説明

有機照明源及び制御された照明の方法

少なくとも1つのOLEDパネル(18R、18G、18B)を含みこの少なくとも1つのOLEDパネル(18R、18G、18B)により生成された光の出口ポート(IS)を画成し包囲しており、かつ該ポート(16)の面積より大きい表面積を有する少なくとも1つの内面(14)を有する三次元構造体(12)を含む照明源(10)が開示されている。照明源(10)の光出力の色及び/又は強度を調整する方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に有機照明源に関する。本発明は特に照明が制御可能である有機照明源に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な照明用途において、照明が制御可能な照明源を有するのが望ましい。かかる場合、有機発光デバイス(OLED)が従来の照明源の有効な代替手段となることができる。
【0003】
特定の有色OLED照明源を提供するための従前のアプローチでは、赤色、青色、及び緑色を発するOLEDのような着色光アレイを有する複数の発色パネル又はフラットパネルディスプレイを有する重ねたOLEDを使用している。かかるアプローチでは、所望の照明効果に必要な所要の光強度及び色混合を得ることができないことがある。
【特許文献1】米国特許第5652930号明細書
【特許文献2】米国特許第5677546号明細書
【特許文献3】米国特許第6602540号明細書
【特許文献4】米国特許第6566808号明細書
【特許文献5】米国特許第6800999号明細書
【特許文献6】米国特許第6841949号明細書
【特許文献7】米国特許第7049757号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2002/0190661号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0105264号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2004/0135160号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2004/0251818号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/0164470号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0170736号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2005/0280359号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2006/0125410号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、照明源を調整(チューニング)して所望の強度、色度、及び演色指数を提供することができる領域照明源(area illumination source)を提供することが極めて望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態では、照明源は少なくとも1つのOLEDパネルを含む少なくとも1つの内面を含む三次元構造体を含んでおり、前記少なくとも1つの内面は、前記少なくとも1つのOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成すると共に包囲し、かつそのポートの面積より大きい表面積を有している。
【0006】
本発明の別の実施形態では、照明源は複数のOLEDパネルを含む少なくとも1つの内部曲面を含む三次元曲面構造体を含んでおり、前記少なくとも1つの内部曲面は、前記複数のOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成すると共に包囲しており、かつそのポートの面積より大きい表面積を有している。
【0007】
本発明のさらに別の実施形態では、少なくとも1つのOLEDパネルを含む照明源の光出力の色及び/又は強度を調整する方法は、前記少なくとも1つのOLEDパネルを含む少なくとも1つの内面を含む三次元構造体を含み、前記少なくとも1つの表面が前記少なくとも1つのOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成すると共に包囲し、かつ前記ポートの面積より大きい表面積を有する、照明源を提供し、前記少なくとも1つのOLEDパネルに電気出力を提供することにより、前記照明源の光出力の色及び/又は強度を調整する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の上記及びその他の特徴、局面、及び利点は添付の図面をを参照して以下の詳細な説明を読めばより良く理解できるであろう。図面中、類似の数字は類似の部分を表す。
【0009】
本発明の実施形態は有機照明源及び制御された照明の方法に関する。本明細書で使用する場合、用語「有機照明源」とは有機発光デバイス(OLED)照明源を指す。本明細書で使用する場合、用語「OLED」とは、一般に有機発光物質を含むデバイスを指し、限定されることはないが有機発光ダイオードを包含する。本明細書で使用する場合、用語「OLEDエレメント」とは、2つ以上の電極とこれら2つの電極間に配置された発光性有機物質とを含む、本発明の照明源の基本的な光生成性の単位をいう。本明細書で使用する場合、用語「OLEDパネル」とは、少なくとも1つのOLEDエレメントを含む光生成性の単位をいう。
【0010】
本明細書で使用する場合、用語「制御された照明」とは、照明源の強度、色度、及び/又は演色指数(CRI)の制御をいう。
【0011】
当業者には分かるように、OLEDエレメントは通例、2つの電極間に挟まれた少なくとも1つの有機層、通例エレクトロルミネセント層を含んでいる。適当な電圧をOLEDにかけると、注入された正負の電荷がエレクトロルミネセント層内で再結合して光を生成する。OLEDエレメントは正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、光吸収層、カソード層、アノード層又はこれらの任意の組合せのような追加の層を含んでいてもよい。本発明のOLEDエレメントは、限定されることはないが、1つ以上の基材層、耐磨耗層、接着剤層、耐薬品性層、フォトルミネセント層、放射線吸収層、放射線反射層、バリヤー層、平坦化層、光拡散層、及びこれらの組合せのような他の層を含み得る。
【0012】
一実施形態では、本発明は三次元構造体を含む照明源に関する。この構造体は少なくとも1つのOLEDパネルを有する少なくとも1つの内面を含んでいる。この内面は、少なくとも1つのOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成すると共に包囲しており、そのポートの面積より大きい表面積を有している。別の実施形態では、少なくとも1つの内面はポートの面積より大きい発光面積を有している。有利なことに、本発明の一実施形態における照明源は、ポートの面積に等しい発光面積を有する二次元の平面状照明源と比較して、ポートを通してより大きい光束を生成することができる。さらに、本発明の一実施形態では、異なる波長で放出する2つ以上のOLEDパネルが存在する場合、有益なことに、この照明源は、平面状照明源において異なる波長で放出する一列のOLEDパネルより良好な色混合を提供する。有利には、三次元配列のOLEDパネルにおいて、異なる波長で放出する特定の配列の2つ以上のOLEDパネルは、本発明の実施形態で提案されるように高まった色混合を提供することができる。
【0013】
図1に示す実施形態では、照明源10は内部曲面14を有する三次元構造体12を含んでいる。図1に示した半球状構造体は本発明の三次元構造体の非限定例である。曲面14は光が出現する際に通るポート16を画成している。
【0014】
一実施形態では、ポートの縁部は単一の平面内にあることができる。別の実施形態では、ポートの縁部は単一の平面内にはない。本発明の幾つかの実施形態では、ポートの縁部は規則的でもよいし、又はギザギザ状のような不規則状であってもよい。
【0015】
図2に示した照明源10の断面図において、内部曲面14はOLEDパネル18R、18G、及び18Bを含んでいる。この実施形態では、OLEDパネル18R、18B、及び18Gは、それぞれ可視スペクトルの赤色(R)、青色(B)、及び緑色(G)領域の光を発するように構成されている。図3は、照明源のポートの中を見た底面図であり、照明源10内の赤色(R)18R、青色(B)18B、及び緑色(G)18GのOLEDパネルの配列を示している。別の実施形態では、この内面はまた第4の色の光を発することができるOLEDパネルも含んでいる。図4に示した実施形態では、OLEDパネル18は赤色(R)18R、青色(B)18B、及び緑色(G)18GのOLEDパネルと共に白色(W)18W発光パネルを含んでいる。この図示した実施形態ではOLEDパネルは非平面状、特に曲面であるが、他の実施形態ではOLEDパネルは曲率のない平面状であってもよい。
【0016】
本発明の幾つかの実施形態では、照明源内のOLEDパネルは物理的にモジュール状である。本明細書で使用する場合、用語「物理的にモジュール状」とは、パネルが、他のパネルを解体又は除去することなく取り外したり交換したりすることができることを意味している。別の実施形態では、パネルは簡易脱着式コネクターを用いて装着される。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態では、照明源内のOLEDパネルは「電気的にモジュール状」である。本明細書で使用する場合、用語「電気的にモジュール状」とは、あるパネルが電気的に独立して制御され得るというそのパネルの属性をいう。例えば、本発明の照明源内に配置されたパネルは、個々のパネルにかかる電圧を各々独立に変化させることができるという点で、「電気的にモジュール状」である。一実施形態では、2つ以上のOLEDパネルを直列に接続することができる。別の実施形態では、2つ以上のOLEDパネルを並列に接続してもよい。
【0018】
図5に示した照明源110は、1つ以上のOLEDパネルから出る光を拡散するためにポートを横切って装着されたディフューザーエレメントのような調光エレメント20を含んでいる。非限定例において、ディフューザーエレメントは、透明な材料の表面をテクスチャー化して表面ディフューザーを作成することで形成される。表面ディフューザーのその他の適切な例としては、一方又は両方の表面が収斂又は発散レンズ構造体及びFresnelレンズ構造体並びにかかる構造体の任意の組合せでテクスチャー化されている透明な材料がある。その他導波及び光屈曲エレメントも使用することができる。一実施形態では、調光フィルムは曲面パネルである。
【0019】
別の実施形態では、散乱エレメントのような調光エレメントがポート16を横切って装着されて、1つ以上のOLEDパネルから出る光を散乱する。散乱エレメントは、高い指数の粒子をより低い指数の媒質中に懸濁させて体積散乱系(volumetric scattering system)を作成することによって形成することができる。
【0020】
調光エレメントはまたフォトルミネセント(PL)エレメントであってもよい。フォトルミネセントエレメントは、入射放射線の幾らかを吸収し異なる波長で再び放出する物質を含んでいる。一実施形態では、PL物質として、OLEDエレメントにより放出された青色領域のような短めの波長の光の少なくとも一部分を吸収し、可視スペクトルの緑色及び/又は赤色領域のようなより長い波長で再び放出する物質がある。例えば、スペクトルの青色部分に吸収極大を示す有機PL物質は、スペクトルの緑色部分で発光を示す。従って、OLEDエレメントにより放出された青色光の吸収されない部分がPL物質により放出された緑色及び赤色光と混じって白色光を生成する。この物質は有機、無機、又は有機及び無機リン光体の混合物であることができる。
【0021】
適切な有機PL物質の幾つかの非限定例は、アゾ染料、アントラキノン染料、ニトロジフェニルアミン染料、1−ニトロソ−2−ナフトール及び6−スルホール−1−ニトロソ−2−ナフトールの鉄(II)錯体(P.F.Gordon及びP.Gregory、「Organic Chemistry in Colour」、Springer−Verlag、Berlin pp.99〜101、105〜106、126、180、253〜255、及び257(1983)に開示されている)である。その他の有機PL物質はクマリン及びキサンテン染料である。また、PL物質には無機リン光体も包含され得る。1種類より多くの希土類イオンをドープしたYAGに基づく適切なリン光体、例えばセリウムドープ酸化イットリウムアルミニウムY3Al512ガーネット(「YAG:Ce」)。緑色を発するリン光体としては、限定されることはないが、Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu2+、Mn2+;GdBO3:Ce3+、Tb3+;CeMgAl1119:Tb3+;Y2SiO5:Ce3+、Tb3+及びBaMg2Al1627:Eu2+,Mn2+がある。赤色を発するリン光体としては、限定されることはないが、Y23:Bl3+,Eu3+;Sr227:Eu2+,Mn2+;SrMgP27:Eu2+,Mn2+;(Y,Gd)(V,B)O4:Eu3+;及び3.5MgO.0.5MgF2,GeO2:Mn4+(マグネシウムフルオロゲルマネート)がある。青色を発するリン光体としては、限定されることはないが、BaMg2Al1627:Eu2+;Sr5(PO410Cl2:Eu2+;(Ba,Ca,Sr)5(PO410(Cl,F)2:Eu2+、(Ca,Ba,Sr)(Al,Ga)24:Eu2+がある。黄色を発するリン光体としては、限定されることはないが、(Ba,Ca,Sr)5(PO410(Cl,F)2:Eu2+,Mn2+がある。
【0022】
非限定例においては、ポリアクリレート、実質的に透明なシリコーン又はエポキシのようなフィルム形成性のポリマー性材料中にリン光体粒子を分散させる。ポリマー性材料とリン光体の混合物の約30体積パーセント未満のリン光体組成物を使用する。混合物中に溶媒を加えて、フィルム形成性材料の粘度を所望のレベルに調節する。非限定例においては、既知重量の非可視光吸収性粒子を10グラムの未硬化ポリジメチルシロキサン樹脂(硬化フィルムに対するn=1.41)と混合することによって、可変の光学的散乱を有する自立性のテープを調製することができる。この用途に適した2種の粉末は冷たい白色(CW)リン光体(d50=6μm)(市販)、及びZrO2粉末(d50=0.6μm)である。メジアンの粒径は光散乱により決定される。典型的な重量装填はZrO2が0.2〜1.76%、CWリン光体粒子が1〜20%である。フィルム形成性材料及びリン光体粒子の混合物は、スプレーコーティング、浸漬コーティング、印刷、又はキャスティングにより基材上に層として形成される。その後、フィルムを基材から除去し、ポートを横切って装着する。
【0023】
有機デバイスは、環境中に存在する酸素、水蒸気、硫化水素、SOx、NOx、溶媒、などのようなデバイスの性能を悪化させる反応性の化学種の攻撃を受け易い。図6に示されているように、本発明のさらに別の実施形態では、照明源210はポート16を横切って装着されたバリヤーエレメント22を含んでいる。バリヤーエレメントはOLEDパネルを保護するのに役立ち得る。別の実施形態では、かかるバリヤーエレメントは、光の透過に少しだけしか影響しないように設計され、デバイスの全体的効率を低下させることなくデバイスの寿命を延ばすのに有用である。一実施形態では、バリヤーエレメントは実質的に透明である。用語「実質的に透明」とは、選択された波長範囲における光の全透過率が約50パーセント以上、好ましくは約80パーセント以上、さらに好ましくは90パーセント以上であり得ることを意味している。選択された波長範囲は可視領域、赤外領域又は紫外領域であることができる。非限定例において、バリヤーパネルは、酸素及び水蒸気のような反応性化学種が、OLEDパネル内の有機物質中に侵入するのを制限する。
【0024】
バリヤーエレメントは、限定されることはないが、有機、無機、ハイブリッド有機−無機物質又は多層の有機−無機物質又は金属フォイルのようなバリヤー物質を含み得る。有機バリヤー物質は炭素、水素、酸素、及び場合によりイオウ、窒素、及びケイ素のような他の微量元素を含み得る。有機物質はアクリレート、エポキシ、エポキシアミン、キシレン、シロキサン、シリコーン、などからなり得る。無機及びセラミック物質は通例、酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、オキシ窒化物、オキシ炭化物、又はこれらの組合せ、第IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、IB、及びIIB族の元素、第IIIB、IVB、及びVB族の金属、及び希土類金属からなる。例えば、シラン(SiH4)及びメタン又はキシレンのような有機物質から生成したプラズマの再結合により炭化ケイ素を基材上に付着させてバリヤーエレメントを形成することができる。別の例において、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、又はオクタメチルシクロテトラシロキサンのようなオルガノシリコーン前駆体から生成したプラズマからオキシ炭化ケイ素を付着させることができる。
【0025】
本発明の別の実施形態では、照明源310は、図7に示されているようにポート16を横切って装着された実質的に透明な発光エレメント24を含んでいる。非限定例において、発光性エレメントは実質的に透明な白色発光性エレメントである。別の実施形態では、白色発光パネルは有機白色発光エレメントである。
【0026】
さらに別の実施形態では、ポートを横切ってパターン創出エレメントを配置してもよい。パターンの非限定例としては、文字及び数を含む信号、幾何学的形状並びに審美的特徴を有するパターンがある。一実施形態では、パターン創出エレメント内のパターンはいろいろな透過率を有する。例えば、パターンは一定の波長又はある範囲の波長の光を優先的に透過又はろ過する。パターンの異なる部分がある波長又はある範囲の波長の光を透過又はろ過してもよい。図8に示す照明源410は、パターン化された文字「EXIT」28を有するパターン創出エレメント26を含んでいる。非限定例において、パターン「EXIT」は赤色の光を優先的に透過するが、パターン創出エレメントの他の部分は不透明である。
【0027】
ポートを横切って装着されるエレメント、例えば、バリヤーエレメント、調光エレメント又はパターン創出エレメントは小面又は曲率をもたない平面状でもよいし、又は小面及び/又は曲率を有する非平面状でもよい。一実施形態では、ポートを横切って装着されるエレメントは取り外し可能なようにポートに結合される。
【0028】
別の実施形態では、本発明の照明源は半円筒状又は部分的に円筒状の三次元構造体(完全に円筒状の構造体の一部分)であり、1つ以上のOLEDパネルはその曲がった内面上に装着される。この構造体の各曲がった端部上に側面がある。一実施形態では、これらの側面が1つ以上のOLEDパネルを含んでいてもよい。別の実施形態では、これらの側面は1つ以上の反射性パネルを含んでいてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態では、OLEDパネルは1つ以上のOLEDエレメントを含んでいる。図9は、OLEDエレメント32及びマウント33を含むOLEDパネル30を示す。本明細書で使用する場合、用語「マウント」とは、OLEDエレメントの機械的支持体をいう。図10に示す別の実施形態では、OLEDパネル34は複数のOLEDエレメント36を含んでいる。図10は複数のOLEDエレメント36を支持するマウント37を含むOLEDパネル34を示している。本発明の別の実施形態では、マウントは反射性材料からなる。非限定例において、反射性材料は金属である。本発明の一実施形態では、マウントの少なくとも1つの表面は曲面である。図9及び図10に示した実施形態では、OLEDエレメントが別のマウント上に支持されているが、本発明の他の実施形態(図示してない)では、OLEDパネルが別のマウントを含んでいない。代わりに、直接一緒に固定されて三次元構造体を形成している。一実施形態では、OLEDパネルはリテーナーピンを用いてフレームに固着される。パネルをフレームに固着するその他の手段としては、限定されることはないが、二重粘着テープの使用、二重粘着形態の使用、接着剤の使用、位置/挿入スロットの使用、及びヒンジの使用がある。
【0030】
パネル上のエレメントは、単一の一対の電気接続部がパネル内に配置された各OLEDエレメントに電力を提供するように、個別に設定(アドレス)可能又は電気的に接続することができる。幾つかの実施形態では、OLEDエレメントは1より多くの波長で光を発することができる縦列(タンデム)の又は重ねたデバイスであり得る。他の実施形態では、OLEDエレメントは直列に接続される。さらに他の実施形態では、1つ以上のOLEDエレメントは並列に接続される。
【0031】
他の実施形態では、三次元構造体は図11〜14に示されているように多数の内部小面(facet)を含んでいる。図11で、照明源38はポート44を画成する5つの小面(4つの側壁と1つの上蓋)を有する三次元構造体40を含んでいる。OLEDパネル42が全ての小面の内面上に装着されている。図12に示した別の実施形態では、照明源46は光が出現する際に通るポート50を有する四面体の三次元構造体48を含んでいる。図13に示した類似の実施形態では、照明源52はポート56を有するピラミッド状の構造体54を含んでいる。図14は、ポート62を画成する複数の外部小面60を有する照明源58を示す実施形態である。
【0032】
本発明の一実施形態では、2つ以上のOLEDパネルの各々の光出力は独立に制御可能である。照明源はさらに、1つ以上のOLEDパネルに対して電気出力を制御し送出するための回路エレメントを含んでいてもよい。別の実施形態では、照明源は1つ以上のOLEDパネルに選択的に電力を供給するように構成されている。OLEDパネル内に含まれる1つ以上のOLEDエレメントは、さらに、各OLEDエレメントからの発光も制御することができる回路エレメントに接続してもよい。照明源はさらに、OLEDパネルに電力を供給するのに必要な所要の電圧を供給するために回路エレメントを含み得る。照明源は利用可能なAC電力を所要のDC電力変換するために直列に配置されたAC−DC変換器及びダイオードのような回路エレメントを含んでいてもよい。別の実施形態では、照明源はAC電力から直接に電力を供給してもよい。照明源中に存在し得る他の回路エレメントの非限定例としては、抵抗器、バリスター、分圧器、及びキャパシターがある。一実施形態では、OLEDエレメントは直列に接続されたOLED構成で互いに接続される。
【0033】
直列接続されたOLED構成及び1つ以上のOLEDパネル又はOLEDエレメントに電気出力を制御し送出するための回路エレメントの使用の一般原理は、米国特許第7049757号、米国特許第6566808号、米国特許第6800999号、2002年7月31日付で出願された出願番号第10/208543号(米国特許出願公開第20020190661号)を有する出願(放棄)、2004年7月10日付で出願された出願番号第10/889498号(米国特許出願公開第20040251818号)を有する同時係属中の出願、及び2006年2月3日付で出願された出願番号第11/347089号(米国特許出願公開第20060125410号)を有する同時係属中の出願を参照することによってより明確に理解することができる。本出願における用語の解釈と意味に関して本出願と上記文献のいずれかとの間で差違がある場合、その差違は本出願で提供する定義又は解釈を優先して解すべきであることに留意されたい。
【0034】
本発明の一実施形態では、照明源の発光は色の調整が可能である。非限定例において、この照明源は白色光を生成する。一実施形態では、白色光は約5500〜約6500°Kの範囲の色温度を有する。本明細書で使用する場合、照明源の「色温度」とは、当該照明源に最も近い色整合を有する黒体源の温度をいう。色整合は通例、慣用のCIE(Commission International de l’Eclairage)色度図に基づいて表され比較される。例えば、「Encyclopedia of Physical Science and Technology」、vol.7、230〜231(Robert A.Meyers編、1987年)を参照されたい。一般に、色温度が上昇するにつれて、光はより青色に見える。色温度が低下するにつれて、光はより赤色に見える。本発明の別の実施形態では、照明源は約2800〜約5500°Kの範囲の色温度を有する白色光を発する。幾つかの実施形態では、照明源は約2800〜約3500°Kの範囲の色温度を有する白色光を発する。幾つかの実施形態では、照明源は約4100°Kの色温度を有する。
【0035】
一実施形態では、色温度が約5500〜約6500°Kの範囲である照明源は、約60〜約99の範囲の演色評価数を有する。本明細書で使用する場合、演色評価数(CRI)は、光源当該を用いて測定した場合、一組の標準色素の見かけ上の色における標準光源に対する歪みの程度の尺度である。CRIは、色ずれを計算することによって決定され、例えば当該光源により生成された三刺激値として標準光源に対して定量化する。通例、5000°Kより低い色温度の場合、使用する標準光源は適当な温度の黒体である。5000°Kより高い色温度の場合、通例日光が標準光源として使用される。白熱灯のような比較的連続的な出力スペクトルを有する光源は、通例、例えば100に等しいか又は近い高いCRIを有する。高圧放電灯のような多重線出力スペクトルを有する光源は、通例、約50〜約90の範囲のCRIを有する。蛍光灯は通例約60より大きいCRIを有する。
【0036】
別の実施形態では、約5500〜約6500°Kの範囲の色温度を有する照明源は約75〜約99の範囲の演色評価数を有する。さらに別の実施形態では、約5500〜約6500°Kの範囲の色温度を有する照明源は約85〜約99の範囲の演色評価数を有する。さらに別の実施形態では、約2800〜約5500°Kの範囲の色温度を有する照明源は約60以上の演色評価数を有する。さらに別の実施形態では、約2800〜約5500°Kの範囲の色温度を有する照明源は約75以上の演色評価数を有する。さらに別の実施形態では、約2800〜約5500°Kの範囲の色温度を有する照明源は約85以上の演色評価数を有する。
【0037】
一実施形態では、照明源は構造体上に装着可能である。非限定例において、照明源は壁に取り付けるのに適している。或いは、照明源は天井に取り付けてもよいし、又は天井から吊り下げてもよい。代わりの実施形態では、照明源は自立性である。
【0038】
別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つのOLEDパネルを含む照明源の光出力の色及び/又は強度を制御する方法に関する。本明細書で使用する場合、用語「色」は色度及び/又はCRIを指す。本方法は、前記少なくとも1つのOLEDパネルを含む少なくとも1つの内面を有する三次元構造体を含む照明源を提供することを含んでおり、前記少なくとも1つの表面は前記少なくとも1つのOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成し包囲する。この内面はポートの面積より大きい表面積を有する。本方法はさらに、前記少なくとも1つのOLEDパネルに電気出力を供給することにより、照明源の光出力の色及び/又は強度を調整することを含んでいる。非限定例において、強度の調整は、同一又は異なる電圧を2つ以上のパネルに印加することによって達成される。本明細書で使用する場合、用語「調整する」は、ある値を選択するか、及び/又は1つの値を別の値に調整することを指すのに使用される。さらに別の例において、強度は1つ以上のパネルに印加される電圧レベルを変えることによって調整される。非限定例において、複数のOLEDパネルを含む照明源における色の調整は、同一又は異なる波長で発光する1つ以上のOLEDパネルに選択的に電力を供給することによって達成される。別の例において、色の調整は、1つ以上のOLEDパネルに電力を供給するのに使用される電力レベルを変えることによって達成される。本方法ではさらに、ポートを横切ってディフューザーを用いて、少なくとも1つのOLEDパネルにより放出された光を拡散することを含んでいてもよい。
【0039】
本明細書では本発明の幾つかの特徴のみを図示し説明して来たが、当業者には多くの修正と変更が自明であろう。従って、特許請求の範囲は全てのかかる修正と変更を本発明の真の思想内に入るものとして包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における照明源の概略図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態における照明源の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態における照明源の概略底面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態における照明源の概略底面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態における調光パネルを含む照明源の概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態におけるバリヤーパネルを含む照明源の概略断面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態における発光パネルを含む照明源の概略断面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態におけるパターン創出パネルを含む照明源の概略図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態におけるOLEDパネルの概略図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態におけるOLEDパネルの概略図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態における照明源の概略図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態における照明源の概略図である。
【図13】図13は、本発明の一実施形態における照明源の概略図である。
【図14】図14は、本発明の一実施形態における照明源の概略図である。
【符号の説明】
【0041】
10 照明源
12 三次元構造体
14 内面
16 ポート
18R、18G、18B OLEDパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのOLEDパネルを含む少なくとも1つの内面を有する三次元構造体を含んでなり、前記少なくとも1つの内面は、前記少なくとも1つのOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成すると共に包囲しており、かつ該ポートの面積より大きい表面積を有する、照明源。
【請求項2】
少なくとも1つの内面がポートの面積より大きい発光面積を有する、請求項1記載の照明源。
【請求項3】
少なくとも1つの内面が曲面である、請求項1記載の照明源。
【請求項4】
三次元構造体が半球状構造体からなる、請求項1記載の照明源。
【請求項5】
三次元構造体が多数の内部小面を含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項6】
三次元構造体が複数の内面を含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項7】
前記少なくとも1つの内面が曲面である、請求項1記載の照明源。
【請求項8】
照明源が約5500〜約6500°Kの範囲の色温度を有する白色光を生成する、請求項1記載の照明源。
【請求項9】
白色光が約60〜約99の範囲の演色評価数を有する、請求項8記載の照明源。
【請求項10】
照明源が約2800〜約5500°Kの範囲の色温度を有する白色光を生成する、請求項1記載の照明源。
【請求項11】
白色光が60以上の演色評価数を有する、請求項10記載の照明源。
【請求項12】
前記少なくとも1つの内面が、第1の色の光を発することができるOLEDパネル、第2の色の光を発することができるOLEDパネル、第3の色の光を発することができるOLEDパネル、及び第4の色の光を発することができるOLEDパネルから選択される2つ以上のOLEDパネルを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項13】
さらに、ポートを横切って配置されたディフューザーエレメントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項14】
さらに、ポートを横切って配置された散乱エレメントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項15】
さらに、ポートを横切って配置されたバリヤーエレメントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項16】
さらに、ポートを横切って装着されたフォトルミネセントエレメントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項17】
さらに、ポートを横切って配置されたパターン創出エレメントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項18】
前記パターン創出エレメントの少なくとも一部分が所望の波長又は波長範囲の光を透過する、請求項17記載の照明源。
【請求項19】
さらに、ポートを横切って配置された透明な発光エレメントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項20】
OLEDパネルがマウントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項21】
マウントの少なくとも1つの表面が曲面である、請求項20記載の照明源。
【請求項22】
マウントが反射性である、請求項20記載の照明源。
【請求項23】
さらに、前記少なくとも1つのOLEDパネルに対する電気出力を制御するための回路エレメントを含んでいる、請求項1記載の照明源。
【請求項24】
2つ以上のOLEDパネルの各々の光出力が独立に制御可能である、請求項23記載の照明源。
【請求項25】
複数のOLEDパネルを含む少なくとも1つの内部曲面を有する三次元曲面構造体を含んでなり、前記少なくとも1つの内部曲面は、前記複数のOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成すると共に包囲し、該ポートの面積より大きい表面積を有している、照明源。
【請求項26】
少なくとも1つのOLEDパネルを含む照明源の光出力の色及び/又は強度を調整する方法であって、
前記少なくとも1つのOLEDパネルを含む少なくとも1つの内面を含む三次元構造体を含んでなる照明源であって、前記少なくとも1つの表面が前記少なくとも1つのOLEDパネルにより生成された光の出口ポートを画成すると共に包囲し、かつ該ポートの面積より大きい表面積を有する、前記照明源を提供し、
1つ以上のOLEDエレメントに対して選択的に電気出力を提供して照明源の光出力の色及び/又は強度を調整する
ことを含んでなる、前記方法。
【請求項27】
さらに、ポートを横切ってディフューザーを配置することによって、前記少なくとも1つのOLEDパネルにより放出された光を拡散することを含む、請求項26記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−543348(P2009−543348A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518411(P2009−518411)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/066616
【国際公開番号】WO2008/005610
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】