iに関して定義したとおりである、
式Iのアゾロピリミジン。
【請求項21】
RがC3-C12-ハロシクロアルキルであり、そして
残りの記号および指数がそれぞれ請求項1で式Iに関して定義したとおりである、
式Iのアゾロピリミジン。
【請求項22】
固体または液体の担体、及び請求項16〜21のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含有する組成物。

【公表番号】特表2010−515669(P2010−515669A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544418(P2009−544418)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050093
【国際公開番号】WO2008/084027
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】