説明

木繊維板及びその製造方法

【課題】フェノール樹脂を含有せず、生産が簡素で、かつ、フェノール樹脂を含有させて製造した木質繊維板と較べても遜色のない曲げ強さ、耐水性を有する木質繊維板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の木質繊維板は、木質繊維と、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有し、分子量が80万〜300万であるポリアクリルアミド樹脂と、イオン性がカチオンであるパラフィンとのみからなる。また、本発明の木質繊維板の製造方法は、固形分濃度が2〜3質量%で、pHが3〜5となるようにスラリーを調製し、該スラリーにポリアクリルアミド樹脂とパラフィンのみを添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の内装、建材、家具などに用いられる木質繊維板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、木材を粉砕機等により木片化し、得られた木片を蒸煮し、リファイナー等で解繊して木質繊維とし、該木質繊維から繊維板を製造することが行われている。例えば、特許文献1には、木質繊維を分散した原料スラリーを丸網式抄造機によって抄造吸引脱水、成形乾燥して木質繊維板を製造する方法が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の製造方法では、繊維同士を結着するためにバインダーが必要である。バインダーとしては、糊料、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が例示されているが、強度、耐水性の面からフェノール樹脂が用いられてきた。
【0004】
しかし、近年、環境問題への関心が高く、フェノール樹脂による臭気及び揮発性有機化合物の発生が懸念されている。そのため、フェノール樹脂を含有しない木質繊維板が望まれている。
【0005】
そこで、本出願人は、フェノール樹脂を含有しない木質繊維板を検討し、特許文献2を出願している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−3300号公報
【特許文献2】特開2010−121058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2の木質繊維板は、フェノール樹脂に替えて、アクリル樹脂とビスフェノールAを含まないエポキシ樹脂を使用して製造されているので、フェノール臭がなく、揮発性有機化合物の発生も極めて少ない。
【0008】
しかし、特許文献2の木質繊維板では、バインダーとして、アクリル樹脂とビスフェノールAを含まないエポキシ樹脂の2種を使用し、更に、耐水性を向上させるためにパラフィンも必要とするので、設備面、作業面から煩わしく、簡素化が求められている。
【0009】
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであり、フェノール樹脂を含有せず、生産が簡素で、かつ、フェノール樹脂を含有させて製造した木質繊維板と較べても遜色のない曲げ強さ、耐水性を有する木質繊維板及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、木質繊維と、ポリアクリルアミド樹脂と、パラフィンとのみからなる木質繊維板を提供するものである。本発明の木質繊維板において、ポリアクリルアミド樹脂は、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有し、分子量が80万〜300万であり、パラフィンは、イオン性がカチオンである。ポリアクリルアミド系樹脂の含有量は、木質繊維の全固形分に対し0.1〜0.6質量%であり、パラフィンの含有量は、木質繊維の全固形分に対し0.2〜0.9質量%である。そして、木質繊維同士は互いに絡み合うとともに、該木質繊維間の隙間にポリアクリルアミド樹脂と、パラフィンが充填されている。
更に、本発明の木質繊維板においては、木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維を、木質繊維板の全固形分に対し10質量%未満含有することもできる。木質繊維板の廃材から得られた繊維を含有することにより、廃材の有効利用が促進される。
また、本発明は、木質繊維板の製造方法も提供する。本発明の木質繊維板の製造方法は、木質繊維を水に分散させてスラリーを製造する工程と、得られたスラリーにパラフィンとアクリルアミド系樹脂のみを添加し、抄造してマットを製造する工程と、得られたマットを熱圧プレスし、更に水打ち又は調湿処理した後に、養生する工程とからなる木質繊維板の製造方法である。スラリーを製造する工程では、スラリーは、固形分濃度が2〜3質量%で、pHが3〜5となるように調製し、マットを製造する工程では、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有し、分子量が80万〜300万であるポリアクリルアミド樹脂を、木質繊維の全固形分に対し0.1〜0.6質量%、イオン性がカチオンであるパラフィンを、木質繊維の全固形分に対し0.2〜0.9質量%添加する。なお、本発明の木質繊維板の製造方法においても、木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維を、木質繊維板の全固形分に対し10質量%未満含有させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、木質繊維板は、木質繊維と、ポリアクリルアミド樹脂と、パラフィンとのみからなるので、フェノール樹脂を含有しない。また、木質繊維同士は互いに絡み合うとともに、該木質繊維間の隙間にポリアクリルアミド樹脂と、パラフィンが充填されているので、フェノール樹脂を含有させて製造した木質繊維板と較べても遜色のない曲げ強さ、耐水性を有する。更に、本発明の木質繊維板の製造方法によれば、バインダーとしてはポリアクリルアミド樹脂しか使用しないので、生産が簡素で、かつ、フェノール樹脂を含有させて製造した木質繊維板と較べても遜色のない曲げ強さ、耐水性を有する木質繊維板を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0013】
本発明の木質繊維板は、木質繊維と、ポリアクリルアミド樹脂と、パラフィンとのみからなる。
【0014】
本発明の木質繊維は、木材を粉砕機等により木片化し、得られた木片を蒸煮し、リファイナーの解繊機により解繊して得られた繊維である。なお、木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維を木質繊維として含有しても良い。
【0015】
ポリアクリルアミド樹脂は、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有し、分子量が80万〜300万である。カチオン性基を有するモノマーとしては、2−(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム塩や2−(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルアミン系化合物などがあり、アニオン性基を有するモノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸やその塩などがある。イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有することにより、製造工程において、木質繊維とパラフィンを補足することができる。詳しくは、木質繊維板は製造工程において、まず、木質繊維を水に分散させ、pHが3〜5のスラリーとし、該スラリーにパラフィンとアクリルアミド系樹脂を添加するのだが、木質繊維は表面電位がアニオンであり、後述するパラフィンはイオン性がカチオンであるので、イオン性が両性であるポリアクリルアミド樹脂は、木質繊維とパラフィンの両方を補足することができる。また、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有することにより、pHが3〜5という木質繊維が分散した水の中でもフロックを形成することができるので、木質繊維を効率良く脱水することが可能となり、歩止まり良く木質繊維板のマットを製造することができ、更に、パラフィンを効率良く補足できるので、木質繊維板の耐水性が向上する。更に、ポリアクリルアミド樹脂の分子量が80万〜300万であることにより、液状では一定の粘度を有するので、木質繊維とパラフィンを補足しやすい。ポリアクリルアミド樹脂の分子量が80万未満では、木質繊維とパラフィンを補足した際に形成するフロックが小さく、歩止まりが悪く、分子量が300万を超えると、強力なフロックの形成により、脱水後の木質繊維板の内部に、木質繊維、ポリアクリルアミド樹脂、パラフィンの偏りが発生し、逆に木質繊維板の曲げ強さの低下を招く恐れがある。
【0016】
パラフィンは、イオン性がカチオンである。そのため、両性であるポリアクリルアミド樹脂に補足されやすいとともに、木質繊維は表面電位がアニオンであるので、木質繊維の表面にも固着されやすい。
【0017】
そして、本発明の木質繊維板は、木材を蒸煮、解繊して得られた繊維を、木質繊維板の全固形分に対し90質量%以上含有し、ポリアクリルアミド樹脂を、木質繊維の全固形分に対し0.1〜0.6質量%含有し、パラフィンを、木質繊維の全固形分に対し0.2〜0.9質量%含有する。また、木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維を、木質繊維板の全固形分に対し10質量%未満含有することもできる。木質繊維板の廃材として、製造工程で発生した木質繊維板の端材、不良板等を使用すると、製造工程での産業廃棄物を減らすことができるので、好ましい。
なお、ポリアクリルアミド樹脂を、木質繊維の全固形分に対し0.1〜0.6質量%含有するのは、0.1質量%よりも少ないと木質繊維とパラフィンの補足が十分ではなく、0.6質量%より多く入れても効果は上がらず、コスト増となるためである。パラフィンを、木質繊維の全固形分に対し0.2〜0.9質量%以下含有するのは、0.2質量%よりも少ないと木質繊維板の耐水性が悪く、0.9質量%を超えると木質繊維同士の絡みが悪くなり、木質繊維板の曲げ強さが低下するためである。
【0018】
そして、本発明の木質繊維板の製造方法は、木質繊維を水に分散させてスラリーを製造する工程と、得られたスラリーにパラフィンとアクリルアミド系樹脂のみを添加し、抄造してマットを製造する工程と、得られたマットを熱圧プレスし、更に水打ち又は調湿処理した後に、養生する工程とからなる。
【0019】
木質繊維を水に分散させてスラリーを製造する工程は、木材を粉砕し、リファイナー等の解繊機により蒸煮、解繊して得た木質繊維を水に分散して、固形分濃度が2〜3質量%で、pHが3〜5のスラリーを製造する。なお、木材と木質繊維板の廃材を併用し、木質繊維を製造しても良い。ここで、スラリーの固形分濃度を2〜3質量%とするのは、木質繊維を水に分散させるのに固形分濃度2〜3質量%が適切なためである。スラリーの固形分濃度が3質量%より多いと木質繊維を均一に分散しにくく、2質量%より少ないと、多量の水が必要となる。また、スラリーのpHを3〜5とするのは、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有するポリアクリルアミド樹脂が、木質繊維とパラフィンを効率良く補足するためである。該ポリマーはpHが3〜5の領域で効率良くフロックを形成することができる。
【0020】
得られたスラリーにパラフィンとアクリルアミド系樹脂のみを添加し、抄造してマットを製造する工程では、得られたスラリーに、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有し、分子量が80万〜300万であるポリアクリルアミド樹脂と、イオン性がカチオンであるパラフィンを添加する。なお、パラフィンとポリアクリルアミド樹脂は、同時に添加しても良いが、パラフィンを先に添加し、その後、ポリアクリルアミド系樹脂を添加しても良い。この時、パラフィンは木質繊維の全固形分に対し0.2〜0.9質量%、ポリアクリルアミド系樹脂は木質繊維の全固形分に対し0.1〜0.6質量%となるよう添加する。なお、パラフィンとポリアクリルアミド樹脂の木質繊維に対する割合は、全て固形分対比の値であり、この添加量とするのは、前述した理由からである。そして、得られたスラリーを金網上に流し出し、該金網の裏面から真空吸引脱水を行ってマットを抄造する。このような抄造により、表面側では、木質繊維は、長手方向が略水平になるように配向され、裏面側(金網側)では真空吸引により長手方向が略垂直になるように配向される。また、マットの裏面は、金網の網目が転写するので、粗面となっている。得られたマットは、必要であれば冷間プレスによって更に脱水される。なお、パラフィンとポリアクリルアミド樹脂を添加してから金網上に流し出すまでの間にスラリーを攪拌しても良い。
【0021】
更に、得られたマットは、熱圧プレスされる。熱圧プレスは、180〜220℃の温度で行われ、プレス圧は、2.5mm厚の木質繊維板の製造であれば、40kg/cmで30〜50秒、8〜10kg/cmで60〜180秒、20〜35kg/cmで60〜90秒の三段階圧締法により行われる。この三段階圧締法では、二段階目で圧力を下げるのでマットに含まれている水蒸気を抜けやすくし、マットのパンクを防止する。なお、三段階圧締法を行うプレス装置は、上型と下型を備えるが、該下型の型面に金網や多孔板をスペーサーとして敷設することでマットから搾り出された水をプレス装置から排出するようにしている。
【0022】
そして、プレス後、得られた木質繊維板は、水打ち、又は調湿処理されて、所定の含水率に調整し、一定期間養生した後、製品となる。
【0023】
次に、本発明の実施例をあげる。
【0024】
木材を粉砕し、リファイナーで蒸煮、解繊して木質繊維とし、水に分散して、固形分濃度が約2質量%で、pHが3〜5のスラリーとした。そして、得られたスラリーに、イオン性がカチオンであるパラフィンのエマルジョンと、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーを6:4のモル比で含有し、分子量が170〜200万で、イオン性が両性であるポリアクリルアミド樹脂を添加し、更に、該スラリーを1分攪拌してから、該スラリーを金網上に流し出し、該金網の裏面から真空吸引脱水を行ってマットを抄造した。なお、パラフィンは、固形分が木質繊維の全固形分に対し0.4質量%となるよう添加し、ポリアクリルアミド系樹脂は、固形分が木質繊維の全固形分に対し0.1質量%となるよう添加した。得られたマットは、180〜220℃の温度で、40g/cmで40秒、8〜10kg/cmで60〜180秒、30kg/cmで60〜90秒の三段階圧締法を行い、その後、調湿処理を行って木質繊維板を得たので、これを実施例1とした。
【0025】
ポリアクリルアミド樹脂を木質繊維の全固形分に対し0.4質量%添加した以外は実施例1と同様の条件で木質繊維板を製造し、実施例2とした。
【0026】
ポリアクリルアミド樹脂を木質繊維の全固形分に対し0.6質量%添加した以外は実施例1と同様の条件で木質繊維板を製造し、実施例3とした。
【0027】
木質繊維板の廃材を粉砕し、リファイナーで蒸煮、解繊して木質繊維を得た。そして、木材を蒸煮、解繊した木質繊維と、木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊した木質繊維を9:1の質量比で水に添加し、分散させ、固形分濃度が約2質量%で、pHが3〜5のスラリーとした。他は実施例1と同様の条件で木質繊維板を製造し、実施例4とした。
【0028】
木材を粉砕し、リファイナーで蒸煮、解繊して木質繊維とし、水に分散して、固形分濃度が約2質量%で、pHが3〜5のスラリーとし、該スラリーを金網上に流し出し、該金網の裏面から真空吸引脱水を行ってマットを抄造した。すなわち、スラリーには、ポリアクリルアミド樹脂、パラフィン、フェノール樹脂を添加しなかった。他は実施例1と同様の条件で木質繊維板を製造し、比較例1とした。
【0029】
木材を粉砕し、リファイナーで蒸煮、解繊して木質繊維とし、水に分散して、固形分濃度が約2質量%で、pHが3〜5のスラリーとした。そして、得られたスラリーに、イオン性がカチオンであるパラフィンのエマルジョンと、フェノール樹脂を添加し、他は実施例1と同様の条件で木質繊維板を製造し、比較例2とした。なお、パラフィンは、固形分が木質繊維の全固形分に対し0.4質量%となるよう添加し、フェノール樹脂は、固形分が木質繊維の全固形分に対し0.5質量%となるよう添加した。
【0030】
ポリアクリルアミド樹脂を木質繊維の全固形分に対し0.8質量%添加した以外は実施例1と同様の条件で木質繊維板を製造し、比較例3とした。
【0031】
そして、得られた実施例1〜4、及び比較例1〜3の各木質繊維板について、厚み、乾燥密度、含水率、曲げ強さ、吸水率を測定したので、その結果を表1に示す。なお、厚み、乾燥密度、含水率、曲げ強さ、吸水率は、 JIS A 5905−2003に準じて測定した。
【0032】
【表1】

【0033】
実施例1〜4の木質繊維板の曲げ強さ及び吸水率は、木質繊維のみからなる比較例1の木質繊維板よりも優れており、フェノール樹脂を添加して製造した比較例2の木質繊維板と比べても遜色ない結果であった。一方、ポリアクリルアミド樹脂を木質繊維の全固形分に対し0.8質量%添加した比較例3の木質繊維板は、比較例2の木質繊維板と比べると、曲げ強さに劣る結果であった。
【0034】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載の発明の範囲において種々の変形態を取り得る。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明したように、本発明によれば、フェノール樹脂を含有せず、生産が簡素で、かつ、フェノール樹脂を含有させて製造した木質繊維板と較べても遜色のない曲げ強さ、耐水性を有する木質繊維板及びその製造方法を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質繊維と、ポリアクリルアミド樹脂と、パラフィンとのみからなる木質繊維板であって、
ポリアクリルアミド樹脂は、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有し、分子量が80万〜300万であり、
パラフィンはイオン性がカチオンであり、
ポリアクリルアミド樹脂の含有量は、木質繊維の全固形分に対し0.1〜0.6質量%であり、
パラフィンの含有量は、木質繊維の全固形分に対し0.2〜0.9質量%であり、
木質繊維同士は互いに絡み合うとともに、該木質繊維間の隙間にポリアクリルアミド樹脂と、パラフィンが充填されている
ことを特徴とする木質繊維板。
【請求項2】
前記木質繊維は、木材及び木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維であり、
木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維を、前記木質繊維板の全固形分に対し10質量%未満含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の木質繊維板。
【請求項3】
木質繊維を水に分散させてスラリーを製造する工程と、
得られたスラリーにパラフィンとアクリルアミド系樹脂のみを添加し、抄造してマットを製造する工程と、
得られたマットを熱圧プレスし、更に水打ち又は調湿処理した後に、養生する工程と、
からなる木質繊維板の製造方法であって、
スラリーを製造する工程では、スラリーは、固形分濃度が2〜3質量%で、pHが3〜5となるように調製し、
マットを製造する工程では、イオン性が両性で、カチオン性基を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーをモル比で7:3〜3:7の比率で含有し、分子量が80万〜300万であるポリアクリルアミド樹脂を、木質繊維の全固形分に対し0.1〜0.6質量%、イオン性がカチオンであるパラフィンを、木質繊維の全固形分に対し0.2〜0.9質量%添加する
ことを特徴とする木質繊維板の製造方法。
【請求項4】
前記木質繊維は、木材及び木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維であり、
木質繊維板の廃材を蒸煮、解繊して得られた繊維を、前記木質繊維板の全固形分に対し10質量%未満含有させる
ことを特徴とする請求項3に記載の木質繊維板。

【公開番号】特開2012−96396(P2012−96396A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244404(P2010−244404)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000110860)ニチハ株式会社 (182)
【Fターム(参考)】