説明

有機発光素子および有機発光素子の製造方法

本発明は、有機発光素子の製造方法に関する。有機発光素子の発光領域(4)内に、発光材料を含み、かつ、2nm以下の厚さを有する少なくとも1つの層(10)が原子層堆積法を用いて形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子の製造方法に関する。さらに本発明は有機発光素子に関する。
【0002】
刊行物US 7,285,907 B2には有機発光素子が開示されている。
【0003】
本発明の課題は、従来技術に比べて簡単に製造することができる、有機発光素子を提供することである。また別の課題は、その種の素子の製造方法を提供することである。
【0004】
有機発光素子の製造方法の少なくとも1つの実施形態によれば、素子を製造する際に発光領域が形成される。素子の発光領域は、素子に電流を印加した際、つまり素子の動作時に電磁放射が形成される領域である。すなわち、素子の発光領域は、電荷の再結合によって電磁放射が形成される少なくとも1つの層である。
【0005】
本発明による方法の少なくとも1つの実施形態によれば、素子の発光領域を形成する際に、発光材料を含む少なくとも1つの層が形成される。この層は、素子の動作時に電荷の再結合により電磁放射が形成される発光層である。発光材料は有利には有機材料である。
【0006】
有機発光素子の製造方法の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも、発光材料を含む層が原子層堆積法(ALD;Atomic Layer Deposition)を用いて形成される。原子層堆積法は化学気相成長法(CVD;Chemical Vapor Deposition)のヴァリエーションの1つである。原子層堆積法では層の成長が周期的に行われる。各周期において堆積されるべき材料が所定量堆積される。各周期の長さは約0.5秒〜数秒であり、周期毎に約0.1〜3Åの厚さで堆積された層が形成される。すなわち、原子層堆積法を用いることにより、薄い層厚の放射層を形成することができる。層厚は周期の数にしか依存せず、これによって層厚を殊に正確で簡単に制御することができる。すなわち、堆積時間を制御することによって、非常に簡単に層を所定の層厚で殊に正確に成長させることができる。したがって、原子層堆積法は殊に良好に再現可能な方法である。
【0007】
有機発光素子の製造方法の少なくとも1つの実施形態によれば、発光材料を含む少なくとも1つの層厚は5nmより薄く、有利には2nm以下である。しかしながら、さらに薄い層厚も可能である。つまり、発光材料を含む層の厚さは最大で単分子層の範囲にあるか、サブ単分子層の範囲にある。
【0008】
すなわち、原子層堆積法を用いることにより、非常に薄い放射層を形成することができる。発光材料の量、すなわち発光材料のドープ濃度を殊に簡単に、発光材料を堆積させる持続時間を介して決定することができる。このようにして煩雑な堆積率の安定化を省略することができる。このような堆積率の安定化は他の蒸着方法においては必要不可欠なものであり、また時間も掛かる。さらには、原子層堆積法を用いることによって、複数の材料、例えばp型材料とn型誘導する材料とを殊に良好に組み合わせることができる。
【0009】
発光領域の全ての層を原子層堆積法によって形成することができる。すなわち、全ての発光領域が原子層堆積法によって形成されている。
【0010】
本発明による有機発光素子の製造方法の少なくとも1つの実施形態によれば、素子の発光領域内に、発光材料を含む少なくとも1つの層が形成され、この層は原子層堆積法によって形成される。層の厚さは2nm以下である。
【0011】
さらには、有機発光素子が提供される。有機発光素子の少なくとも1つの実施形態によれば、素子は発光領域を有し、この発光領域において素子の動作時に電磁放射が形成される。電磁放射は、有利には電荷の再結合によって形成される。
【0012】
有機発光素子の少なくとも1つの実施形態によれば、発光素子が、発光材料を含み、かつ、2nm以下の厚さを有する少なくとも1つの層を含む。
【0013】
発光材料から成る、または発光材料を有するその種の薄い層を、原子層堆積法によって殊に簡単に形成することができる。発光材料を有するその種の薄い層に基づき、発光材料を有する層における電荷の非常に効果的な注入および電荷の閉じ込めを実現することができる。したがって、本発明による素子は効率が高い点で優れている。さらには、素子の個々の層の析出に原子層堆積法を用いることにより、単分子レベルからサブ分子レベルまでの範囲で層厚を制御することができる。すなわち、単分子レベルからサブ分子レベルまでの範囲において、蒸着プロセスにおける任意の材料組み合わせを形成することができ、これによって、発光領域における一連の構造体の厳密な区分は無くなる。これによって、素子の使用条件に殊に良好に適合させることができる有機発光素子を製造することができる。これとは異なり、公知の有機発光素子は層数が制限された層構造を有し、また最小の層厚は5nmの範囲にある。層構造は複数の機能層、例えば電子輸送層、正孔輸送層、電子障壁層、正孔障壁層および発光材料を有する層に厳密に区分されている。
【0014】
以下では、本発明による方法の有利な実施形態ならびに本発明による有機発光素子を説明する。この関係において開示される特徴は、それぞれ製造方法にも、製造すべき有機発光素子にも関係する。
【0015】
少なくとも1つの実施形態によれば、発光素子は発光領域において、それぞれが発光材料を含む少なくとも2つの層を有する。それらの層の発光材料は、同一の発光材料であっても異なる発光材料であっても良い。発光領域は、それぞれが発光材料を含む、2つ、3つまたはそれ以上の数の層を有することができる。この場合には、それらの層が組毎に異なる発光材料を含むことができるか、それらの層のうちの幾つかの層が同一の発光材料を含むことができるか、全ての層が同一の発光材料を含むことができる。
【0016】
少なくとも1つの実施形態によれば、それぞれが発光材料を含む少なくとも2つの層が原子層堆積法を用いて形成される。すなわち、発光材料を含む、素子の2つの層、またはそれ以上の数の層、または全ての層が原子層堆積法を用いて形成される。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、素子の発光領域内に、少なくとも1つのマトリクス材料から成る少なくとも1つの層が形成される。この層をp型マトリクス材料から構成することができる。さらに、この層をn型マトリクス材料から構成することができる。有利には、この層は少なくとも2つのマトリクス材料、すなわち、少なくとも1つのn型マトリクス材料および少なくとも1つのp型マトリクス材料を含み、これらのマトリクス材料を層内で相互に混合させることができる。この層もやはり原子層堆積法を用いて形成することができ、これによって層厚を殊に良好に制御することができる。
【0018】
例えば、発光領域を形成するために、少なくともマトリクス材料から構成されている層の析出と、発光材料がドーピングされている少なくとも1つのマトリクス材料を含む層の析出とを交互に行うことができる。すなわち、マトリクス材料と、光材料を有するマトリクス材料とが原子層堆積法を用いて交互に形成される。
【0019】
この構造は、殊に原子層堆積法を用いて形成される場合には、発光材料を含む層における電荷の閉じ込めを改善することが分かった。各相の層厚を単分子層(またはサブ単分子層)の範囲まで個別に調整することができる。すなわち、少なくとも1つのマトリクス材料から構成されている層も、発光材料を含む層も0.5nmを下回る厚さを有することができる。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、発光領域は、少なくとも1つの障壁材料から構成されている少なくとも1つの層を有する。障壁材料はマトリクス材料よりも大きいバンドギャップを有する。
【0021】
障壁材料は例えば、電子をブロックする材料または正孔をブロックする材料であるか、殊に有利には電子をブロックする材料と正孔をブロックする材料との組み合わせである。障壁材料を含む少なくとも1つの層も有利には原子層堆積法を用いて形成される。すなわち、この層の厚さも2nm以下とすることができる。
【0022】
例えば、この層の厚さも単分子層の範囲またはサブ単分子層の範囲にすることができる。素子の発光領域においては、少なくとも1つの障壁材料を含む層と、発光材料を含む層とを交互に形成することができる。この種の配置構成は、発光材料を含む層における電荷の閉じ込めをさらに改善する。この種の構造は例えば、無機半導体材料における量子井戸と同等のものである。すなわち、本発明による構造を有機量子井戸構造と称することもできる。
【0023】
少なくとも1つの実施形態によれば、発光領域は、それぞれが少なくとも1つの障壁材料から構成されている少なくとも2つの層を有する。発光材料を含む少なくとも1つの層は、それらの2つの層間に配置されている。有機発光素子はその発光領域内に、発光材料を有する複数の層を含むことができ、それらの層は、少なくとも1つの障壁材料から構成されている2つの層間にそれぞれ配置されている。
【0024】
換言すれば、これによって複数の有機量子井戸を含む発光領域が提供される。障壁材料は発光ゾーン、すなわち発光材料を含む層における電荷の閉じ込めを改善する。少なくとも1つの障壁材料から構成されている層は、数単分子層からサブ単分子層の範囲の厚さを有することができる。これらの層は、発光材料を含む層における電荷の注入を制御する。全ての層を例えば原子層堆積法によって形成することができる。このようにして、層厚を殊に正確に制御することができる。
【0025】
少なくとも1つの実施形態によれば、素子の発光領域における少なくとも1つの層のマトリクス材料が、青色の光の波長領域にある放射を放出する発光材料によって形成されている。このマトリクス材料内に少なくとも1つの層、有利には複数の層が埋め込まれており、それらの層は発光材料を含有する。この発光材料は、青色の光よりも大きい波長領域の放射の放出に適している。層内の発光材料は例えば燐光を発する発光材料である。層内の発光材料のためのマトリクス材料を形成する発光材料は蛍光を発するもので良い。電荷が層内の発光材料によって直接的に閉じ込められるのではなく、電荷が先ず、マトリクス材料のエネルギ的に比較的高い位置にある発光材料から、層のエネルギ的に比較的低い位置にある発光材料までは放射を放出することなく解放され、その後に再結合により放射を発するようにすることも可能である。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によれば、発光領域は、それぞれが相互に異なる発光材料を含む少なくとも2つの層を有する。つまり、例えばマトリクス材料は、素子の動作時に青色の光を放出する発光材料を含む。さらには、発光領域は発光材料を有する複数の層を含むことができ、これらの層において少なくとも1つの層は赤色の光を放射し、また少なくとも1つの層は緑色の光を放射する。
【0027】
以下では、本発明による方法ならびに本発明による素子を実施例および添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1から図6に概略的に示されている実施例に基づき、本発明による有機発光素子ならびに有機発光素子の製造方法を詳細に説明する。
【0029】
図中、同一、同様または同機能の構成要素には同一の参照符号を付している。図面および図示した構成要素の相互の大きさの比率は縮尺通りではないことに注意されたい。むしろ、より見易くするため、および/または、より良い理解のために、個々の構成要素を過度に大きく表している場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】1つの実施例による有機発光素子の構造の概略図を示す。
【図2】1つの実施例による有機発光素子の発光領域の概略図を示す。
【図3】1つの実施例による有機発光素子の発光領域の概略図を示す。
【図4】別の実施例による有機発光素子の構造の概略図を示す。
【図5】別の実施例による有機発光素子の構造の概略図を示す。
【図6A】別の実施例による有機発光素子の構造の概略図を示す。
【図6B】別の実施例による有機発光素子の構造の概略図を示す。
【0031】
図1は、1つの実施例による有機発光素子の構造の概略図を示す。有機発光素子は例えば有機発光ダイオード(OLED)である。
【0032】
この素子は第1の電極としてアノード1を有する。アノード1には正孔輸送層2が接しており、この正孔輸送層2は正の電荷を発光領域4へと輸送する。
【0033】
正孔輸送層2には電子障壁層3が続き、この電子障壁層3は発光領域4からの電子の正孔輸送層2への侵入を阻止する。
【0034】
発光領域4は、本明細書において説明する実施形態のうちの1つにしたがい実施されている。また発光領域4は、本明細書において説明する方法のうちの1つにしたがい形成されている。発光領域4においては、発光材料を含む層10内での電磁放射の放出10aが生じる。
【0035】
発光領域4には正孔障壁層5が続き、この正孔障壁層5はこの正孔障壁層5に接している電子輸送層6への正の電荷の侵入を阻止する。
【0036】
電子輸送層6はカソード7として構成されている第2の電極からの負の電荷、電子を発光領域4へと輸送する。
【0037】
図2を参照しながら、概略図に基づき、本発明による素子の1つの実施例に関する発光領域4を詳細に説明する。発光領域は多数の層10を含み、これらの層10はそれぞれマトリクス材料および発光材料を含む。発光材料を有する層10はここではそれぞれ同一の発光材料を含むので、発光材料を有する全ての層10において、同一の波長領域にある電磁放射の放出10aが行われる。発光材料を有する層10はマトリクス材料を有する層11内に埋め込まれている。
【0038】
マトリクス材料を有する層11は、有利には2つのマトリクス材料、すなわち、n型マトリクス材料およびp型マトリクス材料を含む。図2には、電子障壁層3ないし正孔障壁層5と、マトリクス材料11を有する層との境界層において電荷が差し当たりブロックされ、これによって空間電荷が生じることが概略的に示されている。電荷は続いて発光領域4へと誘導され、電荷はそれぞれ発光材料を有する層において発光材料の分子に捕捉される。電荷は部分的に再結合され、これによって電磁放射の放出10aが行われる。しかしながら、電荷の一部は発光材料を有する隣接層へと通過する。図2における太い矢印の異なる長さはトンネル確率を表し、このトンネル確率は電荷の数、発光材料を有する層10間におけるマトリクス材料を有する層11の層厚ならびに層間の障壁の高さに依存する。
【0039】
発光材料を有する層10の層厚は有利には単分子層またはサブ単分子層の範囲にある。マトリクス材料から構成されている層の層厚も同様に、またはそれよりも大きく選定することができる。上述のような薄い層厚を、殊に原子層堆積法を介して殊に正確かつ再現可能に形成することができる。図2に示した配置構成に基づき、発光領域全体にわたる電磁放射の放出10aが生じる。
【0040】
図3には、図2と関連させて説明した状況が概略的な斜視図に基づき再度示されている。この図においては、発光材料を有する層10が、マトリクス材料から構成されている層11よりもエネルギ的に低い位置にあることがより良く見て取れる。このようにして、発光材料を含む個々の層10間にエネルギ障壁が配置されており、このエネルギ障壁は発光材料を含まずに1つまたは複数のマトリクス材料から形成されている。
【0041】
図4の概略図と関連させて、別の実施例を詳細に説明する。この実施例では図2および図3とは異なり、マトリクス材料ならびに発光材料を含む、発光材料を有する層10が障壁材料によって形成されている層14によって包囲されている。障壁材料はマトリクス材料よりも大きいバンドギャップを有することを特徴としている。
【0042】
図4の実施例においては、発光材料を有する層10と少なくとも1つの障壁材料から構成されている層14とが交互に配置されている。この実施例における電荷は、発光材料を有する層10から発光材料を有する隣接層10に到達するために、比較的高いエネルギ障壁を克服しなければならない。このようにして、発光材料を有する層10における電荷の閉じ込めが改善される。
【0043】
障壁材料を有する層14の障壁材料は正孔阻止特性も電子阻止特性も有する。このことは、図2および図3と関連させて説明したような構造とは異なり、殊に励起子が発光材料を有する一方の層10から発光材料を有する他方の層10に拡散することが殊に良好に阻止されるという利点を有する。電子が殊に良好にブロックされるように、または、正孔が殊に良好にブロックされるように、または両電荷種が同じくらい良好にブロックされるように層14における障壁材料を選定することができる。障壁材料を有する層14の厚さを変更することによって、発光材料を有する2つの層間のトンネル確率を調整することができる。有利には、発光領域4の全ての層は原子層堆積法によって形成される。
【0044】
図4に関連させて説明した構造を有機量子井戸構造と称することもできる。殊にこの構造は、発光材料を有する個々の層10における電荷の閉じ込めが殊に良好であるという点で優れている。さらには、この製造方法(原子層堆積法)に基づき、放射層の層厚を殊に良好に制御することができる。この組み合わせにより、放出10aの幅が線形で非常に短い、殊に良好に再現可能に製造される素子が得られる。すなわち、特定の波長または特定の波長領域を有する殊に純粋な光を形成することができる。図4と関連させて説明した実施例においては、発光材料を有する層10の各々に同一の発光材料が使用される。
【0045】
これとは異なり、図5の概略図に基づき、発光材料を有する層10内に種々の発光材料が使用される実施例を説明する。個々層14の厚さを種々の発光材料の種々のHOMOレベルまたはLUMOレベルに適合させることができる。さらには、障壁材料を有する層14には、接している発光部にとってどの障壁材料が最も適しているかに応じて種々の障壁材料と使用することができる。その種の構造は原子層堆積法を用いて殊に簡単に形成することができる。
【0046】
発光材料を有する層10は放出の確率が殊に高い位置に配置される。種々の発光材料を使用することによって、構成素子は混合放射、例えば白色光を放出することができる。種々の発光材料が交互に表れることも考えられる。すなわち、発光材料を有する隣接層10がそれぞれ異なる発光材料を有する。しかしながら、発光材料を有する層をそれぞれグループで配置することも可能である。この場合、各グループが発光材料を有する複数の層10を含み、また1つのグループにおいては同一の発光材料が使用される。
【0047】
図6Aおよび6Bに関連させて、本発明による素子の別の実施例を概略的な断面図で詳細に説明する。図6Aおよび図6Bは、電磁放射を放出するための種々の可能性を示す。
【0048】
図6Aと関連させて説明する実施例においては、赤色を発する発光材料および緑色を発する発光材料が層10に埋め込まれている。これらの発光材料のためのマトリクス材料、ならびにマトリクス材料から構成されている層11のためのマトリクス材料は青色を発する材料から形成されている。このようにして、マトリクス材料から構成されている層11からも電磁放射が放出される。赤色を発する材料および緑色を発する材料は有利には燐光を放射する。
【0049】
図6Bと関連させて、種々の波長を有する電磁放射を放出するための別の可能性を説明する。種々の発光材料を有する層10はマトリクス材料から構成されている層11によって包囲されている。黒い矢印15によってシンボリックに表されているように、電荷を層10によって直接的に閉じ込めることができる。さらには、電荷を例えば青色を発する発光材料16aによって捕捉し、この青色を発する発光材料16aからエネルギ的に低い位置にある発光材料、すなわち緑色を発する発光材料16bおよび赤色を発する発光材料16cへと解放することができる。この実施例においてはマトリクス材料自体は発光しない。
【0050】
本願において説明した素子の製造に適している材料は、例えば刊行物DE 102007058005.5に記載されており、その開示内容は、この刊行物に記載された材料に関しては、参照により本願に取り入れられる。
【0051】
本発明は実施例に基づく上記の説明によってそれらの実施例に限定されるものではない。むしろ本発明はあらゆる新規の特徴ならびにそれらの特徴のあらゆる組み合わせを含むものであり、これには殊に特許請求の範囲に記載した特徴の組み合わせ各々が含まれ、このことはそのような組み合わせ自体が特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には記載されていないにしてもあてはまる。
【0052】
本願は、ドイツ連邦共和国特許出願DE 102008054052.8の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により本願に取り入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光素子の製造方法において、
有機発光素子の発光領域(4)内に、発光材料を含み、かつ、2nm以下の厚さを有する少なくとも1つの層(10)を原子層堆積法によって形成することを特徴とする、有機発光素子の製造方法。
【請求項2】
それぞれが発光材料を含む少なくとも2つの層(10)を原子層堆積法によって形成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
有機発光素子の前記発光領域(4)内に、少なくとも1つのマトリクス材料から構成されている少なくとも1つの層(11)を形成する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのマトリクス材料から構成されている前記少なくとも1つの層(11)を原子層堆積法によって形成する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
有機発光素子の前記発光領域(4)内に、マトリクス材料よりも大きいバンドギャップを有する少なくとも1つの障壁材料から構成されている少なくとも1つの層(14)を形成する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの障壁材料から構成されている少なくとも1つの層(14)を原子層堆積法によって形成する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
有機発光素子において、
有機発光素子の動作時に電磁放射が形成される発光領域(4)を有し、
前記発光領域(4)は少なくとも1つの層(10)を含み、該少なくとも1つの層(10)は発光材料を含み、かつ、2nm以下の厚さを有することを特徴とする、有機発光素子。
【請求項8】
前記発光領域(4)は、少なくとも1つのマトリクス材料から構成されている少なくとも1つの層(11)を有する、請求項7記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記発光領域は少なくとも2つの層(11)を有し、該少なくとも2つの層(11)はそれぞれ少なくとも1つのマトリクス材料から構成されており、
前記少なくとも1つの層(10)は発光材料を含み、かつ、マトリクス材料から構成されている前記少なくとも2つの層(11)間に配置されている、請求項8記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記発光領域(4)は、マトリクス材料よりも大きいバンドギャップを有する少なくとも1つの障壁材料から構成されている少なくとも1つの層(14)を有する、請求項7から9までのいずれか1項記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記発光領域(4)は少なくとも2つの層(14)を有し、該少なくとも2つの層(11)はそれぞれ少なくとも1つの障壁材料から構成されており、
少なくとも1つの層(10)は発光材料を含み、かつ、障壁材料から構成されている前記少なくとも2つの層(14)間に配置されている、請求項10記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記マトリクス材料は、青色の光の波長領域にある放射を放出するよう構成されている発光材料によって形成されている、請求項8から11までのいずれか1項記載の有機発光素子。
【請求項13】
前記発光領域(4)は、青色の光の波長領域よりも大きい波長領域を有する放射を放出するよう構成されている発光材料を含む少なくとも1つの層(10)を有する、請求項12記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記発光領域(4)は、それぞれが相互に異なる発光材料を含む少なくとも2つの層(10)を有する、請求項7から13までのいずれか1項記載の有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2012−507123(P2012−507123A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533534(P2011−533534)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001450
【国際公開番号】WO2010/048923
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】