説明

案内標示体情報登録装置、案内標示体情報登録方法及び案内標示体情報登録プログラム

【課題】矢印形状を複数有する案内標示体について、矢印形状に関する情報と案内標示体の文字列に関する情報とを含む案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録装置を提供する。
【解決手段】案内標示体情報登録装置は、案内標示体を含む画像データを記憶しており、上記画像データから案内標示体を認識した後に、案内標示体から矢印形状に関する情報と、案内標示体内の文字列に関する情報とを生成する。そして、案内標示体情報登録装置は、上記矢印形状に関する情報と、文字列に関する情報とを関連付けた案内標示体情報を登録する。これにより、案内標示体情報登録装置は、案内標示体の各種情報を適切に保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内標示体内の情報を登録する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムで用いられる地図情報において、交差点の分岐先の情報を保持する案内標示体に関する情報を保持していれば、上記案内標示体に関する情報を提供することができるため、ナビゲーションシステムの使用性が向上するが、上記案内標示体は、多数存在するため、極力自動化して地図情報に入力することが望まれる。
【0003】
ところで、案内標示体を含む画像データを撮影し、当該案内標示体から文字を抽出し、当該文字に基づいて経路案内する経路案内装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−249504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の経路案内装置では、案内標示体の文字を抽出しているのみで、矢印形状に関する情報は、抽出しておらず、案内標示体の文字のみの利用では、案内標示体の矢印形状に関する情報については、考慮しておらず、実際の案内標示体の情報を忠実に取得できていないという問題が生じていた。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明は、矢印形状を複数有する案内標示体に提示されている情報を取得し、当該案内標示体の情報を登録する案内標示体情報登録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶手段と、前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出手段と、前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成手段と、前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成手段と、前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶工程と、矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶工程と、前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出工程と、前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定工程と、前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識工程と、前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成工程と、前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成工程と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連工程と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成工程と、前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、コンピュータ上で実行される案内標示体情報登録プログラムであって、矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶手段と、前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出手段と、前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成手段と、前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成手段と、前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態では、案内標示体情報登録装置であって、矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶手段と、前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出手段と、前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成手段と、前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印文字列形状関連手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成手段と、前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録手段と、を備える。
【0011】
上記の案内標示体情報登録装置は、画像データ記憶手段により、予め案内標示体を含む画像データが記憶されている。ここで、案内標示体とは、矢印形状を複数有する方面案内用の標示体である。カラー領域抽出手段は、上記画像データから案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出する。そして、マッチング領域設定手段は、上記カラー領域をマッチング領域に設定する。案内標示体認識手段は、上記マッチング領域から上記基礎となるカラー及び上記基礎となるカラー以外のカラーの構成に基づいて上記案内標示体を認識する。矢印形状情報生成手段が案内標示体内の矢印形状情報を生成する。ここで、矢印形状情報とは、案内標示体内の矢印形状の方向情報等である。そして、案内標示体内文字列情報生成手段は、案内標示体の文字列(方面文字、方面文字振仮名、及び道路番号等)を含む案内標示体内文字列情報を生成する。そして、矢印形状文字列関連手段は、上記矢印形状情報と、上記案内標示体内文字列情報とを関連づける。具体的には、矢印形状文字列関連手段は、矢印形状の所定範囲内に位置する文字列の文字列情報と、当該矢印形状の矢印形状情報とを関連付ける。案内標示体情報生成手段は、上記矢印形状文字列関連手段が関連付けた矢印形状情報と文字列情報とを含む案内標示体情報を生成し、案内標示体情報登録手段が、上記案内標示体情報を登録する。
【0012】
このように、案内標示体情報登録装置は、案内標示体を含む画像データから案内標示体を識別し、識別した案内標示体から、矢印形状情報及び案内標示体内文字列を生成し、生成した矢印形状情報と案内標示体内情報とを関連付けし、関連付けした矢印形状情報及び案内標示体内文字列情報を含む案内標示体情報を生成し、当該案内標示体情報を登録する。
【0013】
従って、案内標示体情報登録装置が登録した案内標示体情報を利用すれば、案内標示体の矢印形状や文字列に関する情報を取得することができ、例えば、カーナビゲーション装置で利用される案内標示体のイラストを生成することが可能となる。
【0014】
上記案内標示体情報登録装置の一態様では、前記案内標示体内文字列情報生成手段は、前記文字列の種別を判別し、前記案内標示体情報生成手段は、前記文字列の種別情報を前記案内標示体情報に含める。この場合、案内標示体情報登録装置は、文字列の種別を参照することにより、案内標示体の各文字列の特性を考慮し、文字列の意味(例えば、方面案内用の文字列等)を判断することができる。従って、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体の内容のうち、振仮名を除外して表示するなど、種別単位で表示非表示の判断を行うことも可能となる。
【0015】
上記案内標示体情報登録装置の一態様では、前記案内標示体内文字列情報生成手段は、前記文字の大きさを判別し、前記文字の大きさ情報を前記案内標示体情報に含める。この場合、案内標示体情報登録装置は、案内標示体の文字列についてより詳細な情報を保持することができる。
【0016】
上記案内標示体情報登録装置の他の一態様では、前記矢印形状情報生成手段は、矢印形状の始点及び終点の座標情報を生成し、当該座標情報を矢印形状情報に含める。よって、案内標示体情報登録装置は、上記座標情報を参照することにより、矢印形状の位置や矢印形状の大小を判断することができる。従って、案内標示体情報登録装置は、同一方向の矢印形状が複数ある場合でも、上記座標情報を参照することにより、矢印形状の位置関係を判断できるので、実際の案内標示体と同一の位置関係を把握することができる。
【0017】
本発明の他の実施形態では、案内標示体情報登録方法は、矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶工程と、矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶工程と、前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出工程と、前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定工程と、前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識工程と、前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成工程と、前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成工程と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連工程と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成工程と、前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録工程と、を備える。このような案内標示体情報登録方法によっても、案内標示体の矢印形状情報と、案内標示体内文字列情報とを関連付けて情報登録しているので、案内標示体内の情報を適切に登録することができる。
【0018】
本発明のさらに他の観点では、コンピュータ上で実行される案内標示体情報登録プログラムであって、矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶手段と、前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出手段と、前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識手段と、前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成手段と、前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連手段と、前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成手段と、前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録手段、として前記コンピュータを機能させる。このような案内標示体情報登録プログラムを、各種装置上で実行することにより、本発明の案内標示体情報登録装置を実現することができる。なお、この案内標示体情報登録プログラムは記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
【実施例】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0020】
[案内標示体情報登録装置]
図1は、本発明の実施例に係る案内標示体情報登録方法を適用した案内標示体情報登録装置100の概略構成を示す図である。
【0021】
本実施例において、案内標示体情報登録装置100は、道路に設置された矢印形状を複数有する案内標示体を撮影した画像データと、矢印形状に対応するテンプレートである標示体パターンとを形状パターンマッチングすることにより案内標示体を認識し、上記案内標示体から案内標示体の矢印形状に関する情報(以下、矢印形状情報とも呼ぶ)と、案内標示体の文字列情報とを抽出し、上記矢印形状情報と文字列情報とを含む案内標示体情報を生成し、当該案内標示体情報を登録する装置である。
【0022】
案内標示体情報登録装置100は、例えば、パーソナルコンピュータにより構成され、システムバス11と、CPU(Central Processing Unit)12と、メモリ13と、キーボード14と、マウスなどの座標指示デバイス15と、ディスプレイ16と、プリンタ17と、ハードディスクなどのデータ記憶装置18とを備える。ここで、キーボード14及び座標指示デバイス15は、入力装置である。また、ディスプレイ16及びプリンタ17は、出力装置である。CPU12は、案内標示体情報登録装置100全体を制御し、入出力装置の制御を行う。
【0023】
CPU12、メモリ13、データ記憶装置18は、システムバス11に接続される。キーボード14、座標指示デバイス15、ディスプレイ16、プリンタ17も図示しないインタフェースを介してシステムバス11に接続される。メモリ13は、作業メモリとしても使用される。
【0024】
[案内標示体情報登録ユニット]
図2は、案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録ユニット200の機能ブロック図である。案内標示体情報登録ユニット200は、実態的には、案内標示体情報登録装置100の構成要素により構成される。図2に示すように、案内標示体情報登録ユニット200は、画像データ記憶部201、矢印形状パターン記憶部202、マッチング領域設定部203、カラー領域抽出部204、案内標示体認識部205、矢印形状情報生成部206、案内標示体内文字列情報生成部207、矢印形状文字列関連部208、案内標示体情報生成部209、及び案内標示体情報登録部210を備える。
【0025】
画像データ記憶部201は、道路に設置された案内標示体を撮影した画像データを記憶する。図3(a)に案内標示体250を含む画像データの例を示す。そして、案内標示体250は、図3(b)及び図3(c)に示すように、複数の矢印形状251を有し、当該矢印形状251の周辺に方面文字252、方面文字振仮名253、及び道路番号254を有する。なお、図3における上記方面文字252、方面振仮名253、及び道路番号254は、便宜上黒文字であるが、実際は、白抜き文字である。
【0026】
そして、案内標示体250には、図3(b)のように、矢印形状251の方向が全て異なる案内標示体250Aや、図3(c)のように、矢印形状251の方向が同一(矢印形状251B及び矢印形状251C)のものを含む案内標示体250B等がある。
【0027】
矢印形状パターン記憶部202は、案内標示体の矢印形状に対応するテンプレートである矢印形状パターン220を記憶する。
【0028】
まず、矢印形状パターン220について、図4を参照して説明する。図4(a)及び(b)に示す矢印形状パターン220は、基礎となるカラーが「青」のパターンである。図面において青色の領域は、左斜線で示す。
【0029】
なお、矢印形状パターン記憶部202は、画像データとの形状パターンマッチングにおいて3次元的な奥行きを考慮するため、図4(c)及び(d)に示すように、矢印形状パターンを複数用意している。これにより、画像データ内の標示体が3次元的な奥行きにより傾いていたとしても、案内標示体情報登録ユニット200は、形状パターンマッチングにより的確に標示体を認識することができる。
【0030】
画像データ記憶部201及び矢印形状パターン記憶部202は、本発明における画像データ記憶手段、矢印形状パターン記憶手段として機能する。また画像データ記憶部201及び矢印形状パターン記憶部202は、図1に示すデータ記憶装置18内に構成することができる。
【0031】
マッチング領域設定部203は、矢印形状パターン記憶部202により記憶されている矢印形状パターン220と形状パターンマッチングを実行する領域をマッチング領域として設定する。マッチング領域設定部203は、まず、1枚の画像データの全領域をマッチング領域として設定する。その後、マッチング領域設定部203は、詳細は後述するが、カラー領域抽出部204により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定する。なお、マッチング領域設定部203は、本発明におけるマッチング領域設定手段として機能する。
【0032】
カラー領域抽出部204は、マッチング領域設定部203により設定されたマッチング領域から、特定の標示体パターンを構成する基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出する。ここで、特定の標示体パターンとは、認識したい標示体に対応する標示体パターンであって、標示体パターンを構成する基礎となるカラーとは、対応する標示体を構成する基礎となるカラーである。例えば、基礎となるカラーが「青」である案内標示体を認識する場合、カラー領域抽出部204は、マッチング領域から青色の成分を多く含む領域を青色領域として抽出する。また、基礎となるカラーが「緑」である案内標示体を認識する場合、カラー領域抽出部204は、マッチング領域から緑の成分を多く含む領域を緑色領域として抽出する。カラー領域抽出部204は、本発明におけるカラー領域抽出手段として機能する。
【0033】
なお、マッチング領域設定部203は、カラー領域抽出部204により抽出されたカラー領域を新たなマッチング領域に設定する。このように、矢印形状パターン及び対応する標示体を基礎となるカラーで分類することで、色によるマッチング領域の絞込みが可能となり、標示体を認識する処理を高速化することができる。
【0034】
案内標示体認識部205は、マッチング領域設定部203により設定されたマッチング領域との形状パターンマッチングを実行する。具体的に、案内標示体認識部205は、標示体パターンである矢印形状パターン220を用いて形状パターンマッチングを行う。
【0035】
そして、案内標示体認識部205は、上記の形状パターンマッチングの結果に基づいて、後述する種々の方法で、案内標示体を認識する。
【0036】
矢印形状情報生成部206は、案内標示体250内の矢印形状情報を生成する。ここでいう矢印形状情報とは、矢印形状251の方向情報(例えば、案内標示体250の何時方向等)や矢印形状251の骨格直線の座標情報等をいう。上記矢印形状情報の生成方法の詳細については、後述する。
【0037】
案内標示体内文字列情報生成部207は、案内標示体内の文字列(例えば、方面文字252、方面文字振仮名253、及び道路番号254等)に関する情報(以降、案内標示体内文字列情報とも呼ぶ)を生成する。ここでいう、案内標示体内文字列情報とは、案内標示体内の文字列や、当該文字列の種別(例えば、「標準(漢字、平仮名の混合)」、「英字のみ」、「数字のみ」等)、当該文字列の文字サイズ等をいう。案内標示体内文字列情報生成部207は、案内標示体内の文字列を抽出し、抽出した文字列の種別や文字サイズを判別することにより案内標示体内文字列情報を生成する。
【0038】
矢印形状文字列関連部208は、矢印形状情報生成部206が生成した矢印形状情報及び案内標示体内文字列情報生成部207が生成した案内標示体内文字列情報との関連付けを行う。具体的には、矢印形状文字列関連部208は、矢印形状251の所定範囲内にある案内表示体の文字列を特定し、当該矢印形状251の矢印形状情報と、当該案内標示体の文字列の案内標示体内文字列情報とを関連付ける。
【0039】
案内標示体情報生成部209は、上記矢印形状文字列関連部208が関連付けした矢印形状情報と案内標示体内文字列とを含む情報である案内標示体情報を生成する。そして、案内標示体情報登録部210は、上記案内標示体情報280を案内標示体テーブル270へ登録する。
【0040】
ここで、図5に案内標示体情報280を保持する案内標示体テーブル270のデータ構造を示し、上記案内標示体テーブル270について説明する。
【0041】
案内標示体テーブル270は、標示体識別情報271、矢印方向272、骨格ID273、骨格座標274、文字列275、種別276、文字サイズ277、及び相対方向278を有する。標示体識別情報271は、各標示体を一意に識別するための情報(例えば、画像データの撮影位置等)であり、矢印方向272は、案内標示体内における矢印形状の方向であり、骨格ID273は、案内標示体250における各骨格線分を一意に識別するためのIDであり、骨格座標274は、骨格線分の始点及びの終点の座標であり、文字列275は、案内標示体の文字列であり、種別276は、文字列の種別であり、文字サイズ277は、文字列のサイズであり、相対方向278は、文字列に対応する矢印形状を基準とした文字列の方向である。
【0042】
そして、矢印形状情報は、「矢印方向272」、「骨格ID273」、及び「骨格座標274」を示し、文字列情報は、「文字列275」、「種別276」、「文字サイズ277」を示す。
【0043】
本実施例において案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体情報登録装置100の構成要素により構成されることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、走行現地調査用の装置や通常の車両に搭載されたカーナビゲーション装置の構成要素により構成されることとしてもよい。
【0044】
なお、本実施例における案内標示体情報登録ユニット200は、図4に示す矢印形状パターン220に対応する矢印形状を複数有する案内標示体を認識するものであって、この場合の形状パターンマッチングについては周知の技術であるため、便宜上説明を省略している。
【0045】
[案内標示体情報登録方法の概要]
次に、案内標示体情報登録方法の概要について、説明する。本実施例における案内標示体情報登録方法とは、案内標示体情報登録ユニット200により、画像データと矢印形状パターン220とを形状パターンマッチングすることで案内標示体250を特定し、当該案内標示体内の矢印形状情報及び案内標示体内文字列情報を生成し、上記案内標示体内の矢印形状情報と文字列情報とを関連付けて、上記矢印形状情報と案内標示体内文字列情報とを含む案内標示体情報を生成し、当該案内標示体情報を登録する方法をいう。なお、本実施例では、図3(c)の案内標示体250Bの案内標示体情報を登録する場合について説明する。
【0046】
最初に、図6を用いて本実施例における案内標示体を認識する方法について説明する。案内標示体情報登録ユニット200では、まず、マッチング領域設定部203が、画像データ記憶部201により記憶されている1枚の画像データの全領域をマッチング領域に設定する。続いて、カラー領域抽出部204は、マッチング領域設定部203により設定されたマッチング領域から、特定の標示体パターンを構成する基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出する。具体的に、カラー領域抽出部204は、図6(a)に示す画像データから、図6(b)に示すように青色の成分を多く含む青色領域を抽出する。このとき、カラー領域抽出部204は、青色の成分を多く含む領域を少し(例えば、数ピクセル)膨らませ、当該領域の周りを含めて青色領域として抽出する。これによれば、基礎となるカラーが「青」であり、エッジが「白」の標示体であっても、カラー領域抽出部204は、エッジを含む標示体を青色領域として抽出することができる。なお、カラー領域抽出部204は、小さい青色領域(いわゆるノイズ領域)を抽出した場合は、当該小さい青色領域を抽出対象から除外する。
【0047】
マッチング領域設定部203は、カラー領域抽出部204により抽出されたカラー領域を新たなマッチング領域に設定する。
【0048】
続いて、案内標示体認識部205は、矢印形状パターン220について、スケールを変化させたり、回転させたりすることにより、新たなマッチング領域のマッチングを行う。
【0049】
そして、案内標示体認識部205は、矢印形状パターン220と、マッチング領域とをマッチングし、マッチングした状態における矢印形状パターン220の面積と、マッチング領域中のマッチング対象周辺の領域の面積との比較結果に基づいて、マッチング対象の周辺領域が案内標示体250であることを認識する。
【0050】
例えば、図6(c)に示すように、案内標示体認識部205が、案内標示体250を含む領域内における、青色及び青色以外の色で構成される矢印形状251と、矢印形状パターン220とをマッチングさせた後に、案内標示体認識部205は、マッチング時の矢印形状パターン220の面積と、矢印形状251の周辺領域である、案内標示体250を含む領域の面積とを比較する。そして、案内標示体認識部205は、案内標示体250を含む領域の面積がマッチング時の矢印形状パターン220の面積に比して著しく大きいため、上記の領域は、案内標示体250を含むと認識する。
【0051】
このように、案内標示体認識部205は、マッチング時における、矢印形状パターン220の面積と、案内標示体250を含む領域の面積とを比較することにより判別対象のマッチング領域が案内標示体250であるか否かを判別している。
【0052】
そして、矢印形状情報生成部206は、上記案内標示体250から矢印形状251に関する情報である矢印形状情報を生成する。具体的には、矢印形状情報生成部206は、案内標示体250全体について、矢印形状パターン220を用いてマッチングすることにより、案内標示体250内の矢印形状251を特定し、マッチング時の矢印形状パターン220の方向に基づいて当該矢印形状251の方向を定める。そして、矢印形状情報生成部206は、矢印形状251の骨格線分について、所定の位置(例えば、案内標示体250の左上)を原点とした始点座標及び終点座標を特定する。ここでいう骨格線分とは、矢印形状251の中心部分の線分をいう。具体的には、骨格線分は、矢印形状251の後ろ側へ伸ばした線分の交差判定により作成される。図7に、骨格線分257、始点座標255、終点座標256の例を示す。なお、骨格線分257B及び骨格線分257Dの終点座標256は同一座標となる。また、矢印形状情報生成部206は、案内標示体単位で各骨格線分257を一意に識別可能な骨格線分IDを生成する。
【0053】
このように、矢印形状情報生成部206は、案内標示体250の矢印形状251を特定し、矢印形状251の方向を定めると共に当該矢印形状251の骨格線分257の始点座標255及び終点座標256を特定することにより、矢印形状情報を生成する。
【0054】
また、矢印形状情報生成部206が骨格線分257を特定することにより、案内標示体情報登録ユニット200は、各矢印形状251の位置関係や長さの大小関係を定義することができる。
【0055】
そして、案内標示体内文字列情報生成部207は、案内標示体250から文字列を抽出し、当該文字列に関する情報(文字サイズや種別)を判定し、抽出した文字列、当該文字列の文字サイズ、及び当該文字列の種別を含む案内標示体内文字列情報を生成する。図8(a)に示す案内標示体250Bから文字列を抽出する場合、案内標示体内文字列情報生成部207は、方面文字252、方面文字振仮名253、及び道路番号254を抽出する。
【0056】
そして、案内標示体内文字列情報生成部207は、抽出した文字列について、文字サイズを判定し、さらに、抽出した文字列の種別を判定する。そして、案内標示体内文字列情報生成部207は、抽出した文字列、当該文字列の文字サイズ、及び当該文字列の種別を含む案内標示体内文字列情報を生成する。
【0057】
そして、矢印形状文字列関連部208は、矢印形状情報生成部206が生成した矢印形状情報と、案内表示体内文字列情報生成部207が生成した案内標示体内文字列情報とを関連付ける。例えば、図8(b)の場合、矢印形状文字列関連部208は、矢印形状251Aの所定範囲内に属する各種文字列(方面文字252A、方面文字振仮名253A、及び道路番号254A)を特定し、当該矢印形状251Aの矢印形状情報と、方面文字252A、方面文字振仮名253A、及び道路番号254Aの案内標示体内文字列情報とを関連付ける。
【0058】
矢印形状文字列関連部208が、矢印形状251と、各種文字列とを関連付けた例を図8(c)に示す。この場合、0時方向の矢印形状251Aと、「市川」、「Ichikawa」、「1」という文字列とが関連づいていることを示す。
【0059】
また、矢印形状文字列関連部208は、各文字列について、関連付けた矢印形状251に対する方向情報について定義する。案内標示体情報登録ユニット200は、文字列の矢印形状251に対する方向情報を保持すれば、文字列の矢印形状251に対する位置関係を判別することが可能となる。
【0060】
そして、案内標示体情報生成部209は、上記矢印形状文字列関連部208が関連付けた矢印形状251の矢印形状情報と案内標示体内文字列情報とを含む案内標示体情報を生成する。具体的には、案内標示体情報生成部209は、標示体を識別し得る情報を生成又は取得し、当該情報を標示体識別情報271とし、矢印形状情報生成部206が生成した矢印形状251の方向を矢印方向272とし、矢印形状情報生成部206が生成した骨格線分のIDを骨格ID273とし、骨格線分257の始点座標255及び終点座標256の組み合わせを骨格座標274とし、案内標示体内文字列情報生成部207が抽出した文字列を文字列275とし、案内標示体内文字列情報生成部207が判定した種別を種別276とし、案内標示体内文字列情報生成部207が判定した文字の大きさ情報を文字サイズ277とし、矢印形状文字列関連部208が定義した、文字列の矢印形状251に対する方向情報を相対方向276とした案内標示体情報280を生成する。
【0061】
そして、案内標示体情報登録部210は、案内標示体情報生成部209が生成した案内標示体情報280を案内標示体テーブル270へ登録する。
【0062】
このように、案内標示体情報登録ユニット200は、カラー構成や矢印形状パターン220のマッチング結果に基づいて画像データから案内標示体250を認識した後、当該案内標示体250から矢印形状251の情報である矢印形状情報、及び案内標示体内文字列情報を生成し、上記矢印形状情報と案内標示体内文字列情報とを関連付けし、関連付けした矢印形状情報及び案内標示体内文字列情報を含む案内標示体情報280を生成し、上記案内標示体情報280を案内標示体テーブル270へ登録している。
【0063】
よって、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体250の内容(矢印形状や文字列)を抽出し、抽出した内容に関する情報について関連付けを行った後に、当該内容を登録しているので、案内標示体の内容を適切に保持することができる。
【0064】
また、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体250から文字列を抽出した際に、文字列の種別(「平仮名及び漢字の混合」、「英字のみ」、「数字のみ」)を判定し、判定した内容を案内標示体情報280に含めている。
【0065】
よって、案内標示体情報登録ユニット200は、文字列の種別が「平仮名及び漢字の混合」であれば、方面案内の文字列であると判断したり、「英字のみ」であれば、振仮名を意味する文字列であると判断したり、「数字のみ」であれば、道路番号を意味する文字列であると判断したりすることができる。
【0066】
従って、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体情報280の文字列の種別を参照することにより、案内標示体250の内容の特性を考慮し、文字列の意味を判断することができる。従って、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体250の内容のうち、振仮名を除外して表示するなど、種別単位で表示非表示の判断を行うことも可能となる。
【0067】
そして、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体250から文字列を抽出した際に、文字列の大きさを判定し、当該文字列の大きさ情報を案内標示体情報280に含めている。
【0068】
この場合、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体250の文字列についてより詳細な情報を保持することになるので、上記文字列の大きさ情報を参照すれば、実際の案内標示体250に忠実なイラストを生成することができる。
【0069】
そして、案内標示体情報登録ユニット200は、矢印形状251を抽出した際に、矢印形状251の方向だけでなく、各矢印形状251の骨格線分257を決定し、当該骨格線分257の始点座標255及び終点座標256の情報を案内標示体情報280に含めている。
【0070】
これにより、案内標示体情報登録ユニット200は、同一方向の矢印形状251が複数ある場合でも、上記骨格線分257の始点座標255及び終点座標256を参照することにより、矢印形状251の位置関係を判断できるので、実際の案内標示体250と同一の位置関係を把握することができる。
【0071】
[案内標示体情報登録処理]
以下に、案内標示体情報登録処理の手順について図9に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、案内標示体情報登録装置100のCPU12が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0072】
まず、マッチング領域設定部203が、画像データ記憶部201により記憶されている1枚の画像データの全領域をマッチング領域に設定し、カラー領域抽出部204は、マッチング領域設定部203により設定されたマッチング領域から、特定の標示体パターンを構成する基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出し、マッチング領域設定部203が、カラー領域抽出部204により抽出されたカラー領域を新たなマッチング領域に設定する(ステップS1)。
【0073】
続いて、案内標示体認識部205は、矢印形状パターン220について、スケールを変化させたり、回転させたりすることにより、新たなマッチング領域のマッチングを行う(ステップS2)。
【0074】
そして、案内標示体認識部205のマッチング結果により、上記マッチング領域内に、矢印形状パターン220にマッチングする矢印形状251が存在する場合、案内標示体認識部205は、上記矢印形状251周辺の領域の面積と、上記マッチングした時点の矢印形状パターン220の面積とを算出し、上記矢印形状251周辺の領域の面積が、マッチングした時点の矢印形状パターン220の面積と比較して、著しく大きい場合(例えば、矢印形状251周辺の領域の面積が矢印形状パターン220の面積の5倍以上の大きさを有する等)、上記マッチング領域が案内標示体250であると認識する(ステップS3)。
【0075】
そして、矢印形状情報生成部206は、案内標示体250の領域内において、上記矢印形状パターン220を用いてパターンマッチングを行い、案内標示体250内の矢印形状251を抽出したり、パターンマッチング時の矢印形状パターン220の角度から矢印形状251の方向を判定したりする。さらに、矢印形状情報生成部206は、各矢印形状251の骨格線分の始点座標255及び終点座標256を特定し、矢印形状情報を生成する(ステップS4)。
【0076】
そして、案内標示体内文字列情報生成部207は、案内標示体の文字列(方面文字252、方面文字振仮名253、及び道路番号254)を抽出し、抽出した文字列の種別や文字の大きさも判断し、案内標示体内文字列情報を生成する(ステップS5)。
【0077】
そして、矢印形状文字列関連部208は、矢印形状情報生成部206が生成した矢印形状情報と、案内標示体内文字列情報生成部207が生成した案内標示体文字列とを関連付ける(ステップS6)。
【0078】
そして、案内標示体情報生成部209は、上記矢印形状文字列関連部208が関連付けた矢印形状情報と案内標示体内文字列情報とを含む案内標示体情報280を生成し(ステップS7)、案内標示体情報登録部210が上記案内標示体情報280を案内標示体テーブル270へ登録し(ステップS8)、案内標示体情報登録処理を終了する。
【0079】
以上、述べたように、案内標示体情報登録ユニット200は、矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶手段と、画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出手段と、カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定手段と、矢印形状パターンを用いてマッチング領域から案内標示体を認識する案内標示体認識手段と、矢印形状パターンを用いて案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成手段と、案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成手段と、矢印形状情報と、案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連手段と、矢印形状情報と、案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成手段と、案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録手段と、を備える。
【0080】
これによれば、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体の矢印形状情報と、案内標示体内文字列情報とを関連付けて情報登録しているので、案内標示体内の情報を適切に登録することができる。
【0081】
[他の実施例]
本実施例では、案内標示体内文字列情報生成部207が方面文字252、方面文字振仮名253、及び道路番号254を案内標示体内文字列として抽出する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、案内標示体280に含まれている他の種々の文字列を抽出するようにしても良い。
【0082】
本実施例では、カラー領域抽出部204が、マッチング領域から青色の成分を多く含む領域を青色領域として抽出する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、緑色の成分を多く含む領域を緑色領域として抽出し、当該緑色領域について、案内標示体認識部205が、案内標示体280であるか否か認識するようにしても良い。
【0083】
これにより、案内標示体情報登録ユニット200は、一般的に緑色が背景である有料道路用の案内標示体280を認識することができる。
【0084】
本実施例では、矢印形状情報生成部206が、骨格線分の始点座標255及び終点座標256を特定することにより、同一方向の矢印形状251の位置関係を特定する場合について述べたが、本発明はこれに限られず、案内標示体250の左上から右下方向に矢印形状パターン220を用いてマッチングを行うことにより、同一方向の矢印形状251の位置関係を特定するようにしても良い。
【0085】
上述の実施例では、矢印形状パターン220と、マッチング領域とをマッチングし、マッチングした状態における矢印形状パターン220の面積と、マッチング領域中のマッチング対象周辺の領域の面積との比較結果に基づいて、マッチング対象の周辺領域が案内標示体であるか否かを認識する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、マッチング領域内の所定領域の青色部分の比率に基づいて、案内標示体を認識するようにしても良い。
【0086】
この場合、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体内における、青色以外の色である矢印形状の割合が少ないことに着目して案内標示体を認識するので、矢印形状パターン220を使用することなく、案内標示体を認識することができる。
【0087】
上述の実施例では、矢印形状パターン220と、マッチング領域とをマッチングし、マッチングした状態における矢印形状パターン220の面積と、マッチング領域中のマッチング対象周辺の領域の面積との比較結果に基づいて、マッチング対象の周辺領域が案内標示体であるか否かを認識する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、マッチング領域内の所定領域内における上記矢印形状パターン220にマッチングした矢印形状251の数に基づいて案内標示体250を認識するようにしても良い。
【0088】
この場合、案内標示体情報登録ユニット200は、案内標示体内には矢印形状251が複数含まれていることに着目しており、この方法によっても案内標示体250を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】案内標示体情報登録装置の構成図である。
【図2】案内標示体情報登録ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【図3】画像データ及び案内標示体の例である。
【図4】矢印形状パターンの例である。
【図5】案内標示体テーブルのデータ構成を示す図である。
【図6】案内標示体認識について説明する図である。
【図7】案内標示体の形状情報について説明する図である。
【図8】案内標示体の文字列情報について説明する図である。
【図9】案内標示体情報登録処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
11 システムバス
12 CPU
13 メモリ
14 キーボード
15 座標指示デバイス
16 ディスプレイ
17 プリンタ
18 データ記憶装置
100 案内標示体情報登録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶手段と、
前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出手段と、
前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定手段と、
前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識手段と、
前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成手段と、
前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成手段と、
前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連手段と、
前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成手段と、
前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録手段と、
を備えることを特徴とする案内標示体情報登録装置。
【請求項2】
前記案内標示体内文字列情報生成手段は、前記文字列の種別を判別し、
前記案内標示体情報生成手段は、前記文字列の種別情報を前記案内標示体情報に含めることを特徴とする請求項1に記載の案内標示体情報登録装置。
【請求項3】
前記案内標示体内文字列情報生成手段は、前記文字の大きさを判別し、
前記案内標示体情報生成手段は、前記文字の大きさ情報を前記案内標示体情報に含めることを特徴とする請求項1又は2に記載の案内標示体情報登録装置。
【請求項4】
前記矢印形状情報生成手段は、矢印形状の始点及び終点の座標情報を生成し、当該座標情報を矢印形状情報に含めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の案内標示体情報登録装置。
【請求項5】
矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶工程と、
矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶工程と、
前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出工程と、
前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定工程と、
前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識工程と、
前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成工程と、
前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成工程と、
前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連工程と、
前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成工程と、
前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録工程と、
を備えることを特徴とする案内標示体情報登録方法。
【請求項6】
コンピュータ上で実行される案内標示体情報登録プログラムであって、
矢印形状を有する案内標示体を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
矢印形状パターンを記憶する矢印形状パターン記憶手段と、
前記画像データの全領域から案内標示体の基礎となるカラーを備えるカラー領域を抽出するカラー領域抽出手段と、
前記カラー領域抽出手段により抽出されたカラー領域をマッチング領域に設定するマッチング領域設定手段と、
前記矢印形状パターンを用いて前記マッチング領域から前記案内標示体を認識する案内標示体認識手段と、
前記矢印形状パターンを用いて前記案内標示体内の矢印形状の方向を含む矢印形状情報を生成する矢印形状情報生成手段と、
前記案内標示体内の文字列である案内標示体内文字列情報を生成する案内標示体内文字列情報生成手段と、
前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報との関連付けを行う矢印形状文字列関連手段と、
前記矢印形状情報と、前記案内標示体内文字列情報とを関連付けた案内標示体情報を生成する案内標示体情報生成手段と、
前記案内標示体情報を登録する案内標示体情報登録手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする案内標示体情報プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の案内標示体情報プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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