説明

検体管理装置、検体情報生成装置、および検体管理方法

【課題】検体の受け渡しをおこなう時点で検査室へ持ち込まれる検体の種類と数量に誤りがないかということを検体の引渡者または受取者が確認することを可能にすること。
【解決手段】検体管理装置100の入力部201は、検体毎に設けられるとともに、各検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)とが関連付けられた被験者検体情報を入力する。管理部202は、入力部201によって被験者検体情報が入力された場合、本検体情報に対応する検体が搬入された旨を示す受取情報と被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括管理する。制御部203は、入力部201によって被験者検体情報が入力された場合、管理部202にて管理される、被験者単位の検体の受取情報を出力部204から出力させる制御をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被験者から採取した血液等の検体を管理する検体管理装置および検体管理方法、被験者から採取した血液等の検体情報を生成する検体情報生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療現場では、試験管等の検体容器に、被験者から血液等の検体を採取して各種検査が実施されている。検体容器には、検体を識別するためのバーコードが貼付されることにより、検体の取り違いを防止する技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照)。
【0003】
検体の検査は、通常、検査室にておこなわれる。検査室と、一般的な検査をおこなうために外来患者が利用する中央採血室とが隣接している場合、採取された検体は、隣接する検査室にて検査がおこなわれている。一方、中央採血室と、検査室とが隣接していない場合には、採取した検体を検査室に搬送する作業が発生する。また、診療科や病棟にて検体を採取した場合にも、検査室に検体を搬送する作業が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−294764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、バーコードを読み込むことにより、各検体を識別することは可能なものの、検査室に検体を搬送する場合、検体の引渡者または受取者は、受け渡しをおこなう時点で、検査室へ持ち込まれる検体の種類と数量が、医師が依頼した正規のものであるか否かということが不明であるといった不具合があった。
【0006】
すなわち、持ち込まれる検体の種類と数量が正規のものではなかった場合、本来の検査を実施することが不可能になるといった問題があった。また、たとえば依頼した医師は、依頼した日から数日経過しても検査結果が来ないことによって、本来の検査が実施されていなかったことを知ることとなり、再度検体の採取をおこなって検査結果を待つこととなり、多大な時間を損失するといった問題があった。さらに、この場合、たとえば中央採血室にて採血をおこなった外来患者は、再度来訪し、再度検体の採取がおこなわれることとなり、時間と労力を余計に要するといった問題があった。
【0007】
また、引渡者または受取者が検体の正規の種類と数量が不明であることにより、たとえば検査担当者が検査を実施しようとするときに、本来あるべき場所に検体が見つからない場合、受け渡し時に既に検体がなかったのか、受け渡し後に検体がなくなったのかが不明であるため、検体を探す際に見当をつけることができず、検体を探すことに多大な時間を費やすことがあるといった問題があった。
【0008】
この発明は上述した従来技術の問題点を解消するために、検体の受け渡しをおこなう時点で検査室へ持ち込まれる検体の種類と数量に誤りがないかということを検体の引渡者または受取者が確認することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる検体管理装置は、被験者から採取された複数の検体の搬入状況を管理する検体管理装置であって、検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)とが関連付けられた被験者検体情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって前記被験者検体情報が入力された場合、前記本検体情報に対応する検体が搬入された旨を示す受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する管理手段と、を備え、前記入力手段によって前記被験者検体情報が入力された場合、前記管理手段によって管理される、被験者単位の検体の受取情報を出力させる制御をおこなう制御手段と、前記制御手段によって制御される前記情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記発明において、前記入力手段は、前記被験者検体情報とともに、前記検体を引き渡す引渡者および前記検体を受け取る受取者の情報(以下「受渡者情報」という)を入力し、前記管理手段は、前記被験者検体情報が入力された場合、前記受渡者情報を含む前記受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理することを特徴とする。
【0011】
上記発明において、現在日時の情報を取得する取得手段をさらに備え、前記管理手段は、前記取得手段によって取得される現在日時の情報を用いて、前記検体の受け渡しがおこなわれた日時の情報を前記受取情報に含ませ、前記受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理することを特徴とする。
【0012】
上記発明において、前記被験者検体情報は、検体毎の検査項目の情報を含むことを特徴とする。
【0013】
上記発明において、前記入力手段によって入力される前記被験者検体情報の入力の完了を示す旨を受け付ける受付手段と、前記制御手段は、前記受付手段によって入力の完了を示す旨が受け付けられたときに、前記管理手段によって管理される被験者単位の前記受取情報に基づいて、被験者単位の未搬入の検体の有無を判定し、未搬入の検体があると判定した場合、その旨を示す情報を出力させる制御をおこなうことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる検体情報生成装置は、操作者から、検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)との入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた前記本検体情報と前記他検体情報とを関連付けた被験者検体情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記被験者検体情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる検体管理方法は、検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)とが関連付けられた被験者検体情報を入力する入力部と、前記入力部によって前記被験者検体情報が入力された場合、前記本検体情報に対応する検体が搬入された旨を示す受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する管理部と、を備え、被験者から採取された複数の検体の搬入状況を管理する検体管理装置に用いられる検体管理方法であって、検体の被験者検体情報が入力される入力工程と、前記入力工程にて前記被験者検体情報が入力された場合、前記管理部によって管理される、被験者単位の検体の受取情報を出力させる制御をおこなう制御工程と、前記制御工程にて制御される前記情報を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、検体の受け渡しをおこなう時点で検査室へ持ち込まれる検体の種類と数量に誤りがないかということを検体の引渡者または受取者が確認することが可能になるので、迅速かつ正確な検査をおこなうことができるとともに、検体の種類と数量に誤りがある場合に、迅速に対応策を講じることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1にかかる検体管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる検体管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1にかかる検体の概要を示す説明図である。
【図4】バーコードデータの内容を示す説明図である。
【図5】実施の形態1にかかる検体情報生成装置の機能的構成を示したブロック図である。
【図6】実施の形態1にかかる検体情報生成装置の検体情報生成処理手順の内容を示すフローチャートである。
【図7】操作者による検体管理装置の操作手順の内容を示すフローチャートである。
【図8−1】実施の形態1にかかる検体管理装置の検体管理処理手順の内容を示すフローチャートである。
【図8−2】検体管理装置の搬入状況出力処理手順の内容を示すフローチャートである。
【図9】検体管理装置のディスプレイに表示される操作画面の一例を示す説明図である。
【図10】ディスプレイに表示される容器内項目情報の表示画面の一例を示す説明図である。
【図11】実施の形態2にかかる検体管理装置が管理するデータの内容を示した説明図である。
【図12】実施の形態2にかかる検体情報生成装置の機能的構成を示したブロック図である。
【図13】実施の形態2にかかる検体情報生成装置の検体情報紐付処理手順の内容を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態2にかかる検体管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図15】実施の形態2にかかる検体管理装置の検体管理処理手順の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる、検体管理装置、検体情報生成装置、および検体管理方法の好適な実施の形態1および実施の形態2を詳細に説明する。なお、実施の形態1では、検体のバーコードに検体の内容物などを示す全てのデータを記憶させた場合について説明する。また、実施の形態2では、検体の内容物などを示す全てのデータを記憶させず、検体のバーコードには識別情報のみを記憶させた場合について説明する。
【0019】
(実施の形態1)
(検体管理装置のハードウェア構成)
図1を用いて、実施の形態1にかかる検体管理装置の基本構成について説明する。図1は、実施の形態1にかかる検体管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1において、検体管理装置100は、検査室などに設置されるPC(Personal Computer)によって実現され、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read‐Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、磁気ディスクドライブ104と、磁気ディスク105と、光ディスクドライブ106と、光ディスク107と、ディスプレイ108と、インタフェース(Interface)109と、キーボード110と、マウス111と、バーコードリーダ112と、プリンタ113と、を備えている。また、各構成部はバス120によってそれぞれ接続されている。
【0020】
CPU101は、検体管理装置100の全体の制御を司る。ROM102は、ブートプログラム、検体管理プログラムなどのプログラムを記憶している。検体管理プログラムは、バーコードリーダ112によって読み込まれた検体のバーコードデータに基づいて、当該検体が搬入された旨を示す受取情報と、被験者単位の他の検体を含む受取情報とを管理して出力するプログラムである。
【0021】
RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ104は、CPU101の制御にしたがって磁気ディスク105に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク105は、磁気ディスクドライブ104の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0022】
光ディスクドライブ106は、CPU101の制御にしたがって光ディスク107に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク107は、光ディスクドライブ106の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク107に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0023】
ディスプレイ108は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ108は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0024】
インタフェース(以下「I/F」と略する。)109は、外部装置からのデータの入出力を制御する。キーボード110は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
【0025】
マウス111は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0026】
バーコードリーダ112は、バーコードを光学的に読み込み、バーとスペースのパターンを解析して、検体管理装置100内にバーコードデータを取り込む。バーコードリーダ112は、バーコードの形式に応じて、接触式または非接触式を採用することができ、具体的には、ペンリーダ、CCDタッチリーダ、二次元バーコードリーダなどを採用することができる。
【0027】
プリンタ113は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ113には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0028】
(検体管理装置の機能的構成)
次に、図2を用いて実施の形態1にかかる検体管理装置100の機能的構成について説明する。図2は、実施の形態1にかかる検体管理装置100の機能的構成を示すブロック図である。この検体管理装置100は、被験者から採取された複数の検体の搬入状況を管理するものである。図2において、検体管理装置100は、入力部201と、管理部202と、制御部203と、出力部204と、取得部205と、受付部206とを備えている。
【0029】
入力部201は、検体毎に設けられる被験者検体情報(バーコードデータ)を入力する。被験者検体情報は、各検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)とが関連付けられた情報である。本検体情報は、具体的には、被験者Aの検体(たとえば血液)を示す情報である。また、他検体情報は、たとえば、被験者Aの血液と同時期に搬入される被験者Aの他の検体(たとえば尿)といった情報であるが、被験者Aの血液と同時期に搬入される他検体の本数のみの情報であってもよい。
【0030】
入力部201は、具体的には、図1に示したバーコードリーダ112によって読み込まれた被験者検体情報を入力する。なお、本実施の形態において、入力部201は、バーコードリーダ112によって読み込まれた被験者検体情報を入力するが、これに限られるものではなく、被験者検体情報が操作者によって操作入力可能な文字、数字、記号などである場合、キーボード110などから被験者検体情報を入力することも可能である。このほかにも、被験者検体情報がICチップに記憶されている場合、ICチップリーダによって読み込まれた被験者検体情報を入力することも可能である。
【0031】
管理部202は、入力部201によって被験者検体情報が入力された場合、本検体情報に対応する検体が搬入された旨を示す受取情報と被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する。管理部202は、具体的には、たとえば、被験者Aの血液の受取情報と、被験者Aの他の検体(たとえば尿)の情報とを記憶して、被験者単位にて血液や尿の搬入を管理する。搬入とは、検査室における「検体の受け取り」のほか、各検体の依頼された項目と検体の対応を確認する作業をおこなう「検体の到着」をも含む。
【0032】
制御部203は、入力部201によって被験者検体情報が入力された場合、管理部202によって管理される、被験者単位の検体の受取情報を出力させる制御をおこなう。具体的には、制御部203は、たとえば、被験者Aの血液の被験者検体情報が読み込まれた場合、被験者Aの血液が搬入された旨を示す受取情報と、被験者Aの他の検体の受取情報とを出力させる。
【0033】
出力部204は、制御部203によって制御される上記情報を出力する。出力部204は、具体的には、図1に示したディスプレイ108に上記情報を出力する。
【0034】
また、本実施の形態において、入力部201は、被験者検体情報とともに、検体を引き渡す引渡者および検体を受け取る受取者の情報(以下「受渡者情報」という)を入力する。受渡者情報は、引渡者または受取者をそれぞれ特定できる情報であればよく、たとえば、職員IDを用いることが可能である。入力部201への入力は、キーボード110などを用いた操作入力や、ICチップやバーコードなどに職員IDが記憶されている場合、ICチップリーダやバーコードリーダ112を用いた読み込みによる入力が挙げられる。
【0035】
このような受渡者情報が入力される構成において、管理部202は、被験者検体情報が入力された場合、受取情報に受渡者情報を含ませ、この受取情報と他検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する。「受取情報に受渡者情報を含ませる」とは、具体的には、たとえば、被験者Aの血液が搬入された場合、当該血液を引き渡した引渡者の情報、および当該血液を受け取った受取者の情報を、被験者Aの血液の受取情報に関連付けることである。なお、この場合、制御部203は、被験者単位の他検体情報とともに、受渡者情報を含む受取情報を出力させる制御をおこなう。
【0036】
また、本実施の形態において、取得部205は、現在日時の情報を取得する。この場合、管理部202は、取得部205によって取得される現在日時の情報を用いて、検体の受け渡しがおこなわれた日時の情報を受取情報に含ませ、この受取情報と他検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する。「検体の受け渡しがおこなわれた日時の情報を受取情報に含ませる」とは、具体的には、たとえば、被験者Aの血液が搬入された場合、搬入された日時の情報を、被験者Aの血液の受取情報に関連付けることであり、より具体的には、タイムスタンプとすることである。
【0037】
また、本実施の形態において、被験者検体情報は、検体毎の検査項目の情報を含ませている。検査項目の情報は、具体的には、たとえば、被験者Aの血液の検査項目の情報のほか、被験者Aの血液と同時期に搬入される被験者Aの他の検体(たとえば尿)の検査項目の情報である。
【0038】
また、本実施の形態において、受付部206は、入力部201によって入力される被験者検体情報の入力の完了を示す旨を受け付ける。この場合、制御部203は、受付部206によって入力の完了を示す旨が受け付けられたときに、管理部202によって管理される被験者単位の受取情報に基づいて、被験者単位の未搬入の検体の有無を判定し、未搬入の検体があると判定した場合、その旨を示す情報を出力させる制御をおこなう。なお、受付部206は、図9に後述する受取終了ボタン906に相当する。
【0039】
なお、入力部201と、管理部202と、制御部203と、出力部204と、取得部205と、受付部206とは、図1に示したCPU101によって実現される。すなわち、CPU101がROM102に記憶される検体管理プログラムを実行することにより各部を実現する。
【0040】
(検体の概要)
次に、図3を用いて、実施の形態1にかかる検体の概要について説明する。図3は、実施の形態1にかかる検体の概要を示す説明図である。図3において、検体300は、検体容器310と、バーコード320とからなる。検体容器310には、たとえば、血液や尿などが封入されている。検体容器310には、バーコード320が貼付されている。
【0041】
このバーコード320は、検体300の内容物を示す情報、当該検体の検査項目の情報、同時期に搬入される同一の被験者の他の検体300の情報などが記憶されている。なお、本実施の形態において、バーコード320は、一次元バーコードを用いているが、二次元バーコードを用いることも可能であるし、ICチップを用いることも可能である。
【0042】
(バーコードデータの内容)
次に、図4を用いて、バーコードデータ(被験者検体情報)の内容について説明する。図4は、バーコードデータの内容を示す説明図である。図4において、バーコードデータ400は、各検体300の内容物を示す本検体情報410と、各検体300と同時期に搬入される他検体情報420とからなる。本検体情報410は、コード411と、被験者ID412と、氏名413と、依頼元414と、容器名415とからなる。
【0043】
コード411は、バーコード320(容器名415)毎に付される記号である。被験者ID412は、被験者毎に付される記号である。氏名413は、被験者の氏名である。依頼元414は、検査の依頼をおこなった診療科である。容器名415は、検体容器310内の内容物や検査の内容を示したものであり、検査項目の情報をも含む。
【0044】
他検体情報420は、同時期に搬入される他の検体300の情報である。この他検体情報420は、コード421と、容器名422とからなる。コード421は、他の検体300(容器名422)毎に付される記号である。容器名422は、他の検体300の検体容器310内の内容物や検査の内容を示したものであり、検査項目の情報をも含む。
【0045】
具体例を挙げると、コード411の「A001」は、被験者ID412が「1234」、氏名413が「甲」、依頼元414が「内科」、検査対象である容器名415が「尿一般」となっている。この検体300と同時期に搬入される他検体情報420は、コード421が「A002」の容器名422が「髄液」となっている。
【0046】
一方、コード411の「A002」についても同様に、被験者ID412が「1234」、氏名413が「甲」、依頼元414が「内科」、検査対象である容器名415が「髄液」となっている。この検体300と同時期に搬入される他検体情報420は、コード421が「A001」の容器名422が「尿一般」となっている。ここでは、「甲」の検体300は、コード411が「A001」または「A002」の2種類となっている。すなわち、コード411が「A001」または「A002」のバーコードデータ400には、それぞれ「甲」についての全ての検体300のデータが記憶されている。
【0047】
(検体情報生成装置の機能的構成)
ここで、バーコードデータを生成する検体情報生成装置について説明する。図5は、実施の形態1にかかる検体情報生成装置の機能的構成を示したブロック図である。なお、図5に示す検体情報生成装置500は、CPU、ROM、RAMなどを備えたPCなどのコンピュータ装置からなる。
【0048】
図5において、検体情報生成装置500は、受付部501と、生成部502と、出力部503とを備えている。受付部501は、操作者から、検体300の内容物を示す本検体情報410と、当該検体300と同時期に搬入される被験者毎の他検体情報420との入力を受け付ける。受付部206は、たとえば、キーボードやマウスによって、検体300を採取した採取者などから本検体情報410および他検体情報420を受け付ける。
【0049】
生成部502は、受付部501によって受け付けられた本検体情報410と他検体情報420とを関連付けた被験者検体情報を生成する。生成部502は、他の検体300の数に応じた被験者検体情報を生成する。すなわち、他の検体300の数が4個ある場合、本検体情報410および他検体情報420を入れ替えた5パターンの被験者検体情報を生成する。
【0050】
なお、不図示の判定部を備えるようにし、たとえば、ある被験者の本検体情報410および他検体情報420を受け付けた場合、本検体情報410および他検体情報420に入力の誤りがないかを判定することが可能である。たとえば、被験者「甲」において血液の検体300と尿の検体300とを要する場合、血液の他検体情報420に尿の入力があるにもかかわらず、尿を本検体情報410とした際に血液の他検体情報420の入力がないと判定したとき、すなわち、本検体情報410および他検体情報420を入れ替えた数が一致しないと判定したときに、不図示の警告部から、入力ミスがある旨を警告することが可能である。
【0051】
出力部503は、生成部502によって生成された被験者検体情報を出力する。出力された被験者検体情報をバーコードデータ400として、バーコード320が作成される。なお、上述した各機能部は、検体情報生成装置500のROMなどに記憶される検体情報生成プログラムをCPUが実行することにより実現される。
【0052】
(検体情報生成装置の検体情報生成処理手順)
次に、図6を用いて検体情報生成装置500の検体情報生成処理手順について説明する。図6は、実施の形態1にかかる検体情報生成装置500の検体情報生成処理手順の内容を示すフローチャートである。図6において、検体情報生成装置500のCPUは、受付部501により本検体情報410および他検体情報420の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS601)。
【0053】
本検体情報410および他検体情報420の入力を受け付けるまで待機状態にあり(ステップS601:Noのループ)、本検体情報410および他検体情報420の入力を受け付けると(ステップS601:Yes)、生成部502の機能により、本検体情報410および他検体情報420を関連付けた被験者検体情報を生成する(ステップS602)。この後、生成した被験者検体情報を出力し(ステップS603)、一連の処理を終了する。なお、出力された被験者検体情報をバーコードデータ400として、バーコード320が作成される。
【0054】
(操作者による検体管理装置の操作手順)
次に、図7を用いて操作者による検体管理装置100の操作手順について説明する。図7は、操作者による検体管理装置100の操作手順の内容を示すフローチャートである。図7において、操作者としての検体300の受取者は、キーボード110などを操作し、たとえば職員IDやパスワードを用いて、検体管理装置100にログインする(ステップS701)。
【0055】
次に、操作者は、引渡者としての移送者のIDを入力する(ステップS702)。そして、バーコードリーダ112を用いて、検体300に付されたバーコード320を読み取る(ステップS703)。この後、操作者は、搬入された検体300に、残りの検体300があるか否かを判断し(ステップS704)、残りの検体300がある場合(ステップS704:Yes)、ステップS702に移行し、操作を繰り返す。残りの検体300がない場合(ステップS704:No)、操作を終了する。
【0056】
(検体管理装置の検体管理処理手順)
次に、図8−1を用いて検体管理装置100の検体管理処理手順について説明する。図8−1は、実施の形態1にかかる検体管理装置100の検体管理処理手順の内容を示すフローチャートである。図8−1において、検体管理装置100のCPU101は、バーコードリーダ112によりバーコード320の読み込みがおこなわれることに伴って、バーコードデータ400の入力があるか否かを判断する(ステップS801)。
【0057】
バーコードデータ400の入力があるまで待機状態にある(ステップS801:Noのループ)。バーコードデータ400の入力がある場合(ステップS801:Yes)、RAM103や磁気ディスク105などに、本検体情報410に対応する検体300が搬入された旨を示す受取情報を記憶する(ステップS802)。さらに、バーコードデータ400の入力があったバーコード320の読み込み日時のほか、検体管理装置100の操作者から入力された、検体300の引渡者および受取者を示す受渡者情報を受取情報に含ませてRAM103や磁気ディスク105などに記憶する(ステップS803)。
【0058】
この後、入力されたバーコードデータ400に他検体情報420があるか否かを判断する(ステップS804)。他検体情報420がある場合(ステップS804:Yes)、RAM103や磁気ディスク105などに本検体情報410および他検体情報420を記憶する(ステップS805)。そして、ディスプレイ108から、被験者単位の受取情報を出力し(ステップS806)、一連の処理を終了する。一方、他検体情報がない場合(ステップS804:No)、本検体情報のみを記憶し(ステップS807)、ステップS806に移行する。
【0059】
(検体管理装置の搬入状況出力処理手順)
次に、図8−2を用いて検体管理装置100の搬入状況出力処理手順について説明する。図8−2は、検体管理装置100の搬入状況出力処理手順の内容を示すフローチャートである。図8−2において、検体管理装置100のCPU101は、たとえばディスプレイ108に選択可能に表示される、受取終了ボタンが選択されたか否かを判断する(ステップS811)。
【0060】
受取終了ボタンが押下されるまで待機状態にある(ステップS811:Noのループ)。受取終了ボタンが押下されると(ステップS811:Yes)、RAM103や磁気ディスク105などに記憶した受取情報に基づいて、未搬入の検体300があるか否かを判断する(ステップS812)。
【0061】
未搬入の検体300がない場合(ステップS812:No)、そのまま処理を終了する。未搬入の検体300がある場合(ステップS812:Yes)、未搬入の検体300を示す情報をプリンタ113からプリントアウトし(ステップS813)、処理を終了する。なお、未搬入の検体300がある場合(ステップS812:Yes)、未搬入の検体300を示す情報をプリンタ113からプリントアウトするようにしているが(ステップS813)、警告表示などをおこなうことも可能であるし、設定によりプリントアウトしないようにすることも可能である。
【0062】
(操作画面の一例)
次に、図9を用いて検体管理装置100のディスプレイ108に表示される操作画面の一例について説明する。図9は、検体管理装置100のディスプレイ108に表示される操作画面の一例を示す説明図である。なお、以下では、表示画面900上のアイコン等について操作手順とともに説明する。
【0063】
表示画面900において、ユーザ名901には、ログインした受取者が表示されている。引渡者としての検体移送者欄902は、操作者により指定されることにより検体移送者が表示される。開始ボタン903が選択されると、バーコードリーダ112によるバーコード320の読み込みが可能になる。バーコード欄904には、読み込まれたバーコード320の、たとえばコード411が表示される。
【0064】
リスト905は、バーコード320に記憶されるバーコードデータ400、受け取りをおこなった日時、受渡者の情報をリスト化したものである。リスト905内の受取時刻欄905aには、バーコード320の読み込みをおこなった時点で、既に受け取り済みのものには受け取り日時が表示され、未取得のものには「未」が表示される。また、現在の操作にて読み込んだものには黒丸が表示される。
【0065】
リスト905内の検体移送者欄905bには、受け取った容器について、検体移送者欄902にて指定された移送者が表示される。リスト905内の受取確認者欄905cには、受け取りをおこなった際の端末のログイン者が表示される。
【0066】
受取終了ボタン906は、バーコード320の読み込みが終了したときに押下されるボタンである。動作設定画面907は、到着確認作業をおこなう設定になっている場合に表示される画面である。なお、到着確認作業は、検体300を受け取った際におこなわれ、各検体300の依頼された項目と検体300の対応を確認する作業であり、到着確認作業をおこなう場所と受取確認作業をおこなう場所とが同一である場合、受取確認作業と同時におこなうことが可能である。
【0067】
動作設定画面907の印刷設定907aでは、印刷の有無が指定できるようになっている。印刷の有無の指定については、到着確認作業をおこなう設定になっていない場合でも、表示されるようになっている。到着確認設定907bにおいて到着確認をおこなう設定になっている場合、ラベル設定907cのチェック項目により、ラベルの発行条件を指定することができるようになっている。出力先設定907dは、ラベルの出力先を指定することができるようになっている。
【0068】
このような表示画面900において、たとえば、符号910に示す容器をダブルクリックすると、図10を用いて以下に説明する容器内項目情報が表示される。
【0069】
(容器内項目情報の表示画面の一例)
図10は、ディスプレイ108に表示される容器内項目情報の表示画面の一例を示す説明図である。図10において、容器内項目情報1000は、検体300毎の検査内容の詳細を示した者である。このように、操作者がダブルクリックした各容器について、容器内項目情報1000をそれぞれ表示することが可能になっている。
【0070】
以上説明したように、実施の形態1では、各検体300に設けられたバーコードデータ400に、各検体300の内容物を示す本検体情報410と、各検体300と同時期に搬入される被験者毎の他検体情報420とを記憶させ、検体管理装置100では、バーコードデータ400が入力された際に、当該検体300が搬入された旨を示す受取情報と、他の検体300の受取情報とを出力するようにした。
【0071】
したがって、検体300の受け渡しをおこなう時点で検査室へ持ち込まれる検体300の種類と数量に誤りがないかということを検体300の引渡者または受取者が確認することが可能になるので、迅速かつ正確な検査をおこなうことができるとともに、検体300の種類と数量に誤りがある場合には、迅速に対応策を講じることが可能になる。
【0072】
また、検体300を受け取った時点で、検体300の引渡者と受取者の双方が、依頼された検査に必要な検体300の種類と数量の正誤を、同時に二人で確認することができるので、受け渡し時における作業ミスを抑制することができる。また、受け渡し時に、数量が不足している場合は、速やかに必要な検体300の採取をおこなう要請を、移送者、採取者または検査依頼の指示医へ伝えることができ、数量不足に対して早期に原因を究明し、対応策を講じることができる。
【0073】
また、万一検体300が見つからなかった場合、たとえば、外来患者が来訪する中央採血室であっても、外来患者が帰途に就く前に、再度検体300を採取することも可能になり、外来患者が被る負担を軽減させることができる。
【0074】
さらに、検体300の受け渡し時に種類や数量が正しく、その後、検体300が見つからないようなことがあった場合、検体300を紛失したことが明確になり、検査室内を探すなど、次の対応を迅速にとることが可能になるとともに、医療現場のトラブル防止や医療業務の効率化を図ることができる。
【0075】
特に、本実施の形態において、検体300の到着確認作業をおこなう場所と、検体300の受取確認作業をおこなう場所とが同一の場所である場合、受取確認作業を到着確認作業と同時におこなうことが可能である。したがって、作業工程を増やすことなく、簡単かつ迅速に検体300の受取確認をおこなうことができる。
【0076】
また、たとえば、指示医が検査を要請したにもかかわらず、検査室から検査結果の回答が長時間ない場合に、指示医から検査室への問い合わせに対して、その原因が、検体300の受け取りがおこなわれていないために回答が遅れているのか、検査に時間がかかっているために回答が遅れているのかを検査室側では容易に知ることができる。したがって、検査室側から指示医へは検査室の検査状況を容易に伝達することが可能になり、指示医は診療業務の効率化を図ることが可能になる。
【0077】
また、検体300の引渡者および受取者を受取情報に含ませて記憶させるようにしたので、責任の所在を明確にすることができ、受渡者に対し、作業ミスを防止させるための意識を向上させることができる。
【0078】
さらに、本実施の形態によれば、検体300の受け渡しがおこなわれた日時の情報を受取情報に含ませてタイムスタンプとして記憶するようにしたので、受け取り後の経過時間が明確になるとともに、検体300の受け取り後に検体300が長時間放置されるようなことを防止することができる。
【0079】
また、バーコードデータ400には、検体300毎の検査項目の情報を含ませるようにしたので、バーコードデータ400を検体管理装置100にて読み込んだ際に、受取者は検査項目の情報を閲覧することが可能になる。すなわち、受取者は、受け取った検体300にかかわる詳細な情報を閲覧することが可能になる。
【0080】
また、本実施の形態において、バーコード320の読み込み完了を示す受取終了ボタン906が選択されたときに、未搬入の検体300があると判定した場合、その旨を示す情報を出力させるようにしたので、移送者および受取者は、即座に検体300が不足していることを認識することができる。したがって、検体300の数量不足に対して、迅速に対応策を講じることが可能になる。
【0081】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2は、検体300のバーコード320に検体300の内容物などを示す全てのデータを記憶させず、検体300のバーコード320には識別情報のみを記憶させた点が実施の形態1と異なる。なお、以下の説明において、実施の形態1において説明したものについては同様の符号を付し、適宜説明を省略するとともに、実施の形態1と異なる点のみについて説明する。
【0082】
(検体管理装置が管理するデータの内容)
図11を用いて、実施の形態2にかかる検体管理装置が管理するデータの内容について説明する。なお、実施の形態2にかかる検体管理装置の構成については、図13を用いて後述する。図11は、実施の形態2にかかる検体管理装置が管理するデータの内容を示した説明図である。図11において、検体管理装置が管理するデータ1100は、識別情報1101と、被験者検体情報1102とからなる。
【0083】
識別情報1101は、コード411を有する。バーコード320には、このコード411のみが記憶されるようになっている。一方、被験者検体情報1102は、図12を用いて後述する検体情報生成装置にて生成された情報であり、当該検体情報生成装置から取得された情報である。なお、検体管理装置と後述する検体情報生成装置とをネットワークにより接続し、検体管理装置は、検体情報生成装置から識別情報1101および被験者検体情報1102を取得するようにしてもよいし、識別情報1101および被験者検体情報1102が記憶されたUSBメモリなどの記憶媒体から当該情報を取得するようにしてもよい。
【0084】
(検体情報生成装置の機能的構成)
ここで、バーコードデータを生成する検体情報生成装置について説明する。図12は、実施の形態2にかかる検体情報生成装置の機能的構成を示したブロック図である。なお、図12に示す検体情報生成装置1200は、CPU、ROM、RAMなどを備えたPCなどのコンピュータ装置からなる。
【0085】
図12において、検体情報生成装置1200は、受付部1201と、生成部1202と、紐付部1203と、出力部1204とを備えている。受付部1201は、検体を採取した採取者などから、検体300の内容物を示す本検体情報410と、当該検体300と同時期に搬入される被験者毎の他検体情報420とを受け付ける。生成部1202は、本検体情報410と他検体情報420とを関連付けた被験者検体情報1102を生成する。
【0086】
紐付部1203は、生成部1202によって生成された被験者検体情報1102と、予め設定される一意の識別情報1101とを紐付ける。出力部1204は、紐付部1203によって被験者検体情報1102に紐付けられた識別情報1101を出力する。この出力された識別情報1101を用いてバーコード320が作成される。
【0087】
なお、紐付部1203によって紐付けられた識別情報1101および被験者検体情報1102については、検体情報生成装置1200が備える不図示の記憶部に記憶しておくようにしてもよいし、検体300を管理する検体管理装置に送信したり、これらの情報を管理する不図示の情報管理装置に送信したりしてもよい。
【0088】
なお、本実施の形態においても、不図示の判定部を備えるようにし、ある被験者の本検体情報410および他検体情報420を受け付けた場合、本検体情報410および他検体情報420に入力の誤りがないかを判定することが可能である。すなわち、本検体情報410および他検体情報420を入れ替えた数が一致しないと判定したときに、不図示の警告部から、入力ミスがある旨を警告することが可能である。
【0089】
(検体情報生成装置の検体情報紐付処理手順)
次に、図13を用いて検体情報生成装置1200の検体情報紐付処理手順について説明する。図13は、実施の形態2にかかる検体情報生成装置1200の検体情報紐付処理手順の内容を示すフローチャートである。図13において、検体情報生成装置1200のCPUは、受付部1201により本検体情報410および他検体情報420の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1301)。
【0090】
本検体情報410および他検体情報420の入力を受け付けるまで待機状態にあり(ステップS1301:Noのループ)、本検体情報410および他検体情報420の入力を受け付けると(ステップS1301:Yes)、生成部1202の機能により、本検体情報410と他検体情報420とを関連付けた被験者検体情報1102を生成する(ステップS1302)。
【0091】
この後、生成した被験者検体情報1102と識別情報1101とを紐付ける(ステップS1303)。そして、被験者検体情報1102に紐付けられた識別情報1101を出力し(ステップS1304)、一連の処理を終了する。なお、出力された識別情報1101を用いて、バーコード320が作成される。
【0092】
(検体管理装置の機能的構成)
次に、図14を用いて実施の形態2にかかる検体管理装置の機能的構成について説明する。図14は、実施の形態2にかかる検体管理装置の機能的構成を示すブロック図である。図14において、検体管理装置1400は、入力部1401と、検体情報取得部1402と、管理部1403と、制御部1404と、出力部1405とを備えている。
【0093】
入力部1401は、検体300毎に設けられるとともに、検体を識別するための識別情報1101を入力する。すなわち、入力部1401は、コード411のみを入力する。検体情報取得部1402は、被験者検体情報1102を取得する。被験者検体情報1102は、本検体情報410と、当該検体300と同時期に搬入される被験者毎の他検体情報420とが関連付けられ、識別情報1101に紐付けられている情報である。
【0094】
検体管理装置1400が備える磁気ディスクなどの記憶部に被験者検体情報1102が記憶されている場合、検体情報取得部1402は、当該記憶部から被験者検体情報1102を取得する。なお、このような記憶部からの取得に限らず、たとえば、検体情報生成装置1200や被験者検体情報を管理する不図示の情報管理装置にネットワークにより通信接続されている場合は、検体情報取得部1402は、被験者検体情報1102を受信することにより取得すればよい。
【0095】
管理部1403は、入力部1401によって識別情報1101が入力された場合、検体情報取得部1402に識別情報1101に対応する被験者検体情報1102を取得させる。さらに、管理部1403は、識別情報1101に対応する検体300が搬入された旨を示す受取情報を記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する。
【0096】
制御部1404は、入力部1401によって識別情報1101が入力された場合、管理部1403によって管理される、被験者単位の検体の受取情報を出力させる制御をおこなう。出力部1405は、制御部1404によって制御される情報を出力する。
【0097】
なお、実施の形態2においては説明を省略するが、実施の形態1に示した、入力部201に受渡者情報を入力するようにしたり、現在日時の情報を取得する取得部205を備えたりし、受取情報に受渡者の情報や現在日時の情報を含ませるようにしている。さらに、識別情報1101の入力の完了を示す受付部206を備え、被験者単位の未搬入の検体がある場合に、その旨を示す情報を出力させるようにしている。
【0098】
(検体管理装置の検体管理処理手順)
次に、図15を用いて検体管理装置1400の検体管理処理手順について説明する。図15は、実施の形態2にかかる検体管理装置1400の検体管理処理手順の内容を示すフローチャートである。図15において、検体管理装置1400は、バーコードリーダ112によりバーコード320の読み込みがおこなわれることに伴って、コード411の入力があるか否かを判断する(ステップS1501)。
【0099】
コード411の入力があるまで待機状態にある(ステップS1501:Noのループ)。コード411の入力がある場合(ステップS1501:Yes)、被験者検体情報1102を取得する(ステップS1502)。そして、RAMなどの記憶部に、識別情報1101に対応する検体300が搬入された旨を示す受取情報を記憶する(ステップS1503)。さらに、バーコードデータ400の入力があったバーコード320の読み込み日時のほか、検体管理装置1400の操作者から入力された、検体300の引渡者および受取者を示す受渡者情報を受取情報に含ませて、RAMなどの記憶部に記憶する(ステップS1504)。
【0100】
この後、入力されたバーコードデータ400に他検体情報420があるか否かを判断する(ステップS1505)。他検体情報420がある場合(ステップS1505:Yes)、RAMなどの記憶部に本検体情報410および他検体情報420を記憶する(ステップS1506)。そして、ディスプレイ108から、被験者単位の受取情報を出力し(ステップS1507)、一連の処理を終了する。一方、他検体情報がない場合(ステップS1505:No)、本検体情報のみを記憶し(ステップS1508)、ステップS1507に移行する。
【0101】
以上説明したように、実施の形態2では、各検体300に設けられたバーコード320にコード411のみを記憶させ、検体管理装置1400側にて各検体300の内容物を示す本検体情報410および各検体300と同時期に搬入される被験者毎の他検体情報420とを取得するようにし、バーコード320のコード411が入力された際に、当該検体300が搬入された旨を示す受取情報と、他の検体300の受取情報とを出力するようにした。
【0102】
したがって、検体300の受け渡しをおこなう時点で検査室へ持ち込まれる検体300の種類と数量に誤りがないかということを検体300の引渡者または受取者が確認することが可能になるので、迅速かつ正確な検査をおこなうことができるとともに、検体300の種類と数量に誤りがある場合には、迅速に対応策を講じることが可能になる。このように、実施の形態2においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0103】
以上のように、本発明の検体管理装置、検体情報生成装置、および検体管理方法によれば、検体300の受け渡しをおこなう時点で検査室へ持ち込まれる検体300の種類と数量に誤りがないかということを検体300の引渡者または受取者が確認することを可能にする。
【0104】
なお、実施の形態1および実施の形態2にて説明した検体管理方法は、予め用意された検体管理プログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。これらのプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、これらのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上のように、本発明は、被験者から採取した血液等の検体の管理に有用であり、特に、検体の受け渡し時における検体の管理に適している。
【符号の説明】
【0106】
100 検体管理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
108 ディスプレイ
201 入力部
202 管理部
203 制御部
204 出力部
205 取得部
206 受付部
300 検体
310 検体容器
320 バーコード
400 バーコードデータ
500 検体情報生成装置
501 受付部
502 生成部
503 出力部
900 表示画面
1200 検体情報生成装置
1201 受付部
1202 生成部
1203 紐付部
1204 出力部
1400 検体管理装置
1401 入力部
1402 検体情報取得部
1403 管理部
1404 制御部
1405 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者から採取された複数の検体の搬入状況を管理する検体管理装置であって、
検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)とが関連付けられた被験者検体情報を入力する入力手段と、
前記入力手段によって前記被験者検体情報が入力された場合、前記本検体情報に対応する検体が搬入された旨を示す受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する管理手段と、
を備え、
前記入力手段によって前記被験者検体情報が入力された場合、前記管理手段によって管理される、被験者単位の検体の受取情報を出力させる制御をおこなう制御手段と、
前記制御手段によって制御される前記情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする検体管理装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記被験者検体情報とともに、前記検体を引き渡す引渡者および前記検体を受け取る受取者の情報(以下「受渡者情報」という)を入力し、
前記管理手段は、前記被験者検体情報が入力された場合、前記受渡者情報を含む前記受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理することを特徴とする請求項1に記載の検体管理装置。
【請求項3】
現在日時の情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記取得手段によって取得される現在日時の情報を用いて、前記検体の受け渡しがおこなわれた日時の情報を前記受取情報に含ませ、前記受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理することを特徴とする請求項2に記載の検体管理装置。
【請求項4】
前記被験者検体情報は、検体毎の検査項目の情報を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の検体管理装置。
【請求項5】
前記入力手段によって入力される前記被験者検体情報の入力の完了を示す旨を受け付ける受付手段と、
前記制御手段は、前記受付手段によって入力の完了を示す旨が受け付けられたときに、前記管理手段によって管理される被験者単位の前記受取情報に基づいて、被験者単位の未搬入の検体の有無を判定し、未搬入の検体があると判定した場合、その旨を示す情報を出力させる制御をおこなうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の検体管理装置。
【請求項6】
操作者から、検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)との入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた前記本検体情報と前記他検体情報とを関連付けた被験者検体情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記被験者検体情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする検体情報生成装置。
【請求項7】
検体の内容物を示す本検体情報と、当該検体と同時期に搬入される被験者毎の他の検体の情報(以下「他検体情報」という)とが関連付けられた被験者検体情報を入力する入力部と、
前記入力部によって前記被験者検体情報が入力された場合、前記本検体情報に対応する検体が搬入された旨を示す受取情報と前記被験者検体情報とを記憶して、被験者単位の検体の受取情報を一括して管理する管理部と、
を備え、被験者から採取された複数の検体の搬入状況を管理する検体管理装置に用いられる検体管理方法であって、
検体の被験者検体情報が入力される入力工程と、
前記入力工程にて前記被験者検体情報が入力された場合、前記管理部によって管理される、被験者単位の検体の受取情報を出力させる制御をおこなう制御工程と、
前記制御工程にて制御される前記情報を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする検体管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate