説明

核放射断層画像ガイダンスを使用する組織介入

身体部分の病変にマーキングする方法及び装置を提供する。本方法は、身体部分の第1核放射撮影画像を取得するステップと;病変の位置を第1画像から求めるステップと;カニューレを、求めた位置に経皮挿入するステップと;放射性物質を密封したワイヤをカニューレに挿入するステップと;ワイヤを所定の位置に保持しながらカニューレを引き抜くステップと;そして身体部分の第2核放射撮影画像を取得するステップと、を含む。第2画像は病変の位置に関するデータ、及びワイヤの位置に関するデータを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年6月21日出願の「核放射断層画像ガイダンスを使用する組織介入」と題する米国仮特許出願第60/692,243号の利益を主張するものであり、この特許文献の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、癌病変を検出し、そして癌病変を描出する装置及び方法に関し、更に詳細には、癌病変をガンマ線または他の放射線を使用して早期に効果的に、かつ低コストで検出して画像データを取得する装置及び方法に関する。更に、本発明は、コントラスト材料を医療器具に送り込んで、材料を撮像装置で観察することができるようにする操作に関するものであり、特にコントラスト強調剤としての放射性物質を、組織マーキング、採取、切除、または治療に使用される医療器具に送り込んで、放射性物質を核放射撮像装置(nuclear−emission imaging equipment)で観察することができるようにする操作に関するものである。
【背景技術】
【0003】
癌は多くの人々にとって大きな脅威であり、かつ関心事である。疑わしい病変または癌病変の早期発見及び完全治療によって長期生存率が向上することが判明している。磁気共鳴撮像(MRI)、x線、及び超音波のような医療用画像モダリティ(医療用画像における撮画手段)は、触診で触知できない小さな病変を検出するために多くの場所に展開されている。一旦、検出されると、病変の組織サンプルまたは生検サンプルは、これらの医療用画像モダリティの内の一つ以上の医療用画像モダリティからの位置情報を使用して採取される。次に、組織サンプルを癌の有無に関して分析して、病変に治療を行なう必要かどうかを判断する。病変に治療(例えば、切除、焼灼、または放射線照射)を行なう必要であることが判明する場合、医療用画像モダリティからの位置情報を適宜使用して、病変の境界の位置を特定して、組織を必要以上に治療してしまうことがないようにする。
【0004】
画像による位置特定を利用して、疑わしい組織または癌組織にマーキングし、組織を採取し(すなわち、生検)、そして治療する(例えば、切除、焼灼、放射線照射、または毒素)非常に多くの器具が存在する。これらの器具の各々は、一つ以上の医療用画像モダリティが検出することができる信号を生成する。この信号を使用して、器具が疑わしい組織に対して正しい位置に位置していることを確認することができる。
【0005】
マーキング装置及び方法の一つの例が共有ワイヤ留置生検であり、この場合、x線を通さないガイドワイヤを使用して、x線または超音波によって検出される触診で触知できない病変の部位を特定して、次の生検または切除を行なう。孔の空いた先の尖った先端を持つ中空針を経皮的に、疑わしい組織の中に、または近傍に、x線または超音波で位置決めすることにより挿入する。通常、バネ式アンカーフックを先端に有するガイドワイヤを次に針に挿入し、そしてアンカー先端が針の遠位端から飛び出すまで押し込まれ、アンカー先端が飛び出すポイントで、フックを引っ掛けてワイヤの逆方向の移動を食い止める。次に、針を引き抜いて、ガイドワイヤを所望位置に留置する。病変に対するワイヤの最終位置は、次のx線観察または超音波観察により決定され、そして確認される。次に、ガイドワイヤを手術において病変の位置の物理的表示として利用して、生検または切除のガイドを行なう。ガイドワイヤ(群)の位置が病変の位置を正確に表示して、確実に正しい組織サンプルが分析のために採取される、または確実に、病変の境界が正確に表示されて病変の完全な切除が複雑さ、瘢痕化、及び変形を最小限に抑えながら行なわれることが重要である。
【0006】
撮影することにより検出され、かつ触診で触知できない病変の位置を特定するために使用される採取器具または生検器具及び方法の別の例は、共通映像誘導下でコア生検針をガイドする手順である。コア生検針は侵襲を最小に抑えた組織採取器具であり、この組織採取器具は、x線、超音波、またはMRIによる位置決めに基づいて疑わしい組織に経皮挿入することができる。針は開口または採取窓を有し、開口または採取窓を利用して、病変に対する針の位置がx線、超音波、またはMRI撮影によって確認された後に組織を捕捉し、そして取り除く。採取窓の位置が疑わしい組織の内部に在って、または疑わしい組織のすぐ傍に隣接して、正しいサンプルが分析のために確実に採取されるようにすることが重要である。
【0007】
米国特許第6,840,948号及び米国特許第6,855,140号はここで参照することにより、これらの特許文献の両方の内容が本明細書に組み込まれるが、これらの特許文献の中で、Albrechtらは、癌病変を切除によって治療する方法及び器具の例を開示している。これらの2つの特許の開示内容には、病変を映像ガイドの下に原型を維持したまま取り除く手段が記載されている。回転電極を組織に挿入し、そして病変に隣接するように位置決めして、電極を回転させることにより、電極が病変を包み込み、当該病変を周囲の組織から分断して原型を維持したまま取り除くことができるようにする。撮影を利用してプローブの留置を容易にし、かつ所望の切除容積を見積もる。癌組織をこの方法を使用して確実に完全に取り除くためには、電極を病変の直ぐ傍に隣接するように位置決めし、そして切除前の撮影によって留置を確認することが重要である。
【0008】
これらの方法の各々の有効性は、疑わしい組織を描出し、かつ当該描出組織に対する器具の位置を表わす、x線、超音波、及び場合によってはMRIを含む画像による位置特定の精度によって決まる。従って、位置特定、及びこれに伴なう当該位置特定を利用する手順が上首尾に行なわれるかどうかは、画像モダリティの診断精度によって大きく変わる。
【0009】
核医学技術は、人体の生化学的機能を測定するように適合させている。陽電子放射断層撮影法(PET)として知られるこれらの方法の内の一つの方法では、陽電子放射性同位元素(放射性トレーサー)が取り込まれている状態のグルコースまたは脂肪酸のような物質を投与した後に、組織から放出されるガンマ線を検出する。コンピュータアルゴリズムは、陽電子及び電子の衝突によって発生するガンマ線の経路を解明し、そして結果として得られる断層像は、撮影された組織の内部の同位元素の分布を表わす。
【0010】
PETによって、人体の基本的な生化学または機能の画像が生成される。x線、x線コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、またはMRIのような従来の診断技術によって、人体の解剖学的構造の画像が生成される。これらの技術では、構造または解剖学的構造において発病とともに発生する変化を観察することができる場合に、病気を検出することができる。
【0011】
生化学プロセスも発病とともに変化し、そして生化学プロセスは、検出可能な変化が解剖学的構造全体に発生する前に生じ得る。PETは撮影法であり、この撮影法を使用して変化するこれらのプロセスの或る部分を可視化する。PETは、臨床医の診断ツールボックスに付加される非常に有用な手段であり、従来の診断法よりも遥かに進歩した手段となる。
【0012】
癌細胞の撮影では、放射性トレーサーのフルオロデオキシグルコースの投与を利用するPET(すなわち、PDT−PET)が、組織内のグルコース代謝速度を測定する方法である。グルコース代謝の亢進は多くの場合、腫瘍過程に関連付けられる。PDT−PETは、グルコース代謝の亢進を測定する方法が、癌を最も早期に見つける方法の一つであるので、臨床診断治療の標準的な手法になってきている。
【0013】
身体部分を固定した状態で、そして/または圧迫した状態で撮影する可撓性器具の先行技術バージョンは、一つの検出器ヘッドを身体部分の上方に、そして一つの検出器ヘッドを身体部分の下方に用いている。これらの構成によって高空間分解能が、検出器ヘッドと放射線源との間の距離を最小にして、非共線性誤差を小さくすることにより得られ、そして同じようにして、単位検出器面積当たりの放射線検出感度が放射線源からの距離の2乗が小さくなるにつれて大きくなるという現象に起因して計数感度が高くなる。
【0014】
可撓性器具の先行技術バージョンは、部品コストの節約を可能にし、かつユーザによる身体部分への取り付け操作を容易にする検出器ヘッドの移動を特徴としていた。部品コストが小さくなる、というのは、放射線源によって放出される放射線に対するデータ収集ジオメトリの感度が非常に高いので、身体部分の全面を検出器材料で覆う必要がないからである。取り付け操作は、一旦、検出器が十分な情報を収集して高信頼度画像を形成してしまうと、検出器が邪魔にならないように検出器の場所を移動させることにより容易になる。窓は、一旦、検出器ヘッドを、ヘッドが邪魔にならないようにその場所を移動させると、ここの窓によってユーザが身体部分にマーキングすることができる、または介入手順をまたは診断手順を行えることを特徴とする。
【0015】
計測線の容積データは、複数の検出器ヘッドによって収集される、というのは、一方の検出器ヘッドの一つのエッジに衝突する計測線は身体部分を横切って他方の検出器ヘッドの対向エッジに衝突するからである。組織の或る領域を通過する複数のこのような対角計測線及び/又は傾斜計測線は、調査対象の身体部分における放射線源の深さ、及び強度に関する情報を提供する。
【0016】
上に説明したように、器具を疑わしい組織に対して正しい方向に向けるときの精度は、この操作に続く手順を上首尾に行なうために非常に重要となる。従って、生検のような効果的な介入を行なうためには、ターゲット(例えば、疑わしい腫瘍)及び介入器具(例えば、生検針、カニューレ)の両方を観察すると有用である。ほとんどの介入器具は放射線を放出することがないので、これらの器具はPET画像では見ることができない。従って、介入器具、及び異常組織の領域をPETスキャナで同時に撮影する方法を開発することが望ましい。
【0017】
米国特許第5,647,374号はここで参照することにより、この特許文献の内容が本明細書に組み込まれるが、この特許文献は、撮影が可能な先端に放射性物質を有するチューブを備えるスタイラスについて説明しており、このスタイラスは針の内部に収容される。従って、針で人体表皮を穿刺するときに、針の先端の画像をガンマ線(放射線としても知られる)撮影を利用して追跡することができる。スタイラスの先端であって、放射性物質を含む先端の位置を、先端が疑わしい組織の領域に近づくときに見積もって、先端を正確に病変内に位置させることができる。次に、スタイラスを取り外し、そしてガイドワイヤを針の内部に導いて押し込む。この方法の一つの不具合は、一旦、スタイラスを取り外すと、疑わしい組織に対するガイドワイヤの位置、または次に位置決めされるいずれかの器具の位置が正しいことを確認することができなくなることである。この方法の別の不具合は、放射性物質を含むスタイラスデバイスが点放射源しか含まないことである。従って、疑わしい組織に対するスタイラスの軸の位置が正しいことを、放射性核薬剤からの放射を撮影する方法(nuclear−emission imaging)で確認することができない。これは、一つよりも多くの可視ポイントを必要とする手順において不利となる。一つよりも多くの可視ポイントは、例えばスタイラスの向きが正しいことを示すために必要になる可能性がある。単一の放射線ポイントが複数の放射線ポイントまたは放射線ラインよりも効果的ではなくなる他の状況が発生し得る。例えば、一つよりも多くの放射線ポイントをスタイラスに設けて、放射性物質を含むスタイラスに対する相対的な病変の大きさが正しいことを確認すると有用である。この構成は病変一括切除手順(例えば、1997年刊行のSilversteinによる「乳房の非浸潤性乳管癌」と題する記事を参照されたく、この非特許文献の内容をここで参照することにより、当該内容が本明細書に組み込まれる)において有用であり、この手順では、病変の外周を、病変の外周、深さ、及び位置の全てを明確にする複数のワイヤで画定する。更に、放射線ポイントがスタイラスに一つしかない場合、一旦、放射線ポイントが組織の異常領域に入ってしまうと、当該ポイントをPET画像で観察することができない。従って、複数の放射線ポイントを設けることにより効率的な冗長性を実現することができる。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/692,243号
【特許文献2】米国特許第6,840,948号
【特許文献3】米国特許第6,855,140号
【非特許文献1】1997年刊行のSilversteinによる「乳房の非浸潤性乳管癌」と題する記事
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
利点をもたらす形で、一の態様では、本発明は、陽電子放射断層撮影法を使用して身体部分の病変に関する位置データを取得する方法を提供する。本方法は、身体部分から放出されるガンマ線を検出するステップと;そして検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップと、を含む。本方法は更に、放射線源を身体部分に注入するステップを含む。放射線源を身体部分に注入するステップは:中空チューブに放射線源を充填するステップと;チューブを身体部分に挿入するステップと;チューブを病変の近傍に固定するステップと;そして放射線源を放出するステップと、を含む。放射線源は2[F−18]フルオロデオキシグルコースを含む。検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップは:少なくとも2つの検出器ヘッドを使用してガンマ線を検出するステップと;同時計数タイミングウィンドウを使用して計測線を求めるステップと;そして計測線を使用して、身体部分における陽電子放射線源の分布の表示を形成するステップと、を含む。
【0019】
別の態様では、本発明は、核放射断層画像ガイダンスを使用して身体部分の病変に関する位置データを取得する方法を提供する。本方法は、身体部分から放出されるガンマ線を検出するステップと;そして検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップと、を含む。本方法は更に、或る量の放射性薬剤を身体部分に注入するステップを含む。或る量の放射性薬剤を身体部分に注入するステップは、中空チューブに放射性薬剤を充填するステップと;チューブを身体部分に挿入するステップと;チューブを病変の近傍に固定するステップと;そして放射性薬剤を放出するステップと、を含む。放射性薬剤はFDG及びセスタミビから成るグループから選択される。別の構成として、放射性薬剤は放射性同位元素線源を含み、放射性同位元素はナトリウム−22、ゲルマニウム−86、及びコバルト−57から成るグループから選択される。検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップは、少なくとも2つの検出器ヘッドを使用してガンマ線を検出するステップと;同時計数タイミングウィンドウを使用して計測線を求めるステップと;そして計測線を使用して、身体部分における核放射線源の分布の表示を形成するステップと、を含む。
【0020】
更に別の態様では、本発明は、圧迫される、そして/または固定される身体部分に関する画像データを取得する陽電子放射断層撮影(PET)走査システムを提供する。本システムは第1検出器ヘッド及び第2検出器ヘッドを含む。第1及び第2検出器ヘッドの各々は、身体部分から放出されるガンマ線に対する感度が高い材料を含む。第1及び第2検出器ヘッドによって検出される信号を同期ゲーティングする。同期ゲーティングした結果を使用して画像データを求める。介入手順キットはPET走査システムと連動させて使用することができる。介入手順キットは第1ワイヤ及び第2中空ワイヤを含み、第1ワイヤには放射性物質を充填し、次に圧着して密封放射線源を形成することができ、そして第2中空ワイヤの中には、第1ワイヤを挿入することができる。第1ワイヤは、第1ワイヤを身体部分の内部の或る位置に固定する固定屈曲部または固定用棘突起部を含む。放射性物質は2[F−18]フルオロデオキシグルコースを含む、または別の構成として、放射性物質はFDG及びセスタミビから成るグループから選択される放射性薬剤を含む。別の形態では、放射性物質は放射性同位元素線源を含み、放射性同位元素はナトリウム−22、ゲルマニウム−86、及びコバルト−57から成るグループから選択される。
【0021】
本発明の更に別の態様では、身体部分の病変にマーキングする方法が提供される。本方法は、身体部分の第1放射撮影画像を取得するステップと;病変の近似位置を第1画像から求めるステップと;カニューレを、求めた前記近似位置に経皮挿入するステップと;放射性物質を密封したワイヤをカニューレに挿入するステップと;ワイヤを所定の位置に保持しながらカニューレを引き抜くステップと;そして身体部分の第2核放射撮影画像を取得するステップと、を含む。第2画像は病変の位置に関するデータ、及びワイヤの位置に関するデータを含む。放射性物質は2[F−18]フルオロデオキシグルコースを含む、または放射性物質はFDG及びセスタミビから成るグループから選択される放射性薬剤を含む。別の形態では、放射性物質は放射性同位元素線源を含み、放射性同位元素はナトリウム−22、ゲルマニウム−86、及びコバルト−57から成るグループから選択される。
【0022】
更に別の態様では、本発明は、核放射断層画像ガイダンスを使用して身体部分の内部の組織の一部分の病変に対する介入を可能にする方法を提供する。本方法は、組織の一部分の第1核放射断層撮影画像を取得するステップと;組織の一部分の空間座標を求めるステップと;求めた前記空間座標を使用して放射性マーカの所望の位置及び向きを求めるステップと;組織の一部分の第2核放射断層撮影画像であって、放射性マーカの所望の位置及び向きに関するデータを含む第2核放射断層撮影画像を取得するステップと;そして介入器具を第2断層撮影画像を使用して位置決めするステップと、を含む。本方法は更に、第1断層撮影画像を使用して、放射性マーカが第2断層撮影画像において正しく位置し、そして向いているかどうかを判断するステップと;そして放射性マーカが正しく位置し、そして向いていることがないと判断される場合に、放射性マーカの位置または向きを調整し、そして組織の内、放射性マーカの調整済み位置及び向きに関するデータを含む部分の更に別の核放射断層撮影画像を取得するステップと、を含む。本方法は更に、放射性マーカを取り除くステップを含む。
【0023】
本方法は更に、放射性マーカを介入器具に貼り付けるステップを含む。本方法は更に、介入操作を開始するステップと;そして更に別の核放射断層撮影画像を介入中に取得するステップと、を含む。本方法は更に、介入操作を開始するステップと;介入を完了するステップと;そして更に別の核放射断層撮影画像を介入後に取得するステップと、を含む。
【0024】
別の構成として、本方法は更に、放射性マーカを介入器具の内部に収容するステップを含む。本方法は更に、介入操作を開始するステップと;そして更に別の核放射断層撮影画像を介入中に取得するステップと、を含む。本方法は更に、介入操作を開始するステップと;介入を完了するステップと;そして更に別の核放射断層撮影画像を介入後に取得するステップと、を含む。
【0025】
本発明の更に別の態様では、圧迫される、そして/または固定される身体部分に関する画像データを取得する核放射断層撮影システムが提供される。本システムは、放射性マーカが充填されたワイヤと;そして核からの放射線放射のデータを検出する装置と、を備える。ワイヤを身体部分の病変の近傍に位置させたときに、システムは画像データを供給して介入器具の位置、及び向きを決め、病変に対する介入操作を可能にするように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の目的は、核放射断層撮影画像でガイドされる介入を、組織からの放射を検出する機能を有する撮像装置を使用して可能にする方法及び装置を提供することにある。好適には、撮像装置は、空間座標を提供する機能も有する、または圧迫される、そして/または固定される、或いは圧迫されない、そして/または固定されない組織を含む疑わしい組織の空間位置を明示する機能も有する。
【0027】
従って、本発明は、核放射断層撮影画像でガイドされる介入を可能にする方法を提供する。本方法は、核放射断層撮影装置を使用するステップと;疑わしい組織の空間座標を求めるステップと;そして放射性マーカを、疑わしい組織に対する位置及び向きに位置決めして、介入を実行することができるようにするステップと、を含む。次に、前に、かつ同時に特定された疑わしい組織に対する放射性マーカの位置及び向きを明示する新規画像が生成され、新規画像を使用して、放射性マーカの位置及び向きが次の介入に関して正しいことを確認する。当該位置が予定通りの位置ではない場合、放射性マーカの位置を変え、次に撮影し直して新規の位置を確認する。このプロセスは、正しい位置が得られるまで多くの回数繰り返すことができる。一旦、正しい位置が得られると、介入を実行することができる。この介入では、放射性マーカを取り除き、そして介入器具を予め求めたマーカ位置に従って位置決めする。別の構成として、放射性マーカを介入器具に貼り付ける、または介入器具の内部に収容することができ、この場合、介入は放射性マーカを取り除くことなく行なうことができる。更に別の忠実な画像を生成して、介入器具に貼り付けられた、または介入器具の内部に収容される放射性マーカの位置及び向きを介入手順の間に、そして後に明示することができ、当該位置及び向きを使用して介入の処置(経皮乳腺腫瘤摘出または生検による放射能組織の除去のような)、または病変に対する棘状位置決めワイヤの位置を特徴付けることができる。
【0028】
本発明は更に、核放射断層撮影画像でガイドされる介入を可能にするように構成される装置を提供する。本装置は:1)定位固定法(以下に更に説明する)、またはワイヤ/器具を繰り返し位置決めし、そしてワイヤ/器具、及び疑わしい組織に対するワイヤ/器具の位置を撮影する段階的方法のいずれかを使用して手動で位置決めすることができる充填ワイヤ(または他の器具)を含む。段階的手法により、空間座標が必要ではなくなる、というのは、超音波画像でガイドされる介入に際して通常行なわれるように、疑わしい組織に対するワイヤ/器具の相対位置を直接かつ十分に可視化することができるからである。
【0029】
別の構成として、ワイヤ/器具は、定位固定法を使用して手動で位置決めすることができる。本方法によって、定位固定フレームを疑わしい組織に隣接するように位置決めすることができる。定位固定フレームによって、トロカール、放射線位置決めオプチュレータ、または放射線位置決めトロカールを、疑わしい組織に対する所望位置に位置決めすることができる。この方法は、乳房撮影用途に、そして磁気共鳴撮像(MRI)用途にも有用となり得る。
【0030】
本発明の一の態様では、複数の検出器ヘッドが、陽電子放射トレーサーが浸透した、圧迫された又は固定された身体部分の両側に配置される。2つの検出器ヘッドは、固定したままとすることができる、または同じ方向に線源を横切るように移動させることができる。これらの検出器ヘッドは送りネジに取り付けられる。z方向はこれらの検出器ヘッドの間の方向として定義される。陽電子消滅により発生するガンマ線が身体部分から放出され、そして電気パルスに検出器ヘッド内で変換され、電気パルスはデータ獲得システム及びコンピュータによって収集される。ガンマ線が検出器ヘッドにおいて、身体部分の異なる側で同時計数タイミングウィンドウ内で検出されると、コンピュータはこの検出ガンマ線を、これらの検出器ヘッドの上の検出位置を結ぶ計測線として解釈する。計測線は、検出イベントのタイミングに関する情報と一緒に使用して、身体部分における陽電子放射線源の分布の画像または他の表示を形成することができる。
【0031】
別の態様では、本発明は、容器またはホルダを組み込んで、放射線源を介入器具に収容して放射性信号を発し、この放射性信号に基づいて、介入器具の位置及び向きを、核放射断層撮影法を使用して求めることができる方法を提供する。好適な実施形態では、容器を設けて介入器具に組み込む、または取り付けることにより、液体放射性薬剤の合計患者投与量のごく一部分を収容することができる。
【0032】
通常の核医学手順では、患者投与量の放射性薬剤(例えば、FDGまたはセスタミビ)は臨床医に資格ある放射性医薬品薬局によって配布される。殺菌薬剤を標準の雌型ルアー継手を利用するシリンジに収容して、針を取り付けて非経口投与を行なう。この患者投与量の内のごくわずかな部分を割り当てて、介入器具に検出可能な量の放射性同位元素を充填することができる。放射性同位元素の濃度を指示して、または希釈して、当該物質の容積固有の放射強度を調整し、充填された介入器具からの信号を最適化して病変及び器具の位置が同時に明らかになるようにすることができる。別の構成として、充填物質を保持する介入器具の容器を特殊構造にして、標準的な形で供給される放射性同位元素希釈物に適合させて、放射性薬剤投与量のごくわずかな部分を割り当てて介入器具に充填することができるようにする。
【0033】
患者投与量の一部分を利用する一つの利点は、核放射断層撮影装置のパラメータを、この放射性同位元素を撮影するために既に、特殊な放射特性(例えば、エネルギーピーク)によって最適化されていることであり、これによって、介入器具に収容される放射性同位元素を容易に撮影することができることである。別の手法では、Na22,Ge86,またはCo57のような長寿命の放射性同位元素を使用して介入器具に充填すると、同一ではないが、同様の放射特性を有することができる。
【0034】
放射性同位元素の患者投与量の一部分を利用する別の利点は無菌状態を維持することができることである。多くの介入器具が無菌状態で提供される。従って、無菌充填法及び無菌的な放射性薬剤を使用することにより、無菌状態にするための余分のステップを必要としない手順調整済みの器具を提供することができる。
【0035】
放射性同位元素の患者投与量の一部分を利用して介入器具に充填する別の利点は、放射線源のハンドリングが安全であり、かつ簡単であることである。例えば、Na22,Ge86,またはCo57のような長寿命の放射線源は、容易に埋立地に廃棄するということができず、かつ原子力規制委員会ガイドラインに従って保管する必要がある。患者投与量と同じ速度で減衰するFDGまたはセスタミビのような、わずかな量の短寿命の放射線源は、組織サンプルに適用される制御を超えるような施設制御を必要としない、というのは、放射線源は、疑わしい組織を特徴付けるために使用される、わずかな同様の量の放射線しか含まないからである。従って、短寿命の放射性同位元素が充填された介入器具は普通、短い減衰時間が経過した後に、生物学的な非核廃棄物として廃棄することができる。
【0036】
放射性同位元素の患者投与量の一部分を利用して介入器具に充填する別の利点は、一旦、患者に対する投与量が指示されると、介入器具に指示投与量のほんの一部分を充填するためには、たいしたコストが掛からないことである。例えば、通常のFDG−PET検査では、5〜30miliCurie(ミリキューリー)のFDG患者投与量を使用し、器具に充填するために必要な放射能物質は、患者投与量のせいぜい1/500に過ぎない、たった1〜10miliCurieであるので、疑わしい組織を不明瞭にすることなく十分な強度の信号を供給することができる。これとは異なり、Na22,Ge86,またはCo57のような通常の長寿命の密封放射線源は数百ドルまたは数千ドルの値段であり、そしてこれらの放射線源が減衰量の許容範囲を超えて減衰して撮影に使用できなくなると、取り替える必要がある。
【0037】
放射性同位元素の患者投与量の一部分を利用して介入器具に充填する別の利点は、非経口の液体放射性同位元素は、それを収納する容器の形状になる能力を有するから、種々の器具及び構造に、適用されることができ、そして液体放射性同位元素によって信号が供給され、この信号を使用して器具の位置及び向きを求めることができることである。
【0038】
放射性同位元素の患者投与量の一部分を利用して介入器具に充填する別の利点は、器具の製作では、放射性物質をハンドリングすることがない、または取り込むことがないことである。多くの介入器具に最小限の変更を加えて小型容器を収容するようにすることができ、この容器には、ヘルスケア施設内の放射性物質封じ込め作業現場の中で容易に充填することができる。
【0039】
放射性同位元素の患者投与量の一部分を利用して介入器具または埋め込み器具に充填する別の利点は、長寿命の放射性同位元素ではなく、短寿命の放射性同位元素を使用することにより、有害な影響をもたらす恐れのある放射線に長時間に渡って曝されて、例えば、長寿命の放射性同位元素によって引き起こされる癌になる現象を無くすことができることである。
【0040】
別の構成として、位置センサ、または放射性同位元素を含む密封線源は介入器具に、永久的に、または一時的に組み込む、または取り付けることにより信号または信号群を供給することができ、信号または信号群を使用して器具の位置及び向きを核放射撮像装置で求めることができる。
【0041】
図14及び図15を参照すると、介入器具を位置決めし、そして器具の向きを決める別の選択肢では、放射能線状線源21を位置決めオプチュレータの内部に密封することができ、オプチュレータはオプチュレータ本体22及びキャップ23を含む。この選択肢はフックを含まないが、この選択肢によって、線状線源21を介入の前及び後に挿入し、そして取り外すことができる。この位置決め選択肢は簡易セットの部品と連携動作して、病変位置のソフトウェア分析結果によってガイドされる線状線源21を位置決めし、そして線状線源の向きを決める。
【0042】
上の説明から、本発明の目的は次の項目の内の一つ以上の項目を実現することにある:
1.核放射撮像装置を使用して撮影することができる疑わしい組織にマーキングする介入器具であって、この疑わしい組織を使用することにより介入をガイドすることができる介入器具。
2.介入器具に一つ以上の放射線源を充填して器具の位置及び向きを核放射撮像法を使用して求めることができる方法。
3.介入器具に正確な用量の放射線を入れて介入器具を送り込んで、放射線を核放射撮像装置によって容易に撮影することができ、かつ器具が、放射標識した疑わしい組織の邪魔になることがないようにする安全性の高い簡易方法。
4.介入器具に、ほとんどを廃棄することができ、かつ非常に安価な放射線源を充填する方法。
5.介入器具に、非常に安全性が高く、かつ製造及び/又は取り付け、及び/又は挿入が容易な放射線源を充填する方法。
6.無菌状態を維持しながら、無菌介入器具に或る用量の放射線を入れる方法。
7.介入器具に、校正済みの長寿命の放射線源に対する規制制御が必要ではない所望用量の放射線を入れる方法。
8.介入器具に、長期間の放射線被爆の恐れを招くことなく永久に埋め込んだままとすることができる短寿命の放射線源を入れる方法。
9.生体内で利用されるように設計される種々の器具構造に適用することができる方法。このような生体内挿入器具構造の例として、例えばカニューレ、経皮的組織切除器具、近接照射療法による核種注射液を押し出すイントロデューサ、及び生検位置マーカを挙げることができる。
【0043】
本発明において説明される方法及び器具は、これらの態様において先行技術よりも優れた利点をもたらす。本発明の他の目的、特徴、及び利点は、この技術分野の当業者には、以下の詳細な記述を一読することにより明らかになる。しかしながら、詳細な記述及び特定の例は、本発明の好適な実施形態を示しながら、例示として提示されるのであり、本発明を制限するものではないことを理解されたい。本発明の技術範囲に含まれる多くの変更及び変形は、本発明の技術思想から逸脱しない限り加えることができ、そして本発明はこのような全ての変形を包含する。
【0044】
本発明は、介入を行なうために組織の位置をガンマ線(核放射線としても知られる)撮像方法を使用して特定する方法及び器具を包含する。これらの方法及び器具の目的は、外部検出器が検出することができる信号または一連の信号を供給して、核放射撮影法によって介入手順の前に、そして/または間に、そして/または後に位置を検出することにある。本方法では、新型器具及び従来型器具に取り込むことができる放射性同位元素の容器またはホルダを提供する。容器またはホルダの中の放射性同位元素の形状は、放射標識した組織と容易に区別することができて、放射性同位元素が放射標識した組織と混同されない、または放射標識した組織を見え難くすることがなく、この場合、生物学的撮像プロセスは放射標識した組織によって、器具を送り込んでいる間に、そして/または器具を送り込んだ後に表示されるように構成される。
【0045】
本発明の好適な実施形態は、組織の位置を特定し、かつワイヤ内への放射線源容器の埋め込みを可能にする共通ガイドワイヤの適合化を含む。本実施形態の主要構成要素として、チューブ、ルアー継手、固定用棘突起部、及び充填用孔を挙げることができる。
【0046】
中実の共通ガイドワイヤを中空ステンレス鋼チューブに置き換える。中空ステンレス鋼チューブは、液密状態の同軸密封構造を使用して雌型ルアー継手に取り付けられるので、標準的な雄型ルアーシリンジを使用して液体をチューブの中空内部に注入することができる。
【0047】
組織位置特定ガイドワイヤに共通に見られるように、ステンレス鋼チューブの反対側の端部は棘突起部の内部に食い込んで形成されるので、一旦、端部を軟組織領域の内部に送り込むと、端部によって、ルアー端に向かう移動に逆らう摩擦を発生させることができる。チューブの内部は形成プロセスの間は中空のままに維持されて孔となり、この場合、チューブ内の空気は、チューブへの充填を阻止するエアロックが形成される場合には、充填プロセス中に逃がすことができる。
【0048】
チューブに放射線源を充填するには複数のステップが必要であり、これらのステップは、チューブアセンブリの雌型ルアーを、放射性液体を収容するシリンジに接続するステップ;放射性液体(例えば、FDG)をチューブに、チューブが一杯になるまで注入するステップ;チューブを棘突起部端及びルアー端で圧着して、永久的に液体を収容する液密状態の密封構造を形成するステップ;シリンジをチューブから、ルアー継手を分離することにより取り外すステップ;雌型ルアーに栓をし、ルアー部分からの残留放射能のいかなる漏れも防止するステップ;及び、最後に、棘突起部の先端を無菌綿棒でクリーニングして先端から全ての残留放射能液体を除去するステップである。
【0049】
図2を参照すると、穿刺ガイドホルダ13は、標準的な針ガイド12の挿入を受け入れるように構成される。針ガイド12は幾つかの個別ガイド孔を含み、これらのガイド孔を通って、針を挿入することができる。穿刺ガイドホルダ13は、病変が存在する疑いのある組織部分を有する身体部分に対して手動で位置決めされる。更に図16を参照すると、針ガイド12は単純にホルダ13に挿入され、そして完成アセンブリは図17に示される。
【0050】
図3を参照すると、尖端を持つトロカール14が示される。更に図4を参照すると、カニューレ15がチューブ状通路となり、この通路を通って、トロカール14を図19に示すように、無事に挿入することができる。組み立てが完了し、トロカール14を挿入した状態のカニューレ15が図20に示される。更に図21を参照すると、カニューレ15は更にカニューレリング25を含み、カニューレリングはカニューレ15の軸に沿って調整することにより深さを制御することができ、この深さで、カニューレを針ガイド12及びホルダ13に、図22に示すように挿入することができる。
【0051】
図5を参照すると、本発明の好適な実施形態による、充填され、かつ使用できる状態の放射線フックワイヤ器具が示される。この器具の複数の構成要素の各々は、放射性同位元素を詰める前に、または充填する前に無菌状態になっており、そして充填手順は無菌状態で行なわれている。中空ワイヤ16には或る量の放射性同位元素が充填され、この量は病変、及びフックワイヤ器具の位置を、特定の核放射撮影法を使用して同時に明らかにするように最適化される。圧着密封部が、充填放射性同位元素がワイヤ内に収容される状態で示される。ワイヤは普通の雌型ルアー継手17に接続され、雌型ルアー継手はシリンジに接続されて、ワイヤへの充填を圧着密封前に行なう。雄型ルアーキャップ58によってワイヤ上のルアー継手が密封され、更に完成器具のハンドリングが容易になる。
【0052】
図6を参照すると、放射性同位元素を詰める(すなわち、充填する)前の図5のフックワイヤ器具の側面図が示される。好適な実施形態では、器具は、例えば30Gのサイズのステンレス鋼チューブ16を用い、このチューブは、最小侵襲性放射線療法において、20Gの針のようなカニューレを通して容易に埋め込むことができる。
【0053】
図7を参照すると、ワイヤ16の端部の一の実施形態が示される。ワイヤ16は、病変に近接して固定される屈曲部を含む。ワイヤ16は充填用の成形チューブを含む。ガイドワイヤには普通であるが、屈曲部は、後続の介入手順を実施している間のワイヤを引っ張る力に逆らう牽引力を生じさせる。図8を参照すると、ワイヤ16の端部の別の実施形態が示される。この実施形態では、屈曲部ではなく、ワイヤ16は病変に近接して固定される棘突起部を含む。この別の実施形態の利点は、当該実施形態を相対的に直径の小さいカニューレ、例えば23Gの針を通して挿入することができ、患者の痛みを和らげることができるということである。これは特に、複数のワイヤを使用して病変の境界を表示し、そして患者に対してカニューレを複数回挿入することを承諾させる必要がある場合において有用である。
【0054】
図9を参照すると、本発明の好適な実施形態による、放射性同位元素を充填したシリンジを使用してチューブに充填する方法が示される。ワイヤ16の遠位端の雌型ルアー17は、放射性同位元素18を収容するシリンジボディ19の上の標準的な雄型ルアーに接続される。プランジャー20を押し込んで放射性同位元素をシリンジから中空ワイヤ16に送り込む。ワイヤ16の端部に、例えば図7または図8のいずれかに示すように、孔を設けて充填を可能にする。
【0055】
図10を参照すると、中空ワイヤ16に放射性同位元素18を充填した後、両端部を密封して、流体放射性同位元素の漏れを防止する必要がある。この操作は、ワイヤ16をシリンジ19から取り外す前に行なうことが好ましい。密封は、圧着工具21を使用して、ワイヤ16の近位端及び遠位端の両方で行なわれる。圧着工具21は、使い捨ての無菌部品として提供されることが好ましい。更に図11を参照すると、圧着工具21及び圧着密封チューブ16の断面図が示される。圧着工具21は可動プランジャー21aを含み、可動プランジャーはボディ21bによって所定の位置に保持され、そしてベース21cを押圧して圧着部を形成する。遠位端におけるワイヤに沿った圧着部の長さは、図26に示すように、十分に長くして鋏を位置決めして、ルアー継手を位置特定手順の間に切り取ることができるようにする。
【0056】
図12aを参照すると、固定屈曲部を有する圧着ワイヤ16の拡大断面図が、図7のワイヤと同じように示される。図12aでは、圧着密封部が固定屈曲部の端部のへこみとして示され、そしてチューブには放射性同位元素18が充填される。図12bを参照すると、固定用棘突起部を有する圧着ワイヤ16の拡大断面図が、図8のワイヤと同じように示される。図12bでは、圧着密封部がワイヤ16のわずかなへこみとして示され、そしてチューブには放射性同位元素18が充填される。
【0057】
図13を参照すると、ワイヤ16への充填を行なう前に、少量の放射性同位元素18がワイヤの遠位端及び近位端に存在する様子が示される。ルアー継手17の遠位端を通って放射性同位元素18が漏れる現象を必ず防止するために、ルアーキャップ58を圧着手順の後に取り付ける。ルアーキャップ58によって、細いワイヤ16のハンドリング及び押し込みも容易になる。ワイヤ16の近位端の残留液体放射性同位元素は無菌綿棒で拭き取ることができる。
【0058】
次に、上に説明した放射線フックワイヤ器具を使用する病変マーキング方法について説明する。本発明の好適な実施形態による病変マーキング方法の基本的な必要構成要素は:断層撮影画像を表示する機能を有する核放射撮像システムと;撮像システムに対する疑わしい組織の固定手段と;そして放射線フックワイヤ器具及びフックワイヤ器具を挿入するカニューレと;を含む。
【0059】
病変に放射線フックワイヤ器具を使用してマーキングするためには:1)固定した疑わしい組織の核放射撮影画像を取得して、病変の3次元位置を求めるステップと;2)尖端を有する中空カニューレ、例えば20Gの針を、病変に対する所望位置に経皮挿入するステップと;3)放射線フックワイヤ器具をカニューレに、ワイヤの先端がカニューレの遠位端の組織に接触するまで挿入するステップと;4)放射線フックワイヤ器具を所定の位置に保持しながら、カニューレを引き抜くステップと;そして5)ワイヤを再撮影して病変に対するワイヤの位置を明らかにするステップと;を行なう必要がある。ここで、カニューレを完全に引き抜いてしまう前に、ルアー継手を、例えばハサミでフックワイヤ器具から取り外す必要があることに留意されたい。別の構成として、放射線フックワイヤ器具は、カニューレを病変に向かって経皮挿入する前に、または挿入している間に、カニューレに予め装着することができる。カニューレへの装着を予め行なうことにより、病変が深い場合に、連続核放射撮影画像を取得してカニューレの向きを所望位置に直接向けることができるようにカニューレの挿入状態を追跡することができる。
【0060】
図1を参照すると、乳房の病変の位置を放射線フックワイヤ器具で特定し、そしてマーキングする核放射撮像システムの図が示される。窓付きプレート2a,2bによって、病変4を含む乳房3を固定する。FDGのような陽電子放射性トレーサは病変4に選択的に集められ、検出器1a,1bによって吸収される同時発生ガンマ線5を放出する。検出器1a,1bからの信号はケーブル6a,6bを通してプロセッサユニット7に送信され、次にプロセッサユニットが放射性トレーサの3次元分布を求める。次に、分布のグラフ表示をケーブル8を通してディスプレイ9に送信し、この場合、病変4に集められる放射性トレーサの位置は、窓付きパドル(fedestrated paddles)2a,2bを基準にして求めることができる。この例では、Z深度7.5を表わす断層撮影スライスの選択ディスプレイ10は、X次元5.0及びY次元6.5の番号11で示される病変を最も鮮明に示している。従って、窓付きプレート2a,2bを基準とする病変の座標は:X=5.0,Y=6.6,Z=7.5である。
【0061】
図18を参照すると、針ガイド12及び穿刺ガイドホルダ13から成るアセンブリが乳房3及び病変4に対して有利な場所に位置している様子が示される。選択ディスプレイ10の画像から、針ガイドアセンブリの座標が分かる。すなわち、穿刺ガイドホルダ13の一端はX=2.4,Y=8.0,Z=7.5に位置し;そしてホルダ13の他端はX=6.0,Y=9.5,Z=7.5に位置する。
【0062】
針ガイドアセンブリが上に説明したように位置している状態の図23を参照すると、カニューレ15、及び尖端を持つトロカール14から成るアセンブリが、図1のシステムにおいて求められる座標の病変4の部位に、針ガイド12を通して経皮挿入される。図24によれば、病変4への操作通路を尖端で形成してしまうと、トロカール14をカニューレ15から取り出すことができる。図25を参照すると、放射線フックワイヤ16が病変4の部位にカニューレ15を通して挿入される。ここで、ガンマ線5はこの時点で、病変の中の放射性トレーサから放出されているガンマ線、及び放射線フックワイヤ16からのガンマ線を含むことに注目されたい。核放射撮像装置は、この時点でディスプレイに11として表示される病変4からのガンマ線の他に、ディスプレイ10に24として表示される放射線フックワイヤ16からのガンマ線を検出する。
【0063】
図26を参照すると、ルアー継手17を放射線フックワイヤ16から、好適にはフックワイヤを遠位圧着部の中心で切り取ることにより取り外して、いずれの端部においても密封状態を維持する。次に、カニューレ15を乳房3から引き抜くが、この操作は、ワイヤの固定屈曲部または棘突起部が送り込まれるまでフックワイヤ16への順方向圧力を維持しながら、カニューレを、放射線フックワイヤ16上をスライドさせることにより行なわれる。
【0064】
次に、図26によれば、放射線フックワイヤ器具16を所定の位置に、病変に近接するワイヤの固定屈曲部または棘突起部で保持し、そしてフックワイヤ16の最終的な核放射撮影画像24を表示して病変11,4に対するワイヤの最終位置を確認する。図27を参照すると、乳房3が窓付きプレート2a,2bから解放される様子が示される。この時点で、放射線フックワイヤ器具16を操作して、病変に対する介入をガイドすることができる。
【0065】
取り外し可能な放射能線状線源を使用する簡易な病変マーキング方法、及び生検方法は両方とも同じ位置設定手段を固定プレートの間に使用するが、次にこれらの方法について説明する。図29を参照すると、プレート2a,2bが病変4を含む身体部分3(例えば、乳房)を固定する様子が示される。検出器1a,1bはプレート2a,2bの背後に位置する。これらの検出器をプレートの背後に配置することにより、これらのプレートを通過する形で操作を行なう必要がある場合とは異なり、これらのプレートの間におけるマーキング及び生検のための操作の範囲が広くなるという効果が得られる。前の例で上に説明したものと同じように、病変4に集められる陽電子放射性トレーサはガンマ線5を放出し、これらのガンマ線は検出器1a,1bによって吸収され、そしてソフトウェアによって図形式の表示に変換されて、プレート2a,2bに対する病変の位置を3つの軸に対して表示する。ソフトウェアによって、プレート2aと2bとの間の任意の操作方向を表示することができる。従って、臨床医は或る操作方向を選択することができる。次に、ソフトウェアによって、穿刺ガイドホルダ13を位置決めするための2つのx−y座標を表示する。図示の構成では、臨床医は穿刺ガイドホルダ13を、各プレートに固定されるバネ付勢ピンを使用して、プレート2aと2bとの間の所定の位置に固定する。z軸位置は、穿刺ガイドホルダ13を、これらのバネ付勢ピンの上を上下にスライドさせることにより調整することができる。標準的な針ガイド12を穿刺ガイドホルダ13に挿入する。図示の構成では、この操作によってz軸における穿刺ガイドホルダの位置が固定される。挿入用スタイレット(例えば、トロカール)をイントロデューサーシースに挿入する。更に図21によれば、カニューレ15は、カニューレが正しい深さに位置するようにカニューレリング25を使用して調整される。トロカール14及びカニューレ15を、穿刺ガイドホルダの正しい孔に挿通して乳房に挿入する。次に、トロカール14を取り出す。更に図14によれば、線状線源21が、前述のフックワイヤ(しかしながらフックは付いていない)と同様の方法により、細径チューブに注入され、かつ密封されている。更に図15によれば、次に、密封線状線源21は、無菌カバーまたは殺菌カバーの内部に密閉され、カバーはメインボディ部分22及びキャップ23を含む。更に図28によれば、密閉された線状線源21を病変の部位に、カニューレ15及び針ガイド12を通して挿入する。ディスプレイ10から、新規のスキャンを実行することにより、線状線源21が、ディスプレイ10に24として示されるように、ディスプレイ10に11として示される病変4に対して正しく位置することを確認することができる。位置決めオプチュレータを取り出し、そして同じ針ガイドに挿通される生検針に取り換える。生検を行なった後、放射線源を含まない標準的なフックワイヤをカニューレ15に挿入して生検よりも大掛かりな介入をガイドする。次に、カニューレを引き抜き、そして乳房をプレートから解放する。
【0066】
装置は次の構成要素:a)ホルダ13;b)針ガイド12;c)パドル2a,2b;d)放射線位置決めオプチュレータ(すなわち、密封放射能線状線源)21;e)トロカール14;f)カニューレ15;及びg)撮像装置10を含む。放射線位置決めオプチュレータ21に関して、2つのタイプの線状線源:1)無菌プラスチックカバー内部の線状線源、または2)再利用殺菌線状線源の内のいずれかを使用することができる。
【0067】
図1〜図29に示す本発明の好適な実施形態による装置を使用する方法は次のステップを含み、これらのステップは:1)病変の画像を取得するステップ;2)病変の位置を特定するステップ;3)ホルダを位置決めする(すなわち、パドル上の「被曝領域(bombsites)」のx及びy座標、及びパドルの間のz座標を求める)ステップ;4)針ガイドを挿入する(ホルダをz位置に固定する)ステップ;5)トロカールをカニューレに挿入するステップ;6)カニューレリングを適切な深さに調整するステップ;7)トロカール及びカニューレを挿入して操作通路を形成するステップ;8)トロカールをカニューレから取り出すステップ;9)線状線源に必要な強度(放射能レベル)を選択するステップ;10)放射線オプチュレータをトロカールによって形成される操作通路に挿入するステップ;及び11)新規画像を細かく調査することにより特定位置を確認するステップである。
【0068】
別の構成として、本発明の実施形態は、例えば組織除去部位、生検部位、ポリープの部位、病変部位、または他の注目部位のような種々の解剖学的部位に利用することができる。肺、前立腺、または肝臓のような臓器がこのような解剖学的部位と見なすことができる。マーカを永久的に埋め込むことができるので、マーカが永久的に組織部位に、意図的に除去されることがない限り、残ることになる。
【0069】
これまでの詳細な記述は本発明の或る実施形態についてのみ為されてきたが、上の記述は例示に過ぎず、開示する本発明を制限するものではないことを理解されたい。例えば、本発明の方法は、ルーメンに無菌密封放射能線状線源を充填して、組織抽出器具のカニューレの内部に収容し、次に線状線源からの信号を利用して疑わしい組織に対するカニューレの位置及び向きを核放射撮影法により表示することにより実行することもできる。本発明の好適な実施形態について本明細書に示し、そして説明してきたが、この技術分野の当業者にとっては、このような実施形態は単なる例示として提示されていることが明らかであろう。例えば、密封線状線源を収容する前の例におけるルーメンを使用して、近接照射療法に使用される核種封入剤を滴下するカニューレを、病変の内部に核放射撮影法を使用して位置決めして、病変に対するカニューレの位置を求めることができる。従って、この技術分野の当業者であれば、多数の変形、変更、及び代替を本発明から逸脱しない範囲で想到することができる。例えば、線源の向き、及び位置を使用して、線源を保持する器具の位置を核放射撮影法を使用して求めることができると仮定すると、放射線源を収容する容器は、固体放射線源を収容して、当該線源を完全に、または部分的に包み込むように設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の好適な実施形態による、乳房の病変の位置を特定し、そして当該位置に放射線フックワイヤ器具でマーキングする核放射撮像システムの図を示す。
【図2】図1のシステムに使用される針ガイド及びホルダを示す。
【図3】図1のシステムに使用されるトロカールを示す。
【図4】図1のシステムに使用されるカニューレを示す。
【図5】本発明の好適な実施形態による、物質が詰められ、かつ使用準備が整った放射線フックワイヤ器具の等角図を示す。
【図6】放射性同位元素を詰める前の図5に示すフックワイヤ器具の側面図を示す。
【図7】フックワイヤ器具の端部を病変に近接して固定するために使用される屈曲部の拡大断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態による、フックワイヤ器具の端部を病変に近接して固定するために使用される棘突起部を示す拡大断面図である。
【図9】放射性同位元素を充填したシリンジを使用してチューブに充填する方法を示す。
【図10】チューブを工具で圧着することにより密封する方法を示す。
【図11】圧着工具及び圧着密封チューブの拡大断面図である。
【図12】図aは、圧着密封が固定屈曲部の端部で行なわれ、そしてチューブに放射性同位元素が充填される様子を示す拡大断面図であり、 図bは、本発明の別の実施形態による、圧着密封が固定用棘突起部を使用して行なわれ、そしてチューブに放射性同位元素が充填される様子を示す拡大断面図である。
【図13】ルアーキャップで蓋をされ、かつ物質が詰められた圧着密封ワイヤの遠位端を示す。
【図14】本発明の好適な実施形態による、放射線位置決めオプチュレータを組み立てる様子を示す。
【図15】図14の放射線位置決めオプチュレータの組立てが完了したときのオプチュレータの側面図を示す。
【図16】本発明の好適な実施形態による、図2の針ガイドを穿刺ガイドホルダに挿入する様子を示す。
【図17】針ガイドが完全に挿入された状態の図16の穿刺ガイドホルダを示す。
【図18】本発明の好適な実施形態による、穿刺ガイドホルダを病変の部位に挿入する核放射撮像システムによって決まる座標を示すディスプレイを示す。
【図19】トロカールをカニューレに挿入する様子を示す。
【図20】トロカールが完全に挿入された状態のカニューレの側面図を示す。
【図21】カニューレリングが、穿刺ガイドホルダへのカニューレの所望の挿入深さに従って調整される様子を示す。
【図22】トロカール及びカニューレを穿刺ガイドホルダに挿入してフックワイヤ器具の操作通路を形成する様子を示す。
【図23】トロカール及びカニューレが病変の部位に挿入された状態の図1のシステムを示す。
【図24】トロカールをカニューレから取り出す様子を示す。
【図25】病変の部位にカニューレを通して挿入される放射線フックワイヤ器具を示す。
【図26】ルアー継手が放射線フックワイヤ器具から取り外されて、乳房からのカニューレの引き抜きが可能になる様子を示す。
【図27】乳房がシステムから開放され、放射線フックワイヤ器具が、器具を外部から操作して介入をガイドすることができるように位置している様子を示す。
【図28】放射能線源を、病変に近接する身体部分に操作通路を通って挿入する様子を示す。
【図29】別の放射能器具(すなわち、フックが付いていない線状線源)が、器具の端部が病変に近接する状態で所定の位置に保持される様子を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽電子放射断層撮影法を使用して身体部分の病変に関する位置データを取得する方法であって、前記方法は:
身体部分から放出されるガンマ線を検出するステップと;そして
検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
更に、放射線源を身体部分に注入するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
放射線源を身体部分に注入するステップは:
中空チューブに放射線源を充填するステップと;
チューブを身体部分に挿入するステップと;
チューブを病変の近傍に固定するステップと;そして
放射線源を放出するステップと、
を含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
放射線源は2[F−18]フルオロデオキシグルコースを含む、請求項2記載の方法。
【請求項5】
検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップは:
少なくとも2つの検出器ヘッドを使用してガンマ線を検出するステップと;
同時計数タイミングウィンドウを使用して計測線を求めるステップと;そして
計測線を使用して、身体部分における陽電子放射線源の分布の表示を形成するステップと、
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
核放射断層画像ガイダンスを使用して身体部分の病変に関する位置データを取得する方法であって、前記方法は:
身体部分から放出されるガンマ線を検出するステップと;そして
検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記方法は更に、或る量の放射性薬剤を身体部分に注入するステップを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
或る量の放射性薬剤を身体部分に注入するステップは:
中空チューブに放射性薬剤を充填するステップと;
チューブを身体部分に挿入するステップと;
チューブを病変の近傍に固定するステップと;そして
放射性薬剤を放出するステップと、
を含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
放射性薬剤はFDG及びセスタミビから成るグループから選択される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
放射性薬剤は放射性同位元素線源を含み、放射性同位元素はナトリウム−22、ゲルマニウム−86、及びコバルト−57から成るグループから選択される、請求項7記載の方法。
【請求項11】
検出されるガンマ線を使用して位置データを求めるステップは:
少なくとも2つの検出器ヘッドを使用してガンマ線を検出するステップと;
同時計数タイミングウィンドウを使用して計測線を求めるステップと;そして
計測線を使用して、身体部分における核放射線源の分布の表示を形成するステップと、
を含む、請求項6記載の方法。
【請求項12】
圧迫される、そして/または固定される身体部分に関する画像データを取得する陽電子放射断層撮影(PET)走査システムであって、前記システムは第1検出器ヘッド及び第2検出器ヘッドを含み、
第1及び第2検出器ヘッドの各々は、身体部分から放出されるガンマ線に対する感度が高い材料を含み;そして
第1及び第2検出器ヘッドによって検出される信号を同期ゲーティングし;そして
同期ゲーティングした結果を使用して画像データを求める、
陽電子放射断層撮影走査システム。
【請求項13】
請求項12記載のPET走査システムと連動させて使用することができる介入手順キットであって、介入手順キットは第1ワイヤ及び第2中空ワイヤを含み、第1ワイヤには放射性物質を充填し、次に圧着して密封放射線源を形成することができ、そして第2中空ワイヤの中には、第1ワイヤを挿入することができる、
介入手順キット。
【請求項14】
第1ワイヤは、第1ワイヤを身体部分の内部の或る位置に固定する固定屈曲部を含む、請求項13記載の介入手順キット。
【請求項15】
第1ワイヤは、第1ワイヤを身体部分の内部の或る位置に固定する固定用棘突起部を含む、請求項13記載の介入手順キット。
【請求項16】
放射性物質は2[F−18]フルオロデオキシグルコースを含む、請求項13記載の介入手順キット。
【請求項17】
放射性物質はFDG及びセスタミビから成るグループから選択される放射性薬剤を含む、請求項13記載の介入手順キット。
【請求項18】
放射性物質は放射性同位元素線源を含み、放射性同位元素はナトリウム−22、ゲルマニウム−86、及びコバルト−57から成るグループから選択される、請求項13記載の介入手順キット。
【請求項19】
身体部分の病変にマーキングする方法であって、前記方法は:
身体部分の第1核放射撮影画像を取得するステップと;
病変の近似位置を第1画像から求めるステップと;
カニューレを、求めた前記近似位置に経皮挿入するステップと;
放射性物質を密封したワイヤをカニューレに挿入するステップと;
ワイヤを所定の位置に保持しながらカニューレを引き抜くステップと;そして
身体部分の第2核放射撮影画像を取得するステップと、を含み、第2画像は病変の位置に関するデータ、及びワイヤの位置に関するデータを含む、
方法。
【請求項20】
放射性物質は2[F−18]フルオロデオキシグルコースを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
放射性物質はFDG及びセスタミビから成るグループから選択される放射性薬剤を含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
放射性物質は放射性同位元素線源を含み、放射性同位元素はナトリウム−22、ゲルマニウム−86、及びコバルト−57から成るグループから選択される、請求項19記載の方法。
【請求項23】
核放射断層画像ガイダンスを使用して身体部分の内部の組織の一部分の病変に対する介入を可能にする方法であって、前記方法は:
組織の一部分の第1核放射断層撮影画像を取得するステップと;
組織の一部分の空間座標を求めるステップと;
求めた前記空間座標を使用して放射性マーカの所望の位置及び向きを求めるステップと;
放射性マーカの位置及び向きに関するデータを含む、組織の一部分の第2核放射断層撮影画像を取得するステップと;そして
介入器具を第2断層撮影画像を使用して位置決めするステップと、
を含む方法。
【請求項24】
第1断層撮影画像を使用して放射性マーカが第2断層撮影画像において正しく位置し、そして向いているかどうかを判断するステップと;そして
放射性マーカが正しく位置し、そして向いていることがないと判断される場合に、放射性マーカの位置または向きを調整し、そして放射性マーカの調整済み位置及び向きに関するデータを含む、組織の一部分の更に別の核放射断層撮影画像を取得するステップと、
を含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
更に、放射性マーカを取り除くステップを含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
更に、放射性マーカを介入器具に貼り付けるステップを含む、請求項23記載の方法。
【請求項27】
更に、
介入操作を開始するステップと;そして
更に別の核放射断層撮影画像を介入中に取得するステップと、
を含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
更に、
介入操作を開始するステップと;
介入を完了するステップと;そして
更に別の核放射断層撮影画像を介入後に取得するステップと、
を含む、請求項26記載の方法。
【請求項29】
更に、放射性マーカを介入器具の内部に収容するステップを含む、請求項23記載の方法。
【請求項30】
更に、
介入操作を開始するステップと;そして
更に別の核放射断層撮影画像を介入中に取得するステップと、
を含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
更に、
介入操作を開始するステップと;
介入を完了するステップと;そして
更に別の核放射断層撮影画像を介入後に取得するステップと、
を含む、請求項29記載の方法。
【請求項32】
圧迫される、そして/または固定される身体部分に関する画像データを取得する核放射断層撮影システムであって、前記システムは:
放射性マーカが充填されたワイヤと;そして
核からの放射線放射のデータを検出する装置と、を備え、
ワイヤを身体部分の病変の近傍に位置させたときに、システムは画像データを供給して介入器具の位置、及び向きを決め、病変に対する介入操作を可能にするように構成される、核放射断層撮影システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公表番号】特表2008−547023(P2008−547023A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518308(P2008−518308)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/023940
【国際公開番号】WO2007/002060
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(505052054)ナヴィスカン ペット システムズ,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】