枚葉フィルム検査装置
【課題】枚葉シートに切り取られたフィルムの外観検査を容易にし、検査精度を向上することが可能となる検査装置を提供する。
【解決手段】被検査対象の枚葉フィルムが巻き取られた段取り用ローラーと、段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムの巻き出し方向に対向する２辺をそれぞれ挟み搬送する２本のフィルム挟み込みローラーと、フィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラーと、枚葉フィルムの検査面を照明する手段と、照明された枚葉フィルムを撮像する手段と、撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段と、枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段と、枚葉フィルムを洗浄する手段と、検出した欠陥を再度確認するため画像取得手段と、欠陥部分にマーキングする手段と、を備えた検査部と、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段と、を有する枚葉フィルム検査装置。
【解決手段】被検査対象の枚葉フィルムが巻き取られた段取り用ローラーと、段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムの巻き出し方向に対向する２辺をそれぞれ挟み搬送する２本のフィルム挟み込みローラーと、フィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラーと、枚葉フィルムの検査面を照明する手段と、照明された枚葉フィルムを撮像する手段と、撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段と、枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段と、枚葉フィルムを洗浄する手段と、検出した欠陥を再度確認するため画像取得手段と、欠陥部分にマーキングする手段と、を備えた検査部と、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段と、を有する枚葉フィルム検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は光学機能性フィルム等の柔軟性を有するフィルムの外観検査に用いる検査装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、プラスチックフィルム、紙、金属箔等の柔軟性を有する長尺の基材をロール状に巻き付けて巻き付けた状態から巻き出してから巻取りを行う間に、印刷や塗工、フォトリソプロセス等の各種表面処理を行う技術が一般的に多用されてきた。そこで取り扱う柔軟で長尺の媒体をウェブと称し、ウェブを巻き出し搬送し、前記処理工程を経て最終的に巻き取る技術がウェブハンドリング技術として知られている。
【０００３】
近年は、特に、光学機能性フィルム等の光学フィルムの製造において、前記ウェブハンドリング技術を駆使して、大量で安価な生産を可能としている。また、量産に付随して、光学フィルムの外観欠陥を極力排除して高品質の大画面フィルムを供給することが、大型のフラットパネルディスプレイや太陽電池等の用途面から要求されている。外観欠陥としては、フィルム素材及び表面処理の製造工程中に生じるキズ、気泡、異物、シワ等が有り、それらの外観欠陥を判断するための外観検査の手法が各種提案されている。
【０００４】
欠陥を検出する検査はウェブ工程の中間でインラインで検査されているが、高速で表面処理中での検査なので、微小な不良箇所が見落とされることがある。
【０００５】
そこで例えば、図１に示すようにウェブ状ではなくフィルムの枚葉シート１を枠体２で固定して、透過光や反射光の各種光源によって種々の方向からの目視検査を、フィルムを持ち回ることなく、一定位置で行うための検査装置がある。前記ウェブ基材といえども、最終の使用形態である枚葉シートに裁断後に、このような目視検査による外観検査を行うことは一定の意義がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００５−２３３８９２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
ウェブ状のフィルムのロール・ツー・ロール用の目視検査装置により外観検査を行う場合において、実用上の困難があった。しかしながら、ロール・ツー・ロールプロセスから切り取った枚葉シートを枠体に張り付け検査する場合には、枚葉シートをシワの無い一様な被検査面に形成することが必要になるが、図２に示すようにシワ３のない一様な面を形成することは元来難しいものであり、そのために検査の精度が低下する原因となっている。
【０００８】
本発明は、前記の問題点に鑑みて、枚葉シートに切り取られたフィルムの外観検査を容易にし、検査精度を向上することが可能となる検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
そこで本発明の請求項１に係る発明は、枚葉フィルムの外観検査する検査装置であって、
被検査対象の枚葉フィルムが巻き取られた段取り用ローラーと、
段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムを巻き出した後、枚葉フィルムの巻き出し方向に対向する２辺をそれぞれ挟み、更に前記枚葉フィルムを引っ張りながら巻き出し巻取りを行いながら搬送する２本のフィルム挟み込みローラーと、
前記２本のフィルム挟み込みローラー間に設けられフィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラーと、
搬送途中の枚葉フィルムの検査面を照明する手段と、
照明された枚葉フィルムを撮像する手段と、
撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段と、
枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段と、
枚葉フィルムを洗浄する手段と、
検出した欠陥を再度確認するための顕微鏡を有する画像取得手段と、
欠陥部分にマーキングする手段と、を備えた検査部と、
前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段と、を有する枚葉フィルム検査装置である。
【００１０】
本発明の請求項２に係る発明は、前記段取りローラーは、その両端にツバを有し、前記２本のフィルム挟み込みローラーの鉛直方向の上方に配置されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１１】
本発明の請求項３に係る発明は、前記２本のフィルム挟み込みローラーは枚葉フィルムを挟み込む溝を有し、更に溝内に備えられたシリコンチューブに圧縮空気を送り込むことによって枚葉フィルムを固定することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１２】
本発明の請求項４に係る発明は、前記２本のフィルムサポートローラーによって枚葉フィルムを撮像する手段と検査面との位置が一定になることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１３】
本発明の請求項５に係る発明は、前記２本のフィルムサポートローラーはクラウン形状を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１４】
本発明の請求項６に係る発明は、枚葉フィルムの搬送と、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段と枚葉フィルムを撮像する手段の枚葉フィルムの搬送方向と直角方向であるフィルムの幅方向の移動によって、枚葉フィルムの全面が検査されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１５】
本発明の請求項７に係る発明は、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段は複数種の光源を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１６】
本発明の請求項８に係る発明は、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段及びフィルムを撮像する手段と、枚葉フィルムの検査面との距離及び枚葉フィルムの検査面とのなす距離及び角度は調整可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１７】
本発明の請求項９に係る発明は、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段は前記４本のローラーを検査前段取り位置と、検査位置とに、移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１８】
本発明の請求項１０に係る発明は、前記枚葉フィルム洗浄する手段は、前記検査前段取
り位置に設けられ、エアナイフ及び粘着ローラーを用いてフィルムを洗浄する機能を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１９】
本発明の請求項１１に係る発明は、枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知し、蛇行量に応じて画像処理の補正を行うことを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【発明の効果】
【００２０】
本発明の枚葉フィルム検査装置によれば、枚葉フィルムを検査する場合にシワの無い一様な被検査面を形成するフィルムのハンドリングが容易になり、また従来枚葉フィルムの欠陥検出検査する場合に必要とされた大きなスペースを省くことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】フィルムの枚葉シートを枠体で固定して、目視検査を行う場合を示す図。
【図２】枚葉シートを枠体で固定する場合にシワが発生してしまうこと示す図。
【図３】本発明に係る枚葉フィルム検査装置の一例を示す概略構成図。
【図４】本発明に係る段取り用ローラーでツバ備えたことを示す図。
【図５】本発明に係るフィルム挟み込みローラーを示す図。（ａ）はフィルム挟み込みローラーの一方を示す図。（ｂ）は（ａ）の他方のフィルム挟み込みローラーを示す図。
【図６】枚葉フィルム２辺が本発明に係る２本のフィルム挟み込みローラーの溝に挟み込まれ、フィルムサポートローラーを介して通されたことを示す図。
【図７】本発明に係るフィルムサポートローラーを説明するための図。
【図８】本発明に係る枚葉フィルム検査装置によって枚葉フィルムの全面を検査する方法を説明するための図。
【図９】本発明に係る照明光源と撮像カメラを移動する場合を示す図。
【図１０】本発明に係る照明光源と撮像カメラの設置例を示す図。
【図１１】本発明に係る搬送フレームを説明するための図。
【図１２】本発明に係る洗浄装置を説明するための図。
【図１３】本発明に係る蛇行検知装置を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、図面を参照して本発明に係る枚葉フィルム検査装置を実施するための形態を説明する。
【００２３】
図３は本発明に係る枚葉フィルム検査装置の一例を示す概略構成図である。枚葉フィルム検査装置は、被検査対象の枚葉フィルム１１が巻き取られた段取り用ローラー１２と、段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムの対向する２端をそれぞれ挟み、更に前記フィルムを引っ張りながら巻き出し巻取りを行い搬送する２本のフィルム挟み込みローラー１３−１及び１３−２と、前記２本のフィルム挟み込みローラー間に設けられ、フィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２と、搬送途中の枚葉フィルムの検査面を照明する手段である照明光源１５と、照明された枚葉フィルムを撮像する手段である撮像カメラ１６と、撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段である画像処理装置１７と、枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する蛇行検知手段である図示しない光学センサーと、欠陥を再度確認するために顕微鏡を有する欠陥画像確認手段である欠陥レビュー装置１８と、欠陥部分にマーキングする手段である図示しないマーキング装置と、枚葉フィルムを洗浄する手段である洗浄装置１９−１及び１９−２と、を備えた検査部２０と、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段である搬送フレーム２１を、を有している。尚、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーは架台２２に保持され
、架台２２が搬送フレーム２１上を矢印２３に示す方向に移動される。
【００２４】
被検査対象の枚葉フィルム１１が巻かれた段取り用ローラー１２は、フィルム挟み込みローラー１３−１の上方に設けられ、被検査対象の枚葉フィルム１１の一辺が、フィルム挟み込みローラー１３−１に向かって巻き出される。また段取り用ローラー１２は、図４に示すようにその両端にツバ１２ａ及び１２ｂを有している。ツバ１２ａ及び１２ｂの間に枚葉フィルム１１は巻かれている。
【００２５】
図５（ａ）に示すフィルム挟み込みローラー１３−１は、段取り用ローラー１２に巻かれた枚葉フィルム１１の一辺１１−１を挟み込む溝１３−１ａを有し、更に溝内に設けられたシリコンチューブ３０−１に図示しない圧縮空気供給装置から圧縮空気が供給され、枚葉フィルム１１の一辺１１−１が固定される。その後枚葉フィルム１１はフィルム挟み込みローラー１３−１に巻き取られる。前記段取り用ローラー１２に設けられたツバ１２ａ及び１２ｂ間に巻き取られていた枚葉フィルム１１をフィルム挟み込みローラー１３−１に段差が無く巻き取ることが出来る。
【００２６】
フィルム挟み込みローラー１３−１に巻き取られた枚葉フィルム１１は、その後徐々に巻き出されながら他の一方のフィルム挟み込みローラー１３−２に設けられた挟み込む溝１３−２ａに枚葉フィルム１１の一辺１１−１と対向する辺１１−２が挟み込まれる（図５（ｂ））。更に溝１３−２ａ内に設けられたシリコンチューブ３０−２に図示しない圧縮空気供給装置から圧縮空気が供給され、枚葉フィルム１１の一辺１１−２が固定される。この場合、枚葉フィルム１１はフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２の上方にパスが通される。
【００２７】
図６は、上記方法によって枚葉フィルム１１の２辺が２本のフィルム挟み込みローラー１３−１と１３−２の溝に挟み込まれ、フィルムサポートローラー１４−１及び１４−２を介して枚葉フィルム１１が通されたことを示す図である。この場合、枚葉フィルム１１はフィルム挟み込みローラー１３−１と１３−２によってテンションがかけられながら、フィルム挟み込みローラー１３−１から巻き出され、フィルム挟み込みローラー１３−２で巻き取られることによって搬送される。
【００２８】
枚葉フィルム１１をフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２を介すことによって、例えばフィルム挟み込みローラー１３−１に巻かれているフィルムの残量が少なくなった場合でも、撮像カメラ１６と検査面との距離ｄを常に一定に保つことが出来る。
【００２９】
図７はフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２を説明するための図で、フィルムサポートローラー１４−１及び１４−２はクラウン形状を有している。クラウン形状のローラーによって、枚葉フィルム１１をシワのない面を保ちながら搬送することが出来る。
【００３０】
図８は枚葉フィルムの全面を検査する方法を説明するための図である。フィルム挟み込みローラー１３−１が回転方向４１−１に回転することによって枚葉フィルム１１は巻き出され、同時にフィルム挟み込みローラー１３−２が回転方向４１−２に回転することによって巻き取られる。枚葉フィルム１１が矢印４２で示される方向に搬送されている際には、照明光源１５と撮像カメラ１６は移動せず検査面を撮像し検査を行う。撮像カメラは１台に限定されず、撮像カメラ１６−１、１６−２のように複数台用いることによって検査時間を短縮することが出来る。尚、上記説明は、撮像カメラ１６が枚葉フィルム１１の搬送方向に直交する幅方向の全幅に渡って撮像できる場合、例えばリニアセンサーカメラを使用した場合であって、二次元カメラを使用した場合には、枚葉フィルム１１を間歇で搬送し、その搬送に追従して、二次元カメラを枚葉フィルム１１の搬送方向に対して直角
方向であるフィルムの幅方向に移動して検査面を撮像する必要がある。即ち、図９は図８の矢印４４で示される方向から見た正面図であるが、撮像カメラ１６及び照明光源１５を枚葉フィルム１１の間歇搬送の搬送停止時に枚葉フィルム１１の搬送方向に対して直角方向であるフィルムの幅方向４３に移動して検査面を撮像する。これによって、リニアセンサーカメラよりも安価な二次元カメラを使用することが出来、検査装置の設備費用を抑制することが出来る。
【００３１】
照明光源１５には、図８に示すように例えばＬＥＤ光源４５、ＵＶ光源４６、ナトリウムランプ４７など欠陥を検出しやすい光源を予め用意し、矢印４８で示す方向にスライドさせて光源を切り替えて検査することが望ましい。また、照明光源１５は図９に示されるように枚葉フィルム１１の下方に設けられる他に、検出対象の欠陥に応じて、撮像カメラ１６と同じ側の上方に設けられても良く、更に枚葉フィルム１１の下方及び上方の両方に設けても良い。
【００３２】
図１０は照明光源１５と撮像カメラ１６の設置例を示す図である。図１０（ａ）は照明光源１５と撮像カメラ１６の枚葉フィルム１１との距離ｄ１５及びｄ１６を示す図で、距離ｄ１５及びｄ１６は適宜調整される。照明光源１５と撮像カメラ１６はそれぞれ一般的に用いられるスライドレールに搭載することによって距離ｄ１５及びｄ１６を達成することが出来る。照明光源１５と枚葉フィルム１１との距離ｄ１５は、照明光源１５による枚葉フィルム１１上の照度や照度分布を考慮して調整され、撮像カメラ１６の枚葉フィルム１１との距離ｄ１６は撮像カメラ１６の焦点調整や、また意図的に焦点を外したりする場合に調整される。図１０（ｂ）は照明光源１５と撮像カメラ１６の枚葉フィルム１１となす角度Θ１５及びΘ１６を示す図で、検出欠陥の対象によってΘ１５及びΘ１６は、検出欠陥の対象に応じて調整される。
【００３３】
図１１は、２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段である搬送フレーム２１を説明するための図である。搬送フレーム２１は２本のフィルム挟み込みローラー１３−１及び１３−２と２本のフィルムサポートローラー１４ａ及び１４ｂを検査前段取り位置５１と、検査位置５２とに、移動可能であって、搬送フレーム２１上を前記フィルム挟み込みローラー１３−１及び１３−２と２本のフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２は架台２２に保持され、架台２２が搬送フレーム２１上を矢印２３に示す方向に移動される。
【００３４】
図１２は枚葉フィルム１１を洗浄する洗浄装置１９を説明するための図で、洗浄装置１９は、例えば前記検査前段取り位置で、段取り用ローラー１２とフィルム挟み込みローラー１３−１の間に設けらる。洗浄装置１９は、エアナイフ１９−１ａ及びエアナイフ１９−２ａと、粘着ローラー１９−１ｂ及び粘着ローラー１９−２ｂを備えた洗浄部１９−１及び１９−２を有するものであって、枚葉フィルム１１の両面を洗浄する。洗浄装置１９によって、枚葉フィルム検査装置は、本来洗浄可能な異物付着による擬似欠陥の検出を防止することが出来る。尚、洗浄装置１９を設置する位置は、上記段取り用ローラー１２とフィルム挟み込みローラー１３−１の間に限定されるものではなく、フィルム挟み込みローラー１３−１と１３−２であっても良く、検査画像を撮像する以前のフィルムを洗浄すれば良い。
【００３５】
更に本発明に係る枚葉フィルム検査装置は、図１３に示す枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段である蛇行検知装置を備えている。図１３（ａ）は側面から見た図、図１３（ｂ）は上面図を示している、蛇行検知装置５５には例えば、投光部５５ａと受光部５５ｂからなる光学センサーを用いることが出来、枚葉フィルム１１の搬送方向５６に平行な辺１１ａまたは１１ｂのどちらかの一辺の端部の上方及び下方に蛇行検知装置５５を設置することによって枚葉フィルム１１の蛇行を検知することが出来る。尚この場合の受光
部５５ｂとしては、蛇行量を検知することが可能なリニアセンサーを用いることが望ましい。リニアセンサーを用いることによって、細かな蛇行量を検知することが出来るため、次に述べる正確な欠陥所在位置情報を得ることが出来る。
【００３６】
上記蛇行検知装置によって検出された枚葉フィルム１１の蛇行量は、画像処理装置１７に入力される。画像処理装置１７では、一般的に用いられる画像の位置補正処理を行い、検出した欠陥の所在場所の位置情報を補正することが出来る。
【００３７】
前記検出された欠陥の所在場所の位置情報に基づいて、検出された欠陥を顕微鏡で確認し、更に欠陥部分をマーキングすることによって、欠陥所在箇所と欠陥の種類、大きさを後で目視することが出来る。
【００３８】
以上のように本発明による枚葉フィルム検査装置によれば、枚葉フィルムを検査する場合にシワの無い一様な被検査面を形成するフィルムのハンドリングが容易になり、その結果、検査の信頼性を向上することが可能になる。
【符号の説明】
【００３９】
１・・・枚葉シート
２・・・枠体
３・・・枚葉シート上のシワ
１１・・・枚葉フィルム
１１−１、１１−２・・・枚葉フィルムの一辺
１２・・・段取り用ローラー
１２ａ、１２ｂ・・・段取り用ローラーに設けられたツバ
１３−１、１３−２・・・フィルム挟み込みローラー
１３−１ａ、１３−２ａ・・・フィルムを挟み込む溝
１４−１、１４−２・・・フィルムサポートローラー
１５・・・照明光源
１６・・・撮像カメラ
１７・・・画像処理装置
１８・・・欠陥レビュー装置
１９−１、１９−２・・・洗浄部
１９−１ａ、１９−２ａ・・・エアナイフ
１９−１ｂ、１９−２ｂ・・・粘着ローラー
２０・・・検査部
２１・・・搬送フレーム
２２・・・架台
２３・・・架台が搬送フレーム上を移動される方向を示す矢印
３０−１、３０−２・・・シリコンチューブ
４１−１・・・フィルム挟み込みローラー１３−１が回転する方向を示す矢印
４１−２・・・フィルム挟み込みローラー１３−２が回転する方向を示す矢印
４２・・・枚葉フィルムが搬送される方向を示す矢印
４３・・・照明光源と撮像カメラが移動する方向を示す矢印
４４・・・図８の正面方向を示す矢印
５１・・・検査前段取り位置
５２・・・検査位置
５５・・・蛇行検知装置
５５ａ・・・投光部
５５ｂ・・・受光部
５６・・・枚葉フィルムの搬送方向を示す矢印
【技術分野】
【０００１】
本発明は光学機能性フィルム等の柔軟性を有するフィルムの外観検査に用いる検査装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、プラスチックフィルム、紙、金属箔等の柔軟性を有する長尺の基材をロール状に巻き付けて巻き付けた状態から巻き出してから巻取りを行う間に、印刷や塗工、フォトリソプロセス等の各種表面処理を行う技術が一般的に多用されてきた。そこで取り扱う柔軟で長尺の媒体をウェブと称し、ウェブを巻き出し搬送し、前記処理工程を経て最終的に巻き取る技術がウェブハンドリング技術として知られている。
【０００３】
近年は、特に、光学機能性フィルム等の光学フィルムの製造において、前記ウェブハンドリング技術を駆使して、大量で安価な生産を可能としている。また、量産に付随して、光学フィルムの外観欠陥を極力排除して高品質の大画面フィルムを供給することが、大型のフラットパネルディスプレイや太陽電池等の用途面から要求されている。外観欠陥としては、フィルム素材及び表面処理の製造工程中に生じるキズ、気泡、異物、シワ等が有り、それらの外観欠陥を判断するための外観検査の手法が各種提案されている。
【０００４】
欠陥を検出する検査はウェブ工程の中間でインラインで検査されているが、高速で表面処理中での検査なので、微小な不良箇所が見落とされることがある。
【０００５】
そこで例えば、図１に示すようにウェブ状ではなくフィルムの枚葉シート１を枠体２で固定して、透過光や反射光の各種光源によって種々の方向からの目視検査を、フィルムを持ち回ることなく、一定位置で行うための検査装置がある。前記ウェブ基材といえども、最終の使用形態である枚葉シートに裁断後に、このような目視検査による外観検査を行うことは一定の意義がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００５−２３３８９２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
ウェブ状のフィルムのロール・ツー・ロール用の目視検査装置により外観検査を行う場合において、実用上の困難があった。しかしながら、ロール・ツー・ロールプロセスから切り取った枚葉シートを枠体に張り付け検査する場合には、枚葉シートをシワの無い一様な被検査面に形成することが必要になるが、図２に示すようにシワ３のない一様な面を形成することは元来難しいものであり、そのために検査の精度が低下する原因となっている。
【０００８】
本発明は、前記の問題点に鑑みて、枚葉シートに切り取られたフィルムの外観検査を容易にし、検査精度を向上することが可能となる検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
そこで本発明の請求項１に係る発明は、枚葉フィルムの外観検査する検査装置であって、
被検査対象の枚葉フィルムが巻き取られた段取り用ローラーと、
段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムを巻き出した後、枚葉フィルムの巻き出し方向に対向する２辺をそれぞれ挟み、更に前記枚葉フィルムを引っ張りながら巻き出し巻取りを行いながら搬送する２本のフィルム挟み込みローラーと、
前記２本のフィルム挟み込みローラー間に設けられフィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラーと、
搬送途中の枚葉フィルムの検査面を照明する手段と、
照明された枚葉フィルムを撮像する手段と、
撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段と、
枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段と、
枚葉フィルムを洗浄する手段と、
検出した欠陥を再度確認するための顕微鏡を有する画像取得手段と、
欠陥部分にマーキングする手段と、を備えた検査部と、
前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段と、を有する枚葉フィルム検査装置である。
【００１０】
本発明の請求項２に係る発明は、前記段取りローラーは、その両端にツバを有し、前記２本のフィルム挟み込みローラーの鉛直方向の上方に配置されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１１】
本発明の請求項３に係る発明は、前記２本のフィルム挟み込みローラーは枚葉フィルムを挟み込む溝を有し、更に溝内に備えられたシリコンチューブに圧縮空気を送り込むことによって枚葉フィルムを固定することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１２】
本発明の請求項４に係る発明は、前記２本のフィルムサポートローラーによって枚葉フィルムを撮像する手段と検査面との位置が一定になることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１３】
本発明の請求項５に係る発明は、前記２本のフィルムサポートローラーはクラウン形状を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１４】
本発明の請求項６に係る発明は、枚葉フィルムの搬送と、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段と枚葉フィルムを撮像する手段の枚葉フィルムの搬送方向と直角方向であるフィルムの幅方向の移動によって、枚葉フィルムの全面が検査されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１５】
本発明の請求項７に係る発明は、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段は複数種の光源を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１６】
本発明の請求項８に係る発明は、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段及びフィルムを撮像する手段と、枚葉フィルムの検査面との距離及び枚葉フィルムの検査面とのなす距離及び角度は調整可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１７】
本発明の請求項９に係る発明は、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段は前記４本のローラーを検査前段取り位置と、検査位置とに、移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１８】
本発明の請求項１０に係る発明は、前記枚葉フィルム洗浄する手段は、前記検査前段取
り位置に設けられ、エアナイフ及び粘着ローラーを用いてフィルムを洗浄する機能を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【００１９】
本発明の請求項１１に係る発明は、枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知し、蛇行量に応じて画像処理の補正を行うことを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置である。
【発明の効果】
【００２０】
本発明の枚葉フィルム検査装置によれば、枚葉フィルムを検査する場合にシワの無い一様な被検査面を形成するフィルムのハンドリングが容易になり、また従来枚葉フィルムの欠陥検出検査する場合に必要とされた大きなスペースを省くことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】フィルムの枚葉シートを枠体で固定して、目視検査を行う場合を示す図。
【図２】枚葉シートを枠体で固定する場合にシワが発生してしまうこと示す図。
【図３】本発明に係る枚葉フィルム検査装置の一例を示す概略構成図。
【図４】本発明に係る段取り用ローラーでツバ備えたことを示す図。
【図５】本発明に係るフィルム挟み込みローラーを示す図。（ａ）はフィルム挟み込みローラーの一方を示す図。（ｂ）は（ａ）の他方のフィルム挟み込みローラーを示す図。
【図６】枚葉フィルム２辺が本発明に係る２本のフィルム挟み込みローラーの溝に挟み込まれ、フィルムサポートローラーを介して通されたことを示す図。
【図７】本発明に係るフィルムサポートローラーを説明するための図。
【図８】本発明に係る枚葉フィルム検査装置によって枚葉フィルムの全面を検査する方法を説明するための図。
【図９】本発明に係る照明光源と撮像カメラを移動する場合を示す図。
【図１０】本発明に係る照明光源と撮像カメラの設置例を示す図。
【図１１】本発明に係る搬送フレームを説明するための図。
【図１２】本発明に係る洗浄装置を説明するための図。
【図１３】本発明に係る蛇行検知装置を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、図面を参照して本発明に係る枚葉フィルム検査装置を実施するための形態を説明する。
【００２３】
図３は本発明に係る枚葉フィルム検査装置の一例を示す概略構成図である。枚葉フィルム検査装置は、被検査対象の枚葉フィルム１１が巻き取られた段取り用ローラー１２と、段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムの対向する２端をそれぞれ挟み、更に前記フィルムを引っ張りながら巻き出し巻取りを行い搬送する２本のフィルム挟み込みローラー１３−１及び１３−２と、前記２本のフィルム挟み込みローラー間に設けられ、フィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２と、搬送途中の枚葉フィルムの検査面を照明する手段である照明光源１５と、照明された枚葉フィルムを撮像する手段である撮像カメラ１６と、撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段である画像処理装置１７と、枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する蛇行検知手段である図示しない光学センサーと、欠陥を再度確認するために顕微鏡を有する欠陥画像確認手段である欠陥レビュー装置１８と、欠陥部分にマーキングする手段である図示しないマーキング装置と、枚葉フィルムを洗浄する手段である洗浄装置１９−１及び１９−２と、を備えた検査部２０と、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段である搬送フレーム２１を、を有している。尚、前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーは架台２２に保持され
、架台２２が搬送フレーム２１上を矢印２３に示す方向に移動される。
【００２４】
被検査対象の枚葉フィルム１１が巻かれた段取り用ローラー１２は、フィルム挟み込みローラー１３−１の上方に設けられ、被検査対象の枚葉フィルム１１の一辺が、フィルム挟み込みローラー１３−１に向かって巻き出される。また段取り用ローラー１２は、図４に示すようにその両端にツバ１２ａ及び１２ｂを有している。ツバ１２ａ及び１２ｂの間に枚葉フィルム１１は巻かれている。
【００２５】
図５（ａ）に示すフィルム挟み込みローラー１３−１は、段取り用ローラー１２に巻かれた枚葉フィルム１１の一辺１１−１を挟み込む溝１３−１ａを有し、更に溝内に設けられたシリコンチューブ３０−１に図示しない圧縮空気供給装置から圧縮空気が供給され、枚葉フィルム１１の一辺１１−１が固定される。その後枚葉フィルム１１はフィルム挟み込みローラー１３−１に巻き取られる。前記段取り用ローラー１２に設けられたツバ１２ａ及び１２ｂ間に巻き取られていた枚葉フィルム１１をフィルム挟み込みローラー１３−１に段差が無く巻き取ることが出来る。
【００２６】
フィルム挟み込みローラー１３−１に巻き取られた枚葉フィルム１１は、その後徐々に巻き出されながら他の一方のフィルム挟み込みローラー１３−２に設けられた挟み込む溝１３−２ａに枚葉フィルム１１の一辺１１−１と対向する辺１１−２が挟み込まれる（図５（ｂ））。更に溝１３−２ａ内に設けられたシリコンチューブ３０−２に図示しない圧縮空気供給装置から圧縮空気が供給され、枚葉フィルム１１の一辺１１−２が固定される。この場合、枚葉フィルム１１はフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２の上方にパスが通される。
【００２７】
図６は、上記方法によって枚葉フィルム１１の２辺が２本のフィルム挟み込みローラー１３−１と１３−２の溝に挟み込まれ、フィルムサポートローラー１４−１及び１４−２を介して枚葉フィルム１１が通されたことを示す図である。この場合、枚葉フィルム１１はフィルム挟み込みローラー１３−１と１３−２によってテンションがかけられながら、フィルム挟み込みローラー１３−１から巻き出され、フィルム挟み込みローラー１３−２で巻き取られることによって搬送される。
【００２８】
枚葉フィルム１１をフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２を介すことによって、例えばフィルム挟み込みローラー１３−１に巻かれているフィルムの残量が少なくなった場合でも、撮像カメラ１６と検査面との距離ｄを常に一定に保つことが出来る。
【００２９】
図７はフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２を説明するための図で、フィルムサポートローラー１４−１及び１４−２はクラウン形状を有している。クラウン形状のローラーによって、枚葉フィルム１１をシワのない面を保ちながら搬送することが出来る。
【００３０】
図８は枚葉フィルムの全面を検査する方法を説明するための図である。フィルム挟み込みローラー１３−１が回転方向４１−１に回転することによって枚葉フィルム１１は巻き出され、同時にフィルム挟み込みローラー１３−２が回転方向４１−２に回転することによって巻き取られる。枚葉フィルム１１が矢印４２で示される方向に搬送されている際には、照明光源１５と撮像カメラ１６は移動せず検査面を撮像し検査を行う。撮像カメラは１台に限定されず、撮像カメラ１６−１、１６−２のように複数台用いることによって検査時間を短縮することが出来る。尚、上記説明は、撮像カメラ１６が枚葉フィルム１１の搬送方向に直交する幅方向の全幅に渡って撮像できる場合、例えばリニアセンサーカメラを使用した場合であって、二次元カメラを使用した場合には、枚葉フィルム１１を間歇で搬送し、その搬送に追従して、二次元カメラを枚葉フィルム１１の搬送方向に対して直角
方向であるフィルムの幅方向に移動して検査面を撮像する必要がある。即ち、図９は図８の矢印４４で示される方向から見た正面図であるが、撮像カメラ１６及び照明光源１５を枚葉フィルム１１の間歇搬送の搬送停止時に枚葉フィルム１１の搬送方向に対して直角方向であるフィルムの幅方向４３に移動して検査面を撮像する。これによって、リニアセンサーカメラよりも安価な二次元カメラを使用することが出来、検査装置の設備費用を抑制することが出来る。
【００３１】
照明光源１５には、図８に示すように例えばＬＥＤ光源４５、ＵＶ光源４６、ナトリウムランプ４７など欠陥を検出しやすい光源を予め用意し、矢印４８で示す方向にスライドさせて光源を切り替えて検査することが望ましい。また、照明光源１５は図９に示されるように枚葉フィルム１１の下方に設けられる他に、検出対象の欠陥に応じて、撮像カメラ１６と同じ側の上方に設けられても良く、更に枚葉フィルム１１の下方及び上方の両方に設けても良い。
【００３２】
図１０は照明光源１５と撮像カメラ１６の設置例を示す図である。図１０（ａ）は照明光源１５と撮像カメラ１６の枚葉フィルム１１との距離ｄ１５及びｄ１６を示す図で、距離ｄ１５及びｄ１６は適宜調整される。照明光源１５と撮像カメラ１６はそれぞれ一般的に用いられるスライドレールに搭載することによって距離ｄ１５及びｄ１６を達成することが出来る。照明光源１５と枚葉フィルム１１との距離ｄ１５は、照明光源１５による枚葉フィルム１１上の照度や照度分布を考慮して調整され、撮像カメラ１６の枚葉フィルム１１との距離ｄ１６は撮像カメラ１６の焦点調整や、また意図的に焦点を外したりする場合に調整される。図１０（ｂ）は照明光源１５と撮像カメラ１６の枚葉フィルム１１となす角度Θ１５及びΘ１６を示す図で、検出欠陥の対象によってΘ１５及びΘ１６は、検出欠陥の対象に応じて調整される。
【００３３】
図１１は、２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段である搬送フレーム２１を説明するための図である。搬送フレーム２１は２本のフィルム挟み込みローラー１３−１及び１３−２と２本のフィルムサポートローラー１４ａ及び１４ｂを検査前段取り位置５１と、検査位置５２とに、移動可能であって、搬送フレーム２１上を前記フィルム挟み込みローラー１３−１及び１３−２と２本のフィルムサポートローラー１４−１及び１４−２は架台２２に保持され、架台２２が搬送フレーム２１上を矢印２３に示す方向に移動される。
【００３４】
図１２は枚葉フィルム１１を洗浄する洗浄装置１９を説明するための図で、洗浄装置１９は、例えば前記検査前段取り位置で、段取り用ローラー１２とフィルム挟み込みローラー１３−１の間に設けらる。洗浄装置１９は、エアナイフ１９−１ａ及びエアナイフ１９−２ａと、粘着ローラー１９−１ｂ及び粘着ローラー１９−２ｂを備えた洗浄部１９−１及び１９−２を有するものであって、枚葉フィルム１１の両面を洗浄する。洗浄装置１９によって、枚葉フィルム検査装置は、本来洗浄可能な異物付着による擬似欠陥の検出を防止することが出来る。尚、洗浄装置１９を設置する位置は、上記段取り用ローラー１２とフィルム挟み込みローラー１３−１の間に限定されるものではなく、フィルム挟み込みローラー１３−１と１３−２であっても良く、検査画像を撮像する以前のフィルムを洗浄すれば良い。
【００３５】
更に本発明に係る枚葉フィルム検査装置は、図１３に示す枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段である蛇行検知装置を備えている。図１３（ａ）は側面から見た図、図１３（ｂ）は上面図を示している、蛇行検知装置５５には例えば、投光部５５ａと受光部５５ｂからなる光学センサーを用いることが出来、枚葉フィルム１１の搬送方向５６に平行な辺１１ａまたは１１ｂのどちらかの一辺の端部の上方及び下方に蛇行検知装置５５を設置することによって枚葉フィルム１１の蛇行を検知することが出来る。尚この場合の受光
部５５ｂとしては、蛇行量を検知することが可能なリニアセンサーを用いることが望ましい。リニアセンサーを用いることによって、細かな蛇行量を検知することが出来るため、次に述べる正確な欠陥所在位置情報を得ることが出来る。
【００３６】
上記蛇行検知装置によって検出された枚葉フィルム１１の蛇行量は、画像処理装置１７に入力される。画像処理装置１７では、一般的に用いられる画像の位置補正処理を行い、検出した欠陥の所在場所の位置情報を補正することが出来る。
【００３７】
前記検出された欠陥の所在場所の位置情報に基づいて、検出された欠陥を顕微鏡で確認し、更に欠陥部分をマーキングすることによって、欠陥所在箇所と欠陥の種類、大きさを後で目視することが出来る。
【００３８】
以上のように本発明による枚葉フィルム検査装置によれば、枚葉フィルムを検査する場合にシワの無い一様な被検査面を形成するフィルムのハンドリングが容易になり、その結果、検査の信頼性を向上することが可能になる。
【符号の説明】
【００３９】
１・・・枚葉シート
２・・・枠体
３・・・枚葉シート上のシワ
１１・・・枚葉フィルム
１１−１、１１−２・・・枚葉フィルムの一辺
１２・・・段取り用ローラー
１２ａ、１２ｂ・・・段取り用ローラーに設けられたツバ
１３−１、１３−２・・・フィルム挟み込みローラー
１３−１ａ、１３−２ａ・・・フィルムを挟み込む溝
１４−１、１４−２・・・フィルムサポートローラー
１５・・・照明光源
１６・・・撮像カメラ
１７・・・画像処理装置
１８・・・欠陥レビュー装置
１９−１、１９−２・・・洗浄部
１９−１ａ、１９−２ａ・・・エアナイフ
１９−１ｂ、１９−２ｂ・・・粘着ローラー
２０・・・検査部
２１・・・搬送フレーム
２２・・・架台
２３・・・架台が搬送フレーム上を移動される方向を示す矢印
３０−１、３０−２・・・シリコンチューブ
４１−１・・・フィルム挟み込みローラー１３−１が回転する方向を示す矢印
４１−２・・・フィルム挟み込みローラー１３−２が回転する方向を示す矢印
４２・・・枚葉フィルムが搬送される方向を示す矢印
４３・・・照明光源と撮像カメラが移動する方向を示す矢印
４４・・・図８の正面方向を示す矢印
５１・・・検査前段取り位置
５２・・・検査位置
５５・・・蛇行検知装置
５５ａ・・・投光部
５５ｂ・・・受光部
５６・・・枚葉フィルムの搬送方向を示す矢印
【特許請求の範囲】
【請求項１】
枚葉フィルムの外観検査する検査装置であって、
被検査対象の枚葉フィルムが巻き取られた段取り用ローラーと、
段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムを巻き出した後、枚葉フィルムの巻き出し方向に対向する２辺をそれぞれ挟み、更に前記枚葉フィルムを引っ張りながら巻き出し巻取りを行いながら搬送する２本のフィルム挟み込みローラーと、
前記２本のフィルム挟み込みローラー間に設けられフィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラーと、
搬送途中の枚葉フィルムの検査面を照明する手段と、
照明された枚葉フィルムを撮像する手段と、
撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段と、
枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段と、
枚葉フィルムを洗浄する手段と、
検出した欠陥を再度確認するための顕微鏡を有する画像取得手段と、
欠陥部分にマーキングする手段と、を備えた検査部と、
前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段と、を有する枚葉フィルム検査装置。
【請求項２】
前記段取りローラーは、その両端にツバを有し、前記２本のフィルム挟み込みローラーの鉛直方向の上方に配置されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項３】
前記２本のフィルム挟み込みローラーは枚葉フィルムを挟み込む溝を有し、更に溝内に備えられたシリコンチューブに圧縮空気を送り込むことによって枚葉フィルムを固定することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項４】
前記２本のフィルムサポートローラーによって枚葉フィルムを撮像する手段と検査面との位置が一定になることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項５】
前記２本のフィルムサポートローラーはクラウン形状を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項６】
枚葉フィルムの搬送と、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段と枚葉フィルムを撮像する手段の枚葉フィルムの搬送方向と直角方向であるフィルムの幅方向の移動によって、枚葉フィルムの全面が検査されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項７】
前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段は複数種の光源を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項８】
前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段及びフィルムを撮像する手段と、枚葉フィルムの検査面との距離及び枚葉フィルムの検査面とのなす距離及び角度は調整可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項９】
前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段は前記４本のロールを検査前段取り位置と、検査位置とに、移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項１０】
前記枚葉フィルム洗浄する手段は、前記検査前段取り位置に設けられ、エアナイフ及び
粘着ローラーを用いてフィルムを洗浄する機能を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項１１】
枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知し、蛇行量に応じて画像処理の補正を行うことを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項１】
枚葉フィルムの外観検査する検査装置であって、
被検査対象の枚葉フィルムが巻き取られた段取り用ローラーと、
段取り用ローラーに巻かれた枚葉フィルムを巻き出した後、枚葉フィルムの巻き出し方向に対向する２辺をそれぞれ挟み、更に前記枚葉フィルムを引っ張りながら巻き出し巻取りを行いながら搬送する２本のフィルム挟み込みローラーと、
前記２本のフィルム挟み込みローラー間に設けられフィルムの搬送をサポートする２本のフィルムサポートローラーと、
搬送途中の枚葉フィルムの検査面を照明する手段と、
照明された枚葉フィルムを撮像する手段と、
撮像された画像を処理し不良欠陥を検出する画像処理手段と、
枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知する手段と、
枚葉フィルムを洗浄する手段と、
検出した欠陥を再度確認するための顕微鏡を有する画像取得手段と、
欠陥部分にマーキングする手段と、を備えた検査部と、
前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段と、を有する枚葉フィルム検査装置。
【請求項２】
前記段取りローラーは、その両端にツバを有し、前記２本のフィルム挟み込みローラーの鉛直方向の上方に配置されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項３】
前記２本のフィルム挟み込みローラーは枚葉フィルムを挟み込む溝を有し、更に溝内に備えられたシリコンチューブに圧縮空気を送り込むことによって枚葉フィルムを固定することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項４】
前記２本のフィルムサポートローラーによって枚葉フィルムを撮像する手段と検査面との位置が一定になることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項５】
前記２本のフィルムサポートローラーはクラウン形状を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項６】
枚葉フィルムの搬送と、前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段と枚葉フィルムを撮像する手段の枚葉フィルムの搬送方向と直角方向であるフィルムの幅方向の移動によって、枚葉フィルムの全面が検査されることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項７】
前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段は複数種の光源を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項８】
前記枚葉フィルムの検査面を照明する手段及びフィルムを撮像する手段と、枚葉フィルムの検査面との距離及び枚葉フィルムの検査面とのなす距離及び角度は調整可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項９】
前記２本のフィルム挟み込みローラーと２本のフィルムサポートローラーとを移動する手段は前記４本のロールを検査前段取り位置と、検査位置とに、移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項１０】
前記枚葉フィルム洗浄する手段は、前記検査前段取り位置に設けられ、エアナイフ及び
粘着ローラーを用いてフィルムを洗浄する機能を有することを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【請求項１１】
枚葉フィルムの搬送中の蛇行を検知し、蛇行量に応じて画像処理の補正を行うことを特徴とする請求項１に記載の枚葉フィルム検査装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【公開番号】特開２０１２−１７２９８３（Ｐ２０１２−１７２９８３Ａ）
【公開日】平成２４年９月１０日（２０１２．９．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−３１９１８（Ｐ２０１１−３１９１８）
【出願日】平成２３年２月１７日（２０１１．２．１７）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年９月１０日（２０１２．９．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年２月１７日（２０１１．２．１７）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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