説明

有機ELパネル及びその製造方法

【課題】隣接画素や本来発光することのない画素間の電流のリークを抑制でき、かつ駆動電圧の低減及び発光効率の向上を可能にした有機ELパネルを提供する。
【解決手段】基板201にパターニングされた第1電極202の上面は、該上面の周縁に設けられた鍔部202aと、鍔部202aの内側から突出する凸部202bとを有し、鍔部202aの少なくとも凸部202bから離れた外側部分を覆うように基板201に隔壁206が設けられ、凸部202bの表面及び鍔部202aの表面並びに隔壁206の表面を覆うように正孔輸送層203が設けられ、凸部202b及び鍔部202aと対向する正孔輸送層203の上面個所に有機発光層204が設けられ、有機発光層204の表面及び有機発光層204の形成箇所を除く正孔輸送層203の表面を覆うように第2電極205が設けられるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機薄膜のエレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す)現象を利用した有機ELパネルおよび有機ELパネルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機ELパネルは、陽極としての電極と、陰極としての電極との間に、少なくともEL現象を呈する有機発光層を設けてなる構造を有し、両電極間に電圧が印加されると、有機発光層に正孔と電子が注入され、この正孔と電子とが有機発光層で再結合することにより、有機発光層が発光する自発光型の素子である。
さらに、発光効率を増大させるなどの目的から、陽極と有機発光層との間に正孔注入層、正孔輸送層、又は、及び、有機発光層と陰極との間に電子輸送層、電子注入層などが適宜選択して設けられている。そして、有機発光層とこれら正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを合わせて有機発光媒体層と呼ばれている。
【0003】
有機発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は真空蒸着法などにより薄膜形成される。このとき、微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。また真空中で成膜するためにスループットが悪いという問題がある。
そこで、最近では高分子材料を溶剤に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。高分子材料の塗液を用いてウェットコーティング法で有機発光層を含む有機発光媒体層を形成する場合の層構成は、陽極側から正孔輸送層、有機発光層と積層する2層構成が一般的である。このとき、有機発光層はカラーパネル化するために赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの発光色をもつ有機発光材料を溶剤中に溶解または安定して分散してなる有機発光インキを用いて塗り分ける必要がある。
【0004】
しかし、一般的に発光材料以外は塗り分けを行わないので、すべての色で共通層としてベタの膜を成膜すればよく、高精細なパターニングの必要が無い。そこで発光層以外の層としてポリマーをウェット法で成膜したり、低分子有機材料を蒸着で成膜したり、無機物を蒸着、スパッタ、CVDやその他の成膜方法で成膜したりする。このとき、駆動電圧を低減させるために導電率の高い膜を成膜すると隣接画素や本来発光することのない画素間にも膜中を電流がリークすることによって画素間スペースや隣接画素が発光してしまうというクロストークの問題があった。
【0005】
この問題に対し、導電率の低い材料を用いることにより電流リークを抑えてクロストークを防ぐことができるが、陽極からのホールの流入量の低下による発光効率の低下や、駆動電圧が高くなることによる消費電力が増大する問題があった。また、薄くすることによって膜抵抗を抑えることができるが、薄くすることによってELがショートしやすくなってしまい、製品の歩留まりが低下するという問題があった。
また、電流リークを抑える技術として隔壁上に成膜された膜をUVで処理することによって膜質を変化させる特許としては、特許文献1に示す技術が提案されている。しかし、主に有機材料の媒体層に有効でかつ、媒体層の成膜工程が煩雑になるという問題があった。
【0006】
従来の有機ELパネルについて、図1を参照して説明する。
従来における有機ELパネルは、図1に示すように、TFT(Thin Film Transisor)基板107の一方の面に、形成すべき画素に対応してパターニングされた第1電極101と、第1電極101の周縁を囲むようにTFT基板107の一方の面に形成された隔壁106と、隔壁106で囲まれた第1電極101の上面及び隔壁106の上面に形成された無機または有機の正孔輸送層105と、第1電極101と対向する正孔輸送層105の上面個所に形成された有機発光層103と、有機発光層103の上面及び正孔輸送層105の上面に形成された第2電極102とから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−158436
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来の有機ELパネルにおいて、正孔輸送性材料からなる正孔輸送層102を表示領域上に成膜する際に、塗布、蒸着、スパッタまたはCVDなどを用いて成膜されるが、駆動電圧を低減させるために導電率の高い膜を成膜すると隣接画素や本来発光することのない画素間にも膜中を電流104がリークすることによって画素間スペースや隣接画素が発光してしまうというクロストークの問題があった。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、隣接画素や本来発光することのない画素間の電流のリークを抑制でき、かつ駆動電圧の低減及び発光効率の向上を可能にした有機ELパネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、有機ELパネルであって、基板と、前記基板の一方の面に、形成すべき画素に対応してパターニングされた第1電極とを備え、前記第1電極の上面は、該上面の周縁に設けられた鍔部と、前記鍔部の内側から突出する凸部とを有し、前記鍔部の少なくとも前記凸部から離れた外側部分を覆うように前記基板の一方の面に隔壁が設けられ、前記凸部の表面及び前記鍔部の表面並びに前記隔壁の表面を覆うように正孔輸送層が設けられ、前記凸部及び前記鍔部と対向する前記正孔輸送層の上面個所に有機発光層が設けられ、前記有機発光層の上面及び前記有機発光層の形成箇所を除く前記正孔輸送層の表面を覆うように第2電極が設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の有機ELパネルにおいて、前記鍔部の幅は前記上面の幅の5%以下(0.5μm乃至5μmの範囲)であり、かつ前記鍔部の膜厚と前記凸部を含む第1電極の膜厚との差が前記凸部を含む第1電極の膜厚の5%乃至70%の範囲に設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の有機ELパネルにおいて、前記第1電極と前記有機発光層との間に前記正孔輸送層に加えて正孔注入層が選択的に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の有機ELパネル。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の有機ELパネルにおいて、前記第2電極と前記有機発光層との間に電子輸送層及び電子注入層の少なくとも前記電子輸送層が選択的に設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、有機ELパネルの製造方法であって、基板の一方の面に金属膜を成膜する成膜工程と、前記金属膜に、形成すべき画素に応じパターニングして第1電極を形成する電極パターニング工程と、前記第1電極の上面に、該上面の周縁を一定の幅でエッチングして鍔部と該鍔部の内側から突出する凸部を形成するエッチング工程と、前記鍔部の少なくとも前記凸部から離れた外側部分を覆うように前記基板の一方の面に隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記鍔部の表面及び前記凸部の表面並びに前記隔壁の表面を覆うように正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、前記凸部及び前記鍔部と対向する前記正孔輸送層の上面個所に有機発光層を形成する有機発光層形成工程と、前記有機発光層の表面及び有機発光層の形成箇所を除く前記正孔輸送層の表面を覆うように第2電極を形成する電極形成工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載の有機ELパネルの製造方法において、前記鍔部の幅は前記第1電極の上面の幅の5%以下(0.5μm乃至5μmの範囲)であり、かつ前記鍔部の膜厚と前記凸部を含めた第1電極の膜厚との差が前記凸部を含めた第1電極の膜厚の5%乃至70%の範囲に設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項5または6記載の有機ELパネルの製造方法において、前記正孔輸送層形成工程は、前記第1電極と前記有機発光層との間に前記正孔輸送層に加えて正孔注入層が選択的に形成する工程を含むことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5乃至7の何れか1項記載の有機ELパネルの製造方法において、前記正孔輸送層形成工程は、前記第2電極と前記有機発光層との間に電子輸送層及び電子注入層の少なくとも前記電子輸送層が選択的に形成する工程を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項7記載の有機ELパネルの製造方法において、前記正孔輸送層、前記正孔注入層のうち少なくとも1層がウェットプロセス法により形成されることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項8記載の有機ELパネルの製造方法において、前記電子輸送層及び前記電子注入層のうち少なくとも1層がウェットプロセス法により形成されることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項9または10記載の有機ELパネルの製造方法において、前記ウェットプロセス法が凸版印刷法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有機ELパネル及びその製造方法においては、第1電極の上面に、該上面の周縁を一定の幅でエッチングして鍔部と該鍔部の内側から突出する凸部を形成するようにしたので、鍔部と凸部との間に段差が形成されることにより、隔壁の側面とこれに対向する凸部との間に形成される正孔輸送層の膜厚を第1電極の他の部分より薄くでき、これにより、高抵抗な膜を成膜することが可能になり、電流のリークを抑制できるとともに駆動電圧を低減でき、発光効率も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来における有機ELパネルの概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる有機ELパネルの概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるTFT付き基板の概略断面図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる凸版印刷装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
本発明の有機EL表示装置の説明をするために一例としてアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置に関して述べる。ただし、本発明はアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置に限定さえるものではなく、パッシイブマトリクス駆動型有機EL表示装置にも適用することができる。
以下、本実施の形態にかかる有機ELパネルついて、図2を参照して説明する。
有機ELパネルは、図2に示すように、少なくとも薄膜トランジスタを備えた基板201と、各画素ごとに設けられる薄膜トランジスタ及び第1電極(陽極)202と、第1電極202の上方に形成された正孔輸送層203、有機発光層204と、有機発光層204の上方に形成された第2電極(陰極)205を備える。
第1電極202は、基板201の一方の面に、形成すべき画素に対応してパターニングされている。そして、各第1電極202の上面に、その上面の周縁を一定の幅でエッチングして鍔部202aと該鍔部202aの内側から突出する凸部202bを形成する。さらに、各第1電極202の鍔部202aの少なくとも凸部202bから離れた外側部分、すなわち鍔部202aの側面202a1及び該側面202a1に連なる角部202a2を覆うようにして、基板201の一方の面に第1電極202の膜厚より厚い膜厚の隔壁206が形成されている。
【0020】
各第1電極202の鍔部202aの表面及び凸部202bの表面には、これらを覆うように正孔輸送層203が形成されている。さらに、各第1電極202の鍔部202a及び凸部202bと対向する正孔輸送層203の上面個所には有機発光層204がそれぞれ形成されている。また、各有機発光層204の表面及び有機発光層204の形成箇所を除く正孔輸送層203の表面には、これらを覆うように第2電極205が形成されている。
【0021】
第1電極202において、第1電極202の上面の周縁を一定の幅でエッチングし、この鍔部202aを除く第1電極202の上面に凸部202bを形成することにより、凸部202bを含む第1電極202の膜厚d2を鍔部202aの膜厚d1より厚くする。
このため、鍔部202aと凸部202bとの間に段差が形成され、隔壁206の側面とこれに対向する凸部202bとの間に形成される正孔輸送層203の膜厚を第1電極202の他の部分より薄くできる。これにより、高抵抗な膜を成膜することが可能になる。これに加えて、第1電極202の鍔部202aの側面202a1と角部202a2が隔壁206で被覆されているので、電流の集中し易い角部202a2が電気的に絶縁されることになる。その結果、隔壁を伝って流れる電流のリークを抑制できるとともに駆動電圧を低減でき、発光効率も向上できる。
【0022】
本発明のアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置に用いる基板(バックプレーン)301の上面には、図3に示すように、TFTと有機EL表示装置の第1電極301が設けられており、かつ、TFTと下部電極とが電気的に接続している。
TFTや、その上方に構成されるアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置は支持体302で支持される。
【0023】
支持体302としては機械的強度、絶縁性を有し寸法安定性に優れた支持体であれば如何なる材料も使用することができる。例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、または、これらプラスチックフィルムやシートに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは積層させた透光性基材や、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、シート、板や、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属膜を積層させた非透光性基材などを用いることができる。
光取り出しをどちらの面から行うかに応じて支持体302の透光性を選択すればよい。これらの材料からなる支持体302は、有機EL表示装置内への水分の侵入を避けるために、無機膜を形成したり、フッ素樹脂を塗布したりして、防湿処理や疎水性処理を施してあることが好ましい。特に、有機発光層等を含む媒体層への水分の侵入を避けるために、支持体302における含水率およびガス透過係数を小さくすることが好ましい。
【0024】
支持体302上に設ける薄膜トランジスタは、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、図3に示すように、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層303、ゲート絶縁膜304及びゲート電極305から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
なお、図3において、符号306はソース電極、符号307はレイン電極、符号308は走査線、符号309は絶縁層、符号310は隔壁である。
【0025】
活性層303は、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料又はチオフエンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。これらの活性層303は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法;SiHガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法;Siガスを用いてLPCVD法により、またSiHガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス)すなわち減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜304を形成し、その上にn+ポリシリコンのゲート電極305を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
【0026】
ゲート絶縁膜304としては、通常、ゲート絶縁膜304として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO;ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
ゲート電極305としては、通常、ゲート電極305として使用されているものを用いることができる。例えば、アルミ、銅等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;ポリシリコン;高融点金属のシリサイド;ポリサイド;等が挙げられる。
薄膜トランジスタは、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極305が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。
【0027】
本発明のアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置は薄膜トランジスタが有機EL表示装置のスイッチング素子として機能するように接続されている必要があり、トランジスタのソース電極306と有機EL表示装置の画素電極(第1電極)が電気的に接続されている。
【0028】
次に、第1電極の成形方法について説明する。
基板201の上に第1電極202を成膜し、形成されるべき画素に応じてパターニングを行う。パターニングされた第1電極202は隔壁206によって区画され、各画素に対応した第1電極202となる。
第1電極202の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。
第1電極202を陽極とする場合には、ITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション構造の場合は透光性のある材料を選択する必要がある。必要に応じて、第1電極202の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。
【0029】
第1電極202の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。第1電極202のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。基板としてTFTを形成した物を用いる場合は下層の画素に対応して導通を図ることができるように形成する。
【0030】
本発明において、図2に示すような形状の第1電極202を形成する手順としては、まず、乾式成膜法または湿式成膜法で第1電極202を基板全体にベタで成膜した後、第1電極202を各画素ごとにパターニングする。次にフォトレジスト膜を成膜し、第1電極202の鍔部202aの幅を第1電極202の上面の幅の5%以下の周縁領域のみがエッチングされるように露光と現象を行った後、鍔部202aの膜厚d1が凸部202b含む第1電極202の膜厚d2の5%から70%の膜厚となるように酸溶液でエッチングし形成させる。エッチングされる鍔部202aの幅が5%以上になると画素領域の発光部分が1割以上減少することになり、輝度が低下してしまう。またリーク電流低減の効果のためには後述の隔壁の端部被覆幅よりもエッチング幅が大きい必要がある。
同様に膜厚についても抵抗率を高めるために、凸部202bを含む第1電極202の膜厚d2の70%以下、より好ましくは50%以下に膜厚となるように薄くすることが好ましいが、完全に除去してしまうと電極端部がむき出しになってしまうため、5%以上は残存させることが好ましい。
【0031】
次に、隔壁の形成方法について説明する。
本発明の隔壁206は画素に対応した発光領域を区画するように形成する。第1電極202の周縁を覆うように形成するのが好ましい(図2参照)。第1電極の縁部が露出していると、その縁部に電場が集中し、素子の短絡などの性能劣化が生じるおそれがあるが、絶縁体である隔壁で第1電極の鍔部202aの側面202a1及び角部202a2を覆うことによりこれを抑制することができる。第1電極の周縁を被覆するために、第1電極のエッチング部分を好ましくは0.5μm〜5μm被覆する。これにより、第1電極202の鍔部202aの幅を第1電極202の上面の幅の5%以下に設定できる。ただし、この幅は隔壁のパターン形成精度に依存する。
一般的にアクティブマトリクス駆動型の表示装置は各画素に対して第1電極202が形成され、それぞれの画素ができるだけ広い面積を占有しようとするため、画素電極の周縁を覆うように形成される隔壁206の最も好ましい形状は各画素電極を最短距離で区切る格子状を基本とする。
【0032】
隔壁206の形成方法としては、従来と同様、基体上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソ法により所定のパターンとする方法が挙げられる。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射して形成後にインクに対する撥液性を付与することもできる。
隔壁206の好ましい高さは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.5μm〜2μm程度である。高すぎると第2電極の形成及び封止を妨げ、低すぎると画素電極の周縁を覆い切れない、あるいは有機発光層等の媒体層形成時に隣接する画素とショートしたり混色したりしてしまうからである。
【0033】
次に、有機発光層等の媒体層の形成方法について説明する。
隔壁206の形成後、正孔輸送層15を形成し、次いで正孔輸送層204を形成する。正孔輸送材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコーター等を用いた各種塗布方法や凸版印刷方法を用いて形成される。また正孔輸送材料として無機材料を用いる場合、無機材料としては、CuO,Cr,Mn,FeOx(x〜0.1),NiO,CoO,Pr,AgO,MoO,Bi、ZnO,TiO,SnO,ThO,V,Nb,Ta,MoO,WO,MnOなどの無機材料を蒸着法を用いて形成される。ただし材料はこれらに限定されるものではない。図2のように有機材料または無機材料の正孔輸送層を第1電極202の凸部の部分と鍔部で異なる膜厚になるように形成し、さらに正孔輸送層を段差部分で周囲よりも薄膜となることで高抵抗化するため、隔壁206上への電流のリークが抑えることができる。
【0034】
正孔輸送層203形成後、インターレイヤー層(図示せず)に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコーター等を用いた各種塗布方法や凸版印刷方法を用いて形成される。
インターレイヤー層形成後、有機発光層204を形成する。有機発光層204は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層204を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N‘−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
【0035】
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
【0036】
次に、本発明の実施の形態にかかる凸版印刷装置について図4を参照して説明する。
図4は、有機発光材料からなる有機発光インキを、画素電極、絶縁層、正孔輸送層が形成された被印刷基板上にパターン印刷する際のもので、本製造装置はインクタンク401とインキチャンバー402とアニロックスロール403と凸版が設けられた版405がマウントされた版銅406を有している。
インクタンク401には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー402にはインクタンク401より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール403はインキチャンバー401のインキ供給部に接して回転可能に指示されている。
【0037】
アニロックスロール403の回転に伴い、アニロックスロール表面に供給された有機発光インキのインキ層404は均一な膜厚に形成される。このインキ層のインキはアニロックスロールに近接して回転駆動される版胴406にマウントされた版405の凸部に転移する。平台408には、透明電極及び正孔輸送層が形成された被印刷基板407が版405の凸部にあるインキは被印刷基板407に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板上に有機発光層が形成される。
【0038】
次に、第2電極205を形成する(図2)。第2電極205を陰極とする場合には発光層204への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的にはMg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を数nm挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
第2電極205の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
【0039】
次に、封止体について説明する。
有機EL表示装置としては電極間に発光材料を挟み、電流を流すことで発光させることが可能であるが、有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため通常は外部と遮断するための封止体(図示せず)を設ける。封止体は例えば封止材上に樹脂層を設けて作製することができる。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
【0040】
樹脂層の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL表示装置の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。なお、ここでは封止材上に樹脂層として形成したが直接有機EL表示装置側に形成することもできる。
【0041】
最後に、有機EL表示装置と封止体との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
【0042】
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
基板は支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。基板のサイズは200mm×200mmでその中に対角5インチのディスプレイが中央に設置されており、この基板の上方に第1電極を形成させた。形成方法としては、まず、スパッタ法を用いてITO膜を厚さ100nmし、そのITO膜を、フォトリソグラフィー法と酸溶液によるエッチングで幅25μmとなるようにパターニングして、透明電極(画素電極)を構成し、画素数は320×240とした。次に、フォトレジスト膜をスピンコートし、第1電極の両端から1.5μmだけエッチングさせるために、露光装置と現像液によりレジストを除去し、酸溶液で深さ40nmまでエッチングした後、残りのレジスト膜を除去させ形成させた。
【0043】
次に、基板上に設けられた第1電極の鍔部202aの側面202a1及び角部202a2を被覆し画素を区画するような形状で隔壁を形成した。隔壁の形成は、まず、アクリル系のフォトレジスト材料を全面スピンコートし、厚さを2μmとした。基板全面に塗布されたフォトレジスト材料に対してフォトリソグラフィー法により画素電極の間に幅40μmのラインパターンを形成した。
第1電極と隔壁の表面上に正孔輸送材料として、厚さ20nmの酸化モリブデン(MоОx)を、真空蒸着法により積層させた。蒸発源と基板の距離は300mm、角度0度の位置に設置した。
【0044】
次に、インターレイヤー材料であるポリビニルカルバゾール誘導体を濃度0.5%になるようにトルエンに溶解させたインキを用いこの基板を印刷機にセッティングし、絶縁層に挟まれた第1電極の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。このとき300線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は10nmとなった。
更に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、この基板を印刷機にセッティングし、絶縁層に挟まれた第1電極の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。このとき150線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。
【0045】
次に、第2電極として真空蒸着法でBa膜をメタルマスクを用いて厚み4nm成膜した後、Al膜を真空蒸着法によりメタルマスクを用いて150nm成膜した。そしてキャップ型封止ガラスと接着剤を発光領域をカバーするように載せ、約90℃で1時間接着剤を熱硬化して密閉封止し、アクティブマトリックス駆動型有機ELパネルを製作した。
このようにして製作したアクティブマトリックス駆動型有機ELパネルは、第1電極202の段差部分で高抵抗な膜が成膜されたことにより、印加電圧を6Vとしたときに170cd/mとなり、駆動電圧が低下し発光効率を向上させ、画素間への電流のリークを抑制することができた。
【0046】
次に、比較例について説明する。
(比較例1)
実施例1に対して比較例1として、本発明に係る有機ELパネルには該当しない構成の有機ELパネルを作製した。この比較例は、実施例1で形成した段差を持たせた第1電極ではなく、第1電極の全幅で膜厚を150nmになるようにパターンニングした第1電極を形成した後に、第1電極の鍔部を被覆するように隔壁を形成させた。この第1電極の成膜より先の工程は、実施例1と同一とした。従って、正孔輸送層においてほぼ均一な膜厚となり、周囲より高抵抗な膜が存在しないため、本発明には該当しないアクティブマトリックス駆動型有機ELパネルを作製した。
このようにして作製した比較例1のアクティブマトリックス駆動型有機ELパネルは、画素間へ電流がリークしているために、印加電圧を6Vとしたときに50cd/mとなり、駆動電圧も実施例1と比較し、高電圧側にシフトしてしまった。
【符号の説明】
【0047】
202,301……第1電極、202a……鍔部、202b……凸部、205……第2電極、204……有機発光層、203……正孔輸送層、206,310……隔壁、201……TFT基板、302……支持体、303……活性層、304……ゲート絶縁膜、305……ゲート電極、306……ソース電極、307……ドレイン電極、308……走査線、401……インクタンク、402……インキチャンバー、403……アニロックスロール、404……インキ層、405……版、406……版胴、407……被印刷基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方の面に、形成すべき画素に対応してパターニングされた第1電極とを備え、
前記第1電極の上面は、該上面の周縁に設けられた鍔部と、前記鍔部の内側から突出する凸部とを有し、
前記鍔部の少なくとも前記凸部から離れた外側部分を覆うように前記基板の一方の面に隔壁が設けられ、
前記凸部の表面及び前記鍔部の表面並びに前記隔壁の表面を覆うように正孔輸送層が設けられ、
前記凸部及び前記鍔部と対向する前記正孔輸送層の上面個所に有機発光層が設けられ、
前記有機発光層の上面及び前記有機発光層の形成箇所を除く前記正孔輸送層の表面を覆うように第2電極が設けられた、
ことを特徴とする有機ELパネル。
【請求項2】
前記鍔部の幅は前記上面の幅の5%以下(0.5μm乃至5μmの範囲)であり、かつ前記鍔部の膜厚と前記凸部を含む第1電極の膜厚との差が前記凸部を含む第1電極の膜厚の5%乃至70%の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
【請求項3】
前記第1電極と前記有機発光層との間に前記正孔輸送層に加えて正孔注入層が選択的に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の有機ELパネル。
【請求項4】
前記第2電極と前記有機発光層との間に電子輸送層及び電子注入層の少なくとも前記電子輸送層が選択的に設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の有機ELパネル。
【請求項5】
基板の一方の面に金属膜を成膜する成膜工程と、
前記金属膜に、形成すべき画素に応じパターニングして第1電極を形成する電極パターニング工程と、
前記第1電極の上面に、該上面の周縁を一定の幅でエッチングして鍔部と該鍔部の内側から突出する凸部を形成するエッチング工程と、
前記鍔部の少なくとも前記凸部から離れた外側部分を覆うように前記基板の一方の面に隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記鍔部の表面及び前記凸部の表面並びに前記隔壁の表面を覆うように正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、
前記凸部及び前記鍔部と対向する前記正孔輸送層の上面個所に有機発光層を形成する有機発光層形成工程と、
前記有機発光層の表面及び有機発光層の形成箇所を除く前記正孔輸送層の表面を覆うように第2電極を形成する電極形成工程と、
を備えることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
【請求項6】
前記鍔部の幅は前記第1電極の上面の幅の5%以下(0.5μm乃至5μmの範囲)であり、かつ前記鍔部の膜厚と前記凸部を含めた第1電極の膜厚との差が前記凸部を含めた第1電極の膜厚の5%乃至70%の範囲に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項7】
前記正孔輸送層形成工程は、前記第1電極と前記有機発光層との間に前記正孔輸送層に加えて正孔注入層が選択的に形成する工程を含むことを特徴とする請求項5または6記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項8】
前記正孔輸送層形成工程は、前記第2電極と前記有機発光層との間に電子輸送層及び電子注入層の少なくとも前記電子輸送層が選択的に形成する工程を含むことを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項9】
前記正孔輸送層、前記正孔注入層のうち少なくとも1層がウェットプロセス法により形成されることを特徴とする請求項7記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項10】
前記電子輸送層及び前記電子注入層のうち少なくとも1層がウェットプロセス法により形成されることを特徴とする請求項8記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項11】
前記ウェットプロセス法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項9または10記載の有機ELパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−225403(P2010−225403A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71243(P2009−71243)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】