説明

植物由来成分を含有する抗アレルギー剤

【課題】社会問題となっているアレルギー疾患を予防・治療するにあたり、食品または食品に準ずるものから有効成分を見いだす必要がある。本発明は特定の植物の有する抗アレルギー作用を利用して、I型アレルギー疾患の予防・治療に有効なアレルギー体質改善剤、又はアレルギー体質改善機能を持つ食品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、モモタマナ、月桃の植物体、これらの発酵産物、グァバの発酵産物、もしくはこれらの抽出エキスを有効成分とし、抗アレルギー活性を有する医薬品又は飲食品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物由来成分を含有する抗アレルギー性物質の抗アレルギー剤としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
戦後の我が国における環境とライフスタイルの変化、すなわち大気汚染の深刻化、脂肪分摂取量の増大、冷暖房器具の普及による家屋の気密化、カーペットの普及等の要因は、国民のアレルギー疾患羅患率を著しく高めてきた。現在3000万人から4000万人の国民が何らかのアレルギー症状を有しているとされ、その治療に費やされる医療費も上昇の一途をたどっている。アレルギー疾患の克服のためには生活習慣を大きく変える必要があり、持続困難な自己規制を強いられることがある。誰もが受け入れられるような簡便なアレルギー改善手段が望まれている。
【0003】
アレルギー疾患はI型からIV型に分類されるが、その中でもIgE抗体の関与するI型アレルギーが、花粉症、ダニアレルギー、食物アレルギー等、社会的に注目度の高いアレルギー疾患において重要な役割を果たしている。人間の体は、異物の体内吸収・侵入に対して特異的な抗体を産生したり、感受性Tリンパ球を活性化することで、異物を速やかに排除するための生体防御反応を示す。しかしこの生体防御反応が過剰に起こり、異物に対して「IgE」と呼ばれる抗体が過剰に産生されると、生体防御の枠を超えたアレルギー疾患に至る。
【0004】
異物が体内に入ると、マクロファージ、Bリンパ球等の抗原提示細胞に捕捉された後、異物分子の一部分が特定のTリンパ球ポピュレーションに提示され、その後の免疫応答の引き金が引かれる。Tリンパ球はインターフェロンγを始めとするThl系サイトカインと、インターロイキン4を始めとするTh2系サイトカインを産生するが、何らかの理由でTh2系サイトカインが優性に産生されると、Bリンパ球によるIgE抗体の分泌が誘導されやすくなる。花粉、ダニ、食物抗原等のアレルゲンに特異的なIgE抗体は、呼吸器系・消化器系の粘膜、皮膚に存在する肥満細胞および血液中に存在する好塩基球の表面にある高親和性IgEレセプターに結合し、これらの細胞を準活性化する。さらに前述のアレルゲンが体内に吸収されてレセプターに結合したIgE抗体と反応することにより、肥満細胞や好塩基球が活性化されてヒスタミン等のメディエータ物質類が放出され、血管や平滑筋に作用して喘息、鼻炎、下痢、皮膚炎、全身ショック等のアレルギー症状を誘発する。このようなI型アレルギー反応はアレルギー疾患の中で最も重要な位置を占めており、アレルギー疾患を克服するためにはまずI型アレルギー反応を抑えることが必要である。
【0005】
モモタマナは学名を「Terminalia catappa」、別名を「コバティシ(枯葉手樹)」という。沖縄からアジア・アフリカの海岸、小笠原諸島に自生するシクンシ科の樹木であり、種子はアーモンドに似た風味で食用になる。
【0006】
月桃は学名を「Alpinia zerumbet cv. Variegata」、別名を「アルピニア」という。九州南部から中国南部、熱帯アジアに分布するショウガ科の樹木であり、アジア地域では葉に芳香があるので食物を包むのに用いられ、葉鞘は編み物細工、綱の原料として使われている。
【0007】
モモタマナや月桃の生理機能に着目した研究は少なく、機能性食品又は医薬品の原材料としては殆ど用いられていない。しかしその葉等はポリフェノール類を多く含んでおり、様々な生理機能が期待される。
【0008】
グァバは学名を「Psidium guajava LINN」、別名を「シジュム」、「バンジロー」、「バンザクロ」という。南米や東南アジアに自生するフトモモ科の樹木であり、実は生食用、ジュースやジャムの原料として用いられている。また葉はポリフェノール類を多く含んでおり、そのエキスが糖尿病やアレルギーの予防に用いられている。しかしグァバを微生物により発酵した食材の抗アレルギー作用に関する報告は、現時点で見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のように社会問題となっているアレルギー疾患を予防・治療するにあたり、食品または食品に準ずるものから有効成分を見いだす必要がある。本発明はモモタマナ、月桃、これらの発酵産物、あるいはグァバの発酵産物の有する抗アレルギー作用を利用して、I型アレルギー疾患の予防・治療に有効なアレルギー体質改善剤、又はアレルギー体質改善機能を持つ食品を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、モモタマナ、月桃、これらの発酵産物あるいはグァバの発酵産物が、これまで知られていなかったような生理活性を有することを動物実験により確認して本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、モモタマナ、月桃の植物体、これらの発酵産物、グァバの発酵産物、もしくはこれらの抽出エキスを有効成分とし、抗アレルギー活性を有する医薬品又は飲食品を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
モモタマナあるいは月桃の植物体をそのまま使用する場合には、葉、花、果実、種子、幹もしくは根を生の状態、あるいは乾燥の後、適切な大きさに細砕、もしくは粉末化する。
【0012】
モモタマナ、月桃あるいはグァバの発酵産物を製造する場合には、一般に葉、花、果実、種子、幹もしくは根を生の状態、あるいは乾燥の後、適切な大きさに細砕、もしくは粉末化した後、水と糖蜜等の栄養源を添加して発酵基質を調製する。好ましくは水分を全体の50〜80%(w/w)、糖蜜を0.5〜20%(w/w)の範囲で加えるのが良く、糖蜜に代えてガラクトース等の糖類を使用しても、ふすま等の精穀残渡を追加しても差し支えない。調製した発酵基質に、全体の0.01−10%(w/w)の微生物を添加し、24〜120時間程度発酵処理を行う。添加する微生物としては、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ラクトバチルス・プランタリム(Lactobacillus plantarum)、バチルス・サブティリス(Bacillus Subtilis)あるいは酵母が好ましく、複数種類の微生物を同時に添加しても差し支えない。ある微生物で発酵処理を行った後、さらに別の微生物を添加して多重発酵を行っても良い。発酵を行った後、煮沸や乾燥により微生物の活動を止め、一定の発酵度を有する素材を得る。
【0013】
生あるいは乾燥した植物体、又は発酵産物からのエキス抽出に際しては、水、アルコール、又はその他の有機溶媒等が用いられる。これらを混合したものを用いても差し支えない。好ましい抽出溶媒は水、あるいは水とアルコール等との混合溶媒である。抽出は、室温抽出、加熱抽出さらには加圧抽出等にて行われる。一般的には室温〜125℃で行われる。植物体もしくは発酵産物からの抽出処理後、遠心分離等により固形分と液体を分離し、さらに必要に応じて濾過等の処理を行った後、減圧濃縮等で濃縮する。さらに、真空乾燥、凍結乾燥等により粉末化することもできる。粉末化に際して、適当な賦形剤を加えても差し支えない。
【0014】
加工された植物体、発酵産物又は抽出エキスは、経口の医薬品として用いることができ、また食品素材と混合して飲食品とすることができる。モモタマナ、月桃、これらの発酵産物、グァバの発酵産物あるいは抽出エキスを有効成分として単独で用いても、これらの複数を混合して使用しても差し支えない。性状としては固体状又は液状を呈し、医薬品としては経口剤として錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤等の剤型をとる。
【0015】
植物体、発酵産物あるいは抽出エキスを医薬品として人体に投与するときは、1素材につき1回あたり0.1〜1000mg(乾燥重量)/k g体重の量、好ましくは0.3〜300mg(乾燥重量)/kg体重の量を、1日に1ないし数回経口投与する。
【0016】
飲食品とする場合、これと混合する食品素材は固形物(粉状、薄片状、塊状など)、半固形物(ゼリー状、水飴状など)、もしくは液状物等のいずれであっても良い。飲食品1gあたりの植物体、発酵産物あるいは抽出エキスの含有量は、1素材につき0.3〜300mg(乾燥重量)であることが望ましい。
【0017】
本発明のモモタマナ、月桃、これらの発酵産物、グァバの発酵産物あるいはこれらの抽出エキスを含有する医薬品及び飲食品は、抗アレルギー作用を有するので、アレルギー疾患の予防及び治療上有効なものである。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
(モモタマナ熱水抽出エキスの調製)
100gのモモタマナ葉を細かく粉砕して1Lの蒸留水に懸濁し、100℃で2時間煮沸した。懸濁液を冷却の後、5000Gで15分間遠心分離して上清を採取し、凍結乾燥してモモタマナのエキス粉末を得た。
【実施例2】
【0019】
(月桃熱水抽出エキスの調製)
100gの月桃葉を細かく粉砕して1Lの蒸留水に懸濁し、100℃で2時間煮沸した。懸濁液を冷却の後、5000Gで15分間遠心分離して上清を採取し、凍結乾燥して月桃のエキス粉末を得た。
【実施例3】
【0020】
(モモタマナ発酵産物の調製)
細かく粉砕したモモタマナ菜200gに、650gの水と145.5gの糖蜜を添加して攪拌した後、ストレプトコッカス・サーモフィラス菌、ラクトバチルス・プランタリム菌、及びバチルス・サブティリス菌を各1.5gずつ添加して最終1000gとした。これらを密閉した容器に入れて静置培養により嫌気的に72時間発酵させた後、100℃の温度で乾燥して発酵産物の乾燥粉末を得た。さらに100gのモモタマナ発酵産物乾燥粉末を1Lの蒸留水に懸濁し、100℃で2時間煮沸した。懸濁液を冷却の後、5000Gで15分間遠心分離して上清を採取し、凍結乾燥してエキス粉末を得た。
【実施例4】
【0021】
(月挑発酵産物の調製)
細かく粉砕した月桃葉200gに、650gの水と145.5gの糖蜜を添加して攪拌した後、ストレプトコッカス・サーモフィラス菌、ラクトバチルス・プランタリム菌、及びバチルス・サブティリス菌を各1.5gずつ添加して最終1000gとした。これらを密閉した容器に入れて静置培養により嫌気的に72時間発酵させた後、100℃の温度で乾燥して発酵産物の乾燥粉末を得た。さらに100gの月挑発酵産物乾燥粉末を1Lの蒸留水に懸濁し、100℃で2時間煮沸した。懸濁液を冷却の後、5000Gで15分間遠心分離して上清を採取し、凍結乾燥してエキス粉末を得た。
【実施例5】
【0022】
(グァバ発酵産物の調製)
細かく粉砕したグァバ菜200gに、650gの水と145.5gの糖蜜を添加して撹拝した後、ストレプトコッカス・サーモフィラス菌、ラクトバチルス・プランタリム菌、及びバチルス・サブティリス菌を各1.5gずつ添加して最終1000gとした。これらを密閉した容器に入れて静置培養により嫌気的に72時間発酵させた後、100℃の温度で乾燥して発酵産物の乾燥粉末を得た。さらに100gのグァバ葉発酵産物乾燥粉末を1Lの蒸留水に懸濁し、100℃で2時間煮沸した。懸濁液を冷却の後、5000Gで15分間遠心分離して上清を採取し、凍結乾燥してエキス粉末を得た。
【実施例6】
【0023】
(錠剤、カプセル剤)
発酵グァバ乾燥粉末 10.0g
乳糖 75.0g
ステアリン酸マグネシウム 15.0g
合 計 100.0g

上記の各重量部を均一に混合し、常法に従って錠剤、カプセル剤とした。
【実施例7】
【0024】
(錠剤、カプセル剤)
発酵月桃乾燥粉末 10.0g
乳糖 75.0g
ステアリン酸マグネシウム 15.0g
合 計 100.0g

上記の各重量部を均一に混合し、常法に従って錠剤、カプセル剤とした。
【実施例8】
【0025】
(散剤、顆粒剤)
発酵グァバ乾燥粉末 20.0g
澱粉 30.0g
乳糖 50.0g
合計 100.0g

上記の各重量部を均一に混合し、常法に従って散剤、顆粒剤とした。
【実施例9】
【0026】
(散剤、顆粒剤)
発酵月桃乾燥粉末 20.0g
澱粉 30.0g
乳糖 50.0g
合計 100.0g

上記の各重量部を均一に混合し、常法に従って散剤、顆粒剤とした。
【実施例10】
【0027】
(飴)
ショ糖 20.0g
水飴(75%固形分) 70.0g
水 9.4g
着色料 0.45g
香 料 0.05g
発酵グァバ乾燥粉末 0.1g
合 計 100.0g

上記の各重量部の各成分を用い、常法に従って飴とした。
【実施例11】
【0028】
(飴)
ショ糖 20.0g
水飴(75%固形分) 70.0g
水 9.4g
着色料 0.45g
香 料 0.05g
発酵月桃乾燥粉末 0.1g
合 計 100.0g

上記の各重量部の各成分を用い、常法に従って飴とした。
【実施例12】
【0029】
(清涼飲料水)
果 糖 5.0g
クエン酸 0.2g
香 料 0.1g
色 素 0.15g
アスコルビン酸ナトリウム 0.05g
発酵グァバエキス 0.05g
水 94.45g
合計 100.0g

上記の各重量部の各成分を用い、常法に従って清涼飲料水とした。
【実施例13】
【0030】
(清涼飲料水)
果 糖 5.0g
クエン酸 0.2g
香 料 0.1g
色 素 0.15g
アスコルビン酸ナトリウム 0.05g
発酵月桃エキス 0.05g
水 94.45g
合計 100.0g
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従って清涼飲料水とした。
【実施例14】
【0031】
(ジュース)
濃縮ミカン果汁 15.0g
果 糖 5.0g
クエン酸 0.2g
香 料 0.1g
色 素 0.15g
アスコルビン酸ナトリウム 0.05g
発酵グァバエキス 0.05g
水 79.45g
合計 100.0g

上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってジュースとした。
【実施例15】
【0032】
(ジュース)
濃縮ミカン果汁 15.0g
果 糖 5.0g
クエン酸 0.2g
香 料 0.1g
色 素 0.15g
アスコルビン酸ナトリウム 0.05g
発酵月桃エキス 0.05g
水 79.45g
合計 100.0g

上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってジュースとした。
【実施例16】
【0033】
(クッキー)
薄力粉 32.0g
全 卵 16.0g
バター 16.0g
砂 糖 25.0g
水 10.7g
ベーキングパウダー 0.2g
発酵グァバ乾燥粉末 0.1g
合計 100.0g

上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってクッキーとした
【実施例17】
【0034】
(クッキー)
薄力粉 32.0g
全 卵 16.0g
バター 16.0g
砂 糖 25.0g
水 10.7g
ベーキングパウダー 0.2g
発酵月桃乾燥粉末 0.1g
合 計 100.0g

上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってクッキーとした
【実施例18】
【0035】
(1g/kg投与時の抗アレルギー作用)
20匹の雄性BALB/c系マウス(8週齢、日本エスエルシー社)に、10μgの卵白アルブミンと4.5mgの水酸化アルミニウムを、2週間の間隔を置いて3回皮下投与して免疫を行った。最終免疫から2週間後に、全てのマウスからエーテル麻酔下で腹大静脈から全採血を行い、得られた20匹分の血液を混合の後、3000回転で20分間遠心分離した。上清として得られた抗卵白アルブミン血清を0.2mLずつ小型試験管に分注し、実験に用いるまで−80℃で凍結保存した。
凍結保存した抗卵白アルブミン血清を融解した後、生理食塩水で50、100、200、および400倍(v/v)希釈した。28匹の雄性SD系ラット(体重270g、日本エスエルシー社)の背中を刈毛し、エーテル麻酔下で抗血清の50〜400倍希釈液を、0.1mLずつ背中に皮下注射した。
モモタマナ葉、月桃菓、グァバ葉、モモタマナ発酵産物、月挑発酵産物及びグァバ発酵産物を細かく粉砕した後、それぞれを10%(w/v)になるよう、2%(w/v)アラビアゴム水溶液に懸濁した。抗血清の皮内注射から48時間後、ラットを4匹ずつ7試験群に分け、それぞれに2%アラビアゴム水溶液(対照群)、もしくは調製した各素材の懸濁液を10mL/kgずつ経口ゾンデを使って強制経口投与した。投与から1時間後、各ラットに1%(w/v)のエバンスブルーと1%(w/v)の卵白アルブミンを含む生理食塩水を1mL/kg静脈内投与し、さらに30分後に放血致死させて背中の皮膚を採取した。I型アレルギー反応により、抗血清注射部位に形成された青色瘢痕の直径を測定し、アレルギー反応量の指標とした。各試験群のアレルギー反応量は、対照群を100として相対表示した。
青色瘢痕の直径を対照群と比較したところ、月桃葉の投与群以外においてアレルギー反応量が低下し、モモタマナ葉、グァバ葉、モモタマナ発酵産物、月挑発酵産物及びグァバ発酵産物が抗アレルギー作用を有することが確認された(表1)。
【0036】
【表1】

【実施例19】
【0037】
(0.25g/kg投与時の抗アレルギー作用)
各素材の投与量を0.25g/kgに減らした条件で抗アレルギー作用を評価した。各素材の懸濁液調製法を除き、全て実施例18記載の方法に従った。各素材の粉末は2.5%(w/v)にになるよう、2%(w/v)アラビアゴム水溶液に懸濁し、10mL/kgをラットに投与することで、投与量を0.25g/kgとした。
各素材投与群のアレルギー反応量を対照群と比較したところ、発酵月桃及び発酵グァバを投与した群にのみ反応量の低下が認められた。すなわち、0.25g/kgの投与量では、月挑発酵産物とグァバ発酵産物にのみ抗アレルギー作用が認められた(表2)。
【0038】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、モモタマナ、月桃、これらの発酵産物あるいはグァバの発酵産物を原料として、抗アレルギー作用を有する物質を得ることができ、更にこれを、医薬品や飲食品の材料として容易に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モモタマナあるいは月桃の植物体、もしくは植物体から水又は有機溶媒単独、又はそれらの混合物で抽出処理して得たエキスを有効成分とする抗アレルギー剤。
【請求項2】
モモタマナ、月桃あるいはグァバの少なくとも1種類を微生物により発酵処理して得た発酵産物、もしくは発酵産物から水又は有機溶媒単独、又はそれらの混合物で抽出処理して得たエキスを有効成分とする抗アレルギー剤。
【請求項3】
発酵に、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ラクトバチルス・プランタリム(Lactobacillus plantarum)、バチルス・サブティリス(Bacillus Subtilis)あるいは酵母の少なくとも1種類を使用したことを特徴とする請求項2記載の抗アレルギー剤。
【請求項4】
抗アレルギー作用を有するモモタマナあるいは月桃の植物体、もしくは植物体から水又は有機溶媒単独、又はそれらの混合物で抽出処理して得たエキスを含有する食品。
【請求項5】
抗アレルギー作用を有するモモタマナ、月桃あるいはグァバの少なくとも1種類を微生物により発酵処理して得た発酵産物、もしくは発酵産物から水又は有機溶媒単独、又はそれらの混合物で抽出処理して得たエキスを含有する食品。
【請求項6】
発酵に、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ラクトバチルス・プランタリム(Lactobacillus plantarum)、バチルス・サブティリス(Bacillus Subtilis)あるいは酵母の少なくとも1種類を使用したことを特徴とする請求項5記載の食品。

【公開番号】特開2006−117562(P2006−117562A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305745(P2004−305745)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【出願人】(397031784)株式会社琉球バイオリソース開発 (21)
【Fターム(参考)】