説明

椎間板手術のための脊椎充填方法と器具

【課題】脊椎の病気を治療するための接着剤、または脊椎充填材料の温度上昇を抑える。
【解決手段】本発明は、脊椎の病気を治療するための接着剤または脊椎充填材料として、PMMAの代わりに、ポリイソブチルメタクリレートを使用する。ポリイソブチルメタクリレートは、主にPMMAよりも手術部位での重合プロセス中に発生する熱が少ないといういくつかの利点を有する。光によって活性化される充填材料の脊椎接着剤を使用する場合、活性化光を、手術部位にある光活性化接着剤または脊椎の重合可能な充填材料に伝えるのに管を使用できる。更に光ファイバーまたは同様な光透過性材料から成るメッシュバッグを使用して、注入された光活性化充填材を収納でき、この場合、外部から照射された光を、このメッシュバックを介して、内部の重合可能な充填材に向けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎に対する手術方法と器具に関する。
【背景技術】
【0002】
2006年5月4日に公開(PAT-138)される予定であり、内容を本明細書で参考例として援用する、2004年1月11日に出願された、本願出願人の先願の米国特許出願第10/978096号は、脊椎疾患を治療するための椎骨間組織を除去するための電気手術器具について述べている。
【0003】
脊椎疾患を治療するために使用される手術方法として、頸部椎間板手術(除去された頸部椎間板のための代替物としての別の材料から構成された移植)、骨粗鬆症により骨折を治療するための、接着剤による椎骨移植、椎間板プロテーゼおよび隣接する椎間板の機械的な安定化を挙げることができる。
【0004】
これらの手術方法およびその他の同様な脊椎治療の多くは、代替物として、現場での化学的活性、または可視光による活性化を使用する接着剤であるポリメチルメタクリレート(PMMA)を使用する。
【0005】
しかし、この材料を用いた手術中に、好ましくないことが発生することがある。すなわち、PMMAの発熱重合化によって、軟質組織または骨の壊死を生じさせ得るのに十分高い温度上昇が生じることがある。
【0006】
重合化プロセスに不可避的に起こるこのような温度上昇は、椎骨解剖部の熱伝達が不良であることによって加速される。例えば、ベルラーン氏外による「ヤギの脊椎におけるPMMAを用いた椎骨形成での温度上昇」と称する論文(バイオメディカル材料研究のジャーナル、2003年10月15日;67B(1):581〜5)を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、PMMAよりも重合中の温度上昇が少ない接着剤、すなわち、脊椎の充填可能な充填材料を使用することに基づき、脊椎疾患を治療するための改良された手術方法を得ることにある。
【0008】
本発明の別の目的は、光重合可能な接着剤、すなわち、脊椎充填材料を脊椎の解剖部(椎間板または椎骨)へ注入し、重合のための光を、直接に接着剤、すなわち脊椎充填材料へ照射し、この材料を重合化できる、改良された器具を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴は、接着剤または脊椎充填材料として、PMMAの代わりに、ポリイソブチルメタクリレートを使用することにある。ポリイソブチルメタクリレート(以下、PIBMAと称す)は、PMMAが脊椎に手術に用いられるのと同じ目的で使用された場合、PMMAよりもいくつかの利点を有する。
【0010】
主な利点は、手術部位での重合プロセス中に生じる熱量がPMMAと比較して少ないということであり、このことは、軟質組織または骨の壊死を生じさせる可能性が少ないことを意味する。
【0011】
更に、PIBMA材料は、これら脊椎手術のいずれかのために使用し、取り扱うのに、PMMAのように容易である。更に、PIBMAは、寸法が安定であり、このことは、硬化したときに、注入された寸法を維持する傾向があるこをを意味する。更に、硬化した材料を、X線または放射線検査時にみることができるように、X線不透過性材料、例えば放射線不透過性のBaまたはSr化合物を添加できる。
【0012】
本発明の器具の特徴は、活性化光を、手術部位にある光活性化接着剤または脊椎の重合可能な充填材料まで伝える管状材料を注入管として、または補助管として使用することである。
【0013】
別の特徴は、現在の手術方法の改良として、光ファイバーまたは同様の光透過性材料から構成されたメッシュバッグを使用し、注入された光活性化充填材を収容することである。この場合、内部照射されたメッシュバッグは、光を重合可能な充填材まで向ける。このことは、光によって活性されると、重合化プロセスはより均質となるので、作業時間の長さを、より容易に制御できるという利点がある。
【0014】
本発明のこの特徴によれば、従来の光硬化性ポリメタクリレート材料、例えばウレタンジメタクリレートだけでなく、他のメタクリレートでない材料も使用できる。後者のタイプの光硬化性材料は、PIBMAよりも硬化温度が低く、ポリイソブチルメタクリレートを使用する場合と同じように、光硬化性樹脂を使用することに伴う利点も得られる。
【0015】
PIBMAを使用する手術方法は、異なる充填材料を使用するか、または光透過性器具、すなわちメッシュバッグを使用することを除けば、PMMAを使用する手術方法と同じに実施できる。
【0016】
本明細書に添付し、本明細書の一部を形成する請求項には、本発明の特徴を定める新規な種々の特徴が記載されている。
【0017】
本発明、それを使用することによって得られる作動上の利点および特定の課題を良好に理解するには、本発明の好ましい実施例が示され、かつ記載されている添付図面および詳細な説明を参照されたい。図中、同様な符号または文字は、同一または類似の部品を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の特徴にかかわる接着剤、すなわち、脊椎用の流動可能かつ重合可能な充填材料は、PIBMA、すなわちポリイソブチルメタクリレートである。この材料は、一般に脊椎組織内に注入できる流動可能なペースト、すなわちクリーム状の粘調性を形成するために、手術部位の外で、外科医により混合される2つの成分から成る。この結果生じるクリーム状材料を、手術部位の脊椎組織内に注入する。この材料は、現場において、約6〜8分で自己硬化する。
【0019】
第1成分は、液体の形態で市販されている液状モノマーであるイソブチルメタクリレートである。この第1成分には、微粉状ポリイソブチルメタクリレート、すなわち、固体ポリマーが添加される。一般に、液状モノマーは適当な容器内に入れられており、クリーム状の粘調性が生じるまで、混合しながら、すなわち、調合しながら、十分な粉状ポリマーを添加する。
【0020】
次に、混合物を送りこむための器具内に、このクリーム状混合物を注入し、次にこの器具によって、手術部位の脊椎組織内にクリーム状混合物を注入する。この混合物は、空気または液体に触れると硬化し始め、約6〜8分後、硬化、すなわち重合する。
【0021】
硬化すると、この混合物は、強度、保持能力、および歪みがなく、すなわち、硬化時収縮が少なく、かつ重要なことに硬化熱が少なく、PMMAと同様、またはそれよりも良好な特性を有する。
【0022】
光硬化性プラスチック材料も、市販されている。このプラスチック材料は、ポリエステルのような材料、およびウレタンジメタクリレートのようなアクリル材料を含む。
【0023】
その他の公知の例として、キャンフォロキノン/アミン化学物質を挙げることができる。キャンフォロキノンには、470nm(ほぼ青色光)において、可視スペクトルで吸光性を有するという特徴がある。
【0024】
公知のように、適当なアミンと組み合わせると、フリーラジカル種が発生し、材料の重合化、従って材料の硬化が生じる。適当な紫外線発生ランプ、例えば石英ハロゲン、プラズマアーク、またはアルゴンレーザーを使って、重合化を実行できる。
【0025】
双方の種類の接着剤、すなわち、脊椎用の重合可能な充填材料を用いる場合、混合物に20%までの少量の不活性な、組織に適合性のある無害な材料を添加してもよい。この不活性な材料は、微粉砕ガラス、石英またはセラミックスとすることができる。
【0026】
更に、硬化した充填材をX線不透過性とするために、混合物に少量の公知のBa、またはSrのX線不透過性化合物、または材料例えばBaSO4を添加してもよい。
【0027】
基本的な方法は、脊椎充填材料を使用すること、または光活性充填材を使用することを除けば、他の脊椎手術方法に対して使用する方法と同じである。基本的には、手術を行うべき脊椎手術部位に管状部材の遠方端が位置するように、従来の穿刺方法または内視鏡方法のように、患者内に管状部材を挿入する。
【0028】
選択された方法により、形成キャビティに対して必要なように、椎間板の核、または椎間板自身の一部、または非再生材料を除くために、従来の手術器具を使用できる。
【0029】
次に、椎骨内のクラックまたは核、髄または椎間板自身内に形成したキャビティを満たすべく、接着剤の適当な脊椎充填材を注入するために、再び従来の手術器具を挿入することもできる。
【0030】
これらのいずれも、注入される充填材料が、正しい部位に位置するように、内視鏡カメラの画像を見ながら、X線ガイドまたは経皮的なガイドのいずれかにより、通常どおり行うことができる。
【0031】
本発明の特徴によれば、注入される接着充填材料は、硬化時にポリイソブチルメタクリレートを形成する配合物のペースト混合物、または光活性化して硬化できる配合剤のペースト混合物とする。
【0032】
後者の場合、注入器具がその作業を完了した後に、器具を管状部材から除き、光を透過できる管状部材を所定部位に挿入する。光透過部材は、それ自身公知の光ファイバーの束とすることができ、このファイバーの遠方端は注入材料の近くに位置し、患者の体外では、ファイバーの近接端に紫外線放射線源が設置される。
【0033】
この紫外放射線は、光ファイバー束を透過し、手術室において、光ファイバー束から出射され、注入された充填材に照射される。この充填材が厚い場合、いくつかの小ステップにて、このシーケンスを実行することが好ましい。
【0034】
まず最初に、充填材の薄い膜を注入し、初期の層を露光し、硬化させるように光硬化部材を挿入し、次に、最初に硬化した層の上部に、第2の硬化層を形成するよう、上記シーケンスを繰り返し、硬化した充填材が所望するサイズおよび容積となるまでこのシーケンスを繰り返す。
【0035】
公知のメッシュバッグ手術方法を使用する場合、初期のステップでキャビティ内にメッシュバッグを挿入し、再びこの目的のために、市販されている標準的な手術器具を使ってバッグの開端部に充填材料を注入する。このことは、充填材が自己硬化性ポリイソブチルメタクリレート形成混合物である場合に適用される。
【0036】
光活性材料を使用する場合、別の代替物として、光ファイバーストランドにより、バッグ内の充填材のまわりに入射光が広がるよう、バッグメッシュを光ファイバーストランドから構成できる。
【0037】
更に別の方法として、カニューレを通して光を伝えるのに、光ファイバー束を使用する代わりに、内部を鏡にした表面を有する追加管状部材を挿入し、内部ミラー表面にて何回も反射することにより、紫外線が管を透過するように、近接端に紫外線源を結合できる。後者の反射は、管状部材の内部をニッケルの薄膜、または他の反射性材料でメッキすることによって従来通り達成できる。
【0038】
図1は、引用した米国特許出願に記載されているような適当な器具により、キャビティ12が形成された脊柱10の一部を略図で示している。キャビティには、上記方法を使って、キャビティ内に予め形成した重合可能な充填材を注入するための市販されている管状器具14、すなわちカニューレが挿入されている。
【0039】
自己硬化性の重合可能なPIBMAを使用する場合、硬化材が硬化するまで、何もしなくてもよい。
【0040】
図1は、公知の態様でメッシュバック16が内部に導入されているキャビティ12を備えた脊柱10の一部も略図で示している。この場合、注入管14は、所定の部位にあり、光活性充填材をバッグ内に注入するようになっている。
【0041】
このようにして使用する場合、内部に2本の並置された内部管18、20を含むカニューレ14を使用することが好ましい。
【0042】
図4には、2本の管を使用するカニューレが示されている。ここでは、カニューレ14は2本の並置された内側管18、20を含む内側管15を有する。内側管15と外側管14の間には、空のスペース22がある。このスペースの目的については後述する。
【0043】
図1は、下方管18を使って、管状メッシュ16および重合可能な充填材を連続的に注入または投与することができることを示している。隣接する上方管18を使って、バッグを所望する位置に向けるように、ガイドバーまたはロッド(図示せず)を操作することができる。
【0044】
これとは異なり、手術中に手術部位を見るためのビューワーと共に、隣接する上方管18を使用することもできる。図示のケースでは、脊椎組織は、骨折部24を有し、この骨折部のまわりに、キャビティが形成されており、骨折部24に沿ったキャビティ内には、適当なソース8から注入されたメッシュバック16が位置している。
【0045】
手術部位を内視鏡で見るために、管の一方を使用し、他方の管を手術に使用することができる。図2は、管18、20のうちの一方を介して、適当なソース9から、脊椎充填材(図示せず)がバッグ16内に注入され、バッグを満たし、よって充填材が骨折部に沿ったスペースを満たし、充填材が硬化すると、硬化した自己重合性充填材により、骨折領域が補強される状態を示している。
【0046】
光活性化充填材を使用するとき、手術部位に直接充填材を注入するか、またはメッシュバック内に投与した後、活性化光を充填材に照射し、充填材を重合しなければならない。充填材のまわりに光が分散することを助けるために、光ファイバーから構成されたメッシュバック30を使用することが望ましい。
【0047】
図3には、このような実施例が示されている。図3は、カニューレ14の内側チューブ18、20のうちの一方を介して、活性化光が入射している状態を示している。適当な光源は、32で示されており、照射光は、34で示されている。
【0048】
図4に示す別の実施例では、活性化光を充填されたキャビティ内に直接導入するか、または内側直接14と外側直接14との間のスペース22を通して、メッシュバック(図示せず)に導入する。
【0049】
この実施例では、バッグ内の充填材を重合し、硬化できる放射線を供給する、例えば、紫外線源32か、体の外にある管の近接端において、活性化光が発生される。この放射線は、例えば管の内側表面をミラー状にするか、または管18を通って、メッシュ開口部まで進む活性化放射線を透過できる光ファイバー束を延長することによって、管18に放射線を透過できる。
【0050】
更に、メッシュバッグ内部の充填材のまわりにできるだけ完全に放射線を更に拡散するためにバッグのメッシュ全体にわたって放射線を伝え、よって、すべての側面から充填材を照射できる細い可撓性の光ファイバーからメッシュのファイバーを製造する。
【0051】
当業者であれば、本発明では、同じ機能を達成するのに他の装置を容易に想到できるので、本発明は、充填材注入装置または光注入装置だけに限定されるものではないことが明らかであると思う。
【0052】
好ましい実施例に関連づけて、本発明について説明したが、当業者にとっては、上に概略を述べた原理の範囲内で、本発明を変更して実施できることは明らかであるので、本発明は、好ましい実施例だけに限定されず、かかる変形例を含むものであることが理解されると思う。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】管状器具が隣接するキャビティを有する脊椎コラムの一部を示す略図。
【図2】光で活性化される充填材をバッグ内に注入するよう、注入管を開始、メッシュバッグが挿入されたキャビティを有する、脊椎コラムの一部を示す略図。
【図3】注入された充填材に活性化光を照射するのに、注入管を使用できる、図2に支援された手術における次のステップを示す略図。
【図4】多少異なる態様で使用される注入管の端部の拡大した略図。
【符号の説明】
【0054】
8 メッシュバックソース
9 充填材ソース
10 脊柱
12 キャビティ
14 外側管
15 内側管
16 メッシュバック
18、20 内側管
22 スペース
30 メッシュバッグ
32 紫外線源
34 光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脊椎にある特定の部位に関連する、患者の脊椎の病気を手術により治療する方法であって、
(i)患者における病気に関連する脊椎のある部位までアクセスするステップと、
(ii)患者における病気に関連する脊椎のある手術部位に、流動可能な重合性材料を注入し、材料の硬化により病気を治療するステップとを備え、
前記流動可能な材料は、基本的には、手術部位における硬化時に硬化したポリイソブチルメタクリレートを形成する、重合可能な材料の混合物から成る接着剤または脊椎充填材料を含む、患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法。
【請求項2】
重合可能な材料の混合物は、液状のモノマーのイソブチルメタクリレートと、粉状のポリイソブチルメタクリレートとを含む、請求項1記載の患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法。
【請求項3】
重合可能な材料の混合物は、粉状のポリイソブチルメタクリレートと、液状のモノマーのイソブチルメタクリレートとを含み、前記粉状体は、流動可能なクリーム状体を形成するのに十分な量だけ存在し、前記液状モノマーと前記粉状ポリマーとは、共に完全に混合され、患者の脊椎にある手術部位に注入する前にクリーム状体を形成する、請求項2記載の患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法。
【請求項4】
患者内のカニューレを通して、患者の脊椎にある手術部位まで器具を挿入し、患者の脊椎から脊椎物質を除去してキャビティを形成することによってステップ(i)を実行し、
患者内のカニューレを通して患者の脊椎にあるキャビティまで器具を挿入し、流動可能な材料を注入し、キャビティを満たすことによってステップ(ii)を実行する、請求項3記載の患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法。
【請求項5】
まず、患者の脊椎にある手術部位まで器具を挿入し、患者の脊椎から脊椎物質を除去し、次に、こうして形成したキャビティ内に、中空メッシュバッグを挿入することにより、ステップ(i)を実行し、患者内のカニューレを通して患者の脊椎にあるキャビティまで器具を挿入し、流動可能な材料を注入して、中空メッシュバッグを満たすことにより、ステップ(ii)を実行する、請求項4記載の患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法。
【請求項6】
患者の脊椎にある特定の部位に関連する、患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法において、
(i)前記病気に関連する患者の脊椎にある手術部位までアクセスするステップと、
(ii)病気を治療するために、病気に関連した患者の脊椎にある手術部位に流動可能な材料を注入するステップを備え、前記流動可能な材料が紫外線に照射されると、硬化したアクリレートを形成する重合可能な材料の混合物から基本的になる、接着剤または脊椎充填材料を含み、更に
(iii)注入された流動可能な材料に対し、混合物を硬化させ、硬化したアクリレートを形成するのに十分な紫外線を患者内のカニューレを通し、照射するステップを備えた、患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法。
【請求項7】
患者内のカニューレを通し、患者の脊椎にある手術部位まで器具を挿入し、患者の脊椎から脊椎物質を除去し、キャビティを形成することによりステップ(i)を実行し、患者内のカニューレを通して患者の脊椎にあるキャビティまで器具を挿入し、紫外線透過性ストランドから構成されたメッシュバッグを中空領域まで挿入し、次に、流動可能な材料を注入してメッシュバッグを満たすことによりステップ(ii)を実行し、患者内のカニューレを貫通する光透過性器具を通して紫外線を伝え、メッシュバッグおよびメッシュバッグ内の材料に照射して材料を重合させ、硬化させることによりステップ(iii)を実行する、請求項6記載の患者の脊椎の病気を手術により治療するための方法。
【請求項8】
近接端と、遠方端とを有し、近接端が患者の外側に位置したまま、遠方端が脊椎の病気部位に到達するのに十分長くなっている細長い管状本体を備え、近接端にて管状本体に紫外線が入射すると、紫外線が遠方端まで透過し、遠方端から出射されるように、前記管状本体は紫外線を透過する能力を有する、請求項1または請求項6の手術方法を実行することにより、患者の脊椎の病気を手術により治療するための手術器具。
【請求項9】
前記管状本体は、2本の並置された内側管を備え、2本の管の一方は紫外線を透過するようになっている、請求項8記載の手術器具。
【請求項10】
前記管状本体は、紫外線を透過するようになっている内側スペースによって分離された内側管を備える、請求項8記載の手術器具。
【請求項11】
紫外線透過ストランドから構成され、管状本体の遠方端に接続されるようになっている中空メッシュバッグを更に備え、よって、遠方端から出射された紫外線がバッグ内の光活性化重合性材料を重合するのに十分な強度で紫外線透過ストランドを照射するようになっている、請求項8記載の手術器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−212425(P2006−212425A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17008(P2006−17008)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(504308383)
【出願人】(504308372)
【Fターム(参考)】