説明

有機発光素子、並びにこれを備えた表示装置および照明装置

【課題】各発光ユニットに異なる色の発光層を設けると共に、各色の光取り出し効率を高めることが可能な有機発光素子、並びにこの有機発光素子を備えた表示装置および照明装置を提供する。
【解決手段】青色発光層13Cを、青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち第1電極12に最も近い最近接干渉位置IB0(0次の干渉位置)を含んで配置する。緑色発光層15Eを、青色干渉位置IB0,IB1,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1(1次の干渉位置)を含んで配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL;Electro Luminescence)現象を利用して発光する有機発光素子、並びに有機発光素子を備えた表示装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(有機EL素子、有機電界発光素子)は、陽極および陰極の間に、有機化合物からなる発光層を有し、低電圧駆動の大面積表示素子を実現するものとして近年注目されている。
【0003】
このような表示装置を構成する有機発光素子は、例えばガラス等からなる透明な基板上に設けられており、基板側から順にITO(Indium Tin Oxide:透明電極)からなる陽極、有機層、および陰極を積層してなる。有機層は、陽極側から順に、正孔注入層、正孔輸送層および電子輸送性の発光層を順次積層させた構成を有している。このような有機発光素子では、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが発光層において再結合し、この再結合の際に生じる光が陽極を介して基板側から取り出される。
【0004】
ところで、有機発光素子の寿命は、一般的には注入された電荷によって決まっており、このことは駆動における初期輝度を落とすことで解決することはできる。しかしながら、初期輝度を落すことは、実用化におけるアプリケーションを制限し、有機発光素子の潜在的な可能性を自ら否定することになり、次世代テレビの実現は不可能になる。
【0005】
そこで、高輝度および長寿命化の両立を意図して、いわゆるスタック型有機発光素子が提案されている。例えば特許文献1には、発光層を含む複数の有機層を一つの発光ユニットとし、陽極と陰極との間に二つの発光ユニットを、電荷発生のための接続層を間にして重ねて配置したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−173550号公報
【特許文献2】特開2007−12369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各発光ユニットに異なる色の発光層を設けた場合、各色の輝度、電流効率などの発光特性は未だ十分とはいえず、更に改善の余地があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、各発光ユニットに異なる色の発光層を設けると共に、各色の光取り出し効率を高めることが可能な有機発光素子、並びにこの有機発光素子を備えた表示装置および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による有機発光素子は、光反射性の第1電極と、第1色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第1発光ユニットと、電荷供給のための接続層と、第1色とは異なる第2色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第2発光ユニットと、光透過性の第2電極とを順に備え、第1色の発光層は、第1色の発光層で発生した光と第1電極における反射光とが干渉により互いに強め合う複数の第1色干渉位置のうち一つを含んで配置され、第2色の発光層は、複数の第1色干渉位置のうち他の一つを含んで配置されているものである。
【0010】
本発明による表示装置、および本発明による照明装置は、上記本発明による有機発光素子を備えたものである。
【0011】
本発明の有機発光素子では、第1色の発光層が、複数の第1色干渉位置のうち一つを含んで配置されているので、第1色の発光層で発生した光が第1電極において反射して発光位置に戻ってきたときに、その戻り光の位相が発光時の位相と同一になる。よって、発生する光と、反射光とは互いに強め合う関係になり、第1色の発光層で発生した光が効率良く取り出される。また、第2色の発光層が、複数の第1色干渉位置のうち他の一つを含んで配置されているので、第2色の発光層で発生した光が効率良く取り出される。
【0012】
本発明の表示装置、または本発明の照明装置では、上記本発明の有機発光素子から取り出された光により表示または照明がなされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有機発光素子によれば、第1色の発光層を、複数の第1色干渉位置のうち一つを含んで配置する一方、第2色の発光層を、複数の第1色干渉位置のうち他の一つを含んで配置するようにしたので、第1色の発光層で発生した光および第2色の発光層で発生した光の取り出し効率を高めることが可能となる。よって、この有機発光素子を用いて表示装置または照明装置を構成すれば、高輝度な表示または照明が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した有機発光素子の発光層の配置を説明するための図である。
【図3】図2に示した発光層の他の配置を説明するための図である。
【図4】従来の有機発光素子の発光層の配置を説明するための図である。
【図5】変形例1に係る有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図6】変形例2に係る有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図7】図6に示した有機発光素子の発光層の配置を説明するための図である。
【図8】変形例3に係る有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図9】図1に示した有機発光素子を備えた照明装置の一例の外観を表す斜視図である。
【図10】照明装置の他の例の外観を表す斜視図である。
【図11】照明装置の更に他の例の外観を表す斜視図である。
【図12】図1に示した有機発光素子を備えた液晶表示装置の概略構成を表す断面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の構成を表す図である。
【図14】図13に示した画素駆動回路の一例を表す図である。
【図15】図13に示した有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図16】図13に示した有機発光素子の他の構成を表す断面図である。
【図17】図13に示した有機発光素子の更に他の構成を表す断面図である。
【図18】図13に示した有機発光素子の更に他の構成を表す断面図である。
【図19】上記実施の形態の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図20】上記実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図21】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図22】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図23】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図24】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【図25】実施例の結果を表す図である。
【図26】実施例の結果を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(2段3色、上面発光の例)
2.変形例1(2段3色、下面発光の例
3.変形例2(2段2色、上面発光の例)
4.変形例3(2段2色、下面発光の例)
5.適用例(照明装置、液晶表示装置)
6.第2の実施の形態(カラーフィルタを有する例、表示装置)
7.適用例(電子機器)
8.実施例
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る有機発光素子の構成を表すものである。この有機発光素子は、照明装置または液晶用バックライト装置などに用いられるものであり、例えば、基板11に、陽極としての第1電極12,第1発光ユニット13,接続層14,第2発光ユニット15および陰極としての第2電極16を順に有している。
【0017】
基板11は、その一主面側に有機発光素子が配列形成される支持体であって、公知のものであって良く、例えば、石英、ガラス、金属箔、もしくは樹脂製のフィルムやシートなどが用いられるこの中でも石英やガラスが好ましく、樹脂製の場合には、その材質としてポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル樹脂類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステル類、もしくはポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、透水性や透ガス性を抑える積層構造、表面処理を行うことが必要である。
【0018】
第1電極12は、例えば、積層方向の厚み(以下、単に厚みと言う)が10nm以上1000nm以下であり、クロム(Cr),金(Au),白金(Pt),ニッケル(Ni),銅(Cu),タングステン(W)あるいは銀(Ag)などの金属元素の単体または合金が挙げられる。また、第1電極12は、これらの金属元素の単体または合金よりなる金属膜12Aと、インジウムとスズの酸化物(ITO)、InZnO(インジウ亜鉛オキシド)、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金などの透明導電膜12Bとの積層構造を有していてもよい。なお、第1電極12が陽極として使われる場合には、第1電極12は正孔注入性の高い材料により構成されていることが望ましい。ただし、アルミニウム(Al)合金のように、表面の酸化皮膜の存在や、仕事関数が大きくないことによる正孔注入障壁が問題となる材料においても、適切な正孔注入層を設けることによって第1電極12として使用することが可能である。
【0019】
第1電極12は、また、反射層としての機能も兼ねている。すなわち、この有機発光素子は、後述するように、青色発光層13Cなどで発生した光を第1電極12において反射させ、この反射光と青色発光層13Cなどで発生する光との間で干渉を生じさせるようになっている。
【0020】
なお、第1電極12が金属膜12Aと透明導電膜12Bとの積層構造を有している場合には、青色発光層13Cなどで発生した光の反射面は、金属膜12Aと透明電極膜12Bとの界面となる。
【0021】
第1発光ユニット13は、例えば、第1電極12の側から順に、第1正孔注入層13A,第1正孔輸送層13B,青色発光層13C,第1電子輸送層13Dおよび第1電子注入層13Eを積層した構成を有する。これらのうち青色発光層13C以外の層は必要に応じて設ければよい。
【0022】
第1正孔注入層13Aは、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。第1正孔注入層13Aは、例えば、厚みが10nmであり、TPTE(N,N-Bis(4-diphenylaminobiphenyl) -N,N-diphenylbenzidine)により構成されている。
【0023】
第1正孔輸送層13Bは、青色発光層13Cへの正孔輸送効率を高めるためのものである。
第1正孔輸送層13Bは、例えば、厚みが20nmであり、化1に示したジアミン化合物により構成されている。
【0024】
【化1】

【0025】
そのほかに、このような正孔注入層13Aもしくは正孔輸送層13Bの材料としては、例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、テトラシアノキノジメタン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベンあるいはこれらの誘導体、または、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物あるいはアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー、オリゴマーあるいはポリマーを用いることができる。
【0026】
また、上記正孔注入層13Aもしくは正孔輸送層13Bのさらに具体的な材料としては、α−ナフチルフェニルフェニレンジアミン、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、ヘキサシアノアザトリフェニレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、7,7,8,8−-テトラシアノ - 2,3,5,6- テトラフルオロキノジメタン(F4−TCNQ)、テトラシアノ4、4、4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、N、N、N’、N’−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N、N、N’、N’−テトラフェニル−4、4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2、2’−チエニルピロール)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
これらのアミン化合物は、単独で用いることのほかに他の正孔輸送材料と混合させてもよい。
【0028】
青色発光層13Cは、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、青色の光を発生するものである。青色発光層13Cは、例えば、厚みが30nmであり、ホスト材料として化2に示したt-ブチルADNに、ドーパント材料として化3に示したジアミノクリセン誘導体を相対膜厚比で5%ドーピングしたものにより構成されている。
【0029】
【化2】

【0030】
【化3】

【0031】
そのほかに、発光層材料としては、フェニレン核、ナフタレン核、アントラセン核、ピレン核、ナフタセン核、クリセン核もしくはペリレン核から構成される芳香族炭化水素化合物であり、具体的には9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、1,6−ジフェニルピレン、1,6−ジ(1−ナフチル)ピレン、1,6−ジ(2−ナフチル)、1,8−ジフェニルピレン、1,8−ジ(1−ナフチル)ピレン、1,8−ジ(2−ナフチル)ピレン、ルブレン、6,12−ジフェニルクリセン、6,12−ジ(1−ナフチル)クリセン、6,12−ジ(2−ナフチル)クリセン等を好適に用いることができる。
【0032】
また、この発光層13Cには、発光層13Cでの発光スペクトルの制御を目的として、他のゲスト材料を微量添加しても良い。このような他のゲスト材料としては、ナフタレン誘導体、アミン化合物、ピレン誘導体、ナフタセン誘導体、ベリレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン系色素等の有機物質が用いられ、なかでもこれらの芳香族第三級アミン化合物が好適に用いられる。
【0033】
第1電子輸送層13Dは、青色発光層13Cへの電子輸送効率を高めるためのものである。第1電子輸送層13Dは、例えば、厚みが80nmであり、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)により構成されている。
【0034】
また、電子輸送層13Dの材料としては、例えば、キノリン、ペリレン、ビススチリル、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、またはこれらの誘導体が挙げられる。具体的には、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略称Alq3 )、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、アントラセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、またはこれらの誘導体が挙げられる。
【0035】
第1電子注入層13Eは、電子注入効率を高めるためのものである。第1電子注入層13Eは、例えば、厚みが約0.5nmであり、炭酸リチウム(Li2CO3)により構成されている。
【0036】
その他に、電子注入補助層13Eを構成する材料としては、アルカリ金属元素、第2族元素、および希土類元素の、酸化物、複合酸化物、ハロゲン化物、または炭酸塩が用いられる。
【0037】
このうち、第2族元素(Mg,Ca,Sr,Ba)および希土類元素(Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)は、元素の状態で含有させてよい。
【0038】
これらの化合物のうちの酸化物としては、酸化リチウムや酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウムや酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物、酸化スカンジウムや酸化イットリウム等の希土類金属酸化物が例示される。
【0039】
また、各元素の複合酸化物としては、モリブデン酸リチウム、珪酸リチウム、モリブデン酸セシウム、珪酸セシウム、モリブデン酸カルシウム、珪酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、珪酸マグネシウムが例示される。
【0040】
さらに、各元素のハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物、さらには沃化物が例示される。
【0041】
そして、各元素の炭酸塩としては、炭酸リチウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウムや炭酸ストロンチウムや炭酸バリウムといった第2族元素の炭酸塩、炭酸スカンジウムや炭酸イットリウム等の希土類金属炭酸塩が例示される。
【0042】
これらの材料は、いずれも第1電子注入層13Eを構成する材料として用いることにより、良好な素子特性が得られるようになる。尚、バルク状態の材料の安定性、成膜の安定性、コストなどを考慮すると、第1電子注入層13Eの構成材料にはフッ化リチウムなどのアルカリ金属塩、炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩が好適である。
【0043】
接続層14は、電圧印加時において、第2電極16(陰極)側に配置された第2発光ユニット15に対しては正孔を注入する一方、第1電極12(陽極)側に配置された第1発光ユニット13に対しては電子を注入するものである。接続層14は、例えば、厚み5nmのAlq3(8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)膜と、厚み10nmの化4に示した化合物よりなるHAT(ヘキサアザトリフェニレン)膜との積層構造を有している。Alq3膜には、金属成分として例えばマグネシウム(Mg)が5%ドープされている。
【0044】
【化4】

【0045】
接続層14は、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化バナジウム(V2 5 )や7酸化レニウム(Re2 7 )のような金属酸化物やポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、ヘキサシアノアザトリフェニレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、7,7,8,8−-テトラシアノ - 2,3,5,6- テトラフルオロキノジメタン(F4−TCNQ)などの電荷移動錯体化合物を単層として構成させるほかに、上記正孔注入層13Aもしくは正孔輸送層13Bで示されるようなアミン化合物にドーピングして構成されていてもよい。
【0046】
第2発光ユニット15は、例えば、第1電極12の側から順に、第2正孔輸送層15B,赤色発光層15C,中間層15D,緑色発光層15E,第2電子輸送層15Fおよび第2電子注入層15Gを積層した構成を有する。これらのうち赤色発光層15Cおよび緑色発光層15E以外の層は必要に応じて設ければよい。
【0047】
第2正孔輸送層15Bは、正孔注入層としての機能も兼ねており、例えば、厚みが20nmであり、化1に示したジアミン化合物により構成されている。
【0048】
ここで、接続層14の両側に配置される第1電子輸送層13Dおよび第2正孔輸送層15Bについては、第1電子輸送層13Dの厚みが、第2正孔輸送層15Bの厚みよりも大きいことが望ましい。より性能を高めることが可能となるからである。
【0049】
赤色発光層15Cは、例えば、厚みが20nmであり、ホスト材料としてのルブレンに、ドーパント材料として化5に示したピロメテンホウ素錯体を相対膜厚比で1%ドーピングしたものにより構成されている。
【0050】
【化5】

【0051】
中間層15Dは、例えば、厚みが5nmであり、正孔輸送性材料により構成されている。中間層15Dは、アミン材料により構成されていることが好ましい。具体的には、例えば、化1に示したジアミン化合物が挙げられる。
【0052】
緑色発光層15Eは、例えば、厚みが40nmであり、ホスト材料として9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(ADN)に、ドーパント材料として化6に示したジアミノアントラセン誘導体を相対膜厚比で10%ドーピングしたものにより構成されている。
【0053】
【化6】

【0054】
ここで、中間層15Dは、緑色発光層15Eのホスト材料と同一材料、すなわちADNにより構成されていてもよい。このようにすれば、製造工程において、ドーパント材料の気化のみを遮断することにより緑色発光層15Eと中間層15Dとの連続成膜が可能となる。
【0055】
第2電子輸送層15Fは、例えば、厚みが20nmであり、BCPにより構成されている。
【0056】
第2電子注入層15Gは、例えば、厚みが約0.3nmであり、Li2Oにより構成されている。
【0057】
第2電極16は、青色発光層13Cなどで発生した光の取り出し効率を高めるため、光透過性をできるだけ高くすることが好ましい。そのため、第2電極16は、例えば、厚みが約3nmであり、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金よりなる金属箔膜により構成されていることが好ましい。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。また、第2電極16は、ITO(インジウム・スズ複合酸化物)またはIZO(インジウム・亜鉛複合酸化物)などの透明導電膜により構成されていてもよい。
【0058】
図2は、第1電極12と、青色発光層13Cと、接続層14と、赤色発光層15Cおよび緑色発光層15Eとの配置関係を表したものである。青色発光層13Cで発生する光は、青色発光層13Cで発生した光と第1電極12における反射光とが干渉により互いに強め合う複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…を含む青色干渉パターンIBを有している。また、緑色発光層15Eは、緑色発光層15Eで発生した光と第1電極12における反射光とが干渉により互いに強め合う複数の緑色干渉位置IG0,IG1,…を含む緑色干渉パターンIGを有している。青色発光層13Cは、複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち一つを含んで配置されている。一方、緑色発光層15Eは、複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち他の一つを含んで配置されている。これにより、この有機発光素子では、青色および緑色の各色の光取り出し効率を高めることが可能となっている。
【0059】
すなわち、青色発光層13Cに含まれる青色干渉位置と第1電極12との間の光学的距離L1は数1を満たしている。緑色発光層15Eに含まれる青色干渉位置と第1電極12との間の光学的距離Lnは数2を満たしている。なお、式中L1,Lnおよびλ1,λnは単位が共通すればよいが、例えば(nm)を単位とする。
【0060】
(数1)
1=(m1−Φ/2π)λ1/2 …(1)
(式中、「L1」は青色発光層13Cに含まれる青色干渉位置と第1電極12との間の光学的距離、「m1」は次数(0または整数)、「Φ」は青色発光層13Cで発生した光が第1電極12において反射する際に生じる位相シフト、「λ1」は青色発光層13Cで発生した光が第2電極16側から放出される際のスペクトルのピーク波長をそれぞれ表す。)
【0061】
(数2)
n=(mn−Φ/2π)λn/2 …(2)
n > m1 …(3)
λn=λ1 …(4)
(式中、「Ln」は緑色発光層15Eに含まれる青色干渉位置と第1電極12との間の光学的距離、「mn」は次数(自然数)、「Φ」は青色発光層13Cにおいて発生した光が第1電極12において反射する際に生じる位相シフトをそれぞれ表す。)
【0062】
具体的には、青色発光層13Cは、青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち第1電極12に最も近い最近接干渉位置IB0(数1における次数m1が0である場合;0次の干渉位置)を含んで配置されていることが好ましい。緑色発光層15Eは、青色干渉位置IB0,IB1,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1(数2における次数mnが1である場合;1次の干渉位置)を含んで配置されていることが好ましい。第1発光ユニット13および第2発光ユニット15の厚みを小さくして、発光に必要な電圧を小さくすることが可能となるからである。
【0063】
なお、青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…は、数1または数2で規定される一点であるが、実際には青色発光層13Cまたは緑色発光層15Eは、ある程度の厚みを有している。ただし、青色干渉位置IB0,IB1,IB2は、青色発光層13Cまたは緑色発光層15Eの厚み方向のどこかに含まれていれば、上述した効果が得られるものである。
【0064】
赤色発光層15Cは、緑色発光層15Eの近傍に配置されていればよく、必ずしも青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…を含んで配置されている必要はない。赤色発光層15Cは、図2に示したように緑色発光層15Eの第1電極12側に配置されていてもよいし、図3に示したように緑色発光層15Eの第2電極16側に配置されていてもよい。
【0065】
図4は、例えば特許文献2に記載された従来の積層型有機発光素子における各色の発光層の配置を表したものである。この従来の有機発光素子は、本実施の形態と同じく第1電極12での反射による干渉を利用しているが、以下の点で本実施の形態とは全く異なる構成を有するものである。すなわち、青色発光層13Cは、複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち最近接干渉位置IB0を含んで配置されている。緑色発光層15Eは、複数の緑色干渉位置IG0,IG1,…のうち最近接干渉位置IG0を含んで配置されている。赤色発光層15Cで発生する光は、赤色発光層15Cで発生した光と第1電極12における反射光とが干渉により互いに強め合う複数の赤色干渉位置IR0,IR1,…を含む赤色干渉パターンIRを有している。赤色発光層15Cは、複数の赤色干渉位置IR0,IR1,…のうち最近接干渉位置IR0を含んで配置されている。
【0066】
この有機発光素子は、例えば次のようにして製造することができる。
【0067】
まず、上述した材料よりなる基板11を用意し、この基板11に、例えばスパッタ法または蒸着法により、上述した材料よりなる第1電極12を形成する。
【0068】
次いで、第1電極12の上に、例えば真空蒸着法により、上述した厚みおよび材料よりなる第1正孔注入層13A,第1正孔輸送層13B,青色発光層13C,第1電子輸送層13Dおよび第1電子注入層13Eを順に形成し、第1発光ユニット13を形成する。その際、例えば、第1正孔注入層13Aの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、第1正孔輸送層13Bの蒸着速度は0.5nm/sec〜0.7nm/sec、第1電子注入層13Eの蒸着速度は0.01nm/secとする。
【0069】
続いて、第1発光ユニット13の上に、例えば蒸着法により、上述した厚みおよび材料よりなる接続層14を形成する。
【0070】
そののち、接続層14の上に、例えば蒸着法により、上述した厚みおよび材料よりなる第2正孔輸送層15B,赤色発光層15C,中間層15D,緑色発光層15E,第2電子輸送層15Fおよび第2電子注入層15Gを順に形成し、第2発光ユニット15を形成する。その際、例えば、第2正孔輸送層15Fの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、中間層15Dの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、第2電子注入層15Gの蒸着速度は0.01nm/secとする。
【0071】
第2発光ユニットを形成したのち、第2発光ユニット15の上に、例えば蒸着法により、上述した厚みおよび材料よりなる第2電極16を形成する。なお、必要に応じて、例えばCVD法(化学気相成長法)により、窒化ケイ素などの保護層(図示せず、図19参照。)を形成して封止してもよい。
【0072】
この有機発光素子では、第1電極12と第2電極16との間に所定の電圧が印加されると、青色発光層13C,赤色発光層15C,緑色発光層15Eに電流が注入され、正孔と電子とが再結合することにより、青色,赤色および緑色の発光が起こり、それらの混色により白色発光が生じる。
【0073】
このとき、青色発光層13Cが、複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち最近接干渉位置IB0を含んで配置されているので、青色発光層13Cで発生した光が第1電極12において反射して発光位置に戻ってきたときに、その戻り光の位相が発光時の位相と同一になる。よって、発生する光と、反射光とは互いに強め合う関係になり、青色発光層13Cで発生した光が効率良く取り出される。また、緑色発光層15Eが、複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1を含んで配置されているので、緑色発光層15Eで発生した光が効率良く取り出される。
【0074】
このように本実施の形態では、青色発光層13Cを、複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち一つを含んで配置する一方、緑色発光層15Eを、複数の青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち他の一つを含んで配置するようにしたので、青色発光層13Cで発生した光および緑色発光層15Eで発生した光の取り出し効率を高めることが可能となる。よって、消費電力の低減も可能となる。
【0075】
(変形例1)
図5は、変形例1に係る有機発光素子の断面構成を表したものである。この有機発光素子は、青色発光層13Cなどで発生した光を基板11側から取り出す下面発光型であることを除いては、上記第1の実施の形態と同様の構成を有し、その作用および効果も同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0076】
この有機発光素子は、基板11上に、陽極としての第2電極16,第2発光ユニット15,接続層14,第1発光ユニット13および陰極としての第1電極12を順に有している。
【0077】
第1電極12は、例えば、厚み約0.3nmのLiF膜12Bと、厚み100nmのアルミニウム膜12Aとを基板11側から順に積層した構成を有している。第1電極12は、第1の実施の形態と同様に、反射層としての機能も兼ねている。
【0078】
第1発光ユニット13は、例えば、第1電極12の側から順に、第1電子輸送層13D,青色発光層13C,第1正孔輸送層13Bおよび第1正孔注入層13Aを積層した構成を有する。これらのうち青色発光層13C以外の層は必要に応じて設ければよい。
【0079】
第1正孔注入層13Aは、例えば、厚みが10nmであり、TPTEにより構成されている。
【0080】
第1正孔輸送層13Bは、例えば、厚みが20nmであり、α−NPD(N、N’−ビス(1−ナフチル)−N、N’−ジフェニル[1、1’-ビフェニル]−4、4’―ジアミン)により構成されている。
【0081】
青色発光層13Cは、例えば、厚みが30nmであり、ホスト材料として化2に示したt-ブチルADNに、ドーパント材料として化7に示したジアミノクリセン誘導体を相対膜厚比で5%ドーピングしたものにより構成されている。
【0082】
【化7】

【0083】
第1電子輸送層13Dは、例えば、厚みが30nmであり、BCPにより構成されている。
【0084】
接続層14は、例えば、厚み10nmのAlq3膜と、厚み10nmの化8に示した化合物よりなるHAT膜との積層構造を有している。Alq3膜には、金属成分として例えばマグネシウム(Mg)が5%ドープされている。
【0085】
【化8】

【0086】
第2発光ユニット15は、例えば、第1電極12の側から順に、第2電子注入層15G,第2電子輸送層15F,緑色発光層15E,中間層15D,赤色発光層15C,第2正孔輸送層15Bおよび第2正孔注入層15Aを積層した構成を有する。これらのうち赤色発光層15Cおよび緑色発光層15E以外の層は必要に応じて設ければよい。
【0087】
第2正孔注入層15Aは、例えば、厚みが10nmであり、TPTEにより構成されている。
【0088】
第2正孔輸送層15Bは、例えば、厚みが30nmであり、α−NPDにより構成されている。
【0089】
赤色発光層15Cは、例えば、厚みが20nmであり、ホスト材料としてのルブレンに、ドーパント材料として化9に示したピロメテンホウ素錯体を相対膜厚比で1%ドーピングしたものにより構成されている。
【0090】
【化9】

【0091】
中間層15Dは、例えば、厚みが5nmであり、α−NPDにより構成されている。
【0092】
緑色発光層15Eは、例えば、厚みが40nmであり、ホスト材料としてADNに、ドーパント材料として化10に示したジアミノアントラセン誘導体を相対膜厚比で5%ドーピングしたものにより構成されている。
【0093】
【化10】

【0094】
第2電子輸送層15Fは、例えば、厚みが70nmであり、BCPにより構成されている。
【0095】
第2電子注入層15Gは、例えば、厚みが約0.3nmであり、LiFにより構成されている。
【0096】
第2電極16は、例えば、厚みが200nmであり、ITOにより構成されている。
【0097】
この有機発光素子は、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。その際、例えば、第2正孔注入層15Aの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、第2正孔輸送層15Bの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、中間層15Dの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、第2電子注入層15Gの蒸着速度は0.01nm/secとする。また、第1正孔輸送層13Bの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/secとする。
【0098】
(変形例2)
図6および図7は、変形例2に係る有機発光素子の断面構成を表したものである。この有機発光素子は、青色発光層13Cおよび緑色発光層15Eのみを有する2段2色上面発光型であることを除いては、上記第1の実施の形態と同様の構成を有し、同様にして製造することができ、その作用および効果も同様である。
【0099】
(変形例3)
図8は、変形例3に係る有機発光素子の断面構成を表したものである。この有機発光素子は、青色発光層13Cおよび赤色発光層15Cのみを有する2段2色下面発光型であることを除いては、上記変形例1と同様の構成を有し、同様にして製造することができ、その作用および効果も同様である。
【0100】
第1発光ユニット13は、例えば、第1電極12の側から順に、第1電子輸送層13D,青色発光層13Cおよび第1正孔輸送層13Bを積層した構成を有する。これらのうち青色発光層13C以外の層は必要に応じて設ければよい。
【0101】
第1正孔輸送層13Bは、例えば、厚みが20nmであり、α−NPDにより構成されている。
【0102】
青色発光層13Cは、例えば、厚みが30nmであり、ホスト材料としてADNに、ドーパント材料として化11に示したジアミノクリセン誘導体を相対膜厚比で5%ドーピングしたものにより構成されている。
【0103】
【化11】

【0104】
第1電子輸送層13Dは、例えば、厚みが30nmであり、BCPにより構成されている。
【0105】
接続層14は、例えば、厚み10nmのAlq3膜と、厚み10nmの化12に示した化合物よりなるHAT膜との積層構造を有している。Alq3膜には、金属成分として例えばマグネシウム(Mg)が5%ドープされている。
【0106】
【化12】

【0107】
第2発光ユニット15は、例えば、第1電極12の側から順に、第2電子注入層15G,第2電子輸送層15F,赤色発光層15C,第2正孔輸送層15Bおよび第2正孔注入層15Aを積層した構成を有する。これらのうち赤色発光層15C以外の層は必要に応じて設ければよい。
【0108】
第2正孔注入層15Aは、例えば、厚みが10nmであり、TPTEにより構成されている。
【0109】
第2正孔輸送層15Bは、例えば、厚みが25nmであり、α−NPDにより構成されている。
【0110】
赤色発光層15Cは、例えば、厚みが45nmであり、ホスト材料としてのルブレンに、ドーパント材料として化13に示したピロメテンホウ素錯体を相対膜厚比で1%ドーピングしたものにより構成されている。
【0111】
【化13】

【0112】
第2電子輸送層15Fは、例えば、厚みが65nmであり、BCPにより構成されている。
【0113】
第2電子注入層15Gは、例えば、厚みが約0.3nmであり、LiFにより構成されている。
【0114】
第2電極16は、例えば、厚みが200nmであり、ITOにより構成されている。
【0115】
この有機発光素子は、変形例1と同様にして製造することができる。その際、例えば、第2正孔注入層15Aの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、第2正孔輸送層15Bの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/sec、第2電子注入層15Gの蒸着速度は0.01nm/secとする。また、第1正孔輸送層13Bの蒸着速度は0.2nm/sec〜0.4nm/secとする。
【0116】
なお、変形例2または変形例3において、緑色発光層15Eまたは赤色発光層15Cを黄色発光層15E(または15C)とし、青色発光層15Cと黄色発光層15E(または15C)との混色により白色発光を得ることが可能である。
【0117】
(照明装置)
図9および図10は、第1の実施の形態または変形例1ないし変形例3の有機発光素子が適用される卓上用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、例えば、基台21に設けられた支柱22に、照明部23を取り付けたものであり、この照明部23は、上記第1の実施の形態または変形例1ないし変形例3に係る白色発光の有機発光素子により構成されている。照明部23は、基板11として樹脂基板などの湾曲可能なものを用いることにより、図9に示した筒状、または図10に示した曲面状など、任意の形状とすることが可能である。
【0118】
図11は、第1の実施の形態または変形例1ないし変形例3の有機発光素子が適用される室内用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、例えば、上記第1の実施の形態または変形例1ないし変形例3に係る白色発光の有機発光素子により構成された照明部24を有している。照明部24は、建造物の天井30Aに適宜の個数および間隔で配置されている。なお、照明部24は、用途に応じて、天井30Aに限らず、壁30Bまたは床(図示せず)など任意の場所に設置することが可能である。
【0119】
(液晶表示装置)
図12は、第1の実施の形態または変形例1ないし変形例3の有機発光素子が適用される液晶表示装置の概略構成を表したものである。この液晶表示装置は、液晶テレビジョン装置などとして用いられるものであり、液晶パネル41と、バックライト装置(面光源装置)42とを有する透過型カラー液晶表示装置である。
【0120】
液晶パネル41は、一対の透明基板の間に液晶層を挟んだ透過型液晶表示パネルである。透明基板の内面には透明電極膜、配向膜、カラーフィルタ等が設けられている。透明基板の外面には、それぞれ偏光板が設けられている。なお、必要に応じて、透明基板と偏光板との間には、位相差板等の光学補償シートが配置されていてもよい。
【0121】
バックライト装置42は、光源43と、拡散板44とを有しており、光源43は、上記第1の実施の形態または変形例1ないし変形例3に係る白色発光の有機発光素子により構成されている。拡散板44は、光学機能シート45と適宜組み合わせられてスクリーンを構成するものであり、第1面44Aに光源43からの光が照射され、第1面44Aの反対側の第2面44Bから、光が再放射されるようになっている。拡散板44は、光源43から距離Dを隔てて置かれている。光源43から放射された光は、拡散板44および光学機能シート45よりなるスクリーンと、光源43との間の空間で混合されることで、拡散板44に入射される光が均一化されるようになっている。
【0122】
(第2の実施の形態)
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の構成を表すものである。この表示装置は、有機ELテレビジョン装置などとして用いられるものであり、例えば、基板11の上に、表示領域110として、複数の有機発光素子10R,10G,10Bがマトリクス状に配置されたものである。表示領域110の周辺には、映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が設けられている。
【0123】
表示領域110内には画素駆動回路140が設けられている。図14は、画素駆動回路140の一例を表したものである。画素駆動回路140は、第1電極12または第2電極16の下層に形成されたアクティブ型の駆動回路である。すなわち、この画素駆動回路140は、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、これらトランジスタTr1,Tr2の間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機EL素子10R(または10G,10B)とを有する。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガ構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガ構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
【0124】
画素駆動回路140において、列方向には信号線120Aが複数配置され、行方向には走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの交差点が、有機発光素子10R,10G,10Bのいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
【0125】
図15ないし図18は、図13に示した有機発光素子10R,10G,10Bの断面構成を表したものである。図15ないし図18に示した有機発光素子10R,10G,10Bは、赤色フィルタ17R,緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bよりなるカラーフィルタ17を備えていることを除いては、上記第1の実施の形態または変形例1ないし変形例3と同様の構成を有し、その作用および効果も同様である。なお、図17および図18においては、青色発光層15Cと黄色発光層15E(または15C)との混色により白色発光を得る。
【0126】
カラーフィルタ17は、有機発光素子10R,10G,10Bで発生した白色光を赤,緑および青に分離して取り出すと共に、有機発光素子10R,10G,10B並びにその間の配線において反射された外光を吸収し、コントラストを改善するためのものである。赤色フィルタ17R,緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bは、有機発光素子10R,10G,10Bに対応して順に配置されている。赤色フィルタ17R,緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bは、顔料を混入した樹脂によりそれぞれ構成されており、顔料を選択することにより、目的とする赤,緑あるいは青の波長域における光透過率が高く、他の波長域における光透過率が低くなるように調整されている。
【0127】
更に、赤色フィルタ17R,緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bにおける透過率の高い波長範囲と、干渉により強められた光のスペクトルのピーク波長λ1,λnとは一致している。これにより、第2電極16側から入射する外光のうち、取り出したい光のスペクトルのピーク波長λ1,λnに等しい波長を有するもののみがカラーフィルタ17を透過し、その他の波長の外光が有機発光素子10R,10G,10Bに侵入することが防止される。
【0128】
この表示装置では、各画素に対して走査線駆動回路130から書き込みトランジスタTr2のゲート電極を介して走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路120から画像信号が書き込みトランジスタTr2を介して保持容量Csに保持される。すなわち、この保持容量Csに保持された信号に応じて駆動トランジスタTr1がオンオフ制御され、これにより、各有機発光素子10R,10G,10Bに駆動電流Idが注入されることにより、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、第1電極12で反射して干渉を生じたのち、第2電極16を透過し、カラーフィルタ17で色分離されて取り出される。
【0129】
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態で説明した表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0130】
(モジュール)
上記実施の形態の表示装置は、例えば、図19に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板11の一辺に、保護層18から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0131】
(適用例1)
図20は、上記実施の形態の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0132】
(適用例2)
図21は、上記実施の形態の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0133】
(適用例3)
図22は、上記実施の形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0134】
(適用例4)
図23は、上記実施の形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0135】
(適用例5)
図24は、上記実施の形態の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【実施例】
【0136】
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0137】
(実施例1)
上記変形例1と同様にして、図5に示した2段3色下面発光型の有機発光素子を作製した。その際、基板11として、30mm×30mmのガラス板を用いた。
【0138】
青色発光層13Cは、青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち第1電極12に最も近い最近接干渉位置IB0(数1における次数m1が0である場合;0次の干渉位置)を含んで配置した。緑色発光層15Eは、青色干渉位置IB0,IB1,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1(数2における次数mnが1である場合;1次の干渉位置)を含んで配置した。
【0139】
得られた有機発光素子について、10mA/cm2における電圧を調べたところ、11Vであり、電流効率は13.5cd/Aであった。また、色度点は(0.29,0.35)の白色が観測された。
【0140】
(比較例1)
第1電極を、厚み0.3nmのLiF膜と、厚み20nmのITO膜との積層構造を有する光透過性の電極とし、干渉を生じさせないようにしたことを除いては、上記実施例1と同様にして有機発光素子を作成した。ITO膜はスパッタ法により形成した。
【0141】
得られた実施例1および比較例1の有機発光素子について、発光スペクトルを調べた。得られたスペクトルを青色の発光ピーク位置で規格化した結果を、図25に示す。
【0142】
図25から分かるように、光反射性の第1電極12により干渉を生じさせた実施例1では、干渉を生じさせなかった比較例1に比べて、緑色発光のピーク強度が約1.3倍増加していた。すなわち、緑色発光層15Eを、青色干渉位置IB0,IB1,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1(数2における次数mnが1である場合;1次の干渉位置)を含んで配置すれば、緑色発光の取り出し効率を高め、その結果、良好な白色スペクトルが得られることが分かった。
【0143】
(実施例2)
上記第1の実施の形態と同様にして、図1に示した2段3色上面発光型の有機発光素子を作製した。
【0144】
青色発光層13Cは、青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち第1電極12に最も近い最近接干渉位置IB0(数1における次数m1が0である場合;0次の干渉位置)を含んで配置した。緑色発光層15Eは、青色干渉位置IB0,IB1,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1(数2における次数mnが1である場合;1次の干渉位置)を含んで配置した。
【0145】
得られた有機発光素子を点灯したところ、第1発光ユニット13由来の青と、第2発光ユニット15由来の赤および緑とが混色し、白色発光が観測された。また、10mA/cm2における電圧は11.2Vであり、電流効率は16.5cd/Aであった。また、色度点は(0.32,0.28)の白色が観測された。すなわち、緑色発光層15Eを、青色干渉位置IB0,IB1,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1(数2における次数mnが1である場合;1次の干渉位置)を含んで配置すれば、緑色発光の取り出し効率を高め、その結果、良好な白色スペクトルが得られることが分かった。
【0146】
(実施例3)
上記変形例3と同様にして、図8に示した2段2色下面発光型の有機発光素子を作製した。
【0147】
青色発光層13Cは、青色干渉位置IB0,IB1,IB2,…のうち第1電極12に最も近い最近接干渉位置IB0(数1における次数m1が0である場合;0次の干渉位置)を含んで配置した。赤色発光層15Cは、青色干渉位置IB0,IB1,…のうち最近接干渉位置IB0の次に第1電極12に近い位置IB1(数2における次数mnが1である場合;1次の干渉位置)を含んで配置した。
【0148】
得られた有機発光素子について、10mA/cm2における電圧を調べたところ11Vであり、電流効率は13.5 cd/Aであった。また、色度点(0.31,0.23)のマゼンタ色が観測された。
【0149】
(比較例3)
第1電極を、厚み0.3nmのLiF膜と、厚み20nmのITO膜との積層構造を有する光透過性の電極とし、干渉を生じさせないようにしたことを除いては、上記実施例3と同様にして有機発光素子を作成した。ITO膜はスパッタ法により形成した。
【0150】
実施例3および比較例3で得られた有機発光素子について、発光スペクトルを調べた。得られたスペクトルを青色の発光ピーク位置で規格化した結果を、図26に示す。
【0151】
図26から分かるように、光反射性の第1電極12により干渉を生じさせた実施例3では、干渉を生じさせなかった比較例3に比べて、赤色発光のピーク強度が約1.4倍増加した。すなわち、赤色発光層を、青色干渉位置を含んで配置すれば、赤色発光の取り出し効率を高め、輝度を向上させることができることが分かった。
【0152】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、第1発光ユニット13にも二つ以上の発光層を設けるようにしてもよい。
【0153】
また、例えば、上記実施の形態および実施例において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0154】
更に、上記実施の形態および実施例では、有機発光素子10R,10G,10Bの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。
【0155】
加えて、上記第2の実施の形態では、アクティブマトリクス型の表示装置の場合について説明したが、本発明はパッシブマトリクス型の表示装置への適用も可能である。更にまた、アクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記第2の実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路120や走査線駆動回路130のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
【符号の説明】
【0156】
10R,10G,10B…有機発光素子、11…基板、12…第1電極、13…第1発光ユニット、14…接続層、15…第2発光ユニット、16…第2電極、17…カラーフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反射性の第1電極と、
第1色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第1発光ユニットと、
電荷供給のための接続層と、
前記第1色とは異なる第2色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第2発光ユニットと、
光透過性の第2電極と
を順に備え、
前記第1色の発光層は、前記第1色の発光層で発生した光と前記第1電極における反射光とが干渉により互いに強め合う複数の第1色干渉位置のうち一つを含んで配置され、
前記第2色の発光層は、前記複数の第1色干渉位置のうち他の一つを含んで配置されている
有機発光素子。
【請求項2】
前記第1色の発光層に含まれる第1色干渉位置と前記第1電極との間の光学的距離は数1を満たし、
前記第2色の発光層に含まれる第1色干渉位置と前記第1電極との間の光学的距離は数2を満たす
請求項1記載の有機発光素子。
(数1)
1=(m1−Φ/2π)λ1/2 …(1)
(式中、「L1」は前記第1色の発光層に含まれる第1色干渉位置と前記第1電極との間の光学的距離、「m1」は次数(0または整数)、「Φ」は前記第1色の発光層で発生した光が前記第1電極において反射する際に生じる位相シフト、「λ1」は前記第1色の発光層で発生した光が前記第2電極側から放出される際のスペクトルのピーク波長をそれぞれ表す。)
(数2)
n=(mn−Φ/2π)λn/2 …(2)
n > m1 …(3)
λn=λ1 …(4)
(式中、「Ln」は前記第2色の発光層に含まれる第1色干渉位置と前記第1電極との間の光学的距離、「mn」は次数(自然数)、「Φ」は前記第1色の発光層において発生した光が前記第1電極において反射する際に生じる位相シフトをそれぞれ表す。)
【請求項3】
前記第1色の発光層は、前記第1色干渉位置のうち前記第1電極に最も近い最近接干渉位置を含んで配置され、
前記第2色の発光層は、前記第1色干渉位置のうち前記最近接干渉位置の次に前記第1電極に近い位置を含んで配置されている
請求項1または2記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記第1発光ユニットは、青色発光層,緑色発光層および赤色発光層のうち一つ以上を有し、前記第2発光ユニットは、青色発光層,緑色発光層および赤色発光層のうち二つ以上を有し、前記青色発光層,緑色発光層および赤色発光層の混色により白色発光をなす
請求項3記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記第1色の発光層は青色発光層であり、
前記第2発光ユニットは緑色発光層および赤色発光層を有する
請求項4記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記第2色の発光層が緑色発光層である
請求項5記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記第2発光ユニットの二つ以上の発光層の間に、正孔輸送性材料よりなる中間層が設けられている
請求項4記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記中間層はアミン材料よりなる
請求項7記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記第2発光ユニットは緑色発光層を含む二つ以上の発光層を有し、
前記緑色発光層はホスト材料およびドーパント材料を含み、
前記中間層は前記緑色発光層のホスト材料と同一材料よりなる
請求項7記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記第1色の発光層が青色発光層である
請求項3記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記第2色の発光層が、緑色発光層,黄色発光層または赤色発光層である
請求項10記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記第1色の発光層および前記第2色の発光層の一方が黄色発光層、他方が青色発光層である
請求項10記載の有機発光素子。
【請求項13】
前記第1発光ユニットは第1電子輸送層を含み、
前記第2発光ユニットは第2正孔輸送層を含み、
前記第1電子輸送層の厚みは前記第2正孔輸送層の厚みよりも大きい
請求項3記載の有機発光素子。
【請求項14】
有機発光素子を備え、
前記有機発光素子は、
光反射性の第1電極と、
第1色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第1発光ユニットと、
電荷供給のための接続層と、
前記第1色とは異なる第2色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第2発光ユニットと、
光透過性の第2電極と
を順に備え、
前記第1色の発光層は、前記第1色の発光層で発生した光と前記第1電極における反射光とが干渉により互いに強め合う複数の第1色干渉位置のうち一つを含んで配置され、
前記第2色の発光層は、前記複数の第1色干渉位置のうち他の一つを含んで配置されている
表示装置。
【請求項15】
前記第1電極または前記第2電極のいずれかの外側に、青色,緑色および赤色のカラーフィルタを備えた
請求項14記載の表示装置。
【請求項16】
有機発光素子を備え、
前記有機発光素子は、
光反射性の第1電極と、
第1色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第1発光ユニットと、
電荷供給のための接続層と、
前記第1色とは異なる第2色の発光層を含む一つ以上の発光層を有する第2発光ユニットと、
光透過性の第2電極と
を順に備え、
前記第1色の発光層は、前記第1色の発光層で発生した光と前記第1電極における反射光とが干渉により互いに強め合う複数の第1色干渉位置のうち一つを含んで配置され、
前記第2色の発光層は、前記複数の第1色干渉位置のうち他の一つを含んで配置されている
照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−287484(P2010−287484A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141281(P2009−141281)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】