説明

有機発光表示装置

【課題】トランジスタのスレッショルド電圧と移動度を補償して、画質の不均一を防止することができる有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】有機発光表示装置は、有機発光素子(OLED)を駆動するための駆動トランジスタとセンシング期間の間、前記駆動トランジスタのスレッショルド電圧を検出するためのセンシングトランジスタを含む複数の画素領域が配列された有機発光パネル;及び映像信号から算出された低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数を比べ、その比較結果により前記センシング期間を調整する制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、情報を表示するための平面表示装置が開発されている。表示装置は液晶表示装置、有機発光表示装置、電気映動表示装置、電界放出表示装置、プラズマ表示装置とを含む。
この中で、有機発光表示装置は、液晶表示装置に比べて、消費電力が低く、視野角が広く、更に軽く、輝度が高いため、次世代の表示装置として脚光を浴びている。有機発光表示装置に使用される薄膜トランジスタはアモルファスのシリコーンの結晶化を通じてポーリシリコーンで形成した半導体層により移動度を増加させることにより高速駆動を可能ならしめている。
【0003】
結晶化はレーザを利用したスキャン方式が広く利用されている。このような結晶化の工程において、レーザパワーが不安定であることにより、スキャナーが通り過ぎた跡のスキャンラインに形成された薄膜トランジスタのスレッショルド電圧が薄膜トランジスタへの移動度の差により互いに異なってしまい、各画素の領域での画質の不均一という問題が生じ得る。
【0004】
このような問題を解決するため、画素領域にスレッショルド電圧を検出して薄膜トランジスタのスレッショルド電圧を補償する技術が提案された。画素領域のスレッショルド電圧が検出されたスレッショルド電圧に基づいて得られる補償データを補償することにより、駆動電流は画素領域のスレッショルド電圧とは無関係になる。
スレッショルド電圧が補償された駆動電流は次のように表される。
I = C(VDD-Vdata)2
ここで、”C”は常数、”VDD”は電源電圧、そして”Vdata”はデータ電圧である。
【0005】
従来、図6に示したように、与えられたセンシング期間の間に薄膜トランジスタのスレッショルド電圧を検出している。しかし、上述したように、レーザによる結晶化の工程において、各薄膜トランジスタの移動度も異なる。従って、センシングの期間が定められる場合、移動度が小さかったり、大きかったりすることにより、スレッショルド電圧の検出能力が異なる。
【0006】
即ち、センシング期間の間に移動度が大きい場合には、スレッショルド電圧が正確に検出されることができる。一方、移動度が低くなければなるほどスレッショルド電圧より大きい電圧が検出される。
【0007】
従って、従来のようにセンシング期間を定めてしまうと、正確なスレッショルド電圧を検出し難くなり、スレッショルド電圧の補償を正確に行うことができなくなる。このため、画質の不均一の問題を解決することはできない。
【0008】
更に、各スキャンラインの移動度が互いに異なることによるラインムラのようなムラ現象が生じ得る。ライン等(例えば、表示装置のゲートライン等)の上の画素の輝度が互いに異なる場合、前記ラインムラが生じ得る。
【0009】
図7に示すように、センシング期間を短く調節することにより、移動度の変化を検出されたスレッショルド電圧にある程度は反映することができるが、このような場合、低階調においてムラが容易に感知されてしまう。仮に、センシング期間を長くした場合、スレッショルド電圧の異なる輝度の不均一が補償され得るが、高階調において移動度の差によるラインムラを除去することは容易ではない。
【0010】
さらに、図6に示したように、移動度が低くなるほど、元来のデータ電圧より高い電圧が画素領域に供給されるようになり、輝度不良が発生するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の解決しようとする課題は、上述した従来の技術の問題及び短所の少なくとも一つ以上を解決することができる有機発光表示装置を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の解決しようとする課題は、スレッショルド電圧と移動度を補償して、画質の不均一を防止することができる有機発光表示装置を提供することである。
【0013】
本発明の他の解決しようとする課題は、階調に応じてセンシングの期間を調節してムラ発生を抑制することができる有機発光表示装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の解決しようとする課題は、センシングの期間の調節に合わせるように輝度を調節して輝度不良を防止することができる有機発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による有機発光表示装置は、有機発光素子(OLED)を駆動するための駆動トランジスタとセンシング期間の間、前記駆動トランジスタのスレッショルド電圧を検出するためのセンシングトランジスタを含む複数の画素領域が配列された有機発光パネル;及び映像信号から算出された低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数を比べ、その比較結果により前記センシング期間を調整する制御部とを含む。
【0016】
また、本発明による有機発光表示装置は、有機発光素子(OLED)を駆動するための駆動トランジスタとセンシング期間の間、前記駆動トランジスタのスレッショルド電圧を検出するためのセンシングトランジスタを含む複数の画素領域が配列された有機発光パネル;及び映像信号からムラ認知領域に該当する画素を検出し、前記ムラ認知領域の画素に基づき低階調の比率を算出し、前記全階調の比率により前記センシング期間を調整する制御部とを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、スレッショルド電圧と移動度を補償して、画質の不均一を防止することができる。
また、低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数の多いか、少ないかによりセンシング期間を調節してガンマにおけるムラを抑制することができる。
さらに、階調に応じてセンシングの期間を調節してムラを抑制することが可能な有機発光表示装置を提供することができる。
また、センシングの期間調節に合わせるように輝度を調節して輝度不良を防止可能な有機発光表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る有機発行表示装置を示す。
【図2】図1の有機発光パネルを示した回路図である。
【図3】図2の画素領域の詳細な回路図である。
【図4】図2の画素領域を駆動するための波形図である。
【図5A】時間別に画素領域を駆動する際のトランジスタのスイッチング様子を示した回路図である。
【図5B】時間別に画素領域を駆動する際のトランジスタのスイッチング様子を示した回路図である。
【図5C】時間別に画素領域を駆動する際のトランジスタのスイッチング様子を示した回路図である。
【図5D】時間別に画素領域を駆動する際のトランジスタのスイッチング様子を示した回路図である。
【図6】移動度(μ)の変化によるセンシング検出程度を示した図面である。
【図7】センシング時間によるムラ認知程度を示した図面である。
【図8】第1実施形態による図1の制御部を示したブロック図である。
【図9】図8のタイミングコントローラを示したブロック図である。
【図10】図1の電源生成部を示したブロック図である。
【図11A】階調によるセンシング期間変化を示した図面である。
【図11B】階調によるセンシング期間変化を示した図面である。
【図12】第2実施形態による図1の制御部を示したブロック図である。
【図13】図12のムラ認知領域検出部を示したブロック図である。
【図14】ムラ認知の程度を見せてくれる映像を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0020】
本発明による実施形態の説明において、各構成要素の「上または下」に形成される場合、「上または下」は二つの構成要素等が互いに直接接触されるか、一つ以上の異なる構成要素が二つの構成要素の間に配置されて形成されることの両者を含む。また「上または下」と表現される場合、一つの構成要素を基準に上の方向だけではなく、下の方向の意味も含み得る。
【0021】
図1は本実施形態に係る有機発行表示装置を示すブロック図である。
図1を参照すると、本実施形態に係る有機発光表示装置は有機発光パネル10、制御部30、電源生成部20、ガンマ電圧生成部50、スキャンドライバー40及びデータドライバー60を含む。
【0022】
スキャンドライバー40はスキャン信号を有機発光パネル10に提供することができる。データドライバー60はデータ電圧を前記有機発光パネル10に提供することができる。
【0023】
ガンマ電圧生成部50は制御部30から提供された映像信号RGBに対応するデータ電圧を生成するように働くガンマ電圧を生成することができる。ガンマ電圧はデータドライバー60に供給される。
【0024】
従って、データドライバー60は映像信号に対応するデータ電圧を、ガンマ電圧生成部50で提供されたガンマ電圧を利用することにより、生成することができる。
【0025】
有機発光パネル10は、図2に示すように、複数のゲートライン(GL1乃至GLn)、複数のデータライン(DL1乃至DLm)、複数の第1電源電圧ライン及び複数の第2電源電圧ラインを含むことができる。図示されていないが、有機発光パネル10は、上述した以外に必要に応じて複数の信号ライン等を更に含むことができる。
【0026】
ゲートラインとデータラインの交叉において、複数の画素領域(P)が定義される。前記画素領域(P)はマトリックス状に配列される。各画素領域(P)は複数のゲートライン(GL1〜GLn)の中の一つ、複数のデータライン(DL1〜DLm)の中の一つ、複数の第1電源電圧ラインの中の一つ、及び複数の第2電源電圧ラインの中の一つに電気的に接続される。例えば、複数のゲートライン(GL1〜GLn)は水平方向に配列された複数の画素領域(P)等に電気的に接続され、複数のデータライン(DL1〜DLm)は垂直方向に配列された複数の画素領域(P)等に電気的に接続される。
【0027】
画素領域(P)にはスキャン信号(Scan)、データ電圧(Vdata)、第1及び第2電源電圧(ELVDD,ELVSS)等が供給される。即ち、スキャン信号(Scan)は複数のゲートライン(GL1〜GLn)の中の一つを通じて、画素領域(P)に供給され、データ電圧(Vdata)は複数のデータライン(DL1〜DLm)の中の一つを通じて、画素領域(P)に供給される。第1電源電圧(ELVDD)は第1電源電圧ラインの中の一つを通じて画素領域(P)に供給され、第2電源電圧(ELVSS)は第2電源電圧ラインの中の一つを通じて画素領域(P)に供給される。
【0028】
各画素領域(P)には、図3に示したように、第1乃至第6トランジスタ(T1乃至T6)、ストーリッジキャパシティ(Cst)及び有機発光素子(OLED)が形成されても良いが、これに限定されない。即ち、各画素領域(P)に形成されたトランジスタの個数、およびこれらの間の連結構造は、設計に応じて多様に変更可能であり、本実施形態は設計により変更の可能なすべての画素領域の回路構造に適用され得る。
【0029】
第1乃至第5トランジスタ(T1乃至T5)は信号の伝達のためのスウィングトランジスタであり、第6トランジスタ(T6)は有機発光素子(OLED)を駆動するための駆動電流を生成する駆動トランジスタである。
【0030】
ストーリッジ キャパシティ(Cst)はデータ電圧(Vdata)を一フレームの間、維持する機能を有する。有機発光素子(OLED)は光を生成する部材であって、駆動電流の強さにより互いに異なる輝度を有する光を生成可能である。有機発光素子(OLED)は赤色の光を生成する赤色の有機発光素子(OLED)、緑色の光を生成する緑色の有機発光素子(OLED)、及び青色の光を生成する青色の有機発光素子(OLED)とを含むことができる。
【0031】
第1乃至第6トランジスタ(T1乃至T6)はPMOS型薄膜トランジスタであるが、これに限定されない。第1乃至第6トランジスタ(T1乃至T6)はローレベルの信号によりターンオンされ、ハイレベルの信号によりターンオフされることができる。
【0032】
ここで、ハイレベルはグラウンド電圧であるか、これに近い電圧であり、ローレベルはグラウンド電圧より低い電圧であり得る。例えば、ローレベルはOVであり、ハイレベルは-10Vであるが、これに限定されない。
【0033】
第1電源電圧(ELVDD)はハイレベルの信号であり、第2電源電圧(ELVSS)はローレベルの信号であり得る。第1及び第2電源電圧(ELVDD、ELVSS)は常に一定のレベルを有するDC電圧であっても良い。
【0034】
第1トランジスタ(T1)において、ゲート電極は初期化信号(Init)が供給される初期化信号ラインに接続され、ソース電極は基準電圧(Vref)が供給される基準電圧ラインに接続され、ドレーン電極は有機発光素子(OLED)と第3トランジスタ(T3)の間に連結される。第1トランジスタ(T1)はローレベルの初期化信号(Init)によりターンオンされ、基準電圧(Vref)が有機発光素子(OLED)に供給される。
【0035】
第2トランジスタ(T2)において、ゲート電極は発光信号(EM)が供給される発光信号ラインに接続され、ソース電極は基準電圧(Vref)が供給される基準電圧ラインに接続され、ドレーン電極は第4トランジスタ(T4)とストーリッジ キャパシティ(Cst)の間に接続される。第2トランジスタ(T2)はローレベルの発光信号(EM)によりターンオンされ、基準電圧(Vref)がストーリッジ キャパシティ(Cst)に供給される。
【0036】
第3トランジスタ(T3)において、ゲート電極は発光信号(EM)が供給される発光信号ラインに接続され、ソース電極は第5及び第6トランジスタ(T5,T6)に接続され、ドレーン電極は有機発光素子(OLED)に接続される。第3トランジスタ(T3)はローレベルの発光信号(EM)によりターンオンされて、第6トランジスタ(T6)の駆動電流が有機発光素子(OLED)に供給される。
【0037】
第4トランジスタ(T4)において、ゲート電極はスキャン信号(Scan)が供給されるスキャン信号ラインに接続され、ソース電極はデータ電圧(Vdata)が供給されるデータラインに接続され、ドレーン電極は第2トランジスタ(T2)及びストーリッジ キャパシティ(Cst)と接続される。第4トランジスタ(T4)はローレベルのスキャン信号(Scan)によりターンオンされ、データ電圧(Vdata)がストーリッジキャパシティ(Cst)に供給される。
【0038】
第2トランジスタ(T2)のドレーン電極、第4トランジスタ(T4)のドレーン電極及びストーリッジキャパシティ(Cst)は第1ノード(N1)に共通に接続される。第5トランジスタ(T5)において、ゲート電極はスキャン信号(Scan)が供給されるスキャン信号ラインに接続され、ソース電極はストーリッジキャパシティ(Cst)と第6トランジスタ(T6)に接続され、ドレーン電極は第3トランジスタ(T3)と第6トランジスタ(T6)の間に接続される。
【0039】
第5トランジスタ(T5)はローレベルのスキャン信号(Scan)によりターンオンされ、第6トランジスタ(T6)のスレッショルド電圧を検出することができる。すなわち、第5トランジスタ(T5)は第6トランジスタ(T6)のスレッショルド電圧を感知するためのセンシングのトランジスタであり得る。
【0040】
ストーリッジキャパシティ(Cst)、第5トランジスタ(T5)のソース電極及び第6トランジスタ(T6)のゲート電極は第2ノード(M2)に共通には第1ノード(N1)に共通に接続され得る。従って、ストーリッジキャパシティ(Cst)は第1ノード(N1)と第2ノード(N2)の間に配置されて、第1ノード(N1)の電圧変化により第2ノード(N2)の電圧変化を生じさせるように機能する。第2ノード(N2)での電圧は第6トランジスタ(T6)のゲート電極に印加されるゲート電圧(Vg)ということができる。
【0041】
第6トランジスタ(T6)において、ゲート電極はストーリッジキャパシティ(Cst)、すなわち、第2ノード(N2)に接続され、ソース電極は第1電源電圧(ELVDD)が供給される第1電源電圧ラインに接続され、ドレーン電極は第3トランジスタ(T3)及び第5トランジスタ(T5)に接続される。
【0042】
図3の画素領域の回路構造は図4に示した波形によって駆動される。
図4に示すように、画素領域の回路構造は四つの個別期間により駆動されることができる。
【0043】
第1期間(1)は有機発光素子(OLED)を初期化する期間である。第2期間(2)はストーリッジキャパシティ、すなわち第2ノードを初期化する期間である。第3期間(3)は第6トランジスタのスレッショルド電圧をセンシングする期間である。第4期間(4)は有機発光素子(OLED)を駆動または発光する期間である。各期間(1,2,3,4)の動作を図5A乃至図5Dを参照しながら詳細に説明する。
【0044】
<第1期間>
図5Aに示すように、第1期間(1)でローレベルの初期化信号(Init)とローレベルの発光信号(EM)が画素領域(P)に供給される。
【0045】
ローレベルの初期化信号(Init)が初期化信号ラインを通して第1トランジスタ(T1)に供給される。第1トランジスタ(T1)はローレベルの初期化信号(Init)によりターンオンされ、基準電圧(Vref)が第1トランジスタ(T1)を経由して有機発光素子(OLED)に供給されるようにする。従って、有機発光素子(OLED)が有機発光素子(OLED)の前後に供給される基準電圧(Vref)と第2電源電圧(ELVSS)により放電されて初期化が実行される。
【0046】
このとき、図4に示すように、第2ノード(N2)のゲート電圧は以前充電されている以前のデータ電圧をそのまま維持することができる。一方、ローレベルの発光信号(EM)が発光信号ラインラインを通して第2トランジスタ(T2)と第3トランジスタ(T3)に供給される。第2トランジスタ(T2)はローレベルの発光信号(EM)によりターンオンされ、基準電圧(Vref)が第1ノード(N1)に供給される。第3トランジスタ(T3)はローレベルの発光信号(EM)によりターンオンされ、第6トランジスタ(T6)の駆動電流が有機発光素子(OLED)に供給される。
【0047】
しかし、上述したように、第1トランジスタ(T1)を経由して基準電圧(Vref)が有機発光素子(OLED)に供給されることによって、有機発光素子(OLED)は発光を止め、代わりに初期化が行われる。
【0048】
<第2期間>
図5Bに示すように、第2期間(2)でローレベルの初期化信号(Init)、ローレベルの発光信号(EM)及びローレベルのスキャン信号(Scan)が画素領域(P)に供給される。
【0049】
ローレベルの初期化信号(Init)が初期化信号ラインを通して第1トランジスタ(T1)に供給される。第1トランジスタ(T1)は初期化信号(Init)によりターンオンされて、基準電圧(Vref)が第1トランジスタ(T1)を経由して有機発光素子(OLED)に供給される。
【0050】
ローレベルの発光信号(EM)が発光信号ラインを通して第2及び第3トランジスタ(T3)に供給される。第2トランジスタ(T2)はローレベルの発光信号(EM)によりターンオンし、基準電圧(Vref)が第1ノード(N1)に供給される。第3トランジスタ(T3)はローレベルの発光信号(EM)によりターンオンする。
【0051】
ローレベルのスキャン信号(Scan)が第4及び第5トランジスタ(T4,T5)に供給される。第4トランジスタ(T4)はローレベルのスキャン信号(Scan)によりターンオンし、データ電圧(Vdata)が第1ノード(N1)に供給される。第5トランジスタ(T5)はローレベルのスキャン信号(Scan)によりターンオンする。
【0052】
第1ノード(N1)には第2トランジスタ(T2)を経由した基準電圧(Vref)と第4トランジスタ(T4)を経由したデータ電圧(Vdata)が供給される。このような場合、基準電圧(Vref)がデータ電圧(Vdata)より低い電圧レベルを有するため、第1ノード(N1)には基準電圧(Vref)が充電される。
一方、第1、第2、第3及び第5トランジスタ(T1,T2,T3,T5)がターンオンすることにより、第1ノード(N1)から第2トランジスタ(T2)、第1トランジスタ(T1)、第3トランジスタ(T3)及び第5トランジスタ(T5)を経由して第2ノード(N2)にまで接続される閉ループ構造を形成することができる。
【0053】
更に、基準電圧(Vref)は第1トランジスタ(T1)、第3トランジスタ(T3)及び第5トランジスタ(T5)を経由して第2ノード(N2)に充電される。従って、第2ノード(N2)のゲート電圧は以前のデータ電圧から基準電圧(Vref)へまで放電または低下し、ストーリッジキャパシティ(Cst)の初期化が行われる。
【0054】
<第3期間>
図5Cに示すように、第3期間(3)でローレベルの初期化信号(Init)とローレベルのスキャン信号(Scan)が画素領域(P)に供給される。ローレベルの初期化信号(Init)が初期化信号ラインを通して第1トランジスタ(T1)に供給される。第1トランジスタ(T1)は初期化信号(Init)によりターンオンし、基準電圧(Vref)が第1トランジスタ(T1)を経由して有機発光素子(OLED)に供給される。
【0055】
しかし、ハイレベルの発光信号(EM)により第3トランジスタ(T3)はターンオフし、第6トランジスタ(T6)の駆動電流が有機発光素子(OLED)に供給されなくなる。ローレベルのスキャン信号(Scan)により第4トランジスタ(T4)と第5トランジスタ(T5)がターンオンする。従って、データ電圧(Vdata)は第4トランジスタ(T4)を経由してストーリッジキャパシティ(Cst)が接続された第1ノード(N1)に充電される。
【0056】
一方、第5トランジスタ(T5)がターンオンすることで、第6トランジスタ(T6)はゲート電極とドレーン電極が共通に接続されるダイオード接続構造を有するようになる。
【0057】
ストーリッジキャパシティ(Cst)の第2ノード(N2)のゲート電圧は第1電源電圧(ELVDD)と第6トランジスタ(T6)のスレッショルド電圧(Vth)の間の差の値で充電される。
【0058】
<第4期間>
図5Dに示すように、第4期間(4)でローレベルの発光信号(EM)が画素領域(P)に供給される。
【0059】
ローレベルの発光信号(EM)により第2トランジスタ(T2)と第3トランジスタ(T3)がターンオンする。第2トランジスタ(T2)を経由してストーリッジキャパシティ(Cst)の第1ノード(N1)がデータ電圧(Vdata)から基準電圧(Vref)まで放電される。これにより、第1ノード(N1)の放電によりストーリッジキャパシティ(Cst)の第2ノード(N2)のゲート電圧(Vg)またはデータ電圧(Vdata)まで放電されるようになる。
【0060】
この結果、第6トランジスタ(T6)は第1電源電圧(ELVDD)とデータ電圧(Vdata)の差に比例する駆動電流が第3トランジスタ(T3)を経由して有機発光素子(OLED)に供給される。有機発光素子(OLED)は駆動電流により発光することができる。
【0061】
図8を参照すると、第1実施形態による制御部30は映像分析部110、演算部130及びタイミングコントローラ140を含む。
【0062】
制御部30はパラメータ、例えば階調によるセンシング期間及びセンシング期間によるガンマ基準電圧が設定されているパラメータ設定部120を更に含む。
【0063】
一フレーム映像で高階調範囲の画素の個数が低階調範囲の画素の個数より多ければ、センシング期間パラメータは短く設定され(第1センシング期間という)、逆に、一フレーム映像で低階調範囲の画素の個数が低階調範囲の画素の個数より多ければ、センシング期間パラメータは長く設定されるが(第2センシング期間という)、これに限定されない。
【0064】
図11Aに示すように、一フレームの映像で低階調が優勢な場合、センシング期間のパラメータが長くなるように設定されるのに対し、図11Bに示すように、一フレームの映像で高階調が優勢な場合、センシング期間のパラメータが短くなるように設定される。
【0065】
第1センシング期間のパラメータは第2センシング期間のパラメータより短く設定することができる。例えば、第1センシング期間のパラメータは1μsに設定しても良く、第2センシング期間のパラメータは4μsに設定しても良いができるが、これに限定されない。重要なことは一フレームの映像で高階調範囲の画素の個数が低階調範囲の画素の個数より多い場合には、そうではない場合に比べ、センシング期間が短くなるという点である。
【0066】
このように、高階調範囲の画素の個数が多い場合、画素領域でスレッショルド電圧(Vth)をセンシングする時間を短いセンシング期間に設定することで、高階調でのムラを除去することができる。反対に、低階調範囲の画素の個数が多い場合、長いセンシング期間に設定することで、低階調でのムラを除去することができる。
【0067】
図6に関連して上述したように、センシング期間を変えることにより輝度が変化する。従って、センシング期間が変化ても輝度が変化しないようにするため、センシング期間によるガンマ基準電圧を調整することができる。
【0068】
仮に、センシング期間パラメータが短く調整された場合、その短くなったセンシング期間でスレッショルド電圧(Vth)より高い電圧をセンシングすることで、元来のデータ電圧より高い電圧によって有機発光素子(OLED)が駆動されるようになり、更に高い輝度を発生することができる。これらを解決するために、ガンマ基準電圧を低く設定することができる。
【0069】
反対にセンシング期間パラメータが長く調整された場合、長くなったセンシング期間では元来のスレッショルド電圧(Vth)がセンシングされることで、元来のデータ電圧により有機発光素子(OLED)が駆動されるので、所望の輝度を発生することができる。このような場合には、ガンマ基準電圧を元来設定された通りに維持することができる。
【0070】
従って、前記パラメータ設定部120において、第1ガンマ基準電圧パラメータが元来のガンマ基準電圧より低いガンマ基準電圧に設定され、そして第2ガンマ基準電圧パラメータが元来のガンマ基準電圧に設定されるが、本発明はこれに限定されない。
【0071】
第1ガンマ基準電圧パラメータは第2ガンマ基準電圧パラメータに設定された元来のガンマ基準電圧より低いガンマ基準電圧に設定されることができる。
【0072】
映像分析部110は一フレームの映像信号(RGB)を分析して、階調別の画素の個数を含むヒストグラム信号(HS)を生成することができる。このように生成されたヒストグラム信号(HS)は演算部130に提供される。
【0073】
演算部130はヒストグラム信号(HS)を基に低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数を算出する。低階調は0階調から127階調までに該当し、高階調は128階調から255階調までに該当し得る。
【0074】
演算部130は低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数を比較して、その結果によってパラメータ設定部120から該当するセンシング期間パラメータとガンマ基準電圧パラメータを読み出すことができる。
【0075】
演算部130は読み出されたセンシング期間パラメータをタイミングコントローラ140に提供して、読み出されたガンマ基準電圧パラメータからガンマ制御信号(GCS)を発生させ、そのガンマ制御信号(GCS)を電源生成部20に提供することができる。
【0076】
例えば、高階調範囲の画素の個数が低階調範囲の画素の個数より多ければ、パラメータ設定部120から第1センシング期間パラメータと第2ガンマ基準電圧パラメータが読み出される。
【0077】
例えば、低階調範囲の画素の個数が高階調範囲の画素の個数より多ければ、パラメータ設定部120から第2センシング期間パラメータと第1ガンマ基準電圧パラメータが読み出される。
【0078】
演算部130はパラメータ設定部120から読み出されたセンシング期間パラメータに基づき制御信号(CS)を生成し、その制御信号(CS)をタイミングコントローラ140に提供することができる。
【0079】
タイミングコントローラ140は垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号 (Hsync)及びイネーブル信号(Enable)を入力し、これらの信号をスキャンドライバ40とデータドライバ60の駆動のためのスキャン制御信号(SCS)(以下第1スキャン制御信号という)とデータ制御信号(DCS)を生成することができる。
【0080】
図示されていないが、クロック信号がタイミングコントローラ140に提供されることができる。このような第1スキャン制御信号(SCS)とデータ制御信号(DCS)を生成する方法は多様であり、すでに広く知らされている。
【0081】
図9に示すように、タイミングコントローラ140はスキャン制御信号生成部142とスキャン制御信号調整部145を含む。スキャン制御信号生成部142は垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)及びイネーブル信号(Enable)を基にして第1スキャン制御信号(SCS)を生成することができる。スキャン制御信号調整部145は制御信号(CS)に従い第1スキャン制御信号(SCS)を調整した第2スキャン制御信号(SCS')を生成する。
【0082】
図4に示すように、センシング期間の調整は発光信号(EM)の立上り時間(rising time)からスキャン信号(Scan)のライジング時間までの期間により決定され得る。
【0083】
即ち、発光信号(EM)がローレベルからハイレベルへ遷移する時点でセンシング期間が始まり、スキャン信号(Scan)がローレベルからハイレベルへ遷移する時点でセンシング期間が終了する。
【0084】
発光信号(EM)の立上り時間は固定されて、スキャン信号(Scan)の立上り時間によりセンシング期間の幅が調整される。センシング期間が例えば4μsである場合、4μsは発光信号(EM)の立上り時間からスキャン信号(Scan)の立上り時間までの期間を意味する。センシング期間が例えば1μsである場合、1μsは発光信号(EM)の立上り時間からスキャン信号(Scan)の立上り時間までの期間を意味する。発光信号(EM)の立上り時間が固定されるので、スキャン信号(Scan)の立上り時間が発光信号(EM)の立上り時間から1μs または4μsに調整されることで、センシング期間が変更される。
【0085】
第2スキャン制御信号(SCS')の変更によりスキャン信号(Scan)が変更されるので、第2スキャン制御信号(SCS')が変更されることで、この変更された第2スキャン制御信号(SCS')により制御されるスキャンドライバ(40)は変更されたスキャン信号(Scan')を有機発光パネル(10)の該当する画素領域(P)に提供することができる。
【0086】
スキャン制御信号調整部145は、センシング期間が反映された制御信号(CS)に根拠して、第1制御信号(SCS)を調整して第2スキャン制御信号(SCS')を発生することができる。
【0087】
第2スキャン制御信号(SCS')はスキャンドライバ40に提供される。スキャンドライバ40は第2スキャン制御信号(SCS')によるスキャン信号(Scan')を変更したスキャン信号(SCS)を有機発光パネル10の該当する画素領域(P)に提供することができる。
【0088】
図10に示すように、電源生成部20はガンマ基準電圧生成部22とガンマ基準電圧調整部25を含む。
【0089】
電源生成部20は図示しない駆動電圧発生器を含み得る。この駆動電圧発生器は制御部30を駆動するための第1駆動電源(VCC1)、スキャンドライバ40を駆動するための第2駆動電源(VCC2)及びデータドライバ60を駆動するための第3駆動電源(VCC3)を生成することができる。
【0090】
電源生成部20はガンマ基準電圧(VSS’)を発生することができる。このガンマ基準電圧(VSS’)はガンマ電圧生成部(50)に供給されて複数のガンマ電圧を発生させるのに利用される。このようなガンマ基準電圧(VSS’)は、複数のガンマ電圧の生成に利用されるガンマ基準電圧(SCS)がガンマ基準電圧生成部22で生成された後、ガンマ基準電圧調整部25で調節されることにより、生成される。
【0091】
ガンマ電圧生成部50は例えばグラウンド電圧が印加されるグラウンドラインとガンマ基準電圧(SCS’)が印加されるガンマ基準電圧ラインの間に直列接続された複数の抵抗器を含む。この場合、各抵抗器の間のノードからガンマ電圧等を生成することができる。このようなガンマ電圧等はガンマ基準電圧(SCS’)を電圧分配方式により分配することで算出可能である。
【0092】
ガンマ基準電圧(SCS’)が変更されると、ノード等から生成されたガンマ電圧等も変更される。ガンマ基準調整部25は、演算部130で提供されたガンマ制御信号(GCS)により、ガンマ基準電圧生成部22で生成されたガンマ基準電圧(VSS)を調整し、第2ガンマ基準電圧(VSS')を生成することができる。
【0093】
第2ガンマ基準電圧(VSS')はガンマ電圧生成部50に提供される。第2ガンマ基準電圧(VSS')が変更されると、ガンマ電圧生成部50で生成されたガンマ電圧等も、変更される。
【0094】
図12に示すように、第1実施形態の制御部30と異なる制御部30Aを構成することもできる。
【0095】
即ち、第2実施例の制御部30Aは1フレームの映像で低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数の多いか少ないかを判断する前に、前もって、ムラが容易に発生される領域を検出して、このような領域を中心にセンシング期間とガンマ基準電圧を調整するようにすることで、システム演算負荷を減らし、不必要な演算を削減することができる。階調の差が多くなる領域のように複雑な領域ではムラが認知され難いために、このような領域に対して演算をする必要はない。第2実施形態はムラが容易に発生する領域を中心にムラを除去するのに重点を置いている。
【0096】
図12を参照すると、第2実施形態による制御部30Aはムラ認知領域検出部200、演算部230、LUT220及びタイミングコントローラ240を含む。
【0097】
ムラ認知領域検出部200は、図13に示すように、エッジ検出部205とヒストグラム生成部210を含む。
【0098】
エッジ検出部205はムラが認知される領域とそうではない領域を区分して、ムラが認知される領域を検出することができる。エッジ検出部205は1フレームの映像を基に基準値以下である階調を有する画素と隣接する画素と臨界値以上の階調の差を有する画素を検出し、これらの画素等を除去する。
【0099】
例えば、基準値は10階調であっても良く、臨界値は8階調であっても良いが、これに限定されない。0階調乃至10階調である画素はほとんどブラックに近い映像であり、このような映像ではムラが認知され難い。従って、これらの階調に該当する画素等はエッジ検出部205により事前に除去されるので、以後、処理ブロックであるヒストグラム生成部210及び演算部230での演算負荷を減らすことができる。
【0100】
更に、隣接する画素等の間の階調差が8階調以上である画素等により形成される映像は画素等の間の階調の差が大きいので、ムラを認知ことは容易ではない。従って、これらの階調の画素等は、エッジ検出部205により事前にフィルタリングされてヒストグラムに提供されなくなるので、以後の処理ブロックであるヒストグラム生成部210及び演算部230での演算負荷を減らすことができる。
【0101】
従って、階調の差が8以下である画素および10階調以上である画素等だけがエッジ検出部205によって検出され、ヒストグラム生成部210に提供されることができる。
【0102】
図14に示すように、エッジ検出部205によりムラ認知が難しい領域に該当する画素等はヒストグラム生成部210に提供されなくなる。これに対して、エッジ検出部205によりムラ認知が容易な領域に該当する画素等だけをヒストグラム生成部210に提供することができる。ヒストグラム生成部210はエッジ検出部205で提供された画素の階調を基にヒストグラム信号(HS)を生成することができる。
【0103】
他の実施形態として、ヒストグラム生成部210は、エッジ検出部205で提供された画素情報を基に入力映像として入力された映像信号からヒストグラム信号を生成しても良い。
【0104】
即ち、ヒストグラム生成部210は、エッジ検出部205から10階調以上である画素等と階調の差が8階調以下である画素等に関する画素情報を受けて、画素情報を基に1フレームの映像信号(R,G,B)から10階調以上である画素等と階調の差が8階調以下である画素を選択し、これらの画素の階調等に基づきヒストグラム信号(HS)を生成することができる。
【0105】
ヒストグラム生成部210は生成されたヒストグラム信号(HS)を演算部230に提供することができる。演算部230はヒストグラム信号(HS)に基づき低階調比率(LGP: low gray portion)を算出することができる。
【0106】
低階調比率(LGP)は下記の数式1により算出可能である。
【数1】

【0107】
Hist1は0階調乃至63階調の間の画素の個数を意味し、Hist2は190階調乃至255階調の間の画素の個数を意味する。Hist1とHist2の各範囲は設計に応じて適宜変更可能であり、これに限定されない。
【0108】
演算部230はLUT220から低階調比率に対応するセンシング期間パラメータ、ガンマ基準電圧パラメータ及びフレーム数に関する情報を得ることができる。
【0109】
LUT220は例えば、下記の表1のようにテーブルとして表すことができる。
【表1】

【0110】
このようなテーブルは一つの例として、最適化の過程または設計に応じて適宜変更可能であり、これに限定されない。"H"は第1センシング期間を表す第1センシング期間パラメータと第1ガンマ基準電圧を表す第1ガンマ基準電圧パラメータを含む。"L"は第1センシング期間より長いセンシング期間を表す第2センシング期間パラメータと第1ガンマ基準電圧より高いガンマ基準電圧を表す第2ガンマ基準電圧パラメータを含む。
【0111】
第1センシング期間は第2センシング期間より短いこともある。例えば、第1センシング期間は第2センシング期間の5%乃至50%の範囲を有することができる。
【0112】
例えば、"H"である場合、第1センシング期間は1μsであり、"L"である場合、第2センシング期間は4μsであり得る。
【0113】
第1ガンマ基準電圧は第2ガンマ基準電圧より低いことがある。第2ガンマ基準電圧は元来設定されたガンマ基準電圧であり、第1ガンマ基準電圧は元来ガンマ基準電圧より低い電圧であっても良い。
【0114】
例えば、"L"である場合、前記第2ガンマ基準電圧は10Vであり、"H"である場合、前記第1ガンマ基準電圧は7Vであり得る、これに限定されない。
【0115】
例えば、低階調比率(LGP)が0%≦LGP<20%である場合、連続して4フレームの間すべてH状態に設定され得る。従って、第1センシング期間と第1ガンマ基準電圧に調節されて、4フレームの間、有機発光パネル(10)が駆動され得る。
【0116】
例えば、低階調比率(LGP)が20%≦LGP<40%である場合、連続して4フレームの間、H,H,H,Lに設定される。
【0117】
例えば、低階調比率(LGP)が40%≦LGP<60%である場合、連続して4フレームの間、H,H,L,Lに設定される。
【0118】
例えば、低階調比率(LGP)が60%≦LGP<80%である場合、連続して4フレームの間、H,L,L,Lに設定される。
【0119】
例えば、低階調比率(LGP)が80%≦LGP<100%である場合、連続して4フレームの間、L,L,L,Lに設定される。
【0120】
従って、本実施形態によれば、4フレーム周期にセンシング期間とガンマ基準電圧を調節するために映像分析を行うことができる。
【0121】
本実施形態において、4フレーム周期は一例であって、8フレーム周期またはその以上の周期である場合もこともあり、本発明は、これに限定されない。本実施形態において、複数のフレーム周期でセンシング期間とガンマ基準電圧を調節しても良い。
【0122】
演算部230はLUT220から得られたガンマ基準電圧パラメータをガンマ制御信号(GCS)として図10に示したガンマ基準電圧調整部25に提供することができる。ガンマ基準電圧調整部25の調整を通して得られたガンマ基準電圧(SCS’)が図1に示したガンマ電圧生成部50に提供することができる。
【0123】
演算部230はLUT220から得られたセンシング期間パラメータを制御信号(CS)としてタイミングコントローラ240に提供する。これにより、タイミングコントローラ240は制御信号(CS)に含まれたセンシング期間によりスキャン信号(Scan)の立上り時間を調整することができる。このため、タイミングコントローラ240はスキャン信号(Scan)の調整を指示するスキャン制御信号(SCS’)を発生する。
【0124】
スキャンドライバ40はこのようなスキャン信号(Scan)の調整に関するスキャン制御信号(SCS’)を基に調節されたスキャン信号(Scan’)を生成して有機発光パネル10に供給することができる。従って、有機発光パネル10は調節されたスキャン信号(Scan’)により調整されたセンシング期間に駆動されることができる。
【0125】
以上の第2実施形態の制御部30Aにおいて説明しなかった構成は第1実施形態の制御部30に関する説明から理解されよう。
【0126】
また、以上の実施形態に説明された特徴、構造、効果等は本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ず一つの実施形態だけに限定されることはない。更に、各実施形態に例示された特徴、構造、効果等は実施形態等が属する分野の通常の知識を有するものにより異なる実施形態を組合せ、または変更され実施可能である。従って、このような組合せと変更に関係する事項は本発明に含まれると解釈される。
【0127】
以上、実施形態を中心に説明したが、これはただの例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特徴を逸脱しない範囲で上述した例示されない色々な変更、応用を行うことも可能である。例えば、本実施形態に具体的に示した各構成要素を変更して実施することができる。そして、このような変更と応用例に関係する相違点等は添付された請求範囲の本発明の範囲に含まれることと解釈される。
【符号の説明】
【0128】
10: 有機発光表示装置は有機発光パネル、20: 電源生成部、30: 制御部、40: スキャンドライバー、50: ガンマ電圧生成部、60: データドライバー、110: 映像分析部、120: パラメータ設定部、130,230: 演算部、140: タイミングコントローラ、142:スキャン制御信号生成部、145:スキャン制御信号調整部、200:ムラ認知領域検出部、205:エッジ検出部、210:ヒストグラム生成部、220:LUT、240:タイミングコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光素子(OLED)を駆動するための駆動トランジスタとセンシング期間の間、前記駆動トランジスタのスレッショルド電圧を検出するためのセンシングトランジスタを含む複数の画素領域が配列された有機発光パネルと、
映像信号から算出された低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数を比べ、その比較結果により前記センシング期間を調整する制御部とを含む有機発光表示装置。
【請求項2】
前記比較結果に従い、複数のガンマ電圧を発生するためのガンマ基準電圧を調整する電源供給部をさらに含む請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記有機発光パネルにスキャン信号を供給するスキャンドライバと、
前記複数のガンマ電圧を生成するガンマ電圧生成部と、
前記複数のガンマ電圧を利用してデータ電圧を生成してその生成されたデータ電圧を前記有機発光パネルに供給するデータドライバとを更に含む請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記映像信号を基に階調別の画素の個数を含むヒストグラム信号を生成する映像分析部と、
前記ヒストグラム信号を基に低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数を比較して、その結果に従って前記センシング期間と前記ガンマ基準電圧を調整するための制御信号を生成する演算部と、
前記制御信号に基づき前記スキャン信号を調整するためのスキャン制御信号を生成するタイミングコントローラとを含む請求項3に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記低階調範囲の画素の個数より前記高階調範囲の画素の個数が多ければ、前記センシング期間は短縮され、前記ガンマ基準電圧は第1ガンマ基準電圧に維持される請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記高階調範囲の画素の個数より前記低階調範囲の画素の個数が多ければ、前記センシング期間は延長され、前記ガンマ基準電圧は前記第1ガンマ基準電圧より高い第2ガンマ基準電圧になる請求項5に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
有機発光素子(OLED)を駆動するための駆動トランジスタとセンシング期間の間、前記駆動トランジスタのスレッショルド電圧を検出するためのセンシングトランジスタを含む複数の画素領域が配列された有機発光パネルと、
映像信号からムラ認知領域に該当する画素を検出し、前記ムラ認知領域の画素に基づき低階調の比率を算出し、前記低階調の比率により前記センシング期間を調整する制御部とを含む有機発光表示装置。
【請求項8】
複数のガンマ電圧を生成するためのガンマ基準電圧を生成する電源供給部を追加に含む請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記有機発光パネルにスキャン信号を供給するスキャンドライバと、
前記調節されたガンマ基準電圧に基づき前記複数のガンマ電圧を生成するガンマ電圧生成部と、
前記複数のガンマ電圧を利用してデータ電圧を生成し、生成されたデータ電圧を前記有機発光パネルに供給するデータドライバとを更に含む請求項8に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、
ムラ認知領域に該当する画素を検出する検出部と、
前記ムラ認知領域の画素に基づき階調レベルの画素の個数を含むヒストグラム信号を生成するヒストグラム生成部と、
前記ヒストグラム信号を基に前記低階調比率を算出し、前記センシング期間を調節するための制御信号及び前記ガンマ基準電圧の調節するためのガンマ制御信号を前記低階調比率によりフレーム周期に調節する演算部と、
前記制御信号に基づき前記スキャン信号を調整するためのスキャン制御信号を生成するタイミングコントローラとを含む請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記フレーム周期は少なくとも4フレーム以上である請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記低階調比率は低階調範囲の画素の個数を低階調範囲の画素の個数と高階調範囲の画素の個数の和で割った比率に該当する請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記低階調範囲は0階調乃至63階調であり、前記高階調範囲は190階調乃至2555階調に該当する請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記低階調比率によるフレーム周期内の各フレームでのセンシング期間とガンマ基準電圧は異なる請求項10記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記低階調比率が20%以下である場合、フレーム周期内のすべてのフレームで前記センシング期間は短縮され、前記ガンマ基準電圧は前記元来設定されたガンマ基準電圧より低くなるように調整される請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記低階調比率が80%以上である場合、前記センシング期間は延長され、前記ガンマ基準電圧は前記元来設定されたガンマ基準電圧に維持される請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記低階調比率が20%以上乃至80%以下である場合、フレーム周期内において、前記センシング期間は延長されるとともに前記ガンマ基準電圧が元来設定されたガンマ基準電圧であるフレームと、前記センシング期間が短縮されるとともに前記ガンマ基準電圧が元来設定されたガンマ基準電圧より低くなったフレームとが並存する請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記ムラ認知領域に該当する画素が基準値以上である画素と階調の差が臨界値以下である画素を含む請求項7記載の有機発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5A】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図3】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図11A】
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【図11B】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−80226(P2013−80226A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222065(P2012−222065)
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】