説明

木材接合用の金物及びその製造方法

【課題】大引き(第二横架材)端面と足固め材(第一横架材)の側面との接合に使用する金物で、溶接を使用せず、強固な接合部とする。
【解決手段】重ねて挿入板12となる挿入板片12A、12Aの一辺に、当接板12となる当接板片18A、18Aを連設し、他辺に、支持板13となる支持板片13A、13Aを連設する。支持板片13Aに連設した補強板片14Aを当接板片18Aの下部に重ねる。当接板片18Aの透孔4aと補強板18の透孔40aとを連通させ、金物15とする(b)。挿入片12A、当接板片18A、支持板片13A、補強板片14Aを展開させた板体2をプレスで抜いて(a)、屈曲線9、11、続いて屈曲線10、続いて屈曲線8でそれぞれ板体2を屈曲加工して、溶接せずに、金物2を組み上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木造構造物で、第一横架材の側面に第二横架材を接合する際に使用する木材接合用の金物及びその製造方法に関する。第一横架材として柱脚の足固め材(土台)と第二横架材として大引きとを接合する構造に最適である。
【背景技術】
【0002】
従来、木材の接合部に使用する金物で、プレス加工のみで板材を屈曲して形成して溶接を使用しないで製造する接合用の金物は多々提案されている(特許文献1、2)。
また、土台に大引きを接合する際には、大引きの接合端部(仕口)を係止して、保持する構造の接合金物が提案されていた(特許文献3)。通常は、大引きは根太(床板を受ける)を受ける部材であり、通常は、床の荷重を受ける強度を有すれば充分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−90110号公報
【特許文献2】特許第4257963号公報
【特許文献3】特開2004−92076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、土台を設けずコンクリート製の基礎に直接に柱を立設する構造(「柱勝ち軸組工法」出願人の商標)では、柱の柱脚を拘束し、かつ根太を受ける部材として足固め材が使用されていた。この場合、同じ根太をうける部材でありながら、足固め材に通常の大引き受け金物を適用することはできず、架設される大引きをより強固に接合することが好ましかった。
また、溶接を使用しないで製造される金物では、接合強度を出すためには、たくさんのビス類を使用するため、金物が大きくなる傾向があり(特許文献1)、また、別途L型の金物を併用するなど単独では使用し難い問題点もあった(特許文献2)。
また、固定すべき木材の取付位置については、金具により規制されていなかったので、仕口の構成が不正確になるおそれもあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、この発明では、第二横架材の溝に挿入する挿入板を二重とし、さらに第一横架材に当接する当接板に補強板を重ねて、かつ当接板と補強板の重ね部分で透孔を連通させたので、前記課題を解決した。
【0006】
すなわち、この発明は、第一横架材の側面に、第二横架材の端面を接合する際に使用する金物であって、以下のように構成したことを特徴とする木材接合用の金物である。
(1) 前記第二横架材は、端面中央から長手方向に設けて溝を形成し、前記金物は、前記溝へ挿入すべき挿入板の一側に、前記第一横架材の側面に当接する当接板を直角に設ける。
(2) 前記挿入板の下部に、前記第二横架材の下面を支持する支持板を、前記挿入板と直角に設け、前記挿入板に貫通孔を貫設する。
(3) 前記当接板の一部に、前記支持板に連設した補強板を屈曲して重ねる。
(4) 前記挿入板は、2枚の挿入板片を重ねて形成する。
(5) 前記当接板と前記補強板とを重ねた部分で、前記当接板に形成した少なくとも1つの透孔と、前記補強板に形成した少なくとも1つの透孔とが連通するように形成する。
【0007】
また、前記において、当接板と補強板とを重ねた際に連通する透孔において、前記当接板に形成した透孔が、前記補強板に形成した透孔より大径に形成される木材接合用の金物である。
【0008】
さらに、他の発明は、以下のような工程から、板体を加工して金物を製造することを特徴とする木材接合用金物の製造方法である。
(1) 第一工程で、以下のような構造で、防錆処理をした板体を形成する。
第一屈曲線を挟んで両側に挿入板片を形成し、該挿入板片の一辺を第二屈曲線として、該部に、大透孔を空けた当接板片を連設する。前記挿入板片の他辺を第三屈曲線として、該部に、支持板片を連設し、該支持板片の一辺を第四屈曲線として、該部に、小透孔を空けた補強板片を連設する。
(2) 第二工程で、前記当接板片及び前記補強板片を、第二第四屈曲線に沿って直角に折り曲げる。
(3) 第三工程で、前記支持板片を、第三屈曲線に沿って直角に折り曲げ、前記補強板片を前記当接板片に重ね、前記補強片の小透孔を前記当接板片の大透孔に連通させる。
(4) 第四工程では、第一屈曲線に沿って折り曲げ、2枚の挿入板片を重ねて挿入板を形成し、前記2枚の当接板片から当接板を形成し、前記2枚の支持板片から支持板を形成し、前記2枚の補強板片から補強板を形成して金物を構成する。
【0009】
前記における第一横架材、第二横架材は、上記のように、
・第一横架材:足固め材 第二横架材:大引き
の接合部分に最適であるが、第一横架材の側面に第二横架材の端面を接合する接合部をより強固に接合できるので、他の接合部分、例えば
・第一横架材:土台 第二横架材:大引き
・第一横架材:梁 第二横架材:小梁
などの接合部で使用することができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、第二横架材の溝に挿入する挿入板を2重とし、かつ第一横架材に当接する当接板に補強板を重ねて構成したので、比較的薄い材厚の鋼板を使用しても、強固な金物を構成することができる。また、当接板と補強板の重ね部分で透孔を連通させたので、連通した透孔にビス類を打ち込んで、第一横架材に固定できるので、一枚の板体をプレスにより組み上げて溶接を使わずに金物を構成しても、金物が開くおそれがない。
【0011】
したがって、第一横架材と金物とが一体化し、かつ第二横架材の溝に金物の二重の挿入板が挿入固定されるので、大引きの固定位置を確定し、第一横架材と第二横架材とを強固に接合できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1はこの発明の金物の実施例で、(a)は正面図、(b)左側面図である。
【図2】図2は同じくこの発明の金物の実施例で、(a)は右側面図、(b)は平面図である。
【図3】図3(a)は、金物を製造する展開図である板体の正面図、(b)は金物の斜視図である。
【図4】図4はこの発明の金物の他の実施例で、(a)は正面図、(b)は左側面図である。
【図5】図4は同じくこの発明の金物の他の実施例で、(a)は右側面図、(b)は平面図である。
【図6】図6(a)は、他の金物を製造する展開図である板体の正面図、(b)は他の金物の斜視図である。
【図7】図7(a)は第一工程を経たこの発明の板体の縮小正面図、(b)は同じく縮小側面図、(c)は同じく縮小平面図であり、(d)は第二工程を経た同じく板体の縮小正面図、(e)は同じく縮小側面図、(f)は同じく縮小平面図である。
【図8】図8(a)は第三工程を経たこの発明の板体の縮小正面図、(b)は同じく縮小側面図、(c)同じく縮小平面図であり、(d)は同じく第四工程を経た板体の縮小正面図、(e)は同じく縮小側面図、(f)は同じく縮小平面図である。
【図9】この発明の金物の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜図3に基づき本発明の金物15の実施形態について説明する。
【0014】
(1) 板材を縁で折り曲げて2重に形成した挿入板12を縦(鉛直方向)に配置して、2重の挿入板を構成する板を挿入板片12A、12Aとする。挿入板12の折り曲げ側の縁と反対側の挿入板片12A、12Aの自由端側にそれぞれ直角に当接板片18A、18Aを連設して、当接板片18A、18Aを略面一に形成する。当接板片18A、18Aから当接板18を構成する。
挿入板12の挿入板片12A、12Aの下縁に、水平に配置した支持板片13A、13Aを連設する。支持板片13A、13Aは略面一に配置され、支持板片13A、13Aから支持板13を構成する。支持板13と当接板18とは略直角に配置される。
支持板片13A、13Aの端縁で、当接板18の反対側に、上方に向けた補強板片14A、14Aを直角に連設する。補強板片14A、14Aは、当接板片18A、18Aの下部に沿って重なり、補強板片14A、14Aで補強板14を構成する。
【0015】
(2) 挿入板12にドリフトピンを挿入するための貫通孔を設け、当接板18及び支持板13に横架材に固定するビス類を打ち込む透孔をそれぞれ、以下のように設ける。透孔の数は、各板片に少なくとも1つ形成されていれば良く、任意である。
挿入板12(挿入板片12A、12A)に、貫通孔3、3を形成する。
また、当接板片18A、18Aに、上部に透孔4、下部に透孔4aをそれぞれ形成する。当接板片18Aの透孔4、4aの4つは総て、高さ方向及び水平方向で位置もずらして配置する。また、透孔4a、4aは、透孔4、4よりも5%〜20%程度大径に形成する。
補強板片14A、14Aに、当接板18に重ねた際に、補強板18の透孔4aに連通する透孔40aを形成する。
また、支持板片13A、13Aに透孔40bをそれぞれ形成する。以上のようにして、金物15を構成する(図3(b)、図1、図2)。
【0016】
(3) 前記において、例えば、金物15(挿入板12、当接板18)の高さHを90mmとした場合(図3(b))、貫通孔3はφ12.5mm、透孔4、40a、40bはφ7mm、透孔4aはφ8.3mm程度で形成する。
【0017】
(4) 前記において、補強板片14A、14Aは、当接板片18A、18Aの下部に沿って重ねたが、補強板片14Aを当接板片18Aとほぼ同一の形状として、補強板片14A、14Aを当接板片18A、18Aの略全面で重ねる構造とすることもできる(図示していない)。この場合には、透孔4も透孔4aと同じように大径に形成し、補強板片14Aに該部で対応して連通する透孔を設ける(図示していない)。
また、前記において、互いに連通する当接板片18Aの透孔4aを、補強板片14Aの透孔40aより大径としたが、補強板片14Aの透孔40aを当接板片18Aの透孔4aよりも大径とすることもできる(図示していない)。
【実施例1】
【0018】
1.金物15を適用する接合部
【0019】
この発明の金物15を使用する接合部分は、柱の柱脚を束ねて移動を規制する足固め材(第一横架材)の側面7aに、大引き(第二横架材)20の端面20aを付け合わせて接合する際に使用する(図9)。
足固め材20は端面20aの中央部から長手方向(材軸方向)に縦方向の溝19を設け、該溝19に金物15の二重壁の挿入板12を挿入できるようになっている。また、足固め材20には、溝19に直角に貫通する横方向(水平方向)のピン孔24を形成してある。
【0020】
2.加工用の板体2
【0021】
加工用の板体2は、図3(a)のような構造で構成される。
すなわち、屈曲線8を挟んで両側に、貫通孔3を空けた挿入板片12A、12Aが形成される。挿入板片12Aで、屈曲線8と平行な方向の端を屈曲線9として、透孔4、4aを空けた当接板片18A、18Aが連設される。挿入板片12Aで、屈曲線8と直角な方向の一方の端を屈曲線10として、透孔40bを空けた当接板片18A、18Aが連設される。屈曲線8の延長線で、両当接板片13A、13Aの間に、切り込み(間隙)6が形成される。
各当接板片13Aの切り込み6の反対側の端を屈曲線11として、透孔40aを空けた補強板片14Aがそれぞれ連設される。屈曲線10の延長線で、補強板片14Aと当接板片18Aとの間に切り込み(間隙)5が形成される。
このように形成される板体2は、外形が長方形(L×L)であり、材料に無駄が無い(図3(a))。
【0022】
3.金物15の製造方法
【0023】
(1) 図3(a)において、幅Lの長尺鋼板1の端部から長さLの板材2aを切り出す切断工程と、板材2aの適所に必要数の貫通孔3、透孔4、4a、40a、40bと切り込み5、5、6を設けて板体2を形成するプレス切断工程と、屈曲線8、9、9、10、10、11、11で屈曲するプレス屈曲工程によりこの発明の金物15を形成する。
なお、板材2aの切り出しと、貫通孔3、透孔4、4a、40a、40bと切り込み5、5、6を設けて板体2を形成する工程は同時に行うこともできる。
前記における切断、穿孔、屈曲の各プレス工程は従来使用されているプレス機に必要な型を取り付けて容易に行うことができる。
【0024】
(2) 長尺鋼板1の状態、板材2aの状態、または板体2を形成した状態の何れかの状態で、亜鉛メッキその他のメッキなど防錆処理を施す。この金物15では、溶接を使用しないので、屈曲成形する前の板状の材料の段階で防錆処理ができ、成形後の改めての防錆処理が不要である。
この種加工は、専用製造ラインの場合と、兼用製造ラインの場合とで加工順位が異なる場合がある。また、板体の切断、穿孔の加工ラインと、屈曲加工のラインとが異なることもある。
例えば、プレス穿孔、切断加工はA工場で加工し、プレス屈曲加工はB工場で行う場合もあり、更に渡金すれば別工場での渡金となることが多い。よって、この発明の製造方法は、加工工程の結合であって、工程の順序は必ずしも一定しないが、効率を考慮することは勿論必要であり、加工品を中途で容器に入れて運ぶような一貫作業を阻害する工程はなるべく避けることが好ましい。
【0025】
(3) 次に、板体2の加工手順について説明する。この加工は同一加工ラインを使用して連続的に製造することができる。
板体2を形成するまでの工程を第一工程とする(図7(a)〜(c))。
第二工程では、挿入板片12A、12A、支持板片13A、13Aに対して、当接板片18A及び補強板片14Aを、屈曲線9、11に沿って、直角に折り曲げる(図7(e)〜(f))。
第三工程では、挿入板片12A、12Aに対して、支持板片13A、13Aを、屈曲線10に対して、直角に折り曲げる(図8(a)〜(c))。この工程により、補強板片14A、14Aが当接板片18Aの下部にそれぞれ重なり、透孔40aと透孔4aとが連通する。
第四工程では、屈曲線8に沿って、凸となるように、V字状に折り曲げ(図8(f)鎖線図示)、挿入板片12A、12Aが重なるように加工して、ついで前記V字状を矢示16、16のように加圧して、挿入板片12A、12Aを重ねて二重壁の挿入板12を形成して(図8(e)〜(f))、金物15を構成する(図1、図2、図3(b))。
【0026】
4.金物15の使用
【0027】
(1) コンクリート製の基礎21上に、柱(図示していない)が立設され、柱の柱脚を束ねる足固め材7が形成されている(図9)。図中22はパッキングである。
大引き20設置位置に合わせて、足固め材7の側面7aに金物15の当接板18を当接して、ネジを透孔4、40a(4a)から足固め材7に打ち込み、金物15を足固め材7に固定する。なお、金物15と足固め材7との固定は、ネジに代えてボルトナットを使用することもできる(図示していない)。
ついで、大引き20を上方より吊り下げ、大引き20の溝19へ挿入板12を挿入すると共に、大引き20を下降させ、大引き20の端部下面を支持板13に載置し、大引き20の端面20aを当接板18に当接する。この際、大引き20のピン孔24と金物15の貫通孔3、3が連通するように配置され、必要ならば、大引き20の下面側で、支持板片13Aの透孔40bからビスを打ち、大引き20を仮止めする。
続いて、大引き20のピン孔24からドリフトピン23を打ち込み、ドリフトピン23を貫通孔3、3に貫通させて、ドリフトピン23を介して、金物15に大引き20を固定する。
以上のようにして、足固め材7に大引き20が接合される。
【0028】
(2) この発明は、足固め材7の側面7aへ一体的に固定されるので、足固め材7の側面が破壊されるのを確実に防止することができる。また、金物15と足固め材7の側面に接合する当接板18の一部に補強板14を重ねて二重壁としたので、足固め材7と大引き20とに外力が掛かった場合にも、金物15の強度範囲で変形防止し、大引き20の端部破壊が生じるおそれはない。
また、当接板18の一部を補強板14と重ね、重ねた部分で透孔4a、40aを連通させて、共通のビス類を貫通させるので、溶接を使用していないが該部が開くおそれが無い。
また、大引き20本来の強度に金物の耐変形強度が加わるので、地震などに対する耐抗力を有する。前記のように、この発明の成型加工は、切断以外はプレス加工であるから、寸法精度が高く、構成上の信頼度も高い。
【実施例2】
【0029】
この発明の他の実施例の金物17について説明する(図4、図5)。
【0030】
(1) 金物17は、前記実施例1の金物15で(貫通孔3は1箇所)、挿入板12に設けた貫通孔3a、3bを上下2箇所に設けた構成である(図4、図5、図6(b))。他の構成は前記実施例1と同様である。
また、この場合、前記実施例1と同様に、第一工程で板体2を形成し(図6(a))、以下、同様の工程で、屈曲線9、11で折り曲げ(第二工程)、屈曲線10で折り曲げ(第三工程)、屈曲線7で折り曲げ(第四工程)、金物17を構成する(図7、図8参照)。
【0031】
(2) この金物17の使用は、大引き20にピン孔24を1つとしたが、貫通孔3a、3bに対応させて大引き20にピン孔24、24を2つ形成する構成が異なるだけで、他は前記実施例1と同様である。
【符号の説明】
【0032】
1 長尺鋼板
2 板体
2a 板材
3 貫通孔
4、4a、40a、40b 透孔
5、6 切り込み
7 足固め材
7a 足固め材の側面
8、9、10、11 屈曲線
12 挿入板
12A 挿入板片
13 支持板
13A 支持板片
14 補強板
14A 補強板片
15、17 金物
19 大引きの溝
20 大引き
20a 大引きの端面
21 コンクリート製の基礎
23 ドリフトピン
24 大引きのピン孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一横架材の側面に、第二横架材の端面を接合する際に使用する金物であって、以下のように構成したことを特徴とする木材接合用の金物。
(1) 前記第二横架材は、端面中央から長手方向に設けて溝を形成し、前記金物は、前記溝へ挿入すべき挿入板の一側に、前記第一横架材の側面に当接する当接板を直角に設ける。
(2) 前記挿入板の下部に、前記第二横架材の下面を支持する支持板を、前記挿入板と直角に設け、前記挿入板に貫通孔を貫設する。
(3) 前記当接板の一部に、前記支持板に連設した補強板を屈曲して重ねる。
(4) 前記挿入板は、2枚の挿入板片を重ねて形成する。
(5) 前記当接板と前記補強板とを重ねた部分で、前記当接板に形成した少なくとも1つの透孔と、前記補強板に形成した少なくとも1つの透孔とが連通するように形成する。
【請求項2】
当接板と補強板とを重ねた際に連通する透孔において、前記当接板に形成した透孔が、前記補強板に形成した透孔より大径に形成される請求項1記載の木材接合用の金物。
【請求項3】
以下のような工程から、板体を加工して金物を製造することを特徴とする木材接合用金物の製造方法。
(1) 第一工程で、以下のような構造で、防錆処理をした板体を形成する。
第一屈曲線を挟んで両側に挿入板片を形成し、該挿入板片の一辺を第二屈曲線として、該部に、大透孔を空けた当接板片を連設する。前記挿入板片の他辺を第三屈曲線として、該部に、支持板片を連設し、該支持板片の一辺を第四屈曲線として、該部に、小透孔を空けた補強板片を連設する。
(2) 第二工程で、前記当接板片及び前記補強板片を、第二第四屈曲線に沿って直角に折り曲げる。
(3) 第三工程で、前記支持板片を、第三屈曲線に沿って直角に折り曲げ、前記補強板片を前記当接板片に重ね、前記補強片の小透孔を前記当接板片の大透孔に連通させる。
(4) 第四工程では、第一屈曲線に沿って折り曲げ、2枚の挿入板片を重ねて挿入板を形成し、前記2枚の当接板片から当接板を形成し、前記2枚の支持板片から支持板を形成し、前記2枚の補強板片から補強板を形成して金物を構成する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−91998(P2013−91998A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235520(P2011−235520)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000133135)株式会社タナカ (15)
【Fターム(参考)】