説明

有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法

【課題】有害生物に対して優れた防除効力を有する有害生物防除組成物を提供すること。
【解決手段】[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとを有効成分として含有する有害生物防除組成物;および該有害生物防除組成物の有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートは殺虫・殺ダニ剤の有効成分として知られている(例えば、特許文献1)。
また、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートも有害生物防除剤の有効成分として知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら使用場面および対象害虫によっては、有害生物防除組成物に、より優れた防除効力を必要とされる場合がある。
【0003】
【特許文献1】特公昭60−9715号公報
【特許文献2】特開2004−2363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害生物に対して優れた防除効力を有する有害生物防除組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意検討した結果、[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとを含有する組成物が、有害生物に対して優れた防除効力を有することを見出し、本発明に到った。
【0006】
即ち、本発明は以下のものである。
[発明1]
[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、本エステル化合物Aと記す。)と、
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、本エステル化合物Bと記す。)とを有効成分として含有する有害生物防除組成物。
[発明2]
本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとの含有割合が重量比で50:1〜1:50である発明1記載の組成物。
[発明3]
本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとを有効成分として含有する有害生物防除組成物の有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物の防除方法。
[発明4]
有害生物防除組成物における本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとの含有割合が重量比で50:1〜1:50である発明3記載の防除方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の有害生物防除組成物は、有害生物に対して優れた防除効力を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の有害生物防除組成物は、本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとを含有することを特徴とする。
本エステル化合物Aは、下記式

で示される化合物であるが、1R−シス/トランス混合物は一般にイミプロトリンとして知られている。本エステル化合物Aは、例えば特公昭60−9715や特開昭63−238066等に記載された方法により製造することができる。また、本エステル化合物Bは、特開2004−2363号公報に記載された方法により製造することができる。
本エステル化合物Aおよび本エステル化合物Bには、シクロプロパン環上の2つの不斉炭素に基づく異性体が存在し、また炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体を任意の比率で含有するものを使用することができる。
【0009】
本発明の有害生物防除組成物が効力を有する有害生物としては、例えば有害昆虫、有害ダニ類等の有害節足動物が挙げられ、具体的には以下のものが挙げられる。
【0010】
鱗翅目害虫:ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫(Agrotisspp.)、ヘリコベルパ属害虫(Helicoverpa spp.)ヘリオティス属害虫(Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
双翅目害虫:アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ハモグリバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等
隠翅目害虫:イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ等
シラミ目害虫:ヒトジラミ、ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミ等
等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
半翅目害虫:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、トコジラミ等のトコジラミ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鞘翅目害虫:ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
直翅目害虫:ケラ、バッタ等
ダニ類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類、トリサシダニ、ワクモ等のワクモ類。
【0011】
本発明の有害生物防除組成物は、特に双翅目害虫、網翅目害虫および膜翅目害虫に対して、優れた防除効力を有する。
【0012】
本発明の有害生物防除組成物において、本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとの含有割合は重量比で通常200:1〜1:200であり、好ましくは100:1〜1:100であり、さらに好ましくは50:1〜1:50である。
【0013】
本発明の有害生物防除組成物は、本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとの混合物をそのまま用いてもよいが、通常は下記のような製剤として使用する。その製剤としては、例えば油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、マイクロカプセル剤、粉剤、粒剤、錠剤、エアゾール剤、炭酸ガス製剤、加熱蒸散剤(殺虫線香、電気殺虫マット、吸液芯型加熱蒸散殺虫剤等)、ピエゾ式殺虫製剤、加熱燻煙剤(自己燃焼型燻煙剤、化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等)、非加熱蒸散剤(樹脂蒸散剤、紙蒸散剤、不織布蒸散剤、編織物蒸散剤、昇華性錠剤等)、煙霧剤(フォッキング等)、直接接触剤(シート状接触剤、テープ状接触剤、ネット状接触剤等)、ULV剤及び毒餌が挙げられる。
【0014】
製剤化の方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
(1)本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとを、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌等と混合し、必要であれば界面活性剤その他の製剤用補助剤を添加・加工する方法。
(2)本エステル化合物Aと本エステル化合物Bとを、有効成分を含有していない基材に含浸する方法。
(3)本エステル化合物A、本エステル化合物B及び基材を混合した後に成形加工する方法。
これらの製剤には、本エステル化合物A及び本エステル化合物Bを、製剤形態にもよるが、合計量にして通常0.001〜98重量%含有する。
【0015】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、塩安、尿素等)等の微粉末及び粒状物、常温で固体の物質(2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、ナフタリン、p−ジクロロベンゼン、樟脳、アダマンタン等)、並びに羊毛、絹、綿、麻、パルプ、合成樹脂(例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン−ビニルカルボン酸共重合体;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリブタジエン、ポリスチレン;アクリロニトリル−スチレン樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物等のスチレン系エラストマー;フッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレエート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリルサルフォン、ポリアクリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡エチレン等の多孔質樹脂)、ガラス、金属、セラミック等の1種または2種以上からなるフェルト、繊維、布、編物、シート、紙、糸、発泡体、多孔質体及びマルチフィラメントが挙げられる。
【0016】
液体担体としては、例えば芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン等)、炭酸アルキリデン類(炭酸プロピレン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、植物精油(オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等)、及び水が挙げられる。
【0017】
ガス状担体としては、例えばブタンガス、フロンガス、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、及び炭酸ガスが挙げられる。
【0018】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類及び糖アルコール誘導体が挙げられる。
【0019】
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、及びBHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
【0020】
殺虫線香の基材としては、例えば木粉、粕粉等の植物性粉末とタブ粉、スターチ、グルティン等の結合剤との混合物が挙げられる。
殺虫電気マットの基材としては、例えばコットンリンターを板状に固めたもの、及びコットンリンターとパルプとの混合物のフィリブルを板状に固めたものが挙げられる。
自己燃焼型燻煙剤の基材としては、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルロース、エチルセルロース、木粉等の燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩等の熱分解刺激剤、硝酸カリウム等の酸素供給剤、メラミン、小麦デンプン等の支燃剤、珪藻土等の増量剤及び合成糊料等の結合剤が挙げられる。
【0021】
化学反応型燻煙剤の基材としては、例えば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土等の触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、及び、天然繊維片、合成繊維片等の充填剤が挙げられる。
【0022】
樹脂蒸散剤等の基材に用いられる樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン−ビニルカルボン酸共重合体;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリブタジエン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−共役ジエン共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物等のスチレン系エラストマー;フッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル酸樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリルサルフォン、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンが挙げられ、これらの基材は、単独で用いても2種以上の混合物として用いても良く、これらの基材には必要によりフタル酸エステル類(フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等)、アジピン酸エステル類、ステアリン酸等の可塑剤が添加されていてもよい。樹脂蒸散剤は、本エステル化合物Aおよび本エステル化合物Bを上記基材中に混練した後、射出成型、押出成型、プレス成型等により成型することにより得ることができる。得られた樹脂製剤は、必要により更に成型、裁断等の工程を経て、板状、フィルム状、テープ状、網状、ひも状等の形状に加工することもできる。これらの樹脂製剤は、例えば動物用首輪、動物用イヤータッグ、シート製剤、誘引ひも、園芸用支柱として加工される。
【0023】
毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ粉末等の子どもやペットによる誤食防止剤、及びチーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイル等の害虫誘引性香料があげられる。
【0024】
本発明の有害生物防除組成物は、本エステル化合物Aおよび本エステル化合物Bの他に、他の害虫防除剤、忌避剤、共力剤等を混用または併用してもよい。
混用または併用することのできる他の害虫防除剤の有効成分としては、例えば
(1)合成ピレスロイド系化合物
アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、ベータ−シフルトリン(beta−cyfluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、エンペントリン(empenthrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェンプロックス(flufenoprox)、フルメトリン(flumethrin)、フルバリネート(fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ペルメトリン(permethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、シグマ−サイパーメトリン(sigma−cypermethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、フェノトリン(phenothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、アルファシペルメトリン(alpha−cypermethrin)、ゼータシペルメトリン(zeta−cypermethrin)、ラムダシハロトリン(lambda−cyhalothrin)、ガンマシハロトリン(gamma−cyhalothrin)、フラメトリン(furamethrin)、タウフルバリネート(tau−fluvalinate)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等;
(2)有機リン系化合物
アセフェート(acephate)、りん化アルミニウム(Aluminium phosphide)、ブタチオホス(butathiofos)、キャドサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(ch1orfenvinphos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、シアノホス(cyanophos:CYAP)、ダイアジノン(diazinon)、DCIP(dichlorodiisopropyl ether)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion:ECP)、ジクロルボス(dichlorvos:DDVP)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、エトリムホス(etrimfos)、フェンチオン(fenthion:MPP)、フエニトロチオン(fenitrothion:MEP)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホルモチオン(formothion)、りん化水素(Hydrogen phosphide)、イソフェンホス(isofenphos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メチダチオン(methidathion:DMTP)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレッド(naled:BRP)、オキシデプロホス(oxydeprofos:ESP)、パラチオン(parathion)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet:PMP)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methy1)、ピリダフェンチオン(pyridafenthion)、キナルホス(quinalphos)、フェントエート(phenthoate:PAP)、プロフェノホス(profenofos)、プロパホス(propaphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclorfos)、サリチオン(salithion)、スルプロホス(sulprofos)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テトラクロルビンホス(tetrach1orvinphos)、テルブホス(terbufos)、チオメトン(thiometon)、トリクロルホン(trichlorphon:DEP)、バミドチオン(vamidothion)、フォレート(phorate)、カズサホス(cadusafos)等;
(3)カーバメート系化合物
アラニカルブ(alanycarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、BPMC、カルバリル(carbary1)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、クロエトカルブ(cloethocarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb:MIPC)、メトルカルブ(metolcarb)、 メソミル(methomyl)、メチオカルブ(methiocarb)、NAC、オキサミル(oxamyl)、ピリミカーブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur:PHC)、XMC、チオジカルブ(thiodicarb)、 キシリルカルブ(xylylcarb)、アルジカルブ(aldicarb)等;
(4)ネライストキシン系化合物
カルタップ(cartap)、ベンスルタップ(bensu1tap)、チオシクラム(thiocyclam)、モノスルタップ(monosultap)、ビスルタップ(bisultap)等;
(5)ネオニコチノイド系化合物
イミダクロプリド(imidac1oprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアクロプリド(thiacloprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、クロチアニジン(clothianidin)等;
(6)ベンゾイル尿素系化合物
クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルアズロン(fluazuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、トリアズロン(triazuron)等;
(7)フェニルピラゾール系化合物
アセトプロール(acetoprole)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fiproni1)、バニリプロール(vaniliprole)、ピリプロール(pyriprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)等;
(8)Btトキシン系殺虫剤
バチルス・チューリンゲンシス菌由来の生芽胞および産生結晶毒素、並びにそれらの混合物;
(9)ヒドラジン系化合物
クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)等;
(10)有機塩素系化合物
アルドリン(aldrin)、ディルドリン(dieldrin)、ジエノクロル(dienochlor)、エンドスルファン(endosulfan)、メトキシクロル(methoxychlor)等;
(11)天然系殺虫剤
マシン油(machine oil)、硫酸ニコチン(nicotine−sulfate);
(12)その他の殺虫剤
アベルメクチン(avermectin−B)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、ブプロフェジン(buprofezin)、クロルフェナピル(chlorphenapyr)、シロマジン(cyromazine)、D−D(1,3−Dichloropropene)、エマメクチンベンゾエート(emamectin−benzoate)、フェナザキン(fenazaquin)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、ハイドロプレン(hydroprene)、メトプレン(methoprene)、インドキサカルブ(indoxacarb)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、ミルベマイシンA(milbemycin−A)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、スピノサッド(spinosad)、スルフラミド(sulfluramid)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、トリアゼメイト(triazamate)、フルベンジアミド(flubendiamide)、レピメクチン(lepimectin)、亜ひ酸(Arsenic acid)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、石灰窒素(Calcium cyanamide)、石灰硫黄合剤(Calcium polysulfide)、クロルデン(chlordane)、DDT、DSP、フルフェネリウム(flufenerim)、フロニカミド(flonicamid)、フルリムフェン(flurimfen)、ホルメタネート(formetanate)、メタム・アンモニウム(metam−ammonium)、メタム・ナトリウム(metam−sodium)、臭化メチル(Methyl bromide)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、プロトリフェンビュート(protrifenbute)、スピロメシフェン(spiromesifen)、硫黄(Sulfur)、メタフルミゾン(metaflumizone)、スピロテトラマット(spirotetramat)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、スピネトラム(spinetoram)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、トラロピリル(tralopyril)、下記式(A)

「式中、Xa1はメチル基、塩素原子、臭素原子またはフッ素原子を表し、Xa2はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−C4ハロアルキル基またはC1−C4ハロアルコキシ基を表し、Xa3はフッ素原子、塩素原子または臭素原子を表し、Xa4は置換されていてもよいC1−C4アルキル、置換されていてもよいC3−C4アルケニル、置換されていてもよいC3−C4アルキニル、置換されていてもよいC3−C5シクロアルキルアルキルまたは水素原子を表し、Xa5は水素原子またはメチル基を表し、Xa6は水素原子、フッ素原子または塩素原子を表し、Xa7は水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。」
で示されるいずれかの化合物、
下記式(B)

「式中、Xb1はXb2−NH−C(=O)基、Xb2−C(=O)−NH−CH2基、Xb3−S(O)基、置換されていてもよいピロール−1−イル基、置換されていてもよいイミダゾール−1−イル基、置換されていてもよいピラゾール−1−イル基または置換されていてもよい1,2,4−トリアゾール−1−イル基を表し、Xb2は2,2,2−トリフルオロエチル基等の置換されていてもよいC1−C4ハロアルキル基またはシクロプロピル基等の置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基を表し、Xb3はメチル等の置換されていてもよいC1−C4アルキル基を表し、Xb4は水素原子、塩素原子、シアノ基またはメチル基を表す。」」
で示されるいずれかの化合物、下記式(C)

「式中、Xc1は3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換されていてもよいC1−C4アルキル基、2,2,2−トリクロロエトキシ基等の置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基、4−シアノフェニル基等の置換されていてもよいフェニル基または2−クロロ−3−ピリジル基等の置換されていてもよいピリジル基を表し、Xc2はメチル基またはトリフルオロメチルチオ基を表し、Xc3はメチル基またはハロゲン原子を表す。」
で示されるいずれかの化合物等が挙げられる。
【0025】
忌避剤の有効成分としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール、MGK−R−326、MGK−R−874及びBAY−KBR−3023が挙げられる。
共力剤としては、例えば、5−〔2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシメチル〕−6−プロピル−1,3−ベンゾジオキソール、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、オクタクロロジプロピルエーテル、チオシアノ酢酸イソボルニル、N−(2−エチルへキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドが挙げられる。
【0026】
本発明の有害生物の防除方法は、本発明の有害生物防除組成物を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することにより行われる。
本発明の有害生物防除組成物の施用方法としては、具体的には、例えば以下の方法が挙げられ、本発明の有害生物防除組成物の形態、使用場所等に応じて適宜選択できる。
(1)本発明の有害生物防除組成物をそのまま有害生物又は有害生物の生息場所に処理する方法。
(2)本発明の有害生物防除組成物を水等の溶媒で希釈した後に、有害生物又は有害生物の生息場所に散布処理する方法。
この場合には、通常、乳剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル製剤等に製剤化された本発明の有害生物防除組成物を、本エステル化合物A及び本エステル化合物Bの合計の濃度が合計で0.01〜1000ppmとなるように希釈する。
(3)本発明の有害生物防除組成物を有害生物の生息場所で加熱し、有効成分を揮散させる方法。
この場合、本エステル化合物A及び本エステル化合物Bの施用量、施用濃度はいずれも本発明の有害生物防除組成物の形態、施用時期、施用場所、施用方法、有害生物の種類、被害状況等に応じて適宜定めることができる。
【0027】
本発明の有害生物防除組成物を防疫用として用いる場合は、その施用量は空間に適用するときは、本エステル化合物A及び本エステル化合物Bの合計量として通常0.0001〜1000mg/m3であり、平面に適用するときは0.0001〜1000mg/m2である。殺虫線香、電気殺虫マット等はその製剤形態に応じて加熱により有効成分を揮散させて施用する。樹脂蒸散剤、紙蒸散剤、不織布蒸散剤、編織物蒸散剤、昇華性錠剤等は例えば施用する空間にそのまま放置する、および、該製剤を送風下に設置することにより使用できる。
本発明の有害生物防除組成物を防疫用として施用する空間としては、例えばクローゼット、押入れ、和ダンス、食器棚、トイレ、浴場、物置、居間、食堂、倉庫、車内等が挙げられ、さらに野外の開放空間で施用することもできる。
【0028】
本発明の有害生物防除組成物をウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等の家畜、イヌ、ネコ、ラット、マウス等の小動物の外部寄生虫防除に用いる場合は、獣医学的に公知の方法で動物に使用することができる。具体的な使用方法としては、全身抑制(systemic control)を目的にする場合には、例えば錠剤、飼料混入、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)により投与され、非全身的抑制(non-systemic control)を目的とする場合には、例えば油剤若しくは水性液剤を噴霧する、ポアオン(pour-on)処理若しくはスポットオン(spot-on)処理する、シャンプー製剤で動物を洗う又は樹脂蒸散剤を首輪や耳札にして動物に付ける等の方法により用いられる。動物体に投与する場合の本エステル化合物A及び本エステル化合物Bの合計量は、通常動物の体重1kgに対して、0.01〜1000mgの範囲である。
【実施例】
【0029】
以下、製剤例及び試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
まず、本発明の有害生物防除組成物の製剤例を示す。尚、実施例において、特に明記しない限り、部は質量部を意味する。
【0030】
製剤例1
本エステル化合物A 9部と本エステル化合物B 0.9部とを、キシレン 37.5部およびN,N−ジメチルホルムアミド 37.5部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 9.1部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 6部を加え、よく撹拌混合して、乳剤を得る。
【0031】
製剤例2
本エステル化合物A 20部と本エステル化合物B 20部とに、ソルポール5060(東邦化学登録商標名)5部を加え、よく混合して、カープレックス#80(塩野義製薬登録商標名、合成含水酸化ケイ素微粉末)32部、300メッシュ珪藻土 23部を加え、ジュースミキサーで混合して、水和剤を得る。
【0032】
製剤例3
本エステル化合物A 3部と本エステル化合物B 0.3部とに、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5部、ベントナイト 30部およびクレー 56.7部を加え、よく撹拌混合し、ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに撹拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して、粒剤を得る。
【0033】
製剤例4
本エステル化合物A 5部、本エステル化合物B 0.5部、合成含水酸化珪素微粉末 1部、凝集剤としてドリレスB(三共製)1部およびクレー 7部を乳鉢でよく混合した後に、ジュースミキサーで撹拌混合する。得られた混合物にカットクレー 85.5部を加えて、充分撹拌混合し、粉剤を得る。
【0034】
製剤例5
本エステル化合物A 10部、本エステル化合物B 1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩を半分量含むホワイトカーボン 35部及び水 54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、製剤を得る。
【0035】
製剤例6
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.85部に混合して、油剤を得る。
【0036】
製剤例7
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とアレスリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0037】
製剤例8
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とベータシフルトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0038】
製剤例9
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とビフェントリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0039】
製剤例10
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とシフルトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0040】
製剤例11
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とシハロトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0041】
製剤例12
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とシペルメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0042】
製剤例13
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とシハロトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0043】
製剤例14
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とシペルメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0044】
製剤例15
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とエンペントリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0045】
製剤例16
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とデルタメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0046】
製剤例17
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とフェンプロパトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0047】
製剤例18
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とフルメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0048】
製剤例19
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とペルメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0049】
製剤例20
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とテフルトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0050】
製剤例21
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とトラロメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0051】
製剤例22
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とトランスフルトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0052】
製剤例23
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とテトラメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0053】
製剤例24
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とフェノトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0054】
製剤例25
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とシフェノトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0055】
製剤例26
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とアルファシペルメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0056】
製剤例27
本エステル化合物A 0.05部と本エステル化合物B 0.1部とフラメトリン0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.75部に混合して、油剤を得る。
【0057】
製剤例28
本エステル化合物A 0.1部、本エステル化合物B 0.05部およびネオチオゾール(中央化成株式会社)49.85部をエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル 25部及びLPG 25部を充填し、振とうを加え、アクチュエータを装着することにより、油性エアゾールを得る。
【0058】
製剤例29
本エステル化合物A 0.5部、本エステル化合物B 0.05部、BHT 0.01部、キシレン 5部、脱臭灯油 3.44部および乳化剤{アトモス300(アトラスケミカル社登録商標名)}1部からなる混合物と、蒸留水 50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付け、該バルブを通じて噴射剤(LPG)40部を加圧充填して、水性エアゾールを得る。
【0059】
製剤例30
0.5cm(厚さ)×69cm(長さ)×0.2cm(幅)のハニカム構造の紙細工片を一方の端から巻いて、直径5.5cm、高さ0.2cmの略円柱状の担体を作製する。本エステル化合物A 5部と本エステル化合物B 0.5部とをアセトン94.5部に溶解した溶液の適量を、前記担体に均一に塗布した後、アセトンを風乾させて、紙蒸散剤を得る。
【0060】
製剤例31
立体編地(商品名:フュージョン、型番:AKE69440、販売元:旭化成せんい株式会社、厚さ:4.3mm、目付:321g/m2、ポリアミド製)を直径5cmの略円形状に裁断する。本エステル化合物A 5部と本エステル化合物B 0.5部とをアセトン94.5部に溶解した溶液の適量を、前記の裁断した立体編地に均一に塗布した後、アセトンを風乾させて、編織物蒸散剤を得る。
【0061】
製剤例32
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(メタクリル酸メチル含有量:10重量%、MFR=2〔g/10min〕)97.8重量部、本エステル化合物A 2部および本エステル化合物B 0.2部を、45mmφ同方向二軸押出機にて130℃で溶融混練し、更に40mmφ押出機にて150℃で溶融混練し、Tダイからシート状に押出し、冷却ロールにて冷却して、樹脂蒸散剤を得る。
【0062】
製剤例33
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:10重量%、MFR=2〔g/10min〕)97.8重量部、本エステル化合物A 2部および本エステル化合物B 0.2部を、45mmφ同方向二軸押出機にて130℃で溶融混練し、更に40mmφ押出機にて150℃で溶融混練し、Tダイからシート状に押出し、冷却ロールにて冷却して、樹脂蒸散剤を得る。
【0063】
製剤例34
本エステル化合物A 5部と本エステル化合物B 0.5部とをアセトン94.5部に溶解する。この溶液の適当量を折り畳み可能な構造を有する紙(2000cm2)に塗布し、アセトンを風乾して、紙蒸散剤を得る。
【0064】
製剤例35
本エステル化合物A 3部と本エステル化合物B 0.3部とをアセトン 14.6部に溶解し溶液を得る。この溶液に、酸化亜鉛 0.2部、α澱粉 1.0部及びアゾジカルボンアミド 42.8部を加え、更に水38.1部を加えて混練し、押出機で顆粒状に成形、乾燥させる。中央部がアルミ製隔壁で区分された容器の上部空間に前記本発明化合物を含有する顆粒を、酸化カルシウム50gをこの容器の下部空間に収容し、燻煙剤を得る。
【0065】
製剤例36
酸化亜鉛 0.5部、α澱粉 2部およびアゾジカルボンアミド 97.5部を混合し、ここに水を加えて混練し、混練物を押出機で顆粒状に成形し、乾燥して顆粒を得る。この顆粒2gに、本エステル化合物A 0.58gと本エステル化合物B 0.058gとを含有するアセトン溶液を均一に含浸させた後、乾燥して顆粒を得る。中央部がアルミ製隔壁で区分された容器の上部空間に前記顆粒を、酸化カルシウム50gをこの容器の下部空間に収容し、燻煙剤を得る。
【0066】
製剤例37
本エステル化合物A 0.5gと本エステル化合物B 0.05gとをアセトン20mlに溶解し、該溶液を蚊取り線香用担体(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の重量比で混合)99.4gおよび緑色色素 0.3gの混合物に加え、均一に攪拌混合した後、水120mlを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥して、殺虫線香を得る。
【0067】
製剤例38
本エステル化合物A 10部、本エステル化合物B 1部、クエン酸アセチルトリブチル 39.5部、アジピン酸イソノニル 39.5部、青色色素 5部および香料 5部を混合して得られる溶液を、3.4cm×2.1cm、厚さ0.22cmの電気マット用基材(コットンリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて、電気殺虫マットを得る。
【0068】
製剤例39
本エステル化合物A 0.1部と本エステル化合物B 0.01部とを、脱臭灯油99.89部に溶解して、塩化ビニル製容器に入れ、上部をヒーターで加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバインダーで固め、焼結したもの)を挿入することにより、吸液芯型加熱蒸散殺虫剤用の部品を得る。
【0069】
製剤例40
本エステル化合物A 0.2部、本エステル化合物B 0.02部およびネオチオゾール(中央化成株式会社)49.78部をエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル 25部及びLPG 25部を充填し、振とうを加え、全量噴射型エアゾール用アクチュエータを装着することにより、エアゾール剤を得る。
【0070】
製剤例41
本エステル化合物A 0.2部と本エステル化合物B 0.02部とに、ジエチレングリコールモノエチルエーテル 99.78部を加え、よく撹拌混合することにより、動物の外部寄生虫防除用のスポットオン用の製剤を得る。
【0071】
製剤例42
2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4000mgを加圧成形(4t/cm2)して得た円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)に、本エステル化合物A 3部、本エステル化合物B 0.3部およびアセトン 96.7部とからなる溶液1mLを均一に塗布した後に乾燥することにより、昇華性錠剤を得る。
【0072】
製剤例43
本エステル化合物A 200mg、本エステル化合物B 20mgおよび2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4000mgとの均一混合物を、加圧成形(4t/cm2)して円盤状の(直径3cm、厚さ3mm)とすることにより、昇華性錠剤を得る。
【0073】
製剤例44
本エステル化合物A 200mg、本エステル化合物B 20mgおよび2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4000mgを、50mLスクリュー管に入れて加熱溶融させ、次いで室温まで冷却することにより、昇華性錠剤を得る。
【0074】
次に、本発明の有害生物防除組成物が有害生物に対して優れた防除効力を有することをを試験例として示す。
【0075】
尚、以下の試験例においては、本エステル化合物Bとして4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(Z))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートを使用した。また、本エステル化合物Aとして[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=1R−シス/トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートを使用した。
【0076】
試験例1
本エステル化合物B 0.00156部をジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.99844部と混合して、0.00156%油剤(以下、比較組成物(1)と記す。)を調整した。同様にして、本エステル化合物A 0.00156部をジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.99844部と混合して、0.00156%油剤(以下、比較組成物(2)と記す。)を調整した。
更に、同様にして調整した、本エステル化合物Bの0.00312%油剤と本エステル化合物Aの0.0312%油剤とを5mlずつ等量混合して、本発明の油剤(以下、本発明組成物(1)と記す。)を得た。
【0077】
チャバネゴキブリ10頭(雄雌各5頭)を、内壁にバターを塗った試験用コンテナー(直径8.75cm、高さ7.5cm、底面16メッシュ金網張り)内に放飼し、該コンテナーを試験用チャンバー(底面:46cm×46cm、高さ:70cm)の底部に設置した。該コンテナー上面より60cmの高さから本発明組成物(1)1.5mlをスプレーガンを用いて噴霧した(噴霧圧力0.4kg/cm2)。噴霧から30秒後に該コンテナーを該試験用チャンバーから取り出し、一定時間後にノックダウンした虫数をカウントし、ノックダウン率を求めた(2反復平均)。
本発明組成物(1)の代わりに、比較組成物(1)および比較組成物(2)を用いて、同様の試験を行い、一定時間後のノックダウン率を求めた(2反復平均)。
その結果を、〔表1〕に示す。
【0078】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の有害生物防除組成物は、有害生物に対して優れた防除効力を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと、
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとを有効成分として含有する有害生物防除組成物。
【請求項2】
[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとの含有割合が重量比で50:1〜1:50である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとを有効成分として含有する有害生物防除組成物の有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物の防除方法。
【請求項4】
有害生物防除組成物における[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル=3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとの含有割合が重量比で50:1〜1:50である請求項3記載の防除方法。

【公開番号】特開2009−79040(P2009−79040A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221085(P2008−221085)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】