説明

板壁耐力壁及び板耐力床

【課題】 落とし込み板壁のように意匠性に優れるとともに、従来の落とし込み板壁より施工性に優れ、かつ耐震性を向上させた板壁耐力壁とする。
【解決手段】 土台400に対して垂直に立設される2本の柱100と、この柱100の間に取り付けられて壁を構成し、柱100の間に取り付けられた状態で連なった溝250となる凹部210が形成された複数枚の横長の板材200と、この板材200の凹部210で構成される溝250に嵌まり込む嵌合補強部材300と、前記柱100の上端を連結し、前記土台400に対して平行になった横架材500とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二本の柱の間に横長の板材を複数段重ねて壁とする板壁耐力壁や、板材から構成される床に関する。
【背景技術】
【0002】
木造住宅の耐力壁には、現代工法である筋交い壁、合板などの各種の面材を使用した壁、伝統工法である土塗り壁、面格子壁、落とし込み板壁等がある。これら耐力壁は、建築基準法において壁倍率が設定されており、壁倍率に応じた設計を行うことにより住宅が建築できることになる。
【0003】
これらの耐力壁のうち、板材を主材に用いるものには、木摺り壁と落とし込み板壁とがあるが、これらの壁倍率はそれぞれ0.5、0.6と低く設定されているので、これら木摺り壁、落とし込み板壁のみで住宅を建設することは非常に困難である。
【0004】
伝統的な落とし込み板壁は、柱の側面に形成された溝に上側から複数枚の板材を順次落とし込んで壁材とするという手法をとるため、施工性に欠けるという欠点があったが、近年では、現場での施工性を向上させたり耐震性を高める工夫がされている。例えば、特開平08−246580号公報(特許文献1)に示すように、一枚の板材を接着してパネル材とし、このパネル材を柱の側面に形成された溝に上側から落とし込んで壁材とするというアイデアが開示されている。
【0005】
また、特開2007−063767号公報(特許文献2)では、柱の側面に形成された溝に上側から板材を順次落とし込んだ後に、板材に間柱部材を釘うちするというアイデアが開示されている。
【0006】
また、特許第2690259号公報(特許文献3)では、柱の側面に形成された溝に連なる開口部を切除して溝を開放し、この開口部から板材を挿入した上で押し下げて順次落とし込んで壁材等とするアイデアが開示されている。
【0007】
また、特許第3194724号公報(特許文献4)では、柱の間に順次落とし込んで積層される板材に上下方向に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に棒材を挿入するアイデアが開示されている。
【0008】
さらに、特開2003−053709号公報(特許文献5)では、板材に溝加工を施し、これらの板材を並べた状態で形成された溝に桟木を挿入し、板材側から桟木に向かって釘等の接合金具を打ち込むというアイデアが開示されている。
【0009】
さらに、雑誌『木材工業』64巻、2号、2009年、P91〜93(非特許文献1)には、板材に溝加工を施し、これらの板材を並べた状態で形成された溝に同寸法の合板を挿入し、釘等の接合金具は合板側から裏側の間柱へと打ち込むアイデアが開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開平08−246580号公報
【特許文献2】特開2007−063767号公報
【特許文献3】特許第2690259号公報
【特許文献4】特許第3194724号公報
【特許文献5】特開2003−053709号公報
【非特許文献1】雑誌『木材工業』64巻、2号、2009年、P91〜93
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した特許文献1記載の技術では、一枚のパネル材を取り付けるだけでよいという点で若干の施工性の改善はみられるが、複数枚の横長の板材が積層されているという落とし込み板壁のテイストはまったく残っておらず意匠性の点から問題がある。
【0012】
また、上述した特許文献2記載の技術には、板材を順次落とし込むという工程があるため、施工性は従前のものから改善されておらず、壁倍率も0.9と耐震性に欠けている。
【0013】
また、上述した特許文献3記載の技術では、柱の上端を横架材で連結した後に板材を開口部から順次落とし込むため、施工性の改善はみられない。
【0014】
また、上述した特許文献4記載の技術では、板材に連なる貫通孔を形成しているが、この貫通孔は高い加工精度が要求されるとともに、上側から棒材を挿入するという手間が生じる。なお、耐震性は、貫通孔と棒材との挿入状況によって変化するものであり、いちがいに耐震性が向上するとはいいがたいものがある。
【0015】
さらに、特許文献5記載の技術は、板材に溝を形成し、板材を並べた状態で形成された溝に桟木を挿入し、さらに釘等の接合金具を打ち込んでいるため、壁倍率は4.01と高く優れた耐震性を有している。しかし、桟木が出っ張った状態で板材に取り付けられており、しかも反対側では釘等の接合金具が露出しているため意匠性に欠けるという問題点がある。また、桟木は板材に対して接着剤でのみで取り付けられているため、耐久性に欠けるという問題点もある。
【0016】
さらに、非特許文献1に記載の技術は、特許文献5記載の技術と同様に耐震性には優れているが、片側で間柱が露出しており、反対側では釘等が露出しているため意匠性に欠けるという問題点がある。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、落とし込み板壁のように意匠性に優れるとともに、従来の落とし込み板壁より施工性に優れ、かつ耐震性を向上させた板壁耐力壁を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る板壁耐力壁は、土台に対して垂直に立設される柱と、この柱の間に取り付けられて壁を構成し、柱の間に取り付けられた状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材と、この板材の凹部で構成される溝に嵌まり込む嵌合補強部材と、前記柱の上端を連結し、前記土台に対して平行になった横架材とを有している。
【0019】
本発明に係る他の板壁耐力壁は、土台に対して垂直に立設される柱と、この柱の間に取り付けられるパネル材とを具備しており、前記パネル材は、パネル材になった状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材を組み合わせたものであって、前記溝に嵌合補強部材が嵌まり込むことでパネル材となっている。
【0020】
これら板壁耐力壁は、前記嵌合補強部材が嵌まり込んだ溝を覆い、前記板材に取り付けられる補強板を有している。
【0021】
また、これら板壁耐力壁は、平行に立設される柱と、この柱の間に取り付けられて壁を構成し、柱の間に取り付けられた状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材と、この板材の凹部で構成される溝に嵌まり込む嵌合補強部材と、この嵌合補強部材が嵌まり込んだ溝を覆い、前記板材に取り付けられる補強板を有する板壁耐力壁であって、さらにX字状に交差した斜め型補強板材を取り付けることもある。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る板壁耐力壁は、板材の凹部からなる溝に嵌合補強部材を嵌め込むことになるので、従来の落とし込み板壁より高い耐震性を確保することができる。しかも、従来の改良版のように釘等が露出することもないので、落とし込み板壁のもつ意匠性はいささかも衰えることがない。
【0023】
また、従来の落とし込み板壁のように板材を上側から1枚ずつ落とし込む必要がなく、板材を横方向から取り付け、後に枠部材で抑え込んで固定するので、施工性は大幅に向上している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体A)の概略的正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体B)の概略的正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体C)の概略的正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁の概略的背面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体A)の概略的A−A線断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体A)の概略的B−B線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体A)の荷重−せん断変形角曲線である。
【図8】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体B)の荷重−せん断変形角曲線である。
【図9】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁(試験体C)の荷重−せん断変形角曲線である。
【図10】本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁に対して水平加力試験を行う状態を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る板壁耐力壁に用いられる一体型嵌合補強部材の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態に係る板壁耐力壁は、例えば、図1に示すように、土台400に垂直に立設される2本の柱100と、この柱100の間に取り付けられて壁を構成し、柱100の間に取り付けられた状態で連なった溝250となる凹部210が形成された複数枚の横長の板材200と、この板材200の凹部210で構成される溝250に嵌まり込む嵌合補強部材300と、前記柱100の上端を連結し、前記土台400に対して平行になった横架材500とを有している。
なお、前記嵌合補強部材300は、補強板600の裏側に位置しているため目視できないが、図1においては説明のために点線で示している。
【0026】
前記柱100は、図1等に示すように、土台400の上に互いに平行、すなわち土台400に対して垂直に立設されている。かかる柱100の側面のうち、隣接する柱100と対向する側面には、図5に示すように、片側溝110が形成されている。この片側溝110は、四角柱状の一角を切り欠いて平面視略L字形状にすることで形成される。この片側溝110の切込み幅は、柱100と柱100との間に板材200を取り付けることができるように、板材200の長さ寸法と柱100の間の寸法との差の1/2に1mmの隙間を足して設定される。また、この片側溝110の切込み深さは、板材200の厚さ寸法と後述する補強板600の厚さ寸法との和より大きく設定されている。
【0027】
かかる柱100の間への板材200の取り付けは、土台400に形成された土台溝410に最下段の板材200の下辺を、最下段の板材200の両端を柱100の片側溝110に位置させ、さらに上側に板材200を積み重ねることで行われる。すべての板材200が積み重ねられて、最上段の板材200の上辺が横架材500の上側溝510に嵌まり込んだならば、片側溝100に位置する各板材200の両端を、柱100の側面に取り付けられる枠部材150によって片側溝110との間に挟み込むことで固定が完了する。
なお、最上段の板材200は、他の板材200より幅狭のものを使用する。
【0028】
なお、上側溝510への最上段の板材200の固定も枠部材150Uで行われる。
【0029】
また、この柱100の上端と下端とには凸部が形成されている。下端の凸部は前記土台400の孔に挿入される部分であり、上端の凸部は後述する横架材500の孔に挿入される部分である。このような柱100は、お互いに片側溝110を向けあった状態で平行に立設される。
【0030】
前記横架材500は、柱100の上端を連結するものであって、柱100の上端の凸部が挿入される孔が開設されている。この横架材500が柱100の上端に取り付けられると、柱100とは直交し、土台400とは平行になる。
【0031】
前記板材200は、横長の長方形状に形成されており、長手辺の一方にはサネ220が、長手辺の他方には前記サネ220に対応して凹溝230がそれぞれ形成されている。従って、この板材200を長手辺を横方向にした状態で上に積層していくと、サネ220と凹溝230とが嵌合してサネ継ぎされることになる。
【0032】
この板材200には、図5等に示すように、3つの凹部210が等間隔で形成されている。この凹部210は、板材200が柱100の間に嵌まり込んだ状態で、柱100と平行な縦方向の3つの溝250となるものである。この凹部210は、板材200の長手方向の中心部及び端部に板材200の長手辺に対して垂直に形成されている。
【0033】
前記嵌合補強部材300は、前記凹部210によって形成された縦方向の溝250に嵌まり込むものである。この嵌合補強部材300の長さ寸法は、壁の高さ寸法、すなわち土台400と横架材500との間の寸法に等しく設定されている。ただし、嵌合補強部材300は、何本かに分割しておくことも可能である。また、この嵌合補強部材300は、前記縦方向の溝250に嵌まり込むものであるため、幅寸法は溝250の幅寸法と同一、厚さ寸法は溝250の深さ寸法と同一に設定されている。
このため、嵌合補強部材300は、溝250にぴったりと嵌まり込むことになる。
【0034】
なお、この嵌合補強部材300の溝250への嵌め込みは、複数の板材200が柱100の間に取り付けられた状態で行われる。すなわち、複数の板材200を柱100の間に位置させた後、枠部材150を柱100に取り付けて、板材200を柱100の間において固定した後に行われるのである。
【0035】
溝250に前記嵌合補強部材300が嵌め込まれた状態で、嵌合補強部材300を隠すようにして補強板600が板材200に取り付けられる。この補強板600は、補強板600側から釘等の接合金具610を板材200に向かって打ち込むことで板材200に取り付けられる。
【0036】
上述した3つの嵌合補強部材300を有し、かつこの嵌合補強部材300をそれぞれ補強板600で覆った試験体A(図1参照)と、この試験体AにさらにX字状に交差した斜め型補強板700を2つ並べて板材200に取り付けた試験体B(図2参照)と、前記試験体AにさらにX字状に交差した斜め型補強板700を板材200に1つだけ取り付け試験体C(図3)を構成し、それぞれについて耐震性能についての試験を行った。
なお、試験体Cにおいては、補強板600と斜め型補強板700との交差部分では、補強板600の交差部分が切り取られ、斜め型補強板700では相欠き加工されている。
【0037】
なお、2本の柱100、土台400には105mm角のスギ材を使用し、横架材500には幅105mmで厚さ180mmのスギ材を使用した。また、板材200は、幅150mmで厚さ30mmのスギ本ざね加工材を使用した。また、嵌合補強部材300には、21mm角のスギ強化LVL材(LVLとは、ベニアを繊維方向をそろえて接着したものをいう(Laminated Veneer Lumber))を使用した。
【0038】
さらに、柱100と土台400、柱100と横架材500との接合は、スギ強化LVLL材の直径20mmの込み栓を用いた長ほぞ、込み栓接合とした。板壁耐力壁の寸法は、幅寸法(柱100の間隔)を1820mm、高さ寸法(土台400と横架材500との間隔)を2730mmとした。
【0039】
板壁耐力壁の水平加力試験は、標準的な試験方法に準拠し行った。
図10に示すように、各試験体A、B、Cの設置方法はタイロッド式とし、両側の柱100部分でタイロッドを用いて柱100の浮き上がりを防止するとともに、土台400の2箇所をボルトと座金で試験装置に固定した。
加力方法は正負交番繰り返し加力とし、見かけの変形角が1/600rad、1/450rad、1/300rad、1/200rad、1/150rad、1/100rad、1/75rad、1/50radの正負変形時にいて、それぞれ3回の繰り返し加力を行った後、圧縮方向の加力で破壊するものとした。
また、荷重速度は30mm/minとした。
横架材400の水平変位は精度1/20mmのひずみゲージ式ワイヤー変位計S1で、土台の水平変位は1/500mmのひずみゲージ式変位計S2でそれぞれ測定した。
垂直変位は、精度1/200mmのひずみゲージ式変位計S3を用いて左右の柱100の各2箇所及び土台400の両端で測定した。
荷重は、精度1/100kNのロードセルS4で測定した。
以上の測定は、データロガーを用いて1秒間隔の設定で行った。
【0040】
図7、図8、図9に各試験体A、B、Cの荷重−せん断変形角曲線を示す。これらのデータを用いて表1に示す板壁耐力壁の短期せん断耐力及び壁倍率を求めた。ここでは、以下の各式を用いて短期せん断耐力を算出した。
最大荷重:最大荷重×2/3
降伏耐力:降伏時の耐力
終局耐力:終局時の耐力×0.2/Ds (ただし、Ds:構造特性係数)
特定耐力:真の変形角が1/150radの時の耐力
壁倍率は短期せん断耐力の最小値を係数(=1.96)及び壁の長さ(=1.82m) で除して求めた。
【0041】
【表1】

【0042】
表1に示すように、嵌合補強部材300のみの試験体Aでは壁倍率は0.95となり、建設省告示第1100号に記載される落とし込み板壁の壁倍率0.6の1.6倍になった。この試験体AにさらにX字状に交差した斜め型補強板700を2つ並べて板材200に取り付けた試験体Bでは壁倍率は1.68となり、告示の板壁の2.8倍になった。さらに、前記試験体AにさらにX字状に交差した斜め型補強板700を1つ板材200に取り付けた試験体Cでは壁倍率は4.26となり、告示の板壁の7.1倍になった。
これらにより、本発明の板壁耐力壁では極めて優れた耐震性を有していることが確認できた。
【0043】
上述した試験体A〜Cでは、2本の柱100、土台400及び横架材500にはスギ材を使用したが、ヒノキ材等の木材であってもよい。また、補強板600や斜め型補強板700はスギ材を使用したが、ヒノキ材等の木材や合成樹脂製のものであってもよい。
また、嵌合補強部材300や込み栓にはスギ強化LVL材を使用したが、かし材等の密度の高い木材であってもよい。
さらに、上述した試験体A〜Cに使用された板材200は、サネ継ぎされるようにサネ加工が施されたものであったが、上向き三角状の山型凸部と、下向き三角型の谷型凹部とを組み合わせるものであってもよいし、平坦になったものであってもよい。
【0044】
さらに、上述した実施の形態では、嵌合補強部材300とそれを覆う補強板600とが別体になっていたが、図11に示すように、溝250に嵌まり込む補強凸部810と、この補強凸部810より大きく前記板材200に取り付けられる補強部820とが一体になった一体型嵌合補強部材800を使用することも可能である。
【0045】
この一体型嵌合補強部材800を使用すると、嵌合補強部材300を取り付けた後に補強板600を取り付けるという2回の工程が、一体型嵌合補強部材800を取り付けるという1回の工程となり、施工性が向上するというメリットがある。
【0046】
また、上述した実施の形態では、壁を構成する複数枚の板材200を現場で柱100の間に取り付けるとして説明したが、工場等において複数枚の板材200を1枚又は分割したパネル材としておくことも可能である。
この場合には、板材200に形成される凹部210からなる溝250に嵌合補強部材300を取り付けることで1枚のパネル材とするのである。
このように予め現場以前に板材200をパネル材としておくと、施工性の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、上述した実施の形態では、壁のみを説明したが、板材200を平面上に位置させることで板耐力床を構成することも可能である。
この場合、この板耐力床は、平行かつ水平に設けられる横架材と、これらと直交しかつ水平に設けられる横架材との間に取り付けられて床を構成し、横架材の間に取り付けられた状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材と、この板材の凹部で構成される溝に嵌まり込む嵌合補強部材とを有してる。
【符号の説明】
【0048】
100 柱
110 片側溝
150 枠部材
150U 枠部材
200 板材
210 凹部
220 サネ
230 凹溝
250 溝
300 嵌合補強部材
400 土台
410 土台溝
500 横架材
510 上側溝
600 補強板
610 接合金具
700 斜め型補強板
800 一体型嵌合補強部材
810 補強凸部
820 補強部
A、B、C 試験体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土台に対して垂直に立設される柱と、この柱の間に取り付けられて壁を構成し、柱の間に取り付けられた状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材と、この板材の凹部で構成される溝に嵌まり込む嵌合補強部材と、前記柱の上端を連結し、前記土台に対して平行になった横架材とを具備したことを特徴とする板壁耐力壁。
【請求項2】
土台に対して垂直に立設される柱と、この柱の間に取り付けられるパネル材とを具備しており、前記パネル材は、パネル材になった状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材を組み合わせたものであって、前記溝に嵌合補強部材が嵌まり込むことでパネル材となったものであることを特徴とする板壁耐力壁。
【請求項3】
前記嵌合補強部材が嵌まり込んだ溝を覆い、前記板材に取り付けられる補強板を有することを特徴とする請求項1又は2記載の板壁耐力壁。
【請求項4】
土台に対して垂直に立設される柱と、この柱の間に取り付けられて壁を構成し、柱の間に取り付けられた状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材と、この板材の凹部で構成される溝に嵌まり込む嵌合補強部材と、この嵌合補強部材が嵌まり込んだ溝を覆い、前記板材に取り付けられる補強板を有する板壁耐力壁において、さらにX字状に交差した斜め型補強板材を取り付けたことを特徴とする板壁耐力壁。
【請求項5】
土台に対して垂直に立設される柱と、この柱の間に取り付けられて壁を構成し、柱の間に取り付けられた状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材と、この板材の凹部で構成される溝に嵌まり込む補強凸部を有するとともに、この補強凸部より大きく前記板材に取り付けられる補強部とが一体になった一体型嵌合補強部材とを具備したことを特徴とする板壁耐力壁。
【請求項6】
前記板材は、一方の縁部にはサネが、他方の縁部には前記サネに対応した凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の板壁耐力壁。
【請求項7】
前記柱には対向する側面に板材が嵌まり込む片側溝が形成されており、片側溝に板材を嵌め込んだ後に板材の端部を抑え込む枠部材を前記柱に取り付けることで、板材が柱の間に固定されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の板壁耐力壁。
【請求項8】
平行かつ水平に設けられる横架材と、これらと直交しかつ水平に設けられる横架材との間に取り付けられて床を構成し、横架材の間に取り付けられた状態で連なった溝となる凹部が形成された複数枚の横長の板材と、この板材の凹部で構成される溝に嵌まり込む嵌合補強部材とを具備したことを特徴とする板耐力床。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−52324(P2012−52324A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194444(P2010−194444)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年3月5日 日本木材学会発行の「第60回日本木材学会大会研究発表要旨集(CD−ROM)」に発表
【出願人】(000225142)奈良県 (42)
【Fターム(参考)】