有機乾燥食材の製造方法及びその装置
【課題】 復元後の食材の風味・食感を改善し、栄養成分が保持された有機乾燥食材の製造方法であって、しかも安価で安全・簡単に構成でき、熱に敏感な食材でも長期保存が可能な、再資源としてリユースできる有機乾燥食材の製造方法並びにその製造装置を提供すること。
【解決手段】 有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件の下で熱を加えず除湿乾燥させる。特に、温度35度C以下、相対湿度45%以下の乾燥室に分割した有機食材を入れ、天日乾燥条件下においてバッチ処理する。
【解決手段】 有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件の下で熱を加えず除湿乾燥させる。特に、温度35度C以下、相対湿度45%以下の乾燥室に分割した有機食材を入れ、天日乾燥条件下においてバッチ処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機食材の乾燥技術並びに有機残渣物の再利用技術に関するものであり、より詳しくは、野菜、果物、肉類、魚類、あるいは、おから等の有機食材から乾燥食材を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱に敏感な食材の乾燥方法として凍結乾燥(Freeze Drying)がよく知られている。乾燥野菜などの製造方法に用いられている方法であり、野菜などの湿り食材を凍結させて真空下で氷を昇華させ乾燥させる乾燥法である。湿り食材は固形食材と結合した結合水と流動自在な自由水を含んでいるが、凍結乾燥は食材の味を左右する結合水も自由水と同様にすべて氷に固形化してから面昇華させる方法であるため、食材の組織に対してダメージを与えやすく、乾燥処理した食材に水又は湯をかけて復元した場合に、当初の味や風味が落ちるという欠点が指摘されている。
【0003】
一般的に凍結乾燥法においてはできるだけ新鮮な状態で、しかも急速に凍結させることが肝要であるとされているが、急速に食材の温度を下げることは氷結晶の成長を妨げることにも繋がる。すなわち、食材中の自由水がまず結晶化すると体積の増加によってその部分の圧力が高まり結合水の氷結晶化を妨げる。その結果、結晶化した部分が未凍結部の組織細胞を圧迫してダメージを与えるため、解凍後はうまみ成分を含んだドリップが細胞から流出し風味をそこなう原因となる。
【0004】
このような問題点を回避する方法として、食材を凍結させない除湿乾燥法がある。この方法は主にヒーター等の熱源によって加熱処理し、送風して湿り食材の水分を物理的・強制的に移動させて乾燥させる方法である。腐敗は食材中の自由水に関係しており、この自由水を除去することで食材の固形成分の腐敗防止を図ることができる。この方法も広く知られており、例えば、約40℃の生おからに450℃の熱風を当てて強制的に乾燥させ、含水率10%以下の乾燥おからに再生する方法が稼動している。
【0005】
また、その他の方法として特許文献1では、微生物によっても完全には処理しがたい豆類絞り粕を、高圧加熱管式反応機等を用いて加熱加圧処理することにより、ゲル状の新規生物系材料を製造する装置及び方法が開示されている。一方、除湿乾燥装置の実施例として、本出願に係る発明者は生ゴミ用乾燥装置を完成し、その装置を使用するが可能であることが確かめられている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−189812号公報
【特許文献2】特開2002−361198号公報
【0007】
しかしながら、従来の加熱による除湿乾燥法には乾燥時間の短縮というメリットはあるが、臭気の発生や熱エネルギーの消費といった問題点が指摘されている。また、生おからを乾燥おからに再生する方法の場合のように結合水の多分に含まれている湿り食材を乾燥させる場合には、加熱処理によって食品の栄養成分を変質させずに含有水分のみを完全に蒸散させることは困難である。さらに、特許文献1に記載の発明においては、当初の食材の性状を変化させて新たな食材を生成するものであり、生成された新規食材は当初の食材の風味食感と全く異なるものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
おからなどの有機食材は天然植物の残渣であり栄養価の高い食料品であるが、最近では食料として人間が食べる量は極めて少なくなってきている。もちろん現在でも、その一部が食料品として販売され、またその一部が肥料や飼料としてそのまま再利用されてはいるが、含有水分が多くて腐敗しやすいため長期保存がきかず、また分解し難い食物繊維を多く有しているため利用の途が乏しく、大部分は産業廃棄物として破棄されているのが現状である。
【0009】
一方で食品リサイクル法に基づき有機残渣物、賞味期限切れ食材あるいは生ゴミ等の主成分の有効な再利用方法が求められているが、従来の乾燥法では乾燥時間の短縮というメリットは見込めるものの、例えば凍結乾燥による方法では多大なコストがかかり、味・風味・食感等の低下をきたし、また加熱による乾燥方法では、臭気の発生や熱エネルギーの消費といった大きな問題点は未解決のままである。本来、低コストで実現しなければ再利用効果の少ない食材リユースにおいては、従来の乾燥法は必ずしも最適な乾燥方法ということはできない。
【0010】
本発明は通常の有機食材の保存及び有機残渣物のリユースの実情にかんがみてなされたものであり、従来の乾燥法では得られなかった復元後の食材の風味・食感を改善し、栄養成分が保持された有機乾燥食材の製造方法であって、しかも安価で安全・簡単に構成でき、熱に敏感な食材でも長期保存が可能な、再資源としてリユースできる有機乾燥食材の製造方法並びにその製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的にかんがみ、本願発明の請求項1では、有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件の下で除湿乾燥させる有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。天日乾燥とは太陽熱を利用した太陽熱乾燥法をいう。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法において、特に有機食材が大豆絞り粕、すなわち、生おからであることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法において、特に有機食材が賞味期限寸前の食材であることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法において、除湿乾燥を除湿機による除湿と自然乾燥により行うことを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法において、除湿乾燥を除湿機による除湿と除湿機の廃熱を利用した加温乾燥により行うことを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法において、温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室に分割した有機食材を入れ、バッチ処理することを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の有機乾燥食材の製造方法において、複数に分割した有機食材を多段に配置し、その位置を循環させることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項6又は請求項7に記載の有機乾燥食材の製造方法において、有機食材を可動ベルト上に配置し、連続的に又は間歇的に、可動ベルトを循環させることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0019】
請求項9に係る発明は、温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室を有する有機乾燥食材の製造装置を提供するものである。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の有機乾燥食材の製造装置において、乾燥室に、有機食材を収容する複数のトレイを移動可能に配置したことを特徴とする有機乾燥食材の製造装置を提供するものである。上記手段構成によれば、以下のような作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0021】
有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件の下で除湿乾燥させる有機乾燥食材の製造方法によれば、微生物の繁殖の少ない環境下で、基本的に熱をかけずに含有水分の移動・蒸散だけで乾燥させ、食材の味を左右する結合水に対しても相変化させずに絶乾状態にまですることが可能である。そのため、食材の組織に対するダメージもなく、食材自身の味及び風味を保ったまま有機乾燥食材を製造することができる。また、水又はお湯を加えることによってもとの新鮮な食材に復元することができる。しかも簡単、かつスピーディに生産でき、熱源も使用しないので省エネルギー化の要請にも応えることができる。
【0022】
特に有機食材を大豆絞り粕、すなわち、熱に弱い生おからとした場合であっても、食品中の腐敗に関係する自由水を常温で効率的に除湿乾燥させているので、食材を変質させず、悪臭も出さず衛生的に乾燥おからとすることができる。このようにして製造した乾燥おからは、水又は湯をかけて復元しても大変おいしく、他の食材に配合して新たな加工食品の材料としても使用が可能である。
【0023】
特に有機食材を賞味期限寸前の食材とした場合には、食材を腐敗させることなく長期保存を可能とし、有機食材の資源化・再利用化を促進することが可能となる。すなわち、本発明は有機食材の長期保存化方法を提供するものでもある。
【0024】
天日乾燥条件のもと、除湿乾燥を除湿機による除湿と自然乾燥により行う有機乾燥食材の製造方法によれば、熱源を使用しないので微生物の繁殖が少なく、腐敗しやすい食材でも腐敗させることなく減量化させることができ、さらに悪臭を発することがないので、安全で、かつ衛生的な方法により有機乾燥食材を製造することができ、あるいは有機残渣物若しくは賞味期限切れ食材の資源化、再利用化を実現することができる。
【0025】
また天日乾燥条件のもと、除湿乾燥を除湿機による除湿と除湿機の廃熱を利用した温風乾燥により行うようにしてもよい。この場合、天日乾燥条件の範囲内に温度、湿度を維持することが必要であるが、廃熱として捨てられるエネルギーを有効利用して省資源化を図ることができるだけでなく、湿り食材の乾燥化速度を向上させ、よりスピーディに有機乾燥食材を製造することができる。
【0026】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室に分割した有機食材を入れ、バッチ処理するようにすれば、乾燥室内の位置により乾燥条件が異なる場合にも均一な品質の乾燥食材を生成することができる。また、豆腐の製造工程で日々発生するおからなどの有機残渣物を順次乾燥室に投入して連続的な工程による製造処理が可能となる。
【0027】
複数に分割した有機食材を多段に配置し、その位置を循環させるようにすれば、食材の搬入搬出を容易に構成することができるだけでなく、場所により天日乾燥条件の不均一があっても乾燥環境の均一化を図ることができる。また絶乾状態までの日数工程を把握することができるので、均一な品質の有機乾燥食材を製造することが可能となる。さらに、有機食材を可動ベルト上に配置し、連続的に又は間歇的に可動ベルトを循環させるように構成すれば、均一な天日乾燥条件を機械化により実現でき、安全かつスピーディな製造方法とすることができる。
【0028】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室を有する有機乾燥食材の製造装置を使用すれば、微生物の繁殖による腐敗が生じないので臭気の発生がなく、除去された水が排出されるだけであるので自然を汚染することがない。また、乾燥室に、有機食材を収容する複数のトレイを移動可能に配置すれば、均一な天日乾燥条件を機械化により容易に実現でき、安全かつスピーディな製造装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。図1は本出願に係る有機乾燥食材の製造装置1の実施態様(実施例1)を示す斜視図であり、図2はその内部構造を表す模式断面図である。図1及び図2において、同じ番号を付した部分は同一部分を表示する。なお、本発明の構成は上記実施例1の構成に限るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0030】
図2において、有機乾燥食材の製造装置1はその内部が、上部と下部にエアの流通口を有する壁11によって仕切られており、壁11の左右に乾燥室2と乾燥エア製造室3が形成されている。壁11に形成されるエアの流通口は壁11のどの部分に設けてもよいが、乾燥エアは湿気を含むことにより比重を増して下降するので、上部と下部に設けるのが最適である。
【0031】
乾燥室2では温度35度C以下、相対湿度(R.H)45%以下の天日乾燥環境が維持されることが必要である。この温度、湿度を超えると食材中の菌糸の成長を無視できなくなるからである。有機乾燥食材の製造装置1の設置場所により、自然環境下で上記天日乾燥条件が維持可能な場合には特に乾燥エアの送風だけで自然乾燥させることも可能である。しかし、一般には除湿機としてコンプレッサ31を用いて実現される。
【0032】
乾燥室2には7つのトレイ21が上下方向に縦列に配置されている(上部トレイから1号室、2号室、・・・とする)。実施例1では7つに限定して説明するがこれは一週間で乾燥食材を製造することを考慮したものである。しかし、本発明はトレイ21の数を7つに限るものではなく、乾燥化速度に応じて最適な数、例えば4段から10段とすることができる。この7つのトレイ21は図示しないリフトに着脱可能に支持され、順次一段ずつ上昇させることができるように構成されている。トレイ21全体を均一な天日乾燥条件下に置くためである。
【0033】
有機乾燥食材の製造装置1の内部を天地方向に伸びて形成された壁11を挟んで、乾燥室2の反対側には乾燥エア製造室3が形成されており、その中段には除湿機としてコンプレッサ31が配置されている。コンプレッサ31は湿気を含んだ処理済みエアを圧縮して凝縮し、湿気を除いて再び乾燥エアを創出する機能を有するものである。
【0034】
コンプレッサ31のエア冷却能力は乾燥室2を温度35度C以下、R.H45%以下の天日乾燥条件を維持するのに十分な能力を必要とする。その大きさは乾燥室2の容積によっても異なるので一概に決定できないが、一般的な業務用製造装置の大きさを考慮すれば100〜10,000Kcal/時、風量が1〜100m立方/時の範囲で選択することができる。
【0035】
また、最適な有機乾燥食材の製造方法では、コンプレッサ31の自然発熱を利用して、水分を吸収しクールダウンした乾燥エアを温度35度Cまで上昇させることが好ましい。乾燥化速度の向上と省エネルギー化を同時に達成でき、有機乾燥食材の製造方法の効率化を図ることができる。
【0036】
図2に示すように、本発明に係る有機乾燥食材の製造装置1は循環したエアの流れが内部に形成されるように、外部が直方体のハウジングで覆われ、内部はほぼ密閉した空間になるように構成されている。また、コンプレッサ31のエア流に関する下流側(乾燥エア製造室3内の上部)には循環ファン32が配置され乾燥エア流を強制的に形成するとともに、上流側(製造室内下部)には水分除去のために除湿コイル33が配置されている。
【0037】
除湿コイル33の上流側で、壁11の下部に形成された流通口には脱臭フィルタ12がはめ込み式に配置され、僅かながら発生する臭気の捕捉を行う。脱臭フィルタ12は脱臭剤を内包して形成される。脱臭剤としては活性炭繊維、イオン交換樹脂、紫外線とチタンを組み合わせたもの又は過酸化水素を発生するものなどが使用可能である。なお、図1に示すように、乾燥室2側の側面の下部にはトレイ21の搬入をするための蓋13が設けられ、乾燥室2の上面にはトレイ21の搬出をするための蓋10が設けられている。
【0038】
以上のように構成された有機乾燥食材の製造装置1は以下のように作用して、有機食材を乾燥させる。コンプレッサ31によって除湿された乾燥エアは、循環ファン32により壁11の上部に形成された流通口から乾燥室2へ送り込まれる。この乾燥エアは乾燥室2の最上部のトレイ21に載置された有機食材上を通過し、順次、その下部のトレイ21に載置された有機食材上を通過しながら有機乾燥食材の製造装置1の最下部へと移動していく。この間に有機食材は水分の移動・蒸散により乾燥されていく。
【0039】
有機食材の含有水分を含んで湿度が増した乾燥エアは壁11の下部に設けられた流通口から脱臭フィルタ12を通って、再び乾燥エア製造室3に戻る。乾燥エア製造室3では除湿コイル33を通過する際に除湿冷却され、さらにコンプレッサ31により除湿されて再生される。除湿され再生された乾燥エアは再び壁11の上部に形成された流通口から乾燥室2に送り込まれ、有機食材の乾燥を繰り返す。このようにして有機食材は天日乾燥環境下で絶乾状態に至るまで乾燥し、有機乾燥食材が製造される。
【0040】
このように製造された有機乾燥食材は乾燥室2の上面に形成された蓋10を開けてトレイ21ごと取出される。次にリフトが作動して次段のトレイ21が一段上昇する。このとき、乾燥室2側の側面下部に形成された開閉可能な蓋13を開けて、新たな有機食材を入れたトレイ21を乾燥室2の最下段に入れる。このようにして、順次新たなトレイ21が投入されてバッチ処理される。日々製造されるおからの乾燥処理にはバッチ処理が極めて有効であり、効率的である。
【0041】
上記有機乾燥食材の製造装置1の効果を立証するために、高さ525mm、幅580mm、奥行き360mmの製造装置の乾燥室2(製造装置1のほぼ半分の容量)に深さ50mm、幅240mm、奥行き270mmのトレイ21を縦に7段配置し、乾燥エア製造室3に冷却能力250kcal/時、風量8立方m/時のコンプレッサ31を配置した実験装置を作成して以下の実験を行った。
【0042】
7つのトレイ21(上部から1号室、2号室・・・、最下部が7号室)にそれぞれ超純水50gを入れ、各トレイ21における水の蒸発性能の確認と乾燥室2内の温度・湿度の状態変化を追跡し、微生物の繁殖に適さない条件(天日乾燥条件)で乾燥しているかを把握する。図3は実施例1の製造装置における超純粋の蒸発曲線を示すものである。図3に示すように27時間後の最大と最小の間でおよそ2倍の差が出ている。この結果からトレイ21の位置関係で蒸発速度が大きく異なることがわかり、有機食材の乾燥に関しては、トレイ21を固定するよりトレイ21の位置を循環させることが有効であることがわかる。
【0043】
一方、乾燥室2内での温度、湿度の変化を図4に示し、一般的な菌糸の成長の湿度依存性を示すグラフを図5に示す。乾燥室2内での温度・湿度は乾燥開始から一時間後には湿度40%が保たれ、温度も30度C未満に保たれて、一時間経過後は同条件が維持されていた。また、図5から湿度45%以下、温度30度C未満の環境では、菌糸の成長が無視できる程度に小さいことも確認された。図4及び図5に示す結果から、乾燥室2では微生物の繁殖に適していない環境が維持されており、微生物の繁殖は抑えられ腐敗か起こりにくいことが確認された。この環境はいわゆる天日乾燥条件に匹敵する。
【0044】
次に有機食材の代表として生おからをトレイ21に入れ、水分の蒸発曲線の測定を行った。1号室にはおから50g、5号室にはおから250g、6号室にはおから300g、7号室にはおから350gをそれぞれ満たし、有機乾燥食材の製造装置1を運転した結果を図6に示す。5訂−食品成分表によると、新製法によるおからの水分量は75.5%であり、本実験における最大量のおから(7号室350g)の場合でもほぼ2日で絶乾状態に近い70%強まで乾燥させることができた。おからは結合水が比較的多いので、変質させずに完全に蒸散させることは困難であるが、本発明に係る製造方法によれば、簡単かつスピーディに乾燥おからを製造することが可能であることが実証できた。
【0045】
また、製造された乾燥おからを密閉容器にいれて3ヶ月間室内で常温保管をした結果、乾燥おからは変化することはなかった。腐敗しなかったことは微生物の繁殖を抑えたことの証左であり、これにより乾燥おからを加工食品、飼料、肥料の原料としてリユースできることが実証された。なお、乾燥室2内は少々の臭気はあったが、密閉した空間と脱臭フィルタ12により周辺にもれて悪臭を放つことはなかった。
【0046】
次に他の有機食材についても同様に実験を行った。それぞれ種類の異なる果物5種類を選択し乾燥室2に入れる。そして、各個別にその重量の変化や臭気を調べる。有機野菜についても同様に5種類選び、同様な方法で実験を行った。さらにお湯で戻して、味や風味を確認した。
【0047】
果物5種類(パイナップル、ブドウ、キウイ、リンゴ、バナナ)、野菜5種類(キャベツ、モヤシ、サツマイモ、ジャガイモ、ネギ)を本願発明に係る製造方法で乾燥させた結果、各有機食材の重量の変化(平均値)を示すグラフをそれぞれ図7及び図8に示す。これらの水分蒸発曲線を見てもわかるように、種類を問わず数日で6〜9割の重量が減少する。これによって果物・野菜など、繊維素主体のものは食品成分表の絶乾理論値近くまで乾燥していることが確認された。また、臭気などの問題はなく、外見は店で売られている乾燥食品などと見劣りすることはなく、さらにお湯で戻して試食した結果、味もよく長期保存食品及び乾燥食品への適用も可能であった。
【0048】
その他の食材、肉類、魚類についても同様の実験を行った。肉類(豚肉、牛肉、鶏肉)と魚類(秋刀魚、鮭、烏賊)の各3種類を用いて本願発明に係る製造方法で乾燥させた結果、各食材の重量の変化(平均値)を示すグラフをそれぞれ図9、図10に示す。これらについても6割から7割の重量の減少を見せた。但し、秋刀魚に限っては、かなり脂肪分が多く表面からの蒸発が難しかったために、なかなか減量しなかったものと考えられる。
【0049】
応用実験として賞味期限切れの漬物、さらに種々の食材の入っている賞味期限切れの弁当を乾燥させたときの水分蒸発曲線をそれぞれ図11、図12に示す。図11が示すように漬物はすべてのものが5分の1まで減量することができた。京菜は図8で示した野菜の葉っぱ類と類似した結果が得られたことから、生野菜の繊維層と漬物の繊維層は変わっていないと考えられ、生野菜は漬物として加工を行ってもほとんど変化がないことが確認された。また、乾燥食材の色落ちも目立っていなかったことから、乾燥食品への適用が十分可能である。
【0050】
弁当の中身は揚げ物や焼き物であったため、自由水はほとんど含まれず、かつ表面部分の油やころもによって一種のコーティングが施された状態のため、材料内部の乾燥が遅い結果が出た。また図12が示すようにそれぞれ単一の食品としての乾燥と比べると蒸発速度も緩やかであることから、食品は加工すると未加工のときより絶乾状態までにより多くの時間が必要であることが確認された。以上のように各種の有機食材について乾燥実験を行った結果、本願発明に係る製造方法の有効性を確認することができた。
【0051】
次に、本願発明に係る有機乾燥食材の製造装置1についての他の実施態様(実施例2)を図13に示す。実施例1で説明したリフト(図示しない)の代わりに可動ベルト6を用いたものである。可動ベルト6は二つのシャフト61,61によって水平に張架されて図面上、時計方向に回転する。可動ベルト6の上には有機食材を入れたトレイ21が載置され(あるいはトレイ21を使用せずにそのまま載置され)、左から右へと運ばれていく。
【0052】
可動ベルト6の上部には、ほぼ密閉した空間が形成され、その内部が左右にエアの流通口を有する壁14で仕切られており、その上部と下部に乾燥室4と乾燥エア製造室5が形成されている。壁14の中央上部、乾燥エア製造室5側にはコンプレッサ51が載置されている。コンプレッサ51を挟んでエアの流れの上流側に除湿コイル53、下流側に循環ファン52が配置されている。
【0053】
コンプレッサ51によって圧縮生成された乾燥エアは循環ファン52によって左側流通口から乾燥室4に送り込まれる。乾燥室4で食材の乾燥に使用されたエアは右側流通口より再び乾燥エア製造室5に戻る。乾燥エア製造室5では除湿コイル53を通過する際に除湿され、さらにコンプレッサ51により除湿・冷却されて再生される。除湿されて乾燥したエアは再び壁14の図面上左側に形成された流通口から乾燥室4に送り込まれ、有機食材の乾燥を繰り返す。
【0054】
可動ベルト6は所定期間ごとに時計方向に間歇的に移動し、可動ベルト6上に載置されたトレイ21には左側から順次新しい有機食材が乗せられ、右側に移動して行くほど乾燥度を増していく。そして乾燥が終了した食材は右端より取出しができるように構成されている。このようにして有機食材は天日乾燥条件下でほぼ絶乾状態に至るまで乾燥し、減量化した有機乾燥食材が製造される。
【0055】
その他の要素及び機能は同じなので重複した説明は避けるが、乾燥室4では温度35度C以下、相対湿度(R.H)45%以下の天日乾燥環境が維持されることが重要である。この環境下では微生物の繁殖はなく、絶乾状態まで乾燥させることが可能である。なお、本発明の構成は上記実施例1及び実施例2に限るものではなく、トレイ21の配置等に変更を加え得ることはもちろん可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る有機乾燥食材の製造方法は、有機食材を天日乾燥条件下で熱をかけずに乾燥させるものであり、味を左右する結合水に対して相変化を与えず、食材の組織も破壊せずに水を順序良く移動・蒸散させるため、食材の味や風味が保たれる。また水・湯を加えることによって簡単にもとの新鮮な食材に復元ことができる。そのため、フルーツや野菜の収穫最盛期の格安なときに、天日乾燥させて長期保存食用として加工貯蔵することが可能となる。
【0057】
また従来、おからなどの水分が多くて他の食材と合成しにくかった有機残渣物を乾燥させて食材とすれば、例えばマンナンなどと配合して合成ハンバーグの食材として使用することも可能であり、あるいは他の食品の添加物として使用することも可能である。
【0058】
また従来、賞味期限切れの有機食材を処分するのに多額の費用を要していたが、その対策として賞味期限切れに近い有機食材を乾燥食材にしたのち粉砕処理を加え、他の食品廃棄物と混合させて動植物、例えばニワトリの飼料として、あるいはその他の肥料等の原料として、あるいはそのままで魚釣り用のえさ等として資源化することが期待できる。さらに、本製造方法を利用して、生ゴミなどを腐敗させることなく乾燥させ、その主成分を有効に資源化する方法も今後の期待できる利用分野となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】有機乾燥食材の製造装置の実施態様(実施例1)を示す斜視図である。
【図2】実施例1における製造装置の内部構造を示す模式断面図である。
【図3】実施例1の製造装置における超純粋の蒸発曲線を示すグラフである。
【図4】実施例1における乾燥室内での温度、湿度の変化を示すグラフである。
【図5】一般的な菌糸の成長の湿度依存性を表すグラフである。
【図6】実施例1におけるトレイに生おからを入れて測定した水分の蒸発曲線である。
【図7】果物5種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図8】野菜5種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図9】肉類3種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図10】魚類3種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図11】漬物7種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図12】弁当7種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図13】有機乾燥食材の製造装置の内部構造を示す他の模式断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 製造装置
2,4 乾燥室
3,5 乾燥エア製造室
6 可動ベルト
10,13 蓋
11,14 壁
12 脱臭フィルタ
21 トレイ
31,51 コンプレッサ
32,52 循環ファン
33,53 除湿コイル
【技術分野】
【0001】
本発明は有機食材の乾燥技術並びに有機残渣物の再利用技術に関するものであり、より詳しくは、野菜、果物、肉類、魚類、あるいは、おから等の有機食材から乾燥食材を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱に敏感な食材の乾燥方法として凍結乾燥(Freeze Drying)がよく知られている。乾燥野菜などの製造方法に用いられている方法であり、野菜などの湿り食材を凍結させて真空下で氷を昇華させ乾燥させる乾燥法である。湿り食材は固形食材と結合した結合水と流動自在な自由水を含んでいるが、凍結乾燥は食材の味を左右する結合水も自由水と同様にすべて氷に固形化してから面昇華させる方法であるため、食材の組織に対してダメージを与えやすく、乾燥処理した食材に水又は湯をかけて復元した場合に、当初の味や風味が落ちるという欠点が指摘されている。
【0003】
一般的に凍結乾燥法においてはできるだけ新鮮な状態で、しかも急速に凍結させることが肝要であるとされているが、急速に食材の温度を下げることは氷結晶の成長を妨げることにも繋がる。すなわち、食材中の自由水がまず結晶化すると体積の増加によってその部分の圧力が高まり結合水の氷結晶化を妨げる。その結果、結晶化した部分が未凍結部の組織細胞を圧迫してダメージを与えるため、解凍後はうまみ成分を含んだドリップが細胞から流出し風味をそこなう原因となる。
【0004】
このような問題点を回避する方法として、食材を凍結させない除湿乾燥法がある。この方法は主にヒーター等の熱源によって加熱処理し、送風して湿り食材の水分を物理的・強制的に移動させて乾燥させる方法である。腐敗は食材中の自由水に関係しており、この自由水を除去することで食材の固形成分の腐敗防止を図ることができる。この方法も広く知られており、例えば、約40℃の生おからに450℃の熱風を当てて強制的に乾燥させ、含水率10%以下の乾燥おからに再生する方法が稼動している。
【0005】
また、その他の方法として特許文献1では、微生物によっても完全には処理しがたい豆類絞り粕を、高圧加熱管式反応機等を用いて加熱加圧処理することにより、ゲル状の新規生物系材料を製造する装置及び方法が開示されている。一方、除湿乾燥装置の実施例として、本出願に係る発明者は生ゴミ用乾燥装置を完成し、その装置を使用するが可能であることが確かめられている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−189812号公報
【特許文献2】特開2002−361198号公報
【0007】
しかしながら、従来の加熱による除湿乾燥法には乾燥時間の短縮というメリットはあるが、臭気の発生や熱エネルギーの消費といった問題点が指摘されている。また、生おからを乾燥おからに再生する方法の場合のように結合水の多分に含まれている湿り食材を乾燥させる場合には、加熱処理によって食品の栄養成分を変質させずに含有水分のみを完全に蒸散させることは困難である。さらに、特許文献1に記載の発明においては、当初の食材の性状を変化させて新たな食材を生成するものであり、生成された新規食材は当初の食材の風味食感と全く異なるものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
おからなどの有機食材は天然植物の残渣であり栄養価の高い食料品であるが、最近では食料として人間が食べる量は極めて少なくなってきている。もちろん現在でも、その一部が食料品として販売され、またその一部が肥料や飼料としてそのまま再利用されてはいるが、含有水分が多くて腐敗しやすいため長期保存がきかず、また分解し難い食物繊維を多く有しているため利用の途が乏しく、大部分は産業廃棄物として破棄されているのが現状である。
【0009】
一方で食品リサイクル法に基づき有機残渣物、賞味期限切れ食材あるいは生ゴミ等の主成分の有効な再利用方法が求められているが、従来の乾燥法では乾燥時間の短縮というメリットは見込めるものの、例えば凍結乾燥による方法では多大なコストがかかり、味・風味・食感等の低下をきたし、また加熱による乾燥方法では、臭気の発生や熱エネルギーの消費といった大きな問題点は未解決のままである。本来、低コストで実現しなければ再利用効果の少ない食材リユースにおいては、従来の乾燥法は必ずしも最適な乾燥方法ということはできない。
【0010】
本発明は通常の有機食材の保存及び有機残渣物のリユースの実情にかんがみてなされたものであり、従来の乾燥法では得られなかった復元後の食材の風味・食感を改善し、栄養成分が保持された有機乾燥食材の製造方法であって、しかも安価で安全・簡単に構成でき、熱に敏感な食材でも長期保存が可能な、再資源としてリユースできる有機乾燥食材の製造方法並びにその製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的にかんがみ、本願発明の請求項1では、有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件の下で除湿乾燥させる有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。天日乾燥とは太陽熱を利用した太陽熱乾燥法をいう。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法において、特に有機食材が大豆絞り粕、すなわち、生おからであることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法において、特に有機食材が賞味期限寸前の食材であることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法において、除湿乾燥を除湿機による除湿と自然乾燥により行うことを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法において、除湿乾燥を除湿機による除湿と除湿機の廃熱を利用した加温乾燥により行うことを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法において、温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室に分割した有機食材を入れ、バッチ処理することを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の有機乾燥食材の製造方法において、複数に分割した有機食材を多段に配置し、その位置を循環させることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項6又は請求項7に記載の有機乾燥食材の製造方法において、有機食材を可動ベルト上に配置し、連続的に又は間歇的に、可動ベルトを循環させることを特徴とする有機乾燥食材の製造方法を提供するものである。
【0019】
請求項9に係る発明は、温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室を有する有機乾燥食材の製造装置を提供するものである。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の有機乾燥食材の製造装置において、乾燥室に、有機食材を収容する複数のトレイを移動可能に配置したことを特徴とする有機乾燥食材の製造装置を提供するものである。上記手段構成によれば、以下のような作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0021】
有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件の下で除湿乾燥させる有機乾燥食材の製造方法によれば、微生物の繁殖の少ない環境下で、基本的に熱をかけずに含有水分の移動・蒸散だけで乾燥させ、食材の味を左右する結合水に対しても相変化させずに絶乾状態にまですることが可能である。そのため、食材の組織に対するダメージもなく、食材自身の味及び風味を保ったまま有機乾燥食材を製造することができる。また、水又はお湯を加えることによってもとの新鮮な食材に復元することができる。しかも簡単、かつスピーディに生産でき、熱源も使用しないので省エネルギー化の要請にも応えることができる。
【0022】
特に有機食材を大豆絞り粕、すなわち、熱に弱い生おからとした場合であっても、食品中の腐敗に関係する自由水を常温で効率的に除湿乾燥させているので、食材を変質させず、悪臭も出さず衛生的に乾燥おからとすることができる。このようにして製造した乾燥おからは、水又は湯をかけて復元しても大変おいしく、他の食材に配合して新たな加工食品の材料としても使用が可能である。
【0023】
特に有機食材を賞味期限寸前の食材とした場合には、食材を腐敗させることなく長期保存を可能とし、有機食材の資源化・再利用化を促進することが可能となる。すなわち、本発明は有機食材の長期保存化方法を提供するものでもある。
【0024】
天日乾燥条件のもと、除湿乾燥を除湿機による除湿と自然乾燥により行う有機乾燥食材の製造方法によれば、熱源を使用しないので微生物の繁殖が少なく、腐敗しやすい食材でも腐敗させることなく減量化させることができ、さらに悪臭を発することがないので、安全で、かつ衛生的な方法により有機乾燥食材を製造することができ、あるいは有機残渣物若しくは賞味期限切れ食材の資源化、再利用化を実現することができる。
【0025】
また天日乾燥条件のもと、除湿乾燥を除湿機による除湿と除湿機の廃熱を利用した温風乾燥により行うようにしてもよい。この場合、天日乾燥条件の範囲内に温度、湿度を維持することが必要であるが、廃熱として捨てられるエネルギーを有効利用して省資源化を図ることができるだけでなく、湿り食材の乾燥化速度を向上させ、よりスピーディに有機乾燥食材を製造することができる。
【0026】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室に分割した有機食材を入れ、バッチ処理するようにすれば、乾燥室内の位置により乾燥条件が異なる場合にも均一な品質の乾燥食材を生成することができる。また、豆腐の製造工程で日々発生するおからなどの有機残渣物を順次乾燥室に投入して連続的な工程による製造処理が可能となる。
【0027】
複数に分割した有機食材を多段に配置し、その位置を循環させるようにすれば、食材の搬入搬出を容易に構成することができるだけでなく、場所により天日乾燥条件の不均一があっても乾燥環境の均一化を図ることができる。また絶乾状態までの日数工程を把握することができるので、均一な品質の有機乾燥食材を製造することが可能となる。さらに、有機食材を可動ベルト上に配置し、連続的に又は間歇的に可動ベルトを循環させるように構成すれば、均一な天日乾燥条件を機械化により実現でき、安全かつスピーディな製造方法とすることができる。
【0028】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室を有する有機乾燥食材の製造装置を使用すれば、微生物の繁殖による腐敗が生じないので臭気の発生がなく、除去された水が排出されるだけであるので自然を汚染することがない。また、乾燥室に、有機食材を収容する複数のトレイを移動可能に配置すれば、均一な天日乾燥条件を機械化により容易に実現でき、安全かつスピーディな製造装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。図1は本出願に係る有機乾燥食材の製造装置1の実施態様(実施例1)を示す斜視図であり、図2はその内部構造を表す模式断面図である。図1及び図2において、同じ番号を付した部分は同一部分を表示する。なお、本発明の構成は上記実施例1の構成に限るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0030】
図2において、有機乾燥食材の製造装置1はその内部が、上部と下部にエアの流通口を有する壁11によって仕切られており、壁11の左右に乾燥室2と乾燥エア製造室3が形成されている。壁11に形成されるエアの流通口は壁11のどの部分に設けてもよいが、乾燥エアは湿気を含むことにより比重を増して下降するので、上部と下部に設けるのが最適である。
【0031】
乾燥室2では温度35度C以下、相対湿度(R.H)45%以下の天日乾燥環境が維持されることが必要である。この温度、湿度を超えると食材中の菌糸の成長を無視できなくなるからである。有機乾燥食材の製造装置1の設置場所により、自然環境下で上記天日乾燥条件が維持可能な場合には特に乾燥エアの送風だけで自然乾燥させることも可能である。しかし、一般には除湿機としてコンプレッサ31を用いて実現される。
【0032】
乾燥室2には7つのトレイ21が上下方向に縦列に配置されている(上部トレイから1号室、2号室、・・・とする)。実施例1では7つに限定して説明するがこれは一週間で乾燥食材を製造することを考慮したものである。しかし、本発明はトレイ21の数を7つに限るものではなく、乾燥化速度に応じて最適な数、例えば4段から10段とすることができる。この7つのトレイ21は図示しないリフトに着脱可能に支持され、順次一段ずつ上昇させることができるように構成されている。トレイ21全体を均一な天日乾燥条件下に置くためである。
【0033】
有機乾燥食材の製造装置1の内部を天地方向に伸びて形成された壁11を挟んで、乾燥室2の反対側には乾燥エア製造室3が形成されており、その中段には除湿機としてコンプレッサ31が配置されている。コンプレッサ31は湿気を含んだ処理済みエアを圧縮して凝縮し、湿気を除いて再び乾燥エアを創出する機能を有するものである。
【0034】
コンプレッサ31のエア冷却能力は乾燥室2を温度35度C以下、R.H45%以下の天日乾燥条件を維持するのに十分な能力を必要とする。その大きさは乾燥室2の容積によっても異なるので一概に決定できないが、一般的な業務用製造装置の大きさを考慮すれば100〜10,000Kcal/時、風量が1〜100m立方/時の範囲で選択することができる。
【0035】
また、最適な有機乾燥食材の製造方法では、コンプレッサ31の自然発熱を利用して、水分を吸収しクールダウンした乾燥エアを温度35度Cまで上昇させることが好ましい。乾燥化速度の向上と省エネルギー化を同時に達成でき、有機乾燥食材の製造方法の効率化を図ることができる。
【0036】
図2に示すように、本発明に係る有機乾燥食材の製造装置1は循環したエアの流れが内部に形成されるように、外部が直方体のハウジングで覆われ、内部はほぼ密閉した空間になるように構成されている。また、コンプレッサ31のエア流に関する下流側(乾燥エア製造室3内の上部)には循環ファン32が配置され乾燥エア流を強制的に形成するとともに、上流側(製造室内下部)には水分除去のために除湿コイル33が配置されている。
【0037】
除湿コイル33の上流側で、壁11の下部に形成された流通口には脱臭フィルタ12がはめ込み式に配置され、僅かながら発生する臭気の捕捉を行う。脱臭フィルタ12は脱臭剤を内包して形成される。脱臭剤としては活性炭繊維、イオン交換樹脂、紫外線とチタンを組み合わせたもの又は過酸化水素を発生するものなどが使用可能である。なお、図1に示すように、乾燥室2側の側面の下部にはトレイ21の搬入をするための蓋13が設けられ、乾燥室2の上面にはトレイ21の搬出をするための蓋10が設けられている。
【0038】
以上のように構成された有機乾燥食材の製造装置1は以下のように作用して、有機食材を乾燥させる。コンプレッサ31によって除湿された乾燥エアは、循環ファン32により壁11の上部に形成された流通口から乾燥室2へ送り込まれる。この乾燥エアは乾燥室2の最上部のトレイ21に載置された有機食材上を通過し、順次、その下部のトレイ21に載置された有機食材上を通過しながら有機乾燥食材の製造装置1の最下部へと移動していく。この間に有機食材は水分の移動・蒸散により乾燥されていく。
【0039】
有機食材の含有水分を含んで湿度が増した乾燥エアは壁11の下部に設けられた流通口から脱臭フィルタ12を通って、再び乾燥エア製造室3に戻る。乾燥エア製造室3では除湿コイル33を通過する際に除湿冷却され、さらにコンプレッサ31により除湿されて再生される。除湿され再生された乾燥エアは再び壁11の上部に形成された流通口から乾燥室2に送り込まれ、有機食材の乾燥を繰り返す。このようにして有機食材は天日乾燥環境下で絶乾状態に至るまで乾燥し、有機乾燥食材が製造される。
【0040】
このように製造された有機乾燥食材は乾燥室2の上面に形成された蓋10を開けてトレイ21ごと取出される。次にリフトが作動して次段のトレイ21が一段上昇する。このとき、乾燥室2側の側面下部に形成された開閉可能な蓋13を開けて、新たな有機食材を入れたトレイ21を乾燥室2の最下段に入れる。このようにして、順次新たなトレイ21が投入されてバッチ処理される。日々製造されるおからの乾燥処理にはバッチ処理が極めて有効であり、効率的である。
【0041】
上記有機乾燥食材の製造装置1の効果を立証するために、高さ525mm、幅580mm、奥行き360mmの製造装置の乾燥室2(製造装置1のほぼ半分の容量)に深さ50mm、幅240mm、奥行き270mmのトレイ21を縦に7段配置し、乾燥エア製造室3に冷却能力250kcal/時、風量8立方m/時のコンプレッサ31を配置した実験装置を作成して以下の実験を行った。
【0042】
7つのトレイ21(上部から1号室、2号室・・・、最下部が7号室)にそれぞれ超純水50gを入れ、各トレイ21における水の蒸発性能の確認と乾燥室2内の温度・湿度の状態変化を追跡し、微生物の繁殖に適さない条件(天日乾燥条件)で乾燥しているかを把握する。図3は実施例1の製造装置における超純粋の蒸発曲線を示すものである。図3に示すように27時間後の最大と最小の間でおよそ2倍の差が出ている。この結果からトレイ21の位置関係で蒸発速度が大きく異なることがわかり、有機食材の乾燥に関しては、トレイ21を固定するよりトレイ21の位置を循環させることが有効であることがわかる。
【0043】
一方、乾燥室2内での温度、湿度の変化を図4に示し、一般的な菌糸の成長の湿度依存性を示すグラフを図5に示す。乾燥室2内での温度・湿度は乾燥開始から一時間後には湿度40%が保たれ、温度も30度C未満に保たれて、一時間経過後は同条件が維持されていた。また、図5から湿度45%以下、温度30度C未満の環境では、菌糸の成長が無視できる程度に小さいことも確認された。図4及び図5に示す結果から、乾燥室2では微生物の繁殖に適していない環境が維持されており、微生物の繁殖は抑えられ腐敗か起こりにくいことが確認された。この環境はいわゆる天日乾燥条件に匹敵する。
【0044】
次に有機食材の代表として生おからをトレイ21に入れ、水分の蒸発曲線の測定を行った。1号室にはおから50g、5号室にはおから250g、6号室にはおから300g、7号室にはおから350gをそれぞれ満たし、有機乾燥食材の製造装置1を運転した結果を図6に示す。5訂−食品成分表によると、新製法によるおからの水分量は75.5%であり、本実験における最大量のおから(7号室350g)の場合でもほぼ2日で絶乾状態に近い70%強まで乾燥させることができた。おからは結合水が比較的多いので、変質させずに完全に蒸散させることは困難であるが、本発明に係る製造方法によれば、簡単かつスピーディに乾燥おからを製造することが可能であることが実証できた。
【0045】
また、製造された乾燥おからを密閉容器にいれて3ヶ月間室内で常温保管をした結果、乾燥おからは変化することはなかった。腐敗しなかったことは微生物の繁殖を抑えたことの証左であり、これにより乾燥おからを加工食品、飼料、肥料の原料としてリユースできることが実証された。なお、乾燥室2内は少々の臭気はあったが、密閉した空間と脱臭フィルタ12により周辺にもれて悪臭を放つことはなかった。
【0046】
次に他の有機食材についても同様に実験を行った。それぞれ種類の異なる果物5種類を選択し乾燥室2に入れる。そして、各個別にその重量の変化や臭気を調べる。有機野菜についても同様に5種類選び、同様な方法で実験を行った。さらにお湯で戻して、味や風味を確認した。
【0047】
果物5種類(パイナップル、ブドウ、キウイ、リンゴ、バナナ)、野菜5種類(キャベツ、モヤシ、サツマイモ、ジャガイモ、ネギ)を本願発明に係る製造方法で乾燥させた結果、各有機食材の重量の変化(平均値)を示すグラフをそれぞれ図7及び図8に示す。これらの水分蒸発曲線を見てもわかるように、種類を問わず数日で6〜9割の重量が減少する。これによって果物・野菜など、繊維素主体のものは食品成分表の絶乾理論値近くまで乾燥していることが確認された。また、臭気などの問題はなく、外見は店で売られている乾燥食品などと見劣りすることはなく、さらにお湯で戻して試食した結果、味もよく長期保存食品及び乾燥食品への適用も可能であった。
【0048】
その他の食材、肉類、魚類についても同様の実験を行った。肉類(豚肉、牛肉、鶏肉)と魚類(秋刀魚、鮭、烏賊)の各3種類を用いて本願発明に係る製造方法で乾燥させた結果、各食材の重量の変化(平均値)を示すグラフをそれぞれ図9、図10に示す。これらについても6割から7割の重量の減少を見せた。但し、秋刀魚に限っては、かなり脂肪分が多く表面からの蒸発が難しかったために、なかなか減量しなかったものと考えられる。
【0049】
応用実験として賞味期限切れの漬物、さらに種々の食材の入っている賞味期限切れの弁当を乾燥させたときの水分蒸発曲線をそれぞれ図11、図12に示す。図11が示すように漬物はすべてのものが5分の1まで減量することができた。京菜は図8で示した野菜の葉っぱ類と類似した結果が得られたことから、生野菜の繊維層と漬物の繊維層は変わっていないと考えられ、生野菜は漬物として加工を行ってもほとんど変化がないことが確認された。また、乾燥食材の色落ちも目立っていなかったことから、乾燥食品への適用が十分可能である。
【0050】
弁当の中身は揚げ物や焼き物であったため、自由水はほとんど含まれず、かつ表面部分の油やころもによって一種のコーティングが施された状態のため、材料内部の乾燥が遅い結果が出た。また図12が示すようにそれぞれ単一の食品としての乾燥と比べると蒸発速度も緩やかであることから、食品は加工すると未加工のときより絶乾状態までにより多くの時間が必要であることが確認された。以上のように各種の有機食材について乾燥実験を行った結果、本願発明に係る製造方法の有効性を確認することができた。
【0051】
次に、本願発明に係る有機乾燥食材の製造装置1についての他の実施態様(実施例2)を図13に示す。実施例1で説明したリフト(図示しない)の代わりに可動ベルト6を用いたものである。可動ベルト6は二つのシャフト61,61によって水平に張架されて図面上、時計方向に回転する。可動ベルト6の上には有機食材を入れたトレイ21が載置され(あるいはトレイ21を使用せずにそのまま載置され)、左から右へと運ばれていく。
【0052】
可動ベルト6の上部には、ほぼ密閉した空間が形成され、その内部が左右にエアの流通口を有する壁14で仕切られており、その上部と下部に乾燥室4と乾燥エア製造室5が形成されている。壁14の中央上部、乾燥エア製造室5側にはコンプレッサ51が載置されている。コンプレッサ51を挟んでエアの流れの上流側に除湿コイル53、下流側に循環ファン52が配置されている。
【0053】
コンプレッサ51によって圧縮生成された乾燥エアは循環ファン52によって左側流通口から乾燥室4に送り込まれる。乾燥室4で食材の乾燥に使用されたエアは右側流通口より再び乾燥エア製造室5に戻る。乾燥エア製造室5では除湿コイル53を通過する際に除湿され、さらにコンプレッサ51により除湿・冷却されて再生される。除湿されて乾燥したエアは再び壁14の図面上左側に形成された流通口から乾燥室4に送り込まれ、有機食材の乾燥を繰り返す。
【0054】
可動ベルト6は所定期間ごとに時計方向に間歇的に移動し、可動ベルト6上に載置されたトレイ21には左側から順次新しい有機食材が乗せられ、右側に移動して行くほど乾燥度を増していく。そして乾燥が終了した食材は右端より取出しができるように構成されている。このようにして有機食材は天日乾燥条件下でほぼ絶乾状態に至るまで乾燥し、減量化した有機乾燥食材が製造される。
【0055】
その他の要素及び機能は同じなので重複した説明は避けるが、乾燥室4では温度35度C以下、相対湿度(R.H)45%以下の天日乾燥環境が維持されることが重要である。この環境下では微生物の繁殖はなく、絶乾状態まで乾燥させることが可能である。なお、本発明の構成は上記実施例1及び実施例2に限るものではなく、トレイ21の配置等に変更を加え得ることはもちろん可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る有機乾燥食材の製造方法は、有機食材を天日乾燥条件下で熱をかけずに乾燥させるものであり、味を左右する結合水に対して相変化を与えず、食材の組織も破壊せずに水を順序良く移動・蒸散させるため、食材の味や風味が保たれる。また水・湯を加えることによって簡単にもとの新鮮な食材に復元ことができる。そのため、フルーツや野菜の収穫最盛期の格安なときに、天日乾燥させて長期保存食用として加工貯蔵することが可能となる。
【0057】
また従来、おからなどの水分が多くて他の食材と合成しにくかった有機残渣物を乾燥させて食材とすれば、例えばマンナンなどと配合して合成ハンバーグの食材として使用することも可能であり、あるいは他の食品の添加物として使用することも可能である。
【0058】
また従来、賞味期限切れの有機食材を処分するのに多額の費用を要していたが、その対策として賞味期限切れに近い有機食材を乾燥食材にしたのち粉砕処理を加え、他の食品廃棄物と混合させて動植物、例えばニワトリの飼料として、あるいはその他の肥料等の原料として、あるいはそのままで魚釣り用のえさ等として資源化することが期待できる。さらに、本製造方法を利用して、生ゴミなどを腐敗させることなく乾燥させ、その主成分を有効に資源化する方法も今後の期待できる利用分野となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】有機乾燥食材の製造装置の実施態様(実施例1)を示す斜視図である。
【図2】実施例1における製造装置の内部構造を示す模式断面図である。
【図3】実施例1の製造装置における超純粋の蒸発曲線を示すグラフである。
【図4】実施例1における乾燥室内での温度、湿度の変化を示すグラフである。
【図5】一般的な菌糸の成長の湿度依存性を表すグラフである。
【図6】実施例1におけるトレイに生おからを入れて測定した水分の蒸発曲線である。
【図7】果物5種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図8】野菜5種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図9】肉類3種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図10】魚類3種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図11】漬物7種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図12】弁当7種類の天日乾燥条件下における重量の変化を示すグラフである。
【図13】有機乾燥食材の製造装置の内部構造を示す他の模式断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 製造装置
2,4 乾燥室
3,5 乾燥エア製造室
6 可動ベルト
10,13 蓋
11,14 壁
12 脱臭フィルタ
21 トレイ
31,51 コンプレッサ
32,52 循環ファン
33,53 除湿コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件下で除湿乾燥させる有機乾燥食材の製造方法。
【請求項2】
前記有機食材は大豆絞り粕であることを特徴とする請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項3】
前記有機食材は賞味期限寸前の食材であることを特徴とする請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項4】
前記除湿乾燥を除湿機による除湿と自然乾燥により行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項5】
前記除湿乾燥を除湿機による除湿と前記除湿機の廃熱を利用した温風乾燥により行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項6】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室に分割した有機食材を入れ、バッチ処理することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項7】
複数に分割した前記有機食材を多段に配置し、その位置を循環させることを特徴とする請求項6に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項8】
前記有機食材を可動ベルト上に配置し、連続的に又は間歇的に前記可動ベルトを循環させることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項9】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室を有する有機乾燥食材の製造装置。
【請求項10】
前記乾燥室に、有機食材を収容する複数のトレイを移動可能に配置したことを特徴とする請求項9に記載の有機乾燥食材の製造装置。
【請求項1】
有機食材を温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥条件下で除湿乾燥させる有機乾燥食材の製造方法。
【請求項2】
前記有機食材は大豆絞り粕であることを特徴とする請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項3】
前記有機食材は賞味期限寸前の食材であることを特徴とする請求項1に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項4】
前記除湿乾燥を除湿機による除湿と自然乾燥により行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項5】
前記除湿乾燥を除湿機による除湿と前記除湿機の廃熱を利用した温風乾燥により行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項6】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室に分割した有機食材を入れ、バッチ処理することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項7】
複数に分割した前記有機食材を多段に配置し、その位置を循環させることを特徴とする請求項6に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項8】
前記有機食材を可動ベルト上に配置し、連続的に又は間歇的に前記可動ベルトを循環させることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の有機乾燥食材の製造方法。
【請求項9】
温度35度C以下、相対湿度45%以下の天日乾燥環境を形成した乾燥室を有する有機乾燥食材の製造装置。
【請求項10】
前記乾燥室に、有機食材を収容する複数のトレイを移動可能に配置したことを特徴とする請求項9に記載の有機乾燥食材の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−215514(P2007−215514A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41708(P2006−41708)
【出願日】平成18年2月18日(2006.2.18)
【出願人】(304052695)株式会社アメニティ・テクノロジー (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月18日(2006.2.18)
【出願人】(304052695)株式会社アメニティ・テクノロジー (2)
【Fターム(参考)】
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