説明

有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

【課題】燐光発光が高効率かつ長寿命であり、画素欠陥が無く、耐熱性に優れる有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを実現する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子である。


(式(1)において、X、R1、R2、R3〜R6、m、n、p、q、L1およびL2は明細書にて定義したとおりである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、特に、高効率かつ長寿命の燐光発光が得られ、画素欠陥が無く、耐熱性に優れる有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを実現する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、エレクトロルミネッセンスをELと略記することがある)は、電界を印加することより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子の再結合エネルギーにより蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。低電圧駆動の積層型有機EL素子が報告されて以来、有機材料を構成材料とする有機EL素子に関する研究が盛んに行われている。この積層型素子では、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを発光層に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔輸送層に用いている。積層構造の利点としては、発光層への正孔の注入効率を高めること、陰極より注入された電子をブロックして再結合により生成する励起子の生成効率を高めること、発光層内で生成した励起子を閉じ込めること等が挙げられる。この例のように有機EL素子の素子構造としては、正孔輸送(注入)層、電子輸送発光層の2層型、又は正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層型等がよく知られている。こうした積層型構造素子では注入された正孔と電子の再結合効率を高めるため、素子構造や形成方法の工夫がなされている。
【0003】
有機EL素子の発光材料としてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体等の発光材料が知られており、それらからは青色から赤色までの可視領域の発光が得られることが報告されており、カラー表示素子の実現が期待されている。
従来、有機EL素子の発光材料として一重項励起子により発光する蛍光発光材料が用いられているが、近年、蛍光発光材料に加えて3重項励起子により発光する燐光発光材料利用することも提案されている(例えば、非特許文献1と2)。有機EL素子内で電子と正孔が再結合する際にはスピン多重度の違いから一重項励起子と三重項励起子とが1:3の割合で生成すると考えられているので、燐光発光材料を用いた有機EL素子は、蛍光発光材料のみを使った有機EL素子に比べて3〜4倍の発光効率を達成し得る。しかし、青色燐光発光では、高効率かつ長寿命の達成が困難であり、それらを達成するホスト材料の開発が望まれている。
【0004】
特許文献1には、2つのカルバゾール骨格が連結基を介して結合された化合物が提案されているが、2つのカルバゾール骨格が該骨格のN以外の部位で1つのジベンゾフラン骨格またはジベンゾチオフェン骨格に連結基を介して結合している化合物は記載されていない。
【0005】
特許文献2には、2つのカルバゾール骨格が1つのジベンゾフラン骨格またはジベンゾチオフェン骨格に結合した化合物が記載されている(例えば、化合物23および24)。しかし、2つのカルバゾール骨格は、該骨格のN部位で1つのジベンゾフラン骨格またはジベンゾチオフェン骨格に連結基を介することなく直接結合している。
【0006】
特許文献3には、2つのカルバゾール骨格が1つのジベンゾフラン骨格に結合した化合物が記載されている(例えば、化合物43)。しかし、2つのカルバゾール骨格は直接ジベンゾフラン骨格に結合しており、2つのカルバゾール骨格が該骨格のN以外の部位で1つのジベンゾフラン骨格またはジベンゾチオフェン骨格に連結基を介して結合している化合物は記載されていない。
【0007】
しかし、特許文献1〜3に記載の化合物は青色燐光発光の効率および寿命が不十分であった。
【0008】
【特許文献1】WO2007/108459
【特許文献2】WO2007/119816
【特許文献3】WO2007/077810
【非特許文献1】Applied Physics letters Vol. 74 No.3, pp442-444
【非特許文献2】Applied Physics letters Vol. 75 No. 1, pp4-6
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、燐光発光が高効率かつ長寿命であり、画素欠陥が無く、耐熱性に優れる有機EL素子及びそれを実現する有機EL素子用材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記式(1)で表される化合物を有機EL素子材料として用いることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を解決するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料である。
【化1】

【0012】
(一般式(1)において、XはOまたはSであり;R1とR2はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18のアリール基を表し;R3〜R6はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18のアリール基を表し;mとqはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し;nとpはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し;L1とL2はそれぞれ独立してカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜18のアリーレン基、フルオレンジイル基、−CR78−、および、−CR78−CR910−(式中、R7〜R10はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または環形成炭素数6〜18のアリール基を表し、R7とR8およびR9とR10は互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に飽和または不飽和の環を形成してもよい)から選ばれる2価の結合基である。)
【0013】
さらに、本発明は、陰極と陽極間に、発光層を含む一層以上の有機薄膜層を有し、前記有機薄膜層の少なくとも一層が、上記式(1)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、燐光発光が高効率かつ長寿命であり、画素欠陥が無く、耐熱性に優れ、長寿命である有機EL素子及びそれを実現する有機EL素子用材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、下記式(1)で表される。
【化2】

【0016】
式(1)において、XはOまたはSである。
【0017】
1とR2はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20(置換基の炭素数を含まない)のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18(置換基の炭素数を含まない)のアリール基を表す。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基等が挙げられる。前記置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、o−ビフェニル基、m−ビフェニル基、p−ビフェニル基、o−ターフェニル基、m−ターフェニル基、p−ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基などが挙げられる。
【0018】
1とR2が表すアルキル基とアリール基の置換基としては炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基など)、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基など)、炭素数1〜10のハロアルキル基(クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基など)、炭素数1〜10のアミノアルキル基(アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基など)、炭素数2〜11のシアノアルキル基(シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基など)、炭素数1〜10のニトロアルキル基(ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基など)、環形成炭素数3〜40のシクロアルキル基(シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基など)、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基など)、環形成炭素数3〜10のシクロアルコキシ基(シクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基など)、環形成炭素数6〜40のアリール基(フェニル基、o−ビフェニル基、m−ビフェニル基、p−ビフェニル基、o−ターフェニル基、m−ターフェニル基、p−ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基など)、環形成炭素数6〜40のアリール基で置換されたアミノ基(モノフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モノナフチルアミノ基、ジナフチルアミノ基など)、環形成炭素数6〜40のアリール基を有するアリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基など)、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペントキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基など)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられる。
【0019】
3〜R6はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20(置換基の炭素数を含まない)のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18(置換基の炭素数を含まない)のアリール基を表す。前記アルキル基、アリール基およびそれらの置換基は、R1とR2に関して記載したアルキル基、アリール基およびそれらの置換基から選択される。
【0020】
mとqはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、nとpはそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。mとnの和およびpとqの和はそれぞれ独立して0〜4の整数であるのが好ましい。
【0021】
1とL2はそれぞれ独立してカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜18(置換基の炭素数を含まない)のアリーレン基、フルオレンジイル基、−CR78−、および−CR78−CR910−から選ばれる2価の結合基である。
【0022】
前記アリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ビフェニルジイル基(例えば、2,2’−ビフェニルジイル基、3,3’−ビフェニルジイル基,4,4’−ビフェニルジイル基、2,3’−ビフェニルジイル基、2,4’−ビフェニルジイル基、3,4’−ビフェニルジイル基)、ターフェニルジイル基(例えば、m−ターフェニル−3,3’’−ジイル基)、ナフタレンジイル基(例えば、1,4−ナフタレンジイル基)、フェナントレンジイル基(例えば、2,7−フェナントレンジイル基)などが挙げられる。アリーレン基の置換基は、R1とR2に関して記載したものから選択される。
【0023】
前記フルオレンジイル基は下記の2価の基であり、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル基であるのが好ましい。
【化3】

【0024】
上記式中、R11およびR12は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基または環形成炭素数6〜18のアリール基をあらわす。前記アルキル基およびアリール基は、R1とR2に関して記載したものから選択される。
【0025】
−CR78−および−CR78−CR910−において、R7〜R10はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20(置換基の炭素数を含まない)のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18(置換基の炭素数を含まない)のアリール基を表す。R7とR8およびR9とR10は互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に飽和または不飽和の環を形成してもよい。前記アルキル基、アリール基およびそれらの置換基は、R1とR2に関して記載したものから選択される。−CR78−および−CR78−CR910−の好ましい具体例を下記に示す。
【化4】

【0026】
1とL2は、ジベンゾフラン骨格(X=O)またはジベンゾチオフェン骨格(X=S)の2位と8位に結合するのが好ましい。また、L1とL2は、カルバゾール骨格の3位(6位)に結合するのが好ましい。すなわち、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、好ましくは下記式(2)で表され、より好ましくは下記式(3)で表される。
【化5】

【化6】

(式中、X、R1、R2、R3〜R6、m、n、p、q、L1およびL2は前記と同様である。)
【化7】

(式中、X、R1、R2、R3〜R6、m、n、p、q、L1およびL2は前記と同様である。)
【0027】
一般式(1)の化合物は、例えば、下記のように合成することができる。
【化8】

【0028】
本発明の有機EL素子用材料は、りん光発光性材料と共に用いるホスト材料またはりん光発光性材料と共に用いる電子輸送材料であることが好ましい。また、3重項のエネルギーレベルが2.0〜3.2eVであることが好ましく、2.5〜3.2eVであることがより好ましい。
【0029】
本発明の一般式(1)で表される有機EL素子用材料の具体例を以下に示すが、本発明は、これら例示化合物に限定されるものではない。


【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【0030】
本発明の有機EL素子用材料は、有機EL素子の発光層に含まれるホスト材料であると好ましい。
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、陰極と陽極間に、発光層を含む一層以上の有機薄膜層を有し、この有機薄膜層の少なくとも一層が、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する。
多層型の有機EL素子の構造としては、例えば、陽極/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層(電子注入層)/陰極、陽極/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/電子輸送層(電子注入層)/陰極、陽極/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/正孔障壁層/電子輸送層(電子注入層)/陰極、等の多層構成で積層したものが挙げられる。
【0031】
本発明の有機EL素子においては、前記発光層が、前記一般式(1)で表される有機EL素子用材料をホスト材料として含有することが好ましく、さらに燐光発光性材料を含有していることがより好ましい。また、本発明の有機EL素子が正孔輸送層(正孔注入層)を有する場合、該正孔輸送層(正孔注入層)に本発明の有機EL素子用材料を好ましく含有させることもでき、本発明の有機EL素子が電子輸送層及び/又は正孔障壁層を有する場合、該電子輸送層及び/又は正孔障壁層に本発明の有機EL素子用材料を好ましく含有させることもできる。
【0032】
りん光発光性材料としては、りん光量子収率が高く、発光素子の外部量子効率をより向上させることができるという点で、イリジウム(Ir),オスミウム(Os)および白金(Pt)から選ばれる金属を含有する化合物であると好ましく、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体であるとさらに好ましく、中でもイリジウム錯体及び白金錯体がより好ましい。前記金属錯体は、中心金属原子と配位子に含まれる炭素原子とがオルトメタル結合しているオルトメタル化金属錯体であることが好ましく、オルトメタル化イリジウム錯体がより好ましい。オルトメタル化金属錯体のさらに好ましい形態としては、以下に示すイリジウム錯体が挙げられる。
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【0033】
また、本発明の有機EL素子は、前記発光層がホスト材料とりん光発光性材料を含有し、発光波長の極大値が500nm以下である青色系金属錯体を含有すると好ましい。
【0034】
本発明の有機EL素子は、正孔輸送層(正孔注入層)を有し、該正孔輸送層(正孔注入層)が本発明の有機EL素子用材料を含有しても好ましく、本発明の有機EL素子が電子輸送層及び/又は正孔障壁層を有し、該電子輸送層及び/又は正孔障壁層が、本発明の有機EL素子用材料を含有しても好ましい。
【0035】
本発明の有機EL素子は、陰極と有機薄膜層との界面領域に還元性ドーパントを有するのが好ましい。還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属錯体、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属錯体、アルカリ土類金属化合物、希土類金属、希土類金属錯体、及び希土類金属化合物等から選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
【0036】
アルカリ金属としては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)、Cs(仕事関数:1.95eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち好ましくはK、Rb、Cs、さらに好ましくはRb又はCsであり、最も好ましくはCsである。
アルカリ土類金属としては、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0〜2.5eV)、Ba(仕事関数:2.52eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
希土類金属としては、Sc、Y、Ce、Tb、Yb等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
以上の金属のうち好ましい金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が可能である。
【0037】
アルカリ金属化合物としては、Li2O、Cs2O、K2O等のアルカリ酸化物、LiF、NaF、CsF、KF等のアルカリハロゲン化物等が挙げられ、LiF、Li2O、NaFが好ましい。
アルカリ土類金属化合物としては、BaO、SrO、CaO及びこれらを混合したBaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)等が挙げられ、BaO、SrO、CaOが好ましい。
希土類金属化合物としては、YbF3、ScF3、ScO3、Y23、Ce23、GdF3、TbF3等が挙げられ、YbF3、ScF3、TbF3が好ましい。
【0038】
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体としては、それぞれ金属イオンとしてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも一つ含有するものであれば特に限定はない。また、配位子にはキノリノール、ベンゾキノリノール、アクリジノール、フェナントリジノール、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジアリールオキサジアゾール、ヒドロキシジアリールチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシフルボラン、ビピリジル、フェナントロリン、フタロシアニン、ポルフィリン、シクロペンタジエン、βージケトン類、アゾメチン類、及びそれらの誘導体などが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0039】
還元性ドーパントの添加形態としては、界面領域に層状又は島状に形成すると好ましい。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法により還元性ドーパントを蒸着しながら、界面領域を形成する発光材料や電子注入材料である有機物を同時に蒸着させ、有機物中に還元ドーパントを分散する方法が好ましい。分散濃度はモル比で有機物:還元性ドーパント=100:1〜1:100、好ましくは5:1〜1:5である。還元性ドーパントを層状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を層状に形成した後に、還元ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは層の厚み0.1〜15nmで形成する。還元性ドーパントを島状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を島状に形成した後に、還元ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは島の厚み0.05〜1nmで形成する。
【0040】
本発明の有機EL素子は、発光層と陰極との間に電子注入層を有し、該電子注入層が含窒素複素環誘導体を主成分として含有すると好ましい。電子注入層に用いる電子輸送材料としては、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素複素環誘導体が好ましい。
【0041】
この含窒素複素環誘導体としては、例えば、式(A)で表される含窒素複素環金属キレート錯体が好ましい。
【化19】

【0042】
2〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、炭素数1〜40の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、または、複素環基であり、これらは置換されていてもよい。
ハロゲン原子の例としては、前記と同様のものが挙げられる。また、置換されていてもよいアミノ基の例としては、前記アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基と同様のものが挙げられる。
炭素数1〜40の炭化水素基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、等が挙げられる。アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、アラルキル基、アリールオキシ基の例としては、前記と同様のものが挙げられ、アルコキシカルボニル基は−COOY’と表され、Y’の例としては前記アルキル基と同様のものが挙げられる。
【0043】
Mは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)又はインジウム(In)であり、Inであると好ましい。
式(A)のLは、下記式(A’)又は(A’’)で表される基である。
【化20】

【0044】
(式中、R8〜R12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。また、R13〜R27は、それぞれ独立に、水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。)
【0045】
式(A’)及び式(A’’)のR8〜R12及びR13〜R27が示す炭素数1〜40の炭化水素基としては、R2〜R7の具体例と同様のものが挙げられる。
また、R8〜R12及びR13〜R27の互いに隣接する基が環状構造を形成した場合の2価の基としては、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ジフェニルメタン−2,2’−ジイル基、ジフェニルエタン−3,3’−ジイル基、ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル基等が挙げられる。
【0046】
式(A)で表される含窒素複素環の金属キレート錯体の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
【化21】

【化22】

【化23】

【0047】
含窒素複素環誘導体としては、以下の一般式を有する有機化合物からなる含窒素複素環誘導体であって、金属錯体でない含窒素化合物も挙げられる。例えば、(a)に示す骨格を含有する5員環もしくは6員環や、式(b)に示す構造のものが挙げられる。
【化24】

【0048】
(式(b)中、Xは炭素原子もしくは窒素原子を表す。Z1ならびにZ2は、それぞれ独立に含窒素ヘテロ環を形成可能な原子群を表す。)
【化25】

【0049】
好ましくは、5員環もしくは6員環からなる含窒素芳香多環族を有する有機化合物。さらには、このような複数窒素原子を有する含窒素芳香多環族の場合は、上記(a)と(b)もしくは(a)と(c)を組み合わせた骨格を有する含窒素芳香多環有機化合物。
【0050】
含窒素有機化合物の含窒素基は、例えば、以下の一般式で表される含窒素複素環基から選択される。
【化26】

【0051】
(各式中、R28は、炭素数6〜40のアリール基、炭素数3〜40のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のR28は互いに同一又は異なっていてもよい。)
【0052】
さらに、好ましい具体的な化合物として、下記式で表される含窒素複素環誘導体が挙げられる。
【化27】

【0053】
(式中、HAraは、置換基を有していても良い炭素数3〜40の含窒素複素環であり、Lbは単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリーレン基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリーレン基であり、Arbは置換基を有していても良い炭素数6〜40の2価の芳香族炭化水素基であり、Arcは置換基を有していても良い炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基である。)
【0054】
HAraは、例えば、下記の群から選択される。
【化28】

【0055】
6は、例えば、下記の群から選択される。
【化29】

【0056】
Arcは、例えば、下記の群から選択される。
【化30】

【0057】
Arbは、例えば、下記のアリールアントラニル基から選択される。
【化31】

【0058】
(式中、R29〜R42は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は炭素数3〜40のヘテロアリール基であり、Ardは、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は炭素数3〜40のヘテロアリール基である。)
また、上記式で表されるArbにおいて、R29〜R36は、いずれも水素原子である含窒素複素環誘導体が好ましい。
【0059】
この他、下記の化合物(特開平9−3448号公報参照)も好適に用いられる。
【化32】

【0060】
(式中、R43〜R46は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の脂肪族式環基、置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基を表し、X1、X2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子もしくはジシアノメチレン基を表す。)
【0061】
また、下記の化合物(特開2000−173774号公報参照)も好適に用いられる。
【化33】

【0062】
式中、R47、R48、R49及びR50は互いに同一の又は異なる基であって、下記式で表わされるアリール基である。
【化34】

【0063】
(式中、R51、R52、R53、R54及びR55は互いに同一の又は異なる基であって、水素原子、或いはそれらの少なくとも1つが飽和または不飽和アルコキシル基、アルキル基、アミノ基又はアルキルアミノ基である。)
【0064】
さらに、該含窒素複素環基もしくは含窒素複素環誘導体を含む高分子化合物であってもよい。
【0065】
また、電子輸送層は、下記一般式(201)〜(203)で表される含窒素複素環誘導体の少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。
【化35】

【0066】
式(201)〜(203)中、R56は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基で、nは0〜4の整数であり、R57は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R58及びR59は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基であり、L7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよいピリジニレン基、置換基を有していてもよいキノリニレン基又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基であり、Areは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよいピリジニレン基又は置換基を有していてもよいキノリニレン基であり、Arfは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基である。
Argは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は−Are−Arfで表される基(Are及びArfは、それぞれ前記と同じ)である。
【0067】
なお、前記式(201)〜(203)において、R56は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基である。
【0068】
前記炭素数6〜60のアリール基としては、炭素数6〜40のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がさらに好ましく、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ピレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、トリル基、t−ブチルフェニル基、(2−フェニルプロピル)フェニル基、フルオランテニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレンからなる1価の基、パーフルオロフェニル基、パーフルオロナフチル基、パーフルオロアントリル基、パーフルオロビフェニル基、9 − フェニルアントラセンからなる1価の基、9− (1’−ナフチル) アントラセンからなる1価の基、9−(2’−ナフチル)アントラセンからなる1価の基、6−フェニルクリセンからなる1価の基、9−[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]アントラセンからなる1価の基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、9−(10−フェニル)アントリル基、9−[10−(1’−ナフチル)]アントリル基、9−[10−(2’−ナフチル)]アントリル基等が好ましい。
【0069】
炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の他、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基が挙げられ、炭素数が3 以上のものは直鎖状、環状又は分岐を有するものでもよい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖状、環状又は分岐を有するものでもよい。
【0070】
56の示す各基の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基としては、前記と同様のものが挙げられる。
【0071】
炭素数6〜40のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数3〜40のヘテロアリール基としては、例えば、ピローリル基、フリル基、チエニル基、シローリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフリル基、イミダゾリル基、ピリミジル基、カルバゾリル基、セレノフェニル基、オキサジアゾリル基、トリアゾーリル基等が挙げられる。
nは0〜4の整数であり、0〜2であると好ましい。
【0072】
前記式(201)において、R57は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である。
これら各基の具体例、好ましい炭素数及び置換基としては、前記Rについて説明したものと同様である。
【0073】
前記式(202) 及び(203)において、R58及びR59は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基である。
これら各基の具体例、好ましい炭素数及び置換基としては、前記R56について説明したものと同様である。
【0074】
前記式(201)〜(203)において、L7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよいピリジニレン基、置換基を有していてもよいキノリニレン基又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基である。
炭素数6〜60のアリーレン基としては、炭素数6〜40のアリーレン基が好ましく、炭素数6〜20のアリーレン基がさらに好ましく、具体的には、前記Rについて説明したアリール基から水素原子1個を除去して形成される2価の基が挙げられる。L7の示す各基の置換基としては、前記R56について説明したものと同様である。
【0075】
また、L7は、
【化36】

【0076】
からなる群から選択される基であると好ましい。
前記式(201) において、Areは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよいピリジニレン基又は置換基を有していてもよいキノリニレン基である。Are及びArgの示す各基の置換基としては、それぞれ前記Rについて説明したものと同様である。
また、Areは、下記式(101)〜(110)で表される縮合環基から選択されるいずれかの基であると好ましい。
【化37】

【0077】
前記式(101)〜(110)中、それぞれの縮合環は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20 のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基からなる結合基が結合していてもよく、該結合基が複数ある場合は、該結合基は互いに同一でも異なっていてもよい。これら各基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
前記式(110)において、L’は、単結合、又は
【0078】
【化38】

【0079】
からなる群から選択される基である。
Areの示す前記式(103)が、下記式(111)〜(125)で表される縮合環基であると好ましい。
【化39】

【0080】
前記式(111)〜(125)中、それぞれの縮合環は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基からなる結合基が結合していてもよく、該結合基が複数ある場合は、該結合基は互いに同一でも異なっていてもよい。これら各基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
【0081】
前記式(201)において、Arfは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基である。
これら各基の具体例、好ましい炭素数及び置換基としては、前記R56について説明したものと同様である。
【0082】
前記式(202)及び(203)において、Argは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は−Are−Arfで表される基(Are及びArfは、それぞれ前記と同じ)である。
これら各基の具体例、好ましい炭素数及び置換基としては、前記R56について説明したものと同様である。
また、Argは、下記式(126)〜(135)で表される縮合環基から選択されるいずれかの基であると好ましい。
【化40】

【0083】
前記式(126)〜(135) 中、それぞれの縮合環は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基からなる結合基が結合していてもよく、該結合基が複数ある場合は、該結合基は互いに同一でも異なっていてもよい。これら各基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
前記式(135) において、L’は、前記と同じである。
前記式(126)〜(135)において、R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基である。これら各基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
Argの示す一般式(128)が、下記式(136)〜(158)で表される縮合環基であると好ましい。
【化41】

【0084】
前記式(136)〜(158)中、それぞれの縮合環は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基からなる結合基が結合していてもよく、該結合基が複数ある場合は、該結合基は互いに同一でも異なっていてもよい。これら各基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。R’は、前記と同じである。
また、Arf及びArgは、それぞれ独立に、
【化42】

【0085】
からなる群から選択される基であると好ましい。
本発明の前記式(201)〜(203)で示される含窒素複素環誘導体の具体例を下記に示すが、本発明はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
なお、下記表において、HArは、前記式(201)〜(203)における、
【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【0086】
以上の具体例のうち、特に、(1−1)、(1−5)、(1−7)、(2−1)、(3−1)、(4−2)、(4−6)、(7−2)、(7−7)、(7−8)、(7−9)、(9−1)、(9−7)が好ましい。
【0087】
また、含窒素環誘導体としては、含窒素5員環誘導体も好ましく挙げられる。該含窒素5員環としては、例えばイミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、オキサトリアゾール環、チアトリアゾール環等が挙げられ、含窒素5員環誘導体としては、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ピリジノイミダゾール環、ピリミジノイミダゾール環、ピリダジノイミダゾール環であり、特に好ましくは、下記一般式(B)で表されるものである。
【化61】

【0088】
一般式(B)中、LBは二価以上の連結基を表し、例えば、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、硫黄原子、金属原子(例えば、バリウム原子、ベリリウム原子)、芳香族炭化水素環、芳香族複素環等が挙げられ、これらのうち炭素原子、窒素原子、ケイ素原子、ホウ素原子、酸素原子、硫黄原子、芳香族炭化水素環、芳香族複素環基が好ましく、炭素原子、ケイ素原子、芳香族炭化水素環、芳香族複素環基がさらに好ましい。
Bの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、芳香族複素環基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、芳香族複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族複素環基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、芳香族複素環基である。
【0089】
Bの具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
【化62】

【0090】
一般式(B)におけるXB2は、−O−、−S−又は−N(RB2)−を表す。RB2は、水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表す。
B2の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐状アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基等が挙げられる。)、シクロアルキル基(好ましくは環形成炭素数3〜10であり、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基等が挙げられる。)であり、アルキル基が好ましい。
【0091】
B2のアリール基は単環又は縮合環であり、好ましくは環形成炭素数6〜30、より好ましくは環形成炭素数6〜20、さらに好ましくは環形成炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられ、フェニル基、2−メチルフェニル基が好ましい。
【0092】
B2の複素環基は、単環又は縮合環であり、好ましくは環形成炭素数1〜20、より好ましくは環形成炭素数1〜12、さらに好ましくは環形成炭素数2〜10の複素環基であり、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の少なくとも一つのヘテロ原子を含む芳香族複素環基である。この複素環基の例としては、例えばピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオフェン、セレノフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン、カルバゾール、アゼピン等から誘導される基が挙げられ、好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリンであり、より好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン及びキノリンから誘導される基であり、さらに好ましくはキノリニル基である。
【0093】
B2で表される脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、芳香族複素環基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、芳香族複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族複素環基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、芳香族複素環基である。
B2としては、好ましくは脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基であり、より好ましくは脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜12のもの)又はアリール基であり、さらに好ましくは脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数2〜10のもの)である。
B2としては、好ましくは−O−又はN(RB2)−であり、より好ましくは−N(RB2)−である。
【0094】
B2は、芳香族環を形成するために必要な原子群を表す。ZB2で形成される芳香族環は芳香族炭化水素環、芳香族複素環のいずれでもよく、具体例としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、テルロフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、セレナゾール環、テルラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ピラゾール環などが挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環であり、さらに好ましくはベンゼン環、ピリジン環であり、特に好ましくはピリジン環である。
【0095】
B2で形成される芳香族環は、さらに他の環と縮合環を形成してもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては前記LBで表される基の置換基として挙げたものと同様であり、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、複素環基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族複素環基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、芳香族複素環基である。
B2は、1〜4の整数であり、2〜3であると好ましい。
【0096】
前記一般式(B)で表される含窒素5員環誘導体のうち、さらに好ましくは下記一般式(B’)で表されるものが好ましい。
【化63】

【0097】
一般式(B’)中、RB71、RB72及びRB73は、それぞれ一般式(B)におけるRB2と同様であり、また好ましい範囲も同様である。
B71、ZB72及びZB73は、それぞれ一般式(B)におけるZB2と同様であり、また好ましい範囲も同様である。
B71、LB72及びLB73は、それぞれ連結基を表し、一般式(B)におけるLBの例を二価としたものが挙げられ、好ましくは、単結合、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族複素環基、及びこれらの組み合わせからなる連結基であり、より好ましくは単結合である。LB71、LB72及びLB73は置換基を有していてもよく、置換基としては前記一般式(B)におけるLBで表される基の置換基として挙げたものと同様であり、また好ましい置換基も同様である。
Bは、窒素原子、1,3,5−ベンゼントリイル基又は2,4,6−トリアジントリイル基を表す。1,3,5−ベンゼントリイル基は2,4,6−位に置換基を有していてもよく、置換基としては、例えばアルキル基、芳香族炭化水素環基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0098】
一般式(B)又は一般式(B’)で表される含窒素5員環誘導体の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
【化64】

【化65】

【0099】
電子注入層及び電子輸送層を構成する化合物としては、本発明の有機EL素子用材料の他、電子欠乏性含窒素5員環又は電子欠乏性含窒素6員環骨格と、置換又は無置換のインドール骨格、置換又は無置換のカルバゾール骨格、置換又は無置換のアザカルバゾール骨格を組み合わせた構造を有する化合物等も挙げられる。また、好適な電子欠乏性含窒素5員環又は電子欠乏性含窒素6員環骨格としては、例えばピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、トリアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、キノキサリン、ピロール骨格及び、それらがお互いに縮合したベンズイミダゾール、イミダゾピリジン等の分子骨格が挙げられる。これらの組み合わせの中でも、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン骨格と、カルバゾール、インドール、アザカルバゾール、キノキサリン骨格が好ましく挙げられる。前述の骨格は置換されていてもよいし、無置換でもよい。
【0100】
電子輸送性化合物の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
【化66】

【化67】

【0101】
電子注入層及び電子輸送層は、前記材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。これらの層の材料は、π電子欠乏性含窒素ヘテロ環基を有していることが好ましい。
【0102】
また、電子注入層の構成成分として、含窒素環誘導体の他に無機化合物として、絶縁体又は半導体を使用することが好ましい。電子注入層が絶縁体や半導体で構成されていれば、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。
【0103】
このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲニド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしては、例えばLi2O、K2O、Na2S、Na2Se及びNa2Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えばCaO、BaO、SrO、BeO、BaS及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えばLiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えばCaF2、BaF2、SrF2、MgF2及びBeF2等のフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、半導体としては、例えばBa、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等が挙げられ、これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、電子注入層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子注入層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、例えばアルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
また、本発明における電子注入層には、前述の還元性ドーパントを好ましく含有させることができる。
なお、電子注入層又は電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、1〜100nmである。
【0104】
正孔注入層又は正孔輸送層(正孔注入輸送層も含む)には芳香族アミン化合物、例えば、一般式(I)で表わされる芳香族アミン誘導体が好適に用いられる。
【化68】

【0105】
一般式(I)において、Ar1〜Ar4は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基を表す。
【0106】
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、フルオランテニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0107】
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基としては、例えば、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基等が挙げられる。好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0108】
Lは連結基である。具体的には置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリーレン基、または、2個以上のアリーレン基もしくはヘテロアリーレン基を単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、アミノ基で結合して得られる2価の基である。環形成炭素数6〜50のアリーレン基としては、例えば、1,4−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、9,10−アントラニレン基、9,10−フェナントレニレン基、3,6−フェナントレニレン基、1,6−ピレニレン基、2,7−ピレニレン基、6,12−クリセニレン基、4,4’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、2,7−フルオレニレン基等が挙げられる。環形成原子数5〜50のアリーレン基としては、例えば、2,5−チオフェニレン基、2,5−シローリレン基、2,5−オキサジアゾーリレン基等が挙げられる。好ましくは1,4−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、9,10−アントラニレン基、6,12−クリセニレン基、4,4’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、2,7−フルオレニレン基である。
【0109】
Lが2個以上のアリーレン基またはヘテロアリーレン基からなる連結基である場合、隣り合うアリーレン基またはヘテロアリーレン基は2価の基を介して互いに結合して新たな環を形成してもよい。環を形成する2価基の例としては、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ジフェニルメタン−2,2’−ジイル基、ジフェニルエタン−3,3’−ジイル基、ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル基等が挙げられる。
【0110】
Ar1〜Ar4およびLの置換基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基で置換されたアミノ基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基等である。
【0111】
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基の例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、フルオランテニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
【0112】
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基の例としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基等が挙げられる。
【0113】
置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。
【0114】
置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。
【0115】
置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基は、−OYで表される基である。Yの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。
【0116】
置換又は無置換の炭素数7〜50のアラルキル基の例としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、 p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。
【0117】
置換又は無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基は、−OY’と表され、Y’の例としてはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基等が挙げられる。
【0118】
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリールオキシ基は、−OZ’と表され、Z’の例としては2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基等が挙げられる。
【0119】
置換又は無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基は、−SY”と表され、Y”の例としてはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基等が挙げられる。
【0120】
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリールチオ基は、−SZ”と表され、Z”の例としては2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基等が挙げられる。
【0121】
置換又は無置換の炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基は−COOZと表され、Zの例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。
【0122】
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基で置換されたアミノ基は−NPQと表わされ、P、Qの例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基等が挙げられる。
【0123】
一般式(I)の化合物の具体例を以下に記すが、これらに限定されるものではない。
【化69】

【0124】
また、下記一般式(II)の芳香族アミンも正孔注入層または正孔輸送層の形成に好適に用いられる。
【化70】

【0125】
一般式(II)において、Ar1〜Ar3の定義は前記一般式(I)のAr1〜Ar4の定義と同様である。以下に一般式(II)の化合物の具体例を記すがこれらに限定されるものではない。
【化71】

【0126】
本発明において、有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。本発明に用いられる陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅等が適用できる。また陰極としては、電子注入層又は発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が使用できる。
【0127】
本発明の有機EL素子の各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。本発明の有機EL素子に用いる、前記式(1)で表される化合物を含有する有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
本発明の有機EL素子の各有機層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
【実施例】
【0128】
次に、合成例および実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の合成例、実施例に限定されない。
【0129】
有機EL素子の評価方法は下記の通りである。
(1)外部量子効率(%)
23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で、輝度1000cd/m2時の外部量子効率を輝度計(ミノルタ社製分光輝度放射計CS−1000)を用いて測定した。
(2)半減寿命(時間)
初期輝度1000cd/m2で連続通電試験(直流)をおこない、初期輝度が半減するまでの時間を測定した。
【0130】
合成例1(化合物(6)の合成)
【化72】

【0131】
(1)化合物(6−a)の合成
【化73】

【0132】
アルゴン雰囲気下、3−(N−フェニルカルバゾール)ボロン酸(20mmol、5.74g)、3−ブロモヨードベンゼン(24mmol、6.79g)、Na2CO3の2M水溶液(40mmol、20ml)、ジメチルエーテル(40ml)、およびトルエン(40ml)の混合液にPd[PPh34(1mmol、1.16g)を加え、9時間還流させた。反応終了後、分液ロートにてトルエンで抽出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで、ろ過、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色の固体を得た(収量5.89g、収率74%)。
得られた化合物のLC/MS測定結果からこの化合物を目的物と同定した。
LC/MS:C2416BrNの計算値=397、測定値m/z=397
【0133】
(2)化合物(6−b)の合成
【化74】

【0134】
アルゴン雰囲気下、化合物(6−a)(14.7mmol,5.85g)、脱水テトラヒドロフラン(THF)(73ml)の混合溶液を−78℃に冷却し、そこへn−ブチルリチウムの1.56Mヘキサン溶液(15.4mmol,9.89ml)を加え、15分撹拌した。その後トリイソプロピルボラン(29.4mmol,5.53g)を加え、室温に放置して5時間撹拌した。反応終了後、溶液を半分程度に濃縮し、そこへ1N塩酸を加えてpH2程度に調整した後、室温で1時間撹拌した。分液ロートにてジクロロメタンで抽出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥、ショートシリカカラムを通し、濃縮した。これにヘキサンを加えて試料を析出させ、分散洗浄した後、濾取し白色の固体を得た(収量4.86g、収率91%)。
【0135】
(3)化合物(6)の合成
【化75】

【0136】
アルゴン雰囲気下、2,8−ジブロモベンゾフラン(6mmol、1.96g)、化合物(6−b)(13.2mmol、4.79g),Na2CO3の2M水溶液(24mmol、12ml),ジメチルエーテル(12ml)、トルエン(12ml)の混合液にPd[PPh34(0.30mmol、0.35g)を加え、9時間還流させた。反応終了後、分液ロートにてジクロロメタンで抽出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥、ショートシリカカラムを通し、濃縮した。これを酢酸エチルから再結晶し白色の固体を得た。得られた固体を390℃で昇華精製した(収量3.57g、収率74%)。
得られた化合物のLC/MS測定結果からこの化合物を目的物と同定した。
LC/MS:C60382Oの計算値=802、測定値m/z=802
【0137】
合成例2(化合物(18)の合成)
【化76】

【0138】
(1)化合物(18−a)の合成
【化77】

【0139】
アルゴン雰囲気下、ジベンゾフラン(30mmol、5.05g)、脱水THF(150ml)の混合溶液を0℃に冷却し、そこへ予め調製しておいたリチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン/THF溶液(33mmol/33ml)をキャヌラを用いて加え2時間撹拌した。その後、ヨウ素(33mmol、8.38g)を加え0℃で1時間撹拌した。その後再度、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン/THF溶液(33mmol/33ml)をキャヌラを用いて加え2時間撹拌した。その後、ヨウ素(33mmol、8.38g)を加え0℃で1時間撹拌した。反応終了後、分液ロートにてジクロロメタンで抽出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。これをヘキサンで再結晶し淡褐色の固体を得た(収量5.54g、収率44%)。
得られた化合物のLC/MS測定結果からこの化合物を目的物と同定した。
LC/MS:C1262Oの計算値=420、測定値m/z=420
【0140】
(2)化合物(18)の合成
【化78】

【0141】
アルゴン雰囲気下、化合物(18−a)(6mmol、2.52g)、化合物(6−b)(14.4mmol、5.23g)、Na2CO3の2M水溶液(24mmol、12ml)、ジメチルエーテル(12ml)、トルエン(12ml)の混合溶液にPd[PPh34(0.30mmol、0.35g)を加え、9時間還流させた。反応終了後、分液ロートにてトルエンで抽出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥、ショートシリカカラムを通し、濃縮した。これを酢酸エチルから再結晶し、白色の固体を得た。これを390℃で昇華精製した(収量3.32g、収率69%)。
得られた化合物のLC/MS測定結果からこの化合物を目的物と同定した。
LC/MS:C60382Oの計算値=802、測定値m/z=802
【0142】
合成例3(化合物(40)の合成)
【化79】

【0143】
2,8−ジブロモジベンゾフランの代わりに2,8−ジブロモジベンゾチオフェンを用いた以外は合成例1と同様にして化合物(40)を合成した。
【0144】
実施例1
25mm×75mm×1.1mmのITO透明電極付きガラス基板(ジオマティック社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間、超音波洗浄した後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に、透明電極を覆うようにして化合物(HT)を抵抗加熱蒸着した(厚さ60nm)。製膜レートは1Å/sとした。このHT膜は正孔注入・輸送層として機能する。
次に、HT膜上に、化合物(6)(ホスト化合物)を抵抗加熱蒸着して厚さ30nmのH1膜を成膜した。同時に燐光ドーパントとして、化合物(BD)を、化合物(6)に対し質量比で10%になるように蒸着した。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.11Å/sとした。この膜は、燐光発光層として機能する。
次に、この燐光発光層上に、化合物(HB)を抵抗加熱蒸着して、厚さ10nmのHB膜を成膜下。製膜レートは1Å/sであった。このHB膜は正孔ブロック層として機能する。
この膜上に製膜レート1Å/sにてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)錯体を蒸着した(膜厚30nm)。この膜は電子注入層として機能する。
その後、Alq膜上にLiFを製膜レート0.1Å/sで蒸着した(膜厚0.5nm)。このLiF膜上に金属Alを製膜レート1Å/sにて蒸着し金属陰極(膜厚100nm)を形成し有機EL素子を得た。
【化80】

【0145】
実施例2〜3
化合物(6)の代わりに化合物(18)又は化合物(40)を用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【化81】

【0146】
比較例1〜7
化合物(6)の代わりに化合物(H1)〜(H7)を用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【化82】

【表1】

【0147】
表1より、本発明の化合物(6)、(18)および(40)が比較例の化合物よりも高効率で長寿命であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
以上詳細に説明したように、本発明の一般式(1)で表される有機EL素子用材料を利用すると、発光効率が高く、画素欠陥がなく、耐熱性に優れ、かつ寿命の長い有機EL素子が得られる。このため、本発明の有機EL素子は、各種電子機器のディスプレイ、光源等として極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
【化1】

(一般式(1)において、XはOまたはSであり;R1とR2はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18のアリール基を表し;R3〜R6はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18のアリール基を表し;mとqはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し;nとpはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し;L1とL2はそれぞれ独立してカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜18のアリーレン基、フルオレンジイル基、−CR78−、および−CR78−CR910−(式中、R7〜R10はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい環形成炭素数6〜18のアリール基を表し、R7とR8およびR9とR10は互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に飽和または不飽和の環を形成してもよい)から選ばれる2価の結合基である。)
【請求項2】
下記一般式(2)で表される請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
【化2】

(式中、X、R1、R2、R3〜R6、m、n、p、q、L1およびL2は前記と同様である。)
【請求項3】
下記一般式(3)で表される請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
【化3】

(式中、X、R1、R2、R3〜R6、m、n、p、q、L1およびL2は前記と同様である。)
【請求項4】
前記アリーレン基がo−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、2,2’−ビフェニルジイル基、3,3’−ビフェニルジイル基,4,4’−ビフェニルジイル基、2,3’−ビフェニルジイル基、2,4’−ビフェニルジイル基、3,4’−ビフェニルジイル基、m−ターフェニル−3,3’’−ジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基から選ばれる基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
【請求項5】
3重項のエネルギーレベルが2.0〜3.2eVである請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
【請求項6】
陰極と陽極間に、発光層を含む一層以上の有機薄膜層を有し、前記有機薄膜層の少なくとも一層が、請求項1〜5のいずれかに1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記発光層が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料をホスト材料として含有する請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記発光層が、ホスト材料とりん光発光性材料を含有し、該ホスト材料が前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料である請求項6または7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
前記りん光発光性材料が、イリジウム(Ir),オスミウム(Os)および白金(Pt)から選ばれる金属を含有する化合物である請求項8記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
前記金属を含有する化合物が、オルトメタル化金属錯体である請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項11】
前記陰極と前記有機薄膜層との界面領域に還元性ドーパントを有する請求項6〜10のいずれかに1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
前記発光層と前記陰極との間に電子注入層を有し、該電子注入層が含窒素環誘導体を含有する請求項6〜10のいずれかに1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項13】
前記発光層と前記陽極との間に正孔輸送層を有し、該正孔輸送層が前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する請求項6〜10のいずれかに1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項14】
前記発光層と前記陰極との間に電子輸送層を有し、該電子輸送層が前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する請求項6〜10のいずれかに1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

【公開番号】特開2009−263579(P2009−263579A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117681(P2008−117681)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】