説明

木造建築物

【課題】 耐震性の向上を図るために主たる組み付け部分は金属を介して強化するのではなく、木材対木材とし、独自の加工技術を適用することで木材の快適さ、優しさを維持し、そして従来欠点とされていた強度向上を図り、十分な耐震性を付与することを目的とする。
【解決手段】 木造建築物であって、少なくとも一部の柱の下端を凹部状に形成して該柱を土台の上に乗せ、桁と柱の組み合わせ部分は車知栓締めにしたことを特徴とする木造建築物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木造建築物に関し、特に最近要望が高い大地震に対しても十分な耐震性を有する木造建築物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木造建築は鉄骨建築等に比較して耐震性が低いと言われている。その理由は細い木材を使用することや軸組の不十分さに主たる原因があると言われている。木造建築物の強度向上のために木材の連結に関する提案がされている(特許文献1)。また、柱と梁の組み付け方法として梁固定板などを使用して組み付けを強化する方法(特許文献2)がある。
【0003】
しかしながらこれらの強化方法を適用しても、主として木材と木材の間に金属を介した組み付け方法では木材の特長を十分引き出せていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2006−183338号
【特許文献2】特開2006−177153号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は耐震性の向上を図るために主たる組み付け部分は金属を介して強化するのではなく、木材対木材とし、独自の加工技術を適用することで木材の快適さ、優しさを維持し、そして従来欠点とされていた強度向上を図り、十分な耐震性を付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は木造建築物であって、少なくとも一部の柱の下端を凹部状に形成して該柱を土台の上に乗せ、梁と柱の組み合わせ部分は込み栓締めにしたことを特徴とする木造建築物によって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明になる木造建築物は木造建築が本質的に有している優れた外観、快適さ、優しさを維持しつつ、現在予想されている最大震度にも耐えうる耐震性を有している。また、補完的な部分を除いて実質的な部分には金属を使用することなく木材のみを使用しているので、木材が持っている良さを全面的に発揮しているのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
木造建築物であって、耐震性を高めることを目的に太い柱を使用する場合は少なくとも一部の柱の下端を凹部状に形成して該柱を土台の上に乗せることが大変重要である。これは図1に示すような工法である。勿論、更に固定を目的とした金具を使用することは耐震性の向上のためには好ましいことは言うまでもない。
車知栓締めとは図2に示す工法であり、胴差しした部分を強固に固定する方法であり、これによって桁と柱は非常に強固に固定できるものである。
以下具体的な方法について例示するが、本発明はこの記載に限定されるものではない。
【実施例1】
【0009】
一辺が30cmの正方形の大黒柱を1本、一辺の長さが18cmの正方形の通し柱を8本、一辺の長さが18cmの正方形の役柱を6本とした2階建て全面積が165m木造建築家屋を建築するに際して、大黒柱の下端は凹部に成形して一辺の長さが15cmの正方形の土台に乗せて金属板およびボルトで固定した。また、通し柱と桁の結合部分は全て車知栓締めとし、2本の車知栓を打ち込んだ。通し柱と梁との結合部分は込栓締めで固定した。更に、役柱と桁の結合部分は全て込栓締めで固定した。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】大黒柱と土台の組み合わせ(正面図)
【図2】大黒柱と土台の組み合わせ(側面図)
【図3】車知栓締め(正面図)
【図4】車知栓締め(側面図)
【符号の説明】
【0011】
1 大黒柱
2 土台
3 梁
4 アリ継ぎ手
5 車知栓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造建築物であって、少なくとも一部の柱の下端を凹部状に形成して該柱を土台の上に乗せ、桁と柱の組み合わせ部分は車知栓締めにしたことを特徴とする木造建築物。
【請求項2】
大黒柱は600cm以上、通し柱は300cm以上、役柱は300cm以上であることを特徴とする請求項1記載の木造建築物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−190206(P2008−190206A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25433(P2007−25433)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(300014428)協同組合 上之保デカ木住宅センター (1)
【Fターム(参考)】