説明

染毛キット及びその利用法

本発明は、酸化成分、着色成分、コンディショナー成分、及び、色再生剤成分から成る染毛キット及びその使用法に関するものである。前記キット及びその使用法によって、所要の初期色及び光沢を毛髪にもたらすことが可能になるが、更に、追加的な着色作業を必要とせずに長期間にわたって色を維持できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛キット及び前記キットの使用法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毛髪染料の塗布により、ケラチン性繊維、特にヒトの毛髪の色を変えることは周知である。所望の毛髪の色及び色の強度を消費者に提供するために、非常に複雑な化学的プロセスが使用されている。非永久的な毛髪着色剤の配合物には、典型的には、毛髪表面に付着し且つ一連の洗浄サイクルによって次第に洗い落とされる直接染料及び/又は顔料等の非永久的染料が含まれている。永続的な毛髪着色剤の配合物には、典型的には酸化毛髪染料前駆体が含まれており、この前駆体は毛小皮を通って毛髪中及び毛皮質中に拡散することができ、次に前記の中で互いに好適な酸化剤と反応し合って最終的な染料分子を形成させることができる。結果として得られるこれらの分子が大きいため、それらは水及び/又は洗剤によるその後の洗浄の間に毛髪から容易に拡散できず、そのため消費者の所望する色の永続性が達成される。前記反応は典型的に、アルカリ化剤の存在下及び酸化剤の存在下の中で、pH約8〜11の侵食環境において起こる。更に、所望の毛髪の色及び色相及び色の強度を維持するため、並びに新しい発毛を覆うことを含む毛髪の連続的で均一な着色を確実にするために、消費者はこのプロセスを定期的に繰り返す。毛髪脱色及びハイライト組成物では、典型的には、毛髪の色を明るくするための過酸化水素及び過硫酸塩等の強力な酸化剤が更に用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、商業的な毛髪着色剤製品は、長年の間利用されてきたという事実にもかかわらず、なお消費者に関係する多くの欠陥を示している。毛髪を着色した直後に得られる初期色の効果は、着色後から数日及び数週間の間、時間とともに変化し、その結果、色の強度及び光沢、並びに、毛髪の色調の双方が変化する。理論に束縛されるものではないが、この色の変化は、毛髪が悪い状態にあると誇大化すると考えられる。常に染色してきた毛髪は典型的に状態が悪く、染毛の化学的プロセスに起因する親水性の表面、及び、毛髪のタンパク質に対する化学的ダメージ、並びに、一体性が低下したキューティクルの存在状態が現れている。この悪い状態は、染毛してから次に染毛するまでの間に増長する。悪い状態の毛髪は、染毛してから次に染毛するまでの間に色及び光沢の変化を増長させるという影響に加えて、髪をほぐし、櫛でとかし、及び、スタイリングする困難度の上昇につながる。
【0004】
毛髪着色剤の色及びダメージ特性を向上させるために多くの試みが行われてきた。これらの試みは典型的に、いわゆる「洗髪による色あせ」特性を改善させるための新たな染料前駆体の開発、及び、染料前駆体の組み合わせにあった。このアプローチは、いくつかの利点はもたらすものの、長期にわたる色の維持という点では十分な利点は発揮せず、あらゆる所望の色相に対して有効である訳でははない。これに代えて、単一の組成物内で、又は、個々の適用工程として、予め形成された直接染料とともに酸化染料を用いることが教示されている。このような製品は、より強い初期色を生み出すが、長期的な所望の色特性はもたらさないとともに、根元から毛先までの色の摂取及び髪の状態に許容し難いばらつきをもたらす。
【0005】
染毛してから次に染毛するまでの期間にわたって毛髪の状態を向上させる耐久性シリコーンコンディショナートリートメント組成物が、欧州特許第1,356,802号、欧州特許第1,356,803号、欧州特許第1,358,865号、欧州特許第1,357,143号、欧州特許第1,356,801号、欧州特許第1,356,800号、及び、欧州特許第1,358,864号に記載されている。しかし、色の維持の問題は扱われていない。
【0006】
毛髪の状態を向上させることによって、得られた色を「閉じ込める」試みも行われてきた。この試みは、長期間にわたる色の維持機能を多少限定的に向上させるが、消費者から報告されている現況の欠陥のすべてを軽減するほど十分ではない。したがって、要約すれば、染毛してから次に染毛するまでの期間にわたる色の維持機能を向上させるための上記の現況の解決策には、完全に満足できるものはなく、このため、染毛してから次に染毛するまでの色の維持機能を向上させる必要性が依然として存在している。
【0007】
驚くべきことに、酸化染毛後、続いて色再生剤を少なくとも1回塗布する前に、特定の耐久性シリコーンコンディショナートリートメント組成物を毛髪に塗布する塗布手順によって、前記欠点の少なくとも1つが解消されることが今では分かっている。具体的には、本発明は、所要の初期色及び光沢を実現させ、更に、前記色及び光沢を、追加的な酸化染毛作業を必要とせずに長期にわたって維持させる。
【0008】
理論に束縛されるものではないが、耐久性シリコーンコンディショナートリートメント組成物の塗布は、1つ以上のメカニズムによって色あせ特性を改善させると考えられている。第1に、毛髪の状態を向上させることによって、個々の繊維に対する機構的ダメージの発生を減少させ、これによって毛髪の一体性を高める。これは、言い換えると、染料が毛髪内から拡散するプロセスを減速させ、より長期間にわたって酸化染毛剤による色が維持されることにつながる。第2に、耐久性シリコーンコンディショナートリートメント組成物は、着色した毛髪の表面特性を変え、それによって、毛髪表面に、ある程度の疎水性を取り戻させるとも考えられている。この結果、水分が毛髪中に拡散して、酸化染料を除去する可能性の程度も減少する。更に、続いて、酸化染毛後から数日及び数週間の時期に色再生剤を塗布することによって、色再生剤の中の予め形成された染料を毛髪上に到達させることが可能になり、更には、色の強度又はトーンのどんな低下も補う。これに加え、根元から毛先までのすべての毛幹沿いの毛髪の疎水性の再生によって、色再生剤の予め形成された染料を更に均一に取り込ませることが可能になる。更には、キューティクルの状態を向上させるシリコーンコンディショナートリートメントが毛幹の表面上に存在しているために、洗髪しても色落ちしないという、色再生剤の予め形成された染料の特性も向上する。最後に、色再生剤の予め形成された染料とともに、耐久性シリコーンコンディショナーを繰り返し塗布すると、上記の効果が更に高まることになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
i)少なくとも1つの酸化剤を含む第1の個別包装された酸化成分、ii)少なくとも1つの酸化染料、少なくとも1つのアルカリ化剤又はこれらの混合物を含む第2の個別包装された着色剤成分、iii)界面張力(IFT)が1〜12mN/mであり且つ粘度が0.4Pa・s(400cps)〜150Pa・s(150,000cps)である官能化シリコーンポリマーを含む第3の個別包装されたコンディショナー成分であって、前記シリコーンが毛髪上に耐久的に付着するコンディショナー成分、並びに、iv)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む第4の個別包装された色再生剤成分を含む染毛キットに関するものである。
【0010】
本発明は更に、少なくとも2つの順次的な染毛処理工程を含む順次的な染毛法であって、各処理間の時間が1分〜60日、より好ましくは1日〜31日であり、前記第1の染毛処理が、
i)本明細書に記載されるように前記第1の個別包装された酸化成分、前記第2の個別包装された着色剤成分及び前記第3の個別包装されたコンディショナー成分を用意する工程、
ii)前記第1及び第2の個別包装された成分の混合物を毛髪に塗布し、前記成分組成物を毛髪上に2〜60分間保持し、続いて、前記組成物を毛髪から洗い流す工程、
iii)続いて、前記第3のコンディショナー成分を毛髪に塗布し、前記成分組成物を毛髪上に5秒〜15分間保持し、任意で、その後に前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含み、
且つ前記第2の染毛処理が、
i)請求項1に記載の前記個別包装された色再生剤成分を用意する工程、
ii)前記色再生剤成分を毛髪に塗布し、前記成分組成物を毛髪上に少なくとも3秒〜30分間保持し、次に任意で、前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含む、染毛法に関する。
【0011】
本発明には更に、i)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む個別包装された色再生剤成分、及び、ii)界面張力(IFT)が1〜12mN/mであり且つ粘度が0.4Pa・s(400cps)〜150Pa・s(150,000cps)である官能化アミノシリコーンを含む個別包装されたコンディショナー組成物であって、前記シリコーンが毛髪上に耐久的に付着するコンディショナー組成物を含む染毛キット、を含む実施形態が含まれている。
【0012】
本発明には更に、
i)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む色再生剤成分、及び、ii)以下の式による官能化アミノシリコーンを含むコンディショニング剤を含む染毛組成物の実施形態が含まれており、
【0013】
【化1】

式中、m及びnは、合計(n+m)で2〜2000になる数であり、nは1〜1999の範囲の数であり、mは1〜1999の範囲の数であり、m及びnは、m:nの比が1:1000〜1:10になるように選択され、R14、R15、R16は、同一でも異なってもよく、ヒドロキシル基、C1〜C4アルコキシ基及びメチル基から選択され、
Aは直鎖及び分岐のC3〜C8アルケニル基から選択され、
R17は、H、フェニル、直鎖若しくは分岐のC1〜C4アルキル基、ベンジル又は直鎖若しくは分岐の(C2〜C8)NH2基から選択され、
Gは、H、フェニル、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、好ましくはメチルから選択され、前記アミノシリコーンはランダム型又はブロック型である。
【0014】
本発明は更に、少なくとも2つの順次的な染毛処理工程を含む順次的な染毛法に関するものであって、各処理間の時間は14日未満であり、前記第1の染毛処理は、
i)少なくとも1つの酸化剤を含む第1の個別包装された酸化成分、少なくとも1つの酸化染料、少なくとも1つのアルカリ化剤又はこれらの混合物を含む第2の個別包装された着色剤成分並びにコンディショニング剤を含む第3の個別包装されたコンディショナー成分を用意する工程、
ii)前記第1及び第2の個別包装された成分の混合物を毛髪に塗布し、前記組成部を毛髪上に2〜60分間保持し、続いて、前記組成物を毛髪から洗い流す工程、
iii)続いて、前記第3のコンディショナー成分を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に5秒〜10分間保持し、その後に前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含み、
且つ前記第2の染毛処理は、
i)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む前記個別包装された色再生剤成分を用意する工程、
ii)前記色再生剤成分を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に10分未満の間保持し、次に前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含む。
【0015】
本申請には更に、着色済みの毛髪に色再生効果をもたらすために上記の染毛キット又は染毛組成物を用いる実施形態が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
特に指定のない限り、量は成分の実量のおよその重量%を表しており、市販の製品中で前記成分と組み合わされる可能性のある溶媒、増量剤、又はその他の物質は含まず、目的用途の形態での組成物を含む。特に指定のない限り、部、百分率、及び割合を含む全ての量は、「約」という言葉により加減されるものと理解され、量は有効数字を示すと意図していない。すべての量は、特に指定のない限り、毛髪に塗布する最終組成物をベースとしている。
【0017】
本明細書で使用する時、「毛髪」という用語は、生体、例えばヒト、又は非生体、例えばかつら、ヘアピース、若しくは非生体のケラチン性繊維によるその他の凝集体を指す。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。特に、毛髪、羊毛、毛皮、及びその他のケラチン性繊維は、本明細書で説明する化合物及び組成物によって着色するのに適した基材である。
【0018】
本発明の1つの実施形態によれば、染毛キットは、多くの個別成分、すなわち、i)少なくとも1つの酸化剤を含む第1の個別包装された酸化成分、ii)少なくとも1つの酸化染料、少なくとも1つのアルカリ化剤又はこれらの混合物を含む第2の個別包装された着色剤成分、iii)本明細書で定義されている官能化シリコーンポリマーを含む第3の個別包装されたコンディショナー成分、iv)少なくとも1つの予め形成された染料を含む第4の個別包装された色再生剤成分を含む。
【0019】
酸化性成分
本発明による酸化成分組成物には、少なくとも1つの酸化剤供給源が含まれている。本発明に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。本明細書で定義する時、「水溶性」とは、標準状態で少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの前記酸化剤が1リットルの脱イオン水に溶解可能なことを意味する。酸化剤は、初期可溶化及びメラニンの脱色(decolourisation)(漂白(bleaching))に有用であり、且つ毛幹中での酸化染料前駆体の酸化(酸化着色)を促進する。
【0020】
本発明では、当該技術分野において周知のいずれの酸化剤も使用してよい。好ましい水溶性酸化剤は、水溶液中に過酸化水素を生じさせることができる無機過酸素材料である。水溶性パーオキサイド酸化剤は当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、並びに有機過酸化物、例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物、及び無機過水和物塩の脱色化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩は、一水和物、四水和物などとして組み込んでもよい。アルキル過酸化物及びアリール過酸化物、並びに/又はペルオキシダーゼを用いてもよい。必要に応じて、2つ以上の前記酸化剤の混合物も用いることができる。酸化剤は、水溶液で、又は使用前に溶解させる粉末として提供してもよい。本発明による組成物に用いるのに好ましいのは、過酸化水素、過炭酸塩、過硫酸塩及びこれらの混合物である。
【0021】
本発明によれば、組成物には、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約2重量%〜約7重量%の酸化剤が含まれる。
【0022】
本発明で使用するのに好ましい別の酸化剤は、ペルオキシモノカーボネートイオン供給源である。前記供給源は、過酸化水素供給源及び炭酸水素イオン供給源からその場形成させるのが好ましい。前記酸化剤は、pHが9.5以下、好ましくは7.5〜9.5、より好ましくは約pH9の場合にとりわけ効果的であることが分かっている。更には、この系は、アンモニア又はアンモニウムイオン供給源と組み合わせた場合もとりわけ効果的である。この酸化剤は、特にハイリフト(high lift)の実現に関して、最終的な所望の髪色に改善をもたらし、一方で、臭気、皮膚及び頭皮の刺激、並びに毛髪繊維へのダメージを大幅に低減させることが明らかになっている。
【0023】
従って、これらのイオンのいかなる供給源を利用してもよい。本発明に用いるのに好適な供給源としては、炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンのナトリウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、アルギニン塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、及びアンモニウム塩、並びにこれらの混合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。炭酸イオン及び酸化剤の双方の供給源を得るために、過炭酸塩も使用してもよい。炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びこれらの混合物である。
【0024】
本発明によれば、組成物には、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約1重量%〜約8重量%の炭酸水素イオン、及び約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の過酸化水素供給源が含まれている。
【0025】
着色剤成分
本発明の組成物には、少なくとも1つの酸化染料、少なくとも1つのアルカリ化剤又はこれらの混合物を含む酸化染毛剤成分組成物が含まれる。前記組成物は、頭髪の全体又は一部を染色又は脱色してハイライトなどの所望の効果をもたらすために用いてよい。前記組成物には、さまざまな髪色を毛髪にもたらす酸化毛髪染料前駆体(一次中間体としても知られている)を含めてよい。これらの小分子が酸化剤によって活性化され、更なる分子と反応して、より大きい着色錯体を毛幹内に形成させる。
【0026】
前記前駆体は、単独で又は他の前駆体と組み合わせて用いることができ、1つ以上の前駆体を1つ以上のカップラーと組み合わせて用いることもできる。カップラー(色変性剤又は第2の中間体としても知られている)は一般に、活性前駆体の存在下で色を形成可能な無色の分子であり、また、他の前駆体又はカップラーとともに用いて、特定の効果をもたらすか、又は、色を安定化させるかする。前駆体及びカップラーの選択は、所望の着色の色、色相、及び、強度によって決定する。本発明では、前駆体及びカップラーを単一又は混合物の形で用いて、灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色相を有する染料を提供することができる。
【0027】
これらの化合物は当該技術分野において周知であり、前記化合物としては芳香族ジアミン、アミノフェノール、芳香族ジオール及びこれらの誘導体が挙げられる(酸化的染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、「化粧品の科学及び技術(Cosmetic Science and Technology)」(サガリン(Sagarin)著、インターサイエンス(Interscience)、特別版、第2巻、308〜310頁)に見ることができる)。以下に述べる前駆体は例示のためだけのものであり、本発明の組成物及びプロセスを限定する目的ではないことを理解すべきである。前駆体は以下のようなものである。
【0028】
1,7−ジヒドロキシナフタレン(1,7−ナフタレンジオール)、1,3−ジアミノベンゼン(m−フェニレンジアミン)、1−メチル−2,5−ジアミノベンゼン(トルエン−2,5−ジアミン)、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,3−ジヒドロキシ−4−クロロベンゼン(4−クロロレゾルシノール)、1−ヒドロキシ−2−アミノベンゼン(o−アミノフェノール)、1−ヒドロキシ−3−アミノベンゼン(m−アミノフェノール)、1−ヒドロキシ−4−アミノ−ベンゼン(p−アミノフェノール)、1−ヒドロキシナフタレン(1−ナフトール)、1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−ナフタレンジオール)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−ナフタレンジオール)、1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン(4−ジアミノフェノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)、1−ヒドロキシ−4−メチルアミノベンゼン(p−メチルアミノフェノール)、6−ヒドロキシベンゾ−モルホリン(ヒドロキシベンゾモルホリン)、1−メチル−2−ヒドロキシ−4−アミノベンゼン(4−アミノ−2−ヒドロキ−トルエン)、3,4−ジアミノベンゼン酸(3,4−ジアミノ安息香酸)、1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン(2−メチル−5−ヒドロキシ−エチルアミノ−フェノール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(1,2,4−トリヒドロキシベンゼン)、1−フェノール−3−メチルピラゾール−5−オン(フェニルメチルピラゾロン)、1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン(2,4−ジアミノフェノキシ−エタノールHCL)、1−ヒドロキシ−3−アミノ−2,4−ジクロロベンゼン(3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール)、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン(2−メチルレゾルシノール)、1−アミノ−4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル))アミノベンゼン(N,N−ビス(2−ヒドロキシ−エチル)−p−フェニレン−ジアミン)、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン(HCレッド16)、1−ヒドロキシ−3−メチル−4−アミノベンゼン(4−アミノ−m−クレゾール)、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、1−ヒドロキシ−2−アミノ−5−メチルベンゼン(6−アミノ−m−クレゾール)、1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン(1,3−ビス−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン)、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン(ヒドロキシエチル−硫酸pフェニレンジアミン)、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン(2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール)、1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン(5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾール)、1−ヒドロキシ−2−アミノ−6−メチルベンゼン(6−アミノ−o−クレゾール)、1−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン(ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシ−アニリンHCl)、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン(2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン)、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン(2,6−ジメトキシ−3,5−ピリジンジアミン)、5,6−ジヒドロキシインドール(,ジヒドロキシ−インドール)、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール(2−アミノエチル−p−アミノ−フェノールHCl)、2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェネトールHCl)、2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン(2,4−ジアミノ−5−メチルフェノキシエタノールHCl)、5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール(5−アミノ−4−クロロ−o−クレゾール)、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン(ヒドロキシエチルアミノメチル−p−アミノフェノールHCl)、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−メトキシメチルベンゼン(2−メトキシメチル−p−アミノフェノールHCl)、1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)N(1−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール(ヒドロキシプロピル−ビス−(N−ヒドロキシ−エチル−p−フェニレンジアミン)HCl)、6−ヒドロキシインドール(6−ヒドロキシ−インドール)、2,2−インドリンジオン(イサチン)、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン(HCブルー7号)、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−2−オン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン)、5−アミノ−サリチル酸、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)ベンゼン(2,6−ヒドロキシエチルアミノ−トルエン)、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン(2,5,6−トリアミノ−4−硫酸ピリミジノール)、2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン(ポリエチレングリコール−3,2’,2’−ジ−p−フェニレンジアミン)、5,6−ジヒドロキシインドリン(ジヒドロキシインドリン)、N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン(m−ジメチル−アミノ−フェニル尿素)、2,4−ジアミノ−5−硫酸フルオトルエン水和物(4−フルオロ−6−メチル−m−硫酸フェニレンジアミン)、及び、1−アセトキシ−2−メチルナフタレン(1−ヒドロキシエチル−4,5−硫酸ジアミノピラゾール)、2,6−ジアミノピリジン。これらは、分子形態又は過酸化物相溶性塩の形態で用いることができる。
【0029】
本発明の酸化染毛剤成分組成物には、非酸化毛髪染料、すなわち、単独で又は上記の酸化染料と組み合わせて用いてよい予め形成された染料又は直接染料を含めてもよい。好適な直接染料としては、アゾ又はアントラキノン染料、及びベンゼン系のニトロ誘導体及び/又はメラニン前駆体、及びこれらの混合物が挙げられる。このような直接染料は、色相改質又はハイライトをもたらすのに特に有用である。特に好ましいものは、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー87及びこれらの混合物である。
【0030】
本発明の酸化毛髪染料組成物には一般に、約0.001%〜約10%の染料が含まれている。例えば、低強度の着色、例えば自然な金髪から薄茶色の毛髪の色合いを提供する組成物には一般に、着色組成物の約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の前駆体及びカップラーが含まれている。より暗い色相、例えば茶色及び黒には、典型的には、0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約7重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の前駆体及びカップラーが含まれている。
【0031】
本発明によれば、着色剤成分には、アルカリ化剤供給源、好ましくは、アンモニウムイオン又はアンモニア供給源を少なくとも1つ含めてよい。アルカノールアミドのような当該技術分野において周知のいかなる作用物質、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1プロパノール、並びに2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール及びグアニジウム塩を用いてもよい。特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオン供給源をもたらすものである。いずれのアンモニウムイオン供給源も本発明で用いるのに好適である。好ましい供給源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物である。本発明の組成物には、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオンを含めてもよい。
【0032】
コンディショナー成分
本発明の組成物には更に、第3のコンディショニング成分が含まれており、前記組成物には、官能化シリコーンポリマーが含まれている少なくとも1つのコンディショナーが含まれている。本発明で用いるのに好適なシリコーンは、特定の物理特性によって特徴付けられる。したがって、本発明で用いるのに好適な官能化シリコーンポリマーには、1〜12mN/m、好ましくは1〜10mN/m、より好ましくは1〜8mN/m、最も好ましくは約1〜4mN/mの界面張力を有する。本発明で用いる官能化シリコーンポリマーには、400〜150,000mPa・sの粘度を有する。より有益なケースでは、粘度は600〜100,000mPa・sである。更に有益なケースでは、粘度は4000〜25,000mPa・sである。
【0033】
驚くべきことに、規定の範囲内の界面張力及び粘度を有する官能化シリコーンに付随する利点は、化学的性質にかかわらず、すなわち、関連する官能基にかかわらず当てはまることが分かっている。
【0034】
本発明による組成物に組み込める官能化シリコーンポリマーとしては、ペンダント、グラフト、又はブロック型の有機変性シリコーンが挙げられ、この場合には、記述されているように、本発明で用いられる前記シリコーンの極性官能化置換基としては、ポリオキシアルキレン(ポリエーテル)、1級及び2級アミン、アミド、4級アンモニウム、カルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、炭水化物、リン酸塩、並びに、ヒドロキシルが挙げられるが、これらに限らない。
【0035】
より好ましくは、本発明の官能化シリコーンとしては、以下の構造のシリコーンが挙げられるがこれらに限らない。
【0036】
【化2】

式中、m及びnは、合計(n+m)で2〜2000になる数であり、nは1〜1999の範囲の数であり、mは1〜1999の範囲の数であり、また、m及びnは、m:nの比が1:1000〜1:10、好ましくは1:1000〜1:25、より好ましくは1:800〜1:50、最も好ましくは1:500〜1:50になるように選択され、m+nの合計は150〜2000、より好ましくは250〜1200、最も好ましくは300〜800である。
【0037】
R14、R15、R16は、同一でも異なってもよく、ヒドロキシル基、C1〜C4アルコキシ基及びメチル基から選択される。Aは、直鎖及び分岐のC3〜C8アルキル基から選択される。R17は、H、フェニル、直鎖若しくは分岐のC1〜C4アルキル基、ベンジル又は直鎖若しくは分岐の(C2〜C8)NH2基から選択される。Gは、H、フェニル、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、好ましくはメチルから選択される。アミノシリコーンはランダム型又はブロック型である。
【0038】
後にカルビノール化合物と反応させるポリマー、好ましくはグリシドールもまた、本発明に含まれている。
【0039】
本発明の好適な官能化シリコーンとしては、ワッカーシリコーンズ(Wacker Silicones)製のADM1100及びADM1600、ダウコーニング社(Dow Corning Corporation)製のDC2−8211、DC8822、DC8822A、DC8803、DC2−8040、DC2−8813、DC2−8630及びDC8566、信越化学社(Shin-Etsu Corporation)製のKF−862、KF−861、KF−862S、KF−8005、KF−8004、KF−867S、KF−873、及びX−52−2328、並びにGEバイエル・シリコーンズ(GE Bayer Silicones)製のTSF4702、TSF4703、TSF4704、TSF4705、TSF4707、TSF4708、TSF4709、F42−B3115、SF1708、SF1923、SF1921、SF1925、OF TP AC3309、OF7747、OF−NH TP AI3631、OF−NH TP AI3683のような商標名で市販されている、アミン官能化を持つ有機変性シリコーンが挙げられるが、これらに限らない。
【0040】
本発明の非常に好ましい官能化シリコーンは、粘度が4,000mPa・s超の、アミン官能化を有する有機変性シリコーンであり、このシリコーンとしてはワッカーシリコーンズ(Wacker Silicones)の商標名ADM1100、ダウコーニング社(Dow Corning Corporation)のDC8803、及びGEバイエルシリコーンズ(GE Bayer Silicones)のTSF4707の市販液剤が挙げられるが、これらに限らない。
【0041】
本発明の官能化シリコーンは、耐久性添加剤とともに使用することができる。耐久性添加剤は、極性繊維基材上で、特に基材が永続的着色中、脱色中、及びパーマネントウエーブ中に生じるような化学処理によって既に損傷した毛髪である場合、より耐久性をもたせるように官能化シリコーンを変性させることができる。耐久性添加剤は、官能化シリコーンと混和可能でなければならず、この場合の混合物の(Tanδ)-1はゼロ超であり、また、Tanδ=G”/G’であり、式中、G’は貯蔵弾性率であり、G”は損失弾性率である。Tanδは、損失エネルギーの貯蔵エネルギーに対する比率を表しており、Tanδ=G”/G’であり、G”は損失弾性率であり、G’は貯蔵弾性率である。動的レオロジー特性の測定に関する更なる情報は、デニス・ラバ(Dennis Laba)著「化粧品及び洗面用品のレオロジー特性(Rheological Properties of Cosmetics and Toiletries)」、「化粧品科学及び技術シリーズ(Cosmetic Science and Technology Series)」第13巻、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、ISBN0−8247−9090−1に見ることができ、それを参照により本明細書に取り込む。疑問を避けるためであるが、(Tanδ)-1は1/(Tanδ)と全くの等価物である。
【0042】
本発明による耐久性添加剤には、1つ以上のオルガノシロキサン樹脂が含まれているのが好ましい。理論に束縛されたくはないが、オルガノシロキサン樹脂は、官能化シリコーン液剤内で粘弾性(vicoelasticity)を生じる3次元網状組織を作りだすと考えられており、これにより液剤の接着性が高まり、従って繊維基材の耐久性が高まる。好ましくは、オルガノシロキサン樹脂は水に不溶性である。
【0043】
さらに好ましくは、前記オルガノシロキサン樹脂には、1官能性R3SiO1/2「M」単位及び4官能性SiO2「Q」単位の繰り返しが含まれており、これは別名として「MQ」樹脂として既知である。この場合、官能単位「M」の官能単位「Q」に対する比率は0.7以上が有益であり、nの値は1.2である。このようなオルガノシロキサン樹脂は、GEバイエルシリコーンズ(GE Bayer Silicones)製のSR1000、及び、ワッカーシリコーンズ(Wacker Silicones)製のワッカー(Wacker)803として市販されている。
【0044】
好都合なことに、本発明のオルガノシロキサン樹脂は約25℃で固体であり、1,000〜10,000g/molの分子量範囲を有する。
【0045】
本発明によるコンディショニング組成物には、組成物を適用する際にシリコーン油の分配を容易にするために、組成物中にシリコーン油用の希釈液、分散剤、又はキャリアとして作用する化粧品的に許容可能なビヒクルを含めてもよい。ビヒクルは、水性エマルション、水、液体又は固体皮膚軟化剤、溶媒、保湿剤、噴射剤、増粘剤及び粉末であってもよい。
【0046】
有益なことに、本発明によるコンディショニング組成物は、主要構成成分として水を用いるエマルションの形態であってよいが、上に列挙したもののような水性有機溶媒を含有させてもよい。エマルションは、油中水型エマルション、水中油型エマルション、水中油中水型多重エマルション、又は油中水中油型多重エマルションであってもよいが、好ましくは水中油型エマルション(水中シリコーン型エマルション)である。このような場合、官能化シリコーンの粒径は、好ましくは500nm超、より好ましくは1μm超、更により好ましくは2μm超である。
【0047】
エマルションの水性連続相には、エマルションの形成を容易にするための乳化剤を更に含めてもよい。エマルションの水性連続相において使用する乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性高分子界面活性剤、水溶性シリコーン含有界面活性剤、約10より大きいHLBを有する非イオン性界面活性剤、又はシリコーン液滴の周りに安定化液晶を形成することができる界面活性剤系を挙げてよい。非イオン性界面活性剤のHLBは少なくとも12であるのが好ましく、より好ましくはHLBの値は少なくとも約15である。前記部類に属する界面活性剤は、マカッチャン(McCutcheon)著「乳化剤と洗剤、北米及び国際版(Emulsifiers and Detergents North American and International Editions)」、MCパブリッシング社(MC Publishing Co.)、ニュージャージー州グレンロック、235〜246ページ(1993年)に列挙されている。
【0048】
水相のための乳化剤は、水相をゲル化させない。しかし、乳化剤は、シリコーン液滴の周りにラメラ液晶の安定化層を形成することができる。簡潔には、「液晶構造」という用語には、本明細書で使用する時、凝固した液晶であるゲル網状組織も含まれるとみなすべきである。界面活性剤系は、単一の界面活性剤、又は界面活性剤の混和物にすることができる。場合によっては、特定の界面活性剤は、単独では液晶構造を形成できないが、第2の界面活性剤が存在すると液晶の形成に関与することができる場合がある。
【0049】
液晶の形成に関与することのできる界面活性剤の代表的な部類としては、特定のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、4級アンモニウム界面活性剤、及び脂質界面活性剤が挙げられるが、これらに限らない。
【0050】
本発明の実施例によるコンデイショニング成分組成物は、pH約3〜11、好ましくは約4〜10.5で提供してよい。
【0051】
発明によるコンディショニング組成物は、例えば低粘度から中粘度、さらには高粘度までの液体、ローション、乳液、ムース、分散体、スプレー、ジェル、フォーム、エアゾール、及びクリームのような、いずれの好適な物理形態で提供してもよい。このような組成物は、当業者に周知の手順によって製造してもよい。本発明のコンディショニング成分組成物は、粘度が500〜100,000mPa・s以上の液剤、ローション、液剤クリーム又はクリームとして配合することができる。コンディショナー成分には、前記官能化シリコーンを0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜7.5重量%含有させる。
【0052】
色再生成分
本発明によれば、色再生成分には、少なくとも1つの予め形成された染料前駆体、水溶性染料又は水分散性染料、若しくはこれらの混合物が含まれている。これらの化合物は当該技術分野において周知であり、前記化合物としては、酸性染料、塩基性染料、分散性染料、反応性染料、及びこれらの混合物が挙げられる。代表的ではあるが完全ではない表は、(i)「色指数」(第3版、染め物師及びカラリスト協会(Society of Dyers & Colourists)(ブラッドフォード、ウェストヨークシャー州)・米国繊維科学者及びカラリスト協会(the American Association of Textile Chemists & Colourists)(リサーチ・トライアングル・パーク)、1971年)並びに(ii)「国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)」(第10版、2004年)で見ることができる。
【0053】
本明細書に用いるのに好適な染料としては、酸性染料の例:アシッドレッド27(C.I.16185)、アシッドレッド51(C.I.45430)、アシッドレッド18(C.I.16255)、アシッドレッド92(C.I.45410)、アシッドレッド94(C.I.45440)、アシッドレッド52(C.I.45100)、アシッドイエロー23(C.I.19140)、食用黄色3(C.I.15985)、食用緑色3(C.I.42053)、食用青色2(C.I.42090)、アシッドブルー74(C.I.73015)、顔料レッド57−1(C.I.15850)、アシッドレッド33(C.I.17200)、アシッドレッド87(C.I.45380)、アシッドオレンジ7(C.I.15510)、アシッドレッド95(C.I.45425)、アシッドイエロー73(C.I.45350)、アシッドイエロー3(C.I.47005)、アシッドグリーン25(C.I.61570)、ソルベントグリーン7(C.I.59040)、ソルベントバイオレット13、アシッドグリーン5(C.I.42095)、アシッドブルー5(C.I.42052)、アシッドブルー9(C.I.42090)、アシッドオレンジ24(C.I.20170)、アシッドバイオレット9(C.I.45190)、食用赤色6(C.I.16155)、アシッドレッド26(C.I.16150)、食用赤色1(C.I.14700)、アシッドレッド88(C.I.15620)、アシッドオレンジ20(C.I.14600)、アシッドイエロー40(C.I.18950)、アシッドイエロー1(C.I.10316)、アシッドイエロー36(C.I.13065)、アシッドイエロー11(C.I.18820)、アシッドグリーン1(C.I.10020)、アシッドグリーン3(C.I.42085)、アシッドバイオレット43(C.I.60730)、アシッドブラック1(C.I.20470)、アシッドブラック52(C.I.15711)、アシッドブルー1(C.I.42045)、アシッドブルー3(C.I.42051)、アシッドブルー62(C.I.62045)、アシッドブラウン13(C.I.10410)、アシッドグリーン50(C.I.44090)、アシッドオレンジ3(C.I.10385)、アシッドオレンジ6(C.I.14270)、アシッドレッド14(C.I.14720)、アシッドレッド35(C.I.18065)、アシッドレッド73(C.I.27290)、アシッドレッド184(C.I.15685)、及びブリリアントブラック1(C.I.28440)が挙げられる。
【0054】
塩基性染料の例としては、ベーシックブルー7(C.I.42595)、ベーシックブルー16(C.I.12210)、ベーシックブルー22(C.I.61512)、ベーシックブルー26(C.I.44045)、ベーシックブルー99(C.I.56059)、ベーシックブルー117、ベーシックバイオレット10(C.I.45170)、ベーシックバイオレット14(C.I.42515)、ベーシックブラウン16(C.I.12250)、ベーシックブラウン17(C.I.12251)、ベーシックブラウン2(C.I.50240)、ベーシックレッド12(C.I.48070)、ベーシックレッド22(C.I.11055)、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76(C.I.12245)、ベーシックレッド118(C.I.12251:1)、ベーシックオレンジ31、ベーシックオレンジ69、ベーシックイエロー28(C.I.48054)、ベーシックイエロー57(C.I.12719)、ベーシックイエロー87、及びベーシックブラック2(C.I.11825)、4級窒素原子が芳香環骨格の側鎖中に含まれている塩基性染料、例えば、日本特許公報(公告)第58−2204号及び日本特許出願(公開)第9−118832号に開示されている染料、及び例えば、日本特許公表公報第10−502946号及び日本特許出願(公開)第10−182379号及び第11−349457号に開示されている塩基性染料が挙げられる。
【0055】
酸性染料及び塩基性染料以外の予め形成された染料の例としては、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、6−ニトロ−o−トルイジン、6−ニトロ−p−トルイジン、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、2−ニトロ−5−グリセリメチルアニリン、4−アミノ−2−ニトロフェニルアミン−2−カルボン酸、2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、N−エチル−3−ニトロ−PABA、ピクラミン酸、2−ヒドロキシエチルピクラミン酸、4−ニトロフェニルアミノエチル尿素、ソルベントバイオレット13(C.I.60725)、ソルベントイエロー44(C.I.56200)、ディスパースレッド17(C.I.11210)、ディスパースバイオレット1(C.I.61100)、ディスパースバイオレット4(C.I.61105)、ディスパースブラック9、ディスパースブルー377、ディスパースブルー23、ディスパースブルー3(C.I.61505)、ディスパースブルー7(C.I.62500)、HCバイオレット1号、HCグリーン1号、HCブルー2号、HCブルー7号、HCブルー8号、HCブルー9号、HCブルー10号、HCブルー12号、HCブルー14号、HCオレンジ1号、HCオレンジ2号、HCオレンジ3号、HCレッド1号、HCレッド3号、HCレッド7号、HCレッド8号、HCレッド9号、HCレッド10号、HCレッド11号、HCレッド13号、HCレッド14号、HCレッド16号、HCバイオレット2号、HCイエロー2号、HCイエロー4号、HCイエロー5号、HCイエロー6号、HCイエロー7号、HCイエロー9号、HCイエロー10号、HCイエロー11号、HCイエロー12号、HCイエロー13号、HCイエロー14号、及びHCイエロー15号が挙げられる。
【0056】
本発明で用いるのに好適な既製の染色剤は、アシッドブラック1、アシッドオンレジ3、アシッドレッド18、アシッドレッド92、アシッドバイオレット43、アシッドイエロー1、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックブルー7、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックレッド76、ベーシックイエロー57、ベーシックブラウン17、ベーシックブラウン16、ベーシックレッド118、ベーシックオレンジ69、ベーシックバイオレット2、カレーレッド、D&Cグリーン3、D&Cグリーン5、D&Cグリーン6、D&Cオレンジ4、D&Cレッド33、D&Cイエロー10、ディスパースブルー3、ディスパースブルー3(溶媒形状)、ディスパースブルー377、ディスパースブラック9」、ディスパースレッド17、ディスパースバイオレット1、FD&Cブルー1、FD&Cレッド4、FD&Cレッド30レーキ、FD&Cイエロー5、FD&Cイエロー5Zrレーキ、FD&Cイエロー6、ex.FD&Cイエロー7、HCブルー12、HCブルー15、HCオレンジ1、HCレッド1、HCレッド3、HCレッド10及び11、HCレッド13、HCブルー2、HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー13、HCイエロー6、ピグメントレッド57、ソルベントバイオレット13、4−アミノ−3−ニトロフェノール、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール、4−ニトロフェニルアミノエチル尿素、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、6−アミノ−m−クレゾール、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、2−ヒドロキシエチルピクラミン酸、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン、2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3−イル)アゾ)ピリジン、テトラブロモフェノールブルー、及び、これらの混合物から選択してよい。
【0057】
本発明の代替的な実施形態では、色再生成分に、酸化染料及び予め形成された染料の混合物を含めてもよい。とりわけ好ましいのは、酸化染料(単一又は複数)及び少なくとも3つの予め形成された染料から成り、酸化染料の予め形成された染料に対する重量比が5:1〜0.5:1である水性溶液又は水性アルコール溶液の形状の混合物である。好ましい酸化染料は、2,5−ジアミノトルオール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、m−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシ−トルオール、3−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、1−ナフトール、ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシアニリン、2−5−ジアミノ−フェノールエタノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)p−フェニレンジアミン、フェニル−メチル−ピラゾロン、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール、及び、2−アミノ−クロロ−4−ビトロ−フェノール、又はこれらの塩である。好ましい予め形成された染料は、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−pトルイジン、2−ヒドロキシエチル−ピクラミン酸、4−ニトロフェニル−アミノ尿素、ベーシックバイオレット2、ディスパースバイオレット1、HCブルー2号、HCブルー12号、HCレッド13号、HCイエロー6号、HCレッド3号、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−[(ヒドロキシエチル)(−アミノ]−3−ニトロフェノール、HCレッド10号、HCレッド11号、2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、HCイエロー13号、ベーシックブルー99号、ベーシックブラウン16号、ベーシックブラウン17号、ベーシックイエロー57号、及び、2,6,ジアミノ−3[(ピリジン−3−イル)アゾ]−ピリジン、並びに、これらの塩から選択する。
【0058】
本発明の色再生成分組成物には典型的に、前記予め形成された染料が約0.01重量%〜10.0重量%、好ましくは約0.01重量%〜3.0重量%含まれることになる。
【0059】
色再生材には更に、任意に応じて、コンディショナー成分の部分で既述したような官能化シリコーンポリマーを含めることができる。
【0060】
追加成分
上述した本発明の成分組成物のいずれにも、更に追加成分を含めてもよく、前記追加成分としては、任意の有益材料及び化粧品用補助剤を挙げてよい。ただし、有益材料又は補助剤が、前記組成物の性能又は貯蔵安定性を解消又は実質的に減少させない場合に限る。好適な成分としては、例えば染料及び着色剤、芳香剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は双性イオン性界面活性剤(zwitterionic surfactant)、緩衝剤(buffer)、マスキング芳香剤、分散剤、安定剤、カチオン性ポリマー、香料、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、複合コアセルベート、複合コアセルベートカプセル、金属塩、ルイス酸、緩衝剤(buffering agent)、増粘剤(thickener)及び/又はレオロジー調整剤、ポリマー増粘剤、ワックス増粘剤、油、皮膚軟化剤、湿潤剤、保湿剤、真珠光沢剤、乳白剤、酵素、懸濁化剤、抗菌剤、防腐剤、タンパク質、ハーブ及び植物抽出物、脱色剤、過酸化物、パーマ活性剤、ポリオール、シリコーン、抗体、pH緩衝剤などのpH調整剤、アルカリ化剤、防腐剤、増粘剤(viscosity enhancer)、ゲル化剤、キレート剤、酸化剤、還元剤、紫外線濾過剤、乳化剤、酸化防止剤、保湿剤及びコンディショニング剤、並びに、酸化染料前駆体、非酸化性の予め形成された染料のような染毛剤並びに当該業者にとって周知のその他の一般的な補助剤が挙げられるが、これらに限らない。これらの追加成分の一部について、以下で詳細に述べる。
【0061】
界面活性剤
本成分組成物には更に界面活性剤を含めてもよい。本発明では、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤(単一又は複数)、又は、これらの混合物を用いることができる。用いるのに好ましいのは、アニオン性面活性剤(0.1〜30%の範囲内の濃度)、非イオン性界面活性剤(0.1〜20%の範囲)、及び、双極性界面活性剤(0.1〜20%の範囲)である。
【0062】
コンディショニング剤
本成分組成物には、日焼け止め剤、ビタミン、パンテノールのようなプロビタミン、シリコーン、有機官能化シリコーン、タンパク質、タンパク質加水分解物、18−メチルエイコサン酸、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤性、両性界面活性剤、又は双性イオン性界面活性剤、複合コアセルベート、複合コアセルベートカプセル、油剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、保湿剤、ハーブ及び植物抽出物、ポリオール、紫外線濾過剤及びコンディショニング剤、並びに当該業者にとって周知のその他の一般的な補助剤、更にはこれらのさまざまな化合物及び化粧品組成物で通常使われるその他のいずれかの添加物の混合物から選択したコンディショニング剤も含めてもよい。これらの添加剤は、全組成物に対して0〜20重量%の範囲にある割合で組成物中に存在してよい。当業者は、組成物の性質及びその機能に応じて、必要とされる各添加剤の量を決定することができる。
【0063】
ラジカルスカベンジャー
本発明によれば、本成分組成物にはラジカルスカベンジャー供給源を更に含めてもよい。本明細書で使用する時、「ラジカルスカベンジャー」という用語は、反応性ラジカル、好ましくは炭酸塩ラジカルと反応して、前記反応性ラジカルを一連の高速反応によって、より反応性の低い種に変換できる種を指す。
【0064】
本発明で用いるのに好適なラジカルスカベンジャーとしては、次の一般式による化合物が挙げられる。
【0065】
(I): R1−Y−C(H)(R3)−R4−(C(H)(R5)−Y−R6n
式中、Yは、NR2、O、又はSであり、好ましくはNR2であり、nは0〜2であり、R4は1価又は2価であるとともに、(a)置換若しくは非置換の又は直鎖状若しくは分枝状のアルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖状若しくは分枝状のモノ不飽和又はポリ不飽和アルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖状若しくは分枝状のヘテロアルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖状若しくは分枝状の脂肪族系、置換若しくは非置換の又は直鎖状若しくは分枝状のヘテロ脂肪族系、又は置換若しくは非置換の又は直鎖状若しくは分枝状のヘテロオレフィン系、(b)置換若しくは非置換の単環式若しくは多環式の脂肪族系、置換若しくは非置換のアリール系、又は置換若しくは非置換の複素環系、又は(c)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、置換若しくは非置換のポリフルオロアルキル系、又は置換若しくは非置換のペルフルオロアルキル系から選択され、(a)、(b)、及び(c)の系には、1〜12個の炭素原子並びにO、S、N、P、及びSiから選択した0〜5個のヘテロ原子が含まれており、R4は、R3若しくはR5に結合して5、6、又は7員環を作り出すことができ、R1、R2、R3、R5、及びR6は一価であり且つ独立して本明細書で上述した(a)、(b)及び(c)又はHから選択される。
【0066】
好ましくはR4は、(a)置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のアルキル系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のヘテロアルキル系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状の脂肪族系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のヘテロ脂肪族系、又は置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のヘテロオレフィン系、(b)置換若しくは非置換の単環式又は多環式の脂肪族系、置換若しくは非置換のアリール系、又は置換若しくは非置換の複素環系、又は(c)置換若しくは非置換のモノフルオロオレフィン系、置換若しくは非置換のポリフルオロオレフィン系、又は置換若しくは非置換のペルフルオロアルキル系から選択され、より好ましくは、R4は、(a)置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝状のアルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝状のヘテロアルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝状の脂肪族系、又は置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝状のヘテロ脂肪族系、(b)置換若しくは非置換のアリール系、又は置換若しくは非置換の複素環系、又は(c)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、置換若しくは非置換のポリフルオロアルキル系、又は置換若しくは非置換のペルフルオロアルキル系から選択され、より好ましくは、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝状のアルキル系、又は置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝状のヘテロアルキル系から選択される。
【0067】
好ましくは、本明細書で上述した(a)、(b)、及び(c)のR4系には、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子、及び0〜3個のへテロ原子、好ましくは0〜2個のへテロ原子、最も好ましくは0〜1個のへテロ原子が含まれる。前記系にへテロ原子が含まれる場合、前記系に1個のへテロ原子が含まれるのが好ましい。好ましいへテロ原子としては、O、S、及びNが挙げられ、より好ましいのはO及びNであり、最も好ましいのはOである。
【0068】
好ましくは、R1、R2、R3、R5、及びR6は、上記R4について定義した系類のいずれか、及びHから独立して選択する。
【0069】
別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6基のいずれかが置換されている。好ましくは、その置換基(類)は、(a)(i)置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝鎖のアルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝鎖のモノ不飽和アルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝鎖のポリ不飽和アルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝鎖のヘテロアルキル系、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝鎖の脂肪族系、置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝鎖のヘテロ脂肪族系、又は置換若しくは非置換の又は直鎖若しくは分枝鎖のヘテロオレフィン系、(ii)置換若しくは非置換の単環式脂肪族系、置換若しくは非置換多環式脂肪族系、置換若しくは非置換アリール系、又は置換若しくは非置換複素環式系、又は(iii)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、置換若しくは非置換のポリフルオロアルキル系、又は置換若しくは非置換のペルフルオロアルキル系から成るC−結合一価置換基であって、前記(i)、(ii)及び(iii)の系に1〜10個の炭素原子とO、S、N、P及びSiから選択した0〜5個のヘテロ原子が含まれている置換基の群、(b)SA1、SCN、SO21、SO31、SSA1、SOA1、SO2NA12、SNA12及びSONA12から成るS−結合の一価置換基の群、(c)OA1、OCN及びONA12から成るO−結合の一価置換基の群、(d)NA12、(NA123+、NC、NA1OA2、NA1SA2、NCO、NCS、NO2、N=NA1、N=NOA1、NA1CN、NA1NA23から成るN−結合の一価置換基の群、(e)COOA1、CON3、CONA12、CONA1COA2、C(=NA1)NA12、CHO、CHS、CN、NC及びXから成る一価置換基の群、並びに(f)1〜12個の炭素原子と0〜4個のヘテロ原子が含まれているモノフルオロアルキル系、1〜12個の炭素原子と0〜4個のヘテロ原子が含まれているポリフルオロアルキル系、又は1〜12個の炭素原子と0〜4個のヘテロ原子が含まれているペルフルオロアルキル系から成るフルオロアルキルの一価置換基から成る群から選択される。
【0070】
上述の(b)〜(e)群において、A1、A2及びA3は一価であり、また、(1)H、(2)置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のアルキル系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のモノ不飽和アルキル系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のポリ不飽和アルキル系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のヘテロアルキル系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状の脂肪族系、置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のヘテロ脂肪族系、又は置換若しくは非置換又は直鎖若しくは分枝状のヘテロオレフィン系、(3)置換若しくは非置換の単環式脂肪族系、置換若しくは非置換の多環式脂肪族系、置換若しくは非置換のアリール系、又は置換若しくは非置換の複素環式系、又は(4)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、置換若しくは非置換のポリフルオロアルキル系、又は置換若しくは非置換のペルフルオロアルキル系から独立して選択され、前記の(2)(3)及び(4)の系には、1〜10個の炭素原子と、O、S、N、P、及びSiから選択した0〜5個のヘテロ原子が含まれており、並びに、Xは、F、Cl、Br及びIから成る群より選択したハロゲンである。
【0071】
本発明で用いるのに好ましい置換基としては、ハメットσパラメーター値(σp)が−0.65〜+0.75、好ましくは−0.4〜+0.75である置換基が挙げられる。ハメットσ値については、「上級有機化学−反応、メカニズム、及び、構造(Advanced Organic Chemistry-Reactions, Mechanisms and Structure」(ジェリー・マーチ(Jerry March)、第5版(2001年)、368〜375ページ)に記載されている。
【0072】
本発明で用いるのに好適な別のラジカルスカベンジャーは、式(II)による化合物である。
【0073】
【化3】

式中、R1、R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立して、H、COO-+、Cl、Br、SO3-+、NO2、OCH3、OH、又はC1〜C10の一級若しくは二級アルキルから独立して選択され、MはH又はアルカリ金属のいずれかである)ヒドロキシ基(hydroxy goup)のプロトン化を確実にするために、上述したラジカルスカベンジャーのpKaは、8.5超であるのが好ましい。
【0074】
本発明で用いるのに好適なその他のラジカルスカベンジャーとしては、群(III)ベンジルアミン、イミダゾール、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、グアニン、ピラジン、ピペリジン、モルホリン、メチルモルホリン、2メトキシエチルアミン、及びこれらの混合物の群から選択されるものが挙げられる。
【0075】
本発明による好ましいラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸エステル、及びこれらの混合物から選択する。とりわけ好ましい化合物は、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オル、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オル、3−アミノプロパン1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、並びに、これらの混合物並びに、塩類、例えばこれらのカリウム塩、アンモニウム塩、及び、これらの混合物である。特に好ましい化合物は、グリシン、サルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、3アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物である。
【0076】
ラジカルスカベンジャーの毛髪繊維中への浸透を容易にするために、本発明によるラジカルスカベンジャーの分子量は、約500未満、好ましくは約300未満、より好ましくは約250未満であるのが好ましい。本発明の組成物には、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーが含まれているのが好ましい。ラジカルスカベンジャーはまた、アルカリ化剤と同一の種にならないように選択するのが好ましい。本発明の1つの実施形態によれば、ラジカルスカベンジャーは、毛髪繊維への適用前に染毛組成物中においてその場形成させてよい。
【0077】
ポリマー
本発明の成分組成物には更に、任意でポリマーを少なくとも約0.01%含めてもよい。ポリマーは、例えば、会合性ポリマーから選択することができる。本明細書で使用するとき、「会合性ポリマー」という表現は、親水性単位及び疎水性単位の両方、例えば少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位から成る両親媒性ポリマーを意味する。用いてよい代表的な会合性ポリマーは、以下から選択した会合性ポリマーである。
(i)少なくとも1つの脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む非イオン性両親媒性ポリマー、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されているセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されているヒドロキシプロピルグアー、少なくとも1つの脂肪鎖を含むポリエーテルウレタン、ビニルピロリドンと脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー、C1〜C6アルキルアクリレート又はメタクリレート及び少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー、親水性アクリレート又はメタクリレート及び少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー
(ii)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性両親媒性ポリマー、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位と、エチレン性不飽和アニオン性モノマー単位を含む少なくとも1つの親水性単位を含むものから、又は、不飽和オレフィン性カルボン酸基型の少なくとも1つの親水性単位と、不飽和カルボン酸の(C8〜C30)のアルキルエステル又は(C8〜C30)のオキシアルキレン化アルキルエステルのような型の少なくとも1つの疎水性単位を含むものから選択可能なもの。アニオン性両親媒性ポリマーは更に架橋させてもよい。
(iii)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むカチオン性両親媒性ポリマー。例えば、4級化セルロース誘導体、及び、アミノ側鎖基を含むポリアクリレート類から選択可能なもの。
(iv)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性両親媒性ポリマー。例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリル酸/C10〜C30アルキルメタクリレートコポリマーを挙げられ、この場合、アルキル基は例えばステアリル基である。
【0078】
更に、ポリマーは、架橋アクリル酸ホモポリマー類、(メタ)アクリル酸、及び(C1〜C6)アルキルアクリレートの架橋コポリマー又は多糖類から選択することもできる。
【0079】
また、ポリマーは、本明細書に記載のとおり、コンディショニング剤として機能させてもよい。ポリマーは一般に、組成物の約0.01重量%〜約20.0重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の濃度で用いる。
【0080】
キレート剤
本発明によれば、本成分組成物にはキレート剤を含めてよい。キレート剤は当該技術分野において周知であり、各々が金属イオンとキレートを形成できる分子又は異なった分子の混合物を指す。キレート剤は当該技術分野において周知であり、その非包括的なリストは、AE・マーテル(AE Martell)及びRM・スミス(RM Smith)著、「臨界安定度定数(Critical Stability Constants)」(第1巻、プレナム出版社(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン(1974年))、並びに、AE・マーテル(AE Martell)及びRD・ハンコック(RD Hancock)著、「水溶液中の金属錯体(Metal Complexes in Aqueous Solution)」(プレナム出版社(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン)、1996年刊)に見ることができ、双方とも本明細書に参考として組み込まれる。
【0081】
本発明で用いるのに適したキレート剤の例としては、EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)、カルボン酸(特に、アミノカルボン酸)、ホスホン酸(特に、アミノホスホン酸)及びポリリン酸(特に、直鎖ポリリン酸)、これらの塩及び誘導体が挙げられる。
【0082】
キレート剤は、本発明の組成物中に安定剤及び/又は防腐剤として組み込んでもよい。加えて、キレート剤は、毛髪繊維の損傷に対する効果をもたらし、したがってキレート剤は本発明の毛髪損傷の様相を更に改善するために使用してもよいことが分かっている。本発明のキレート剤の濃度は、ジアミン−N,N’−ジポリ酸キレート剤及びモノアミンモノアミド−N,N’−ジポリ酸キレート剤(例えば、EDDS)のような最も有効なキレート剤の場合、約0.1%程度の低さであってよく、好ましくは少なくとも約0.25%、より好ましくは約0.5%であってよい。有効性がより低いキレート剤は、キレート剤の有効性に応じて、より好ましくは、組成物の少なくとも約1重量%、更により好ましくは約2重量%を超える濃度で用いる。約10重量%の高さの濃度を用いることもできるが、この濃度を超えると、配合面で重要な問題が生じる場合がある。
【0083】
溶媒
本発明の組成物で用いるのに適した溶剤としては、水、ブトキシジグリコール、プロピレングリコール、アルコール(変性)、エトキシジグリコール、イソプロピルアルコール、ヘキシレングリコール、ベンジルアルコール及びジプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限らない。したがって、最終的には本発明の組成物は水性組成物として提供されるのが典型的である。本発明の組成物には、典型的には溶媒が少なくとも約10重量%、好ましくは約20重量%、より好ましくは約30重量%、最も好ましくは約50重量%含まれている。
【0084】
使用方法
本明細書に記載の使用法及び実施形態の例は、単に例示することが目的であり、本発明の範囲から逸脱することなくその種々の変更又は変形が当業者に提示されると理解される。
【0085】
酸化毛髪染料組成物は通常、酸化剤(通常は過酸化水素)が含まれている酸化成分(エマルション状のものは「過酸化水素クリーム」、あるいは、溶液状のものは「過酸化水素液」とも称される)、並びに、酸化染料、前駆体、及び又は、典型的には好適なキャリア中のアンモニアであるアルカリ化剤が含まれている着色剤成分(エマルション状のものは「染料クリーム」、あるいは、溶液状のものは「染料液」とも称される)が、別々の容器のように個別包装された成分の形態で含まれるキットで販売される。消費者が使用直前に着色剤成分と酸化成分を混合して、前記成分を毛髪上に塗布する。
【0086】
同様に、脱色組成物もまた、通常2個又は3個の別々の容器の中に個別包装された2つ又は3つの成分から成るキットとして通常販売される。第1の成分には酸化剤を含み、第2の成分には、アンモニウムイオン供給源(例えばアンモニア)などのアルカリ化剤を含み、第3の成分には第2の酸化剤を含む。脱色組成物は、上記の組成物を使用直前に混合することにより得られる。
【0087】
(毛髪全体への均一な塗布を確実にするために)数分間混合物を処理した後、着色を起こすのに十分な量で酸化染料組成物を毛髪上に保持させる(通常、約2〜60分、典型的には約30〜45分)。次に、消費者は、被術者の毛髪を水で十分にすすいで、乾燥させる。毛髪が元の色から所望する色に変化したことを確認する。
【0088】
また、本発明のキットには更に、コンディショニング成分組成物が含まれており、前記組成物は第3の容器内に収容される。酸化成分、着色剤成分、及び、コンディショナー成分は、使用直前に混合して、一緒に塗布することができ、あるいは、第3の容器の内容物は、その他の容器の混合により得られる酸化染料組成物又は脱色組成物の直後の後処理として、(任意のすすぎ工程後に)塗布できるのが好ましい。
【0089】
最後に、キットには、少なくとも1つの予め形成された料、水溶性染料又は水分散性染料を含む色再生成分組成物も含まれる。色再生剤をシャンプー又はコンディショナー工程として塗布し、これによって前記組成物を毛髪に数分間塗布し続けてから任意で洗い流すことができるように、色再生剤には典型的に、組成物の毛髪への塗布を補助する界面活性剤及び又はコンディショニング剤を更に含む。
【0090】
本発明の更なる実施形態は、少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む個別包装された色再生剤成分組成物、及び、官能化アミノシリコーンを含む個別包装されたコンディショナー成分組成物を含む染毛キットに関するものである。このようなキットによって、酸化染色システムによって得た元来の色を、追加的な酸化染色工程を用いることなく更に補足又は維持させる機能を、毛髪着色剤の消費者に提供する。
【0091】
本発明の更なる実施形態では、上で定めたように、少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む色再生剤成分、及び官能化アミノシリコーンを含むコンディショニング剤を含む染毛組成物を提供する。
【0092】
とりわけ好ましい実施形態によれば、上述した実施形態のいずれの色再生剤成分も、色再生剤組成物を毛髪上に少なくとも1回塗布、好ましくは少なくとも2回塗布、より好ましくは少なくとも4回塗布するのに十分な量を含む。
【0093】
本発明によれば、個々の成分は、液体、ゲル、フォーム、ムース、スプレーなどのさまざまな形状で用意してよい。
【0094】
器具の開示
本発明は、さまざまな充てん器具及び投与器具内で用いてもよい。これらの投与器具は、独立して又は互いに組み合わせて使用できる個別の器具の形態にできる。典型的には、毛髪染色又は脱色組成物は、使用前に組成物を相互に分離させて保存できるように、別々の単一又は複数の区画容器に収容させる。本組成物はその後混合して、塗布手段によって消費者の毛髪に塗布する。
【0095】
本発明で用いることができる最も一般的な充てん器具には、ボトル、チューブ、エアゾール、又は分包袋などの容器に顕色剤を保存すること、及び、顕色剤容器内の追加の区画、又は、別の容器に染料ローションを別々に保存することが伴う。例えば2つの部分からなる分包袋又はエアゾールシステムのように同じであっても、又は、ボトル及びチューブシステムのように異なっていてもよい。
【0096】
消費者は、顕色剤ローション及び染料ローションを任意の手段によって混合してよい。これには、単純に混合用ボウルを用い、その中へローションを投与し、好ましくは器具などの混合手段を用いて混合することが含まれる。代わりに、他のローションの容器内へローションの1つを追加して(典型的には、染料ローションを顕色剤ローションへ追加する)、次に手で振って混合するか、又は器具を用いて混合してもよい。別のシステムには、単一の容器又は分包袋内の染料及び顕色剤ローションの別々の区画間にあるシールを穿孔又は除去し、続いて、容器内又は別個及び/又は追加の容器内で手動で混合することが含まれている。
【0097】
このような器具の一例は、いわゆる「ツイスト・アンド・ゴー(twist and go)」器具である。これらの器具によって、消費者は、染料が含まれている容器の底をひねって、連結部分を開き、染料が含まれているボトルの底と顕色剤が含まれているボトルの最上部を接触させることができる。2つの成分が混合され、消費者が投与用のボトルの可撓性最上部を絞って、製品を投与する。
【0098】
あるいは、ローションが投与作業時に混合される更に複雑な器具を利用してもよい。このような複雑なシステムの例は、2つの部分から成るエアゾールシステム、例えば、缶入りの袋(bag-in-can)又はピストンである。染料及び顕色剤は、1つの器具の中にある2つのエアゾール缶に別々に保管し、噴射剤を使って缶又は缶の中の袋又はピストン内の内容物に圧力を加え、バルブによって投与をコントロールする。消費者がバルブを動かすと、染料及び顕色剤が同時に缶から投与され、製品を毛髪上に投与する直前に静的ミキサーによって混合される。染料と顕色剤の比率は、製品の粘度、缶の圧力、又はバルブを通る流路の寸法を変えることによって操作できる。更に、製品は発泡させて、ムース状で提供することができる。
【0099】
このような複雑なシステムの別の実施例では、デュアルピストンスクリューシステムを利用する。染料及び顕色剤は、システム内の別々のピストンシリンダーシステムに保管されており、消費者がボタンを作動させると2個のスクリューが回転し、内部のデュアルピストンがシリンダー内の液体に圧力を加え、従って、製品を混合ステーションに移動させて、分配用ノズルから放出させる。染料と顕色剤の比率は、充てん容器の円筒直径によって操作できる。更に、混合を補助するために、ライン内に静的ミキサーを使用することができ、このようなシステムは完全に使い捨て又は完全に詰め替え可能にすることができる。
【0100】
更に別のシステムでは、1つ以上の手動ポンプを利用する。製品は、折り畳み可能な袋の中で予め混合してもよい。消費者がポンプを作動させると、ポンプ内の液体が投与される。手動で作動させたポンプが直立位置に戻ると、ポンプが製品を折り畳み可能な袋から押し出す。あるいは、染料及び顕色剤ローションを毛髪に送達させるために2個の袋及び2個のポンプを用いるデュアルシステムを取り付けることができる。あるいは、2個の分包袋に接続されている単一のポンプが、ポンプ内に混合箇所を組み込むことによって、製品を送達することができる。他の実施例では、製品をポンプシステムに接続させるために、剛性ボトル及び浸漬管を使用する。最終的に、ボトル内層がボトル外層から分離してボトル内容物を空にすることができる、層状に剥離するボトルを手動ポンプと組み合わせて使用することが可能である。
【0101】
典型的には、これらの複雑なシステムは、製品の配置とは独立して、製品を塗布できるという利点がある。
【0102】
本明細書で上述した器具は、毛髪上への製品の塗布を助ける製品送達及び/又は塗布用器具と組み合わせて使用することもできる。又、これらの器具は、容器又は櫛やブラシのような別個のアプリケーター器具の1つにノズルが取り付けられているという非常に単純な性質のものであってもよい。このような櫛及びブラシは、素早く、むらのない被覆、又は根元/生え際のタッチアップ又はハイライト又はストリークにするかどうかといった特定の効果を達成するために、用いることができる。代わりに、容器又は容器の1つには櫛を取り付けてもよく、又は分配用ノズルの代わりに櫛を取り付けてもよく、製品は中空の櫛の歯及び櫛の歯に設けた分配用開口部を通って投与させる。櫛の歯には、製品塗布及び特に根元から先端への均一性を向上させるために、櫛の歯に沿った単一又は複数の開口部が備わってもよい。製品の投与は、例えば、層状剥離ボトル又は上述した任意のメカニズムによって容器に加えられた機械的圧力によって行うことができる。前記櫛は、例えば、塗布を更に容易にするために容器上に取り付けてもよく、垂直に設置してもよく(いわゆるバーティコーム(verticomb))、又は消費者があらゆる領域に届くような角度で取り付けてもよい。全ての器具は、毛髪へ塗布するための一連の異なる用具を消費者に提供できるように、互いに交換可能になるように設計してもよい。
【0103】
塗布するための器具には、特定の効果例えばハイライトのために、例えば、ハイライト用の櫛、ブラシ、及び用具、フォイル及びハイライト用キャップのようなハイライト効果の実現補助するための器具も含めてもよい。
【0104】
更なる器具の技術を、製品が毛髪内に浸透するのを助けるために使用することができる。このような技術の例としては、加熱器具、紫外線器具及び超音波器具が挙げられる。
上述の器具及び容器は、色再生剤組成物でも同様に用いられる。
【0105】
上述のキットは当該技術分野において周知であり、各容器内の組成物は、標準的手法のいずれか1つを使用して製造でき、この手法としては、a)「水中油型」プロセス、b)「転相」プロセス、及びc)「ワンポット(One-pot)」プロセスが挙げられる。
【0106】
本発明には、本明細書に記載の染毛キットを用いて毛髪を染色するための順次的な方法も含まれている。したがって、本発明の更なる実施形態は、毛髪を染色する方法に関するものであり、前記方法は、少なくとも2つの順次的な処理工程から成る順次的な染毛法である。第1の酸化処理は、
i)第1の個別包装された酸化成分、第2の個別包装された着色剤成分及び第3の個別包装されたコンディショナー成分を用意する工程、
ii)前記第1及び第2の個別包装された成分の混合物を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に2〜60分間保持し、続いて、任意で前記組成物を毛髪から洗い流す工程、
iii)続いて、前記第3のコンディショナー成分を毛髪に塗布し、前記成分組成物を毛髪上に5秒〜15分間保持し、任意で、その後に前記成分組成物を毛髪から洗い流す工程を含み、
且つ前記第2の色再生処理は、
i)前記個別包装された色再生剤成分を用意する工程、
ii)前記色再生剤成分を毛髪に塗布し、毛髪上に少なくとも3秒〜30分間保持し、次に毛髪から洗い流す工程を含む。
【0107】
本発明によれば、第1及び第2の処理の間(すなわち、第1の酸化剤の塗布と第2の色再生剤の塗布の間)の時間は1分〜60日、好ましくは1日〜31日、より好ましくは1〜21日、更に好ましくは1〜15日である。このような実施形態では、第1の酸化処理組成物を毛髪上に保持させる時間は、2分〜60分、好ましくは30分〜45分でよい。ただし、短時間で色を提供する配合になっている組成物では、前記時間は、約20分未満、好ましくは約15分未満、最も好ましくは約10分間でよい。コンディショナー成分は、5秒〜15分、好ましくは30秒〜10分の間、毛髪に塗布するのが好ましい。第2の色再生剤処理を毛髪に施す第2の色再生処理は、3秒〜30分、好ましくは1分〜20分、より好ましくは3分〜15分、最も好ましくは3〜9分の塗布時間で、所望の色性能を得られるようなものである。一般的に暗い色相では、明るい色相よりも長時間の塗布が必要になるだろう。
【0108】
本発明によれば、本方法には更に、少なくとも1つの追加的な第1の酸化処理(単一又は複数)、及び/又は、少なくとも1つの追加的な第2の色再生処理工程を含めてもよい。本方法には、追加的な第1の酸化工程の適用前に、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも4つの追加的な色再生工程が含まれているのが好ましい。
【0109】
本発明によれば、順次的な酸化染毛法には、色再生剤の塗布後、及びその後のいずれかの追加的な色再生剤の塗布後に、コンディショナー組成物を毛髪に塗布する追加工程を更に含めてもよく、そのコンディショナー組成物は第3の個別包装のコンディショナー成分と同じでも同じでなくてもよい。
【0110】
本発明の別の代替的実施例によれば、順次的な染毛法は、少なくとも2つの順次的な染毛処理工程を含み、各処理間の時間は14日未満であり、前記第1の処理は、
i)少なくとも1つの酸化剤を含む第1の個別包装された酸化成分、少なくとも1つの酸化染料又は少なくとも1つのアルカリ化剤を含む第2の個別包装された着色剤成分、及びコンディショニング剤を含む第3の個別包装されたコンディショナー成分を用意する工程、
ii)前記第1及び第2の個別包装された成分の混合物を毛髪に塗布し、前記組成部を毛髪上に2〜60分間保持し、続いて、任意に前記組成物を毛髪から洗い流す工程、並びに、
iii)続いて、前記第3のコンディショナー成分を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に5秒〜10分間保持させ、続いて、任意に前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含み、
且つ前記第2の処理は、
i)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む前記個別包装された色再生剤成分を用意する工程、
ii)前記色再生剤成分を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に10分未満の間保持し、次に前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含む。
【0111】
試験方法
界面張力測定手順
ペンダントドロップ形状解析法によって、計器クリュス(Kruss)DSA−10で、F.K.ハンセン(Hansen)、G.ロッズラン(Rodsrun)の「ペンダントドロップによる表面張力(Surface tension by pendant drop)、コンピュータ画像解析を用いる高速標準計器」(コロイド及び界面科学会誌(Journal of Colloid and Interface Science)、141巻、1号、1991年1月、1〜9ページ)の指示どおりに官能化シリコーンのシリコーン/水界面張力を測定した。この方法の精度は、参照液剤(通常は水)と試験液剤の密度差によって左右される。本発明の官能化シリコーンの多くの密度が水の密度に近いならば、十分な密度差を確保するために、より密度の高い相としてD2O(密度1.1g/cm3)でH2Oを置換させる。アポロサイエンティフィック(Apollo Scientific Limited)製の計算用精密密度計(Calculating Precision Density Meter)DMA55という装置を用いて官能化シリコーンのそれぞれの密度を測定した。この解析は18〜25℃の室温で実施し、この温度範囲内では、シリコーン液剤の値に差異はない。
【0112】
官能化シリコーン液剤の粘度−測定手順
AR500回転レオメーター(TAインスツルメンツ(TA Instruments Ltd.))(イギリス、サレイ(Surrey)レザーヘッド(Leatherhead)KT22 7UQ)を用いて、本発明で使用する官能化シリコーン液剤の粘度を測定する。測定は、30℃にて49μm(ミクロン)のギャップで設定した4cm2度スチールコーン測定システムセットを用いて行い、2分間にわたって、0.5〜590Paのプログラム化した剪断応力を適用することによって行う。これらのデータを使用して、物質の剪断速度対剪断応力曲線を創出する。次いでこの流動曲線は、物質に粘度を提供するためにモデル化することができる。これらの結果は、次の十分に認められているニュートンモデルと一致した。
粘度、μ=σ/γ
(式中、σは剪断応力、γは剪断速度である。)
シリコーン/耐久性活性物質混合物の粘弾性測定
AR500回転レオメーター(TAインスツルメンツ(TA Instruments Ltd.))を用いて、本発明で用いる耐久性活性物質と混合させた官能化シリコーン液剤のG’及びG”を測定する。測定は、25℃にて、100μのギャップで設定した6cmアクリル製平行プレート測定システムセットを用いて行い、また、2Paの振動応力をプログラムして、1〜40Hzの振動周波数範囲にわたって適用することによって行う。このデータを用いて、G’のG”に対する比率を割り出す。直線状の周波数傾斜にわたって最低でも30個のデータポイントを記録する。このデータを用いて、20〜40Hzの間におけるG’のG”に対する平均比を割り出す。
【0113】
製品内のシリコーン粒径の評価方法
顕微鏡(ニコンエクリプス(Nikon Eclipse)E800)を利用して、最終製品のシリコーン粒径を測定する。典型的には、最終製品の写真を100倍〜400倍の範囲の倍率で撮影する(JVCカラービデオカメラKY−F50)。取り込み画像を用いて、目盛りを、あらかじめ較正した100μmのグラティキュール(Graticule)(グラティキュール社(Graticules Ltd)、イギリス、ケント、トンブリッジウェルズ(Tonbridge Wells))を用いて重ね合わせ(画像ソフトウェア−ルシア(Lucia)Gヴァージョン4.51(ビルド028)、ラボラトリ・イメイジング(Laboratory Imaging))、サンプル内の平均シリコーン粒子と比較して、粒径を見積もる。
【実施例】
【0114】
以下の実施例では、本発明による染毛キット及び組成物を例示する。本明細書に記載する実施例及び実施形態は、単に例示することが目的であり、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更又は変形が当業者に提示されると理解される。
【0115】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変形及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0116】
本発明の各成分の配合例を以下に示す。キットの一部として、又は、個別の成分として、着色剤成分内で用いる酸化染料、及び、色再生剤内で用いる予め形成された染料は、組み合わせて用いた時に一貫した色を消費者に提供できるように選択する。
【0117】
【表1】

【0118】
【表2】

【0119】
【表3】

【0120】
【表4】

【0121】
【表5】

【0122】
【表6】

* ラウリルポリグルコース:商品名はプランタレン(Plantaren)1200N(コグニス(Cognis)製)である。
* ヒドロキシエチルセルロース:商品名はナトロゾール(Natrosol)(ハーキュレス(Hercules)製)である。
* カルボマー:商品名はカーボポールウルトレズ10ポリマー(Carbopol Ultrez 10 Polymer)(ノベオン(Noveon)製)である。
* トリメチルシリルアモジメチコンは、ダウコーニング(Dow Corning)製のコンデショニング添加剤Q2−8220である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
染毛キットであって、
i)少なくとも1つの酸化剤を含む第1の個別包装された酸化成分、
ii)少なくとも1つの酸化染料、少なくとも1つのアルカリ化剤又はこれらの混合物を含む第2の個別包装された着色剤成分、
iii)界面張力(IFT)が1〜12mN/mであり且つ粘度が0.4Pa・s(400cps)〜150Pa・s(150,000cps)である官能化シリコーンポリマーを含む第3の個別包装されたコンディショナー成分であって、前記シリコーンが毛髪上に耐久的に付着するコンディショナー成分、並びに、
iv)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む第4の個別包装された色再生剤成分
を含む染毛キット。
【請求項2】
前記キットが
i)前記少なくとも1つの酸化剤を0.1%〜10%含む前記第1の個別包装された酸化成分、
ii)前記少なくとも1つの酸化染料、少なくとも1つのアルカリ化剤又はこれらの混合物を0.001%〜10%含む前記第2の個別包装された着色剤成分、
iii)以下の式による官能化アミノシリコーンを0.1%〜20%含む前記第3の個別包装されたコンディショナー成分であって、
【化1】

式中、m及びnが、合計(n+m)で2〜2000になる数であり、nが1〜1999の範囲の数であり、mが1〜1999の範囲数であり、また、m:nの比が1:1000〜1:10になるようにm及びnが選択され、R14、R15、R16は、同一でも異なってもよく、ヒドロキシル基、C1〜C4アルコキシメチル及びメチル基から選択され、
Aが直鎖及び分岐のC3〜C8アルケニル基から選択され、
R17が、H、フェニル、直鎖若しくは分岐のC1〜C4アルキル基、ベンジル又は直鎖若しくは分岐の(C2〜C8)NH2基から選択され、
Gが、H、フェニル、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、好ましくはメチルから選択され、前記アミノシリコーンがランダム型又はブロック型であるコンディショナー成分、並びに、
iv)前記少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を0.01%〜10%含む前記第4の個別包装された色再生剤成分
を含む請求項1に記載の染毛キット。
【請求項3】
前記第4の個別包装された色再生剤成分が、界面活性剤及び/又はコンディショニング剤を更に含む請求項1に記載の染毛キット。
【請求項4】
前記第4の個別包装された色再生剤成分が、毛髪上に少なくとも1回塗布、好ましくは少なくとも2回塗布、より好ましくは少なくとも4回塗布するのに十分な量の前記成分を含む請求項1に記載の染毛キット。
【請求項5】
染毛キットであって、
i)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む個別包装された色再生剤成分、及び、
ii)界面張力(IFT)が1〜12mN/mであり且つ粘度が0.4Pa・s(400cps)〜150Pa・s(150,000cps)である官能化アミノシリコーンを含む個別包装されたコンディショナー成分であって、前記シリコーンが毛髪上に耐久的に付着するコンディショナー成分
を含む染毛キット。
【請求項6】
染毛組成物であって、
i)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む色再生剤成分、及び、
ii)以下の式による官能化アミノシリコーンを含むコンディショニング剤であって、
【化2】

式中、m及びnが、合計(n+m)で2〜2000になる数であり、nが1〜1999の範囲の数であり、mが1〜1999の範囲の数であり、また、m:nの比が1:1000〜1:10になるようにm及びnが選択され、R14、R15、R16は、同一でも異なってもよく、ヒドロキシル基、C1〜C4アルコキシ基及びメチル基から選択され、
Aが直鎖及び分岐のC3〜C8アルケニル基から選択され、
R17が、H、フェニル、直鎖若しくは分岐のC1〜C4アルキル基、ベンジル又は直鎖若しくは分岐の(C2〜C8)NH2基から選択され、
Gが、H、フェニル、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、好ましくはメチルから選択され、前記アミノシリコーンがランダム型又はブロック型であるコンディショニング剤
を含む染毛組成物。
【請求項7】
少なくとも2つの順次的な染毛処理工程を含む順次的な染毛法であって、各処理間の時間が1分〜60日、より好ましくは1日〜31日であり、前記第1の染毛処理が、
i)請求項1に記載の前記第1の個別包装された酸化成分、前記第2の個別包装された着色剤成分及び前記第3の個別包装されたコンディショナー成分を用意する工程、
ii)前記第1及び第2の個別包装された成分の混合物を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に2分〜60分間保持し、続いて、前記組成物を毛髪から洗い流す工程、
iii)続いて、前記第3のコンディショナー成分を毛髪に塗布し、前記成分組成物を毛髪上に5秒〜15分間保持し、任意で、その後に前記成分組成物を毛髪から洗い流す工程
を含み、且つ前記第2の染毛処理が、
i)請求項1に記載の前記個別包装された色再生剤成分を用意する工程、
ii)前記色再生剤成分を毛髪に塗布し、前記成分組成物を毛髪上に少なくとも3秒〜30分間保持し、次に任意で、前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含む、染毛法。
【請求項8】
前記方法が、前記色再生剤成分の塗布後に、コンディショナー組成物を毛髪に塗布する工程を更に含む請求項7に記載の順次的な染毛法。
【請求項9】
前記方法が、少なくとも1つの追加的な第1の酸化染毛処理及び/又は少なくとも1つの追加的な第2の色再生処理を適用する追加的な工程を更に含む請求項7に記載の順次的な染毛法。
【請求項10】
各処理間の前記時間が1日〜21日、好ましくは1日〜15日、より好ましくは7日〜14日である請求項7に記載の順次的な染毛法。
【請求項11】
前記個別包装された色再生剤成分を毛髪に塗布して、3秒〜30分、好ましくは1分〜20分、より好ましくは3分〜15分の間毛髪上に保持する請求項7に記載の順次的な染毛法。
【請求項12】
少なくとも2つの順次的な染毛処理の工程を含む順次的な染毛法であって、各処理間の時間が14日未満であり、前記第1の染毛処理が、
i)少なくとも1つの酸化剤を含む第1の個別包装された酸化成分、少なくとも1つの酸化染料、少なくとも1つのアルカリ化剤又はこれらの混合物を含む第2の個別包装された着色剤成分並びにコンディショニング剤を含む第3の個別包装されたコンディショナー成分を用意する工程、
ii)前記第1及び第2の個別包装された成分の混合物を毛髪に塗布し、前記成分組成物を毛髪上に2〜60分間保持し、続いて、前記組成物を毛髪から洗い流す工程、
iii)続いて、前記第3のコンディショナー成分を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に5秒〜10分間保持し、その後に前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含み、且つ前記第2の染毛処理が、
i)少なくとも1つの予め形成された染料、水溶性染料又は水分散性染料を含む前記個別包装された色再生剤成分を用意する工程、
ii)前記色再生剤成分を毛髪に塗布し、前記組成物を毛髪上に10分未満の間保持し、次に前記組成物を毛髪から洗い流す工程を含む、染毛法。
【請求項13】
染色済みの毛髪の色の再生を提供するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の染毛キット又は染毛組成物の使用。

【公表番号】特表2008−538768(P2008−538768A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508008(P2008−508008)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/016014
【国際公開番号】WO2006/118942
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】