説明

望ましくない細胞増殖を抑制するための化合物、およびその使用

本発明は、式(1)の化合物(式中、破線は一重または二重結合を、または結合が存在しないことを表し、およびA1〜A9、Q、R1〜R11、T、U、V、W1〜W3、X1、X2、YおよびZは、特許請求の範囲および明細書の中で定義された通りである)、化合物を含む医薬品組成物、ならびに異常細胞増殖、望ましくない細胞増殖、異常有糸分裂および/または望ましくない有糸分裂を含む疾病の治療用の医薬の製造のための化合物の使用、に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の化合物および医薬の製造のための前記化合物の使用に関する。
【0002】
細胞増殖は細胞に基礎を置くあらゆる形の生物にとって必要条件である。細胞増殖、即ち、限られた数の細胞からスタートして細胞数を増加させることは、したがってあらゆる単細胞生物および多細胞生物にとって重要である。そのような細胞増殖は細胞によって高度に調節されるプロセスである。増殖している細胞の生存の維持に好ましくない状況下における細胞増殖は、生物学的観点から見て回避しなければならない。細胞の生存を可能にするために、生命の進化において、感知機構を含む複雑な調節システムが発達した。
【0003】
単細胞および多細胞生物のバイオマスの単なる増加とは別に、多細胞生物は、多細胞生物の身体を形成する細胞の高度に組織された相互作用を維持するために、細胞増殖を制御しなければならない。細胞増殖のいかなる調節解除も、病理学的状態を示すか、またはもたらす。調節解除された細胞増殖は、一般に癌と呼ばれる疾病種別を含む多くの疾病の原因である。
【0004】
細胞増殖を制御しなければならない生物過程が多重に存在することを考慮すると、細胞増殖制御に好適な化合物を提供する必要性が、この技術分野には存在する。本発明の根底にある課題は、このように細胞増殖、より詳細には望ましくない細胞増殖を阻害する効果を有する新しい化合物を提供することである。
【0005】
第1の局面において、本発明の根底にある課題は、式(I)の化合物:
【化7】

【0006】
(式中、破線は、一重または二重結合を、または結合が存在しないことを表し;
【0007】
1およびR2は、−Hおよびリン酸保護基を含む群より各々独立に選ばれ;
【0008】
1およびX2は、−O−、−S−、−NR12−を含む群より各々独立に選ばれ;
【0009】
Zは−O−、−S−、−NR13−、−(CR1415)−を含む群より選ばれ;
【0010】
1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8およびA9は、−O−、−S−、−NR16−、−S(O)−、−S(O2)−、−C(O)−、−C(S)−、−NR17−C(O)−、−NR18−C(S)−、−NR19−C(O)−NR20−、−NR21C(S)−NR22−、−NR23−S(O)−、−NR24−S(O2)−および−NR25−C(O)−O−を含む群より各々独立に選ばれるか、または各々互いに独立して、存在しない;
【0011】
Yは−O−、−CR2627−を含む群より選ばれ;
【0012】
QおよびVは、
【化8】


を含む群より各々独立して選ばれ;
【0013】
1、W2、およびW3は、
【化9】


を含む群より各々独立して選ばれ;
【0014】
3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、TおよびUは、−H、ハロ、アルキル、置換されたアルキル、直鎖アルキル、置換された直鎖アルキル、分岐アルキル、置換された分岐アルキル、アルケニル、直鎖アルケニル、置換された直鎖アルケニル、分岐アルケニル、置換された分岐アルケニル、アルキニル、直鎖アルキニル、置換された直鎖アルキニル、分岐アルキニル、置換された分岐アルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたシクロアルケニル、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、モノ不飽和ヘテロシクリル、置換されたモノ不飽和ヘテロシクリル、ポリ不飽和ヘテロシクリル、置換されたポリ不飽和ヘテロシクリル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキルおよび置換されたヘテロシクリルアルキルを含む群より各々独立して選ばれるか、または各々互いに独立して存在しない)、
【0015】
およびそれらの塩、水和物、溶媒和物、およびプロドラッグにより解決される。
【0016】
第1の局面の実施態様の1つでは、W1、A1、A2、A3、A4、A5、R3およびR4が存在せず;R5、R6およびR7が−Hであり;W2およびW3
【化10】


であり;Zが、好ましくは−S−または−O−のどちらかであり、より好ましくは−S−であり;そしてYが好ましくは−CH2−であり;A7が好ましくは−C(O)−または−CH2−のどちらかであり;X1およびX2の両方が−O−であり;A8が−C(O)−O−または−NR29−C(O)−であって、−NR29−C(O)−および−C(O)−O−のC原子はVに共有結合で結合されており;およびR29が−Hまたは低級アルキルである。
【0017】
第1の局面の別の実施態様では、W1、W2、A1、A2、A3、A4、A5、R3、R4、R5およびR6が存在せず;R7が−Hであり;W3
【化11】


であり;Zが、好ましくは−S−あるいは−O−のどちらかであり、より好ましくは−S−であり;そしてYが好ましくは−CH2−であり;A7が好ましくは−C(O)−または−CH2−のどちらかであり;X1とX2の両方が−O−であり;A8が−C(O)−O−または−NR29−C(O)−であって、−NR29−C(O)−および−C(O)−O−のC原子はVに共有結合で結合されており;およびR29は−Hまたは低級アルキルである。
【0018】
第1の局面の実施態様の1つ、より好ましくは2つの先行する実施態様では、
8が−Hであって、好ましくは、A6が存在しない。
【0019】
第1の局面の実施態様の1つ、より好ましくは2つの先行する実施態様では、
6が−NR17−C(O)−、−NR24−S(O2)−、−NR25−C(O)−O−を含む群より選ばれ;およびR8が、場合により置換されたアリール−(低級アルキル)、場合により置換されたヘテロアリール−(低級アルキル)、場合により置換されたアリールおよび場合により置換されたヘテロアリール、好ましくは、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル−(低級アルキル)およびより好ましくは、1−アセチルアミノ−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチル;ジハロ−ベンジルスルファニルエチル、モノハロ−ベンジルスルファニルエチル、−4−(モノハロ−フェニル)−4−オキソ−ブチル、4−(ジハロ−フェニル)−4オキソ−ブチル;ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル、を含む群より選ばれ;R17、R24およびR25が、−Hおよびより低級アルキルを含む群から各々独立して選ばれる。
【0020】
第1の局面の実施態様の1つ、より好ましくは2つの先行する実施態様では、QおよびVが
【化12】


であり、TおよびUがアルキル、好ましくは低級アルキルであり、破線が結合不在であるかまたは単結合である。
【0021】
好ましい実施態様では、R28が−Hまたは低級アルキルであり、破線が単結合であり、Tが−CH2−であり、およびUが−(CH2)−を含む群より選ばれ、nが1〜5までの任意の整数であり、好ましくは2、3または4である。
【0022】
好ましい実施態様では、R9が−Hであり、R10が、置換された低級アルキル、好ましくはアリール−(低級アルキル)、ヘテロアリール−(低級アルキル)、シクロアルキル−(低級アルキル)、ヘテロシクリル−(低級アルキル)、およびより好ましくは、場合により置換された2−ナフタレン−2−イル−エチル、場合により置換されたナフタレン−2−イルメチル、場合により置換された2−フェニル−エチル、場合により置換された2−フェニル−メチル、場合により置換されたキノリン−7−イルメチル、および場合により置換された3−イソキノリン−7−イルメチルを含む群より選ばれる。
【0023】
好ましい実施態様では、A9が−NH−C(O)−または−NH−C(S)−であって、−NH−C(O)−および−NH−C(S)−のそれぞれのN原子がR11に共有結合で結合されており、および R11が、−H、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、好ましくは、場合により置換された低級アルキルまたは−H、およびより好ましくは場合により置換されたtert−ブチル、または場合により置換されたイソプロピルを含む群より選ばれる。
【0024】
好ましい実施態様では、A9が存在せず、ならびにR11が、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、好ましくは場合により置換されたフェニル、場合により置換されたチアゾール−2−イル、場合により置換されたピリジルおよび場合により置換された[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル、場合により置換された4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルを含む群より選ばれる。
【0025】
好ましい実施態様では、R1とR2の両方が−Hである。
【0026】
好ましい実施態様では、R1およびR2が各々リン酸保護基であり、好ましくは、RおよびR2は、2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチルおよび2−アセチルスルファニル−エチルを含む群より各々独立して選ばれる。
【0027】
第2の局面において、本発明の根底にある課題は、
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロポキシメチル}−ホスホン酸
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−オキソ−プロポキシメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[3−(4−クロロ−ベンジルスルファニル)−プロピオニルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[3−(3.4−ジクロロ−ベンジルスルファニル)−プロピオニルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[5−(4−クロロ−フェニル)−5−オキソ−ペンタノイルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(5−フェニル−ペンタノイルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−(3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−{6−[5−(−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)−安息香酸)−ウレイド]−ヘキサノイルアミノ}−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−4−イル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(2−オキソ−チアゾリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
(3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−{[2−オキソ−3−(2−オキソ−チアゾリジン−4−カルボニル)−チアゾリジン−4−カルボニル]アミノ}−プロピルスルファニルメチル)−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−フェノキシ−ベンゾイルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(1.2.3.4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−チオフェン−2−イル−プロピオニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−{3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−[(ピペリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニルアミノ}−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−(2−ピペリジン−1−イル−アセチルアミノ)−プロピオニルアミノ]−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ベンゾイルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェニルアセチルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−フェニル−プロピオニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−(2−ビフェニル−4−イル−アセチルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
Ac−Bta−Cys(CH2−P(O)(OH)2)−NMeazaAla−2Nal−NH2
Ac−Bta−Cys(CH2−P(O)(OH)2)−NMeazaGly−2Nal−NH2
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−アセチルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェニルメタンスルホニルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(1−フェニル−シクロペンタンカルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(2−クロロ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(4−クロロ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−オキソ−ブチリルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ブチリルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(5−オキソ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[(ベンゾフラン−2−カルボニル)−アミノ]−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(2−ピペラジン−1−イル−アセチルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−[(3−アセチル−2−オキソ−チアゾリジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−イソブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ブトキシカルボニルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−メトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェノキシカルボニルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェネチルオキシカルボニルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ベンゼンスルホニルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(2−フェニル−エタンスルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−フェニル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−メタンスルホニルアミノ−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(2.4.6−トリメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(チオフェン−2−スルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−ピペリジン−1−イル−プロピオニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−(2−ベンゾ[1.3]ジオキソール−5−イル−アセチルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(3.5−ジメトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(2−メトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[2−オキソ−2−(2−フェニルカルバモイル−ピペリジン−1−イル)−エチルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(3−メトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[2−(4−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセチルアミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−メチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メチル−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[2−(2−ベンジルカルバモイル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[2−オキソ−2−(2−フェネチルカルバモイル−ピペリジン−1−イル)−エチルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−オキソ−2−[2−(3−フェニル−プロピルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メチルカルバモイルメチル−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−[(4−メトキシ−フェニルカルバモイル)−メチル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
2,2−ジメチル−プロピオン酸{2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメトキシ)−ホスフィノイルオキシメチルエステル
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−1−フェニル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
(2−{2−[1−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチルスルファニルメチル)−ホスホン酸
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−1−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
(2−{2−[2−ナフタレン−2−イル−1−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチルカルバモイル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチルスルファニルメチル)−ホスホン酸
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−1−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
を含む群より選ばれる、好ましくは第1の局面による化合物である化合物、
【0028】
およびそれらの塩、水和物および溶媒和物、ならびにそれらのプロドラッグにより解決される。
【0029】
第3の局面において、本発明の根底にある課題は、第1の局面または第2の局面による化合物、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤によって解決される。
【0030】
実施態様の1つでは、医薬品組成物が、さらに薬学的活性化合物を含む。
【0031】
実施態様の1つでは、化合物が、薬学的に許容される塩または薬学的活性を有する溶媒和物として存在する。
【0032】
実施態様の1つでは、薬学的活性化合物は、単独であるか、または多くの個別化された用量および/または投与形式中に存在する組成物の任意の成分と組み合されている。
【0033】
第4の局面において、本発明の根底にある課題は、医薬の製造用に、第1または第2の局面による化合物を使用することにより解決される。
【0034】
第5の局面において、本発明の根底にある課題は、疾病治療のための医薬の製造用に化合物を使用することにより解決される。その場合、疾病は、異常細胞増殖、望まれない細胞増殖、異常有糸分裂および/または望まれない有糸分裂を含み、化合物は、第1または第2の局面による化合物である。
【0035】
実施態様の1つでは、化合物が、細胞分裂および/または細胞周期またはその一部分の調節に関与する酵素活性に作用し、好ましくは細胞周期の一部分は有糸分裂である。
【0036】
実施態様の1つでは、疾病が、神経変性疾患、卒中、炎症性疾患、免疫に基づく障害、感染症、心疾患、心蔵血管疾患、および細胞増殖性疾病を含む群より選ばれる。
【0037】
好ましい実施態様では、神経変性疾患が、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、末梢神経障害、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型痴呆、シヌクレイノパチー、多系統萎縮症、筋萎縮性外側萎縮、プリオン病、および運動ニューロン疾患を含む群より選ばれる。
【0038】
実施態様の1つでは、感染症が、真菌、ウイルス、細菌、および寄生生物、の感染を含む群より選ばれる。
【0039】
好ましい実施態様では、真菌感染が、婦人科および皮膚科の感染を含む群より選ばれる。
【0040】
実施態様の1つでは、真菌感染が、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、ブラストミセス属(Blastomyces)、パラコクシジオイデス属(Paracoccidioides)、アスペルギルス属(Aspergillus)、スポロトリクス属(Sporothrix)、リゾプス属(Rhizopus)、アブシディア属(Absidia)、ムコール属(Mucor)、ホルモデンドラム属(Hormodendrum)、フィアロフォラ属(Phialophora)、ミクロスポルム属(Microsporum)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、リノスポリジウム属(Rhinosporidum)により、または酵母、好ましくはカンジダ属(Candida)またはクリプトコッカス属(Cryptococcus)により引き起こされる、またはこれらに関係する。
【0041】
実施態様の1つでは、白癬、カンジダ症、コクシジオイデス症、ブラストミセス症、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、パラコクシジオイデス症、接合真菌症、スポロトリクス症、真菌性角膜炎、爪・毛・皮膚病、ロボ真菌症、クロモブラスト真菌症、菌腫、を含む群より感染症が選ばれる、または真菌感染がこれらを含む群より選ばれる障害を引き起こす。
【0042】
好ましい実施態様では、細菌感染が、グラム陽性およびグラム陰性菌によって引き起こされる感染を含む群より選ばれる。
【0043】
より好ましい実施態様では、細菌感染が、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、クロストリジウム属(Clostridium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、リステリア属(Listeria)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、エシェリキア属(Escherichia)、ミコバクテリア属(Mycobacteria)、セラチア属(Serratia)、エンテロバクター属(Enterobacter)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ノカルジア属(Nocardia)、ヘモフィルス属(Hemophilus)、ナイセリア属(Neisseria)、プロテウス属(Proteus)、エルシニア属(Yersinia)、ヘリコバクター属(Helicobacter)またはレジオネラ属(Legionella)により引き起こされるか、またはそれらに関連する。
【0044】
実施態様の1つでは、肺炎、下痢、赤痢、炭疽菌、リウマチ熱、毒素性ショック症候群、乳様突起炎、脳膜炎、淋病、腸チフス、ブルセラ、ライム病、胃腸炎、結核、コレラ、破傷風、および腺ペスト、を含む群より感染症が選ばれる、または細菌感染がこれらを含む群より選ばれる障害を引き起こす。
【0045】
好ましい実施態様では、ウイルス感染が、レトロウイルス、HIV、パピローマウイルス、ポリオウイルス、エプスタイン−バー、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、パポバウイルス、インフルエンザウイルス、狂犬病、JC、脳炎を引き起こすウイルス、または出血熱を引き起こすウイルスにより引き起こされる感染、または関連する感染を含む群より選ばれる。
【0046】
好ましい実施態様では、寄生生物の感染が、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、リーシュマニア属(Leishmania)、トリキネラ属(Trichinella)、エキノコックス属(Echinococcus)、ネマトーダ(Nematodes)、綱(Classes)セストーダ(Cestoda)トレマトーダ(Trematoda)、単生綱(Monogenea)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、ジアルジア属(Giardia)、バランチジウム属(Balantidium)、パラメシウム属(Paramecium)、プラスモジウム属(Plasmodium)、またはエントアメーバ属(Entamoeba)により引き起こされる感染、またはそれらに関連する感染を含む群より選ばれる。
【0047】
実施態様の1つでは、細胞増殖性障害が、腫瘍性および非腫瘍性障害を含む群より選ばれる。
【0048】
好ましい実施態様では、腫瘍性細胞増殖性障害が、充実性腫瘍、リンパ腫、および白血病を含む群より選ばれる。
【0049】
より好ましい実施態様では、充実性腫瘍が、癌腫、肉腫、骨腫、繊維肉腫および軟骨肉腫を含む群より選ばれる。
【0050】
別の実施態様では、腫瘍性細胞増殖性障害が、乳癌、前立腺癌、結腸癌、脳腫瘍、肺癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、および腎臓癌を含む群より選ばれる。
【0051】
別の実施態様では、非腫瘍性細胞増殖性障害が繊維性障害であり、好ましくは繊維性障害が繊維症である。
【0052】
別の実施態様では、非腫瘍性細胞増殖性障害が、前立腺肥大症、子宮内膜症、乾癬、組織修復、および創傷治癒を含む群より選ばれる。
【0053】
実施態様の1つでは、免疫に基づく/炎症性の疾病が自己免疫疾患または自己免疫障害である。
【0054】
実施態様の1つでは、免疫に基づく/炎症性の疾病が、関節リウマチ、糸球体腎炎、全身性エリトマトーデス関連糸球体腎炎、過敏性腸症候群、気管支喘息、多発性硬化症、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫溶血性および血小板減少性容態、グッドパスチャー症候群、肺出血、脈管炎、クローン病および皮膚筋炎、を含む群より選ばれる。
【0055】
実施態様の1つでは、免疫に基づくおよび/または炎症性の疾病が炎症性症状である。
【0056】
実施態様の1つでは、免疫に基づくおよび/または炎症性の疾病が、熱傷関連炎症、肺損傷、心筋梗塞、冠状動脈血栓症、血管閉塞、手術後の血管の再閉塞、動脈硬化症、外傷性中枢神経系損傷、虚血性心疾患および虚血再潅流損傷、急性呼吸窮迫症候群、全身性炎症反応症候群、多臓器機能障害症候群、組織移植片拒絶、および移植器官の超急性拒否反応、を含む群より選ばれる。
【0057】
実施態様の1つでは、医薬が、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮的、腹腔内、筋肉内、肺臓内、膣内、直腸、および眼内の投与、を含む群より選ばれる投与経路を介する投与用である。
【0058】
実施態様の1つでは、医薬が哺乳動物への、好ましくはヒトへの投与用である。
【0059】
実施態様の1つでは、医薬が第3の局面による医薬品組成物であるか、またはそれを含む。
【0060】
さらに好ましい本発明による化合物は、本明細書の表のいずれかの中で言及されるものであり、また実施例においてさらに開示され、および/または特徴決定されるものである。
【0061】
本発明の根底にある課題は、独立クレームの主題によっても解決される。好ましい実施態様は従属クレームから得れれる。
【0062】
本明細書に用いられる次の用語の各々は、単独でまたは、他の用語と共に使用され、好ましくは、次のような意味で(逆であると注意した場合以外は)用いられる。
【0063】
用語「アルキル」とは、1〜14個の炭素原子を含む飽和脂肪族ラジカル、または2〜12個の炭素原子を含み、各々少なくとも1つの二重および三重結合を含むモノまたはポリ不飽和脂肪族炭化水素ラジカルを指す。「アルキル」は、分岐のあるおよび分岐のないアルキル基の両方を指す。好ましいアルキル基は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖アルキル基である。より好ましいアルキル基は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、および3〜6個の炭素原子を含む分岐アルキル基である。「アルク」または「アルキル」という接頭辞を用いる任意の結合用語は、上の定義の「アルキル」による類似体を指すものと理解しなければならない。例えば、「アルコキシ」、「アルキルチオ」のような用語は、酸素または硫黄原子によって第2の基に連結されたアルキル基を指す。「アルカノイル」は、カルボニル基(C=O)に連結されたアルキル基を指す。「置換されたアルキル」は、さらに1以上の置換基を所持する、好ましくは直鎖状または分岐した、本明細書に定義されるアルキル基を指す。さらに1置換基とは単一置換されたものを、2以上の置換基とはポリ置換されたものを意味する。「置換されたアルキル」という接頭辞を用いる任意の結合用語は、上記の定義の「置換されたアルキル」による類似体を指すものと理解しなければならない。例えば、「置換されたアルキルアリール」のような用語は、アリール基に連結された置換されたアルキル基を指す。
【0064】
本明細書に用いられる用語「低級アルキル」は、好ましくは本明細書に開示される任意のアルキルであって、この場合アルキルが1〜6個の、好ましくは1〜5個の、より好ましくは1または4個のC−原子を含む。
【0065】
用語「シクロアルキル」とは、上に定義されたアルキル基の環式の、場合によっては不飽和および/または置換された、類似体を指す。好ましいシクロアルキル基は飽和シクロアルキル基、より詳細には3〜8個の炭素原子、さらに好ましくは3〜6個の炭素原子を含む飽和シクロアルキル基である。「置換されたシクロアルキル」とは、さらに1以上の置換基を所持するシクロアルキル基を指す。「モノ不飽和シクロアルキル」とは、1つの二重結合または1つの三重結合を含むシクロアルキルを指す。「ポリ不飽和シクロアルキル」とは、少なくとも2つの二重結合または2つの三重結合、または少なくとも1つの二重結合および1つの三重結合の組み合わせを含むシクロアルキルを指す。
【0066】
用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素間二重結合を含有する、直鎖、分岐鎖および環状基を含む不飽和炭化水素基を指す。好ましいアルケニル基は1〜12個の炭素を有する。より好ましいアルケニル基は1〜6個の炭素を有する。「置換されたアルケニル」とは、さらに1以上の置換基を所持するアルケニル基を指す。
【0067】
用語「シクロアルケニル」は、上に定義されるアルケニル基の、場合によっては置換された環式類似体を指す。好ましいシクロアルケニル基は、4〜8個の炭素原子を含む。「置換されたシクロアルケニル」とは、さらに1つ以上の置換基を所持するシクロアルケニル基を指す。「モノ不飽和シクロアルケニル」とは、1つの二重結合を含むシクロアルケニルを指す。「ポリ不飽和シクロアルケニル」とは、少なくとも2つの二重結合を含むシクロアルケニルを指す。
【0068】
用語「アルキニル」は少なくとも1つの炭素−炭素間三重結合を含む、直鎖、分岐鎖および環状基を含む不飽和炭化水素基を指す。好ましいアルキニル基は1〜12個の炭素を有する。より好ましいアルキニル基は1〜6個の炭素を有する。「置換されたアルキニル」とは、さらに1以上の置換基を所持するアルキニル基を指す。
【0069】
用語「アリール」とは、6〜14個の範囲の炭素原子を有する芳香族基を指し、また「置換されたアリール」とはさらに1つ以上の置換基を所持するアリール基を指す。「アル」または「アリール」という接頭辞を用いる任意の組み合わせ語句は、上の定義の「アリール」による類似体を指すものと理解しなければならない。例えば、「アリーロキシ」のような用語は、酸素によって第2の基に連結されたアリール基を指す。
【0070】
上に定義された「アルキル」、「シクロアルキル」および「アリール」の各々は、それらのハロゲン化類似体を含むものと了解し、その場合ハロゲン化類似体は1つまたはいくつかのハロゲン原子を含む。したがって、ハロゲン化類似体は以下に定義されるような任意のハロゲンラジカルを含む。
【0071】
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードより選ばれるハロゲンラジカルを指す。好ましいハロ基はフルオロ、クロロおよびブロモである。
【0072】
用語「ヘテロアリール」は、安定した5〜8員から成る、好ましくは5または6員から成る単環の、あるいは8〜11員から成る二環の、芳香族ヘテロ環ラジカルを指す。各ヘテロ環は、炭素原子、および窒素、酸素および硫黄から成る群より選ばれる1〜4個のヘテロ原子から成る。ヘテロ環は環の中のいずれの原子によって結合してもよく、それが好ましくは安定構造の生成をもたらす。本明細書に用いられる好ましいヘテロアリールラジカルには、例えば、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフトリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、およびフェノキサジニル、が含まれる。「置換されたヘテロアリール」は、さらに1つ以上の置換基を所持するヘテロアリール基を指す。
【0073】
用語「ヘテロシクリル」は安定した5〜8員から成る、好ましくは、5または6員から成る単環の、または8〜11員から成る二環のヘテロ環ラジカルを指し、それらは飽和または不飽和でよく、また非芳香性である。各ヘテロ環は、炭素原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄から成る群より選ばれる1〜4のヘテロ原子より成る。ヘテロ環は環の中の任意の原子によって結合してよく、それが好ましくは安定構造の生成をもたらす。本明細書で用いられる好ましいヘテロ環ラジカルには、例えばピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、チオピラニル、ピペラジニル、インドリニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イルアミン、ジヒドロ-オキサゾリル、1,2−チアジナニル−1,1−ジオキシド、1,2,6−チアジアジナニル−1,1−ジオキシド、イソチアゾリジニル−1,1−ジオキシド、およびイミダゾリジニル−2,4−ジオンが含まれる。「モノ不飽和ヘテロシクリル」とは、1つの二重結合または1つ三重結合を含有するヘテロシクリルを指す。「ポリ不飽和ヘテロシクリル」とは、少なくとも2つの二重結合または2つの三重結合、または少なくとも1つの二重結合および三重結合の組み合わせを含むヘテロシクリルを指す。「置換されたヘテロシクリル」とは、さらに1つ以上の置換基を所持するヘテロシクリル基を指す。
【0074】
用語「低級アルキル」は、別の部分と結合している場合は、上に与えられた意味と同じ意味を持つことになる。例えば、「アリール−(低級アルキル)」とは、アリールによって置換された低級アルキルを指す。
【0075】
用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロアリール」および「アリール」は、別の部分と結合している場合は、別段の指定がない限り、上に与えられた意味と同じ意味を持つことになる。例えば、「アロイル」とは、カルボニル基(C=O)に連結されたフェニル、またはナフチルを指す。
【0076】
各アリールまたはヘテロアリールは、別段の指定がない限り、それの部分的にまたは完全に水素化された誘導体を含む。例えば、キノリニルは、デカヒドロキノリニルおよびテトラヒドロキノリニルを含み、ナフチルは、テトラヒドロナフチルなどの水素化誘導体を含むことができる。
【0077】
本明細書で上に用い、また本出願全体にわたって用いられる、「窒素」または「N」、および「硫黄」または「S」は、窒素および硫黄の任意の酸化形、および任意の塩基窒素の4級化形、スルホキシド、スルホン、ニトロン、N−オキシドを含む。
【0078】
本明細書で用いられる長さの範囲の限界を定義する用語、例えば「1から5まで」とは1〜5の任意の整数、即ち1、2、3、4、および5を意味する。言いかえれば、明言された2つの整数によって定義される任意の範囲は、前記限界を定義する任意の整数、および前記範囲に含まれる任意の整数を含むこと、および示すことを意味する。
【0079】
本明細書で用いられる用語、置換された、とは、置換される基または化合物の1つ以上の水素原子が、異なる原子、原子団、分子または分子部分と置換されることを意味するものとする。そのような原子、原子団、分子または分子部分を本明細書では置換基とも呼ぶ。
【0080】
置換基は、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、シアノ、スルホニルアミノ、スルファモイル、ホルミルアミノ、カルバモイル、ウレイド、カルバモイルオキシ、カルボキシアミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルボキシ、スルホニル、アルキル,アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル,モノ不飽和ヘテロシクリル、ポリ不飽和ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルケニルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、メルカプト、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、シクロアルケニルスルファニル、ヘテロシクリルスルファニル、アリールスルファニル、およびヘテロアリールスルファニル、を含む群より選ぶことができる。置換基のいずれも、前述の任意の置換基によってそれ自体が置換されてもよい。これは、好ましくはアルキル,アルケニル,シクロアルキル,シクロアルケニル,ヘテロシクリル,アリール、およびヘテロアリール、に適合する。さらにアルコキシおよびアルケニルスルファニルが低級アルキルのものであることも好ましい。本明細書に与えられる定義のいずれも、任意の置換基にも当てはまることを了解するべきである。
【0081】
置換基はまた、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28およびR29のいずれかでもよい。任意の置換基が、また次に置換基によって置換される可能性があるのも本発明の範囲内である。置換される基、構造、部分その他は、異なるかまたは同一のいくつかの置換基を含んでもよい。
【0082】
本発明の様々な局面の実施態様に関連して本明細書で用いられる、用語「群より各々独立して選ばれる」または「群より互いに独立して選ばれる」とは、2つ以上の原子、基、置換基、部分、または任意の類似のものを指し、言及した単一の原子、基などをその群より選ぶことができることを述べている。用いられるこの用語は、そうでなければ原子、基などの各々について同じ群の定義を繰り返さなければならなくなるため、不必要な反復を回避する省略である。
【0083】
本発明の種々の局面の実施態様に関連して本明細書で用いられる、用語「各々および独立して存在しない」とは、2つ以上の原子、基、置換基、部分、または任意の類似のものを指し、言及した単一の原子、基などが、言及した任意の他の原子、基などが存在しないかどうかに関わらず、存在しないことが可能であることを述べている。用いられるこの用語は、そうでなければ、原子、基などの各々について、それが本発明の実施態様において存在しないかもしれないという事実を繰り返さなければならなくなるため、不必要な反復を回避する省略である。
【0084】
本発明に関連して、例えば−(CR45)−または−(CR3334)−などのいくつかの基は繰り返される、即ち本発明による化合物の中に繰り返し存在する。通常はそのような反復は、例えば−(CR45)−が1回または数回繰り返されるような様式で生じる。例えば、連続した2つの−(CR45)−基があることを意味する−(CR45)−が1回繰り返される場合、これらの−(CR45)−の2つの形は、別の実施態様においては、同一であってもよいし、または異なっていてもよい。これは、前記2つの−(CR45)−基の間において、R4またはR5のいずれかまたは両方が異なることを意味する。例えば−(CR45)−などのこれらの基が3つ以上存在する場合には、それらがすべて異なるか、またはそのいくつかが異なり他は上に定義された意味で同じであることが可能である。そのような同一のまたは異なる基の配置の任意の置換は、本発明の範囲内である。
【0085】
本明細書で用いられるラジカル、基、部分、または置換基を、本明細書に開示または記述された各々の式または化合物のいずれへも任意の配向で連結するか、挿入することができることを了解するべきであり、またそれは本発明の範囲内である。
【0086】
本発明の種々の局面の実施態様に関連して本明細書で用いられる、基、置換基、部分、スペーサー、その他を指して、それを「前出の式のいずれへも任意の配向で挿入することができる」と規定する用語は、基その他を、本発明による任意の化合物の、または本明細書に開示された任意の式の、別の原子、基、置換基、部分、スペーサー、その他に、任意の末端を介して、特に前記基、置換基、部分、スペーサーまたはその他の末端に配置された任意の原子を介して、結合させることができることを意味する。
【0087】
これは特に、どの添字とも独立に−NR−C(O)−、−NR−C(S)−、−NR−S(O2)−、および−NR−C(O)−O−などの構造を有し、したがって−C(O)−NR−、−C(S)−NR、−S(O2)−NR−、および−O−C(O)−NR−としても挿入することができる非対称の基に適用される。
【0088】
本発明の様々な実施態様の特徴を、単独でまたは本発明の他の実施態様の特徴と組み合わせて実現することができるのは本発明の範囲内である。したがって、本発明のひとつの実施態様の個々の特徴、または特徴の組み合わせと、任意の他の実施態様の個々の特徴または特徴の組み合わせとの組み合わせが、単独でまたは他の実施態様と組み合わせて、現在の明細書により開示されるものとする。
【0089】
本発明の種々の局面の実施態様に関連して本明細書で用いられる、基、置換基、部分、スペーサー、その他を指して、それを「前出の式のいずれへも任意の配向で挿入することができる」と規定する用語は、基その他を、本発明による任意の化合物の、または本明細書に開示された任意の式の、別の原子、基、置換基、部分、スペーサー、その他に、任意の末端を介して、特に前記基、置換基、部分、スペーサーまたはその他の末端に配置された任意の原子を通じて、結合させることができることを意味する。
【0090】
本明細書において好ましい実施態様中で用いられる用語、基、はまた、ラジカル、および/またはジラジカル、または2を越える自由原子価を有するそれ以上のラジカルをも意味することを理解するべきである。当業者は、様々なラジカルまたは基が、好ましくは共有結合で連結されて、化合物の別のラジカル、基、成分または部分に、連結されることを了解することになろう。したがって、そのような基をラジカルと見なすと理解することが適切である。ラジカルは、原則として、他のそのようなラジカル、基、化合物または部分に(またはそれらと)結合するために、炭素原子の場合には1つ、2つ、3つまたは4つの自由原子価を有していることもまた了解することになろう。当業者は、さらにこのようにして与えられる自由原子価の数が、最初のラジカルが共有結合を形成することができる相手のラジカルの数を規定することを了解する。例えば、ZがジラジカルであるOである場合、Zは、他のそのような基のみと結合できるジラジカルである、これは、この特定の実施例において、TおよびWの一方が、nが0であって存在しないこと、あるいはV、U、およびR3が存在しないことを意味する。
【0091】
用語「リン酸保護基」とは好ましくは、当業者に知られており、例えばSchultz, Bioorg. Med. Chem. 2003, 885-898; Zemlicka, Biochim. Biophys. Acta 2002, 1587, 276-286; Tan et al., Adv. Drug. Deliv. Rev. 1999, 117-151; Shaw et al., Pharm. Res. 1997, 14, 1824-1829; Serafinowska et al., J. Med. Chem. 1997, 38, 1372-1379; Arimilli et al., Antivir. Chem. Chemother. 1997, 557-564 に記載されている生物学的に不安定なリン酸および/またはホスホン酸保護基ラジカルを指す。本明細書に用いられる好ましい生物学的に不安定なリン酸および/またはホスホン酸保護基ラジカルには、例えば、2−アセチルスルファニル−エチル、2−ピバロイルスルファニル−エチル、1−メトキシカルボニル−エチル、1−イソプロポキシカルボニル−エチル、2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル、1−メトキシメトキシカルボニル−エチル、2−(2−ヒドロキシ−エチルジスルファニル)−エチル,イソプロポキシカルボニルオキシメチル,アルコキシカルボニルオキシメチル,1−アルコキシカルボニルオキシ−エチル,アリール,置換アリール、およびヘテロシクリル、が含まれる。
【0092】
さらなる局面では、本発明は、本発明の任意の局面による化合物、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬品組成物に関する。
【0093】
実施態様の1つでは、組成物はさらに薬学的に活性な化合物を含み、好ましくはそのようなさらに薬学的に活性な化合物は化学療法剤である。
【0094】
組成物の好ましい実施態様では、化合物は、薬学的に許容される塩または薬学的に活性を有する溶媒和物として存在する。
【0095】
よりさらに好ましい実施態様では、薬学的に活性な化合物は、単独で、または多くの個別化された用量および/または投与形式で存在する組成物の任意の成分と組み合わされている。
【0096】
さらなる局面では、本発明は、本発明による化合物の、医薬としてのおよび医薬の製造のための、各々の、使用に関する。本発明による化合物のいずれも、本明細書に開示された任意の病気の治療のために、または任意の病気の治療ための医薬の製造のために、本明細書に特定される作用様式または関与する原因物質に関係なく、使用することができると理解するべきである。もちろん、それを特定の原因物質に関連する疾病の任意の形に特別に用いることができる。本明細書で用いられる原因物質とは、記載される特定の疾病に関して観察される任意の物質もまた意味し、観察される疾病または病状をそれが引き起こすという意味においては、その物質は必ずしも原因とならない。
【0097】
実施態様の1つでは、医薬は疾病の治療または予防向けである。ここで疾病には、機械論的な視点から見て、望ましくない細胞増殖が含まれ得る。
【0098】
本発明による化合物のこの使用は、本発明による化合物が望ましくない細胞増殖を阻害するのに適しているという事実に基づく。望ましくない細胞増殖は、真核細胞の望ましくない細胞増殖を含むと同様に原核細胞の望ましくない細胞増殖を含む。望ましくない細胞増殖いう用語はまた、異常な細胞増殖、異常な有糸分裂および/または望ましくない有糸分裂という現象もカバーする。異常細胞増殖とは、正常細胞増殖と異なる様式で起こる細胞増殖の任意の形式を意味する。正常細胞増殖とは、正常な環境下で大多数の細胞および生物体それぞれにより観察される細胞増殖である。同一の基本的な定義が異常有糸分裂に当てはまる。
【0099】
より詳細には、望ましくない細胞増殖および望ましくない有糸分裂とは、正常または異常な細胞増殖のいずれかであって、しかしいずれにせよ望ましい細胞増殖または有糸分裂でない、増殖および有糸分裂をそれぞれ意味する。望ましいとは、したがって、人間、特に医師などの個人によって定義されるものでもよく、およびある境界内において定義されるものであって、その境界は、通常の条件下でまたは大多数の細胞および生物中でそれぞれ観察される増殖および有糸分裂の程度をそれぞれ反映しているか、または、任意に固定されまたは定義されているもであってもよい。本明細書に使用される細胞増殖とは、好ましくは治療されるまたは本発明による化合物が投与される生物、本明細書で第1の生物とも呼ぶ生物、を形成する細胞の増殖を指す。本明細書に用いられる細胞増殖とはまた、第1の生物または種を形成する細胞とは異なる第2の生物または第2の種を形成する細胞の細胞増殖をも意味する。通常は、第2の生物は第1の生物の中へ侵入するかまたは第1の生物と関係を有する。好ましくは、第1の生物は本明細書で患者とも呼ばれる、人間もしくは動物、または植物である。また、第2の生物は前記第1の生物の、それぞれ寄生生物および病原体である。本明細書で用いられる有糸分裂とは、好ましくは前記細胞増殖に従う細胞の細胞分裂を意味し、その場合さらにより好ましくは、有糸分裂は、娘細胞に染色体の完全な一組を分配する細胞分裂の過程である。
【0100】
いずれの理論にも縛られることを望まずに、本発明による化合物は、ある酵素活性の阻害剤であることにより細胞に作用し、そしてその増殖および有糸分裂それぞれに影響を及ぼすように見える。好ましくは、阻害は可逆的である。この活性は、本発明による化合物により、細菌、真菌、昆虫および哺乳動物細胞に関して示される。
【0101】
この理由により、本発明による化合物を、細胞周期調節、原核生物および真核生物両方の細胞周期調節、を含む種々様々な障害の治療に用いることができる。本明細書に使用される用語「治療」とは、疾病の治療および予防の両方を含む。さらに、それは疾病の追跡治療を含む。追跡治療は、好ましくは本発明による化合物と異なる化合物を用いて行われた疾病の治療について、実現される。例えばエリスロポエチンのような個々の化合物の適用により細胞、組織その他の増殖を刺激した後に、過剰な細胞増殖応答を停止させることが必要となる可能性があり、それは本発明による化合物を用いて達成することができる。
【0102】
本明細書において「可逆的」とは、阻害剤が、それぞれの酵素に非共有結合により結合することを意味し、不可逆的阻害とは区別される。Walsh, Enzymatic Reaction Mechanisms, Freeman & Co., N.Y., 1979 を参照のこと。この文脈における「可逆的」は、当業者によって理解される用語である。好ましくは、本発明による化合物は拮抗的阻害剤である:すなわち、阻害剤および基質の結合が互いに排他的であるため、酵素との可逆的結合において、阻害剤が基質と競合する。
【0103】
本発明による化合物の好ましい実施態様では、阻害剤すなわち本発明による化合物による、一般に当業者にKiとして引用され特徴付けられる酵素阻害の解離定数は、高々100μM である。用語「結合定数」または「解離定数」、または本明細書における文法的な等価物は、阻害剤の酵素との可逆的な結合の平衡解離定数を意味する。解離定数を以下に記載するように定義し決定する。解離定数の決定は従来技術において公知である。例えば、本発明などの可逆的阻害反応については、反応スキームは以下のとおりである:
【化13】

【0104】
酵素(E)および阻害剤(I)は結合して、酵素・阻害剤複合体(E*I)となる。この段階は、迅速かつ可逆的であり、化学変化なしで起こっていると考えられる;酵素と阻害剤は非共有結合力により結合している。この反応においては、k1は、E*I可逆的複合体形成の2次反応速度定数である。k2は、可逆的なE*I複合体解離の一次反応定数である。この反応において、Ki=k2/k1である。
【0105】
平衡定数Kiの測定は、従来技術において周知の技術によって進められる。例えば、分析には一般に合成の発色基質または蛍光発生基質を用いる。個々のKi値を、Irwin Segel in Enzyme Kinetics: Behavior and analysis of rapid equilibrium and steady-state enzyme systems, 1975, Wiley-Interscience Publication, John Wiley & Sons, New York により記述されるようなディクソンプロットを用いて、または拮抗的結合阻害剤については次の計算から評価することができる:
【化14】


(式中、νは、阻害剤が存在しない状態での基質加水分解速度、νは、拮抗阻害剤が存在する状態での速度である)。
【0106】
本発明による化合物を、本明細書に開示された様々な使用に関連したそれらの有効性について、容易にスクリーニングすることができる。
【0107】
本明細書における「本発明によるラベルされた化合物」とは、化合物または酵素などの標的に結合している化合物の検出を可能にするために連結された、少なくとも1つの元素、アイソトープまたは化合物を有する本発明による化合物を意味する。一般に、本明細書に用いられるラベルは次の3つのクラスに分類される:a)同位体ラベル(放射性または重同位元素である);b)免疫ラベル:(抗体または抗原である);およびc)色素染料または蛍光染料。ラベルを化合物の任意の位置に組み入れることができる。有用なラベルの例には、従来技術において周知の、14C、13C、15N、3H、ビオチンおよび蛍光性ラベルが含まれる。
【0108】
本明細書に用いられる用語「疾病」は、任意の疾病、疾病症状または病理学的症状を記述する。そのような疾病を異常症状と定義してもよい。さらに、病原体の場合には、疾病とは、病原体または望ましくない生物が存在する、即ち望ましくない濃度でまたはコンパートメントに存在し、したがって本発明による化合物を用いることによる数の減少、除去、消去および/または破壊に供される症状を意味する。
【0109】
本発明による化合物を、医薬として、および医薬の製造のためにそれぞれ用いてもよい。その場合、医薬は好ましくは増殖性障害および本明細書で指定される任意の疾病の治療用であり、その疾病は細胞の増殖性障害である疾病に限られない。本明細書で用いられる細胞増殖性障害は通常、異常細胞増殖、望ましくない細胞増殖、異常有糸分裂および/または望ましくない有糸分裂を含む。
【0110】
本発明による化合物を用いる治療、および本明細書に開示された方法の目標である細胞増殖性障害には、さらに望まれないもしくは望ましくない、不適当または制御されていない細胞増殖によって特徴付けられる障害が含まれる。好ましくはその疾病は、神経変性疾患、卒中、炎症性疾患、免疫に基づく障害、感染症、心疾患、繊維症性障害、心蔵血管病、および細胞増殖性疾病を含む群より選ばれる。
【0111】
好ましくは、神経変性疾患は、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、末梢神経障害、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型痴呆、シヌクレオパチー、多系統萎縮症、筋萎縮症性外側萎縮、プリオン病、および運動ニューロン疾患、を含む群より選ばれる。
【0112】
本発明による化合物は、さらに病原生物中の細胞周期(有糸分裂)または細胞分裂を阻害することに役立ち、したがって感染症を治療するために役立つ。
【0113】
好ましい実施態様では、感染性は、真菌、ウイルス、細菌、および寄生生物の感染を含む群より選ばれる。
【0114】
本発明による化合物および方法を用いて治療を企図する真菌感染には、全身性真菌感染、皮膚糸状菌症および生殖器尿路真菌感染が含まれる。真菌感染、好ましくは全身性真菌感染には、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、ブラストミセス属(Blastomyces)、パラコクシジオイデス属(Paracoccidioides)、アスペルギルス属(Aspergillus)、ノカルジア属(Nocardia)、スポロトリクス属(Sporothrix)、リゾプス属(Rhizopus)、アブシディア属(Absidia)、ムコール属(Mucor)、ホルモデンドラム属(Hormodendrum)、フィアロフォラ属(Phialophora)、リノスポリジウム属(Rhinosporidum)その他によって引き起こされるものが含まれる。皮膚糸状菌感染には、ミクロスポルム属(Microsporum)、トリコフィトン属(Trichophyton)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、カンジダ属(Candida)、ピティロスポリウム属(Pityrosporium)その他によって引き起こされるものが含まれる。生殖器尿路真菌障害には、カンジダ属(Candida)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、アスペルギルス属(Aspergillus)、チゴミコドイデス属(Zygomycodoides)その他によって引き起こされる感染が含まれる。そのような生物による感染が、白癬、鵞口瘡もしくはカンジダ症、サン・ワーケン熱または渓谷熱またはコクシジオイデス症、ギルクリスト病またはブラストミセス症、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、パラコクシジオイデス症、接合真菌症、真菌性角膜炎、爪・毛・皮膚病、ロボ疾患(Lobo's disease)、ロボミコーシス、クロモブラストミコーシス、菌腫、その他の種々様々の障害を引き起こす。これらの感染は、臓器移植受容者および後天性免疫不全症候群(AIDS)患者のような低下した免疫系を有する患者において特に重大であり、致命的にさえなり得る。現在の所、本発明による阻害剤を用いて治療することのできる患者群は、AIDS患者、特に本明細書に記述した感染症のうちのいずれかに罹患しているAIDS患者である。
【0115】
さらなる実施態様では、細菌感染がグラム陽性およびグラム陰性菌の両方によって引き起こされる感染を含む群より選ばれ、それらには、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、クロストリジウム属(Clostridium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ディプロコッカス属(Diplococcus)、ヘモフィルス属(Hemophilus)、ナイセリア属(Neisseria)、エリシペロスリコシス属(Erysipelothricosis)、リステリア属(Listeria)、バチルス属(Bacillus)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、エシェリキア属(Escherichia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、エンテロバクター属(Enterobacter)、セラチア属(Serratia)、プロテウス属(Proteus)、モルガネラ属(Morganella)、プロビデンシア属(Providencia)、エルシニア属(Yersinia)、カンビロバクター属(Camphylobacter)、ミコバクテリア属(Mycobacteria)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、レジオネラ属(Legionella)、ノカルジア属(Nocardia)、その他によって引き起こされる感染が含まれる。
【0116】
好ましい実施態様では、細菌感染が種々様々の疾病を引き起こす。前記障害は、特に、肺炎、下痢、赤痢、炭疽菌、リウマチ熱、毒素ショック症候群、乳様突起炎、脳膜炎、淋病、腸チフス、ブルセラ症、ライム病、胃腸炎、結核、コレラ、破傷風、および腺ペストを含む群より選ばれる。
【0117】
別の実施態様では、疾病はウイルス感染、より詳細にはレトロウイルス、HIV、パピローマウイルス、エプスタイン・バー、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、パポバウイルス、インフルエンザウイルス、狂犬病、JC、脳炎を起こすウイルス、エボラウイルスおよびマールブルグ病ウイルスなどの出血熱を引き起こすウイルス、を含む群より選ばれるウイルスによって引き起こされるウイルス感染である。
【0118】
さらなる実施態様では、寄生生物感染は、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、リーシュマニア属(Leishmania)、トリキネラ属(Trichinella)、エキノコックス属(Echinococcus)、ネマトーダ(Nematodes)、綱(Classes)セストーダ(Cestoda)、トレマトーダ(Trematoda)、単生綱(Monogenea)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、ジアルジア属(Giardia)、バランチジウム属(Balantidium)、パラメシウム属(Paramecium)、プラスモジウム属(Plasmodium)、またはエントアメーバ属(Entamoeba)によって引き起こされる感染を含むより選ばれる。
【0119】
疾病はさらに、好ましくは、望ましくない、不適当な、または制御されない細胞増殖によって特徴づけられる群より選ばれる細胞増殖性障害である。特別な例には、癌、繊維症障害、非腫瘍性増殖が含まれる。腫瘍性細胞増殖障害は、好ましくは、充実性腫瘍、ならびにびリンパ腫および白血病などの造血癌を含む群より選ばれる。
【0120】
より好ましくは、充実性腫瘍は、癌腫、肉腫、骨腫、繊維肉腫および軟骨肉腫を含む群より選ばれる。
【0121】
より好ましくは、細胞増殖性障害は、乳癌、前立腺癌、結腸癌、脳腫瘍、肺癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、腎臓癌、および頭頸部癌、を含む群より選ばれる。好ましくは、肺癌は非小細胞肺癌および小細胞肺癌である。
【0122】
疾病が非腫瘍性細胞増殖性障害である場合、好ましくは繊維性障害を含む群よりそれが選ばれる。好ましくは、繊維性障害は繊維症である。
【0123】
疾病はまた、前立腺肥大症、好ましくは良性前立腺肥大症、子宮内膜症、乾癬、組織修復、および創傷治癒を含む群より選ばれる、非腫瘍性細胞の増殖性障害である。
【0124】
本発明による化合物を用いて治療できる繊維性疾病は、一般に非癌性繊維芽細胞の不適当な過剰増殖によって特徴づけられる。その例には、線維筋痛、繊維症、より詳細には嚢胞性、肝性、特発性肺性および心膜性線維症その他、心臓線維腫、線維筋過形成、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、線維筋炎、その他が含まれる。
【0125】
別の実施態様では、免疫に基づくおよび/または炎症性疾患が自己免疫疾患または自己免疫障害である。さらなる実施態様では、免疫に基づくおよび/または炎症性疾患は、関節リウマチ、糸球体腎炎、全身性エリトマトーデス関連糸球体腎炎、過敏性大腸症候群、気管支喘息、多発性硬化症、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫の溶血・血小板減少性状態、グッドパスチャー症候群、肺出血、脈管炎、クローン病および皮膚筋炎を含む群より選ばれる。
【0126】
さらに好ましい実施態様では、免疫に基づくおよび/または炎症性疾患は炎症性の症状である。
【0127】
よりさらなる実施態様では、免疫に基づくおよび/または炎症性疾患は、熱傷関連炎症、肺損傷、心筋梗塞、冠状動脈血栓症、血管閉塞、手術後脈管再閉塞、動脈硬化症、外傷性中枢神経系損傷、虚血性心疾患および虚血再潅流傷害、急性呼吸窮迫症候群、全身性炎症反応症候群、多臓器機能障害症候群、組織移植片拒絶、および移植器官の超急性拒否反応を含む群より選ばれる。
【0128】
本発明による化合物を、上に定義した疾病または疾病症状に罹患している患者の治療に用いることができることも、本発明の範囲内である。そのような治療には、本発明による化合物の1つまたはいくつかの、あるいは本明細書に記述される医薬あるいは医薬品組成物の投与が含まれる。
【0129】
化合物の毒性および治療の有効性を、細胞培養または実験動物における標準の薬学的手続きにより決定することができる。細胞培養分析および動物研究を用いて、LD50(母集団の50%の致死用量)、およびED50(母集団の50%に治療上有効な用量)を決定することができる。毒性効果と治療効果の用量比が治療指数であり、これを比率LD50/ED50として表現することができる。大きな治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養分析および動物研究から得られたデータを、ヒトへの使用に適した用量の範囲を処方するために用いることができる。用量は、様々な因子、例えば採用された剤形、用いた投与経路、患者の症状その他、に依存してこの範囲内で変化する。
【0130】
本発明による任意の化合物について、最初に細胞培養分析によりIC50(すなわち細胞増殖の半分最大阻害を達成する試験物質の濃度)を決定して、治療上有効な用量を評価することができる。その後動物モデルに、細胞培養で決定されたIC50を含む循環血漿中濃度範囲を実現する用量を処方することができる。そのような情報を用いて、より正確にヒトに有用な用量を決定することができる。血漿中のレベルを、例えばHPLCまたはLC/MSによって、測定してもよい。
【0131】
主治医は、毒性、器官機能障害その他により、どのようにしてまた何時投与を終了するか、中断するか、調節するかを知っているであろうことに注意するべきである。逆に、主治医は、もし臨床的な反応が十分でなければ(毒性を除いて)、治療をさらに高いレベルに調節することを知っているであろう。関心対象の障害の処理における投与用量の量は、治療する症状の重篤度、投与経路、その他に応じて変化することになる。症状の重篤度を、例えば標準的な予後の評価方法によって、一部分評価してもよい。さらに、用量および恐らく投薬頻度もまた、個々の患者の年齢、体重および反応によって変化することになる。通常は、用量は約1〜10mg/kg体重の間であろう。約1mg〜約50mgを好ましくは子供に投与し、25mg〜約1000mgを好ましくは成人に投与することになる。
【0132】
上に議論されたものに相当する投与計画を獣医薬剤において用いてもよい。正確な用量は、治療する障害に依存し、既知の技術を用いて、当業者により確認可能である。
【0133】
治療する具体的な症状に応じて、そのような化合物を全身的にまたは局所的に処方し、投与してもよい。処方と投与のための技術は"Remington's Pharmaceutical Sciences", 1990, 18th ed., Mack Publishing Co., Easton, PA、に見出すことができる。本発明による化合物の投与を様々な方法で、単に幾つかを挙げれば、経口的、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮的、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸内、または眼内を含み、それに限られずに、行うことができる。いくつかの実例では、例えば創傷および炎症の治療において、本発明による化合物を、直接溶液またはスプレーとして塗布してもよい。
【0134】
さらなる局面では、本発明は、少なくとも1つの活性化合物および少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む、医薬または医薬品組成物に関する。本明細書に用いられる活性化合物とは、それと逆の表示が無ければ、本発明による化合物、その薬学的な塩または塩基、またはそのプロドラッグである。
【0135】
注入用に、本発明の化合物を水溶液中で、好ましくはHankの溶液、リンゲル液または生理学的食塩緩衝液などの生理学的適合性を有する緩衝液中に、調合してもよい。経粘膜投与用には、浸透するべき障壁に適切な浸透剤を調合物中に用いる。そのような浸透剤は、一般に従来技術において公知である。
【0136】
本発明による化合物を全身投与に適した用量または医薬品組成物中へ調合するための、薬学的に許容される担体の使用は、本発明の範囲内である。担体および適当な生産方法を適切に選択することにより、本発明の組成物、特に溶液として調合された組成物を、静脈内注射によるなど非経口的に投与してもよい。化合物を、従来技術において周知の薬学的に許容される担体を用いて、経口投与に適した用量中へ容易に調合することができる。そのような担体は、本発明による化合物を、治療される患者が経口摂取するために、錠剤、ピル、カプセル、糖衣錠、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、その他として調合することを可能にする。
【0137】
本発明による化合物またはそれらを含む医薬を、細胞内に投与する目的で、当業者に周知の技術を用いて投与してもよい。例えば、そのような薬剤をリポソーム中へカプセル化し、次に上述のようにして投与してもよい。リポソームは水性の内部を有する球状の脂質二分子膜である。リポソーム形成時に水溶液中に存在するすべての分子が、水性の内部に組入れられる。リポソームの内容は外部微環境から保護され、リポソームが細胞膜と融合するので、細胞の細胞質へ効率的に送達される。リポソームを含む送達システムが、国際公開 WO 91/19501、ならびに Janoff et al. へのU.S.Patent4,880,635に開示されている。その公開および特許は、リポソーム薬物送達技術の有用な記述を提供し、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
【0138】
非経口投与のための本発明による化合物を含む医薬品組成物は、水溶性の形の活性化合物の水溶液を含む。さらに、活性化合物の懸濁液を、適当な油性の注入用懸濁液として調製することができる。適当な脂肪親和性の溶媒または媒体には、ごま油またはヒマシ油などの脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性の注入剤懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、デキストラン、その他の懸濁液の粘性を増加させる化合物を含んでもよい。その懸濁液は場合により、さらに高度に濃縮された溶液の調製を可能にするために、化合物の溶解度を増加させる適当な安定化剤または薬剤を含んでいてもよい。
【0139】
経口使用のための本発明による化合物を含む医薬品組成物を、活性化合物を固体の賦形剤と組み合わせて、生じた混合物を場合により粉砕し、そしてもし望むなら適当な補助物を加えた後に、粒状体混合物を処理して錠剤または糖衣錠コアを得ることにより、得ることができる。
【0140】
適当な賦形剤は、特にラクトース、蔗糖、マンニトール、ソルビトールその他を含む糖;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)その他などのセルロース調製品、並びにそれらの任意の2つ以上の混合物のような充填剤である。もし望むならば、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、その他などの崩壊剤を加えることもできる。
【0141】
本発明による化合物を含む医薬品組成物としての糖衣錠コアは、適当な被覆と共に提供される。この目的のために、場合により、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液、適当な有機溶媒または溶媒混合物、その他を含む、濃縮糖溶液を用いてもよい。染料または色素を、識別または、活性化合物用量の種々の組合せを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠の被覆に加えてもよい。
【0142】
経口で用いることのできる本発明による化合物を含む医薬品製剤には、ゼラチン製の押し込み型カプセル、ならびにゼラチン、およびグリセリンまたはソルビトールなどの可塑剤からなる柔軟な密閉カプセルが含まれる。押し込み型カプセルは、活性成分を、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/または滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤および場合により安定化剤と混合して含むことができる。軟カプセル剤では、活性化合物を、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールなどの適当な液体に溶解してもまたは懸濁してもよい。さらに、安定化剤を加えてもよい。
【0143】
本発明の目的ための「患者」、即ち本発明による化合物または本発明による医薬品組成物を投与する患者には、ヒトならびに他の動物および生物の両方が含まれる。したがって、化合物、医薬品組成物、および方法は、診断、診断手続きおよび方法、ならびに病期判定手続きおよび方法を含めて、ヒトの治療および獣医学の両方へ適用可能であり、または関連している。例えば、獣医学への応用には、イヌ、ウシ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ならびに、イグアナ、カメおよびヘビなどの爬虫類、フィンチおよびオウムファミリーのメンバーなどの鳥類、およびウサギなどのウサギ目動物、ラット、マウス、モルモットおよびハムスターなどのげっ歯動物、両生動物、魚、および節足動物を含む他の家畜動物が含まれる、しかしそれらに限られない。動物園動物などの価値のある非家畜動物もまた治療することができる。好ましい実施態様では、患者は哺乳動物であり、また最も好ましい実施態様では、患者はヒトである。
【0144】
本発明による医薬品組成物は、患者への投与に適した形式の、少なくとも1つの本発明による化合物を含む。 好ましくは、本出願による化合物は、薬学的に許容される塩として存在するなどの、水溶性の形である。その塩は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含むことを意味し、一般に本明細書において薬学的に許容される塩とも呼ばれる。「酸付加塩」および、より詳細には「薬学的に許容される酸付加塩」とは、フリーの塩基の生物学的効果を保存し、生物学的にまたはそれ以外で不適当ではない、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸とその他などの無機酸;および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルフォン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、その他などの有機酸;と形成された塩を指す。「塩基付加塩」、より詳細には「薬学的に許容される塩基付加塩」には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩、その他などの無機塩基に由来したものが含まれる。特に、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩が好ましい。薬学的に許容される有機の無毒の塩基に由来する塩には、第一級、第二級、第三級アミン、自然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン、ならびにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンなどの、塩基性イオン交換樹脂の塩が含まれる。本発明による医薬品組成物はまた、下記の1つ以上を含んでいてもよい:血清アルブミンなどの担体タンパク質;緩衝液;微結晶セルロース、ラクトース、トウモロコシその他のデンプンなどの充填剤;結着剤;甘味料および他の香料;着色剤;およびポリエチレングリコール。添加剤は従来技術において周知であり、様々な処方の中で用いられる。
【0145】
本発明による化合物を、さらなる実施態様では、患者に単独で、または化合物を適当な担体または賦形剤と混ぜ合わせた医薬品組成物として投与する。患者を治療する際に、化合物(すなわち活性成分)の治療上有効な用量を投与する。治療上有効な用量とは、日常のテストを行う当業者によって決定できるような、症状の改善をもたらすかまたは患者の生存の延長をもたらす活性成分の量を指す。
【0146】
また一方で、本発明による化合物は、それ自体でまたは本発明による医薬品組成物に含まれて、薬の可能な用途に用いられる。
【0147】
例えば、抗生物質または抗腫瘍薬などの治療薬は、内在的な酵素の触媒作用によって不活性化される可能性があり、したがって投与された薬の有効性や活性が減少する。従って、本発明による化合物を、薬剤の活性を強化または増加させるために、治療薬と同時に患者に投与してもよい。この共投与は、本発明による化合物と薬物の混合物によるような同時投与によってもよく、または個別の同時か連続する投与によってもよい。
【0148】
本発明によれば、本発明による化合物と呼ぶ本明細書に開示された化合物を、医薬として、医薬の製造のために、またはそれを必要とする患者の治療法の中で用いることができる。その限りにおいて、これらの化合物のいずれも医薬化合物を構成する。この種の化合物の使用はまた、そのような化合物の薬学的に許容される誘導体の使用も含む。
【0149】
さらに、本発明による化合物を、患者などの生物への適用に際して、薬学的活性化合物へ変換することもできる。その限りにおいて、本発明による化合物はプロドラッグかもしれない、これは、しかしながらそれにもかかわらず、少なくとも生物体では、望ましいことを可能にする形にそれらが変更されるという事実のもとに、本明細書に開示される医薬の製造に用いられる。
【0150】
本発明による医薬品組成物のいずれも、本明細書に記述されている任意の疾病のために用いることができると理解するべきである。
【0151】
本発明による医薬品組成物を、それ自体が知られている方式で、例えば従来の、混合、溶解、粒状化、糖衣剤混合、細粉化、乳化、カプセル化、封入、凍結乾燥、プロセス、またはその他により、製造することができる。
【0152】
本発明のさらなる局面では、本発明の化合物を殺虫剤として用いることができる。それらは昆虫細胞の細胞周期有糸分裂を阻止し、したがって様々な害虫の成長および増殖を制御することができる。本発明のこの局面は、圃場、農産物その他の貯蔵その他、農業の中で重要な応用を有している。さらに、本発明による化合物は、好ましくは、家庭、オフィスその他などの人が居住する場所における昆虫の個体数を制御するために有用である。
【0153】
1つ以上の不斉炭素原子を含む本発明による化合物のいずれも、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマー、として存在してもよい。これらの化合物のすべてのそのような異性体が、明らかに本発明に含まれる。立体中心の炭素はそれぞれ、RまたはS立体配置、または立体配置の組合せにある。
【0154】
本発明の化合物はすべて化学的に安定しているものが好ましいことを、当業者は理解するものとする。これは、本明細書に開示された本発明による化合物の様々な使用のいずれにも当てはまる。
【0155】
本出願による化合物のいずれかの様々な用途に対する適合性を決定する際には、そのような化合物が出会うことになる特定の用途特異的なプロフィ−ルに加えて、それがタンパク質分解による崩壊に対して安定かどうかをチェックしなければならない。医薬として用いられる化合物の、様々な市販されていないプロテアーゼに対するインビトロの抵抗性をテストして、タンパク質分解安定性を決定することができる。有望な候補を次に、動物モデル中で例えばラベルした阻害剤を用いて、通常の方式でスクリーニングし、インビボの安定性および有効性を決定することができる。前述の使用の何れにおいても、化合物は、粗製のままの形、または精製された形で存在してよい。本発明による化合物を精製する方法は当業者に公知である。
【0156】
特に好ましい本発明の化合物を、表1に表示する:
【0157】
表1:
【表1】

















































【0158】
本発明の根底にある問題は、付属する独立クレームによる技術的な教示によっても解決される。その好ましい実施態様を従属クレームから得ることができる。
【0159】
本発明が、ここで次の実施例を参照してさらに例示され、そこから、さらなる利点、特徴、および実施態様を得ることができる。これらの実施例は説明のみの目的のために挙げるのであって、制限する目的ではないと理解される。本明細書に引用されたすべての参考文献は、参照により本明細書に組み入れられる。
【実施例1】
【0160】
材料および方法
本明細書に記述された本発明をより完全に理解するために、次の詳細な記述を行う。
本明細書に用いられる、次の略語を用いる:
【0161】
Acはアセチル、
ACNはアセトニトリル、
Bocはtert−ブチルオキシカルボニル;
Btaは3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−アラニン、
dは日、
DCMはジクロロメタン;
DIEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミン;
DMFはN,N−ジメチルホルムアミド;
DMSOはN,N−ジメチルスルホキシド;
Fmocは9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル;
HMDSは1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン;
HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物;
HPLCは高速液体クロマトグラフィー;
hは時間;
mLはミリリットル;
THFはテトラヒドロフラン;
TFAはトリフルオロ酢酸;
TMSBrはブロモ−トリメチル−シラン;
WSCは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩である。
【0162】
方法A:固体保持体上でのFmoc脱保護
樹脂に結合した、N−Fmoc保護されたアミン(80mg、40μmol)をDMF(5×1mL)で洗浄し、20%ピペリジンのDMF溶液(2×1mL)と、10分間および20分間攪拌した。樹脂をその後ろ過し、DMF(5×1mL)で洗浄した。
【0163】
方法B:固体保持体上のアミド結合形成
樹脂に結合したアミン(80mg、40μmol)をDMF(5×1mL)で洗浄し、所望のカルボン酸(0.20mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸(76mg,0.20mmol)、7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(27mg、0.20mmol)およびコリジン(0.26mL、0.24g、20mmol)のDMF(0.8mL)溶液に懸濁した。室温で12h の攪拌の後、溶液を除き、樹脂をDMF(7×1mL)で洗浄した。
【0164】
方法C:樹脂結合アミンのアセチル化
樹脂に結合したアミン(80mg、40μmol)をDMF(5×1mL)で洗浄し、DMF、DIEA、および無水酢酸の7:2:1溶液に懸濁した。室温で20分間の攪拌の後、溶液を除き、樹脂をDMF(7×1mL)で洗浄した。
【0165】
方法D:樹脂からの切断
樹脂をDCM(5×1mL)で洗浄し、続いて、DCM(4×1mL)中の2%TFA溶液で攪拌下、それぞれの場合について30 min処理した。合わせた濾液の溶媒を真空で除去し、粗製生成物を得た。
【0166】
方法E:ホスホン酸ジエチルエステルの脱保護
HMDS(0.40mL、0.31g、1.9mmol)および続いてTMSBr(0.70mL、0.81g、5.3mmol)を、攪拌中のホスホン酸ジエチルエステル(40μmol)の無水DCM(2mL)溶液に0℃で滴下して加えた。30分間0℃で撹拌した後に、反応混合物を室温に温め、さらに3.5時間撹拌した。その後反応混合液を、真空で濃縮し、残渣を水(1mL)およびアセトニトリル(2mL)の混合液に再溶解した。真空中で溶媒を蒸発させ、粗製生成物を得た。
【実施例2】
【0167】
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロポキシメチル}−ホスホン酸の合成
【0168】
A. 2−アミノ−3−ナフタレン−2−イル−プロピオンアミド樹脂
【化15】


9−Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシ−メリフィールド樹脂(0.50mmol/g、80mg、NovaBiochem より購入)を方法Aによって脱保護し、2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−ナフタレン−2−イル−プロピオン酸(87mg、0.20mmol)を、方法Bによって樹脂に結合させ、続いて方法Aによって脱保護して、表記化合物を得た。
【0169】
B. ピペリジン−2−カルボン酸(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−アミド樹脂
【化16】


ピペリジン−1,2−ジカルボン酸−1−(9H−フルオレン−9−イルメチル)エステル(70mg、0.20mmol)を、方法Bによって、2−アミノ−3−ナフタレン−2−イル−プロピオンアミド樹脂(80mg、40μmol)に結合させ、続いて、方法Aにより脱保護して表記化合物を得た。
【0170】
C. 3−(ジエトキシ−ホスホリルメトキシ)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸
【化17】


NaH(鉱油中の60%分散物、0.50g、13mmol)を無水ヘキサン(2×3mL)で洗浄し、無水DMF(15mL)に懸濁した。無水DMF(10mL)中の2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−プロピオン酸(1.2g、5.7mmol)溶液を、攪拌中の懸濁液に0℃で15分かけて滴下して加えた。反応混合液を、室温に温め、さらに50分撹拌した。反応混合液を0℃に冷却し、続いて、DMF(10mL)中のトリフルオロメタンスルホン酸ジエトキシ−ホスホリルメチル エステル(1.7g、5.7mmol)の溶液を15分かけて滴下して加えた。40分間0℃で撹拌した後に、酢酸(3mL)の添加により反応を停止した。反応混合液を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL)およびNa2CO3水溶液(1.0M、20mL)間で分別し、1.0M Na2CO3水溶液(3×3mL)で有機層を抽出した。合わせた水層を6 MHCl水溶液でpH1へ酸性化し、酢酸エチル(10×15mL)で抽出した。合わせた有機質層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。粗製 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシホスホリルメトキシ)−プロピオン酸を、DCM(20mL)、水(0.20mL)およびTFA(4.0mL)の混合液に溶解した。30分間室温で撹拌した後に、反応混合液を真空で濃縮した。残留物(0.88g)をDMF(15mL)に溶解した。DIEA(0.85mL、0.67g、5.2mmol)および炭酸2,5−ジオキソ−ピロリジン−l−イル エステル 9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(0.67g、2.0mmol)のDMF(5mL)溶液を撹拌下0℃で反応混合液に滴下して加えた。反応混合液を室温に温め、さらに90分撹拌し、続いて溶媒を真空で除去した。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル中の5%酢酸による溶出)、続いてBondesil−ENV、125UM上の固相抽出(Varianより購入、水中の0%〜90%のアセトニトリルの勾配による溶出)によって精製し、表記化合物を無色の油として得た。MS(m/z):478.3[M+H]。
【0171】
D. {2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロポキシメチル}−ホスホン酸
【化18】


3−(ジエトキシ−ホスホリルメトキシ)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸(95mg、0.20mmol)を、ピペリジン−2−カルボン酸(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−アミド樹脂(80mg,40μmol)に、方法Bによって連結させ、続いて方法Aによって脱保護した。3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸(89mg、0.20mmol)を方法Bによって樹脂に連結させ、続いて方法Aによって脱保護し、方法Cによってアセチル化し、最後に、樹脂に連結された化合物を方法Dによって切断した。粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、続いて逆相HPLCによって精製して、表記化合物を白い固体として得た。MS(m/z):752.3[M+H]。
【実施例3】
【0172】
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン −3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸の合成
【0173】
A. 3−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−2−(9H−フルオレン−9−イル−メトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸
【化19】


システイン(1.0g、8.3mmol)を水(40mL)およびジオキサン(10mL)の混合液に溶解した。ヨードメチル−ホスホン酸ジエチルエステル(3.0g、11mmol)およびNa2CO3(2.0g、19mmol)を反応混合液に加えた。6時間50℃で撹拌した後に、反応混合液を0℃に冷却し、炭酸2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル エステル 9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(4.2g、12mmol)のジオキサン(16mL)溶液を滴下して加えた。反応物を、室温に暖めた。12時間撹拌した後に、反応混合液を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(30mL)と水(50mL)の間で分別した。水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、6M HC1水溶液でpH1へ酸性化し、酢酸エチル(5×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2S04上で乾燥させて、ろ過し、真空で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(DCM/酢酸エチル/酢酸 90:10:5 による溶出)により精製し、無色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):494.2[M+H]。
【0174】
B. {2−アミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸樹脂
【化20】


3−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸(99mg、0.20mmol)をピペリジン−2−カルボン酸(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−アミド樹脂(80mg、40μmol)に方法Bによって連結し、続いて方法Aによって脱保護し、表記化合物を得た。
【0175】
C. {2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ{b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化21】


3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸(89mg、0.20mmol)を、{2−アミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸樹脂(80mg、40μmol)に、方法Bによって連結し、続いて方法Aによって脱保護し、方法Cによってアセチル化した。樹脂に連結された化合物を方法Dによって切断した。粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、続いて逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。
MS(m/z):768.3[M+H]。
【実施例4】
【0176】
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[3−(3,4−ジクロロ−ベンジルスルファニル)−プロピオニルアミノ]−3−オキソプロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化22】


3−(3,4−ジクロロ−ベンジルスルファニル)−プロピオン酸(53mg、0.20mmol)を{2−アミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸樹脂(80mg、40μmol)に、方法Bによって連結し、続いて方法Aによって脱保護し、樹脂に連結された化合物を方法Dによって切断した。粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):769.2[M+H]。
【実施例5】
【0177】
2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸の合成
【0178】
A. 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−プロピルスルファニルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル
【化23】


システイン(0.5g、4.1mmol)を水(20mL)およびジオキサン(5mL)の混合液に溶解した。ヨードメチル−ホスホン酸ジエチルエステル(1.2g、4.3mmol)およびNa2CO3(0.87g、8.2mmol)を反応混合液に加えた。6時間50℃で撹拌した後に、反応混合液を0℃に冷却し、ジ−tert−ブチルピロ炭酸(1.4g、6.5mmol)のジオキサン(8mL)溶液を滴下して加えた。反応物を、室温に温めた。12時間撹拌した後に、反応混合液を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(20mL)と水(30mL)の間で分別した。水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、6 MHC1水溶液でpH1へ酸性化し、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。有機層をNa2S04上で乾燥させて、ろ過し、真空で濃縮した。粗製2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−プロピオン酸(0.28g、0.76mmol)を、無水THF(2.5mL)に溶解した。4−メチルモルホリン(84μL、77mg、0.76mmol)を、続いてイソブチルクロロギ酸(100μL、0.10g、0.76mmol)を、−15℃で撹拌しながら反応混合液に滴下して加えた。1時間−15℃で撹拌した後に、反応混合液をろ過した。NaBH4(42mg、1.1mmol)の水(0.37mL)溶液を、次に撹拌された濾液に−15℃で一度に加えた。−15℃で30分後、反応混合液を水(1mL)と酢酸エチル(20mL)の間で分別した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール9:1 による溶出)により精製し、無色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):357.9[M+H]。
【0179】
B. (2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヨード−プロピルスルファニルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル
【化24】


メタンスルホニルクロライド(88μL、0.13g、1.1mmol)を、0℃のDCM(3.2mL)中の(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−プロピルスルファニルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(0.16g、0.46mmol)およびEt3N(0.19mL、0.14g、1.4mmol)の攪拌されている溶液に、滴下して加えた。0℃で80分撹拌した後に、反応混合液を濃いNaHCO3水溶液(6.4mL)とDCM(20mL)の間で分別した。水層をDCM(10mL)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させて、ろ過し、真空中で濃縮した。粗製メタンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−プロピルエステル(0.15g、0.34mmol)およびNaI(0.15g、1.0mmol)をアセトン(3mL)に溶解した。55℃で3時間撹拌した後に、反応混合液を室温に冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルによる溶出)により精製し、黄色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):490.1[M+Na]。
【0180】
C. {2−アミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸ジエチルエステル
【化25】


ピペリジン−2−カルボン酸(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−アミド樹脂(80mg、40μmol)をDMF(4×1mL)で洗浄し、(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヨード−プロピルスルファニルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(65mg、0.14mmol)およびDIEA(48μL、36mg、0.28mmol)のDMF(0.22mL)溶液に懸濁した。35℃3日間攪拌の後、溶液を除き、樹脂をDMF(7×1mL)で洗浄した。樹脂に結合された生成物を方法Dによって切断した。残留物をDCM(1mL)およびTFA(1mL)の混合物で1時間処理した。混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLCによって精製して、無色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):565.5[M+H]。
【0181】
D. {2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化26】


O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(7.9mg、21μmol)を、{2−アミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸ジエチルエステル(11mg、20μmol)、7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.8mg、21μmol)、およびDIEA(2.3μL、1.7mg、14μmol)の攪拌されたDMF(0.7mL)溶液に加え、続いてコリジン(28μL、26mg、0.21mmol)および2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオン酸(5.5mg、21μmol)を加えた。3時間撹拌した後に、反応混合液を真空中で濃縮し、逆相HPLCによって精製した。得られた{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸ジエチルエステル(6mg)を方法Eによって脱保護し、逆相HPLCによって精製して、白色固体として表記化合物を得た。MS(m/z):754.6[M+H]。
【実施例6】
【0182】
Ac−Bta−Cys(CH2P(O)(OH)2)−NMeazaAla−2NaI−NH2の合成
A. Fmoc−NMeazaAla−Cl
【化27】


N,N’−ジメチル−ヒドラジンカルボン酸 9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(0.16g、0.57mmol)の無水THF(3.5mL)溶液を、攪拌されたトルエン(1.1mL)中の20%ホスゲン溶液に0℃で滴下して加えた。反応混合液をその後室温になるまで放置し、1時間撹拌した。反応混合液を真空中で濃縮し、酢酸エチル(10mL)に再融解し、シリカゲルのパッドを通してろ過した。溶媒を真空中で除去し、無色の油として表記化合物を得た。
【0183】
B. Ac−Bta−Cys(CH2P(O)(OH)2)−NMeazaAla−2NaI−NH2
【化28】


2−アミノ−3−ナフタレン−2−イル−プロピオンアミド樹脂(80mg、40μmol)をDMF(5×1mL)で洗浄し、DMF(0.15mL)中のFmoc−NMeazaAla−Cl(55mg、0.16mmol)およびDIEA(34μL、26mg、0.20mmol)溶液に懸濁した。12時間室温で攪拌の後、溶液を除いた。樹脂をDMF(7×1mL)で洗浄し、方法Aによって脱保護し、無水THF(5×1mL)で洗浄した。3−(ジエトキシホスホリルメチルスルファニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸(64mg、0.13mmol)およびトリホスゲン(13mg、0.044mmol)を無水THF(0.9mL)に溶解し、続いてコリジン(48μL、44mg、0.37mmol)を一度に加えた。1分後、得られた懸濁液を樹脂に加え混合物を50分間50℃で攪拌した。溶液を除き、樹脂をDMF(7×1mL)で洗浄し、方法Aによって脱保護した。3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸(89mg、0.20mmol)を、方法Bによって樹脂に結合されたアミンに連結し、続いて方法Aによって脱保護し、方法Cによってアセチル化し、樹脂に結合した化合物を方法Dによって切断した。粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、続いて逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):743.4[M+H]。
【実施例7】
【0184】
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸の合成
【0185】
A. (ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−酢酸
【化29】


メルカプト酢酸ナトリウム塩(0.41g、3.6mmol)、ヨードメチル−ホスホン酸ジエチルエステル(1.0g、3.6mmol)およびNa2CO3(0.38g、3.6mmol)を、水(17mL)およびジオキサン(4.3mL)の混合液に溶解した。20時間50℃で撹拌した後に、反応混合液を真空中でおよそ10mLの体積に濃縮した。残留物を6MHCl水溶液でpH1へ酸性化し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、黄色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):242.9[M+H]。
【0186】
B. {2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化30】


(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−酢酸(48mg、0.20mmol)を、ピペリジン−2−カルボン酸(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−アミド樹脂(80mg、40μmol)に、方法Bによって連結し、続いて、方法Aによって脱保護した。樹脂に結合された化合物を方法Dによって切断し、生じた粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):494.1[M+H]。
【実施例8】
【0187】
{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化31】


{2−アミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸樹脂(80mg、40μmol)を、無水DCM(3×1mL)で洗浄し、ベンジルクロロギ酸(34μL、34mg、0.20mmol)の無水DCM(0.7mL)溶液に懸濁した。10分間攪拌の後、DlEA(41μL、31mg、0.24mmol)のDCM(0.6mL)溶液を、反応混合液に、等しい1/3量ずつ1時間かけて加えた。その混合液をさらに1時間攪拌し、DCM(5×1mL)で洗浄した。樹脂に結合した化合物を方法Dによって切断した。粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):657.2[M+H]。
【実施例9】
【0188】
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェニルメタンスルホニルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化32】


{2−アミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸樹脂(80mg、40μmol)を無水DCM(3×1mL)で洗浄し、フェニル−メタンスルホニルクロリド(38mg、0.20mmol)の無水DCM(0.7mL)溶液に懸濁した。10分攪拌後、ピリジン(0.30mL)を反応混合液に加えた。その混合液をさらに2時間攪拌し、DCM(5×1mL)で洗浄した。樹脂に結合した化合物を方法Dによって切断した。粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):677.4[M+H]。
【実施例10】
【0189】
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸の合成
【0190】
A. 1−[2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−エチル]−ピペリジン−2−カルボン酸
【化33】


ピペリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.11g、0.74mmol)およびチイラン(66μL、67mg、1.1mmol)のトルエン(1mL)溶液を、密封したボトル中でアルゴン雰囲気下、110℃で17時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物を水(3mL)およびジオキサン(0.75mL)の混合液に溶解した。ヨードメチル−ホスホン酸ジエチルエステル(0.20g、0.72mmol)およびNa2CO3(78mg、0.74mmol)を反応混合液に加えた。22時間55℃で撹拌した後に、反応混合液を室温まで冷却し、LiOH(75mg、3.1mmol)の水(0.30mL)溶液を加えた。反応混合液を28時間室温で、さらに2時間45℃で攪拌した。その後反応混合液を真空中で濃縮し、残留物を逆相HPLCにより精製して、無色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):340.2[M+H]。
【0191】
B. {2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化34】


1−[2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−エチル]−ピペリジン−2−カルボン酸(24mg、70μmol)、HOBt(9.4mg、70μmol)、2−アミノ−3−ナフタレン−2−イル−プロピオンアミド(15mg、70μmol)およびDIEA(12μL、9.1mg、70mmol)をDMF(0.3mL)に溶解した。WSC(13mg、70μmol)を、その後激しく攪拌された溶液に一度に加えた。室温で2時間後、反応混合液を真空中で濃縮した。残留物を、酢酸エチル(30mL)と1.0M Na2CO3水溶液(3mL)の間で分別し、有機層を1.0M のNa2CO3水溶液(2×2mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させて、ろ過し、真空中で濃縮した。得られた粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、続いて逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):480.4[M+H]。
【実施例11】
【0192】
{2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸の合成
【0193】
A. 1−[2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−2−カルボン酸
【化35】


ピペリジン−1,2−ジカルボン酸 1−(9H−フルオレン−9−イルメチル)エステル(0.52g、1.5mmol)およびトリチルクロライド樹脂(0.50g、1.5mmol/g、NovaBiochemから購入)を、無水のDCM(5.9mL)に懸濁した。その後、D1EA(0.37mL、0.28g、2.2mmol)を加え、懸濁液を1時間攪拌した。溶液を排出し、樹脂をメタノール(2×5mL)、メタノール/DIEAの9:1混合液(5mL)、DMF(3×5mL)、およびDCM(2×5mL)で洗浄した。樹脂をその後真空中で乾燥させた。得られたピペリジン−1,2−ジカルボン酸 1−(9H−フルオレン−9−イルメチル)エステル樹脂(0.20g)を方法Aによって脱保護し、(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−酢酸(0.13g、0.55mmol)を、方法Bによって連結した。樹脂をDCM(5×1mL)で洗浄し、続いて20%1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−プロパン−2−オールのDCM溶液(4×3mL)によって、それぞれの場合について30分間攪拌下で処理した。合わせた濾液の溶媒を真空中で除去し、黄色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):354.3[M+H]。
【0194】
B. {2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化36】


1−[2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−2−カルボン酸(40mg、0.11mmol)と2−アミノ−N−tert−ブチル−3−ナフタレン−2−イル−プロピオンアミド(30mg、0.11mmol)を、実施例10Bに従って連結させた。得られた粗製ホスホン酸ジエチルエステルを、方法Eによって脱保護した。残留物をACN(2mL)と水(1mL)の混合液に溶解し、溶液のpHを固体NaHCO3を加えて7に調節した。アルゴン雰囲気下、室温で20時間撹拌した後、反応混合液を真空中で濃縮し、逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):550.5[M+H]。
【実施例12】
【0195】
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メチルカルバモイルメチル−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸の合成
【0196】
A. 1−[3−カルボキシ−2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−プロピオニル]−ピペリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化37】


(5−オキソ−2,2−ビス−トリフルオロメチル−[1,3]オキサチオラン−4−イル)−酢酸(0.70g、2.3mmol)を無水DMF(6mL)に溶解し、ピペリジン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸(0.38g、2.1mmol)を撹拌された反応混合液に加え、続いてDIEA(0.79mL、0.60g、4.7mmol)を滴下して加えた。室温80分後に、真空中で溶媒を除去し、残留物を酢酸エチル(60mL)に溶解した。溶液をHCl水溶液(2M、2×4mL)で抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過して、真空中で濃縮した。残留物を、水(8mL)およびジオキサン(3mL)の混合液に溶解した。ヨードメチル−ホスホン酸ジエチルエステル(0.65g、2.3mmol)、および続いてNaHCO3(0.59g、7.0mmol)を、撹拌されている反応混合液に加えた。14時間55℃で撹拌した後に、反応混合液を真空中で体積約10mLに濃縮した。1M Na2CO3水溶液(4mL)を加え、水溶液を酢酸エチル(10mL)で抽出した。その後、水層を6M HCl水溶液によりpH1へ酸性化し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(DCM/メタノール/酢酸 40:10:1で溶出)で精製し、無色の油として表記化合物を得た。MS(m/z):426.5[M+H]。
【0197】
B. 1−[2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−3−メチルカルバモイル−プロピオニル]−ピペリジン−2−カルボン酸
【化38】


1−[3−カルボキシ−2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−プロピオニル]−ピペリジン−2−カルボン酸メチルエステル(48mg、0.11mmol)とメチルアミン(THF中の2M、82μL、0.16mmol)を、実施例10Bに従って連結した。得られたN−メチルアミドをTHF(1mL)に溶解し、LiOH(5.5mg、0.13mmol)の水(0.20mL)溶液を加えた。4時間撹拌した後に、反応混合液を真空中で濃縮した。残留物を、エチル酢酸エチル(5mL)と水(10mL)の間で分別した。水層を6MHCl水溶液によりpH1へ酸性化し、酢酸エチル(4×7mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させて、ろ過し、真空内で濃縮して、無色の油として粗製の表記化合物を得た。MS(m/z):425.2[M+H]。
【0198】
C. {2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メチルカルバモイルメチル−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
【化39】


粗製1−[2−(ジエトキシ−ホスホリルメチルスルファニル)−3−メチルカルバモイル−プロピオニル]−ピペリジン−2−カルボン酸(36mg、84μmol)と2−アミノ−3−ナフタレン−2−イル−プロピオンアミド(20mg、93μmol)を、実施例10Bに従って連結させた。得られた粗製ホスホン酸ジエチルエステルを方法Eによって脱保護し、逆相HPLCによって精製して、白い固体として表記化合物を得た。MS(m/z):565.6[M+H]。
【実施例13】
【0199】
本発明による化合物による一定の酵素の阻害特異性
様々な化合物の特異性の特徴を決定するために、次の分析を行なった。hPin1、hCyp18、LpCyp18、hFKBP12およびEcParvulinのPPIase活性を、プロテアーゼと組み合わせたPPIase分析を用い、Fischer et al. (Fischer, G.; Bang, H.; Mech, C. Determination of enzymatic catalysis for the cis-trans-isomerization of peptide binding in proline-containing peptides, [German] Biomed. Biochem. Acta 1984, 43, 1101-1111; Hennig et al., Selective Inactivation of Parvulin-like peptidyl-prolyl cis/trans isomerases by Juglon, Biochemistry.1998, 37(17):5953-5960)に従って測定した。hPin1測定のために、Ac−Ala−Ala−Ser(PO32)−Pro−Arg−pNAを基質として、およびトリプシン(最終濃度190μg/ml)を異性体特異的プロテアーゼとして用いた。他のPPIasesの活性測定を、基質ペプチドSuc−Ala−Phe−Pro−Phe−pNAおよびプロテアーゼ α−キモトリプシン(最終濃度470μg/ml)を用いて行った。分析を、150μLの最終反応体積中で、35mM HEPES(pH7.8)中の最終濃度それぞれ6nM hPin1、10nM hCyp18、5nM LpCyp18、20nM EcParvulin、および20nM hFKBP12、ならびに120μM 基質ペプチドで行なった。阻害実験については、DMSO保存溶液から新たに希釈された100〜0.01μM のエフェクターを加えた。溶媒の量は、各実験において一定に、通常0.3%(V/V)未満に、保った。すべての反応を、プロテアーゼの添加により開始した。テストを、放出された4−ニトロアニリンを390nmで、MR5000 UV/可視分光光度計(Dynex)により6℃で測定することにより、行なった。データを、PPIaseおよびPPIase/エフェクターのそれぞれ存在下で、擬一次反応定数kobsを計算することにより評価し、非触媒反応(ko)の寄与を補正した。阻害定数IC50を、SigmaPlot8.0(SPSS)を用いて計算した。
【0200】
次の標的酵素を用いた;これらはすべて異なるクラスのロタマーゼに属するロタマーゼである:
T−1:NIMA(−キナーゼ)と相互作用するタンパク質、hPin1
T−2:最初に記載されたヒト・ラパマイシンレセプター、hFKBP12
T−3:18kDaの分子量を有するヒト・シクロスポリンAレセプター、hCyp18
T−4:18kDaの分子量を有する Leishmonia pneumophila の毒性シクロスポリンAレセプター、LpCypl8
T−5:細菌のジュグロン感受性非タンパク分解酵素、EcParv
【0201】
これらのロタマーゼは従来技術において公知である。それらの生産および特性を、次の参考文献から得ることができる。
【0202】
【表2】

【0203】
様々なロタマーゼ阻害剤を群に分類するために、次のクラスを定義し、最も強力なロタマーゼ阻害剤を「A」で表した。
A: IC50<1μM
B: 1μM<IC50<10μM
C: 10μM<IC50<50μM
D: 50μM<IC50<100μM
E: IC50>100μM
【0204】
表2
ロタマーゼについての阻害の特異性
A: IC50<1μM
B: 1μM<IC50<10μM
C: 10μM<IC50<50μM
D: 50μM<IC50<100μM
E: IC50>100μM
【0205】
【表3】





























【0206】
本明細書、請求項、および/または図面中に開示されている本発明の特徴は、個別におよびそれらの任意の組合せの両方において、本発明を様々な形式で実現するための材料となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、破線は、一重または二重結合を、または結合が存在しないことを表し;
1およびR2は、−Hおよびリン酸保護基を含む群より各々独立に選ばれ;
1およびX2は−O−、−S−、−NR12−を含む群より各々独立に選ばれ;
Zは−O−、−S−、−NR13−、−(CR1415)−を含む群より選ばれ;
1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8およびA9は、−O−、−S−、−NR16−、−S(O)−、−S(O2)−、−C(O)−、−C(S)−、−NR17−C(O)−、−NR18−C(S)−、−NR19−C(O)−NR20−、−NR21C(S)−NR22−、−NR23−S(O)−、−NR24−S(O2)−および−NR25−C(O)−O−を含む群より各々独立に選ばれるか、または各々互いに独立して存在しない;
Yは−O−、−CR2627−を含む群より選ばれ;
QおよびVは
【化2】


を含む群より各々独立に選ばれ;
1、W2およびW3は、
【化3】


を含む群より各々独立に選ばれ;
3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、TおよびUは、−H、ハロ、アルキル、置換されたアルキル、直鎖アルキル、置換された直鎖アルキル、分岐アルキル、置換された分岐アルキル、アルケニル、直鎖アルケニル、置換された直鎖アルケニル、分岐アルケニル、置換された分岐アルケニル、アルキニル、直鎖アルキニル、置換された直鎖アルキニル、分岐アルキニル、置換された分岐アルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたシクロアルケニル、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、モノ不飽和ヘテロシクリル、置換されたモノ不飽和ヘテロシクリル、ポリ不飽和ヘテロシクリル、置換されたポリ不飽和ヘテロシクリル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキルおよび置換されたヘテロシクリルアルキルを含む群より各々独立に選ばれるか、または各々および互いに独立して存在しない)の化合物、およびそれらの塩、水和物、溶媒和物およびプロドラッグ。
【請求項2】
1、A1、A2、A3、A4、A5、R3およびR4が存在せず;R5、R6およびR7が−Hであり;W2およびW3
【化4】


であり;好ましくはZが−S−あるいは−O−のどちらかであり、より好ましくは−S−であり;そして好ましくはYが−CH2−であり;好ましくはA7が−C(O)−または−CH2−のどちらかであり;X1およびX2の両方が−O−であり;A8が−C(O)−O−または−NR29−C(O)−であって、−NR29−C(O)−および−C(O)−O−のC原子はVに共有結合で結合されており;およびR29が−Hまたは低級アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1、W2、A1、A2、A3、A4、A5、R3、R4、R5およびR6が存在せず;R7が−Hであり;W3
【化5】


であり;好ましくはZが−S−あるいは−O−のどちらかであり、より好ましくは−S−であり;そして好ましくはYが−CH2−であり;好ましくはA7が−C(O)−または−CH2−のどちらかであり;X1とX2の両方が−O−であり;A8が−C(O)−O−または−NR29−C(O)−であって、−NR29−C(O)−および−C(O)−O−のC原子はVに共有結合で結合されており;および、R29は−Hまたは、低級アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
8が−Hであってかつ好ましくはA6が存在しない、請求項1〜3のいずれか1項、好ましくは請求項2〜3のいずれか1項、より好ましくは請求項3記載の化合物。
【請求項5】
6が−NR17−C(O)−、−NR24−S(O2)−、−NR25−C(O)−O−を含む群より選ばれ;および R8が、場合により置換されたアリール−(低級アルキル)、場合により置換されたヘテロアリール−(低級アルキル)、場合により置換されたアリールおよび場合により置換されたヘテロアリール、好ましくは、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル−(低級アルキル)、より好ましくは、1−アセチルアミノ−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチル、ジハロ−ベンジルスルファニルエチル、モノハロ−ベンジルスルファニルエチル、−4−(モノハロ−フェニル)−4−オキソ−ブチル、4−(ジハロ−フェニル)−4オキソ−ブチル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチルを含む群より選ばれ;R17、R24およびR25が、−Hおよび低級アルキルを含む群から各々独立して選ばれる、請求項1〜3の、好ましくは請求項2〜3の、いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
QおよびVが、
【化6】


TおよびUがアルキルであり、好ましくは低級アルキルであり、破線が結合不在であるかまたは単結合である、請求項1〜5の、好ましくは請求項2〜5の、より好ましくは請求項4〜5の、いずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
28が−Hまたは低級アルキルであり、破線が単結合であり、Tが−CH2−であり、およびUが−(CH2)−を含む群より選ばれ、nが1〜5までの任意の整数であり、好ましくは2、3または4である、請求項1〜5の、好ましくは請求項2〜5の、より好ましくは請求項4〜5、のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
9が−Hであり、R10が、置換された低級アルキル、好ましくはアリール−(低級アルキル)、ヘテロアリール−(低級アルキル)、シクロアルキル−(低級アルキル)、ヘテロシクリル−(低級アルキル)、およびより好ましくは場合により置換された2−ナフタレン−2−イル−エチル、場合により置換されたナフタレン−2−イルメチル、場合により置換された2−フェニル−エチル、場合により置換された2−フェニル−メチル、場合により置換されたキノリン−7−イルメチルおよび場合により置換された3−イソキノリン−7−イルメチルを含む群より選ばれる、請求項1〜7の、好ましくは請求項2〜7の、より好ましくは請求項4〜7の、いずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
9が−NH−C(O)−または−NHC(S)−であって、−NH−C(O)−および−NH−C(S)−のそれぞれのN原子がR11に共有結合で結合されており、およびR11が、−H、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリルを、好ましくは、場合により置換された低級アルキルまたは−Hを、より好ましくは場合により置換されたtert−ブチルまたは場合により置換されたイソプロピルを含む群より選ばれる、請求項1〜8の、好ましくは請求項2〜8の、より好ましくは請求項4〜8の、いずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
9が存在せず、ならびにR11が、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリルを、好ましくは場合により置換されたフェニル、場合により置換されたチアゾール−2−イル、場合により置換されたピリジルおよび場合により置換された[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル、場合により置換された4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルを含む群より選ばれる、請求項1〜8の、好ましくは請求項2〜8の、より好ましくは請求項4〜8の、いずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
1およびR2の両方が−Hである、請求項1〜10の、好ましくは請求項2〜10の、より好ましくは請求項4〜10の、いずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
1およびR2が各々リン酸保護基であり、好ましくはR1およびR2が、2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチルおよび2−アセチルスルファニル−エチルを含む群より各々独立して選ばれる、請求項1〜11の、好ましくは請求項2〜10の、より好ましくは請求項4〜10の、いずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロポキシメチル}−ホスホン酸
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−オキソ−プロポキシメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[3−(4−クロロ−ベンジルスルファニル)−プロピオニルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[3−(3.4−ジクロロ−ベンジルスルファニル)−プロピオニルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[5−(4−クロロ−フェニル)−5−オキソ−ペンタノイルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(5−フェニル−ペンタノイルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−(3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−{6−[5−(−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)−安息香酸)−ウレイド]−ヘキサノイルアミノ}−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−4−イル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(2−オキソ−チアゾリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
(3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−{[2−オキソ−3−(2−オキソ−チアゾリジン−4−カルボニル)−チアゾリジン−4−カルボニル]アミノ}−プロピルスルファニルメチル)−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−フェノキシ−ベンゾイルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(1.2.3.4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−チオフェン−2−イル−プロピオニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−{3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−[(ピペラジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニルアミノ}−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−(2−ピペリジン−1−イル−アセチルアミノ)−プロピオニルアミノ]−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ベンゾイルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェニルアセチルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−フェニル−プロピオニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−(2−ビフェニル−4−イル−アセチルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−(2−アセチルアミノ−3−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
Ac−Bta−Cys(CH2−P(O)(OH)2)−NMeazaAla−2Nal−NH2
Ac−Bta−Cys(CH2−P(O)(OH)2)−NMeazaGly−2Nal−NH2
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−アセチルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェニルメタンスルホニルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(1−フェニル−シクロペンタンカルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(2−クロロ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(4−クロロ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−オキソ−ブチリルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ブチリルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[(5−オキソ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[(ベンゾフラン−2−カルボニル)−アミノ]−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(2−ピペラジン−1−イル−アセチルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−[(3−アセチル−2−オキソ−チアゾリジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−イソブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ブトキシカルボニルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−メトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェノキシカルボニルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−フェネチルオキシカルボニルアミノ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−ベンゼンスルホニルアミノ−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(2−フェニル−エタンスルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−フェニル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−メタンスルホニルアミノ−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(2.4.6−トリメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(チオフェン−2−スルホニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−(3−ピペリジン−1−イル−プロピオニルアミノ)−プロピルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−(2−ベンゾ[1.3]ジオキソール−5−イル−アセチルアミノ)−3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(3.5−ジメトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(2−メトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[2−オキソ−2−(2−フェニルカルバモイル−ピペリジン−1−イル)−エチルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−[2−(3−メトキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−オキソ−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{3−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−2−[2−(4−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセチルアミノ]−プロピルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−メチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メチル−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
[2−(2−ベンジルカルバモイル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルスルファニルメチル]−ホスホン酸
[2−オキソ−2−(2−フェネチルカルバモイル−ピペリジン−1−イル)−エチルスルファニルメチル]−ホスホン酸
{2−オキソ−2−[2−(3−フェニル−プロピルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メチルカルバモイルメチル−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−カルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−1−[(4−メトキシ−フェニルカルバモイル)−メチル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
{2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
2,2−ジメチル−プロピオン酸{2−[2−(1−tert−ブチルカルバモイル−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメトキシ)−ホスフィノイルオキシメチルエステル
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−1−フェニル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
(2−{2−[1−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2−ナフタレン−2−イル−エチルカルバモイル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチルスルファニルメチル)−ホスホン酸
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−1−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
(2−{2−[2−ナフタレン−2−イル−1−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチルカルバモイル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチルスルファニルメチル)−ホスホン酸
{2−[2−(2−ナフタレン−2−イル−1−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−エチルスルファニルメチル}−ホスホン酸
を含む群より選ばれる化合物、好ましくは請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物、およびそれらの塩、水和物および溶媒和物、ならびにそれらのプロドラッグ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項15】
さらなる薬学的活性化合物を含む、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
化合物が、薬学的に許容される塩または薬学的活性を有する溶媒和物として存在する、請求項14または15記載の医薬組成物。
【請求項17】
薬学的活性化合物が、単独であるか、または多くの個別化された用量および/または投与形式中に存在する組成物の任意の成分と組み合されている、請求項14〜16のいずれか1項記載の薬学的活性組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項記載の化合物の、医薬の製造のための使用。
【請求項19】
疾病が、異常細胞増殖、望まれない細胞増殖、異常有糸分裂および/または望まれない有糸分裂を含み、化合物が請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物である、疾病の治療のための医薬を製造するための化合物の使用。
【請求項20】
化合物が、細胞分裂および/または細胞周期またはその一部分の調節に関与する酵素活性に作用しており、好ましくは細胞周期の一部分が有糸分裂である、請求項19記載の使用。
【請求項21】
疾病が、神経変性疾患、卒中、炎症性疾患、免疫に基づく障害、感染症、心疾患、心蔵血管疾患および細胞増殖疾病を含む群より選ばれる、請求項19または20記載の使用。
【請求項22】
神経変性疾患が、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、末梢神経障害、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型痴呆、シヌクレイノパチー、多系統萎縮症、筋萎縮性外側萎縮、プリオン病および運動ニューロン疾患を含む群より選ばれる、請求項21記載の使用。
【請求項23】
感染症が、真菌、ウイルス、細菌および寄生生物の感染を含む群より選ばれる、請求項21記載の使用。
【請求項24】
真菌感染が、婦人科および皮膚科の感染を含む群より選ばれる、請求項23記載の使用。
【請求項25】
真菌感染が、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、クリプトコッカス属、ブラストミセス属、パラコクシジオイデス属、アスペルギルス属、スポロトリクス属、リゾプス属、アブシディア属、ムコール属、ホルモデンドラム属、フィアロフォラ属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属、リノスポリジウム属または酵母、好ましくはカンジダ属またはクリプトコッカス属によって引き起こされる、またはこれらに関係する、請求項23に記載の使用。
【請求項26】
白癬、カンジダ症、コクシジオイデス症、ブラストミセス症、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、パラコクシジオイデス症、接合真菌症、スポロトリクス症、真菌性角膜炎、爪・毛・皮膚病、ロボミコーシス、クロモブラストミコーシス、菌腫を含む群より感染症が選ばれる、あるいは真菌感染がこれらを含む群より選ばれる障害を引き起こす、請求項21または23記載の使用。
【請求項27】
細菌感染が、グラム陽性およびグラム陰性菌によって引き起こされる感染を含む群より選ばれる、請求項23に記載の使用。
【請求項28】
細菌感染が、スタフィロコッカス属、クロストリジウム属、ストレプトコッカス属、リステリア属、サルモネラ属、バチルス属、エシェリキア属、ミコバクテリア属、セラチア属、エンテロバクター属、エンテロコッカス属、ノカルジア属、ヘモフィルス属、ナイセリア属、プロテウス属、エルシニア属、ヘリコバクター属またはレジオネラ属によって引き起こされる、またはそれらに関係する、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
肺炎、下痢、赤痢、炭疽病、リウマチ熱、毒素ショック症候群、乳様突起炎、脳膜炎、淋病、腸チフス、ブルセラ、ライム病、胃腸炎、結核、コレラ、破傷風および腺ペストを含む群より感染症が選ばれる、または細菌感染がこれらを含む群より選ばれる障害を引き起こす、請求項21または23に記載の使用。
【請求項30】
ウイルス感染が、レトロウイルス、HIV、パピローマウイルス、ポリオウイルス、エプスタイン−バー、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、パポバウイルス、インフルエンザウイルス、狂犬病、JC、脳炎を引き起こすウイルスまたは出血熱を引き起こすウイルス、により引き起こされる感染、またはそれらに関連する感染を含む群より選ばれる、請求項23記載の使用。
【請求項31】
寄生生物の感染が、トリパノソーマ属、リーシュマニア属、トリキネラ属、エキノコックス属、ネマトーダ、綱 セストーダ トレマトーダ、単生綱、トキソプラズマ属、ジアルジア属、バランチジウム属、パラメシウム属、プラスモジウム属またはエントアメーバ属により引き起こされる感染、またはそれらに関連する感染を含む群より選ばれる、請求項23記載の使用。
【請求項32】
細胞増殖障害が、腫瘍性および非腫瘍性障害を含む群より選ばれる、請求項21記載の使用。
【請求項33】
腫瘍性細胞増殖障害が、充実性腫瘍、リンパ腫および白血病を含む群より選ばれる、請求項32記載の使用。
【請求項34】
充実性腫瘍が、癌腫、肉腫、骨腫、繊維肉腫および軟骨肉腫を含む群より選ばれる、請求項33記載の使用。
【請求項35】
腫瘍性細胞増殖障害が、乳癌、前立腺癌、結腸癌、脳腫瘍、肺癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌および腎臓癌を含む群より選ばれる、請求項32記載の使用。
【請求項36】
非腫瘍性細胞増殖障害が繊維障害であり、好ましくは繊維障害が繊維症である、請求項32記載の使用。
【請求項37】
非腫瘍性細胞増殖障害が、前立腺肥大症、子宮内膜症、乾癬、組織修復および創傷治癒を含む群より選ばれる、請求項32記載の使用。
【請求項38】
免疫に基づく/炎症性の疾病が自己免疫疾患または自己免疫障害である、請求項21記載の使用。
【請求項39】
免疫に基づく/炎症性の疾病が、関節リウマチ、糸球体腎炎、全身性エリトマトーデス関連糸球体腎炎、過敏性大腸症候群、気管支喘息、多発性硬化症、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫溶血性血小板減少性容態、グッドパスチャー症候群、肺出血、脈管炎、クローン病および皮膚筋炎を含む群より選ばれる、請求項21記載の使用。
【請求項40】
免疫に基づく/炎症性の疾病が、炎症性症状である、請求項21記載の使用。
【請求項41】
免疫に基づくおよび/または炎症性の疾病が、熱傷関連炎症、肺損傷、心筋梗塞、冠状動脈血栓症、血管閉塞、手術後の血管の再閉塞、動脈硬化症、外傷性中枢神経系損傷、虚血性心疾患および虚血再潅流損傷、急性呼吸窮迫症候群、全身性炎症反応症候群、多臓器機能障害症候群、組織移植片拒絶および移植器官の超急性拒否反応を含む群より選ばれる、請求項21記載の使用。
【請求項42】
医薬が、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮的、腹腔内、筋肉内、肺臓内、膣内、直腸および眼内の投与を含む群より選ばれる投与経路を介する投与用である、請求項19〜41のいずれか1項記載の使用。
【請求項43】
医薬が、哺乳動物への、好ましくはヒトへの投与用である、請求項19〜42のいずれか1項記載の使用。
【請求項44】
医薬が、請求項14〜17のいずれか1項記載の医薬品組成物であるか、またはそれを含む、請求項18〜43のいずれか1項記載の使用。

【公表番号】特表2007−514700(P2007−514700A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544371(P2006−544371)
【出願日】平成16年12月18日(2004.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014460
【国際公開番号】WO2005/063259
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(505100942)イエリニ・アクチェンゲゼルシャフト (10)
【氏名又は名称原語表記】JERINI AG
【Fターム(参考)】