説明

柱状物立設機及び自走式柱状物立設装置

【課題】少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を騒音少なく、また、その外表面を損傷することなく簡単に保持して地盤に立設することができる柱状物立設機及びこれを搭載した柱状物立設装置を提供する。
【解決手段】基礎フレーム4、フレーム4に搭載されたガイドレール5、ガイドレール5に沿って昇降可能な回転振動駆動機6、駆動機6をガイドレールに沿って昇降させる昇降駆動装置600、駆動機6に支持された回転振動軸7、軸7に支持された柱状物保持装置8を含んでおり、装置8は、芯部材81と、芯部材の周囲に配置された複数の突っ張り用部材82を含んでおり、柱状物Dの中空頭部D1を部材82に外嵌するとともに部材82の柱状物当接部821に当接させて部材82を持ち上げることで部材82を芯部材81に押し広げさせて柱状物中空頭部内面に押し当てて柱状物Dを保持できる柱状物立設機B及びこれを車両Cに搭載してなる柱状物立設装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にガードレールとも呼ばれている道路安全柵の支柱などの柱状物を地盤に立て設ける柱状物立設機及び該柱状物立設機を車両に搭載してなる自走式柱状物立設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤に柱状物を立て設けることが求められる分野は多岐にわたっているが、一般によく知られている分野として、ガードレールとも呼ばれている道路安全柵を構築する際に、その支柱を地盤に立て設ける分野を例示できる。
【0003】
道路安全柵を構築する際に支柱を地盤に立設する作業は、通常、道路、区画等に沿った広い範囲にわたり、多数本を立設しなければならないことから、支柱を地盤に立設する装置としては、支柱を立設べすき場所へ迅速に移動できる自走式のものが採用されてきた。
【0004】
このような自走式の柱状物立設装置は、例えば、特許第3513220号公報に記載されている。同公報には、柱状物立設ための柱状物打ち込み機としてエアーハンマー方式の打ち込み機を車両に搭載した装置が記載されている。同公報には記載されていないが、エアハンマー方式の打ち込み機のほか、オイルハンマー方式の打ち込み機も利用されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3513220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のハンマー方式の打ち込み機は、空気圧又は油圧により駆動されるハンマーで柱状物を叩いて地中へ少なくとも一部埋め込み立設するものであり、ハンマーによる柱状物の打撃音は非常におおきく、作業現場周辺の人々にとって騒音となっていた。そのため、現状では、市街地での作業や、市街地でなくても夜間の作業が困難になってきている。
【0007】
このような問題を解決する方策として、柱状物に回転と振動を与えつつ地盤に立設することが考えられる。しかし、柱状物に回転と振動を与えるには柱状物を把持しなければならない。
【0008】
ところが、地盤への立設対象柱状物の代表的例である前記道路安全柵構築用の支柱を見れば分かるように、地盤への立設対象柱状物は、本体部分は金属製であることが多いが、その外表面は防錆、耐候性付与等のために塗装されていたり、樹脂チューブで被覆されていたりして保護膜が形成されていることが多い。したがって、そのような保護膜を損傷しないように把持して回転と振動を与えなければならないが、それは実際には困難である。
【0009】
そこで本発明者は鋭意研究を行ない、道路安全柵構築用の支柱を見れば分かるように、地盤への立設対象柱状物は中空に筒状に形成されているものが多く、そのような柱状物は頭部の中空部を利用して内側から把持できれば、外表面(外表面或いは保護膜等を形成した外表面)を柱状物把持のために損傷することなく地盤への立設作業を行なえることに着目するに至った。
【0010】
本発明は、少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を地盤に立て設けることができる柱状物立設機であって、従来のハンマー方式の柱物状物打ち込み機と比べると該柱状物を騒音少なく地盤に立設することができ、また、該柱状物をその外表面を損傷することなく簡単に保持して地盤に立設することができる柱状物立設機を提供することを第1の課題とする。
【0011】
また、本発明は、少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を地盤に立て設けることができる柱状物立設装置であって、該柱状物を地盤に順次、能率よく立て設けることができ、従来のハンマー方式の柱状物打ち込み機を搭載した柱状物立設装置と比べると該柱状物を騒音少なく地盤に立設することができ、また、該柱状物をその外表面を損傷することなく簡単に保持して地盤に立設することができる自走式の柱状物立設装置を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は前記課題を解決するため次の柱状物立設機及び自走式柱状物立設装置を提供する。
【0013】
(1)柱状物立設機
少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を地盤に立設するための柱状物立設機であり、
基礎フレームと、
前記基礎フレームに搭載され、上下方向に延在する姿勢をとることができるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って昇降可能な回転振動駆動機と、
前記回転振動駆動機を前記ガイドレールに沿って昇降させる昇降駆動装置と、
前記回転振動駆動機に支持されて前記ガイドレールの延在方向に振動駆動可能であるとともに該ガイドレール延在方向の回転軸線まわりに回転駆動可能な回転振動軸と、
前記回転振動軸に支持された柱状物保持装置とを含んでおり、
前記柱状物保持装置は、
前記回転振動軸の回転中心軸線方向に下方へ突出し、突出端に向かって細径に形成されている芯部材と、
前記芯部材の周囲に配置された複数の突っ張り用部材であって、前記芯部材側へ寄り萎む萎み位置をとることができ、前記萎み位置から前記芯部材の大径部分側へ持ち上げられることで該芯部材に内側から押されて広がることができ、前記回転振動軸側の上端部に柱状物当接部を有している突っ張り用部材を含んでおり、
前記複数の突っ張り用部材が前記萎み位置におかれた状態で立設対象柱状物の中空頭部を該突っ張り用部材に外嵌するとともに前記柱状物当接部に当接させて該突っ張り用部材を前記芯部材に対し相対的に持ち上げ、該持ち上げにより該突っ張り用部材を該芯部材に押し広げさせて該柱状物の中空頭部内面に押し当てることで該柱状物を保持できる柱状物立設機。
【0014】
(2)柱状物立設装置
本発明に係る柱状物立設機と、前記柱状物立設機を搭載した車両とを含む自走式柱状物立設装置。
【0015】
本発明に係る柱状物立設機及び柱状物立設装置により地盤に立設する柱状物は少なくとも頭部が中空の柱状物であるが、それは断面形状が円形のものの場合だけでなく、例えば四角形状等のものの場合もある。前記柱状物保持装置では、立設対象柱状物の保持対象頭部の断面形状等に応じた形状の芯部材及び突っ張り用部材を採用すればよい。また、突っ張り用部材の数は、代表的な2個(一対)の場合のほか、3個以上であってもよい。
【0016】
本発明に係る柱状物立設機によると次のようにして柱状物を地盤に立設できる。
先ず、柱状物立設機を例えば車両に搭載して運搬するなどして柱状物立設地所に設置し、前記基礎フレームに対し前記ガイドレールを上下方向に延在する立ち上げ姿勢におくとともに前記回転振動駆動機、前記回転振動軸及び該回転振動軸に支持された前記柱状物保持装置を柱状物立設対象地盤の上方に配置する。
【0017】
また、立設対象の、少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を前記柱状物保持装置の下方に作業者が手で支える等して立て、該頭部を前記柱状物保持装置に保持させる。このとき、例えば、地盤上に支え立てた柱状物に対して、前記昇降駆動装置で前記回転振動駆動機及び回転振動軸並びに該回転振動軸に支持された前記柱状物保持装置を前記ガイドレールに案内させつつ下降させ、それに対して柱状物を相対的に上昇させて保持させる。
【0018】
柱状物を柱状物保持装置に保持させるにあったては、該保持装置における前記複数の突っ張り用部材を前記芯部材側へ寄った萎み位置においた状態で柱状物の中空頭部を該突っ張り用部材に外嵌するとともに前記柱状物当接部に当接させて該突っ張り用部材を前記芯部材に対し相対的に持ち上げ、該持ち上げにより該突っ張り用部材を該芯部材に押し広げさせて該柱状物の中空頭部内面に押し当てる。かくして該柱状物を柱状物保持装置に保持させる。
【0019】
このように柱状物頭部を柱状物外表面を損傷しないように内側から簡単に保持させ、前記回転振動駆動機で前記回転振動軸及びそれに支持された前記柱状物保持装置を前記ガイドレールの延在方向に振動させるとともに該ガイドレール延在方向の回転軸線まわりに回転させることで該柱状物を振動回転させつつ、前記回転振動駆動機、前記回転振動軸、前記柱状物保持装置及びそれに保持させた柱状物の全体を前記昇降駆動装置で下降させて該柱状物を地盤へ所定深さ押し込み、該地盤に立設する。この柱状物立設は柱状物に振動と回転を与えつつ地盤中へ押し込んで行なうので、従来のハンマー方式の打ち込み機より騒音が少なく済む。
【0020】
その後は、前記回転振動軸及び前記柱状物保持装置を少なくとも振動させつつ上方へ引き上げて立設した柱状物から離脱させる。
【0021】
本発明に係る柱状物立設装置は柱状物立設機を車両に搭載してなるものであるから、車両を移動させながら、柱状物を地盤に順次、能率よく立て設けることができる。
【0022】
また車両に搭載する柱状物立設機は本発明に係る柱状物立設機であるから、従来のハンマー方式の柱物状物打ち込み機を搭載した柱状物立設装置と比べると該柱状物を騒音少なく地盤に立設することができ、さらに、該柱状物をその外表面を損傷することなく簡単に保持して地盤に立設することができる。
【0023】
前記柱状物保持装置として例えば次のア、イ、ウ、エのうちの少なくとも一つを採用しているものを挙げることができる。
(ア)前記芯部材は前記回転振動軸の下端部に取り付けられた第1部材から突設されており、前記突っ張り用部材(例えば突っ張り用部材の前記柱状物当接部)と該第1部材との間に、前記突っ張り用部材が前記萎み位置から前記芯部材の大径部分側へ持ち上げられることで圧縮される圧縮弾性復元可能なバネが配置されている。
【0024】
このように突っ張り用部材と第1部材との間に圧縮弾性復元可能なバネを配置しておくことで、前記立設した柱状物を前記柱状物保持装置から離脱させるにあたり前記回転振動軸及び前記柱状物保持装置を少なくとも振動させつつ上方へ引き上げるとき、該柱状物が該バネの弾性復元力で離脱方向に押され、より簡単、容易に柱状物保持装置から離脱できる。
【0025】
(イ)前記柱状物保持装置の各突っ張り用部材は前記芯部材の突出方向に延びる溝を有しており、該溝に前記芯部材に突設した突っ張り用部材回り止めピンが該溝に沿って相対的に摺動可能に嵌まっている。
【0026】
このピンは一つの突っ張り用部材に対して一本設けられているだけでもよいが、複数本設けられていてもよい。いずれにしても、少なくとも一本のピンは前記突っ張り用部材の前記芯部材からの脱落防止ピンを兼ねていてもよい。
【0027】
(ウ)前記複数の突っ張り用部材全体として前記芯部材を囲むリング状溝を提供するための溝が該各突っ張り用部材外面に形成されており、前記複数の突っ張り用部材の溝に、該突っ張り用部材の前記芯部材に対する相対的持ち上げ及び該芯部材による該突っ張り用部材の押し広げが許されるように該突っ張り用部材を前記萎み位置におく弾性リングが嵌められている。
【0028】
このように突っ張り用部材に弾性リングを嵌めておくことで、突っ張り用部材に柱状物頭部を外嵌させるとき、作業者が突っ張り用部材を芯部材側へ萎める作業を省略でき、しかも、その後に突っ張り用部材を芯部材で広げさせて柱状物頭部を保持させるに支障がない。
【0029】
(エ)前記柱状物保持装置は、さらに、前記第1部材の下端部に接続されたリング状の第2部材を含んでおり、前記第2部材は、前記芯部材及び前記突っ張り用部材が貫通しており、該芯部材及び突っ張り用部材に外嵌される前記立設対象柱状物の頭部の貫通も可能であり、前記突っ張り用部材の前記柱状物当接部が係合することで該突っ張り用部材の該第2部材からの脱落を防止できる脱落防止部を有している。
【0030】
この構成を採用することで、例えばメインテナンス等において突っ張り用部材の自由下端部を芯部材から大きく離したいときでも、突っ張り用部材の落下を防止できる。
【0031】
前記回転振動駆動機は、様々なものを採用できるが、例えば次のもの挙げることができる。すなわち、
前記ガイドレールに昇降可能に設けられた駆動機支持フレーム、前記回転振動軸を振動させる振動駆動部及び前記回転振動軸を回転させる回転駆動部を含んでおり、
前記振動駆動部は、前記回転振動軸を支持し前記駆動機支持フレームに緩衝部材を介して振動可能に支持された振動フレームと、前記回転振動軸の両側で前記振動フレームに回転可能に支持された一対の偏心荷重支持軸と、該各偏心荷重支持軸を回転させる偏心荷重支持軸駆動部を含んでおり、前記一対の偏心荷重支持軸は、該軸の回転と偏心荷重により発生する遠心力の該回転振動軸の回転中心線方向の成分以外の成分を該一対の回転振動軸間で相殺し、該回転中心線方向に生じる遠心力成分で前記回転振動軸を振動させることができ、
前記回転駆動部は前記駆動機支持フレームに搭載された回転モータ及び該回転モータの動力を前記回転振動軸に伝達する伝動機構を含んでおり、該伝動機構は前記回転振動軸の前記振動駆動部による振動動作を許しつつ該回転振動軸に回転動力を伝達する伝動機構である回転振動駆動機。
【0032】
前記振動駆動部の偏心荷重支持軸を回転させるモータや、前記回転駆動部の回転モータとしては、それとは限定されないが、油圧作動のモータを例示できる。
【0033】
前記ガイドレールは、自身を前記基礎フレームに対して昇降させるガイドレール昇降装置を介して前記基礎フレームに設けられていてもよい。
【0034】
このようにガイドレール自身を基礎フレームに対して昇降させるガイドレール昇降装置を採用することで、基礎フレームに対する前記柱状物保持装置の高さ位置を、より柔軟に種々の高さの柱状物に対応させることができる。
【0035】
柱状物立設地所の様々な状況(地形、起伏等)に対応できるように、前記ガイドレールの前記基礎フレームに対する立ち上がり角度を調整するガイドレール立ち上がり角度調整装置が設けられていてもよい。
【0036】
また、前記ガイドレールの前記基礎フレームからの突出量を調整するガイドレール突出量調整装置が設けられていてもよい。
【0037】
本発明に係る自走式柱状物立設装置を構成する車両は、柱状物立設作業をより円滑に、精度よく行なえるように、車体傾動防止装置付き車両であってもよい。
【0038】
このような傾動防止装置として、例えば、車体フレームに連結されるとともに車輪部に連結されて該車体フレームと該車輪部の間に介装された緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして上方から下方へ押圧できるバネ押圧手段と、前記バネ押圧手段により押圧される前記緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして下方から前記車体フレームに対し定位置に支持し、前記押圧手段との間に抑え込み挟持できるバネ支持手段を含むものを挙げることができる。
【0039】
柱状物立設地所の様々な状況(地形、起伏等)に対応できるように、前記柱状物立設機の、前記基礎フレームに対して上下方向に延在する姿勢をとるガイドレールの車両前後方向への傾き角度を調整するガイドレール傾斜角度調整装置を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0040】
以上説明したように本発明によると、少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を地盤に立て設けることができる柱状物立設機であって、従来のハンマー方式の柱物状物打ち込み機と比べると該柱状物を騒音少なく地盤に立設することができ、また、該柱状物をその外表面を損傷することなく簡単に保持して地盤に立設することができる柱状物立設機を提供することができる。
【0041】
また、本発明によると、少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を地盤に立て設けることができる柱状物立設装置であって、該柱状物を地盤に順次、能率よく立て設けることができ、従来のハンマー方式の柱状物打ち込み機を搭載した柱状物立設装置と比べると該柱状物を騒音少なく地盤に立設することができ、また、該柱状物をその外表面を損傷することなく簡単に保持して地盤に立設することができる自走式の柱状物立設装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る柱状物立設装置の一例の側面図であり、車両の左後輪、リアランプ等を省略して示す図である。
【図2】図1の柱状物立設装置を構成している車両の車体傾動防止装置の全体構成の説明図である。
【図3】車体傾動防止装置の第1連動機構の説明図である。
【図4】図1の柱状物立設装置において柱状物立設機を柱状物立設作業位置へ旋回させた状態を車両後方から示す図である。
【図5】図1の柱状物立設装置の側面図であり、柱状物立設機を柱状物立設作業位置へ旋回させるとともにガイドレールを立ち上げ、左後輪等を省略して示す図である。
【図6】第1連動機構の他の例を示す図である。
【図7】柱状物立設機における回転振動駆動機、それに支持されたな回転振動軸、柱状物保持装置及びガイドレールの一部の、一部を断面で示す正面図である。
【図8】回転振動駆動機、回転振動軸、柱状物保持装置及びガイドレールの一部等の側面図である。
【図9】柱状物保持装置の柱状物保持直前の状態を、一部断面で示す図である。
【図10】柱状物保持装置の柱状物保持状態を、一部断面で示す図である。
【図11】柱状物保持装置の芯部材等を示す図であり、図(A)は芯部材を含む部分の正面図、図(B)は同部分の平面図、図(C)は同部分の底面図である。
【図12】柱状物保持装置の一対の突っ張り用部材を示す図であり、図(A)はそれらの正面図、図(B)はそれらの平面図、図(C)はそれらの底面図、図(D)はそれらをそれぞれ内面側から見て示す図である。
【図13】芯部材及び突っ張り用部材の他の例を示す図であり、図(A)は芯部材の他の例を含む部分の底面図、図(B)は一対の突っ張り用部材の他の例の平面図である。
【図14】図1の柱状物立設装置を用いて立設対象柱状物を地盤へ立設する準備を完了した状態を車両後方から見て示す図である。
【図15】図14の状態から柱状物を一部地盤中へ埋設した状態を示す図である。
【図16】図15の状態から柱状物を地盤中へさらに埋設した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は本発明に係る柱状物立設装置の一例を示している。この柱状物立設装置100は車両Cに柱状物立設機Bを搭載したものである。車両Cは車体傾動防止装置Aを備えている。図1では車両Cの左後輪の図示が省略されている。車体傾動防止装置Aは後ほど詳述することとし、先ず、柱状物立設機Bについて図1、図4、図5、図7から図16を参照して説明する。
【0044】
柱状物立設機Bは、図1では車両Cに搭載されて運搬されるときの向き及び姿勢で、車両側方から見て示されており、図4では図1の状態から柱状物立設作業位置へ旋回された状態で、車両後方から見て示されており、図5では図4の状態からガイドレール5が柱状物立設作業のために立ち上げられた状態で示されている。
【0045】
柱状物立設機Bは、基礎フレーム4、基礎フレーム4に横方向(図1では車両Cの前後方向、図4では車両 Cの左右方向)に往復動可能に搭載された可動フレーム41、可動フレーム41にガイドレール立ち上がり角度調整装置42を介して取り付けられたガイドレール5を含んでいる。換言すれば、ガイドレール5は角度調整装置42及び可動フレーム41を介して基礎フレーム4に搭載されている。
【0046】
基礎フレーム4は、車両Cの荷台13上方の台フレーム6上に旋回装置40を介して上下方向軸線まわりに旋回可能に搭載されている。台フレーム6は傾動駆動機61、62を介して車両Cに搭載されている。傾動駆動機61、62は本例では油圧作動のピストンシリダ装置である。その使い方については後ほど説明する。
【0047】
基礎フレーム4には可動フレーム41の往復駆動機411が搭載されている。往復駆動機411は本例ではピストンシリンダ装置(ここでは油圧作動のピストンシリンダ装置)であり、そのピストンロッドが可動フレーム41に回動可能にピン連結されているとともにシリンダ部が基礎フレーム4に回動可能にピン連結されている。このピストンシリンダ装置411の伸縮により基礎フレーム4に対する可動フレーム41の、延いては基礎フレーム4に対するガイドレール5の突出量を調節できる。
【0048】
これら可動フレーム41、ピストンシリンダ装置411等はガイドレール5の基礎フレーム4からの突出量を調整するガイドレール突出量調整装置400を構成している。
【0049】
ガイドレール立ち上がり角度調整装置42はガイドレール5を背面側から支持する回動フレーム421及び傾動駆動機422を含んでいる。
【0050】
回動フレーム421は下端部で可動フレーム41の往復動作可能方向における片側端部に回動可能にピン421Pで連結されており、それによりガイドレール5の可動フレーム41に対する立ち上がり角度、ひいては基礎フレーム4に対する立ち上がり角度θ1(図1、図4、図14参照)を選択できる。
【0051】
傾動駆動機422は本例ではピストンシリンダ装置(ここでは油圧作動のピストンシリンダ装置)であり、そのピストンロッド422aが回動フレーム421に回動可能にピン連結されているとともに、シリンダ部422bが可動フレーム41に回動可能にピン連結されている。このピストンシリンダ装置422の伸縮によりガイドレール5の可動フレーム41に対する、延いては基礎フレーム4に対する立ち上がり角度θ1を調節できる。
【0052】
ガイドレール5は長く延びた部材であり、前記回動フレーム421に昇降可能に取り付けられている。ガイドレール5はガイドレール昇降装置51によって基礎フレーム4に対し昇降可能である。
【0053】
ガイドレール昇降装置51は前記ガイドレール立ち上がり角度調整装置42の部品を兼ねる回動フレーム421と、ガイドレール5の頂部背面側に設けられたスプロケットホイル支持フレーム511と、ガイドレール昇降駆動機512を含んでいる。
【0054】
ガイドレール昇降駆動機512は本例ではピストンシリンダ装置(ここでは油圧作動のピストンシリンダ装置)であり、そのピストンロッド512aがスプロケットホイル支持フレーム511に回動可能にピン連結されているとともに、シリンダ部512bが回動フレーム421に回動可能にピン連結されている。このピストンシリンダ装置512の伸縮によりガイドレール5は回動フレーム421に対し、延いては基礎フレーム4に対し昇降できる。
【0055】
ガイドレール5はガイドレール昇降装置51を介して、またさらにガイドレール立ち上がり角度調整装置42及び可動フレーム41等を介して基礎フレーム4に設けられている、と言える。
【0056】
柱状物立設機Bは、図1等に示す様に、さらに、ガイドレール5に沿って昇降可能な回転振動駆動機6と、回転振動駆動機6をガイドレール5に沿って昇降させる昇降駆動装置60と、回転振動駆動機6に支持された回転振動軸7と、回転振動軸7に支持された柱状物保持装置8を含んでいる。
【0057】
回転振動軸7は後述するように回転振動駆動機6によりガイドレール5の延在方向に振動駆動可能であるとともにガイドレール延在方向の回転軸線まわりに回転駆動可能である。
【0058】
図7に示すように、回転振動駆動機6はガイドレール5に昇降可能に設けられた駆動機支持フレーム61、回転振動軸7を振動させる振動駆動部62及び回転振動軸7を回転させる回転駆動部63を含んでいる。
【0059】
回転駆動部63は駆動機支持フレーム61に固定されたギアボックス631、ギアボックス631の下面に固定された左右1対の油圧回転モータ632、ギアボックス631内に設けられた歯車伝動装置を含んでいる。歯車伝動装置は各モータ632で回転駆動される歯車g1、歯車g1に従動回転する中央歯車g2からなる。
【0060】
前記回転振動軸7が中央歯車g2を貫通している。軸7の歯車g2を貫通している部分には、それ自体知られているスプライン軸機構Kが形成されており、軸7は歯車g2で回されつつ歯車g2に対して上下動できる。
【0061】
かくして、左右のモータ632を油圧回路で同じ方向に回転させることで各歯車g1を同方向に回転させ、それにより中央歯車g2を一定方向に回転させ、さらに中央歯車g2の回転により回転振動軸7をガイドレール延在方向の回転軸線まわりに回転駆動し、それにより前記柱状物保持装置8を回転駆動することができる。
【0062】
さらに、軸7はスプライン軸機構Kにより歯車g2に対して上下方向に、換言すればガイドレール5の延在方向に往復動することができる。
【0063】
振動駆動部62は振動フレーム621及び振動フレーム621の上側で駆動機支持フレーム61から庇状に突設された部材624を含んでいる。回転振動軸7は前記ギアボックス631の上方へ延び、振動フレーム621貫通するとともに該振動フレームに固定されている。庇状部材624には軸7の衝突を防止するための透孔hが形成されている。
【0064】
振動フレーム621は左右に張り出したリング状部622を有しており、このリング状部622にガイドフレーム長手方向と並行な緩衝部材支持軸623が遊嵌、貫通している。
支持軸623は上端部が庇状部材624に接続されており、下端部がギアボックス631に接続されている。
【0065】
振動駆動部62はさらに圧縮復元可能な緩衝部材65を含んでいる。緩衝部材65は振動フレーム621から左右に張り出した各リング状部622と庇状部材624の間及び各リング状部622とギアボックス631の間に、緩衝部材支持軸623を取り囲むように、それぞれ設けられている。各緩衝部材65は、それとは限定されないが、本例ではゴム製の中実の弾性部材である。しかし、これに代えて、例えば、空気を注入して膨らませたゴム風船のようなもの等を採用してもよい。
【0066】
振動フレーム621にはそれぞれが偏心荷重Wを保持した左右一対の偏心荷重支持軸Sが回転可能に設けられている。さらに、各軸Sに対する油圧回転モータ625も設けられている。左右一対の偏心荷重支持軸Sは左右の油圧回転モータ625により回転駆動されるのであるが、左右の偏心荷重支持軸Sのあいだで一方の軸Sの偏心荷重Wが上方を向くとき、他方の軸Sの偏心荷重Wも上方を向き、一方の軸Sの偏心荷重Wが下方を向くとき、他方の軸Sの偏心荷重Wも下方を向くように、且つ、左右の軸Sが互いに反対方向に回されるように、回転駆動される。
【0067】
かくして、一対の偏心荷重支持軸Sの回転と偏心荷重Wにより発生する遠心力の回転振動軸7の回転中心線方向の成分以外の成分を該一対の回転振動軸S間で相殺し、軸7の回転中心線方向に生じる遠心力成分で回転振動軸7を上下方向に振動させることができる。油圧回転モータ625等は偏心荷重支持軸駆動部の1例である。
【0068】
振動フレーム621とギアボックス631の間には蛇腹状の弾性緩衝部材626を介在させてある。緩衝部材626は、左右一対の軸Sやモータ625を搭載した振動フレーム621が重力で過度に下降位置をとることを防止し、振動フレーム621、延いては回転振動軸7及び柱状物保持装置8が後述するように柱状物立設作業を行なえる適度な上下振動範囲を得るものである。
【0069】
次に柱状物保持装置8について説明する。図9は柱状物保持装置8の柱状物保持直前の状態を、一部断面で示している。図10は図9の状態から進んだ柱状物保持状態を、一部断面で示している。図11は柱状物保持装置8の芯部材81等を示す図であり、図(A)は芯部材81を含む部分の正面図、図(B)は同部分の平面図、図(C)は同部分の底面図である。
【0070】
図12は柱状物保持装置8の一対の突っ張り用部材82を示す図であり、図(A)はそれらの正面図、図(B)はそれらの平面図、図(C)はそれらの底面図、図(D)はそれらをそれぞれ内面側から見て示す図である。
【0071】
これらの図に示されるように、柱状物保持装置8は芯部材81と、一対の突っ張り用部材82を含んでいる。これらの図に示されている柱状物保持装置8は、少なくとも頭部が中空円筒状に形成された柱状物D(例えばガードレールとも呼ばれている道路安全柵構築のために地盤に立設される円筒形状の支柱)に対応するものである。
【0072】
芯部材81は前記回転振動軸7の下端部に取り外し可能に螺合された円板状の第1部材813の下面中央部から下方へ向け突出している。さらに説明すると、本例の第1部材813は、円板813a、円板813aの上面中央部に該円板と一体的に立てられた雌ねじ部813b及び円板813aの下面に取り外し可能にネジ止めされた円板813cを含んでいる。この円板813cの下面中央部から芯部材81が下方へ向け一体的に突出している。また、芯部材81の上端部811を間隔を開けて取り囲む短筒部813dも円板813cの下面から下方へ一体的に突出している。第1部材813はその雌ねじ部813bで回転振動軸7の下端部に螺合されている。
【0073】
芯部材81の上端部811は断面円形の外径一様な部分であるが、その部分811からさらに下方へ突出する部分812は突出端に向かって細径に形成された円錐台状の部分である。部分812は円錐状部分であってもかまわない。
【0074】
一対の突っ張り用部材82は、芯部材81を間にして互いに間隔を開けて対向するように配置されている。各突っ張り用部材82は、内面が芯部材81の円錐台状部分812の外周面形状に倣うかの如く形成されている。各突っ張り用部材82は上端部から下端部にかけて次第に肉厚に形成されている。
【0075】
各突っ張り用部材82は、上端部に柱状物当接部821を有している。柱状物当接部821は突っ張り用部材82の上端部から横方向外側へ突出するようにフランジ状に形成されている。
【0076】
前記一対の突っ張り用部材82全体として芯部材81を囲むリング状溝を提供するための上下2段の溝823、824が各突っ張り用部材82の外周面に形成されている。これら溝823、824に弾性リングR1、R2が嵌められている 。弾性リングR1、R2は、突っ張り用部材82の芯部材81に対する相対的持ち上げ及び該持ち上げに伴う芯部材81による突っ張り用部材82の押し広げが許されるように突っ張り用部材82を芯部81側へ寄り萎む萎み位置(図9の位置)におくことができる。
【0077】
各突っ張り用部材82は、途中に芯部材81の突出方向に延びる溝822(本例では部材厚さ方向に貫通している溝)を有しており、前記芯部材81に上下2段に突設した突っ張り用部材回り止めピン814、815が該溝822に相対的に上下方向に摺動可能に嵌まっている。
【0078】
各突っ張り用部材82に対するピン814、815は芯部材81に対する突っ張り用部材82の回り止め用のピンであるが、上段のピン814は突っ張り用部材82の芯部材81からの落下防止用のピンを兼ねている。
【0079】
前記第1部材813を構成している円板部材813cの下面から突設された短筒部813dに第2部材83が取り外し可能にネジ止めされている。第2部材83はリング状部材であり、これに芯部材81及び突っ張り用部材82が貫通している。立設対象柱状物Dも第2部材83を貫通できる。
【0080】
第2部材83は下端部内周に脱落防止部831を有している。突っ張り用部材82の柱状物当接部821がこの脱落防止部831に係合可能であり、メインテナンス等において突っ張り用部材下端部を大きく芯部材81から離すような場合において、突っ張り用部材82の柱状物当接部821がこの脱落防止部831に係合して突っ張り用部材82の脱落が防止される。
【0081】
一対の突っ張り用部材82と第1部材813(より具体的には、第1部材813の円板813cの下面)の間に圧縮弾性復元可能なリング状バネ84が配置されている。バネ84は、突っ張り用部材82が図9に示す芯部材81側へ寄った萎み位置から芯部材81の大径部分811側へ持ち上げられることで圧縮されるバネであり、それとは限定されないが、ここでは、複数枚のスプリングワッシャを重ねたものである。バネ84の作用については後ほど説明する。
【0082】
回転振動駆動機6、これに支持された回転振動軸7及び軸7に支持された柱状物保持装置8は昇降駆動装置60でガイドレール5に沿って昇降させることができる。
【0083】
昇降駆動装置60は、ガイドレール5の上端部のスプロケットホイル601及び下端部のスプロケットホイル602、ガイドレール上端部背面側のスプロケットホイル支持フレーム511に設けられた駆動スプロケットホイル603及びテンションスプロケットホイル604、これらスプロケットに巻き掛けられたチエーン605、スプロケットホイル603を回転駆動する正逆回転可能な油圧回転モータMからなる。チエーン605は一端部で回転振動駆動機6の駆動機支持フレーム61の上端部に連結され、他端部で駆動機支持フレーム61の下端部に連結されている。
【0084】
以上説明した柱状物保持装置8によると、一対の突っ張り用部材82が芯部材81側へ寄り萎んだ萎み位置(図9参照)から芯部材81の上端部分(大径部分)811側へ持ち上げられることで芯部材81に内側から押されて広がることができる。
【0085】
また、突っ張り用部材82が前記萎み位置におかれた状態で立設対象柱状物Dの中空頭部D1を突っ張り用部材82に外嵌するとともに柱状物当接部821に当接させて突っ張り用部材82を芯部材81に対し相対的に持ち上げ、該持ち上げにより突っ張り用部材82を芯部材81に押し広げさせて柱状物Dの中空頭部内面に押し当てることで該柱状物Dを保持できる。
【0086】
以上の説明中の油圧作動の機器類は車両Cに搭載した油圧発生ユニットU(図1、図5参照)と、ユニットUと各機器類をつなぐ図示省略の配管等を用いて運転する。なお、後述する車体傾動防止装置Aの油圧作動のピストンシリンダ装置31もこのユニットを用いて運転される。
【0087】
次に、以上説明した柱状物立設機B及びこれを車両Cに搭載してなる柱状物立設装置100による柱状物Dの地盤90への立設作業について、図14、図15及び図16も参照して説明する。
【0088】
先ず、柱状物立設機Bを車両Cに搭載し、図1に示す運搬姿勢で運搬して、車両Cごと柱状物立設地所に設置する。そこで柱状物立設機Bを旋回装置40で旋回させて、例えば図14等に示されるように、柱状物立設作業に適する車両側方へ向ける。
【0089】
さらに、ガイドレール立ち上がり角度調整装置42において、基礎フレーム4に搭載された可動フレーム41に連結された回動フレーム421をピストンシリンダ装置422で回動させることでガイドレール5を上下方向に延在する姿勢に立ち上げるとともに柱状物立設作業に適する基礎フレーム4に対する立ち上げ角度θ1(図14参照)で立ち上げ姿勢におく。
【0090】
また、ガイドレール突出量調整装置400のピストンシリンダ装置411により、可動フレーム41に搭載されたガイドレール5、延いては柱状物保持装置8の基礎フレーム4からの突出量(図14参照)を柱状物立設作業に適する突出量に調整する。
【0091】
さらに、要すれば、基礎フレーム4を旋回装置40ごと支持している台フレーム6、延いてはガイドレール5及び柱状物保持装置8の車両側方から見て左右方向(換言すれば車両前後方向)への傾き角度θ2、θ2’(図5参)を傾動駆動機の例であるピストンシリンダ装置61、62で調整する。
換言すれば、台フレーム6及びこれらピストンシリンダ装置61,62等は、車両Cにおいて柱状物立設のための向き及び姿勢に配置されるべき柱状物立設機Bのガイドレール5及び柱状物保持装置8の車両前後方向への傾き角度を調整するガイドレール傾斜角度調整装置を構成している。
【0092】
このようにして調整作業を行ない、立設対象である、少なくとも頭部D1が中空に形成された柱状物Dを柱状物保持装置8の下方地盤90上に作業者が手で支える等して立て、頭部D1を柱状物保持装置8に保持させる。
【0093】
このとき、地盤90上に支え立てた柱状物Dに対して、昇降駆動装置60で回転振動駆動機6及び回転振動軸7並びに該軸に支持された柱状物保持装置8をガイドレール5に案内させつつ下降させ、それに対して柱状物Dを相対的に上昇させて保持させる。
【0094】
柱状物Dを柱状物保持装置8に保持させるにあったては、保持装置8における一対の突っ張り用部材82を芯部材81側へ寄った萎み位置(図9参照)においた状態で柱状物Dの中空頭部D1を一対の突っ張り用部材82に外嵌するとともに突っ張り用部材の柱状物当接部821に当接させて該突っ張り用部材を芯部材81に対し相対的に持ち上げ、該持ち上げにより一対の突っ張り用部材82を芯部材81に押し広げさせて柱状物Dの中空頭部D1内面に押し当てる。かくして柱状物Dを柱状物保持装置8に保持させる。
【0095】
このとき、一対の突っ張り用部材82と第1部材813(より具体的には、第1部材813の円板813cの下面)の間のバネ84は圧縮状態におかれる。
このように柱状物頭部D1を柱状物外表面を損傷しないように内側から簡単に保持させ、回転振動駆動機6で回転振動軸7及びそれに支持された柱状物保持装置8をガイドレール5の延在方向に振動させるとともにガイドレール延在方向の回転軸線まわりに回転させる。
【0096】
かくして、柱状物Dを振動回転させつつ、回転振動駆動機6、回転振動軸7、柱状物保持装置8及びそれに保持させた柱状物Dの全体を昇降駆動装置60で下降させ、図15に示すように該柱状物Dを地盤90へ所定深さ押し込み、立設する。或いはさらに、図16に示すようにガイドレール昇降装置51でガイドレール5を下降させることで、回転振動駆動機6、回転振動軸7、柱状物保持装置8及びそれに保持させた柱状物Dをガイドレール5ごとさらに下降させて柱状物Dを地盤90中に予め定めた深さ押し込み、立設する。
【0097】
この柱状物立設作業は、柱状物Dに回転振動駆動機6で振動と回転を与えつつ地盤中へ押し込んで行なうので、従来のハンマー方式の打ち込み機より騒音が少なく済む。
【0098】
その後は、回転振動軸7及び柱状物保持装置8を少なくとも振動させつつ上方へ引き上げて立設した柱状物Dから離脱させる。
このとき、柱状物保持装置8の一対の突っ張り用部材82と第1部材813(より具体的には、第1部材813の円板813cの下面)の間の圧縮されていたバネ84がその弾性復元力で柱状物Dを柱状物保持装置8から相対的に離脱させる方向へ押すので、柱状物保持装置8をバネ84が設けられていない場合より柱状物Dから容易に離脱させることができる。
【0099】
柱状物立設装置100は柱状物立設機Bを車両Cに搭載してなるものであるから、車両Cを移動させながら、柱状物Dを地盤に順次、能率よく立て設けることができる。
【0100】
以上説明した柱状物立設機B及び柱状物立設装置100は断面形状が円形の柱状物Dに適用されるものであったが、本発明は、例えば、少なくとも頭部が断面形状四角形(四角筒状)の柱状物の立設作業にも適用できる。その場合、図13に例示するように、柱状物保持装置8の芯部材を四角錐台形状或いは四角錐形状の芯部材81’とするとともに、その外側の部分813d’等も四角形状に形成し(図13(A)参照)、一対の突っ張り用部材を、中空四角錐台を半割したごとき形態の部材82’とすればよい(図13(B)参照)。 なお、いずれにしても、突っ張り用部材の数は、2個(一対)に限定されるものではなく、3個以上であっても構わない。
【0101】
ところで、柱状物立設機Bは非常に重いので、例えば、これを図14等に示されるように、車両C上で旋回させる等して柱状物立設作業に適する向き、姿勢等に設定して柱状物立設作業に供すると、車体が傾いたり、揺れたりして、柱状物立設作業が困難になることがある。
【0102】
そこで車両Cには車体傾動防止装置Aを設けてある。車体傾動防止装置Aは基本的には
車体フレームに連結されるとともに車輪部に連結されて該車体フレームと該車輪部の間に介装された緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして上方から下方へ押圧できるバネ押圧手段と、前記バネ押圧手段により押圧される前記緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして下方から前記車体フレームに対し定位置に支持し、前記押圧手段との間に抑え込み挟持できるバネ支持手段を含むものである。
【0103】
ここでは、次のタイプものを採用している。すなわち、
車体フレームに連結されるとともに車輪部に連結されて該車体フレームと車輪部との間に介装された緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして上方から下方へ押圧するピストンシリンダ装置と、
前記車体フレームに揺動可能に連結され、前記ピストンシリンダ装置により押圧される前記緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして下方から該車体フレームに対し定位置に支持して前記ピストンシリンダ装置との間に抑え込み挟持するための該緩衝用バネへの係合位置、又は該係合位置から離脱した退避位置を選択的にとることができる係合アームと、
前記ピストンシリンダ装置の緩衝用バネ押圧動作にともなって前記係合アームを前記緩衝用バネへの係合位置へ移動させ、該ピストンシリンダ装置の緩衝用バネ押圧解除動作にともなって該係合アームを前記退避位置へ移動させるように、該ピストンシリンダ装置動作に前記係合アームを連動揺動させるための連動機構とを備えている車体傾動防止装置である。
【0104】
以下、図1〜図6を参照して前記車両Cに適用した車体傾動防止装置Aについて説明する。
車両Cは運転席部分11、その下の一対の前輪12、12、運転席部分11に続く荷台13及びその下の一対の後輪14、14を含んでいる。
【0105】
後輪14、14は荷台13中央部下方の差動歯車装置15から左右に延びる後輪駆動軸141、141に連結されている。差動歯車装置15はエンジン部16から延びるドライブシャフト161に連結されている。差動歯車装置15からは後輪駆動軸141、141を囲む筒状のリアアクスルハウジング17、17が左右に延びている。後輪14、14及びそれに関連するこれら部分は車両後部の車輪部を構成している。図には示していないが後輪用のシッョクアブソーバ等も設けられている。
【0106】
車体フレーム18のうち荷台フレーム181の部分にはそれぞれが複数枚の板バネを重ねてなる一対の緩衝用バネ20、20が配置されている。緩衝用バネ20、20は差動歯車装置15から左右へ延びるリアアクスルハウジング17、17上方に配置され、各バネ20は両端が荷台フレーム181に連結されるとともに中央部がハウジング17前後に配置したUボルトを含む留め具21、21にてハウジング17に連結されている。このようにして車体フレーム18と後部の車輪部との間に一対の緩衝用バネ20、20が介装され、車輪走行中、道路の凹凸等から受ける衝撃が緩和されるようになっている。この他、図には示していないが前輪12、12に対しても緩衝装置が設けられている。
【0107】
以上説明した車両構成、作用は従来車両におけるものと同じである。
車体傾動防止装置Aは、各緩衝用バネ20に対しそれぞれ配置された油圧作動のピストンシリンダ装置31、各緩衝用バネ20のリアアクスルハウジング17への連結位置で該ハウジングの下面に当てがわれた支持部材32、及び各支持部材32に対しそれぞれ設けた係合アーム33を含んでいる。
【0108】
各ピストンシリンダ装置31はそのシリンダ部311が荷台フレーム181に支持され、ピストンロッド312が緩衝用バネ20の中央部上面に向けられている。ピストンロッド312はその先端にバネ押圧部材313及び後述するカム34を支持している。
【0109】
各支持部材32は、リアアクスルハウジング17下面に当てがわれた板状部分321と該部分から突出するピン322とからなっている。板状部分321はバネ20をハウジング17に留めている前記留め具21によりハウジング17に当てがわれ、支持されている。ピン322は車両進行方向に対し横を向いている。
【0110】
各係合アーム33は下端にピン322に係脱する爪部分331を有する、全体形状が略L字形のもので、上端部からやや下がった部分で軸332にて荷台フレーム181に回動可能に連結され、それによってピン322から脱離した位置P1(図1及び図2参照)又は該ピンに係合する位置P2(図5参照)をとることができる。各係合アーム33は、該アームと荷台フレーム181とに連結された引張バネ333にて常時位置P1の方へ後退する力を受けている。
【0111】
図1中に現れている一方の緩衝用バネ20に対して設けられた一方の係合アーム33は、第1連動機構3A1により、同バネに対して設けられたピストンシリンダ装置31の伸縮動作に連動して揺動する。
【0112】
第1連動機構3A1は、図1から図3に示すように、ピストンシリンダ装置31のピストンロッド312に連結支持されて該ロッドの上下動作(出没伸縮動作)に伴い上下動するカム34と、該カム34に当接従動する従動レバー35(図2、図3参照)と、該レバー35と係合アーム33の上端部とを連結する連結部37とを含んでいる。
【0113】
従動レバー35は、図3に示すように、上端部で互いに連結固定されて山形状を呈するレバー部材351、352を含み、レバー部材351はその下端に前記カム34のカム面に当接転動するカム従動ローラ353を支持している。また、レバー部材351、352の互いに連結された上端部は軸36にて荷台フレーム181に回動可能に連結支持されている。
【0114】
かくして、ピストンロッド312の上下動によるカム34の上下動作に伴い、カム面に当接したカム従動ローラ353が前後に動くことで、両レバー部材351、352は軸36を中心に一体的に前後に揺動できる。
【0115】
連結部37は、レバー部材352の自由下端部に支持された球体371、この球体に外嵌して該球体に対し相対的に自在に回動できるケース372、ケース372に突設された雌ネジ筒部373、前記係合レバー33の自由上端部に支持された球体374、この球体に外嵌して該球体に対し相対的に自在に回動できるケース375、ケース375に突設されたボルト376を含み、ボルト376は雌ネジ筒部373に螺合しており、筒部373からのボルト376突出量を調節することで全体の長さを調節できる。なお、ポルト376には回り止め用のナット377を螺合してある。
【0116】
以上説明した連結部37は、旭精工(株)、(株)テー・エチ・ケー等からジョイントボール、ピローボールとかの名称で販売されているいわゆるロッドエンド軸受の構造と同種のものであるが、連結部はこれに限定されるものではなく、第1連動機構3A1に求められる機能を有するものであればよい。
【0117】
以上説明した第1連動機構3A1によると、ピストンシリンダ装置31を運転して、そのピストンロッド31を緩衝用バネ20の上面へ向け突出させ、ロッド先端のバネ押圧部材313にてバネ20を上方から押圧すると、これに伴いカム34が下降し、それによりカム面に当接している従動ローラ353が前方へ(運転席の方へ)押され、従動レバー35全体が前方へ揺動する。さらに該従動レバーの揺動により連結部37を介して係合アーム33の上端部が前方へ揺動せしめられる。この係合アームの揺動は前記の引張バネ333に抗して行われる。
【0118】
その結果、係合アーム33の爪部分331が後方へ揺動して位置P2をとり、前記の支持部材32におけるピン322に係合し、バネ20はリアアクスルハウジング17を介して下方から、且つ車体フレーム18に対して定位置に支持される。図5はこの状態を示している。
【0119】
かくして、第1連動機構3A1を設けた方の緩衝用バネ20は、ピストンシリンダ装置31により下方へ押圧され、且つ、係合アーム33にて、リアアクスルハウジング17を介して支持部材32との間に抑え込み挟持され、その動作が封じられる。
【0120】
バネ20を抑え込み挟持している状態からピストンシリンダ装置31を逆に動作させてピストンロッド312及びバネ押圧部材313を上昇させると、これにともないカム34も上昇し、これにより従動レバー35及び連結部37が当初位置へ復帰できるようになり、従って引張バネ333の弾性復元力で係合アーム33が位置P2から離脱して後退し、当初位置P1へ戻る。かくしてバネ20は本来の機能を発揮できるようになる。この場合、バネ333は第1連動機構3A1の一部を構成している。
【0121】
また、もう一つの係合アーム33、すなわち、図2において上側に、図4において左側に示されている係合アーム33は、第2の連動機構3A2により前記の係合アーム33に連動して揺動する。
【0122】
第2連動機構3A2は、図2及び図4に示すように、いわゆるプッシュプルケーブル装置38を含んでいる。プッシュプルケーブル装置38は可撓性のあるチューブ381内にケーブル382を往復動可能に挿通させた構造のもので、チューブ381は図4に示すように、リアアクスルハウジング17、17に沿わせて配置され、数箇所で該ハウジングに留められている。
【0123】
ケーブル382はこのチューブ内を往復動作でき、ケーブル382の一端は、第1連動機構3A1に連結されている一方の係合アーム33の、該アーム回動のための支持軸332より所定長さL下がった部分に連結され、ケーブル382の他端は、他方の係合アーム33の、該アーム回動のための支持軸332より長さL上がった部分に連結されている。なお、両係合アーム33、33は同形状、同寸法であり、荷台フレーム181に対し、左右対称位置にて前記の軸332により支持されている。
【0124】
このプッシュプルケーブル装置38によると、第1連動機構3A1に連結された一方の係合アーム33がピストンシリンダ装置31のバネ押圧動作にともない図2中矢印a方向に位置P1から位置P2へ揺動してピン322に係合すると、そのアーム動作によりケーブル382が引っ張られ、それによって他方の係合アーム33の軸332より上側部分が図2中矢印b方向に前方へ引かれるとともに該他方のアームの爪部分331が引張バネ333に抗して矢印a方向に後方へ移動する。かくして該他方の係合アーム33も位置P1から位置P2へ揺動して対応するピン322に係合し、他方の緩衝用バネ20を下方から車体フレーム18に対し定位置に支持する。そしてこの係合アーム動作とともに該バネ上方のピストンシリンダ装置31に該バネ20を下方へ押圧させることで、該バネ20も車体フレーム18に対し定位置で上下から抑え込み挟持され、その動きが封じられる。
【0125】
一方、第1連動機構3A1に連結された係合アーム33がピン係合位置P2から離脱位置P1へ揺動後退すると、プッシュプルケーブル装置38のケーブル382が前記と逆方向に動作し、前記他方の係合アーム33もバネ333の弾性復元力に助けられて位置P2から位置P1へ後退する。そしてこのアーム動作と共にピストンシリンダ装置31のピストンロッド312及びバネ押圧部材313を上昇させることで、他方のバネ20は挟持状態から解放され、本来のバネ機能を発揮できるようになる。この場合、他方の係合アーム33のためのバネ333は第2連動機構3A2の一部を構成する。
【0126】
なお、第1連動機構3A1は、以上説明したものに限定されることはない。例えば、カム34に代えて、カム従動部がカムの動作に常時追随する確動カムを採用することも考えられる。確動カムを採用するときは前記の引張バネ333は無くてもよい。
図6は確動カム340を採用した第1連動機構3A1を示している。引張バネ333は省略されている。カム340はこの例では、カム従動ローラ353が嵌まって転動できるカム溝341を備えている。
【0127】
従動ローラ353はこのカム溝341に嵌まって、カム340の昇降に伴い前後に揺動でき、それによって、係合アーム33が位置P1から位置P2へ、またその逆に揺動できる。
【0128】
以上説明した車両Cは、傾動防止装置Aにおける各ピストンシリンダ装置31のピストンロッド312を上昇後退させるとともに各係合アーム33を対応する支持部材ピン322から脱離させ、柱状物立設機Bを図1に示す姿勢に納めた状態で柱状物立設現場に自走させることができる。
【0129】
該現場では、傾動防止装置Aにおける各ピストンシリンダ装置31にてそれに対応する緩衝用バネ20を上方から押圧するとともに、一方のピストンシリンダ装置31の押圧動作に連動させて各係合アーム33を位置P1からP2へ揺動させ、対応する支持部材ピン322に係合させる。このようにして各バネ20を上下から抑え込み挟持し、その動作を封じる。
【0130】
この状態で柱状物立設機Bを柱状物立設に適する向き、姿勢等に設定して柱状物立設作業をおこなう。作業中、車両Cの各緩衝用バネ20はピストンシリンダ装置31とバネ支持部材32のピン322に係合したアーム33とにより上下から挟持されるとともに車体フレーム18に対し定位置に維持され、その動作が封じられているので、ガイドレール5並びにそれに搭載された回転振動駆動機6、回転振動軸7及び柱状物保持装置8が荷台13の片側へ片寄り突出しなければならないような場合でも、バネ20、20が撓む等して車体が傾動することが防止され、車体姿勢は略当初状態に維持されて柱状物立設機Bの向き、姿勢等も実質上正規のものとすることができ、円滑な作業を実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を地盤に立て設けることができる柱状物立設機及びこれを車両に搭載してなる柱状物立設装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0132】
D 柱状物
D1 柱状物頭部
90 地盤
B 柱状物立設機
4 基礎フレーム
5 ガイドレール
6 回転振動駆動機
400 ガイドレール突出量調整装置
600 回転振動駆動機の昇降駆動装置
7 回転振動軸
8 柱状物保持装置
81 芯部材
811 上端部分(大径部分)
814、815 ピン
82 突っ張り用部材
821 柱状物当接部
813 第1部材
84 バネ
822 溝
823、824 溝
R1,R2 弾性リング
83 リング状の第2部材
830 脱落防止部
61 駆動機支持フレーム
62 振動駆動部
63 回転駆動部
65、626 緩衝部材
621 振動フレーム
S 偏心荷重支持軸
W 偏心荷重
625 モータ
632 回転モータ
g1,g2 歯車
K スプライン軸機構
51 ガイドレール昇降装置
42 ガイドレール立ち上がり角度調整装置
40 旋回装置
6 台フレーム
61,62 傾動駆動機の例であるピストンシリンダ装置
400 ガイドレール突出量調整装置
600 回転振動駆動機の昇降駆動装置
100 柱状物立設装置
C 車両
A 車体傾動防止装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも頭部が中空に形成された柱状物を地盤に立設するための柱状物立設機であり、
基礎フレームと、
前記基礎フレームに搭載され、上下方向に延在する姿勢をとることができるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って昇降可能な回転振動駆動機と、
前記回転振動駆動機を前記ガイドレールに沿って昇降させる昇降駆動装置と、
前記回転振動駆動機に支持されて前記ガイドレールの延在方向に振動駆動可能であるとともに該ガイドレール延在方向の回転軸線まわりに回転駆動可能な回転振動軸と、
前記回転振動軸に支持された柱状物保持装置とを含んでおり、
前記柱状物保持装置は、
前記回転振動軸の回転中心軸線方向に下方へ突出し、突出端に向かって細径に形成されている芯部材と、
前記芯部材の周囲に配置された複数の突っ張り用部材であって、前記芯部材側へ寄り萎む萎み位置をとることができ、前記萎み位置から前記芯部材の大径部分側へ持ち上げられることで該芯部材に内側から押されて広がることができ、前記回転振動軸側の上端部に柱状物当接部を有している突っ張り用部材を含んでおり、
前記複数の突っ張り用部材が前記萎み位置におかれた状態で立設対象柱状物の中空頭部を該突っ張り用部材に外嵌するとともに前記柱状物当接部に当接させて該突っ張り用部材を前記芯部材に対し相対的に持ち上げ、該持ち上げにより該突っ張り用部材を該芯部材に押し広げさせて該柱状物の中空頭部内面に押し当てることで該柱状物を保持できることを特徴とする柱状物立設機。
【請求項2】
前記柱状物保持装置の前記芯部材は前記回転振動軸の下端部に取り付けられた第1部材から突設されており、前記突っ張り用部材と該第1部材との間に、前記突っ張り用部材が前記萎み位置から前記芯部材の大径部分側へ持ち上げられることで圧縮される圧縮弾性復元可能なバネが配置されている請求項1記載の柱状物立設機。
【請求項3】
前記柱状物保持装置の各突っ張り用部材は前記芯部材の突出方向に延びる溝を有しており、該溝に前記芯部材に突設した突っ張り用部材回り止めピンが該溝に沿って相対的に摺動可能に嵌まっている請求項1又は2記載の柱状物立設機。
【請求項4】
前記複数の突っ張り用部材全体として前記芯部材を囲むリング状溝を提供するための溝が該各突っ張り用部材外面に形成されており、前記複数の突っ張り用部材の溝に、該突っ張り用部材の前記芯部材に対する相対的持ち上げ及び該芯部材による該突っ張り用部材の押し広げが許されるように該突っ張り用部材を前記萎み位置におく弾性リングが嵌められている請求項3記載の柱状物立設機。
【請求項5】
前記芯部材に突設した突っ張り用部材回り止めピンに前記突っ張り用部材の前記芯部材からの脱落防止ピンを兼ねるピンが含まれている請求項3又は4記載の柱状物立設機。
【請求項6】
前記柱状物保持装置は、さらに、前記第1部材の下端部に接続されたリング状の第2部材を含んでおり、前記第2部材は、前記芯部材及び前記突っ張り用部材が貫通しており、該芯部材及び突っ張り用部材に外嵌される前記立設対象柱状物の頭部の貫通も可能であり、
前記突っ張り用部材の前記柱状物当接部が係合することで該突っ張り用部材の該第2部材からの脱落を防止できる脱落防止部を有している請求項1から5のいずれか1項に記載の柱状物立設機。
【請求項7】
前記回転振動駆動機は、前記ガイドレールに昇降可能に設けられた駆動機支持フレーム、前記回転振動軸を振動させる振動駆動部及び前記回転振動軸を回転させる回転駆動部を含んでおり、
前記振動駆動部は、前記回転振動軸を支持し前記駆動機支持フレームに緩衝部材を介して振動可能に支持された振動フレームと、前記回転振動軸の両側で前記振動フレームに回転可能に支持された一対の偏心荷重支持軸と、該各偏心荷重支持軸を回転させる偏心荷重支持軸駆動部を含んでおり、前記一対の偏心荷重支持軸は、該軸の回転と偏心荷重により発生する遠心力の該回転振動軸の回転中心線方向の成分以外の成分を該一対の回転振動軸間で相殺し、該回転中心線方向に生じる遠心力成分で前記回転振動軸を振動させることができ、
前記回転駆動部は前記駆動機支持フレームに搭載された回転モータ及び該回転モータの動力を前記回転振動軸に伝達する伝動機構を含んでおり、該伝動機構は前記回転振動軸の前記振動駆動部による振動動作を許しつつ該回転振動軸に回転動力を伝達する伝動機構である請求項1から6のいずれか1項に記載の柱状物立設機。
【請求項8】
前記ガイドレールは、自身を前記基礎フレームに対して昇降させるガイドレール昇降装置を介して前記基礎フレームに設けられている請求項1から7のいずれか1項に記載の柱状物立設機。
【請求項9】
前記ガイドレールの前記基礎フレームに対する立ち上がり角度を調整するガイドレール立ち上がり角度調整装置を備えている請求項1から8のいずれか1項に記載の柱状物立設機。
【請求項10】
前記ガイドレールの前記基礎フレームからの突出量を調整するガイドレール突出量調整装置を備えている請求項1から9のいずれか1項に記載の柱状物立設機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の柱状物立設機と、前記柱状物立設機を搭載した車両とを含む自走式柱状物立設装置。
【請求項12】
前記車両は車体傾動防止装置付き車両であり、前記車体傾動防止装置は車体フレームに連結されるとともに車輪部に連結されて該車体フレームと該車輪部の間に介装された緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして上方から下方へ押圧できるバネ押圧手段と、前記バネ押圧手段により押圧される前記緩衝用バネを前記車体フレームを支えとして下方から前記車体フレームに対し定位置に支持し、前記押圧手段との間に抑え込み挟持できるバネ支持手段を含む請求項11記載の自走式柱状物立設装置。
【請求項13】
前記柱状物立設機の、前記基礎フレームに対して上下方向に延在する姿勢をとるガイドレールの車両前後方向への傾き角度を調整するガイドレール傾斜角度調整装置を備えている請求項11又は12記載の自走式柱状物立設装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−23887(P2013−23887A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159126(P2011−159126)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000206255)大正工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】