説明

有機リンインダゾール誘導体及びタンパク質キナーゼ阻害剤としてのその使用

本発明は、新規化学的化合物、及び、特に、新規有機リンインダゾール誘導体、これを含有する組成物、並びに癌の治療のための医薬としてのその使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、新規化学的化合物に関し、特に、インダゾールの新規有機リン誘導体、それらを含有する組成物及び医薬品としてのその使用に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、タンパク質、特にキナーゼの活性を調節することを通じて、抗癌活性を有する新規特異的インダゾールに関する。
【背景技術】
【0003】
現在まで、化学療法で使用される市販の化合物の多くは、患者に対して副作用と耐容性の大きな問題を引き起こす細胞毒性剤である。使用される医薬品が、正常な細胞を除外して、癌細胞に対して選択的に作用する限り、これらの効果は限定的であり得る。従って、化学療法の副作用を限定するための方策の一つは、主としてがん細胞中で発現されており、正常な細胞中では発現されてないか、又はごく僅かしか発現されていない代謝経路又はこれらの経路を構成する要素に作用する医薬品を使用することからなり得る。
【0004】
タンパク質キナーゼは、チロシン、セリン又はスレオニン残基などの、タンパク質の特定の残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素のファミリーである。このようなリン酸化は、タンパク質の機能を大幅に修飾することができる。このため、タンパク質キナーゼは、特に代謝、細胞増殖、細胞分化、細胞の遊走又は細胞の生存など、極めて多様な細胞プロセスを制御する上で重要な役割を果たしている。タンパク質キナーゼの活性が関与している様々な細胞機能のうち、幾つかのプロセスは、癌関連疾患及びその他の疾患を治療するための魅力的な標的である。
【0005】
このため、本発明の目的の一つは、特にキナーゼに関して作用することによって、抗癌活性を有する組成物を提案することである。活性の調節が望ましいキナーゼの中では、Aurora2及びTie2が好ましい。
【0006】
染色体の分離及び紡錘体の集合に関与する多くのタンパク質が、酵母及びショウジョウバエで同定されている。これらのタンパク質の崩壊は、染色体の非分離と単極の紡錘体又は無秩序な紡錘体をもたらす。これらのタンパク質のうち、それぞれ、ショウジョウバエ及びS.セレビシアエに由来するAurora及びlpl1を含むある種のキナーゼは、染色体の分離及び中心体の分離に必要とされる。酵母lpl1のヒト類縁体が、最近クローニングされ、様々な研究室によって特性が決定された。aurora2、STK15又はBTAKと称されるこのキナーゼは、セリン/スレオニンキナーゼファミリーに属する。Bischoffらは、Aurora2が発がん性であり、ヒト結腸直腸癌で増幅されていることを示した(EMBO J, 1998,17,3052−3065)。これは、乳がんなどの上皮性腫瘍を含む癌でも示されている。
【0007】
本発明の産物が作用し得る他のキナーゼとしては、FAK、KDR、Src、Tie2及びサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を挙げることができる。
【0008】
FAKは、ヘテロ二量体の細胞接着受容体のファミリーであるインテグリンによって伝えられる信号の伝達において重要な役割を果たす細胞質チロシンキナーゼである。FAK及びインテグリンは、付着板と呼ばれる膜周囲構造中に位置している。多くの細胞種で、FAKの活性化及びFAKのチロシン残基のリン酸化、特にFAKのチロシン397の自己リン酸化は、インテグリンがそれらの細胞外リガンドに結合することに依存し、それゆえ、細胞接着の間に誘導されることが示されている[Kornberg L, et al. J. Biol. Chem. 267(33):23439−442(1992)]。FAKのチロシン397の自己リン酸化は、そのSH2ドメインを介して、別のチロシンキナーゼであるSrcに対する結合部位となる[Schaller et al. Mol. Cell. Biol. 14:1680−1688.1994;Xing et al. Mol. Cell. Biol. 5:413−421.1994]。Srcは、次いで、FAKのチロシン925をリン酸化し、これにより、Grb2アダプタータンパク質を動員し、ある種の細胞中で、細胞増殖の調節に関与するras及びMAPキナーゼ経路の活性化を誘導することができる[Schlaepfer et al. Nature;372:786−791.1994,;Schlaepfer et al. Prog.Biophy.Mol.Biol.71:435−478.1999;Schlaepfer and Hunter, J.Biol.Chem.272:13189−13195.1997]。FAKの活性化は、jun NH2末端キナーゼ(JNK)シグナル伝達経路も誘導して、細胞を細胞周期のG1期へ進行させることができる[Oktay et al., J.Cell.Biol. 145:1461−1469.1999.]。ホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ(PI3−キナーゼ)も、FAKのチロシン397に結合し、この相互作用はPI3−キナーゼの活性化に必要な場合があり得る[Chen and Guan, Proc.Nat.Acad.Sci.USA.91:10148−10152.1994;Ling et al. J.Cell.Biochem.73:533−544.1999]。FAK/Src複合体は、繊維芽細胞中で、パキシリン及びp130CASなどの様々な基質をリン酸化する[Vuori et al. Mol.Cell.Biol.16:2606−2613.1996]。
【0009】
多くの研究の結果が、FAK阻害剤を癌の治療に使用できるという仮説を裏付けている。FAKがインビトロで細胞増殖及び/又は生存に重要な役割を果たし得ることが、研究によって示唆されている。例えば、CHO細胞では、何人かの著者によって、p125FAKの過剰発現がG1からSへの移行を加速させることが実証されており、p125FAKが細胞増殖を促進させることを示唆している[Zhao J.−H et al. J.Cell.Biol.143:1997−2008.1998]。他の著者は、FAKアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理された腫瘍細胞はそれらの接着性を喪失し、アポトーシスに移行することを示している(Xu et al, Cell Growth Differ.4:413−418.1996)。FAKはインビトロで細胞の遊走を促進することも実証されている。このため、FAKの発現を欠く繊維芽細胞(FAK「ノックアウト」マウス)は、丸い形態を示し、及び化学遊走シグナルに応じた細胞遊走が欠失しており、これらの欠失はFAKの再発現によって喪失される[DJ. Sieg. et al., J.Cell Science.112:2677−91.1999]。FAK(FRNK)のC末端ドメインの過剰発現は、接着細胞の伸長を遮断し、インビトロで細胞の遊走を抑制する[Richardson A. and Parsons J.T. Nature.380:538−540.1996]。CHO若しくはCOS細胞又はヒト星細胞腫細胞中でのFAKの過剰発現は、細胞の遊走を促進する。インビトロにおいて、多くの細胞種で細胞の増殖及び遊走を促進することにFAKが関与しているということは、腫瘍形成過程でFAKが役割を果たしている可能性があることを示唆する。最近の研究は、ヒト星細胞腫細胞中でFAKの発現を誘導した後、インビボで腫瘍細胞の増殖が増加することを効果的に実証した[Cary L.A. et al. J. Cell Sci. 109:1787−94.1996;Wang D et al. J. Cell Sci.113:4221−4230.2000]。さらに、ヒト生検の免疫組織学的研究は、FAKが、前立腺癌、乳癌、甲状腺癌、大腸癌、悪性黒色腫、脳腫瘍及び肺がんで過剰発現されており、FAKの発現のレベルは最も侵襲性の強い表現型を示す腫瘍と直接的に相関していることを実証した[Weiner TM, et al. Lancet.342(8878):1024−1025.1993;Owens et al. Cancer Research. 55:2752−2755.1995;Muang K. et al. Oncogene.18:6824−6828.1999;Wang D et al. J. Cell. Sci.113:4221−4230.2000]。
【0010】
VEGF−R2(血管内皮増殖因子受容体2)とも称されるKDR(キナーゼ挿入ドメイン受容体;Kinase insert Domain Receptor)は、内皮細胞中のみに発現される。この受容体は、血管新生増殖因子VEGFに結合するので、その細胞内キナーゼドメインの活性化を介して、伝達シグナルに対する媒介物質としての役割を果たす。VEGF−R2のキナーゼ活性を直接阻害することによって、外来VEGF(血管内皮増殖因子:Facteur de croissance vasculaire endothelial)の存在下で、血管新生の現象を抑制することが可能である(Strawn et al., Cancer Research,1996,vol.56,p.3540−3545)。このプロセスは、特にVEGF−R2変異体を用いて実証された(Millauer et al., Cancer Research, 1996, vol. 56, p.1615−1620)。VEGF−R2受容体は、VEGFの血管新生活性に関連する機能以外には、成体で機能を有していないようである。従って、VEGF−R2のキナーゼ活性の選択的阻害剤は、僅かな毒性のみを示すはずである。
【0011】
動的な血管新生プロセスにおけるこの中心的な役割の他に、最近の結果は、VEGF発現が化学療法及び放射線療法後の腫瘍細胞の生存に寄与していることを示唆しており、KDR阻害剤が他の因子と相乗効果を発揮し得る可能性に根拠を与えている(Lee et al. Cancer Research, 2000, vol.60, p.5565−5570)。
【0012】
Tie−2(TEK)は、内皮細胞に対して特異的なチロシンキナーゼ受容体のファミリーのメンバーである。Tie2は、受容体の自己リン酸化と細胞シグナル伝達を刺激するアゴニスト(アンギオポエチン1又はAng1)[S.Davis et al(1996)Cell 87,1161−1169]及びアンタゴニスト(アンギオポエチン2又はAng2)[P.C. Maisonpierre et al. (1997) Science 277,55−60]がともに公知である、チロシンキナーゼ活性を有する最初の受容体である。アンギオポエチン1は、血管新生の最終段階において、VEGFと相乗作用を発揮することができる[Asahara T. Circ. Res.(1998)233−240]。ノックアウト実験及びTie2発現又はAng1発現のトランスジェニック操作は、血管新生が欠損した動物をもたらす[D.J. Dumont et al(1994) Genes Dev.8,1897−1909 and C.Suri(1996) Cell 87,1171−1180]。Ang1のその受容体への結合は、血管新生並びに血管の動員及び周皮細胞及び平滑筋細胞との血管の相互作用にとって不可欠であるTie2のキナーゼドメインの自己リン酸化をもたらす。これらの現象は、新たに形成された血管の成熟及び安定性に寄与する[P.C.Maisonpierre et al (1997)Science 277,55−60]。「Lin et al(1997)J.Clin.Invest.100,8:2072−2078」および「Lin P.(1998)PNAS 95,8829−8834」は、悪性黒色腫及び乳癌を異種移植されたモデルにおいて、アデノウイルスの感染中又はTie−2(Tek)の細胞外ドメインの注射中に、腫瘍増殖及び血管新生が阻害され、並びに肺転移も減少することを示した。Tie2阻害剤は、血管新生が不適切に起こる状況(すなわち、糖尿病性網膜症、慢性的な炎症、乾癬、カポジ肉腫、黄斑変性症に起因する慢性的な血管新生、関節リウマチ、幼児血管腫(infantile hemoangioma)及び癌)で使用することができる。
【0013】
細胞周期の進行は、しばしば、サイクリンファミリー(その活性化は基質のリン酸化をもたらし、最終的には細胞分裂をもたらす。)のバランスによって活性化されるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)によって調節される。さらに、活性化された内因性CDK阻害剤(INK4およびKIP/CIPファミリー)は、CDK活性を負に制御する。正常な細胞増殖は、CDK活性化因子(サイクリン)及び内因性CDK阻害剤の間のバランスに起因する。幾つかのタイプの癌では、細胞周期の幾つかの成分の異常な発現又は活性が記載されている。
【0014】
サイクリンEは、Cdk2キナーゼを活性化し、次いで、Cdk2キナーゼはpRbをリン酸化するように作用し、細胞分裂への不可逆的な移行とS期への移行をもたらす(PL Toogood, Medicinal Research Reviews (2001),21(6);487−498)。これらの著者によれば、CDK2及びCDK3キナーゼは、G1期での進行及びS基への移行に必要な可能性がある。サイクリンEとの複合体の形成の間、それらは、G1期のS期への進行を助けるために、pRbの過剰リン酸化を維持する。サイクリンAとの複合体では、CDK2は、E2Fの不活性化において役割を果たし、S期を実現するために必要である(TD. Davies et al.(2001) Structure 9, 389−3)。
【0015】
CDK1/サイクリンB複合体は、G2期とM期の間の細胞周期の進行を制御する。CDK/サイクリンB複合体の負の制御は、G2期が正しく、完全に実施される前に、正常な細胞がS期に移行することを妨げる(K.K. Roy and E.A. Sausville Current Pharmaceutical Design, 2001,7,1669−1687)。
【0016】
CDK活性の制御のレベルが存在する。サイクリン依存性キナーゼ活性化因子(CAK)は、CDKに対して正の制御作用を有する。CAKは、標的酵素を完全に活性にするために、CDKのスレオニン残基をリン酸化する。
【0017】
細胞周期に関与している分子に欠陥が存在すると、CDKの活性化と周期の進行をもたらす。癌細胞における細胞増殖を遮断するために、CDK酵素の活性を阻害することを望むのは明白であると思われる。
【発明の開示】
【0018】
本発明は、インダゾールの新規有機リン誘導体に関する。本発明は、5位において修飾されたインダゾールの有機リン誘導体の、キナーゼ阻害剤としての使用、より具体的には、抗癌剤としての使用にも関する。これらのうち、本発明は、好ましくは、5−ホスホノ−及び5−ホスフィノインダゾールに関する。本発明は、ヒトを治療するための医薬品を調製するための前記誘導体の使用にも関する。
【0019】
5−ホスホインダゾールを記載する現在までに公知の従来技術としては、公開番号WO93/18008で公開されている特許出願を挙げることができ、これは、以下の式:
【0020】
【化5】

(X=N、CR14(R14=H、アルキル...);R1=H又はハロゲン;R2=H、NO、ハロゲン、アルキル...;R3=H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、CN、NH2...;R4−R6=H、NO、ハロゲン、アルキルなど、アルキルスルホンアミドなど、P(=L)(Q)(M);L=O,S;M、Q=アルコキシ、アルキル、(アルキル)アミノ、OH、H、アルケニルオキシ、(アルケニル)アミノ、アルキニルオキシ、(アルキニル)アミノ;R7=H、ハロ、アルキル、NO;及びR8=H、ハロゲン。)
の誘導体を記載している。
【0021】
化合物147、161及び163のみが、5位がリン含有基で置換されたインダゾールであり、従って、本発明からは除外される。これに対して、医薬品としてのこれらの産物は、本発明の一部を成す。
【0022】
前出出願の特許請求の範囲に記載されている化合物は農学に用途を有するのに対して、本発明の化合物は薬学的用途を有する。
【0023】
第一の態様によれば、本発明は、以下の式(I)
【0024】
【化6】

(式中、
−Wは、共有結合又はOから選択される基を表し;
−Xは、共有結合、基−C=O−NR−、NR−C=O、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR−、S、O、−SO−、−SO、−CO又は−COOを表し(Rは、H、又はR1とともに必要に応じて環を形成することができる(C−C)アルキル基を表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12である。);
−Rは、H(X=−SO−又は−SO−の場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R及びRは、同一又は異なっていてもよく、H、又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシ及びアリールオキシ基から選択される基を表し(R及びRは、必要に応じて置換される。);
−Yは、共有結合又は−C=O−NR−、−C=O−O−、−C=O−、−(CH−若しくは−SO−から選択される基を表し(Rは、H、(C−C)アルキル、及び環を形成するようにR3に連結された(C−C)アルキル基からなる群から選択される。);
−Rは、H(Yが−C=O−O−又は−SO−である場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R4、R6及びR7は、同一又は異なっていてもよく、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シアノ、−N(R)R、−C=O−N(R)R及び−N(R)−CO−Rから独立に選択することができる(R及びRは、H、(C−C)アルキル及び(C−C)シクロアルキルから独立に選択される。)。)
の産物(但し、以下の産物
【0025】
【化7】

を除く。)に関する。
【0026】
Wは、好ましくは、Oである。
【0027】
好ましいアリール及びヘテロアリール基は、
(i)O、N及びSから選択される0から4個の複素原子を含有する単環式の基、並びに
(ii)
(a)5、6、7又は8個の環員を含有し、及びO、N及びSから選択される0から4個の複素原子を含有する単環式の基、と縮合した
(b)5又は6個の環員を含有し、及びO、N及びSから選択される0から3個の複素原子を含有する別の環、
を含む縮合された二環式の基
から独立に選択される。
【0028】
最も好ましくは、前記アリール又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、トリアジニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、インドリル、インダゾリル、アザインダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、アリールビニレン、アリールアミド、アリールカルボキサミド、アラルキルアミン、キノレイル、イソキノレイル、シンノリル、キナゾリル、ナフチリジル、チアゾリル又はテトラゾリルからなる群から独立に選択される。
【0029】
極めて好ましくは、前記アリール又はヘテロアリール基は、フェニル、ピロリル、必要に応じて置換されたインドリル及びアリールビニレンからなる群から独立に選択される。
【0030】
本発明は、一般式(I)の産物の定義に関して、Xが共有結合を表し、及びR1が複素環基、特にインドリルを表す場合に、特に有利に実施される。
【0031】
好ましいR2置換基は、(C−C)アルキル基である。
【0032】
好ましくは、Yは有利に結合であり、及びR3はHである。
【0033】
第二の態様によれば、本発明は、ヒトの治療における、特に、Tie2、Aurora−2など、癌の発生に関連するキナーゼの調節解除に関連する疾病を治療するための、本発明の第一の態様に係る産物の使用に関する。
【0034】
第三の態様によれば、本発明は、医薬品としての、以下の式(I)
【0035】
【化8】

(式中、
−Wは、共有結合又はOから選択される基を表し;
−Xは、共有結合、基−C=O−NR−、NR−C=O、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR−、S、O、−SO−、−SO、−CO又は−COOを表し(Rは、H、又はR1とともに必要に応じて環を形成することができる(C−C)アルキル基を表し、nは、0から12までの範囲(両端を含む)から選択される。);
−Rは、H(X=−SO−又は−SO−の場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R及びRは、同一又は異なっていてもよく、H、又はアルキル、シクロアルキル アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシ及びアリールオキシ基から選択される基を表し(R及びRは、必要に応じて置換される。);
−Yは、共有結合又は−C=O−NR−、−C=O−O−、−C=O−、−(CH−又は−SO−から選択される基を表し(Rは、H、(C−C)アルキル、及び環
【0036】
【化9】

を形成するようにR3に連結された(C−C)アルキル基からなる群から選択される。);
−Rは、H(Y=C=O−O−又は−SO−である場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R4、R6及びR7は、同一又は異なっていてもよく、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シアノ、−N(R)R、−C=O−N(R)R及び−N(R)−CO−Rから独立に選択することができる(R及びRは、H、(C−C)アルキル及び(C−C)シクロアルキルから独立に選択される。)。)
の産物に関する。
【0037】
式(I)に対応する化合物としては、以下の化合物を挙げることができる。
【0038】
1)メチルホスホン酸メチルエステル3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステル
2)メチルホスホン酸メチルエステル3−{5−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−エトキシ]−1H−インドール−2−イル}−1H−インダゾール−5−イルエステル
3)フェニルホスホン酸メチルエステル3−チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステル
4)(2−メタンスルホニルフェニル)ホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
5)プロピルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
6)tert−ブチルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
7)シクロヘキシルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
8)(2−メトキシフェニル)ホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
9)(2−メチルスルファニルフェニル)ホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
10)(2,6−ジメチルフェニル)ホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
11)(2−トリフルオロメトキシフェニル)ホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
12)チオフェン−2−イルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
13)フラン−2−イルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
14)メチルホスホン酸メチルエステル3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステル
15)フェニルホスホン酸メチルエステル3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステル
16)フェニルホスホン酸メチルエステル3−チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステル
17)メチルホスホン酸メチルエステル3−チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステル
18)メチルホスホン酸メチルエステル3−(1H−ピロール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステル
19)メチルホスホン酸3−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
20)フェニルホスホン酸3−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
21)フェニルホスホン酸3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
22)メチルホスホン酸3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
【0039】
【表1】





【0040】
本発明の化合物を調製するための方法の1つは、以下のように模式的に表すことができる。
【0041】
【化10】

【0042】
本発明の化合物は、ヒトの治療、より具体的には癌の治療、さらに具体的には、Aurora−2及びTie2の阻害剤に対して感受性を有する癌の治療に使用することができる。
【実施例】
【0043】
本発明は、以下の実施例によってさらに完全に記載されるが、以下の実施例が本発明を限定するものと解釈してはならない。
【0044】
(LC/MS分析)
LC/MS分析は、HP1100装置に接続されたMicromass社のモデルLCT装置で実行した。波長域200−600nmにわたるHP G1315Aダイオードアレイ検出器及びSedex 65の光散乱検出器を使用して、生成物の存在度を測定した。マススペクトルは、180から800の範囲にわたって取得した。前記データをMicromass MassLynxソフトウェアを使用して解析した。Hypersil BDS C18の3μm(50×4.6mm)カラム上、1ml/分の流速で、3.5分にわたって、0.05%(v/v)のトリフルオロ酢酸(TFA)を含有する水中の0.05%(v/v)TFAを含有する5から90%までのアセトニトリルの直線勾配で溶出することによって、分離を行なった。前記カラムの再平衡化時間を含む合計分析時間は7分である。
【0045】
(分取LC/MSによる精製)
Watersモデル600グラジエントポンプ、Watersモデル515再生ポンプ、Waters Reagent Manager希釈ポンプ、Watersモデル2700自動注入器、2つのRheodyneモデルLabProバルブ、Watersモデル996ダイオードアレイ検出器、WatersモデルZMD質量分析計及びGilsonモデル204フラクションコレクタから構成されるWater FractionsLynxシステムを使用するLC/MSによって、生成物を精製した。前記システムをWaters FractionLynxソフトウェアを使用してコントロールした。2つのWaters Symmetryカラム(C18、5μM、19×50mm、カタログ番号186000210)(一方のカラムは0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する95/5(v/v)の水/アセトニトリル混合物で再生を行い、他方のカラムは分離に使用される。)で、分離を交互に実行した。流速10ml/分で、0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する水中の0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する5から95%までのアセトニトリルの直線勾配を使用してカラムを溶出した。分離カラムの排出口で、LC Packing Accurateを使用して1000分の1の流出液を分離し、0.5ml/分の流速で、メチルアルコールで希釈し、75%をダイオードアレイ検出器に、残りの25%を質量分析計という割合で、検出器に送った。残りの流出物(999/1000)はフラクションコレクタに送られ、ここでフローは予測される産物の質量がFractionLynxソフトウェアによって検出されない限り廃棄される。予測される産物の分子式がFractionLynxソフトウェアに与えられ、FractionLynxソフトウェアは検出される質量信号がイオン[M+H]及び/又は[M+Na]に相当する場合に生成物の収集を行なう。一部の事例では、分析的LC/MSの結果に応じて、[M+2H]++に一致する強力イオンが検出されると、計算された分子量(MW/2)の半分に相当する数値もFractionLynxソフトウェアに供給される。これらの条件下では、イオン[M+2H]++及び/又は[M+Na+H]++の質量信号が検出される場合にも、収集が行なわれる。前記生成物を風袋ガラス管に収集した。収集後、Savant AES 2000又はGenevac HT8遠心蒸発器の中で前記溶媒を蒸発させ、溶媒蒸発後の前記管の重量を測ることによって、前記生成物の質量を測定した。
【0046】
(フラッシュクロマトグラフィーによる精製)
粗生成物を0.5バールのアルゴン圧下にて、15−35μmの粒径のシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。予想される生成物に対応する画分を混合し、ロータリーエバポレータ中で、減圧下にて濃縮する。
【0047】
中間体Aの5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルは、スキーム1に従って、4段階で調製した。
【0048】
【化11】

【0049】
段階1:4−ベンジルオキシ−2−メチルフェニルアミンの調製
300mlのエタノール中の190mlの濃塩酸の溶液を、50gの4−ベンジルオキシ−2−メチル−1−ニトロベンゼン及び46gの亜鉛の混合物に滴加する。この溶液を滴加中に氷浴で約45℃に冷却する。この媒体を常温で3時間撹拌する。前記溶液のpHを500mlの飽和炭酸カリウム溶液を添加することによって、約pH8に調節する。沈殿物をろ過し、5×500mlの酢酸エチルで洗浄する。有機相を合わせて、2×1リットルの蒸留水で洗浄した後、1リットルの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。硫酸マグネシウム上で乾燥後、前記溶媒をロータリーエバポレータ中で、減圧下にて蒸発させる。前記反応粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ35−70μm)によって精製する。溶出剤は酢酸エチル/シクロヘキサンが80:20、75:25及び70:30である。30.81gの4−ベンジルオキシ−2−メチルフェニルアミンが単離される。
【0050】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):2.04(s:3H)、4.40(broad s:2H)、4.95(s:2H)、6.55(d,J=8.5Hz:1H)、6.61(dd,J=8.5及び2.5Hz:1H)、6.68(d,J=2.5Hz:1H)、7.25から7.55まで(mt:5H)。
【0051】
段階2:1−(5−ベンジルオキシインダゾール−1−イル)エタノンの調製
10.5mlの無水酢酸を、26mlのトルエン中の7.14gの4−ベンジルオキシ−2−メチルフェニルアミン溶液へ入れる。この媒体を約90℃に加熱し、9.28mlのtert−ブチル亜硝酸塩をこの溶液へ滴加する。この反応媒体を約90℃で2時間加熱する。この反応粗生成物をロータリーエバポレーター中で、乾燥するまで濃縮する。固体を酢酸エチル中に回収した後、ろ過し、イソプロピルエーテルですすぐ。3.41gの1−(5−ベンジルオキシインダゾール−1−イル)エタノンを収集する。
【0052】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):2.72(s:3H)、5.21(broad s:2H)、7.34(dd,J=9及び2.5Hz:1H)、7.35から7.50まで(mt:3H)、7.47(d,J=2.5Hz:1H)、7.51(broad dd,J=7.5及び1.5Hz:2H)、8.23(d,J=9Hz:1H)、8.39(d,J=1Hz:1H)。
【0053】
段階3:手順A 5−ベンジルオキシ−3−ヨード−1H−インダゾールの調製
68.84gのヨウ素及びその後23gの水酸化カリウムを、620mlのジメチルホルムアミド中の28.24gの1−(5−ベンジルオキシインダゾール−1−イル)エタノンの溶液に添加する。この反応媒体を常温で約3時間撹拌する。23gの水酸化カリウムを添加し、この媒体を常温で48時間撹拌する。この媒体を600mlのチオ硫酸ナトリウム溶液(250mlの蒸留水中の100gのチオ硫酸ナトリウム)、600mlの蒸留水及び1リットルの酢酸エチルで処理する。この媒体を数分間撹拌した後、沈降分離する。水相を4×600mlの酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を1リットルの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。ロータリーエバポレーター中、減圧下にて溶媒を蒸発させる。この反応粗生成物をジクロロメタン中に回収し、固体をろ過して、ジクロロメタン及びエチルエーテルですすぐ。20.8gの5−ベンジルオキシ−3−ヨード−1H−インダゾールを収集する。
【0054】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):5.19(broad s:2H)、6.90(d,J=2Hz:1H)、7.18(dd,J=9及び2Hz:1H)、7.35(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.43(broad t,J=7.5Hz:2H)、7.50(d,J=9Hz:1H)、7.52(broad d),J=7.5Hz:2H)、13.00から13.70まで(非常に広範囲の未分離ピーク:1H)。
【0055】
LC/MS:[M+H]=351.10;保持時間3.97分。
【0056】
段階4:手順B 5−ベンシルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1.70gの4−ジメチルアミノピリジンを、19.54gの5−ベンジルオキシ−3−ヨード−1H−インダゾール、36.50gのジ−tert−ブチルジカーボネート及び550mlのジクロロメタン中の23.30mLのトリエチルアミンの溶液に添加する。相当量のガスの放出が見られる。この溶液を常温で一晩撹拌する。有機相を2×500mlの蒸留水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、ロータリーエバポレーター中で、減圧下にて濃縮する。この未精製固体をアセトニトリル中に回収する。この固体をろ過し、アセトニトリル及びエチルエーテルですすぐ。19.43gの5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを収集する。ろ液をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ70−200μm)によって精製する。溶出剤は、3/97の酢酸エチル/シクロヘキサンである。3.05gの5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを収集する。
【0057】
LC/MS:[M+H]=451.08;;保持時間4.91分。
【0058】
中間体B、5−ベンジルオキシ−3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾールをスキーム2に従って、中間体Aから2段階で調製した。
【0059】
【化12】

【0060】
手順C
段階1a:「E.Vasquez、J. Org. Chem.,67,7551−7552(2002)」の論文に記載の手順に従った、2−[4−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−1,3,2,4−ジオキサジボレタン−2−イル]インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製。
【0061】
21mlのトリイソプロピルホウ酸塩を、50mlの無水THF中の13gのN−Bocインドール溶液に滴加する。この反応媒体を約5℃に冷却する。THF中の50mlの1.5M LDA溶液を滴加して、この媒体の温度を約5℃に維持する。この溶液をこの温度で90分間撹拌し、次いで、この媒体を40mlの2N塩酸水溶液で処理する。この懸濁液をろ過し、固体を2×40mlのTHFで洗浄する。ろ液を沈降によって分離する。水相を80mlの酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過する。この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。19gの2−[4−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−1,3,2,4−ジオキサジボレタン−2−イル]インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルをオレンジ色の油の形態で得る。
【0062】
LC/MS:[M+H]=487.19;;保持時間3.30分。
【0063】
段階1b:3.23gの5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、7.31gの2−[4−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)1,3,2,4−ジオキサジボレタン−2−イル]インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、2.07gのパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン及び11mlの飽和重炭酸ナトリウム水溶液の懸濁液を還流しながら約2時間加熱した後、常温で一晩加熱する。この反応媒体をろ紙でろ過した後、ろ液を150mlの酢酸エチルで希釈する。有機相を200mlの蒸留水で洗浄する。水相を2×150mlの酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせて、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、ろ過する。この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物を70−200μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、溶出剤は95:5から70:30へのシクロヘキサン/酢酸エチルである。1.97gの5−ベンジルオキシ−3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール。
【0064】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):5.28(broad のs:2H)、7.03(split t,J=7.5及び1.5Hz:1H)、7.12(split t,J=7.5及び1.5Hz:1H)、7.12(broad s:1H)、7.19(dd,J=9及び2.5Hz:1H)、7.36(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.44(broad t,J=7.5Hz:2H)、7.47(broad d,J=7.5Hz:1H)、7.54(d,J=9Hz:1H)、7.58(broad d,J=7.5Hz:2H)、7.62(broad d,J=7.5Hz:1H)、7.65(d,J=2.5Hz:1H)、11.50(未分離ピーク:1H)、12.90〜13.40(非常に広範囲の未分離ピーク:1H)。
【0065】
LC/MS:[M+H]=340.24;保持時間4.23分。
【0066】
段階2:手順D 3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−オールの調製
150mlのエタノール中の、2.54gの3−(1H−インドール−2−イル)−5−フェノキシ−1H−インダゾール、2.83gのギ酸アンモニウム及び2.54gのパラジウム/炭素10%の溶液を1時間還流する。この触媒をろ紙でろ過し、エタノールですすぐ。ろ液を乾燥するまで濃縮する。1.74gの3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−オールを得る。
【0067】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):6.90(d,J=1.5Hz:1H)、6.95から7.05まで(mt:1H)、7.01(dd,J=9及び2.5Hz:1H)、7.10(split t,J=7.5及び1.5Hz:1H)、7.39(d,J=2.5Hz:1H)、7.40から7.50まで(mt:2H)、7.60(broad d,J=7.5Hz:1H)、9.26(broad s:1H)、11.48(broad s:1H)、13.05(broad s:1H)。
【0068】
分析的LC/MS:[M+H]=250.22;保持時間3.16分。
【0069】
12mlのジメチルホルムアミドの懸濁液中の、5−ベンジルオキシ−3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール化合物を300mgの5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、197mgのE−フェニルエテニルボロン酸、192mgのパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン及び0.61mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液を使用して、手順Cの段階1bに従って調製する。この反応粗生成物を前述のとおり処理し、150mgの5−ベンジルオキシ−3−((E)−スチリル)−1H−インダゾールを収集する。
【0070】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):5.24(broad s:2H)、7.14(dd,J=9及び2Hz:1H)、7.30(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.30から7.50まで(mt:5H)、7.38(d,J=16.5Hz:1H)、7.49(d,J=9Hz:1H)、7.56(d,J=16.5Hz:1H)、7.56(broad d,J=7.5Hz:2H)、7.68(d,J=2Hz:1H)、7.73(broad d,J=7.5Hz:2H)、12.50から13.50まで(非常に広範囲の未分離ピーク:1H)。
【0071】
IR(KBr):3178、3153、2924、1587、1497、1228、1075、957、947、812、787、758及び691cm−1
分析的LC/MS:[M+H]=327.24;保持時間4.74分。
【0072】
3−スチリル−1H−インダゾール−5−オールの調製:60mlのアセトニトリル中の652mgの5−ベンジルオキシ−3−((E)−スチリル−)−1H−インダゾールの溶液をアルゴン下で撹拌する。1.13mlのヨードトリメチルシランを不活性雰囲気下で滴加する。この懸濁液を約50℃で3時間撹拌した後、常温で一晩撹拌する。この媒体を約50℃に加熱した後、1.2mlのヨードトリメチルシランを添加する。3時間の撹拌後、0.8mlのヨードトリメチルシランを添加する。約4時間の撹拌後、この媒体を10mlのメタノールで処理し、常温で約15分間撹拌する。この懸濁液をろ紙でろ過し、ろ液をロータリーエバポレーター中、真空下で濃縮する。この反応粗生成物を50mlの酢酸エチル中に回収し、有機相を2×50mlのチオ硫酸ナトリウム溶液、2×50mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液及び50mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、ロータリーエバポレーター中、真空下で濃縮する。この反応粗生成物をシリカ(Varian20gカートリッジ)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。溶出剤は酢酸エチル/シクロヘキサンの5:95から35:65へのグラジエントである。265.4mgの3−スチリル−1H−インダゾール−5−オールを得る。
【0073】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):7.08(dd,J=9及び2Hz:1H)、7.30から7.50まで(mt:4H)、7.31(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.38(d,J=17Hz:1H)、7.49(d,J=17Hz:1H)、7.69(broad d,J=7.5Hz:2H)、9.20(s:1H)、12.41(未分離ピーク:1H)。
【0074】
IR(KBr):3397、3261、3058、2923、1629、1490、1222、1071、952、846、804、787、760、742、691及び564cm−1
【0075】
分析的LC/MS:[M+H]=237.27;保持時間3.16分。
【0076】
手順E:「DS Tawfik、Synthesis,988−972(1993);S Gobec,Tetrahedron Lett., 43、167−170(2002)」に従った、p−ニトロフェノールエステルの調製。
【0077】
メチルフェニルホスフィン酸4−ニトリフェニルエステルを以下の方法で調製する。2mLの無水テトラヒドロフラン中の、173mgの油中NaH50%の懸濁液をアルゴン下にて常温で撹拌する。2mlの無水テトラヒドロフラン中の500mgの4−ニトロフェニルの溶液を常温で滴加する。約1時間の常温での撹拌後、2mlの無水テトラヒドロフラン中の630mgのメチルフェニルホスフィン塩化物の溶液を、約10分間にわたり滴加する。約2時間の撹拌後、この反応媒体を20mlの蒸留水で希釈し、水相を2×20mlのジクロロメタンで抽出する。合わせて有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレータ中、減圧下で濃縮する。995mgのメチルフェニルホスフィン酸4−ニトロフェニルエステルを50%の純度で得る。
【0078】
分析的LC/MS:[M+H]=278.1;保持時間3.16分。
【0079】
(実施例1)
メチルフェニルホスフィン酸3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
【0080】
【化13】

【0081】
5mlのジクロロメタン中の、20mgの3−スチリル−1H−インダゾール−5−オール、5.76mgのイミダゾール及び20.7mgのメチルフェニルホスフィン塩化物の溶液を常温で撹拌する。約1時間の撹拌後、5.76mgのイミダゾール及び20.7mgのメチルフェニルホスフィン塩化物を添加する。この懸濁液を常温で約18時間撹拌する。10mgのイミダゾール及び70mgのメチルフェニルホスフィン塩化物を添加する。常温で30分後、この反応媒体を10mlの蒸留水で処理する。水相を2×10mlのジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ロータリーエバポレーター中で、減圧下で濃縮する。この反応粗生成物を分取LC/MSによって精製する。9.1mgのメチルフェニルホスフィン酸3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを収集する。
【0082】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):1.93(d,J=14.5Hz:3H)、7.23(ddd,J=9−2及び1Hz:1H)、7.31(d,J=17Hz:1H)、7.32(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.43(broad t,J−7.5Hz:2H)、7.50(d,J=17Hz:1H)、7.50(d,J=9Hz:1H)、7.50から7.65まで(mt:3H)、7.70(broad d,J=7.5Hz:2H)、7.82(mt:1H)、7.95(ddd,J=12−7.5及び1.5Hz:2H)、13.21(未分離ピーク:1H)。
【0083】
IR(KBr):3427、3056、2921、1487、143、1211、1183、1124、1070、959、911、806、783、761、745及び693cm−1
【0084】
分析的LC/MS:[M+H]=375.22;保持時間3.45分。
【0085】
(実施例2)
ジフェニルホスフィン酸3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
【0086】
【化14】

【0087】
15mLのジクロロメタン中の、70mgの3−スチリル−1H−インダゾール−5−オール、300mgのイミダゾール及び273μLのジフェニルホスフィニル塩化物の溶液を、常温で撹拌する。約90分間の撹拌後、この媒体を30mlの蒸留水で処理する。水相を2×30mlのジクロロメタンで抽出し、次いで、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させて、ろ過し、ロータリーエバポレーター中、減圧下で濃縮する。この粗生成物を酢酸エチル中に回収する。この固体を焼結ガラスを通してろ過し、エチルエーテルですすぐ。ロータリーエバポレーター中、減圧下でろ液を濃縮し、35−70μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。溶出剤は、シクロヘキサン/酢酸エチルが80:20から70:30となるグラジエントである。143mgの黄色固体を収集する。この化合物を分取LC/MSによって精製する。47.3mgのジフェニルホスフィン酸3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを収集する。
【0088】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):7.31(d,J=17Hz:1H)、7.32(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.23(broad dd,J=9及び2Hz:1H)、7.44(broad t,J=7.5Hz:2H)、7.50(d,J=17Hz:1H)、7.50(d,J=9Hz:1H)、7.50から7.70まで(mt:6H)、7.70(broad d,J=7.5Hz:2H)、7.97(mt:1H)、8.00(ddd,J=12−8及び2Hz:4H)、13.24(広範囲の未分離ピーク:1H)。
【0089】
IR(KBr):3433、3174、3057、1484、1439、1226、1130、1072、962、755、734、692及び565cm−1
【0090】
分析的LC/MS:[M+H]=437.16;保持時間3.89分。
【0091】
(実施例3)
メチルフェニルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
【0092】
【化15】

【0093】
手順F:
8mlのジクロロメタン中の497mgの50%純粋なメチルフェニルホスフィン酸4−ニトロフェニルエステル溶液を常温で撹拌する。12mlのジクロロメタン中の、403mgの3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−オール及び268μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンの懸濁液を滴加する。この反応媒体を常温で一晩撹拌した後、ロータリーエバポレーター中、減圧下で乾燥するまで蒸発させる。この反応粗生成物を50gのシリカ15−35μmのカートリッジ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。300mgのメチルフェニルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを収集し、酢酸エチルから再結晶する。220mgのメチルフェニルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを単離する。
【0094】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):1.95(d,J=14.5Hz:3H)、6.87(broad s,1H)、7.04(split t,J=7.5及び1Hz:1H)、7.13(split t,J=7.5及び1Hz:1H)、7.26(broad dd,J=8.5及び2Hz:1H)、7.46(broad d,J=8.5Hz:1H)、7.50から7.70まで(mt:5H)、7.81(mt:1H)、7.97(ddd,J=12−8及び2Hz:2H)、11.57(未分離ピーク:1H)、13.00〜13.70(広範囲の未分離ピーク:1H)。
【0095】
(実施例4)
ジフェニルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
【0096】
【化16】

【0097】
3−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−5−ヒドロキシインダゾ−ル−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、800mgの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、560mgのギ酸アンモニウム及び30mlの無水エタノール中の800mgの10%パラジウム/炭素を使用し、手順Dに従って調製する。700mgの3−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−5−ヒドロキシインダゾ−ル−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得る。
【0098】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):1.20(未分離ピーク:9H)、1.63(s:9H)、3.09(broad dd,J=16.5及び5Hz:1H)、3.79(dd,J=16.5及び11Hz:1H)、5.79(dd,J=11及び5Hz:1H)、6.62(d,J=2Hz:1H)、6.95から7.10まで(mt:2H)、7.20から7.35まで(mt:2H)、7.81(未分離ピーク:1H)、7.91(d,J=9Hz:1H)、9.57(未分離ピーク:1H)。
【0099】
3−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−5−(ジフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
90mgのイミダゾール及び250μLのジフェニルホスフィニル塩化物を15mlのジクロロメタン中の140mgの3−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に添加する。この反応媒体を常温で一晩撹拌する。10mlのジクロロメタン及び10mlの蒸留水での希釈後、この媒体を沈降によって分離する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーター中、減圧下で濃縮する。この粗生成物をジクロロメタン/メタノールの混合物中に回収し、固体をろ過する。減圧下での濃縮後、ろ液をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。溶出剤はシクロヘキサン/酢酸エチルが8:2である。200mgの3−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−5−(ジフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得る。
【0100】
分析的LC/MS:[M+H]=652.14;保持時間4.74分。
【0101】
ジフェニルホスフィン酸3−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
4mlのジオキサン中の200mgの3−(1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−5−(ジフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液及びジオキサン中の1mlの4M塩化水素酸溶液を常温で撹拌する。1時間後、ジオキサン中の1mlの4M塩化水素酸溶液を添加する。この反応媒体を常温で一晩撹拌する。焼結ガラスを通してこの懸濁液をろ過する。固体をエチルエーテルですすぐ。この固体を200mlのジクロロメタン及び8mlの2N水酸化ナトリウム水溶液中に回収する。この溶液を数分間撹拌した後、沈降によって分離する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、減圧下で濃縮する。114mgのジフェニルホスフィン酸3−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを得る。
【0102】
分析的LC/MS:[M+H]=452.20;保持時間3.35分。
【0103】
ジフェニルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
170mgのジフェニルホスフィン酸3−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを、ジメチルスルホキシド中、100℃で10時間撹拌する。この溶媒を30℃で減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物をシリカ(8gのInterchimカートリッジ)上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、溶出剤はシクロヘキサン/酢酸エチルが4:6、2:8で、酢酸エチル/メタノールが9:1である。23mgのジフェニルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを得る。
【0104】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):6.90(broad s:1H)、7.04(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.13(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.45(mt:2H)、7.50から7.70まで(mt:8H)、7.99(mt:1H)、8.02(broad dd,J=12及び7.5Hz:4H)、11.57(未分離ピーク:1H)、13.00から13.70まで(未分離ピーク:1H)。
【0105】
分析的LC/MS:[M+H]=450.19;保持時間4.06分。
【0106】
中間体C、3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルは、スキーム3に従って、5段階で調製できる。
【0107】
【化17】

【0108】
段階1:手順G
5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−tert−ブチルシラニルオキシ−1H−インドール−2−イル)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
13gの1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−インドール−2−ボロン酸、28.9gの炭酸セシウム、ジクロロメタンとの錯体の906.4mgのパラジウム(II)[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化物及び51mlの水を、156mlのジオキサン中の10gの5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に添加する。この媒体を撹拌し、88℃で45分間加熱した後、常温に冷却する。次いで、この反応混合物を沈降によって分離して、有機相をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物を250mlのジクロロメタンで可溶化し、得られた溶液を50mlの水で3度洗浄する。水性洗浄液のpHは11から7に変化する。
【0109】
有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、この溶媒をロータリーエバポレーター中、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ40−63μm)によって精製し、溶出剤はシクロヘキサン/ジクロロメタンが40:60である。13.4gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−tert−ブチルシラニルオキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0110】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):0.26(s:6H)、1.02(s:9H)、1.17(s:9H)、1.67(s:9H)、5.16(broad s:2H)、7.00(dd,J=9及び2.5Hz:1H)、7.06(s:1H)、7.17(d,J=2.5Hz:1H)、7.30kら7.50まで(mt:3H)、7.32(d,J=2.5Hz:1H)、7.38(dd,J=9及び2.5Hz:1H)、7.47(broad d,J=7.5Hz:2H)、8.08(d,J=9Hz:2H)。
【0111】
段階2:手順G1 5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
6.15gのフッ化テトラブチルアンモニウムを140mlのテトラヒドロフラン中の13.4gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−tert−ブチルシラニルオキシ−1H−インドール−2−イル)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル溶液に添加する。この媒体を常温で30分間撹拌する。この反応粗生成物を25mlの水で3度洗浄した後、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、ろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発する。14.4gの未精製物を取得し、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ40−63μm)によって精製する。溶出剤はジクロロメタン/メタノールが98:2である。
【0112】
8.54gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0113】
LC/MS:[M+H]=556.35;保持時間4.76分。
【0114】
段階3:手順G2 5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
22mlの1,2−ジブロモエタン中の、2.22gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び3.90gの炭酸セシウムの懸濁液を80℃で40時間加熱した後、常温に冷却して、ロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発する。この反応粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ40−63μm)によって精製する。溶出剤はジクロロメタンである。2gの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0115】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):1.17(s:9H)、1.67(s:9H)、3.85(broad t,J=5.5Hz:2H)、4.41(broad t,J=5.5Hz:2H)、5.16(s:2H)、7.07(s:1H)、7.11(dd,J=9及び2.5Hz:1H)、7.29及び7.30(2d,J=2.5Hz:合計2H)、7.30から7.50まで(mt:6H)、8.08及び8.11(2d,J=9Hz:2Hの合計)。
【0116】
LC/MS:[M+H]=664.22;保持時間5.67分。
【0117】
段階4:5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
2.0gの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び90mlのアセトニトリル中の498gのヨウ化カリウムの懸濁液を80℃で7時間加熱する。次いで、394μLのモルホリン、150mgのヨウ化カリウム及び1.24gの炭酸カリウムを添加し、この混合物を80℃で15時間加熱する。この反応混合物を常温に冷却した後、ろ過する。ろ液をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させ、1.90gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得る。
【0118】
LC/MS:[M+H]=669.43;保持時間3.99分。
【0119】
段階5:3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
56mlのエタノール中の、740mgの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、328mgのギ酸アンモニウム及び234mgの10%パラジウム/炭素の溶液を70℃で35分間加熱する。次いで、この反応混合物を常温に冷却する。この触媒をろ紙でろ過し、エタノールで十分に洗浄する。533mgのこの未精製化合物3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得る。
【0120】
LC/MS:[M+H]=579.32;保持時間3.92分。
【0121】
3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−5−(メチルフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
16mgのイミダゾール及び40.5mgのメチルフェニルホスフィン塩化物を、2mlのジクロロメタン中の27mgの3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に添加する。得られた溶液を常温で撹拌する。15時間の撹拌後、さらに16mgのイミダゾール及び40.5mgのメチルフェニルホスフィン塩化物を添加して、この混合物をさらに3時間半、常温で撹拌して、反応を完結させる。次いで、この反応混合物をろ過し、ロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。得られた残留物をLC/MSによって精製する。10.5mgの3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−5−(メチルフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0122】
LC/MS:[M+H]=717.41;保持時間3.61分。
【0123】
(実施例5)
メチルフェニルホスフィン酸3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
【0124】
【化18】

【0125】
500μLのジクロロメタン及び500μLのトリフルオロ酢酸の混合物中の10.5mgの3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−5−(メチルフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液を常温で4時間撹拌する。この反応媒体を窒素流下で蒸発した後、1.4mlのDMSO中に再溶解する。得られた溶液を60℃で3日間撹拌した後、LC/MSによって精製する。5.1mgのメチルフェニルホスフィン酸3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルが単離される。
【0126】
LC/MS:[M+H]=517.35;保持時間2.64分。
【0127】
(実施例6)
フェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
【0128】
【化19】

【0129】
段階1:3mlの無水テトラヒドロフラン中の0.345gの水素化ナトリウム及び5mlのテトラヒドロフラン中の1gの4−ニトロフェノール及び0.701gのフェニルホスフィン二塩化物の溶液を使用し、手順Eに従った、フェニルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステルの調製。1.46gのフェニルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステルを得る。
【0130】
段階2:ジクロロメタン中の120mgの3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−オール及び4mlの72μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンの溶液が添加される、4mlのジクロロメタン中の230mgのフェニルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステルの溶液を使用し、手順Fに従って、フェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを調製する。常温で2時間撹拌した後、この媒体を50mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液で4度処理した後、2×50mlの飽和塩化ナトリウム溶液で処理する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで、乾燥するまで濃縮する。200mgの未精製フェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを得る。
【0131】
段階3:フェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを4mlのジクロロメタン中の200mgの未精製フェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル、95μLのメタノール、72μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン及び4mlのジクロロメタンを使用し、手順Fに従って調製する。ロータリーエバポレーター中で、減圧下にて濃縮後、この粗生成物を粒径15−35μmの8gのinterchimフラッシュカートリッジのシリカ上によって精製する。15から50%へのシクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントで、この生成物を溶出する。70mgの純粋でない生成物を得て、分取LCMSによって再度精製する。溶液中に得られた生成物を、Jouan RC1010エバポレータ中で、乾燥するまで濃縮する。34mgのフェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを黄色固体の形態で得る。
【0132】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.86(d,J=11Hz:3H)、6.93(broad s:1H)、7.04(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.13(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.31(broad d,J=9Hz:1H)、7.46(broad d,J=7.5Hz:1H)、7.55から7.65まで(mt:4H)、7.73(very broad t,J=7.5Hz:1H)、7.86(broad s:1H)、7.93(broad dd,J=13.5及び7.5Hz:2H)、11.59(未分離ピーク:1H)、13.41(未分離ピーク:1H)。
【0133】
分析的LC/MS:[M+H]=404.19;保持時間3.62分。
【0134】
(実施例7)
【0135】
【化20】

【0136】
フェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルイソプロピルエステルは、5mlのジクロロメタン、150μLのイソプロパノール及び30μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン中の100mgの未精製フェニルホスホン酸ビス−(4−ニトルフェニル)エステルの溶液を使用し、手順Fに従って調製することができる。この反応媒体を濃縮後、分取LC/MSによってこの粗生成物を精製する。21.5mgの化合物を収集する。
【0137】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):1.29(d,J=6Hz:3H)、1.33(d,J=6Hz:3H)、4.84(mt:1H)、6.90(d,J=1.5Hz:1H)、7.04(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.14(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.30(broad dd,J=8.5及び1.5Hz:1H)、7.46(d,J=8.5Hz:1H)、7.50から7.65まで(mt:4H)、7.70(mt:1H)、7.86(broad s:1H)、7.91(mt:2H)、11.58(broad s:1H)、13.39(broad s:1H)。
【0138】
(実施例8)
【0139】
【化21】

【0140】
フェニルホスホン酸ベンジルエステル3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルをアミレンで安定化させた2mlのジクロロメタン、310μLのベンジルアルコール及び44μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン中の150mgのフェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステル4−ニトロフェニルエステル(手順Fに従って調製)の溶液を使用し、手順Fに従って調製することができる。この反応粗生成物を分取LC/MSによって精製し、16.9mgのフェニルホスホン酸ベンジルエステル3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを収集する。
【0141】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):5.28(d,J=8Hz:2H)、6.87(d,J=1.5Hz:1H)、7.04(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.14(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.20から7.75まで(mt:12H)、7.86(broad s:1H)、7.94(mt:2H)、11.58(broad s:1H)、13.40(broad s:1H)。
【0142】
(実施例9)
メチルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
【0143】
【化22】

【0144】
段階1:メチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステルは、1gの4−ニトロフェノル、12mlのTHF、油中の345mgの50%水素化ナトリウム及び478mgのメチルホスホン酸二塩化物を使用し、手順Eに従って調製される。1.07gの未精製メチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステルを得る。
【0145】
段階2:メチルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルは、150mgのメチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステル、4mlのジクロロメタン、100mgの3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−オール、67μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン及び4mlのジクロロメタンを使用し、手順Fに従って調製される。3時間の撹拌後、2mlのジクロロメタン中の100μLのメタノール溶液を滴加する。この反応媒体を約16時間撹拌した後、減圧下で乾燥するまで濃縮する。得られた油を、粒径15−35μmの5gのinterchimフラッシュカートリッジのシリカ上によって精製する。溶出液はシクロヘキサン中の30%の酢酸エチル、次いでメタノール中の80%の酢酸エチルとなる。この溶媒を減圧下で蒸発し、得られた生成物を酢酸エチルから結晶化する。36mgのメチルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを白い結晶形で得る。
【0146】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):1.72(d,J=17.5Hz:3H)、3.80(d,J=11Hz:3H)、7.04(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.07(broad s:1H)、7.13(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.35(broad d,J=9Hz:1H)、7.47(broad d,J=7.5Hz:1H)、7.63(broad d,J=7.5Hz:1H)、7.65(d,J=9Hz:1H)、7.95(broad s:1H)、11.59(未分離ピーク:1H)。
【0147】
(実施例10)
中間体D、4段階での3−ヨード−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製:
【0148】
【化23】

【0149】
段階1:1−(5−ヒドロキシインダゾール−1−イル)エタノンの調製。939mgの1−(5−ベンジルオキシインダゾール−1−イル)エタノン、1.33gのギ酸アンモニウム及び100mlの無水エタノール中の939mgの10%のパラジウム/炭素の懸濁液を約50℃で約30分間加熱する。ガスが放出されなくなった時点で、触媒をろ紙でろ過して、無水エタノールですすぐ。このろ液をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて濃縮する。571.1mgの1−(5−ヒドロキシインダゾール−1−イル)エタノンを回収する。
【0150】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):2.69(s:3H)、7.11(dd,J=9及び2Hz:1H)、7.14(d,J=2Hz:1H)、8.15(d,J=9Hz:1H)、8.31(d,J=1Hz:1H)、9.40から9.90まで(広範囲の未分離ピーク:1H)。
【0151】
段階2:200mgのフェニルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステル、88mgの1−(5−ヒドロキシインダゾール−1−イル)−エタノン、74.7μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン及び8mlのジクロロメタンを使用し、手順Fに従った、フェニルホスホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イルエステル4−ニトロフェニルエステルの調製。有機相を0.1M重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーター中で、減圧下にて濃縮した後、219mgの未精製フェニルホスホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イルエステル4−ニトロフェニルエステルを収集し、次の段階によって精製せずに使用する。
【0152】
段階3:219mgのフェニルホスホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イルエステル4−ニトロフェニルエステル、5mlのジクロロメタン、74.8μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン及び202μLのメタノールを使用する手順Fに従った、フェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル(実施例10)の調製。この未精製物を粒径35−70μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。溶出剤は、シクロヘキサンの後に80:20のシクロヘキサン/酢酸エチルである。15mgのフェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを無色の油の形態で収集する。
【0153】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.82(d,J=11Hz:3H)、7.19(broad dd,J=9及び2.5Hz:1H)、7.50から7.75まで(mt:4H)、7.53(broad d,J=9Hz:1H)、7.86(broad dd,J=13.5及び8Hz:2H)、8.05(broad s:1H)、13.13(未分離ピーク:1H)。
【0154】
IR(CCI):3232、3064、2953、1500、1440、1247、1133、1044、964、943、907、693及び559cm−1
【0155】
分析的LC/MS:[M+H]=289.18;保持時間2.84分。
【0156】
段階4:76mgのフェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル、134mgのヨウ素及び3mlのジメチルホルムアミド中の予め砕かれた30.6mgの水酸化カリウムを使用する手順Aに従った、フェニルホスホン酸3−ヨード−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製。この未精製物を粒径15−35μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。溶出剤は酢酸エチル/シクロヘキサンが1:1。77.6gのフェニルホスホン酸3−ヨード−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを回収する。
【0157】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.83(d,J=11Hz:3H)、7.19(t,J=2Hz:1H)、7.27(ddd,J=9−2及び1Hz:1H)、7.50から7.65まで(mt:2H)、7.56(d,J=9Hz:1H)、7.72(tq,J=7.5及び2Hz:1H)、7.88(ddd,J=13.5−7.5及び1.5Hz:2H)、13.20から13.90まで(広範囲の未分離ピーク:1H)。
【0158】
IR(CHCI):3444、3184、2853、1494、1440、1165、1133、1045、958、906、817及び559cm−1
【0159】
分析的LC/MS:[M+H]=415.04;保持時間3.24分。
【0160】
段階5:2.4mlのジクロロメタン中の、77.6mgのフェニルホスホン酸3−ヨード−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル、122.7mgのジ−tert−ブチルジカーボネート、78.1μLのトリエチルアミン及び5.7mgの4−ジメチルアミノピリジンの溶液を使用する手順Bに従った、3−ヨード−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、中間体Dの調製。この反応粗生成物を粒径15−35μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。溶出剤はシクロヘキサン/酢酸エチルが80:20、次いで50:50。66.3mgの3−ヨード−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを回収する。
【0161】
分析的LC/MS:[M+H]=515.02;保持時間4.13分。
【0162】
66.34mgの3−ヨード−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、54.44mgの2−ピロール−1−(tert−ブトキシカルボニル)ボロン酸、5.28mgの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)二塩化物、168mgの炭酸セシウム、328μLの水及び1mlのジオキサンを使用する手順Gに従った、3−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロール−2−イル)−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製。この未精製物を、粒径15−35μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。溶出剤は酢酸エチル/シクロヘキサンが20:80、次いで30:70となる。35.5mgの3−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロール−2−イル)−5−(メトキシフェニル−ホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを回収する。
【0163】
分析的LC/MS:[M+H]=554.18;保持時間4.42分。
【0164】
(実施例11)
フェニルホスホン酸メチルエステル3−(1H−ピロール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
【0165】
【化24】

【0166】
39mgの3−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロール−2−イル)−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、0.5mlのジクロロメタン中に溶解した後、0.5mlのトリフルオロ酢酸を添加する。この溶液を常温で約2時間撹拌する。この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物を分取LC/MSによって精製する。19mgのフェニルホスホン酸メチルエステル3−(1H−ピロール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルをトリフルオロ酢酸塩の形態で得る。
【0167】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.84(d,J=11.5Hz:3H)、6.20(q,J=3Hz:1H)、6.52(mt:1H)、6.83(mt:1H)、7.24(ddd,J=9−2.5及び1.5Hz:1H)、7.51(d,J=9Hz:1H)、7.50から7.65まで(mt:2H)、7.65から7.75まで(mt:2H)、7.89(ddd,J=13.5−8及び1.5Hz:2H)、11.33(broad s:1H)、13.02(broad s:1H)。
【0168】
分析的LC/MS:[M+H]=354.19;保持時間3.23分。
【0169】
トリフルオロメタンスルホン酸3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステルをスキーム4に従って1段階で調製する。
【0170】
【化25】

【0171】
171μLのトリフルオロメタンスルホン酸無水物、続いて512μLのピリジンを、アミレン上の予め0℃に冷却された20mlのジクロロメタン中の200mgの3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−オールの溶液に滴加する。この媒体を撹拌して、0℃に4時間維持し、週末の間撹拌しながら常温に放置する。次いで、この反応混合物を20mlの水で2度洗浄する。水相を30mlのジクロロメタンで3回抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、10mlのトルエンを添加しながらロータリーエバポレーター中、減圧下にて、この溶媒を蒸発させる。348.8mgの未精製物を得る。
【0172】
LC/MS:[M+H]=369.13;保持時間4.98分。
【0173】
(実施例12)
[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸ジメチルエステルの調製
【0174】
【化26】

【0175】
スキーム5の手順H:
【0176】
【化27】

【0177】
スキーム5
40.7μL(1.09eq:0.444mmol)のジメチルホスファイト、61.9μL(1.09eq:0.444mmol)のトリエチルアミン及び18.8mg(0.04eq:0.016mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)をアルゴン雰囲気下で15分間撹拌する。5mlのジメチルホルムアミド中の150mg(1eq:0.407mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステル溶液を添加する。この媒体を85℃で一晩加熱する。41μLのジメチルホスファイト、62μLのトリエチルアミン及び20mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を媒体に添加し、これをさらに2時間加熱する。次いで、100μLのジメチルホスファイト、100μLのトリエチルアミン及び30mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を媒体に添加し、これを105℃で一晩加熱する。ろ紙でこの触媒をろ過した後、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物をLC/MSによって精製する。8.6mgの[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸ジメチルエステルを27.2mgの[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノメチルエステルとともに単離する。
【0178】
[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸ジメチルエステルの記述
LC/MS:[M+H]=329.20;保持時間3.20分。
【0179】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.71(d,J=11.5Hz:6H)、7.32(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.43(broad t,J=7.5Hz:2H)、7.45から7.70まで(mt:4H)、7.78(broad d,J=7.5Hz:2H)、8.57(d,J=14Hz:1H)、13.52(broad s:1H)。
【0180】
[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノメチルエステルの記述
LC/MS:[M+H]=315.18;保持時間2.66分。
【0181】
(実施例13)
[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノメチルエステルの調製
【0182】
【化28】

【0183】
18.5mgの[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸ジメチルエステルをメタノール中の500μLの1M水酸化ナトリウム溶液中に溶解する。この媒体を常温で4時間撹拌する。100μLの2N塩化水素酸をこの混合物に添加し、これを常温で15分間撹拌する。有機相を3mlの酢酸エチルで抽出する。遠心エバポレータ中、真空下で、溶媒を蒸発させる。18mgの生成物を得る。
【0184】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.20(d,J=10.5Hz:3H)、7.31(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.35から7.50まで(mt:3H)、7.45(d,J=17Hz:1H)、7.58(d,J=17Hz:1H)、7.62(d,J=9Hz:1H)、7.72(broad d,J=7.5Hz:2H)、8.33(d,J=13Hz:1H)、13.10(未分離ピーク:1H)。
【0185】
LC/MS:[M+H]=315.18;保持時間2.73分。
【0186】
(実施例14)
[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸ジエチルエステルの調製
【0187】
【化29】

【0188】
手順Hは次のとおりである。3mlのジメチルホルムアミド中の70mg(1eq:0.190mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの溶液、26.7μL(1.09eq:0.207mmol)のジエチルホスファイト、8.9mg(0.04eq:0.0076mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)及び28.8μL(1.09eq:0.207mmol)のトリエチルアミンを導入する。連続的に、27μLのジエチルホスファイト、29μLのチレチルアミン、10mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、次に50μLのジエチルホスファイト、50μLのトリエチルアミン、20mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、及び最後に27μLのジエチルホスファイト、29μLのトリエチルアミン及び9mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加える。22mgの[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸ジエチルエステルを8.7mgの[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノエチルエステルとともに単離する。
【0189】
[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸ジエチルエステルの記述
LC/MS:[M+H]=357.19;保持時間3.63分。
【0190】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):1.28(t,J=7Hz:6H)、4.07(mt:4H)、7.33(broad t,J=7.5Hz:1H)、7.43(broad t,J=7.5Hz:2H)、7.45から7.75まで(mt:2H)、7.53(d,J=16.5Hz:1H)、7.72(d,J=16.5Hz:1H)、7.78(broad d,J=7.5Hz:2H)、8.56(d,J=14Hz:1H)、13.50(未分離ピーク:1H)。
【0191】
[3−((E)−スチリル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノエチルエステルの記述。
【0192】
LC/MS:[M+H]=329.17;保持時間3.00分。
【0193】
反応中間体E、5−(ジメトキシホスホリル)−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルは、スキーム6に従って4段階で調製される。
【0194】
【化30】

【0195】
段階1:手順I トリフルオロメタンスルホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
112μL(1.2eq:0.667mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物及び337μL(17.5eq:49.557mmol)のピリジンをアルゴン雰囲気下で、予め0℃に冷却したアミレン上の10mlのジクロロオメタン中の98mg(1eq:0.556mmol)の1−(5−ヒドロキシインダゾール−1−イル)エタノンの溶液に滴加する。この媒体を撹拌して、アルゴン雰囲気下で一晩0℃に維持する。112μLのトリフルオロメタンスルホン酸無水物をこの媒体に添加し、これを0℃で2時間撹拌する。次いで、112μLのトリフルオロメタンスルホン酸無水物及び337μLのピリジンを添加した後、この媒体を0℃で3時間撹拌する。この反応混合物を10mlの水で洗浄する。水相を10mlのジクロロメタンで2度処理する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。168.9mgのトリフルオロメタンスルホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イル−エステルを得る。
【0196】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):2.76(s:3H)、7.77(dd,J=9及び2.5Hz:1H)、8.17(d,J=2.5Hz:1H)、8.47(d,J=9Hz:1H)、8.60(s:1H)。
【0197】
段階2:(1−アセチル−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸ジメチルエステルの調製
291μL(1.09eq、3.172mmol)のジメチルホスファイト、442μL(1.09eq、3.172mmol)のトリエチルアミン及び134mg(0.04eq、0.116mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、アルゴン雰囲気下で15分間撹拌する。60mlのジメチルホルムアミド中の897mg(1eq、2.91mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イル−エステルの溶液。この媒体をアルゴン雰囲気下にて105℃で4時間加熱する。この溶媒を40mlのトルエンを添加しながら、ロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物を40mlの酢酸エチル中に回収し、次いで50mlの水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、ろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発する。973.6mgの未精製物を得る。この反応粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ35−70μm)によって精製する。溶出剤:酢酸エチル/シクロヘキサンが80:20である。430.5mgの(1−アセチル−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸ジメチルエスチルが単離される。
【0198】
LC/MS:[M+H]=269.18;保持時間2.79分。
【0199】
段階3:(3−ヨード−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸ジメチルエステルの調製
814mg(2eq、3.206mmol)のヨウ素及び180mg(2eq、3.206mmol)の粉砕した水酸化カリウムを、20mlのジメチルホルムアミド中の430mg(1eq、1.603mmol)の(1−アセチル−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸ジメチルエステルの溶液に添加する。この媒体を週末の間常温で撹拌する。814mgのヨウ素及び180mgの水酸化カリウムをこの媒体に添加し、これを常温で3時間撹拌する。20mlの飽和チオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、この媒体を10分間撹拌する。この反応混合物を40mlの水で洗浄する。水相を50mlの酢酸エチルで4度処理する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、ろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。458mgの(3−ヨード−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸ジメチルエステルを得る。
【0200】
LC/MS:[M+H]=353.06;保持時間2.65分。
【0201】
段階4:5−(ジメトキシホスホリル)−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
851.7mgの(3eq、3.903mmol)のジ−tert−ブチルジカーボネート、39.7mg(0.25eq、0.325mmol)の4−ジメチルアミノピリジン及び544μL(3eq、3.903mmol)のトリエチルアミンを、10mlのジクロロメタン中の458mg(1eq、1.301mmol)の(3−ヨード−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸ジメチルエステルの溶液に添加する。この媒体を常温で一晩撹拌する。この反応混合物を20mlの水で洗浄し、その後10mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。水相を20mlの酢酸エチルで4度処理する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、ろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。415mgの未精製物を得る。
【0202】
LC/MS:[M+H]=452.99;保持時間3.61分。
【0203】
(実施例15)
[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノメチルエステルの調製
【0204】
【化31】

【0205】
82.9mg(0.25eq、0.072mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、150.1mg(2eq、0.575mmol)の1−boc−インドール−2−ボロン酸、5mlのジメチルホルムアミド及び250μLの飽和重炭酸ナトリウム溶液を、130mg(1eq、0.287mmol)の5−(ジメトキシホスホリル)−3−ヨード−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに添加する。この媒体を130℃で5時間撹拌する。この反応媒体をろ紙でろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物をLC/MSによって精製する。41mgの[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノメチルエステルが単離される。
【0206】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.58(d,J=11Hz:3H)、7.05(split t,J=7.5及び1Hz:1H)、7.08(broad s:1H)、7.16(split t,J=7.5及び1Hz:1H)、7.49(broad d,J=7.5Hz:1H)、7.60から7.75まで(mt:2H)、7.67(broad d,J=7.5Hz:1H)、8.51(d,J=14Hz:1H)、11.69(broad s:1H)、13.62(未分離ピーク:1H)。
【0207】
LC/MS:[M+H]=328.17;保持時間2.57分。
【0208】
(実施例16)
(3−チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸モノメチルエステルの調製
【0209】
【化32】

【0210】
44.8mg(0.25eq、0.039mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、39.6mg(2eq、0.310mmol)の2−チオフェンボロン酸、3mlのジメチルホルアミド及び150μLの飽和重炭酸ナトリウム溶液を、70mg(1eq、0.155mol)の5−(ジメトキシホスホリル)−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに添加する。この媒体を130℃で5時間撹拌する。この反応媒体をろ紙でろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物をLC/MSによって精製する。2mgの(3−チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸ジメチルエステル(NMRで純度40%)を、12.9mgの(3−チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イル)ホスホン酸モノメチルエステルと共に得る。
【0211】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.53(d,J=11Hz:3H)、7.26(dd,J=5.5及び3Hz:1H)、7.65(dd,J=5.5及び1Hz:1H)、7.65から7.75まで(mt:2H)、7.68(broad d,J=3Hz:1H)、8.41(d,J=14Hz:1H)、13.49(未分離ピーク:1H)。
【0212】
(実施例17)
[3−(1H−ピロール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノメチルエステルの調製
【0213】
【化33】

【0214】
44.8mg(0.25eq、0.039mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、65.3mg(2eq、0.310mmol)の1−boc−ピロール−2−ボロン酸、3mlのジメチルホルアミド及び150μLの飽和重炭酸ナトリウム溶液を、70mg(1eq、0.155mmol)の5−(ジメトキシホスホリル)−3−ヨード−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに添加する。この媒体を130℃で5時間撹拌する。この反応媒体をろ紙でろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、減圧下にて蒸発させる。この反応粗生成物をLC/MSによって精製する。4.10mgの[3−(1H−ピロール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]ホスホン酸モノメチルエステルを得る。
【0215】
H NMRスペクトル(300MHz,(CDSO d6,δ in ppm):3.55(d,J=11Hz:3H)、6.24(q,J=3Hz:1H)、6.66(mt:1H)、6.91(mt:1H)、7.65(mt:2H)、8.36(d,J=14.5Hz:1H)、11.46(未分離ピーク:1H)、13.24(未分離ピーク:1H)。
【0216】
(実施例18)
ジメチルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
【0217】
【化34】

【0218】
ジメチルホスフィン酸4−ニトロフェニルエステル反応物質を、10mlのテトラヒドロフラン中の500mgのジメチルホスフィン塩化物、214mgの水素化ナトリウム(油中50%)及び618mgのp−ニトロフェノールの溶液を使用した手順Eに従って調製する。700mgの目的生成物を収集する、収率=26%。
【0219】
ジメチルホスフィン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステル化合物は、2mlのジクロロメタン中の170μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン(DBU)の溶液が添加される5mlのジクロロメタン(アミレンで安定化される。)中の245mgのジメチルホスフィン酸4−ニトロフェニルエステルとともに、230mgの3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−オール(中間体B)を使用した手順Fに従って調製する。常温で24時間の撹拌後、この溶媒を蒸発させ、この未精製物を分取LC/MSによって精製する。この画分の濃縮後に得られた結晶を酢酸エチルで洗浄し、その後、イソプロピルエーテルで洗浄する。129mgの目的生成物を収集する、収率=43%。
【0220】
ジメチルスルホキシドの溶剤におけるNMRスペクトル化学シフト(δ in ppm)−2.50ppm基準のd6(DMSO−d6):
1.65(d,J=15.0Hz,6H)、7.00から7.06まで(m,2H)、7.13(broad t,J=8.0Hz:1H)、7.30(broad d,J=8.0Hz,1H)、7.46(broad d,J=8.0Hz,1H)、7.58から7.65まで(m,2H)、7.91(m,1H)、11.6(broad m,1H)、13.4(broad s,1H)。
【0221】
(実施例19)
3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルホスフィン酸メチルエステルの調製
この化合物は、以下のスキームに従って6段階で調製できる:
【0222】
【化35】

【0223】
段階1:5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブトキシドを、5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及びWO2003020699A2に記載されているとおりに得られた[5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル]−2ボロン酸を使用し、手順Gに従って調製する。
【0224】
段階2:5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブトキシを、手順G1に従って調製する。
【0225】
段階3:5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブトキシドを、手順G2に従って調製する。
【0226】
段階4:5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−トリフルオロ酢酸塩を次の方法で得る。
【0227】
30mlのアセトニトリル中の600mgの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブトキシド、442mgの炭酸カリウム及び272mgのピペリジンの懸濁液を、85℃で5時間撹拌する。20℃に戻した後、この反応混合物を減圧下で蒸発し、残留物を酢酸エチル(100ml)及び水(100ml)の混合物中に回収する。沈降による分離及び酢酸エチル(1×50ml)での抽出後、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。この蒸発で生じた化合物を、15mlのジクロロメタン及び5mlのトリフルオロ酢酸の混合物中に回収し、次いで20℃で1時間撹拌する。この反応混合物を減圧下で蒸発し、この残留物を酢酸エチル(50ml)及び重炭酸ナトリウム10%(50ml)の混合物中に回収する。沈降による分離及び酢酸エチル(2×50ml)での抽出後、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。このようにして得た未精製化合物を、シリカ上のクロマトグラフィーによって精製する(Interchromカラム、DC0210、20gシリカ、溶出剤はジクロロメタン:メタノールの容量比が9:1、15ml/分)。目的化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。360mgの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾールトリフルオロ酢酸塩が単離される。
【0228】
段階5:3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールを次の方法で得る。
【0229】
10mlのエタノール中の360mgの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール、916mgのギ酸アンモニウム及び120mgのパラジウムの懸濁液を、90℃で30分間、マイクロ波場(Synthawave402)で照射する反応器に置き、セライト層を通してこの反応混合物をろ過する。このろ液を減圧下で蒸発し、次いで、この残留物を酢酸エチル(150ml)及び水(50ml)の混合物中に回収する。30%の水酸化アンモニウム溶液を添加し、pHを10にする。沈降による分離及び酢酸エチル(1×50ml)での抽出後、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。193mgの3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オール−を単離し、特性を求める。
【0230】
段階6:3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルホスホン酸メチルエステルの調製:
77μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンを、10mlのジクロロメタン中の193mgの3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オール及び173.5mgのメチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステルの溶液に添加し、この混合物を20℃で反応させる。3時間の反応後、300μLのメタノール及び次に77μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンを添加し、この反応を20℃で16時間継続する。この反応媒体をジクロロメタン(150ml)及び飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)の混合物中に回収する。沈降による分離及びジクロロメタン(50ml)での抽出後、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。このようにして得た未精製化合物をシリカ上のクロマトグラフィーによって精製する(Interchromカラム、参照番号DC0210、20gシリカ、溶出剤はジクロロメタン/メタノール 9/1 v/v、15ml/分)。目的化合物を含有する画分を混合し、減圧下で蒸発させる。89mgの3−[5−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルホスホン酸メチルエステルを単離し、特性を求める。
【0231】
分析LC/MS:[M+H]=469.25;保持時間3.02分。
【0232】
(実施例20)
メチルホスホン酸モノ−{3−[5−(2−ピペラジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イル}エステルの調製
この化合物は次のスキームに従って6段階で調製できる。
【0233】
【化36】

【0234】
段階1:手順J 5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−クロロエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを次の方法で調製する。
【0235】
5mlのジクロロメタン中の100mgの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び132μLの1−ブロモ−2−クロロエタンの溶液を、5mlの蒸留水中の72mgの臭化テトラブチルアンモニウム及び270μLの2N 水酸化ナトリウムの水溶液とともに混合する。この反応混合物を20℃で6時間激しく撹拌する。沈降による分離及び水(4×5ml)での洗浄後、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。取得した未精製化合物を分取LC/MSによって精製する。目的化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。18.1mgの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−クロロエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを単離し、特性を求める。
【0236】
分析LC/MS:[M+H]=618.15;保持時間5.56分。
【0237】
段階2:5−ベンジルオキシ−3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを次の方法で調製する。
【0238】
15mlのアセトニトリル中の330mgの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−クロロエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、442mgの炭酸カリウム、133mgのヨウ化カリウム及び596mgのN−1−Boc−ピペラジンの懸濁液を、85℃で48時間撹拌する。20℃に戻した後、この反応混合物を減圧下で蒸発し、この残留物を酢酸エチル(15ml)及び水(15ml)の混合物中に回収する。沈降による分離及び酢酸エチル(1×15ml)での抽出後、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。このようにして得た未精製化合物をシリカ上でクロマトグラフィーにより精製する(AITカラム、BPSUP20−40μm、25gシリカ、溶出剤はシクロヘキサン:酢酸エチル 1:1容量比)。目的化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。このようにして得た化合物を10mlのジクロロメタン中に溶解した後、350mgのジ−tert−ブチルジカーボネート及び10mgのジメチルアミノピリジンで、20℃で3時間処理する。この反応混合物を減圧下で蒸発し、220mgの5−ベンジルオキシ−3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを単離し、特性を決定し、精製せずに使用する。
【0239】
分析LC/MS:[M+H]=768.39;保持時間4.00分。
【0240】
段階3:3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−エトキシ]−1H−インドール−2−イル}−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを次の方法で調製する。
【0241】
30mlのエタノール中の220mgの5−ベンジルオキシ−3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、108mgのギ酸アンモニウム及び29.8mgのパラジウムの懸濁液を反応器中に置き、同時に80℃の温度にしながら、これを激しく撹拌する。4時間後、セライト層を通してこの反応混合物をろ過する。このろ液を108mgのギ酸アンモニウム及び29.8mgのパラジウムと、さらに4時間再度反応させる。次いで、セライト層を通してこの反応混合物をろ過し、減圧下で蒸発した後、残留物を酢酸エチル(20ml)及び飽和重炭酸ナトリウム溶液(20ml)の混合物中に回収する。沈降による分離及び酢酸エチル(2×20ml)での抽出後、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。
【0242】
得られた化合物(60mg)を30mlのエタノール中の38mgのギ酸アンモニウム及び12mgのパラジウムの存在下で、マイクロ波オーブン(90℃)で30分間照射する、第3の反応サイクルに供する。セライト層を通してこの反応混合物をろ過し、減圧下で蒸発させる。3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを含有する34mgの未精製化合物を単離し、これを精製せずに次の段階で使用する。
【0243】
分析LC/MS:[M+H]=678.74;保持時間3.31分。
【0244】
段階4:3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−エトキシ]−1H−インドール−2−イル}−5−(ヒドロキシメチルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
1.5mlのジクロロメタン中の34mgの3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}−5−ヒドロキシインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液を氷浴で冷却する。500μLのジクロロメタン中の、手順Eに従って調製された16.9mgのメチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステル及び7.6mgの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エンを添加し、この反応を20℃で3時間継続する。この反応媒体を3mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液で2度洗浄し、次いで3mlの蒸留水で洗浄する。沈降よる分離後、有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下で蒸発させる。主に3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}−5−(ヒドロキシメチルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを含有する39mgの混合物を単離し、精製せずに次の段階で使用する。
【0245】
分析LC/MS:[M+H]=756.76;保持時間3.45分。
【0246】
段階5:メチルホスホン酸モノ−{3−[5−(2−ピペラジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イル}エステル:
主に1mlのジクロロメタン及び200μLのトリフルオロ酢酸中の3−{1−tert−ブトキシカルボニル−5−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}−5−(ヒドロキシメチルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを含有する39mgの前記混合物の溶液を20℃で4時間した後、この反応混合物を減圧下で蒸発させる。得られた未精製化合物を分取LCMSによって精製し、分子量455の化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。4mgのメチルホスホン酸モノ−{3−[5−(2−ピペラジン−1−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イル}エステルを単離し、特性を求める。
【0247】
分析的LC/MS:[M+H]=456.33;保持時間1.85分。
【0248】
(実施例21及び22)
化合物メチルホスホン酸モノ−{3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イル}エステル及びメチルホスホン酸3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルは、次のスキームに従って、4段階で調製できる。
【0249】
【化37】

【0250】
段階1:5−ベンシルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
75mlのアセトニトリル中の手順Jに従って調製する1.5gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−クロロエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、1gの炭酸カリウム、600mgのヨウ化カリウム及び761μLのエチルアミンを含む溶液を、80℃で18時間加熱する。この加熱を終えてから、1.5mlのエチルアミンを添加し、この反応を80℃でさらに18時間継続する。この工程をさらに18時間後に繰り返し、この反応混合物を減圧下で蒸発させる。取得した茶色の油状物を酢酸エチル(80ml)及び水(80ml)の混合物中に回収する。沈降分離及び酢酸エチル(80ml)での抽出後、有機抽出物を混合し、水(100ml)及び塩水(100ml)で洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させる。1.15gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを分離し、この化合物を次の段階でそのまま使用する。
【0251】
段階2:{2−[2−(5−ベンジルオキシ−1H−インダゾール−3−イル)−1H−インドール−5−イルオキシ]−エチル}ジエチルアミンの調製
5mlのジクロロメタン中の1.15gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4mlのトリフルオロ酢酸を含む溶液を、20℃で2時間拌撹する。この反応混合物を減圧下で蒸発し、このようにして取得したこの未精製化合物をクロマトグラフィーによって精製する(Nucleodur C18カラム、100−10、250mm×40mm、参照番号762020、商品番号3051181、バッチ番号2023、溶出剤A:水/0.07%トリフルオロ酢酸、溶出剤B:アセトニトリル/0.07%トリフルオロ酢酸、A/Bの配合範囲が95%/5%から5%/95%までで52分の75ml/分、検出300nm)。目的化合物を含有する画分を混合し、減圧下で蒸発させる。この化合物を酢酸エチル(20ml)中に回収し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下で蒸発させる。320mgの{2−[2−(5−ベンジルオキシ−1H−インダゾール−3−イル)−1H−インドール−5−イルオキシ]エチル}ジエチルアミンを分離して特性を求める。
【0252】
段階3:3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールの調製
320mgの{2−[2−(5−ベンジルオキシ−1H−インダゾール−3−イル)−1H−インドール−5−イルオキシ]エチル}ジエチルアミン、32mgの10%のパラジウム/炭素及び180mgのギ酸アンモニウムの懸濁液をSynthwave402マイクロ波オーブンで、5%のパワー、75℃、35分の常圧にて照射し、後に20%のパワーで10分間照射する。この触媒をセライト層でろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させる。取得した化合物を酢酸エチル(20ml)及び飽和重炭酸ナトリウム溶液(20ml)中に回収し、沈降分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、減圧下で蒸発させる。115mgの3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールを分離して特性を求める。
【0253】
分析LC/MS:[M+H]=365.29;保持時間2.33分。
【0254】
段階4:メチルホスホン酸モノ−{3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イル}エステル及びメチルホスホン酸3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
3mlのジクロロメタン中の115mgの3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールの懸濁液を、107mgのメチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステル(手順Eに従って調製)及び48μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エンの添加中20℃で拌撹する。同温度で18時間後、1mlのテトラヒドロフラン中の128μLのメタノール及び50μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エンを添加し、この反応を4時間継続する。この反応混合物を減圧下で蒸発させる。300mgの化合物を分離し、クロマトグラフィーによって精製する(Nucleodur C18カラム、100−10、250mm×40mm、参照番号762020、商品番号3051181、バッチ番号2023、溶出剤A:水/0.07%トリフルオロ酢酸、溶出剤B:アセトニトリル/0.07%トリフルオロ酢酸、化合物A/Bの配合範囲が95%/5%から5%/95%までで52分の75ml/分、検出300nm)。
【0255】
メチルホスホン酸モノ−{3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イル}エステル(MM 442)を含む画分を混合し、減圧下で蒸発させる。
【0256】
メチルホスホン酸3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル(MM 456)を含む画分を混合し、減圧下で蒸発させる。
【0257】
上記の分離した各化合物を、500μLのメタノール中に回収し、SCXカートリッジ(Varian、500mg)上に置いてから、このカートリッジをまずはメタノールですすぎ、エタノール及び2Mアンモニアの混合物で溶出する。この溶出液を減圧下で蒸発させる。取得した化合物を分取LCMSによって精製する。
【0258】
モル質量442の化合物を含む画分を混合し、減圧下で蒸発させる。22.9mgのメチルホスホン酸モノ−{3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イル}エステル(実施例21)を分離し、この化合物を分析LC/MSにより特性を求める。
【0259】
分析LC/MS:[M+H]=442.18;保持時間2.43分。
【0260】
モル質量456の化合物を含む画分を混合し、減圧下で蒸発させる。12.8mgのメチルホスホン酸3−[5−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル(実施例22)を分離し、この化合物をLC/MSにより特性を求める。
【0261】
分析LC/MS:[M+H]=456.19;保持時間2.76分。
【0262】
(実施例23)
(元27の)フェニルホスホン酸エチルエステル3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
この化合物を次のスキームに従って調製する。
【0263】
【化38】

手順Kは段階1から段階5となる。
【0264】
段階1:フェニルホスホン酸エチルエステル3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
1−(5−ベンジルオキシインダゾール−1−イル)エタノンを、中間体Aの合成に対し段階2で説明される方法に従って調製する。
【0265】
エタノール中の1gの1−(5−ベンジルオキシインダゾール−1−イル)エタノン、1.42gのギ酸アンモニウム、0.59gのパラジウム/炭素10%の懸濁液を16時間還流する。20℃に戻してから、この反応混合物をセライト層でろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させる。このようにして得たこの未精製化合物を10mlのジイソプロピルエーテル中で粉砕し、ろ過して、減圧下で乾燥させる。400mgの1−(5−ヒドロキシインダゾール−1−イル)−エタノンを分離して特性を求める。
【0266】
段階2:60mlのジクロロメタン中の2.36gのフェニルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステル(手順Eに従って調製)を氷浴で冷却する。40mlのジクロロメタン中の1.041gの1−(5−ヒドロキシインダゾール−1−イル)エタノン及び900mgの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エンを添加し、この反応を20℃で2時間継続する。この反応媒体を飽和重炭酸ナトリウム溶液で、有機相が変色するまで洗浄する。沈降分離後、この有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させる。2.4gのフェニルホスホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イルエステル4−ニトロフェニルエステルを分離し、この化合物を精製せずに次の段階で使用する。
【0267】
段階3:フェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
注意:この反応中、エタノールで安定化されたジクロロメタンの使用により、主要化合物(25%UV)を汚染する微量のホスホン酸エチルエステルを確認し得る。
【0268】
エタノールで安定化された30mlのジクロロメタン中の2.4gのフェニルホスホン酸1−アセチル−1H−インダゾール−5−イルエステル4−ニトロフェニルエステルを20℃で撹拌する。3.78mlのメタノール及び30mlのジクロロメタン中の836mgの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エンをそこへ添加する。この反応をこの温度で一晩継続する。この反応混合物を減圧下で蒸発し、このようにして取得した未精製化合物をシリカ上でクロマトグラフィーにより精製する(AIT BP−SUP20−40μm、溶出剤90/10のジクロロメタン/メタノール)。目的化合物を含有する画分を混合し、減圧下で蒸発させる。980mgのフェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを分離して特性を求める。
【0269】
分析LC/MS:[M+H]=289.13;保持時間2.83分。
【0270】
この化合物は分離していないフェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルエチルエステルで汚染されている。
【0271】
分析LC/MS:[M+H]=303.0;保持時間3.01分。
【0272】
段階4:フェニルホスホン酸3−ヨード−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
注意:この反応間、25%のエチルエステル異性体を含む段階3で説明される出発材料の使用により、対応のヨウ化誘導体の分離もまた可能になる。
【0273】
ジメチルホルムアミド中にて、フェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルエチルエステルで汚染した980mgのフェニルホスホン酸1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの溶液を20℃で激しく撹拌する。1.72gのヨウ素及び381.5mgの水酸化カリウムをそこへ添加し、この混合物を16時間反応させる。この反応媒体を酢酸エチル(60ml)及び飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(40ml)の混合物で希釈する。20℃での10分間の撹拌後、この反応媒体を沈降分離し、蒸留水(40ml)で洗浄する。有機抽出物を混合し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させる。1.08gの未精製化合物をこのようにして取得し、この化合物をクロマトグラフィーによって精製する(Nucleodur C18カラム、100−10、250mm×40mm、参照番号762020、商品番号3051181、バッチ番号2023、溶出剤A:水/0.07%トリフルオロ酢酸、溶出剤B:アセトニトリル/0.07%トリフルオロ酢酸、A/Bの配合範囲が95%/5%から5%/95%までで52分の75ml/分)。
【0274】
モル質量414の化合物を含む画分を混合し、減圧下で蒸発させる。510mgのフェニルホスホン酸3−ヨード−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを分離して特性を求める。
【0275】
モル質量428の化合物を含む画分を混合し、減圧下で蒸発させる。80mgのフェニルホスホン酸3−ヨード−1H−インダゾール−5−イルエステルエチルエステルを分離して特性を求める。
【0276】
段階5:5−(エトキシフェニルホスフィノイルオキシ)−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
2mlのジクロロメタン中の80mgのフェニルホスホン酸3−ヨード−1H−インダゾール−5−イルエステルエチルエステルの溶液を、20℃で撹拌する。40mgのジ−tert−ブチルジカーボネート及び22mgのジメチルアミノピリジンをそこに添加し、この反応を20℃で16時間継続する。この反応混合物を減圧下で蒸発し、60mgの5−(エトキシフェニルホスフィノイルオキシ)−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを分離して特性を求め、この化合物をそのまま使用する。
【0277】
分析LC/MS:[M+H]=529.06;保持時間4.29分。
【0278】
段階6:5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン−2−ボロン酸1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
この化合物を下記で説明される5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジンを使用して2段階で調製する。
【0279】
段階6a:5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
102mgの4−ジメチルアミノピリジンを、10mlの無水ジクロロメタン中の4.50gの5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン(Liebigs Ann. Chem.、1988、203−208で説明どおりに調製)及び10.7gのジ−tert−ブチルジカーボネートの溶液に20℃で磁気撹拌しながら添加する。取得した溶液を常温で一晩撹拌し、この反応媒体を75mlの水で洗浄してから75mlの塩水で洗浄する。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させる。このようにして取得した未精製化合物をシリカ上でクラオマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタンで溶出してから90/10のジクロロメタン及び酢酸エチルの混合物で溶出し、7.06gの5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを琥珀色の油状で得、NMRによって特性を求める。
【0280】
NMR:H NMR[300MHz,(CDSO]:δ8.21(d,J=9Hz,1H)、7.85(d,J=4Hz,1H)、6.76(d,J=9Hz,1H)、6.70(d,J=4Hz,1H)、3.89(s,3H)、1.63(s,9H)。
【0281】
段階6b:ボロン酸の取り入れ
ペンタン中の15mlの1.5Mtert−ブチルリチウムの溶液を、乾燥窒素気流下に維持された85mlの無水テトラヒドロフラン中の4.66gの5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(上記のように調製)の溶液に少量ずつ添加する。このようにして取得した反応媒体を、−78℃で40分間撹拌し、8mlのホウ酸トリイソプロピル(37.7mmol)の溶液を2分間にわたって添加し、この反応媒体を撹拌し、−78℃で20分間維持する。この反応媒体を0℃で2時間30分加熱し、50mlの水を添加する。20℃で1時間の撹拌後、テトラヒドロフランを減圧下で蒸発させる。取得した水相を5N水酸化アンモニウムを添加することにより塩基性化し、酢酸エチル(30ml)で2度洗浄する。水性抽出物を0℃に冷却してから、pHが4になるまで酸性硫酸カリウム水溶液で処理する。この媒体を0℃で15分間撹拌する。形成された固体をろ過して分離し、乾燥させ、2.48gの5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン−2−ボロン酸1−カルボン酸tert−ブチルエステルを白い粉状で得る。
【0282】
RMN[300MHz,(CDSO]:δ8.28(s,2H)、8.23(d,J=9Hz,1H)、6.70(d,J=9Hz,1H)、6.58(s,1H)、3.87(s,3H)、1.60(s,9H)。
【0283】
段階7:フェニルホスホン酸エチルエステル3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
800μLのジオキサン水及び250μLの水の混合物中の50mgの5−(エトキシフェニルホスフィノイルオキシ)−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、55.3mgの5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン−2−ボロン酸1−カルボン酸tert−ブチルエステル、3.78mgの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン2塩化パラジウム(II)及び123.4mgの炭酸セシウムの懸濁液を、45分間100℃で加熱する。20℃に戻した後、この反応媒体を3mlの酢酸エチルで希釈し、1.5mlの蒸留水で2度洗浄する。沈降分離後、有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させる。
【0284】
取得した未精製化合物を分取LCMSによって精製する。目的化合物を含有する画分を混合し、減圧下で蒸発させる。16.7mgのフェニルホスホン酸エチルエステル3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルを分離して特性を求める。
【0285】
分析LC/MS:[M+H]=449.17;保持時間3.05分。
【0286】
(実施例24)
手順L フェニルホスホン酸3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
手順Kに従って得る50mgの3−ヨード−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、3.9mgの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン2塩化パラジウム(II)、56.81mgの5−メトキシピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル2−ボロン酸、126mgの炭酸セシウム、260μLのジオキサン及び813μLの蒸留水から成る懸濁液を反応器に入れ、この反応混合物を100℃で45分間加熱する。20℃にもどした後、この反応媒体を4mlの酢酸エチルで希釈し、3mlの蒸留水で2度洗浄する。沈降分離後、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させる。取得した未精製化合物を分取LCMSによって精製する。目的化合物を含有する画分を混合し、減圧下で蒸発させる。
【0287】
このようにして取得した中間化合物を300μLの1M塩化水素ジオキサン中で溶解し、20℃で2時間撹拌して、この反応混合物を減圧下で蒸発させる。取得した未精製化合物を分取LCMSによって精製する。目的化合物を含有する画分を混合し、減圧下で蒸発させる。
【0288】
3mgのフェニルホスホン酸3−(5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを分離して特性を求める。
【0289】
分析LC/MS:[M+H]=435;保持時間2.95分。
【0290】
(実施例25)
フェニルホスホン酸メチルエステル3−スチリル−1H−インダゾ−ル−5−イルエステルの調製
この化合物を28.78mgのトランス−ベータ−スチレンボロン酸を使用する手順Lに従って調製する。3mgのフェニルホスホン酸メチルエステル3−スチリル−1H−インダゾール−5−イルエステルを分離して特性を求める。
【0291】
分析LC/MS:[M+H]=391;保持時間3.66分。
【0292】
(実施例26)
フェニルホスホン酸3−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
この化合物を24.89mgのチオフェン−2−ボロン酸を使用する手順Lに従って調製する。3mgのフェニルホスホン酸3−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを分離して特性を求める。
【0293】
分析LC/MS:[M+H]=371;保持時間3.41分。
【0294】
(実施例27)
フェニルホスホン酸3−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステル
この化合物を500μLのジメチルホルムアミド中の30mgの3−ヨード−5−(メトキシフェニルホスフィノイルオキシ)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、21.2mgのベンゾ[b]チオフェン−2−ボロン酸、2.23mgの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン2塩化パラジウム(II)及び71mgの炭酸セシウムを使用する手順Lに従って調製する。0.7mgのフェニルホスホン酸3−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルが単離される。
【0295】
分析LC/MS:[M+H]=421.18;保持時間3.86分。
【0296】
(実施例28)
メチルホスホン酸メチルエステル3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
この生成物を中間体Aで始まる7段階で調製する。
【0297】
【化39】

【0298】
段階1:5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(手順M)の調製
13gの1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−インドール−2−ボロン酸、28.9gの炭酸セシウム、ジクロロメタンとの合成物の906.5mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウムII及び51mlの蒸留水を、156mlのジオキサン中の10gの5−ベンジルオキシ−3−ヨードインダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体A)の溶液へ続けて添加する。この反応混合物を100℃に前もって加熱した油浴で45分間加熱する。この混合物を水浴で常温に冷却する。この媒体を沈降分離する。下相を処分し(約50ml)、有機相を真空下で濃縮する。取得した茶色のゴムを、250mlのジクロロメタンで可溶化し、有機相を50mlの蒸留水で3度洗浄する。この有機相を硫酸マグネシウム及び活性炭上で乾燥させ、ろ紙でろ過し、ロータリーエバポレーター中で、濃縮する。この反応粗生成物を500mgの40−63μmシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、40/60のシクロヘキサン/ジクロロメタン混合物で溶出する。13.4gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0299】
段階2:5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
140mlの無水テトラヒドロフラン中の13.4gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び6.15gのフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液を常温で30分間撹拌する。この溶媒を真空下で蒸発し、この反応粗生成物を50mlのジクロロメタンで取り上げ、有機相を25mlの蒸留水で2度洗浄する。この有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させる。ろ過して真空下で濃縮した後、この反応粗生成物を450gの40−63μmシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。100%ジクロロメタンで溶出し、98/2の次に95/5のジクロロメタン/メタノールの混合物で行なう。8.54gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0300】
分析LC/MS:Tr=4.75分、[M+H]=446.34。
【0301】
段階3:5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
22mlのジクロロメタン中の2.22gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び7.8gの炭酸セシウムを、80℃(油浴の温度)で48時間撹拌する。この反応混合物をガラスろ過器でろ過し、固体を20mlのジクロロメタンですすぐ。このろ液を真空下で濃縮する。この反応粗生成物を160gのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、溶離剤は100%ジクロロメタンである。2gの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0302】
段階4:5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製(手順N)
2.0gの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、90mlのアセトニトリル中で撹拌する。498mgのヨウ化カリウムを添加し、この懸濁液を80℃に加熱する。7時間20分後、次の反応物質を続けて添加する:394μLのモルホリン、1.24gの炭酸カリウム、150mgのヨウ化カリウム。この懸濁液を80℃で一晩加熱する。不溶性物質をろ過し、ろ液を真空下で濃縮する。この反応粗生成物を50mlのジクロロメタン中に回収する。有機相を25mlの蒸留水で2度洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、ろ過する。この溶媒をロータリーエバポレーター中で、蒸発させる。1.90gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが単離される。
【0303】
分析LC/MS:Tr=3.99分、[M+H]=669.43。
【0304】
段階5:5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾールの調製
1.0gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、ジオキサン中の6mlの4M塩化水素酸溶液中にて常温で18時間撹拌する。この生成物をガラスろ過器でろ過し、ジオキサンですすぐ。692.4mgの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾールを収集する。
【0305】
分析LC/MS:Tr=3.05分、[M+H]=469.34。
【0306】
段階6:3−[5−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールの調製
1.12gの5−ベンジルオキシ−3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾールを、55mlの無水エタノール中で溶解し、424mgのパラジウム/炭素、587mgのギ酸アンモニウム及び227μLのトリエチルアミンを連続して添加する。この反応媒体を67℃(懸濁液の内部温度)で撹拌する。相当量のガスの放出を見る。1時間の撹拌後、この媒体をろ紙でろ過し、触媒を無水エタノールですすぐ。ろ液を真空下で濃縮する。558mgの3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールを収集する。
【0307】
分析LC/MS:Tr=2.29分、[M+H]=379.37。
【0308】
段階7:メチルホスホン酸メチルエステル3−[5−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルの調製
17mlのジクロロメタン(アミレンで安定化)中の170mgのメチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステル(手順Eに従って調製)及び189.7mgの3−[5−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールの懸濁液を常温で撹拌する。500μLのジクロロメタン中の75μLのDBU溶液を10分間にわたり滴加する。撹拌を一晩継続する。204μLのメタノールを75μLのDBUと添加する。この溶液を24時間撹拌する。この反応媒体を真空下で濃縮し、この未精製物を25mlの酢酸エチルで取り上げ、25mlの蒸留水で4度洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、真空下で濃縮する。この反応粗生成物を5gの40−63μmシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。溶出液:98/2の次に95/5のジクロロメタン/メタノール。95mgのメチルホスホン酸メチルエステル3−[5−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルを収集する。
【0309】
分析LC/MS:Tr=2.25分、[M+H]=471.11。
【0310】
(実施例29)
メチルホスホン酸3−[6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
この混合物を下記のスキーム7の10段階で調製する。
【0311】
【化40】

【0312】
段階1:6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドールの調製
16mlのジメチルホルマミド中の3.52gの6−ヒドロキシインドール、4.78gのtert−ブチルジメチルシリル塩化物及び4.5gのイミダゾールの溶液を常温で一晩撹拌する。この反応媒体を酢酸エチルで希釈し、有機相を50mlの蒸留水で洗浄する。この有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、蒸発させる。6.5gの6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドールを収集する。
【0313】
分析LC/MS:Tr=4.55分、[M+H]=248.30。
【0314】
段階2:6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
65mlのジクロロメタン中の6.5gの6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール、9.23gのジ−tert−ブチルジカーボネート及び646mgの4−ジメチルアミノピリジンの溶液を常温で撹拌する。4時間の撹拌後、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、蒸発し、この反応粗生成物を35−70μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、溶出剤はシクロヘキサンである。9.20gの6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色の油状で分離する。
【0315】
分析LC/MS:Tr=6.0分、[M+H]=348.3。
【0316】
段階3:6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)インドール−1−カルボン酸tert−ブチル3−ボロン酸の調製
120mlの無水テトラヒドロフラン中の8.20gの6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル溶液をアセトン中のドライアイス浴で−78℃に冷却する。ペンタン中の19mlの1.5Mtert−ブチルリチウムを40分間滴加する。この溶液を−78℃で30分間撹拌する。5.3mlのホウ酸トリメチルを次に添加する。この媒体を0℃に再度加熱した後、この溶液をこの温度で2時間撹拌する。75mlの飽和塩化アンモニウム水溶液を、200mlのエチルエーテルとともに添加する。この媒体を常温で20分間撹拌し、60mlの10%NaHSO水溶液及び2mlの濃縮した硫酸でこの媒体を酸性化した後、有機相を沈降分離し、120mlの蒸留水及び120mlの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過した後、この溶媒を蒸発させる。取得した個体をガラスろ過器でスピンろ過したシクロヘキサンで洗浄する。5.79gの6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)インドール−1−カルボン酸tert−ブチル3−ボロン酸を収集する。
【0317】
段階4:5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
この化合物を、水(30ml)及びジオキサン(70ml)の混合物中の14.82gの5.12gの中間体A、5.79gの6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)インドール−1−カルボン酸tert−ブチル3−ボロン酸、ジクロロメタンとの合成物の466mgの[1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウムII及び炭酸セシウムの懸濁液を使用した手順Mに従って調製する。この反応媒体を105℃で1時間30分加熱する。処理後、この反応粗生成物を35−70μmのシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。溶出剤:シクロヘキサン。5.56gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを収集する。
【0318】
段階5:5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−6−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
770mgのテトラブチルアンモニウムフッ化水和物との35mlのテトラヒドルフラン中の1.50gの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−6−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液を常温で撹拌する。1時間30分後の撹拌後、この媒体をジクロロメタンで希釈し、有機相を蒸留水で洗浄する。硫酸マグネシウム上での乾燥及びろ過後、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、真空下にて蒸発させる。1.05gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−6−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを収集する。
【0319】
分析LC/MS:Tr=4.73分、[M+H]=556.06。
【0320】
段階6:5−ベンジルオキシ−3−[6−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
10.4mlのジクロロメタン中の1.05gの5−ベンジルオキシ−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−6−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液を常温で撹拌する。1.85gの炭酸セシウムを添加し、この媒体を80℃で24時間加熱する。この溶媒を蒸発して、この未精製物を水/酢酸エチルの混合物で取り上げる。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過後、この溶媒をロータリーエバポレーター中で、蒸発させる。この反応粗生成物を50gのシリカのカートリッジ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、60分間でシクロヘキサン/酢酸エチルが95/5から65/35となる。1.23gの5−ベンジルオキシ−3−[6−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを収集する。
【0321】
分析LC/MS:Tr=5.43分、[M+H]=664.04。
【0322】
段階7:5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの化合物を、1.23gの5−ベンジルオキシ−3−[6−(2−ブロモエトキシ)−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、50mlのアセトニトリル、401mgのヨウ化カリウム、204mgのジエチルアミン及び770mgの炭酸セシウムを使用した手順Nに従って調製する。処理後、この反応粗生成物を20gのシリカのカートリッジ上でクロマトグラフィーにより精製する。溶出剤:98/2、95/5、92/8のジクロロメタン/メタノール。390mgの5−ベンジルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを収集する。
【0323】
分析LC/MS:Tr=4.62分、[M+H]=655.45。
【0324】
段階8:{2−[2−(5−ベンジルオキシ−1H−インダゾール−3−イル)−1H−インドール−6−イルオキシ]エチル}ジメチルアミンの化合物を次の方法で調製する:5mlのジクロロメタン中の390mgの5−ベンシルオキシ−3−[1−tert−ブトキシカルボニル−6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液及び2mlのトリフルオロ酢酸を常温で20時間撹拌する。この溶媒をロータリーエバポレーター中で、真空下にて蒸発させる。480mgの{2−[2−(5−ベンジルオキシ−1H−インダゾール−3−イル)−1H−インドール−6−イルオキシ]エチル}ジエチルアミンを、トリフルオロ酢酸塩状態で収集する。
【0325】
分析LC/MS:Tr=3.87分、[M+H]=455.51。
【0326】
段階9:3−[6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールの化合物を次の方法で調製する:100mgのパラジウム/炭素と共に、15mlの無水エタノール中の990mgの{2−[2−(5−ベンジルオキシ−1H−インダゾール−3−イル)−1H−インドール−6−イルオキシ]エチル}ジエチルアミンの溶液及び1.1gのギ酸アンモニウムを、マイクロ波オーブンで常圧が90℃で30分間加熱する。この反応粗生成物をセライトを通してろ過し、この触媒を無水エタノールですすぎ、このろ液を真空下で濃縮する。この反応粗生成物を80mlの酢酸エチル中に回収し、50mlの飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2度洗浄する。硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、有機相を乾燥するまで濃縮する。取得した固体をジクロロメタン及びイソプロピルエーテルで洗浄する。280mgの3−[6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールを収集する。
【0327】
段階10:メチルホスホン酸3−[6−(2−ジエチルアミノ−エトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの化合物を次の方法で調製する:93mgのメチルホスホン酸ビス−(4−ニトロフェニル)エステル(手順Eに従って調製)と共に4mlのジクロロメタン中の100mgの3−[6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−オールの溶液を常温で撹拌する。1mlのジクロロメタン中の41μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン(DBU)の溶液を滴加する。この溶液を常温で一晩撹拌する。41μLのDBU、続いて115μLのメタノールを流し込む。この工程を4時間15分間撹拌した後に繰り返す。常温でさらも1時間撹拌した後、この溶媒を蒸発し、この未精製物を25gのシリカのカートリッジ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。溶出剤:ジクロロメタン/メタノールで次第に90/10から60/40となる。取得した画分を濃縮し、分取LC/MSによって精製する。30mgのメチルホスホン酸3−[6−(2−ジエチルアミノエトキシ)−1H−インドール−2−イル]−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを無色の油状で収集する。
【0328】
NMRスペクトル:0.99〜1.18(m,6H)、1.70(d,J=17.0Hz,3H)、2.63(broad m,4H)、2.85(broad m,2H)、3.78(d,J=11.0Hz,3H)、4.05(broad m,2H)、6.78(broad d,J=9.0Hz,1H)、6.97(broad m,2H)、7.30(broad d,J=9.0Hz,1H)、7.48(d,J=9.0Hz,1H)、7.60(d,J=9.0Hz,1H)、7.89(broad m,1H)、11.4(broad m,1H)、13.3(broad s,1H)。
【0329】
(実施例30)
エチルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
エチルホスホン酸ビス(ニトロフェニル)エステル中間体を、528mgのエチルホスホン酸ジクロリド、1gのp−ニトロフェノール、345mgの水素化ナトリウム(50%の油状)及び10mlのテトラヒドロフランを使用した手順Eに従って調製する。1.29gのエチルホスホン酸ビス(ニトロフェニル)エステルを収集する。
【0330】
エチルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを、282.5mgのエチルホスホン酸ビス(ニトロフェニル)、10mlのジクロロメタン中の200mgの3−(1H−インドール−2−イル)−H−インダゾール−5−オール(中間体B)の溶液及び120μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン(DBU)を使用した手順Fに従って調製する。常温で7時間後、120μLのDBU及び144.5μLのメタノールを添加し、この混合物を常温で一晩置く。濃縮後、この未精製物を50gのシリカ上でクロマトグラフィーにより精製する。溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチルが9/1から酢酸エチル/メタノールが9/1。目的化合物を含有する画分を濃縮して生じる固体を、酢酸エチルで洗浄してからエチルエーテルで洗浄する。83mgのエチルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを収集する。
【0331】
ジメチルスルホキシドの溶媒の化学シフト(δ in ppm)のBruker Avance DRX−400スペクトロメータ上の400MHzにおけるH NMRスペクトル−2.50ppm基準のd6(DMSO−d6):
1.17(td,J=7.0及び20.0Hz,3H)、1.95〜2.07(m,2H)、3.77(d,J=11.0Hz,3H)、6.98〜7.07(m,2H)、7.15(broad t,J=8.0Hz,1H)、7.33(broad d,J=8.0Hz,1H)、7.46(broad d,J=8.0Hz,1H)、7.58〜7.65(m,2H)、7.92(broad s,1H)、11.6(broad m,1H)、13.45(broad m,1H)。
【0332】
(実施例31)
メチルホスホンチオ酸O−[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]エステルO−メチルエステルの調製
メチルホスホンチオ酸O,O−ビス−(4−ニトロフェニル)エステル中間体を、536mgのメチルホスホンチオ酸ジクロリド、345mgの水素化ナトリウム(50%油状)、1gのp−ニトロフェノール及び10mlのテトラヒドロフランを使用した手順Eに従って調製する。1.19gの目的生成物を収集する。
【0333】
メチルホスホンチオ酸O−[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]エステルO−メチルエステルを、1mlのジクロロメタン中の120μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン(DBU)の溶液を添加する6mlのジクロロメタン(アミレンで安定化)中の284mgのメチルホスホンチオ酸O,O−ビス−(4−ニトロフェニル)エステルと共に、200mgの3−(1H−インドール−2−イル)−H−インダゾール−5−オール(中間体B)の溶液を使用した手順Fに従って調製する。常温で4時間30分の撹拌後、1mlのジクロロメタン中の325μLのメタノール及び120μLのDBUの溶液を添加する。この混合物を常温で一晩置き、この溶媒を蒸発して、この未精製物を35−70μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。溶出剤:シクロヘキサン/酢酸エチルが90/10から50/50となる。取得した画分を濃縮して、分取LC/MSによって精製する。47.7mgのメチルホスホンチオ酸O−[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]エステルO−メチルエステルを収集する。
【0334】
ジメチルスルホキシドの溶媒の化学シフト(δ in ppm)のBruker Avance DRX−400スペクトロメータ上の400MHzにおけるH NMRスペクトル−2.50ppm基準のd6(DMSO−d6):
2.11(d,J=15.0Hz,3H)、3.81(d,J=14.0Hz,3H)、7.02(broad t,J=9.0Hz,1H)、7.07〜7.14(m,2H)、7.28(broad d,J=9.0Hz,1H)、7.44(broad d,J=9.0Hz,1H)、7.58〜7.65(m,2H)、7.49(m,1H)、11.6(broad m,1H)、13.35(broad s,1H)。
【0335】
(実施例32)
シクロヘキシルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルの調製
【0336】
【化41】

【0337】
シクロヘキシルホスホン酸ビス(ニトロフェニル)エステル中間体を、722mgのシクロヘキシルホスホン酸ジクロリド、1gのp−ニトロフェノール、345mgの水素化ナトリウム(50%油状)及び10mlのテトラヒドロフランを使用した手順Eに従って調製する。1.47gの目的化合物を収集する、収率=定量。
【0338】
シクロヘキシルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを、1mlのジクロロメタン中の120μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン(DBU)の溶液を添加する6mlのジクロロメタン(アミレンで安定化)中の325mgのシクロヘキシルホスホン酸ビス(ニトロフェニル)エステルと共に200mgの3−(1H−インドール−2−イル)−H−インダゾール−5−オール(中間体B)の溶液を使用した手順Fに従って調製する。常温で4時間30分の撹拌後、1mlのジクロロメタン中の325μLのメタノールの溶液を添加する。この混合物を常温で一晩置き、この溶媒を蒸発して、この未精製物を35−70μmのシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。溶出剤:シクロヘキサン/酢酸エチルが90/10から50/50。取得した画分を濃縮して、分取LC/MSによって精製する。64.5mgのシクロヘキシルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステルメチルエステルを収集する。
【0339】
NMRスペクトル:ジメチルスルホキシドの溶媒の化学シフト(δ in ppm)−2.50ppm基準のd6(DMSO−d6):
1.20〜1.50(m,6H)、1.62〜1.83(m,3H)、1.93〜2.15(m,2H)、3.75(d,J=11.0Hz,3H)、6.96〜7.05(m,2H)、7.11(broad t,J=8.0Hz,1H)、7.31(broad d,J=9.0Hz,1H)、7.45(broad d,J=9.0Hz,1H)、7.59〜7.64(m,2H)、7.40(m,1H)、11.6(broad m,1H)、13.5(broad m,1H)。
【0340】
(実施例33)
フェニルホスホン酸モノ−[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]エステルの化合物の調製
【0341】
【化42】

【0342】
3−[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルメチル]フェニルホスフィン酸N−エチルアミド化合物調製のため、150mgのフェニルホスホン酸3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルエステル4−ニトロフェニルエステル(手順Eに従って調製)及びジクロロメタン(アミレンで安定化)中の1.5mlのジエチルアミン(テトラヒドロフラン中の2M溶液)の溶液を常温で撹拌する。44μLの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ7−エン(DBU)を添加し、この媒体を常温で一晩撹拌する。この溶媒をロータリーエバポレーター中で、蒸発し、この反応粗生成物を分取LC/MSによって精製し、質量[M+H]=390の目的生成物に該当しない化合物を分離する。23mgの灰色の固体のフェニルホスホン酸モノ−[3−(1H−インドール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]エステルを収集する。
【0343】
分析LC/MS:Tr=2.72分、[M+H]=390.27。
【0344】
NMRスペクトル:ジメチルスルホキシドの溶媒の化学シフト(δ in ppm)−2.50ppm基準のd6(DMSO−d6):
この混合物(70%)の主要生成物に対し、次を得る:
6.82(broad s,1H)、7.02(broad t,J=8.5Hz,1H)、7.11(broad t,J=8.5Hz,1H)、7.21(broad d,J=9.0Hz,1H)、7.43(broad d,J=9.0Hz,1H)、6.90〜7.62(m,5H)、7.76(broad s,1H)、7.82(broad dd,J=8.5及び12.5Hz,2H)、11.55(broad m,1H)、13.3(broad s,1H)。
【0345】
(生化学的アッセイの実験プロトコル)
1.FAK
FAKに対する化合物の阻害活性は、時間分解蛍光(HTRF)アッセイを使用して酵素の自己リン酸化の阻害を測定することによって決定する。
【0346】
ヒトFAKの完全なcDNA(そのN末端にはヒスチジンのタグが付加されている。)を、バキュロウイルス発現ベクターpFastBac HTc中にクローニングした。たんぱく質を発現させ、約70%の均一状態まで精製した。
【0347】
キナーゼ活性は、5%グリセロール 0.03%Triton x−100、50mM NaCl、1mM DTT、5mM MgCl、5μM ATP及び1%の最終濃度のDMSOを含有する、50mM Hepesバッファー、pH=7.5中の様々な濃度の試験化合物とともに酵素(4.6μg/ml)を37℃で10分間インキュベートすることにより決定した。320mM EDTAを添加することによってこの酵素反応を終了し、このバッファーにXL665で標識された抗ヒスチジン抗体及びユーロピウムクリプテート(Eu−K)に抱合されたチロシン−リン酸特異的モノクローナル抗体を添加することによって、0.8mM KF及び0.2%BSAを含有する100mM Hepesバッファー、pH=7.5中において、4℃で一晩、標識化を実施した。2つの蛍光物質の特性は、「G.Mathis et al., Anticancer Research,1997,17,pages 3011〜3014」に記載されている。励起されたユーロピウムクリプテート及び受容体のXL665間のエネルギー転移は、FAKの自己リン酸化の程度に比例する。長時間持続するXL665特異的な信号を、Packard Discoveryプレートカウンタで測定した。全アッセイを2度実行し、この二つのアッセイの平均を計算した。本発明の化合物によるFAKの自己リン酸化活性の阻害は、試験化合物の不存在下で活性が測定される対照に対するパーセント阻害として表される。%阻害を計算する際には、[665nmの信号/620nmの信号]の比を考慮する。
【0348】
2.KDR
前記化合物の阻害効果は、シンチレーション技術を使用するインビトロKDR酵素基質リン酸化アッセイ(96ウェルプレート、NEN)で決定される。
【0349】
ヒトKDR酵素の細胞質ドメインを、GST融合物の形態で、バキュロウイルス発現ベクターpFastBacにクローニングした。このたんぱく質をSF21細胞中に発現させ、約60%の均一状態まで精製した。
【0350】
KDRのキナーゼ活性は、20mM MOPS、10mM MgCl、10mM MnCl、1mM DTT、2.5mM EGTA及び10mM β−グリセロリン酸塩 pH=7.2中、10mM MgCl、100μM NaVO及び1mM NaFの存在下で測定した。10μLのこの化合物を、100ngのKDR酵素KDRを含有する4℃のキナーゼバッファー70μLに添加した。2μgの基質(GST融合たんぱく質の形態で発現されるPLCyのSH2−SH3フラグメント)、2μCiのγ33P[ATP]及び2μMの低温ATPを含有する20μLの溶液を添加することによってこの反応を終了する。37℃で1時間インキュベートした後、200mM EDTAの1容量(100μL)を添加することによって、この反応を終了する。インキュベーションバッファーを取り除き、300μLのPBSでウェルを3度洗浄した。Top Count NXT放射活性カウンタ(Packard)を使用して各ウェル中の放射能を測定した。
【0351】
放射性ATP及び基質のみを含有する4つの異なるウェルの放射能を測定することによって、バックグラウンドノイズを決定した。
【0352】
完全活性対照は、全ての反応物質(γ33P−[ATP]、KDR及びPLCγ基質)を含有するが、化合物の不存在下で4つの異なるウェル中で測定した。
【0353】
本発明の化合物によるKDR活性の阻害は、この化合物の不存在下で決定された対照活性のパーセント阻害として表される。
【0354】
化合物SU5614(Calbiochem)(1μM)を、阻害対照として各プレートに含めた。
【0355】
3.Aurora2
Aurora2キナーゼに対する化合物の阻害効果は、ニッケルキレートを使用する放射能シンチレーションアッセイを用いて決定する。
【0356】
完全な組み換え型のAurora2酵素(そのN末端にはヒスチジンのタグが付加されている。)をE.コリ中で発現し、ほぼ均質な状態になるまで精製した。
【0357】
E.コリ中で発現され、そのN末端にヒスチジンのタグが付加されているNuMA(Nuclear Mitotic Apparatusタンパク質)のC末端フラグメント(Q1687−H2101)を、ニッケルキレートクロマトグラフィーによって精製して、Aurora2キナーゼアッセイにおける基質として使用した。
【0358】
キナーゼ活性を決定するために、10%(v/v)のグリセロール及び0.05%(w/v)のNP40が添加されたバッファー(50mM Tris−HCI、pH7.5、50mM NaCl、10mM MgCl)で中で、Pharmacia PD10カラム上でクロマトグラフィーによって、NuMA基質を平衡化した。
【0359】
Aurora2キナーゼ活性は、ニッケルキレートのシンチレーション(New England Nuclear、モデルSMP107)によって測定した。各ウェルは、100μLの次の溶液を含有した。0.02μMのAurora2、0.5μMのNuMA基質、0.5μCiのATP−[33P]が添加された1μMのATP。この溶液を37℃で30分間インキュベートした。アッセイバッファーを取り出し、このウェルを300μLのキナーゼバッファーで2度すすいだ。Packard Model Top Count NXT装置を使用して、各ウェル中の放射能を測定した。
【0360】
バックグラウンドノイズは、他の実施例と同じ方法で処理された、緩衝化されたキナーゼを含有する放射性ATPのみを含有するウェル中での、2度の測定による放射活性測定から推定した。
【0361】
対照の活性の測定は、試験化合物の不存在下で、完全なアッセイ混合物(ATP、Aurora2及びNuMA基質)の放射能を測定することによって2度実行する。
【0362】
本発明の化合物によるAurora2の活性の阻害は、試験化合物の不存在下での対照活性のパーセント阻害として表される。スタウロスポリンを、阻害対照として各プレートに添加する。
【0363】
4.CDK2/サイクリンE:
IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)によるCDK2/サイクリンE−(His)複合体の精製
それぞれ、CDK2及びサイクリンE(後者は、C末端ヘキサヒスチジンタグを含む。)をコードするヒト配列を持つ2つの組み換えバキュロウイルスを、Sf21昆虫細胞を重感染させるために使用する。重感染の開始から2〜3日後、この細胞を遠心分離により採取した後、使用するまで−40℃で保管した。この細胞を解凍して機械的に溶解した後、溶解上清中に存在する複合体をニッケルアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)により精製し、−80℃で保管する。
【0364】
96−ウェル形態のCDK2/サイクリンEフラッシュプレートアッセイ
ストレプトアビジンで被覆されたウェルを有する96−ウェルプレートを使用したフォーマットを使用して、CDK2/サイクリンEのキナーゼ活性に対する化合物の活性をアッセイする。
【0365】
このアッセイを実施するために、pRbタンパク質のフラグメント(ビオニチル−SACPLNLPLQNNHTAADMYLSPVRSPKKKGSTTROH)のビオチン化ペプチド基質を、キナーゼバッファー(HEPES/NaOH50mM、NaCl 1mM、MgCl5mM、pH7.5)中で、1mMの濃度で可溶化し、110μLのアリコート形態で、−20℃で保存される原溶液を構成する。実験当日、この溶液のアリコートを解凍し、14.3μMの濃度を得るために即座にバッファーに添加される1mMのジチオスレイトールを含有するキナーゼバッファーで希釈する。100μLの反応媒体の最終容量(以下参照)中で実施される酵素反応の間に、10μMの最終基質濃度を得るために、70μLのこの溶液を、Flashplateの各ウェルに添加する。
【0366】
様々な濃度の阻害剤(本発明の産物)の中間希釈物を、別のチューブの中で、10mMの原溶液からDMSO中に調製する。1000μM、333.33μM、111.1μM、37.03μM、12.35μM、4.11μM及び1.37μMにおける希釈を、このようにして調製する。これらの各溶液の1μL(又は対照の場合、1μLのDMSO)を、アッセイプレートのウェル中に移した。
【0367】
次いで、5.26μMの総ATP及び52.6μCi/mlの33Pの濃度の、キナーゼバッファー中の19μLのアデノシン三リン酸(ATP)とATPγ33の混合物の溶液を各ウェルに添加する。1mMのジチオスレイトール(又は反応ブランクの場合、1mMのジチオスレイトールを含有する10μLのキナーゼバッファー)を含有するキナーゼバッファー中、200nMの各ウェル当り10μLのCDK2/サイクリンE溶液を添加することによって、この酵素反応を誘発する。
【0368】
各反応物の添加後、各ウェルの最終容量は100μLとなり、基質の最終濃度は10μMであり、阻害剤の最終濃度は、10μM、3.33μM、1.11μM、0.37μM、0.123μM、0.041μM及び0.014μM(中間希釈物の濃度に従う)で、ATPの最終濃度は1μMであり、33Pの最終量は1μCi/ウェルであり、CDK2/サイクリンE複合体の最終濃度は20nMである。
【0369】
全反応物の添加後、アッセイプレートを、650rpmにて軌道振盪を行いながら、30℃でインキュベートする。
【0370】
インキュベーションが終了した時点で、ウェル当り300μLのPBS(リン酸緩衝食塩水、pH=7.4、カルシウム又はマグネシウム無し、参照番号10010−015、Gibco BRL)で、前記プレートを3度洗浄する。33Pのペプチドへの取り込みは、Pacfkard Topcount NXT装置を用いたシンチレーションカウンティングによって定量化する。本発明の産物の阻害活性は、酵素活性(IC50)を50%減少させる阻害物の濃度を測定することによって評価される。
【0371】
5.Tie2
細胞内ドメイン776−1124のアミノ酸に対応するヒトTie2のコード配列は、ヒト胎盤から単離されたcDNAをモデルとして使用するPCRによって作製した。GST融合タンパク質の形態のバキュロウイルス発現ベクトルpFastBacGT中に、この配列を導入した。
【0372】
分子の阻害効果は、約80%の均一状態まで精製されたGST−Tie2の存在下で、Tie2によるPLCのリン酸化アッセイにおいて決定される。この基質は、GST融合タンパク質の形態で発現されたPLCのSH2−SH3フラグメントから構成される。
【0373】
Tie2のキナーゼ活性は、10mM MgCl、10mM MnCl、1mM DTT及び10mMのグリセロリン酸塩を含有する20mM MOPSバッファー、pH 7.2中で測定する。100ngのGST−Tie2酵素を含有する70μLのキナーゼバッファーから構成される反応混合物を、ウェルごとに、氷上に保持された96−ウェルFlashplateに入れる。10%の最高濃度でDMSO中に希釈された10μLの試験分子を次に添加する。指定の濃度に対し、各測定を4度実行する。2μgのGST−PLC、2μMの低温ATP及び1μCiの33P[ATP]を含有する20μLの溶液を添加することによって、反応を開始する。37℃での1時間のインキュベーション後、この反応を1容量(100μL)のEDTAを200mMで添加することによって停止する。インキュベーションバッファーを取り出した後、このウェルを、300μLのPBSで3度洗浄した。放射能を、Wallac MicroBeta 1450で測定する。
【0374】
Tie2活性の阻害を計算し、化合物の不存在下で決定された対照活性に対するパーセント阻害として表した。
【0375】
本発明の実施例の産物は、全般的に、様々なキナーゼ(特に、Tie2及びAurora−2)に対して活性を示し、キナーゼの活性の50%を阻害する濃度によって評価される活性は、3nM及び500nMの間である。
【0376】
【表2】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)
【化1】

(式中、
−Wは、共有結合又はOから選択される基を表し;
−Xは、共有結合、基−C=O−NR−、NR−C=O、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR−、S、O、−SO−、−SO、−CO又は−COOを表し(Rは、H、又はR1とともに必要に応じて環を形成することができる(C−C)アルキル基を表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12である。);
−Rは、H(X=−SO−又は−SO−の場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R及びRは、同一又は異なっていてもよく、H、又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシ及びアリールオキシ基から選択される基を表し(R及びRは、必要に応じて置換される。);
−Yは、共有結合又は−C=O−NR−、−C=O−O−、−C=O−、−(CH−若しくは−SO−から選択される基を表し(Rは、H、(C−C)アルキル、及び環を形成するようにR3に連結された(C−C)アルキル基からなる群から選択される。);
−Rは、H(Yが−C=O−O−又は−SO−である場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R4、R6及びR7は、同一又は異なっていてもよく、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シアノ、−N(R)R、−C=O−N(R)R及び−N(R)−CO−Rから独立に選択することができる(R及びRは、H、(C−C)アルキル及び(C−C)シクロアルキルから独立に選択される。)。)
の産物(但し、以下の産物
【化2】

を除く。)。
【請求項2】
WがOであることを特徴とする、請求項1に記載の産物。
【請求項3】
アリール及びヘテロアリール基が、
(i)O、N及びSから選択される0から4個の複素原子を含有する単環式の基、並びに
(ii)
(a)5、6、7又は8個の環員を含有し、及びO、N及びSから選択される0から4個の複素原子を含有する単環式の基、と縮合した
(b)5又は6個の環員を含有し、及びO、N及びSから選択される0から3個の複素原子を含有する別の環、
を含む縮合された二環式の基
から独立に選択されることを特徴とする、請求項1または2の何れか一項に記載の産物。
【請求項4】
アリール又はヘテロアリール基が、フェニル、ピリジル、ピリミジル、トリアジニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、インドリル、インダゾリル、アザインダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、アリールビニレン、アリールアミド、アリールカルボキサミド、アラルキルアミン、キノレイル、イソキノレイル、シンノリル、キナゾリル、ナフチリジル、チアゾリル又はテトラゾリルからなる群から独立に選択されることを特徴とする、請求項3に記載の産物。
【請求項5】
アリール又はヘテロアリール基が、フェニル、ピロリル、必要に応じて置換されたインドリル及びアリールビニレンからなる群から独立に選択されることを特徴とする、請求項4に記載の産物。
【請求項6】
Xが共有結合を表し、及びR1が複素環基、特にインドリルを表す、請求項1に記載の産物。
【請求項7】
R2が(C−C)アルキル基を表す、請求項1に記載の産物。
【請求項8】
Yが結合であり、及びR3がHである、請求項1に記載の産物。
【請求項9】
ヒトの治療における、請求項1から8の何れか一項に記載の産物の使用。
【請求項10】
Tie2、Aurora−2などの、癌の発生に関連するキナーゼの調節解除に関連する疾病を治療するための、請求項9に記載の産物の使用。
【請求項11】
医薬品としての、以下の式(I)
【化3】

(式中、
−Wは、共有結合又はOから選択される基を表し;
−Xは、共有結合、基−C=O−NR−、NR−C=O、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR−、S、O、−SO−、−SO、−CO又は−COOを表し(Rは、H、又はR1とともに必要に応じて環を形成することができる(C−C)アルキル基を表し、nは、0から12までの範囲(両端を含む)から選択される。);
−Rは、H(X=−SO−又は−SO−の場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R及びRは、同一又は異なっていてもよく、H、又はアルキル、シクロアルキル アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシ及びアリールオキシ基から選択される基を表し(R及びRは、必要に応じて置換される。);
−Yは、共有結合又は−C=O−NR−、−C=O−O−、−C=O−、−(CH−又は−SO−から選択される基を表し(Rは、H、(C−C)アルキル、及び環
【化4】

を形成するようにR3に連結された(C−C)アルキル基からなる群から選択される。);
−Rは、H(Y=C=O−O−又は−SO−である場合を除く。)、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され(Rは、必要に応じて置換されていてもよい。);
−R4、R6及びR7は、同一又は異なっていてもよく、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シアノ、−N(R)R、−C=O−N(R)R及び−N(R)−CO−Rから独立に選択することができる(R及びRは、H、(C−C)アルキル及び(C−C)シクロアルキルから独立に選択される。)。)
の産物。

【公表番号】特表2007−514721(P2007−514721A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544494(P2006−544494)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003225
【国際公開番号】WO2005/058923
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(500152119)アバンテイス・フアルマ・エス・アー (65)
【Fターム(参考)】