説明

有機エレクトロルミネセンス装置

【課題】開口率を高め、しかも平坦化層から発生するガスによる表示品質の低下を防止した、有機エレクトロルミネセンス装置を提供する。
【解決手段】電源配線103と、電源配線103を覆う有機平坦化層10と、第1電極11の上面を露出させる開口部14aを有する隔壁14と、隔壁の開口部14内に設けられた機能層15と、機能層15を覆う第2電極18とを備えてなる有機EL装置1である。有機平坦化層10上には、電源配線103の上方に、電源配線103に並行して第2電極18に導通する補助第2電極28が設けられている。隔壁14は、電源配線103の直上部を覆う無機隔壁12を有している。無機隔壁12及び補助第2電極28には、これら無機隔壁12及び補助第2電極28を貫通して電源配線103の直上に位置する有機平坦化層103に到達する、無機隔壁貫通孔12cが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機エレクトロルミネセンス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に多数の有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)を備えた有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL装置)が知られている。このような有機EL装置では、特にトップエミッション構造の有機ELパネルとして用いる場合、開口率を高めるべく、画素開口部を形成するための平坦領域を十分に広く確保することが重要となっている。特に、塗布型プロセスであるインクジェット法を用いる場合には、どれだけ平坦化領域を確保できるかが重要になる。
【0003】
トップエミッション構造の場合、画素開口部を形成する陽極(画素電極)の下方には、通常は駆動素子となるTFT(薄膜トランジスタ)が配置され、さらにこれに接続するデータ線や走査線も、陽極の下方に配置される。一方、前記TFTに電流を供給するための電源配線は、前記のデータ線や走査線と同一面上に形成されることから、前記TFTの側方、つまり画素開口部の側方に配置されることになる。そして、これら電源配線やデータ線、走査線の上には、これらを覆って平坦化層が設けられ、この平坦化層上に、前記陽極が形成されるようになる。
また、トップエミッション構造では、陰極として透明電極を用いている。しかし、透明導電材料は例えばAlなどに比べて抵抗値が高いことから、このような透明電極の導電性を高めるため、画素開口部以外の場所に補助陰極を設け、この補助陰極を透明電極に導通させることで、透明電極と補助陰極とからなる陰極の導電性を高めている。
【0004】
ところで、有機ELパネルが大型化すると、パネルの中央部にも周辺部と同じに均一に電流を供給する必要上、電圧降下による影響を避けるべく、配線抵抗を下げる必要がある。そこで、従来では、配線幅を増やして容量を確保していた。その結果、電源配線や補助陰極を形成する領域が広くなり、画素開口部の形成領域を十分に広く確保するのが困難になってきた。
【0005】
そこで、特に電源配線と補助陰極とを、画素開口部の非形成領域において上下に並行させることにより、画素開口部の非形成領域を狭くし、相対的に画素開口部の形成領域を十分に広くすることが考えられる。ところが、このように電源配線と補助陰極とを上下に並行させて形成すると、これら配線は互いに対極となることから、これらの間でショートし易いといった問題がある(例えば、特許文献1参照)。そこで、これら配線間の耐圧を確保するべく、これらの間に形成する絶縁層、すなわち平坦化層を十分に厚くする必要がある。
【特許文献1】特開2006−58815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、平坦化層は樹脂材料(有機材料)で形成されることから、内部に溶媒等のガスを発生させる残留物や不純物を多く含有している。したがって、発光層等の機能層を乾燥する工程などで加熱処理を行うと、前記の残留物などがガス化して平坦化層中から外に出ようとする。しかし、このようなガスは、平坦化層上に気密性の高い層、例えば、ITO等からなる陽極や珪素酸化物(SiO)等からなる無機隔壁を形成した後にも、前記したように機能層形成時などに発生する。そのため、発生したガスが外部に排出されず、平坦化層と陽極との間などに蓄積されてしまうことがある。
【0007】
すると、このようなガスの蓄積がダークスポットを発生させる原因となり、表示品質を低下させてしまうことになる。すなわち、このようなダークスポットは有機EL装置の製造後も時間とともに成長し、複数の画素を含む領域が非発光領域となってしまうからである。そして、特に前記したように平坦化層を厚くすると、このようなガスの発生に起因する表示品質の低下がより顕著になってしまうおそれがある。
【0008】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、開口率を高め、しかも平坦化層から発生するガスによる表示品質の低下を防止した、有機エレクトロルミネセンス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の有機EL装置は、基板と、前記基板上に設けられた電源配線と、前記電源配線を覆って設けられた有機平坦化層と、前記有機平坦化層上において前記電源配線上を避けた位置に設けられた第1電極と、前記有機平坦化層上において前記第1電極を区画しかつ該第1電極の上面を露出させる開口部を有して設けられた隔壁と、前記隔壁の開口部内に設けられた、少なくとも有機発光層を有してなる機能層と、前記機能層を覆って設けられた第2電極と、を備え、
前記有機平坦化層上には、前記電源配線の上方に、該電源配線に並行して前記第2電極に導通する補助第2電極が設けられ、
前記隔壁は、前記電源配線の直上部を覆うようにして設けられた無機隔壁を有してなり、
前記無機隔壁及び前記補助第2電極には、これら無機隔壁及び補助第2電極を貫通して前記電源配線の直上に位置する前記有機平坦化層に到達する、無機隔壁貫通孔が形成されていることを特徴としている。
【0010】
この有機エレクトロルミネセンス装置によれば、電源配線の上方に、該電源配線に並行して補助第2電極が設けられているので、これら電源配線や補助陰極が形成される領域、すなわち画素開口部の非形成領域を狭くし、相対的に画素開口部の形成領域を十分に広くすることができる。よって、開口率を高めてより良好な表示が可能になる。
また、機能層形成時などに有機平坦化層からガスが発生しても、このガスは無機隔壁貫通孔を通って無機隔壁や第1電極、さらに補助第2電極の外側に排出される。したがって、有機平坦化層を厚くしても、この有機平坦化層から発生するガスが外部に良好に排出されるため、有機平坦化層から発生するガスに起因してダークスポットが発生し、表示品質が低下してしまう不都合が防止される。
さらに、電源配線の直上に位置する有機平坦化層は、電源配線による凸部を平坦化するといった平坦化層としての機能上、他の部位より厚さが薄くなる。したがって、このように膜厚が相対的に薄くなっていることにより、有機平坦化層内部で発生したガスは、この電源配線の直上部分でより外側に抜け易くなっている。よって、この直上部分に到達するように無機隔壁貫通孔を形成しているので、有機平坦化層内部で発生したガスが有機平坦化層中を通って無機隔壁貫通孔に移動し、より良好に外部に排出されるようになる。
また、このように平坦化層を厚くしても支障がないため、平坦化層を十分に厚くすることにより、電源配線と補助第2電極との間の耐圧を十分に確保することができる。
【0011】
また、前記有機エレクトロルミネセンス装置においては、前記無機隔壁貫通孔が、前記補助第2電極の長さ方向に沿って溝状に形成されていてもよい。
このようにすれば、無機隔壁貫通孔の開口面積が広くなり、また、無機隔壁貫通孔が広い範囲に亘って開口を有するようになるので、有機平坦化層内部で発生したガスがより良好に排出されるようになり、ダークスポットの発生がより確実に防止される。
【0012】
また、前記有機エレクトロルミネセンス装置においては、前記無機隔壁貫通孔が、前記補助第2電極の長さ方向に沿って複数形成されていてもよい。
このようにすれば、無機隔壁貫通孔が広い範囲に亘って開口を有するようになるので、有機平坦化層内部で発生したガスがより良好に排出されるようになり、ダークスポットの発生がより確実に防止される。
【0013】
また、前記有機エレクトロルミネセンス装置においては、前記隔壁は、前記無機隔壁上に設けられ、かつ前記補助第2電極を覆った状態に設けられた有機隔壁を有し、該有機隔壁には、前記補助第2電極と前記第2電極とを導通させるコンタクト部が形成されているのが好ましい。
このようにすれば、第2電極を形成する前において、平坦化層内部で発生したガスや有機隔壁内部で発生したガスが前記コンタクト部を構成するコンタクトホールを通って排出され易くなる。
【0014】
また、前記有機エレクトロルミネセンス装置においては、前記無機隔壁は親液性を有し、前記有機隔壁は撥液性を有しているのが好ましい。
このようにすれば、隔壁の開口部内に液状材料を配し、乾燥して機能層を形成する際に、有機隔壁によって液状材料が開口部外に流出するのが防止される。また、有機隔壁が撥液性になっているので、有機隔壁の上面部上に配された液状材料が開口部内に流れ落ち、これによって機能層が開口部内に良好に形成されるようになる。
また、無機隔壁は親液性を有しているので、開口部内に配された液状材料が無機隔壁に濡れ拡がるようになり、したがって液状材料で形成される機能層の厚さが開口部内でより均一になる。
【0015】
また、前記有機エレクトロルミネセンス装置においては、前記有機隔壁に、前記無機隔壁貫通孔に連通し、あるいは前記無機隔壁貫通孔を通って前記有機平坦化層に到達する有機隔壁貫通孔が形成されているのが好ましい。
このようにすれば、平坦化層内部で発生したガスが無機隔壁貫通孔を通り、さらに有機隔壁貫通孔を通ることでより排出され易くなる。
【0016】
また、前記有機エレクトロルミネセンス装置においては、前記有機平坦化層は、アクリル樹脂またはポリイミド樹脂からなり、前記電源配線の直上部の厚さが1μm以上に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、電源配線と補助第2電極との間の耐圧が良好に確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL装置)について、図面を参照して詳しく説明する。なお、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本発明の有機EL装置の第1実施形態の、概略構成を示す側断面図であり、図1中符号1は有機EL装置である。この有機EL装置1は、基板2上に形成された多数の有機EL素子30の機能層15から射出された光を、有機EL素子30が形成された基板2とは反対側の封止基板20から取り出す、トップエミッション方式のものである。
【0019】
基板2は、ガラスや石英、樹脂、あるいは金属等の反射性を有する材料からなるもので、その表面(内面)には、例えばSiO(シリコン酸化物)からなる絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3上には、個々の有機EL素子30に対応して駆動用TFT(薄膜トランジスタ)4が設けられている。駆動用TFT4は、絶縁膜3上に形成されたポリシリコン等からなる半導体層5と、半導体層5のチャネル領域にゲート絶縁膜(図示略)を介して対向配置されたゲート電極6と、を備えている。そして、ゲート絶縁膜及びゲート電極6を覆って、SiOやSiNからなる層間絶縁膜7が形成されている。
【0020】
層間絶縁膜7上にはソース電極8及びドレイン電極9が形成され、それぞれ、コンタクトホール7a,7bを介して半導体層5のソース領域(図示せず)及びドレイン領域(図示せず)に接続されている。また、ソース電極8は、層間絶縁膜7上に形成された電源配線103に接続されている。電源配線103は、後述するように画素開口部の開口率を高めるべく、この画素開口部の側方、すなわち前記駆動用TFT4の側方に配置されたもので、Al等によって厚さ0.5μm〜1.0μm程度に形成されたものである。
【0021】
これら駆動用TFT4及び電源配線103を覆って、基板2上を平坦化する平坦化層(有機平坦化層)10が形成されている。平坦化層10は、例えば、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の耐熱性及び絶縁性を有する有機材料によって形成されている。この平坦化層10は、前記層間絶縁膜7上において、前記駆動用TFT4や電源配線103によって形成された凸部を平坦化し、これによって全体の凹凸を小さくするべく、形成されたものである。したがって、このような機能上、平坦化層10は、特に電源配線103の直上に位置する部位10Aが、他の部位、すなわち層間絶縁膜7上に直接形成された部位に比べ、厚さが薄くなっている。ただし、後述するようにこの電源配線103の直上に補助陰極(補助第2電極)が形成されることから、これら電源配線103と補助陰極との間の耐圧を確保するべく、平坦化層10は、前記の部位10Aにおいて、その厚さが1μm以上になっているのが好ましい。したがって、本実施形態では、2μm〜6μm程度に形成されている。
【0022】
また、この平坦化層10上には、前記駆動用TFT4の直上及びその近傍部に、有機EL素子30の陽極である画素電極(第1電極)11が形成されている。この画素電極11は、例えば、Al(アルミニウム)やMo(モリブデン)等の反射性を有する導電性材料で形成されている。あるいは、仕事関数を調整するため、上層を透明なITOとし、下層をAl等の反射性導電材料とする、積層構造の電極としてもよい。画素電極11は、平坦化層10を貫通してドレイン電極9に到達するコンタクトホール10aを介して、ドレイン電極9に接続されている。また、駆動用TFT4のゲート電極6は、後述するスイッチング用TFT112に接続されて、画素信号を保持する保持容量capと電気的に接続されている。
【0023】
画素電極11の周縁部上、及びその周囲には、無機隔壁12と、無機隔壁12上に形成された有機隔壁13とからなる隔壁14が形成されている。隔壁14には、画素電極11を有機EL素子30ごとに区画し、かつ画素電極11の上面(基板2と反対側の面)を露出させる開口部(画素開口部)14aが形成されている。また、有機隔壁13の端部(開口部14aを規定する部分)は、無機隔壁12の端部(開口部14aを規定する部分)より、開口部14aから見て外側となるように形成されている。これによって開口部14a内に露出した隔壁14には、開口部14a内の有機隔壁13と無機隔壁12との境界部分に、無機隔壁12の上面を露出させた階段状の段差部が形成されている。
【0024】
無機隔壁12は、SiO等の絶縁性の無機材料によって形成されたもので、その表面に親液化処理が施され、濡れ性が向上させられたことにより、親液性を有したものとなっている。有機隔壁13は、例えば平坦化層10と同じ有機材料によって形成されたもので、その表面に撥液化処理が施されたことにより、撥液性を有したものとなっている。
【0025】
無機隔壁12には、該無機隔壁12を貫通し、前記平坦化層10における前記電源配線103の直上に位置する部位10Aに到達する、開口12bが形成されている。この開口12bは、前記電源配線103の長さ方向に沿って溝状に形成されたものである。また、本実施形態では、この開口12b内に、補助陰極(補助第2電極)28が形成されている。
【0026】
補助陰極28は、Al等の比抵抗の小さい導電材料によって形成されたもので、前記電源配線103の直上に配置され、したがって該電源配線103に並行して配設され、すなわち、平面視した状態で全部あるいは一部が電源配線103に重ねって形成されたものである。また、この補助陰極28は、本実施形態では前記開口12bの幅より狭い幅で形成されている。このような構成のもとに、平坦化層10上に形成された無機隔壁12及び補助陰極28には、前記開口12b内に、無機隔壁12及び補助陰極28を貫通して前記平坦化層10の前記部位10Aに到達する無機隔壁貫通孔12cが、補助陰極28の両側にそれぞれ形成されている。
【0027】
有機隔壁13は、無機隔壁貫通孔12c及び補助陰極28を覆って形成されたもので、特に無機隔壁貫通孔12c内において平坦化層10に接して形成されたものである。ここで、補助陰極28は、図2に示すように、平面視したときに前記開口部14aの周囲に格子状に形成されており、したがって無機隔壁貫通孔12cも、この補助陰極28に沿ってその両側に溝状に形成されている。
【0028】
開口部14aの内部には、図1に示すように機能層15が設けられている。機能層15は、画素電極11側に形成された正孔注入・輸送層16と、その上に積層されて形成された発光層(有機発光層)17と、を備えて形成されたものである。正孔注入・輸送層16は、例えば、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT−PSS)の分散液、すなわち、ポリスチレンスルフォン酸を分散媒として、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液等の液状材料を乾燥することによって形成されている。また、発光層17は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料により形成されている。特にフルカラー表示を行う場合には、赤色、緑色、青色の各波長域に対応する光を発光する材料が用いられる。
【0029】
ここで、発光層17の形成材料としては、例えば、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。さらに、Ir(ppy)3などの燐光材料を用いることもできる。
【0030】
機能層15上には、機能層15及び隔壁14を覆って、有機EL素子30の陰極である透明な共通電極(第2電極)18が設けられている。この共通電極18は、低仕事関数の金属であるアルカリ金属やアルカリ土類金属によって形成され、あるいは、MgAgやLiF、ITO(インジウム錫酸化物)などによって形成されたものである。この共通電極18は、前記隔壁14の有機隔壁13上において、この有機隔壁13に形成されたコンタクトホール(コンタクト部)13bを介して、前記補助陰極28に接続し導通している。
また、共通電極18上には、光透過性を有する接着層19を介して、例えば、ガラスや石英等の透明な材料で形成された封止基板20が貼着されている。
【0031】
図3は、本実施形態の有機EL装置1の配線構造を示す模式図である。図3に示すように有機EL装置1は、複数の走査線101と、走査線101に対して交差する方向に延びる複数の信号線102と、信号線102に並列に延びる複数の電源配線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101及び信号線102の各交点付近に、画素領域Aを形成したものである。
【0032】
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ側駆動回路104が接続されている。走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路105が接続されている。また、画素領域Aの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極6(図1参照)に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量capと、この保持容量capによって保持された画素信号がゲート電極6に供給される駆動用TFT4と、この駆動用TFT4を介して電源配線103に電気的に接続したときに、電源配線103から駆動電流が流れ込む画素電極11と、この画素電極11と共通電極18との間に挟み込まれた機能層15とが、設けられている。
そして、画素電極11と共通電極18と機能層15とにより、有機EL素子30が構成されている。
【0033】
このような構成によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオンになると、そのときの信号線102の電位が保持容量capに保持され、保持容量capの状態に応じて、駆動用TFT4のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT4のチャネルを介して、電源配線103から画素電極11に電流が流れ、さらに機能層15を介して共通電極18に電流が流れる。すると、機能層15はこれを流れる電流量に応じて発光する。
【0034】
このような構成の有機EL装置1を製造するには、まず、図4(a)に示すように、基板2上に絶縁膜3を形成し、絶縁膜3上に駆動用TFT4、スイッチング用TFT112及び前述の配線や回路等を形成する。すなわち、絶縁膜3上にポリシリコン等の半導体層5と、半導体層5を覆うゲート絶縁膜(図示略)とを形成し、その上にゲート電極6を形成する。次いで、半導体層5に不純物をドープしてソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域を形成する。そして、これらを覆って層間絶縁膜7を形成し、さらにフォトリソグラフィ法によって層間絶縁膜7を貫通し、半導体層5のソース領域及びドレイン領域に到達するコンタクトホール7a,7bを形成する。
【0035】
次に、図4(b)に示すように、層間絶縁膜7上に電源配線103を形成する。次いで、層間絶縁膜7上にソース電極8およびドレイン電極9を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、スピンコート法等によってこれらを覆うようにアクリル樹脂等を成膜し、平坦化層10を形成する。その際、その厚さについては、本実施形態では前記したように電源配線103の直上に位置する部位10Aにおいて、その厚さが2μm程度となるように形成する。このようにして平坦化層10を形成すると、特に前記の部位10Aでは、他の部位、すなわち層間絶縁膜7上に直接形成された部位に比べ、その厚さが薄くなる。
次いで、フォトリソグラフィ法により、平坦化層10を貫通し、ドレイン電極9に到達するコンタクトホール10aを形成する。
【0036】
次に、図5(a)に示すように、平坦化層10上に画素電極11を形成し、コンタクトホール10aを介してドレイン電極9に接続する。
次いで、図5(b)に示すように、画素電極11及び平坦化層10を覆ってSiO等からなる絶縁性の無機材料層120を形成する。そして、フォトリソグラフィ法等を用いて無機材料層120をパターニングし、画素電極11を区画するとともに画素電極11の上部を露出させる開口部12aと、無機材料層120を貫通して平坦化層10の前記部位10Aに到達する溝状(格子状)の開口12bとを形成し、これによって無機隔壁12を形成する。
このとき、平坦化層10は、その内部にガスを発生させる残留物や不純物が多く含まれた状態になっている。また、パターニング後のレジスト剥離時に、用いられたレジスト剥離液にさらされ、したがってこれによってもガスが発生し易くなっている。
【0037】
次に、図5(c)に示すように、前記無機隔壁12の開口12b内に該開口12bの長さ方向に沿って、すなわち、前記電源配線103と並行に、補助陰極28をマスク蒸着法等によって形成する。また、マスク蒸着法に代えて、インクジェット法等の液滴吐出法により、導電性インクを選択的に配し、その後乾燥することにより、補助陰極28を形成してもよい。その際、開口12bの幅方向全域を補助陰極28で充填することなく、開口12bの両側部を開口させた状態にする。これにより、この補助陰極28の両側の開口12b内を、平坦化層10の前記部位10Aに到達する無機隔壁貫通孔12cとする。
【0038】
次いで、図5(d)に示すように、画素電極11、無機隔壁12、補助陰極28、及び前記無機隔壁貫通孔12c内を覆ってスピンコート法等によりアクリル樹脂等を成膜し、有機材料層130を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法等によって有機材料層130をパターニングし、画素電極11を露出させる開口部13aを形成するとともに、補助電極28の上面の一部を露出させるコンタクトホール13bを形成する。これにより、有機隔壁13を形成する。
このとき、開口部13aについては、無機隔壁12の開口部12aよりも一回り大きく形成する。これにより、無機隔壁12と有機隔壁13とを備え、無機隔壁12の開口部12aと有機隔壁13の開口部13aからなる開口部14aを有した、隔壁14が形成される。
【0039】
次に、画素電極11の表面を洗浄処理し、続いて、画素電極11と無機隔壁12と有機隔壁13とを形成した側の面に酸素プラズマ処理を行う。これにより、表面に付着した有機物等の汚染物を除去して濡れ性を向上させる。具体的には、基板2を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、続いて大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。
【0040】
次いで、撥液化処理を行うことにより、特に有機隔壁13の上面及び内面の濡れ性を低下させる。具体的には、大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基板2を室温まで冷却することで、有機隔壁13の上面及び側面を撥液化し、その濡れ性を低下させる。
なお、このCFプラズマ処理においては、画素電極11の露出面および無機隔壁12についても多少の影響を受けるが、画素電極11の材料である金属等や無機隔壁12の構成材料であるSiOなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、酸素プラズマ処理で濡れ性が向上した面は濡れ性がそのままに保持される。
次に、基板2を、例えば、200℃程度の温度に加熱してアニール処理を行う。
【0041】
次いで、図1に示したように、隔壁14に囲まれた開口部14a内に正孔注入・輸送層16を形成する。この正孔注入・輸送層16の形成工程では、スピンコート法や液滴吐出法が採用されるが、本実施形態では、開口部14a内に正孔注入・輸送層16の形成材料を選択的に配する必要上、特に液滴吐出法であるインクジェット法が好適に採用される。このインクジェット法により、正孔注入・輸送層16の形成材料であるPEDOT−PSSの分散液を画素電極11の露出面上に配し、その後、熱処理(乾燥・焼成処理)を、例えば、200℃で10分間程度行うことにより、厚さ20nm〜100nm程度の正孔注入・輸送層16を形成する。
【0042】
次いで、この正孔注入・輸送層16上に、発光層17を形成する。この発光層17の形成工程でも、上記の正孔注入・輸送層16の形成と同様に、液滴吐出法であるインクジェット法が好適に採用される。すなわち、インクジェット法により、発光層17の形成材料を正孔注入・輸送層16上に吐出し、その後、窒素雰囲気中にて130℃で30分間程度熱処理を行い、隔壁14に形成された開口部14a内、すなわち画素領域A上に厚さ50nm〜200nm程度の発光層17を形成する。なお、発光層17の形成材料中に用いる溶媒としては、正孔注入・輸送層16を再溶解させないもの、例えば、キシレンなどが好適に用いられる。また、この発光層17の形成方法については、正孔注入・輸送層16の形成の場合と同様に、スピンコート法を採用することもできる。
【0043】
次いで、発光層17及び有機隔壁13を覆ってMgAgなどの透明導電材料を成膜し、共通電極18を形成する。この共通電極18の形成では、正孔注入・輸送層16や発光層17の形成とは異なり、真空蒸着法等で行うことにより、画素領域Aにのみ選択的に形成するのでなく、基板2のほぼ全面に共通電極18を形成する。そして、これにより、前記有機隔壁13のコンタクトホール13b内において、ここに露出する補助陰極28に共通電極18を導通させる。
その後、共通電極18上に接着剤を用いて接着層19を形成し、さらにこの接着層19によって封止基板20を接着し、封止を行う。
【0044】
本実施形態の有機EL装置1によれば、前述したように、電源配線103の上方に、該電源配線103に並行して補助陰極28を形成しているので、これら電源配線103や補助陰極28が形成される領域、すなわち開口部(画素開口部)14a以外の領域(非形成領域)を狭くし、相対的に開口部14aの形成領域を十分に広くすることができる。よって、開口率を高めてより良好な表示を行うことができる。
【0045】
また、平坦化層10に通じる無機隔壁貫通孔12cを形成しているので、発光層17等の機能層15の形成時、すなわちその熱処理時などに、平坦化層10からガスが発生しても、このガスは無機隔壁貫通孔12cを通って無機隔壁12や画素電極11、補助陰極28の外側に抜け、さらに有機隔壁13内を通り抜けて外部に排出される。したがって、平坦化層10を例えば2μm以上に厚くしても、この平坦化層10から発生するガスが外部に良好に排出されるため、平坦化層10から発生するガスに起因してダークスポットが発生し、表示品質が低下してしまうといった不都合を防止することができる。
【0046】
さらに、平坦化層10の、電源配線103の直上に位置する部位10Aは、電源配線103による凸部を平坦化するといった平坦化層10としての機能上、他の部位より厚さが薄くなっている。したがって、このように膜厚が相対的に薄くなっていることにより、平坦化層10の内部で発生したガスは、前記部位10Aでより外側に抜け易くなっている。よって、この部位Aに到達するように無機隔壁貫通孔12cを形成しているので、平坦化層10の内部で発生したガスが平坦化層10中を通って無機隔壁貫通孔12cに移動し、ここからより良好に外部に排出されるようになる。
また、このように平坦化層10を厚くしても支障がないため、平坦化層10を例えば1μm以上、好ましくは2μm以上と十分に厚くすることにより、電源配線103と補助陰極28との間の耐圧を十分に確保することができる。
【0047】
また、隔壁14の開口部14a内に液状材料を配し、乾燥させて機能層15を形成する際に、隔壁14によって開口部14a外部への液状材料の流出を防止することができる。また、開口部14a内の有機隔壁13と無機隔壁12との境界部に無機隔壁12を段差状に露出させているので、この境界部における無機隔壁12の表面積を拡大して濡れ性を向上することができる。よって、液状材料が乾燥して体積が減少し、液面が有機隔壁13と無機隔壁12との境界部に近づくと、無機隔壁12の濡れ性により液状材料の厚さが均一化され、機能層15を平坦に形成することができる。
【0048】
また、開口12bを有する無機隔壁12を形成した後に、プラズマ処理やアニール処理等により基板2を加熱することで、平坦化層10の温度が上昇し、平坦化層10の内部で発生したガスが開口部12aから排出されるようになる。したがって、平坦化層10中の残留物や不純物が減少する。よって、有機EL素子30を封止基板20により封止した後の、平坦化層10からのガスの発生を良好に防止し、ダークスポットの発生をより良好に防止することができる。
【0049】
また、無機隔壁貫通孔12cを、補助陰極28の長さ方向に沿って溝状に形成したので、その開口面積を広くし、さらに、この無機隔壁貫通孔12cを広い範囲に亘って開口させることができる。よって、平坦化層10の内部で発生したガスをより良好に排出させることができ、ダークスポットの発生をより確実に防止することができる。
【0050】
<第2実施形態>
図6は、本発明の有機EL装置の第2実施形態の、概略構成を示す要部側断面図である。図6に示した有機EL装置が図1に示した有機EL装置1と異なるところは、電源配線103上に配置される補助陰極と、無機隔壁貫通孔との位置にある。すなわち、図6に示したように本実施形態では、補助陰極28は、無機隔壁12の開口12bの一方の側部側に偏って形成され、その一部が無機隔壁12上に乗り上がって形成されている。したがって、開口12bの他方の側部側が無機隔壁貫通孔12cとなっており、ここから平坦化層10内部で発生したガスが、この上に形成された有機隔壁13を通って外部に排出されるようになっている。
よって、本実施形態の有機EL装置にあっても、平坦化層10から発生するガスに起因してダークスポットが発生し、表示品質が低下してしまうといった不都合を防止することができる。
【0051】
<第3実施形態>
図7は、本発明の有機EL装置の第3実施形態の、概略構成を示す要部側断面図である。図7に示した有機EL装置が図1に示した有機EL装置1と異なるところは、電源配線103上に配置される補助陰極と、無機隔壁貫通孔との位置、及び有機隔壁13に有機隔壁貫通孔が形成されている点にある。すなわち、図7に示したように本実施形態では、補助陰極28は、無機隔壁12の開口12bの両側部にそれぞれ形成され、それぞれの一部が無機隔壁12上に乗り上がって形成されている。したがって、開口12bの中央部が無機隔壁貫通孔12cとなっており、ここから平坦化層10内部で発生したガスが、この上に形成された有機隔壁13を通って外部に排出されるようになっている。
【0052】
また、有機隔壁13には、共通電極18を補助陰極28に導通させるためのコンタクホール13bが形成されている。したがって、無機隔壁貫通孔12cは、有機隔壁13に覆われることなく、コンタクトホール13b内に露出することになる。つまり、コンタクトホール13bは、前記無機隔壁貫通孔12cに連通し、あるいはこれを通って平坦化層10に到達する有機隔壁貫通孔となっているのである。
このような有機隔壁貫通孔(コンタクトホール13b)を形成したことにより、平坦化層10の内部で発生したガスが無機隔壁貫通孔12cを通り、さらに有機隔壁貫通孔を通ることで、外部により容易に排出されるようになる。
よって、本実施形態の有機EL装置にあっても、平坦化層10から発生するガスに起因してダークスポットが発生し、表示品質が低下してしまうといった不都合を防止することができる。
【0053】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図1に示した実施形態では、開口12b内において補助陰極28を格子状に形成し、この補助陰極28の両側部を無機隔壁貫通孔12cとしたが、この補助陰極28中にも複数の貫通孔を形成し、これら貫通孔を前記無機隔壁貫通孔12cと同様に機能させてもよい。
【0054】
その場合、開口12bの幅方向の全域に補助陰極28を形成し、この補助陰極28中に形成した複数の貫通孔のみを、無機隔壁貫通孔12cとして機能させてもよい。このようにしても、貫通孔(無機隔壁貫通孔12c)が広い範囲に亘って開口を有するようになるので、平坦化層10の内部で発生したガスをより良好に排出することができ、したがってダークスポットの発生をより確実に防止することができる。
【0055】
また、前記実施形態では、無機隔壁12の開口12b内に少なくとも補助陰極28の一部を形成するようにしたが、開口12b内に形成することなく、無機隔壁12上に補助陰極28を形成するようにしてもよい。このように構成すれば、前記開口12bが本発明の無機隔壁貫通孔12cとしてそのまま機能するようになる。
【0056】
また、前記実施形態ではトップエミッション方式の有機EL装置について説明したが、本発明を前記実施形態とは反対側から光を取り出すボトムエミッション方式の有機EL装置に適用できることは言うまでもない。
また、TFTなどを用いるアクティブマトリクスではなく、単純マトリクス向けの素子基板を用いて本発明を実施し、単純マトリクス駆動しても全く同じ効果が低コストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の有機EL装置の第1実施形態の概略構成を示す側断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る貫通孔の開口の配置を示す模式平面図である。
【図3】本発明の有機EL装置の配線構造を示す模式図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の有機EL装置の製造工程説明図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の有機EL装置の製造工程説明図である。
【図6】本発明の有機EL装置の第2実施形態を示す要部側断面図である。
【図7】本発明の有機EL装置の第3実施形態を示す要部側断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1…有機EL装置、2…基板、10…平坦化層(有機平坦化層)、11…画素電極(第1電極)、12…無機隔壁、12a…開口部、12b…開口、12c…無機隔壁貫通孔、13…有機隔壁、13a…開口部、13b…コンタクトホール(コンタクト部、有機隔壁貫通孔)、14…隔壁、14a…開口部、15…機能層、17…発光層(有機発光層)、18…共通電極(第2電極)、28…補助陰極(補助第2電極)、103…電源配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた電源配線と、
前記電源配線を覆って設けられた有機平坦化層と、
前記有機平坦化層上において前記電源配線上を避けた位置に設けられた第1電極と、
前記有機平坦化層上において前記第1電極を区画しかつ該第1電極の上面を露出させる開口部を有して設けられた隔壁と、
前記隔壁の開口部内に設けられた、少なくとも有機発光層を有してなる機能層と、
前記機能層を覆って設けられた第2電極と、を備え、
前記有機平坦化層上には、前記電源配線の上方に、該電源配線に並行して前記第2電極に導通する補助第2電極が設けられ、
前記隔壁は、前記電源配線の直上部を覆うようにして設けられた無機隔壁を有してなり、
前記無機隔壁及び前記補助第2電極には、これら無機隔壁及び補助第2電極を貫通して前記電源配線の直上に位置する前記有機平坦化層に到達する、無機隔壁貫通孔が形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス装置。
【請求項2】
前記無機隔壁貫通孔は、前記補助第2電極の長さ方向に沿って溝状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネセンス装置。
【請求項3】
前記無機隔壁貫通孔は、前記補助第2電極の長さ方向に沿って複数形成されていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネセンス装置。
【請求項4】
前記隔壁は、前記無機隔壁上に設けられ、かつ前記補助第2電極を覆った状態に設けられた有機隔壁を有し、該有機隔壁には、前記補助第2電極と前記第2電極とを導通させるコンタクト部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス装置。
【請求項5】
前記無機隔壁は親液性を有し、前記有機隔壁は撥液性を有していることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネセンス装置。
【請求項6】
前記有機隔壁には、前記無機隔壁貫通孔に連通し、あるいは前記無機隔壁貫通孔を通って前記有機平坦化層に到達する有機隔壁貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の有機エレクトロルミネセンス装置。
【請求項7】
前記有機平坦化層は、アクリル樹脂またはポリイミド樹脂からなり、前記電源配線の直上部の厚さが1μm以上に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−231122(P2009−231122A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76527(P2008−76527)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】