説明

椅子型マッサージ機

【課題】施療部の動作に応じた拘束度で身体部位を身体受け部に拘束できる椅子型マッサージ機を提供する。
【解決手段】使用者が着座可能な座部2と該座部の後方に設けられる背凭れ部4とで構成される身体受け部Aと、前記身体受け部Aに設けられ使用者の身体部位を施療する施療部6と、身体部位を表側から身体受け部Aに拘束する拘束手段12とを備えた椅子型マッサージ機1であって、前記椅子型マッサージ機1は前記施療部6を動作させる第1駆動部と、前記拘束手段12の拘束度を調節する第2駆動部と、前記第1及び第2駆動部を制御する制御部15とを備え、前記制御部15は、前記施療部6の動作に基づいて前記拘束手段12の拘束度を調節するよう前記第2駆動部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が着座可能な座部と該座部の後方に設けられる背凭れ部とで構成される身体受け部と、使用者の身体部位を施療する施療部と、身体部位を身体受け部に拘束する拘束手段を備える椅子型マッサージ機に関し、特に施療部の動作に基づいて拘束手段の拘束度を調節することが可能な椅子型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が着座可能な座部と該座部の後方に設けられる背凭れ部とで構成される身体受け部と、使用者の身体部位を施療する施療部とを備える椅子型マッサージ機は多数知られている。このような椅子型マッサージ機では、座部や背凭れ部などには複数のエアセルが設けられ、背凭れ部には機械式の施療機構が設けられ、これらのエアセルや施療機構によって使用者の身体部位に揉みや叩きや押圧刺激を行えるようになっている。更に、使用者の身体部位を表側から身体受け部に拘束するベルト部材が座部、背凭れ部、肘掛け部などに設けられた椅子型マッサージ機も提案されている(例えば、特許文献1又は2参照)。
【特許文献1】特開2001−017493号公報
【特許文献2】特開2006−346353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の椅子型マッサージ機では、身体受け部の幅方向に対して着脱可能なマッサージベルトの接続位置を変更して、マッサージベルトの張り加減を調節できる。また、特許文献2の椅子型マッサージ機では、ベルト部材を支持するブラケット部材を、肘掛け部の高さ方向に対して上下位置調節して、実質的にベルト部材の長さを調節できる。しかし、上記特許文献1,2に記載のいずれの椅子型マッサージ機にあっては、ベルト部材によって使用者の身体部位を表側から身体受け部に拘束し、その拘束度を調節することができるものの、使用者自身がベルト部材の張り加減(身体部位の身体受け部への拘束度)を手動で都度調節する必要があり、施療部の動作に応じてベルト部材の張り加減を自動で調節できるものではない。
【0004】
そこで本発明は、施療部の動作に応じた拘束度で身体部位を身体受け部に拘束できる椅子型マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも使用者が着座可能な座部と該座部の後方に設けられる背凭れ部とで構成される身体受け部と、前記身体受け部に設けられ使用者の身体部位を施療する施療部と、身体部位を表側から前記身体受け部に拘束する拘束手段とを備えた椅子型マッサージ機であって、前記施療部を動作させる第1駆動部と、前記拘束手段の拘束度を調節する第2駆動部と、前記第1及び第2駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記施療部の動作に基づいて前記拘束手段の拘束度を調節するよう前記第2駆動部を制御することを特徴とする。このような構成とすることにより、施療部の動作に応じて拘束手段の拘束度を自動で調節することができるため、施療動作に応じた最適な拘束度で良好にマッサージを行うことができる。
【0006】
また、前記制御部は、前記施療部の身体部位側への進出に応じて前記拘束手段の拘束度を強め、前記施療部の身体受け部側への後退に応じて前記拘束手段の拘束度を弱めるように前記第2駆動部を制御することが好ましい。このような構成とすることにより、施療部の進出により身体部位への刺激を強くするときには拘束度を強めて身体部位を身体受け部に固定して確実にマッサージを行い、施療部の後退により身体部位への刺激を弱くするときには拘束度を弱めて使用者が自由な姿勢をとることができる。従って、身体部位に緊張状態と弛緩状態をとらせることができ、緩急を付けたマッサージを行うことができる。
【0007】
また、前記第2駆動部はモータで構成され、前記拘束手段は前記モータの回転駆動によって長さを変更することにより身体部位の拘束度を調節可能とするベルト部材であることが好ましい。また、前記拘束手段は、前記モータに減速機構を介して連結された芯部材を備え、前記ベルト部材は、前記モータの回転駆動により前記芯部材に巻き取られることによって長さ変更可能とされていることが好ましい。このような構成とすることにより、ベルト部材の長さを長くすれば身体部位の拘束度を強めることができ、ベルト部材の長さを短くすれば身体部位の拘束度を緩めることができる。
【0008】
また、前記第2駆動部はエア供給装置で構成され、前記拘束手段は前記エア供給装置のエアの給排によって膨張収縮することにより身体部位の拘束度を調節可能とする空気袋であることが好ましい。このような構成とすることにより、空気袋に流入するエア流量を多くすれば身体部位の拘束度を強めることができ、空気袋に流入するエア流量を少なくすれば身体部位の拘束度を緩めることができる。また、前記施療部を膨張収縮によって身体部位を施療する空気袋で構成した場合、前記第1駆動部と前記第2駆動部を同一のエア供給装置に共通化することができ、椅子型マッサージ機の構造を簡素化できる。
【0009】
また、前記拘束手段は使用者の胴部を表側から前記身体受け部に拘束するよう前記背凭れ部に設けられており、前記拘束手段の一端部は前記背凭れ部に支持され、他端部は前記背凭れ部又は前記座部に対して連結及び離脱可能であることが好ましい。このような構成とすることにより、特に背凭れ部が起立した状態で背凭れ部に設けられた施療部を動作させる場合、胴部の前方向への移動を規制することができ、確実に胴部を施療することができる。
【0010】
また、前記背凭れ部に設けられ前記拘束手段の他端部を連結及び離脱可能にするための第1連結部を有し、且つ前記座部に設けられ前記拘束手段の他端部を連結及び離脱可能にするための第2連結部を有し、前記拘束手段の他端部を前記第1連結部に連結する第1拘束状態と、前記第2連結部に連結する第2拘束状態とで切替え可能であることが好ましい。このような構成とすることにより、単一の拘束手段でありながら使用者の好みに合わせて身体受け部への拘束状態を変更することができる。
【0011】
また、前記拘束手段は背凭れ部に上下方向に位置調節自在に設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、使用者の体型に合わせて拘束手段の背凭れ部に対する上下位置調節を行うことができる。
【0012】
また、前記拘束手段は圧力センサを備え、前記圧力センサの検出結果に基づいて前記第1駆動部及び/又は前記第2駆動部を制御することが好ましい。このような構成とすることにより、施療部を動作させることで拘束手段にかかる圧力を圧力センサが検出することができる。そして、検出された圧力値に応じて最適な拘束度になるように拘束手段を自動で調節することができる。
【0013】
また、前記座部に着座した使用者の臀部を左右両側から押圧する施療部と、前記背凭れ部に吊下げ支持され該使用者の脇を支持する脇支持手段と、該脇支持手段を上下方向に移動させる第3駆動部とを備え、前記制御部は該施療部による臀部の押圧に連動して前記脇支持手段を上方向に移動させるよう前記第3駆動部を制御することが好ましい。このような構成とすることにより、使用者の臀部を座部に拘束した状態で、脇が上方向に引っ張られるため、背筋を伸ばすストレッチ動作を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、施療部の動作に応じた拘束度で身体部位を身体受け部に拘束してマッサージを行うことができる椅子型マッサージ機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[全体構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図であり、図2はこの発明のマッサージ機の実施の一形態において背凭れ部と座部の内部構造を示す斜視図である。図1に示すようにこのマッサージ機1は、身体受け部Aである使用者(被施療者)の臀部及び大腿部を支持する座部2と、使用者の脚及び足裏を支持するフットレスト(脚載部)3と、使用者の背中を支持する背凭れ部4と、左右両側に設けられた使用者の腕を支持する肘掛部5とを備えた椅子型のものである。フットレスト3と背凭れ部4とは、電動駆動機構、流体圧駆動機構又は手動で操作する機構等により、座部2に対して角度変更が可能となっている。なお、本明細書において、前記背凭れ部4の幅方向を「左右方向」、高さ方向を「上下方向」、奥行き方向を「前後方向」といい、その他の場合は適宜説明するものとする。なお、「左右方向」については、着座した使用者から見て右側を「右」、着座した使用者から見て左側を「左」という。
【0016】
図2に示すようにこの背凭れ部4には、詳細は後述する使用者の胴部の背面側を施療する機械式のマッサージユニット(施療部)6と、使用者の胴部を背面から前面に向かって押圧する空気式の背部用エアセル(施療部)7が複数設けられている。座部2は合成樹脂等で形成された硬質の座面体2aと、座面体2aの上部に設けられ内部にクッション材を有する座クッション2bとから構成され、座クッション2bの内部には使用者の臀部及び大腿部の底部を下から上に向かって押圧する座底部用エアセル(施療部)8が複数設けられている。左右の肘掛部5の内側面には使用者の臀部及び大腿部の側面を左右から挟むように押圧する座側部用エアセル(施療部)9が設けられ、フットレスト3には使用者の脹脛、足首、足の甲等の部分を挟むように押圧する脹脛部用エアセル(施療部)10、足部用エアセル(施療部)11がそれぞれ設けられている。更に、背凭れ部4の前面には使用者の胴部を背凭れ部4に拘束する拘束手段12、及び使用者の脇部を支持する脇支持手段13が設けられている。また、詳細は後述するが背凭れ部4の前面下部、及び座部2の上面両端部のそれぞれには、拘束手段12を連結する連結部114である第1連結部114a、及び第2連結部114bが設けられている(図1参照)。
【0017】
[背凭れ部の構成]
図3は、マッサージ機1の背凭れ部4の分解斜視図である。この背凭れ部4は、当該背凭れ部4の内部骨格を構成する背部フレーム4aと、使用者の背中を後方から全体的に支持すべくその背部フレーム4aの前面側に配置された硬質プラスチックよりなり前面を布部材で被覆された背部プレート4bと、背部プレート4bの前面側に配置されたクッション性を有する布製の背パッド4cと、背部フレーム4aの後面側を覆う硬質プラスチックよりなる後部蓋体4d(図1参照)とで構成されている。
【0018】
背部フレーム4aは、マッサージユニット支持部材としての第1ガイドレール100、基礎部材101、拘束手段支持部材としての第2ガイドレール102、及び梁部材103によって構成されている。第1ガイドレール100は所定間隔を隔てて左右に配置されて、左右方向に長寸で板状の基礎部材101から背凭れ部4に沿って略上方向へ延設されている。第1ガイドレール100はマッサージユニット6を上下移動可能に支持するマッサージユニット支持部材として機能する。左右の第1ガイドレール100の上端部には、後述する使用者の身体部位を拘束する拘束手段12を上下移動可能に支持する拘束手段支持部材としての左右一対の第2ガイドレール102が取付けられている。この第2ガイドレール102の互いの上端部には板状の梁部材103が架設されている。このように、左右一対の第1ガイドレール100、基礎部材101、左右一対の第2ガイドレール102、及び梁部材103によって略矩形状の背部フレーム4aが構成されている。
【0019】
第1ガイドレール100は第1前部材100a、第1後部材100b、及び第1前部材100aと第1後部材100bを接続する第1側部材100cとで構成され、上面視で略コの字状に形成されている。第1前部材100aの背面にはマッサージユニット6の上下移動をガイドする第1ガイド面100dが形成されている。また、第1ガイド面100dの上端部と下端部には、マッサージユニット6の上限位置及び下限位置を規制するための上限リミットセンサ104及び下限リミットセンサ105が設けられている。第1後部材100bの前面(第1ガイド面100dの対向面)にはマッサージユニット6を昇降可能に支持する第1ラック100eが設けられている。
【0020】
第2ガイドレール102は第2前部材102a、第2後部材102b、及び第2前部材102aと第2後部材102bを接続する第2側部材102cとで構成され、上面視で略コの字状に形成されている。第2ガイドレール102である第2前部材102a及び第2後部材102bの幅寸法は第1ガイドレール101の第1前部材101a及び第1後部材101bの幅寸法よりも内側に大きく形成されている。第2前部材102aには前後方向に貫通し、上下方向に長寸である略矩形状に形成された第1窓部106が左右方向内側寄りに設けられている。第2前部材102aの背面には拘束手段12の上下移動をガイドする第2ガイド面102dが形成されている。第2側部材102cには、左右方向に貫通し、上下方向に長寸である略矩形状に形成された第2窓部107が設けられている。第2後部材102bの前面(第2ガイド面102dの対向面)には拘束手段12を昇降可能に支持する第2ラック102eが設けられている。第2ラック102eは前後方向から見て第1窓部106とオーバーラップしない程度の幅寸法に形成されている。更に、第2前部材102aの前面から第2側部材102cを通って第2後部材102bの背面まで前後方向に貫通する貫通孔108が設けられている。
【0021】
背部プレート4bは中央部に開口部4b1と、その両側と上部に使用者の身体部位を支持する胴部支持部4b2及び頭部支持部4b3とを有している。胴部支持部4b2には後述する背部用エアセル7が設けられている。また、左右の胴部支持部4b2の下方には、後述する拘束手段12を連結及び離脱可能とする連結部114(第1連結部114a)がそれぞれ設けられている。この第1連結部114aは前方へ突出しており、背部プレート4bの前面に背パッド4cを取付けた際に、背パッド4c内部のクッション材を貫通して、背パッド4cの前面に設けられた左右一対のスリット115から外部に望めるようになっている。頭部支持部4b3の前面の左右両端部には、前後方向に貫通し、上下方向に長寸である略矩形状に形成された一対の第1窓部109が設けられている。前記一対の第1窓部109の左右方向外側には、前後方向に貫通する一対の貫通孔110が設けられている。頭部支持部4b3の左右両側面には、左右方向に貫通し、上下方向に長寸である略矩形状に形成された第2窓部111が設けられている。これら背部プレート4bに設けられた第1窓部109、貫通孔110、及び第2窓部111は、背部プレート4bを背部フレーム4aに取付けた際に、背部フレーム4aに設けられた第1窓部106、貫通孔108、及び第2窓部107と一致する位置に設けられている。
【0022】
背パッド4cの前面の左右両端部には、前後方向に貫通し、上下方向に長寸である略矩形状に形成された一対の第1窓部112が設けられている。前記一対の第1窓部112の左右方向外側には、前後方向に貫通する一対の貫通孔113が設けられている。背パッド4cの下端部には、前述した第1連結部114aを外部に露出させるためのスリット115が第1連結部114aに対応する位置に設けられている。
【0023】
[施療部(エアセル)の構成]
次に図1及び図2に基づいて、椅子型マッサージ機1に設けられたエアセル(施療部)7〜11について、以下に詳細に説明する。各エアセル7〜11は、座部2の下方に設けられたエア供給装置14によって、各エアセル7〜11に対してエアの給排が行われることで、各エアセル7〜11は膨張収縮することができる。エア供給装置14はエアポンプや切替弁(図示せず)等を有しており、エア供給装置14と同様に座部2の下方に設けられた制御部15がこのエア供給装置14を制御することにより、エアセル7〜11はそれぞれ独立して動作することができる。このエア供給装置14はエアセル(施療部)7〜11を駆動するための第1駆動部として機能する。
【0024】
これらエアセル7〜11はそれぞれ、背部用右エアセル7a,背部用左エアセル7b,座底部用右エアセル8a,座底部用左エアセル8b,座底部用中央エアセル8c,座側部用右エアセル9a,座側部用エアセル9b,脹脛部用右エアセル10a,脹脛部用左エアセル10b,足部用右エアセル11a,足部用左エアセル11bとで構成されている。これらエアセル7〜11のそれぞれは設置箇所に応じた形状となっており、面形状に形成して身体部位の当接面に対して垂直に膨張したり、蛇腹形状に形成して身体部位の当接面に対して扇状に膨張したりすることができる。例えば、座底部用エアセル8a,8bは、使用者の臀部や大腿部の側面を左右両側から挟むよう膨張するように蛇腹形状としてもよい。また、背部用エアセル7a,7bは背部プレート4bの胴部支持部4b2の前面に設けられ、背部プレート4bの前面は背パッド4cによって覆われている。なお、本実施形態の椅子型マッサージ機1では、背部用エアセル7は背部プレート4bの前面に設けられているが、背パッド4c内部に設けられていてもよい。
【0025】
[施療部(マッサージユニット)の構成]
次に図3〜5に基づいて、椅子型マッサージ機1に設けられたマッサージユニット(施療部)6について、以下に詳細に説明する。図4は、マッサージユニット6の前方からの斜視図であり、図5は、マッサージユニット6の後方からの斜視図である。背凭れ部4の内部に設けられた背部フレーム4aに、上下方向に延びる左右一対の第1ガイドレール101が延設されており、この両第1ガイドレール101,101間にマッサージユニット6が走行自在に設けられている。マッサージユニット6には施療子16が設けられており、施療子16は背部プレート4bの開口部4b1内において昇降したり、揉みや叩き等の施療動作をしたりできる。また、施療子16には、使用者の身体部位から施療子16にかかる負荷を検出し使用者の肩位置を検出する肩位置検出センサ(図示せず)が設けられている。また、マッサージユニット6は、背部フレーム4aに昇降可能支持される支持枠体6aと、支持枠体6aに対して前後移動可能に支持されている可動体6bとで構成されている。支持枠体6aに設けられた前後方向に延びる第3ラック17に沿って、可動体6bが前後方向に移動することによって、マッサージユニット6は前後方向に移動(進退動作)できる。このマッサージユニット6の昇降動作や揉みや叩き等の施療動作や進退動作は、前述した制御部15によってその動作が制御される。
【0026】
このマッサージユニット6は、昇降用モータ18、叩き用モータ19、揉み用モータ20、及び進退用モータ21が配設されている。これら4つのモータはマッサージユニット(施療部)6を駆動するための第1駆動部として機能する。
【0027】
昇降用モータ18は、マッサージユニット6の左側下方において、その出力軸が前後方向に沿って配設されている。昇降用モータ18の出力は、減速機構等を介して第1ガイドレール100の第1後部材100bの前面に沿って設けられた第1ラック100eと噛合する第1ピニオン22に伝達され、マッサージユニット6を昇降させる。マッサージユニット6は、上述した上限リミットセンサ104と下限リミットセンサ105との間を上下移動するように制御部15により制御される。更に、マッサージユニット6の上下方向の移動位置を、昇降用モータ18の回転数等によって検出して制御部15に入力するように構成されている。
【0028】
叩き用モータ19は、マッサージユニット6の中央下方において、その出力軸が左右方向に沿って配設されており、揉み用モータ20は、左側やや上方において、その出力軸が上下方向に沿って配設されている。これら叩き用モータ19、及び揉み用モータ20の出力は、減速機構等を介して所定の部位に伝達され、偏心プーリーや偏心リンク等によって偏心回転や揺動に変換され、使用者の身体部位をマッサージする施療子16に揉みや叩き動作を行わせる。
【0029】
進退用モータ21は、マッサージユニット6の中央右側の後方において、その出力軸が背凭れ部4の左右方向に沿うように配設されている。マッサージユニット(可動体6b)6は、この進退用モータ21に減速機構等を介して連結された第2ピニオン23と、この第2ピニオン23と噛合し背凭れ部4の前後方向に沿って支持枠体6aに配設された第3ラック17とを備えている。進退用モータ21が回転すると、減速機構等を介して進退用モータ21の回転出力が駆動シャフト24に伝達され、駆動シャフト24が回転し、これにより駆動シャフト24に設けられた第2ピニオン23が第3ラック17と噛み合い、可動体6bが前後に移動する。なお、マッサージユニット6の前進位置又は後退位置は、駆動シャフト24や進退用モータ21に設けられたロータリーエンコーダ等からなる進退位置検出センサ(図示せず)によって駆動シャフト24や進退用モータ21の回転数を検出し、この回転数の信号に基づいて判別することができるように構成されている。また、前進位置又は後退位置を判別する他の手段として、磁気センサ(図示でず)を、駆動シャフト24の軸長方向の所定箇所において、円周方向の複数位置に配置された磁石(図示せず)と対向するように、駆動シャフト24の近傍に配置し、周囲の磁気の強さに応じた出力電圧を発生するようにしてもよい。駆動シャフト24が回転した場合には、前記磁気センサの近傍を前記磁石が順次通過するので、制御部15が前記磁気センサからの出力電圧のピークを計数することにより、駆動シャフト24の回転数を検出し、この回転数の信号に基づいてマッサージユニット6の前進位置又は後退位置を判別できる。
【0030】
[拘束手段の構成]
次に図1及び図6に基づいて、拘束手段12について以下に詳細に説明する。図6(a)は、拘束手段12が設けられた左側の第2ガイドレール(拘束手段支持部材)102の斜視図であり、図6(b)は、拘束手段12が設けられた左側の第2ガイドレール(拘束手段支持部材)102の正面図である。拘束手段12は、ベルト部材25、芯部材26、拘束度調節用モータ(第2駆動部)27、上下調節手段28、第3ピニオン29、及びケーシング30で構成されている。ベルト部材25の一端部は、左右方向に長寸で断面円形の芯部材26に固着された固定端部とされ、ベルト部材の他端部は連結具25aが設けられた自由端部とされ、詳細は後述する背凭れ部4に設けられた第1連結部114a、又は座部に設けられた第2連結部114bに連結及び離脱可能に構成されている。このベルト部材25は、他端部(自由端部)が第2ガイドレール102の第2前部材102aに設けられた第1窓部106、背部プレート4bの頭部支持部4b3の前面に設けられた第1窓部109、及び背パッド4cの前面に設けられた第1窓部112を通過して、背凭れ部4の前面から外部に露出するように芯部材26に垂下がり支持されている(図1も参照)。拘束度調節用モータ27の出力軸27aは左右方向に沿って設けられ、芯部材26は出力軸27aの軸芯と芯部材26の軸芯が同一方向となるようにウォームギア等の減速機構(図示せず)を介して拘束度調節用モータ27の出力軸27aに取付けられている。この拘束度調節用モータ27が第1方向に回転すると、芯部材26が軸芯回りに第1方向(後方)に回転してベルト部材25の巻き取りを行い、拘束度調節用モータ27が第1方向とは反転して第2方向に回転すると、芯部材26が軸芯回りに第2方向(前方)に回転してベルト部材25の巻き出しを行うようになっている。
【0031】
このように、ベルト部材25の巻き取り又は巻き出しを行い、ベルト部材25の長さ調節をすることによって、身体部位の身体受け部A(背凭れ部4)に対する拘束度を調節可能としている。このベルト部材25の長さ調節(拘束度の調節)は、拘束度調節用モータ27の回転を制御部15によって制御することによって行なう。拘束度調節用モータ27はケーシング30に収容されており、ケーシング内に設けられ第2ラック102eと噛合する第3ピニオン29を回転させることによって拘束手段12の上下位置を調節する。この上下位置調節は、第3ピニオン29の回転軸に連結される上下調節手段28のつまみ28aを手動で回転させることによって行う。この上下調節手段は、第2ガイドレール102の第2側部材102cに設けられた第2窓部107、及び背部プレート4bの側面に設けられた第2窓部111を通過して、背凭れ部4の左側面から外部に露出するよう左方向に向けて延設されている(図1も参照)。なお、上述した拘束手段12の上下位置調節は、第3ピニオン29の回転軸に連結されたモータの回転駆動や、ケーシング30の上部と梁部材103の下部の間に設けられたエアセルによるエア駆動によって、自動で調節できるようにしてもよい。
【0032】
また、ベルト部材25の背面側(身体部位に接する側)には、ベルト部材25の背面側にかかる圧力を検出する圧力センサ31が設けられている。本発明の実施形態では、この圧力センサ31はベルト部材25の長手方向に複数設けているが、圧力センサ31をベルト部材25の長手方向に対して位置調節可能に設けてもよい。このように、拘束度調節用モータ27の駆動でベルト部材25を巻き取ることによって長さを調節できるため、身体部位の拘束度を調節でき、しかも、ベルト部材25を使用しないときは、ベルト部材25を巻取ることによって背凭れ部4の前面に垂下がることを防止できマッサージ機1の外観を向上できる。なお、拘束手段12が設けられた左側の第2ガイドレール(拘束手段支持部材)102の構造は、左側のそれと左右方向が逆になるだけなので説明は省略する。
【0033】
[拘束手段による拘束方法]
次に図7及び図8に基づいて、身体部位を表側から身体受け部Aに拘束する方法について詳細に説明する。図7は、ベルト部材(拘束手段12)25の他端部を背凭れ部4に設けられた第1連結部114aに連結する第1拘束状態を示している。第1連結部114aは、前述したように背部プレート4bの左右両側に所定間隔をおいて一対設けられ、背パッド4cの前面に第1連結部114aと対応する位置に設けられたスリット115から外部に露出している。この一対の第1連結部114aのそれぞれの間隔は、一対の第1窓部112(109)のそれぞれの間隔よりも若干幅方向に大きく形成されている。なお、スリット115は図示しないボタンやファスナー等で開閉可能とされている。この第1連結部114aには、ベルト部材25の他端部に設けられている連結具25aを挿入するための凹部が形成され、この凹部に挿入した連結具25aをロック及び解除可能なロック機構(図示せず)が設けられている。
【0034】
第1拘束状態においては、左右一対のベルト部材25がそれぞれ、身体部位の肩部付近の上方から胴部の表側(胸)を通って脇部の下方で連結され、使用者の胴部を表側から背凭れ部4に拘束する。なお、図7では右側のベルト部材25は右肩部の上方から胴部の表側を通って右脇部の下方で連結され、左側のベルト部材25は左肩部の上方から胴部の表側を通って左脇部の下方で連結されているが、右側のベルト部材25を左脇部の下方で連結し、左側のベルト部材25を右脇部の下方で連結してもよい。このベルト部材25の一端部(固定端部)は前述したように、上下方向に移動可能であるため、使用者の体型に応じて適宜調節することができる。また、ベルト部材25に設けられている上下調節機構と同様の機構を用いて、第1連結部114aを上下調節可能に構成してもよい。
【0035】
図8は、ベルト部材(拘束手段12)25の他端部を座部2の上面に設けられた第2連結部114bに連結する第2拘束状態を示している。第2連結部114bは座部2の座面体2aの左右両側に一対設けられており、この第2連結部114bは上方へ突出しており、座クッション2bの内部のクッション材を貫通して、座クッション2bの上面に設けられた左右一対のスリット115から外部に望めるようになっている。左右一対の第2連結部114bの幅方向における間隔は、一般的な体格の成人使用者の臀部の幅寸法よりも若干大きく形成されている。なお、第2連結部114bの構造は第1連結部114aの構造と同様であるので説明は省略する。
【0036】
第2拘束状態においては、左右一対のベルト部材25がそれぞれ、身体部位の肩部付近の上方から胴部の表側(胸)を通って座部2の上面両側方で連結され、使用者の胴部を表側から背凭れ部4に拘束しつつ臀部を座部2に拘束する。つまり、第2拘束状態は、右側のベルト部材25は右肩部の上方から胴部の表側を通って座部2の左側で連結され、左側のベルト部材25は左肩部の上方から胴部の表側を通って座部2の右側で連結され、一対のベルト部材25が胴部の表側で交差して使用者の胴部を表側から背凭れ部4に拘束する状態である。この一対の第2連結部114bの幅間隔は、使用者の体型に応じて適宜調節するようにしてもよい。例えば、第2連結部114bの左右方向両外側にエアセルを設け、エアセルの膨縮により第2連結部114bの幅間隔を調節できるようにすればよい。
【0037】
このように、ベルト部材25を連結及び離脱する連結部114を異なる箇所(本発明の実施形態では背凭れ部4と座部2)に複数設けることにより、使用者の好みに応じて身体部位の拘束状態を切り替えることが可能となる。なお、本発明の実施形態では、ベルト部材25は背凭れ部4に設けているが、肘掛け部5やフットレスト3に設けて使用者の腕部、脚部、又は足裏部を身体受け部Aに拘束できるようにしてもよい。更に、ベルト部材25に代えてエアの給排により膨張収縮する空気袋(エアチューブ)を拘束手段12として用いてもよい。この場合、エアチューブに供給するエア流量を調節することにより身体部位の拘束度を調節することができる。しかも、施療部としてのエアセル7〜11を駆動するための第1駆動部(エア供給装置14)を、拘束手段12としてのエアチューブを駆動する(拘束度を調節する)ための第2駆動部としても共用することができる。
【0038】
[第1自動マッサージプログラムの構成]
以下、拘束手段12を利用した第1自動マッサージプログラム(緩急マッサージコース)の一例を図9及び図10に基づいて説明する。図9は、第1自動マッサージプログラムを実行するまでのフローチャートの一例である。使用者が操作部(図示せず)により第1自動マッサージプログラムを選択すると、制御部15は拘束度調節用モータ27を第1方向に回転させるよう制御してベルト部材25の巻き取りを開始し、身体部位(胴部)の身体受け部(背凭れ部4)Aへの拘束が開始される(S1)。このベルト部材25の巻き取りは、ベルト部材25の背面に設けられた圧力センサ31が所定圧力P1を検知するまで行われ(S2)、圧力センサ31が所定圧力P1を検知すると、制御部15は拘束度調節用モータ27の回転を停止し(S3)、ベルト部材25の巻き取りを中止する。続いて、マッサージユニット6が下方から上方へ移動し、施療子16による使用者の肩位置検出を開始する(S4)。使用者の肩位置検出が完了すると、制御部15は検出された肩位置に基づいて施療部(マッサージユニット6やエアセル7〜11)による第1自動マッサージプログラムを開始する(S5)。このように、肩位置検出時において、ベルト部材25により使用者の胴部の背凭れ部4に対する拘束度を高めることによって、使用者から施療子16にかかる負荷を確実に検出することができ、正確に使用者の肩位置を検出することができる。なお、第1自動マッサージプログラムの実行前において、この肩位置検出は必ずしも必要としない。
【0039】
図10は、第1自動マッサージプログラム実行開始後のフローチャートの一例である。進退用モータ21が回転してマッサージユニット6が前進を開始すると(S6)、進退位置検出センサによってマッサージユニット6の前進移動を検知し、制御部15は拘束度調節用モータ27を第1方向に回転させるよう制御してベルト部材25の巻き取りを開始し(S7)、胴部の背凭れ部4への拘束を強めるよう制御する。このベルト部材25の巻き取りは圧力センサ31が所定圧力P2を検知するまで行われ(S8)、圧力センサ31が所定圧力P2を検出すると、制御部15は拘束度調節用モータ27の回転を停止し(S9)、ベルト部材25の巻き取りを中止する。続いて、進退用モータ21が正逆回転してマッサージユニット6が後退を開始すると(S10)、進退位置検出センサによってマッサージユニット6の後退移動を検知し、制御部15は拘束度調節用モータ27を第2方向に回転させるよう制御してベルト部材25の巻き出しを開始し(S11)、胴部の背凭れ部4への拘束を弱めるよう制御する。このベルト部材25の巻き出しは圧力センサ31が所定圧力P2よりも低く設定された所定圧力P3を検知するまで行われ(S12)、圧力センサ31が所定圧力P3を検出すると、制御部15は拘束度調節用モータ27の回転を停止し(S13)、ベルト部材25の巻き出しを中止する。続いて、制御部15が第1自動マッサージコース時間T1を経過したか否かを判断し(S14)、第1自動マッサージプログラム時間T1を経過していなければ、S6に戻ってS6〜S13が繰り返し行われる。第1自動マッサージプログラム時間T1を経過していれば第1自動マッサージプログラムを終了する。
【0040】
なお、マッサージユニット6の進退移動に代えて、背部用エアセル7の膨張による進退移動に応じて、胴部の拘束度を調節するよう制御してもよい。つまり、エア供給装置14に設けられた切替弁のON(背部用エアセル7へのエア給気開始)を検知するとベルト部材25の巻き取りを開始し、切替弁のOFF(背部用エアセル7からのエア排気開始)を検知するとベルト部材25の巻き出しを開始するよう制御する。このように、施療部(マッサージユニット6やエアセル7〜11)の前進移動に合わせて身体部位の拘束度を強め、施療部の後退移動に合わせて身体部位の拘束度を弱めるよう制御することによって、身体部位に緊張状態と弛緩状態をとらせることができ、緩急を付けたマッサージを行うことができる。
【0041】
[脇支持手段の構成]
次に図3、7、8を参照しつつ、脇支持手段13について詳細に説明する。脇支持手段13は背凭れ部4に設けられており、使用者の腕を通し脇を支持することができる左右一対の環状部32と、この環状部32の上部に取付けられ環状部を吊り下げ支持する吊部33と、吊部33の長さを調節する吊部調節用モータ(第3駆動部)34とで構成されている。吊部33の一端部は左右方向に長寸で断面円形の芯部材35に固着された固定端部とされ、他端部は第2ガイドレール(拘束手段支持部材)102に設けられた貫通孔108から背部プレート4bに設けられた貫通孔110、及び背パッド4cに設けられた貫通孔113を通過して、背凭れ部4の前面から外部に露出して環状部32に取付けられている。吊部調節用モータ34は基礎部材101の上面の後方かつ幅方向略中央部に設けられ、該モータ34の出力軸は左右方向に沿って左右両側に延設されている。芯部材35の一端部は、吊部調節用モータ34の出力軸の軸芯と芯部材35の軸芯が同一方向となるようにウォームギア等の減速機構(図示せず)を介して吊部調節用モータ34の出力軸に取付けられ、芯部材35の他端部は軸芯回りに回転可能に芯部材支持部36に取付け支持されている。なお、芯部材35は左右一対設けられており、吊部調節用モータ34の左右両側の出力軸にそれぞれ取付けられている。
【0042】
吊部調節用モータ34が第1方向に回転すると、芯部材35が軸芯回りに第1方向(後方)に回転して吊部33の巻き取りを行い、吊部調節用モータ34が第1方向とは反転して第2方向に回転すると、芯部材35が軸芯回りに第2方向(前方)に回転して吊部33の巻き出しを行うようになっている。このように吊部33の巻き取り又は巻き出しを行い、吊部33の長さを調節可能としている。この吊部33の長さ調節は、吊部調節用モータ34の回転を制御部15によって制御することによって行う。吊部33が巻取られる(吊部33の長さを短くする)と使用者の脇部が上方向に牽引され、吊部33が巻き出される(吊部33の長さを長くする)と使用者の自重により脇部が下方に移動する。この吊部33は、使用者の脇部を上方に牽引できる程度の強度に設定されたワイヤーや綱等で形成されている。
【0043】
[第2自動マッサージプログラムの構成]
以下、脇支持手段13を利用した第2自動マッサージプログラム(背筋ストレッチコース)の一例を図11に基づいて説明する。まず使用者が環状部32に両腕を通し、環状部32によって脇部を支持する。次に操作部(図示せず)を操作して、吊部調節用モータ34を第1又は第2方向に回転させて吊部33の長さを調節する。続いて操作部により第2自動マッサージプログラムを選択すると、制御部15は第2自動マッサージプログラム選択前に調節した吊部33の長さを初期長さとして設定し(S15)、座側部用エアセル9が膨張を開始するようエア供給装置14を制御し(S16)、使用者の臀部及び大腿部の側面を左右両側から挟むように押圧して身体受け部(座部2)Aに固定する。続いて制御部15が座側部用エアセル9に所定時間t1エアが給気されたか否かを判断し(S17)、制御部15が前記所定時間t1経過したことを判断すると、続いて制御部15は吊部調節用モータ34を第1方向に回転させるよう制御して吊部33の巻き取りを開始し(S18)、脇部を上方に吊り上げることによって胴部の牽引が開始される。続いて、制御部15が吊部調節用モータ34を所定時間t2第1方向に回転したか否かを判断し(S19)、制御部15が前記所定時間t2経過したことを判断すると、制御部15は吊部調節用モータ34を第2方向に回転させるよう制御して吊部33の巻き出しを開始し(S20)、脇部を使用者の自重により下方に移動させる。制御部15が吊部調節用モータ34を所定時間t3第2方向に回転したか否かを判断し(S21)、制御部15が前記所定時間t3経過したことを判断すると、続いて制御部15が第2自動マッサージコース時間T2を経過したか否かを判断し(S22)、第2自動マッサージプログラム時間T2を経過していなければS18に戻ってS18〜S21が繰り返し行われる。第2自動マッサージプログラム時間T2を経過していれば、座側部用エアセル9が収縮を開始するようエア供給装置14を制御し(S23)、第2自動マッサージプログラムを終了する。
【0044】
この第2自動マッサージプログラムは、座側部用エアセル9の膨張に代えて、脹脛部用エアセル10の膨張により脚部を身体受け部(フットレスト3)Aに固定してもよいし、座側部用エアセル9と脹脛部用エアセル10の双方を膨張させて、臀部及び大腿部と脹脛部を身体受け部(座部2及びフットレスト3)Aに固定してもよい。このように、使用者の下半身である臀部、大腿部、脹脛部等を身体受け部Aに固定した状態で脇部を上方に牽引することによって、背筋のストレッチを行うことができる。なお、この第2自動マッサージプログラムと第1マッサージプログラムを組み合わせた第3自動マッサージプログラムを実行することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、施療部の動作に応じた拘束度で身体部位を身体受け部に拘束できる椅子型マッサージ機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のマッサージ機の背凭れ部と座部の内部構造を示す斜視図である。
【図3】背凭れ部の分解斜視図である。
【図4】マッサージユニットの前方からの斜視図である。
【図5】マッサージユニットの後方からの斜視図である。
【図6】(a)は拘束手段が設けられた左側の第2ガイドレールの斜視図であり、(b)は拘束手段が設けられた第2ガイドレールの正面図である。
【図7】第1拘束状態におけるマッサージ機の斜視図である。
【図8】第2拘束状態におけるマッサージ機の斜視図である。
【図9】第1自動マッサージプログラムを実行するまでのフローチャートである。
【図10】第1自動マッサージプログラム実行のフローチャートである。
【図11】第2自動マッサージプログラム実行のフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 マッサージ機
2 座部
3 フットレスト(脚載部)
4 背凭れ部
5 肘掛部
6 マッサージユニット(施療部)
7,8,9,10,11 エアセル(施療部)
12 拘束手段
13 脇支持手段
14 エア供給装置(第1駆動部)
21 進退用モータ(第1駆動部)
25 ベルト部材
25a 連結具
27 拘束度調節用モータ(第2駆動部)
31 圧力センサ
32 環状部
33 吊部
34 吊部調節用モータ(第3駆動部)
100 第1ガイドレール(マッサージユニット支持部材)
102 第2ガイドレール(拘束手段支持部材)
106,109,112 第1窓部
107,111 第2窓部
102,110,113 貫通孔
114a 第1連結部
114b 第2連結部
A 身体受け部











【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも使用者が着座可能な座部と該座部の後方に設けられる背凭れ部とで構成される身体受け部と、前記身体受け部に設けられ使用者の身体部位を施療する施療部と、身体部位を表側から前記身体受け部に拘束する拘束手段とを備えた椅子型マッサージ機であって、
前記施療部を動作させる第1駆動部と、
前記拘束手段の拘束度を調節する第2駆動部と、
前記第1及び第2駆動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記施療部の動作に基づいて前記拘束手段の拘束度を調節するよう前記第2駆動部を制御することを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
前記制御部は、前記施療部の身体部位側への進出に応じて前記拘束手段の拘束度を強め、前記施療部の身体受け部側への後退に応じて前記拘束手段の拘束度を弱めるように前記第2駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項3】
前記第2駆動部はモータで構成され、
前記拘束手段は前記モータの回転駆動によって長さを変更することにより身体部位の拘束度を調節可能とするベルト部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
前記拘束手段は、前記モータに減速機構を介して連結された芯部材を備え、
前記ベルト部材は、前記モータの回転駆動により前記芯部材に巻き取られることによって長さ変更可能とされていることを特徴とする請求項3に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
前記第2駆動部はエア供給装置で構成され、
前記拘束手段は前記エア供給装置のエアの給排によって膨張収縮することにより身体部位の拘束度を調節可能とする空気袋であることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
前記拘束手段は使用者の胴部を表側から前記身体受け部に拘束するよう前記背凭れ部に設けられており、
前記拘束手段の一端部は前記背凭れ部に支持され、他端部は前記背凭れ部又は前記座部に対して連結及び離脱可能であることを特徴する請求項1〜5のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
前記背凭れ部に設けられ前記拘束手段の他端部を連結及び離脱可能にするための第1連結部を有し、且つ前記座部に設けられ前記拘束手段の他端部を連結及び離脱可能にするための第2連結部を有し、
前記拘束手段の他端部を前記第1連結部に連結する第1拘束状態と、前記第2連結部に連結する第2拘束状態とで切替え可能であることを特徴とする請求項6に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
前記拘束手段は背凭れ部に上下方向に位置調節自在に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
前記拘束手段は圧力センサを備え、前記圧力センサの検出結果に基づいて前記第1駆動部及び/又は前記第2駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項10】
前記座部に着座した使用者の臀部を左右両側から押圧する施療部と、
前記背凭れ部に吊下げ支持され該使用者の脇を支持する脇支持手段と、
該脇支持手段を上下方向に移動させる第3駆動部とを備え、
前記制御部は該施療部による臀部の押圧に連動して前記脇支持手段を上方向に移動させるよう前記第3駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−268642(P2009−268642A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120628(P2008−120628)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】