説明

有機発光表示装置及びその駆動方法

【課題】FRC及びディザリング方法を用いてガンマ補正をすることで、データ処理量を減らしてドライブICの面積と消費電力を減らした有機発光表示装置(又は有機電気発光素子と称する)の駆動回路、及びこれを用いた駆動方法を提供する。
【解決手段】入力された画像データをガンマ補正し、その補正された画像データのビット数を調節して出力するタイミングコントローラ、および出力された画像データに基づき、データ駆動信号を出力するデータ駆動部、タイミングコントローラから提供された制御信号に従ってゲート駆動信号を出力するゲート駆動部、そしてデータ駆動部及びゲート駆動部によって駆動するOLEDパネルを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に関し、特にフレームレートコントロール(FRC)及びディザリング方法を用いて画像データを処理することで、データの処理量及びドライバーICの面積と消費電力を減らした有機電界発光素子の駆動回路、及びこれを用いた駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、TVやモニターのようなディスプレイ装置には、陰極線管(CRT:Cathod Ray Tube)が主な装置として用いられているが、これは重量と体積が大きく、駆動電圧が高いという問題がある。このため、薄型化、軽量化、低消費電力化などの優れた特性を有する平板表示装置の必要性が台頭され、液晶表示装置(LCD)とプラズマディスプレイ装置(PDP)、電界放出表示装置、そして電気発光表示装置(ELD)のような多様な平板表示装置が研究、開発されている。
【0003】
この中で、電気発光素子(ELD)は、蛍光体に一定の以上の電場がかかると、光が発生する電気発光(EL)現象を用いた表示素子として、無機電気発光素子と有機電気発光素子(Organic Electro-Luminescence Display;OELD)とに分けられる。
【0004】
この中で、有機電気発光素子は青色を始めた可視光線の全ての領域の光が出るので、天然色の表示素子として注目を浴びており、高輝度および低い動作電圧の特性を有する。また、自体発光をするため、コントラストレシオが大きく、超薄型ディスプレイの実現が可能であり、製造工程が簡単であって環境汚染が比較的少ない。
【0005】
一方、応答時間が数マイクロ秒(μs)程度なので動画像の実現がしやすく、視野角の制限がなく、低温でも安定的で、直流5Vないし15Vの低電圧で駆動するので、駆動回路の製作及び設計が容易である。
【0006】
かかる有機電気発光素子は、その構造が無機電気発光素子と類似するが、発光原理は電子と正孔の再結合による発光からなるので、有機LED(OLED)とも呼ぶ。
【0007】
このような有機電気発光素子は自体発光型であるため、液晶表示装置に比べて視野角、コントラストなどに優れ、バックライトが必要なく、軽量薄型が可能で、消費電力の側面でも有利である。そして、直流低電圧の駆動が可能で応答速度が早く、全部固体からなっていて、外部の衝撃に強くかつ使用温度の範囲も広く、特に、製造費用面でも低廉であるという長所がある。
【0008】
特に、前記有機電気発光素子の製造工程は、液晶表示装置やPDPと異なり、蒸着及び封止装備の使用が全部で、工程が非常に単純である。
【0009】
特に、各画素ごとにスイッチング素子の薄膜トランジスターを有するアクティブマトリックス方式で有機電気発光ダイオード素子を駆動すると、低い電流を印加しても同一の輝度を表すので、低消費電力、高精細、大型化が可能であるという長所を有する。
【0010】
一方、多数の画素をマトリックス形態で配列し、各画素に薄膜トランジスターを連結した能動行列の形態が平板表示装置に広く用いられており、これを有機電気発光素子に適用した能動行列有機電気発光素子(AMOLED:Active Matrix Organic Light Emitting Device)について添付の図面を参照にして説明する。
【0011】
図1は、一般的な有機電気発光素子を示す回路図である。
図1に示したように、一般的な有機電気発光素子の一つの画素は、互いに垂直に交差するゲート配線1とデータ配線2、スイッチング薄膜トランジスター4とドライビング薄膜トランジスター5、ストレージキャパシター6、そして発光ダイオード7からなる。
【0012】
ここで、スイッチング薄膜トランジスター4のゲート電極は、ゲート配線1と連結され、ソース電極のデータ配線2と連結されている。スイッチング薄膜トランジスターのドレイン電極は、ドライビング薄膜トランジスター5のゲート電極と連結されており、ドライビング薄膜トランジスター5のドレイン電極は、発光ダイオード7のアノード電極と連結されている。ドライビング薄膜トランジスター5のソース電極は、パワーライン3と連結されており、発光ダイオード7のカソード電極は接地されている。次に、ストレージキャパシター6がドライビング薄膜トランジスター5のゲート電極及びソース電極と連結されている。
【0013】
したがって、ゲート配線1を介してゲート信号が印加されると、スイッチング薄膜トランジスター4がオンになり、データ配線2の信号がドライビング薄膜トランジスター5のゲート電極に伝達され、ドライビング薄膜トランジスター5がオンになるので、発光ダイオード7を介して光が出力される。この際、ストレージキャパシター6は、スイッチング薄膜トランジスター4がオフになった時、ドライビング薄膜トランジスター5のゲート電圧を一定に維持させる役割をする。
【0014】
図2は、図1のドライビング薄膜トランジスターと発光ダイオードに対する断面図である。
一般的な有機電気発光素子は図2のように構成される。
図2を見ると、基板10上にシリコン酸化膜9(SiO)のような絶縁膜のバッファ層11が全面に形成されており、バッファ層11の上部の所定の部位に島状の多結晶シリコン層21、22、23が形成されている。ここで、多結晶シリコン層21、22、23は、ドッピングの可否により、ドーピングが行われていない薄膜トランジスターのアクティブ層21と、不純物がドーピングされたソース及びドレイン領域22、23とに区分され定義される。このような多結晶シリコン層21、22、23は、非晶質シリコン層が結晶化させ形成する。
【0015】
そして、多結晶シリコン層21、22、23の上部にはゲート絶縁膜30が形成されており、この多結晶シリコン層は、薄膜トランジスターのアクティブ層21と、不純物がドーピングされたソース及びドレイン領域22、23に分けられる。
【0016】
次いで、多結晶シリコン層21、22、23を含むバッファ層11の全面にはゲート絶縁膜30が形成されており、アクティブ層21の上部のゲート絶縁膜30上にはゲート電極42が形成されている。
【0017】
そして、ゲート電極42を含むゲート絶縁膜30上には層間絶縁膜50が形成されており、層間絶縁膜50は、多結晶シリコン層のソース及びドレイン領域22、23の一部をそれぞれ表す第1及び第2コンタクトホール50a、50bを有する。ここで、層間絶縁膜50は、第1及び第2層間絶縁膜51、52の二重層からなる。
【0018】
そして、第1及び第2コンタクトホール50a、50bを含む層間絶縁膜50の上部の所定の部位には、金属のような導電物質でソース電極62及びドレイン電極63が形成されている。ここで、ソース及びドレイン電極62、63は、第1及び第2コンタクトホール50a、50bを介してそれぞれ多結晶シリコン層のソース及びドレイン領域22、23と連結されている。
【0019】
そして、保護層70がソース及びドレイン電極62、63を含む層間絶縁膜50の全面にかけて形成され、ここで、保護層70は、第2コンタクトホール50bの上部のドレイン電極63を表す第3コンタクトホール71を有する。
【0020】
保護層70の上部の所定の部位には、第3コンタクトホール71を介してドレイン電極63と連結され、透明導電物質からなる画素電極81が形成されている。ここで、画素電極81は、発光ダイオードのアノード電極となる。
【0021】
一方、一般的な表示装置のデータラインにデータ信号を印加するドライブICは、線形的な出力特性を有しており、ガンマ補正を行うためには、入力されるデータを処理して、入力データのビット数よりさらに多いビット数のデータに変換させ駆動する。このように、データのビット数の増加によって、ドライブICの面積と消費電力が共に増加する。
【0022】
図3は従来の有機電気発光素子の駆動部を示すブロック図で、図4は図3のガンマ補正前後の階調別の輝度特性を示すグラフである。
図3及び図4に示すように、従来の有機電気発光素子の駆動部は、パネル100内に形成されたそれぞれのゲートラインとデータラインに駆動信号を印加するゲート駆動部103、データ駆動部105と、ゲート駆動部103及びデータ駆動部105を制御するタイミングコントローラ110とを含んでなる。
【0023】
タイミングコントローラ110は、システムのグラフィックソース(図示せず)からnビットのRGB画像データと共に該当RGB画像データのディスプレイのための同期信号(HSYNC、VSYNC)とクロック信号(DE、MCLK)が提供され、ガンマ補正と色補正を行った後、補正されたmビットのRGBデータをデータ駆動部105に出力する。
【0024】
一方、タイミング制御部110は、その内部にRGB画像データのガンマ特性をガンマ2.2曲線に合わせて変換するデータ変換部111をさらに含んでいる。
【0025】
データ変換部111は、nビットのRGB画像データが入力され、オリジナルRGB画像データのガンマ特性を、図4に示すガンマ2.2曲線に合わせて変換させ、ガンマ特性が変換されたmビットのRGB画像データを出力させる。この際、データ変換部は、ルックアップテーブル(LUT)を用いたり、数式演算によってガンマ特性の変換を行うことができる。ガンマ特性が変換されたRGB画像データは、ガンマ特性変換の精密度を増加させるために、オリジナルRGB画像データのビット数より多くする。
【0026】
図4はオリジナルRGB画像データのガンマ曲線と、RGB色空間のガンマ特性に対する要件のガンマ2.2曲線とを比較して示しており、横軸は入力RGB画像データの最大値が1と正規化された階調レベルで、縦軸は該当階調レベルに対応する最大値が1と正規化された輝度レベルである。RGB色空間の要件を満たすためには、ガンマ2.2曲線に従うようにRGBデータのガンマ特性を変換することが必須である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかしながら、上記のような従来の有機電気発光素子には次のような問題点があった。
【0028】
従来の有機電気発光素子において、ガンマ補正のためにはタイミングコントローラに入力されるデータビットの数より多いビット数のデータをドライブICに送る。タイミングコントローラに入力されるデータはnビットで、ドライブICに送るデータはmビットとなり、m>nで、一般的にm=n+2である。
この場合、ドライブICでは、処理するデータがmビットに増加するので、ドライブICの面積や消費電力も増加する。
【0029】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、FRC及びディザリング方法を用いてガンマ補正をすることで、データ処理量を減らしてドライブICの面積と消費電力を減らした有機発光表示装置(又は有機電気発光素子と称する)の駆動回路、及びこれを用いた駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記目的を達成するための本発明に係る有機発光表示装置は、入力された画像データをガンマ補正し、その補正された画像データのビット数を調節して出力するタイミングコントローラ、および出力された画像データに基づき、データ駆動信号を出力するデータ駆動部、タイミングコントローラから提供された制御信号に従ってゲート駆動信号を出力するゲート駆動部、そしてデータ駆動部及びゲート駆動部によって駆動するOLEDパネルを含む。
【0031】
タイミングコントローラは、入力された画像データを、設定されたガンマ特性を有するように補正するデータ補正部、および補正された画像データの所定の下位ビットによって残りの上位ビットデータの発生頻度や位置を時間的および空間的に調節して、残りの上位ビットデータのみで画面が構成されるようにするデータ調節部を含む。
【0032】
データ制御部はFRCおよびディザリング部で構成される。
【0033】
FRC及びディザリング部は、データ補正部で補正された画像データのビットを縮小させる。
【0034】
データ補正部は、外部のグラフィックソースから画像データを入力し、その入力された画像データに対して所定のガンマ曲線を満たすガンマ特性を有し、ビット数が拡張された画像データを出力させる。
【0035】
データ調節部は、データ補正部から出力される画像データの下位の所定のビットに基づき、残りの上位ビットデータの発生頻度や位置を時間的および空間的に調節して、残りの上位ビットデータのみで画面が構成されるようにすることで、画像データのビットを縮小させ出力する。
【0036】
データ駆動部は、タイミングコントローラから出力された画像データを入力し、その入力された画像データに当たる階調電圧を選択して出力させる。データ駆動部は、タイミングコントローラから提供された各種の制御信号を受け、順次にゲート駆動信号を出力する。
【0037】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る有機発光表示装置の駆動方法は、入力された画像データを、設定されたガンマ特性を有するように補正する第1段階、及び補正された画像データの所定の下位ビットに基づき、残りの上位ビットデータの発生頻度や位置を時間的及び空間的に調節して、残りの上位ビットのデータのみでOLEDパネルの画面が構成されるようにする第2段階を含む。第2段階はFRC及びディザリング方法を用いる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る有機発光表示装置及びその駆動方法によれば、FRC及びディザリング方法を用いてガンマ補正することで、データ処理量を減らし、ドライブICの面積と消費電力を低減する効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明に係る有機発光表示装置及びその駆動方法を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図5は本発明の有機発光表示装置を示すブロック図で、図6は図5のデータ変換部を示すブロック図である。
図5及び図6に示したように、本発明の有機発光表示装置は、OLEDパネル200、パネル200内に形成されたそれぞれのゲートラインとデータラインに駆動信号を印加するゲート駆動部203及びデータ駆動部205、ゲート駆動部203及びデータ駆動部205を制御するタイミングコントローラ210を含んでなる。
【0041】
タイミングコントローラ210は、外部システムのグラフィックソース(図示せず)からnビットのRGB画像データと共にそのRGB画像データのディスプレイのための同期信号(HSYNC、VSYNC)とクロック信号(DE、MCLK)が提供され、ガンマ補正、色補正、FRC(Frame Rate Control)、及びディザリングを行い、補正されたn'ビットのRGBデータ(n'=n又はn'=n+1)をデータ駆動部205に出力する。
【0042】
一方、タイミング制御部210の内部に備えられたデータ変換部220は、図6に示したように、RGB画像データのガンマ特性をガンマ2.2曲線に合わせて変換して、mビットのRGBデータを出力するデータ補正部221a、221b、221cと、mビットのRGBデータをFRC及びディザリングして、データ変換するFRC及びディザリング部222a、222b、222cをさらに備えている。
【0043】
データ補正部221a、221b、221cは、従来の有機電気発光素子(又は有機発光表示装置)のタイミングコントローラに備えられたデータ変換部のような機能を行うものであって、入力されたnビットのオリジナルRGB画像データのガンマ特性を図4に示したガンマ2.2曲線に合わせて変換させ、ガンマ特性が変換されたmビットのRGB画像データを出力させる機能をする。この際、データ変換部は、ルックアップテーブル(LCT)を用いたり、数式演算によってガンマ特性の変換を行うことができる。
【0044】
例えば、ルックアップテーブルを用いた方法の場合、オリジナルRGB画像データの各入力階調別にガンマ特性が変換されたRGB画像データをマッピングさせて構成したルックアップテーブルから入力RGB画像データに対応する変換されたRGB画像データを検索して出力させる。ここで、ガンマ特性が変換されたm(m=n+2)ビットのRGB画像データは、ガンマ特性変換の精密度を向上させるために、nビットのオリジナルRGB画像データのビット数より多くする。
【0045】
データ補正部211a、211b、211cを介して変換されたmビットのRGB画像データは、FRC及びディザリング部222a、222b、222cに送られ、FRC及びディザリング部222a、222b、222cでは、mビットのRGB画像データに対して時間的及び空間的にディザリング処理とフレームレートコントロール(FRC)処理が行われ、n’ビットにビットが縮小する。このようにビット縮小したn’ビットは、オリジナルRGB画像データのビット数のnと同じ、或いはn+1である。
【0046】
このように、FRC及びディザリング部222a、222b、222cは、データ補正部211a、211b、211cから出力される画像データの下位の所定のビットによって、残りの上位ビットデータの発生頻度や位置を時間的及び空間的に調節して、残りの上位ビットデータのみで画面が構成されるようにすることで、画像データのビット数を縮小させる役割をする。この際、FRC及びディザリング部222a、222b、222cは、データ補正部の画像データを1ビット又は2ビット縮小させる。
【0047】
一般に、ディザリングとは、入力される階調データを減色処理して、階調データの本来数(以下、実際の色数ともいう)より少ない色数で実際の色数を疑似的に表現することをいう。このようなディザリング方式は、データビットの数が減縮する特性により、色数をそのまま表示する場合と比較して、低消費電力を図ることができる。
【0048】
一般的に、ディザリングなどの減色処理においては、実際の色数に対する削減した色数の比率(以下、減色率)を選択可能であり、減色率が低いほど実際の色数に近いので、画質の劣化が少なく、高くなるほど画質が劣化する。
【0049】
一方、表示装置においては、一般的に表示する色数が少ないほど回路動作を少なくすることができ、消費電力を削減することができる。
【0050】
そして、FRCとは、同一の画素でオン/オフが繰り返される時ユーザーに観察されるフリッカー現象を防止するために、連続するフレームの同一の画素でオン/オフが繰り返されないように、隣接した空間でオン/オフが起こる画素を垂直ライン、水平ラインなどで異なるように変更して、オン/オフを実施する方法をいう。
【0051】
一方、FRC及びディザリング処理については以下の実施例を通じて詳細に説明する。
【0052】
図7は本発明の第1実施例による有機発光表示装置の駆動方法を示す概念図である。
図7に示したように、本発明の第1実施例による有機発光表示装置の駆動方法は、オリジナルRGB画像データが6ビット(n=6)で、タイミングコントロール内のデータ補正部の内部のデータ補正されたビット数が8ビット(m=8)の場合を前提にする。
【0053】
一方、タイミングコントローラに入力されたオリジナルRGB画像データは6ビットで、その6ビットのデータがデータ補正部を経て8ビットのデータとなり、その8ビットのデータを、FRC及びディザリング処理をして6ビットに作り、出力する場合、有機発光表示装置の早い応答速度と大きい輝度変化によってフリッカーが発生することがある。
【0054】
このような問題を解決するために、ガンマ補正されたデータが8ビットの場合には、下位1ビットのみを切り、データ駆動部に入るデータを7ビットに作る方式を用いる。
【0055】
図7は、タイミングコントローラ210のデータ変換部220のFRC及びディザリング部222a、222b、222cでFRC及びディザリング処理をしたデータを示している。
【0056】
データ補正部221a、221b、221cから出力される8ビットのデータは、上位7ビットのデータと下位1ビットのデータとに分けることができ、下位1ビットのデータは‘0’、‘1’となる。この際、下位1ビットのデータが‘0’の場合を表示するためには、隣接する4つの画素を全部上位7ビットのデータに表現する。
【0057】
そして、下位1ビットのデータが‘1’の場合を表示するためには、隣接する4つの画素(横と縦2×2画素)のうち、2つの画素に上位7ビットのデータに1を加えた値を表示すると、4つの画素は平均的に下位1ビットが‘1’の場合となる。この際、このようなフリッカーが発生しないように、上位7ビット+1に当たる画素の位置を、図7に示したように、フレームによって移動させる。
【0058】
図7において、2mと2m+1はゲートラインに対応する線で、横線上の何番目のラインかを、2k及び2k+1はデータラインと対応する線で、縦線上の何番目のラインかを示し、2n番目のフレームと2n+1番目のフレームでそれぞれ横と縦に隣接した4つの画素で下位1ビットの状態が‘0’か‘1’かによって可能な表現法を示している。
【0059】
上述した第1実施例では、FRC及びディザリング時に減縮したデータのビット数が1ビットであり、したがって、下位1ビットに当たる表現方法も2つ、つまり‘0’、‘1’と単純である。
【0060】
図8は本発明の第2実施例に係る有機発光表示装置の駆動方法を示す概念図である。
図8に示したように、本発明の第2実施例に係る有機発光表示装置の駆動方法は、外部のグラフィックソースからタイミングコントローラに入力されたオリジナル画像データが8ビット(n=8)で、データ補正部を経たデータが10ビット(m=10)の場合についてのものである。第2実施例では、データ補正部から出力される10ビットの画像データのうち、下位の2ビットを切り、データ駆動部に入るデータを8ビットに作る。
【0061】
かかる第2実施例において、ディザリング法のみを用いて下位2ビットを切り、8ビットを作り、4フレームを周期で画素をオン/オフする場合、フリッカー現象が発生することがある。したがって、このようなフリッカー現象をなくすために、図8に示すように、連続するフレームで隣接した画素間の同じ位置で同一のオン/オフが発生しないように、フレーム別に配分するFRC法を用いる。
【0062】
一方、10ビットのデータは、上位8ビットのデータと下位2ビットのデータとに分けることができ、下位2ビットのデータは、‘00’、‘01’、‘10’又は‘11’となる。この際、下位2ビットのデータが‘00’である場合を表示するためには、隣接する4つの画素を全部上位8ビットのデータに表現する。
【0063】
そして、下位2ビットのデータが‘01’の場合を表示するためには、隣接する4つの画素のうち、一つの画素には上位8ビットのデータに1を加えた値を表示すると、4つの画素は平均的に下位2ビットが‘01’の場合となる。この際、このようなフリッカーが発生しないように、上位8ビット+1に当たる画素の位置を図8に示したようにフレームによって移動させる。
【0064】
同様に、下位2ビットが‘10’の場合には、隣接する4つの画素から2つの画素を上位8ビット+1のデータに表示する。
【0065】
そして、下位2ビットが‘11’の場合には、3つの画素を上位8ビット+1のデータに表示する。そして、この場合にもフリッカーが発生しないように8ビット+1のデータに表示される画素の位置をフレームによって変更させる。
【0066】
図8では、その例として4n、4n+1、4n+2、4n+3フレームによって画素の位置を変更する方法を示し、これは下位2ビットの場合の数が4である点を除いては図7で説明した第1実施例の方法と同一である。
【0067】
上述した有機発光表示装置及びその駆動方法は、電流駆動型の有機発光表示装置において、ガンマ補正のために、入力されるデータのビット数よりさらに多いビット数のデータに変換させ、パネルを駆動するが、この際、多いビット数に変換されたデータをFRC及びディザリング処理して、実際データドライブICに入力されるデータのビット数を入力データと同一、或いは一つ多いビット数のデータに変換させることで、データ駆動部(ドライブIC)の面積と消費電力を減らすことができる。
【0068】
一方、以上の実施例で説明した有機発光表示装置の駆動方法において、タイミングコントローラ内のビット数を拡張かつ減縮するデータのビット数は、それぞれ2ビット、1ビット、又は2ビットに限定されず、加減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】一般的な有機電気発光素子を示す回路図である。
【図2】図1のドライビング薄膜トランジスターと発光ダイオードに対する断面図である。
【図3】従来の有機電気発光素子の駆動部を示すブロック図である。
【図4】図3のガンマ補正前後の階調別の輝度特性を示すグラフである。
【図5】本発明の有機発光表示装置を示すブロック図である。
【図6】図5のデータ変換部を示すブロック図である。
【図7】本発明の有機発光表示装置の第1実施例による駆動方法を示す概念図である。
【図8】本発明の有機発光表示装置の第2実施例による駆動方法を示す概念図である。
【符号の説明】
【0070】
200 パネル
203 ゲート駆動部
205 データ駆動部
210 タイミングコントローラ
220 データ変換部
221 データ補正部
221a、221b、221c 第1乃至第3データ補正部
222a、222b、222c 第1乃至第3FRC及びディザリング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データのガンマ補正を行い、そのガンマ補正された画像データのビット数を調節して、変換された画像データを出力するタイミングコントローラ、および
前記変換された画像データに基づき、データ駆動信号を出力するデータ駆動部を含むことを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項2】
前記タイミングコントローラから提供された制御信号に基づき、ゲート駆動信号を出力するゲート駆動部、および
前記データ駆動部及び前記ゲート駆動部によって駆動する有機発光表示パネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記タイミングコントローラは、前記入力された画像データを、設定されたガンマ特性を有するように補正するデータ補正部、および
前記ガンマ補正された画像データの所定の下位ビットに基づき、残りの上位ビットデータの発生頻度、および位置を時間的および空間的に調節して、前記残りの上位ビットデータのみで画面が構成されるようにするデータ調節部を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記データ調節部は、FRC(Frame Rate Control)およびディザリング(dithering)部で構成されることを特徴とする請求項3に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記FRC及びディザリング部は、前記ガンマ補正された画像データのビット数を1又は2ビット減少することを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記タイミングコントローラは、前記ガンマ補正された画像データのビット数を1又は2ビット減少することを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記入力された画像データはnビットデータで、前記変換された画像データはn'ビットデータ(ここでn'=n)であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記入力された画像データはnビットデータで、前記変換された画像データはn'ビットデータ(ここで、n'=n+1)であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記変換された画像データは、
(a)前記ガンマ補正された画像データの最後の1又は2ビットが除去されたものであるか、又は
(b)前記ガンマ補正された画像データの最後の1又は2ビットが除去された後、“1”が加えられたものであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記変換された画像データは、画素の位置によって前記(a)又は前記(b)となることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
nビットのデータを受信し、そのnビットのデータをガンマ補正してmビットのデータに変換する(ここで、m>n)ガンマ補正部、および
前記mビットデータをディザリングによってn'ビットデータに変換する(ここで、n'=n又は n'=n+1)データ調節部を含むことを特徴とする有機発光表示装置用タイミングコントローラ。
【請求項12】
前記データ調節部は、フレームレートコントロール過程を行うことを特徴とする請求項11に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラ。
【請求項13】
前記n'ビットデータは、
(a)前記mビットデータの最後の1ビットが除去されたものであるか、又は
(b)前記mビットデータの最後の1ビットが除去された後、“1”が加えられたものであることを特徴とする請求項11に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラ。
【請求項14】
前記n'ビットデータは、画素の位置によって前記(a)又は前記(b)となることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラ。
【請求項15】
前記n'ビットデータは、
(a)前記mビットデータの最後の2ビットが除去されたものであるか、又は
(b)前記mビットデータの最後の2ビットが除去された後、“1”が加えられたものであることを特徴とする請求項11に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラ。
【請求項16】
前記n'ビットデータは、画素の位置によって前記(a)又は前記(b)となることを特徴とする請求項15に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラ。
【請求項17】
入力された画像データのガンマ補正を行う段階、
前記ガンマ補正された画像データのビット数を調節して、変換された画像データを出力する段階、
前記変換された画像データに基づき、データ駆動信号を発生して出力する段階を備えることを特徴とする有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項18】
制御信号に従ってゲート駆動信号を発生して出力する段階、
前記データ駆動信号及び前記ゲート駆動信号に従って有機発光表示装置の有機発光表示パネルを駆動する段階をさらに備ることを特徴とする請求項17に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項19】
前記ガンマ補正された画像データのビット数を調節して、変換された画像データを出力する前記段階は、前記ガンマ補正された画像データの所定の下位ビットに基づき、残りの上位ビットデータの発生頻度、及び位置を時間的及び空間的に調節して、前記残りの上位ビットデータのみで画面が構成されるようにすることを特徴とする請求項17に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項20】
前記変更されたビット数を有する前記ガンマ補正された画像データに対して、フレームレートコントロール(FRC)を行う段階をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項21】
前記ガンマ補正された画像データのビット数を調節して、変換された画像データを出力する前記段階は、前記ガンマ補正された画像データのビット数を1又は2ビット減少することを特徴とする請求項17に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項22】
前記入力された画像データはnビットデータで、前記変換された画像データはn'ビットデータ(ここで、n'=n)であることを特徴とする請求項17に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項23】
前記入力された画像データはnビットデータで、前記変換された画像データはn'ビットデータ(ここで、n'=n+1)であることを特徴とする請求項17に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項24】
前記変換された画像データは、
(a)前記ガンマ補正された画像データの最後の1又は2ビットが除去されたものであるか、又は
(b)前記ガンマ補正された画像データの最後の1又は2ビットが除去された後、“1”が加えられたものであることを特徴とする請求項17に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項25】
前記変換された画像データは、画素の位置によって前記(a)又は前記(b)となることを特徴とする請求項24に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項26】
ガンマ補正部及びデータ調節部を有したタイミングコントローラにおいて、
前記ガンマ補正部で、nビットのデータを受信し、そのnビットのデータをガンマ補正して、mビットのデータに変換する(ここで、m>n)段階、および
前記データ調節部で、前記mビットデータをディザリングによってn'ビットデータに変換する(ここで、n'=n又はn'=n+1)段階を含むことを特徴とする有機発光表示装置用タイミングコントローラの駆動方法。
【請求項27】
前記データ調節部によってフレームレートコントロール過程を行うことを特徴とする請求項26に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラの駆動方法。
【請求項28】
前記n'ビットデータは、
(a)前記mビットデータの最後の1ビットが除去されたものであるか、又は
(b)前記mビットデータの最後の1ビットが除去された後、“1”が加えられたものであることを特徴とする請求項26に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラの駆動方法。
【請求項29】
前記n'ビットデータは、画素の位置によって前記(a)又は前記(b)となることを特徴とする請求項28に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラの駆動方法。
【請求項30】
前記n'ビットデータは、
(a)前記mビットデータの最後の2ビットが除去されたものであるか、又は
(b)前記mビットデータの最後の2ビットが除去された後、“1”が加えられたものであることを特徴とする請求項26に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラの駆動方法。
【請求項31】
前記n'ビットデータは、画素の位置によって前記(a)又は前記(b)となることを特徴とする請求項30に記載の有機発光表示装置用タイミングコントローラの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−53536(P2006−53536A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189235(P2005−189235)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(501426046)エルジー.フィリップス エルシーデー カンパニー,リミテッド (732)
【Fターム(参考)】