説明

柱状部材

【課題】軽量であり、かつ、強度に優れた柱状部材を提供する。
【解決手段】長手方向に沿って帯状の開口部を有する上壁部と、当該上壁部と平行に対向する底壁部と、当該底壁部に対して直角に設けられた一対の側壁部とを備え、金属板からなる2個のC型部材2,3を、その長手方向に重ね合わせた中心部材と、中心部材の長手方向に密着し、中心部材を包み込むように設けられた金属板からなる外包部材4とを備え、C型部材2,3の開口部に対応する外包部材4の領域に、長手方向に沿ってリブ4a,4b,4c,4dが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家等の建設に用いる柱状部材や耐力壁等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、在来工法や鉄骨造等により、建造物の建設が行われている。建物の骨組みに用いられる鉄骨には、厚さ6mm以上の鋼材を用いた重量鉄骨や、厚さ1.6mmから6.0mm程度の薄い鋼板を用いた軽量鉄骨などがある(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】"不動産用語集「軽量鉄骨」"、[online]、Yahoo!不動産、[平成17年6月6日検索]、インターネット(URL:http://dict.realestate.yahoo.co.jp/term_search?p=%B7%DA%CE%CC%C5%B4%B9%FC)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、軽量でありながら、ねじれ、たわみなどの強度に優れた部材の開発が望まれている。軽量な部材を用いることにより、建設現場における作業性を向上させることができ、また、使用する鋼鉄の量が少なくなることにより、部材のコストを削減することができるからである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軽量であり、かつ、強度に優れた部材等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明による柱状部材は、長手方向に沿って帯状の開口部を有する上壁部と、当該上壁部と平行に対向する底壁部と、当該底壁部に対して直角に設けられた一対の側壁部とを備え、金属板からなるC型部材を2以上、その長手方向に重ね合わせた中心部材と、前記中心部材の長手方向に密着し、前記中心部材を包み込むように設けられた金属板からなる外包部材と、を備えたものである。
このような構成により、ねじれやたわみなどの強度に優れた柱状部材を提供することが可能となりうる。
【0005】
また、本発明による柱状部材では、前記C型部材の開口部に対応する前記外包部材の領域に、長手方向に沿ってリブが設けられていてもよい。
このような構成により、そのリブによって、柱状部材の強度を高めることができうる。また、そのリブがC型部材の開口部に対応する外包部材の領域にはC型部材が存在しないため、リブを容易に設けることができうる。
【0006】
また、本発明による柱状部材では、前記中心部材は、矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材をさらに備え、前記2個のコ型部材は、前記外包部材の内側の対向する面にそれぞれ設けられ、前記2個のC型部材と、前記外包部材との間でそれぞれに密着していてもよい。
このような構成により、コ型部材をさらに設けたことによって、柱状部材の強度を向上させることができうる。
【0007】
また、本発明による柱状部材では、前記外包部材の断面は矩形であってもよい。
このような構成により、外包部材を容易に成形することができ、柱状部材を作成する作業性を向上させることができうる。
【0008】
本発明による柱状部材は、断面が矩形であり、金属板からなる1以上の中空の角柱を有する中心部材と、前記中心部材の長手方向に密着し、前記中心部材を包み込むように設けられた金属板からなる外包部材と、を備えたものである。
このような構成により、ねじれやたわみなどの強度に優れた柱状部材を提供することが可能となりうる。
【0009】
また、本発明による柱状部材では、前記外包部材の断面は矩形であり、前記外包部材の表面には、長手方向に沿ってリブが設けられていてもよい。
このような構成により、そのリブによって、柱状部材の強度を高めることができうる。
【0010】
また、本発明による柱状部材では、前記中心部材を2以上備えており、前記外包部材の長手方向には、内側に前記中心部材を有していない領域があってもよい。
このような構成により、中心部材を有していない領域を用いることによって、柱状部材にボルトなどを通したりすることができうる。
【0011】
本発明による柱状部材は、長手方向に沿って帯状の開口部を有する上壁部と、当該上壁部と平行に対向する底壁部と、当該底壁部に対して直角に設けられた一対の側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のC型部材と、前記2個のC型部材を包み込むように設けられた部材であって、断面が矩形で中空の金属板からなる部材である外包部材と、を備え、前記2個のC型部材の帯状の開口部が、前記外包部材の内側の対向する2面にそれぞれ面しており、前記2個のC型部材の側壁部が、前記外包部材の内側の前記2面と直角な2面に密着しており、前記2個のC型部材の底壁部が、平行に対向している、ものである。
このような構成により、ねじれやたわみなどの強度に優れた柱状部材を提供することが可能となりうる。また、平行に対向する2個の底壁部によって、外包部材の2面が結ばれることになるため、ねじれ、曲げ、せん断に対する強度がより高められている。
【0012】
また、本発明による柱状部材では、同一平面上で平行に対向する帯状の2個の底面部と、当該2個の底面部の外側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角にそれぞれ設けられた一対の帯状の外側面部と、前記2個の底面部の内側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角に、前記外側面部と同じ方向に設けられた一対の帯状の内側面部と、前記一対の内側面部の前記底面部と反対側の辺を結ぶように前記底面部に対して平行に設けられた帯状の上面部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のW型部材をさらに備え、前記W型部材の前記一対の内側面部は、前記2個のC型部材の底壁部にそれぞれ密着し、前記W型部材の前記2個の底面部は、前記2個のC型部材の側壁部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着し、前記W型部材の前記一対の外側面部は、前記2個のC型部材の上面部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着してもよい。
このような構成により、W型部材によってC型部材の底壁部の間隔を一定に保持することができ、底壁部に直交する方向に柱状部材に対して圧力がかかったとしても、その方向に対する強度が高められている。
【0013】
また、本発明による柱状部材では、矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材をさらに備え、前記コ型部材の一対の側壁部は、前記2個のC型部材の上壁部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着し、前記コ型部材の底壁部は、前記2個のC型部材の側壁部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着してもよい。
このような構成により、コ型部材によってC型部材の底壁部の間隔を一定に保持することができ、C型部材の底壁部に直交する方向に柱状部材に対して圧力がかかったとしても、その方向に対する強度が高められている。
【0014】
本発明による柱状部材は、断面が矩形であり、金属板からなる2個の中空の角柱と、前記2個の角柱を包み込むように設けられた部材であって、断面が矩形で中空の金属板からなる部材である外包部材と、を備え、前記外包部材の対向する一対の側面である第1の側面は、前記2個の角柱のそれぞれの対向する一対の側面とそれぞれ密着しており、前記2個の角柱は、平行に対向している、ものである。
このような構成により、ねじれやたわみなどの強度に優れた柱状部材を提供することが可能となりうる。
【0015】
また、本発明による柱状部材では、矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材をさらに備え、前記コ型部材の底壁部は、前記第1の側面と、前記2個の角柱との間でそれぞれに密着しており、前記コ型部材の側面部は、前記第1の側面に直角な前記外包部材の一対の側面である第2の側面に密着していてもよい。
このような構成により、コ型部材によって強度を高めることができ、コ型部材の側壁部に直交する方向(2個の角柱を近づける方向)に柱状部材に対して圧力がかかったとしても、その方向に対する強度が高められている。
【0016】
また、本発明による柱状部材では、同一平面上で平行に対向する帯状の2個の底面部と、当該2個の底面部の外側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角にそれぞれ設けられた一対の帯状の外側面部と、前記2個の底面部の内側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角に、前記外側面部と同じ方向に設けられた一対の帯状の内側面部と、前記一対の内側面部の前記底面部と反対側の辺を結ぶように前記底面部に対して平行に設けられた帯状の上面部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のW型部材をさらに備え、前記W型部材の前記2個の底面部は、前記2個の角柱の側面と、前記外包部材の第1の側面との間でそれぞれに密着し、前記W型部材の前記一対の内側面部は、前記2個の角柱の側面であって、前記柱状部材の中心側で対向する側面にそれぞれ密着し、前記W型部材の前記一対の外側面部は、前記第1の側面に直角な前記外包部材の一対の側面である第2の側面に密着していてもよい。
このような構成により、W型部材によって角柱の間隔を一定に保持することができ、2個の角柱を近づける方向に柱状部材に対して圧力がかかったとしても、その方向に対する強度が高められている。
【0017】
また、本発明による柱状部材では、前記外包部材の第1の側面の前記2個の角柱と密着していない領域に、長手方向に沿って前記外包部材の内側に凸状となるようにリブが設けられていてもよい。
このような構成により、第1の側面に設けられたリブによって、角柱の間隔を一定に保持することができうる。
【0018】
また、本発明による柱状部材では、前記角柱は、矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材を、それぞれの前記底壁部が平行に対向し、それぞれの前記側壁部が密着するように組み合わせたものであってもよい。
このような構成により、柱状部材の強度を高めることができうる。
【0019】
また、本発明による柱状部材では、前記第1の側面に直角な前記外包部材の一対の側面である第2の側面に、長手方向に沿ってリブが設けられていてもよい。
このような構成により、そのリブによって、柱状部材の強度を高めることができうる。
【0020】
また、本発明による柱状部材では、前記リブは、前記外包部材の内側に凸状となるように設けられており、当該リブの内側に凸起している領域が前記角柱と密着していてもよい。
このような構成により、2個の角柱を近づける方向に対する強度を高めることができる。
【0021】
また、本発明による柱状部材では、前記金属板の厚さは、0.8mmから1.5mmであってもよい。
このような構成により、軽量な柱状部材を構成することができうる。その結果、その柱状部材を用いて建造物の建設を行う場合における作業性を向上させることができうる。また、柱状部材を製造するコストを削減することができうる。
【0022】
本発明による柱状部材は、断面が矩形であり、0.8mmから1.5mmの厚さの金属板からなる中空のものである。
このような構成により、軽量な柱状部材を提供することが可能となりうる。
【0023】
また、本発明による柱状部材では、長手方向に沿って1以上のリブが設けられていてもよい。
このような構成により、そのリブによって、柱状部材の強度を高めることができうる。
【0024】
本発明による柱状部材は、断面が矩形であり、金属板からなる中空の外側部材と、前記外側部材の長手方向に延びる矩形であり、当該矩形の長手方向の両辺がそれぞれ前記外側部材の内側の対向する2面に接続されている内側部材と、を備えたものである。
このような構成により、内側部材が存在することにより、柱状部材の強度を向上させることができ、ねじれやたわみに強い柱状部材を提供することが可能となりうる。
【0025】
本発明による柱状部材は、断面が矩形であり、金属板からなる中空の柱状の外側部材と、前記外側部材の長手方向に延びる矩形であり、当該矩形の長手方向の両辺がそれぞれ前記外側部材の内側の対向する2面に接続されている部材であり、平行に対向する2個の内側部材と、を備えたものである。
このような構成により、内側部材が存在することにより、柱状部材の強度を向上させることができ、ねじれやたわみに強い柱状部材を提供することが可能となりうる。また、平行に対向する2個の内側部材によって、外側部材の2面が結ばれることになるため、ねじれに対する強度がより高められている。
【0026】
また、本発明による柱状部材では、前記金属は鋼鉄であってもよい。
このような構成により、強度に優れた柱状部材を提供することが可能となりうる。また、柱状部材の材料の入手が容易であり、コストがあまり高くないというメリットもありうる。
【0027】
本発明による耐力壁は、上辺部と、当該上辺部と平行に対向する下辺部と、前記上辺部の一端及び前記下辺部の一端とそれぞれ直角に接続された一対の平行に対向する側辺部とを備えた矩形の枠体と、前記上辺部の略中央と、前記下辺部の略中央とを接続し、前記側辺部と平行する間柱と、前記間柱と、前記側辺部との間にトラスを形成するように設けられた複数の斜材と、を備え、前記枠体、前記間柱、前記斜材は、0.8mmから1.5mmの厚さの金属板からなるものである。
このような構成により、軽量でありながら、強度に優れる耐力壁を提供することが可能となる。
【0028】
また、本発明による耐力壁では、前記斜材と前記側辺部とが形成する鋭角は略45度であってもよい。
このような構成により、耐力壁の強度を向上させることができうる。
【0029】
また、本発明による耐力壁では、前記金属は鋼鉄であってもよい。
このような構成により、強度に優れた耐力壁を提供することが可能となりうる。また、耐力壁の材料の入手が容易であり、コストがあまり高くないというメリットもありうる。
【発明の効果】
【0030】
本発明による柱状部材等によれば、軽量な柱状部材等を提供することが可能となりうる。また、強度に優れた柱状部材等を提供することが可能となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明による柱状部材等について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0032】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による柱状部材について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態による柱状部材1を示す図である。図1において、本実施の形態による柱状部材1は、長手方向に重ね合わせた2個の金属板からなるC型部材2,3によって中心部材が構成されている。その中心部材の長手方向に密着し、中心部材を包み込むように金属板からなる外包部材4が設けられている。C型部材2,3及び外包部材4の金属板の厚さは、1.0mmである。中心部材と外包部材4の長手方向の長さは同じである。また、中心部材において、2個のC型部材2,3の長さも同じである。
【0033】
図2は、C型部材2を示す図である。図2において、C型部材2は、長手方向に沿って帯状の開口部2aを有する上壁部2bと、上壁部2bと平行に対向する底壁部2cと、底壁部2cに対して直角に設けられた一対の側壁部2dとを備える。C型部材3も、図2で示されるC型部材2と同様である。
【0034】
図1において、C型部材2と、C型部材3とは、底壁部がそれぞれ密着するように設けられている。C型部材2,3は、それらの上壁部が外包部材4と密接している。C型部材2,3の側壁部は、外包部材4と密着している。また、C型部材2,3の上壁部の開口部を挟んで対向する2個の帯状の金属板からなる領域も、外包部材4に密着している。C型部材2,3の開口部に対応する外包部材4の領域に、長手方向に沿ってリブ4a〜4dが設けられている。このリブ4a〜4dは、外包部材4の内側に凸状となるように設けられている。
【0035】
図3は、柱状部材1の断面を示す図である。図3において、外包部材4の断面は矩形である。ここで、「外包部材4の断面が矩形である」とは、リブ4a〜4dが存在せず、外包部材4の表面がなめらかであると仮定した場合に、外包部材4の断面が矩形であればよい。なお、例えば、金属板を折り曲げることによって外包部材4を成形する場合には、その折り曲げに伴って角が少しだけ丸くなることがあるが、その場合であっても、外包部材4の断面は矩形であるとする。また、図3で示される柱状部材1の寸法は一例であって、これに限定されないことは言うまでもない。また、柱状部材1の長手方向の長さは問わない。例えば、建設する建造物にあわせて柱状部材1の長手方向の長さを、2mや3mといったように決定すればよい。
【0036】
次に、柱状部材1を構成する方法について説明する。まず、2個のC型部材2,3を、それぞれの底壁部を重ね合わせることによって中心部材を構成する。そのときに、2個のC型部材2,3がずれないように、ネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって両者を接合してもよい。
【0037】
その中心部材を外包部材4で包み込む。具体的には、外包部材4の金属板には、あらかじめ中心部材を包み込むことができる領域が設けられているものとする。すなわち、中心部材を入れることができるように外包部材4の金属板は折り曲げられている。その金属板の中心に中心部材を挿入し、金属板の端部をかしめることによって接合する(図3の4eの部分)。金属板の端部をかしめることによって、外包部材4と中心部材とが密接する。外包部材4のリブ4a〜4dは、外包部材4となる金属板にあらかじめ設けられていてもよく、外包部材4が中心部材と密着させられるときに作成されてもよく、あるいは、外包部材4が中心部材と密着された後に作成されてもよい。また、柱状部材1を構成する金属板は、鋼鉄の板である。なお、最終的に、図1,図3で示される柱状部材1を構成できるのであれば、柱状部材1の構成方法は上記説明に限定されない。
【0038】
なお、中心部材と外包部材4とは、密着しているため、互いに動かないようになっているが、それらを固定するために、両者をネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって固着させてもよい。
【0039】
図4から図15は、柱状部材のバリエーションについて説明するための図である。図4から図15では、柱状部材の断面を示している。
図4において、柱状部材1aの外包部材4fによって、4個のC型部材2e〜2hが包み込まれている。図4で示されるように、外包部材4fによって包み込まれる中心部材を構成するC型部材の個数は、2以上であればよく、その個数は問わない。また、図4の柱状部材1aは、2個のリブ6a,6bを有している。このように、リブの個数も問わない。また、図4の柱状部材1aでは、かしめ5が外包部材4fの外側に設けられているが、かしめは、外包部材4fの内側に設けられていてもよく、あるいは、外包部材4fの外側に設けられていてもよい。また、4個のC型部材2e〜2hがずれないように、それらをネジや溶接等によって接合してもよい。
【0040】
図5において、柱状部材1bの外包部材4gには、4個のC型部材2i,2j,2k,2mが包み込まれている。図5で示されるように、外包部材4gによって包み込まれる中心部材を構成するC型部材は、どのように組み合わされていてもよい。なお、図4,図5で示されるように、C型部材の開口部に対応する外包部材の領域に、長手方向に沿ってリブが設けられることが好適である。C型部材の開口部に対応する外包部材の領域は、C型部材が存在せず、外包部材のみの一重となるため、容易にリブを設けることができるからである。また、4個のC型部材2i,2j,2k,2mがずれないように、それらをネジや溶接等によって接合してもよい。
【0041】
図6において、柱状部材1cの外包部材4hは、互いに上壁部が密接している2個のC型部材2n,2pを有する中心部材を包み込んでいる。この柱状部材1cのように、外包部材4hにリブが設けられていなくてもよい。また、2個のC型部材2n,2pがずれないように、それらをネジや溶接等によって接合してもよい。
【0042】
図7において、柱状部材1dの外包部材4iは、図3の外包部材4と同様のものである。一方、外包部材4iによって包み込まれる中心部材を構成するC型部材2q,2rの各上壁部は、開口部があるだけである。すなわち、C型部材2q,2rの各上壁部には、帯状の開口部を挟んで対向する2個の帯状の領域であって、金属板からなる領域がなくてもよい。また、2個のC型部材2q,2rがずれないように、それらをネジや溶接等によって接合してもよい。
【0043】
図8において、柱状部材1eの外包部材4jによって包み込まれる2個のC型部材2,3は、図3と同様のものである。一方、外包部材4jのリブ6c,6d,6e,6fは、外包部材4jの外側に凸状となるように設けられている。このように、外包部材に設けられるリブは、図3で示されるように、外包部材の内側に凸状となるように設けられてもよく、あるいは、図8で示されるように、外包部材の外側に凸状となるように設けられてもよい。
【0044】
図9において、柱状部材1fは、角柱7a,7bを有する中心部材と、その中心部材の長手方向に密着し、その中心部材を包み込むように設けられた金属板からなる外包部材4kとを備える。角柱7a,7bは、金属板からなり、中空であって、断面が矩形である。図9で示されるように、角柱7aと、角柱7bとは、密着していることが好ましい。また、2個の角柱7a,7bがずれないように、それらをネジや溶接等によって接合してもよい。
【0045】
なお、外包部材4kの表面には、図3などと同様に、長手方向に沿って1以上のリブが設けられていてもよい。そのリブは、外包部材4kにのみ設けられていてもよく、あるいは、角柱7a,7bと外包部材4kとに、同一形状のリブが重なるように設けられてもよい。後者の場合において、そのリブは、角柱7a,7bと外包部材4kとのそれぞれにあらかじめ設けられたものが、外包部材4kが中心部材を包み込むときに重ねられてもよく、または、外包部材4kが中心部材を包み込むときに、もしくは、包み込んだ後に設けられてもよい。また、外包部材4kが包み込む中心部材は、1以上の角柱を有するものであればよく、中心部材の有する角柱の本数は問わない。例えば、図10で示される柱状部材1gのように、外包部材4mによって包み込まれる中心部材は、4個の角柱7c〜7fを有してもよい。外包部材4kの断面は図9や図10で示されるように矩形であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。ここで、「角柱7a,7bの断面が矩形である」、「外包部材4kの断面が矩形である」とは、リブが存在せず、角柱7a,7bや外包部材4kの表面がなめらかであると仮定した場合に、角柱7a,7bや外包部材4kの断面が矩形であればよい。
【0046】
図11において、柱状部材1hの外包部材4nは、1個の角柱7gを有する中心部材と全面では密着していない。図11において、外包部材4nは、角柱7gの3面と密着しているが、角柱7gの一面とは密着していない。ここで、図11で示される柱状部材1hを構成する方法について簡単に説明する。まず、金属板を図11で示される断面の形状となるように、あらかじめ折り曲げておく。その後、角柱7gを外包部材4nの図11で示される領域に挿入し、外包部材4nの端部をかしめることによって外包部材4nと角柱7gとが3面において密着するようにする。なお、外包部材4nと角柱7gとを、ネジや溶接等によって接合してもよい。
【0047】
図12において、柱状部材1iの外包部材4pは、図3の外包部材4と同様のものである。一方、中心部材は、H型部材8である。H型部材8は、断面がH型の金属板から構成されている。H型部材8は、対向する面がそれぞれ、外包部材4pに密着しており、外包部材4pによって包み込まれている。
【0048】
図13において、柱状部材1jの外包部材4qは、図3の外包部材4と同様のものである。一方、中心部材は、C型部材2sである。なお、外包部材4qは、その中心部材と全面では密着していない。外包部材4qは、C型部材2sの上壁部と、側壁部とは密着しているが、底壁部とは密着していない。
【0049】
図14において、柱状部材1kは、断面が矩形であり、金属板からなる中空の外側部材9と、外側部材9の長手方向に延びる矩形であり、その矩形の長手方向の両辺がそれぞれ外側部材9の内側の対向する2面に接続されている内側部材10とを備える。内側部材10は、例えば、ネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって、外側部材9と接続されている。この柱状部材1kでは、内側部材10が外側部材9の一の面から、その面に対向する面との間に設けられている。したがって、柱状部材1kは、ねじれ、たわみの強度が高められている。なお、この外側部材と内側部材とを備える柱状部材は、これに限定されない。例えば、図11〜図13で示される柱状部材においても、角柱7gの一面、H型部材8の対向する面をつなぐ面、C型部材2sの底壁部がそれぞれ内側部材となっており、外側部材の2面の間に設けられている。なお、図11では、外側部材は、外包部材4nと、角柱7gの外包部材4nに密着している面とによって構成されている。図12,図13においても同様である。また、図1で示される柱状部材1においても、C型部材2,3の底壁部が内側部材となり、外包部材4と、C型部材2,3の上壁部及び側壁部が外側部材となりうる。図5,図7〜図10で示される柱状部材においても同様である。なお、断面が矩形であり、金属板からなる中空の外側部材と、外側部材の長手方向に延びる矩形であり、その矩形の長手方向の両辺がそれぞれ外側部材の内側の対向する2面に接続されている内側部材とを備えるものであれば、柱状部材の構成はここでの説明に限定されないことは言うまでもない。
【0050】
図15において、柱状部材1mの中心部材が、2個のコ型部材41,42をさらに備える以外は、図3の柱状部材1と同様のものである。ここで、2個のコ型部材41,42は、図30で示されるコ型部材32aと同様のものであり、矩形状の底壁部と、その底壁部の長手方向の両辺から底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材である。また、コ型部材41,42は、金属板からなる部材である。この2個のコ型部材41,42は、外包部材4rの内側の対向する面(図15では、図面の上側の面と、下側の面)にそれぞれ設けられ、2個のC型部材2,3と、外包部材4rとの間でそれぞれに密着している。すなわち、コ型部材41,42の底壁部は、C型部材2,3の上壁部及び側壁部と、外包部材4rとの間でそれぞれに密着している。なお、「C型部材2,3の上壁部が、外包部材4rと密着している」とは、図15で示されるように、コ型部材41,42を介して密着している場合を含むものとする。また、図15において、かしめの形状が図3などと異なるが、かしめの形状は図3などと同じであってもよい。また、図15では、C型部材2,3の開口部に設けられたリブの深さが図3などと異なるが、図3などと同じ深さであってもよい。また、C型部材2,3とコ型部材41,42、あるいは、コ型部材41,42と外包部材4rとをネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって接合してもよい。また、図15では、図3の柱状部材1の中心部材が2個のコ型部材41,42をさらに備えた構成としたが、他の柱状部材の中心部材が2個のコ型部材をさらに備えた構成としてもよい。
【0051】
なお、上記の説明では、外包部材が1個の中心部材を有しており、外包部材の長手方向の長さと、中心部材の長手方向の長さがほぼ同じである場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、柱状部材は、2以上の中心部材を備えていてもよい。柱状部材が2以上の中心部材を備える場合に、外包部材の長手方向には、内側に中心部材を有していない領域があってもよい。図16は、柱状部材1が2個の中心部材11,12を有している場合の柱状部材1の長手方向の断面を示す図である。柱状部材1のほぼ中央には、内側に中心部材の全くない領域が存在する。したがって、例えば、柱状部材1の長手方向に垂直な方向に、ボルト等を通さなければならない場合には、内側に中心部材のない領域に、そのボルト等を通すようにしてもよい。なお、図16では、柱状部材1が2個の中心部材11,12を備える場合について説明したが、柱状部材1は、3以上の中心部材を備えることによって、内側に中心部材のない領域が2以上存在してもよい。
【0052】
このように、本実施の形態による柱状部材は、1.0mmの厚さの金属板によって構成されるため、軽量な柱状部材を提供することができる。また、中心部材や内側部材を設けることによって、柱状部材のねじれやたわみに関する強度を高めることができる。
【0053】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による柱状部材について、図面を参照しながら説明する。
図17は、本実施の形態による柱状部材20を示す図である。図17において、本実施の形態による柱状部材20は、断面が正方形であり、金属板からなる中空のものである。その金属板の厚さは、1.0mmである。柱状部材20には、長手方向に沿って2個のリブ21a、21bが対向する面にそれぞれ設けられている。なお、図17では、リブ21a、21bは、柱状部材20の内側に凸状となるように設けられているが、柱状部材20の外側に凸状となるようにリブが設けられてもよい。また、柱状部材20の長手方向に沿ってリブが設けられている場合に、そのリブの個数は問わない。例えば、1個以上のリブが設けられることによって、柱状部材20の強度を高めることができる。なお、リブの個数は、8個程度までが好ましい。また、2個や、4個、8個といったように、偶数個のリブが設けられることが好ましい。偶数個のリブが設けられる場合には、柱状部材20において、対称に配分されることが好ましい。また、図17では、表面にリブ21a,21bの設けられた柱状部材20について示したが、柱状部材20の表面には、リブが設けられていなくてもよい。
【0054】
図18は、柱状部材20の断面を示す図である。図18において、柱状部材20の断面は、前述のように正方形である。なお、図18で示される柱状部材20の寸法は一例であって、これに限定されないことは言うまでもない。また、柱状部材20の長手方向の長さは問わない。例えば、建設する建造物にあわせて柱状部材20の長さを、2mや3mといったように決定すればよい。
【0055】
次に、柱状部材20を構成する方法について簡単に説明する。所定の寸法の金属板を断面が図18で示されるように折り曲げ、その金属板の端部をかしめることによって接合する(図18の22の部分)。リブ21a,21bは、金属板を折り曲げるときよりも前に金属板に設けられてもよく、金属板を折り曲げるときに同時に設けられてもよく、あるいは、金属板が折り曲げられてから別途、設けられてもよい。柱状部材20を構成する金属板は、鋼鉄の板である。
【0056】
なお、図17,図18では、断面が正方形である柱状部材20について説明したが、柱状部材20の断面は、正方形でなくても矩形であればよい。なお、「柱状部材20の断面が矩形である」とは、リブが存在せず、柱状部材20の表面がなめらかであると仮定した場合に、柱状部材20の断面が矩形であればよい。
【0057】
このように、柱状部材20は、1.0mmの厚さの金属板によって構成されるため、軽量な柱状部材20を提供することができる。また、従来の軽量鉄骨では、金属板が厚かったため、容易にリブを設けることができなかったが、このたびは比較的薄い金属板を用いることにより、リブを容易に設けることができうる。また、表面に1以上のリブを設けることによって、その強度を高めることができる。
【0058】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3による柱状部材について、図面を参照しながら説明する。
図19は、本実施の形態による柱状部材の断面を示す図である。図19において、本実施の形態による柱状部材101は、2個のC型部材102,103と、2個のW型部材104,105と、それらを包み込むように設けられた外包部材106とを備える。なお、C型部材102,103は、それぞれ、長手方向に沿って帯状の開口部を有する上壁部と、その上壁部と平行に対向する底壁部と、その底壁部に対して直角に設けられた一対の側壁部とを備えた部材であり、実施の形態1で説明したものと同様のものである。また、外包部材106は、断面が矩形の部材であり、中空の部材である。C型部材102,103、W型部材104,105、外包部材106は、それぞれ金属板からなる部材である。その金属板の厚さは、1.0mmである。C型部材102,103、W型部材104,105、外包部材106の長手方向の長さはそれぞれ同じである。
【0059】
図20は、W型部材104を示す図である。図20において、W型部材104は、同一平面上で平行に対向する帯状の2個の底面部104a,104bと、2個の底面部104a,104bの外側の長手方向の辺104c,104dから底面部104a,104bに対して直角にそれぞれ設けられた一対の帯状の外側面部104e,104fと、2個の底面部104a,104bの内側の長手方向の辺104g,104hから底面部104a,104bに対して直角に、外側面部104e,104fと同じ方向に設けられた一対の帯状の内側面部104i,104jと、一対の内側面部104i,104jの底面部104a,104bと反対側の辺を結ぶように底面部104a,104bに対して平行に設けられた帯状の上面部104kとを備えた部材である。W型部材105も、図20で示されるW型部材104と同様である。
【0060】
図19において、2個のC型部材102,103の帯状の開口部が、外包部材106の内側の対向する2面にそれぞれ面している。また、2個のC型部材102,103の側壁部が、外包部材106の内側の2面に密着している。ここで、C型部材102,103の開口部が面している外包部材106の2面は、側壁部が密着している外包部材106の2面と直角な2面である。また、「C型部材102,103の開口部の側壁部が、外包部材106の内側の2面に密着している」とは、図19で示されるように、W型部材104,105を介して密着している場合を含むものとする。また、2個のC型部材102,103の底壁部は、間に空間を有して平行に対向している。また、W型部材104,105の一対の内側面部は、2個のC型部材102,103の底壁部にそれぞれ密着している。また、W型部材104,105の2個の底面部は、2個のC型部材102,103の側壁部と、外包部材106との間でそれぞれに密着している。また、W型部材104,105の一対の外側面部は、2個のC型部材102,103の上壁部と、外包部材106との間でそれぞれに密着している。また、C型部材102,103の開口部に対応する外包部材106の領域に、長手方向に沿ってリブ106a〜106dが設けられている。このリブ106a〜106dは、外包部材106の内側に凸状となるように設けられている。
【0061】
なお、図19で示される柱状部材101の寸法は一例であって、これに限定されないことは言うまでもない。また、柱状部材101の長手方向の長さは問わない。例えば、建設する建造物にあわせて柱状部材101の長手方向の長さを、2mや3mといったように決定すればよい。
【0062】
次に、柱状部材101を構成する方法について説明する。まず、2個のC型部材102,103と、2個のW型部材104,105とを、図19で示されるように組み合わせる。すなわち、C型部材102,103の上壁部と側壁部と底壁部の一部とがW型部材104,105の内側面部と底面部と外側面部とで形成される凹部に挿入されることによって、それらを組み合わせる。そのときに、2個のC型部材102,103と、2個のW型部材104,105とがずれないように、ネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって接合してもよい。
【0063】
その2個のC型部材102,103と、2個のW型部材104,105とが組み合わされた中心部材を外包部材106で包み込む。具体的には、外包部材106の金属板には、あらかじめ中心部材を包み込むことができる領域が設けられているものとする。すなわち、中心部材を入れることができるように外包部材106の金属板は折り曲げられている。その金属板の中心に、2個のC型部材102,103と、2個のW型部材104,105とが組み合わされた中心部材を挿入し、金属板の端部をかしめることによって接合する(図19の106eの部分)。金属板の端部をかしめることによって、外包部材106と中心部材とが密接する。外包部材106のリブ106a〜106dは、外包部材106となる金属板にあらかじめ設けられていてもよく、外包部材106が中心部材と密着させられるときに作成されてもよく、あるいは、外包部材106が中心部材と密着された後に作成されてもよい。また、柱状部材101を構成する金属板は、鋼鉄の板である。なお、最終的に、図19で示される柱状部材101を構成できるのであれば、柱状部材101の構成方法は上記説明に限定されない。
【0064】
なお、2個のC型部材102,103、及び2個のW型部材104,105が組み合わされた中心部材と外包部材106とは、密着しているため、互いに動かないようになっているが、それらを固定するために、両者をネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって固着させてもよい。
【0065】
また、図19では、W型部材104,105の外側面部104e,104fと、内側面部104i,104jとの、W型部材104,105の長さ方向に直交する方向の長さが同じ長さである場合について説明したが、いずれか一方が他方よりも長い構成であってもよい。また、図19では、W型部材104,105の外側面部104e,104fと、C型部材102,103の上壁部における、帯状の開口部を挟んで対向する帯状の領域とが同じ長さである場合について説明したが、いずれか一方が他方よりも長い構成であってもよい。
【0066】
図21、図22、図23は、本実施の形態による柱状部材のバリエーションについて説明するための図である。図21、図22、図23は、柱状部材の断面を示している。
図21において、柱状部材101aは、2個のC型部材102,103と、外包部材106とを備え、W型部材を備えていない。したがって、2個のC型部材102,103の側壁部は、W型部材を介することなく外包部材106の内側の2面と密着している。なお、図21では、C型部材102,103の上壁部が外包部材106の内面と密着しているが、上壁部は、外包部材106の内面と密着していなくてもよい。また、図21の構成においても、C型部材102,103の底壁部の間隔を一定に保つための部材(例えば、中空の矩形断面を有する柱状部材や、H型部材等)をC型部材102,103の底壁部の間に備えてもよい。
【0067】
図22において、柱状部材101bは、断面が矩形であり、金属板からなる中空の柱状の外側部材109と、外側部材109の長手方向に延びる矩形であり、その矩形の長手方向の両辺がそれぞれ外側部材109の内側の対向する2面に接続されている2個の内側部材107,108とを備える。内側部材107,108は、平行に対向している。内側部材107,108は、例えば、ネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって、外側部材109と接続されている。この柱状部材101bでは、内側部材107,108が外側部材109の一の面から、その面に対向する面との間に設けられている。したがって、柱状部材101bは、ねじれ、たわみの強度が高められている。なお、この外側部材と内側部材とを備える柱状部材は、これに限定されない。例えば、図19、図21で示される柱状部材においても、C型部材102,103の底壁部がそれぞれ内側部材となっており、外側部材の2面の間に設けられている。なお、図19では、外側部材は、外包部材106と、C型部材102,103及びW型部材104,105の外包部材106に密着している面とによって構成されている。図21においても同様である。なお、断面が矩形であり、金属板からなる中空の柱状の外側部材と、外側部材の長手方向に延びる矩形であり、その矩形の長手方向の両辺がそれぞれ外側部材の内側の対向する2面に接続されている2個の内側部材とを備えるものであれば、柱状部材の構成はここでの説明に限定されないことは言うまでもない。
【0068】
図23において、柱状部材101cは、W型部材に代えて、2個のコ型部材111,112を備える。すなわち、柱状部材101cは、2個のC型部材102,103と、2個のコ型部材111,112と、外包部材106とを備える。ここで、コ型部材111,112は、図30で示されるコ型部材32aと同様のものであり、矩形状の底壁部と、その底壁部の長手方向の両辺から底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材である。コ型部材111,112は、金属板からなる部材である。コ型部材111,112の一対の側壁部は、2個のC型部材102,103の上壁部と、外包部材106との間でそれぞれに密着している。コ型部材111,112の底壁部は、2個のC型部材102,103の側壁部と、外包部材106との間でそれぞれに密着している。なお、図23では、C型部材102,103の開口部に設けられたリブの深さが図19,図21などと異なるが、図19などと同じ深さであってもよい。また、C型部材102,103とコ型部材111,112、あるいは、コ型部材111,112と外包部材106とをネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって接合してもよい。
【0069】
なお、実施の形態1において図16を用いて説明したのと同様に、C型部材やW型部材、コ型部材は、外包部材と同じ長さでなく、柱状部材の所定の範囲にC型部材等の存在しない領域が1以上あってもよい。その領域を用いて、ボルト等を通すことができるようにしてもよい。
【0070】
このように、本実施の形態による柱状部材は、1.0mmの厚さの金属板によって構成されるため、軽量な柱状部材を提供することができる。また、C型部材やW型部材、内側部材、コ型部材を設けることによって、柱状部材のねじれやたわみに関する強度を高めることができる。
【0071】
なお、本実施の形態において、リブが設けられていなくてもよく、また、リブの個数やリブの設けられる向き、リブの深さを問わないのは実施の形態1と同様である。また、かしめが外包部材の内側に設けられてもよく、外側に設けられてもよいことについても実施の形態1と同様である。
【0072】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4による柱状部材について、図面を参照しながら説明する。
図24は、本実施の形態による柱状部材の断面を示す図である。図24において、本実施の形態による柱状部材201は、2個の角柱202,203と、それらを包み込むように設けられた外包部材204とを備える。なお、角柱202,203は、断面が矩形であり、金属板からなる部材である。外包部材204は、金属板からなる部材であり、断面が矩形であり、中空の部材である。それらの金属板の厚さは、1.0mmである。角柱202,203、外包部材204の長手方向の長さはそれぞれ同じである。
【0073】
図24において、外包部材204の対向する一対の側面である第1の側面204f、204gが、角柱202の対向する一対の側面とそれぞれ密着している。また、第1の側面204f、204gが、角柱203の対向する一対の側面とそれぞれ密着している。ここで、「第1の側面204f、204gが、角柱202の対向する一対の側面とそれぞれ密着している」とは、後述するように、第1の側面204f、204gと、角柱202との間に他の部材を介して密着している場合を含むものとする。角柱203についても同様である。また、図24で示されるように、第1の側面204f、204gは、その全面で角柱202,203と密接していなくてもよい。2個の角柱202,203は、間に空間を有して平行に対向している。また、外包部材204の第1の側面204f、204gに直角な、外包部材204の一対の側面である第2の側面204h、204iに、長手方向に沿ってリブ204a〜204dが設けられている。このリブ204a〜204dは、外包部材204の内側に凸状となるように設けられている。また、リブ204a〜204dの内側に凸起している領域が、角柱202,203と密着している。
【0074】
なお、図24で示される柱状部材201の寸法は一例であって、これに限定されないことは言うまでもない。また、柱状部材201の長手方向の長さは問わない。例えば、建設する建造物にあわせて柱状部材201の長手方向の長さを、2mや3mといったように決定すればよい。
【0075】
次に、柱状部材201を構成する方法について説明する。まず、図24で示される形状の外包部材204を用意する。そして、その外包部材204の端部から、角柱202,203を長手方向に挿入することにより、柱状部材201を構成する。角柱202,203と、外包部材204とをネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって接合してもよい。なお、最終的に、図24で示される柱状部材201を構成できるのであれば、柱状部材201の構成方法は上記説明に限定されない。
【0076】
図25、図26、図27、図28は、本実施の形態による柱状部材のバリエーションについて説明するための図である。図25、図26、図27、図28は、柱状部材の断面を示している。
図25において、柱状部材201aは、角柱202,203と、外包部材204とに加えて、2個のW型部材205,206をさらに備えたものである。W型部材205,206は、実施の形態3で説明したものと同様のものである。図25において、W型部材205,206は、同一平面上で平行に対向する帯状の2個の底面部と、その2個の底面部の外側の長手方向の辺から底面部に対して直角にそれぞれ設けられた一対の帯状の外側面部と、その2個の底面部の内側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角に、外側面部と同じ方向に設けられた一対の帯状の内側面部と、一対の内側面部の底面部と反対側の辺を結ぶように底面部に対して平行に設けられた帯状の上面部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である。W型部材205,206の2個の底面部は、2個の角柱202,203の側面と、外包部材204の第1の側面204f、204gとの間でそれぞれに密着している。また、W型部材205,206の一対の内側面部は、2個の角柱202,203の側面であって、柱状部材201aの中心側で対向する側面202a,203aにそれぞれ密着している。また、W型部材205,206の一対の外側面部は、第1の側面204f、204gに直角な外包部材204の一対の側面である第2の側面204h、204iに密着している。なお、図25では、W型部材205,206の外側面部と、内側面部との、W型部材205,206の長さ方向に直交する方向の長さが同じ長さである場合について説明したが、いずれか一方が他方よりも長い構成であってもよい。
【0077】
図26において、柱状部材201bは、角柱202,203と、外包部材204とに加えて、2個のコ型部材207,208をさらに備えたものである。コ型部材207,208は、図30で示されるコ型部材32aと同様のものであり、矩形状の底壁部と、その底壁部の長手方向の両辺から底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である。コ型部材207,208の底壁部は、第1の側面204f、204gと、2個の角柱202,203との間でそれぞれに密着している。また、コ型部材207,208の側面部は、第1の側面204f、204gに直角な、外包部材204の一対の側面である第2の側面204h、204iに密着している。
【0078】
図27において、柱状部材201cは、角柱202,203と、外包部材209とを備える。外包部材209は、リブ209a、209bをさらに有する以外、外包部材204と同様のものである。外包部材209の第1の側面204f、204gの2個の角柱202,203と密着していない領域に、長手方向に沿って外包部材209の内側に凸状となるようにリブ209a、209bが設けられている。このリブ209a、209bが存在することにより、角柱202,203の間隔が一定に保持されることになる。
【0079】
図28において、柱状部材201dは、図27の角柱202,203に代えて、2個のコ型部材210,211を組み合わせた角柱214と、2個のコ型部材212,213を組み合わせた角柱215とを用いている。角柱214は、矩形状の底壁部と、その底壁部の長手方向の両辺から底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材210,211を、それぞれの底壁部が平行に対向し、それぞれの側壁部が密着するように組み合わせたものである。なお、2個のコ型部材210,211は、外包部材209の短辺に設けられたリブによって固定されているが、ネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって固着されていてもよい。角柱215も角柱214と同様のものである。このように、コ型部材210〜213によって、角柱214,215を構成することにより、柱状部材201dの強度をより向上させることができる。その強度の向上のメリットは、コ型部材210〜213によって角柱214,215を構成することに伴う重量の増加のデメリットを超えるものである。
【0080】
ここで、図28における2個のコ型部材210,211を組み合わせた角柱214を、図24,図25,図26における角柱202,203の代わりに用いてもよいことは言うまでもない。
【0081】
また、図24〜図28において、外包部材の金属板の厚さと、その外包部材で包み込まれている部材、例えば、角柱等の金属板の厚さとが異なっていてもよい。例えば、外包部材の金属板の厚さが1.2mmであり、各中東の金属板の厚さが1.4mmであってもよい。
【0082】
なお、実施の形態1において図16を用いて説明したのと同様に、角柱やW型部材、コ型部材は、外包部材と同じ長さでなく、柱状部材の所定の範囲に角柱等の存在しない領域が1以上あってもよい。その領域を用いて、ボルト等を通すことができるようにしてもよい。図24や、図27で示される柱状部材では、外包部材の内側に角柱の存在しない領域があるため、その領域を用いて、ボルト等を通すようにしてもよい。
【0083】
このように、本実施の形態による柱状部材は、1.0mmの厚さの金属板によって構成されるため、軽量な柱状部材を提供することができる。また、角柱やW型部材、コ型部材を設けることによって、柱状部材のねじれやたわみに関する強度を高めることができる。また、本実施の形態による柱状部材は、中心部にボルトを通すことができる空間が設けられているため、ボルトを用いて柱状部材と他の部材とを結合する場合に好適であるというメリットもある。さらに、表面にリブが設けられている場合には、そのリブを用いて他の部材を柱状部材に結合することもできうる。例えば、他の部材を柱状部材に結合する場合に、リブを用いることによって、容易に他の部材の位置決めをすることができるメリットもある。また、リブを設けることによって、図28等で示されるように、かしめの位置を柱状部材の内側にすることができうる。通常、金属板を曲げることによって外包部材を形成する場合には、柱状部材の長手方向の面にかしめがくることになる。その場合に、リブが設けられることによって、かしめを入れる領域が形成されているため、かしめの位置を柱状部材の内側に持ってくることができ、かしめが外側にある柱状部材よりも、使い勝手がよくなる。
【0084】
なお、本実施の形態において、リブが設けられていなくてもよく、また、リブの個数やリブの設けられる向き、リブの深さを問わないのは実施の形態1と同様である。また、かしめが外包部材の内側に設けられてもよく、外側に設けられてもよいことについても実施の形態1と同様である。
【0085】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5による耐力壁について、図面を参照しながら説明する。
図29は、本実施の形態による耐力壁30を示す正面図である。図29において、本実施の形態による耐力壁30は、枠体31と、間柱32と、12個の斜材33a〜33lとを備える。枠体31は、上辺部31aと、その上辺部31aと平行に対向する下辺部31bと、上辺部31aの一端及び下辺部31bの一端とそれぞれ直角に接続された一対の平行に対向する側辺部31c,31dとを備える。上辺部31a、下辺部31b、一対の側辺部31c,31dは、コ型部材から構成される。図30は、コ型部材32aを示す図である。コ型部材32aは、矩形状の底壁部32bと、その底壁部32bの長手方向の両辺から底壁部32bに対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部32c,32dとを備える。枠体31において、その底壁部32bは、枠体31の外周側となる。すなわち、枠体31の外側は、底壁部32bによって構成される。側壁部32c,32dは、その底壁部32bから枠体31の内側に向かって延びている。すなわち、コ型部材32aにおいて底壁部32bと一対の側壁部32c,32dとによって形成される凹みは、枠体31の内側に向いている。そのコ型部材32aの凹みに、斜材33a〜33lが挿入されている。斜材33a〜33lは、それぞれ、図31で示されるように、断面が矩形の中空の角材である。
【0086】
間柱32は、枠体31の上辺部31aの略中央と、枠体31の下辺部31bの略中央とを接続する。間柱32は、枠体31の側辺部31c,31dと平行するように設けられている。間柱32は、2個のコ型部材32aが、その長手方向で重ね合わされ、底壁部32bで密着しているものである。その2個のコ型部材32aは、ネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって固着されていてもよい。間柱32のコ型部材32aの凹みにも、斜材33a〜33lが挿入されている。
【0087】
複数の斜材33a〜33lは、間柱32と枠体31の側辺部31c,31dとの間に設けられている。この斜材33a〜33lによって、耐力壁30においてトラスが形成されており、耐力壁30の強度が高められている。斜材33a〜33lは、枠体31の側辺部31c,31dや、間柱32と、ネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって接合されている。各斜材33a〜33lと、枠体31の側辺部31c,31dとが形成する鋭角は、略45度である。ここで、略45度とは、40度から50度の範囲であればよい。
【0088】
なお、斜材33aは側辺部31cと共に、下辺部31bにも接合されている。したがって、斜材33aによって側辺部31cと下辺部31bとが接合されることになる。斜材33b、33k、33lについても同様である。なお、側辺部31c,31dと上辺部31aを斜材33k、33l以外の部材によって接合してもよい。また、側辺部31c,31dと下辺部31bを斜材33a、33b以外の部材によって接合してもよい。
【0089】
第1の斜材33a、第2の斜材33c、第3の斜材33b、第4の斜材33dは、間柱32の略同一点P1において間柱32と接続されている。第1の斜材33aと、第2の斜材33cとは、一方の側辺部31cのそれぞれ異なる点に接続されている。第1の斜材33aと第2の斜材33cとは、間柱32と略同一の鋭角を形成している。すなわち、第1の斜材33aと第2の斜材33cとは、点P1を通る水平な直線に対して略対称となっている。なお、前述のように、第1の斜材33a、及び第2の斜材33cと、側辺部31cとの形成する鋭角は略45度である。第3の斜材33b及び第4の斜材33dは、第1の斜材33a及び第2の斜材33cとそれぞれ間柱32に対して対称となるように他方の側辺部31dに接続されている。耐力壁30は、このような第1の斜材33aから第4の斜材33dの組合せを複数有する。すなわち、略同一点P2において間柱32と接続されている斜材33e〜33hの組合せと、略同一点P3において間柱32と接続されている斜材33i〜33lの組合せを有する。このように、耐力壁30は、第1の斜材から第4の斜材の組合せを3個有する場合について説明したが、この組合せの個数は問わない。例えば、2個であってもよく、4個以上であってもよい。
【0090】
図32は、耐力壁30を示す斜視図である。枠体31、間柱32、斜材33a〜33lは、それぞれ、1.0mmの厚さの金属板から構成される。すなわち、枠体31や間柱32で用いられているコ型部材32aは、厚さ1.0mmの金属板で構成されている。その金属板は、鋼鉄の板である。
【0091】
次に、図33を用いて、枠体31と間柱32との接合について説明する。枠体31の上辺部31a、及び下辺部31bと、間柱32とは、接合部材を用いて接合されている。図33において、接合部材34a,34bは、それぞれ、間柱32と下辺部31bとを接合するために用いられている。接合部材34a,34bは、それぞれ厚さ1.0mmの金属板からなる中空の角柱であり、下辺部31bの凹みと、間柱32の凹みに挿入されている。枠体31の下辺部31bと接合部材34a,34bとがネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって接合され、間柱32と接合部材34a,34bとがネジ(例えば、ドリリングタッピンネジ等)や溶接等によって接合されることによって、枠体31の下辺部31bと間柱32とは接合されることになる。枠体31の上辺部31aと間柱32も、同様に接合されている。
【0092】
このように、耐力壁30は、1.0mmの厚さの金属板によって構成されるため、軽量な耐力壁30を提供することができる。また、枠体31、間柱32、斜材33a〜33lによってトラスが形成されているため、強度の高い耐力壁30を提供することができうる。
【0093】
なお、耐力壁30の寸法が図29に限定されないことは言うまでもない。また、上述のように、耐力壁に設けられる斜材の本数などは問わない。また、斜材と、枠体の側辺部とが形成する鋭角が略45度でなくてもよい。例えば、図34で示されるように、トラスを形成する斜材は、8本であってもよい。
【0094】
また、本実施の形態では、第1から第4の斜材が間柱の略同一点において接続されており、その同一点を通過する水平線及び垂直線に対して、その4個の斜材が略対称な位置に設けられる場合について説明したが、そうでなくてもよい。斜材、間柱、枠体によってトラスが形成されるのであれば、その構成を問わない。
【0095】
また、枠体31、間柱32、斜材33a〜33lの構成は一例であって、上記説明に限定されないことは言うまでもない。例えば、枠体や間柱が中空の角柱であってもよく、斜材がコ型部材であってもよい。
【0096】
(実施の形態6)
上記各実施の形態で説明した柱状部材及び耐力壁を用いた建設方法、及び建造物について説明する。従来から用いられている軸組工法において、上記実施の形態で説明した柱状部材を用いてもよい。すなわち、上記実施の形態で説明した柱状部材を用いて建造物を建設してもよい。また、上記実施の形態で説明した耐力壁を用いて建造物を建設してもよい。図35は、上記実施の形態で説明した柱状部材や耐力壁を用いた建造物の一例を示す図である。図35で示される土台や、2階胴差、3階胴差として、実施の形態1や実施の形態3で説明した柱状部材を用いてもよい。また、図35で示される柱として、実施の形態2で説明した柱状部材を用いてもよい。また、図35で示されるように、実施の形態5で説明した耐力壁を、強度を高めるべき適切な場所において用いるようにしてもよい。なお、耐力壁の適切な配置場所を計算する方法などは従来から公知であり、その説明を省略する。
【0097】
このように、上記実施の形態で説明した柱状部材や耐力壁を用いて建造物を建設することによって、その作業性を向上させることができうる。建設に用いる柱状部材や耐力壁が軽量であるからである。また、柱状部材や耐力壁が上記実施の形態で説明したように高い強度を有することによって、頑丈な建造物を建設することができうる。
【0098】
なお、上記各実施の形態において、1.0mmの厚さの鋼鉄の金属板を用いる場合について説明したが、鋼鉄以外の金属板を用いてもよい。例えば、ステンレス・スチールやチタン、ZAM(登録商標)などの金属であってもよい。また、柱状部材や耐力壁の一部の金属板として、鋼鉄以外の金属板を用いてもよい。また、金属板の厚さは、1.0mmでなくてもよく、0.8〜1.5mmであってもよい。あるいは、金属板の厚さは、0.8mm以上であり、1.6mm未満であってもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上より、本発明による柱状部材等によれば、軽量で強度の高い部材を提供することができ、建造物を建設するために用いる柱状部材等として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施の形態1による柱状部材を示す図
【図2】同実施の形態によるC型部材を示す図
【図3】同実施の形態による柱状部材の断面を示す図
【図4】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図5】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図6】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図7】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図8】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図9】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図10】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図11】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図12】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図13】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図14】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図15】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図16】同実施の形態における長手方向の断面の一例を示す図
【図17】本発明の実施の形態2による柱状部材を示す図
【図18】同実施の形態による柱状部材の断面を示す図
【図19】本発明の実施の形態3による柱状部材の断面を示す図
【図20】同実施の形態によるW型部材を示す図
【図21】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図22】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図23】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図24】本発明の実施の形態4による柱状部材の断面を示す図
【図25】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図26】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図27】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図28】同実施の形態による柱状部材の断面の一例を示す図
【図29】本発明の実施の形態5による耐力壁を示す正面図
【図30】同実施の形態によるコ型部材を示す図
【図31】同実施の形態による斜材を示す図
【図32】同実施の形態による耐力壁を示す斜視図
【図33】同実施の形態における枠体と間柱との接合について説明するための図
【図34】同実施の形態による耐力壁の他の一例を示す正面図
【図35】本発明の実施の形態6による建造物の構成概要図
【符号の説明】
【0101】
1、1a〜1k、1m、20、101、101a〜101c、201、201a〜201d 柱状部材
2、2e〜2k、2m、2n、2p〜2s、3、102、103 C型部材
2a 開口部
2b 上壁部
2c 底壁部
2d 側壁部
4、4f〜4k、4m、4n、4p〜4r、106、204、209 外包部材
4a〜4d、6a〜6f、21a、21b、106a〜106d、204a〜204d、209a、209b リブ
5、106e、204e かしめ
7a〜7g、202、203、214、215 角柱
8 H型部材
9、109 外側部材
10、107、108 内側部材
11,12 中心部材
30 耐力壁
31 枠体
31a 上辺部
31b 下辺部
31c、31d 側辺部
32 間柱
32a、41、42、111、112、207、208、210〜213 コ型部材
32b 底壁部
32c、32d 側壁部
33a〜33l 斜材
34a、34b 接合部材
104、105、205、206 W型部材
104a、104b 底面部
104e、104f 外側面部
104i、104j 内側面部
104k 上面部
204f、204g 第1の側面
204h、204i 第2の側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って帯状の開口部を有する上壁部と、当該上壁部と平行に対向する底壁部と、当該底壁部に対して直角に設けられた一対の側壁部とを備え、金属板からなるC型部材を2以上、その長手方向に重ね合わせた中心部材と、
前記中心部材の長手方向に密着し、前記中心部材を包み込むように設けられた金属板からなる外包部材と、を備えた柱状部材。
【請求項2】
前記2以上のC型部材は、それらの上壁部が前記外包部材と密接している、請求項1記載の柱状部材。
【請求項3】
前記C型部材の開口部に対応する前記外包部材の領域に、長手方向に沿ってリブが設けられている、請求項2記載の柱状部材。
【請求項4】
前記リブは、前記外包部材の内側に凸状となるように設けられている、請求項3記載の柱状部材。
【請求項5】
前記中心部材は、2個のC型部材を有し、
各C型部材の開口部に対応する領域に前記リブが設けられている、請求項4記載の柱状部材。
【請求項6】
前記中心部材は、矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材をさらに備え、
前記2個のコ型部材は、前記外包部材の内側の対向する面にそれぞれ設けられ、前記2個のC型部材と、前記外包部材との間でそれぞれに密着している、請求項1から5のいずれか記載の柱状部材。
【請求項7】
前記中心部材は、2個のC型部材を有し、
前記2個のC型部材は、それらの上壁部が密接している、請求項1記載の柱状部材。
【請求項8】
前記C型部材の上壁部は、前記帯状の開口部を挟んで対向する2個の帯状の領域であって、金属板からなる領域を有する、請求項1から請求項7のいずれか記載の柱状部材。
【請求項9】
前記外包部材の断面は矩形である、請求項1から請求項8のいずれか記載の柱状部材。
【請求項10】
断面が矩形であり、金属板からなる1以上の中空の角柱を有する中心部材と、
前記中心部材の長手方向に密着し、前記中心部材を包み込むように設けられた金属板からなる外包部材と、を備えた柱状部材。
【請求項11】
前記外包部材の断面は矩形であり、
前記外包部材の表面には、長手方向に沿ってリブが設けられている、請求項10記載の柱状部材。
【請求項12】
前記中心部材を2以上備えており、
前記外包部材の長手方向には、内側に前記中心部材を有していない領域がある、請求項1から請求項11のいずれか記載の柱状部材。
【請求項13】
長手方向に沿って帯状の開口部を有する上壁部と、当該上壁部と平行に対向する底壁部と、当該底壁部に対して直角に設けられた一対の側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のC型部材と、
前記2個のC型部材を包み込むように設けられた部材であって、断面が矩形で中空の金属板からなる部材である外包部材と、を備え、
前記2個のC型部材の帯状の開口部が、前記外包部材の内側の対向する2面にそれぞれ面しており、
前記2個のC型部材の側壁部が、前記外包部材の内側の前記2面と直角な2面に密着しており、
前記2個のC型部材の底壁部が、平行に対向している、柱状部材。
【請求項14】
同一平面上で平行に対向する帯状の2個の底面部と、当該2個の底面部の外側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角にそれぞれ設けられた一対の帯状の外側面部と、前記2個の底面部の内側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角に、前記外側面部と同じ方向に設けられた一対の帯状の内側面部と、前記一対の内側面部の前記底面部と反対側の辺を結ぶように前記底面部に対して平行に設けられた帯状の上面部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のW型部材をさらに備え、
前記W型部材の前記一対の内側面部は、前記2個のC型部材の底壁部にそれぞれ密着し、
前記W型部材の前記2個の底面部は、前記2個のC型部材の側壁部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着し、
前記W型部材の前記一対の外側面部は、前記2個のC型部材の上壁部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着する、請求項13記載の柱状部材。
【請求項15】
矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材をさらに備え、
前記コ型部材の一対の側壁部は、前記2個のC型部材の上壁部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着し、
前記コ型部材の底壁部は、前記2個のC型部材の側壁部と、前記外包部材との間でそれぞれに密着する、請求項13記載の柱状部材。
【請求項16】
断面が矩形であり、金属板からなる2個の中空の角柱と、
前記2個の角柱を包み込むように設けられた部材であって、断面が矩形で中空の金属板からなる部材である外包部材と、を備え、
前記外包部材の対向する一対の側面である第1の側面は、前記2個の角柱のそれぞれの対向する一対の側面とそれぞれ密着しており、
前記2個の角柱は、平行に対向している、柱状部材。
【請求項17】
矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材をさらに備え、
前記コ型部材の底壁部は、前記第1の側面と、前記2個の角柱との間でそれぞれに密着しており、
前記コ型部材の側面部は、前記第1の側面に直角な前記外包部材の一対の側面である第2の側面に密着している、請求項16記載の柱状部材。
【請求項18】
同一平面上で平行に対向する帯状の2個の底面部と、当該2個の底面部の外側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角にそれぞれ設けられた一対の帯状の外側面部と、前記2個の底面部の内側の長手方向の辺から前記底面部に対して直角に、前記外側面部と同じ方向に設けられた一対の帯状の内側面部と、前記一対の内側面部の前記底面部と反対側の辺を結ぶように前記底面部に対して平行に設けられた帯状の上面部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のW型部材をさらに備え、
前記W型部材の前記2個の底面部は、前記2個の角柱の側面と、前記外包部材の第1の側面との間でそれぞれに密着し、
前記W型部材の前記一対の内側面部は、前記2個の角柱の側面であって、前記柱状部材の中心側で対向する側面にそれぞれ密着し、
前記W型部材の前記一対の外側面部は、前記第1の側面に直角な前記外包部材の一対の側面である第2の側面に密着する、請求項16記載の柱状部材。
【請求項19】
前記外包部材の第1の側面の前記2個の角柱と密着していない領域に、長手方向に沿って前記外包部材の内側に凸状となるようにリブが設けられている、請求項16記載の柱状部材。
【請求項20】
前記角柱は、
矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた部材であって、金属板からなる部材である2個のコ型部材を、それぞれの前記底壁部が平行に対向し、それぞれの前記側壁部が密着するように組み合わせたものである、請求項16から請求項19のいずれか記載の柱状部材。
【請求項21】
前記第1の側面に直角な前記外包部材の一対の側面である第2の側面に、長手方向に沿ってリブが設けられている、請求項16から請求項20のいずれか記載の柱状部材。
【請求項22】
前記リブは、前記外包部材の内側に凸状となるように設けられており、
当該リブの内側に凸起している領域が前記角柱と密着している、請求項21記載の柱状部材。
【請求項23】
前記金属板の厚さは、0.8mmから1.5mmである、請求項1から請求項22のいずれか記載の柱状部材。
【請求項24】
断面が矩形であり、0.8mmから1.5mmの厚さの金属板からなる中空の柱状部材。
【請求項25】
長手方向に沿って1以上のリブが設けられている、請求項24記載の柱状部材。
【請求項26】
2個のリブが、対向する面にそれぞれ設けられている、請求項25記載の柱状部材。
【請求項27】
前記リブは、内側に凸状となるように設けられている、請求項25または請求項26記載の柱状部材。
【請求項28】
断面が矩形であり、金属板からなる中空の外側部材と、
前記外側部材の長手方向に延びる矩形であり、当該矩形の長手方向の両辺がそれぞれ前記外側部材の内側の対向する2面に接続されている内側部材と、を備えた柱状部材。
【請求項29】
断面が矩形であり、金属板からなる中空の柱状の外側部材と、
前記外側部材の長手方向に延びる矩形であり、当該矩形の長手方向の両辺がそれぞれ前記外側部材の内側の対向する2面に接続されている部材であり、平行に対向する2個の内側部材と、を備えた柱状部材。
【請求項30】
前記金属は鋼鉄である、請求項1から請求項29のいずれか記載の柱状部材。
【請求項31】
上辺部と、当該上辺部と平行に対向する下辺部と、前記上辺部の一端及び前記下辺部の一端とそれぞれ直角に接続された一対の平行に対向する側辺部とを備えた矩形の枠体と、
前記上辺部の略中央と、前記下辺部の略中央とを接続し、前記側辺部と平行する間柱と、
前記間柱と、前記側辺部との間にトラスを形成するように設けられた複数の斜材と、を備え、
前記枠体、前記間柱、前記斜材は、0.8mmから1.5mmの厚さの金属板からなる、耐力壁。
【請求項32】
前記斜材と前記側辺部とが形成する鋭角は略45度である、請求項31記載の耐力壁。
【請求項33】
第1から第4の斜材は、前記間柱の略同一点において前記間柱と接続されており、
第1の斜材と第2の斜材とは、一方の側辺部のそれぞれ異なる点に接続されており、第3の斜材と第4の斜材とは、前記第1の斜材と前記第2の斜材とそれぞれ前記間柱に対して対称となるように他方の側辺部に接続されており、
第1の斜材と第2の斜材とは、前記間柱と略同一の鋭角を形成するものであり、
前記第1から第4の斜材の組合せを複数有する請求項31または請求項32記載の耐力壁。
【請求項34】
前記第1から第4の斜材の組合せを3個有する請求項33記載の耐力壁。
【請求項35】
前記上辺部、前記下辺部、前記1対の側辺部は、
矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えたコ型部材からなり、
前記底壁部は、前記枠体の外周側となり、前記側壁部は前記底壁部から前記枠体の内側に向かって延びており、
前記コ型部材において前記底壁部と前記一対の側壁部とによって形成される凹みに前記斜材が挿入されている、請求項31から請求項34のいずれか記載の耐力壁。
【請求項36】
前記間柱は、
矩形状の底壁部と、当該底壁部の長手方向の両辺から前記底壁部に対して直角に設けられた一対の平行に対向する側壁部とを備えた2個のコ型部材が、その長手方向で重ね合わされ、前記底壁部で密接しているものであり、
前記コ型部材において前記底壁部と前記一対の側壁部とによって形成される凹みに前記斜材が挿入されている、請求項31から請求項35のいずれか記載の耐力壁。
【請求項37】
前記斜材は、断面が矩形の中空の角材である、請求項31から請求項36のいずれか記載の耐力壁。
【請求項38】
前記金属は鋼鉄である、請求項31から請求項37のいずれか記載の耐力壁。
【請求項39】
請求項1から請求項30のいずれか記載の柱状部材を用いて、軸組工法によって建設された建造物。
【請求項40】
請求項31から請求項38のいずれか記載の耐力壁を用いて建設された建造物。
【請求項41】
請求項1から請求項30のいずれか記載の柱状部材を用いて、軸組工法によって建造物を建設する建設方法。
【請求項42】
請求項31から請求項38のいずれか記載の耐力壁を用いて建造物を建設する建設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2007−40085(P2007−40085A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371867(P2005−371867)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(505242644)英建株式会社 (2)
【Fターム(参考)】