説明

有機化合物と金属イオンの相乗効果による消毒・浄化用組成物及びその製造方法

選定した金属イオンとの相乗効果を持つ有機化合物から成る、新しく斬新で有用な消毒・浄化用組成物とその製造及び使用方法である。この組成物から得られる利点の一つは、バクテリア、菌類、ウイルス、藻類及び原生動物を消毒するために、このようなすべての微生物を数分又は数時間で効果的に死滅させる無毒で塩素を含まない混合物を用いて、表面、流体又は媒体を素早くかつ容易に処理する能力である。この消毒・浄化用組成物は、その効果を長期間持続し、飲料水などの貯蔵又は運搬する媒体に対して高い効果を発揮する消毒能力を保持している。この消毒・浄化組成物は、カーボンブロック又は膜組織のフィルターに組み込んで、濾過された水などの流体を殺菌して、飲料用にすることができる。この消毒・浄化用組成物は、半透性の表面に浸出させるか、又は非多孔性の表面に塗布して、この組成物の消毒用化合物を、浸出、毛管作用、単純接触、水の運動及び/又は浸透/拡散によって、消毒対象の物体の表面に付着させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に水の消毒に適用できる抗菌用組成物に関し、これらの組成物は、選定した有機化合物の選定した金属イオンとの相乗効果による消毒特性を利用したものである。この消毒に関する発明は、公共用水施設(PWS)、ビン詰めの水/保存水、家庭での使用場所/供給場所(POU/POE)の施設、災害救援時に使用するための緊急の水消毒、軍事利用、ハイカー、キャンパー、バックパッカー、商業的な貫流及び/又はバッチ処理装置、水冷却器/給水器、食品の表面消毒、果物及び野菜の消毒洗浄、精肉、魚及び鶏肉の消毒、(サイダーを含む)ジュース及び飲料消毒、商業/家庭用製氷、医療及び歯科用装置、温泉、プール、工業処理及び排水施設、並びに船舶、航空機、娯楽用乗物及び宇宙船で使用する飲料水と再生水(これらに限定されるものではない)を含む、様々な用途に使用することができる。また、この消毒に関する発明は、第三世界及び開発途上国での飲料水の消毒用に広範囲に利用されている。この発明は、政府が規制又は推奨する飲料水の個別成分の濃度で、又はそれ以下で使用する場合、消毒剤の残留有効濃度を保持しつつ、数分又は数時間以内での非常に効果的な水の消毒を提供することができる。また、この発明は、直ちに消費することを目的としない保存水の場合など、数分又は数時間での消毒処理を必要としない場合には、依然として水の効果的な消毒を提供しつつ、大幅に低い濃度で使用することができる。この発明は、食品洗浄、工業処理及び娯楽用水など、飲料水に対する制限又は推奨濃度が適用されない用途に対しては、飲料水に対する規制又は推奨された濃度よりも高い濃度で使用することもできる。
【0002】
この発明は、単独での消毒処理として機能させることもできるし、或いはカーボンブロック濾過やそれ以外のマイクロスクリーニング濾過技術などのその他の浄化技術と組み合わせることもできる。この追加する浄化技術は、微粒子、有機/無機汚染物質及び味/臭いの除去を行うため、並びにクリプトスポリジウムやジアルジア属などの大きい微生物に効果的なゲル濾過除去処理を行うために利用される。この発明は、クリプトスポリジウムやジアルジア属などの微生物を不活化又は死滅させるために、紫外線、酸化薬品及び熱処理などのその他の消毒技術と組み合わせることができる。
【0003】
この発明は、消毒剤として、選定した金属イオンを、自然の植物エキス及び/又はアルコールと組み合わせて使用する。
【背景技術】
【0004】
微生物学的に安全な飲料水は、連邦及び州の規制当局、世界の公衆衛生機関及び一般大衆には必須要件として認識されている。より効果的、経済的、広範囲に適用可能で、かつ容易に適用できる水の消毒処理技術の利点は、先進(工業)国及び発展途上国に対して等しく強調しずぎることはない。
【0005】
世界保健機関(WHO)は、世界人口の約20%又は17億人の人々が改善された安全な水道が手に入らず、毎年3〜4百万人の人々、主に子供が、安全でない飲料水に関連する病気で死亡しているものと推定している。米国では、米国疾病対策予防センター(CDC)が、既報告及び未報告の発生を含めて、毎年940,000例の病気と潜在的に900人の死亡が、水系による微生物の感染症から起こっていると推定している。幼児、高齢者、臓器移植患者、癌治療患者、AIDS患者及びその他の免疫不全の人々を含む、一般住民の一部は、益々水系による病気の危険に曝されている。
【0006】
米国環境保護局(EPA)は、170,000以上の公共用水施設(PWS)に対する米国内における飲料水の品質を規定・規制している。これらの中の160,000のPWSは、25〜3,300人に供給することを意味する「小規模」又は「非常に小規模」と分類されるものである。この発明は、PWSに対する消毒剤として使用することができる。EPAが、PWSに対して最も一般的に使用されている消毒剤である塩素に関して、多くの欠点を認識しているので、このことは重要である。EPAは、革新的な代替の水処理技術に関する研究に興味を示すとともに、資金提供を行ってきた。消毒剤として塩素を使用することの最も大きな欠点は、消毒による副産物(DBP)を形成することであり、その中の幾つかは、有毒及び発癌性が疑われている物質である。このことは、塩素の使用制限及び/又はDBPの形成を低減する追加処理を必要とするものである。更に、塩素の効果は、浄化する必要のある水の物理的及び/又は化学的特性によって制限される場合がある。そのような塩素の浄化効果の制限因子には、水の温度、pH、有機体炭素の存在、溶解した有機及び無機物、並びに濁度がある。また、消毒剤としての塩素の使用は、味覚と臭いの関心及び塩素の取り扱いに関する安全の問題を孕んでいる。
【0007】
現在EPAが、その代替消毒剤及び酸化剤指導マニュアルにおいて認識している代替技術の多くは、飲料水の消毒における広範囲の使用に対して限界を持っている。更に、これらの代替技術の多くは、依然としてDBP及び/又は無機副産物を形成してしまうものである。二酸化塩素及びモノクロラミンを除いて、これらの代替の消毒剤のどれも、供給施設又は容器における残留消毒効果を提供しない、そのため典型的には何らかの形で補助的に塩素を使用する必要がある。
【0008】
飲料水及び多くの同様な用途に対する真に効果的で強力な消毒剤であるためには、その消毒剤/殺菌剤は、バクテリアとウイルスの両方に対して効果がある必要がある。
【0009】
イオン、過マンガン酸塩、クロラミン及びオゾン/過酸化物などの塩素の代替物は、典型的には、ウイルスの2log以上の不活化を達成していない。一定の場合、特に濁度が高く、有機物の含有量が高い水では、これらの代替の消毒剤は、測定できないほどのウイルスの不活化しか提供しない。ヨウ素の使用は、短期の緊急的な使用に対してのみ、CDCによって推奨されており、著しく不利な味と美的欠点を有する。要約すると、認識されている代替の消毒剤のどれも、DBPの形成を回避するとともに、消毒効果が残留して、長期間の貯水の間及び/又は典型的には貯めておいた水を実際に使用する時に起こる微生物の再接種後において、微生物学的に安全な水を提供することもできる一方、一貫してバクテリアとウイルスの両方に対して3log以上の不活化を達成するものではない。
【0010】
PWSに加えて、新しい効果的で安全な水の消毒方法に対する多数の更なる用途が有る。これらには、水の微生物学的な品質に関心が有るオフィス及び公共ビルにおける給水器、ハイキングやキャンプなどのアウトドア活動での飲料水処理、娯楽用乗物、季節的なキャンプ及びキャンプ場での使用、軟化剤やカーボンフィルターなどの使用場所(POU)での機器、カウンター上部の水処理機器、果物及び野菜の洗浄、精肉、魚及び鶏肉の洗浄、商業的な漁業での保存・輸送用の氷、遠隔の現場や軍事基地での大量の貯水又は水処理などの軍事利用、並びに船舶、航空機及び米国航空宇宙局(NASA)での利用等がある。
【0011】
非飲料水を、家庭での使用に対する微生物学的な観点から安全に飲めるるようにするための処理は、典型的にはサブミクロンの濾過、紫外線、オゾン、塩素、ヨウ素及び/又はその他の消毒用化学物質などの処理技術に関するものである。幾つかの処理機器は、ヨウ素などの殺生剤の化合物を染み込ませた樹脂又は媒体を利用しており、あるレベルのそのような殺生剤が水に放出される。ゲル濾過及び紫外線にもとづく施設は、本質的に一定の微生物の即時除去又は不活化を提供する一方、これ等は、消毒剤を残留させて、微生物の再生を防止するということを提供しない。紫外線にもとづく処理は、微粒子、高い有機物の含有量、濁度及び多数の化学成分によって、著しく不利な影響を受け、従って広範囲な種類の水に適用するには不十分である。また、これらの処理には、現実にAC(交流)又はDC(直流)に関わらず、ある種の電源が必要である。ゲル濾過にもとづく方法は、典型的には、ウイルス及び小さいバクテリアの幾つかを除去するのには効果が無く、フィルターの目詰まりによる性能の制限によって影響を受ける。
【0012】
この発明は、金属イオン及び自然の誘導体の組み合わせを利用した、斬新な消毒技術を提供するものである。この発明は、広範囲の物理的/化学的特性を示す、未処理の自然水及び/又は処理済の市営水道水の両方に広く適用可能である。前述したとおり、この発明は、娯楽用の水処理(ホットタブ、水泳プール、治療用プール)、歯科装置用水道機器、食品調理、水の再利用、工業用冷却ループや冷却塔などを含む、広範囲の非飲料水の用途にも適用可能である。この発明は、単独での消毒処理として機能させることもできるし、或いはその他の水処理技術と組み合わせることもできる。
【0013】
金属イオンを、単独で、別のイオンと組み合わせて、或いは遊離塩素や過酸化水素などの別の物質と組み合わせて使用することは、一定の種類の水におけるバクテリアの不活化にある程度成功を収めている一方、科学文献に報告された組み合わせで、広範囲の検査水において、長時間の接触時間、数時間の組み込み又は数日の後でも一貫してウイルスの不活化に効果があると証明されたものはない。このことは、特にEPAの地表水処理規則(SWTR)及び/又はEPAの微生物学的な水の浄化を試験するための指針となる標準及び手順で規定された有効性の目標と標準にもとづき、短い接触時間により微生物学的に安全な飲料水を精製しようとする場合に当てはまる。同様に、反対の主張が有るにもかかわらず、広範な試験後において、この発明の最も好ましい実施形態で使用されている種類の植物エキスのような柑橘類のエキスは、単独で使用した場合、長期の接触時間が無いと、処理済の市営水道水や河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水のような清潔な水の試験条件下においてさえ、効果的なウイルスの減少を達成することができないことを示している。実験室での試験は、イオンのみ又は植物エキスのみ又はイオンとグリセリンの組み合わせが効果的なウイルスの減少を達成することができないことを確認している。この同じ試験は、一貫してこの発明が、同じ条件及びより厳しい試験条件下でウイルスの不活化を達成できることを示している。イオンのみ、植物エキスのみ又はイオンとアルコール(グリセリン)の組み合わせによる、バクテリア及び/又はウイルスを接種した様々な水を用いた実験室での試験は、以下の結果を示している。
【0014】
・銅/銀イオンのみ
クレブシエラ属に対して、銀イオン又は特定の比率の銅及び銀イオンの組み合わせ(10:1〜30:1)のみの使用は、接種した市営水道水の基質に60分間接触させた後では、それぞれ5logと6log減少させる結果となった。銅イオンだけでは、効果がなく、接種した市営水道水において、60分と120分の接触時間後では、それぞれ3logと5log以下の減少を示した。接種した市営水道水において、銅/銀イオンの処理は、シュードモナス・アエルギノサに対しては、90分の接触時間後に達成できる最大の減少が5log以下であるクレブシエラ属よりも効果が小さかった。
【0015】
クレブシエラ属を接種した、河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水に対して、銀又は銅イオンだけの使用は、120分の接触時間後には、3log以下の対数減少値という結果となった。銀と銅イオンを組み合わて使用することは、120分の接触時間後には、4log以下の対数減少値という結果となった。
【0016】
銅/銀イオンだけの組み合わせない場合は、最低限の接触時間、例えば24時間以下で十分である時間での対数減少値を観測する試験を実施する限りにおいて、MS2ウイルスに対して、実に辛うじて効果が有ることが分かった。MS2ウイルスの減少は、6時間の接触時間後では観測されず、24時間では、3log以下のウイルスの減少が見られた。河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水に接種した場合には、銅又は銅/銀イオンを使用して4時間の接触時間後の結果が1log以下の不活化であるという、同様の又はずっと大幅に低い不活化の結果が得られた。銀イオンだけの使用は、市営水道水或いは河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水への接種に対して、24時間までの接触時間後においてさえ、MS2の効果的な減少は達成されなかった。従って、銅及び/又は銀イオンだけの使用は、ウイルスの消毒に対しては満足できるものではないと判断された。
【0017】
要約すると、単独で、或いは組み合わせて使用しても、イオンだけでは、バクテリアとウイルスの両方に対して、市営水道水或いは河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水における許容し得る消毒を提供しない。
【0018】
・植物エキス、即ちCitricidal(登録商標)のみ
水或いはグリセリンのベースへの溶解に関わらず、クレブシエラ属を接種した水に対して、Citricidal(登録商標)だけを使用することは、一貫した効能を示さなかった。接種した市営水道水での対数減少値は、60分後では4log〜6logの範囲であった。接種した河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水では、120分以上の接触後でさえ、3log以下の対数減少値しか観測されなかった。Citricidal(登録商標)は、接種した市営水道水又は接種した河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水では、24時間の接触後においてさえ、減少が観測されず、典型的には、MS2ウイルスに対しては全く効果が無かった。
【0019】
要約すると、植物エキス(即ち、Citricidal(登録商標)のみ)は、バクテリアとウイルスの両方に対して、市営水道水或いは河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水における許容し得る消毒を提供しない。
【0020】
・金属イオンとグリセリン(アルコール)の組み合わせ
クレブシエラ属を接種した水に対して、銅及び銀イオンをグリセリンと組み合わせて使用することは、一貫した効能を示さなかった。接種した市営水道水での対数減少値は、60分後では5log〜6logの範囲であった。接種した河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水では、従属栄養細菌の対数減少値は、1.5log以下であった。市営水道水又は河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水への接種に対するイオンとグリセリンを組み合わせた使用では、MS2ウイルスの減少は観測されなかった。
【0021】
要約すると、イオンとグリセリンの組み合わせでは、バクテリアとウイルスの両方に対して、市営水道水或いは河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水における許容し得る消毒を提供しない。
【0022】
前述したとおり、この発明は、金属イオンを自然の植物エキス及びアルコールとの独特の組み合わせを提供するものである。この発明自体は、新しく斬新な技術であり、これまでに文献や従来技術の特許では報告されていない。これまでに、多くの研究者が、塩素消毒に代わる適切な代替技術を見つけようと試みてきたが、それぞれ文書で裏付けられた欠点を有する。研究者達は、銅と銀イオンの抗菌特性を利用して、それらのイオンとその他の様々な成分とを組み合わせることによって、特にウイルスに対して、その効果を最大限に活用しようと試みてきた。しかし、これまでの努力は、短い接触時間内でのバクテリアとウイルスの両方の許容し得る不活化の達成を示す、銅/銀を組み合わせた消毒剤を開発するのに失敗してきた。以下において、幾つかの関連する研究を簡単に解説する。
【0023】
ドメック氏等は、非特許文献1に開示されているとおり、低レベルの銅の存在は、飲料水の試料内の大腸菌に対して損傷を与えることと、その効果が用量に依存することを示した。それに続く試験で、銅により損傷を受けた細胞での酸素摂取量とグルコースの使用が低下すること、並びに代謝最終生成物が変化することを示した。
【0024】
クッツ氏等は、非特許文献2で開示されているとおり、7種類のバクテリアに対して、電解により生成した銅(Cu)及び銀(Ag)イオンのみ、遊離塩素(FC)のみ、及びCu/Agイオン及び低レベルのFCを試験した。それらの結果は、すべての試験したバクテリアが、組み合わせた処理において、どの個別的な処理においてよりも速く不活化されたことを示している。
【0025】
また、ランディーン氏等は、非特許文献3で開示されているとおり、対象の微生物としてレジオネラ菌を使って、銅及び銀イオンを、FCを含有する場合と含有しない場合とで試験し、組み合わせた処理において、統計的に著しい改善があったと報告している。
【0026】
ヤヒャ氏等は、非特許文献4で開示されているとおり、従来の研究でコリフォーム細菌よりも処理に対して耐性があることが示されている、ブドウ球菌属を用いた同様の試験を行って、処理にFCを追加することの利点と銅/銀イオンのみの限界に関して、同様の結論に達している。
【0027】
マルゴリン氏等は、非特許文献5で開示されているとおり、FCを追加した場合と追加しない場合での浸出させた銅によるMS2とポリオウイルスの不活化を検証した。彼等は、ポリオウイルスがMS2よりも銅による消毒に対して耐性があることを示したこと(12時間で、それぞれ1.3logと4.0logの不活化)と、FCの追加が両方の種類のウイルスの不活化を著しく向上させたことを報告している。
【0028】
アバド氏等は、非特許文献6で開示されているとおり、腸内ウイルスに対する、低レベルのFCと組み合わせた銅及び銀イオンの有効性を試験した。彼等は、銅と銀と0.5mg/LのFCが、1mg/LのFCのみと同様にポリオウイルスに対して効果が無かったと報告している。また、著者等は、この試験条件下において、アデノウイルスが、3logの減少を達成するのに、120分間の消毒剤との接触が必要であり、A型肝炎ウイルス(HAV)と人のロタウイルスがより一層の耐性があったことを観測している。著者等は、水の中の(適用された)銅及び銀が、ウイルス病原体の消毒に対して、高レベルのFCに代わる信頼し得る代替物を提供するものではないと結論付けている。しかし、彼等は、60日後にそれぞれ初期投入量の75%と44%が検出可能であったとの試験室における銅及び銀レベルの安定性も報告している。
【0029】
リン氏等は、非特許文献7で開示されているとおり、レジオネラ・ニューモフィラ血清群1に対して、銅及び銀イオンの単独と組み合わせた場合の有効性を試験した。これらの著者等は、銅が、銀のみよりも効果があったが、レジオネラの完全な(6log)不活化を達成するには、2.5時間の接触時間が必要であった(銀は24時間必要であった)と言及している。
【0030】
注目すべきことには、リン氏等は、銅及び銀イオンが、使用濃度に依存して、相加効果又は相乗効果を示したことも言及しており、これらを組み合わせた効果が、銅又は銀の一方のみで観測される効果よりも大きいと結論付けている。
【0031】
ロール氏等は、非特許文献8で開示されているとおり、試験管内でのアメーバと繊毛の有る原虫に対して、銅及び銀イオンの効果を試験した。著者等は、ドイツの飲料水規制値(銀と銅に対して、それぞれ10と100mg/L)内では、これらを組み合わせた処理が、試験原虫を不活化しなかったと報告している。
【0032】
バッターマン氏等は、非特許文献9で開示されているとおり、EPA STAR助成金のもとでの研究で、過酸化水素(H2 2 )と銅及び銀イオンを組み合わせた処理の有効性を検証した。彼等は、バクテリアに対して、過酸化水素が銀イオンよりも効果が小さく、銀イオンがH2 2 と銀イオンの組み合わせよりも効果が小さく、H2 2 と銀イオンの組み合わせがH2 2 と銅イオンの組み合わせよりも効果が小さかったと報告している。しかし、著者等は、組み合わせた消毒剤が許容可能なウイルスの不活化を達成しなかったと結論付けている。MS2コリファージを4log不活化するには、6時間の接触時間が必要であり、そのポリオウイルスに対する有効性は、一層悪く、12時間の接触時間後に0.15logの不活化しか達成しなかった。
【0033】
前記の引用した研究から分かるとおり、銅及び銀イオンを、単独又はその他の物質と組み合わせて使用することは、バクテリアの不活化の成功に合致する一方、短い接触時間内では、組み合わせのどれも、広範囲の試験水において、ウイルスに対して効果が無いことを証明している。
【0034】
同様に、従来技術の特許は、金属イオンを単独で又はその他の物質と一緒に組み込んだ多くの抗菌剤の例を開示している。しかし、従来技術の特許は、典型的には水泳プールや温泉などの非飲料水で使用するための消毒用組成物を教示している。従来技術の特許では、飲料水向けの処理用組成物を含む例も有る。これらの従来技術の特許はどれも、水中にバクテリア、藻類、原生動物、ウイルス及び菌類が存在する水を消毒するために、EPAによる飲用に適した濃度で植物エキス、アルコール及び金属イオンを組み合わせて使用して、数分又は数時間足らずで、事前に汚染された水源を飲めるようにする効果的な殺菌率を有するとともに、消毒による副産物を形成することなく、数ヶ月又は数年間バクテリアとウイルスの殺菌又は不活化に対する効果を持続する消毒剤残留効果を提供することを教示していない。
【非特許文献1】Domek, M., M. LeChevallier, S. Cameron and G. McFeters, 1984, Evidence for the Role of Copper in the Injury Process of Coliform Bacteria in Drinking Water, Appl. Environ. Microbiol. 48: 289-293
【非特許文献2】Kutz, S., L. Landeen, M. Yahya and C. Gerba. 1988, Microbiological Evaluation of Copper: Silver Disinfection Units, Proceedings of the Fourth Conference on Progress in Clinical Disinfection, S.U.N.Y., Binghamton, NY, April 11-13, 1988
【非特許文献3】Landeen, L., M. Yahya, and C. Gerba 1989, Efficacy of Copper/ Silver Ions & Reduced Levels of Free Chlorine in Inactivation of Legionella pneumophila, Appl. Environ. Microbiol. 55: 3045-3050
【非特許文献4】Yahya, M., L. Landeen, M. Mesina, S. Kutz, R. Schultze and C. Gerba, Disinfection of Bacteria in water Systems by Using Electrolytically Generated Copper: Silver & Reduced Levels of Free Chlorine, Can. J. Microbiol. 36: 109-116
【非特許文献5】Margolin, A.B. Control of Microorganisms in Source Water and Drinking Water. pp. 274-284, In: Manual of Environmental Microbiology, Hurst, C.J., Ed., ASM Press, Washington D.C., 2002
【非特許文献6】Abad, F., R. Pinto, J. Diez and A. Bosch, 1994, Disinfection of Human Enteric Viruses in Water by Copped Silver in Combination with Low Levels of Chlorine, Appl. Environ. Microbiol. 60(7): 2377-2383
【非特許文献7】Lin, Y., R. Vidic, J. Stout and V. Lu, 1996, Individual and Combined Effects of Copper and Silver Ions on Inactivation of Legionella Pneumophila, Wat. Res. 30(8): 1905-1913
【非特許文献8】Rohr, U., S. Weber, F. Selenka and M. Wilhelm, 2000, Impact of Silver and Copper on the Survival of Amoebae and Ciliated Protozoa in Vitro, Int. J. Hyg. Environ. Health 203: 87-89
【非特許文献9】Batterman, S., K. Mancy, S. Wang, L. Zhang, J. Warila, O., Lev, H. Shuval and B. Fattal, 2001, Evaluation of the Efficacy of a New Secondary Disinfectant Formulation Using Hydrogen Peroxide and Silver and the Formulation of Disinfection By-products Resulting From Interactions With Convention Disinfectants, EPA STAR Grand No. R825362
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
既知の種類の消毒・浄化用組成物に内在する前述した限界と、その従来技術が選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物を予想又は教示していないことに鑑みて、この発明は、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物とその製造及び使用方法を提供するものであり、使用者が、バクテリア、ウイルス、原生動物、藻類及び菌類等の微生物が存在する水などの、表面、媒体又は流体を素早くかつ効果的に消毒することを可能とするように設計されており、既に特許されるか、又は商業的に利用されている同様の消毒用組成物とは明白に異なる改善構成である。この後でより詳細に述べる、この発明の一般的な課題は、それ自体としては、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る新しく斬新で有用な消毒・浄化用組成物とその製造及び使用方法を提供することである。以下のとおり、この発明には、従来技術で取り組まれなかった問題を解決することを目的とする、更に多くの斬新な特徴が有る。
【0036】
・有効因子の混合は、使用者が指定した表面及び使用者が指定した媒体又は水などの流体における抗菌作用を相乗的に向上させる結果となる。
【0037】
・水の消毒を提供するために使用することができ、その結果得られた水を細菌、ウイルス、菌、藻類及び原生動物の観点から安全に飲めるようにする、独立動作する処理技術である。
【課題を解決するための手段】
【0038】
最も好ましい実施形態における処理混合構成は、一般的に、以下のとおり構成される。
1.a)溶解状態において、元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属の一つ以上の金属イオンに対するイオン源として機能する、一つ以上の水溶性の金属化合物(溶解状態における金属硫酸塩、金属塩又は金属クエン酸塩、或いはその他の幾つかの金属イオン源を含むが、これらに限定されるものではない)と、
b)一つ以上の植物エキスと、
c)一つ以上のアルコールと、
を含む有効因子の混合。
【0039】
また、この処理混合構成は、以下のとおり構成される。
2.a)溶解状態において、元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属の一つ以上の金属イオンに対するイオン源として機能する、一つ以上の水溶性の金属化合物(溶解状態における金属硫酸塩、金属塩又は金属クエン酸塩、或いはその他の幾つかの金属イオン源を含むが、これらに限定されるものではない)と、
b)一つ以上の植物エキスと、
を含む有効因子の混合。
【0040】
また、更に別の処理混合構成は、以下のとおり構成される。
3.a)溶解状態において、元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属の一つ以上の金属イオンに対するイオン源として機能する、一つ以上の水溶性の金属化合物(溶解状態における金属硫酸塩、金属塩又は金属クエン酸塩、或いはその他の幾つかの金属イオン源を含むが、これらに限定されるものではない)と、
b)一つ以上のアルコールと、
を含む有効因子の混合。
【0041】
一般的に、この発明の主目的は、塩素、照射線、オゾン/過酸化物及び温度等の消毒作用因子の使用を止めることである一方、以下の処理混合構成は、これらの消毒作用因子を伴うが、濃度及び/又は暴露を大幅に低減し、それによってそれらの使用による悪影響を低下させるものである。
4.a)溶解状態において、元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属の一つ以上の金属イオンに対するイオン源として機能する、一つ以上の水溶性の金属化合物(溶解状態における金属硫酸塩、金属塩又は金属クエン酸塩、或いはその他の幾つかの金属イオン源を含むが、これらに限定されるものではない)と、
b)一つ以上の植物エキス、及び/又は、
c)一つ以上のアルコール、及び/又は、
d)オゾン/過酸化物や元素周期表で7a族のハロゲンなど、又はハロゲン化炭化水素、アミド、アミンや二酸化ハロゲンなどのそれらの誘導体の中の一つ以上の消毒用化合物、及び/又は、
e)一旦、上記の混合物を消毒対象の物質に塗布又は混合して、この混合物に、紫外線や赤外線等を含む照射線、衝撃音や、低温又は高温の極端な温度などの抗菌作用のある物理的な攻撃又は処理に曝すこと、
を含む有効因子の混合。
【0042】
以上のとおり、この後のこの発明の詳細な記述をより良く理解してもらうためと、この発明の技術的な貢献をより良く評価してもらうために、この発明のより重要な特徴をやや大まかに概説した。この発明には更なる特徴が有り、それらは、以下に述べるとともに、この発明の本格申請が行われる際に提出される請求項の主題を成すものである。
【0043】
この点に関して、この発明の少なくとも一つの実施形態を詳細に説明する前に、この発明の方法及び対象物は、その実施において、以下の記述で示された構成の詳細及び構成要素の構造に限定されるものではないことを理解されたい。この発明の方法及び対象物は、その他の実施形態、並びに様々な方法での実施及び実現が可能である。また、ここで使用した専門語及び用語は、記述目的用のものであり、決してこの発明又はここで成した請求項の範囲を制限するものと見なしてはならないことを理解されたい。
【0044】
当業者自身は、この明細書が基礎とする技術思想が、この発明の様々な目的を実行するための別の構造、方法及び構成を設計するためのベースとして容易に活用できることを分かっている。そのため、この発明の請求項が、この発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、そのような同等の構成及び方法を含むものと見なすことが重要である。
【0045】
更に、前述した概説の目的は、一般的に米国特許商標庁及び一般大衆が、特には特許又は法律用語或いは専門語に精通していない科学者、エンジニア及び実施する者が、大まかに見て素早く、この出願の技術明細書の本質と核心を見出すことを可能とすることである。この概説は、請求項によって示される、この出願の発明を規定することを目的とするものでもなく、決してこの発明の範囲を制限することを目的とするものでもない。
【0046】
従って、この発明の対象は、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る、新しく斬新で有用な消毒・浄化用組成物とその製造及び使用方法を提供することであり、この発明は、前述した消毒・浄化用組成物の多くの利点と、従来技術の如何なる消毒・浄化用組成物とその製造方法からは、単独でも又はそれらを組み合わせても、予想、明示、提案、或いは示唆すらされない、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物とその製造及び使用方法から得られる多くの斬新な特徴を有する。
【0047】
この発明の別の対象は、最終消費者が容易かつ効率的に製造、学習、売買及び使用することができる、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物を提供することである。
【0048】
更に、この発明の対象は、耐久性及び信頼性のある構造を持つ、選定された金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物を提供することである。
【0049】
この発明の更に別の対象は、材料と労力の両方に関して低い製造コストを可能とするとともに、その結果一般消費者に対して低い販売価格を可能とし、そうすることによって一般購買者に対して、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物を経済的に入手可能とする、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物を提供することである。
【0050】
この発明の別の対象は、数ヶ月又は数年間持続する消毒剤の残留効果を示す、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物を提供することである。これまでに、この発明が、その消毒・浄化作用を21週間維持する能力を持ち続けていることを示している。(脱塩素処理した)市営水道水の試料に、この発明によって規定された最も好ましい実施形態の濃度で投与して、周囲条件で保存した。初期処理に続いて、この処理した水の等分した部分標本を周期的に取り出して、試料1ml当り106 〜107 個の濃度のクレプシエラ属を接種した。30、60及び90分の接触時間でのクレプシエラ属の対数減少値は、21週のデータ収集期間を通して変化しないままであり、60及び/又は90分の接触時間では完全な不活化が起こった。この試験は継続中であり、この発明により処理された保存水の試料が効果的にバクテリアを死滅させる機能を維持する能力を、この発明が示し続けることができるものと予想している。この消毒剤の残留効果を極端に長い期間維持する能力は、この発明に特有の特徴である。この有効性の残留に関する研究の結果は、図5にグラフとして描いており、その図は、図6A,6B及び6Cで示されているデータを集めて作成したものである。
【0051】
この発明の別の対象は、処理して保存した水の試料を繰り返し汚染/接種を行った場合において、微生物の不活化を可能とする消毒メカニズムを提供することである。本質的には、このことは、最初とそれに続く消毒に対する反応の間に、この発明を使わなくて済むことを意味する。この発明のこのことを提供する能力は、一連の試行を通して記録してきた。(脱塩素処理した)市営水道水の試料に、この発明によって規定される最も好ましい実施形態の濃度で投与して、周囲条件で保存した。保存して一ヶ月後に、この処理した水の部分標本を取り出して、試料1ml当り106 〜107 個のクレプシエラ属を接種した。それから、この同じ試料に、周期的な間隔で、消毒剤を更に追加することなく、同じ濃度のクレプシエラ属を再接種した。21週の期間、これを行ってきており、未だ継続中である。5回の再接種を通して、クレプシエラ属に対する不活化の有効性は、30,60及び90分の接触時間では変化しないままであったが、90分では完全な死滅(6〜7log)が観測された。6回目の再接種で初めて、30分の接触時間において、死滅における有効性の減少が観測された。更に3回の再接種後に、90分の接触時間において、死滅における有効性の減少が観測されたが、120分の接触時間後には、接種したクレブシエラ属の完全な死滅(7log)が起こった。この継続中の試行は、この追跡を続けており、この発明の更なる再接種後の消毒効果を提供する能力を評価するために、90分を超える長時間の接触時間を含める予定である。この反復チャレンジ研究の結果は、図7にグラフとして描いており、その図は、図8A,8B及び8Cで示されているデータを集めて作成したものである。
【0052】
この発明の別の対象は、その最終的に組み合わされた構成において、長い保存期間を示すとともに、特別な保存条件を必要としない消毒剤溶液又は材料を提供することである。実験室での試験は、このことがこの発明に該当することを示している。この発明の四つの構成要素の最も好ましい実施形態における濃度の作用溶液を作成して、次にバーモント州、サウスヒーローにおいて、13ヶ月の期間、室内で温度を制御しない環境の密閉した容器内で保存した。この状態は、−20°F〜100+°Fに及ぶ極端な温度に曝すとともに、保存期間の間に何度も凍結、解凍させるものであった。これは、半透明の容器内に保存して、自然の状態における昼の光と夜の闇に曝すものであった。保存して13ヶ月後に、この「保存した」消毒剤と新たに作った消毒剤との間で比較試験を行った。「保存した」消毒剤と新たに作った消毒剤との間では、試料1ml当り106 〜107 個のクレプシエラ属を接種した市営水道水での性能において、大きな違いは観測されず、60〜90分の接触時間内において、接種した微生物の完全な死滅が起こった。
【0053】
更に、この発明の別の対象は、従来技術の構成に関して、これらと本来的に関連する欠点の幾つかを克服すると同時に、これらの利点の幾つかを提供する、選定した金属イオンとの相乗作用を持つ有機化合物から成る消毒・浄化用組成物を提供することである。
【0054】
以上のことは、この発明のその他の対象と合わせて、この発明を特徴付ける様々な斬新な特徴とともに、請求項の特徴により示されている。この発明、その作用する利点及びその使用から得られる特別な対象のより良い理解のためには、この発明の好ましい実施形態を説明した付随する記述内容を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
・この発明を実施するための最良の形態
最も好ましい実施形態では、この発明は、銅及び銀の二つの選定した金属イオンを用いて、飲料水を処理するために使用され、この水の中には、これらの金属イオンは、硫酸銅又はクエン酸銅のどちらかと硫酸銀又はクエン酸銀のどちらかを処理して溶解させた状態で入っている。また、これらの溶けた金属イオンは、グレープフルーツの種から採取した植物エキス及びアルコールのグリセリンと組み合わされる。この最も好ましい実施形態では、この完成した水における有効因子の濃度は、以下のとおりである。
a)最大で使用者が選定した飲料水の政府規制で許容される濃度(適用可能なEPA又はWHO標準など)以内である750ppbの銅、
b)最大で使用者が選定した飲料水の政府規制で許容される濃度(適用可能なEPA又はWHO標準など)以内である37.5ppbの銀、
c)適用可能であれば、最大で使用者が選定した飲料水の政府規制で許容される濃度(適用可能なEPA又はWHO標準など)以内である80〜110ppmまで(即ち、10滴又は100mgのNutribiotic(登録商標)ブランドのグレープフルーツの種子エキス)のグループジュースの種子エキス(即ち、Citricidal(登録商標))、
d)適用可能であれば、最大で使用者が選定した飲料水の政府規制で許容される濃度(適用可能なEPA又はWHO標準など)以内である160〜220ppmまでのグリセリン。
【0056】
この飲料水の処理において、貯蔵用溶液は、1リットルの水に加える銅/銀の含有量が、それぞれ1.5mlと0.75mlとなるように調整される。この貯蔵用溶液の強さを調整することによって、この溶液は、その用量が極めて簡単に変わる、すなわち5ガロン(約20L)の水を処理しようとする場合、30mlの銅と15mlの銀を加える必要はなくて、包装上の利便性とその他の関連する考慮点に関して、極めて少ない用量を使用することができて、依然として消毒の有効性を有するものである。Citricidal(登録商標)として知られている商業的に入手可能なグレープフルーツの種子エキス(GSE)は、典型的には33%のCitricidalと67%のグリセリンの液体状で商業上の包装が成されている。これは、前述した比率でCitricidal(登録商標)とグリセリンを構成するものである。しかし、乾燥粉末状のCitricidal(登録商標)とグリセリンを使用すると、これらの二つの成分の異なる比率とすることができる。更に、商業的には便利であるが、Citricidal(登録商標)を使用する必要はない。単独であっても或いは組み合わせであっても、その他の植物エキスを使用することは、消毒能力において同等の結果を生じさせるものである。
【0057】
それぞれ1:1〜50:1までの範囲における銅/銀イオンの比率では、消毒効果を示す。最適な消毒能力は、銅:銀の比率が20:1で現れている。直ぐに消費することを目的としない保存水など、この発明のより長い接触時間を使用できる用途に対して、イオンの比率並びにこの発明を構成する個々の構成要素の幾つか又は全ての濃度は、著しく低減することができるものとして記録されている。この増大させた接触時間で実施した場合に濃度を低減できる能力は、一般的にCT値(濃度x時間)の概念によって規定され、古典的な消毒理論で十分に確立されていることと一致することが分かった。従って、これらの構成要素の濃度が政府規制レベルに合致する必要がない場合には、ずっと高い濃度を使用して、それによって抗菌効果を高めるか、或いはその反対に、より長い接触時間が可能な場合には、濃度をずっと低くしても、この発明が依然として飲料水を作るのに効果が有ることは明らかである。(商業的に入手可能なCitricidal(登録商標)/グリセリンの混合物を使用している)GSEは、その大きな粘着性のために、「滴」を用いて計量される。点滴器を用いて、1ミリリットル当り40滴のCitricidal(登録商標)/グリセリンを計量して、商業的に入手可能なGSEのボトルに入れる。1リットルの処理する水に10滴のCitricidal(登録商標)/グリセリン混合物を使用した場合、この濃度は、水1リットル当り0.25mlのCitricidal(登録商標)/グリセリンに対応する。1リットルの濾過した水では、約0.125ml以下のCitricidal(登録商標)/グリセリンが、銅及び銀イオンとの相乗作用により、効果的に消毒する一方、1リットルの濁った水当り、約0.25mlのCitricidal(登録商標)/グリセリンが必要であることが分かっている。
【0058】
水に溶かした場合の最も好ましい実施形態の濃度は、時間の経過とともに大きくは変化しないままであり、従って「即効的な」消毒効果を与えるとともに、残留する消毒効果を提供するものである。この発明のこの特徴は、特に望ましくない微生物因子の再接種の恐れがある場合に貯蔵した水が飲用できるように維持するのに有用である。
【0059】
この最も好ましい実施形態を用いて、初期確認試験並びに個々の構成要素の個別的及びその後の組み合わせ試験を行って、この最大限の相乗作用による消毒能力を持つ最も好ましい実施形態に到達した。この初期試験は、濾過、脱塩素処理した市営水道水、自然の地表水(河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水)及び合成水(EPA指導標準に記載された、EPA試験水第3番)を含む、様々な試験水に対して実施した。試験は、これらの様々な種類の水にクレブシエラ・テリゲナ、シュードモナス・アエルギノサ及びMS2バクテリオファージを接種して実施した。各試験水の基質において、バクテリアは、一般的に初期の6〜7logの濃度(1mlの試料当りのコロニー形成単位、CFU)で接種し、ウイルスは、一般的に5logの濃度(1mlの試料当りのプラーク形成単位、CFU)で接種した。
【0060】
銅及び銀イオンをグリセリンベースのCitricidal(登録商標)と組み合わせると、これらの構成要素の単独又は部分的な組み合わせのどれと比較しても消毒の有効性を大幅に改善して、著しい相乗効果が得られた。二年間に渡って実施した再現試行/試験は、市営水道への接種と河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水への接種の両方において、この発明を使用することにより、バクテリアとウイルスの両方の高い対数減少値を達成して、これらの試料をEPA及びWHO標準にもとづく微生物学的に飲用可能とすることを一貫して示している。
【0061】
この最も好ましい実施形態は、市営水道水への接種でクレブシエラ属を30分以内に完全に不活化(6+log)することと、30NTU以上の濁度と100mg/L以上の全有機体炭素(TOC)の河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水への接種で60分以内に4+log減少させることを達成した。シュードモナス・アエルギノサは、市営水道水への接種において、90分の接触時間で完全な死滅(6+log)を示した。
【0062】
この最も好ましい実施形態の相乗効果は、ウイルスに関して、より一層認められる。市営水道水への接種では、MS2の完全な不活化(5+log)が、15〜30分の接触時間内に達成された。10NTU以上の濁度と200mg/L以上のTOCの河川、流水、小川、池、湖、泉又は井戸の水などの未処理の自然水への接種では、MS2の完全な不活化(5+log)が、30〜60分以内に起こった。(EPA指導標準に記載された、EPA試験水第3番に準拠する30NTU以上の濁度、1500mg/LのTDSと9.0のpHの)合成水への接種では、MS2の減少は、60分以内では4+log、120分では完全(5+log)であった。
【0063】
図5,6A,6B,6C,7,8A,8B及び8Cに図示した、この最も好ましい実施形態の試験結果は、前述した形態で銅及び銀イオンをグレープフルーツの種子エキス(即ち、Citricidal(登録商標))及びグリセロール(グリセリン)と組み合わせることが、これらの構成要素の単独又は部分的な組み合わせのどれと比較しても消毒能力の大幅な改善を提供することを明らかに示している。
【0064】
・この発明を実施するためのタンデム濾過形態
この発明の前述した最善の形態で銅及び銀イオンをCitricidal(登録商標)及びグリセリンと組み合わせた消毒剤は、図1と2に図示されたようなカーボンブロックや微細孔のフィルターなどの濾過手段をタンデムに組み合わせたものと一緒に使用することもできる。この組み合わせは、水が飲めることに影響を与えるか否かに関係はないが、その美感と場合によっては味にマイナスの影響を与える可能性のある、望ましくない微粒子や生体物質を濾過ことを可能とするものである。
【0065】
図1に図示した装置では、消毒・浄化する水は、先ず商業的に入手可能な標準的なカーボンブロックフィルターを通して流れ、その地点で、水は、次に事前に銅及び銀イオンをCitricidal(登録商標)及びグリセリンと最善の形態で組み合わせた濃度の消毒剤が入った第二槽を通過して行き、その際この消毒剤は、使用者が選定した容積の水を消毒するのに十分な予め決めた量(錠剤、液体又は粉末の状態)で存在するものである。この第二槽を水が通過する際の水の物理的な作用は、銅及び銀イオンをCitricidal(登録商標)及びグリセリンと組み合わせたものを溶解状態にする。次に、これらの構成要素が溶けた水は、消毒・浄化する水の使用する消毒剤の量に応じた容積を収容するのに十分なサイズの第三槽又は貯蔵容器などの使用者が選定した場所に通される。
【0066】
図2に図示した更に別の実施形態では、消毒・浄化する水は、先ず商業的に入手可能な標準的なカーボンブロックフィルターを通して流れ、その地点で、水は、次にこのカーボンブロックフィルターと同じ槽内において、事前に入れてある銅及び銀イオンをCitricidal(登録商標)及びグリセリンと最善の形態で組み合わせた濃度の消毒剤を通過して行き、その際この消毒剤は、使用者が選定した容積の水を消毒するのに十分な予め決めた量(錠剤、液体又は粉末の状態)で存在するものである。このカーボンブロックフィルターを出る時には、水が消毒用混合物と接触する際の水の物理的な作用は、銅及び銀イオンをCitricidal(登録商標)及びグリセリンと組み合わせたものを溶解状態にしている。次に、これらの構成要素が溶けた水は、消毒・浄化する水の使用する消毒剤の量に応じた容積を収容するのに十分なサイズの第二槽や貯蔵容器などの使用者が選定した場所に通される。
【0067】
・この発明を実施するための表面浸出形態
給食産業などの多くの産業は、しばしば人の病気及び死にさえ至る、並びにその可能性が有る、微生物の成長を助長する面上で食物を取り扱う必要がある。この発明の図4で図示した表面に浸出させる形態では、所望の作用面を製造するのに、相応の半透性の材料、ポリマー又は同様の材料を使用する。次に、この発明の前述した最善の形態で銅及び銀イオンをCitricidal(登録商標)及びグリセリンと組み合わせた消毒剤を用いて、この材料を処理して(この処理は、注入、浸す、塗布、加圧処理及び/又はその他の機械的な手段である)、この消毒剤が、この製造物を構成する材料の中に出来る限り完全に吸収されるようにする。また、図3に図示された複合物質やポリマーなどを、この材料の製造時の内容物として加えることによって、この発明の前述した最善の形態で銅及び銀イオンをCitricidal(登録商標)及びグリセリンと組み合わせた消毒剤を材料の構造に取り込むことができる。
【0068】
作業面として使用されている間、この消毒剤は、浸出、毛管作用、単純接触、水の運動及び/又は浸透/拡散によって、その表面上に消毒作用を維持する。これは、表面上での微生物の成長を防止し、従って感染の拡大を防ぐとともに、この作業面と接触する物質に消毒剤をも伝搬する。
【0069】
この発明の、この使用及び運用形態の更なる考察に関しては、前記の記載と同じことが言える。従って、この使用及び運用形態に関して、更なる考察は行わない。
【0070】
次に、前記の記載に関して、サイズ、材料の量、形状、形式、運用の機能及び形態、組み立て並びに使用における変化形態を含む、この発明の構成部分に対する最適な寸法の関係及び方式は、当業者には容易に明白かつ明らかであると考えられ、この発明は、この明細書で記載したものと同等のすべての関係するものを包含することを意図していることを理解されたい。
【0071】
従って、前述した事柄は、この発明の原理を説明するためのものでしかないと考える。更に、当業者には、多くの修正及び変更が容易に想起されるので、この発明を厳密に図示及び記載した構成と方法に限定することを望むものではなく、従ってすべての相応の修正及び同等のものは、この発明の範囲内に有って、この発明にもとづくものである。例えば、当業者には、この発明に開示された有効因子の濃度及び比率を低減して、所望の消毒結果を達成するための接触時間を増加すること、及びその反対に、有効因子の濃度及び比率を増加することによって、所望の消毒結果を達成するのに必要な接触時間を低減することは明らかである。この発明の新規性は、開示された物質又は有効因子のグループが、それらの相対濃度に関係無く相乗的な消毒効果を持つことに有ることは、これらの物質の一定の比率及び濃度が、最も好ましい実施形態で示されたものとは異なるものよりも良好に作用することを考慮すると明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明のタンデム濾過形態による三槽の装置。
【図2】この発明のタンデム濾過形態による二槽の装置。
【図3】この発明の表面浸出形態による消毒剤で処理された半透明の部材。
【図4】この発明の表面浸出形態による製造時に消毒剤を加えられた部材。
【図5】この発明の消毒剤の有効性残留に関する研究結果のグラフ。
【図6A】図5のグラフに関するデータ表。
【図6B】図5のグラフに関するデータ表。
【図6C】図5のグラフに関するデータ表。
【図7】この発明の消毒剤の反復チャレンジに関する研究結果のグラフ。
【図8A】図7のグラフに関するデータ表。
【図8B】図7のグラフに関するデータ表。
【図8C】図7のグラフに関するデータ表。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから選定した少なくとも一つの金属と、
(b)少なくとも一つの植物エキスと、
(c)少なくとも一つのアルコールと、
で構成される消毒・浄化用組成物。
【請求項2】
(a)元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから選定した少なくとも一つの金属と、
(b)少なくとも一つの植物エキスと、
で構成される消毒・浄化用組成物。
【請求項3】
(a)元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから選定した少なくとも一つの金属と、
(b)少なくとも一つのアルコールと、
で構成される消毒・浄化用組成物。
【請求項4】
当該の選定した少なくとも一つの金属が、銅である請求項1に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項5】
当該の選定した少なくとも一つの金属が、銀である請求項1に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項6】
当該の選定した少なくとも一つの金属が、銅である請求項2に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項7】
当該の選定した少なくとも一つの金属が、銀である請求項2に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項8】
当該の選定した少なくとも一つの金属が、銅である請求項3に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項9】
当該の選定した少なくとも一つの金属が、銀である請求項3に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項10】
当該の選定した金属が、銅と銀である請求項1に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項11】
当該の選定した金属が、銅と銀である請求項2に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項12】
当該の選定した金属が、銅と銀である請求項3に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項13】
当該の植物エキスを被子植物から成るグループから選定した請求項1に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項14】
当該のアルコールが、グリセロールである請求項1に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項15】
当該の植物エキスを被子植物から成るグループから選定した請求項2に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項16】
当該のアルコールが、グリセロールである請求項3に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項17】
当該の植物エキスをグレープフルーツから抽出した請求項1に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項18】
当該の植物エキスをグレープフルーツから抽出した請求項2に記載の消毒・浄化用組成物。
【請求項19】
元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから少なくとも一つの金属を選定する工程と、
当該の植物エキスを選定する工程と、
当該のアルコールを選定する工程と、
この選定した金属をこの選定した植物エキス及びこの選定したアルコールと一緒に混合する工程と、
で構成される請求項1に記載の消毒・浄化用組成物の製造方法。
【請求項20】
元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから少なくとも一つの金属を選定する工程と、
当該の植物エキスを選定する工程と、
この選定した金属をこの選定した植物エキスと一緒に混合する工程と、
で構成される請求項2に記載の消毒・浄化用組成物の製造方法。
【請求項21】
元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから少なくとも一つの金属を選定する工程と、
当該のアルコールを選定する工程と、
この選定した金属をこの選定したアルコールと一緒に混合する工程と、
で構成される請求項3に記載の消毒・浄化用組成物の製造方法。
【請求項22】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程を含む請求項19に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項23】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程を含む請求項19に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項24】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程を含む請求項19に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項25】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程を含む請求項20に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項26】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程を含む請求項20に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項27】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程を含む請求項20に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項28】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程を含む請求項21に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項29】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程を含む請求項21に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項30】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程を含む請求項21に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項31】
元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから少なくとも一つの金属を選定する工程と、
当該の植物エキスを選定する工程と、
当該のアルコールを選定する工程と、
オゾン、過酸化物、元素周期表で7a族のハロゲン、ハロゲン化炭化水素、アミド、アミン及び二酸化ハロゲンから成るグループから少なくとも一つの消毒用化合物を選定する工程と、
この選定した金属をこの選定した植物エキス、この選定したアルコール及びこの選定した消毒用化合物と一緒に混合する工程と、
で構成される請求項1に記載の消毒・浄化用組成物の製造方法。
【請求項32】
元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから少なくとも一つの金属を選定する工程と、
当該の植物エキスを選定する工程と、
オゾン、過酸化物、元素周期表で7a族のハロゲン、ハロゲン化炭化水素、アミド、アミン及び二酸化ハロゲンから成るグループから少なくとも一つの消毒用化合物を選定する工程と、
この選定した金属をこの選定した植物エキス及びこの選定した消毒用化合物と一緒に混合する工程と、
で構成される請求項2に記載の消毒・浄化用組成物の製造方法。
【請求項33】
元素周期表で、1b,2b,3b,4b,5b,6b,7b,8,3a,4a及び5a族の金属から成るグループから少なくとも一つの金属を選定する工程と、
当該のアルコールを選定する工程と、
オゾン、過酸化物、元素周期表で7a族のハロゲン、ハロゲン化炭化水素、アミド、アミン及び二酸化ハロゲンから成るグループから少なくとも一つの消毒用化合物を選定する工程と、
この選定した金属をこの選定したアルコール及びこの選定した消毒用化合物と一緒に混合する工程と、
で構成される請求項3に記載の消毒・浄化用組成物の製造方法。
【請求項34】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程を含む請求項31に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項35】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程を含む請求項31に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項36】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程を含む請求項31に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項37】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程を含む請求項32に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項38】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程を含む請求項32に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項39】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程を含む請求項32に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項40】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程を含む請求項33に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項41】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程を含む請求項33に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項42】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程を含む請求項33に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項43】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程と、
この混合物を浸出させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項19に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項44】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程と、
この混合物を塗布した物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項19に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項45】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程と、
この混合物を溶解させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項19に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項46】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程と、
この混合物を浸出させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項20に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項47】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程と、
この混合物を塗布した物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項20に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項48】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程と、
この混合物を溶解させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項20に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項49】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程と、
この混合物を浸出させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項21に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項50】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程と、
この混合物を塗布した物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項21に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項51】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程と、
この混合物を溶解させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項21に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項52】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程と、
この混合物を浸出させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項31に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項53】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程と、
この混合物を塗布した物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項31に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項54】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程と、
この混合物を溶解させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項31に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項55】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程と、
この混合物を浸出させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項32に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項56】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程と、
この混合物を塗布した物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項32に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項57】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程と、
この混合物を溶解させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項32に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項58】
当該の混合物を使用者が選定した物品に浸出させる工程と、
この混合物を浸出させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項33に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項59】
当該の混合物を使用者が選定した物品の表面に塗布する工程と、
この混合物を塗布した物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項33に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項60】
当該の混合物を使用者が選定した液体に溶解させる工程と、
この混合物を溶解させた物品を照射線、光、衝撃音及び極端な温度から成るグループから選定した少なくとも一つの処理に曝す工程と、
を含む請求項33に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項61】
当該の混合物を濾過装置に配置して、使用者が選定した流体が、この濾過装置を通過して、当該の混合物が、この使用者が選定した流体内に溶解するようにした工程を含む請求項19に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項62】
当該の混合物を濾過装置に配置して、使用者が選定した流体が、この濾過装置を通過して、当該の混合物が、この使用者が選定した流体内に溶解するようにした工程を含む請求項20に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項63】
当該の混合物を濾過装置に配置して、使用者が選定した流体が、この濾過装置を通過して、当該の混合物が、この使用者が選定した流体内に溶解するようにした工程を含む請求項21に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項64】
当該の混合物を濾過装置に配置して、使用者が選定した流体が、この濾過装置を通過して、当該の混合物が、この使用者が選定した流体内に溶解するようにした工程を含む請求項31に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項65】
当該の混合物を濾過装置に配置して、使用者が選定した流体が、この濾過装置を通過して、当該の混合物が、この使用者が選定した流体内に溶解するようにした工程を含む請求項32に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。
【請求項66】
当該の混合物を濾過装置に配置して、使用者が選定した流体が、この濾過装置を通過して、当該の混合物が、この使用者が選定した流体内に溶解するようにした工程を含む請求項33に記載の製造方法によって製造した消毒・浄化用組成物の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公表番号】特表2006−502225(P2006−502225A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543369(P2004−543369)
【出願日】平成15年10月7日(2003.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/031560
【国際公開番号】WO2004/032623
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(505129323)
【Fターム(参考)】