説明

有軌道搬送装置

【課題】2つの軌道を接続する接続軌道を短くする。
【解決手段】接続軌道13には、その幅方向他方側(図2中左方)に設けられており、その伸延方向に延びる方向制御ガイド15と、その幅方向一方側(図2中右方)に設けられており、その伸延方向に関して方向制御ガイド15と離隔領域を隔てて離隔していると共に、その伸延方向に沿って延びる方向制御ガイド17とが設けられている。搬送台車30が順方向(図2中矢印で示す方向)に走行する際において、走行ユニット40が有するガイドローラ42、44の方向制御ガイド15による案内が解除された後に、当該走行ユニット40のガイドローラ41が、方向制御ガイド17に案内される位置まで当該走行ユニット40をシフトさせるシフト動作を行う。係るシフト動作の最中に、ガイドローラ42と当接する当接面18aを有する順シフトガイド18を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道を走行する搬送台車により被搬送物を搬送する有軌道搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、天井に敷設された軌道に懸垂状態で支持されている搬送台車によって、被搬送物を搬送する有軌道搬送装置が開示されている。係る懸垂式の有軌道搬送装置は、フロアを占有しないためスペース単価が高額になる半導体製造用クリーンルーム等において有用である。
【0003】
図9に示すように、特許文献1における搬送装置の搬送台車130は、被搬送物を懸垂状態で保持する台車部131と、台車部131上における走行方向(図中矢印で示す方向)の前方及び後方にそれぞれ配置された2つの走行ユニット140とを有している。各走行ユニット140は、その幅方向(走行方向と直交する方向)両端に2つずつ、合計4つのガイドローラ141〜144を備えている。そして、走行ユニット140は、図示しないユニット駆動機構の駆動によって、その幅方向に沿ってそれぞれシフト可能となっている。なお、2つの走行ユニット140は、ユニット連結部材148によって互いに回転自在に連結されている。
【0004】
また、近年の半導体製造工場においては、生産規模の大型化、複雑化が一層進んでいる。これに伴って、上述のような搬送装置の軌道の経路は複雑化しており、図9に示すような分岐・合流を多く含んでいる。図9に示す軌道は、分岐、合流が連続するH形の軌道であり、図中左右方向に延びる互いに平行な主軌道111及び副軌道112と、図中左下方から右上方に延びていると共に、主軌道111と副軌道112とを接続する接続軌道113とで構成される。
【0005】
主軌道111と接続軌道113との接続部分近傍には、方向制御ガイド114、115が設けられている。方向制御ガイド114は、主軌道111の幅方向一方側(図9中下方)において主軌道111の伸延方向に延びている。方向制御ガイド115は、接続軌道113の幅方向他方側(図9中左方)において接続軌道113の伸延方向に延びていると共に、主軌道111まで延びている。
【0006】
同様に、副軌道112と接続軌道113との接続部分近傍には、方向制御ガイド116、117が設けられている。方向制御ガイド116は、副軌道112の幅方向他方側(図9中上方)において副軌道112の伸延方向に延びている。方向制御ガイド117は、接続軌道113の幅方向一方側(図9中右方)において接続軌道113の伸延方向に延びていると共に、副軌道112まで延びている。なお、接続軌道113において、方向制御ガイド115と方向制御ガイド117とは、接続軌道113の伸延方向に関して長さL10の離隔領域を隔てて離隔している。
【0007】
ここで、図9に示すようなH形の軌道において、図中下方の主軌道111を図中右方向に走行する搬送台車130が主軌道111から分岐し、図中上方の副軌道112に合流する際の動作について説明する。
【0008】
まず、主軌道111を走行している走行ユニット140の幅方向他方側に位置するガイドローラ142、144が、接続軌道113に延びる方向制御ガイド115に案内されるよう、走行ユニット140をユニット駆動機構の駆動力によって幅方向他方側(図9中上方)にシフトさせる。この状態で、搬送台車130を接続軌道113との接続部分に向かって走行させて、搬送台車130を接続軌道113へと分岐させる。
【0009】
その後、図9に示すように、前方の走行ユニット140のガイドローラ142、144の方向制御ガイド115による案内が解除されてから、ユニット駆動機構の駆動力によって当該走行ユニット140をその幅方向にシフトさせ、当該走行ユニット140の幅方向一方側における走行方向前方のガイドローラ141が方向制御ガイド117によって案内される位置まで移動させる。これにより、前方の走行ユニット140のガイドローラ141、143が方向制御ガイド117によって案内される。後方の走行ユニット140についても、ガイドローラ142、144の方向制御ガイド115による案内が解除された後、同様にシフトさせることで、搬送台車130は副軌道112へと合流する。
【特許文献1】特開2001−270435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、特許文献1に記載されているような搬送装置では、方向制御ガイド115、117の切り替えが行われる離隔領域の長さL10は、少なくとも、1つの走行ユニット140の走行方向に沿う長さL11、ユニット駆動機構による走行ユニット140のシフト動作中に走行する距離L12、及び走行ユニット140をシフトさせるタイミングが遅れる等のシフト動作不良により緊急に停止しなければならない場合に、これを検出して搬送台車130が停止するのに必要な長さL13の合計長さを要する。しかしながら、前述のように半導体製造用クリーンルーム等はスペース単価が高額であるため軌道の占有面積を可能な限り小さくしなければならず、この離隔領域も可能な限り小さくし、接続軌道の更なる短縮化を図ることが望まれている。
【0011】
そこで、本発明の目的は、2つの軌道を接続する接続軌道を短くすることができる有軌道搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の有軌道搬送装置は、第1及び第2の本軌道、並びに前記第1及び第2の本軌道を接続する接続軌道を有する軌道と、前記軌道に支持されると共に案内されて走行する搬送台車と、前記接続軌道の幅方向一方側において当該接続軌道の伸延方向に沿って延びていると共に、前記第1の本軌道まで延びる第1の方向制御ガイドと、前記接続軌道の前記幅方向一方側に対する幅方向他方側において、当該接続軌道の伸延方向に関して前記第1の方向制御ガイドと重ならないように当該接続軌道の伸延方向に沿って延びていると共に、前記第2の本軌道まで延びる第2の方向制御ガイドとを備える有軌道搬送装置である。そして、前記搬送台車が、前記第1の方向制御ガイドに案内される第1のローラ、及び前記第2の方向制御ガイドに案内される第2のローラを有する複数のローラユニットを備えており、前記搬送台車が、前記接続軌道を前記第1の本軌道側から前記第2の本軌道側に向かう順方向に走行する際に、前記第1の方向制御ガイドによる1つの前記ローラユニットが有する前記第1のローラの案内が解除された後、当該ローラユニットの前記第2のローラが前記第2の方向制御ガイドに案内される位置まで当該ローラユニットを案内する順シフトガイドを備えている。
【0013】
この構成によると、第1の方向制御ガイドによる第1のローラの案内が解除されたローラユニットを、当該ローラユニットの第2のローラが第2の方向制御ガイドに案内される位置まで強制的にシフトさせることができる。したがって、第1の方向制御ガイドと第2の方向制御ガイドとの間の離隔領域の長さは、1つのローラユニットの走行方向に沿う長さと、第2のローラが第2の方向制御ガイドに案内される位置までシフトする間にローラユニットが走行する距離との合計長さだけあればよく、シフト動作不良の際における緊急停止のための長さを確保する必要はない。よって、不要となる緊急停止用の長さ分だけ、接続軌道の長さを短くすることができる。
【0014】
本発明の有軌道搬送装置では、前記順シフトガイドが、前記接続軌道の伸延方向に沿って延びる前記第1の方向制御ガイドの仮想延長線と交差していると共に、前記第2のローラが前記第2の方向制御ガイドに案内される位置に在る際の前記第1のローラと当接する位置まで延びており、前記第1のローラを当接させつつ案内する順シフト時当接面を有していることが好ましい。
【0015】
この構成によると、第1の方向制御ガイドによる案内が解除された第1のローラを順シフトガイドの順シフト時当接面に当接させ、第2のローラが第2の方向制御ガイドに案内される位置まで確実に案内することができる。
【0016】
本発明の有軌道搬送装置は、前記順シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、正弦曲線形状であってもよい。この構成によると、第1の方向制御ガイドによる第1のローラの案内が解除された後、第2のローラが第2の方向制御ガイドに案内される位置までシフトさせる際のシフト動作時に、搬送台車に加わる衝撃を少なくすることができる。よって、搬送台車によって搬送される被搬送物に損傷等の不具合が生じるのを防ぐことができる。
【0017】
本発明の有軌道搬送装置は、前記順シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、前記接続軌道の伸延方向に沿って一定速度で走行しつつ前記順シフトガイドによって案内される前記ローラユニットの前記接続軌道の幅方向に沿う速度が、まず等加速度で増し、所定速度に達した後は所定時間所定速度となり、所定時間経過後は等加速度で低下するように定められていることが好ましい。
【0018】
この構成によると、シフト動作時に搬送台車に加わる衝撃を確実に少なくすることができる。よって、搬送台車によって搬送される被搬送物に損傷等の不具合が生じるのを確実に防ぐことができる。
【0019】
本発明の有軌道搬送装置は、前記搬送台車が、前記接続軌道を前記第2の本軌道側から前記第1の本軌道側に向かう逆方向に走行する際に、前記第2の方向制御ガイドによる1つの前記ローラユニットが有する前記第2のローラの案内が解除された後、当該ローラユニットの前記第1のローラが前記第1の方向制御ガイドに案内される位置まで当該ローラユニットを案内する逆シフトガイドをさらに備えていることが好ましい。
【0020】
この構成によると、搬送台車を逆方向に走行させる際にも、シフト動作不良の際における緊急停止のための長さは不要であり、1つのローラユニットの走行方向に沿う長さと、第1のローラが第1の方向制御ガイドに案内される位置までシフトする間にローラユニットが走行する距離との合計長さだけあれば、第2の方向制御ガイドによる第2のローラの案内が解除された後、第1のローラが第1の方向制御ガイドに案内される位置までシフトさせることができる。
【0021】
本発明の有軌道搬送装置では、前記逆シフトガイドが、前記接続軌道の伸延方向に沿って延びる前記第2の方向制御ガイドの仮想延長線と交差していると共に、前記第1のローラが前記第1の方向制御ガイドに案内される位置に在る際の前記第2のローラと当接する位置まで延びており、前記第2のローラを当接させつつ案内する逆シフト時当接面を有していることが好ましい。
【0022】
この構成によると、第2の方向制御ガイドによる案内が解除された第2のローラを逆シフトガイドの逆シフト時当接面に当接させ、第1のローラが第1の方向制御ガイドに案内される位置まで確実に案内することができる。
【0023】
本発明の有軌道搬送装置は、前記逆シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、正弦曲線形状であってもよい。この構成によると、逆方向に走行している際のシフト動作時においても、搬送台車に加わる衝撃を少なくし、被搬送物に損傷等の不具合が生じるのを防ぐことができる。
【0024】
本発明の有軌道搬送装置は、前記逆シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、前記接続軌道の伸延方向に沿って一定速度で走行しつつ前記逆シフトガイドによって案内される前記ローラユニットの前記接続軌道の幅方向に沿う速度が、まず等加速度で増し、所定速度に達した後は所定時間所定速度となり、所定時間経過後は等加速度で低下するように定められていることが好ましい。この構成によると、逆方向に走行している際のシフト動作時に搬送台車に加わる衝撃を確実に少なくし、被搬送物に損傷等の不具合が生じるのを確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
本実施の形態に係る有軌道搬送装置は、半導体製造設備において基板が収納されたFOUP(Front Opening Unified Pod)を搬送する搬送装置であって、FOUPを保持した状態で天井に敷設された軌道に支持された台車を搬送させる懸垂式搬送装置(OHT:Over head Hoist Transport)である。図1は、本実施の形態に係るOHTが適用されたOHT搬送システムの概略構成を示す上面図である。
【0027】
図1に示すように、本実施の形態のOHT1の軌道10は、環状となっている主軌道11と、主軌道11の一部と平行な副軌道12と、主軌道11と副軌道12とを接続する複数の接続軌道13とを有している。環状の主軌道11の外側であって、その直下近傍には、複数の半導体製造装置91が配置されている。そして、副軌道12は、主軌道11の半導体製造装置91が近接配置されている箇所と平行となっている。副軌道12の近傍及び直下には、FOUP60をストックするストッカ93、及び工程調整のため必要に応じてFOUP60を一時的に保管する複数の簡易バッファ95が配置されている。
【0028】
搬送台車30は、上述のような軌道10に懸垂状態で支持されていると共に、軌道10に案内されて走行する。そして、搬送台車30は、FOUP60を保持して半導体製造装置91や、ストッカ93や、簡易バッファ95の間を走行し、これらにFOUP60を載置したり、また、これらからFOUP60を回収したりする。なお、搬送台車30は、通常、順方向(図1中矢印で示す反時計回りの方向)に走行するが、トラブルからの復旧作業時やメンテナンス作業時等には逆方向に走行する場合もある。
【0029】
次に、図2、3を用いて、OHT1の構成についてより詳細に説明する。図2は、OHT1を上面から見た透視図であり、図1における接続軌道13近傍(破線で囲まれた領域)を拡大したものである。図3は、図2における軌道10幅方向に一致するIII-III線に沿う断面図である。
【0030】
図3に示すように、軌道10は、略矩形の断面を有するダクト状の部材であり、天井97に吊り下げるように敷設されている。ダクト状の軌道10の下壁には、搬送台車30の後述する台車部31を懸垂するためのスリット2が、その伸延方向(図3における紙面表裏方向)に沿って形成されている。
【0031】
図2に示すように、軌道10における接続軌道13近傍には、方向制御ガイド14〜17、順シフトガイド18、及び逆シフトガイド19が設けられている。これらのガイド14〜19は、図3に示すように、軌道10の内側側面に設けられた軌道10の内部上面に対して略平行な部材であり、その一端部は内部側面と一体となり、他端部は下方向に折り曲げられるように成形されている。
【0032】
図2に示すように、方向制御ガイド14、15は、主軌道11と接続軌道13との接続部分近傍に設けられている。方向制御ガイド14は、主軌道11の幅方向一方側(図中下方)において主軌道11の伸延方向に延びている。方向制御ガイド15は、主軌道11の幅方向他方側(図中上方)において主軌道11の伸延方向に延びていると共に、接続軌道13への分岐点で屈曲しており、接続軌道13の幅方向他方側(図中左方)において接続軌道13の伸延方向に延びている。
【0033】
一方、方向制御ガイド16、17は、副軌道12と接続軌道13との接続部分近傍に設けられている。方向制御ガイド16は、副軌道12の幅方向他方側(図2中上方)において副軌道12の伸延方向に延びている。方向制御ガイド17は、接続軌道13の幅方向一方側(図2中右方)において接続軌道13の伸延方向に延びていると共に、副軌道12への合流点で屈曲しており、副軌道12の幅方向一方側(図中下方)において副軌道12の伸延方向に延びている。なお、接続軌道13において、方向制御ガイド15と方向制御ガイド17とは、接続軌道13の伸延方向に関して重ならないようになっている。すなわち、方向制御ガイド15と方向制御ガイド17とは、接続軌道13の伸延方向に関して長さL0の離隔領域を隔てて離隔している。
【0034】
また、順シフトガイド18は、接続軌道13の幅方向他方側(図2中左方)に設けられており、搬送台車30が順方向(図2中矢印で示す方向)に走行する際に、離隔領域において接続軌道13の幅方向にシフトする後述する走行ユニット40のガイドローラ42が当接する当接面18aを有している。逆シフトガイド19は、接続軌道13の幅方向一方側(図2中右方)に設けられており、搬送台車30が逆方向に走行する際に、離隔領域において接続軌道13の幅方向にシフトする後述する走行ユニット40のガイドローラ43が当接する当接面19aを有している。順シフトガイド18の当接面18a、及び逆シフトガイド19の当接面19aの形状については、後述する。
【0035】
図3に戻って、軌道10の内側上面には、2次側永久磁石3が設けられている。2次側永久磁石3は、搬送台車30を走行させる駆動源であるリニアモータの2次側部材であり、所定の形状に加工された多数の永久磁石が、その極性を反転させながら軌道10の伸延方向(図3における紙面表裏方向)に沿って順に配置されたものである。
【0036】
また、軌道10の内側側面には、折り返し往復路で一組となっており、軌道10の伸延方向(図3における紙面表裏方向)に沿って延びる1次側給電線4が設けられている。1次側給電線4には、高周波電力が印加されるようになっており、後述するように搬送台車30に設けられた2次側鉄心35と共に搬送台車30への非接触給電を実現するものである。なお、1次側給電線4は、搬送台車30の動きを制御するコントローラ(図示せず)と搬送台車30との通信線としても利用される。
【0037】
搬送台車30には、図3に示すように、軌道10の内側上面に設けられた2次側永久磁石3と所定間隔を隔てつつ対向するように、1次側積層鉄心34が設けられている。1次側積層鉄心34は、2次側永久磁石3と共にリニアモータを構成する1次側部材であり、コイルが巻回されている。
【0038】
また、搬送台車30は、断面形状が略E状であり、その2つの凹部に軌道10の内側側面に設けられた一組の1次側給電線4が挿通される2次側鉄心35を備えている。そして、1次側給電線4に高周波電力が印加されると、2次側鉄心35に巻回されたコイル(図示せず)に1次側の高周波電力が誘導され、非接触で電力伝達が行われるようになっている。なお、搬送台車30に必要な電力は、全てこの非接触給電で賄われる。
【0039】
ここで、搬送台車30の駆動源であるリニアモータの駆動方法について説明する。まず、上述のように非接触給電方式により2次側鉄心35に誘導された高周波電力は、整流部(図示せず)において全波整流により直流に変換され、さらに電源制御部(図示せず)においてPWM方式の3相交流電力に変換された後、リニアモータを構成する1次側積層鉄心34に供給される。1次側積層鉄心34に電力が供給されると、1次側積層鉄心34には直線状に移動する進行磁界が発生し、対向配置されている2次側永久磁石3との間の磁気作用によって、1次側積層鉄心34に推進力が発生する。ここで、1次側積層鉄心34は、後で詳述するように、ダクト状の軌道10内を走行可能な走行ユニット40に接続されている。よって、走行ユニット40は、リニアモータによって軌道10の伸延方向に沿う駆動力が付与され、軌道10内を走行するようになっている。
【0040】
さらに、搬送台車30は、図2に示すように、台車部31と、搬送台車30の走行方向に並んで配置されており、互いに同様の構成である2つの走行ユニット40とを備えている。図3に示すように、走行ユニット40は、ダクト状の軌道10内に位置している。台車部31は、軌道10のスリット2を介して軌道10の内部から外部へ延びる吊下げ部材33によって2つの走行ユニット40とそれぞれ接続されており、軌道10の下方において懸垂状態で保持されている。
【0041】
ここで、走行ユニット40の側面図である図4をさらに参照しつつ、走行ユニット40の構成について説明する。各走行ユニット40は、搬送台車30の走行方向を選択させるための4つのガイドローラ41〜44と、搬送台車30を走行させるための2つの走行ローラ49、50とをそれぞれ備えている。
【0042】
ガイドローラ41〜44は、走行ユニット40の幅方向両端にそれぞれ2つずつ設けられた水平方向に回転自在なローラであり、軌道10の分岐、合流部分において方向制御ガイド14〜17のいずれかに当接することで、搬送台車30の直進または分岐、合流を選択させることができるようになっている。
【0043】
図2、4に示すように、幅方向一方側の2つのガイドローラ41、43は、アーム45によって連結されている。同様に、幅方向他方側の2つのガイドローラ42、44は、アーム46によって連結されている。さらに、アーム45、46は、走行ユニット40の幅方向(すなわち軌道10の幅方向)に延びるアーム連結部材47によって連結されている。アーム連結部材47は、図示しないユニット駆動機構によって、その伸延方向に沿って駆動可能となっている。つまり、各走行ユニット40は、ユニット駆動機構の駆動によって、軌道10の幅方向に沿ってシフト可能となっている。また、各走行ユニット40のアーム連結部材47は、ユニット連結部材48によって互いに回動自在に連結されている。
【0044】
走行ローラ49、50は、走行ユニット40の幅方向両端にそれぞれ1つずつ設けられており、図3に示すように、軌道10の内側下面と当接しつつ回転自在となっているローラである。
【0045】
上述のような2つの走行ユニット40に対して懸垂状態で保持されている台車部31は、図3に示すように、台車位置調整機構36、懸垂機構37、及び把持機構38を備えている。台車位置調整機構36は、水平面内で移動可能であり、被搬送物であるFOUP60を載置する際や回収する際に位置合わせを行うための機構である。懸垂機構37は、懸垂ベルト37aの送り出しや巻き上げを行うための機構である。把持機構38は、懸垂ベルト37aの先端部に取り付けられており、グリッパ38aによってFOUP60を把持できるようになっている。
【0046】
ここで、図2を参照しつつ、順方向(図中矢印で示す方向)に走行する搬送台車30が主軌道11から分岐し副軌道12に合流する際の動作について説明する。なお、以下の説明において、軌道10(主軌道11、副軌道12、又は接続軌道13)の幅方向、伸延方向を単に「幅方向」、「伸延方向」と称する場合がある。
【0047】
まず、主軌道11上を順方向に走行する搬送台車30を、接続軌道13へ分岐させる場合には、主軌道11を走行する搬送台車30の2つの走行ユニット40をユニット駆動機構の駆動力によって幅方向他方側(図2中上方)にシフトさせておく。この状態で、搬送台車30を接続軌道13との接続部分に向かって走行させると、2つの走行ユニット40の幅方向他方側のガイドローラ42、44が方向制御ガイド15にそれぞれ案内され、搬送台車30は接続軌道13へと分岐する。
【0048】
その後、搬送台車30の走行方向前方に位置する走行ユニット40のガイドローラ42、44の方向制御ガイド15による案内が解除されてから、方向制御ガイド15、17の間の離隔領域において、伸延方向に沿って一定速度で走行している当該走行ユニット40を、ユニット駆動機構の駆動力によって幅方向一方側(図中右方)にシフトさせることで、当該走行ユニット40の幅方向一方側における走行方向前方のガイドローラ41が方向制御ガイド17によって案内される位置(図2中破線で示す位置)まで移動させるシフト動作を行う。これにより、前方の走行ユニット40のガイドローラ41、43が方向制御ガイド17によって案内される。そして、走行方向後方の走行ユニット40についても同様に離隔領域においてシフト動作を行うことで、搬送台車30は副軌道12へと合流する。
【0049】
上述のシフト動作が行われる最中は、走行ユニット40の幅方向他方側における走行方向前方のガイドローラ42は、順シフトガイド18の当接面18aに当接する。すなわち、順シフトガイド18の当接面18aは、接続軌道13の伸延方向に沿って延びる方向制御ガイド15の仮想延長線と交差しており、方向制御ガイド15による案内が解除された状態の走行ユニット40のガイドローラ42と当接する位置である案内解除位置から、走行ユニット40のガイドローラ41が方向制御ガイド17によって案内される位置にある際のガイドローラ42と当接する位置である案内再開位置まで延びている。なお、順方向走行時におけるシフト動作の際には、いずれのガイドローラ41〜44も逆シフトガイド19には当接しない。
【0050】
ここで、上述のようにシフト動作が行われる際の、幅方向に関する走行ユニット40の速度変化を図5に示す。図5に示すように、幅方向に関する走行ユニット40の速度vは、まず時刻t0からt1までの間は加速度α(αは定数)で増し、時刻t1において所定速度に達した後は時刻t2まで所定速度となり、時刻t2以降は時刻t3まで加速度αで減速する。よって、時刻t0≦t≦t1における速度v1、時刻t1<t≦t2における速度v2、及び時刻t2<t≦t3における速度v3は、以下の式(1)〜(3)でそれぞれ表すことができる。
v1=α・t (1)
v2=α・t1 (2)
v3=α・(t1+t2−t) (3)
【0051】
本実施の形態においては、シフト動作時における幅方向に関する走行ユニット40の速度が上述のように変化するように、走行ユニット40を駆動するユニット駆動機構がコントローラ(図示せず)によって制御される。これにより、シフト動作時に搬送台車30に加わる衝撃を小さくすることができる。よって、搬送台車30が保持しているFOUP60に収納されている基板が滑ることで摩擦が生じ、パーティクルを発生させ、これに起因するパターン欠陥により製品の歩留まりが低下するのを防ぐことができる。
【0052】
そして、シフト動作が行われる際の、幅方向に関する走行ユニット40の移動距離Sを表す式は、以下の式(4)〜(6)ように求まる。
【0053】
【数1】

【0054】
ここで、シフト動作時における伸延方向に関する走行ユニット40の速度は一定である。したがって、シフト動作時における幅方向に関する走行ユニット40の移動距離Sと、伸延方向に関する走行ユニット40の移動距離Lとの関係(すなわち、シフト動作時における走行ユニット40の軌跡)を示すグラフは図6のようになる。図6において、点A、B、C、Dで示す箇所は、時刻t0、t1、t2、t3にそれぞれ対応する。図6に示すように、シフト動作時の走行ユニット40の軌跡は滑らかな線で示されており、時刻t0からt1まで及びt2からt3までは、2次曲線形状となっており、時刻t1からt2までは、直線状となっている。なお、本実施の形態においては、走行ユニット40がシフト動作時に伸延方向に関して走行する距離L2は、図2に示すように、方向制御ガイド15、17間の離隔領域の長さL0から、1つの走行ユニット40の長さL1を引いた長さとなっている。
【0055】
そして、シフト動作の最中にガイドローラ42が当接する順シフトガイド18の当接面18aの案内解除位置から案内再開位置までの形状(案内方向に沿う形状)は、図6に示すグラフの曲線と一致している。
【0056】
ここで、ユニット駆動機構の不具合等により、シフト動作時に走行ユニット40に対して幅方向への駆動力が付与されなかった場合について述べる。かかる場合であっても、走行ユニット40のガイドローラ42が、順シフトローラ18の当接面18aに当接しつつ、案内解除位置から再開位置まで案内され、強制的にシフト動作が行われる。このとき、順シフトガイド18の当接面18aが上述のような形状をしていることにより、リニアモータによって付与された伸延方向に沿って一定速度で走行するような駆動力により走行する走行ユニット40の幅方向に沿う速度は、図5に示すように変化することとなる。
【0057】
また、逆方向(図2中矢印で示す方向とは反対方向)に走行する搬送台車30が副軌道12から分岐し主軌道11に合流する際についても同様である。すなわち、方向制御ガイド17による走行ユニット40のガイドローラ41、43の案内が解除された後、ユニット駆動機構の駆動力によって、伸延方向に関して一定速度で走行する当該走行ユニット40を、そのガイドローラ44が方向制御ガイド15に案内される位置までシフトさせるシフト動作が行われる。かかるシフト動作時における幅方向に関する走行ユニット40の速度についても、図5に示すように変化するように制御される。
【0058】
逆方向に走行する際のシフト動作の最中は、走行ユニット40の幅方向一方側(図2中右方)における走行方向前方のガイドローラ43は、逆シフトガイド19の当接面19aに当接する。すなわち、逆シフトガイド19の当接面19aは、接続軌道13の伸延方向に沿って延びる方向制御ガイド17の仮想延長線と交差しており、方向制御ガイド17による案内が解除された状態の走行ユニット40のガイドローラ43と当接する位置である案内解除位置から、走行ユニット40のガイドローラ44が方向制御ガイド15によって案内される位置にある際のガイドローラ43と当接する位置である案内再開位置まで延びている。そして、逆シフトガイド19の当接面19aの案内方向に沿う形状についても、図6に示すグラフの曲線と一致する。なお、逆方向走行時におけるシフト動作の際には、いずれのガイドローラ41〜44も順シフトガイド18には当接しない。
【0059】
上述のような順シフトガイド18及び逆シフトガイド19は、軌道10における、図2に示すように順方向に走行する搬送台車30が主軌道11から分岐させ、副軌道12に合流させるようなH形の箇所のみならず、副軌道12から分岐させ、主軌道11に合流させるようなH形の箇所や、主軌道11から分岐させ副軌道12の一端側(図1中左側)に侵入させるようなY形の箇所(図7参照)、副軌道12の他端側(図1中右側)から主軌道11に合流させるようなY形の箇所にも設置されている。
【0060】
以上のように、本実施の形態のOHT1は、主軌道11と副軌道12とを接続する接続軌道13の幅方向他方側(図2中左方)に設けられており、接続軌道13の伸延方向に延びる方向制御ガイド15と、接続軌道13の幅方向一方側(図2中右方)に設けられており、接続軌道13の伸延方向に関して方向制御ガイド15と離隔領域を隔てて離隔していると共に、接続軌道13の伸延方向に沿って延びる方向制御ガイド17とを備えている。また、搬送台車30が順方向(図2中矢印で示す方向)に走行する際に、方向制御ガイド15による走行ユニット40のガイドローラ42、44の案内が解除された後、当該走行ユニット40のガイドローラ41が、方向制御ガイド17に案内される位置まで当該走行ユニット40を案内することができる順シフトガイド18を備えている。したがって、走行ユニット40は、シフト動作時において、ユニット駆動機構による走行ユニット40のシフトのタイミングが遅れる等の不具合があった場合であっても、方向制御ガイド15による案内が解除された後は、順シフトガイド18に案内されて、方向制御ガイド15に案内される位置まで強制的にシフトする。よって、方向制御ガイド15から方向制御ガイド17に切り替わる離隔領域の長さL0は、1つの走行ユニット40の走行方向に沿う長さL1と、シフト動作時に走行ユニット40が走行する距離L2との合計長さだけあればよく、シフト動作不良の際における緊急停止のための長さを確保する必要はない。これにより、不要となる緊急停止用の長さ分だけ、接続軌道13の長さを短くすることができる。
【0061】
また、本実施の形態のOHT1では、順シフトガイド18が、接続軌道13の伸延方向に沿って延びる方向制御ガイド15の仮想延長線と交差しており、案内解除位置から案内再開位置まで延びていると共に、ガイドローラ42を当接させつつ案内する当接面18aを有している。したがって、ガイドローラ42を案内解除位置から案内再開位置まで確実に案内することができる。
【0062】
さらに、本実施の形態のOHT1では、順シフトガイド18の当接面18aの案内方向に沿う形状が、接続軌道13の伸延方向に沿って一定速度で走行しつつ順シフトガイド18によって案内される走行ユニット40の接続軌道13の幅方向に沿う速度が、まず等加速度で増し、所定速度に達した後は所定時間所定速度となり、所定時間経過後は等加速度で低下するように定められている。したがって、シフト動作不良時に、順シフトガイド18によって強制的にシフトした場合であっても、搬送台車30に加わる衝撃を少なくすることができる。よって、搬送台車30が保持しているFOUP60に収納されている基板に不具合が生じるのを防ぐことができる。
【0063】
加えて、本実施の形態のOHT1では、搬送台車30が逆方向に走行する際に、方向制御ガイド17による案内が解除された後、方向制御ガイド15に案内される位置まで走行ユニット40を案内する逆シフトガイド19を備えている。したがって、トラブルからの復旧作業時やメンテナンス作業時等に搬送台車30を逆方向に走行させる際にも、シフト動作不良の際における緊急停止のための長さは不要であり、1つの走行ユニット40の走行方向に沿う長さL1と、シフト動作時に走行ユニット40が走行する距離L2との合計長さだけあれば、方向制御ガイド17による案内が解除された後、方向制御ガイド15に案内される位置まで走行ユニット40をシフトさせることができる。
【0064】
また、本実施の形態のOHT1では、逆シフトガイド19が、接続軌道13の伸延方向に沿って延びる方向制御ガイド17の仮想延長線と交差しており、案内解除位置から案内再開位置まで延びていると共に、ガイドローラ43を当接させつつ案内する当接面19aを有している。したがって、ガイドローラ43を案内解除位置から案内再開位置まで確実に案内することができる。
【0065】
さらに、逆シフトガイド19の当接面19aの案内方向に沿う形状が、接続軌道13の伸延方向に沿って一定速度で走行しつつ逆シフトガイド19によって案内される走行ユニット40の接続軌道13の幅方向に沿う速度が、まず等加速度で増し、所定速度に達した後は所定時間所定速度となり、所定時間経過後は等加速度で低下するように定められている。したがって、逆方向に走行している際にシフト動作不良により、逆シフトガイド19によって強制的にシフトした場合であっても、搬送台車30に加わる衝撃を少なくすることができる。よって、搬送台車30が保持しているFOUP60に収納されている基板に不具合が生じるのを防ぐことができる。
【0066】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
【0067】
例えば、上述の実施の形態では、逆方向に走行する搬送台車30が、離隔領域においてシフト動作を行う際に、ガイドローラ43が当接する当接面19aを有する逆シフトガイド19が設けられている場合について説明したが、逆シフトガイド19はなくてもよい。
【0068】
また、上述の実施の形態では、順シフトガイド18の当接面18a、及び逆シフトガイド19の当接面19aの案内方向に沿う形状が、いずれも、シフト動作時における走行ユニット40の接続軌道13の幅方向に沿う速度が、まず等加速度で増し、所定速度に達した後は所定時間所定速度となり、所定時間経過後は等加速度で低下するように定められており、図6に示すような形状である場合について説明したが、これには限られない。当接面18a、19aの案内方向に沿う形状は、例えば、図8に示すような1/2周期に相当する正弦曲線形状であってもよい。
【0069】
また、上述の実施の形態では、搬送台車30が、その走行方向に並んだ2つの走行ユニット40を備えている場合について説明したが、搬送台車30は3つ以上の走行ユニット40を備えていてもよい。
【0070】
さらに、上述の実施の形態では、搬送台車30が懸垂状態で走行する天井走行型の有軌道搬送装置であるOHT1に本発明を適用した場合について説明したが、これには限定されない。例えば、本発明は、搬送台車が床面に敷設された軌道上を走行する地上走行型の有軌道搬送装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態に係るOHTを用いたOHT搬送システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す軌道を部分的に拡大した図である。
【図3】図2のIII-III線に沿う断面図である。
【図4】図2に示す走行ユニットの側面図である。
【図5】図2に示す走行ユニットがシフト動作を行う際の接続軌道の幅方向に関する速度変化を示す図である。
【図6】図2に示す走行ユニットがシフト動作を行う際の軌跡を示しており、順シフトガイド及び逆シフトガイドの当接面の案内方向に沿う形状となっている。
【図7】図1に示す軌道のY形の箇所に設置された順シフトガイド及び逆シフトガイドを示す図である。
【図8】図6に示す順シフトガイド及び逆シフトガイドの当接面の案内方向に沿う形状の変形例である。
【図9】従来の有軌道搬送装置において搬送台車が分岐、合流する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1 OHT
11、12 主軌道、副軌道(第1及び第2の本軌道)
13 接続軌道
15、17 方向制御ガイド(第1及び第2の方向制御ガイド)
18 順シフトガイド
18a 当接面(順シフト時当接面)
19 逆シフトガイド
19a 当接面(逆シフト時当接面)
30 搬送台車
40 走行ユニット(ローラユニット)
41〜44 ガイドローラ(第1及び第2のローラ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の本軌道、並びに前記第1及び第2の本軌道を接続する接続軌道を有する軌道と、
前記軌道に支持されると共に案内されて走行する搬送台車と、
前記接続軌道の幅方向一方側において当該接続軌道の伸延方向に沿って延びていると共に、前記第1の本軌道まで延びる第1の方向制御ガイドと、
前記接続軌道の前記幅方向一方側に対する幅方向他方側において、当該接続軌道の伸延方向に関して前記第1の方向制御ガイドと重ならないように当該接続軌道の伸延方向に沿って延びていると共に、前記第2の本軌道まで延びる第2の方向制御ガイドとを備える有軌道搬送装置であって、
前記搬送台車が、前記第1の方向制御ガイドに案内される第1のローラ、及び前記第2の方向制御ガイドに案内される第2のローラを有する複数のローラユニットを備えており、
前記搬送台車が、前記接続軌道を前記第1の本軌道側から前記第2の本軌道側に向かう順方向に走行する際に、前記第1の方向制御ガイドによる1つの前記ローラユニットが有する前記第1のローラの案内が解除された後、当該ローラユニットの前記第2のローラが前記第2の方向制御ガイドに案内される位置まで当該ローラユニットを案内する順シフトガイドを備えていることを特徴とする有軌道搬送装置。
【請求項2】
前記順シフトガイドが、前記接続軌道の伸延方向に沿って延びる前記第1の方向制御ガイドの仮想延長線と交差していると共に、前記第2のローラが前記第2の方向制御ガイドに案内される位置に在る際の前記第1のローラと当接する位置まで延びており、前記第1のローラを当接させつつ案内する順シフト時当接面を有していることを特徴とする請求項1に記載の有軌道搬送装置。
【請求項3】
前記順シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、正弦曲線形状であることを特徴する請求項2に記載の有軌道搬送装置。
【請求項4】
前記順シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、前記接続軌道の伸延方向に沿って一定速度で走行しつつ前記順シフトガイドによって案内される前記ローラユニットの前記接続軌道の幅方向に沿う速度が、まず等加速度で増し、所定速度に達した後は所定時間所定速度となり、所定時間経過後は等加速度で低下するように定められていることを特徴とする請求項2に記載の有軌道搬送装置。
【請求項5】
前記搬送台車が、前記接続軌道を前記第2の本軌道側から前記第1の本軌道側に向かう逆方向に走行する際に、前記第2の方向制御ガイドによる1つの前記ローラユニットが有する前記第2のローラの案内が解除された後、当該ローラユニットの前記第1のローラが前記第1の方向制御ガイドに案内される位置まで当該ローラユニットを案内する逆シフトガイドをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有軌道搬送装置。
【請求項6】
前記逆シフトガイドが、前記接続軌道の伸延方向に沿って延びる前記第2の方向制御ガイドの仮想延長線と交差していると共に、前記第1のローラが前記第1の方向制御ガイドに案内される位置に在る際の前記第2のローラと当接する位置まで延びており、前記第2のローラを当接させつつ案内する逆シフト時当接面を有していることを特徴とする請求項5に記載の有軌道搬送装置。
【請求項7】
前記逆シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、正弦曲線形状であることを特徴する請求項6に記載の有軌道搬送装置。
【請求項8】
前記逆シフト時当接面の案内方向に沿う形状が、前記接続軌道の伸延方向に沿って一定速度で走行しつつ前記逆シフトガイドによって案内される前記ローラユニットの前記接続軌道の幅方向に沿う速度が、まず等加速度で増し、所定速度に達した後は所定時間所定速度となり、所定時間経過後は等加速度で低下するように定められていることを特徴とする請求項6に記載の有軌道搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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