説明

果実袋掛け機

【課題】果樹園での人手による果実ひとつずつの袋掛け作業に伴う作業者の負担軽減と作業能率の改善を狙って、半自動化された果実袋掛け機の開発が望まれていた。
【解決手段】1つの枠組1の中に、袋束を収納する袋収納部65と、袋収納部65から1個の袋2を送り出していく袋取出し機構4と、袋口の閉じた袋を1対のはさみ機構29a、29bを使って袋口を開く袋開口機構5と、果実を挿入された袋口を絞る袋絞り機構7と、結束具85を収納する結束具収納箱87と、絞られた袋口に結束具85を装着する袋結束機構6からなる果実袋掛け機を構成した。これにより、果実の袋掛け作業の大部分を機械化して作業者の負担軽減と作業能率の向上を実現した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実に袋を被せるために使用する果実袋掛け機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
果樹園では、結実初期の未成熟果実(例えば、葡萄では直径40mm以下)に対して害虫・野鳥・日焼け防止対策と果実の着色作用を促進するために袋掛け作業が行われる。この袋掛け作業は、従来人手により果実ひとつずつに袋を被せており、作業者の首や腕に負担がかかる作業となっていた。そのため、果実に袋を被せる自動化装置の開発が望まれていた。袋掛け自動化装置に必要となる要素技術を説明するために手作業による袋掛けの代表的な作業手順を次に示す。
【0003】
(1)作業者の身体に付けた連続的に繋がる袋束から、袋を一個取り出し、
(2)袋口を開口して、袋を持ち上げて果実に被せ、
(3)袋口を絞り込んでから、袋に付いている針金を取って袋口を針金で縛って、
(4)果実に被せた袋を繋がっている袋束から切り離し、
(5)次の袋を袋束から取り出して、上記(2)〜(4)の作業を繰り返す。
【0004】
上記作業手順を機械化するのに必要とされる要素技術は、次のように考えられる。
【0005】
(A)連続的に繋がる袋束から、袋を一個ずつ取り出す「袋取出し技術」
(B)取り出した袋の閉じた状態の袋口を開ける「袋開口技術」
(C)果実を入れて広がった袋口を小円状に絞り込む「袋絞り技術」
(D)絞り込んだ袋口を結縛する「袋結束技術」
【0006】
但し、本発明では次の作業内容は、作業者が行うとしている。
【0007】
(1)袋掛けする果実の特定と、そのための袋掛け機の位置決め
(2)開口した袋への果実の挿入
(3)袋掛けした袋の切り離し
【0008】
上記4つの要素技術について、既出発明の技術的概観を説明する。
【0009】
(1)袋取出し技術
【0010】
特許文献1での袋取出し機構では、袋は1枚ずつ切り離された状態で重畳されて、袋出口側に上から力を掛けられた状態で袋装入枠にセットされている。袋を取り出すときは、袋案内杆を押し出してワンウェイクラッチ機構(ラックピニオン機構)を使って袋束の下側にあるゴム部材で被覆されたローラを回転して、1枚ずつ袋を取り出す。基本的にはベルト搬送方式による移送である。
【特許文献1】特開昭50−34915号公報(3.発明の詳細な説明の段落5、第1図、第2図、第7図)
【0011】
特許文献2での袋取出し機構では、操作レバーとしての外筒用レバーを回転させることでエンドレスチェーンを歯車機構で駆動し、エンドレスチェーンに固着した鉤針で初めから開口済みになっている袋口部を引っ掛けて一定量だけ上方に移動する。
【特許文献2】昭54−105027号公報(3.発明の詳細な説明の段落5〜9、第2図、第3図、第4図、第5図、第6図)
【0012】
特許文献3での袋取出し機構では、始めから開口済みの袋を積層した袋束を格納した袋納部は、手回し円板を回すことでスプロケット・チェーン機構により上方に移動する。1組のはさみを有する袋はさみ機構は、手の操作ではさみの開閉とはさみの上下動を行い、積層した袋束の最上部の1枚を掴んで上に引き上げる。
【特許文献3】昭59−42823号公報(3.発明の詳細な説明の段落6〜7、第1図、第2図、第3図、第4図)
【0013】
特許文献4での袋取出し機構では、袋は1枚ずつ切り離された状態で重畳されて袋収納箱にセットされている。袋収納箱からの袋の引き出し・移送は、吸盤により袋を引き出し、その吸盤を空気シリンダ、ラックピニオン機構及びスプリングの組合せで袋を移送する。
【特許文献4】特開平9−74929号公報(段落0009、0025、図1)
【0014】
(2)袋開口技術
【0015】
特許文献5での袋開口機構では、1枚毎に切り離されて重畳された袋束から1枚ずつ袋を開口するために、モータ駆動により往復摺動を繰り返す開口部材は中子片と外子片からなり、中子片と外子片はバネ結合して連動する。中子片の先端には薄刃片と掻き刃が付く。開口手順を述べる。始めに中子片の薄刃片で最上部の袋の口に進入し袋を少し開き、続いて中子片本体が進入して袋を開く。中子片は袋底部側にあるボックスの突起で動きを停止するが、中子片に連動して動く外子片はボックス突起を受け入れる凹部を持つためボックス端部まで進入し、袋の底部に折り目を付ける。開いた袋形状は保持される。中子片の掻き刃は中子片が戻るときに、袋口に予め張ってあった接着防止用の紙片を剥ぎ取っていく。開口部材の往復摺動を繰り返すことで、開口作業が繰り返される。
【特許文献5】特開昭47−42144号公報(3.発明の詳細な説明、第1図〜第7図)
【0016】
特許文献1での袋開口機構では、袋案内杆を押し出して1枚の袋を取り出すと袋口構造を工夫して袋紙の1枚Aはコ字状部材で押し付けてセットされ、袋紙のもう1枚Bは自由になるようにセットされる。袋案内杆の動きを利用したリンク機構を使って袋口近傍に針を押し上げて、固定されている袋紙Aは針で貫通されるが、自由な袋紙Bはその針で押し上げられて袋の口が開かれる。
【特許文献1】特開昭50−34915号公報(3.発明の詳細な説明の段落6、第1図〜第6図、第8図)
【0017】
特許文献4での袋開口機構では、袋収納箱から引き出された袋は袋開け機構まで移送され、袋開口機構の吸盤で袋両面が吸引され、さらにシリンダ機構でその両吸盤を離して袋を開く。
【特許文献4】特開平9−74929号公報(段落0010、0026、図1)
【0018】
特許文献6での袋開口機構では、開閉自在の2本のアームの先端に、閉じた袋紙の両側を挟む部材として1対のローラを取り付け、1対のローラはコイルスプリングにより近接し、ローラ間の挿入物により離反自在とする。左右アームを閉じた状態では1対のローラが互い違いに位置するように接近する構成になっている。上記2本のアームは、人力によるカム機構で開閉自在とする。袋口の閉じた袋を2本のアーム間に装入してから、手で操作された操作レバーの動きがカム機構を介して2本のアームを閉じると両アームの1対のローラが袋に接近し、コイルスプリングの作用で1対のローラ間で袋の両側の紙を挟みこみ、それから操作レバーによるカム機構を介して2本のアームを開くと袋の両側の紙が各1対のローラ間に挟まれた状態で袋の口が開かれる。
【特許文献6】特開平9−275825号公報(段落0012〜0014、0030〜0035、図1〜図8)
【0019】
(3)袋絞り技術
【0020】
多くの発明で袋絞り機構と袋結束機構が一体化された構造が多いが、技術的概観を位置づけるために、別項目として整理する。
【0021】
特許文献7での袋絞り機構は、機械に開いた袋をセットし、果実を入れた後、1回のハンドル操作で袋口の絞りとピンによる緊縛を行う機構である。2つの把杆を手で把握することにより一方の把杆に連結したカム機構により、開口された袋が装入されている2本の屈曲杆が互いに接近する方向に移動し、2本の屈曲杆の先端にそれぞれ取り付けられているV字形の袋口絞締杆が互いに接近して袋口を絞める。さらに上記2つの把杆を把握すると、カム機構により2本の屈曲杆の位置を変えないで、ピン(結束具)を1個ずつ収納筒より押し出すピン押出杆を摺動させピンを一方の袋口絞締杆上に押し出して袋口を結束する。
【特許文献7】昭26−753号公報(発明の詳細なる説明の段落1、第1図〜第3図、第6図)
【0022】
特許文献8での絞り機構では、2つの案内杆と2つの把杆は枢軸を介して鋏状機構をなしている。開いた状態の2つの案内杆の間に果実を挿入した開口袋を装入した後、2つの把杆を手でスプリングに抗して挟圧すると2つの案内杆が閉じて袋口を直線状に圧縮する。同時に、一方の把杆に連動したリンク機構により、2つの案内杆の内側面に設けた案内溝に沿って摺動杆を動かし摺動杆が直線状に圧縮された袋口を押圧して折畳み、小円状に袋口を絞る。摺動杆の進行による袋紙の折畳みを可能とするために、2つの案内杆の先端は互いに内側に突出した先端部を持ち、2つの案内杆が閉じた状態では袋紙が逃げないように閉じた構造になっている。一方、摺動杆は案内杆内側面の案内溝に進入する前に、口金供給筒より最前部にあるコ字状口金を1個ずつ取り出す切欠構造を持つ。したがって、摺動杆は袋口を絞ると同時に、案内杆の別の案内溝にコ字状口金を前進させ案内杆の先端部で口金の両辺を内側に折り曲げて袋口の結束を実現する。
【特許文献8】昭38−22355号公報(発明の詳細な説明の段落2〜3、第1図〜第10図)
【0023】
特許文献1での袋絞り機構では、2本の把手を手で握り絞めると、リンク機構により2本の開閉部材(アーム)が閉じ、開閉部材に付設されている作用部材が開口機構を元の状態に復帰させる。更に上記2本の把手を握り締めると付設されている抑制板が、通常は開いている押圧部材を閉じて袋口部を押圧して袋口部を直線状に絞る。更に上記2本の開閉部材の両先端に設けた封口綴具の相互接近により押圧部材に沿って袋口がしぼめられ、遂には封口綴具の綴針により袋口は結着される。
【特許文献1】特開昭50−34915号公報(3.発明の詳細なる説明の段落7〜8、第1図〜第3図)
【0024】
特許文献2での袋絞り機構では、内筒用操作レバーを回転することにより、円筒を介した歯車機構により袋絞り機構の駆動軸を回転させると同じく歯車機構により環状円板を時計回りに回転させる。この環状円板には、4つの軸ピンが円周上に付設されバネにより時計回りに回転付勢されたプレスアームが軸ピンに取付けられている。環状円板回転前はストッパ係止部によりプレスアームの回転は阻止されている。果実を挿入済の開口袋は、この4本のプレスアームに囲まれているが、内筒用操作レバーを手で回転させると環状円板が回転し、プレスアームのストッパ係止部がはずれ、4本のプレスアームが時計周りに同時回転することにより袋口部の絞りが行われる。プレスアームの先端にはローラが付設され、4個のローラの相互接近により袋口の絞り径が決まる。
【特許文献2】昭54−105027号公報(3.発明の詳細な説明の段落10、11、第2図、第9図、第11図)
【0025】
特許文献3での袋絞り機構では、手廻し円板を手で廻すと、円板に巻いてある芯線が繰り出され芯線の先に付設されている押しバネが前進する。押しバネには袋おさえ板が付設されている。開口した袋をはさむ形で両側に移動用ガイドの付いた袋おさえ板が設置されており、上記押しバネが前進することにより袋おさえ板が移動用ガイドに沿って移動し、両側より袋口部を絞ることになる。袋口にはしぼり用金具が付着しており、袋おさえ板によるしぼり用金具の塑性変形により袋口の絞りは保持される。
【特許文献3】昭59−42823号公報(3.発明の詳細な説明の段落8、第1図、第4図、第5図)
【0026】
特許文献9での袋絞り機構では、円筒状に配置された8本の揺動アームの先端には枢軸を介して90度回転する係止片が取付けられ、各揺動アームの他端にはコイルスプリングで回転付勢された回転リングが付設され、さらにすべての回転リングは、その円周上の1点と1つの可動片をつなぐ第2のワイヤで繋がれている。その可動片は第1のワイヤにより手で操作される引き金に繋がっており、直線運動をする。係止片は回転リングと第3のワイヤで繋がっており、回転リングの回転により係止片の90度回転を実現する。手で引き金が引かれると、第1のワイヤにより可動片が直線移動し、第2のワイヤにより回転リングが回転し揺動アームが開かれて揺動アーム先端の直径は最大になる。開口袋を8本揺動アーム内にセットし果実を挿入する。このとき第3のワイヤも引っ張られて係止片が垂直(袋の紙面と平行)になるので、輪ゴムを係止片に懸ける。この後、引き金から手を離すとコイルスプリングの作用で回転リングが逆回転して第3のワイヤが緩み、係止片が水平に倒れて輪ゴムが係止片より外れて、袋の絞りと結束を行う。
【特許文献9】特開昭63−123322号公報(実施例、第1図〜第6図)
【0027】
特許文献10での袋絞り機構では、お互いに90度近く開いたY字型の2本のアームを開口した袋の両側から接近させて袋首部を絞る方式である。上記2本のアームは高さ方向に2段組で構成される。本発明は粉粒体を充填した大型のフレキシブルコンテナバッグ(略称フレコンバッグ)の結束に関するもので、結束前に袋首部を形成するのにフック付アームを使っている。
【特許文献10】特開平6−191517号公報(段落0008〜0013、図1、図2)
【0028】
特許文献4での袋絞り機構では、果実を袋に入れた後、袋開口機構で使用した2つの吸盤のうち、一方の吸盤を移動させて袋を閉じ吸盤の吸引を解除する。
【特許文献4】特開平9−74929号公報(段落0027、図1)
【0029】
特許文献6での袋絞り機構では、コ字状断面形状を持ち、内周側に開口した環状フレームの内側縁部に4本の半円弧状の絞りレバーの回転基軸が円周方向に取付けられ、その回転基軸にはリンク機構を介して環状フレームに沿って同心円状に移動する回動環体が付設されている。手で操作された操作レバーの動きがカム機構を介して従動部を動かし、スプリングに抗して回動環体が同心円状に移動し上記リンク機構により上記回転基軸が回転することにより、回転基軸と一体となる4本の絞りレバーが同時回転し、環状フレームの中心に向かって移動する。環状フレームは一部切欠を有し、その切欠より袋を装入し記述の開口機構で開口され果実を挿入済みの袋口が、環状フレームの中心に向かって移動する4本の絞りレバーにより絞られる。
【特許文献6】特開平9−275825号公報(段落0015〜0018、0036〜0039、図1、図2、図9〜図11)
【0030】
特許文献11での袋絞り機構では、最初に袋首部を回転レバーで直線状に圧縮し、次に直線状に圧縮された袋首部をV字溝を持つ絞りプレートで両側から圧縮して小円状に絞る。装置の駆動にはシリンダを用いている。本発明は、ゴミ収納袋などの大型袋を対象としたものである。
【特許文献11】特開平11−091731号公報(段落0029〜0041、図1、図2)
【0031】
特許文献12での袋絞り機構では、お互いに90度近く開いたV字状の一対の挟み板を両側から接近させて袋首部を絞る。挟み板の駆動はシリンダによる。本発明はフレコンバッグを対象とし、結束バンドによる結束機構の発明に主眼がある。
【特許文献12】特開2001−002017号公報(段落0011〜0013、図2)
【0032】
(4)袋結束技術
【0033】
袋の結束に使う結束具には多数の種類があり、結束具に適した結束機構が発明されている。結束具の種類は次のようにまとめられる。結束具を作業者の手で扱う発明は除外している。
【0034】
(a)ワイヤ・紐・輪ゴムを使う方法
【0035】
ワイヤの剛性を利用してガイドでワイヤを導き、結束部を囲わせて捻り(ひねり)のためにワイヤ端を捉えてワイヤを引き、それからワイヤを捻って結束部を結束する機構が発明されている(特許文献13)。配筋作業での鉄筋重合の結束に使われる。
【特許文献13】特開平8−034406
【0036】
紐の絡み結びをする機構(特許文献14)および袋を回転させて輪ゴムを袋首部に巻く機構(特許文献15)が発明されている。
【特許文献14】特開平7−291232
【特許文献15】特開平4−154519
【0037】
他に輪ゴムによる袋の絞りと結束を行う機構には既述の特許文献9がある。
【0038】
(b)結束バンドを使う方法
【0039】
結束バンドをガイドして結束部を囲んだ後、結束バンドの係止孔にバンドを通して結束し、その後、バンドの他端を掴むという機構が発明されている(特許文献12、特許文献16)。主に大型容器の結束に使われる。
【特許文献16】特開平1−254512
【0040】
(c)クリップを使う方法
【0041】
クリップを絞った袋口部に嵌合させた後、クリップを変形することで結束する機構が発明されている。クリップ形状とクリップ変形方式を表1にまとめた。
【0042】
【特許文献17】特開2003−267319
【特許文献18】特開2003−267320
【特許文献19】特開2003−291923
【特許文献20】特開2003−170947
【特許文献21】特開2004−010125
【特許文献22】特開2002−302109
【0043】
連続的なクリップ供給を可能とするためのクリップストック方式とクリップ供給機構を表2にまとめた。
【0044】
(d)止め金(針金片)・金属箔を使った方法
【0045】
予め袋に付けられている針金片を、絞った袋首部に巻き付ける或は袋首部に貼着された金属箔を変形させて金属の塑性変形による形状保持を利用する。この方法は、作業者の手による結束を考えている発明が多いが、特許文献3と特許文献23では結束機構に組み入れられている。特許文献23では、針金の一定量供給を行う昇降枠と針金のコ字形成形を行う成形板と、開閉子を操作するM型バネを前進させる摺動子からなる。親指による1回のハンドル操作で針金による結束を行う発明である。袋口を絞るまでの操作は作業者が行う。
【特許文献23】昭36−310号公報
【0046】
(e)接着剤を使う方法
【0047】
この方法も作業者の手による袋首部の結束を考えており、袋口部に接着剤を塗布しておく。袋が畳まれている初期状態で接着しないように接着剤の塗布位置や袋の絞り方が工夫されている。
【0048】
(f)粘着テープを使う方法
【0049】
スーパーストア等で使われる粘着テープによる袋首部閉じ機構の基本特許があるが、作業者の手による袋首部の空間的移動が必要なので袋掛け機には使えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0050】
果樹園での人手による果実ひとつずつの袋掛け作業に伴う作業者の負担軽減と作業能率の改善を狙って半自動袋掛け機の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0051】
作業者の人手による袋掛け作業の作業分析の結果、本発明装置には「背景技術」で述べた次の4つの要素技術を具備させる。
【0052】
(1)袋取出し技術
(2)袋開口技術
(3)袋絞り技術
(4)袋結束技術
【0053】
さらに本発明装置の実用性向上を図るために、次の構想を適用する。
【0054】
(1)袋には、止め金・金属箔の貼着や接着剤の塗布などの特別な加工を加えない。これにより袋のコスト低減を図る。
(2)上記4つの要素技術を実現するのに、簡単な機構を採用する。これにより本発明装置の高信頼性を達成する。
(3)モータ駆動および制御装置を採用する。これみより作業の容易性と作業精度の確保を実現する。
【発明の効果】
【0055】
本発明では次の作業内容は、作業者が行うとしている。
【0056】
(1)袋掛けする果実の特定と、そのための袋掛け機の位置決め
(2)開口した袋への果実の挿入
(3)袋掛けした袋の切り離し
【0057】
そのため、袋掛け作業に際しては、本発明装置を作業者の身体の前方に肩掛けして、上記3つの作業を補完する。したがって、上記作業内容以外の袋掛け作業は、本発明装置で代替できることにより袋掛け作業の省力化を達成できる。さらに本発明装置の自動化機能により袋掛け作業の能率向上および袋の単純化による作業コストの改善が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
本発明に係る果実袋掛け機は、1つの枠組(フレーム)の中に、1枚の袋毎に切れ目の入っている連続的に繋がる袋束を収納する最下部に位置する袋収納部と、
【0059】
袋収納部の上方に位置して、袋収納部の袋束から連続的に繋がる袋をベルト搬送方式で上方に送り出していく袋取出し機構と、
【0060】
前記袋取出し機構の上方に位置して、袋取出し機構より送り出されてきた袋口の閉じた状態の袋を開くために、相互に接近および離れる1対のはさみ機構を有し、始めに袋の両側を挟持するために開状態の1対のはさみが相互接近して両側の袋紙を挟み、次に1対のはさみが閉状態となって袋の両側の紙を把持した後、1対のはさみが相互に離れることで袋口を開く袋開口機構と、
【0061】
開口された袋に作業者によって果実が挿入された後、前記袋開口機構の上方に位置して、V字形切欠をもつ左右2枚の絞り板の中央部に位置した袋口を、前記2枚の絞り板を両側から相互接近させて袋口を絞る2枚の絞り板と、
【0062】
前記左右2枚の絞り板が摺動するためのスライド機構と、
【0063】
前記2枚の絞り板の一方(右側)の絞り板の下側に固着され、V字形切欠と類似の形状をもち、2枚の絞り板による袋口を絞る動作の際に一方(右側)絞り板の下側にある袋紙が右側に逃げるのを防止するための袋抑止板と、絞られた袋口に結束具の装着を確実に行う目的の突起棒とからなる袋絞り機構と、
【0064】
袋口を絞る動作を開始する前の位置にある一方(左側)の絞り板のV字形切欠底部に位置して前記枠組に固着されたU字状形体の結束具を収納する結束具収納箱と、
【0065】
前記2枚の絞り板の一方(左側)の絞り板と一体構造となっている袋結束機構からなる。
【0066】
前記袋結束機構は、前記結束具収納箱上部に位置する前記一方(左側)の絞り板の下側に固着されて結束具と同じ厚さを持つため袋絞り動作のための前記一方(左側)の絞り板の移動に際し、結束具収納箱より最上部にある1個の結束具を取出し、前記一方(左側)の絞り板と一緒に移送する結束具移送板と、
【0067】
前記一方(左側)の絞り板の下側に固定された2本の軸に支持され、両側に前記軸を通したスプリングばねを介して軸上を移動可能で、結束具移送板が取り出した結束具を前記一方(左側)の絞り板の移動と共に結束具を載せて絞られる袋口まで運ぶ結束具支持板とからなる。
【0068】
以上述べた袋取出し機構、袋開口機構および袋絞り機構の駆動源である各モータの駆動制御装置(作業者によるスイッチ操作とリミットスイッチと制御プログラムを内蔵する電子基板からなる)により、作業者の作業となる袋掛け機の位置きめと果実の挿入作業および袋掛けを終えた袋の切離し以外は、袋掛け作業の半自動化を実現できる。袋掛け作業に際しては、前記枠組に保持用ベルトを付けて、作業者の身体の前方に袋かけ機を肩掛けする構想である。
【実施例】
【0069】
添付図面を参照しながら本発明の実施例について詳述する。
【0070】
図1は、本発明に係る果実袋掛け機の全体構成を示す側面図である。全体の枠組1の最下部にある袋収納部65には袋2の袋束3が収納され、袋開口機構5、袋結束機構6、袋絞り機構7を通過し、袋口先端部が枠組1の最上部を少し越えたところで袋2の送り出しが停止する。袋口先端部を検知するセンサー(図示せず)を枠組1の最上部に付設し、袋口の到達を検知して袋取出し機構4のモータ駆動を停止する。袋取出し機構4のモータ駆動開始は作業者のスイッチ(図示せず)操作による。
【0071】
枠組1には袋絞り機構駆動系8および袋開口機構駆動系9が付設されている。
【0072】
枠組1には、袋絞り機構7の左右2枚の絞り板が摺動するためのスライド機構10a、10b、上方に送り出される袋紙の倒れるのを防止するための袋支持枠11a、11bおよび袋絞り機構の絞り板の位置検出のためのリミットスイッチ類12が付設されている。
【0073】
一個分の袋が送り出されると、次の袋との切れ目13が袋取出し機構4の上方に現れる。
【0074】
図2は袋取出し機構4の正面図である。
【0075】
袋取出し機構4は、枠組1に取り付けられるコ字形フランジ板14a、14b、14cの内部に組み込まれる。コ字形フランジ板の背板14cが枠組1に取付けられ、両側のコ字形フランジ板14a、14bがモータ軸と歯車軸を支持する。コ字形フランジ板14a、14bはコ字形板15a、15bで補強されている。
【0076】
袋取出し機構4の第1のモータ16は第1のモータフランジ17によりコ字形フランジ14aに取付けられ、モータ組込減速機構により第1のモータ軸18は偏心してコ字形フランジ板14aに支持される。第1の歯車19は第1のモータ軸18により回転し、第2の歯車20に回転が伝えられ、第3の歯車21、第4の歯車22に回転が伝えられる。第3、第4の歯車21,22の第1の支持軸23、第2の支持軸24は、2組のベルトコンベア軸を兼ねており、ベルトコンベアの第1のローラ25、第2のローラ26の駆動側ローラを同期回転させることにより、滑り防止用のゴム材で被覆された第1のベルト27、第2のベルト28により袋紙2を挟んで袋支持枠11a、11bに送り出す。袋支持枠11a、11bに袋紙2を通すことにより袋紙2の上昇移動時の倒れを防止する。
【0077】
図3は袋開口機構5および袋開口機構駆動系9の平面図を示す。
【0078】
袋取出し機構4より送り出されてきた袋口の閉じた袋2を開くために、1対のはさみ機構29a,29bを有し、前記はさみ機構は開閉する1対のL形アーム30a,30bの先端に、はさみ取付具31a,31bにより取付けられ、前記L形アーム30a,30bは共通のL形アーム枢軸32を以って回転し、L形アーム枢軸32には第1のスプリングばね33が巻かれてL形アーム30a,30bを通常は開くように付勢している。
【0079】
前記L形アーム30a,30bの他端にはピン34a,34bが付設され、前記ピン34a,34bは第1のワイヤ35a,35bで第1のY形コネクタ36に結ばれ、前記第1のY形コネクタ36は1本の第2のワイヤ37につながり、前記第2のワイヤ37は前記L形アーム30a,30bを開閉するための第2のモータ38の第2のモータ軸39に固着して、前記第2のモータ38の回転により巻き取られて前記L形アーム30a,30bを第1のスプリングばね33に抗して閉めることができる。
【0080】
1対のはさみ機構29a、29bは第2のスプリングばね40a,40bにより通常は閉じるように付勢されているが、はさみの枢軸の反対側を通るそれぞれ第3のワイヤ41a、41bを引くことにより前記はさみ機構29a、29bを開くことができる。前記第3のワイヤ41a、41bは第2のY形コネクタ42を介して一本の第4のワイヤ43につながり、前記第4のワイヤ43は前記L形アーム30a、30bの先端にある1対のはさみ機構29a、29bを開くための第3のモータ44の第3のモータ軸45に固着して前記第3のモータ44の回転により巻き取られて前記はさみ機構29a、29bを第2のスプリングばね40a、40bに抗して開くことができる。
【0081】
第2のモータ38の第2のモータ軸39に付設されている第1のレバー46は第2のモータ軸39の回転に伴い旋回し、前記L形アーム30a、30bの最も開いた状態のモータ軸位置を検出する第1のリミットスイッチ47、前記L形アーム30a、30bの閉じた状態のモータ軸位置を検出する第2のリミットスイッチ48が第2のモータ取付板49に付設されている。第1、第2のリミットスイッチ47,48の検出信号により第2のモータ38の発停が制御され、前記L形アーム30a、30bの開閉が行われる。
【0082】
第3のモータ44の第3のモータ軸45に付設されている第2のレバー50は第3のモータ軸45の回転に伴い旋回し、前記L形アーム30a、30bの先端にある1対のはさみ機構29a、29bの閉じている状態のモータ軸位置を検出する第3のリミットスイッチ51、はさみ機構の開いている状態のモータ軸位置を検出する第4のリミットスイッチ52が第3のモータ取付板53に付設されている。第3、第4のリミットスイッチ51,52の検出信号により第3のモータ44の発停が制御され、1対のはさみ機構29a、29bの開閉が行われる。
【0083】
前記第1のY形コネクタ36と前記第2のモータ38の前記第2のモータ軸39を結ぶ前記第2のワイヤ37は、第1のソケット54および第2のソケット55を結ぶ第1のワイヤチューブ56の中を移動する。前記第2のY形コネクタ42と前記第3のモータ44の第3のモータ軸45を結ぶ前記第4のワイヤ43は、前記第1のソケット54の上部に付設される第3のソケット57と第4のソケット58を結ぶ第2のワイヤチューブ59の中を移動する。前記第1、第3のソケット54,57はソケット支持板60に付設される。第2のソケット55は第2のモータ取付板49に、第4のソケット58は第3のモータ取付板53に付設される。はさみ機構29a、29bの開閉部先端には、滑り防止用のゴム状パッド61a、61bが取付けられている。
【0084】
図4は、袋開口機構5が袋口を開くために、前記L形アーム30a,30bが相互接近してL形アーム先端にある1対のはさみ機構29a、29bが開いた状態で袋紙2を両側より挟持した状態を示す。
【0085】
図5は、袋開口機構5が図4の状態から1対のはさみ機構29a、29bを閉めると同時に、前記L形アーム30a、30bを開くことにより、袋の両側の紙が1対のはさみ機構29a、29bに把持されて袋の開口が終了した状態を示す。この状態で、作業者は袋の中に果実を挿入する作業を行う。
【0086】
図6は袋絞り機構7の平面図で、袋絞りを開始する前の状態を示す。
【0087】
袋開口機構5によって開口された袋2の中に、作業者によって果実62が挿入される。袋絞り機構7は、右側絞り板63と左側絞り板64と、前記左右の絞り板63,64が摺動するための前記スライド機構10a、10bと、右側絞り板63の絞り開始前の位置を検出する第5のリミットスイッチ66と、右側絞り板63の絞り終了時の位置を検出する第6のリミットスイッチ67からなる。
【0088】
図7は袋絞り機構7の側面図を示す。
【0089】
枠組1の上部に前記スライド機構10a、10bが付設され、前記左右の絞り板63,64が摺動する3段のレールが付設されている。
【0090】
図8は袋絞り機構7の駆動系8の正面図を示す。
【0091】
袋絞り機構7の第4のモータ68の起動は作業者のスイッチ操作による。このスイッチ信号は、袋開口機構5での1対のはさみ29a、29bが図5で袋開口のため閉状態にあるのを解除し、袋絞りがスムーズに行われるのを助ける役割も果たす。
【0092】
袋絞り機構7の第4のモータ68は第4のモータフランジ69と第4のモータ取付枠70により枠組1に取付けられ、モータ軸に取付けられた第1の傘歯車71にかみ合う第2の傘歯車72によって駆動される第1のピニオン73によって、ピニオンラック機構により左側絞り板64がスライド機構10a、10b上を摺動する。
【0093】
さらに前記第2の傘歯車72とかみ合う第3の傘歯車74と、前記第3の傘歯車74と同軸駆動される第4の傘歯車75と、前記第4の傘歯車75とかみ合う第5の傘歯車76によって駆動される第2のピニオン77によって、ピニオンラック機構により右側絞り板63が前記スライド機構10a、10b上を摺動する。
【0094】
図9は右側絞り板63の正面図と下平面図を示す。右側絞り板63には前記第2のピニオン77によって駆動される第2のラック78が付設され、前記第2のラック78の反対側には、前記スライド機構10aと前記右側絞り板63間の摩擦力を低減するための第1の滑車対79a、79bが付設されている。
【0095】
前記右側絞り板63の下側には袋抑止板80と突起棒81が固着されている。
【0096】
袋抑止板80は、右側絞り板63のV字形切欠と類似の形状をもち、突起棒81は右側絞り板63のV字形切欠底部に付設されている。袋抑止板80は、左右絞り板63,64の相互接近により袋口を絞る際に、絞り板の下側にある袋紙が右側に逃げるのを防止する役割を有し、突起棒81は後述の結束具を絞った袋口に装着するときに、絞られた袋口が右側に逃げて結束具の装着が不十分になることを防止する役割を有する。
【0097】
図10は左側絞り板64の正面図と下平面図を示す。
【0098】
左側絞り板64には前記第1のピニオン73によって駆動される第1のラック82が付設され、第1のラック82の反対側には前記スライド機構10aと左側絞り板64間の摩擦力を低減するための第2の滑車対83a、83bが付設されている。
【0099】
左側絞り板64の下側に付設されている部材89,90,91a,91b,92a、92bは後述する袋結束機構6に関連するもので、後で説明する。
【0100】
図11は、袋絞り機構7が袋口の絞りを完了したときの状態を示す平面図である。
【0101】
前記右側絞り板63が左側に向かって摺動し、前記第6のリミットスイッチ67の作動により停止し、左側絞り板64は右側絞り板63と同じ移動量だけ右側に向かって摺動する。左右絞り板63,64のV字形切欠の底部にできた空間84内に袋口が絞られる。
【0102】
図12は袋口の結束に使う結束具85の正面図と下平面図を示す。
【0103】
結束具85は薄い板材で基本的にはU字形形状をしているが、絞られた袋口に装着し易いように結束具85の進入側はV字形形状の切欠を持つ。
【0104】
図7に示すように、結束具85は枠組1に取付けられた結束具収納箱取付具86に取付けられた結束具収納箱87の中に、積層された状態で収納され、結束具収納箱87の底部からの第3のスプリングばね88で上方に押出付勢されている。
【0105】
袋結束機構6を説明する。
【0106】
図10は既述したように左側絞り板64の正面図と下平面図である。前記左側絞り板64の下側には結束具85と同じ厚さをもつ結束具移送板89が固着されている。結束具移送板89の先端はコ字状形体をしている。図6は既述のように袋絞りを開始する前の状態を示すが、結束具移送板89の先端のコ字状形体の中に結束具85を収納している結束具収納箱87が収まっている。結束具85が第3のスプリングばね88で上方に押出し付勢されているのは、左側絞り板64で抑えられている。図6で袋口を絞るために左側絞り板64が右側に動き出すと、結束具移送板89は結束具85と同じ厚さであるため、結束具収納箱87の最上部にある1個の結束具85を取出し、左側絞り板64とともに結束具85を移送する役割を果たす。このとき第3のスプリングばね88により上方に押出し付勢されている次の結束具85の飛出しは左側絞り板64と一緒に移動する結束具移送板89により抑えられている。
【0107】
袋結束機構6の部材として図10に示すように、左側絞り板64の下側に結束具支持板90がある。結束具支持板90は、左側絞り板64の下側に固定された2本の支持板固定軸91a、91bに支持され、結束具支持板90の両側には支持板固定軸91a、91bを通した第4のスプリングばね92a、92bを介して支持板固定軸91a、91b上を移動できる機構になっている。
【0108】
図6に示すように、袋絞りを開始する前は、結束具支持板90は結束具収納箱87に押されるように結束具収納箱87の前方(右側)或は結束具85の前方(右側)に位置しているが、袋絞りが開始されて、結束具85が結束具移送板89によって押出されると結束具支持板90の上に結束具が移されて結束具85は左側絞り板64とともに絞られる袋口まで結束具支持板90に載せられて運ばれる。結束具支持板90と左側絞り板64の間は、結束具移送板89が通れるだけの空隙がある。
【0109】
図11は、袋結束作業を終了したときの各部材の位置関係を示す。
【0110】
結束具支持板90に載せられて左側絞り板64とともに結束具移送板89に押されて移動してきた結束具85は空間84内に絞り込まれた袋口に装着される。
【0111】
結束具支持板90は、結束具収納箱87を離れると支持板固定軸91a、91bを通る両側の前記第4のスプリングばね92a、92bによりほぼ中央の位置に戻って結束具85を運ぶ。結束具収納箱87に残されている結束具85は、結束具移送板89により飛出しを抑えられている。
【0112】
図11の状態で袋の結束作業を終了した後、作業者は袋掛け機自体を少し下げることにより、袋の切れ目が切れて袋取出し機構4には次の袋の袋口が上昇してきているので、作業者のスイッチ操作により左右の絞り板63,64を離して図6の初期状態に戻してから、次の袋掛け作業を続けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
作業者が袋掛けする果実の特定と袋掛け機の位置決めを行った後、本発明に係る果実袋掛け機は、作業者のスイッチ操作により袋の取出しから袋の開口作業を行い、作業者が果実を袋に挿入した後は、作業者のスイッチ操作により袋の絞り作業および結束具を使った袋の結束作業を行うことにより、袋掛け作業に伴う作業者の負担軽減と作業の能率向上を図ることができる。したがって、本発明に係る果実袋掛け機は、十分利用される価値を有すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係る半自動化果実袋掛け機の全体構成を示す説明図である。
【図2】袋取出し機構部分の構成を示す正面図である。
【図3】袋開口機構および袋開口機構の駆動系を示す平面図である。
【図4】袋開口機構が袋紙を両側より把持した状態を示す平面図である。
【図5】袋開口機構が袋紙の開口を終了した状態を示す平面図である。
【図6】袋絞り機構で、袋絞りを開始する前の状態を示す平面図である。
【図7】袋絞り機構の側面図である。
【図8】袋絞り機構の駆動系の正面図である。
【図9】袋絞り機構の右側絞り板の正面図と下平面図である。
【図10】袋絞り機構の左側絞り板の正面図と下平面図である。
【図11】袋絞り機構で、袋口の絞りを完了したときの状態を示す平面図である。
【図12】結束具の正面図と下平面図である。
【符号の説明】
【0115】

枠組



袋束

袋取出し機構

袋開口機構

袋結束機構

袋絞り機構

袋絞り機構駆動系

袋開口機構駆動系
10a、10b スライド機構
11a、11b 袋支持枠
12
リミットスイッチ類
13
袋の切れ目
14a、14b、14c コ字形フランジ板
15a、15b コ字形板
16
第1のモータ
17
第1のモータフランジ
18
第1のモータ軸
19
第1の歯車
20
第2の歯車
21
第3の歯車
22
第4の歯車
23
第1の支持軸
24
第2の支持軸
25
第1のローラ
26
第2のローラ
27
第1のベルト
28
第2のベルト
29a、29b はさみ機構
30a、30b L形アーム
31a、31b はさみ取付具
32
L形アーム枢軸
33
第1のスプリングばね
34a、34b ピン
35a、35b 第1のワイヤ
36
第1のY形コネクタ
37
第2のワイヤ
38
第2のモータ
39
第2のモータ軸
40a、40b 第2のスプリングばね
41a、41b 第3のワイヤ
42
第2のY形コネクタ
43
第4のワイヤ
44
第3のモータ
45
第3のモータ軸
46
第1のレバー
47
第1のリミットスイッチ
48
第2のリッミトスイッチ
49
第2のモータ取付板
50
第2のレバー
51
第3のリミットスイッチ
52
第4のリッミトスイッチ
53
第3のモータ取付板
54
第1のソケット
55
第2のソケット
56
第1のワイヤチューブ
57
第3のソケット
58
第4のソケット
59
第2のワイヤチューブ
60
ソケット支持板
61a、61b ゴム状パッド
62
果実
63
右側絞り板
64
左側絞り板
65
袋収納部
66
第5のリミットスイッチ
67
第6のリミットスイッチ
68
第4のモータ
69
第4のモータフランジ
70
第4のモータ取付枠
71
第1の傘歯車
72
第2の傘歯車
73
第1のピニオン
74
第3の傘歯車
75
第4の傘歯車
76
第5の傘歯車
77
第2のピニオン
78
第2のラック
79a、79b 第1の滑車対
80
袋抑止板
81
突起棒
82
第1のラック
83a、83b 第2の滑車対
84
空間
85
結束具
86
結束具収納箱取付具
87
結束具収納箱
88
第3のスプリングばね
89
結束具移送板
90
結束具支持板
91a、91b 支持板固定軸
92a、92b 第4のスプリングばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの枠組1の中に、1枚の袋2毎に切れ目13の入っている連続的に繋がる袋束3を収納する袋収納部65と、前記袋収納部65の上方に位置して前記袋収納部65の袋束3から連続的に繋がる袋を、第1のモータ16で駆動される2台のコンベアベルト27,28に挟んで上方に送り出していく袋取出し機構4と、前記袋取出し機構4の上方に位置して、第2のモータ38によるワイヤ機構35a、35b、37の引込み・繰出しにより相互に接近および離れる1対のL形アームを有し、第3のモータ44によるワイヤ機構41a、41b、43の引込み・繰出しにより開閉する1対のはさみ29a、29bが前記1対のL形アーム30a、30bにそれぞれ付設され、始めに相互に離れている前記1対のはさみ29a、29bの中間に前記袋取出し機構4が送り出してきた袋口の閉じた袋2の両側を挟持するために、開状態の前記1対のはさみ29a、29bが相互接近して袋2の両側を挟み、次に前記1対のはさみ29a、29bが閉状態になって袋2の両側を把持した後、1対のはさみ29a、29bが相互に離れることによって袋口を開く袋開口機構5と、前記袋開口機構5の上方に位置して、袋口を開かれた袋2の両側に配置されたV字形切欠をもつ左右2枚の絞り板63,64を、第4のモータ68と歯車機構とラック・ピニオン機構を用いて両側から相互接近させて袋口を絞る前記左右2枚の絞り板63,64と、前記左右2枚の絞り板63,64が摺動するためのスライド機構10a、10bと、前記2枚の絞り板63,64の一方(右側)の絞り板63の下側の固着され、V字形切欠と類似形状をもち、前記2枚の絞り板による袋口を絞る動作の際に一方(右側)の絞り板63の下側にある袋紙が右側に逃げるのを防止するための袋抑止板80と、絞られた袋口に結束具85の装着を確実に行う目的の突起棒81とからなる袋絞り機構7と、袋口を絞る動作を開始する前の位置にある一方(左側)の絞り板64のV字形切欠底部に位置して前記枠組1に固着されたU字状形体の結束具85を収納する結束具収納箱87と、前記2枚の絞り板の一方(左側)の絞り板64と一体構造となっている袋結束機構6とからなる果実袋かけ機
【請求項2】
前記袋結束機構6は、袋口を絞る動作を開始する前は前記結束具収納箱87上部に位置する前記2枚の絞り板の一方(左側)の絞り板64の下側に固着されて結束具85と同じ厚さを持つため袋絞り動作のための前記一方(左側)の絞り板64の移動に際し、結束具収納箱87より最上部にある1個の結束具85を取出し、前記一方(左側)の絞り板64と一緒に結束具85を移送する結束具移送板89と、前記一方(左側)の絞り板64の下側に固定された2本の支持板固定軸91a、91bに支持されて、両側に前記支持板固定軸91a、91bを通したスプリングばね92a、92bを介して前記支持板固定軸91a、91b上を移動可能で、前記一方(左側)の絞り板64の移動と共に結束具移送板89が取り出した結束具85を載せて絞られる袋口まで運ぶ結束具支持板90とから構成してなる請求項1に記載の果実袋掛け機


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−273383(P2009−273383A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125618(P2008−125618)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(708002160)
【Fターム(参考)】