説明

核バックグラウンドノイズの低減を伴う希土類系シンチレーター材料

本発明は化学式ALn(3p+n)からなる無機シンチレーター材料に関係する。ここでLnは一以上の希土類を表し、Xは一以上のハロゲン原子(F、Cl、Br又はIから選択される)を表し、そしてAは一以上のアルカリ金属(例えばK、Li、Na、Rb又はCs)を表し、n及びpは、n(これは0でもよい)が2p以下であり、かつ、pが1以上であるような値を表し、ウラン及びトリウムの娘元素の含有量が十分低くこれらの元素からのα放射に起因する放射能が0.7Bq/cc未満である。
この材料は非常に低い核バックグラウンドノイズを有し、そして特に被覆質量又は厚さ測定のための、核医療、物理、化学及び石油探索の分野における、及び危険な又は不正な材料の検知のためのシンチレーター検知器として好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は核バックグラウンドノイズの低減を伴うシンチレーター材料、概してシンチレーター結晶型のものからなるもの、及びその使用、特にガンマ線及び/又はX線検知器における使用に関係する。
【背景技術】
【0002】
シンチレーター結晶はガンマ線、X線、宇宙線及び1keVのオーダー又はそれより大きな値のエネルギーを有する粒子のための検知器において広く使用される。
【0003】
シンチレーター結晶はシンチレーション波長域において透明である結晶であり、これは光パルスの放出による入射光に反応する。
【0004】
このような結晶(概して単結晶の形態である)から検知器を製造することは可能であり、この検知器の結晶によって放出される光が光検知手段と結び付けられ、そして受け取った光パルスの数及びその強さに比例する電気的信号を生じる。このような検知器は特に被覆質量又は厚み測定のための産業において、核医療、物理、化学及び石油探索において、及び危険な又は不法な材料の検知において使用される。
【0005】
希土類ハロゲン化物系の新規なシンチレート結晶が最近開発されている。これらは例えばセリウムをドープした塩化ランタン(LaCl(Ce))、セリウムをドープした臭化ランタン(LaBr(Ce))及びセリウムをドープしたKLaIがある。これらの新規な化合物は化学式:ALnn+3p
で記載されてもよい。
ここでAは一以上のアルカリ元素又はアルカリ元素の混合物、例えばLi、Na、K、Cs、Rb、好ましくはLi、Na、Csであり;Lnは希土類または3原子価の希土類の混合物、特にSc、Y、La、Gd、Luであり;そしてXは一以上のハロゲン原子、例えばCl、Br、Iであり、これらの組成物は場合によりCe又はPrでドープされる。これらの新規な材料はシンチレーション用途のための望ましい特性、例えばNaI(Tl)に優る密度及び阻止能;高速シンチレーション減衰時間;及び良好なエネルギー分解能を有する。しかしながら一の問題がガンマ分光の応用における利点を制限する−すなわちこれらの材料は、内部に存在するアルファ放出体により、高エネルギー核バックグラウンドノイズを示す。放射性原子が材料中に微量で存在することは結果として検知することが望まれるガンマラインを隠すラインの存在を実際に生じる。核バックグラウンドノイズによって妨害される用途は、例えば放射線防護のための、又は油層探鉱のための及び環境中の放射性材料の痕跡を探査(searching for traces)するための検知器である。
【0006】
ランタノイドハロゲン化物の系列(family)において最も研究された核バックグラウンドノイズの事例はLaCl(10%Ce)のものである(「ガンマ線分光分析でのLaCl:Ce及びNaI:Tlシンチレーターの比較」、Marcin Balcerzyk、Marek Moszynsik 及びMaciej Kapusta、核計装(Nuclear instrument)及び放射線測定(Radiation measurement)、セクションA)。当業者がLaCl3(10%Ce)によってCeのモル数がCe+Laの総モル数の10%を表すランタン(La)セリウム(Ce)塩化物を表記することが思い出される。LaをCeによる代用のモル度合いは10%であるとも言われる。この結晶の場合、ウラン−235ファミリー及び特にウラン−238系列の227Th、223Ra、219Rn、215Po及び214Poからなるアルファ放出体の減衰による放出のピークが観測される。少量ではあるがトリウム232の崩壊系列に由来する元素も観察された。所定のエネルギーのアルファ放射によって生じる光放出量は材料ごとに異なる。この放出量は通常、アルファ粒子による放出量をガンマ線による量と比較することによって表現される。LaClの場合、このアルファ/ガンマ量は0.33±0.01である。LaBrの場合、このアルファ/ガンマ量は0.29±0.01である。LaClの場合、214Poの崩壊によって放出される7.7MeVのアルファ放射が従って2.5MeVのエネルギーを有するガンマラインとしてスペクトルに現れる(LaBrの場合、2.23MeVのエネルギーを伴って現れる)。現在、ガンマ分光分析が実施される際、検出しようとされるものはまさにこのタイプのラインである。
【0007】
この核バックグラウンドノイズの存在がLaClシンチレーターのようなシンチレーターの使用を妨害することが明白に理解される。より多くのシンチレーターが使用される場合及び長計測時間が1〜3MeVエネルギーのガンマ線に対応する領域で行われる場合に、このようなラインがより容易に検知される。これがこのような効果が十分に大きな試料でのみ検知されうる理由である(数グラムでは十分ではない)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的はそれゆえにこの4〜8MeVのエネルギーを伴うアルファ放射に対応する核バックグラウンドノイズを少なくとも10倍は低減する方法を提供することである。この放射はウラン及びその娘元素の減衰から派生しているので、解決法はかなり簡潔であると考えられる−すなわち原材料中のウランを分析しそしてウランの痕跡を全く含まない原材料を見つけることが解決法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
0.89カウント/cc/秒、すなわち0.89Bq/ccの計測率を有するLaCl結晶に関して、この汚染に相当するウランの量は1.4ppmであり、これは直ちにGD−MSで検知されうる。しかしながら、これと同じ結晶のGD−MSでの分析は0.005ppm未満のウラン含有率を示す。この結晶の汚染はしたがってウラン自身に由来せず、例えば214Poのような、それらの崩壊から生じる元素に由来する。これらの元素はU及びThより少なくとも十億倍(one billion)小さい量で存在し、そしてそれゆえ結晶中では検知できない。地球の地殻において、227Th、223Ra、219Rn及び215Poを含むウラン−235崩壊系列を構成する13の元素の濃度は永続的に平衡であり、つまり所定の時間を超えて(常に)同数のこれらの各元素の分裂(disintegration)が存在している。GD−MS分析はそれゆえLaCl結晶が永続的な平衡状態である状況に我々がいないことを示す。原材料の製造中に、ウランは除去されるが、系列の他の元素は全ては除去されない。特に、ラジウム及びアクチニウムは化学的に希土類と非常に似たような挙動をし、そしてそれゆえウランとトリウムの除去の間に希土類溶液に残る。従ってこの問題の全体的な困難性は、汚染を除去することは可能であるが、その汚染の存在が非常に検知し難いという事実に存する。
【0010】
我々はそれゆえ結晶を製造するために我々が使用する原材料を井戸型ゲルマニウム検知器で分析した。残念ながら、アルファ放射は低貫通力を有する。それは粉末、例えば希土類塩の粉末によって、放射検知器に達する前に停止させられる。求められているアルファライン(すなわち4〜8MeV)はそれゆえ観察することができない。ガンマ放射スペクトルを解釈することは不明確である。
【0011】
驚くべきことに、本出願人は原材料によって放出される30〜120keVの放射線の強度が、ウランの娘元素が多量である材料を特定するために使用され得ることを発見した。これはより従来的な分析技術、すなわちGD−MS(グロー放電質量分析)では出来なかったものである。さらにこの放射のほとんどが希土類塩だけに集中しているようであり、特に大きなイオン半径かつ3の原子価を有するもの(特にランタン塩)に集中しているようである。またウランの娘元素の含有量は希土類サプライヤーごとに応じて非常に実質的に変化をするようであり、これは間違いなく希土類塩が得られる鉱石及び鉱山によるものであり及びまた希土類塩を他から分離するために使用される方法によるものである。放射能の量は南中国からのイオン性鉱石から得られる希土類塩において特に低く、北中国のバスナエサイト(basnaesite)鉱石においてかなり高く、そしてオーストラリアのモナザイトにおいては非常に高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
それゆえ、本発明はシンチレーター材料に関係する。この材料は概して単結晶タイプであり、基本的に塩化物、臭化物、ヨウ化物又はフッ化物タイプの希土類ハロゲン化物を含み、概してALn(3p+n)の化学式であり、ここでLnは一以上の希土類を表し、XはF、Cl、Br又はIから選択される一以上のハロゲン原子を表し、AはK、Li、Na、Rb又はCsのような一以上のアルカリ金属を表し、n及びpは以下のような値を表す:
−nは0であってもよく、2p以下である;
−pは1以上である。
【0013】
問題の(ハロゲン化物形態の)希土類は元素周期表の(化学と物理のハンドブック、1994-1995、75版で述べられている新しい注釈によると)第3列のものであり、Sc、Y、La及びCeからLuまでのランタノイドを含む。さらに特別に関係するのはY、La、Gd及びLuのハロゲン化物であり、特にCeまたはPrでドープされたものである。(「ドーパント」という用語はここでは概して微少モル濃度であって、概して支配的なモル濃度の一以上の希土類の代替となる、希土類のことを言及し、この微少及び支配的量は記号Lnの添え字によって示される。)
【0014】
このさらに特別に含まれる材料は、特にALnp−xLn’(3p+n)の化学式のものであり、ここでA、X、n及びpは上記で与えられた意味を有し、LnはY、La、Gd、Lu又はこれらの元素の混合物から選択され、Ln’はCeまたはPrのようなドーパントであり、そしてxは0.01以上1未満であり、より一般的には0.01〜0.9の範囲にある。本発明の範囲内で特に興味深いものは以下の特徴と結びつく材料である。
−AはLi、Na及びCsから選択され;
−LnはY、La、Gd、Lu又はこれらの希土類の混合物から選択され、さらにとりわけLnはLaであり;
−Ln’はCeであり;
−XはF、Cl、Br、I又はこれらのハロゲンのいくつかからなる混合物、特にClとBrの混合物又はBrとIの混合物、から選択される。
【0015】
本発明による無機シンチレーター材料はウラン及びトリウムの娘元素を含有するが、それはこれらの元素からのアルファ放射に起因する放射能が0.7Bq/cc未満となる程、十分少ない。(それゆえこれらのウラン及びトリウムからの娘元素を、十分少量でだけ、含んでも良い。)この材料を合成するために使用される希土類塩は、ウラン及びトリウムの娘元素をそこから抽出することを意図した精製プロセスを受けてもよい。それは概して単結晶の形態である。この単結晶は大きくてもよく、例えば少なくとも1cm、又は少なくとも10cm及び少なくとも200cmすらあってもよい。この単結晶はその後カットして意図する用途に好適な寸法にしてもよい。
【0016】
本発明による材料は、被覆質量または厚み測定のための産業で特に使用される検知器のための、核医療、物理、化学及び石油探索の分野での、シンチレータとして特に好適である。その感度ゆえに、それは放射性原料の痕跡の探査のために、例えば放射線防護において及び危険な又は不法な材料の探査において、特に好適である。
【実施例】
【0017】
以下の例において、サプライヤーは下記より選択した。
【0018】
多様なサプライヤーからのLa粉末の試料120gを使用した。(注、同じ化学化合物を別のものと比較することが常に必要である。)30〜130keVの範囲のX線放出を16時間カウントした。結果は以下の通りであった:
サプライヤーA: 640 584カウント;
サプライヤーB: 525 578カウント;
サプライヤーC: 496 912カウント。
【0019】
計測したカウントの大部分はゲルマニウム検知器の環境に由来するものであったが、この放射能はこの3つの測定の間一定であった。関心のあるものはそれゆえこのスペクトル間の差異である。
【0020】
その後同じバッチのランタン酸化物を使用して無水ランタンハロゲン化物を作った。
【0021】
例1(比較例)
オーストラリアのモナザイトから抽出されそしてRhodia社によって供給されたサプライヤーAからのランタン酸化物から出発し、10kgの無水LaClを合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
この無水LaClを溶融した。Bridgman法又はCzochralski法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。その後12mmx12mmの筒状検知器を製造し、それからそのバックグラウンドノイズを鉛室で1.5〜2.5MeVのガンマ線に相当する、すなわち5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは14Bq/ccの放射能に相当した。
【0022】
例2(比較例)
オーストラリアのモナザイトから抽出されそしてRhodia社によって供給されたサプライヤーAからのランタン酸化物から出発し、10kgの無水LaBrを合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
この無水LaBrを溶融した。Bridgman法又はCzochralski法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。次に、これらの結晶のバックグラウンドノイズを1.45〜2.3MeVのガンマ線に相当する、すなわち5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは14Bq/ccの放射能に相当した。
【0023】
例3
南中国の粘土質の鉱石から抽出したサプライヤーBからのランタン酸化物から出発し、10kgの無水LaClを合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
この無水LaClを溶融した。Bridgman法又はCzochralski法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。次に、これらの結晶のバックグラウンドノイズを1.5〜2.5MeVのガンマ線に相当する、すなわち5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは0.02Bq/ccの放射能に相当した。
【0024】
例4
南中国の粘土質の鉱石から抽出したサプライヤーBからのランタン酸化物から出発し、10kgの無水LaCl及び10kgの無水LaBrを合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
次に、組成物La(Cl0.1、Br0.9を得るために、このLaCl10gをLaBr90gと混合した。Bridgman法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。次に、これらの結晶のバックグラウンドノイズを1.45〜2.3MeVのガンマ線に相当する、すなわち5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは0.02Bq/ccの放射能に相当した。
【0025】
例5
南中国の粘土質の鉱石から抽出したサプライヤーCからのランタン酸化物から出発し、10kgの無水LaClを合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
この無水LaClを溶融した。Bridgman法又はCzochralski法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。次に、これらの結晶のバックグラウンドノイズを1.5〜2.5MeVのガンマ線に相当する、すなわち5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは0.03Bq/ccの放射能に相当した。
【0026】
例6
南中国の粘土質の鉱石から抽出したサプライヤーCからのランタン酸化物から出発し、10kgの以下の無水組成物:La(Cl0.99、Br0.01を合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
この無水LaClを溶融した。Bridgman法又はCzochralski法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。次に、これらの結晶のバックグラウンドノイズを1.5〜2.5MeVのガンマ線に相当する、すなわち5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは0.03Bq/ccの放射能に相当した。
【0027】
例7
南中国の粘土質の鉱石から抽出したサプライヤーBからのランタン酸化物から出発し、1kgのKLaIを出願明細書WO 2004/050792に記載されたプロセスに基づいて合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
次に、このKLaI100gをCeI5gと混合した。Bridgman法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。次に、これらの結晶のバックグラウンドノイズを5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは0.02Bq/ccの放射能に相当した。この合成物中の1.4MeVにあるカリウムのピークがよく画定された。それ(カリウムピーク)は、ウラン及びトリウムの系列のアルファ放射能により、このバルク複合体よりもこの用途においてほとんど問題とならなかった。
【0028】
例8
南中国の粘土質の鉱石から抽出したサプライヤーBからのランタン酸化物から出発し、10kgの無水LaFを合成した。この塩のウラン含有量は<0.005ppm(GD−MSによる計測)であった。
この無水LaFを溶融した。Bridgman法又はCzochralski法のような通常の成長法を使用して結晶を得た。次に、これらの結晶のバックグラウンドノイズを5〜8MeVのアルファ線に相当するエネルギー領域内で測定した。測定したバックグラウンドノイズは0.02Bq/ccの放射能に相当した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式ALn(3p+n)からなる無機シンチレーター材料であって、ここでLnは一以上の希土類を表し、Xは一以上のハロゲン原子(F、Cl、Br又はIから選択される)を表し、そしてAは一以上のアルカリ金属(例えばK、Li、Na、Rb又はCs)を表し、n及びpは、n(これは0でもよい)が2p以下であり、かつ、pが1以上であるような値を表し、
ウラン及びトリウムの娘元素の含有量が、これらの元素からのα放射に起因する放射能が0.7Bq/cc未満であるほど十分低いことを特徴とする、無機シンチレーター材料。
【請求項2】
化学式ALnp−xLn’(3p+n)を有し、ここでLnはY、La、Gd、Lu又はこれらの元素の混合物から選択され、Ln’はCe及びPrから選択され、そしてxが0.01以上であるが1未満であることを特徴とする請求項1に記載された材料。
【請求項3】
xが0.01〜0.9の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載された材料。
【請求項4】
LnがLaでありそしてLn’がCeであることを特徴とする請求項2又は3のいずか1項に記載された材料。
【請求項5】
nが0であることを特徴とする請求項1〜4のいずか1項に記載された材料。
【請求項6】
XがCl及びBrの混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずか1項に記載された材料。
【請求項7】
XがBr及びIの混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずか1項に記載された材料。
【請求項8】
単結晶の形態であることを特徴とする請求項1〜7のいずか1項に記載された材料。
【請求項9】
少なくとも10cmの体積を有することを特徴とする請求項8に記載された材料。
【請求項10】
少なくとも200cmの体積を有することを特徴とする請求項9に記載された材料。
【請求項11】
該材料を合成するために使用した希土類塩がイオン性の南中国鉱石に由来することを特徴とする請求項1〜10のいずか1項に記載された材料。
【請求項12】
該材料を合成するために使用した希土類塩がウラン及びトリウムの娘元素をそこから抽出することを意図した精製プロセスを受けていることを特徴とする請求項1〜11のいずか1項に記載された材料。
【請求項13】
ウラン及びトリウムの娘元素を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずか1項に記載された材料。
【請求項14】
請求項1〜13のいずか1項に記載された材料を製造する方法であって、
Ln源の原材料としてLn酸化物を含み、これ(該Ln酸化物)が含むウラン及びトリウムの娘元素が、これらの元素からのα放射に起因する該材料の有する放射能が0.7Bq/cc未満であるほど十分少ない量である、製造方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずか1項に記載されたシンチレーター材料を含んでなる検知器。
【請求項16】
請求項15に記載された検知器の使用であって、
被覆質量又は厚さ測定のための、又は核医療、物理、化学及び石油探索の分野における、放射線防護での放射性材料の痕跡の探査(search for traces)における又は危険な若しくは不法な材料の探査における、使用。

【公表番号】特表2007−532746(P2007−532746A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507825(P2007−507825)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050231
【国際公開番号】WO2005/103760
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(504455713)
【Fターム(参考)】