有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器
【課題】 発光特性の高効率化、及び長寿命化を達成し、諧調コントロールが容易になる有機エレクトロルミネッセンス装置を提供する。
【解決手段】 本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、電極間に発光機能部7のみを有し、前記発光機能部7は、発光材料からなる第1機能部7bと、正孔注入/輸送材料からなる第2機能部7aと、これら第1機能部7b及び第2機能部7aの間に発光材料及び正孔注入/輸送材料が混在する中間部7cとを有してなることを特徴とする。
【解決手段】 本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、電極間に発光機能部7のみを有し、前記発光機能部7は、発光材料からなる第1機能部7bと、正孔注入/輸送材料からなる第2機能部7aと、これら第1機能部7b及び第2機能部7aの間に発光材料及び正孔注入/輸送材料が混在する中間部7cとを有してなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイとして、有機物を用いた有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略称する)装置の開発が加速している。このような有機EL装置の作成方法としては、低分子材料を蒸着法等の気相法で形成する方法や、高分子材料を液相法で形成する方法が提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。また、有機EL装置において、発光効率、耐久性を向上させるために、正孔注入/輸送層(以下、「ホール輸送層」と称する)を陽極と発光層の間に形成することが多い。このようなホール輸送層やバッファ層の形成方法は、低分子系材料を用いる場合にはフェニルアミン誘導体を蒸着で形成する方法が提案されており、また、高分子系材料を用いる場合にはポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体(例えば、非特許文献3参照)等の導電性高分子をスピンコート法等の塗布法により膜を形成する方法が提案されている。
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.51(12),21 September 1987,p.913
【非特許文献2】Appl.Phys.Lett.71(1),7 July 1997,p.34
【非特許文献3】Nature 357,477 1992
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記背景技術に示した有機EL装置においては、いくつかの問題点を有している。有機EL装置は積層構造にて構成され、該積層構造としては、ホール輸送層、発光層、電子輸送層が順に積層された構成が一般的であり、更に、各層においては、膜厚、膜厚比、積層構造がキャリア移動度によって決定されている。例えば、ホール輸送層であればホールのキャリア移動度によって、発光層や電子輸送層であれば電子のキャリア移動度によって各層の厚さが決定されており、ホールと電子をバランスよく発光層に移動させるように施されている。しかしながら、このような構造は積層させることによってキャリア移動度のバランスを取っているために、例えば、ホール輸送材料の膜厚が厚くなる場合には電圧を高く設定し、より多くのホールを輸送しなければ発光層で発光しない、また、発光箇所が不均一になったりする等の問題がある。
【0004】
また、有機EL装置の発光特性は、図12に示したように、横軸の駆動電圧(V-drive)の変化量dvに対して、縦軸の発光効率(Efficiency)の変化量deが急峻に変化するという特性を有している。具体的には、駆動電圧を若干高くしただけで発光効率が大きく上昇してしまい、また、駆動電圧を若干低くしただけで発光効率が大きく減少してしまうという特性を有している。このような特性は、ホール輸送層や発光層等の各種発光機能層の界面において、当該各種発光機能層の材料が均一な面接触状態となっているため、ある所定の駆動電圧量を与えることにより、一斉に正孔と電子が励起され、結合し、発光してしまうからであると考えられている。従って、有機EL装置の発光輝度そして発光効率のコントロールが難しいという問題がある。所望の諧調の輝度で発光させるには、駆動電圧の変化量dvを細かく制御できるドライバ回路等が必要になり、周辺回路が複雑になるという問題がある。このことは素子寿命という観点から考えると、限られた分子のみが繰り返し励起されていることを意味しており、デメリットであるといえる。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、発光特性の高効率化、及び長寿命化を達成し、諧調コントロールが容易になる有機エレクトロルミネッセンス装置とその製造方法、及び当該有機エレクトロルミネッセンス装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)は、電極間に発光機能部を有する有機EL装置であって、前記発光機能部は、発光機能を有する高分子化合物からなる第1機能部と、化1に示した化学式(1)にて示される化合物からなる第2機能部と、これら第1機能部及び第2機能部の間に発光機能を有する高分子化合物及び化学式(1)にて示される化合物が混在する中間部とを有してなることを特徴とする。
【0007】
【化1】
【0008】
このように中間層を含む、具体的には相分離界面を含む高分子材料からなる積層構造により発光機能部を構成することで、低分子材料の積層構造を形成した場合と比較して有利な効果が得られる。
具体的には、一般的に低分子材料はアモルファス状に形成されるため、各層においては等方的に分子が配列しており、その結果、キャリア移動度も各層において等方的となっている。そして、キャリア移動度が良好にバランスするように、積層構造を構成する各層の膜厚が決定されていた。ここで、低分子材料を積層形成するには、蒸着法が一般的に用いられているが、該蒸着法によって形成された積層膜の界面は、各層の材料が混ざることなく均一な面接触状態となっている。従って、このような積層構造においては、積層によってキャリア移動度のバランスを取っているために、例えば、ホール輸送材料の膜厚が厚くなる場合には電圧を高く設定し、より多くのホールを輸送しなければ発光層で発光しなかったり、また、発光箇所が不均一になったりしていた。そして、各層の界面が均一な接合面であるために、駆動電圧量が若干上昇することにより、一斉に正孔と電子が励起され、結合し、発光していた。
これに対して、本発明のような高分子材料からなる発光機能層においては、第1機能部と第2機能部との間に中間部を形成しており、低分子材料を用いたときのような界面(面接触状態)が形成されていないため、発光効率を向上させることができ、ひいては発光寿命を向上させることが可能となるのである。そして、駆動電圧量を大きくしても一斉に正孔と電子が励起、結合することがないので、発光強度が急峻に上昇することがなく、駆動電圧量に応じて輝度を緩やかに上昇させることができ、有機EL装置の発光効率のコントロールや、低輝度の諧調コントロールを容易に行うことができるようになる。また、駆動電圧の変化量を細かく制御するための複雑な周辺回路が不要になるという利点がある。
【0009】
なお、前記中間部の具体的構成は、当該発光機能部の厚さ方向に前記発光機能を有する高分子化合物と前記化学式(1)にて示される化合物とが不均一に分布する領域、若しくは各化合物が混在する領域である。また、本発明の有機EL装置においては、前記発光機能を有する高分子化合物は発光主体をなす発光部を構成し、前記化学式(1)にて示される化合物は前記電極から前記発光部にホールを輸送するホール輸送部を構成することができる。
【0010】
次に、前記化学式(1)にて示される化合物の分子量は50000以下が好ましい。より好ましくは20000未満である。分子量が50000を超えると、製造上の扱い(溶媒への溶解性等)が悪くなるため、発光効率が低下し、発光寿命も低下する場合がある。これは、分子量が大きくなると中間部において化学式(1)にて示される化合物と発光機能を有する高分子化合物との相溶性が低下して、中間部において比較的安定な界面が形成されてしまう場合があるためと考えられる。
【0011】
また、前記発光機能部の厚さは100nm〜140nmとすることができる。100nm未満、140nm超過では発光効率が低下する場合があるためである。その原因の一つとして、中間部の構造が発光機能部の膜厚によって変化し、上記膜厚の範囲内では好適な相構造が得られるためであると考えられる。この結果は膜厚にシビアな有機ELにおいて、非常に特徴的であり、製造上大きな利点である。
【0012】
次に、本発明の有機EL装置の製造方法は、電極間に発光機能部を有する有機EL装置の製造方法であって、基板上に電極を形成する工程と、該電極上に、発光機能を有する高分子化合物と、上記化1の化学式(1)にて示される化合物とを混合した混合溶液を塗布する工程と、塗布した溶液を乾燥させる工程とを具備することを特徴とする。
【0013】
本発明の有機EL装置は、上述したように両化合物を混合した溶液を塗布して、これを乾燥するのみで簡便に得られるものである。具体的には、基板上に電極として例えばインジウム錫酸化物(ITO)を気相法にて形成し、これをパターニングした後、該電極を含む基板上に上記混合溶液をスピンコート法により塗布するとともに、これを乾燥することで上記発光機能部を得ることができる。なお、混合溶液の溶媒としては例えばキシレンを用いることができる。
【0014】
前記混合溶液は、前記発光機能を有する高分子化合物と、前記化学式(1)にて示される化合物との混合比を1:2〜1:5として調製することができる。発光機能を有する高分子化合物が少ない場合は、発光部に比してホール輸送部が過剰となり、ホールが発光部に過剰に輸送されることとなるため、発光効率が低下することがある一方、化学式(1)にて示される化合物が少ない場合は、ホール輸送部に比して発光部が過剰となり、ホールが発光部に対して十分に輸送されることとなって、発光効率が低下することがある。この結果も、膜厚同様、製造上大きな利点と考えられる。
【0015】
また、本発明の電子機器は、上述の有機EL装置を備えたことを特徴とする。これにより、長寿命で且つ明るい表示が可能な電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0017】
(有機EL装置)
まず、本発明の一実施形態に相当する有機EL装置について説明する。
本実施形態の有機EL装置はカラー発光型の有機EL装置であり、図1に示すような断面構成を有している。具体的には、ガラス等の透光性基板1の上に、回路素子としての薄膜トランジスタ(TFT)2、層間絶縁膜(絶縁層)3、画素電極(陽極)4、発光機能部7、陰極8,9等を順次積層した構造からなる。
【0018】
基板1としては、本例ではガラス基板が用いられている。ガラス基板の他にも、シリコン基板、石英基板、セラミックス基板、金属基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板等、電気光学装置や回路基板に用いられる公知の様々な基板が適用される。基板1の面内には、発光領域としての複数の画素領域がマトリクス状に配列されており、カラー表示を行う場合、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する画素領域が所定の配列で構成される。各画素領域には、画素電極4が配置され、その近傍には図示しない信号線、電源線、走査線等が配置されている。
【0019】
また、基板1上に形成されたTFT2は、各画素領域に一対一で設けられ、層間絶縁膜3を通して画素電極(陽極)4と電気的に接続されている。画素電極(陽極)4は、マトリクス状に配列され、発光機能部7を挟んで陰極8,9と対向している。各発光機能部7は、赤色(R)を発光する赤色発光機能部7Rと、緑色(G)を発光する緑色発光機能部7Gと、青色(B)を発光する青色発光機能部7Bとを有し、各色発光機能部間はバンク部(隔壁部)51,52にて仕切られている。
【0020】
バンク部51,52のうち、第1バンク部51はSiO2等の無機材料にて構成される一方、第2バンク部52はアクリル樹脂等の有機材料にて構成されている。また、第1バンク部51は、層間絶縁膜3上であって、画素電極4の外縁を一部覆う形にて配設されており、内部に発光機能部7を配置すべく開口部を有して構成されている。さらに、第2バンク部52は第1バンク部51上に、該第1バンク部51の開口部よりも大径の開口部を有して配設され、該開口部内に発光機能部7が配設されている。
【0021】
次に、陰極(対向電極)8,9は、各画素領域に亙って基板1の全面に形成されており、画素電極4と対になって発光機能部7に電流を流す役割を担っており、カルシウム層8とアルミニウム層9とが積層されて構成されている。
【0022】
本実施形態の有機EL装置では、発光機能部7から基板1側に発した光が、層間絶縁膜3及び基板1を透過して基板1の下側(光出射側)に出射されるとともに、発光機能部7から基板1の反対側に発した光がアルミニウムからなる陰極9により反射されて、層間絶縁膜3及び基板1を透過して基板1の下側に出射されるようになっている。
【0023】
ここで、発光機能部7は、図6(a)に示すような相構造を有しており、具体的には、発光機能を有する高分子化合物からなる第1機能部7bと、化2に示す化学式(1)にて示される化合物からなる第2機能部7aと、これら第1機能部7b及び第2機能部7bとの間に発光機能を有する高分子化合物及び化2に示す化学式(1)にて示される化合物が混在する中間部7cとを有して構成されている。なお、ここでは、第2機能部7aが発光部を、第1機能部7bが正孔注入/輸送部を構成している。
【0024】
【化2】
【0025】
また、第1機能部7bを構成する化合物としては、化3〜化9に示すような高分子化合物を例示することができる。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
中間部7cの具体的な構成は、図6(b)に示すように、その厚さ方向に発光機能を有する高分子化合物と化学式(1)にて示される化合物とが混在してなり、発光機能部7の厚さ方向に両化合物が不均一に分布しているものである。つまり、発光機能部7においては第1機能部7bと第2機能部7aとの間に電極と平行な界面が形成されておらず、その中間部7cにおいて両化合物が混在している。
【0034】
このように高分子材料からなる第1機能部(発光部)7b、第2機能部(正孔注入/輸送部)7a、中間部7cよりなる積層構造にて発光機能部7を構成することで、発光部と正孔注入/輸送部の間に従来のような界面(面接触状態)が形成されていないため、発光効率を向上させることができ、ひいては発光寿命を向上させることが可能となる。そして、当該発光機能部7に対する駆動電圧量を大きくしても一斉に正孔と電子が励起、結合することがないので、発光強度が急峻に上昇することがなく、駆動電圧量に応じて輝度を緩やかに上昇させることができ、有機EL装置の発光効率のコントロールや、低輝度の諧調コントロールを容易に行うことができるようになる。
【0035】
なお、本実施形態の有機EL装置で用いた化学式(1)にて示される化合物の分子量は50000以下であり、好ましくは20000未満である。分子量が50000(50k)を超えると、製造上の扱い(溶媒への溶解性等)が悪くなる上、図9に示すように発光効率が低下し、発光寿命も低下する場合がある。これは、分子量が大きくなると中間部7cにおいて化学式(1)にて示される化合物と発光機能を有する高分子化合物との相溶性が低下して、当該中間部7cにおいて比較的安定な界面が形成されてしまうためと考えられる。
【0036】
また、本実施形態の有機EL装置では、発光機能部7の厚さを100nm〜140nmとしている。発光機能部7の膜厚が100nm未満、140nm超過となると、図10に示すように発光効率が低下する場合があるためである。その原因は定かではないが、中間部7cの構造が発光機能部7の膜厚によって変化し、上記膜厚の範囲内では好適な相構造が得られるためであると考えられる。
【0037】
ここで、本実施形態の有機EL装置の発光特性について図7を参照して説明する。
図7は、有機EL装置の発光特性の実験結果を示す図であって、横軸に駆動電圧(V-drive)、縦軸に発光効率(Efficiency)をそれぞれ示している。この図において、符号Aに示す曲線は、本実施形態の有機EL装置(実施例)の発光特性を示しており、符号Bに示す曲線は、中間部7cを有しない有機EL装置(従来例)の発光特性を示している。
【0038】
図7に示すように、従来例においては駆動電圧の変化量dvに対して発光効率の変化量deが急峻に変化するという特性を有している。具体的には、駆動電圧を若干高くしただけで発光効率および発光輝度が大きく上昇してしまい、また、駆動電圧を若干低くしただけで発光効率および発光輝度が大きく減少してしまうという特性を有している。これに対して、実施例は、従来例の特性曲線よりも緩やかな曲線であり、上記の変化量dvよりも電圧幅が大きい変化量dv’によって発光効率の変化量deが得られることがわかる。従って、実施例においては、駆動電圧を高精度かつ高分解能で供給することなく、発光効率を変化させることが可能となり、低輝度の諧調コントロールを容易に行うことができることが明らかである。更に、実施例の最大発光効率が従来例よりも高い(図中Y部参照)という結果が得られた。更に、高電圧においては、実施例における発光効率の低下の程度が少なく、発光位置の広がりを示唆する結果となった。
【0039】
(有機EL装置の製造方法)
次に、有機EL装置の製造方法について説明する。
先ず、図2に示すように、ガラス基板1の上に、各画素の薄膜トランジスタ2を形成した後、絶縁層3を形成する。次に、この絶縁層3に、各薄膜トランジスタ2と画素電極4とを接続するためのコンタクト24を形成する。そして、各画素に対応してITO(In2O3 −SnO2)からなる画素電極4を形成する。具体的には、ITO薄膜形成工程、フォトリソグラフィ工程、およびエッチング工程により行う。
【0040】
次に、このガラス基板1の上に、各発光領域に対応させた開口部51aを有する酸化シリコン製の第1のバンク部(隔壁)51を、酸化シリコン薄膜形成工程、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程により形成する。なお、第1のバンク部51は、開口部51aの周縁部が陽極4の外縁部に重なるよう形成するものとしている。
【0041】
次に、図3に示すように、第1のバンク部51の上に、各発光領域に対応させた開口部52aを有する第2のバンク部(隔壁)52を形成する。この第2のバンク部52は、ポリアクリル樹脂製とし、ポリアクリル樹脂を含有する溶液の塗布工程、塗布された膜の乾燥工程、フォトリソグラフィ工程、およびエッチング工程により形成する。
【0042】
第2のバンク部52の開口部52aは、基板面に直角に交わる断面が、ガラス基板1側で小さくガラス基板1から離れる側に向けて大きくなるテーパ状に形成されている。また、第2のバンク部52の開口部52aの開口面積は、最もガラス基板1側に近い位置でも、第1のバンク部51の開口部51aより大きい。これにより、二段構造の開口部5を有する隔壁が形成される。なお、第1のバンク部51の開口部51aにより各画素毎の発光領域が精密に制御される。また、第2のバンク部52は、開口部5の深さを確保するために所定厚さで、また、滴下された溶液がバンク部52の上面に乗った場合でも開口部5内に入り易くするためにテーパ状に形成されている。
【0043】
次に、図4に示すように、各開口部5内に発光機能部形成材料61を塗布形成する。
ここで、当該発光部形成材料61の塗布方法としては、公知の液相法(ウエットプロセス、湿式塗布法)が採用され、例えば、スピンコート法、インクジェット(液滴吐出)法、スリットコート法、ディップコート法、スプレー成膜法、印刷法、等が用いられる。このような液相法は高分子材料を成膜するには好適な方法であり、気相法と比較して真空装置等の高価な設備を用いることなく安価に有機EL装置を製造することができる。
本実施形態においては、スピンコート法(例えば2000rpm/30sec)を用いることが好ましい。このように液相法を用いることにより、発光機能部形成材料61が各開口部5内の各画素電極4上に形成される。
【0044】
発光機能部形成材料は、上述した有機EL装置の発光機能部7に相当する部位を形成するための材料であり、さらに正孔注入/輸送層(機能層)を形成するための正孔注入/輸送材料と、発光層(機能層)を形成するための発光材料とが混合され、溶媒に溶解されたものである。正孔注入/輸送材料としては、上述した化2の化学式(1)で示される高分子化合物を採用するのが好ましい。また、発光材料としては、同様に上記化3〜化9で示した化学式からなる高分子化合物を採用するのが好ましい。なお発光機能を有する高分子化合物は上記に限定されることはなく、塗布可能であれば採用できる。さらに、これらを溶解させる溶媒としては、キシレンを採用することが好ましい。なお、キシレン以外の溶媒を採用してもよく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。
【0045】
より具体的には、例えば、化学式(1)で示される高分子化合物(例えば、化学式(1)において、R1及びR2が水素原子、R3が直鎖のブチル基の分子量10000程度の化合物)と、発光機能を有する高分子化合物とを1:2の重量比率で混合し、キシレンに溶解させることで、3重量%のキシレン溶液を得ることが例示できる。化学式(1)で示される高分子化合物は、例えば特開平11−21349号公報に記載された方法により合成できる。また、必要に応じてフェニルブロミド及び/又はジフェニルアミンでポリマー末端を保護した高分子化合物を用いることが特に好ましい。得られた高分子化合物は、適宜再沈法、カラムクロマトグラフィー法等を用い微量金属成分(例えば、Na、Pdなど)を除去し精製して用いることが更に好ましい。
化学式(1)において、置換基R1、R2及びR3としては、上記の定義に該当すれば特に限定するものではないが、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1−18の直鎖、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−へプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1−18の直鎖、直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。中でも、化学式(1)の好ましい例としては、R1及びR2が水素原子であり、且つR3が炭素数3−8の直鎖、直鎖、分岐又は環状のアルキル基を有するものである。
【0046】
以上のような発光機能部形成材料を塗布形成した後に、乾燥を施すと、図5に示すように、各画素電極4上に各色の発光機能部7R,7G,7Bが形成される。そして、本実施形態のような高分子材料を液相法(スピンコート法)で形成することで、図6に示したような第1機能部7bと第2機能部7aとの間に中間部が形成された構成を得ることができる。
【0047】
これにより、図1に示すように、基板1上の全面(すなわち、画素領域内に相当する開口部5内の第1陰極8の上と第2の隔壁52の上)に第2陰極(電極)9が形成される。
なお、各陰極8,9の形成は、従来から公知の真空蒸着法にて形成することもできる。
【0048】
次に、基板1の上面全体と、基板面の周縁位置にある第2の隔壁52の外側面とに、エポキシ樹脂系接着剤を所定厚さで塗布し、その上にガラス板を載せた状態でこの接着剤を硬化させる。すなわち、第2陰極9の上面全体をエポキシ樹脂系接着剤で覆った。このようにして封止材とガラス板による封止を行うことで、有機EL装置が完成となる。
そして、駆動回路等を有する本体に当該有機EL装置を取り付けることで、有機EL装置を備えた有機EL表示パネルが完成となる。
【0049】
(電子機器)
次に、本発明の有機EL装置を備えた各種電子機器について、図8を参照して説明する。図8(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は前記有機EL装置を用いた表示部を示している。図8(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号703は情報処理装置本体、符号702は前記有機EL装置を用いた表示部を示している。図8(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図8(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は前記有機EL装置を用いた表示部を示している。
【0050】
図8(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、本実施形態の有機EL装置を表示部として備えたものであるため、表示の発光効率が良好で、高寿命の表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態の有機EL装置を示す断面図。
【図2】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図3】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図4】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図5】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図6】発光機能部の詳細な構成を説明するための図。
【図7】本発明の有機EL装置の発光特性を説明するための図。
【図8】本発明の有機EL装置を備えた電子機器を示す斜視図。
【図9】正孔注入/輸送材料に用いる化合物の分子量と発光効率の関係を示す図。
【図10】発光機能部の膜厚と発光効率の関係を示す図。
【図11】正孔注入/輸送材料と発光材料の混合比と発光効率の関係を示す図。
【図12】従来の有機EL装置の発光特性を説明するための図。
【符号の説明】
【0052】
4…陽極(画素電極、電極)、7…発光機能部、7a…正孔注入/輸送部(第2機能部)、7b…発光部(第1機能部)、7c…界面(中間部)、8…第1陰極(電極)、9…第2陰極(電極)
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイとして、有機物を用いた有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略称する)装置の開発が加速している。このような有機EL装置の作成方法としては、低分子材料を蒸着法等の気相法で形成する方法や、高分子材料を液相法で形成する方法が提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。また、有機EL装置において、発光効率、耐久性を向上させるために、正孔注入/輸送層(以下、「ホール輸送層」と称する)を陽極と発光層の間に形成することが多い。このようなホール輸送層やバッファ層の形成方法は、低分子系材料を用いる場合にはフェニルアミン誘導体を蒸着で形成する方法が提案されており、また、高分子系材料を用いる場合にはポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体(例えば、非特許文献3参照)等の導電性高分子をスピンコート法等の塗布法により膜を形成する方法が提案されている。
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.51(12),21 September 1987,p.913
【非特許文献2】Appl.Phys.Lett.71(1),7 July 1997,p.34
【非特許文献3】Nature 357,477 1992
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記背景技術に示した有機EL装置においては、いくつかの問題点を有している。有機EL装置は積層構造にて構成され、該積層構造としては、ホール輸送層、発光層、電子輸送層が順に積層された構成が一般的であり、更に、各層においては、膜厚、膜厚比、積層構造がキャリア移動度によって決定されている。例えば、ホール輸送層であればホールのキャリア移動度によって、発光層や電子輸送層であれば電子のキャリア移動度によって各層の厚さが決定されており、ホールと電子をバランスよく発光層に移動させるように施されている。しかしながら、このような構造は積層させることによってキャリア移動度のバランスを取っているために、例えば、ホール輸送材料の膜厚が厚くなる場合には電圧を高く設定し、より多くのホールを輸送しなければ発光層で発光しない、また、発光箇所が不均一になったりする等の問題がある。
【0004】
また、有機EL装置の発光特性は、図12に示したように、横軸の駆動電圧(V-drive)の変化量dvに対して、縦軸の発光効率(Efficiency)の変化量deが急峻に変化するという特性を有している。具体的には、駆動電圧を若干高くしただけで発光効率が大きく上昇してしまい、また、駆動電圧を若干低くしただけで発光効率が大きく減少してしまうという特性を有している。このような特性は、ホール輸送層や発光層等の各種発光機能層の界面において、当該各種発光機能層の材料が均一な面接触状態となっているため、ある所定の駆動電圧量を与えることにより、一斉に正孔と電子が励起され、結合し、発光してしまうからであると考えられている。従って、有機EL装置の発光輝度そして発光効率のコントロールが難しいという問題がある。所望の諧調の輝度で発光させるには、駆動電圧の変化量dvを細かく制御できるドライバ回路等が必要になり、周辺回路が複雑になるという問題がある。このことは素子寿命という観点から考えると、限られた分子のみが繰り返し励起されていることを意味しており、デメリットであるといえる。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、発光特性の高効率化、及び長寿命化を達成し、諧調コントロールが容易になる有機エレクトロルミネッセンス装置とその製造方法、及び当該有機エレクトロルミネッセンス装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)は、電極間に発光機能部を有する有機EL装置であって、前記発光機能部は、発光機能を有する高分子化合物からなる第1機能部と、化1に示した化学式(1)にて示される化合物からなる第2機能部と、これら第1機能部及び第2機能部の間に発光機能を有する高分子化合物及び化学式(1)にて示される化合物が混在する中間部とを有してなることを特徴とする。
【0007】
【化1】
【0008】
このように中間層を含む、具体的には相分離界面を含む高分子材料からなる積層構造により発光機能部を構成することで、低分子材料の積層構造を形成した場合と比較して有利な効果が得られる。
具体的には、一般的に低分子材料はアモルファス状に形成されるため、各層においては等方的に分子が配列しており、その結果、キャリア移動度も各層において等方的となっている。そして、キャリア移動度が良好にバランスするように、積層構造を構成する各層の膜厚が決定されていた。ここで、低分子材料を積層形成するには、蒸着法が一般的に用いられているが、該蒸着法によって形成された積層膜の界面は、各層の材料が混ざることなく均一な面接触状態となっている。従って、このような積層構造においては、積層によってキャリア移動度のバランスを取っているために、例えば、ホール輸送材料の膜厚が厚くなる場合には電圧を高く設定し、より多くのホールを輸送しなければ発光層で発光しなかったり、また、発光箇所が不均一になったりしていた。そして、各層の界面が均一な接合面であるために、駆動電圧量が若干上昇することにより、一斉に正孔と電子が励起され、結合し、発光していた。
これに対して、本発明のような高分子材料からなる発光機能層においては、第1機能部と第2機能部との間に中間部を形成しており、低分子材料を用いたときのような界面(面接触状態)が形成されていないため、発光効率を向上させることができ、ひいては発光寿命を向上させることが可能となるのである。そして、駆動電圧量を大きくしても一斉に正孔と電子が励起、結合することがないので、発光強度が急峻に上昇することがなく、駆動電圧量に応じて輝度を緩やかに上昇させることができ、有機EL装置の発光効率のコントロールや、低輝度の諧調コントロールを容易に行うことができるようになる。また、駆動電圧の変化量を細かく制御するための複雑な周辺回路が不要になるという利点がある。
【0009】
なお、前記中間部の具体的構成は、当該発光機能部の厚さ方向に前記発光機能を有する高分子化合物と前記化学式(1)にて示される化合物とが不均一に分布する領域、若しくは各化合物が混在する領域である。また、本発明の有機EL装置においては、前記発光機能を有する高分子化合物は発光主体をなす発光部を構成し、前記化学式(1)にて示される化合物は前記電極から前記発光部にホールを輸送するホール輸送部を構成することができる。
【0010】
次に、前記化学式(1)にて示される化合物の分子量は50000以下が好ましい。より好ましくは20000未満である。分子量が50000を超えると、製造上の扱い(溶媒への溶解性等)が悪くなるため、発光効率が低下し、発光寿命も低下する場合がある。これは、分子量が大きくなると中間部において化学式(1)にて示される化合物と発光機能を有する高分子化合物との相溶性が低下して、中間部において比較的安定な界面が形成されてしまう場合があるためと考えられる。
【0011】
また、前記発光機能部の厚さは100nm〜140nmとすることができる。100nm未満、140nm超過では発光効率が低下する場合があるためである。その原因の一つとして、中間部の構造が発光機能部の膜厚によって変化し、上記膜厚の範囲内では好適な相構造が得られるためであると考えられる。この結果は膜厚にシビアな有機ELにおいて、非常に特徴的であり、製造上大きな利点である。
【0012】
次に、本発明の有機EL装置の製造方法は、電極間に発光機能部を有する有機EL装置の製造方法であって、基板上に電極を形成する工程と、該電極上に、発光機能を有する高分子化合物と、上記化1の化学式(1)にて示される化合物とを混合した混合溶液を塗布する工程と、塗布した溶液を乾燥させる工程とを具備することを特徴とする。
【0013】
本発明の有機EL装置は、上述したように両化合物を混合した溶液を塗布して、これを乾燥するのみで簡便に得られるものである。具体的には、基板上に電極として例えばインジウム錫酸化物(ITO)を気相法にて形成し、これをパターニングした後、該電極を含む基板上に上記混合溶液をスピンコート法により塗布するとともに、これを乾燥することで上記発光機能部を得ることができる。なお、混合溶液の溶媒としては例えばキシレンを用いることができる。
【0014】
前記混合溶液は、前記発光機能を有する高分子化合物と、前記化学式(1)にて示される化合物との混合比を1:2〜1:5として調製することができる。発光機能を有する高分子化合物が少ない場合は、発光部に比してホール輸送部が過剰となり、ホールが発光部に過剰に輸送されることとなるため、発光効率が低下することがある一方、化学式(1)にて示される化合物が少ない場合は、ホール輸送部に比して発光部が過剰となり、ホールが発光部に対して十分に輸送されることとなって、発光効率が低下することがある。この結果も、膜厚同様、製造上大きな利点と考えられる。
【0015】
また、本発明の電子機器は、上述の有機EL装置を備えたことを特徴とする。これにより、長寿命で且つ明るい表示が可能な電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0017】
(有機EL装置)
まず、本発明の一実施形態に相当する有機EL装置について説明する。
本実施形態の有機EL装置はカラー発光型の有機EL装置であり、図1に示すような断面構成を有している。具体的には、ガラス等の透光性基板1の上に、回路素子としての薄膜トランジスタ(TFT)2、層間絶縁膜(絶縁層)3、画素電極(陽極)4、発光機能部7、陰極8,9等を順次積層した構造からなる。
【0018】
基板1としては、本例ではガラス基板が用いられている。ガラス基板の他にも、シリコン基板、石英基板、セラミックス基板、金属基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板等、電気光学装置や回路基板に用いられる公知の様々な基板が適用される。基板1の面内には、発光領域としての複数の画素領域がマトリクス状に配列されており、カラー表示を行う場合、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する画素領域が所定の配列で構成される。各画素領域には、画素電極4が配置され、その近傍には図示しない信号線、電源線、走査線等が配置されている。
【0019】
また、基板1上に形成されたTFT2は、各画素領域に一対一で設けられ、層間絶縁膜3を通して画素電極(陽極)4と電気的に接続されている。画素電極(陽極)4は、マトリクス状に配列され、発光機能部7を挟んで陰極8,9と対向している。各発光機能部7は、赤色(R)を発光する赤色発光機能部7Rと、緑色(G)を発光する緑色発光機能部7Gと、青色(B)を発光する青色発光機能部7Bとを有し、各色発光機能部間はバンク部(隔壁部)51,52にて仕切られている。
【0020】
バンク部51,52のうち、第1バンク部51はSiO2等の無機材料にて構成される一方、第2バンク部52はアクリル樹脂等の有機材料にて構成されている。また、第1バンク部51は、層間絶縁膜3上であって、画素電極4の外縁を一部覆う形にて配設されており、内部に発光機能部7を配置すべく開口部を有して構成されている。さらに、第2バンク部52は第1バンク部51上に、該第1バンク部51の開口部よりも大径の開口部を有して配設され、該開口部内に発光機能部7が配設されている。
【0021】
次に、陰極(対向電極)8,9は、各画素領域に亙って基板1の全面に形成されており、画素電極4と対になって発光機能部7に電流を流す役割を担っており、カルシウム層8とアルミニウム層9とが積層されて構成されている。
【0022】
本実施形態の有機EL装置では、発光機能部7から基板1側に発した光が、層間絶縁膜3及び基板1を透過して基板1の下側(光出射側)に出射されるとともに、発光機能部7から基板1の反対側に発した光がアルミニウムからなる陰極9により反射されて、層間絶縁膜3及び基板1を透過して基板1の下側に出射されるようになっている。
【0023】
ここで、発光機能部7は、図6(a)に示すような相構造を有しており、具体的には、発光機能を有する高分子化合物からなる第1機能部7bと、化2に示す化学式(1)にて示される化合物からなる第2機能部7aと、これら第1機能部7b及び第2機能部7bとの間に発光機能を有する高分子化合物及び化2に示す化学式(1)にて示される化合物が混在する中間部7cとを有して構成されている。なお、ここでは、第2機能部7aが発光部を、第1機能部7bが正孔注入/輸送部を構成している。
【0024】
【化2】
【0025】
また、第1機能部7bを構成する化合物としては、化3〜化9に示すような高分子化合物を例示することができる。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
中間部7cの具体的な構成は、図6(b)に示すように、その厚さ方向に発光機能を有する高分子化合物と化学式(1)にて示される化合物とが混在してなり、発光機能部7の厚さ方向に両化合物が不均一に分布しているものである。つまり、発光機能部7においては第1機能部7bと第2機能部7aとの間に電極と平行な界面が形成されておらず、その中間部7cにおいて両化合物が混在している。
【0034】
このように高分子材料からなる第1機能部(発光部)7b、第2機能部(正孔注入/輸送部)7a、中間部7cよりなる積層構造にて発光機能部7を構成することで、発光部と正孔注入/輸送部の間に従来のような界面(面接触状態)が形成されていないため、発光効率を向上させることができ、ひいては発光寿命を向上させることが可能となる。そして、当該発光機能部7に対する駆動電圧量を大きくしても一斉に正孔と電子が励起、結合することがないので、発光強度が急峻に上昇することがなく、駆動電圧量に応じて輝度を緩やかに上昇させることができ、有機EL装置の発光効率のコントロールや、低輝度の諧調コントロールを容易に行うことができるようになる。
【0035】
なお、本実施形態の有機EL装置で用いた化学式(1)にて示される化合物の分子量は50000以下であり、好ましくは20000未満である。分子量が50000(50k)を超えると、製造上の扱い(溶媒への溶解性等)が悪くなる上、図9に示すように発光効率が低下し、発光寿命も低下する場合がある。これは、分子量が大きくなると中間部7cにおいて化学式(1)にて示される化合物と発光機能を有する高分子化合物との相溶性が低下して、当該中間部7cにおいて比較的安定な界面が形成されてしまうためと考えられる。
【0036】
また、本実施形態の有機EL装置では、発光機能部7の厚さを100nm〜140nmとしている。発光機能部7の膜厚が100nm未満、140nm超過となると、図10に示すように発光効率が低下する場合があるためである。その原因は定かではないが、中間部7cの構造が発光機能部7の膜厚によって変化し、上記膜厚の範囲内では好適な相構造が得られるためであると考えられる。
【0037】
ここで、本実施形態の有機EL装置の発光特性について図7を参照して説明する。
図7は、有機EL装置の発光特性の実験結果を示す図であって、横軸に駆動電圧(V-drive)、縦軸に発光効率(Efficiency)をそれぞれ示している。この図において、符号Aに示す曲線は、本実施形態の有機EL装置(実施例)の発光特性を示しており、符号Bに示す曲線は、中間部7cを有しない有機EL装置(従来例)の発光特性を示している。
【0038】
図7に示すように、従来例においては駆動電圧の変化量dvに対して発光効率の変化量deが急峻に変化するという特性を有している。具体的には、駆動電圧を若干高くしただけで発光効率および発光輝度が大きく上昇してしまい、また、駆動電圧を若干低くしただけで発光効率および発光輝度が大きく減少してしまうという特性を有している。これに対して、実施例は、従来例の特性曲線よりも緩やかな曲線であり、上記の変化量dvよりも電圧幅が大きい変化量dv’によって発光効率の変化量deが得られることがわかる。従って、実施例においては、駆動電圧を高精度かつ高分解能で供給することなく、発光効率を変化させることが可能となり、低輝度の諧調コントロールを容易に行うことができることが明らかである。更に、実施例の最大発光効率が従来例よりも高い(図中Y部参照)という結果が得られた。更に、高電圧においては、実施例における発光効率の低下の程度が少なく、発光位置の広がりを示唆する結果となった。
【0039】
(有機EL装置の製造方法)
次に、有機EL装置の製造方法について説明する。
先ず、図2に示すように、ガラス基板1の上に、各画素の薄膜トランジスタ2を形成した後、絶縁層3を形成する。次に、この絶縁層3に、各薄膜トランジスタ2と画素電極4とを接続するためのコンタクト24を形成する。そして、各画素に対応してITO(In2O3 −SnO2)からなる画素電極4を形成する。具体的には、ITO薄膜形成工程、フォトリソグラフィ工程、およびエッチング工程により行う。
【0040】
次に、このガラス基板1の上に、各発光領域に対応させた開口部51aを有する酸化シリコン製の第1のバンク部(隔壁)51を、酸化シリコン薄膜形成工程、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程により形成する。なお、第1のバンク部51は、開口部51aの周縁部が陽極4の外縁部に重なるよう形成するものとしている。
【0041】
次に、図3に示すように、第1のバンク部51の上に、各発光領域に対応させた開口部52aを有する第2のバンク部(隔壁)52を形成する。この第2のバンク部52は、ポリアクリル樹脂製とし、ポリアクリル樹脂を含有する溶液の塗布工程、塗布された膜の乾燥工程、フォトリソグラフィ工程、およびエッチング工程により形成する。
【0042】
第2のバンク部52の開口部52aは、基板面に直角に交わる断面が、ガラス基板1側で小さくガラス基板1から離れる側に向けて大きくなるテーパ状に形成されている。また、第2のバンク部52の開口部52aの開口面積は、最もガラス基板1側に近い位置でも、第1のバンク部51の開口部51aより大きい。これにより、二段構造の開口部5を有する隔壁が形成される。なお、第1のバンク部51の開口部51aにより各画素毎の発光領域が精密に制御される。また、第2のバンク部52は、開口部5の深さを確保するために所定厚さで、また、滴下された溶液がバンク部52の上面に乗った場合でも開口部5内に入り易くするためにテーパ状に形成されている。
【0043】
次に、図4に示すように、各開口部5内に発光機能部形成材料61を塗布形成する。
ここで、当該発光部形成材料61の塗布方法としては、公知の液相法(ウエットプロセス、湿式塗布法)が採用され、例えば、スピンコート法、インクジェット(液滴吐出)法、スリットコート法、ディップコート法、スプレー成膜法、印刷法、等が用いられる。このような液相法は高分子材料を成膜するには好適な方法であり、気相法と比較して真空装置等の高価な設備を用いることなく安価に有機EL装置を製造することができる。
本実施形態においては、スピンコート法(例えば2000rpm/30sec)を用いることが好ましい。このように液相法を用いることにより、発光機能部形成材料61が各開口部5内の各画素電極4上に形成される。
【0044】
発光機能部形成材料は、上述した有機EL装置の発光機能部7に相当する部位を形成するための材料であり、さらに正孔注入/輸送層(機能層)を形成するための正孔注入/輸送材料と、発光層(機能層)を形成するための発光材料とが混合され、溶媒に溶解されたものである。正孔注入/輸送材料としては、上述した化2の化学式(1)で示される高分子化合物を採用するのが好ましい。また、発光材料としては、同様に上記化3〜化9で示した化学式からなる高分子化合物を採用するのが好ましい。なお発光機能を有する高分子化合物は上記に限定されることはなく、塗布可能であれば採用できる。さらに、これらを溶解させる溶媒としては、キシレンを採用することが好ましい。なお、キシレン以外の溶媒を採用してもよく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。
【0045】
より具体的には、例えば、化学式(1)で示される高分子化合物(例えば、化学式(1)において、R1及びR2が水素原子、R3が直鎖のブチル基の分子量10000程度の化合物)と、発光機能を有する高分子化合物とを1:2の重量比率で混合し、キシレンに溶解させることで、3重量%のキシレン溶液を得ることが例示できる。化学式(1)で示される高分子化合物は、例えば特開平11−21349号公報に記載された方法により合成できる。また、必要に応じてフェニルブロミド及び/又はジフェニルアミンでポリマー末端を保護した高分子化合物を用いることが特に好ましい。得られた高分子化合物は、適宜再沈法、カラムクロマトグラフィー法等を用い微量金属成分(例えば、Na、Pdなど)を除去し精製して用いることが更に好ましい。
化学式(1)において、置換基R1、R2及びR3としては、上記の定義に該当すれば特に限定するものではないが、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1−18の直鎖、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−へプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1−18の直鎖、直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。中でも、化学式(1)の好ましい例としては、R1及びR2が水素原子であり、且つR3が炭素数3−8の直鎖、直鎖、分岐又は環状のアルキル基を有するものである。
【0046】
以上のような発光機能部形成材料を塗布形成した後に、乾燥を施すと、図5に示すように、各画素電極4上に各色の発光機能部7R,7G,7Bが形成される。そして、本実施形態のような高分子材料を液相法(スピンコート法)で形成することで、図6に示したような第1機能部7bと第2機能部7aとの間に中間部が形成された構成を得ることができる。
【0047】
これにより、図1に示すように、基板1上の全面(すなわち、画素領域内に相当する開口部5内の第1陰極8の上と第2の隔壁52の上)に第2陰極(電極)9が形成される。
なお、各陰極8,9の形成は、従来から公知の真空蒸着法にて形成することもできる。
【0048】
次に、基板1の上面全体と、基板面の周縁位置にある第2の隔壁52の外側面とに、エポキシ樹脂系接着剤を所定厚さで塗布し、その上にガラス板を載せた状態でこの接着剤を硬化させる。すなわち、第2陰極9の上面全体をエポキシ樹脂系接着剤で覆った。このようにして封止材とガラス板による封止を行うことで、有機EL装置が完成となる。
そして、駆動回路等を有する本体に当該有機EL装置を取り付けることで、有機EL装置を備えた有機EL表示パネルが完成となる。
【0049】
(電子機器)
次に、本発明の有機EL装置を備えた各種電子機器について、図8を参照して説明する。図8(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は前記有機EL装置を用いた表示部を示している。図8(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号703は情報処理装置本体、符号702は前記有機EL装置を用いた表示部を示している。図8(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図8(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は前記有機EL装置を用いた表示部を示している。
【0050】
図8(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、本実施形態の有機EL装置を表示部として備えたものであるため、表示の発光効率が良好で、高寿命の表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態の有機EL装置を示す断面図。
【図2】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図3】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図4】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図5】図1の有機EL装置の製造工程を説明するための断面図。
【図6】発光機能部の詳細な構成を説明するための図。
【図7】本発明の有機EL装置の発光特性を説明するための図。
【図8】本発明の有機EL装置を備えた電子機器を示す斜視図。
【図9】正孔注入/輸送材料に用いる化合物の分子量と発光効率の関係を示す図。
【図10】発光機能部の膜厚と発光効率の関係を示す図。
【図11】正孔注入/輸送材料と発光材料の混合比と発光効率の関係を示す図。
【図12】従来の有機EL装置の発光特性を説明するための図。
【符号の説明】
【0052】
4…陽極(画素電極、電極)、7…発光機能部、7a…正孔注入/輸送部(第2機能部)、7b…発光部(第1機能部)、7c…界面(中間部)、8…第1陰極(電極)、9…第2陰極(電極)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極間に発光機能部を有する有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
前記発光機能部は、発光機能を有する高分子化合物からなる第1機能部と、化学式(1)にて示される化合物からなる第2機能部と、これら第1機能部と第2機能部との間に発光機能を有する高分子化合物及び化学式(1)にて示される化合物が混在する中間部とを有してなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
【化1】
【請求項2】
前記中間部は、当該発光機能部の厚さ方向に前記発光機能を有する高分子化合物と前記化学式(1)にて示される化合物とが不均一に分布する領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項3】
前記中間部は、当該発光機能部の厚さ方向に前記発光機能を有する高分子化合物と前記化学式(1)にて示される化合物とが混在する領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項4】
前記化学式(1)にて示される化合物の分子量が、50000以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項5】
前記発光機能部は、厚さが100nm〜140nmとされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項6】
前記発光機能を有する高分子化合物は発光主体をなす発光部を構成し、前記化学式(1)にて示される化合物は前記電極から前記発光部にホールを輸送するホール輸送部を構成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項7】
電極間に発光機能部を有する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
基板上に電極を形成する工程と、
該電極上に、発光機能を有する高分子化合物と、化学式(1)にて示される化合物とを混合した混合溶液を塗布する工程と、
塗布した溶液を乾燥させる工程とを具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【化2】
【請求項8】
前記混合溶液は、前記発光機能を有する高分子化合物と、前記化学式(1)にて示される化合物との混合比が、1:2〜1:5であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
電極間に発光機能部を有する有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
前記発光機能部は、発光機能を有する高分子化合物からなる第1機能部と、化学式(1)にて示される化合物からなる第2機能部と、これら第1機能部と第2機能部との間に発光機能を有する高分子化合物及び化学式(1)にて示される化合物が混在する中間部とを有してなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
【化1】
【請求項2】
前記中間部は、当該発光機能部の厚さ方向に前記発光機能を有する高分子化合物と前記化学式(1)にて示される化合物とが不均一に分布する領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項3】
前記中間部は、当該発光機能部の厚さ方向に前記発光機能を有する高分子化合物と前記化学式(1)にて示される化合物とが混在する領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項4】
前記化学式(1)にて示される化合物の分子量が、50000以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項5】
前記発光機能部は、厚さが100nm〜140nmとされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項6】
前記発光機能を有する高分子化合物は発光主体をなす発光部を構成し、前記化学式(1)にて示される化合物は前記電極から前記発光部にホールを輸送するホール輸送部を構成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項7】
電極間に発光機能部を有する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
基板上に電極を形成する工程と、
該電極上に、発光機能を有する高分子化合物と、化学式(1)にて示される化合物とを混合した混合溶液を塗布する工程と、
塗布した溶液を乾燥させる工程とを具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【化2】
【請求項8】
前記混合溶液は、前記発光機能を有する高分子化合物と、前記化学式(1)にて示される化合物との混合比が、1:2〜1:5であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−86435(P2006−86435A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271508(P2004−271508)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】
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