椅子型電位治療器
【課題】着座者に対する施療子の押し込み量を精度よく制御できる椅子型電位治療器を提供する。
【解決手段】上下移動機構51により施療子が上下動し、施療子が背もたれ部1bに寄りかかっている背中を押圧する。ここで、施療子の押し込み量を変更するときは、傾斜機構53を動作させ上下移動機構51を前後方向に傾斜させる。この傾斜角度の変更により施療子の位置が前後に移動し、施療子の押し込み量が変化する。ここで、施療子の押し込み量の変更操作が上下移動機構51の上部が操作点でかつ下部が支点となっているため、操作点側を大きく移動させる場合でも支点側の移動量は小さく、これにより、上下移動機構51の傾斜角度、ひいては、施療子の押し込み量を微細に変更することができる。
【解決手段】上下移動機構51により施療子が上下動し、施療子が背もたれ部1bに寄りかかっている背中を押圧する。ここで、施療子の押し込み量を変更するときは、傾斜機構53を動作させ上下移動機構51を前後方向に傾斜させる。この傾斜角度の変更により施療子の位置が前後に移動し、施療子の押し込み量が変化する。ここで、施療子の押し込み量の変更操作が上下移動機構51の上部が操作点でかつ下部が支点となっているため、操作点側を大きく移動させる場合でも支点側の移動量は小さく、これにより、上下移動機構51の傾斜角度、ひいては、施療子の押し込み量を微細に変更することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極に交流高電圧を導き、人体に電位治療を施す電位治療器にマッサージ装置を組み込んだ椅子型電位治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の椅子型電位治療器として、出願人は一例として特許文献1に記載されたものを提案している。
【0003】
電位治療器では一般に全身通電法と局所通電法とが採用されている。全身通電法は電界を人体全体に満遍なく包むよう形成し、これにより、人体表面の感覚受容器を刺激して自律神経系や内分泌系を調整している。一方、局所通電法は電界を人体の局所に集中的に形成し、これにより、人体局所への刺激により筋肉の凝りや痛みを緩和している。
【0004】
前記出願人提案の椅子型電位治療器は、椅子本体の座部に幅広の電極を配置しており、電極に交流高電圧を導き着座者の全身に通電する全身通電法が採用されている。
【0005】
しかしながら、この椅子型電位治療器は電位治療のみを行うものであり、着座者に対して機械的マッサージなどを提供するものではなく、多様なニーズに必ずしも十分に応えることができなかった。
【0006】
そこで、この椅子型電位治療器にマッサージ機能を付加するため、マッサージチャーに使用されているマッサージ装置(特許文献2)を組み込むことが考えられる。これにより、電位治療はもとより、マッサージ治療も提供することができる。
【0007】
ここで、特許文献2に記載したマッサージ装置は着座者の背中を押圧する施療子を有し、施療子の押し込み角度(背中への押し込み量)を任意に設定できるようになっている。即ち、押し込み角度を大きくするときは背中を強く押し、他方、押し込み角度を小さくするときは背中を弱く押すため、着座者は快適な押圧力を得ることができる。
【特許文献1】特開2003−325678号公報
【特許文献2】特開平7−39569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、椅子型電位治療器に前記マッサージ装置を組み込んだとしても、押し込み角度の変更操作が施療子自体を所定角度回転して行われるため、駆動源であるモータが僅かに回転させるときでも、施療子の回転角度に大きくなってしまい、押し込み角度の微調整が極めて複雑になるという問題点を有していた。
【0009】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、着座者に対する施療子の押し込み量を精度よく制御できる椅子型電位治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記課題を解決するため、椅子本体に交流高電圧が導かれる電極を配置し、着座者に電圧を印加して電位治療を施す椅子型電位治療器において、椅子本体の背もたれ部の裏面に上下に亙って配置され下部が椅子本体に軸支された上下移動機構と、上下移動機構によって上下動し着座者の背中を押圧する施療子と、上下移動機構の上部を前後方向に移動させ上下移動機構の下部軸支部分を支点に上下移動機構を傾斜させる傾斜機構とを備えたマッサージ装置を有する構造となっている。
【0011】
本発明によれば、上下移動機構により施療子が上下動し、施療子が背もたれ部に寄りかかっている背中を押圧する。ここで、施療子の押し込み量を変更するときは、傾斜機構を動作させ上下移動機構を前後方向に傾斜させる。この傾斜角度の変更により施療子の位置が前後に移動し、施療子の押し込み量が変化する。
【0012】
ここで、施療子の押し込み量の変更操作が、上下移動機構の上部が操作点でかつ下部が支点となっているため、操作点側を大きく移動させる場合でも支点側の移動量は小さく、これにより、上下移動機構の傾斜角度、ひいては、施療子の押し込み量を微細に変更することができる。
【0013】
なお、傾斜機構は背もたれ部に固定されたケーシングと、ケーシングに固定されたモータと、前後方向に配置されモータにより回転する棒ねじと、棒ねじに螺合されるとともに上下移動機構に連結したナットとを有する構造を採用するようにしてもよい(請求項2)。また、椅子本体に振動装置及び電熱ヒータを設置し、振動マッサージ治療や温熱治療を併用できるようにしてもよい(請求項3)。更に、モータの軸線と棒ねじの軸線が平行になるよう互いに対向して配置したときは、モータと棒ねじを直線的に配置する場合と比較し、前後方向の配置寸法が短くなり、全体にコンパクトになる(請求項4)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、施療子の押し込み量を精度よく制御できるし、また、電位治療はもとより、温熱治療や振動マッサージ治療も行うことができ、使用者の各種ニーズに応えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1乃至図9は本発明に係る椅子型電位治療器の一実施形態を示すもので、図1は椅子型電位治療器の全体斜視図、図2は電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図、図3は電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の制御回路を示すブロック図、図4は電位治療器本体の電気回路図、図5はマッサージ装置の斜視図、図6は上下移動機構の移動ブロック側を示す背面図、図7は上下移動機構の駆動部側を示す背面図、図8は施療子を示す側面図、図9は傾斜機構を示す側面図である。
【0016】
本実施形態に係る椅子型電位治療器の全体構造を図1及び図2を参照して説明する。この椅子型電位治療器の椅子本体1は着座者の尻部を載せる座部1a、座部1aの後端から上方に延在した背もたれ部1b、座部1aの左右に立設した肘あて部1c、座部1aの前端に設けた第1足載せ台1dを有している。また、背もたれ部1bの左右には椅子本体1の左右からの視線を遮る目隠し部1eが延在され、また、第1足載せ台1dの内部には前後方向に引き出し自在の第2足載せ台1fを有している。これらの各部1a〜1fは図示しない支持構造体により支持されている。
【0017】
また、椅子本体1の各部1a〜1fには、図2に示すように、電位治療器本体2の電極21、電熱ヒータ例えば遠赤外線ヒータ(以下、ヒータという)3、振動装置4、マッサージ装置5が埋設されている。即ち、座部1aには電極21が1個、ヒータ3が1個、振動装置4が2個埋設されている。背もたれ部1bにはヒータ3が2個、振動装置4が4個、マッサージ装置5が埋設されている。第1足載せ台1dには電極21が1個埋設されている。目隠し部1eには電極21が2個埋設され、第2足載せ台1fにはヒータ3が2個埋設されている。
【0018】
これらの各機器2〜5は、図3に示すように、制御装置6(例えばマイクロコンピュータ)により制御されるもので、電位治療スイッチ61、ヒータスイッチ62、振動スイッチ63及びマッサージスイッチ64からの駆動信号に基づき機器駆動回路65を介して各機器2〜5を駆動制御するようになっている。
【0019】
ここで、電位治療器本体2の各電極21と交流電源22との間の回路中には、図4に示すように、高圧トランス23が設置され、例えば5,000V以上の交流高電圧を電極21に導いている。なお、高圧トランス23の一次コイル23aと二次コイル23bとの間には電位を安定化させる抵抗24が介在され、また、二次コイル23bと電極21との間には電流を制限する抵抗25が接続されている。交流電源22の回路中には前記機器駆動回路65で制御される通電制御スイッチ26が挿入されている。これにより、座部1a、第1足載せ台1d及び目隠し部1eの各電極21に交流高電圧が導かれ、着座者の電位治療が行われる。
【0020】
以上のように構成された椅子型電位治療器において、本実施形態はマッサージ装置5を組み込んだことに特徴を有している。以下、マッサージ装置5の構造を図5〜図9を参照して説明する。なお、図5は背もたれ部1bの被覆部材は省略し、内部に埋設されたマッサージ装置5を示している。
【0021】
マッサージ装置5は、背もたれ部1bの裏面に設置されている。背もたれ部1bはその周縁に亙ってパイプにて形成された支持フレーム1b−1を有し、支持フレーム1b−1の背面側には背板1b−2が固着されている。なお、背板1b−2の中央には上下に延在された施療子移動用の長穴1b−3が形成されている。
【0022】
マッサージ装置5は背もたれ部1bに沿って上下に亙って延在された上下移動機構51と、上下移動機構51によって上下に移動する施療子52と、上下移動機構51を傾斜させる傾斜機構53とを有している。
【0023】
この上下移動機構51は、左右のフレーム枠511aを上下板511b,511cで連結して移動機構ケーシング511を形成している。また、各フレーム枠511aの間にはこれに沿って棒ねじ512が配置されており、棒ねじ512の上端が上板511bに軸支され、また、下端は下板511cに軸支されている。また、棒ねじ512の下端は、図7に示すように、タイミングベルト機構513により可逆転駆動の移動用モータ514に連結している。即ち、棒ねじ512の下端には従動プーリ513aを取り付け、移動用モータ514のシャフトの下端には主動プーリ513bを取り付け、各プーリ513a,513bをタイミングベルト513cで連結している。これにより、移動用モータ514の正転及び逆転により棒ねじ512が正転及び逆転する。また、下板511cは椅子本体1の支持構造体のマッサージ装置支持シャフト511dに軸支されており、これにより、上下移動機構51がマッサージ装置支持シャフト511dを支点として前後方向に回動自在となっている。
【0024】
棒ねじ512には、図6に示すように、ブロックケーシング515aに収容された移動ブロック515が螺合されている。移動ブロック515の左右の突出ピン515bの先端にはピニオン516が軸支され、一方、各フレーム枠511aの内面には上下に延在されたラック517が設置されており、各ピニオン516が各ラック517に歯合している。これにより、移動ブロック515がラック517及びピニオン516により安定的に上下に案内される構造となっている。
【0025】
前記施療子52は、図6及び図8に示すように、移動ブロック515のピン515bに軸支されている。この施療子52は「く」の字状に形成された連結アーム521と、連結アーム521の先端に回動自在に連結された扁平の揉み玉522とからなり、揉み玉522が背板1b−2の長穴1b−3を通って着座者の背中を押圧するようになっている。
【0026】
前記傾斜機構53は、図5及び図9に示すように、上下移動機構51の上方に設置されている。傾斜機構53は前後方向に直方体形状に形成された傾斜機構ケーシング531を有し、このケーシング531内に可逆転駆動の傾斜用モータ532と前後方向に延在された棒ねじ533とを設置している。また、傾斜用モータ532と棒ねじ533はケーシング531の前面に設置した2個のギヤ534a,534bを介して連結しており、傾斜用モータ532の回転力が棒ねじ533に伝達されるようになっている。ケーシング531の上板531aは背もたれ部1bの支持フレーム1b−1に溶接され、背板1b−2と一体となっている。また、棒ねじ533にはナット535が貫通螺合しており、このナット535が連結プレート536を介して上下移動機構51のフレーム枠511に連結している。ここで、連結プレート536はナット533の直線移動とフレーム枠511の回転移動が干渉しないよう干渉規制機構(図示しない)を備えている。なお、537は棒ねじ533の先端が当接する当て板である。
【0027】
本実施形態によれば、電位治療スイッチ61、ヒータスイッチ62、振動スイッチ63及びマッサージスイッチ64のうち何れか一つまたは複数を選択することにより、着座者に対して電位治療、温熱治療、振動マッサージ、或いは、揉みマッサージが行われ、着座者に対して一度に各種治療を施すことができる。
【0028】
また、揉みマッサージについて詳述すると、マッサージスイッチ64がオンとなるとき、移動用モータ514が回転する。この回転力がタイミングベルト機構513を介して棒ねじ512に伝達され、棒ねじ512に螺合した移動ブロック515が背もたれ部1bに沿って上下に移動する。移動ブロック515が上下に移動する際、長穴1b−3から内側に突出した施療子52が同じく上下に移動する。これにより、着座者の背中を上下に揉みマッサージすることができる。
【0029】
ここで、施療子52の押し込み量を変更するときは傾斜用モータ532を駆動する。傾斜用モータ532の回転力が各ギヤ534a,534bを介して棒ねじ533に伝達され、棒ねじ533が回転する。この棒ねじ533の回転によりナット535が前後方向に移動する(図9を参照)。ナット535の前後方向への移動により、連結プレート536に対して前後方向への移動力が付与され、この移動力がフレーム枠511aに伝達される。これにより、上下移動機構51がマッサージ装置支持シャフト511dを支点として前後方向に回動し、更には、施療子52が図8に示すように前後方向に移動し、施療子52の押し込み量が変化する。
【0030】
この施療子52の押し込み量の変更操作において、上下移動機構51(フレーム枠511a)の上端が操作点でかつ下部(下板511c)が支点となっているため、操作点側を大きく移動させる場合でも支点側の移動量は小さく、これにより、上下移動機構51の傾斜角度、ひいては、施療子52の押し込み量を微細に変更することができる。
【0031】
また、移動ブロック515を棒ねじ512の上端に移動するよう移動用モータ514を駆動し、また、棒ねじ533に螺合したナット535を手前側(図9では左端)に移動するよう傾斜用モータ532を駆動するときは、施療子52が背板1b−2の裏側に完全に移動する。これにより、揉みマッサージが不要なときに揉み玉522が着座者に当たるという不快感を解消することができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、図9に示すように、モータ532の軸線と棒ねじ533の軸線が平行になるよう互いに対向して配置しているので、モータ532と棒ねじ533を直線的に配置する場合と比較し、前後方向の配置寸法が短くなり、全体にコンパクトになる。また、各ギヤ534a,534bのギヤ比を変更するときは、送り速度や推進力を調整することができる。なお、ここで使用するモータ532は減速機付きのモータであってもよいし、また、各ギヤ534a,534bの代わりにプーリ(図示しない)とベルト(図示しない)からなる動力伝達機構を用いるようにしてもよい。
【0033】
更に、図示しないが、傾斜機構53の前後にナット535や連結プレート536の移動位置を検出する検出器を設置し、この検出器によりモータ532を制御するようにしても良い。これにより、移動機構ケーシング511の過度な移動を防止することができる
図10及び図11は本発明に係る椅子型電位治療器の他の実施形態を示すもので、図10は電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図、図11は電位治療器本体の電気回路図である。なお、前記実施形態と共通の構成部分は同一符号を用い、その説明を省略する。
【0034】
本実施形態は電位治療器本体2の電気回路を改良したものである。即ち、図11に示すように、高圧トランス23が設置され、例えば5,000V以上の交流高電圧を電極21a,21bに導いている。この高圧トランス23の一次コイル23aと二次コイル23bとの間は絶縁されている。また、二次コイル23bと電極21a(目隠し部1eの電極)との間には電流を制限する抵抗25aが接続され、二次コイル23bと電極21b(座部1a及び第1足載せ台1dの電極)との間には電流を制限する抵抗25bが接続されている。なお、前記実施形態と同様に交流電源22の回路中には前記機器駆動回路65で制御される通電制御スイッチ26が挿入されている。
【0035】
本実施形態によれば、電極21aと電極21bに逆極性の交流高電圧が導かれるため、座部1a及び第1足載せ台1dと目隠し部1eとの間で着座者に対して高出力の電位治療を行うことができる。なお、その他の構成及び作用は前記実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】椅子型電位治療器の全体斜視図
【図2】電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図
【図3】電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の制御回路を示すブロック図
【図4】電位治療器本体の電気回路図
【図5】マッサージ装置の斜視図
【図6】上下移動機構の移動ブロック側を示す背面図
【図7】上下移動機構の駆動部側を示す背面図
【図8】施療子を示す側面図
【図9】傾斜機構を示す側面図
【図10】他の実施形態に係る電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図
【図11】他の実施形態に係る電位治療器本体の電気回路図
【符号の説明】
【0037】
1…椅子本体、1b…背もたれ部、2…電位治療器本体、3…遠赤外線ヒータ、4…振動装置、5…マッサージ装置、51…上下移動機構、52…施療子、53…傾斜機構、531…傾斜機構ケーシング、532…傾斜用モータ、533…棒ねじ、535…ナット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極に交流高電圧を導き、人体に電位治療を施す電位治療器にマッサージ装置を組み込んだ椅子型電位治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の椅子型電位治療器として、出願人は一例として特許文献1に記載されたものを提案している。
【0003】
電位治療器では一般に全身通電法と局所通電法とが採用されている。全身通電法は電界を人体全体に満遍なく包むよう形成し、これにより、人体表面の感覚受容器を刺激して自律神経系や内分泌系を調整している。一方、局所通電法は電界を人体の局所に集中的に形成し、これにより、人体局所への刺激により筋肉の凝りや痛みを緩和している。
【0004】
前記出願人提案の椅子型電位治療器は、椅子本体の座部に幅広の電極を配置しており、電極に交流高電圧を導き着座者の全身に通電する全身通電法が採用されている。
【0005】
しかしながら、この椅子型電位治療器は電位治療のみを行うものであり、着座者に対して機械的マッサージなどを提供するものではなく、多様なニーズに必ずしも十分に応えることができなかった。
【0006】
そこで、この椅子型電位治療器にマッサージ機能を付加するため、マッサージチャーに使用されているマッサージ装置(特許文献2)を組み込むことが考えられる。これにより、電位治療はもとより、マッサージ治療も提供することができる。
【0007】
ここで、特許文献2に記載したマッサージ装置は着座者の背中を押圧する施療子を有し、施療子の押し込み角度(背中への押し込み量)を任意に設定できるようになっている。即ち、押し込み角度を大きくするときは背中を強く押し、他方、押し込み角度を小さくするときは背中を弱く押すため、着座者は快適な押圧力を得ることができる。
【特許文献1】特開2003−325678号公報
【特許文献2】特開平7−39569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、椅子型電位治療器に前記マッサージ装置を組み込んだとしても、押し込み角度の変更操作が施療子自体を所定角度回転して行われるため、駆動源であるモータが僅かに回転させるときでも、施療子の回転角度に大きくなってしまい、押し込み角度の微調整が極めて複雑になるという問題点を有していた。
【0009】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、着座者に対する施療子の押し込み量を精度よく制御できる椅子型電位治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記課題を解決するため、椅子本体に交流高電圧が導かれる電極を配置し、着座者に電圧を印加して電位治療を施す椅子型電位治療器において、椅子本体の背もたれ部の裏面に上下に亙って配置され下部が椅子本体に軸支された上下移動機構と、上下移動機構によって上下動し着座者の背中を押圧する施療子と、上下移動機構の上部を前後方向に移動させ上下移動機構の下部軸支部分を支点に上下移動機構を傾斜させる傾斜機構とを備えたマッサージ装置を有する構造となっている。
【0011】
本発明によれば、上下移動機構により施療子が上下動し、施療子が背もたれ部に寄りかかっている背中を押圧する。ここで、施療子の押し込み量を変更するときは、傾斜機構を動作させ上下移動機構を前後方向に傾斜させる。この傾斜角度の変更により施療子の位置が前後に移動し、施療子の押し込み量が変化する。
【0012】
ここで、施療子の押し込み量の変更操作が、上下移動機構の上部が操作点でかつ下部が支点となっているため、操作点側を大きく移動させる場合でも支点側の移動量は小さく、これにより、上下移動機構の傾斜角度、ひいては、施療子の押し込み量を微細に変更することができる。
【0013】
なお、傾斜機構は背もたれ部に固定されたケーシングと、ケーシングに固定されたモータと、前後方向に配置されモータにより回転する棒ねじと、棒ねじに螺合されるとともに上下移動機構に連結したナットとを有する構造を採用するようにしてもよい(請求項2)。また、椅子本体に振動装置及び電熱ヒータを設置し、振動マッサージ治療や温熱治療を併用できるようにしてもよい(請求項3)。更に、モータの軸線と棒ねじの軸線が平行になるよう互いに対向して配置したときは、モータと棒ねじを直線的に配置する場合と比較し、前後方向の配置寸法が短くなり、全体にコンパクトになる(請求項4)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、施療子の押し込み量を精度よく制御できるし、また、電位治療はもとより、温熱治療や振動マッサージ治療も行うことができ、使用者の各種ニーズに応えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1乃至図9は本発明に係る椅子型電位治療器の一実施形態を示すもので、図1は椅子型電位治療器の全体斜視図、図2は電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図、図3は電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の制御回路を示すブロック図、図4は電位治療器本体の電気回路図、図5はマッサージ装置の斜視図、図6は上下移動機構の移動ブロック側を示す背面図、図7は上下移動機構の駆動部側を示す背面図、図8は施療子を示す側面図、図9は傾斜機構を示す側面図である。
【0016】
本実施形態に係る椅子型電位治療器の全体構造を図1及び図2を参照して説明する。この椅子型電位治療器の椅子本体1は着座者の尻部を載せる座部1a、座部1aの後端から上方に延在した背もたれ部1b、座部1aの左右に立設した肘あて部1c、座部1aの前端に設けた第1足載せ台1dを有している。また、背もたれ部1bの左右には椅子本体1の左右からの視線を遮る目隠し部1eが延在され、また、第1足載せ台1dの内部には前後方向に引き出し自在の第2足載せ台1fを有している。これらの各部1a〜1fは図示しない支持構造体により支持されている。
【0017】
また、椅子本体1の各部1a〜1fには、図2に示すように、電位治療器本体2の電極21、電熱ヒータ例えば遠赤外線ヒータ(以下、ヒータという)3、振動装置4、マッサージ装置5が埋設されている。即ち、座部1aには電極21が1個、ヒータ3が1個、振動装置4が2個埋設されている。背もたれ部1bにはヒータ3が2個、振動装置4が4個、マッサージ装置5が埋設されている。第1足載せ台1dには電極21が1個埋設されている。目隠し部1eには電極21が2個埋設され、第2足載せ台1fにはヒータ3が2個埋設されている。
【0018】
これらの各機器2〜5は、図3に示すように、制御装置6(例えばマイクロコンピュータ)により制御されるもので、電位治療スイッチ61、ヒータスイッチ62、振動スイッチ63及びマッサージスイッチ64からの駆動信号に基づき機器駆動回路65を介して各機器2〜5を駆動制御するようになっている。
【0019】
ここで、電位治療器本体2の各電極21と交流電源22との間の回路中には、図4に示すように、高圧トランス23が設置され、例えば5,000V以上の交流高電圧を電極21に導いている。なお、高圧トランス23の一次コイル23aと二次コイル23bとの間には電位を安定化させる抵抗24が介在され、また、二次コイル23bと電極21との間には電流を制限する抵抗25が接続されている。交流電源22の回路中には前記機器駆動回路65で制御される通電制御スイッチ26が挿入されている。これにより、座部1a、第1足載せ台1d及び目隠し部1eの各電極21に交流高電圧が導かれ、着座者の電位治療が行われる。
【0020】
以上のように構成された椅子型電位治療器において、本実施形態はマッサージ装置5を組み込んだことに特徴を有している。以下、マッサージ装置5の構造を図5〜図9を参照して説明する。なお、図5は背もたれ部1bの被覆部材は省略し、内部に埋設されたマッサージ装置5を示している。
【0021】
マッサージ装置5は、背もたれ部1bの裏面に設置されている。背もたれ部1bはその周縁に亙ってパイプにて形成された支持フレーム1b−1を有し、支持フレーム1b−1の背面側には背板1b−2が固着されている。なお、背板1b−2の中央には上下に延在された施療子移動用の長穴1b−3が形成されている。
【0022】
マッサージ装置5は背もたれ部1bに沿って上下に亙って延在された上下移動機構51と、上下移動機構51によって上下に移動する施療子52と、上下移動機構51を傾斜させる傾斜機構53とを有している。
【0023】
この上下移動機構51は、左右のフレーム枠511aを上下板511b,511cで連結して移動機構ケーシング511を形成している。また、各フレーム枠511aの間にはこれに沿って棒ねじ512が配置されており、棒ねじ512の上端が上板511bに軸支され、また、下端は下板511cに軸支されている。また、棒ねじ512の下端は、図7に示すように、タイミングベルト機構513により可逆転駆動の移動用モータ514に連結している。即ち、棒ねじ512の下端には従動プーリ513aを取り付け、移動用モータ514のシャフトの下端には主動プーリ513bを取り付け、各プーリ513a,513bをタイミングベルト513cで連結している。これにより、移動用モータ514の正転及び逆転により棒ねじ512が正転及び逆転する。また、下板511cは椅子本体1の支持構造体のマッサージ装置支持シャフト511dに軸支されており、これにより、上下移動機構51がマッサージ装置支持シャフト511dを支点として前後方向に回動自在となっている。
【0024】
棒ねじ512には、図6に示すように、ブロックケーシング515aに収容された移動ブロック515が螺合されている。移動ブロック515の左右の突出ピン515bの先端にはピニオン516が軸支され、一方、各フレーム枠511aの内面には上下に延在されたラック517が設置されており、各ピニオン516が各ラック517に歯合している。これにより、移動ブロック515がラック517及びピニオン516により安定的に上下に案内される構造となっている。
【0025】
前記施療子52は、図6及び図8に示すように、移動ブロック515のピン515bに軸支されている。この施療子52は「く」の字状に形成された連結アーム521と、連結アーム521の先端に回動自在に連結された扁平の揉み玉522とからなり、揉み玉522が背板1b−2の長穴1b−3を通って着座者の背中を押圧するようになっている。
【0026】
前記傾斜機構53は、図5及び図9に示すように、上下移動機構51の上方に設置されている。傾斜機構53は前後方向に直方体形状に形成された傾斜機構ケーシング531を有し、このケーシング531内に可逆転駆動の傾斜用モータ532と前後方向に延在された棒ねじ533とを設置している。また、傾斜用モータ532と棒ねじ533はケーシング531の前面に設置した2個のギヤ534a,534bを介して連結しており、傾斜用モータ532の回転力が棒ねじ533に伝達されるようになっている。ケーシング531の上板531aは背もたれ部1bの支持フレーム1b−1に溶接され、背板1b−2と一体となっている。また、棒ねじ533にはナット535が貫通螺合しており、このナット535が連結プレート536を介して上下移動機構51のフレーム枠511に連結している。ここで、連結プレート536はナット533の直線移動とフレーム枠511の回転移動が干渉しないよう干渉規制機構(図示しない)を備えている。なお、537は棒ねじ533の先端が当接する当て板である。
【0027】
本実施形態によれば、電位治療スイッチ61、ヒータスイッチ62、振動スイッチ63及びマッサージスイッチ64のうち何れか一つまたは複数を選択することにより、着座者に対して電位治療、温熱治療、振動マッサージ、或いは、揉みマッサージが行われ、着座者に対して一度に各種治療を施すことができる。
【0028】
また、揉みマッサージについて詳述すると、マッサージスイッチ64がオンとなるとき、移動用モータ514が回転する。この回転力がタイミングベルト機構513を介して棒ねじ512に伝達され、棒ねじ512に螺合した移動ブロック515が背もたれ部1bに沿って上下に移動する。移動ブロック515が上下に移動する際、長穴1b−3から内側に突出した施療子52が同じく上下に移動する。これにより、着座者の背中を上下に揉みマッサージすることができる。
【0029】
ここで、施療子52の押し込み量を変更するときは傾斜用モータ532を駆動する。傾斜用モータ532の回転力が各ギヤ534a,534bを介して棒ねじ533に伝達され、棒ねじ533が回転する。この棒ねじ533の回転によりナット535が前後方向に移動する(図9を参照)。ナット535の前後方向への移動により、連結プレート536に対して前後方向への移動力が付与され、この移動力がフレーム枠511aに伝達される。これにより、上下移動機構51がマッサージ装置支持シャフト511dを支点として前後方向に回動し、更には、施療子52が図8に示すように前後方向に移動し、施療子52の押し込み量が変化する。
【0030】
この施療子52の押し込み量の変更操作において、上下移動機構51(フレーム枠511a)の上端が操作点でかつ下部(下板511c)が支点となっているため、操作点側を大きく移動させる場合でも支点側の移動量は小さく、これにより、上下移動機構51の傾斜角度、ひいては、施療子52の押し込み量を微細に変更することができる。
【0031】
また、移動ブロック515を棒ねじ512の上端に移動するよう移動用モータ514を駆動し、また、棒ねじ533に螺合したナット535を手前側(図9では左端)に移動するよう傾斜用モータ532を駆動するときは、施療子52が背板1b−2の裏側に完全に移動する。これにより、揉みマッサージが不要なときに揉み玉522が着座者に当たるという不快感を解消することができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、図9に示すように、モータ532の軸線と棒ねじ533の軸線が平行になるよう互いに対向して配置しているので、モータ532と棒ねじ533を直線的に配置する場合と比較し、前後方向の配置寸法が短くなり、全体にコンパクトになる。また、各ギヤ534a,534bのギヤ比を変更するときは、送り速度や推進力を調整することができる。なお、ここで使用するモータ532は減速機付きのモータであってもよいし、また、各ギヤ534a,534bの代わりにプーリ(図示しない)とベルト(図示しない)からなる動力伝達機構を用いるようにしてもよい。
【0033】
更に、図示しないが、傾斜機構53の前後にナット535や連結プレート536の移動位置を検出する検出器を設置し、この検出器によりモータ532を制御するようにしても良い。これにより、移動機構ケーシング511の過度な移動を防止することができる
図10及び図11は本発明に係る椅子型電位治療器の他の実施形態を示すもので、図10は電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図、図11は電位治療器本体の電気回路図である。なお、前記実施形態と共通の構成部分は同一符号を用い、その説明を省略する。
【0034】
本実施形態は電位治療器本体2の電気回路を改良したものである。即ち、図11に示すように、高圧トランス23が設置され、例えば5,000V以上の交流高電圧を電極21a,21bに導いている。この高圧トランス23の一次コイル23aと二次コイル23bとの間は絶縁されている。また、二次コイル23bと電極21a(目隠し部1eの電極)との間には電流を制限する抵抗25aが接続され、二次コイル23bと電極21b(座部1a及び第1足載せ台1dの電極)との間には電流を制限する抵抗25bが接続されている。なお、前記実施形態と同様に交流電源22の回路中には前記機器駆動回路65で制御される通電制御スイッチ26が挿入されている。
【0035】
本実施形態によれば、電極21aと電極21bに逆極性の交流高電圧が導かれるため、座部1a及び第1足載せ台1dと目隠し部1eとの間で着座者に対して高出力の電位治療を行うことができる。なお、その他の構成及び作用は前記実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】椅子型電位治療器の全体斜視図
【図2】電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図
【図3】電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の制御回路を示すブロック図
【図4】電位治療器本体の電気回路図
【図5】マッサージ装置の斜視図
【図6】上下移動機構の移動ブロック側を示す背面図
【図7】上下移動機構の駆動部側を示す背面図
【図8】施療子を示す側面図
【図9】傾斜機構を示す側面図
【図10】他の実施形態に係る電位治療用電極、遠赤外線ヒータ、振動装置及びマッサージ装置の装着位置を示す平面図
【図11】他の実施形態に係る電位治療器本体の電気回路図
【符号の説明】
【0037】
1…椅子本体、1b…背もたれ部、2…電位治療器本体、3…遠赤外線ヒータ、4…振動装置、5…マッサージ装置、51…上下移動機構、52…施療子、53…傾斜機構、531…傾斜機構ケーシング、532…傾斜用モータ、533…棒ねじ、535…ナット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子本体に交流高電圧が導かれる電極を配置し、着座者に電圧を印加して電位治療を施す椅子型電位治療器において、
前記椅子本体の背もたれ部の裏面に上下に亙って配置され下部が該椅子本体に軸支された上下移動機構と、
前記上下移動機構によって上下動し着座者の背中を押圧する施療子と、
前記上下移動機構の上部を前後方向に移動させ該上下移動機構の下部軸支部分を支点に該上下移動機構を傾斜させる傾斜機構とを備えたマッサージ装置を有する
ことを特徴とする椅子型電位治療器。
【請求項2】
前記傾斜機構は前記背もたれ部に固定されたケーシングと、該ケーシングに固定されたモータと、前後方向に配置され該モータにより回転する棒ねじと、該棒ねじに螺合されるとともに前記上下移動機構に連結したナットとを有する
ことを特徴とする請求項1記載の椅子型電位治療器。
【請求項3】
前記椅子本体には振動装置及び電熱ヒータを設置した
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の椅子型電位治療器。
【請求項4】
前記モータの軸線と前記棒ねじの軸線が平行になるよう互いに対向して配置した
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の椅子型電位治療器。
【請求項1】
椅子本体に交流高電圧が導かれる電極を配置し、着座者に電圧を印加して電位治療を施す椅子型電位治療器において、
前記椅子本体の背もたれ部の裏面に上下に亙って配置され下部が該椅子本体に軸支された上下移動機構と、
前記上下移動機構によって上下動し着座者の背中を押圧する施療子と、
前記上下移動機構の上部を前後方向に移動させ該上下移動機構の下部軸支部分を支点に該上下移動機構を傾斜させる傾斜機構とを備えたマッサージ装置を有する
ことを特徴とする椅子型電位治療器。
【請求項2】
前記傾斜機構は前記背もたれ部に固定されたケーシングと、該ケーシングに固定されたモータと、前後方向に配置され該モータにより回転する棒ねじと、該棒ねじに螺合されるとともに前記上下移動機構に連結したナットとを有する
ことを特徴とする請求項1記載の椅子型電位治療器。
【請求項3】
前記椅子本体には振動装置及び電熱ヒータを設置した
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の椅子型電位治療器。
【請求項4】
前記モータの軸線と前記棒ねじの軸線が平行になるよう互いに対向して配置した
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の椅子型電位治療器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−55448(P2006−55448A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241649(P2004−241649)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(598022473)株式会社 シェンペクス (3)
【出願人】(000004374)日清紡績株式会社 (370)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(598022473)株式会社 シェンペクス (3)
【出願人】(000004374)日清紡績株式会社 (370)
【Fターム(参考)】
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