有機性廃棄物中の発熱源探査方法
【課題】 埋立完了後の有機性廃棄物の効率的な早期安定化を図り得る方法を提供すること。
【解決手段】 地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って該基準深地温の実測値を求める第1工程(S1)と、地下に向けての温度勾配が一定であると仮定して実測値より所定温度を有する発熱源の地表面からの深さを推定する第2工程(S2)と、該推定された深さに等温面を持つ有限要素モデルを作成して地表面温度を固定した熱伝導解析を行う第3工程(S3)と、該第3工程より得られる基準深地温の解析結果と実測値を比較してその差に基づいて有限要素モデルの等温面の深さを補正する第4工程(S4、S5)と、を含み、第3工程の解析結果と実測値が一致するまで、第4工程の有限要素モデル補正と、補正された有限要素モデルに基づく第3工程の熱伝導解析を繰り返し行う。
【解決手段】 地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って該基準深地温の実測値を求める第1工程(S1)と、地下に向けての温度勾配が一定であると仮定して実測値より所定温度を有する発熱源の地表面からの深さを推定する第2工程(S2)と、該推定された深さに等温面を持つ有限要素モデルを作成して地表面温度を固定した熱伝導解析を行う第3工程(S3)と、該第3工程より得られる基準深地温の解析結果と実測値を比較してその差に基づいて有限要素モデルの等温面の深さを補正する第4工程(S4、S5)と、を含み、第3工程の解析結果と実測値が一致するまで、第4工程の有限要素モデル補正と、補正された有限要素モデルに基づく第3工程の熱伝導解析を繰り返し行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄物の最終処分場には、安定型処分場、管理型処分場及び遮断型処分場の3種類がある。このうち、管理型処分場(以下、単に処分場と称す)は、廃棄物埋立穴に埋立られた廃棄物を長期間にわたり安全かつ衛生的に保管して、廃棄物を安定化して、最終的には自然界に戻せるようにして跡地利用などを図るものである。この種の処分場に埋立られる廃棄物としては、生ゴミや、し尿処理汚泥などの有機性廃棄物が多く含まれている。
【0003】
そこで、この種の処分場には、廃棄物埋立穴に侵入、浸透する雨水や地表水が、その穴内に埋立られた有機性廃棄物中から有害物質を溶出させて漏水し、その漏水によって土壌や地下水等が汚染されることを防止するための対策が講じられている。この対策としては、廃棄物埋立穴の内面にプラスチックシート、ゴムシート等を張り付けたり、あるいはコンクリート壁を形成するなどの遮水処理を施すと共に、その廃棄物埋立穴の底面に接続された排水管を通じて廃棄物埋立穴内に溜まった水を浄水処理設備へ排出し、この浄水処理設備において生物的、化学的な無害化処理を行ってから河川などに放流するのが一般的である。
【0004】
しかし、この種の処分場においては、埋立られた有機性廃棄物を安定化するまでに長期間を要するため、その設備管理費に多大な費用がかかる問題があり、有機性廃棄物の早期安定化が求められている。
【0005】
この対策として、処分場自体、あるいは廃棄物の埋め立てを行う際の覆土材料等に有機性廃棄物の早期安定化を図る方法を講じるものがある。
【0006】
処分場自体に講じられる方法としては、例えば廃棄物埋立穴内の有機性廃棄物中に空気補給管と水分補給管を埋設して、それぞれの管から適度な空気と水分を補給することにより、有機性廃棄物の空気と水による化学的分解作用や、微生物等による生物的分解作用を促進させ、有機性廃棄物の早期安定化を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、覆土材料等に講じられる方法としては、例えば覆土材料として、通気性・透水性に優れた有機性廃棄物の炭化性生成物を用いることで、前述の化学的分解作用や、生物的分解作用を促進させ、有機性廃棄物の早期安定化を図るものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実登3045009
【特許文献2】特開2003−260430
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の有機性廃棄物の早期安定化を図る方法は、有機性廃棄物の埋立が完了する以前に予め講じられるものであるので、この種の方法を講じることなく埋立が完了した既設処分場に適用することは困難であった。また、このような既設処分場における有機性廃棄物の早期安定化する方法としては、埋立られた有機性廃棄物層まで実際にボーリングを行って、早期安定化するような手段を埋立完了後に行うことも考えられるが、有機性廃棄物層全域にわたってボーリングを行うには時間も費用も要するので実用的な方法ではない。
【0009】
さらに、処分場に埋立られた有機性廃棄物の埋立環境も有機性廃棄物層内で均一ではないため、有機性廃棄物の安定化の進行が遅れる箇所も発生し得る。そのため、この種の有機性廃棄物に対して有効な対策を講じなければ、結果として有機性廃棄物の早期安定化を図ることができない。しかしながら、従来の方法では、埋立られた有機性廃棄物に対して、埋立完了以前に早期安定化の方法を講じるものであるので、埋立完了後に起こり得るこの種の問題に対しては、有効な方法ではなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的とするところは、埋立完了後の有機性廃棄物の効率的な早期安定化を図り得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、上記課題を解決するために、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って該基準深地温の実測値を求める第1工程と、地下に向けての温度勾配が一定であると仮定して実測値より所定温度を有する発熱源の地表面からの深さを推定する第2工程と、該推定された深さに等温面を持つ有限要素モデルを作成して地表面温度を固定した熱伝導解析を行う第3工程と、該第3工程より得られる基準深地温の解析結果と実測値を比較してその差に基づいて有限要素モデルの等温面の深さを補正する第4工程と、を含み、第3工程の解析結果と実測値が一致するまで、第4工程の有限要素モデル補正と、補正された有限要素モデルに基づく第3工程の熱伝導解析を繰り返し行うことを特徴とする。ここで、「地表面から所定深さ」とは、地中であって、かつ地表面近傍までの深さを意味する(以下、同様)。
【0012】
また、上記課題を解決するための別の態様である請求項2に係る発明は、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って、該基準深地温の実測値を求める第1工程と、発熱源を含む所定領域の有限要素モデルを作成し、所定領域内に複数の発熱源を仮定して各々の発熱源について熱伝導解析を行う第2工程と、該第2工程により得られた基準深地温の解析結果を重ね合わせて実測値と比較し、発熱源位置を推定する第3工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
前記請求項1又は請求項2に係る発明によれば、いずれも地表面から所定深さの地温である基準深地温の実測に基づいて、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源位置を探査することができる。
【発明の効果】
【0014】
処分場において、埋立られた有機性廃棄物は酸化分解による発熱を伴って、やがて安定化に至るとその発熱が収まるため、安定化に至っていない有機性廃棄物は発熱源と成り得る。すなわち、この種の処分場に本発明に係る有機性廃棄物中の発熱源探査方法を用いれば、地表面から所定深さの基準深地温の実測に基づいて、有機性廃棄物の安定化の進行状況を安価かつ迅速に探査できると共に、安定化が遅れている有機性廃棄物を効率的に探査することができる。そのため、この種の有機性廃棄物に対して、早期安定化を図る手段を無駄なく的確に講じることができ、結果として効率的な廃棄物の早期安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態について以下に図面に基づいて説明する。なお、第1の実施形態は、請求項1記載の有機性廃棄物中の発熱源探査方法に係る一実施形態を示すもので、地温が通常一定となっていることを用いて、地下に埋立処分された有機性廃棄物が発熱して成る発熱源の等温面を熱伝導解析により逆同定し、有機性廃棄物中の発熱源位置を推定するものである。
【0016】
図1は本実施形態のフローチャートを示すものである。同図に示すように、まず地表面から地下1mの地温である1m深地温を測定する(S1)。なお、地温の実測は1m深地温に限らず、地盤の状態などに合わせ、有機性廃棄物中の発熱源による地下の温度分布が反映される地表面付近の地温を測定するものであれば良い(以下、同様)。
【0017】
次いで、図2に示すように地下に向けて温度勾配が一定であると仮定して、計測された1m深地温より発熱源の等温面深さの推定値Lを算出する(S2)。このときの推定値Lは、以下の数式1により算出される。
【数1】
【0018】
ここで、1は地表面からの距離(1mに固定)、Tsは発熱源の想定温度(解析対象領域内で一定)、Tmは計測された温度、Toは地表面温度とする。
【0019】
この推定さらた深さLに等温面を持つ有限要素モデルを作成し、地表面温度を固定した熱伝導解析を行う(S3)。この熱伝導解析より得られる1m深地温の解析結果と実測結果を比較して、一致するかどうかを判断する(S4)。一致する場合はその発熱源の等温面モデルを正解として、発熱源の位置を決定して解析を終了する(S6)。また、一致しない場合には、熱伝導解析より得られる1m深地温の解析結果と実測結果との差dTより等温面の位置をdL分補正した有限要素モデルを作成する(S5)。このとき、この位置補正dLは、以下の数式2により算出される。
【数2】
【0020】
この補正された有限要素モデルにより再度熱伝導解析を行い、1m深地温の解析結果と実測値が一致するまでS3〜S5のステップを繰り返す。なお、上記熱伝導解析は、熱伝導方程式の定常解析に従うものとする。また、解析結果が実測値の所定誤差範囲内に入れば、解析結果と実測値が一致したと見なすことができ、この誤差範囲は測定に求められる精度をもって、適宜設定することができる。
【0021】
次に本実施形態に係る有機性廃棄物中の発熱源探査方法を用いた発熱源の2次元探査方法を図面に基づいて以下に説明する。
【0022】
まず、1m深地温の実測結果が図3に示すような温度分布をもって計測されたとする。この実測結果につき、各計測値を数式1に代入して、それぞれの計測点について推定値Lを算出すると、図4に示すように発熱源の等温面深さ(推定値L)の分布(図中の黒塗り菱形で示す点)を得る。同図に示すように、この推定値Lに等温線をもつ等温線モデル(図中の黒塗り四角で示す点)を作成し、図5に示すような有限要素モデルを作成する。この有限要素モデルに基づいて、地表面温度を固定した熱伝導解析を行った結果が、図6に示すものである。この解析結果より、図7に示すように、1m深地温の解析値(図中の黒塗り四角で示す点)を求めて、実測値(図中の黒塗り菱形で示す点)と比較を行う。同図より、1m深地温の実測値と解析結果の温度差dTを算出して、図8に示すように、数式2より等温線の深さの補正値dLを求める。この補正値dLに基づいて、有限要素モデルを補正した結果が図9に示すものである。この補正さらた有限要素モデルに基づいて、前記熱伝導解析と同様に地表面の温度を固定した熱伝導解析を行った結果が図10に示すものである。以下、同様にして、発熱源の等温線を補正した有限要素モデルについて熱伝導解析を繰り返し、実測値と解析結果が一致したところで解析を終了し、このときの等温線モデルに基づいて発熱源の2次元分布位置を決定する。
【0023】
以上は、有機性廃棄物中の発熱源の2次元探査方法を説明したが、1m深地温の温度分布を複数点にわたり測定し、これらにより得られる各々の解析結果である等温線モデルを適宜足し合わせて等温面を作成することによって、発熱源の3次元探査を行うことも可能である。また、予め1m深地温の3次元温度分布を作成し、3次元熱伝導解析を行うことで、上記発熱源の2次元同定方法と同様にして、発熱源の3次元探査を行うことも可能である。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について以下に図面に基づいて説明する。なお、第2の実施形態は、請求項2記載の有機性廃棄物探査方法に係る一実施形態を示すもので、熱源の位置や数を変化させて多数のシミュレーションを行い、この結果を比較することで、発熱源位置を推定するものである。
【0025】
図11は、本実施形態のフローチャートを示すものである。同図に示すように、まず地表面から地下1mの地温である1m深地温を測定する(S10)。
【0026】
次いで、図12(a)に示すように、発熱源を含む所定領域の有限要素モデルを作成し、所定領域内に同一の温度をもつ複数の発熱源(例えば、図12(a)の黒塗り四角で示す点)を仮定して各々の発熱源について熱伝導解析を行う(S20)。各々の点における熱伝導解析結果を例示したものが図12(c)〜(d)である。なお、上記熱伝導解析は熱伝導方程式の定常解析に従うものとする。
【0027】
この熱伝導解析をもとに、計測点での温度は以下の数式3により算出される。
【数3】
【0028】
ここで、tiはi番目の計測点における1m深地温の計測温度であり、Tijはj番目の単一発熱源により生じたi番目の計測点における温度、αjはj番目の単一発熱源が計測点に及ぼす影響度を表わす係数である。
【0029】
この係数αを最小二乗法等の方法により求め、このαに基づいて発熱源位置を3次元的に推定する(S30)。
【0030】
本発明に係る上記第1の実施形態又は第2の実施形態によれば、地表面から1mの深さの地温である1m深地温を実測することで、容易に有機性廃棄物中の発熱源の3次元分布を探査することができる。この有機性廃棄物中の発熱源となっている箇所は、酸化分解に伴って有機性廃棄物が発熱しているもので、やがて安定化に至るとその発熱が収まる。すなわち、発熱源となっている有機性廃棄物を探査することで、有機性廃棄物の安定化の進行状況を安価かつ迅速に探査できると共に、安定化が遅れている廃棄物箇所を効率的に探査することができ、結果として効率的な廃棄物の早期安定化を図ることができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、有機性廃棄物中の発熱源探査方法として、上記実施形態のうち、第1の実施形態あるいは第2の実施形態に係る方法を適宜選択することができる。また、これら2つの方法を併用して使用することもできる。
【実施例1】
【0032】
上記第1の実施形態に係る一実施例を説明する。なお、本実施例では、既設最終処分場において、有機性廃棄物の酸化分解による廃棄物地盤の温度上昇に注目し、1m深地温調査および熱伝導解析から、有機性廃棄物層中の発熱源の3次元探査を行った。
【0033】
1m深地温調査は、5mメッシュで測定を行った。この結果を図13に示す。この結果より、平常1m深地温(10℃程度)に対して、13℃以上の高温を示す高温帯が観測された。特に北側地点は、17℃〜19℃を示す高温が検出され、安定化が進んでいない有機性廃棄物層の浅層分布が想定される。これは、1m深地温の熱源の影響を受けない平常時の温度(10℃程度)に対して7℃以上高く、地下の発熱源位置を忠実に反映していると考えられる。
【0034】
なお、上記1m深地温分布に基づいた有機性廃棄物層の3次元探査を行うに際し、有機性廃棄物層の想定温度は、ガス抜き管内の温度険層結果に基づき20℃と設定し、熱伝導解析では、図14に示すように、基盤岩1、有機性廃棄物層2及び覆土層3からなる有限要素モデル4を用い、解析領域は対象処分場とそれを含む地盤とし、境界条件が温度分布に及ぼす影響が十分小さくなるように領域の大きさを定め、1m深地温の計測点は有限要素モデルの格子点と一致するようにした。また、有機性廃棄物層2などの熱伝導率は、図15に示すように仮定した。
【0035】
上記条件に基づいて有機性廃棄物層中の発熱源の3次元分布を求めた。この解析結果の図13に示すX−X断面領域を図16に示す。これより、20℃を示す有機性廃棄物層は、地表面から2〜10m付近に存在し、3次元的には固まり状に点在することが明らかになった。この結果からも、1m深地温が17℃以上を示す箇所では、処分場の浅層部分(地表面から2m程度)に20℃以上を示す有機性廃棄物層の分布が再現された。
【実施例2】
【0036】
次に、上記第2の実施形態に係る一実施例を以下に説明する。なお、本実施例では、上記実施例1と同様の既設最終処分場における有機性廃棄物層中の発熱源の3次元探査を行うものである。また、1m深地温の実測値や、熱伝導解析に用いる初期の有限要素モデルあるいは有機性廃棄物層などの熱伝導率は、第1の実施例と同様とする。
【0037】
解析に当たっては、有機性廃棄物層において、単一の発熱源を仮定し、計測点における温度を求めた。同様にして、発熱源を有機性廃棄物層内で移動させ、各格子点に発熱源を仮定した場合につき、各々で計測点の温度を求め、数式2に基づいてαの大きさを求めて、発熱源位置の同定を行った。
【0038】
図17に解析モデルにおける1m深地温分布の解析結果を示す。なお、図中において、ハッチングを施していない地中領域は11℃以下の温度分布を示す領域である。ここで、一般に有機性廃棄物層の深い部分で有機物の発熱があると、1m深地温の温度変化は広範囲でなだらかなものとなる。しかし、今回の5mメッシュによる1m深地温計測結果では、温度が急変する箇所がいくつか計測されており、浅層部分での発熱が考えられる。
【0039】
本実施例の解析において、3次元の発熱源になる有機性廃棄物層の分布を求めたが、図13に示すX−X断面領域の解析結果を図18に示す。なお、図中において、ハッチングを施していない地中領域は11℃以下の温度分布を示す領域である。これより、有機性廃棄物層中に同一の発熱量を有する点があった場合の計測点における温度を求めた結果、発熱源である有機性廃棄物層は、地表面から5〜10m付近に分布し、3次元的には固まり状に点在することが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態のフローチャートを示す図である。
【図2】地下の温度勾配を説明する図である。
【図3】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図4】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図5】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図6】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図7】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図8】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図9】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図10】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図11】第2の実施形態のフローチャートを示す図である。
【図12】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図13】第1の実施例を説明する図である。
【図14】第1の実施例を説明する図である。
【図15】第1の実施例を説明する図である。
【図16】第1の実施例を説明する図である。
【図17】第2の実施例を説明する図である。
【図18】第2の実施例を説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
1 基盤岩
2 有機性廃棄物層
3 覆土層
4 有限要素モデル
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄物の最終処分場には、安定型処分場、管理型処分場及び遮断型処分場の3種類がある。このうち、管理型処分場(以下、単に処分場と称す)は、廃棄物埋立穴に埋立られた廃棄物を長期間にわたり安全かつ衛生的に保管して、廃棄物を安定化して、最終的には自然界に戻せるようにして跡地利用などを図るものである。この種の処分場に埋立られる廃棄物としては、生ゴミや、し尿処理汚泥などの有機性廃棄物が多く含まれている。
【0003】
そこで、この種の処分場には、廃棄物埋立穴に侵入、浸透する雨水や地表水が、その穴内に埋立られた有機性廃棄物中から有害物質を溶出させて漏水し、その漏水によって土壌や地下水等が汚染されることを防止するための対策が講じられている。この対策としては、廃棄物埋立穴の内面にプラスチックシート、ゴムシート等を張り付けたり、あるいはコンクリート壁を形成するなどの遮水処理を施すと共に、その廃棄物埋立穴の底面に接続された排水管を通じて廃棄物埋立穴内に溜まった水を浄水処理設備へ排出し、この浄水処理設備において生物的、化学的な無害化処理を行ってから河川などに放流するのが一般的である。
【0004】
しかし、この種の処分場においては、埋立られた有機性廃棄物を安定化するまでに長期間を要するため、その設備管理費に多大な費用がかかる問題があり、有機性廃棄物の早期安定化が求められている。
【0005】
この対策として、処分場自体、あるいは廃棄物の埋め立てを行う際の覆土材料等に有機性廃棄物の早期安定化を図る方法を講じるものがある。
【0006】
処分場自体に講じられる方法としては、例えば廃棄物埋立穴内の有機性廃棄物中に空気補給管と水分補給管を埋設して、それぞれの管から適度な空気と水分を補給することにより、有機性廃棄物の空気と水による化学的分解作用や、微生物等による生物的分解作用を促進させ、有機性廃棄物の早期安定化を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、覆土材料等に講じられる方法としては、例えば覆土材料として、通気性・透水性に優れた有機性廃棄物の炭化性生成物を用いることで、前述の化学的分解作用や、生物的分解作用を促進させ、有機性廃棄物の早期安定化を図るものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実登3045009
【特許文献2】特開2003−260430
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の有機性廃棄物の早期安定化を図る方法は、有機性廃棄物の埋立が完了する以前に予め講じられるものであるので、この種の方法を講じることなく埋立が完了した既設処分場に適用することは困難であった。また、このような既設処分場における有機性廃棄物の早期安定化する方法としては、埋立られた有機性廃棄物層まで実際にボーリングを行って、早期安定化するような手段を埋立完了後に行うことも考えられるが、有機性廃棄物層全域にわたってボーリングを行うには時間も費用も要するので実用的な方法ではない。
【0009】
さらに、処分場に埋立られた有機性廃棄物の埋立環境も有機性廃棄物層内で均一ではないため、有機性廃棄物の安定化の進行が遅れる箇所も発生し得る。そのため、この種の有機性廃棄物に対して有効な対策を講じなければ、結果として有機性廃棄物の早期安定化を図ることができない。しかしながら、従来の方法では、埋立られた有機性廃棄物に対して、埋立完了以前に早期安定化の方法を講じるものであるので、埋立完了後に起こり得るこの種の問題に対しては、有効な方法ではなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的とするところは、埋立完了後の有機性廃棄物の効率的な早期安定化を図り得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、上記課題を解決するために、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って該基準深地温の実測値を求める第1工程と、地下に向けての温度勾配が一定であると仮定して実測値より所定温度を有する発熱源の地表面からの深さを推定する第2工程と、該推定された深さに等温面を持つ有限要素モデルを作成して地表面温度を固定した熱伝導解析を行う第3工程と、該第3工程より得られる基準深地温の解析結果と実測値を比較してその差に基づいて有限要素モデルの等温面の深さを補正する第4工程と、を含み、第3工程の解析結果と実測値が一致するまで、第4工程の有限要素モデル補正と、補正された有限要素モデルに基づく第3工程の熱伝導解析を繰り返し行うことを特徴とする。ここで、「地表面から所定深さ」とは、地中であって、かつ地表面近傍までの深さを意味する(以下、同様)。
【0012】
また、上記課題を解決するための別の態様である請求項2に係る発明は、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って、該基準深地温の実測値を求める第1工程と、発熱源を含む所定領域の有限要素モデルを作成し、所定領域内に複数の発熱源を仮定して各々の発熱源について熱伝導解析を行う第2工程と、該第2工程により得られた基準深地温の解析結果を重ね合わせて実測値と比較し、発熱源位置を推定する第3工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
前記請求項1又は請求項2に係る発明によれば、いずれも地表面から所定深さの地温である基準深地温の実測に基づいて、地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源位置を探査することができる。
【発明の効果】
【0014】
処分場において、埋立られた有機性廃棄物は酸化分解による発熱を伴って、やがて安定化に至るとその発熱が収まるため、安定化に至っていない有機性廃棄物は発熱源と成り得る。すなわち、この種の処分場に本発明に係る有機性廃棄物中の発熱源探査方法を用いれば、地表面から所定深さの基準深地温の実測に基づいて、有機性廃棄物の安定化の進行状況を安価かつ迅速に探査できると共に、安定化が遅れている有機性廃棄物を効率的に探査することができる。そのため、この種の有機性廃棄物に対して、早期安定化を図る手段を無駄なく的確に講じることができ、結果として効率的な廃棄物の早期安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態について以下に図面に基づいて説明する。なお、第1の実施形態は、請求項1記載の有機性廃棄物中の発熱源探査方法に係る一実施形態を示すもので、地温が通常一定となっていることを用いて、地下に埋立処分された有機性廃棄物が発熱して成る発熱源の等温面を熱伝導解析により逆同定し、有機性廃棄物中の発熱源位置を推定するものである。
【0016】
図1は本実施形態のフローチャートを示すものである。同図に示すように、まず地表面から地下1mの地温である1m深地温を測定する(S1)。なお、地温の実測は1m深地温に限らず、地盤の状態などに合わせ、有機性廃棄物中の発熱源による地下の温度分布が反映される地表面付近の地温を測定するものであれば良い(以下、同様)。
【0017】
次いで、図2に示すように地下に向けて温度勾配が一定であると仮定して、計測された1m深地温より発熱源の等温面深さの推定値Lを算出する(S2)。このときの推定値Lは、以下の数式1により算出される。
【数1】
【0018】
ここで、1は地表面からの距離(1mに固定)、Tsは発熱源の想定温度(解析対象領域内で一定)、Tmは計測された温度、Toは地表面温度とする。
【0019】
この推定さらた深さLに等温面を持つ有限要素モデルを作成し、地表面温度を固定した熱伝導解析を行う(S3)。この熱伝導解析より得られる1m深地温の解析結果と実測結果を比較して、一致するかどうかを判断する(S4)。一致する場合はその発熱源の等温面モデルを正解として、発熱源の位置を決定して解析を終了する(S6)。また、一致しない場合には、熱伝導解析より得られる1m深地温の解析結果と実測結果との差dTより等温面の位置をdL分補正した有限要素モデルを作成する(S5)。このとき、この位置補正dLは、以下の数式2により算出される。
【数2】
【0020】
この補正された有限要素モデルにより再度熱伝導解析を行い、1m深地温の解析結果と実測値が一致するまでS3〜S5のステップを繰り返す。なお、上記熱伝導解析は、熱伝導方程式の定常解析に従うものとする。また、解析結果が実測値の所定誤差範囲内に入れば、解析結果と実測値が一致したと見なすことができ、この誤差範囲は測定に求められる精度をもって、適宜設定することができる。
【0021】
次に本実施形態に係る有機性廃棄物中の発熱源探査方法を用いた発熱源の2次元探査方法を図面に基づいて以下に説明する。
【0022】
まず、1m深地温の実測結果が図3に示すような温度分布をもって計測されたとする。この実測結果につき、各計測値を数式1に代入して、それぞれの計測点について推定値Lを算出すると、図4に示すように発熱源の等温面深さ(推定値L)の分布(図中の黒塗り菱形で示す点)を得る。同図に示すように、この推定値Lに等温線をもつ等温線モデル(図中の黒塗り四角で示す点)を作成し、図5に示すような有限要素モデルを作成する。この有限要素モデルに基づいて、地表面温度を固定した熱伝導解析を行った結果が、図6に示すものである。この解析結果より、図7に示すように、1m深地温の解析値(図中の黒塗り四角で示す点)を求めて、実測値(図中の黒塗り菱形で示す点)と比較を行う。同図より、1m深地温の実測値と解析結果の温度差dTを算出して、図8に示すように、数式2より等温線の深さの補正値dLを求める。この補正値dLに基づいて、有限要素モデルを補正した結果が図9に示すものである。この補正さらた有限要素モデルに基づいて、前記熱伝導解析と同様に地表面の温度を固定した熱伝導解析を行った結果が図10に示すものである。以下、同様にして、発熱源の等温線を補正した有限要素モデルについて熱伝導解析を繰り返し、実測値と解析結果が一致したところで解析を終了し、このときの等温線モデルに基づいて発熱源の2次元分布位置を決定する。
【0023】
以上は、有機性廃棄物中の発熱源の2次元探査方法を説明したが、1m深地温の温度分布を複数点にわたり測定し、これらにより得られる各々の解析結果である等温線モデルを適宜足し合わせて等温面を作成することによって、発熱源の3次元探査を行うことも可能である。また、予め1m深地温の3次元温度分布を作成し、3次元熱伝導解析を行うことで、上記発熱源の2次元同定方法と同様にして、発熱源の3次元探査を行うことも可能である。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について以下に図面に基づいて説明する。なお、第2の実施形態は、請求項2記載の有機性廃棄物探査方法に係る一実施形態を示すもので、熱源の位置や数を変化させて多数のシミュレーションを行い、この結果を比較することで、発熱源位置を推定するものである。
【0025】
図11は、本実施形態のフローチャートを示すものである。同図に示すように、まず地表面から地下1mの地温である1m深地温を測定する(S10)。
【0026】
次いで、図12(a)に示すように、発熱源を含む所定領域の有限要素モデルを作成し、所定領域内に同一の温度をもつ複数の発熱源(例えば、図12(a)の黒塗り四角で示す点)を仮定して各々の発熱源について熱伝導解析を行う(S20)。各々の点における熱伝導解析結果を例示したものが図12(c)〜(d)である。なお、上記熱伝導解析は熱伝導方程式の定常解析に従うものとする。
【0027】
この熱伝導解析をもとに、計測点での温度は以下の数式3により算出される。
【数3】
【0028】
ここで、tiはi番目の計測点における1m深地温の計測温度であり、Tijはj番目の単一発熱源により生じたi番目の計測点における温度、αjはj番目の単一発熱源が計測点に及ぼす影響度を表わす係数である。
【0029】
この係数αを最小二乗法等の方法により求め、このαに基づいて発熱源位置を3次元的に推定する(S30)。
【0030】
本発明に係る上記第1の実施形態又は第2の実施形態によれば、地表面から1mの深さの地温である1m深地温を実測することで、容易に有機性廃棄物中の発熱源の3次元分布を探査することができる。この有機性廃棄物中の発熱源となっている箇所は、酸化分解に伴って有機性廃棄物が発熱しているもので、やがて安定化に至るとその発熱が収まる。すなわち、発熱源となっている有機性廃棄物を探査することで、有機性廃棄物の安定化の進行状況を安価かつ迅速に探査できると共に、安定化が遅れている廃棄物箇所を効率的に探査することができ、結果として効率的な廃棄物の早期安定化を図ることができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、有機性廃棄物中の発熱源探査方法として、上記実施形態のうち、第1の実施形態あるいは第2の実施形態に係る方法を適宜選択することができる。また、これら2つの方法を併用して使用することもできる。
【実施例1】
【0032】
上記第1の実施形態に係る一実施例を説明する。なお、本実施例では、既設最終処分場において、有機性廃棄物の酸化分解による廃棄物地盤の温度上昇に注目し、1m深地温調査および熱伝導解析から、有機性廃棄物層中の発熱源の3次元探査を行った。
【0033】
1m深地温調査は、5mメッシュで測定を行った。この結果を図13に示す。この結果より、平常1m深地温(10℃程度)に対して、13℃以上の高温を示す高温帯が観測された。特に北側地点は、17℃〜19℃を示す高温が検出され、安定化が進んでいない有機性廃棄物層の浅層分布が想定される。これは、1m深地温の熱源の影響を受けない平常時の温度(10℃程度)に対して7℃以上高く、地下の発熱源位置を忠実に反映していると考えられる。
【0034】
なお、上記1m深地温分布に基づいた有機性廃棄物層の3次元探査を行うに際し、有機性廃棄物層の想定温度は、ガス抜き管内の温度険層結果に基づき20℃と設定し、熱伝導解析では、図14に示すように、基盤岩1、有機性廃棄物層2及び覆土層3からなる有限要素モデル4を用い、解析領域は対象処分場とそれを含む地盤とし、境界条件が温度分布に及ぼす影響が十分小さくなるように領域の大きさを定め、1m深地温の計測点は有限要素モデルの格子点と一致するようにした。また、有機性廃棄物層2などの熱伝導率は、図15に示すように仮定した。
【0035】
上記条件に基づいて有機性廃棄物層中の発熱源の3次元分布を求めた。この解析結果の図13に示すX−X断面領域を図16に示す。これより、20℃を示す有機性廃棄物層は、地表面から2〜10m付近に存在し、3次元的には固まり状に点在することが明らかになった。この結果からも、1m深地温が17℃以上を示す箇所では、処分場の浅層部分(地表面から2m程度)に20℃以上を示す有機性廃棄物層の分布が再現された。
【実施例2】
【0036】
次に、上記第2の実施形態に係る一実施例を以下に説明する。なお、本実施例では、上記実施例1と同様の既設最終処分場における有機性廃棄物層中の発熱源の3次元探査を行うものである。また、1m深地温の実測値や、熱伝導解析に用いる初期の有限要素モデルあるいは有機性廃棄物層などの熱伝導率は、第1の実施例と同様とする。
【0037】
解析に当たっては、有機性廃棄物層において、単一の発熱源を仮定し、計測点における温度を求めた。同様にして、発熱源を有機性廃棄物層内で移動させ、各格子点に発熱源を仮定した場合につき、各々で計測点の温度を求め、数式2に基づいてαの大きさを求めて、発熱源位置の同定を行った。
【0038】
図17に解析モデルにおける1m深地温分布の解析結果を示す。なお、図中において、ハッチングを施していない地中領域は11℃以下の温度分布を示す領域である。ここで、一般に有機性廃棄物層の深い部分で有機物の発熱があると、1m深地温の温度変化は広範囲でなだらかなものとなる。しかし、今回の5mメッシュによる1m深地温計測結果では、温度が急変する箇所がいくつか計測されており、浅層部分での発熱が考えられる。
【0039】
本実施例の解析において、3次元の発熱源になる有機性廃棄物層の分布を求めたが、図13に示すX−X断面領域の解析結果を図18に示す。なお、図中において、ハッチングを施していない地中領域は11℃以下の温度分布を示す領域である。これより、有機性廃棄物層中に同一の発熱量を有する点があった場合の計測点における温度を求めた結果、発熱源である有機性廃棄物層は、地表面から5〜10m付近に分布し、3次元的には固まり状に点在することが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態のフローチャートを示す図である。
【図2】地下の温度勾配を説明する図である。
【図3】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図4】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図5】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図6】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図7】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図8】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図9】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図10】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図11】第2の実施形態のフローチャートを示す図である。
【図12】発熱源位置の同定方法を説明する図である。
【図13】第1の実施例を説明する図である。
【図14】第1の実施例を説明する図である。
【図15】第1の実施例を説明する図である。
【図16】第1の実施例を説明する図である。
【図17】第2の実施例を説明する図である。
【図18】第2の実施例を説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
1 基盤岩
2 有機性廃棄物層
3 覆土層
4 有限要素モデル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、前記発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、
地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って該基準深地温の実測値を求める第1工程と、
地下に向けての温度勾配が一定であると仮定して前記実測値より所定温度を有する発熱源の地表面からの深さを推定する第2工程と、
該推定された深さに等温面を持つ有限要素モデルを作成して地表面温度を固定した熱伝導解析を行う第3工程と、
該第3工程より得られる基準深地温の解析結果と前記実測値を比較してその差に基づいて前記有限要素モデルの等温面の深さを補正する第4工程と、
を含み、前記第3工程の解析結果と実測値が一致するまで、前記第4工程の有限要素モデルの補正と、補正された有限要素モデルに基づく前記第3工程の熱伝導解析を繰り返し行うことを特徴とする有機性廃棄物中の発熱源探査方法。
【請求項2】
地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、前記発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、
地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って、該基準深地温の実測値を求める第1工程と、
前記発熱源を含む所定領域の有限要素モデルを作成し、前記所定領域内に複数の発熱源を仮定して各々の発熱源について熱伝導解析を行う第2工程と、
該第2工程により得られた基準深地温の解析結果を重ね合わせて前記実測値と比較し、発熱源位置を推定する第3工程と、
を含むことを特徴とする有機性廃棄物中の発熱源探査方法。
【請求項1】
地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、前記発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、
地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って該基準深地温の実測値を求める第1工程と、
地下に向けての温度勾配が一定であると仮定して前記実測値より所定温度を有する発熱源の地表面からの深さを推定する第2工程と、
該推定された深さに等温面を持つ有限要素モデルを作成して地表面温度を固定した熱伝導解析を行う第3工程と、
該第3工程より得られる基準深地温の解析結果と前記実測値を比較してその差に基づいて前記有限要素モデルの等温面の深さを補正する第4工程と、
を含み、前記第3工程の解析結果と実測値が一致するまで、前記第4工程の有限要素モデルの補正と、補正された有限要素モデルに基づく前記第3工程の熱伝導解析を繰り返し行うことを特徴とする有機性廃棄物中の発熱源探査方法。
【請求項2】
地下に埋立られた有機性廃棄物が発熱して成る発熱源によって生じる地下の温度分布に基づいて、前記発熱源を探査する有機性廃棄物中の発熱源探査方法であって、
地表面から所定深さの地温である基準深地温の測定を行って、該基準深地温の実測値を求める第1工程と、
前記発熱源を含む所定領域の有限要素モデルを作成し、前記所定領域内に複数の発熱源を仮定して各々の発熱源について熱伝導解析を行う第2工程と、
該第2工程により得られた基準深地温の解析結果を重ね合わせて前記実測値と比較し、発熱源位置を推定する第3工程と、
を含むことを特徴とする有機性廃棄物中の発熱源探査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−58132(P2006−58132A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240035(P2004−240035)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(599052967)日本技術開発株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(599052967)日本技術開発株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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