説明

有機性廃水処理設備および方法

【課題】嫌気性消化工程および好気性処理工程における鉄成分の不足を解消して嫌気性消化工程および好気性処理工程の双方の処理能力を最大限に発揮させることができる有機性廃水処理設備および方法を提供する。
【解決手段】有機性廃水を嫌気性消化する嫌気性消化槽51と、嫌気性消化槽51の消化汚泥512を固液分離する固液分離手段53と、固液分離手段53により分離した液相分を好気的に生物処理する好気性処理槽54と、前記嫌気性消化槽51に鉄成分を供給する鉄成分供給手段511と、固形物を含んだ前記消化汚泥の一部を前記嫌気性消化槽51から前記好気性処理槽54へ供給する消化汚泥供給手段513を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃水処理設備および方法に関し、有機性物質を高濃度に含みながらも、生物処理に必要な微量元素の含有量が少ない有機性廃水を処理する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な有機性廃水に較べて有機性物質を高濃度に含む高濃度有機性廃水、例えば、パーム油製造廃水(以下においてPOMEと称す)、タピオカやポテト等の澱粉加工廃水、糖蜜精製廃水(モラセス)、バイオマスエタノール蒸留残渣等を処理する方法としては、以下のようなものがある。
【0003】
図4に示すように、原料1の高濃度有機性廃水は嫌気性消化槽2で嫌気性消化(メタン発酵)し、嫌気性消化槽2の消化汚泥3を脱水機、沈殿池、膜分離装置等の固液分離手段4で固液分離し、その脱離液5を好気性処理槽6で曝気により活性汚泥処理して処理水7を放流する。
【0004】
嫌気性消化槽2で生じるバイオガス8はバイオガススクラバー9で処理し、バイオガス8の中に含まれる硫化水素を除去する。バイオガススクラバー9に代えて乾式脱硫塔を使用する場合もある。固液分離手段4から排出する脱水ケーキ等の固形分10は乾燥、肥料化等の処理を行なう。
【0005】
嫌気性消化槽2がラグーンである場合には、固液分離手段4を設けずに、上澄みの表層水のみを好気性処理槽6へ送る。ラグーンの沈殿汚泥は浚渫除去するが、性状は脱水ケーキと同様である。
【0006】
先行技術文献としては特許文献1および2がある。特許文献1に記載する技術は、メタン発酵処理における脱硫方法であり、有機性廃棄物をメタン発酵槽でメタン発酵処理する際に、メタン発酵槽、あるいはメタン発酵槽の前段に配置して有機性廃棄物を貯留する原料供給槽、あるいは有機性廃棄物をメタン発酵槽へ供給する原料移送系において、有機性廃棄物に液状無機鉄化合物からなる脱硫剤を添加するものである。
【0007】
特許文献2に記載する技術は、バイオガスの硫化水素除去方法であり、嫌気性発酵槽にバイオマスを供給する工程と、バイオマスを発酵させてバイオガスおよび嫌気性発酵液を得る工程と、嫌気性発酵液を排水処理する工程と、排水処理により生じる汚泥を鉄系凝集剤で凝集させる工程と、凝集させた汚泥を分離して鉄系凝集剤を含む濃縮汚泥を得る工程と、濃縮汚泥の少なくとも一部を嫌気性発酵槽に返送する工程と、濃縮汚泥が返送された嫌気性発酵槽からバイオガスを回収する工程を行なうものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−307035公報
【特許文献2】特開2009−207944公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、図4に示す構成において、例えばPOMEを原料1として嫌気性消化すると、メタン発酵が進行してバイオガスが発生する。嫌気性消化槽2でメタン発酵が進行するとメタン発酵に活用できる槽内の鉄成分が不足してメタン発酵が阻害され、POME中の有機性物質の分解率が低下する。また、メタン発酵により生成する硫黄成分は、結合できる鉄成分が不足するために、硫化水素となってバイオガス中に含まれることになり、バイオガス中の硫化水素濃度が高濃度となり、3000ppm程度に達することがある。
【0010】
このため、バイオガスはバイオガススクラバー9で生物脱硫して硫化水素を除去するが、バイオガス中の硫化水素濃度が高濃度である場合には、バイオガススクラバー9の生物脱硫の処理が不安定になり易い。
【0011】
嫌気性消化槽2の消化汚泥中には、まだBOD成分や窒素成分が残存しているので、放流基準を満足していない場合には、BOD除去、脱窒、脱リン等を目的として好気性処理槽6で好気性処理を行なう。また、好気性処理における負荷を下げるために、消化汚泥を固形分離手段4で分離した脱離液5を好気性処理する。
【0012】
しかしながら、嫌気性消化槽2の消化汚泥3を固液分離すると、特許文献1のように、嫌気性消化槽2に脱硫剤としての液状無機鉄化合物を添加したとしても、添加された鉄成分はほとんどが脱水ケーキ10の中に移行し、脱離液5に含まれる鉄成分が極端に少なくなる。このため、脱離液5を好気性処理槽6で好気処理すると、鉄成分不足によって、活性汚泥の育成が阻害される場合がある。この不足する鉄成分を補うために、硫酸鉄、塩化鉄等の溶解性鉄を好気性処理槽6へ直接投入する必要が生じる。
【0013】
しかしながら、投入した溶解性鉄の多くは好気性処理槽6から余剰汚泥とともに流出するので、好気性処理槽6に継続的に鉄成分を添加する必要が生じる。
本発明は上記した課題を解決するものであり、嫌気性消化工程および好気性処理工程における鉄成分の不足を解消して嫌気性消化工程および好気性処理工程の双方の処理能力を最大限に発揮させることができる有機性廃水処理設備および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の有機性廃水処理設備は、有機性廃水を嫌気性消化する嫌気性消化槽と、嫌気性消化槽の消化汚泥を固液分離する固液分離手段と、固液分離手段により分離した液相分を好気的に生物処理する好気性処理槽と、前記嫌気性消化槽に鉄成分を供給する鉄成分供給手段と、固形物を含んだ前記消化汚泥の一部を前記嫌気性消化槽から前記好気性処理槽へ供給する消化汚泥供給手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の有機性廃水処理設備において、前記好気性処理槽の余剰汚泥を前記嫌気性消化槽へ返送する余剰汚泥返送手段を備えることを特徴とする。
本発明の有機性廃水処理設備において、前記好気性処理槽から排出する好気性処理水を凝集分離処理する凝集分離槽と、前記凝集分離槽に鉄系凝集剤を供給する凝集剤供給手段と、前記凝集分離槽の凝集物を前記嫌気性消化槽へ供給する凝集物供給手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の有機性廃水処理方法は、有機性廃水を嫌気性消化する嫌気性消化工程と、嫌気性消化槽の消化汚泥を固液分離する固液分離工程と、固液分離工程で分離した液相分を好気的に生物処理する好気性処理工程と、前記嫌気性消化工程に鉄成分を供給する鉄成分供給工程と、固形物を含んだ前記消化汚泥の一部を前記嫌気性消化工程から前記好気性処理工程へ供給する消化汚泥供給工程を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の有機性廃水処理方法において、前記好気性処理工程の余剰汚泥を前記嫌気性消化工程へ返送する余剰汚泥返送工程を備えることを特徴とする。
本発明の有機性廃水処理方法において、前記好気性処理槽から排出する好気性処理水を凝集分離処理する凝集分離工程と、前記凝集分離工程に鉄系凝集剤を供給する凝集剤供給工程と、前記凝集分離工程の凝集物を前記嫌気性消化工程へ供給する凝集物供給工程を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、嫌気性消化槽に鉄成分を供給することで嫌気性消化槽で行なう嫌気性消化工程での鉄成分の欠乏を防止してメタン発酵を高効率で安定して行なうことができる。また、好気性処理槽で行なう好気性処理工程に嫌気性消化工程の固形物を含んだ消化汚泥を供給することで、好気性処理槽では鉄成分が消化汚泥に含まれた状態で存在し、その槽外への流出を抑制できるので、活性汚泥が消化汚泥に含まれた鉄成分を利用して好気性の生物処理を安定して行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における有機性廃水処理設備を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態における有機性廃水処理設備を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態における有機性廃水処理設備を示すブロック図
【図4】従来の有機性廃水処理設備を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、嫌気性消化槽51は原料521の有機性廃水を嫌気性消化(メタン発酵)するものであり、嫌気性消化槽51へ鉄成分522を供給する鉄成分供給手段511を備えている。鉄成分は溶液もしくは固形物として供給する。鉄成分は嫌気性消化槽51の前段、つまり原料貯留槽や可溶化槽(図示省略)において投入することも可能である。
【0021】
嫌気性消化槽51の下流側には消化汚泥512を移送する消化汚泥経路513を介して接続された固液分離手段53が設けてある。固液分離手段53は嫌気性消化槽51の消化汚泥512を固液分離するものであり、遠心脱水機、フィルタープレス、多重円板脱水機等の脱水機や膜分離装置を使用することができる。
【0022】
固液分離手段53の下流側には脱離液531を移送する脱離液経路532を介して接続された好気性処理槽54が設けてあり、好気性処理槽54は固液分離手段53の脱離液531を活性汚泥処理するものであり、標準活性汚泥法、嫌気好気法、膜分離活性汚泥法などの一般的な活性汚泥処理法が適用できる。好気性処理槽54には処理水541を放流する処理水経路542と、好気性処理槽54の余剰汚泥543を嫌気性消化槽51へ返送する手段をなす余剰汚泥返送経路544が接続している。
【0023】
嫌気性消化槽51と好気性処理槽54の間には、固液分離手段53を通る経路とは別途に、固形物を含んだ消化汚泥512の一部を嫌気性消化槽51から直接に好気性処理槽54へ供給する手段をなす消化汚泥バイパス経路514が消化汚泥経路513から分岐して設けてある。
【0024】
本実施の形態では消化汚泥バイパス経路514を使用するが、消化汚泥バイパス経路514の代替手段として、固液分離手段53から排出される濃縮汚泥や脱水ケーキといった固形物を好気性処理槽54へ供給する経路を設けてもよい。また、消化汚泥バイパス経路514の代替手段として、固液分離手段53に無薬注遠心濃縮、スクリーン等の固形物回収率が低いものを使用し、脱離液531の中に含まれる固形物を多くすることも可能である。
【0025】
嫌気性消化槽51の気相領域は嫌気性消化槽51で生じるバイオガス515を移送するバイオガス経路516を介してバイオガススクラバー55に接続している。
以下、上記した構成における作用を説明する。原料521の有機性廃水、ここではPOMEを嫌気性消化槽51に供給し、鉄成分供給手段511から必要量の鉄成分522、ここでは鉄溶液を添加する。鉄溶液の添加はバイオガス515の中に含まれる硫化水素濃度を指標として行い、POMEの場合にはバイオガス515の中に含まれる硫化水素濃度が1000ppm以下となることを目安とする。ただし、消化汚泥512に含まれる鉄成分濃度はメタン菌が阻害を受けない上限の2000mg/L未満に調整する。
【0026】
ここで、添加する鉄成分としては、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などの無機系の鉄系凝集剤が脱リン効果やpH調整の観点で好ましいが、鉄粉や他の鉄化合物であってもよい。
添加した鉄成分522の存在下でPOMEを嫌気性消化槽51で嫌気性消化(メタン発酵)する。この結果、嫌気性消化槽51で鉄成分が不足することなく高効率なメタン発酵が良好に進行する。また、硫黄成分が還元雰囲気中で鉄成分と結合して析出することで、バイオガス515の中に含まれる硫化水素濃度が低く抑えられる。
【0027】
嫌気性消化槽51で生じるバイオガス515はバイオガススクラバー55で処理され、バイオガス515の中に含まれる硫化水素を除去する。嫌気性消化槽51で生じるバイオガス515の中に含まれる硫化水素濃度の調整がし易いので、バイオガススクラバー55で安定した処理が可能であり、嫌気性消化槽51へ供給する鉄成分の添加量を調整するだけで、硫化水素濃度を基準値未満(通常、ボイラーなどへ供給する場合は10ppm以下)に調整することも可能で、この場合にはバイオガススクラバー55が不要となる。または、バイオガススクラバー55に代えて乾式脱硫塔を使用することも可能である。
【0028】
嫌気性消化槽51の消化汚泥512は固液分離手段53で固液分離して脱離液531を好気性処理槽54へ供給するとともに、消化汚泥バイパス経路514を通して消化汚泥512の一部を嫌気性消化槽51から直接に好気性処理槽54へ供給し、好気性処理槽54で脱離液531および消化汚泥512を活性汚泥処理して処理水541を放流する。固液分離手段53から排出する脱水ケーキ等の固形分532は乾燥、肥料化等の処理を行なう。
【0029】
嫌気性消化槽51から固形物を含んだ消化汚泥512の一部を脱水することなく直接に好気性処理槽54へ供給することで、好気性処理槽54には消化汚泥512に含まれた鉄成分522が消化汚泥512の汚泥中に固定された状態で流入し、活性汚泥中に蓄積する鉄成分522の量が安定する。このため、活性汚泥中の微生物が利用できる鉄成分が増加して鉄成分522が不足することなく活性汚泥処理が安定して継続され、処理水541の水質も安定する。
【0030】
従来においては、好気性処理槽へ鉄成分である塩化第二鉄を直接に投入(100〜300mgFe/L、投入量一定)していたにも関わらず、活性汚泥中の鉄成分濃度は5〜1000mg/Lの範囲で変化しており、非常に不安定であった。
【0031】
一方、本実施の形態では、活性汚泥中の鉄成分濃度は700〜800mg/Lと非常に安定しており、処理水541に含まれるBODも10mg/L以下を達成し、この値を安定して実現できた。消化汚泥中の固形分として含まれる鉄成分が活性汚泥処理へ移行して酸化、水酸化され、活性汚泥中の微生物にとって取り込み易い形態となっているためと考えられる。
【0032】
消化汚泥バイパス経路514を通して好気性処理槽54へ供給する消化汚泥512の量は、活性汚泥中の鉄成分濃度を指標として調整し、活性汚泥のTSに占める鉄成分濃度が0.5重量%以上となることを目安とする。
【0033】
好気性処理槽54の余剰汚泥543は、余剰汚泥返送手段としての余剰汚泥返送経路544を通して嫌気性消化槽51へ返送する。好気性処理槽54の余剰汚泥543の中に含まれる鉄は水酸化されている(硫化鉄中の硫黄は硫酸となる)。このため、好気性処理槽54の余剰汚泥543を嫌気性消化槽51の槽内のメタン発酵汚泥へ返送することで、硫化水素と再結合が可能となる。よって、初期の鉄成分522の投入量を削減できる。さらに、POMEを処理する場合には、好気性処理槽54のpHが高くなりがちであるが、硫酸ができるとpHが低下して処理に好影響を与える。
【0034】
この余剰汚泥543は、その一部を嫌気性消化槽51へ返送して残りを別途に処理しても良く、あるいは全量を嫌気性消化槽51へ返送しても良い。全量を嫌気性消化槽51へ返送する場合には、一種の鉄リサイクルシステムを実現でき、鉄成分521の投入量を抑制する状態でも、バイオスクラバー55などの外部脱硫装置や、嫌気性消化槽51へ微量の空気を吹き込む空気吹き込み脱硫装置を省略できる。この結果、空気吹き込み脱硫におけるガス燃焼リスクを回避でき、システムの安全性が増し、硫酸生成による腐食などの問題も回避できる。
【0035】
以上のように、本実施の形態によれば、嫌気性消化と好気性処理の双方の処理能力を最大限に発揮できる。
図2に示すように、固液分離手段53として、浸漬型平膜、浸漬型中空糸膜等の膜分離装置100を浸漬した膜分離槽101を使用することができる。この場合には、膜分離槽101は消化汚泥経路513と一部返送経路102を介して嫌気性消化槽51と接続し、膜分離槽101と嫌気性消化槽51との間で消化汚泥の循環路を形成し、循環路を通して消化汚泥が循環することで、膜分離槽101において汚泥の過濃縮による膜の閉塞を防止する。膜分離槽101の濃縮汚泥103はさらに脱水するなどした後に肥料等として利用される。そして、膜分離装置100に備えられた分離膜を透過した膜透過液104を好気性処理槽54に供給する。他の作用効果は先の実施の形態と同様である。
【0036】
また、図3に示す構成とすることも可能である。すなわち、好気性処理槽54から排出する好気性処理水を凝集分離処理する凝集分離槽200と、凝集分離槽200に鉄系凝集剤の鉄溶液201を供給する凝集剤供給手段202と、凝集分離槽200の凝集物を嫌気性消化槽51へ供給する凝集物供給経路203を備える。
【0037】
この構成では、鉄溶液201で好気性処理槽54から排出する好気性処理水を凝集分離し、その凝集汚泥を嫌気性消化槽51へ供給することで、鉄成分供給手段511とともに、嫌気性消化槽51に鉄成分を添加する。この構成においては、凝集物供給経路203が鉄成分供給手段511の一部および余剰汚泥返送経路544であるとみなせる。
【0038】
この構成によれば、リン規制がある場合など、処理水中のリン濃度を調整し易い。処理水質の達成のために鉄投入量が多く必要な場合(嫌気、好気生物反応の許容範囲を超える場合)においては、凝集汚泥の返送量を調整することにより、凝集汚泥の返送のみでシステム全体の鉄循環量が維持できる。
【0039】
凝集分離槽200で処理する液は、膜分離装置を通った膜透過液であっても良い。また、凝集分離汚泥の一部を固液分離手段53に投入しても良い。
【符号の説明】
【0040】
51 嫌気性消化槽
521 原料
522 鉄成分
511 鉄成分供給手段
512 消化汚泥
513 消化汚泥経路
53 固液分離手段
531 脱離液
532 脱離液経路
54 好気性処理槽
541 処理水
542 処理水経路
543 余剰汚泥
544 余剰汚泥返送経路
514 消化汚泥バイパス経路
515 バイオガス
516 バイオガス経路
55 バイオガススクラバー
100 膜分離装置
101 膜分離槽
102 一部返送経路
103 濃縮汚泥
104 膜透過液
200 凝集分離槽
201 鉄溶液
202 凝集剤供給手段
203 凝集物供給経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃水を嫌気性消化する嫌気性消化槽と、嫌気性消化槽の消化汚泥を固液分離する固液分離手段と、固液分離手段により分離した液相分を好気的に生物処理する好気性処理槽と、前記嫌気性消化槽に鉄成分を供給する鉄成分供給手段と、固形物を含んだ前記消化汚泥の一部を前記嫌気性消化槽から前記好気性処理槽へ供給する消化汚泥供給手段を備えることを特徴とする有機性廃水処理設備。
【請求項2】
前記好気性処理槽の余剰汚泥を前記嫌気性消化槽へ返送する余剰汚泥返送手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃水処理設備。
【請求項3】
前記好気性処理槽から排出する好気性処理水を凝集分離処理する凝集分離槽と、前記凝集分離槽に鉄系凝集剤を供給する凝集剤供給手段と、前記凝集分離槽の凝集物を前記嫌気性消化槽へ供給する凝集物供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃水処理設備。
【請求項4】
有機性廃水を嫌気性消化する嫌気性消化工程と、嫌気性消化槽の消化汚泥を固液分離する固液分離工程と、固液分離工程で分離した液相分を好気的に生物処理する好気性処理工程と、前記嫌気性消化工程に鉄成分を供給する鉄成分供給工程と、固形物を含んだ前記消化汚泥の一部を前記嫌気性消化工程から前記好気性処理工程へ供給する消化汚泥供給工程を備えることを特徴とする有機性廃水処理方法。
【請求項5】
前記好気性処理工程の余剰汚泥を前記嫌気性消化工程へ返送する余剰汚泥返送工程を備えることを特徴とする請求項4に記載の有機性廃水処理方法。
【請求項6】
前記好気性処理槽から排出する好気性処理水を凝集分離処理する凝集分離工程と、前記凝集分離工程に鉄系凝集剤を供給する凝集剤供給工程と、前記凝集分離工程の凝集物を前記嫌気性消化工程へ供給する凝集物供給工程を備えることを特徴とする請求項4に記載の有機性廃水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−206022(P2012−206022A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73780(P2011−73780)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】