説明

枚葉フィルムの加工装置

【課題】多品種少量の機能性フィルムに効率よく粘着性を付与することができる枚葉フィルムの加工装置を提供する。
【解決手段】枚葉フィルムFSの表面に粘着剤層aを形成する加工装置であって、
枚葉フィルムFSが上面に載せられ、上面に沿って枚葉フィルムFSが移動する搬送手段10と、搬送手段10上の枚葉フィルムFSに、離型フィルムRSの表面に粘着剤層aが形成された粘着フィルムAS2を、粘着剤層aが枚葉フィルムFSの表面に面接触するように重ねて製品シートPSを形成する製品シート形成手段20と、を備えており、搬送手段10は、製品シート形成手段20に向かって移動するキャリアフィルム15を備えている。粘着フィルムAS2上に枚葉フィルムFSが貼り付けられた製品シートPSを連続して形成することができる。枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15に載せるだけでよいから、製品シートPSを形成する作業工数を少なくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉フィルムの加工装置に関する。さらに詳しくは、各種機能性フィルム(偏光フィルムや位相差フィルム、反射防止フィルムなどの光学フィルム等)を所定の大きさに加工した枚葉フィルムに対して粘着性を付与するために使用される枚葉フィルムの加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学フィルムなどの機能性フィルムは、他の部材に積層して使用されており、他の部材に対して貼り合わせる場合には、通常、粘着剤が使用される。
かかる粘着剤は、機能性フィルムを他の部材に積層する前に、機能性フィルムの表面や機能性フィルムが貼り合わせられる他の部材の表面、または、両者の表面にコーティングされるのであるが、このコーティング作業は塗布、乾燥あるいは養生に時間を要するという問題がある。
【0003】
そこで、機能性フィルムの表面に粘着剤層を形成する方法として、一対の離型フィルム(セパレータ)間に粘着剤層が設けられたフィルム(いわゆるノンキャリアフィルム)と機能性フィルムとを貼り合わせる方法が採用されている。
【0004】
この方法では、一般に、ロール原反から繰り出される連続した機能性フィルム(連続機能性フィルム)と、ロール原反から繰り出される連続したノンキャリアフィルム(連続ノンキャリアフィルム)とを重ね合わせた状態で貼合ローラー(ニップローラーあるいは圧着ローラー)間を通して、両者を圧着することによって、連続機能性フィルムに粘着剤層を形成している(特許文献1)。
具体的には、連続ノンキャリアフィルムから一方の離型フィルムを剥がして粘着剤層を露出させた連続粘着フィルムを形成し、この連続粘着フィルムの粘着剤層が連続機能性フィルムの表面と対向した状態となるようにして貼り合わせている。すると、連続機能性フィルムと連続粘着フィルムを構成する離型フィルムとの間に粘着剤層が形成されたシート、言い換えれば、連続機能性フィルムの表面に粘着剤層を有するシート(以下、製品シートという)が形成されるのである。
【0005】
従来、粘着性を有する機能性フィルムは少品種のものが大量に必要とされていたので、上述したような方法によって長尺な連続した製品シート(連続製品シート)を製造し、かかる連続製品シートをロール形状で出荷することが一般的であった。
【0006】
しかるに、近年、粘着性を有する機能性フィルムとして、サイズや形状、そのフィルムの有する機能が異なるものが、少量ずつ求められるようになってきている。つまり、粘着性を有する機能性フィルムとして、多品種が少量ずつ求められるようになってきている。
例えば、液晶ディスプレイに使用される光学フィルムであれば、液晶ディスプレイのサイズ、形状、種類などが多岐に亘ることから、使用される光学フィルムも、各液晶ディスプレイに合わせたサイズや形状、種類のものが必要となる。
【0007】
このような多品種が少量ずつ要求される状況に対応する方法として、従来と同様に、各品種の製品シートを一度に大量生産した上で長尺のロールとして保管しておき、注文に応じて短尺のロールに巻きなおして出荷する方法も採用できる。
しかし、この場合には、各製品シートを在庫として保管しておく期間が長くなるという問題が生じる。離型フィルムは粘着剤と接する面にシリコーン処理などの離型処理が施されている場合が多く、この様な離型フィルムを粘着剤層と接触させたまま長期間おいておくと、シリコーンが粘着剤層を侵食して粘着剤層の粘着性が低下する。つまり、製品シートは、保管している間に粘着剤の粘着力の低下が生じる可能性があるので、長期間在庫しておくことができないのである。
【0008】
かといって、注文に応じて製品シートを少量ずつ製造する場合には、毎回、連続機能性フィルムや連続粘着フィルムのロール原反を装置にセットする必要がある。すると、各ロール原反をセットするために使用される各フィルムの先端部や、ロール原反から繰り出されたものの粘着加工されなかった各フィルムの尾端部を廃棄しなければならず、その分だけ連続機能性フィルムや連続粘着フィルムをロスすることになる。
しかも、かかるロスは、製品シートを製造する度に、加工装置に固有の長さで発生するので、製造される製品シートの長さが短くなればなるほど、このロスが製品シートの製造コストに占める割合が大きくなる。
【0009】
一方、製品シートを製造する方法として、上述した方法に代えて、連続機能性フィルムと連続粘着フィルム(または連続ノンキャリアフィルム)を所定の大きさのフィルム(枚葉フィルム)に加工した上で両者を貼り合わせる方法も採用できる。この方法の場合、枚葉フィルムに加工した後に貼り合わせを行うので、各フィルムにおける上述したようなロスは抑えることができる。
しかし、この方法の場合、両フィルムを貼り合わせる作業に加えて、両者の位置を合わせる作業等が必要になる。ノンキャリアフィルムの場合には、所定の形状に裁断した後でノンキャリアフィルムから一方の離型フィルムを剥がす作業が必要になる。そして、これらの作業を枚葉毎に行わなければならないので、生産性も悪くなる。しかも、粘着フィルムと機能性フィルムとを貼り合わせるときに、しわができやすくなるという問題も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭63−224928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記事情に鑑み、枚葉フィルムに対して連続的に効率よく粘着性を付与することができ、しかも、粘着性を付与するために粘着フィルムを枚葉フィルムに貼り合わせた際に皺、歪が形成されることを防ぐことができる枚葉フィルムの加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1発明の枚葉フィルムの加工装置は、枚葉フィルムの表面に粘着剤の層を形成する加工装置であって、前記枚葉フィルムが上面に載せられるキャリアフィルムを備えた搬送手段と、該キャリアフィルム上の前記枚葉フィルムに、離型フィルムの表面に粘着剤層が形成された粘着フィルムを、該粘着剤層が前記枚葉フィルムの表面に面接触するように重ねて製品シートを形成する製品シート形成手段と、を備えており、前記キャリアフィルムは、前記製品シート形成手段に向かって移動するものであることを特徴とする。
第2発明の枚葉フィルムの加工装置は、第1発明において、前記製品シート形成手段は、前記枚葉フィルム、前記粘着フィルムおよび前記キャリアフィルムを積層した状態で挟んで加圧する一対の貼合ローラーを備えており、該一対の貼合ローラーを回転させる駆動手段を備えていることを特徴とする。
第3発明の枚葉フィルムの加工装置は、第1または第2発明において、前記搬送手段は、上面が、前記キャリアフィルムの移動を案内する平滑な平坦面に形成された案内プレートを備えていることを特徴とする。
第4発明の枚葉フィルムの加工装置は、第1、第2または第3発明において、前記キャリアフィルムが、前記製品シート形成手段よりも上流側において屈曲されており、該屈曲している部分に位置する前記枚葉フィルムに対してコロナ放電処理を行うコロナ放電処理手段が配設されていることを特徴とする。
第5発明の枚葉フィルムの加工装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記キャリアフィルムは、前記製品シート形成手段よりも上流側に、該製品シート形成手段側に向かって上傾した傾斜面を有していることを特徴とする。
第6発明の枚葉フィルムの加工装置は、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記製品シートは、前記キャリアフィルムと前記粘着フィルムによって挟まれた層状シートであることを特徴とする。
第7発明の枚葉フィルムの加工装置は、第1、第2、第3、第4、第5または第6発明において、前記製品シート形成手段は、前記製品シートを前記枚葉フィルム間で切断して枚葉製品シートを形成する枚葉製品シート形成部を備えていることを特徴とする。
第8発明の枚葉フィルムの加工装置は、第1、第2、第3、第4、第5、第6または第7発明において、前記枚葉フィルムが、光学フィルムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明によれば、枚葉フィルムを搬送手段のキャリアフィルム上に載せて製品シート形成手段に送り、粘着フィルムを粘着剤層が枚葉フィルムの表面に面接触するように重ね、製品シート形成手段にて両者を貼り合わせることにより、粘着フィルム上に枚葉フィルムが貼り付けられた製品シートを連続して形成することができる。しかも、連続して移動するキャリアフィルム上に枚葉フィルムを載せるだけでよいから、製品シートを形成する作業工数を少なくできる。また、キャリアフィルム上に載せる枚葉フィルムを変更するだけで、異なる種類の製品シートを形成することができるので、製品シートの種類変更に伴うロスを少なくすることができる。
第2発明によれば、駆動手段によって一対の貼合ローラーを駆動すれば、一対の貼合ローラーと、粘着フィルム、キャリアフィルムとの間の摩擦力によって、粘着フィルム、キャリアフィルム、枚葉フィルムが重なったシート(積層シート)を、一対の貼合ローラー間に引き込むことができる。つまり、一対の貼合ローラーの回転力によって積層シートに対して引っ張るように力が加わり、一対の貼合ローラー間に積層シートを構成する全てのフィルムを同速度で移送させることができるので、積層シートにおける枚葉フィルムと粘着フィルムとを貼り合わせた面に皺が発生することを防ぐことができる。
第3発明によれば、キャリアフィルムは案内プレートの上面と面接触した状態で移動するが、案内プレートの上面が平滑な平坦面であるから、キャリアフィルムを案内プレートの上面に沿ってスムースに移動させることができ、移動シート等が蛇行することを防ぐことができる。
第4発明によれば、キャリアフィルム全体が水平に配設されている場合に比べて、搬送手段をコンパクト化することができるので、装置を設置する場所の自由度を高くすることができる。また、コロナ放電処理手段を、キャリアフィルムが屈曲されている部分に配設すれば、コロナ放電処理を行うためにキャリアフィルムを特別に屈曲させる必要がないから、搬送手段の構造を簡素化することができる。
第5発明によれば、製品シート形成手段側に向かって上傾した傾斜面を有しているので、この傾斜面上に枚葉フィルムを載せれば、枚葉フィルムは傾斜面に沿って伸ばされる。すると、枚葉フィルムを傾斜面上に載せたときに、枚葉フィルムに皺などができにくくなるので、枚葉フィルムに皺ができた場合におけるトラブル(例えば、製品シートがディスプレイ等に用いられるシートであれば、ディスプレイ表面の鮮明さが低下したり、表示ムラが現れたりする等のトラブル)を防ぐことができる。
第6発明によれば、製品シートが、キャリアフィルムと粘着フィルムによって枚葉フィルムが挟まれた構造を有する層状シートであるから、キャリアフィルムによって枚葉フィルムを保護することができ、保管や搬送時に、枚葉フィルムが損傷することを防ぐことができる。
第7発明によれば、枚葉製品シート形成部によって枚葉フィルム間で製品シートを切断すれば、枚葉製品シートを形成することができる。そして、異なる機能・サイズの枚葉フィルムをキャリアフィルムに供給して、異なる機能・サイズの枚葉フィルム間で製品シートを切断するだけで、製造される枚葉製品シートの種類を変更できる。しかも、枚葉製品シートは、含有される枚葉フィルムごとに切断されているので、多品種少量生産しても、枚葉製品シートを種類ごとに分けて管理することが容易になる。
第8発明によれば、光学部材に任意の機能を付与できる製品シートを、容易かつフレキシブルに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1の要部概略説明図である。
【図2】(A)はキャリアフィルム15に枚葉フィルムFSが載せられて搬送されている状態の概略平面図であり、(B)はキャリアフィルム15において傾斜面15bが形成されている部分の概略説明図である。
【図3】本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1によって製造される枚葉製品シートPSの概略説明図であり、(A)は平面図であり、(B)は概略部分断面図である。
【図4】本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の枚葉フィルムの加工装置は、枚葉フィルムに対して粘着性を付与するために使用される装置であって、枚葉フィルムに、離型フィルムの表面に粘着剤層が形成された粘着フィルムを貼り付けるものである。
【0016】
なお、本発明の枚葉フィルムの加工装置によって粘着性が付与される枚葉フィルムは、とくに限定されない。例えば、各種機能性フィルム(偏光フィルムや位相差フィルム、反射防止フィルムなどの光学フィルム等)を所定の大きさに加工したフィルムを挙げることができる。
【0017】
また、枚葉フィルムの形状や大きさはとくに限定されず、枚葉フィルムに粘着フィルムが貼り付けられたシート(以下、製品シートという)が最終的に使用されるときの状態に合わせて形成されていればよい。例えば、携帯電話のディスプレイ等に使用される製品シートであれば、ディスプレイの形状やサイズのものを、製品シートから所定数、ロスなく裁断あるいは打ち抜くことができる大きさであればよい。
【0018】
(枚葉製品シートPSの説明)
本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1について説明する前に、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1によって製造される枚葉製品シートPSについて、図3に基づいて説明する。
なお、図3では、枚葉製品シートPSの各部の構造が分かり易くなるように強調して記載しており、各部のサイズや相対的な比率は必ずしも実際の枚葉製品シートPSにおける各部のサイズ等と一致していない。この点は、他の図(図1、図2、図4)でも同様である。
【0019】
図3に示すように、枚葉製品シートPSは、上述したような各種機能性フィルムを所定のサイズに形成した枚葉フィルムFSを有しており、この枚葉フィルムFSを、離型フィルムRSと保護フィルムGSによって挟んだ構造を有している。そして、離型フィルムRSと枚葉フィルムFSとの間には、粘着剤層aが設けられている。
かかる構造であるので、枚葉製品シートPSにおいて、離型フィルムRSを剥がせば粘着剤層aが露出するので、この粘着剤層aによって、枚葉フィルムFSを他の部材に貼り付けることができるのである。
【0020】
なお、枚葉製品シートPSは、離型フィルムRSと保護フィルムGSとを備えているものに限られず、保護フィルムGSを設けず、離型フィルムRSだけが設けられたものでもよい。しかし、保護フィルムGSを設けておけば、保護フィルムGSによって枚葉フィルムFSを保護することができるから、枚葉製品シートPSの保管中や搬送時に、枚葉フィルムFSが損傷することを防ぐことができる。
【0021】
つぎに、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1について説明する。
図1および図4に示すように、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1は、枚葉フィルムFSを載せて搬送する搬送手段10と、搬送手段10によって搬送される枚葉フィルムFSに粘着性を付与して製品シートPSを形成する製品シート形成手段20と、を備えている。
【0022】
(搬送手段10について)
図1、図2および図4に示すように、搬送手段10は、原反ロール15aから順次繰り出される連続した一続きのシートである連続キャリアフィルム15を備えている。この連続キャリアフィルム15は、その上面に枚葉フィルムFSが載せられるものである。そして、連続キャリアフィルム15は、前記枚葉製品シートPSが形成されると前記保護フィルムGSとなるものである。
【0023】
前記連続キャリアフィルム15の原反ロール15aと、後述する製品シート形成手段20の貼合部21との間には、連続キャリアフィルム15の移動を案内する案内プレート11、12が設けられている。この案内プレート11、12は、ステンレス等を素材として形成された部材であり、その上面が平滑な面に形成されたものである。つまり、案内プレート11、12は、その上面に沿って連続キャリアフィルム15を滑らせることができ、連続キャリアフィルム15が製品シート形成手段20の貼合部21に向かってスムースに移動できるように形成されているのである。
【0024】
なお、案内プレート11、12の上面に、連続キャリアフィルム15の移動方向に沿って、溝状の凹みを形成してもよい。かかる溝状の凹みが形成されていれば、案内プレート11、12と連続キャリアフィルム15との間の密着性を低下させることができるので、案内プレート11、12の上面に沿った連続キャリアフィルム15の移動をよりスムースにすることができるという利点が得られる。また、溝状の凹みを形成する位置を調整すれば、この溝状の凹みを、枚葉フィルムFSを連続キャリアフィルム15の上に載せる際の目印とすることも可能である。
【0025】
(製品シート形成手段20について)
図1に示すように、製品シート形成手段20は、搬送手段10によって搬送される枚葉フィルムFSに対して、粘着フィルムAS2を貼り合わせる貼合部21を備えている。
【0026】
この貼合部21は上下一対の貼合ローラーを備えており、この上下一対の貼合ローラーのうち、一方の貼合ローラー(例えば下方のローラー)は、モータ等の駆動手段によって駆動されている。
なお、他方のローラー(例えば上方のローラー)は自由回転できるフリーローラーであるが、両ローラーが駆動手段によって同期して回転するようにしてもよい。
【0027】
図1に示すように、前記上下一対の貼合ローラー間には、枚葉フィルムFSが上面に載せられた連続キャリアフィルム15および粘着フィルムAS2が挿通されている。
【0028】
この貼合部21に供給される粘着フィルムAS2は、連続した一続きのフィルム(連続粘着フィルムAS2)である。具体的には、原反ロールA1から繰り出される連続した一続きの原粘着シートAS1(連続原粘着シートAS1)から離型フィルムRSを剥離して形成された連続した一続きのフィルムである。
なお、原粘着シートAS1は、一対の離型フィルムRS、RSの間に粘着剤層aが設けられた構造を有するシートである。
【0029】
そして、連続粘着フィルムAS2は、離型フィルムRSが剥離されて露出した粘着剤層aが連続キャリアフィルム15に向いた状態、言い換えれば、粘着剤層aが枚葉フィルムFSに向いた状態となるように、上下一対の貼合ローラー間に供給されている。
【0030】
(本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1の作用効果)
以上のごとき構成であるので、製品シート形成手段20の貼合部21の上流側(図1では右側)において、連続キャリアフィルム15の上面に枚葉フィルムFSを配置する(図2(A)参照)。この連続キャリアフィルム15を貼合部21における上下一対の貼合ローラー間に供給し、また、連続粘着フィルムAS2も、粘着剤層aが枚葉フィルムFSに向いた状態で、貼合部21における上下一対の貼合ローラー間に供給する。
【0031】
すると、貼合部21における上下一対の貼合ローラー間において、その連続粘着フィルムAS2の粘着剤層aと枚葉フィルムFSの上面とが面接触し、しかも、その状態で上下一対の貼合ローラーによって挟まれるので、枚葉フィルムFSと連続粘着フィルムAS2とを貼り合わせることができる。
【0032】
そして、連続キャリアフィルム15及び連続粘着フィルムAS2が順次貼合ローラー間に供給されることによって、複数の枚葉フィルムFSと連続粘着フィルムAS2とが貼りあわされた連続した一続きのシート(連続製品シート)が製造される。
【0033】
この連続製品シートは、貼合部21を通過した後、シートを裁断する装置や作業者の手によって枚葉フィルムFS間で裁断される。すると、枚葉フィルムFSを一枚ずつ有する枚葉製品シートPSを製造することができるのである。
【0034】
以上のごとく、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1によれば、枚葉フィルムFSを連続した一続きの連続キャリアフィルム15の上面に載せて製品シート形成手段20の貼合部21に送り、かつ、連続した一続きの連続粘着フィルムAS2を製品シート形成手段20の貼合部21に送るだけで、枚葉フィルムFSに粘着剤層aが設けられた枚葉製品シートPSを連続して形成することができる。つまり、複数の枚葉フィルムFSに連続して粘着性を付与できるのである。
【0035】
また、枚葉フィルムFSを連続キャリアフィルム15に載せ、連続製品シートを裁断するだけで、枚葉製品シートPSを連続して形成することができるから、枚葉製品シートPSを形成する作業工数を少なくできる。
【0036】
しかも、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1として、従来の大量生産を目的とした製造装置、つまり、連続した一続きの機能性フィルムと連続した一続きの粘着フィルムとを貼り合わせて、連続した一続きの製品シートを製造する装置を利用することができる。つまり、従来の製造装置において、連続した一続きの機能性フィルムに代えて連続キャリアフィルムを搬送するようにして、このキャリアフィルムの搬送経路の途中に、枚葉フィルムFSをキャリアフィルム上に配置する機構または装置を設ければ、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1とすることができる。すると、既存の装置を有効利用して、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1を形成することができるという利点も得られる。
【0037】
さらに、所定の大きさに形成された枚葉フィルムFSを連続キャリアフィルム15に載せているので、連続キャリアフィルム15に載せる枚葉フィルムFSの種類を変更するだけで、簡単かつ容易に枚葉製品シートPSの種類を変更することができる。つまり、キャリアフィルム15(保護フィルムGS)と離型フィルムRSに挟まれている枚葉フィルムFSが異なる枚葉製品シートPSを製造することができる。したがって、枚葉製品シートPSの種類変更が容易になり、簡単に多品種少量生産を行うことができる。
しかも、枚葉製品シートPSは、含有される枚葉フィルムFSごとに切断されているので、多品種少量生産しても、枚葉製品シートPSを種類ごとに分けて管理することが容易になる。
【0038】
なお、上記例では、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1によって枚葉フィルムFSを一枚のみ有する枚葉製品シートPSを製造する場合を説明した。
しかし、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1によって製造される枚葉製品シートPSは、一枚の枚葉製品シートPSに複数枚の枚葉フィルムFSが含まれていてもよい。例えば、2つの枚葉フィルムFSをセットで使用する場合であれば、セットで使用する枚葉フィルムFSが一枚の枚葉製品シートPSに含まれるようにしてもよい。
また、連続した離型フィルムRSと連続したキャリアフィルム15との間に、複数の枚葉フィルムFSが挟まれた長尺な連続製品シートを形成してもよいのはいうまでもなく、この場合には、貼合部21を通過した長尺な製品シートをロール状(図4ではロールPRが相当する)に巻くようにすればよい。
【0039】
さらに、連続キャリアフィルム15および連続粘着フィルムAS2は、ある程度圧力が加わった状態で上下一対の貼合ローラー間に挟まれているので、貼合ローラーの回転力が連続キャリアフィルム15および連続粘着フィルムAS2に加わる。このため、貼合ローラーの回転力によって、連続キャリアフィルム15及び連続粘着フィルムAS2は、順次貼合ローラー間に移動される。つまり、貼合ローラーは、連続キャリアフィルム15および連続粘着フィルムAS2を移動させる移動手段として機能するのである。すると、貼合ローラー間に連続キャリアフィルム15および連続粘着フィルムAS2が同じ速度で供給されるから、各フィルムに皺ができにくくなり、製品シートPSに皺などが形成されることを防ぐことができる利点が得られる。
【0040】
かかる利点を得る上では、連続キャリアフィルム15および連続粘着フィルムAS2に対してある程度の張力(つまり、連続キャリアフィルム15および連続粘着フィルムAS2が張った状態となる程度の張力)が、加わっていることが好ましい。かかる条件を満たす上では、連続キャリアフィルム15の原反ロール15aや連続原粘着シートAS1の原反ロールA1を繰り出す機構が、各原反ロールを回転させたり、その回転を制御したりするブレーキ等を備えていることが好ましい。また、図4に示すように、連続原粘着シートAS1等の移動経路に連続原粘着シートAS1等の張力を調整する張力調整部Tを設けても、同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、上記例では、貼合ローラーによって連続キャリアフィルム15及び連続粘着フィルムAS2が移動される場合を説明したが、連続キャリアフィルム15及び連続粘着フィルムAS2は他の移動機構によって移動が補助されるようになっていてもよい。例えば、案内プレート11、12に代えて、搬送コンベアを設け、これらによって連続キャリアフィルム15の移動をサポートしてもよい。
【0042】
(キャリアフィルム15について)
キャリアフィルム15は専用のフィルムを使用してもよいが、原粘着シートAS1から剥離された離型フィルムRSを使用してもよい。つまり、原粘着シートAS1から剥離された離型フィルムRSを巻き取ってロール状とし、このロールRRを、上述した原反ロール15aとし、この原反ロール15aから繰り出された離型フィルムRSをキャリアフィルム15として使用してもよい。この場合は、離型フィルムRSを再使用するので、専用のフィルムを使用する場合に比べてコストを低減できるし、専用のフィルムの保管等をする必要がない、という利点が得られる。
また、原粘着シートAS1から剥離された離型フィルムRSをそのまま貼合部21の上流側に供給して、そのままキャリアフィルム15として使用してもよい。この場合には、コストを低減できる上、キャリアフィルム15の補充作業が不要となる、という利点も得られる。
【0043】
上記例では、キャリアフィルム15が枚葉製品シートPSの一部となる場合を説明したが、枚葉製品シートPSがキャリアフィルム15を有しないものとする場合には、貼合部21を通過した後、キャリアフィルム15を枚葉フィルムFSから剥がして回収するようにしてもよい。この場合も、回収したキャリアフィルム15を巻き取ってロール状とすれば、このロールを原反ロール15aとして再使用することができるし、剥がしたキャリアフィルム15をそのまま貼合部21の上流側に供給して、再度キャリアフィルム15として使用することもできる。
【0044】
(貼合部21について)
上述した貼合部21において、上下一対の貼合ローラーから両者間を通過するシートに加わる圧力(以下、貼合圧力という)は、所定の圧力以上であれば、その大きさは特に限定されない。つまり、枚葉フィルムFSと粘着フィルムAS2とが離脱しない程度に貼り合わせでき、しかも、ローラーと連続キャリアフィルム15および連続粘着フィルムAS2との間に両シートをローラー間に引き込むことができる摩擦力が発生する程度の圧力であればよい。しかも、使用する枚葉フィルムFSやキャリアフィルム15、粘着フィルムAS2などの種類、材質に応じて貼合圧力を適宜調整すれば、貼合圧力に起因して製品シートPSに皺が発生する等の問題が生じることを防ぐことができる。
【0045】
また、貼合圧力を調整する方法はとくに限定されず、くさび等を使用して上下一対の貼合ローラー間の距離を調整しても貼合圧力を調整することは可能である。
【0046】
また、貼合圧力を調整する他の方法として、以下の方法を採用することも可能である。
例えば、上ローラーの自重が加わったときに適切な貼合圧力となるように上ローラーの自重を調整しておき、上ローラーを上下方向に自由に移動可能、つまり、シートの厚さ方向に自由に移動可能としておく。すると、上下一対の貼合ローラー間に供給されるシートの厚さ(枚葉フィルムFSの厚さとキャリアフィルム15の厚さと粘着フィルムAS2の厚さとを合わせた厚さ)に合わせて上ローラーが移動するから、枚葉フィルムFSを変更した場合において、上下一対の貼合ローラー間の距離が自動的に適切な距離に調整されかつ適切な貼合圧力に調整されるという利点も得られる。つまり、枚葉フィルムFSを変更した場合に、その厚さが変化することに起因する貼合圧力の低下や過大な貼合圧力が加わることを防ぐことができるのである。
なお、この方法によって貼り合わせ圧力を調整するのであれば、下ローラーを駆動手段によって駆動するのはいうまでもない。
【0047】
(枚葉フィルムFSの載置について)
上述した本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1では、移動するキャリアフィルム15に枚葉フィルムFSを載置するのであるが、載置方法はとくに限定されない。例えば、作業者が、手作業で枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15上に載置してもよいし、ベルトコンベアなどによって枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15まで自動で搬送し、ロボット等によって枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15上に自動で載置してもよく、とくに限定されない。
【0048】
枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15上に載置する場合において、隣り合う枚葉フィルムFS同士の間隔はとくに限定されないが、キャリアフィルム15を有効に活用する上では、この間隔はできるだけ小さいことが好ましい。例えば、連続製品シートを裁断して枚葉製品シートPSを形成する場合や、連続製品シートを使用する際に裁断する場合には、裁断の作業性を考慮して、製品シートPSを切断しやすい間隔、例えば、0.5〜3.0mm程度の間隔を開けて載置するのが好ましい。
【0049】
また、枚葉フィルムFSが偏光フィルムや位相差フィルムなどの光学フィルムであって光学軸が定められているものの場合、製造した枚葉製品シートPSにおいて、枚葉製品シートPSにおける枚葉フィルムFSの光学軸が分からなくなる可能性がある。よって、枚葉フィルムFSとして光学軸が定められている光学フィルムを用いる場合には、枚葉光学フィルムの光学軸が同一方向に揃うように、キャリアフィルム15上に載置することが好ましい。
【0050】
(搬送手段10の特徴)
そして、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1において、キャリアフィルム15はその上面がほぼ水平になるように配設されていてもよいが、図1に示すように、原反ロール15aと貼合部21との間で屈曲させてもよい。具体的には、原反ロール15aと貼合部21の間、つまり、製品シート形成手段20の上流側に、製品シート形成手段20に向かうに従って上傾した傾斜面15bが形成されるようにキャリアフィルム15を屈曲させてもよい。
この場合、枚葉フィルムFSにおいて傾斜面15bにおける上方に位置する端部側の端部、つまり、枚葉フィルムFSにおいて製品シート形成手段20側に位置する端部を、テープ等の固定部材Sによってキャリアフィルム15に固定すれば、枚葉フィルムFSを傾斜面15bに沿って伸ばすことができる(図2(B)参照)。
すると、枚葉フィルムFSを傾斜面15b上に載せたときに、枚葉フィルムFSに皺などができにくくなるので、枚葉フィルムFSに皺ができた場合におけるトラブルを防ぐことができる。例えば、製品シートPSがディスプレイ等に用いられるシートであれば、ディスプレイ表面の鮮明さが低下したり、表示ムラが現れたりする等のトラブルが発生することを防ぐことができる。
【0051】
さらに、キャリアフィルム15全体が水平に配設されている場合に比べて、キャリアフィルム15を屈曲させることによって、原反ロール15aから製品シート形成手段20までの距離を短くすることができるので、搬送手段10をコンパクト化することができる。よって、本実施形態の枚葉フィルムの加工装置1全体もコンパクト化することができるので、装置を設置する場所の自由度を高くすることができる。
【0052】
キャリアフィルム15を屈曲させる構成としては、例えば、図1および図2(A)に示すような構成を採用することができる。
つまり、案内プレート11、12を、両者の表面が両者間で屈曲するように配置し、上流側に位置する案内プレート11が、案内プレート12の端部に向かって上傾するように配置する。
すると、キャリアフィルム15を案内プレート11、12の上面に接するように配置すれば、キャリアフィルム15は案内プレート11、12の間で屈曲した状態となり、案内プレート11上に載せられている部分を、製品シート形成手段20側に向かって上傾した傾斜面15bとすることができる。
また、2つの案内プレート11、12によってキャリアフィルム15を屈曲させる構成に代えて、屈曲した形状に形成された一つの案内プレートによってキャリアフィルム15を屈曲させるようにしてもよい。
【0053】
(コロナ放電処理手段の説明)
なお、枚葉フィルムFSと粘着フィルムAS2との接着性を向上させる上では、枚葉フィルムFSの表面や、粘着フィルムAS2の粘着剤層aの表面にコロナ放電処理を行うことが好ましい。
コロナ放電処理は、枚葉フィルムFS、粘着フィルムAS2の表面が平坦面となっている状態で行ってもよいのであるが、枚葉フィルムFS、粘着フィルムAS2を凸状に屈曲させて、その凸状の頂点付近でコロナ放電処理を行うことが好ましい。なぜなら、凸状に屈曲させた方が、枚葉フィルムFSや粘着フィルムAS2の表面にほぼ均一なコロナ放電処理を行いやすいからである。
【0054】
上述したように、キャリアフィルム15をその経路で屈曲させる構成を使用した場合には、キャリアフィルム15が屈曲している部分に、つまり、案内プレート11から案内プレート12に移行する部分にコロナ放電処理を行うコロナ放電処理手段14を配設することが好ましい。
この場合、搬送手段10の構造に起因してキャリアフィルム15が屈曲している部分にコロナ放電処理手段14を配設することになる。すると、コロナ放電処理手段14を設けるために特別にキャリアフィルム15を屈曲させる必要がないから、搬送手段10の構造を簡素化することができる。
【0055】
なお、粘着フィルムAS2に対してコロナ放電処理を行うコロナ放電処理手段22は、貼合部21の上流側であれば、どの位置に設けてもよい。
【0056】
(各材料の説明)
(原粘着シートAS1について)
原粘着シートAS1は、粘着剤層aを有するシートであればよく、上述したような3層の粘着シートに限られない。例えば、粘着剤層aが、内部に芯材となるフィルムを含有するような粘着フィルム、つまり、粘着剤層/フィルム/粘着剤層からなる構造を有するものでもよい。
また、離型フィルムRSが両面とも離型性を有している場合には、粘着剤層aと離型フィルムRSだけ、つまり、離型フィルムRSを一層しか有しない粘着フィルムを原粘着シートAS1として使用してもよい。
【0057】
(粘着剤層aについて)
粘着剤層aの厚さは、1〜200μm程度が好ましく、5〜50μmがより好ましい。粘着剤層aの厚さが1μmよりも薄いと機能性フィルムが有する欠点(凹み等)によって気泡ができやすくなるし、逆に200μmよりも厚いと枚葉製品シートPSが厚くなりすぎるといった問題が生じる。よって、粘着剤層aの厚さは、1〜200μm程度が好ましく、5〜50μmがより好ましい。
また、粘着剤層aは、1層としてもよいが、2種類以上の粘着剤を積層して形成してもよい。
【0058】
粘着剤層aを形成する粘着剤は、とくに限定されず、種々の粘着剤を用いることができる。例えば、ソフトセグメントとなるモノマー(エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2一エチルヘキシルアクリレート等)と、ハードセグメントとなるモノマー(メチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等)とを共重合したもの、あるいはこれらにさらにアクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート等の官能基含有モノマーを共重合したアクリル系の粘着剤を使用することができる。そして、これらの粘着剤は、1種類だけを使用してもよいが、2種類以上を混合して使用してもよい。
さらに、枚葉フィルムFSが光学的な用途で使用される場合、粘着剤は透明性の高いものが好適である。
【0059】
(離型フィルムについて)
キャリアフィルム15や、粘着フィルムAS1の離型フィルムRSの素材はとくに限定されず、紙または合成樹脂フィルムなどの一般的に離型フィルム(セパレータ)として使用されるものであれば使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表されるポリエステル系フィルム、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムに代表されるポリオレフィン系フィルムの他、各種フィルムなどを使用することが可能である。
また、キャリアフィルム15に載せて枚葉フィルムFSを搬送する際に、枚葉フィルムFSの位置がずれたりする可能性があるが、かかるずれを防ぐ上では、枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15に載せる際に、テープ等の固定部材Sによって枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15に固定しておくことが好ましい。この場合でも、固定部材Sが枚葉フィルムFSの端部等に配置されていれば、固定部材Sが存在したまま枚葉製品シートPSが形成されても、固定部材Sは枚葉製品シートPSを使用する際に除去することができるので、固定部材Sを貼りつけたことによる枚葉フィルムFSの品質の低下などの問題は生じない。
さらに、キャリアフィルム15として、枚葉フィルムFSとの間に若干のブロッキング性(接着性)があるものを使用すれば、枚葉フィルムFSをキャリアフィルム15に載せて搬送する際に、キャリアフィルム15上に枚葉フィルムFSを安定した状態で配置しておくことができるので好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の枚葉フィルムの加工装置は、光学フィルムなどが所定の大きさに加工された枚葉フィルムに対して粘着性を付与する装置に適している。
【符号の説明】
【0061】
1 枚葉フィルムの加工装置
10 搬送手段
15 キャリアフィルム
20 製品シート形成手段
21 貼合部
PS 枚葉製品シート
FS 枚葉フィルム
AS2 粘着フィルム
a 粘着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉フィルムの表面に粘着剤の層を形成する加工装置であって、
前記枚葉フィルムが上面に載せられるキャリアフィルムを備えた搬送手段と、
該キャリアフィルム上の前記枚葉フィルムに、離型フィルムの表面に粘着剤層が形成された粘着フィルムを、該粘着剤層が前記枚葉フィルムの表面に面接触するように重ねて製品シートを形成する製品シート形成手段と、を備えており、
前記キャリアフィルムは、
前記製品シート形成手段に向かって移動するものである
ことを特徴とする枚葉フィルムの加工装置。
【請求項2】
前記製品シート形成手段は、
前記枚葉フィルム、前記粘着フィルムおよび前記キャリアフィルムを積層した状態で挟んで加圧する一対の貼合ローラーを備えており、
該一対の貼合ローラーを回転させる駆動手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の枚葉フィルムの加工装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、
上面が前記キャリアフィルムの移動を案内する平滑な平坦面に形成された案内プレートを備えている
ことを特徴とする請求項1または2記載の枚葉フィルムの加工装置。
【請求項4】
前記キャリアフィルムが、
前記製品シート形成手段よりも上流側において屈曲されており、
該屈曲している部分に位置する前記枚葉フィルムに対してコロナ放電処理を行うコロナ放電処理手段が配設されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の枚葉フィルムの加工装置。
【請求項5】
前記キャリアフィルムは、
前記製品シート形成手段よりも上流側に、該製品シート形成手段側に向かって上傾した傾斜面を有している
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の枚葉フィルムの加工装置。
【請求項6】
前記製品シートは、
前記キャリアフィルムと前記粘着フィルムによって挟まれた層状シートである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の枚葉フィルムの加工装置。
【請求項7】
前記製品シート形成手段は、
前記製品シートを前記枚葉フィルム間で切断して枚葉製品シートを形成する枚葉製品シート形成部を備えている
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の枚葉フィルムの加工装置。
【請求項8】
前記枚葉フィルムが、光学フィルムである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の枚葉フィルムの加工装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−111046(P2012−111046A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259245(P2010−259245)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000206473)大倉工業株式会社 (124)
【Fターム(参考)】