説明

望ましくない植物又は植生を防除するための縮合環1,2,4−ベンゾトリアジン誘導体の除草剤又は植物成長調節剤としての使用、それらの化合物及び組成物、並びにそれらの製造方法

本発明は、式(I):
【化1】


[式中、A-W、 X、Y、Z、R1、R2、R3及びR4は、明細書中で定義されている] で表される化合物又はその塩の、望ましくない植物又は植生を防除するための除草剤又は植物成長調節剤としての使用、それらの化合物及び組成物、並びにそれらを合成する製造方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、望ましくない植物又は植生を防除するための縮合環1,2,4-ベンゾトリアジン誘導体の除草剤又は植物成長調節剤としての使用、それらの化合物及び組成物、並びにそれらを合成する製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カナダ特許番号CA 1211444には、イミダゾ[2,1-c][1,2,4]ベンゾトリアジン-2-カルボン酸誘導体がアレルギー抑制剤として記載されている。米国特許番号 US 4316022 及び日本特許公開番号JP 56008386 には、ベンゾ-as-トリアジン誘導体が鎮痛薬として記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中、A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNR5-NR6であり、ここにおいてAは、A-Wで表示した基の左側に示された原子又は置換された原子を表わし;
XはN又はCR7であり;
YはN又はCR8であり;
ZはN又はCR9であり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、カルバモイル、CO2H若しくはスルファモイル、又はベンジル若しくはフェノキシであり、
ここにおいて後者の2つの基のそれぞれは、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシカルボニル及びCO2Hから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
又は、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C6)シクロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル−(C1-C6)アルキル−、(C1-C6)アルコキシ、(C2-C6)アルケニルオキシ、(C2-C6)アルキニルオキシ、(C1-C6)アルキル−C(=O)O−、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)ジアルキルカルバモイル、(C1-C6)アルキルスルファモイル若しくは(C1-C6)ジアルキルスルファモイルであり、
ここにおいて後者の18の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1
-C6)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
【0004】
R5及びR6は、それぞれ独立に、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、ホルミル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルケニルカルボニル、COR10、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキル−SO2−、(C1-C6)アルコキシ−(C1-C6)アルキル−又はR10であり;
R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、S(O)nR10、S(O)nCH2CO2R11、S(O)nCH2CO2N[(C1-C6)アルキル]2、S(O)nCH2CONR12R13、S(O)nCH2CONR14NR15、ホルミル、カルバモイル、OH、SH、R10、NR16R17、1,3-ジオキソラン-2-イル、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルキルカルバモイル又は(C1-C6)ジアルキルカルバモイルであり、ここにおいて後者の10の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
【0005】
R10は、ハロゲン、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)ジアルキルカルバモイル、スルファモイル、(C1-C6)アルキルスルファモイル及び(C1-C6)ジアルキルスルファモイルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルであり;
R11はH又は(C1-C6)アルキルであり;
R12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C6)アルキル又はR10であり;又はR12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれに結合しているN原子と一緒に、5−若しくは6−員の飽和環を形成し、場合によっては、環中に付加的にO、S及びNから選択されたヘテロ原子を含み、当該環はハロゲン、(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
R14及びR15は、それぞれ独立に、H又は(C1-C6)アルキルであり;
nは、記載されている毎に、0、1又は2であり;
mは0又は1である]
で表される化合物又はその塩の除草剤又は植物成長調節剤としての使用に関するものである。
【0006】
本発明は、またいかなる立体異性体、エナンチオマー、幾何異性体、互変異性体及びそれらの混合物並びにそれらの塩を含んでいるが、但し、各官能基が存在する場合に限る。特に、式(I)においてX、Y及びZがそれぞれNである式(Ia)の化合物は、場合によっては、式(Ib)で表される開環アジドの互変異性体として存在することができる。
【化2】

式(Ib)のアジド及び閉環状化合物(Ia)間における互変異性体の平衡については、Messmer, Hajos, Neszmelyi及びParkanyiにより、J. Org. Chem. (1984), 49(17)、3199-203頁中に; Messmer, Hajos, Tamas及びNeszmelyiによりJ. Org. Chem. (1979), 44(11)、1823〜5頁中に; Castillon, Melendez, Pascual及びVilarrasaにより、J. Org. Chem. (1982), 47(20)、3886〜90頁中に; 並びに Asaad及びEl AshryによりZeitschrift fur Naturforschung A: Physical Sciences (1996), 51(9)、1012〜1018頁中に記載されている。
【0007】
また存在可能な典型的な互変異性体は、下記の式(Ic)、(Id)、(Ie)及び(If)として表示している。
【化3】

【0008】
本特許明細書においては、随伴する請求の範囲をも含めて、上述の置換基は以下の意味を有する:
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
基名の前にある用語「ハロ」は、当該置換基が部分的に又は完全にハロゲン化されていること、即ち、いかなる組み合わせであれ、F、Cl、Br又はIで置換されていることを意味する。
用語「(C1-C6)-アルキル」は、1、2、3、4、5若しくは6個(C−原子の範囲はかっこ内に表示している)の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の非環状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−ブチル、2-ブチル、2-メチルプロピル又は第三級-ブチル基である。
同様に、「アルコキシアルキル」のような複合基中のアルキル基に対しても適用される。
アルキル基は、また複合基中のアルキル基も、他に定義されていない限り、好ましくは1から4個の原子を有する。
【0009】
「(C1-C6)-ハロアルキル」は、「(C1-C6)-アルキル」で言及したアルキル基において、1又はそれ以上の水素原子が同数の同一又は異なるハロゲン原子で置換されたものであり、例えば、モノハロアルキル、パーハロアルキル、CF3、CHF2、CH2F、CHFCH3、CF3CH2、CF3CF2、CHF2CF2、CH2FCHCl、CH2Cl、CCl3、CHCl2 又はCH2CH2Clが挙げられる。
「(C1-C6)アルコキシ−(C1-C6)アルキル」は、(C1-C6)アルコキシで置換された(C1-C6)アルキルを意味する。
「(C1-C6)-アルコキシ」は、その炭化鎖が、用語「(C1-C6)-アルキル」で定義された意味を有するアルコキシ基である。
【0010】
「ハロアルコキシ」は、例えば、OCF3、OCHF2、OCH2F、CF3CF2O、OCH2CF3 又はOCH2CH2Clである。
「(C2-C6)アルケニル」は、当該範囲に対応する数の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の非環状で、そしてそれぞれの不飽和基のいかなる部位であれ少なくとも一つの二重結合を有する炭素鎖を意味する。それ故「(C2-C6)アルケニル」は、例えば、ビニル、アリル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、ペンテニル、2−メチルペンテニル又はヘキセニル基を意味する。
【0011】
「(C2-C6)-アルキニル」は、当該範囲に対応する数の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の非環状で、そしてそれぞれの不飽和基のいかなる部位であれ少なくとも一つの三重結合を有する炭素鎖を意味する。それ故「(C2-C6)-アルキニル」は、例えば、プロパルギル、1−メチル−2−プロピニル、2−ブチニル又は3−ブチニル基を意味する。
「(C3-C6)-シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基のような単環式のアルキル基を意味する。
S(O)n は、nの数値に依存して、S、SO又はSO2を意味する。
【0012】
定義中における「から成る群から選択された1又はそれ以上の基」の表現は、特別な限定が明示的に定義されていない限り、それぞれの場合において言及した基の一群から選択された同一又は異なる1又はそれ以上の基を意味する。
【0013】
本発明に係る当該式(I)の化合物及びそれらの塩で、各基が既に言及した若しくは以下に言及する好適な意味の一つ、特に以下に表示する表において示されているものを有し、又は特に既に言及した若しくは以下に言及する好適な意味の二つの組合せを有するものは特別に興味があるが、その主な理由は、より効果の高い除草剤活性、より良い選択性及び/又は製法の更なる容易性によるものである。
【0014】
本発明に係る除草剤又は植物成長調節剤としての使用で特に興味あるものは、式(I)の化合物で、ここにおいてR1、R2、R3、R4、A、W、X、Y及びZの一群から選択された基が、以下の記載において好適なものとして定義され、当該基の定義は当該群の他の基の定義に依存していない。好適な式(I)の化合物には、以下の記載において好適なものとして明示された2又はそれ以上からなる当該基の組合せを含む。
【0015】
以下の好適な定義においては、符号が特別に定義されていない限り、本明細書において上記に定義した通りである。
【0016】
好ましくは、A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHである。
好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、カルバモイル、CO2H若しくはスルファモイル、又はベンジル、更に又はフェノキシであり、
ここにおいて後者の2つの基のそれぞれは、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル及びCO2Hから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
又は、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C3-C6)シクロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル−(C1-C4)アルキル−、(C1-C4)アルコキシ、(C2-C4)アルケニルオキシ、(C2-C4)アルキニルオキシ、(C1-C4)アルキル−C(=O)O−、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル若しくは(C1-C4)ジアルキルスルファモイルであり、
ここにおいて後者の18の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は、更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換である。
【0017】
更に好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、、(C1-C4)アルコキシ、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル、ホルミル、(C1-C4)アルキルカルボニル、カルバモイル、、(C1-C4)アルキルカルバモイル又は(C1-C4)ジアルキルカルバモイルである。
【0018】
好ましくは、XはN又はCR7であり、ここにおいてR7は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、S(O)nR10、S(O)nCH2CO2R11、S(O)nCH2CONR12R13、S(O)nCH2CONR14NR15、ホルミル、カルバモイル、OH、SH、R10、NR16R17、1,3-ジオキソラン-2-イル、(C1-C4)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、又は(C1-C4)ジアルキルカルバモイルであり、ここにおいて後者の10の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ及び(C1-C4)アルキル−S(O)n−から成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;ここにおいて
R10は、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、スルファモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル及び(C1-C4)ジアルキルスルファモイルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルであり;
R11はH又は(C1-C4)アルキルであり;
R12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル若しくはR1
0であり;又はR12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれに結合しているN原子と一緒に、5−若しくは6−員の飽和環を形成し、場合によっては、環中に付加的にO、S及びNから選択されたヘテロ原子を含み、当該環はハロゲン、(C1-C4)アルキル及び(C1-C4)ハロアルキルから選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
R14及びR15は、それぞれ独立に、H又は(C1-C4)アルキルである。
【0019】
更に好ましくは、XはN又はCR7であり、ここにおいてR7は、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、OH、SH又はR10であり;ここにおいてR10は、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、ニトロ、シアノ及び(C1-C4)アルキル−S(O)n−から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルである。
好ましくはY及びZはそれぞれNである。
【0020】
本発明に係る除草剤又は植物成長調節剤としての使用のために好適な種類の式(I)の化合物は:
A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHであり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、カルバモイル、CO2H若しくはスルファモイル、又はベンジル更に又はフェノキシであり、
ここにおいて後者の2つの基のそれぞれは、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル及びCO2Hから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
又は、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C3-C6)シクロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル−(C1-C4)アルキル−、(C1-C4)アルコキシ、(C2-C4)アルケニルオキシ、(C2-C4)アルキニルオキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル若しくは(C1-C4)ジアルキルスルファモイルであり、
ここにおいて後者の18の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
【0021】
XはN又はCR7であり;
R7は、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、S(O)nR10、S(O)nCH2CO2R11、S(O)nCH2CO2N[(C1-C6)アルキル]2、S(O)nCH2CONR12R13、S(O)nCH2CONR14NR15、(C1-C4)アルコキシカルボニル、ホルミル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)ハロアルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、OH、SH、R10、NR16R17、又は1,3-ジオキソラン-2-イルであり;ここにおいて
R10は、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、スルファモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル及び(C1-C4)ジアルキルスルファモイルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルであり;
R11はH又は(C1-C4)アルキルであり;
R12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル若しくはR10であり;又はR12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれに結合しているN原子と一緒に、5−若しくは6−員の飽和環を形成し、場合によっては、環中に付加的にO、S及びNから選択したヘテロ原子を含み、当該環はハロゲン、(C1-C4)アルキル及び(C1-C4)ハロアルキルから選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;そして
R14及びR15は、それぞれ独立に、H又は(C1-C4)アルキルであり;そして
Y及びZはそれぞれNである。
【0022】
本発明に係る除草剤又は植物成長調節剤としての使用のために更に好適な種類の式(I)の化合物は:
A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHであり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル、ホルミル、(C1-C4)アルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、又は(C1-C4)ジアルキルカルバモイルであり;
XはN又はCR7であり、ここにおいてR7は、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、OH、SH又はR10であり;ここにおいて
R10は、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、ニトロ、シアノ及び(C1-C4)アルキル−S(O)n−から成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換のフェニルであり;そして
Y及びZはそれぞれNである。
【0023】
更に、本発明に係る除草剤又は植物成長調節剤としての使用のために好適な種類は、以下に記述する式(Ij)又は(Ik)の化合物で:
A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNR5-NR6であり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、又はハロゲンであり;
R5 及びR6 は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、COR10、(C1-C4)アルコキシ−(C1-C4)アルキル−、又はR10であり;
XはN又はCR7であり、ここにおいて
R7は、水素、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、S(O)nCH2CO2R11、S(O)nCH2CONR12R13、S(O)nCH2CONR14NR15、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、SH、R10 又は NR16R17であり;
R10は、1若しくはそれ以上のハロゲン基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルであり;
R11はHであり;
R12及びR13は、それぞれ(C1-C4)アルキルであるか;又はR12及びR13は、結合しているN原子と一緒に、モルホリン環を形成し;
R14及びR15はそれぞれHであり;
R16はHであり;
R17はCH2フェニルであり;そして
Y及びZはそれぞれNである。
【0024】
本発明に係る除草剤又は植物成長調節剤としての使用のために特に好適な種類の式(I)の化合物は:
A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHであり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、又はハロゲンであり;
XはN又はCR7であり、ここにおいて
R7は、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、又はR10であり;そして
R10は、1若しくはそれ以上のハロゲン基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルである。
【0025】
式(I)の化合物のいくつかは新規であり、そして当該新規化合物に関する本発明の更なる特徴である。
新規化合物の好ましい種類は、式(Ii)の化合物である:
【化4】

【0026】
式中:
A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHであり、ここにおいてAは、A-Wで表示した基の左側に示された原子又は置換されている原子を表わし;
XはN又はCR7であり;
R1、R2、R3及びR4は、上記に定義した通りであり;
R7は、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)ハロアルキル−S(O)n−、(C1-C6)アルコキシカルボニル、ホルミル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)ハロアルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)ジアルキルカルバモイル、NR16R17、又は1,3-ジオキソラン-2-イルであり;そして
R16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C6)アルキル又はR10であり、ここにおいて、R10は、上記のように定義されている;但し、以下:
i) A-WがN=Nであり; R1、R2、R3及びR4がそれぞれHであり;及びXがCBr、CSO2Me、CSMe、CMe又はCHである;
ii) A-WがN=Nであり; R1、R3 及びR4がそれぞれHであり; R2がClであり; 及びXがCHである;
iii) A-WがN=Nであり; R2、R3及びR4がそれぞれHであり; R1がOHであり; 及びXがCHである;
iv) A-WがN+(O-)=Nであり; R1、R2、R3及びR4がそれぞれHであり; 及びXがCHである;
v) A-WがNH-NHであり; R1、R2、R3及びR4がそれぞれHであり; 及びXがCSMe又はCHである;
vi) A-WがNH-NHであり; R1、R3及びR4がそれぞれHであり; R2がMeであり; 及びXがCHである;
vii) A-WがN=Nであり; R1、R2及びR4がそれぞれHであり; R3がOMeであり; 及びXがNである;
viii) A-WがN=Nであり; R1、R3及びR4がそれぞれHであり; R2がOMe、Me、又はHであり;
及びXがNである;
ix) A-WがN=Nであり; R1及びR3がそれぞれHであり; R2及びR4がそれぞれMeであり;
及びXがNである;
x) A-WがN+(O-)=Nであり; R1、R3及びR4がそれぞれHであり; R2がMe又はOMeであり;
及びXがNである;
xi) A-WがN+(O-)=Nであり; R1及びR3がそれぞれHであり; R2及びR4がそれぞれMeであり; 及びXがNである; 並びに
xii) A-WがNH-NHであり; R1、R2、R3及びR4がそれぞれHであり; 及びXがNである;
の各化合物を除く。
【0027】
上記のi)からxii)までの化合物は、以下の文献において開示されていて既知であるが故に、特別に除外される。しかしながら、それらの除草剤又は植物成長調節剤としての使用は、未だ報告されてはいない:
E. Gy. T.Gyogyszervegyeszeti Gyar、米国特許4316022号; Messmer, Hajos, Benko 及び Pallos, Acta Chimica Academiae Scientiarum Hungaricae (1980), 105(3), 189-99;Messmer, Hajos, Benko 及び Pallos, Magyar Kemiai Folyoirat (1980), 86(10), 471-6; Messmer, Hajos, Tamas and Neszmelyi, J. Org. Chem. (1979), 44(11), 1823-5; Sasaki 及び Murata, Chemische Berichte (1969), 102(11), 3818-23; Gorjan, Klemenc, Staric, Stanovnik 及び Tisler, Monatshefte fur Chemie (1976), 107(5), 1199-208; Bartra, Urpi 及び Vilarrasa, Tetrahedron Letters (1987), 28(47), 5941-4; Asaad 及び El Ashry, Zeitschrift fur Naturforschung A: Physical Sciences (1996), 51(9), 1012-1018; Fos, Vilarrasa and Fernandez, Journal of Organic Chemistry (1985), 50(24), 4894-9; Messmer, Hajos, Benko 及び Pallos, Magyar Kemiai Folyoirat (1974), 80(12), 527-30; Messmer, Hajos, Benko 及び Pallos, J. Het. Chem. (1973), 10(4), 575-8; Castillon, Pascual 及び Vilarrasa, J. Org. Chem. (1982), 47(20), 3886-90。
【0028】
上記の式(I)の化合物は、既知の方法(即ち、これまでに使用された又は文献に記載されている方法)及び以下に記載する方法の適用又は転用によって合成することができる。
以下の記述中において、化学式に表示する符号で特別に定義されていないときは、それらは当該明細書におけるそれぞれの符号の最初の定義又は好適な定義に従って、「上記に定義した通りである」ことを意味する。
以下の製法の記述においては、工程は異なる順序で行なうこともできるし、また適当な保護基が化合物によっては必要とされることもある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の特徴により、式(I)においてA-WはN=N又はN+(O-)=N(好ましくは、A-WがN=N)であり、そして他の意味が上記に定義した通りである化合物は、式(II):
【化5】

[式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、R1、R2、R3、R4、A、W、X、Y及びZは上記に定義した通りであり、例えば、Villarrasa及びGranados, J. Het. Chem. (1974), 11, 867〜872中に記載されている通りである]で表される化合物の環状化脱水反応により合成することができる。
【0030】
当該分子内縮合は、一般に、例えばメタノール若しくはエタノールのようなアルコール、又はエチレングリコールのようなグリコール、又は酢酸若しくは硫酸のような、溶媒の存在又は非存在下で、0℃から溶媒の還流温度で、好ましくは0℃から100℃で加熱することにより、当位置で(in situ)行なうことができる。
【0031】
本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WはN=Nであり、そして他の意味が上記に定義した通りである)の化合物は、式(III):
【化6】

(式中、X、Y及びZは上記に定義した通りであり、そしてQは塩化物、硫酸塩、又はフルオロホウ酸塩である)で表されるジアゾニウム塩と、式(IV):
【化7】

(式中、R1、R2、R3及びR4は上記に定義した通りである)で表される化合物とのカップリング反応により、式(II)(式中、A-WがN=Nである)のアゾ中間体を得て、次いで上記の環状化脱水反応により合成することができる。
【0032】
R2がHの場合に起こり得る競合カップリング反応を回避するために、当該R2基をSO3Hのような保護基で置換しておき、その後既知の方法で脱離することができる。
【0033】
式(III)のジアゾニウム塩は、一般に式(V):
【化8】

(式中、X、Y及びZは上記に定義した通りである)で表される化合物と、亜硝酸塩、一般にアルカリ金属亜硝酸塩、好ましくは亜硝酸ナトリウムを用いて、鉱酸、例えば、塩酸、硫酸又はリン酸水溶液中で、場合によっては、酢酸のような共溶媒を加えて、−20℃から100℃、好ましくは0℃から20℃で、ジアゾ化反応により当位置で(in situ)合成することができる。
【0034】
本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WはNR5-NR6であり;R1、R2、R3、R4、R6、X、Y及びZは上記に定義した通りであり、R5はHを除いて上記に定義した通りである)の化合物は、対応する式(I)(式中、R5がHである)の化合物と、式(VI):
R5-L (VI)
(式中、R5はHを除いて上記に定義した通りであり、そしてLは、脱離基である)の化合物とのアルキル化、アシル化又はスルホン化により合成することができる。
アルキル化のためには、R5が(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ−(C1-C6)アルキル−、又はR10のときは、Lは好ましくはハロゲン、アルキルスルホニルオキシ、又はアリールスルホニルオキシ(更に好ましくは塩素、臭素、ヨウ素、メチルスルホニルオキシ、又はp-トルエンスルホニルオキシ)である。当該反応には、場合によっては、塩基が存在するが、一般にテトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド又はN,N-ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で、-30℃から200℃、好ましくは、20℃から100℃で行われる。塩基は、一般に水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウムのようなアルカリ金属水素化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩、又は第三級アミンのような有機塩基で、例えばトリエチルアミン若しくはエチルジイソプロピルアミン、又はピリジン、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)である。
【0035】
アシル化のためには、R5が、ホルミル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルケニルカルボニル、COR10 又は(C1-C6)アルコキシカルボニルのときは、(VI)は好ましくは酸ハロゲン化物で、ここにおいてLは好ましくは塩素又は臭素(更に好ましくは塩素)であり、又は酸無水物で、ここにおいてLはR5-CO2-である。反応には、場合によっては、塩基が存在するが、一般にアルキル化のために用いられたと同様の塩基、溶媒及び温度で行なわれる。
【0036】
スルホン化のためには、R5 がSO2(C1-C6)アルキルのときは、(VI)は好ましくは、ハロゲン化スルホニルで、ここにおいてLは好ましくは塩素又は臭素(更に好ましくは塩素)である。反応には、場合によっては、塩基が存在するが、一般にアルキル化のために用いられたと同様の塩基、溶媒及び温度で行なわれる。
【0037】
本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WはNR5-NR6であり;R1、R2、R3、R4、R5、X、Y及びZは上記に定義した通りであり、R6はHを除いて式(I)で定義した通りである)の化合物は、対応する式(I)(式中、R6がHである)の化合物と、式(VII):
R6-L (VII)
(式中、R6はHを除いて上記に定義した通りであり、そしてLは脱離基である)の化合物とのアルキル化、アシル化又はスルホン化により合成することができる。製法は、式(VI)の化合物を用いた上記の製法と同様の条件下で行なうことができる。
【0038】
上記のアルキル化、アシル化又はスルホン化の製法は、対応する式(I)(式中、R5及びR6がそれぞれHである)の化合物から開始して、そしてアルキル化、アシル化又はスルホン化反応を連続する仕方で行なうことにより、R5及びR6値の所望の組合せを合成するために適合させることができる。当該分野においてよく知られている適当な保護剤を、R5及びR6の特定の組合せの効率的な合成を達成するために使用することができる。
【0039】
本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WはNR5-NR6であり、R5及びR6がそれぞれHであり、その他の意味が上記で定義した通りである)の化合物は、対応する式(I)(式中、A-WがN=Nである)の化合物の還元により合成することができる。
【0040】
還元は、一般に、亜ジチオン酸ナトリウムのような還元剤を用いて、水、メタノール若しくはエタノールのようなアルコール、若しくはN,N-ジメチルホルムアミドの溶媒中で、又は水素化硼素ナトリウム若しくは水素化アルミニウムリチウムのような錯水素化金属を用いて、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド若しくはジメチルスルホキシドのような溶媒中で、0℃から100℃の温度で行なうことができる。場合によっては、金属炭酸塩、トリアルキルアミン又はピリジンのような塩基を当該反応中に含むこともできる。
また還元は、水素又は水素発生試薬を用いて、一般にパラジウム、ルテニウム又はロジウムのような触媒の存在下で、メタノール、エタノール、水、テトラヒドロフラン又は酢酸エチルのような溶媒中で、0℃から100℃の温度で、300バールまでの気圧で行なうことができる。
【0041】
本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WがN=Nであり、そしてその他の意味が上記で定義した通りである)の化合物は、対応する式(I)(式中、A-WがN+(O-)=Nである)の化合物の還元により合成することができる。
当該反応は、A-WがN=Nである化合物の還元のために上記に記載した同様の条件下で行なうことができ、A-WがNH-NHである化合物を得ることができた。還元剤又は水素添加剤の量、及び反応時間及び/又は反応温度を調節することにより、A-WがNH-NHであるときの過剰還元を回避することができるか又は最小限化することができる。
【0042】
また本発明の更なる特徴によらば、式(I)(式中、A-WがNR5-NR6であり、R5及びR6がそれぞれHであり、その他の意味が上記で定義した通りである)の化合物は、対応する式(I)(式中、A-WがN+(O-)=Nである)の化合物の還元により合成することができる。
当該反応は、A-WがN=Nである化合物の還元のために上記に記載した同様の条件下で行なうことができるが、しかしながら、一般により多くの還元剤又は水素添加剤の量、より長い反応時間及び/又はより高い反応温度を用いることが必要である。
【0043】
また本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、XはCR7であり、Y及びZはそれぞれNであり、その他の意味が上記で定義した通りである)の化合物は、式(VIII):
【化9】

[式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、R7はH、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、又はR10であり、そしてR1、R2、R3、及びR4は上記に定義した通りである]の化合物を、式(IX)又は(X):
R7COL1 (IX) R7C(OR)3 (X)
[式中、R7はH、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル又はR10であり、そしてL1はH又は脱離基であり、一般にハロゲン、そして好ましくは塩素、又はL1 がアルコキシ若しくは-OCOR7であり、そしてRが(C1-C6)アルキル、好ましくはメチル若しくはエチルである]のカルボン酸又はその同等物との反応により合成することができる。
【0044】
当該反応は一般に不活性溶媒例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン若しくはデカリンを用いて、又は溶媒なしで、試薬(IX)若しくは(X)の等量若しくは過剰な量を用いて、場合によっては、硫酸若しくはポリリン酸のような脱水剤の存在下で、0℃から250℃の温度で、例えば、Messmer, Hajos, Benko及びPallos, Acta Chimica Academiae Scientiarum Hungaricae (1980), 103(2), 123〜133頁中に記載されている方法により行なうことができる。
【0045】
また本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、XはCR7であり、Y及びZはそれぞれNであり、その他の意味が上記で定義した通りである)の化合物は、式(XI):
【化10】

[式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、R7はH、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル又はR10であり、そしてR1、R2、R3及びR4は上記に定義した通りである]の化合物の環状化によって合成することができる。
【0046】
当該反応は一般に、硫酸若しくはポリリン酸のような脱水剤、若しくはオルトエステル例えばオルト蟻酸エチル、若しくは無水物例えば無水酢酸の存在下で、又はハロゲン化試薬、例えば、塩化リン酸、五ハロゲン化リン、三ハロゲン化リン、二ハロゲン化トリフェニルホスフィン、ホスゲン若しくは塩化フェニルスルフォニルの処理により行なうことができる。該反応は一般に、不活性溶媒例えば、アセトニトリル、アセトン又はテトラクロロメタンを用いて、場合によっては、第三級アミン、例えばトリエチルアミン若しくはエチルジイソプロピルアミン、若しくはピリジン、若しくは1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)のような有機塩基、又はアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムのような無機塩基である塩基の存在下で、-20℃から180℃の温度で、例えば、Wamhof及びZahran, Synthesis (1987)、876頁中に記載されている方法により行なうことができる。
【0047】
また本発明の更なる特徴によれば、式(Ia)(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、そしてR1、R2、R3及びR4は上記に定義した通りである)の化合物は、通常は対応する式(Ib)のアジド型と互変異性の平衡にあり、そして式(XII):
【化11】

[式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、R1、R2、R3及びR4は上記に定義した通りであり、そしてL2は脱離基であり、一般にハロゲン、アルキルスルホニル、アルキルスルフェニル若しくはアルキルスルフィニル、又はアルキル-、ハロアルキル-若しくはアリールスルホニル基(好ましくは塩素)である]の化合物と、式(XIII):
M-N3 (XIII)
(式中、Mはナトリウムアジド若しくはリチウムアジドのようなアルカリ金属である)のアジド金属との反応により合成することができる。当該反応は一般に、不活性溶媒例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル若しくはジオキサン中で、−20℃から200℃の温度で、そして例えば、Biffin, Miller及びPaul, Patai、「The Chemistry of the Azido Group」、57〜119頁、Interscience, New York、1971の文献中に記載されている一般的な方法により行なうことができる。
【0048】
別法としては、対応する一般式(Ib)(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、そしてR1、R2、R3及びR4は上記に定義した通りである)のアジド化合物は、対応する一般式(VIII)の化合物と亜硝酸とを、Messmer, Hajos, Benko 及びPallos, J. Het. Chem. (1973), 10(4)、575〜8頁中に記載されている一般的な方法により反応させることによって合成することができる。
【0049】
また本発明の更なる特徴によれば、式(I)(式中、A-WはN+(O-)=Nであり、そして他の意味は上記に定義した通りである)の化合物は、対応する式(I)(式中、A-WがN=Nである)の化合物の酸化により合成することができる。当該反応は一般に、m-クロロ過安息香酸若しくはヒドロペルオキシドのような過酸を用いて、不活性溶媒、例えば、水、テトラクロロメタン、クロロホルム、トリフルオロ酢酸、酢酸若しくはトリフルオロ無水酢酸中で、−30℃から120℃の温度で、「Methoden der Organischen Chemie」 Bd. IV / 1a、304〜313頁、4巻; Georg Thieme Verlag, Stuttgart New York ISBN-3-13-200704-8 (1981)中に記載されている一般的な方法によって行なうことができる。
【0050】
式(II)の中間体で、A-WがN+(O-)=Nであるものは、対応する式(I)においてA-WがN=Nである化合物から、対応する式(I)の化合物を得るための上述の方法を用いて合成することができる。
【0051】
式(VIII)の中間体は、式(XII)の化合物とヒドラジン水和物又はその塩、例えば塩酸塩との反応で、既知の方法により合成することができる。
【0052】
式(XI)の中間体は、式(VIII)の中間体から、例えば、Sasaki, Murata及びMasayoshi, Chem. Ber. (1969), 102(11)、3818〜3823頁中に記載されている既知の方法により合成することができる。
【0053】
例えば、以下の酸は、当該式(I)の化合物の酸付加塩の合成に適当である:塩酸若しくは臭酸のようなハロゲン水素酸、更に燐酸、硝酸、硫酸、一官能性又は二官能性カルボン酸、及びヒドロキシカルボン酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、サルチル酸、ソルビン酸又は乳酸、及びスルホン酸、例えば、p-トルエンスルホン酸及び1,5-ナフタレンスルホン酸。当該式(I)の酸付加塩化合物は、塩を形成する慣例な方法により簡単な仕方で得ることができる。例えば、式(I)の化合物をメタノール、アセトン、塩化メチレン又はベンゼンのような適当な有機溶媒に溶解し、そして、酸を、0℃から100℃の温度で添加し、そして既知の方法、例えば濾過によって単離し、そして場合によっては、不活性な有機溶媒で洗浄して精製することができる。
【0054】
該式(I)の化合物の塩基付加塩は、好ましくは、例えば水、メタノール、アセトンのような不活性な極性溶媒中で、0℃から100℃の温度で合成することができる。本発明に係る当該塩を合成するために適当な塩基は、例えば、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、例えばNaOH若しくはKOH、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えば、NaH、アルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウム第三級ブトキシド、又はアンモニア若しくはエタノールアミンがある。第四級アンモニウム塩は、例えば、式[NRR'R''R''']+U- において、R、R'、R''及びR'''は、それぞれ互いに独立に、(C1-C4)-アルキル、フェニル又はベンジルであり、そしてU-はアニオン、例えば、Cl- 又はOH- である、第四級アンモニウム塩との塩交換又は縮合により得ることができる。
【0055】
式(II)の特定の化合物は新規であり、そして本発明の更なる特徴を形成する。
式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(IX)、(X)、(XII)及び(XIII)の化合物は、既知の化合物であるか、又は既知の方法で合成することができる。
【0056】
上述の製法により合成することができる式(I)の化合物の集合体は、更に、手動、又は部分的に若しくは完全に自動化されたパラレル方式で合成することができる。本記載内容において、当該生成物又は中間体の反応、作業工程又は精製を自動化することが可能である。全体として、例えば、S. H. DeWitt、「Annual Reports in Combinatorial Chemistry and Molecular Diversity: Automated Synthesis」、第一巻、Escom発行、1997、69〜77頁に記載されている製法に基づいている。
【0057】
当該パラレル方式における反応及び作業工程の遂行のために、商業的に入手可能な装置一式を使用することができ、それらは例えば、Stem Corporation, Woodrolfe Road, Tollesbury, Essex, CM9 8SE, England 又は H + P Labortechnik GmbH, Bruckmannring 28, 85764 Oberschleissheim, Germanyから入手できる。当該製法中に得られる式(I)の化合物又は中間体のパラレル精製の遂行には、特にクロマトグラフィー機器は、例えばISCO, Inc., 4700 Superior Street, Lincoln, NE 68504, USAから入手できる。当該機器はモジュラー製法を可能とし、そこでは各工程が自動化されているが、しかしながら各工程間は手動で行なわなければならない。この点は、部分的に又は完全に、統合した自動化システムを採用することによって回避することができ、ここにおいて問題としている自動化モジュールが例えばロボットで操作されている。そのような自動化システムは、例えばZymark Corporation, Zymark Center, Hopkinton, MA 01748, USAから入手できる。
【0058】
上記の方法に加えて、式(I)の化合物は、部分的に又は完全に、固相支持法によって合成することができる。この目的のために、当該合成の又は問題としている製法に適合した合成の各中間体又は全中間体を合成樹脂に結合させる。固相支持法による合成方法は専門家による文献、例えば、Barry A. Bunin, 「The Combinatorial Index」、Academic Press発行、1998に詳細にわたって記載されている。固相支持法による合成方法の使用は、当該文献から知られる一連のプロトコールにより可能となり、その結果手動によるか又は自動化された様式で行なうことができる。例えば「テイーバッグ法(teabag method)」 (Houghten, US 4,631,211; Houghten ら, Proc. Natl. Acad. Sci., 1985, 82, 5131−5135)は、IRORIの製品(11149 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA)を用いて部分的に自動化することができる。固相支持法によるパラレル合成は、例えば、Argonaut Technologies, Inc., 887 Industrial Road, San Carlos, CA 94070, USA 又は MultiSynTech GmbH, Wullener Feld 4, 58454 Witten, Germanyの機器を用いて自動化に成功している。
【0059】
ここに記載した製法による合成によれば、式(I)で表される複数の化合物を、化合物の集合体又は化合物のライブラリーの様式で得ることができる。それ故、本発明の内容は、また式(I)で表される少なくとも2個の化合物及びそれらの前駆体を含む、式(I)の化合物のライブラリーに関するものである。
【0060】
以下の実施例は式(I)の化合物の製法を説明するものであるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0061】
A.化学的実施例
以下の実施例においては、定量(及び百分率)は、他に記載がない限り、質量単位である。
実施例A1:
7-メトキシ-1-メチル[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン
3-ヒドラジノ-7-メトキシ-1,2,4-ベンゾトリアジン(0.5g, 2.62ミリモル) 及び 1,1,1-トリエトキシエタン(4.24g, 26.15ミリモル) の混合物を145℃で3時間加熱し、そして反応中に発生したエタノールを継続的に蒸留して除去した。冷蔵庫で12時間冷却した後、固形物を濾過して取り出し、そしてエーテルで洗浄し、7-メトキシ-1-メチル[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン(化合物番号1、0.5g、88%収率)を得た。1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8.14 ppm (d, 1H, H-9); 8.14 ppm (d, 1H, H-9); 7.62 ppm (dd, 1H, H-8); 4.05 ppm (s, 3H, OMe); 3.19 ppm (s, 1H, CH3) (表1の化合物番号1)。
【0062】
また適当な出発物質から開始して同様の方法での手順で、以下の化合物を合成した:
7-メトキシ-1-エチル[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン(化合物番号2)、1H-NMR (300 MHz; DMSO): 8.19 ppm (d, 1H, H-6); 8.05 ppm (d, 1H, H-9); 7.59 ppm (dd, 1H, H-8); 4.06 (s, 3H, OCH3); 3.49 ppm (q, 2H, CH2); 1.69 ppm (t, 3H, CH3);
[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン(化合物番号3)、m.p. 259-261℃;及び
7,9-ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン(化合物番号4)、1H-NMR (300 MHz; DMSO): 10.43 ppm (s, 1H, H-1); 8.95 ppm 及び 8.52 ppm (2つのd、各1H、H-6及びH-8)。
【0063】
実施例A2
7-ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン-5-オキシド
7-ブロモ-3-ヒドラジノ-1,2,4-ベンゾトリアジン 1-オキシド(1g, 3.91ミリモル) 及び 1,1,1-トリエトキシメタン(6.24g, 42.08ミリモル)の混合物を145℃で3時間加熱し、そして反応中に発生したエタノールを継続的に蒸留して除去した。冷蔵庫で12時間冷却した後、固形物を濾過して取り出し、そしてエーテルで洗浄し、7-ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン-5-オキシド(化合物番号5、0.68g, 63%収率)を得た。1H-NMR (300 MHz; DMSO): 9.95 ppm (s, 1H, H-1); 8.60 ppm (d, 1H, H-6); 8.47
ppm (d, 1H, H-9) 及び 8.38 ppm (dd, 1H, H-8)。
【0064】
実施例A3
4,5-ジヒドロ[[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン
[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン(1.3g, 7.6ミリモル)及び亜ジチオン酸ナトリウム(1.55g, 8.9ミリモル)の水性懸濁液 (20ml)に、エタノール(3ml)を滴下した。反応混合物を3時間撹拌した。沈殿物を濾過して取り出し、そしてエーテルで洗浄し、4,5-ジヒドロ[[1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,2,4]ベンゾトリアジン(化合物番号6、1.16g, 88%収率)を得た。1H-NMR (300 MHz; DMSO): 8.97 ppm (s, 1H, H-1); 7.80 ppm (幅の広い s, 1H, N-H); 7.55 ppm (d, 1H, H-9); 7.48 ppm (s, 1H, NH); 7.13 及び 7.02 (2つの dd, 各1H, H-7及びH-8)及び6,93 ppm (d, 1H, H-6)。
【0065】
以下の表1〜8に示した式(Ij)から(Iq)の化合物は、本発明において除草剤又は植物成長調節剤としての使用に好適であり、そして上記の実施例A1からA3又は上述の一般的方法により、又はそれらの類似方法により得ることができる。
【0066】
以下の省略記号を表1から8において使用している。
「Me」はメチルを意味し、「Et」はエチルを意味し、「nPr」はn-プロピルを意味し、「iPr」はイソプロピルを意味し、「nBu」はn-ブチルを意味し、「OMe」はメトキシを意味し、「OEt」はエトキシを意味し、「Ph」はフェニルを意味し、「OPh」はフェノキシを意味し、そして「CO-3F-Ph」は3-フルオロベンゾイル基を意味する。
「Cpd」は化合物番号を意味する。化合物番号は参照の目的にのみ与えられたものである。
「mp.」は融点を意味し(℃)、「(Ref.)」は、各表の最後において実施例番号又はNMRのようなその他のデータを参照することを意味する。
化合物番号1から6の特性データは、上記の実施例A1からA3において表示している。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【0074】
表1の化合物に対する付加的データ
化合物番号 40: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 9,32 ppm (s, 1H, H-1), 8,48 ppm (m, 2H, H-6 及び H-9), 8,15 及び 7,80 ppm (2個 m, 各 1H, H-7 及び H-8);
化合物番号41: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 7,82 and 7,01 ppm (2個 dd, 各 1H, H-6 及び H-9), 8,64 ppm 及び 7,43 (2個 m, 1H, H-7 及び H-8), 7,60 ppm (m, 5H, Ph), 4,03 ppm (s, 3H, Ome);
化合物番号43: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,93 及び 8,25 ppm (2個 dd, 各 1H, H-6 及び H-9), 8,18 ppm and 8,05 (2個 m, 1H, H-7 及び H-8)
化合物番号45: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,25 (d, 1H, H-6), 8,19 ppm (d, 1H, H-9),
7,72 (dd, 1H, H-8), 4,09 s, 3H, OMe);
化合物番号73: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 9,82 (s, 1H, 1-H), 8,78 ppm (d, 1H, H-9), 8,44 ppm (d, 1H, H-6), 7,83 ppm (dd, H, H-7);
化合物番号 147: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,4 ppm (d, 1H, H-9), 8,11 ppm (d, 1H, H-6), 7,56 ppm (dd, 1H, H-8), 4,03 ppm (s, 3H, OMe), 3,01 (s, 3H, SMe)
化合物番号148: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 7,73 ppm (dd, 1H, H-8), 7,59 ppm (s, 1H, NH), 7,41 ppm (d, 1H, H-9), 6,60 ppm (s, 1H, H-6), 6,58 (s, 1H, NH), 3,74 (s, 3H
, OMe), 2,59 (s, 3H, Me)
化合物番号149: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 8,75 and 8,39 ppm (2個 dd, 各 1H, H-6 及び H-9), 8,14 ppm 及び 7,93 (2個 m, 1H, H-7 及び H-8), 4,34 ppm (t, 2H, CH2), 1,95 ppm (tq, 2H, CH2), 1,10 (t, 3H, CH3)
化合物番号150: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 8,68 ppm (d, 1H, H-9), 8,39 ppm (d, 1H, H-6), 7,95 ppm (dd, 1H, H-8), 4,08 及び 3,92 ppm (2個 s, 各 3H, OMe 及び SO2Me)
化合物番号151: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,18 ppm (d, 1H, H-6), 8,03 ppm (d, 1H, H-9), 7,59 ppm (dd, 1H, H-8), 4,08 ppm (s, 3H, OMe), 3,22 ppm (t, 2H, CH2), 2,09
(t,q; 2H, CH2), 1,19 ppm (t, 3H, CH3)
化合物番号152: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,93 ppm (d, 1H, H-6), 8,45 ppm (d, 1H, H-9), 8,13 ppm (dd, 1H, H-8), 4,98 ppm (q, 2H, CH2), 1,68 (t, 3H, Me)
化合物番号153: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 8,29 ppm (d, 1H, H-9), 8,22 ppm (d, 1H, H-6), 7,72 ppm (dd, 1H, H-8), 4,02 ppm (s, 3H, OMe), 3,44 ppm (t, 2H, CH2), 1,93 ppm 及び 1,52 ppm (2個 m; 各 2H, CH2), 0,96 ppm (t, 3H, CH3)
【0075】
【表8】

【0076】
【表9】

【0077】
【表10】

【0078】
【表11】

【0079】
【表12】

【0080】
【表13】

【0081】
【表14】

【0082】
【表15】

【0083】
表3の化合物に対する付加的データ
化合物番号182: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 8,68 ppm (s, 1H, H-2), 8,59 ppm (d, 1H, H-6), 8,39 ppm (d, 1H, H-9), 7,93 (dd, 1H, H-8), 2,72 ppm (s, 3H, Me)
化合物番号187: 1H-NMR (300 MHz; DMSO): 8,64 ppm (s, 1H, H-2), 8,41 ppm (d, 1H, H-9), 8,17 ppm (d, 1H, H-6), 7,77 (dd, 1H, H-8), 4,06 ppm (s, 3H, OMe)
化合物番号288: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 9,18 ppm (bs, 1H, H-6), 8,79 ppm (s, 1H,
H-2), 8,69 ppm (d, 1H, H-9), 8,37(dd, 1H, H-8)
化合物番号289: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,65 ppm (s, 1H, H-2), 8,51 ppm (d, 1H, H-9), 8,16 ppm (d, 1H, H-6), 7,88(dd, 1H, H-8), 7,49 (m, 2H, H-3´,5´), 7,39 (m, 1H, H-4´), 7,18 (m, 2H, H-2´,6´)
化合物番号290: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,74 ppm (s, 1H, H-2), 8,71 ppm (bs, 1H,
H-6), 8,64 ppm (d, 1H, H-9), 8,04(dd, 1H, H-8)
化合物番号291: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,41 ppm (s, 1H, H-2), 8,21 ppm (s, 1H, H-6), 7,83 ppm (s, 1H, H-9), 4,21 and 4,15 (2個 s, 各 3H, 2 x OMe)
化合物番号292: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,64 ppm (s, 1H, H-2), 8,41 ppm (d, 1H, H-9), 8,11 ppm (d, 1H, H-6), 7,74 (dd, 1H, H-8), 4,31 ppm (q, 2H, CH2), 2,58 (t,
3H, Me)
【0084】
【表16】

【0085】
【表17】

【0086】
【表18】

【0087】
【表19】

【0088】
【表20】

【0089】
【表21】

【0090】
【表22】

【0091】
【表23】

【0092】
【表24】

【0093】
表4の化合物に対する付加的データ
化合物番号 291: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,40 ppm (d, 1H, H-6), 8,34 (d, 1H, H-9), 8,19 及び 7,39 ppm (2個 d, 各 1H, H-2 及び H-3), 7,75 ppm (dd, 1H, H-8), 2,61 (s, 3H, Me)
化合物番号. 296: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,41 ppm (d, 1H, H-9), 8,19 及び 8,00 ppm (2個 d, 各 1H, H-2 及び H-3), 7,59 ppm (dd, 1H, H-8), 7,40 (d, 1H, H-6), 4,03 (s, 3H, OMe)
化合物番号493: 1H-NMR (300 MHz; CDCl3): 8,43 ppm (d, 1H, H-6), 8,30 ppm (d, 1H, H-9), 8,15 ppm (s, 1H, H-2), 7,78 ppm (dd, 1H, H-8), 2,64 (s, 3H, Me)
【0094】
【表25】

【0095】
【表26】

【0096】
【表27】

【0097】
【表28】

【0098】
【表29】

【0099】
【表30】

【0100】
【表31】

【0101】
【表32】

【0102】
【表33】

【0103】
【表34】

【0104】
【表35】

【0105】
【表36】

【0106】
【表37】

【0107】
【表38】

【0108】
【表39】

【0109】
【表40】

【0110】
【表41】

【0111】
【表42】

【0112】
【表43】

【0113】
【表44】

【0114】
【表45】

【0115】
【表46】

【0116】
【表47】

【0117】
【表48】

【0118】
【表49】

【0119】
【表50】

【0120】
【表51】

【0121】
【表52】

【0122】
【表53】

【0123】
【表54】

【0124】
【表55】

【0125】
【表56】

【0126】
【表57】

【0127】
【表58】

【0128】
【表59】

【0129】
【表60】

【0130】
本発明に係る化合物は、有益な除草剤又は植物成長調節剤としての特性を有する。
【0131】
本発明の更なる特徴によれば、有効量の式(I)の化合物又はその塩を、雑草の防除又は植物の成長を調節するために、植物の部位(plant locus)に適用する方法に特徴を有する除草剤又は植物成長調節剤としての使用が提供される。この目的のため、当該化合物は、通常は、例えばこれより以下に記載する実施例のように、除草剤組成物(即ち、除草剤組成物としての使用に適する融和性のある希釈剤、担体及び/又は界面活性剤と共に)の状態で使用される。「植物の部位(plant locus)」に適用するとは、例えば、土壌のような植物の生育培養材、及び種子、発芽種苗、根、茎、葉又はその他の植物の部分に適用することを意味する。
【0132】
式(I)の化合物及びそれらの塩は、全て以下においては式(I)の化合物と称するが、広範囲の商業的に重要な単子葉及び双子葉の有害な植物に対して優れた除草剤活性を有している。また式(I)の化合物は、根茎、地下茎又はその他の多年性器官から出芽しそして防除が困難な多年性雑草に有効に作用する。この場合当該化合物は、移植前、発芽前又は発芽後に適用することができる。
特に実施例は該式(I)の化合物によって防除することができる代表的な幾つかの単子葉及び双子葉雑草の植物相について言及しているが、当該列挙は特定の雑草に限定されるものではない。
【0133】
当該活性化合物が有効に作用する単子葉植物の雑草種としては、一年生植物の群からは、例えば、コヌカグサ(Agrostis)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、アペラ(Apera)、カラスムギ(Avena)、パラグラス(Brachicaria)、スズメノチャヒキ(Bromus)、タツノツメガヤ(Dactyloctenium)、メヒシバ(Digitaria)、イヌビエ(Echinochloa)
、クログアイ(Eleocharis)、オヒシバ(Eleusine)、ナギナタガヤ(Festuca)、ヒデリコ(Fimbristylis)、ヒザオリシバ(Ischaemum)、 ネズミムギ(Lolium)、コナギ(Monochoria)、ヌカキビ(Panicum)、スズメノヒエ(Paspalum)、クサヨシ(Phalaris)、オオアワガエリ(Phleum)、スズメノカタビラ(Poa)、ウリカワ(Sagittaria)、ホタルイ(Scirpus)、エノコログサ(Setaria)、スフェノクレア(Sphenoclea)及びカヤツリ(Cyperus)等の種を挙げることができ、並びに、多年生植物からは、カモジグサ(Agropyron)、キノドン(Cynodon)、チガヤ(Imperata)及びモロコシ(Sorghum)及び多年生カヤツリ種が挙げられる。
【0134】
双子葉植物の雑草種の場合は、当該活性のスペクトルは、例えば一年草の雑草では、ヤエムグラ(Galium)、スミレ(Viola)、イヌノフグリ(Veronica)、オドリコソウ(Lamium)、ハコベ(Stellaria)、アオゲオトウ(Amaranthus)、シナピス(Sinapis)、ノアサガオ(Ipomoea)、カミツレ(Matricaria)、イチビ(Abutilon)及びアメリカキンゴジカ(Sida)等の種にも拡張することができ、多年草の雑草では、セイヨウヒルガオ(Convolvulus)、アザミ(Cirsium)、スイバ(Rumex)及びヨモギ(Artemisia)等の種にも拡張することができる。
【0135】
また除草活性は、ブタクサ(Ambrosia)、カミツレモドキ(Anthemis)、ヒレアザミ(Carduus)、ヤグルマギク(Centaurea)、アカザ(Chenopodium)、アザミ(Cirsium)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus)、シロバナチョウセンアサガオ(Datura)、エメックス(Emex)、チシマオドリコ(Galeopsis)、ハキダメギク(Galinsoga)、ホウキギ(Kochia)、ナズナ(Lepidium)、アゼナ(Lindernia)、ヒナゲシ(Papaver)、スベリヒユ(Portlaca)、ミチヤナギ(Polygonum)、キツネノボタン(Ranunculus)、イヌガラシ(Rorippa)、キカシグサ(Rotala)、オカオグルマ(Seneceio)、セスバニア(Sesbania)、イヌホオズキ(Solanum)、ハチジョウナ(Sonchus)、ヒロハタンポポ(Taraxacum)、ツメクサ(Trifolium)、イラクサ(Urtica)及びオナモミ(Xanthium)のような双子葉植物の有害植物の場合においても、効果は達成される。
【0136】
イネ(水稲)のような特別な栽培条件下において発生する有害植物、例えば、ウリカワ(Sagittaria)、ヘラオモダカ(Alisma)、クログアイ(Eleocharis)、ホタルイ(Scirpus)及びカヤツリグサ(Cyperus)も、本発明に係る活性物質によって良好に防除することができた。
【0137】
もしも本発明に係る化合物が発芽前(雑草の発芽前)に土壌表面に施用された場合は、雑草苗の発生を完全に抑制するか、又は雑草は子葉期に達するまで生育するが、しかしながら、やがて生育は停止して3〜4週間後には植物は完全に枯死する。
【0138】
当該活性化物質を発芽後に植物の緑色部分に施用したときは、処理後極めて短時間のうちに生育を強く停止させ、そして雑草は施用時の生育状態に止まり、又は或る時間経過後に完全に枯死し、その結果、作物にとって有害な雑草との競合は極めて早期段階で除去することができ、そしてそれを持続させることができる。
【0139】
本発明に係る化合物は、単子葉及び双子葉の雑草に対して優れた除草剤活性を有しているにもかかわらず、経済的に重要な幾つかの作物、例えば小麦、大麦、ライムギ、ライ小麦(triticale)、稲、トウモロコシ、砂糖大根、棉又は大豆(特に、小麦、大麦、稲又はトウモロコシ)に対する障害は、適当な投与量が施用される限り、不明瞭な程度に過ぎないか又は全く障害はなかった。これらの理由により、本化合物は、場合によっては、農業に有用な植物又は観賞用植物にとって望ましくない植生の選択的防除に適切なものである。
【0140】
当該活性により、該化合物は、場合によっては選択的除草剤として、広葉雑草及びイネ科雑草を比較的低濃度で発芽前及び発芽後に防除するために効果的な除草剤の有効成分として用いることができる。一方、当該化合物は大規模農園作物及び非農耕地における広範囲な双子葉雑草及び単子葉雑草の防除のために、或る程度高適用量にて有効に使用することができ、またトウモロコシ、棉、その他の作条作物においては、特別な適用技術を用いることにより、条間処理として使用することもできる。
【0141】
本発明に係る組成物は、アブラヤシ、ココナツヤシ、インドゴムの木、柑橘類、パイナップル、棉、コーヒー、ココア及び同種のもの、並びにその他の果物生産並びにブドウ栽培のような大規模農園の作物における一年草又は多年草の有害植物を選択的に防除するために使用することができる。同様に、本発明に係る組成物は、不耕起(no-till)又は零耕起(zero-till)法を用いた、農作物の生産に適用することもできる。
【0142】
本発明に係る他の目的は、このように、本発明に係る化合物を除草剤として適用することによる大規模農園の作物の選択的雑草防除がある。
【0143】
一方では、これらの化合物を非選択的態様において、道路、広場、工場敷地及びその他の場所において、これらの場所を望ましくない植物群から保護するための極めて有効な除草剤として使用することができる。
【0144】
本発明は、このように、1又はそれ以上のタイプA除草剤を、1又はそれ以上のタイプB除草剤及びタイプC陰イオン界面活性剤と一緒に、有害な植物、これら植物体の部分又は栽培区域に対して適用することからなる、望ましくない植生を防除する方法に関するものである。
【0145】
加えて、本発明に係る物質は作物に対する優れた成長調節特性をも有している。これらは調節様式で植物代謝に関与するものであり、それ故に、例えば標的様式で植物の構成成分に影響を与えるために、又は、脱水そして発育抑制を引き起こし、収穫を容易化するために用いることができる。更に、作物用植物を同時に枯死させることなく、望ましくない植物生育を一般的に防除又は阻止するのに好適である。作物の植物成長を抑制することは、倒伏を減少し又は完全に防止することができる故に、多くの単子葉及び双子葉の作物にとって重要な役割を有している。
【0146】
これらが示す除草特性及び植物成長調節特性により、式(I)の化合物は、既知の遺伝子修飾植物である作物又は今後開発されるべき遺伝子修飾植物である作物にとって有害な植物を防除するために用いることができる。概して、トランスジェニック植物は、例えば、或る特定の農薬、特に或る特定の除草剤に対して耐性であり、又は或る特定の昆虫、若しくは真菌、細菌若しくはウイルスのような微生物で植物病若しくは植物病の原因となるものに対して抵抗性である、という特別に有利な特性によって区別される。その他の特別な特性としては、例えば、収穫物の収量、品質、貯蔵期間、組成及び特殊成分に関するものがある。このようにトランスジェニック植物は、デンプン含量が増加し若しくはデンプンの質が変化し、又は収穫物の脂肪酸組成が相異することが知られている。
【0147】
該化学式(I)の化合物は、有用な植物又は観賞用植物の経済的に重要なトランスジェニック作物、例えば小麦、大麦、ライムギ、エンバク、モロコシ、アワ、キビ、稲、キャサバ及びトウモロコシのような穀物類、又はその他の作物、砂糖大根、棉、大豆、菜種、ジャガイモ、トマト、エンドウ及びその他の野菜類にも好適に用いることができる。
該化学式(I)の化合物は、除草剤の植物毒性に対して耐性な又は遺伝子修飾により耐性化された有用植物の作物栽培に対する除草剤として好適に用いることもできる。
【0148】
現存植物と比較して変異した特性を有する新規植物を発生させる従来の方法としては、例えば伝統的な育種法及び突然変異誘発がある。しかしながら、変異した特性を有する新規植物は、遺伝子工学法の助けを得て発生させることもできる(例えば、EP-A-0221044、EP-A-0131624を参照)。例えば、以下のような幾つかの事例が記載されている。
― 植物中で合成されたデンプンを改良するための作物用植物の遺伝子組換式修飾法(例えばWO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、
― 或る種の除草剤、例えば、グルホシネート系(例えばEP-A-0242236、EP-A-242246を参照)、又はグリホサート系(WO 92/00377)、又はスルホニルウレア系(EP-A-0257993、US-A-5013659)の除草剤に対して耐性を示すトランスジェニック作物用植物、
― トランスジェニック作物用植物、例えば、バチルス ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素(Bt毒素)を産生する能力を獲得し、その結果として或る種の植物病菌に対して抵抗性となった棉(EP-A-0142924、EP-A-0193259)、
― 改良された脂肪酸スペクトルを有するトランスジェニック作物用植物(WO 91/13972)。
【0149】
変異した特性を有する新規なトランスジェニック植物を発生させるのに役立つ分子生物学における数多くの技術は、原理的には既知のものであり、例えば、Sambrookら、1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual、2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; 又は Winnacker、「Gene und Klone」 [Genes and Clones], VCH Weinheim 2版 1996、又は Christou、「Trends in Plant Science」 1 (1996) 423〜431頁)を参照することができる。
【0150】
当該組換え操作の遂行のため、DNA配列の組換えにより突然変異誘導又は配列変換を生じさせるように、核酸分子をプラスミド中に導入することができる。上記に記載した標準的な方法の助力を得て、例えば塩基置換を遂行すること、部分的配列を除去すること、又は天然の若しくは合成された配列を付加することが可能である。DNA断片を互いに結合させるためには、アダプター又はリンカーをDNA断片に結合させることができる。
【0151】
例えば、遺伝子産物の活性が低下した植物細胞は、少なくとも一つの対応するアンチセンスRNA、共抑制効果(cosuppressory effect)を遂行するセンスRNAの発現、又は上記の遺伝子産物の転写物を特異的に切断する少なくとも一つの適切に構成されたリボザイムの発現により得ることができる。
【0152】
この目的のために、一方では、存在しうる如何なるフランキング配列をも含んでいる遺伝子産物の全てのコード配列を含むDNA分子を使用することは可能であるが、しかしながら、コード配列の一部分しか含んでいないDNA分子でも、その部分が細胞中でアンチセンス効果を引き起こすのに十分な長さであれば、それを使用することもまた可能である。他の可能性は、遺伝子産物のコード配列と完全には同一ではないが、高度の相同性を有しているDNA配列を使用することである。
【0153】
植物中で核酸分子を発現するとき、合成された蛋白質は植物細胞の如何なる所望するコンパートメント(小胞)中にでも局在させることができる。しかしながら、特殊なコンパートメント中に局在させるためには、コード領域は、例えば特殊なコンパートメント中の局在を確実にするDNA配列に結合させなければならない。そのような配列は当業者にとっては既知のものである(例えば、Braunら、EMBO J. 11 (1992)、3219〜3227頁; Wolterら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988)、846〜850頁: Sonnewaldら、Plant J. 1 (1991)、95〜106頁を参照)。
【0154】
該トランスジェニック植物細胞は、既知の方法により再生して一個の完全な植物体へと生育させることができる。原理的には、トランスジェニック植物は、単子葉及び双子葉植物双方の如何なる所望する植物種であっても、一個の植物体にすることができる。
【0155】
このように、トランスジェニック植物は、同種(即ち、天然)遺伝子又は遺伝子配列の過剰発現、抑制若しくは阻害、又は異種(即ち、外来)遺伝子又は遺伝子配列の発現により変異した特性を現すように作成することができる。
【0156】
該式(I)の化合物は、スルホニルウレア系、グルホシネート−アンモニア又はグリホサート−イソプロピルアンモニア、及び類似の有効成分から成る一群から選択された除草剤に対して耐性であるトランスジェニック作物において好適に使用することができる。
【0157】
該式(I)の化合物をトランスジェニック作物に使用するときは、他の作物において観察される除草効果以外の効果は、特別なトランスジェニック作物に適用するための特異なものとしてしばしば観察され、例えば防除すべき雑草スペクトルの変異若しくは特異的拡大、使用できる使用割合の変更、トランスジェニック作物にとって耐性である除草剤との好適な組合せ能力、並びにトランスジェニック植物の生育及び収率に対する効果である。
【0158】
それ故、本発明はまた、式(I)の化合物の、トランスジェニック作物に有害な植物を防除するための除草剤としての使用に関するものである。
【0159】
また、本発明に係る有害な植物の防除又は植物成長調節としての使用は、該式(I)の化合物が、その前駆体(プロドラッグ)を植物に処理した後に植物体又は土壌中ではじめて形成される場合をも含んでいる。
【0160】
該式(I)の化合物は、水和剤、乳剤、散布用溶液、粉剤又は粒剤として、通常の製剤において用いることができる。それ故、本発明は、式(I)の化合物を含む除草剤及び植物成長調節剤組成物に関するものでもある。
【0161】
本発明の更なる特徴によれば、上記に明示した式(I)の化合物又は農業的に許容され得るそれらの塩の有効量を、1又はそれ以上の適合性のある農業的に許容され得る希釈剤又は担体、及び/又は界面活性剤、[即ち、除草剤組成物としての使用に適し、かつ本発明に係る化合物と適合する、一般的に当該分野において許容され得る希釈剤又は担体及び/又は界面活性剤]と一緒に、そして好ましくは均一に分散して含んでいる除草剤又は植物成長調節剤組成物を提供するものである。用語「均一に分散して」とは、式(I)の化合物が他の構成成分に溶解している組成物をも含んでいる。用語「除草剤組成物」は、広義に用いられ、除草剤として直ちに使用される組成物のみならず、使用前に希釈される(タンクミックスを含んで)濃厚液をも含むものである。
【0162】
該式(I)の化合物は、主要な生物学的及び/又は化学物理的パラメーターに依存して種々の方法で製剤することができる。適切である可能な製剤例としては、水和剤(WP)、水溶性の粉剤(SP)、水溶性濃縮剤、乳剤(EC)、水中油型及び油中水型エマルションのようなエマルション剤(EW)、散布用溶液、懸濁製剤(SC)、油又は水基剤の分散剤、油混和性溶液、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子被覆製品、拡散用及び土壌処理用粒剤、マイクロ粒剤用粒剤(GR)、散布用粒剤、被覆粒剤及び吸着粒剤、水分散性粒剤(WG)、水溶性粒剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤及びワックス剤がある。
【0163】
これらの個々の製剤は、原理的には既知のものであり、例えば:Winnacker-Kuchler、「Chemische Technologie」 [Chemical Technology]、7巻、C. Hauser Verlag, Munich、4版、1986; Wade van Valkenburg、「Pesticide Formulations」、Marcel Dekker, N.Y., 1973; K. Martens、「Spray Drying Handbook」、3版、1979, G. Goodwin Ltd. Londonに記載されている。
【0164】
不活性物質、界面活性剤、溶剤、その他の添加物のような製剤補助剤も既知のものであり、例えば: Watkins、「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」、2版、Darland Books, Caldwell N.J.; H.v. Olphen、「Introduction to Clay Colloid Chemistry」、2版、J. Wiley & Sons, N.Y.; C. Marsden, 「Solvents Guide」、2版、Interscience, N.Y. 1963; McCutcheon's、「Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.; Sisley and Wood、「Encyclopedia of Surface Active Agents」、Chem. Publ. Co. Inc., N.Y. 1964; Schoenfeldt、「Grenzflachenaktive Athylenoxidaddukte」 [Surface-active ethylene oxide adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart 1976; Winnacker-Kuchler、「Chemische Technologie」 [Chemical Technology]、7巻、C. Hauser Verlag, Munich、4版、1986に記載されている。
【0165】
これらの製剤に基づき、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤、肥料及び/又は植物成長調節剤のような他の農薬有効成分と、例えば混合済(readymix)又はタンクミックスとして組合せて調製することもできる。
【0166】
水和剤は、水中に均一に分散できる製剤であるが、式(I)で表される化合物に加えて、イオン性及び/又は非イオン性の界面活性剤(湿展剤、分散剤)、例えば、ポリオキシエチレン化アルキルフェノール、ポリオキシエチレン化脂肪酸アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸アミン、硫酸脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アルカンスルホナート若しくはアルキルベンゼンスルホナート、リグノスルホン酸ナトリウム、2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、又はオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムを、希釈剤又は不活性物質の他に付加的に含んでいる。水和剤を調製するために、式(I)の化合物を、例えばハンマーミル、ブローイングミル及びエアージェットミルのような通常の装置で細かく粉砕し、同時に又はその後に、製剤補助剤と混合する。
【0167】
乳剤は、式(I)の化合物を、有機溶媒、例えばブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン又はその他の高沸点の芳香族若しくは炭化水素又はこれらの混合物に、1又はそれ以上のイオン性及び/又は非イオン性の界面活性剤(乳化剤)を添加したものに溶解させることによって調製する。使用することができる乳化剤の例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムのようなアルキルアリールスルホン酸のカルシウム塩、又は脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド/エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテルのような非イオン性乳化剤、ソルビタン脂肪酸エステルのようなソルビタンエステル、又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのようなポリオキシエチレンソルビタンエステルを挙げることができる。
【0168】
粉剤は、細かく粉砕した固形物、例えばタルク、又はカオリン、ベントナイト若しくはパイロフィライトのような天然の粘土、又は珪藻土と一緒に、有効成分を粉砕して調製する。
【0169】
懸濁製剤は水基質又は油基質である。これらの製剤は、例えば市販用のビーズミルを用いて湿式粉砕法により、場合によっては、例えば上記の他の製剤の場合おいて既に指摘したように界面活性剤を加えて製造できる。
【0170】
エマルション剤、例えば水中油型エマルション(EW)は、例えば水性の有機溶媒を用いて、スターラー、コロイドミル及び/又はスタテイックミキサーにより製剤することができ、場合によっては、例えば上記の他の製剤の場合において既に指摘したように、界面活性剤を加えて製造できる。
【0171】
粒剤は、吸着性の造粒した不活性物質の上に、式(I)の化合物を吹き付けることにより、又は有効成分の濃縮物を、砂、カオリナイトのような担体、若しくは造粒した不活性物質の表面に、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルナトリウム若しくは鉱油のような粘着物の助けを得て適用することにより製造できる。もしも肥料との混合が望まれる場合は、肥料粒剤の製剤に通常用いられる態様で、適当な有効成分を造粒できる。
【0172】
水分散性粒剤は、スプレイ乾燥法、流動床造粒法、デイスク造粒法、高速撹拌機による混合法及び固形不活性物質を用いない押出し法のような通常の方法によって一般的に製造する。デイスク粒剤、流動床粒剤、押出し粒剤及び吹付け粒剤の製剤については、例えば、「Spray-Drying Handbook」、3版、1979, G. Goodwin Ltd., London; J.E. Browning、「Agglomeration」、Chemical and Engineering 1967、147頁以下参照; 「Perry's Chemical Engineer's Handbook」、5版、McGraw-Hill, New York 1973、8〜57頁中に記載の方法を参照することができる。
【0173】
作物保護製品の製剤についての更なる詳細については、例えば、G.C. Klingman、「Weed Control as a Science」、John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、81〜96頁、及びJ.D. Freyer, S.A. Evans、「Weed Control Handbook」、5版、Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1968、101〜103頁を参照することができる。
【0174】
一般的に、当該農薬製剤は、式(I)の化合物を、0.1〜99質量%、好ましくは0.1〜95質量%を含んでいる。水和剤の場合は、化学式(I)の化合物の濃度は、例えば約10〜90質量%であり、残部は通常の製剤構成物で100質量%としている。乳剤の場合は、式(I)の化合物の濃度は、約1〜90質量%であり、好ましくは5〜80質量%である。粉剤の製剤の場合は、式(I)の化合物を約1〜30質量%、多くの場合好ましくは式(I)の化合物を5〜20質量%を含み、一方散布溶液の場合は、式(I)の化合物を約0.05〜80質量%、好ましくは2〜50質量%含んでいる。水分散性粒剤の場合は、式(I)で表わされる化合物の濃度は、有効成分が液体か固体かにより、また使用される造粒補助剤、増量剤及びその他のものが何であるかに部分的に依存している。水分散性粒剤の場合は、例えば有効成分の濃度は1と95質量%の間であり、好ましくは10と80質量%の間である。
【0175】
付言するに、ここに記述した式(I)の化合物の製剤は、場合によっては、粘着剤、湿展剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤、不凍剤、溶媒、増量剤、担体、着色剤、消泡剤、蒸発防止剤、pH調節剤及び粘度調節剤を含むことができるが、それらはそれぞれ通常のものである。
【0176】
該式(I)の化合物又はそれらの塩の製剤はそのまま用いることもできるが、又は殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、殺菌剤のような他の農薬有効成分、薬害軽減剤、肥料及び/又は植物成長調節剤を、例えば使用前混合(premix)又はタンクミックスとして組合せた調製品(製剤)として用いることもできる。
【0177】
本発明に係る有効成分と混合製剤又はタンクミックスの方式で組み合わせることができる有効成分として使用できる化合物としては、例えば、アセトラクテートシンターゼ、アセチル−コエンザイムAカルボキシラーゼ、PSI、PSII、HPPDO、フィトエン デサチュラーゼ、プロトポルフィリノーゲン オキシダーゼ、グルタミン シンテターゼ、セルローズ生合性、5−エノールピルビルシキメート−3−ホスフェイトシンテターゼ等の阻害剤として既知の活性化合物を挙げることができる。このような化合物又は使用できる他の化合物では、作用機構はかなりの部分が未知であるか又は相異しているが、例えば、Weed Research, 26、441〜445頁(1986);又は「The Pesticide Manual」、12版、2000(以下「PM」と略記する)The British Crop Protection Council and the Royal Soc. of Chemistry (編者)及びそこに引用されている文献中に記載されている。当該文献から既知の、そして式(I)の化合物と組み合わせることができるものとして言及することができる除草剤としては、例えば、以下のような有効成分がある(注意:当該化合物は国際標準化機構(ISO)に基づく一般名で定義しているか又は化学名を用いているが、場合によっては、通例のコード番号も併せて記載している):
アセトクロール;アシフルオルフェン(−ナトリウム);アクロニフェン;AKH7088、即ち[[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ]酢酸及びそのメチルエステル;アラクロール;アロキシジム(−ナトリウム);アメトリン;アミカルバゾン;アミドクロール;アミドスルフロン;アミトール;AMS、即ちスルファミン酸アンモニウム;アニロホス;アシュラム;アトラジン;アザフェニジン;アジムスルフロン(DPX−A8947);アジプロトリン;バルバン;BAS516H、即ち5−フルオロ−2−フェニル−4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン;ベンフルブタミド;ベナゾリン(−エチル);ベンフルラリン;ベンフレセート(benfuresate);ベンスルフロン(−メチル);ベンスリド;ベンタゾン(−ナトリウム);ベンゾビシクロン;ベンゾフェナップ;ベンゾフルオル;ベンゾイルプロップ(−エチル);ベンズチアズロン(benzthiazuron);ビアラホス(ビラナホス:bilanafos);ビフェノックス;ビスピラバック(bispyribac)(−ナトリウム);ブロマシル;ブロモブチド;ブロモフェノキシム;ブロモキシニル;ブロムロン;ブミナホス;ブソキシノン(busoxinone);ブタクロール;ブタフェナシル;ブタミホス;ブテナクロール;ブチダゾール;ブトラリン;ブトロキシジム(butroxydim);ブチレート(butylate);カフェンストロール(cafenstrole)(CH−900);カルベタミド;カフェントラゾン(−エチル);カロキシジム(caloxydim)、CDAA、即ち2−クロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセトアミド;CDEC、即ちジエチルジチオカルバミン酸 2−クロロアリル;クロメトキシフェン;クロランベン(chloramben);クロラジホップ−ブチル;クロルブロムロン;クロルブファム;クロルフェナック;クロルフルレノール−メチル;クロリダゾン;クロリムロン(−エチル);クロルニトロフェン;クロロトルロン;クロロクスロン;クロルプロファム;クロルスルフロン;クロルタル−ジメチル;クロルチアミド;クロルトルロン;シニドン(−メチル又は−エチル);シンメチリン;シノスルフロン;クレトジム(clethodim);クレホキシジム(clefoxydim);クロジナホップ(clodinafop)及びそのエステル誘導体(例えばクロジナホップ−プロパルギル);クロマゾン(clomazone);クロメプロップ;クロプロキシジム;クロピラリド;クロピラスルフロン(−メチル);クロランシュラム(cloransulam)(−メチル);クミルロン(cumyluron)(JC940):シアナジン;シクロエート;シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)(AC104);シクロキシジム;シクルロン;シハロホップ(cyhalofop)及びそのエステル誘導体(例えばブチルエステル、DEH−112);シペルコート;シプラジン;シプラゾール;ダイムロン;2,4−D;2,4−DB;ダラポン;ダゾメット(dazomet);デスメデイファム;デスメトリン;ジアレート(di-allate);ジカンバ;ジクロベニル;ジクロルプロップ(-P);ジクロホップ及びジクロホップ−メチルのようなエステル;ジクロシュラム(diclosulam);ジエタチル(−エチル);ジフェノキスロン(difenoxuron);ジフェンゾコート;ジフルフェニカン;ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr);ジメフロン;ジメピペラート(dimepiperate);ジメタクロール;ジメタメトリン;ジメテナミド(dimethenamid)(SAN−582H);ジメテナミド(-P);ジメタゾン;ジメチピン;ジメキシフラム(dimexyflam);ジメトラスルフロン;ジニトラミン;ジノセブ;ジノテルブ;ジフェナミド;ジプロペトリン;ジクワット;ジチオピル;ジウロン;DNOC;エグリナジン−エチル(eglinazine-ethyl);EL77、即ち5−シアノ−1−(1,1−ジメチルエチル)−N−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド;エンドタール;エポプロダン(epoprodan);EPTC;エスプロカルブ;エタルフルラリン;エタメトスルフロン−メチル(ethametsulfuron-metyl);エチジムロン;エチオジン;エトフメセート(ethofumesate);エトキシフェン及びそのエステル(例えばエチルエステル、HC−252);エトキシスルフロン;エトベンザニド(HW52);F5231、即ちN−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオロプロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾル−1−イル]−フェニル]エタンスルホンアミド;フェノプロップ;フェノキサン;フェノキサプロップ及びフェノキサプロップ−P並びにそれらのエステル、例えばフェノキサプロップ−エチル及びフェノキサプロップ−P−エチル;フェノキシジム;フェントラザミド;フェニュロン;フラムプロップ(−メチル又は−イソプロピル若しくは−イソプロピル−L);フラザスルフロン;フロラシュラム(florasulam);フルアジホップ及びフルアジホップ−P並びにそれらのエステル、例えばフルアジホップ−ブチル及びフルアジホップ−P−ブチル;フルアゾレート(fluazolate);フルカルバゾン(−ナトリウム);フルクロラリン;フルフェナセット(FOE5043);フルフェンピル(flufenpyr);フルメトシュラム(flumetsulam);フルメツロン(flumeturon);フルミクロラック(−ペンチル);フルミオキサジン(S−482);フルミプロピン;フルオメツロン;フルオロクロリドン;フルオロジフェン;フルオログリコフェン(−エチル);フルポキサム(flupoxam)(KNW−739);フルプロパシル(UBIC−4243);フルプロアナート(fluproanate);フルピルスルフロン(−メチル又は−ナトリウム);フルレノール(−ブチル);フルリドン;フルロクロリドン;フルロキシピル(−メチルヘプチル);フルルプリミドール;フルルタモン;フルチアセット(−メチル);フルチアミド(別名フルフェナセット);ホメサフェン;ホラムスルフロン;ホサミン;フリラゾール(MON13900);フルロキシフェン(furyloxyfen);グルホシネート(−アンモニウム);グリホサート(−イソプロピルアンモニウム);ハロサフェン;ハロスルフロン(−メチル)及びそのエステル(例えばメチルエステル、NC−319);ハロキシホップ及びそのエステル;ハロキシホップ−P(=R−ハロキシホップ)及びそのエステル;HC−252(ジフェニルエーテル);ヘキサジノン;イマザメタベンズ(−メチル);イマザメタピル;イマザモックス(imazamox);イマザピック(imazapic);イマザピル;イマザキン及びその塩、例えばアンモニウム塩;イマゼタメタピル;イマゼタピル;イマゾスルフロン;インダノファン;インドスルフロン−(メチル)−(ナトリウム);アイオキシニル(ioxynil);イソカルバミド;イソプロパリン;イソプロツロン(isoproturon);イソウロン;イソキサベン;イソキサクロルトール(isoxachlortole);イソキサフルトール;イソキサピリホップ;カルブチレート(karbutilate);ラクトフェン;レナシル;リニュロン;MCPA;MCPB;メコプロップ;メフェナセット;メフルイジド(mefluidid);メソスルフロン(−メチル);メソトリオン;メタム;メタミホップ;メタミトロン;メタザクロール;メタベンズチアズロン;メタゾール;メトキシフェノン;メチルジムロン(metyldymron);メトベンズロン;メトブロムロン;(S−)メトラクロール;メトスラム(metosulam)(XRD511);メトキスロン(metoxuron);メトリブジン;メトスルフロン−メチル;MK−616;モリネート;モナリド;二水素硫酸カルバミド;モノリニュロン;モニュロン;MT128、即ち6−クロロ−N−(3−クロロ−2−プロペニル)−5−メチル−N−フェニル−3−ピリダジンアミン;MT5950、即ち、N−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)−フェニル]−2−メチルペンタンアミド;ナプロアニリド;ナプロパミド;ナプタラム;NC310、即ち4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール;ネブロン;ニコスルフロン;ニピラクロフェン;ニトラリン;ニトロフェン;ニトロフルオルフェン;ノルフルラゾン;オルベンカルブ;オリザリン;オキサジアルギル(RP−020630);オキサジアゾン;オキサスルフロン;オキサジクロメフォン(oxaziclomefone);オキシフルオルフェン;パラコート;ペブレート(pebulate);ペラルゴニン酸(pelargonic acid);ペンジメタリン;
ペノキスラム(penoxulam);ペンタノクロール;ペントキサゾン;ペルフルイドン;ペトキサミド;フェニソファム;フェンメデイファム;ピクロラム;ピコリナフェン;ピペロホス;ピリブチカルブ;ピリフェノップ−ブチル;プレチラクロール;プリミスルフロン(−メチル);プロカルバゾン(−ナトリウム);プロシアジン;プロジアミン;プロ
フルアゾール;プロフルラリン;プログリナジン(−エチル);プロメトン;プロメトリン;プロパクロール;プロパニル;プロパキザホップ;プロパジン;プロファム:プロピソクロール(propisochlor);プロポキシカルバゾン(−ナトリウム);プロピザミド;プロスルファリン;プロスルホカルブ;プロスルフロン(CGA−152005);プリナクロール;ピラクロニル;ピラフルフェン(−エチル);ピラゾリネート;ピラゾン;ピラゾスルフロン(−エチル);ピラゾキシフェン;ピリベンゾキシム;ピリブチカルブ;ピリダホル(pyridafol);ピリデート;ピリフタリド(pyriftalid);ピリミドバック(−メチル);ピリチオバック(−ナトリウム)(KIH−2031);ピロキソホップ(pyroxofop)及びそのエステル(例えばプロパルギルエステル);キンクロラック;キンメラック;キノクラミン;キノホップ及びそのエステル誘導体;キザロホップ及びキザロホップ−P並びにそれらのエステル誘導体、例えばキザロホップ−エチル及びキザロホップ−P−テフリル及び−エチル;レンリデュロン(renriduron);リムスルフロン(DPX−E9636);S275、即ち2−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−プロピニルオキシ)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール;セクブメトン;セトキシジム;シデュロン(siduron);シマジン;シメトリン;SN106279、即ち2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレンイル]オキシ]プロピオン酸及びそのメチルエステル;スルコトリオン(sulcotrione);スルフェントラゾン(FMC−97285,F−6285);スルファズロン;スルホメツロン(−メチル);スルホセート(ICI−A0224);スルホスルフロン;TCA;テブタム(GCP−5544);テブチウロン;テプラロキシジム(tepraloxydim);テルバシル(terbacil);テルブカルブ;テルブクロール;テルブメトン;テルブチラジン;テルブトリン;TFH450、即ちN、N−ジエチル−3−[(2−エチル−6−メチルフェニル)スルホニル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキシアミド;テニルクロール(thenylchlor)(NSK−850);チアフルアミド:チアザフルロン;チアゾピル(Mon−13200);チジアジミン(thidiazimin)(SN−24085);チフェンスルフロン(−メチル);チオベンカルブ;チオカルバジル;トラルコキシジム(tralkoxydim);トリアラート(tri-allate);トリアスルフロン;トリアジフラム;トリアゾフェナミド;トリベニュロン(−メチル);2,3,6−トリクロロ安息香酸(2,3,6−TBA);トリクロピル;トリジファン;トリエタジン;トリフロキシスルフロン(−ナトリウム);トリフルラリン;トリフルスルフロン及びそのエステル(例えばメチルエステル、DPX−66037);トリメツロン(trimeturon);トリトスルフロン(tritosulfuron);チトデフ(tsitodef);ベルノレート(vernolate);WL 110547、即ち5−フェノキシ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−テトラゾール;UBH−509;D−489;LS 82−556;KPP−300;NC−324;NC−330;KH−218;DPX−N8189;SC−0774;DOWCO−535;DK−8910;V−53482;PP−600;MBH−001;KIH−9201;ET−751;KIH−6127;KIH−2023及びKIH5996。
【0178】
有害植物の選択的防除は、有用植物及び園芸植物の作物栽培において特に興味あるものである。式(I)の化合物は、既に多くの作物において十分な選択性を極めて良好に示しているが、基本的には、植物毒性の症候は或る種の作物の栽培中に発生し、特に選択性の低い除草剤との混合の場合に発生する。この点に鑑み、特に興味ある本発明に係る式(I)の化合物との組合せは、式(I)の化合物を含んでいるもの又は他の除草剤若しくは農薬及び薬害軽減剤との組合せである。薬害軽減剤は、解毒剤として作用する量を含んでいるが、例えば穀物(小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、稲、モロコシ、アワ、キビ)、砂糖大根、サトウキビ、菜種、棉及び大豆、特に穀物のような経済的に重要な作物において、適用した除草剤/農薬の植物毒性の副作用を減少する。以下の化合物群は、式(I)の化合物及びそれと他の農薬とを組み合せたものに対する適切な薬害軽減剤の実施例である:
【0179】
a) ジクロロフェニルピラゾリン−3−カルボン酸タイプの化合物、好ましくは1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(エトキシカルボニル)-5−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボン酸エチル(S1−1)(「メフェンピル−ジエチル」(Mefenpyr-diethyl)、PM、594〜595頁)のような化合物、及びWO 91/07874に記載されているような関連化合物;
【0180】
b) ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸誘導体、好ましくは1−(2、4−ジクロロフェニル)−5−メチルピラゾール-3−カルボン酸エチル(S1−2)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピルピラゾール-3−カルボン酸エチル(S1−3)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)ピラゾール−3−カルボン酸エチル(S1−4)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−フェニルピラゾール−3−カルボン酸エチル(S1−5)のような化合物、並びにEP−A−333 131及びEP−A−269 806に記載されているような関連化合物;
【0181】
c) トリアゾールカルボン酸タイプの化合物、好ましくはフェンクロラゾール(及びそのエチルエステル)、即ち1−(2、4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロメチル−(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル(S1−6)のような化合物、及び関連化合物(EP−A−174 562 及びEP−A−346 620参照);
【0182】
d) 5−ベンジル−若しくは5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸タイプ、又は5、5−ジフェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸タイプの化合物、好ましくは5−(2、4−ジクロロベンジル)−2−イソキサゾリン-3−カルボン酸エチル(S1−7)、又は5−フェニル−2−イソキサゾリン-3−カルボン酸エチル(S1−8)のような化合物、及びWO 91/08202に記載されているような関連化合物、又はドイツ特許出願(WO−A−95/07897)に記載されているような、5、5−ジフェニル−2−イソキサゾリンカルボン酸エチル(S1−9)(「イソキサジフェン−エチル」)(「isoxadifen−ethyl」)、又は5、5−ジフェニル−2−イソキサゾリンカルボン酸 n-プロピル(S1−10)、又は5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソキサゾリン-3−カルボン酸エチル(S1−11);
【0183】
e) 8−キノリンオキシ酢酸タイプの化合物(S2)、好ましくは
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸1−メチルヘキサ−1−イル(一般名:クロキントセト-メキシル(cloquintocet−mexyl)(S2−1)(PM、195〜196頁参照)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸1,3−ジメチルブタン−1−イル(S2−2)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸4−アリルオキシブチル(S2−3)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸1−アリルオキシプロパン−2−イル(S2−4)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸エチル(S2−5)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸メチル(S2−6)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸アリル(S2−7)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸2−(2−プロピリデンイミノオキシ)−1−エチル(S2−8)、
(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸2−オキソプロパ−1−イル(S2−9)、
並びにEP−A−86 750、EP−A−94 349及びEP−A−191 736又はEP−A−0 492 366に記載されている関連化合物;
【0184】
f) (5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸タイプの化合物、好ましくは(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジエチル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジアリル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸メチルエチルのような化合物、及びEP−A−0 582 198に記載されているような関連化合物;
【0185】
g) 例えば、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(及びそのエステル)(2,4−D)、4−クロロ−2−メチルフェノキシプロピオン酸エステル)(メコプロップmecoprop)、MCPA、又は、3,6−ジクロ−2−メトキシ安息香酸(及びそのエステル)(ジカンバ:dicamba)のような、フェノキシ酢酸若しくはフェノキシプロピオン酸誘導体タイプ又は芳香族カルボン酸タイプの有効成分;
【0186】
h) 例えば「フェンクロリン」(fenclorim)(PM、386〜387頁)(即ち4、6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン)のような、イネの土壌活性化薬害軽減剤として用いられ、またイネの播種後に用いられるプレチラクロールの薬害軽減剤としても知られているピリミジンタイプの有効成分;
【0187】
i) 例えば、「ジクロルミド」(dichlormid)(PM、270〜271頁)(即ちN,N−ジアリル−2,2−ジクロロアセトアミド)、
「R−29148」(即ち3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチル−1,3−オキサゾリジン、Stauffer社製)、
「ベノキサコール」(benoxacor)(PM、74〜75頁)(即ち4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾキサジン)、
「PPG−1292」(即ちN−アリル−N−[(1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]ジクロロアセトアミド、PPG Industries社製)、
「DK−24」(即ち、N−アリル−N−[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド、Sagro−Chem社製)、
「AD-67」又は「MON4660」(即ち3−ジクロロアセチル−1−オキサ−3−アザスピロ[4,5]デカン、それぞれ、Nitrokemia及びMonsanto社製)、
「ジクロノン」又は「BAS145138」又は「LAB145138」(即ち3−ジクロロアセチル−2,5,5−トリメチル−1,3−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン、BASF社製)、及び
「フリラゾール」(furilazol)又は「MON13900」(PM、482〜483頁参照)(即ち(RS)−3−ジクロロアセチル−5−(2−フリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン)
のような、発芽前薬害軽減剤(土壌活性化薬害軽減剤)として頻繁に用いられるジクロロアセトアミドタイプの有効成分;
【0188】
j) 例えば、トウモロコシの薬害軽減剤として知られている「MG191」(CAS Reg. No.
96420−72−3)(即ち2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、Nitrokemia社製)のような、ジクロロアセトン誘導体タイプの有効成分;
【0189】
k) 例えば、モロコシ及びアワ、キビのメトラクロールの処理による損傷に対する種子処理薬害軽減剤として知られている「オキサベトリニル」(oxabetrinil)(PM、689頁)(即ち(Z)−1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ(フェニル)−アセトニトリル)、
モロコシ及びアワ、キビのメタラクロールの処理による損傷に対する種子被覆薬害軽減剤として知られている「フルキソフェニム」(fluxofenim)(PM、467〜468頁)(即ち1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−エタノン O−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)オキシム、並びに、
モロコシ及びアワ、キビのメトラクロールの処理による損傷に対する種子処理薬害軽減剤として知られている「シオメトリニル」(cyometrinil)又は「CGA−43089」(PM、1170頁)(即ち(Z)−シアノメトキシ−イミノ(フェニル)アセトニトリル)
のような、種子処理剤として知られているオキシイミノ化合物タイプの有効成分;
【0190】
l) 例えばモロコシ及びアワ、キビのアラクロール及びメトラクロールの処理による損傷に対する種子処理薬害軽減剤として知られている「フルラゾール」(flurazole)(PM、450〜451頁)(即ち2−クロロ−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸ベンジル)のような種子処理剤として知られている、チアゾールカルボン酸エステルタイプの有効成分;
【0191】
m) 例えばトウモロコシのチオカルバメート除草剤の処理による損傷に対する種子処理薬害軽減剤として知られている「無水ナフタル酸」(naphthalic anhydride)(PM、1009〜1010頁)(即ち1,8−ナフタレン二無水カルボン酸)のような種子処理剤として知られている、ナフタレン二カルボン酸誘導体タイプの有効成分;
【0192】
n) 例えばトウモロコシのイミダゾリノン処理による損傷に対する薬害軽減剤として知られている「CL304415」(CAS Reg. No. 31541−57−8)(即ち2−(4−カルボキシクロマン−4−イル)酢酸、American Cyanamid社製)、のようなクロマン酢酸誘導体タイプの有効成分;
【0193】
o) 例えば、イネの除草剤モリネート処理による損傷に対する薬害軽減剤として知られている「ジメピペレート」又は「MY−93」(PM、302〜303頁)(即ちピペリジン−1−カルボチオ酸 S−1−メチル−1−フェニルエチル)、
イネの除草剤イマゾスルフロン処理による損傷に対する薬害軽減剤として知られている、「ダイムロン」(daimuron)又は「SK23」(PM、247頁)(即ち1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−p-トリルウレア)、
イネの数種類の除草剤の処理による損傷に対する薬害軽減剤として知られている「クミルロン」(cumyluron)=「JC−940」(即ち3−(2−クロロフェニルメチル)−1−(1−メチル−1−フェニル−エチル)ウレア、JP−A−60087254参照);
イネの数種の除草剤の処理による損傷に対する薬害軽減剤として知られている、「メトキシフェノン」(methoxyphenone)又は「NK049」(即ち3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン)、
イネの数種類の除草剤の処理による損傷に対する薬害軽減剤として知られている「CSB」(即ち1−ブロモ−4−(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS Reg. No. 54091−06−4、Kumiai社製)
のような、有害植物に対して除草活性を示すと同時に、イネのような作物用植物との関連において薬害軽減剤活性を示す有効成分;
【0194】
p) WO−A−97/45016に記載されているような式(S3):
【化12】

で表されるN−アシルスルホンアミド及びそれらの塩;
【0195】
q) 国際特許出願番号PCT/EP98/06097に記載されているような式(S4):
【化13】

で表されるアシルスルファモイルベンズアミド、及び場合によってはそれらの塩;
及び
【0196】
r) WO−A−98/13 361に記載されているような式(S5):
【化14】

で表される化合物;
これらの立体異性体及び農業分野で通常使用されているそれらの塩を含む。
【0197】
上述した薬害軽減剤の中で特に興味あるものは(S1−1)、(S1−9)及び(S2−1)であり、なかんずく(S1−1)及び(S1−9)である。
幾つかの薬害軽減剤は除草剤として既知のものであり、それ故有害植物に対して除草活性を示すと同時に、作物用植物との関連において保護作用をも示す。
【0198】
薬害軽減剤に対する除草剤(混合物)の質量比は、一般には除草剤の適用量及び問題としている薬害軽減剤の効果にも依存するが、それは広い範囲で変異するものであり、例えば200:1から1:200の範囲、好ましくは100:1から1:100、更に好ましくは20:1から1:20の範囲である。薬害軽減剤は、更に除草剤/農薬、式(I)の化合物の類似体又はそれらの混合物と一緒に製剤して提供することができ、そして除草剤との混合済(readymix)又はタンクミックスとして使用することができる。
【0199】
使用に当たっては、従来の市販形式で存する除草剤又は除草剤薬害軽減剤の製剤は、場合によっては、例えば水和剤、乳剤、分散剤及び水−拡散性粒剤のような場合には、例えば水を用いて通常の仕方で希釈することができる。粉剤、土壌処理用粒剤、拡散用粒剤及び散布用溶液の場合は、通常は使用前において他の不活性物質により更に希釈することなく使用することができる。
【0200】
式(I)の化合物の適用量は、特に、温度、湿度及び使用する除草剤のタイプのような外的条件によって変化する。それは広い範囲で変化することができ、例えば0.001及び10.0kg/haの間、又はそれ以上の有効成分を含むことができるが、しかしながら、好ましくは0.002及び3kg/haの間、特に好ましくは0.005及び1kg/haの間である。
【0201】
B.製剤の実施例
a) 粉剤は、式(1)の化合物の10質量部と不活性物質としてのタルクの90質量部とを混合し、そしてその混合物をハンマーミルで粉砕して得た。
【0202】
b) 水中に容易に分散することができる水和剤は、式(1)の化合物の25質量部、不活性物質として石英を含んでいるカオリンの64質量部、リグノスルホン酸カリウムの10質量部、及びオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムの1質量部とを湿潤剤及び分散剤として混合し、そしてその混合物を鋲付きデイスクミルで粉砕して調製した。
【0203】
c) 水中に容易に分散することができる分散性製剤は、式(1)の化合物の20質量部、アルキルフェノールポリグリコールエーテル(Triton(R) X 207)の6itu量部、イソトリデカノールポリグリコールエーテル(8 EO)の3質量部、及びパラフィン鉱油(沸点範囲は、例えば約255から277℃以上)の71室量部を混合し、そしてその混合物をボールミルで、5ミクロン以下の微粉末になるまで粉砕して調製した。
【0204】
d) 乳剤は、式(I)の化合物の15質量部、溶媒としてシクロヘキサンの75質量部、及び乳化剤としてオキシエチル化ノニルフェノールの10質量部より調製した。
【0205】
e) 水分散性粒剤
化学式(I)の化合物 75質量部
リグノスルホン酸カルシウム 10質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 5質量部
ポリビニルアルコール 3質量部
カオリン 7質量部
上記を混合し、その混合物を鋲付デイスクミルで粉砕し、そしてその粉末を流動式床において造粒液として水を吹きつけながら造粒して調製した。
【0206】
f) 別法による水分散性粒剤
化学式(I)の化合物 25質量部
2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナトリウム 5質量部
オレオイルメチルタウリンナトリウム 2質量部
ポリビニルアルコール 1質量部
炭酸カルシウム 17質量部
水 50質量部
上記を混合し、コロイドミルでホモジナイズ及び粗粉末化し、続いてその混合物をビーズミルで粉砕して得られた懸濁を、シングルサブスタンスノズルを用いたスプレイタワー中で微粉末とし、これを乾燥して調整した。
【0207】
C.生物学的実施例
生物学的実施例1:雑草の発芽前処理効果
単子葉及び双子葉の雑草植物及び/又は作物の種子を、木材繊維ポット(wood-fibre-pots)中の砂状ローム土壌中に静置して表土をかけた。水和剤又は乳剤に製剤した本発明に係る化合物を、アジュバント(adjuvant)を含んでいる水に溶解して希釈し、その後ヘクタール当たり水600から800リットルの施用量で、表土の表面に種々の投与量で処理した。処理後ポットを温室に移し、植物にとって良好な生育条件下で静置した。
【0208】
実験の3〜4週間後に、植物又は発芽に対する損傷を目視で評価し、無処理対照と比較した。100%活性は、処理植物は完全に枯死したことを意味し、0%活性は、無処理植物の外観を意味する。
【0209】
本発明に係る化合物番号3、5、6、18、21、30、31、32、148及び487は、ヘクタール当たりの有効成分3kg又はそれ以下の適用量において、ヤエムグラ(Galium aparine)、イチビ(Abutilon theophrasti)、スズメノテッポウ類(Alopecurus m
yosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)及びコゴメガヤツリ(Cyperus iria)のような有害植物に対して、極めて優れた発芽前防除活性を示した。
【0210】
生物学的実施例2:雑草の発芽後処理効果
単子葉及び双子葉の雑草植物及び/又は作物の種子を、木材繊維ポット(wood-fibre-pots)中の砂状ローム土壌中に静置して表土をかけた。
試験植物は蒔種2〜3週間後の第一葉期に処理をした。
水和剤又は乳剤に製剤した本発明に係る化合物を、アジュバント(adjuvant)を含んでいる水に溶解して希釈し、その後ヘクタール当たり水600から800リットルの施用量で、植物の上に種々の投与量で処理した。処理後ポットを温室に移し、植物にとって良好な生育条件下で静置した。
処理3〜4週間後に、除草効果を、無処理対照と比較したときの百分率の数値として目視で評価した。
【0211】
本発明に係る化合物番号3、5、6、12、14、16、17、18、21、23、28、30、31、32、148及び487は、ヘクタール当たりの有効成分3kg又はそれ以下の適用量において、ヤエムグラ(Galium aparine)、イチビ(Abutilon theophrasti)、スズメノテッポウ類(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)及びコゴメガヤツリ(Cyperus iria)のような試験雑草種に対して、極めて優れた発芽後防除活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

で表される化合物又はその塩の、除草剤又は植物成長調節剤としての使用。
式中、A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNR5-NR6であり、ここにおいてAは、A-Wで表示した基の左側に示された原子又は置換された原子を表わし;
XはN又はCR7であり;
YはN又はCR8であり;
ZはN又はCR9であり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、カルバモイル、CO2H若しくはスルファモイル、又はベンジル若しくはフェノキシであり、
ここにおいて後者の2つの基のそれぞれは、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシカルボニル及びCO2Hから成る群から選択され1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
又は、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C6)シクロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル−(C1-C6)アルキル−、(C1-C6)アルコキシ、(C2-C6)アルケニルオキシ、(C2-C6)アルキニルオキシ、(C1-C6)アルキル−C(=O)O−、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)ジアルキルカルバモイル、(C1-C6)アルキルスルファモイル若しくは(C1-C6)ジアルキルスルファモイルであり、
ここにおいて後者の18の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
R5及びR6は、それぞれ独立に、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、ホルミル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルケニルカルボニル、COR10、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキル−SO2−、(C1-C6)アルコキシ−(C1-C6)アルキル−又はR10であり;
R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、S(O)nR10、S(O)nCH2CO2R11、S(O)nCH2CO2N[(C1-C6)アルキル]2、S(O)nCH2CONR12R13、S(O)nCH2CONR14NR15、ホルミル、カルバモイル、OH、SH、R10、NR16R17、1,3-ジオキソラン-2-イル、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルキルカルバモイル又は(C1-C6)ジアルキルカルバモイルであり、ここにおいて後者の10の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
R10は、ハロゲン、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)ジアルキルカルバモイル、スルファモイル、(C1-C6)アルキルスルファモイル及び(C1-C6)ジアルキルスルファモイルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルであり;
R11は、H又は(C1-C6)アルキルであり;
R12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C6)アルキル若しくはR10であり;又はR12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれに結合しているN原子と一緒に、5−若しくは6−員の飽和環を形成し、場合によっては、環中に付加的にO、S及びNから選択されるヘテロ原子を含み、当該環はハロゲン、(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
R14及びR15は、それぞれ独立に、H又は(C1-C6)アルキルであり;
nは、記載されている毎に、0、1又は2であり;
mは0又は1である。
【請求項2】
A-Wが、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、カルバモイル、CO2H若しくはスルファモイル、又はベンジル若しくはフェノキシであり、
ここにおいて後者の2つの基のそれぞれは、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル及びCO2Hから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
又は、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C3-C6)シクロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル−(C1-C4)アルキル−、(C1-C4)アルコキシ、(C2-C4)アルケニルオキシ、(C2-C4)アルキニルオキシ、(C1-C4)アルキル−C(=O)O−、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル若しくは(C1-C4)ジアルキルスルファモイルであり、
ここにおいて後者の18の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は、更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換である、
請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
Xは、N又はCR7であり、ここにおいてR7は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、S(O)nR10、S(O)nCH2CO2R11、S(O)nCH2CONR12R13、S(O)nCH2CONR14NR15、ホルミル、カルバモイル、OH、SH、R10、NR16R17、1,3-ジオキソラン-2-イル、(C1-C4)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)アルキルカルバモイル又は(C1-C4)ジアルキルカルバモイルであり、ここにおいて後者の10の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ及び(C1-C4)アルキル−S(O)n−から成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;ここにおいて、
R10は、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、スルファモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル及び(C1-C4)ジアルキルスルファモイルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルであり;
R11は、H又は(C1-C4)アルキルであり;
R12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル若しくはR10であり;又は R12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれに結合しているN原子と一
緒に、5−若しくは6−員の飽和環を形成し、場合によっては、環中に付加的にO、S及びNから選択されたヘテロ原子を含み、当該環はハロゲン、(C1-C4)アルキル及び(C1-C4)ハロアルキルから選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
R14及びR15は、それぞれ独立にH又は(C1-C4)アルキルである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
Y及びZがそれぞれNである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHであり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、カルバモイル、CO2H若しくはスルファモイル、又はベンジル若しくはフェノキシであり、
ここにおいて後者の2つの基のそれぞれは、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル及びCO2Hから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
又は、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C3-C6)シクロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル−(C1-C4)アルキル−、(C1-C4)アルコキシ、(C2-C4)アルケニルオキシ、(C2-C4)アルキニルオキシ、(C1-C4)アルキル−C(=O)O−、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル若しくは(C1-C4)ジアルキルスルファモイルであり、
ここにおいて後者の18の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
Xは、N又はCR7であり;
R7は、H、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、S(O)nR10、S(O)nCH2CO2R11、S(O)nCH2CO2N[(C1-C4)アルキル]2、S(O)nCH2CONR12R13、S(O)nCH2CONR14NR15、(C1-C4)アルコキシカルボニル、ホルミル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C1-C4)ハロアルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、OH、SH、R10、NR16R17、又は1,3-ジオキソラン-2-イルであり;ここにおいて
R10は、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキル−S(O)n−、(C1-C4)ハロアルキル−S(O)n−、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)ジアルキルアミノ、(C1-C4)アルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C4)アルキルカルバモイル、(C1-C4)ジアルキルカルバモイル、スルファモイル、(C1-C4)アルキルスルファモイル及び(C1-C4)ジアルキルスルファモイルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換された、又は非置換の(CH2)mフェニルであり;
R11は、H又は(C1-C4)アルキルであり;
R12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C4)アルキル若しくはR10であり;又はR12及びR13、若しくはR16及びR17は、それぞれに結合しているN原子と一緒に、5−若しくは6−員の飽和環を形成し、場合によっては、環中に付加的にO、S及びNから選択したヘテロ原子を含み、当該環はハロゲン、(C1-C4)アルキル及び(C1-C4)ハロアルキルから選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;そして、
R14及びR15は、それぞれ独立に、H又は(C1-C4)アルキルであり;そして
Y及びZは、それぞれNである、
請求項1に記載の使用。
【請求項7】
式(Ii):
【化2】

の請求項1に記載の化合物。
式中、A-Wは、N=N、N+(O-)=N又はNH-NHであり、ここにおいてAは、A-Wで表示した基の左側に示された原子又は置換されている原子を表し;
Xは、N又はCR7であり;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、カルバモイル、CO2H若しくはスルファモイル、又はベンジル若しくはフェノキシであり、
ここにおいて後者の2つの基のそれぞれは、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシカルボニル及びCO2Hから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
又は、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C6)シクロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル−(C1-C6)アルキル−、(C1-C6)アルコキシ、(C2-C6)アルケニルオキシ、(C2-C6)アルキニルオキシ、(C1-C6)アルキル−C(=O)O−、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)ジアルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)ジアルキルカルバモイル、(C1-C6)アルキルスルファモイル若しくは(C1-C6)ジアルキルスルファモイルであり、
ここにおいて後者の18の基のそれぞれは、ハロゲン、OH、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、そして環状基の場合は更に(C1-C6)アルキル及び(C1-C6)ハロアルキルから成る群から選択された1若しくはそれ以上の基で置換され、又は非置換であり;
R7はH、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1-C6)アルキル−S(O)n−、(C1-C6)ハロアルキル−S(O)n−、(C1-C6)アルコキシカルボニル、
ホルミル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)ハロアルキルカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)ジアルキルカルバモイル、NR16R17、若しくは1,3-ジオキソラン-2-イルであり;そして
R16及びR17は、それぞれ独立に、H、(C1-C6)アルキル又はR10であり、ここにおいて、R10は、上記のように定義されている;
但し、以下:
i) A-WがN=Nであり; R1、R2、R3及びR4が、それぞれHであり:及びXがCBr、CSO2Me、CSMe、CMe又はCHである;
ii) A-WがN=Nであり; R1、R3及びR4がそれぞれHであり; R2がClであり; 及びXがCHである;
iii) A-WがN=Nであり; R2、R3及びR4がそれぞれHであり; R1がOHであり; 及びXがCHである;
iv) A-WがN+(O-)=Nであり; R1、R2、R3及びR4がそれぞれHであり; 及びX がCHである;
v) A-WがNH-NHであり; R1、R2、R3及びR4がそれぞれHであり; 及びXがCSMe又はCHである;
vi) A-WがNH-NHであり; R1、R3及びR4がそれぞれHであり; R2 がMeであり; 及びXがCHである;
vii) A-WがN=Nであり; R1、R2及びR4がそれぞれHであり; R3 がOMeであり; 及びXがNである;
viii) A-WがN=Nであり; R1、R3及びR4がそれぞれHであり; R2 がOMe、Me又はHであり; 及びXがNである;
ix) A-WがN=Nであり; R1及びR3がそれぞれHであり; R2 及び R4 がそれぞれMeであり;
及びXがNである;
x) A-WがN+(O-)=Nであり; R1、R3及びR4がそれぞれHであり; R2 がMe又はOMeであり;
及びXがNである;
xi) A-WがN+(O-)=Nであり; R1及びR3がそれぞれHであり; R2 及びR4 がそれぞれMeであり; 及びXがNである; 並びに
xii) A-WがNH-NHであり; R1、R2、R3及びR4がそれぞれHであり; 及びXがNである;
の各化合物を除く。
【請求項8】
請求項7で定義した式(I)の化合物、又はその塩の製造方法であって、以下の工程:
a) A-WがN=N又はN+(O-)=Nの場合に、式(II):
【化3】

(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、そしてR1、R2、R3、R4、X、Y及びZは式(I)で定義した通りである)の化合物の環状脱水反応を行う; 又は
b) A-WがN=Nであり、そして他の記号が上記の定義の通りである場合に、式(III):、
【化4】

(式中、X、Y及びZは式(I)で定義した通りであり、そしてQは塩化物、硫酸塩又はフルオロホウ酸塩である)のジアゾニウム塩と、式(IV):
【化5】

(式中、R1、R2、R3及びR4は式(I)に定義した通りである)の化合物とのカップリング反応により、式(II)で表されるアゾ中間体(式中、A-WがN=Nであり、そして他の記号が式(I)で定義した通りである)を得、これに引き続き上述の環状脱水反応を行う; 又は
c) A-WがNR5-NR6であり;R1、R2、R3、R4、R6、X、Y及びZが式(I)に定義した通りであり、そしてR5がHを除いて式(I)に定義した通りである場合に、対応する式(I)の化合物(式中、R5はHである)を、式(VI):
R5-L (VI)
(式中、R5はHを除いて式(I)に定義した通りであり、そしてLは脱離基である)の化合物と反応させる;又は
d) A-WがNR5-NR6であり;R1、R2、R3、R4、R5、X、Y及びZが式(I)に定義した通りであり、そしてR6がHを除いて式(I)に定義した通りである場合に、対応する式(I)の化合物(式中、R6がHである)を、式(VII):
R6-L (VII)
(式中、R6はHを除いて式(I)に定義した通りであり、そしてLは脱離基である)の化合物と反応させる;又は
e) A-WがNR5-NR6であり、R5及びR6がそれぞれHであり、そして他の記号が式(I)で定義した通りである場合に、対応する式(I)の化合物(式中、A-WがN=N又はN+(O-)=Nである)を還元する;又は
f) A-WがN-Nであり、そして他の記号が式(I)で定義した通りである場合に、対応する式(I)の化合物(式中、A-WがN+(O-)=Nである)を還元する;又は
g) A-WがN=N又はN+(O-)=Nであり、XがCR7であり、Y及びZがそれぞれNであり、そして他の記号が式(I)で定義した通りである場合に、式(VIII):
【化6】

(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、R7はH、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル又はR10であり、そしてR1、R2、R3及びR4は式(I)で定義した通りである)の化合物を、式(IX)又は(X):
R7COL1 (IX) R7C(OR)3 (X)
(式中、R7はH、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル又はR10であり、そしてL1はH又は脱離基である)のカルボン酸又はその同等物と反応させる; 又は
h) A-WがN=N又はN+(O-)=Nであり、XがCR7であり、Y及びZがそれぞれNであり、そして他の記号が式(I)で定義した通りである場合に、式(XI):、
【化7】

(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、R7はH、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル又はR10であり、そしてR1、R2、R3及びR4が式(I)に定義した通りである)の化合物を脱水試薬又はハロゲン化剤の存在下で環状化する;又は
i) A-WがN=N又はN+(O-)=Nであり、そしてR1、R2、R3及びR4が式(I)に定義した通りである場合に、式(XII):
【化8】

(式中、A-WはN=N又はN+(O-)=Nであり、R1、R2、R3及びR4は式(I)に定義した通りであり、そしてL2は脱離基である)の化合物を、式(XIII):
M-N3 (XIII)
(式中、Mはアルカリ金属である)の金属アジドと反応させる;又は
j) A-WがN+(O-)=Nであり、そして他の記号が式(I)で定義した通りである場合に、対応する式(I)の化合物(式中、A-WはN=Nである)を酸化する;
を含む、上記の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項で定義した式(I)の1つ又はそれ以上の化合物又はその塩、及び作物保護に慣用の製剤補助剤を含むことを特徴とする、除草剤又は植物成長調節剤組成物。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に定義した式(I)の1つ又はそれ以上の化合物又はその塩の有効量を植物、植物の種子又は栽培地域に施用することを特徴とする、有害植物の防除又は植物成長の調節方法。

【公表番号】特表2007−500675(P2007−500675A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521455(P2006−521455)
【出願日】平成16年7月17日(2004.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008010
【国際公開番号】WO2005/014595
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(500137954)バイエル クロップサイエンス ゲーエムベーハー (31)
【Fターム(参考)】