説明

柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法及びこれに用いる土留材

【課題】挟隘な作業場所であっても、柱状構造物の周辺の掘削を、高能率で、確実に土留をして安全に、しかも少ない排土量で持って迅速且つ確実に施工できるようにする。
【解決手段】柱状構造物6と同芯状に所定長さの筒形の鋼板製土留材10を組立て形成し、当該土留材10と反力受用枠体7との間に介設した複数の油圧シリンダ8により、柱状構造物6と土留材10との間へ高圧水を噴射しつつ地盤内へ土留材10を押込むと共に、土留材10の内方の土砂と水の混合体をバキューム装置により順次外部へ排出する工程と,内方の空間を土砂等で充填する工程と,前記柱状構造物6の外周部に引抜用架台を組立て形成し、複数の引抜用ロッド体を介して前記引抜用架台と地盤との間に介設した複数の油圧シリンダにより引抜用架台を押上げすることにより、土留材10を地盤内から引抜き撤去する工程と,から構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架橋の橋脚その他の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法とこれに用いる土留材の改良に関するものであり、高架下を商店街等として利用しているために、極く狭い限られた場所しか工事用に利用できない場合であっても、橋脚等の周辺の掘削を高能率で迅速に、しかも排土量を大幅に削減させながら安全に施工できるようにした柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法と、これに用いる土留材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高架橋の橋脚その他の柱状構造物の周辺は、柱状構造物の点検や補修、補強等の作業の為にしばしば掘削をする必要がある。
ところで、上記橋脚等の周辺の掘削の施工に際して、周辺の地盤が堅固であり且つ十分な作業空間を確保出来る場所等では、建機等を搬入して容易に橋脚の地中埋設部外周を掘削する事が出来る。
【0003】
しかし、高架下が商店や倉庫等に利用されている挟隘な場所では、建機等の搬入及び使用が困難なため、所謂人力により柱状構造物の周辺を土留をしながら掘削しなければならない。
又、建機等の搬入及び使用が可能な場所であっても、柱状構造物の周辺の地盤の状態によっては、所謂大掛かりな土留が必要になると共に大量の掘削排土を生ずると言う問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開平06−346680号公報
【特許文献1】特開平10−299377号公報
【特許文献1】特開2002−227180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、従前の橋脚等の柱状構造物の周辺の掘削・土留における上述の如き問題、即ちイ.建機の搬入が困難な狭隘な場所では人力による掘削に依らねばならず、作業能率や作業コストの点に問題がある上、土留等にも多くの手数と費用が必要になること、ロ.建機等の搬入が可能な場合でも、柱状構造物の周辺の地盤に依っては大掛かりな土留工事が必要となる上、排土量が大幅に増加してその削減が図れないこと等の問題を解決せんとするものであり、建機の搬入が困難な挟隘な場所であっても、柱状構造物の埋設部分の外周部に簡単且つ高能率で、しかも、より少ない排土量でもって確実に土留をされた所定容積の空間を安全に形成出来るようにした柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法と、これに用いる土留材を提供することを発明の主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法において、先ず柱状構造物6に土留材押込装置Eの反力受用枠体7を着脱自在に固定すると共に、柱状構造物6と同芯状に所定長さの筒形の鋼板製土留材10を組立て形成し、当該土留材10と前記反力受用枠体7との間に介設した複数の油圧シリンダ8により、柱状構造物6と土留材10との間へ高圧水を噴射しつつ地盤内へ土留材10を押込みすると共に、土留材10の内方の土砂と水の混合体をバキューマ装置により順次外部へ排出し、前記土留材10と柱状構造物6の間に空間を形成する工程と,前記土留材10と柱状構造物6の間に形成した空間を利用して柱状構造物6に対して所望の措置を施した後、当該土留材10の内方の空間を土砂等で充填する工程と,前記柱状構造物6の外周部に土留材引抜装置Fの引抜用架台16を組立て形成すると共に、前記押込みした土留材10と引抜用架台16とを複数の引抜用ロッド体18を介して連結し、前記引抜用架台16と地盤との間に介設した複数の油圧シリンダ17により引抜用架台16を押上げすることにより、土留材10を地盤内から引抜き撤去する工程とを発明の基本構成とするものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記土留材10を複数の分割土留材10a、10b、10n・・10nを軸方向に組立て自在に連結して成る土留材10とし、当該土留材10の押込みに際しては、最初に下段の分割土留材を押込みしてその上端に次段の分割土留材を連結したあと、当該次段の分割土留材を押込みし、また、土留材10の引抜に際しては、最上段の分割土留材を引抜きしてこれを土留材10から解離したあと、次段の分割土留材を引抜きする構成としたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、各分割土留材10a、10b、10n・・10nを、短円筒体を円周方向に等間隔で縦向きに分割した複数個の分割片を解離自在に組立てして成る分割土留材としたものである。
【0009】
請求項4の発明は、複数の筒形の鋼板製分割土留材10a、10b、10n・・10nを軸方向に同芯状にロックピン装置12により解離自在に連結したことを発明の基本構成とするものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、各分割土留材10a、10b、10n・・10nを、短円筒体を円周方向に等間隔で縦向きに分割した4個の分割片をロックピン装置12により相互に解離自在に連結して成る構成としたものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、土留材10の下部分割土留材10nを形成する各分割片10n1〜10n4の下端部の一側の内面及び上部分割土留材10aを形成する各分割片10a1〜10a4の上端部の一側の内面に、四角状の補強板13をその一部を側方へ突出させた状態で固定し、当該補強板13の突出部に穿設したロックピン孔14aと、当該補強板13の外側に位置して該補強板13を固着した分割片に隣接して配置した他の分割片に穿設したロックピン孔14bとを合致させ、両ロックピン孔14a、14b内へロックピン装置12を装着して隣接する分割片同士を連結する構成としたものである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、中間の分割土留材の最上方に位置する中間分割土留材10bを形成する各分割片10b1〜10b4の上端部の内面及び中間の分割土留材の最下方に位置する中間分割土留材10mを形成する各分割片10m1〜10m4の下端部の内面に、細幅の円弧状の補強板15をその上方部及び下方部を夫々外方へ突出させた状態で固定すると共に、当該補強板15に一定間隔をおいて複数のロックピン孔15a、15aを穿設し、当該補強板15に穿設したロックピン孔15a、15aと、前記下部分割土留材10nの各分割片10n1〜10n4の各分割片10n1〜10n4の上端部又は前記上部分割土留材10aの各分割片10a1〜10a4の下端部に一定間隔をおいて穿設されたロックピン孔14b、14bとを合致させ、両ロックピン孔15a、14b内へロックピン装置12を装着して隣接する分割片同士を連結する構成としたものである。
【0013】
請求項8の発明は、請求項5の発明において、土留材10を上部分割土留材10aと中間分割土留材10bと下部分割土留材10nとから形成すると共に、中間分割土留材10bを形成する各分割片10b1〜10b4の上端部の内面及び下端部の内面に、細幅の円弧状の補強板15をその上方部及び下方部を夫々外方へ突出させた状態で固定すると共に、当該補強板15に一定間隔をおいて複数のロックピン孔15a、15aを穿設し、当該補強板15に穿設したロックピン孔15a、15aと、前記下部分割土留材10nの各分割片10n1〜10n4の上端部又は前記上部分割土留材10aの各分割片10a1〜10a4の下端部に一定間隔をおいて穿設されたロックピン孔14b、14bとを合致させ、両ロックピン孔15a、14b内へロックピン装置12を装着して隣接する分割片同士を連結する構成としたものである。
【0014】
請求項9の発明は、請求項4乃至請求項8の発明において、ロックピン装置を、各分割土留材10a、10b、10n・・10nの内部側よりロックピン孔14a又はロックピン孔15a内へ挿入され、中央部にねじ孔12cを有する鍔付きの受座金12aと、各分割土留材10a、10b、10n・・10nの外部側よりロックピン孔14b内へ挿入され、中央部にボルト挿通孔12eを有する鍔付きの係止座金12bと、前記ボルト挿通孔12eを通して受座金12aのねじ孔12cへ螺着され、両受座金12a、12bを固定するロックボルト12dとから構成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、柱状構造物6に土留材押込装置Eの反力受用枠体7を着脱自在に固定し、まず土留材押込装置Eにより、柱状構造物6の軸芯と同芯状に組立て配置した所定の内径を有する筒形の鋼板製土留材10をウォータジェットを噴出しつつ地盤内へ押込みすると共に、バキュ―マ装置により土砂と水との混合物を外部へ吸引排出することにより、土留材10と柱状構造物6との間に所定深さの必要最小限の作業用空間を形成し、次にこの作業用空間を利用して柱状構造物6の点検や補修、補強等の所定の作業を行なうようにしている。
その結果、必要な作業用空間が予め確保されている上、土留も確実に行なわれている為、所定の作業を安全に行なうことが出来ると共に、掘削に伴う排土量を最小限に押えることが出来る。
【0016】
また、必要な所定の作業が完了すれば、前記空間部へ土砂等を充填すると共に、土留材引抜装置Fの引抜用架台16を、柱状構造物6を囲繞する状態に組み立てして地盤上に設置する。そして、これを反力受けとすることにより、地盤内へ先きに押込みした土留材10を容易に引抜きすることができる。
【0017】
更に、土留材10を、上・下及び中間の二種類の構造を有する複数の分割土留材を軸方向に着脱自在に連絡した構造のものとしているため、順次分割土留材を連結し乍ら土留材10の押込みをしたり、或いは順次分割土留材を取り外し乍ら土留材10を引抜きすることが可能となる。その結果、地盤上方の作業可能な空間高さが極く少ない場合でも、容易に必要な長さの土留材10を柱状構造物6の埋設部分の外周部へ押込みすることができ、天井高さの低い極く狭い作業場所であっても、容易に本発明を実施することができる。
【0018】
加えて、本発明に係る土留材10は、外周方向に複数個に分割した分割片を筒形に配置すると共に、隣接する分割片同士を相互にロックピン装置12を用いて分離可能に組立一体化することにより、上部分割土留材10a及び下部分割土留材10nを形成するようにしている。又、中間分割土留材10bの方は、その形成と同時に下部分割土留材10nへの連結を行う構成としている。その結果、土留材10を形成する各分割土留材の組立が極めて簡単に行えることになり、より少ない作業員でもって迅速に土留材の組立及び解離を行えると共に運搬等にかかる手間を大幅に削減することができる。
【0019】
また、本発明ではロックピン装置12を共通部材とすると共に、補強板13、15を有機的に用いて各分割土留材の隣接する分割片同士を相互に連結するようにしているため、高い連結部の機械的強度が得られると共に、連結・組立ての作業性が大幅に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法の施工工程図であり、図2は土留材押込工程で使用する土留材押込装置の平面図、図3はその正面図である。
【0021】
図1を参照して、本発明は土留材押込工程1と土留材内土砂撤去工程2と柱状構造物に対する所望の施工工程3と土砂充填・整地工程4と土留材引抜工程5等とから構成されている。
また、前記土留材押込工程1は、土留材押込装置取付工程1a、下部分割土留材取付工程1b、下部分割土留材圧入工程1c、中間分割土留材取付工程1d、中間分割土留材圧入工程1e、上部分割土留材取付工程1f及び上部分割土留材圧入工程1g及び土留材圧入装置取外工程1hとから形成されている。
更に、前記土留材引抜工程5は土留材引抜装置取付工程5a、上部・中部・下部分割土留材引抜工程5b及び土留材引抜装置取外工程5c等から形成されている。
【0022】
前記土留材押込装置Eは図2及び図3に示す如く、施工対象である橋脚等の柱状構造物6の横断面形状に適用するように形成された適宜の機械的強度を備えた角パイプ(例えば、100×100×9t)より成る反力受用枠体7と、反力受用枠体7の四隅より下方へ着脱自在に突設した4本の油圧シリンダ8とから形成されており、本実施形態においては、断面四角形の柱状構造物6に適応するように反力受用枠体7が断面四角形に形成されている。
また、当該反力受用枠体7は4分割されており、フランジ9を介してボルトナットにより四角形に組付けされている。なお、図2及び図3に於いて、10は地盤内へ押込みする鋼板製土留材である。
【0023】
前記反力受用枠体7の内寸法は、例えば柱状構造物6が700mm×700mmのとき、約800mm×800mmに選定されており、当該反力受用枠体7は柱状構造物6へ取付高さ位置を調整自在に固定される。
尚、前記反力受用枠体7の内側寸法は、フランジ9の連結用ボルトナットの締込量を調整することにより、一辺に付き約10〜50mmの範囲で長さ調整をすることができる。
また、本実施形態では断面四角形の柱状構造物6を補強の対象としているため、反力受用枠体7の断面形状を四角形としているが、柱状構造物6の断面形状は如何なるものであってもよく、例えば断面円形の柱状構造物6の場合には、反力受用枠体7の断面形状を円形とすることは勿論である。
【0024】
前記土留材押込装置Eの各油圧シリンダ8は、本実施形態ではシリンダ径がφ60.5mmであって、約6ton(21MPa)の押圧機能を保持しており、合計4本の油圧シリンダ8が使用されてる。
尚、油圧シリンダ8の取付け数は、反力受用枠体7の形状や地盤の固さ等に応じて適宜に選定され、四角柱状構造物6の場合にはバランス上油圧シリンダ8を4本とするのが望ましい。
【0025】
前記鋼板製土留材10は、図4乃至図6に示す如く上部分割土留材10aと中間分割土留材10bと下部分割土留材10nとをロックピン装置12を介して相互に組立自在に連結することにより形成されている。
即ち、本実施形態においては、厚さ12mmの鋼板を用いて高さ500mm、外径1200mmに形成された3個の各分割土留材10a、10b、10nを連結して、高さ1500mmの鋼板製土留材10を構成している。尚、分割土留材の数を4以上として各分割土留材10a、10b、10n・・10nを連結するようにしても良いことは勿論である。尚、中間の分割土留材10b、10c・・10m相互の連結は、図5に示した上部分割土留材10と中間分割土留材10bとの連結方法と同じである。
【0026】
また、本実施形態では、各分割土留材10a、10b、10nは、図5に示す如く円筒体を円周に沿って等間隔で縦方向に四分割することにより形成された4枚の成形鋼板片(分割片)を、ロックピン装置12を用いて円周方向に相互に解離自在に連結することにより、円筒形に形成されている。
【0027】
前記ロックピン装置12は、図7に示す如く、中央にねじ孔12cを有する突部12a′を備えた受座金12aと、中央にボルト挿通孔12eを有する突部12b′を備えた係止座金12bと、前記ボルト挿通孔12e内へ外方より挿入してねじ孔12cへ螺込みしたロックボルト12dとから形成されており、ロックボルト12dの頭部には6角レンチを係合するための6角孔12fが設けられている。尚、12b″は係止座金12bの鍔部である。
尚、前記受座金12aは、後述するようにその鍔部12a″を各分割土留材の分割片の内側に設けた四角状の補強板13又は細幅の円弧状に彎曲したリング状補強板15へ溶接Wへ溶接しておいてもよい。
【0028】
図7乃至図9を参照して、上部分割土留材10aを形成する各分割片10a1〜10a4の上端部の一側の内面及び下部分割土留材10nを形成する各分割片10n1〜10n4の下端部の一側の内面には、四角状の補強板13が夫々溶接により固定されている。そして、各補強板13には、ロックピン装置12の受座金12aの突部12a′を挿入するためのロックピン孔14a穿設されており、当該ロックピン孔14a内へ突部12a′を挿入させた状態でロックピン装置12の受座金12aの鍔部12eが、補強板13の内面側へ、必要な場合には溶接されている。
尚、上部分割土留材10aの上端部及び下部分割土留材10nの下端部には、図5に示す如く合計4ヶのロックピン装置12が角度90°の間隔でもって設けられている。
【0029】
一方、上部分割土留材10aを形成する各分割片10a1〜10a4の下端部の内面側及び下部分割土留材10nを形成する各分割片10n1〜10n4の上端部の内面側には、1/4円弧状の高さ約150mmの補強板15がその下方部又は上方部(下部分割土留材の場合)約100mm程度下方又は上方(下部分割土留材の場合)へ突出せしめた状態で溶接されている。
【0030】
そして、この1/4円弧状の細幅各補強板15には、図6に示す如く、45°の角度間隔でもって2個のロックピン孔15a、15aが穿設されている。また、当該各ロックピン孔15aへは前記受座金12aの突部12a′が挿入されると共に、受座金12aの鍔部12a″が、必要な場合には補強板15の内面側へ溶接Wされる。
【0031】
尚、上部分割土留材10aを形成する各分割片10a1〜10a4の上端部及び下部分割土留材10nを形成する各分割片10n1〜10n4の下端部の補強板13を設けていない側には、隣接する各分割片の補強板13に穿設されたロックピン孔14aと対向する位置に、図7に示す如く当該ロックピン孔14aに連通するロックピン孔14bが形成されていることは勿論である。
また、下部分割土留材10nは、前記上部分割土留材10aを逆向きにしたものと同一であり、その構成が実質的に上部分割土留材10aと同一であることは勿論である。
【0032】
前記中間分割土留材10bは、実質的に高さ約500mm、直径約1200mmの短円筒体を90°の角度間隔でもって4分割したものであり、各分割片10b1〜10b4の上端部には、前記上部分割土留材10aの下方部に固定した1/4円弧状補強板15のロックピン孔15aと対向する位置に、45°の角度間隔でもって2個のロックピン孔14bが夫々穿設されている。
【0033】
同様に、中間分割土留材10bを形成する各分割片10b1〜10b4の下方部には、下部分割土留材10nの上方部に固定した1/4円弧状補強板15のロックピン孔15aと対向する位置に、45°の角度間隔でもって2個のロックピン孔14bが夫々穿設されている。即ち、中間分割土留材10bを形成する各分割片10b1〜10b4の上端部と下端部には、合計8個のロックピン孔14bが対称状に形成されている。
【0034】
尚、本実施形態においては、鋼板製土留材10を上部、中間、下部の三つの分割土留材から構成するようにしているが、軸方向(縦方向)の分割数を4以上にしても、或いは中間土留材10bを除いて2以下にしてもよいことは勿論である。
同様に、本実施形態においては、鋼板製土留材10を形成する各分割土留材10a、10b、10nを夫々短円筒管を縦向きに円周方向に4分割し、この4分割した4個の分割片を組合せ結合することにより各分割土留材10a、10b、10nを形成するようにしているが、円周方向の分割数を2又は3としてもよく、或いは4を越える分割数にしてもよいことは勿論である。
また、本実施形態では、鋼板製土留材10の断面形状を円形としているが、鋼板製土留材10の断面形状は四角形や多角形、楕円形などであっても良いことは勿論であり、所謂筒形であれば如何なる形状であっても良い。
【0035】
前記土留材引抜装置Fは、土砂充填・整地工程4の完了後に地中へ押込みした鋼板製土留材10を引き抜くための土留材引抜工程5において使用されるものであり、図8及び図9に示す如く柱状構造物6の外周部に配置する四角状の引抜用架台16と、引抜用架台16を支持する4本の油圧シリンダ17と、引抜用架台16にその上端部を固定した4本の引抜用ロッド体18等から構成されている。尚、断面円形の柱状構造物6の場合には、前記引抜用架台16の断面形状を円形にすることは勿論である。
【0036】
前記引抜用架台16は100mm×100mm×9mmの角柱材を用いて組立自在に形成されており、4本の棒状部材から形成されている。
また、前記油圧シリンダ17には土留材押込装置Eの油圧シリンダ8と同一仕様のシリンダが使用されており、通常は土留材押込装置Eで使用した油圧シリンダ8が土留材引抜装置Fの油圧シリンダ17として転用される。
【0037】
前記引抜用ロッド体18は外径30〜40mmφの丸鋼棒から形成されており、その上端部は引抜用架台16へボルト・ナット18a機構により支持固定されている。尚、各引抜用ロッド体18の下端には、ピン孔18cを有する係止片18bが夫々設けられており、土留材10に形成した引抜用ピン孔14c、15cと係止片18bの前記ピン孔18cへ引抜用ピン19を挿通することにより、各引抜用ロッド体18を鋼板製土留材10へ固定する。
【0038】
次に、本発明による柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法の実施について説明する。
図1を参照して、先ず土留材押込装置Eの反力受用枠体7を図2に示した如く柱状構造物6の適宜の高さ位置に固定する。フランジ9の締付け量調整により、反力受用枠体7は柱状構造物6へ強固に固定され、油圧シリンダ8の作動時の反力は、当該反力受用枠体7により完全に受け止められる。
【0039】
引き続き、下部分割土留材10nを先ず組立てする。即ち、図4、図6及び図7に示す如く、下部分割土留材10nの各分割片10n1〜10n4を順次円形状に並べ、ロックピン装置12の受座金12a及び停止座金12bを分割片10n1〜10n4の各ロックピン孔14a及びロックピン孔14b内へ挿入すると共に、ロックボルト12dをボルト挿通孔12eを通してねじ孔12cへ螺込むことにより、隣接する分割片同士を相互に連結し、下部分割土留材10nの下方部を一体的に連結固定する。
【0040】
尚、下部分割土留材10nの組立てが完了すると、下部分割土留材10nの上方部に胴巻きバンド(図示省略)を取り付け、下部分割土留材10nの上方部が外方へ拡径されるのを規制する。
また、下部分割土留材10nの上方部と柱状構造物6との間に前記図10及び図11に示した4個の間隔保持用ローラ体20を介設し、下部分割土留材10nの柱状構造物6との間隔が一定に保持されるようにする。
【0041】
次に、下部分割土留材10nの各分割片の内面側に固定したウォータジェットノズル21(図4参照)へ給水をする給水管22に、ウォータジェットホース(図示省略)を連結すると共に、下部分割土留材10nと柱状構造物6との間の土砂類を外部へ排出するためのバキューマホース(図示省略)を下部分割土留材10n内へ挿入する。
【0042】
最後に、図12に示す如く土留材押込装置Aの油圧シリンダ8のピストンロッド下端に取付けした二又状の係止体8bを下部分割土留材10nの上端線へ挿入し、下部分割土留材10nに設けたロッド固定用ピン孔23を通して係止ピン8cを挿着することにより、係止体8bを下部分割土留材10nへ固定する。
【0043】
上記各準備が完了すると、油圧ポンプ装置(図示省略)を駆動して土留材押込装置Eの各油圧シリンダ8を作動させると共に、ウォータジェット供給装置(図示省略)及びバキューマ装置(図示省略)を作動させる。尚、本実施形態では油圧ポンプ装置(図示省略)として理研精機株式会社製のPCS700型(20〜70MPa)を、ウォータジェット供給装置として吐出量150〜425l/min、吐出圧力50〜150MPaの装置を、バキューマ装置として株式会社東洋電機工業所製の出力10HP、真空度650mmHg、吸水量0.15m3/minの装置を夫々使用している。
【0044】
ウォータジェット装置を作動させ乍ら油圧シリンダ8を作動させ、下部分割土留材10nを均等に下方向へ押圧する。また、同時にバキューマ装置を移動させ、下部分割土留材10n内の土砂と水との混合物を吸引排出する。
また、下部分割土留材10nを所定位置まで押込(圧入)すると、ウォータジェット装置及びバキューマ装置の作動を停止すると共に油圧シリンダ8を緩め、間隔保持用ローラ体20を撤去する。
【0045】
その後、引き続き下部分割土留材10nの上部に中間分割土留材10bを形成する分割片10b1〜10b4を順次組み付けする。即ち、図4及び図6に示す如く、各分割片10b1〜10b4を下部分割土留材10nの上端部に固設した補強板15の外方へ当てがい、ロックピン孔14b及びロックピン孔15a内へロックピン装置12の係止座金12b及び受座金12aを挿入したあと、ロックボルト12dをねじ孔12c内へねじ込むことにより、各分割片10b1〜10b4を下部分割土留材10nの上方に連結固定する。
そして、中間分割土留材10bの上方部外面に胴巻きバンド(図示省略)を装着すると共に、下部分割土留材10nの圧入の場合と同じ要領で油圧シリンダ8の二又状係止体8bを中間分割土留材10bの上方部へ固定する。
【0046】
以後、下部分割土留材10nの圧入の場合と同じ要領で、所定深さまで下部分割土留材10n及び中間分割土留材10bを圧入する。
また、中間分割土留材10nの圧入が完了すれば、上部分割土留材10aの各分割片10a1〜10a4を夫々中間分割土留材10bの上方に組み付ける。更に、上部分割土留材10aの各分割片10a1〜10a4の上端部は、図4及び図5に示す如く、前記下部分割土留材10nの下方部と同じ要領でロックピン装置12を介して相互に組付け固定される。
【0047】
尚、図1の実施形態では、上部分割土留材10aと中間分割土留材10bと下部分割土留材10nを夫々、順次継ぎ足しする工法としているが、地盤と橋桁等との間に空間が存在する場合には、各分割土留材10n、10b、10nを最初から一体的に組付け形成しておき、図13の如き状態で圧入(押込)を開始すると共に、油圧シリンダ8のストロークに応じて土留材押込装置Eの反力受用枠体7の固着位置を順次下降させるようにしてもよいことは勿論である。
【0048】
鋼板製土留材10の全体が地盤内へ圧入され且つ土留材内土砂撤去工程2に於いて土留材10と柱状構造物6との間の土砂等が完全に排出されると、次に、柱状構造物に対する所望の施工工程が開始される。例えば、土留材10と柱状構造物6との間に形成された空間部を利用して、柱状構造物6の点検や補修、補強等が行なわれる。
【0049】
前記柱状構造物に対する所望の施工工程が完了すると、前記空間内へ土砂等を充填して整地すると共に、土留材引抜装置Fの引抜用架台16の組立て及び油圧シリンダ17の取付けを行ない、引抜用ロッド体18の下端部を下部分割土留材10aの上端部へ、またその上端部を引抜用架台16へ固定する。
その後、油圧シリンダ17を作動させ、図14に示す如くピストンロッド17aにより引抜用架台16を介して引抜用ロッド体18を上方へ押上げ、土留材10の上部分割土留材10aを地盤上へ引き上げる。
また、引き上げした上部分割土留材10aの各ロックピン装置12を解放し(即ち、ロックボルト12dを取り外し)、各分割片10a1〜10a4を解体する。
【0050】
以下、同様な操作を繰り返すことにより、中間分割土留材10b及び下部分割土留材10nを夫々解体撤去し、最後に柱状構造物6の外周部へ更に土砂等の埋戻しすると共に整地をする。
【0051】
尚、本実施形態では、上部分割土留材10a、中間分割土留材10b及び下部分割土留材10nを夫々別個に引抜いて解体するようにしているが、土留材10の上方に十分な空間がある場合には、長ストロークの油圧シリンダ17を使用したり或いは油圧シリンダー17の下方に支持架台(図示省略)を介挿することにより、土留材10の全体を一体的に引抜きし、その後に各分割土留材10n、10b、10aを順次解体することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、道路や鉄道、建築物等の全ての柱状構造物の周辺の掘削・土留などに広く利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法の施工工程図である。
【図2】土留材押込装置の平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】土留材の正面図である。
【図5】図6のA−A断面図である。
【図6】図6のB−B断面図である。
【図7】ロックピン装置の断面図である。
【図8】土留材引抜装置の平面図である。
【図9】土留材引抜装置の正面図である。
【図10】間隔保持用ローラ体の平面図である。
【図11】間隔保持用ローラ体の側面図である。
【図12】土留材押込装置により下部分割土留材を押込する前の状態を示す説明図である。
【図13】一体化した土留材10を押込みする状態の説明図である。
【図14】土留材引抜装置Bの作動状態の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
Eは 土留材押込装置
Fは 土留材引抜装置
Wは 溶接部
1は 土留材押込工程
1aは 土留材押込装置取付工程
1bは 下部分割土留材取付工程
1cは 下部分割土留材圧入工程
1dは 中間分割土留材取付工程
1eは 中間分割土留材圧入工程
1fは 上部分割土留材取付工程
1gは 上部分割土留材圧入工程
1hは 土留材圧入装置取外工程
2は 土留材内土砂撤去工程
3は 柱状構造物に対する所望の施工工程
4は 土砂充填・整地工程
5は 土留材引抜工程
5aは 土留材引抜装置取付工程
5bは 上部・中部・下部分割土留材引抜工程
5cは 土留材引抜装置取外工程
6は 柱状構造物
7は 反力受用枠体
8は 油圧シリンダ
8aは ロッド
8bは 二又状係止体
8cは 係止ピン
9は フランジ
10は 鋼板製土留材
10aは 上部分割土留材
10a1〜10a4は 分割片
10bは 中間分割土留材
10b1〜10b4は 分割片
10nは 下部分割土留材
10n1〜10n4は 分割片
10mは 分割土留材が4以上のときの最下方に位置する中間分割土留材(図面表示なし)
10m1〜10m4は 分割片(図面表示なし)
12は ロックピン装置
12aは 受座金
12a′は 突部
12a″は 鍔部
12bは 係止座金
12b′は 突部
12b″は 鍔部
12cは ねじ孔
12dは ロックボルト
12eは ボルト挿通孔
12fは 6角孔
13は 四角状の補強板
14aは ロックピン孔
14bは ロックピン孔
14cは 引抜用ピン孔
15は 円弧状の補強板
15aは ロックピン孔
15cは 引抜用ピン孔
16は 引抜用架台
16aは 棒状部材
16bは 棒状部材
17は 油圧シリンダ
17aは ピストンロッド
18は 引抜用ロッド体
18aは ナット
18bは 係止片
18cは ピン孔
19は 引抜用ピン
20は 間隔保持用ローラ体
21は ウォータジェットノズル
22は 給水管
23は ロッド固定用ピン孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法において、先ず柱状構造物(6)に土留材押込装置(E)の反力受用枠体(7)を着脱自在に固定すると共に、柱状構造物(6)と同芯状に所定長さの筒形の鋼板製土留材(10)を組立て形成し、当該土留材(10)と前記反力受用枠体(7)との間に介設した複数の油圧シリンダ(8)により、柱状構造物(6)と土留材(10)との間へ高圧水を噴射しつつ地盤内へ土留材(10)を押込みすると共に、土留材(10)の内方の土砂と水の混合体をバキューマ装置により順次外部へ排出し、前記土留材(10)と柱状構造物(6)の間に空間を形成する工程と,前記土留材(10)と柱状構造物(6)の間に形成した空間を利用して柱状構造物(6)に対して所望の措置を施した後、当該土留材(10)の内方の空間を土砂等で充填する工程と,前記柱状構造物(6)の外周部に土留材引抜装置(F)の引抜用架台(16)を組立て形成すると共に、前記押込みした土留材(10)と引抜用架台(16)とを複数の引抜用ロッド体(18)を介して連結し、前記引抜用架台(16)と地盤との間に介設した複数の油圧シリンダ(17)により引抜用架台(16)を押上げすることにより、土留材(10)を地盤内から引抜き撤去する工程と,から構成したことを特徴とする柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法。
【請求項2】
前記土留材(10)を複数の分割土留材(10a)、(10b)、(10n)・・(10n)を軸方向に組立て自在に連結して成る土留材(10)とし、当該土留材(10)の押込みに際しては、最初に下段の分割土留材を押込みしてその上端に次段の分割土留材を連結したあと、当該次段の分割土留材を押込みし、また、土留材(10)の引抜に際しては、最上段の分割土留材を引抜きしてこれを土留材(10)から解離したあと、次段の分割土留材を引抜きする構成とした請求項1に記載の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法。
【請求項3】
各分割土留材(10a)、(10b)、(10n)・・(10n)を、短円筒体を円周方向に等間隔で縦向きに分割した複数個の分割片を解離自在に組立てして成る分割土留材とした請求項2に記載の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法。
【請求項4】
複数の筒形の鋼板製分割土留材(10a)、(10b)、(10n)・・(10n)を軸方向に同芯状にロックピン装置(12)により解離自在に連結した構成としたことを特徴とする柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法に用いる土留材。
【請求項5】
各分割土留材(10a)、(10b)、(10n)・・(10n)を、短円筒体を円周方向に等間隔で縦向きに分割した4個の分割片をロックピン装置(12)により相互に解離自在に連結して成る構成とした請求項4に記載の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法に用いる土留材。
【請求項6】
土留材(10)の下部分割土留材(10n)を形成する各分割片(10n1〜10n4)の下端部の一側の内面及び上部分割土留材(10a)を形成する各分割片(10a1〜10a4)の上端部の一側の内面に、四角状の補強板(13)をその一部を側方へ突出させた状態で固定し、当該補強板(13)の突出部に穿設したロックピン孔(14a)と、当該補強板(13)の外側に位置して該補強板(13)を固着した分割片に隣接して配置した他の分割片に穿設したロックピン孔(14b)とを合致させ、両ロックピン孔(14a)、(14b)内へロックピン装置(12)を装着して隣接する分割片同士を連結する構成とした請求項5に記載の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法に使用する土留材。
【請求項7】
中間の分割土留材の中の最上方に位置する中間分割土留材(10b)を形成する各分割片(10b1〜10b4)の上端部の内面及び中間の分割土留材の中の最下方に位置する中間分割土留材(10m)を形成する各分割片(10m1〜10m4)の下端部の内面に、細幅の円弧状の補強板(15)をその上方部及び下方部を夫々外方へ突出させた状態で固定すると共に、当該補強板(15)に一定間隔をおいて複数のロックピン孔(15a)、(15a)を穿設し、当該補強板(15)に穿設したロックピン孔(15a)、(15a)と、前記下部分割土留材(10n)の各分割片(10n1〜10n4)の各分割片(10n1〜10n4)の上端部又は前記上部分割土留材(10a)の各分割片(10a1〜10a4)の下端部に一定間隔をおいて穿設されたロックピン孔(14b)、(14b)とを合致させ、両ロックピン孔(15a)、(14b)内へロックピン装置(12)を装着して隣接する分割片同士を連結する構成とした請求項5に記載の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法に使用する土留材。
【請求項8】
土留材(10)を上部分割土留材(10a)と中間分割土留材(10b)と下部分割土留材(10n)とから形成すると共に、中間分割土留材(10b)を形成する各分割片(10b1〜10b4)の上端部の内面及び下端部の内面に、細幅の円弧状の補強板(15)をその上方部及び下方部を夫々外方へ突出させた状態で固定すると共に、当該補強板(15)に一定間隔をおいて複数のロックピン孔(15a)、(15a)を穿設し、当該補強板(15)に穿設したロックピン孔(15a)、(15a)と、前記下部分割土留材(10n)の各分割片(10n1〜10n4)の上端部又は前記上部分割土留材(10a)の各分割片(10a1〜10a4)の下端部に一定間隔をおいて穿設されたロックピン孔(14b)、(14b)とを合致させ、両ロックピン孔(15a)、(14b)内へロックピン装置(12)を装着して隣接する分割片同士を連結する構成とした請求項5に記載の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法に使用する土留材。
【請求項9】
ロックピン装置を、各分割土留材(10a)、(10b)、(10n)・・(10n)の内部側よりロックピン孔(14a)又はロックピン孔(15a)内へ挿入され、中央部にねじ孔(12c)を有する鍔付きの受座金(12a)と、各分割土留材(10a)、(10b)、(10n)・・(10n)の外部側よりロックピン孔(14b)内へ挿入され、中央部にボルト挿通孔(12e)を有する鍔付きの係止座金(12b)と、前記ボルト挿通孔(12e)を通して受座金(12a)のねじ孔(12c)内へ螺着され、両受座金(12a)、(12b)を固定するロックボルト(12d)とから構成するようにした請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の柱状構造物の周辺の掘削に用いる油圧圧入式仮土留工法に使用する土留材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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