説明

枠材への筆記パネル取付構造

【課題】周りに壁面が全くなかったり、壁面があっても他の遊具のレイアウトの兼ね合いから壁面を利用することができない場合においても、そこにある柵などを構成する枠材を利用して、筆記パネルを取付ける構造を提案する。
【解決手段】2本の枠材の前後を横架する前面板と後面板とを備え、前記前面板と後面板の間に前記枠材と接し該前面板と後面板に固定される角材を配し、前記前面板の表面に金具を取付け、筆記パネルを該金具に取付けて固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトボードや黒板あるいは磁気パネルなどの筆記パネルを2本の並行した枠材へ取付けるパネル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、大型店舗において、滑り台や積み木あるいはジャングルジムなどの子供向け遊具を設置したスペースで学童や幼児達を遊ばせる遊技場を設けたものが見受けられる。また、遊技場は前述した遊び道具の他に、そこで遊ぶ子供達が自由に落書きを行うことができるホワイトボードなど大型の筆記パネルを設置することが求められている。この大型の筆記パネルは、簡易的にはスタンドを用いて設置することが可能ではあるが、店舗の遊技場の使用においては、初めてそこで遊ぶ子がいたり、不特定多数の子供達がそこで入り混じって遊ぶので、安全面には特に注意を払う必要がある。したがって、多少なりとも転倒の怖れがあるスタンド式は不都合である。そこで、特開2002−326497号公報に記載されているような壁面に対して筆記パネルを取付ける方法が用いられることが多い。
【0003】
【特許文献1】特開2002−326497号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前述した遊技場の場合には、遊技場内で遊ぶ子供達を保護者が見易いように、あるいは子供達から保護者が見えるように、丸パイプなどの枠材で柵を組んでスペースを設けた場所が存在する。この様な場所では、筆記パネルを取付けようとしても、周りに壁面が全くなかったり、壁面があっても他の遊具のレイアウトの兼ね合いから壁面を利用することができない場合があり、従来構造の壁面への取付構造では取付ができないことがあった。
【0005】
本発明はこうした事実に鑑み、壁面が利用できない場合であっても、そこにある柵などを構成する枠材を利用して、筆記パネルを取付ける構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は以下の手段により解決される。すなわち、本発明は、
「1.筆記パネルを2本の並行した枠材へ取付けるパネル取付構造であって、前記2本の枠材の前後を横架する前面板と後面板とを備え、前記前面板と後面板の間に前記枠材と接し該前面板と後面板に固定される角材を配し、前記前面板の表面に金具を取付け、前記筆記パネルを該金具に取付けて固定することを特徴とする枠材への筆記パネル取付構造。
2.前記筆記パネルの周囲及び前記前面板並びに後面板の周囲をクッション材により被覆したことを特徴とする枠材への筆記パネル取付構造。」である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の筆記パネル取付構造によれば、建物の壁面を利用できない場所においても、柵などを構成する枠材を利用して筆記パネルを取付けることができる。
【0008】
本発明における枠材とは、柵を構成する丸棒や丸パイプあるいは角材や角パイプなどの長尺の部材のことをいう。また2本の枠体が並行する状態とは、互いが床面に対して水平方向あるいは垂直方向に並んで設置されている状態のことをいう。前面板及び後面板としては一般的な建築材を用いることができる。特にベニア板やパーチクルボードなどの木材は施工を簡単に行うことができるので好ましい。また、前面板と後面板の間で挟持される角材としては木材や樹脂材などを用いることができる。また金属のように強度が得られる材質においては、角材の代わりにコの字やC形状のチャンネル材を使用することも可能である。尚、前面板及び後面板と一緒に角材にも木材を使用することによって、ネジや釘を用いて双方を簡単に固定することができる。また、角材を枠材の断面における横巾と等しいか若干狭い巾のものとすることによって、前面板及び後面板を角材に止めたときに、前面板及び後面板が枠材を挟持する構造となる。さらに、筆記パネル及び前面板並びに後面板の縁にクッション材を被覆することによって、端部で指を切ったり、角にぶつかってケガをするなどの危険を防止することができる。尚、クッション材としてはウレタンやポリエチレンなどの発泡体が好ましく、衝撃の緩和作用に優れることはもちろんのこと、クッション材の取付け箇所に金具などによる出っ張りが多少あっても、クッション材がそこで凹むので取付け箇所に沿った固定をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を理解し易くするために図を用いて説明を行なう。本実施の形態例では、パネル筆記面に磁石を近づけることによって、表面板の裏側に設けた小室内の分散媒中にある微小磁石を反転して、筆記の書き消しを行うことができる磁性体反転表示方法を用いた磁気パネルについて説明を行う。尚、図中において同じ部材には符号を省略する。図1は本実施の形態例の筆記パネル取付構造の姿図である。図2は図1のA−A線断面図である。柵1は横方向に並行する横枠材2と縦方向に並行する縦枠材3とで構成してある。横枠材2の上部枠材2aと下部枠材2bの前後には、両枠材を横架する高さの前面板4及び後面板5を双方の隙間に角材6,7を挟んで取付けてある。角材6は上部枠材2aの下部に、角材7は下部枠材2bの上部に接するよう配してある。前記前面板3及び後面板4は角材6,7に木ネジ8でネジ止めして固定してある。尚、本実施例における前面板4及び後面板5はベニア板であり、角材6,7も木材である。また、前面板4の表面には木ネジ9によって上方金具10及び下方金具11を取付けてある(図2参照)。
【0010】
磁気パネル12は、周囲をアルミ製のフレーム13で取囲んであり、フレーム13の上下辺を前述の上方金具10及び下方金具11によって固定してある。下方金具11は、前面板4に接触する接触面11aと該接触面11aの前方に突き出た下面11bと該下面11bの前端から立ち上がった起立部11cとを設けたもので、磁気パネル12の下フレーム13bを支持している。上方金具10は、前面板4に接触する接触面10aと該接触面10aの前方に突き出た上面10bと該上面に形成した雌ネジ部10cとを設けてあり、該雌ネジ部10cに螺着した皿ネジ10dを締めることによって、上フレーム13aを下方に押し下げ、磁気パネル12を下方金具11とで挟んで固定する。
【0011】
また、図に示すように、筆記パネル12の周囲及び前面板4並びに後面板5の周囲にはクッション材を被覆してある。尚、図中のクッション材は、図を解りやすくするために中間部までとしてあるが、実際には全周に渡って配設されている。クッション材15は発泡ウレタンから成る断面L字形状のもので、磁気パネル12の周囲を被覆してある。クッション材16は発泡ウレンタンから成る断面C形状のもので、前面板4及び後面板5の周囲を被覆してある。両クッション材は両面テープで取付けてある。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明の筆記パネル取付構造は、磁気パネル以外の筆記パネルとして、黒板やホワイトボードなどに使用することが可能である。また筆記パネルを前面板に取付ける以外にも、前面板の裏にある後面板の方にも取付けて両面使いで使用することが可能である。また、取付場所としては遊技場以外にも、建設現場のように足場パイプを設置してある場所で、その足場パイプを利用して取付けを行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態例の筆記パネル取付構造の姿図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1…柵、2…横枠材、2a…上部枠材、2b…下部枠材、3…縦枠材、
4…前面板、5…後面板、6,7…角材、8…木ネジ、9…木ネジ、
10…上方金具、10a…接触面、10b…上面、10c…雌ネジ部、10d…皿ネジ、
11…下方金具、11a…接触面、11b…下面、11c…起立部、
12…磁気パネル、13…フレーム、13a…上フレーム、13b…下フレーム、
14…クッション材、15…クッション材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記パネルを2本の並行した枠材へ取付けるパネル取付構造であって、前記2本の枠材の前後を横架する前面板と後面板とを備え、前記前面板と後面板の間に前記枠材と接し該前面板と後面板に固定される角材を配し、前記前面板の表面に金具を取付け、前記筆記パネルを該金具に取付けて固定することを特徴とする枠材への筆記パネル取付構造。
【請求項2】
前記筆記パネルの周囲及び前記前面板並びに後面板の周囲をクッション材により被覆したことを特徴とする枠材への筆記パネル取付構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−334960(P2006−334960A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163485(P2005−163485)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(303022891)株式会社パイロットコーポレーション (647)
【Fターム(参考)】