説明

柱状部材の簡易基礎

【課題】柱状部材を立設する際の施工が容易で、かつ地面に対して当該柱状部材を強固に固定することができる柱状部材の簡易基礎を提供する。
【解決手段】
柱状部材の簡易基礎1は、下方に向かって上下方向の中心軸から離れる方向に傾斜するように放射状に設けられた複数の筒状の脚部12を外周面に有する基礎本体10と、脚部12に内挿された状態で筒軸方向に沿って地面に打設されることで基礎本体10を地面に固定する複数の打ち込みピン20と、打ち込みピン20が筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制する複数の移動規制部材30とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状部材の簡易基礎に関する。さらに詳しくは、照明柱、看板、道路標識などの柱状部材を地面に立設する柱状部材の簡易基礎に関する。
【背景技術】
【0002】
照明柱、看板、道路標識などの構造物の柱状部材を地面に立設する工法として、例えば、柱状部材の立設位置に縦穴を掘削し、縦穴内にコンクリートを打設して基礎を形成し、ベースプレートなどを介して基礎上に柱状部材を固定する工法(「工法1」という)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、前記工法1では、コンクリート基礎ブロックを設置するために大きな縦穴を掘削し、基礎を形成した後、土を埋め戻し、転圧する必要があり、そのうえ、基礎の形成に際しては、コンクリートの養生期間が必要である。したがって、工法1では、基礎の施工だけでも多くの時間と多大な手間がかかる。しかも、工法1では、掘削量や埋め戻し土量が多くなることから、環境に対して大きな負荷がかかる。
また、工法1では、掘削や埋め戻し、コンクリートの搬入などに、重機を用いる必要がある。したがって、重機が侵入できない場所に柱状部材を立設する場合には不向きである。
【0004】
これに対して、コンクリートの養生期間を省くことによって工期を短縮化するために、プレキャストコンクリート製の基礎ブロックを用いる工法(「工法2」という)が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、工法2においても、依然として、基礎の施工に多大な時間と手間とを要し、かつ環境に対して大きな負荷がかかる。加えて、プレキャストコンクリート製の基礎ブロックは非常に重いため、運搬などに重機が必要となり、取り扱いにくいという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−2109号公報
【特許文献2】特開2009−97244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、木道、デッキなどのように複数の柱状部材を有する構造物の設置には、柱状部材を支持するブロックを各柱状部材の設置場所に配置し、このブロックを打ち込みピンでピン接合するピンファウンデーション工法が用いられることがある。
【0008】
しかしながら、かかるピンファウンデーション工法を、照明柱などのような1つの柱状部材の立設に用いた場合、ブロックから打ち込みピンが上方に位置ずれしやすく、柱状部材を支持するブロック自体が動くため、柱状部材が地面に対してぐらつきやすいという欠点がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、柱状部材を立設する際の施工が容易で、かつ地面に対して当該柱状部材を強固に固定することができる柱状部材の簡易基礎を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の柱状部材の簡易基礎は、下方に向かって上下方向の中心軸から離れる方向に傾斜するように放射状に設けられた複数の筒状の脚部を外周面に有する基礎本体と、前記脚部に内挿された状態で筒軸方向に沿って地面に打設されることで前記基礎本体を地面に固定する複数の打ち込みピンと、前記打ち込みピンが筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制する複数の移動規制部材とを備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明の柱状部材の簡易基礎では、前記基礎本体の外周面に設けられた複数の筒状の脚部それぞれに打ち込みピンを内挿した状態で当該打ち込みピンを地面に打設することで、基礎本体が水平方向及び上下方向に移動しないように当該基礎本体を地面に対して固定することができ、柱状部材を立設するのに十分な支持力を確保することができる。また、前記移動規制部材によって前記打ち込みピンが筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制することで、打ち込みピンが地面から抜け難くなる。したがって、この基礎本体に柱状部材を取り付けることで、柱状部材を地面に容易に立設することができ、しかも、地面に対して当該柱状部材を強固に固定することができる。
【0012】
本発明の柱状部材の簡易基礎では、前記脚部の上端側の外周面に、雄ねじ部が形成されており、前記移動規制部材が、前記雄ねじ部に螺合して前記脚部の上端を閉塞するキャップであることが好ましい。
この場合、打ち込みピンを脚部に内挿した状態で当該打ち込みピンを地面に打設した後に、前記脚部の上端側にキャップをねじ込むことで前記脚部の上端を閉塞するので、前記打ち込みピンが筒軸方向に沿って上方へ移動するのを容易に規制することができる。また、かかる構成を備えた本発明の柱状部材の簡易基礎では、打ち込みピンにねじ部が形成されていなくても、当該打ち込みピンが筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制することができるので、前記打ち込みピンの製造に手間がかからず、しかも、前記打ち込みピンを地面に打ち込んだ後でも、当該打ち込みピンを切断することで前記打ち込みピンの長さを容易に調整することができる。
【0013】
本発明の柱状部材の簡易基礎では、前記基礎本体の中心部に、目視により地面に対して当該基礎本体を位置決めするための上下方向に貫通した位置合わせ穴を有していることが好ましい。
この場合、前記位置合わせ穴を介して、目視により地面および当該地面における基礎本体の位置を確認することができるので、当該基礎本体を柱状部材の設置場所に正確かつ容易に設置することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の柱状部材の簡易基礎は、柱状部材を立設する際の施工が容易で、かつ地面に対して当該柱状部材を強固に固定することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る柱状部材の簡易基礎を用いて照明柱を立設した柱状構造物を示す概略説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る柱状部材の簡易基礎の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る柱状部材の簡易基礎の基礎本体の斜視図である。
【図4】(a)は基礎本体の平面図、(b)は基礎本体の底面図である。
【図5】(a)は基礎本体の正面図、(b)は基礎本体の側面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る柱状部材の簡易基礎を用いて柱状部材を立設する手順を示す概略説明図である。
【図7】従来のプレキャストコンクリート製の基礎ブロックを用いて柱状部材を立設する手順を示す概略説明図である。
【図8】(a)は本発明の第2の実施形態に係る柱状部材の簡易基礎の基礎本体の平面図、(b)は基礎本体の底面図である。
【図9】(a)は基礎本体の正面図、(b)は基礎本体の側面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る簡易基礎を用いてフェンスの柱状部材を立設した状態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[柱状部材の簡易基礎]
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る柱状部材の簡易基礎を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る簡易基礎1を用いて照明柱2を立設した柱状構造物を示す概略説明図である。
【0017】
図1に示される柱状構造物は、地中に埋設されている簡易基礎1と、この簡易基礎1の上側に取り付けられた照明柱2とを備えている。照明柱2は、支柱3と、この支柱3の上部に取り付けられた灯具4とを有しており、支柱3の下端部3aが簡易基礎1を介して地面に固定されている。
【0018】
図2は、柱状部材の簡易基礎の斜視図である。また、図3は基礎本体10の斜視図、図4(a)は基礎本体10の平面図、図4(b)は基礎本体10の底面図、図5(a)は基礎本体10の正面図、図5(b)は基礎本体10の側面図である。なお、基礎本体10の背面図は、正面図と同一となるので、省略している。また、基礎本体10の側面図は、右側側面図および左側側面図がともに同一となるので、一方の側面図のみを示している。
【0019】
簡易基礎1は、図2に示されるように、基礎本体10と、6本の打ち込みピン20と、前記6本の打ち込みピン20それぞれが筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制する移動規制部材としての6つのキャップ30とを有している。
【0020】
基礎本体10は、図3に示されるように、支柱3の下端部3aを支持固定する固定部11と、この外周面に設けられた6つの筒状の脚部12とを有している。
これら固定部10および脚部12は、鋼材または軽金属合金などからなる。
【0021】
固定部11は、中空円筒状の固定部本体11aと、照明柱2の下端部2aを取り付けて固定するプレート11bとから構成されている。
プレート11bは、その中央部に、目視により地面に対して基礎本体10を位置決めするための上下方向に貫通した固定部本体11aの内径よりも小径の位置合わせ穴17を有している。この位置合わせ穴17は、その中心が、固定部本体11aの軸心に一致するように形成されている。また、プレート11bには、照明柱2の下端部2aを取り付けるためのボルト50に対応するボルト孔が設けられている。かかるプレート11bは、固定部本体11aの上端部に一体に設けられている。プレート11bは、正方形状のプレートからなる。
【0022】
脚部12は、固定部11の固定部本体11aの径方向に延びる翼状板13と、この翼状板13の径方向外方の端部に一体に設けられた中空円筒状の筒体14とからなる(図3参照)。6つの脚部12は、それぞれ、固定部11の固定部本体11aの外周面に設けられている(図4(a)、(b)参照)。本第1の実施形態では、6つの脚部12は、固定部11の固定部本体11aの軸心を中心に互いに60°間隔となるように、固定部11の固定部本体11aの外周面に放射状に配置されている。また、これら脚部12は、それぞれ、下方に向かって固定部11の固定部本体11aの上下方向の中心軸から離れる方向に傾斜するように配置されている(図5(a)、(b)参照)。
翼状板13は、図4(b)に示されるように、固定部11の固定部本体11aの外周面を貫通するように設けられており、固定部本体11aの内径および位置合わせ穴17よりも小径の中空筒状の翼状板固定部18の外周面に対して溶接により固定されている。この翼状板固定部18の上方からも目視により地面が確認できるようになっている。
筒体14の上端側の外周面には、雄ねじ部14aが形成されている。
【0023】
打ち込みピン20は、筒体14の内径よりも小さい外径を有している。打ち込みピン20は、筒体14に内挿されるとともに、地面に打ち込まれる。
かかる打ち込みピン20は、鋼材または軽金属合金などからなる。
【0024】
キャップ30は、雄ねじ部14aに螺合する雌ねじ部を内周面に有している(図示せず)。このキャップ30は、打ち込みピン20が内挿された状態の筒体14の上端にねじ込まれることで脚部12の筒体14の上端側の開口部を閉塞して打ち込みピン20が筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制する。
このように、簡易基礎1では、キャップ30を筒体14の上端にねじ込むことができるねじ込み式のキャップとしているので、打ち込みピン20自体を筒体14に固定することにより、打ち込みピン20が筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制しなくてもよい。そのため、打ち込みピン20にねじ部を形成しなくてもよいので、当該打ち込みピン20の製造に手間がかからない。
【0025】
なお、本第1の実施形態に係る簡易基礎1は、照明柱に限らず、例えば、看板、道路標識、フェンスなどの種々の柱状部材の立設に用いることができる。また、本発明においては、プレート11bを設けずに、固定部11の固定部本体11aに柱状部材2を内挿して、当該柱状部材を支持固定することができるようにしてもよい。この場合、固定部本体11aの内径は、柱状部材の外径よりも大きくすればよい。また、固定部本体11aの内側面と柱状部材との間に隙間が生じた場合には、モルタル、硬化性樹脂などの充填剤を充填することで、柱状部材を強固に固定することができる。
【0026】
[簡易基礎による柱状部材の立設工法の手順]
つぎに、本第1の実施形態に係る簡易基礎1を用いて、照明柱2を地面に立設する工法の手順を、従来のプレキャストコンクリート製の基礎ブロックを用いて柱状部材を立設する工法の手順と対比することにより、簡易基礎1の利点をさらに説明する。図6は、簡易基礎1を用いて照明柱2を立設する手順を示す概略説明図である。図7は、従来のプレキャストコンクリート製の基礎ブロックを用いて柱状部材を立設する手順を示す概略説明図である。
【0027】
まず、施工者が柱状部材の設置場所に簡易基礎1を設置するための穴を掘削する(図6(a)参照)。このとき、穴は、基礎本体10が収まる程度の大きさであればよい。かかる基礎本体10は、人力で設置可能な程度の大きさのものであるので、従来の基礎ブロックを用いる場合(図7(a)参照)と比べて小さい穴を掘削すればよい。したがって、施工者が人力で穴を掘削することができる。これに対して、従来の工法では、ショベルカーにより大きな穴を掘削する必要がある(図7(a)参照)。
【0028】
つぎに、施工者が基礎本体10を、前記穴内に設置する(図6(b)参照)。この基礎本体10は、従来の基礎ブロックに比べて小型でかつ軽量である。したがって、柱状部材の設置場所への搬入などは、施工者が人力で行なうことができる。これに対して、従来の基礎ブロックは、非常に大型で重いため、クレーン車によって設置する必要がある(図7(b)参照)。
また、基礎本体10は、位置合わせ穴17を有しているので、施工者が位置合わせ穴17から地面および地面における基礎本体10の位置を目視することで、柱状部材の設置場所を容易に視認することができる。したがって、簡易基礎1を柱状部材の設置場所に正確かつ容易に設置することができ、ひいては、柱状部材を設置場所に正確かつ容易に設置することができる。
【0029】
つぎに、施工者が基礎本体10の6つの脚部12それぞれの筒体14に打ち込みピン20を内挿するとともに、当該打ち込みピン20を地面に打設し、その後、キャップ30を筒体14の上端にねじ込む(図6(c)参照)。このとき、地面への打ち込みピン20の打ち込みは、ハンディータイプの電動ハンマーなどの電動工具を用いて打ち込みピン20の上端部を打撃することで行なうことができる。
【0030】
基礎本体10の6つの脚部12は、それぞれ、固定部11の固定部本体11aの外周面に、下方に向かって上下方向の中心軸から離れる方向に傾斜するように放射状に設けられているので、6つの脚部12それぞれの筒体14に内挿された状態で筒体14の筒軸方向に沿って打ち込みピン20を地面に打設することによって、基礎本体10が水平方向及び上下方向に移動しないように当該基礎本体10を地面に対して固定することができる。これにより、照明柱2を立設するのに十分な支持力を確保することができる。
また、キャップ30を筒体14の上端にねじ込むことで、この筒体14の上端を閉塞し、筒軸方向に沿って上方への打ち込みピン20の移動を規制することができ、打ち込みピン20を地面から抜け難くすることができる。これにより、基礎本体10を地面に対してより一層強固に固定することができる。
さらに、キャップ30が筒体14の上端にねじ込むことができるねじ込み式のキャップであるので、打ち込みピン20自体を筒体14に固定することにより、打ち込みピン20が筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制しなくてもよい。したがって、地面に打設された打ち込みピン20を切断することで長さを調整した場合であっても、その後、キャップ30を筒体14の上端にねじ込むという簡単な操作を行なうだけで、打ち込みピン20が筒軸方向に沿って上方へ移動するのを容易に規制することができる。
【0031】
つぎに、照明柱2の下端部2aを基礎本体10の取り付けプレート11b上にボルトで固定する(図6(d)参照)。
【0032】
その後、簡易基礎1の周囲に土を埋め戻しし、転圧する(図6(e)参照)。このとき、従来の工法と比べて、穴が小さいため、埋め戻し土量も少なくてすむ。したがって、施工者が人力で埋め戻しをすることができる。これに対して、従来の工法では、穴が大きいため、ショベルカーにより埋め戻しをする必要がある(図7(d)参照)。
【0033】
以上のように、本第1の実施形態に係る簡易基礎1によれば、柱状部材を容易に立設することができ、柱状部材の立設に要する工期を短縮することができる。しかも、本第1の実施形態に係る簡易基礎1を用いる場合には、掘削量および埋め戻し土量が少ないので、環境に対する負荷を低減させることができる。
【0034】
[変形例]
つぎに、変形例として、本発明の第2の実施形態に係る簡易基礎を説明する。図8(a)は本発明の第2の実施形態に係る柱状部材の簡易基礎の基礎本体40の平面図、(b)は基礎本体40の底面図、図9(a)は基礎本体40の正面図、(b)は基礎本体40の側面図である。なお、基礎本体40の背面図は、正面図と同一となるので、省略している。また、基礎本体40の側面図は、右側側面図および左側側面図がともに同一となるので、一方の側面図のみを示している。
【0035】
基礎本体40は、翼状板43が筒状の固定部本体41の外周面に直接固定されている点および脚部42が4つである点で、前記第1の実施形態に係る簡易基礎1の基礎本体10と大きく異なっている。
また、基礎本体40では、4つの脚部42は、固定部本体41の周方向に等間隔に配置されるのではなく、固定部本体41の軸心を頂点として周方向に隣り合う2個の筒体44aと頂点とがなす角の角度と、この角と向かい合う角の角度とが同一角度となるように、4つの脚部42が配置されている点でも、前記第1の実施形態に係る簡易基礎1の基礎本体10と大きく異なっている。
さらに、基礎本体40は、柱状部材の取り付けプレートを有しておらず、固定部本体41に柱状部材を内挿するようにされている点で、前記第1の実施形態に係る簡易基礎1の基礎本体10と異なっている。
【0036】
本第2の実施形態では、固定部本体41の内径は、用いられる柱状部材の内径よりも大きくされており、固定部本体41の内側面と柱状部材との間に隙間が生じるようにされている。したがって、柱状部材の設置場所への基礎本体40の設置位置が、多少ずれていたとしても、前記隙間によって、その位置ずれを吸収することができる。
【0037】
かかる基礎本体40を備えた第2の実施形態に係る簡易基礎は、第1の実施形態に係る簡易基礎1よりも、部品の数が少ないため、簡単に製造することができる。また、基礎本体40は、第1の実施形態に係る簡易基礎1よりも部品数が少ない分、小型化することができるため、基礎本体40を備えた第2の実施形態に係る簡易基礎は、簡易に柱状部材を立設させる用途に適しており、例えば、図10に示されるように、フェンス3の柱状部材4の立設に用いることができる。このとき、固定部本体41の内側面と柱状部材4との隙間に、モルタル、硬化性樹脂などの充填剤を充填することによって、基礎本体40に柱状部材4を容易に固定することができる。
【0038】
なお、本発明において、基礎本体10,40、打ち込みピン20、移動規制部材30は、例えば、鋼材または軽金属合金の他に、他の金属、合金などからなるものであってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 簡易基礎
2 柱状部材
10 基礎本体
12 脚部
14a 雄ねじ部
17 位置合わせ穴
20 打ち込みピン
30 キャップ(移動規制部材)
40 基礎本体
42 脚部
44a 雄ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に向かって上下方向の中心軸から離れる方向に傾斜するように放射状に設けられた複数の筒状の脚部を外周面に有する基礎本体と、
前記脚部に内挿された状態で筒軸方向に沿って地面に打設されることで前記基礎本体を地面に固定する複数の打ち込みピンと、
前記打ち込みピンが筒軸方向に沿って上方へ移動するのを規制する複数の移動規制部材と
を備えていることを特徴とする柱状部材の簡易基礎。
【請求項2】
前記脚部の上端側の外周面に、雄ねじ部が形成されており、
前記移動規制部材が、前記雄ねじ部に螺合して前記脚部の上端を閉塞するキャップよりなる請求項1に記載の柱状部材の簡易基礎。
【請求項3】
前記基礎本体の中心部に、目視により地面に対して前記基礎本体を位置決めするための上下方向に貫通した位置合わせ穴を有している請求項1または2に記載の柱状部材の簡易基礎。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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