説明

植物種子自然侵入促進用ネット

【課題】斜面に敷設施工するだけで、植物種子の捕捉を確実に行うことができて、斜面への自然な侵入を促進することのできるネットを、簡単な構造によって提供すること。
【解決手段】ネット10の一部に浮き上げ部材12を設けて、当該ネット10を施工したときその一部が斜面30から浮き上がって浮き上がり部分11となるようにするとともに、この浮き上がり部分11の谷側となる部分を、植物種子の捕捉可能な密部分とし、浮き上がり部分11の山側となる部分に、植物種子の当該ネット10下への侵入を可能にする開口を設けたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法面等の各種斜面に施工されるネットに関し、特に、植物種子の斜面への自然な侵入を促進することのできるネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
法面等の斜面に対しては、種々な植生あるいは緑化を行って、斜面自体の保護を行うと共に、この植生あるいは緑化した斜面の存在による周囲の景観を美しくすることがなされる。一方で、植生あるいは緑化を行う植物として、所謂外来種を採用することは近年好まれておらず、在来種植物によって行うことが奨励されてもいる。
【0003】
在来植物によって植生あるいは緑化を行う場合、既に自然に生育している植物の種子をそのまま利用できれば、わざわざ種子を集めたり、集めた種子を苗に育てる必要がないと考えられるが、そのようなことを目指した「法面緑化における植物自然侵入促進方法及びその装置」が、特許文献1に提案されている。
【0004】
この特許文献1の「法面緑化における植物自然侵入促進方法及びその装置」は、「急勾配の法面では、近隣の樹木等から飛散あるいは落下後に法面を容易に転げ落ちてしまい、植生誘導工により早期に自然侵入させることが極めて困難であったので、この種子を確実に捕捉し、効率的な植生を図る」ことを目的としてなされたもので、例えば図6に示すように、「種子を含まない生育基盤のみを法面に造成する植生誘導工法において、生育基盤造成後に柵状物を1又は2以上の線状、又は断続的若しくは千鳥格子状に設置するか、生育基盤造成後に網状物を該造成基盤上の一部又は全面に敷設するか、若しくは生育基盤造成後に、柵状物と網状物を設置する」ものである。
【特許文献1】特開平11−81327号公報、要約、代表図
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1の技術では、
・生育基盤造成後に柵状物を1又は2以上の線状、又は断続的若しくは千鳥格子状に設置する
・生育基盤造成後に網状物を該造成基盤上の一部又は全面に敷設する
・生育基盤造成後に、柵状物と網状物を設置する
かのいずれかの手段を採用するにあたって、いずれも「生育基盤造成」を行わなければならないものとなっている。つまり、この特許文献1の技術では、「生育基盤造成」を行うことが必須になっているため、施工に費用と手間が掛かるのではないかと考えられる。
【0006】
特に、上記2番目の方法では、「生育基盤造成後に網状物を該造成基盤上の一部又は全面に敷設する」のであるが、「網状物」だけでは植物種子が転がってしまったり、風に吹き飛ばされてしまったりして、その捕捉が十分行えないのではないかと思われる。
【0007】
そこで、本発明者等は、施工での費用や手間を簡略化できて、植物種子の斜面への自然な侵入を促進することのできるネットとするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、在来植物は、既設は勿論、新設の斜面であっても十分生育する生命力を有していることに気付き、本発明を完成したのである。
【0008】
すなわち、本発明の目的とするところは、斜面に敷設施工するだけで、植物種子の捕捉を確実に行うことができて、斜面への自然な侵入を促進することのできるネットを、簡単な構造によって提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「植物種子20の斜面30への自然侵入を促進するためのネット10であって、
当該ネット10の一部に浮き上げ部材12を設けて、当該ネット10を施工したときその一部が斜面30から浮き上がって浮き上がり部分11となるようにするとともに、
この浮き上がり部分11の谷側となる部分を、植物種子20の捕捉可能な密部分11aとし、かつ、浮き上がり部分11の山側となる部分に、植物種子20の当該ネット10下への侵入を可能にする開口11bを設けたことを特徴とする植物種子自然侵入促進用ネット10」
である。
【0010】
すなわち、本発明に係る植物種子自然侵入促進用ネット10(以下、単に、侵入促進用ネット10と言う)は、図4の(a)に示すような平面形状のものに編むか織ったもの、あるいは後述するようにした密部分11aを、荒い網目のネット間に織り込んだり、連結部分を採用して接続したりして構成したものであり、図1及び図2に示すように、これをそのまま斜面30上に敷設するだけで、図3に示すように、飛散してきた植物種子20が当該侵入促進用ネット10の下側に侵入し得るようにするための多数の開口11bと、これらの開口11bから侵入した植物種子20をそれ以上下側に移動しないように受け止めて捕捉する密部分11aとを、斜面30上に配置するものである。
【0011】
そのために、この侵入促進用ネット10は、図3にも示すように、横方向に連続することになる複数列の浮き上がり部分11と、これらの浮き上がり部分11間に位置する連結部分11cとを有したものであり、この浮き上がり部分11を、浮き上げ部材12によって斜面30から浮き上がらせるようにしたものである。
【0012】
各密部分11aは、当該侵入促進用ネット10を構成する縦糸(紐)と横糸(紐)、あるいは網目を細かくする(植物種子20を受け止めて反対側に出さない程度の網目)か、不織布やマット状のものによって形成することにより、植物種子20を受け止めることができるようにしたものである。この密部分11aは、あくまでも植物種子20の受け止めを行えるものであれば十分であり、図3の上側の密部分11aにて示すような浮き上がり部分11の谷側全部を形成する場合は勿論、図3の下側の密部分11aにて示すような浮き上がり部分11の谷側下半分を形成するものであってもよい。
【0013】
各開口11bは、各密部分11aの連結部分11cの一部をそのまま利用してもよいし、単なる縦糸(紐)だけであってもよいが、当該侵入促進用ネット10を斜面30上に敷設したとき、山側に向けて開口している必要がある。何故なら、例えば図3に示したようなドングリである植物種子20が、この開口11bを通して当該侵入促進用ネット10の下側に転がり込める必要があるからである。勿論、この開口11bが山側に向けて大きく開口していれば、植物種子20の肥料ともなり得る落ち葉や土砂の、上記各密部分11a及びその直前にある斜面30上への侵入を可能にするものであるが、余り大きいと、折角捕捉した植物種子20を風によって外に出してしまうことにもなり得るから、4〜100平方センチメートル程度の大きさであるとよい。
【0014】
さて、この侵入促進用ネット10は、図1及び図2に示したように、斜面30から浮き上がった浮き上がり部分11が、この侵入促進用ネット10を斜面30上に敷設するだけで形成できるものであったが、この浮き上がり部分11を斜面30上に形成するのが浮き上げ部材12である。この浮き上げ部材12は、図4の(b)〜(d)に示すような種々な側面形状のものが採用できるが、その存在によって上記密部分11aや開口11bを隠さないで山側に向かわせる必要があるから、図4の(a)に示すように、横一列で部分的に配列したものである必要がある。
【0015】
また、これらの浮き上げ部材12は、その背中部分で上述した密部分11aの一部を止めるものであるから、この止め作業を行い易くするために、図5にも示すように、ある一定の幅、例えば1〜10センチメートルの幅を有するものであるとよい。勿論、これらの浮き上げ部材12は、当該侵入促進用ネット10の密部分11a部分ができるだけ斜面30上に位置するようにするものでもあるから、図4の(b)〜(d)に示すような側面形状のものであるとよい。
【0016】
なお、この浮き上げ部材12は、当該侵入促進用ネット10を施工した斜面30上に侵入が図られた植物種子20が生育した後に、斜面30を構成している土に還えるものであれば植物種子20のための肥料ともなるから、例えば木材板や、古紙を固めたものによって形成するのが好ましい。
【0017】
以上のように構成した侵入促進用ネット10は、これを斜面30上に展開施工するのであるが、その場合には、浮き上がり部分11を形成しなければならないから、各浮き上げ部材12が斜面30上に当接するように、つまり各浮き上げ部材12が下側になるようにする必要がある。勿論、この侵入促進用ネット10は、飛散してくる在来植物の植物種子20を捕捉するものであるから、斜面30については、これに肥料を入れたり、整地したりする必要は全くない。
【0018】
この侵入促進用ネット10を斜面30上に敷設すれば、図1〜図3に示すように、斜面30上に載置された各浮き上げ部材12に保持された侵入促進用ネット10の部分は浮き上がり部分11となる。この浮き上がり部分11においては、図3に示すように、その谷側となる部分が密部分11aとなり、山側となる部分には多数の開口11bが開口することになる。
【0019】
各開口11bは、山側に向けて開口するから、図3にも示すように、この開口11bに向けて飛散してきた植物種子20は、各開口11bから斜面30上に落ち込む、あるいは侵入するのである。開口11bから斜面30上に落ちた植物種子20は、この斜面30及び浮き上がり部分11の谷側に位置している密部分11aによって囲まれるから、風が吹いたり、山側から水が流れてきたとしても、これらの斜面30及び密部分11aによって捕捉されたままの状態が維持される。つまり、開口11bから侵入促進用ネット10下に侵入した植物種子20は、浮き上がり部分11の密部分11aやその直上の斜面30上にて保持され、この密部分11aに捕捉された斜面30上にて発芽できるのを待つことになるのである。
【0020】
なお、この植物種子20が開口11bから侵入促進用ネット10下に落下したとき、たまたま密部分11aの内面に引っ掛かって、斜面30上には落下しなかったとしても、長期的にみれば、発芽可能な状態が維持される。何故なら、この植物種子20が引っ掛かっている密部分11aは文字通り「密」なものであるから、この密部分11a自体がある程度の保水性を有しているからである。
【0021】
そして、最終的には、この侵入促進用ネット10によって捕捉された植物種子20は、斜面30に根を伸ばし、この侵入促進用ネット10を施工した斜面30上にて生育することになるのである。
【0022】
従って、本発明に係る侵入促進用ネット10は、斜面30に敷設施工するだけで、植物種子20の捕捉を確実に行うことができて、斜面30への自然な侵入を促進することができるものとなっているのである。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したとおり、本発明においては、
「植物種子20の斜面30への自然侵入を促進するためのネット10であって、
当該ネット10の一部に浮き上げ部材12を設けて、当該ネットを施工したときその一部が斜面30から浮き上がって浮き上がり部分11となるようにするとともに、
この浮き上がり部分11の谷側となるネット10の部分を、植物種子20の捕捉可能な密部分11aとし、かつ、浮き上がり部分11の山側となるネット10の部分に、植物種子20の密部分11aへの侵入を可能にする開口11bを設けたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、斜面30に対する敷設施工が簡単に行えるだけでなく、植物種子20の捕捉を確実に行うことができて斜面30への自然な侵入を促進することのできる侵入促進用ネット10を、簡単な構造によって提供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、上記のように構成した本発明を、図面に示した最良の形態に基づいて説明すると、図1〜図3には、本最良形態に係る侵入促進用ネット10を斜面30上に施工した状態が示してある。これらの図1〜図3では、斜面30の横方向に沿った多数の浮き上がり部分11が、その下の浮き上げ部材12によって斜面30から浮き上がった状態になりながら斜面30の上下方向に並んでいて、各浮き上がり部分11の間は侵入促進用ネット10の一部である連結部分11cによって接続されている。ここで、斜面30の上方向が「山側」であり、斜面30の下方向が「谷側」である。
【0025】
本最良形態に係る侵入促進用ネット10が施工、つまり敷設される前の斜面30は、当該侵入促進用ネット10が敷設できる程度の平面性を有していれば十分であり、わざわざ整地する必要はないし、まして、肥料を追加したり、土壌改良をする必要もない。本発明に係る侵入促進用ネット10は、当該斜面30の周囲から飛散してきた、あるいは落下してきた植物種子20を捕捉するだけのものであり、捕捉した植物種子20の発芽や生育は、当該植物種子20が本来的に有している自然の生命力をそのまま利用するものだからである。
【0026】
さて、本最良形態の侵入促進用ネット10は、図4に示すように、まず、ネット本体10aと、このネット本体10aの一部に取り付けた浮き上げ部材12とを有するものであり、この浮き上げ部材12によって、当該侵入促進用ネット10を施工したとき、このネット本体10aの一部が斜面30から浮き上がって浮き上がり部分11となるようにしたものである。
【0027】
このネット本体10aとしては、種々なもの及び種々な方法で構成することが可能であり、合成繊維糸(紐)や天然繊維糸(紐)によってネット状に編んで形成することが最も簡便である。また、次に述べる密部分11aをマット状に形成して、これを、後述する連結部分11cとなる紐状物やネット上物で互いに連結して、当該ネット本体10aを構成してもよい。
【0028】
以上のネット本体10aを構成するにあたっては、浮き上げ部材12によって浮き上がり部分11が形成できるようにしなければならないが、この浮き上がり部分11の谷側となる部分は、図3にも示したように、植物種子20の捕捉可能な密部分11aとし、浮き上がり部分11の山側となる部分は、植物種子20のネット本体10a下への侵入を可能にする開口11bとする必要がある。換言すれば、ネット本体10aの密部分11aとなる部分に、上述した浮き上げ部材12を設けるようにすればよい。
【0029】
密部分11aは、上述したように、植物種子20の捕捉ができる程度の網目を有する網状物として構成したり、マット状物に構成したりできるが、本最良形態では、ネット本体10aの該当部分を細かく織製して構成した。この密部分11aは、植物種子20の受け止めを行えるものであれば十分であるから、図3の上側の密部分11aにて示したように、浮き上がり部分11の谷側全部を密部分11aとして形成する場合は勿論、図3の下側の密部分11aにて示したように、浮き上がり部分11の谷側下半分だけを密部分11aとして形成してもよい。
【0030】
逆に、本最良形態の開口11bは、ネット本体10aの該当部分の織製を、図3に示した密部分11aより粗くすることによって形成したものである。これらの開口11bは、斜面30の山側から転動してきた、または周囲から飛散してきた植物種子20を、当該侵入促進用ネット10を構成しているネット本体10a下に導入できれば十分だからである。
【0031】
これらの開口11b及び密部分11aは、図1及び図3に示したように、連結部分11cによって連結して、図4の(a)に示したような面積を有するもの仕立てられる。換言すれば、ネット本体10aは、複数の、密部分11a、開口11b(部分)、及び連結部分11cを、交互に織り込んで形成したのである。
【0032】
なお、これらの開口11b及び密部分11aを有する浮き上がり部分11をネット本体10aとは別の材料で形成しておいて、この浮き上がり部分11を、同じくネット本体10aとは別の材料で形成した横方向に長い「基材」上に、後述する浮き上げ部材12をかませながら取り付けて、上記「基材」を切れ目のないネット本体10a上に一体化するように実施してもよいものである。
【0033】
さて、以上のネット本体10aの下側に設けた本最良形態の浮き上げ部材12は、その側面形状を、図1〜図3、及び図4の(b)に示したような三角形状にしたものであるが、この浮き上げ部材12は、図4の(c)及び(d)に示したように、その側面形状を半月状にしたり、四角形状にしたりして実施してもよいものである。勿論、この浮き上げ部材12は、ネット本体10aの一部を浮き上がらせて浮き上がり部分11とするものであり、上述した密部分11aや開口11bの少なくとも一部が山側に向かうようにしなければならないから、図4の(a)にて示したように、ネット本体10aの横方向に対して部分的に存在するようにしなければならない。
【0034】
当該侵入促進用ネット10は、これを斜面30上に展開するだけでその施工が行えるとよいから、この浮き上げ部材12は、ネット本体10aの密部分11aとなる部分に予め取り付けておかれる。その取付方法としては、各浮き上げ部材12の背中に密部分11aをステープルによって止めるのが最も簡便であるが、図5のように実施してもよい。
【0035】
図5の(a)では、ネット本体10a上に下地材を取り付けておき、この下地材上に面ファスナーである取付材12aの一部を固定し、この取付材12aの他の部分を浮き上げ部材12下に固定したものである。この浮き上げ部材12は、当該侵入促進用ネット10の施工前には、図5の(a)及び(b)の各左側で示したようにネット本体10a上に寝かせた状態にしておき、施工直前に、図5の(a)及び(b)の各右側で示したように、起こすのである。この浮き上げ部材12を起こしたときには、取付材12aが二つ折り状態になって互いに密着し合うから、浮き上げ部材12はネット本体10aに対して立った状態になるのである。
【0036】
以上のようにした場合には、施工前の侵入促進用ネット10は無駄なく巻回しておくことができて、保管や運搬が簡単になり、施工時には、各浮き上げ部材12を簡単に必要状態にすることができるのである。
【0037】
図5の(c)では、浮き上げ部材12の適宜位置に立設材12bを取り付けておき、当該侵入促進用ネット10を巻回するときにはこの立設材12bを外しておき、当該侵入促進用ネット10を施工するときには、立てた浮き上げ部材12を立設材12bによって固定するようにしたものである。なお、この立設材12bを伸び縮みする弾性紐としておくと、侵入促進用ネット10の巻回を解いたときに各浮き上げ部材12が自動的に立ち上がるから、上記作業をより一層簡単なものとすることができる。
【0038】
なお、本発明は、次のようにしても実施できる。
植物種子の斜面への自然侵入を促進するためのネットであって、ネット本体(10a)と、前記ネット本体の一部に取り付けられると共に、当該ネットの施工時に前記ネット本体の一部を前記斜面から浮き上がらせて浮き上がり部分(11)とするための浮き上げ部材(12)とを備え、前記ネット本体(10a)は、前記浮き上げ部材によって構築される前記浮き上がり部分(11)の谷側に相当する谷側構成部(11a)と、前記浮き上げ部材によって構築される前記浮き上がり部分(11)の山側に相当する山側構成部(11b)と、前記谷側構成部(11a)と前記山側構成部(11b)とを連結する連結部分(11c)とを有しており、前記ネット本体の谷側構成部(11a)は、その網目密度が前記山側構成部(11b)における網目密度よりも相対的に密な密部分(11a)として形成されており、前記ネット本体の山側構成部(11b)は、その網目密度が前記谷側構成部(11b)における網目密度よりも相対的に粗く形成されることで、前記植物種子の当該ネット下への侵入を可能にする開口(11b)を提供することを特徴とする植物種子自然侵入促進用ネット。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る侵入促進用ネットを斜面上に施工した状態を示す斜視図である。
【図2】同部分拡大縦断面図である。
【図3】図2の拡大斜視図である。
【図4】本発明係る侵入促進用ネットを示すもので、(a)は部分平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は他の例を示す側面図、(d)はさらに別の例を示す側面図である。
【図5】ネット本体に浮き上げ部材12を取り付ける例を示すもので、(a)は部分拡大平面図、(b)は(a)の平面図、(c)は別例の平面図である。
【図6】従来の技術を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 侵入促進用ネット
10a ネット本体
11 浮き上がり部分
11a 密部分
11b 開口
11c 連結部分
12 浮き上げ部材
12a 取付材
12b 立設材
20 植物種子
30 斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物種子の斜面への自然侵入を促進するためのネットであって、
当該ネットの一部に浮き上げ部材を設けて、当該ネットを施工したときその一部が前記斜面から浮き上がって浮き上がり部分となるようにするとともに、
この浮き上がり部分の谷側となる部分を、前記植物種子の捕捉可能な密部分とし、かつ、前記浮き上がり部分の山側となる部分に、前記植物種子の当該ネット下への侵入を可能にする開口を設けたことを特徴とする植物種子自然侵入促進用ネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−155962(P2009−155962A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336983(P2007−336983)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000226747)日新産業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】