検出座
【課題】検出器の取り付け及び取り外しを容易にし、検出器の保守メンテナンス性を向上させた検出座を提供すること。
【解決手段】検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、前記検出管を貫通させた状態で前記検出器を支持する固定支持部と、前記固定支持部を傾動可能に支持する支持ベース部と、を備え、前記固定支持部は、球体状に形成される球体部と、前記検出器を固定可能なフランジ部と、前記球体部と前記フランジ部とを連結する円筒状の連結部と、前記フランジ部、前記連結部及び前記球体部を貫通し、前記検出管が貫通可能な貫通孔部と、を有し、前記支持ベース部は、前記連結部が配置され、略円筒状に形成される第1開口部と、前記球体部が内装され、前記第1開口部と連通すると共に球面状に形成される内装部と、前記内装部と連通すると共に、球体部側の前記貫通孔部と連通可能な第2開口部と、を有する。
【解決手段】検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、前記検出管を貫通させた状態で前記検出器を支持する固定支持部と、前記固定支持部を傾動可能に支持する支持ベース部と、を備え、前記固定支持部は、球体状に形成される球体部と、前記検出器を固定可能なフランジ部と、前記球体部と前記フランジ部とを連結する円筒状の連結部と、前記フランジ部、前記連結部及び前記球体部を貫通し、前記検出管が貫通可能な貫通孔部と、を有し、前記支持ベース部は、前記連結部が配置され、略円筒状に形成される第1開口部と、前記球体部が内装され、前記第1開口部と連通すると共に球面状に形成される内装部と、前記内装部と連通すると共に、球体部側の前記貫通孔部と連通可能な第2開口部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出座に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、石炭ボイラから排出される燃焼排ガスに含まれるNOxやSOx等の濃度制御や、石炭ボイラの性状評価を行うためには、石炭ボイラから排出される燃焼排ガスに含まれる物質の濃度を測定することが必要とされている。そして、石炭ボイラから排出された燃焼排ガスに含まれるNOxやSOx等の濃度等を測定する場合には、濃度検出用の検出管を有する検出器が用いられる。
【0003】
検出器は、石炭ボイラから排出される燃焼排ガスを採取するために、例えば、ボイラ煙道に設けられた検出座により所定の場所に取り付けられ、ボイラ煙道を流れるサンプル用の燃焼排ガスを検出管により採取する。検出器を取り付けるための検出座は、一般に、検出管を挿通させる単管状の支持ベース部と、検出器を固定するフランジとを備えて構成されており、ボイラ煙道の所定の位置に溶接等で取り付けられている。
【0004】
ここで、検出器は、検出管を単管状の支持ベースに挿入させることにより検出座に装着される。そのため、検出管の取り付け及び取り外し方向は、一定の方向に限定されていた。これにより、例えば、設備の増設等により、検出器の取り外し方向に検出器の取り外しを妨げる、若しくは困難にする配管等の障害物が設置された場合には、検出器が取り外せなくなるという問題があった。
【0005】
これに対しては、2つの検出器をそれぞれ2カ所の異なる方向に取り付けておくことにより、配管等の設備が検出器の近傍に配置された場合においても、いずれか一方側の取り付け及び取り外しが可能となる検出座が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−112211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の検出座は、2カ所の異なる方向それぞれに検出器を取り付け可能に構成しているが、取り付け角度が固定されているため、取り付け及び取り外しが制約されるという問題があった。また、障害物等により取り付け及び取り外し方向が制約されると、例えば、管長の短い検出管しか取り付けることができなくなり、必要とされる位置の燃焼排ガスを採取することができず、正確な測定ができなくなるという問題があった。
【0008】
また、検出器が取り外せなくなった場合には、機器の別の場所に検出座を設け、新たに検出器を設置させることも考えられるが、機器の別の場所で測定を行うと従前と異なる数値を示すおそれがあり、正確に測定ができなくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、検出器の取り付け及び取り外しを容易にし、検出器の保守メンテナンス性を向上させた検出座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、検出座に検出器の取り付け及び取り外し方向を調節可能な調節機構を設けることにより、検出器の取り付け及び取り外しが容易となることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のような検出座を提供することを目的とする。
【0011】
(1) 検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、前記検出管を貫通させた状態で前記検出器を支持する固定支持部と、前記固定支持部を傾動可能に支持する支持ベース部と、を備え、前記固定支持部は、球体状に形成される球体部と、前記検出器を固定可能なフランジ部と、前記球体部と前記フランジ部とを連結する円筒状の連結部と、前記フランジ部、前記連結部及び前記球体部を貫通し、前記検出管が貫通可能な貫通孔部と、を有し、前記支持ベース部は、前記連結部が配置され、略円筒状に形成される第1開口部と、前記球体部が内装され、前記第1開口部と連通すると共に球面状に形成される内装部と、前記内装部と連通すると共に、球体部側の前記貫通孔部と連通可能な略円筒状の第2開口部と、を有することを特徴とする検出座。
【0012】
(2) 前記内装部には、前記内装部を構成する壁面に複数の軸受け部が設けられており、前記球体部は、前記複数の軸受け部により転動可能に支持されることを特徴とする(1)に記載の検出座。
【0013】
(3) 前記支持ベース部には、外部から前記内装部に貫通し、所定のネジ部材を螺合させることにより、前記内装部に内装される前記球体部を固定可能な固定ネジ部が設けられることを特徴とする(1)又は(2)に記載の検出座。
【0014】
(4) 検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、前記検出管を挿入させた状態で前記検出器を固定可能な固定支持部と、前記固定支持部を貫通させた状態で前記固定支持部を支持する支持ベース部と、を備え、前記固定支持部は、前記検出管が挿入される単管部と、前記単管部の一方端側に設けられ、前記検出器を固定する第1フランジ部と、を有し、前記支持ベース部は、一方側の開口が他方側の開口よりも大きく形成され、前記単管部を挿入可能なレジューサ部と、前記レジューサ部の前記一方側の端部に設けられ、前記第1フランジ部と締結可能な第2フランジ部と、を有することを特徴とする検出座。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検出器の取り付け及び取り外しを容易にし、検出器の保守メンテナンス性を向上可能な検出座を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る検出座の内部構成を示す断面図である。
【図4】石炭ボイラの煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【図5】ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。
【図6】傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。
【図8】第2実施形態に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。
【図9】第2実施形態に係る検出座の内部構成を示す断面図である。
【図10】ボイラの煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【図11】ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。
【図12】傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【図14】第2実施形態に係る検出座から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【図15】火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラの外観を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラ100から排出される排ガスに含まれる物質の濃度を測定する検出器10を取り付けるための検出座1を用いて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る検出座1が設けられる石炭ボイラ100について説明する。図15は、第1実施形態に係る石炭ボイラの正面図である。石炭ボイラ100は、火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラ100であり、1000トンを超える重量を有する。第1実施形態においては、石炭ボイラ100は、鉄骨で形成された複数の縦支柱101及び梁102から構成される支持構造物103に上方から吊り下げられるように設置されている。
【0019】
図15に示すように、石炭ボイラ100は、火炉部110と、後伝部120と、を主体に構成されている。火炉部110は、縦方向に長い形状を有しており、内部は空洞となっている。火炉部110の内部には、側部壁111に複数のバーナー(図示せず)が設置されており、火炉部110は、複数のバーナーを使用して火炉部110の内部で燃料(石炭)を燃焼させ、燃焼排ガスを発生させる。後伝部120は、火炉部110の側方に位置し、上部で火炉部110と連通している。後伝部120の内部は空洞に形成されており、この空洞部に水を加熱して蒸気にする複数の過熱機121,122,123,124,125が設置されている。
【0020】
火炉部110の内部で発生した燃焼排ガスは、矢印130,131の方向に流れる。そして、流れてきた燃焼排ガスの熱を後伝部120に設けられた複数の過熱機121,122,123,124,125で熱交換し、発電用のタービン(図示せず)を回すことにより、石炭ボイラ100は電気的エネルギーを得る。また、複数の過熱機121,122,123,124,125で熱交換により温度が低下した燃焼排ガスは、ボイラ煙道Bを通り、電気集塵機(図示せず)により濾過される。本実施形態に係る検出座1は、石炭ボイラ100と連結されるボイラ煙道Bに設けられる。
【0021】
次に、図1から図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る検出座1について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。図2は、前記実施形態に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。図3は、前記実施形態に係る検出座の内部構成を示す断面図である。図4は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【0022】
検出座1は、ボイラ煙道Bの所定の位置に開口を設け、開口から検出管11が挿入されるようにボイラ煙道Bに接合される。つまり、検出座1は、固定支持部2に設けられる貫通孔23とボイラ煙道Bの開口とが連通するようにボイラ煙道Bに接合されている。
【0023】
なお、第1実施形態に係る検出座1に装着される検出器10は、ボイラ煙道Bに挿入される単管状の検出管11と、検出管11の一端部側に設けられ、検出座1に締結可能な固定フランジ12と、を備えて構成されている。
【0024】
図1から図4に示すように、検出座1は、検出管11を貫通させた状態で検出器10を固定支持する固定支持部2と、固定支持部2を傾動可能に支持する支持ベース部3と、を備えて構成されている。検出座1は、支持ベース部3に支持される固定支持部2が支持ベース部3に対して、検出管11を貫通させた状態で傾動可能に支持されるように構成されている。言い換えると、検出座1は、検出管11を貫通させた固定支持部2を支持ベース部3に対して傾動させることにより、固定支持部2に支持された検出器10の検出管11の取り外し方向を調整可能とするように構成されている。
【0025】
固定支持部2は、球体状に形成された球体部20と、検出器10を固定するフランジ部21と、球体部20とフランジ部21とを連結する円筒状の連結部22と、を備えて構成されている。また、固定支持部2には、フランジ部21から連結部22を介して球体部20を貫通する貫通孔23が設けられている。貫通孔23は、球体部20の重心部を貫通するように設けられており、フランジ部21側から挿入される検出管11が球体部20を突き抜け可能に形成されている。
【0026】
フランジ部21には、複数のボルト孔21aが設けられている。ボルト孔21aは、検出器10の固定フランジ12に設けられている複数のボルト孔12aと対応するように設けられている。固定支持部2は、ボルト孔21aとボルト孔12aのそれぞれを重ね合わせ、ボルト孔21a,12aそれぞれにボルト13を挿入し、フランジ部21と固定フランジ12とを螺嵌することによりに検出器10を固定する。
【0027】
支持ベース部3は、分割可能に形成されており、第1ベース3aと第2ベース3bとを備えて構成されている。第1ベース3aと第2ベース3bとは、互いに接合可能に形成されており、支持ベース部3は、第1ベース3aと第2ベース3bとを接合することにより、矩形箱状に形成される。
【0028】
また、支持ベース部3の内部には、球体部20を転動可能に内装する内装部30が設けられている。内装部30は、球面状に形成されており、その壁面には、球体部20を転動可能に支持する複数の軸受け部であるベアリング31が設けられている。
【0029】
更に、支持ベース部3の一方側の面である第1の面32には、外部と内装部30とを連通させる第1開口部33が設けられている。第1開口部33は略円筒状に形成されており、内装部30に内装される球体部20と連結する連結部22が内装部30側から突出可能に形成されている。
【0030】
また、第1開口部33は、その口径が連結部22の口径よりも大きくなるように形成されている。球体部20に連結される連結部22が、内装部30における球体部20の転動に連動して第1開口部33において移動可能とするためである。そして、連結部22の移動範囲を大きくすることにより、貫通孔23に挿入される検出管11の傾斜角度を大きくすることが可能になる。つまり、第1開口部33の口径が大きいほど、連結部22の移動範囲が大きくなり、検出管11の傾斜角度、言い換えると、検出管11の取り出し方向における調整角度を大きくすることが可能になる。
【0031】
一方、第1の面32と対向する第2の面34には、第2開口部35が形成されている。第2開口部35は、略円筒状に形成されており、内装部30に内装される球体部20を貫通する貫通孔23と連通可能に形成されている。また、第2開口部35は、その口径が第1開口部33と同じ大きさになるように形成されている。
【0032】
また、第1の面32及び第2の面34と直交すると共に、互いに向かい合う第3の面36及び第4の面37それぞれには、固定ネジ部38が設けられている。固定ネジ部38は、ネジ穴部38aと、固定ボルト38bと、を備えて構成されている。ネジ穴部38aは、外部から内装部30に向かって貫通されており、外部から固定ボルト38bを螺嵌することにより、内装部30に内装される球体部20を両側から押圧し、固定させることが可能となる。
【0033】
次に、第1実施形態に係る検出座1の作用及び効果について説明する。図5は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。図6は、傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【0034】
まず、検出座1に取り付けられた検出器10の取り外し方法について説明する。図5に示すように、検出器10を取り外すためには、まず、検出器10を固定支持部2に固定したまま(固定フランジ12とフランジ部21とを締結させたまま)、支持ベース部3において固定支持部2を固定する固定ボルト38bを弛める。
【0035】
固定ボルト38bが弛められると、固定支持部2は、固定ボルト38bによる両側からの押圧が解除される。固定ボルト38bによる両側からの押圧が解除されると、固定支持部2は、球体部20が内装部30において、内装部30の周壁に設けられた複数のベアリング31により転動可能に支持されているため、貫通孔23を中心軸として、支持ベース部3に対して傾動可能になる。
【0036】
ここで、検出器10の検出管11は、固定支持部2の貫通孔23に貫通させた状態で支持されている。つまり、固定支持部2を傾斜させることにより貫通孔23から検出管11を取り出すための取り出し方向の角度(以下、「取り出し角度」という)を変更させることが可能になる。
【0037】
固定支持部2を傾動させ、検出管11の取り出し角度が決定すると、固定支持部2の取り出し角度を保持した状態で固定ボルト38bを支持ベース部3に締め込む。固定ボルト38bが支持ベース部3に締め込まれると、固定ボルト38bは、内装部30に貫通し、内装部30において、固定支持部2を押圧する。そして、固定ボルト38bにより押圧された固定支持部2は、傾斜した状態で支持ベース部3に固定される。
【0038】
支持ベース部3に固定された固定支持部2は、ボルト13を取り外すことにより、固定フランジ12とフランジ部21との締結が解除される。これにより、検出器10が取り外し可能になる。このとき、固定支持部2を傾斜させて検出管11の取り外し角度を変更しているため、例えば、検出管11の取り外し方向に障害物Wが設置され、検出器10が取り外せない状態になった場合においても、取り外し角度を変更することにより障害物Wを回避して、検出器10を取り外すことが可能になる(図6参照)。これにより、容易に検出器を取り外すことが可能になる。
【0039】
なお、取り付け方法においては、上述の取り外し方法の逆の手順を行うことにより可能になる。これにより、例えば、検出座1の真上等に障害物Wが配置されてしまった場合のいても、検出座1の取り出し角度を調節しておくことにより、検出器10を容易に取り付けることが可能になる。
【0040】
このように、第1実施形態に係る検出座1によると、支持ベース部3に支持されている固定支持部2を検出管11が挿入される貫通孔23を中心軸として傾動させることが可能になる。つまり、検出管11を支持ベース部3に対して、傾斜させることが可能になる。すなわち、検出管11の取り外し方向の角度を調節することが可能になる。これにより、例えば、検出器10の取り外し方向に増設した配管等の障害物Wが新たに設置された場合においても、検出器10の取り外し方向の角度を調節することにより、障害物Wに干渉されることなく検出器10を取り外すことが可能になる。
【0041】
また、支持ベース部3の内部には、球面状に形成された内装部30が設けられている。内装部30には、球面状に形成された壁面に球体部20を転動可能な複数のベアリング31が設けられている。そのため、固定支持部2を転動させ、容易に固定支持部2の傾斜角度を調節することが可能になる。
【0042】
更に、支持ベース部3には、固定ボルト38bが設けられている。これにより、固定支持部2を固定した状態で検出器10の取り付け及び取り外しが可能になる。これにより、検出器10の取り付け及び取り外しを安全に行うことが可能になる。
【0043】
[変形例]
次に、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aについて説明する。なお、変形例に係る検出座1Aにおいては、主として、第1実施形態と異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。つまり、変形例に係る検出座1Aにおいて特に説明されない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用されるものとする。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0044】
図7は、第1実施形態の変形例に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。図8は、前記変形例に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。図9は、前記変形例に係る検出座の内部構成を示す断面図である。図10は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【0045】
図7から図10に示すように、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aは、支持ベース部3Aの第1の面32に設けられる第1開口部33Aの周囲に、固定支持部2Aに設けられるフランジ部21Aと接合可能な接合フランジ39が設けられていることにおいて、第1実施形態と異なる。つまり、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aは、ボイラ煙道Bを流れる燃焼排ガスが固定支持部2と支持ベース部3との隙間から外部に排出されることを防止可能に構成されている。
【0046】
固定支持部2Aは、球体状に形成された球体部20と、検出器10を固定するフランジ部21Aと、球体部20とフランジ部21Aとを連結する円筒状の連結部22と、を備えて構成されている。また、固定支持部2には、フランジ部21Aから連結部22を介して球体部20を貫通する貫通孔23が設けられている。貫通孔23は、球体部20の重心部を貫通するように設けられており、フランジ部21A側から挿入される検出管11が球体部20を突き抜け可能に形成されている。
【0047】
フランジ部21Aには、複数のボルト孔21aが設けられている。ボルト孔21aは、検出器10の固定フランジ12に設けられている複数のボルト孔12aと対応するように設けられている。固定支持部2は、ボルト孔21aとボルト孔12aのそれぞれを重ね合わせ、ボルト孔21a,12aそれぞれにボルト13を挿入し、フランジ部21Aと固定フランジ12とを螺嵌することによりに検出器10を固定する。
【0048】
更に、固定支持部2Aのフランジ部21Aには、接合フランジ39と接合するための複数のボルト孔21bが設けられている。ボルト孔21bは、接合フランジ39に設けられる複数のボルト孔39aと対応可能に形成されており、ボルトナット40により接合可能に形成されている。
【0049】
支持ベース部3Aは、分割可能に形成されており、第1ベース3aAと第2ベース3bAとを備えて構成されている。第1ベース3aAと第2ベース3bAとは、互いに接合可能に形成されており、支持ベース部3Aは、第1ベース3aAと第2ベース3bAとを接合することにより、矩形箱状に形成される。
【0050】
また、支持ベース部3Aの内部には、球体部20を転動可能に内装する内装部30Aが設けられている。内装部30Aは、球面状に形成されている。
【0051】
更に、支持ベース部3の一方側の面である第1の面32には、外部と内装部30Aとを連通させる第1開口部33が設けられている。第1開口部33は略円筒状に形成されており、内装部30Aに内装される球体部20と連結する連結部22が内装部30側から突出可能に形成されている。第1の面32の端部の周囲には、接合フランジ39が設けられている。接合フランジ39には、複数のボルト孔39aが設けられている。
【0052】
一方、第1の面32と対向する第2の面34には、第2開口部35が形成されている。第2開口部35は、略円筒状に形成されており、内装部30Aに内装される球体部20を貫通する貫通孔23と連通可能に形成されている。また、第2開口部35は、その口径が第1開口部33と同じ大きさになるように形成されている。
【0053】
また、第1の面32及び第2の面34と直交すると共に、互いに向かい合う第3の面36及び第4の面37それぞれには、固定ネジ部38が設けられている。固定ネジ部38は、ネジ穴部38aと、固定ボルト38bと、を備えて構成されている。ネジ穴部38aは、外部から内装部30Aに向かって貫通されており、外部から固定ボルト38bを螺嵌することにより、内装部30Aに内装される球体部20を両側から押圧し、固定させることが可能となる。
【0054】
次に、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aの作用及び効果について説明する。図11は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。図12は、傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【0055】
図11に示すように、検出座1Aに取り付けられた検出器10を取り外すには、まず、検出器10を固定支持部2Aに固定したまま(固定フランジ12とフランジ部21Aとを締結させたまま)、接合フランジ39とフランジ部21Aとを接合するボルトナット40を外す。次いで、検出器10を固定支持部2Aに固定したまま(固定フランジ12とフランジ部21Aとを締結させたまま)、固定支持部2Aを固定する固定ボルト38bを弛める。
【0056】
固定ボルト38bを弛めたら、次に、検出管11が取り出し可能になるように固定支持部2Aを傾斜させる。ここで、本変形例においては、内装部30Aは、球体部20が転動可能に球面状に形成されている。そのため、例えば、ボールベアリング等の軸受け部を設けない場合においても、内装部30Aの内部で転動可能になる。
【0057】
固定支持部2Aを傾斜させると、固定支持部2Aの取り出し角度を保持した状態で固定ボルト38bを支持ベース部3Aに締め込む。固定ボルト38bが支持ベース部3Aに締め込まれると、固定ボルト38bは、内装部30Aに貫通し、内装部30Aにおいて、固定支持部2Aを押圧する。そして、固定ボルト38bにより押圧された固定支持部2Aは、支持ベース部3Aに固定される。
【0058】
支持ベース部3Aに固定された固定支持部2Aは、ボルト13を取り外すことにより、固定フランジ12とフランジ部21Aとの締結が解除され、検出器10の取り外しが可能になる。このとき、固定支持部2Aを傾斜させて検出管11の取り外し角度を変更しているため、例えば、検出管11の取り外し方向に障害物Wが設置され、検出器10が取り外せない状態になった場合においても、取り外し角度を変更することにより障害物Wを回避して、検出器10を取り外すことが可能になる。これにより、容易に検出器10を取り外すことが可能になる。
【0059】
このように、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aによると、例えば、第1実施形態においては、検出座1は、大型の石炭ボイラ100のボイラ煙道Bに取り付けられており、ボイラ煙道Bを流れる燃焼排ガスは、電気集塵機(図示せず)により吸引され、濾過されていた。そのため、支持ベース部3の内部には、電気集塵機の吸引力により負圧が生じ、燃焼排ガスが検出座1から外部に排出されない構成となっていた。
【0060】
一方、例えば、小型のボイラのように電気集塵機等による支持ベース部3Aの内部に負圧が生じない場合においては、固定支持部2Aと支持ベース部3Aとの隙間から外部に燃焼排ガスが排出してしまうおそれがある。本変形例においては、固定支持部2Aと支持ベース部3Aとの隙間を接合フランジ39により接合することにより、燃焼排ガスの排出を防止することが可能になる。
【0061】
なお、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aにおいては、内装部30Aにベアリングを設けない構成として説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、内装部30Aに複数のベアリングを設け、球体部20の転動を補助する構成としてもよい。また、複数のベアリングは、球体部20を軸支可能なものであればよい。
【0062】
また、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aにおいては、第1開口部33Aの周囲に接合フランジ39を設ける構成としたが、本発明においてはこれに限らない。例えば、接合フランジ39は、第1開口部33Aにおいて、取り外し可能に構成されたものであってもよい。例えば、割フランジにより構成されるものであってもよい。取り外し可能なフランジを用いることにより、必要な場合のみ装着させる構成とすることが可能になる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、図13及び図14を参照して、本発明の第2実施形態に係る検出座1Bについて説明する。なお、第2実施形態に係る検出座1Bにおいては、主として、第1実施形態と異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。つまり、第2実施形態に係る検出座1Bにおいて特に説明されない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0064】
図13は、本発明の第2実施形態に係る検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。図13に示すように、第2実施形態に係る検出座1Bは、固定支持部2Bが単管状の単管部50を主体に構成されていることにおいて、第1実施形態と異なる。また、支持ベース部3Bの一方側の第1開口61が他方側の第2開口62よりも大きく形成されたレジューサ部60を主体に構成されていることにおいて、第1実施形態と異なる。
【0065】
図13に示すように、固定支持部2Bは、ボイラ煙道Bの内部に挿入される単管状の単管部50と、検出器10を固定するフランジ部51と、を備えて構成されている。また、単管部50の略中央部には、外方に突出する円環状に形成された防振サポート部52が設けられている。
【0066】
フランジ部51には、複数のボルト孔51aが設けられている。ボルト孔51aは、検出器10の固定フランジ12に設けられている複数のボルト孔12aと対応するように設けられている。固定支持部2Bは、ボルト孔51aとボルト孔12aのそれぞれを重ね合わせ、ボルト孔51a,12aそれぞれにボルト13を挿入し、フランジ部51と固定フランジ12とを螺嵌することによりに検出器10を固定する。
【0067】
更に、フランジ部51には、後述の接合フランジ63と接合するための複数のボルト孔51bが設けられている。ボルト孔51bは、接合フランジ39に設けられる複数のボルト孔63aと対応可能に形成されており、ボルトナット54により接合可能に形成されている。
【0068】
支持ベース部3Bは、中空の単管状に形成されており、一方側の開口である第1開口61が他方側の開口である第2開口62よりも大きく形成されるレジューサ部60を備えて構成されている。レジューサ部60は、第1開口61側から固定支持部2Bが挿入され、第2開口62側がボイラ煙道に接続される構成となっている。
また、レジューサ部60の略中央部には、第1開口61から第2開口に向かうように形成される絞り部64が設けられている。絞り部64には、絞り部64からボイラ煙道Bに向かって立設し、絞り部64とボイラ煙道Bとを接合するサポート部65が設けられている。
【0069】
第1開口61の近傍には、固定支持部2Bと接合される接合フランジ63が設けられている。接合フランジ63には、複数のボルト孔63aが設けられており、複数のボルト孔63aは、フランジ部51に設けられるボルト孔51bと対応可能に形成されている。
【0070】
次に、第2実施形態に係る検出座1Bの作用及び効果について説明する。図14は、第2実施形態に係る検出座から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【0071】
図14に示すように、検出座1Bに取り付けられた検出器10を取り外すには、まず、検出器10を固定支持部2Bに固定したまま(固定フランジ12とフランジ部51とを締結させたまま)、接合フランジ63とフランジ部51とを接合するボルトナット54を外す。
【0072】
次いで、検出管11が取り出し可能になるように固定支持部2Bを傾斜させる。ここで、第2実施形態においては、レジューサ部60は、単管部50が挿入される第1開口61が第2開口62よりも口径が大きく形成されており、第2開口62は、単管部50の口径よりも口径が大きく形成されている。そのため、レジューサ部60は、支持ベース部3Bの内部において、単管部50を傾斜させることが可能になる。そして、単管部50には、検出管11が挿入されている。これにより、支持ベース部3Bは、検出管11の取り出し角度を調節することが可能になる。
【0073】
支持ベース部3から取り外された固定支持部2Bは、ボルト13を取り外すことにより固定フランジ12とフランジ部51との締結が解除され、検出器10の取り外しが可能になる。
【0074】
このように、第2実施形態に係る検出座1Bは、検出器10の取り外し時に、固定支持部2Aを傾斜させて検出管11の取り外し角度を変更しているため、例えば、検出管11の取り外し方向に障害物Wが設置され、検出器10が取り外せない状態になった場合においても、取り外し角度を変更することにより障害物Wを回避して、検出器10を取り外すことが可能になる。これにより、容易に検出器10を取り外すことが可能になる。
【0075】
なお、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、石炭ボイラ100のボイラ煙道Bに設けられ、ボイラ煙道Bを流れる燃焼ガスの成分分析を行う検出器10を取り付けるための検出座1を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、検出座1は、排水処理装置等の排水路に設けられ、排水路を流れる排水の成分分析を行う検出器を取り付けるように構成されたものであってもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラ100から排出される燃焼ガスの成分分析を行う検出器10を取り付けるための検出座1を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、重油炊きボイラ等の発電ボイラに用いる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1,1A,1B 検出座
2 貫通支持部
3 支持ベース部
10 検出器
11 検出管
20 球体部
21 フランジ部
22 連結部
23 貫通孔
30 内装部
31 ベアリング
33 第1開口部
35 第2開口部
38 固定ネジ部
100 石炭ボイラ
B ボイラ煙道
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出座に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、石炭ボイラから排出される燃焼排ガスに含まれるNOxやSOx等の濃度制御や、石炭ボイラの性状評価を行うためには、石炭ボイラから排出される燃焼排ガスに含まれる物質の濃度を測定することが必要とされている。そして、石炭ボイラから排出された燃焼排ガスに含まれるNOxやSOx等の濃度等を測定する場合には、濃度検出用の検出管を有する検出器が用いられる。
【0003】
検出器は、石炭ボイラから排出される燃焼排ガスを採取するために、例えば、ボイラ煙道に設けられた検出座により所定の場所に取り付けられ、ボイラ煙道を流れるサンプル用の燃焼排ガスを検出管により採取する。検出器を取り付けるための検出座は、一般に、検出管を挿通させる単管状の支持ベース部と、検出器を固定するフランジとを備えて構成されており、ボイラ煙道の所定の位置に溶接等で取り付けられている。
【0004】
ここで、検出器は、検出管を単管状の支持ベースに挿入させることにより検出座に装着される。そのため、検出管の取り付け及び取り外し方向は、一定の方向に限定されていた。これにより、例えば、設備の増設等により、検出器の取り外し方向に検出器の取り外しを妨げる、若しくは困難にする配管等の障害物が設置された場合には、検出器が取り外せなくなるという問題があった。
【0005】
これに対しては、2つの検出器をそれぞれ2カ所の異なる方向に取り付けておくことにより、配管等の設備が検出器の近傍に配置された場合においても、いずれか一方側の取り付け及び取り外しが可能となる検出座が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−112211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の検出座は、2カ所の異なる方向それぞれに検出器を取り付け可能に構成しているが、取り付け角度が固定されているため、取り付け及び取り外しが制約されるという問題があった。また、障害物等により取り付け及び取り外し方向が制約されると、例えば、管長の短い検出管しか取り付けることができなくなり、必要とされる位置の燃焼排ガスを採取することができず、正確な測定ができなくなるという問題があった。
【0008】
また、検出器が取り外せなくなった場合には、機器の別の場所に検出座を設け、新たに検出器を設置させることも考えられるが、機器の別の場所で測定を行うと従前と異なる数値を示すおそれがあり、正確に測定ができなくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、検出器の取り付け及び取り外しを容易にし、検出器の保守メンテナンス性を向上させた検出座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、検出座に検出器の取り付け及び取り外し方向を調節可能な調節機構を設けることにより、検出器の取り付け及び取り外しが容易となることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のような検出座を提供することを目的とする。
【0011】
(1) 検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、前記検出管を貫通させた状態で前記検出器を支持する固定支持部と、前記固定支持部を傾動可能に支持する支持ベース部と、を備え、前記固定支持部は、球体状に形成される球体部と、前記検出器を固定可能なフランジ部と、前記球体部と前記フランジ部とを連結する円筒状の連結部と、前記フランジ部、前記連結部及び前記球体部を貫通し、前記検出管が貫通可能な貫通孔部と、を有し、前記支持ベース部は、前記連結部が配置され、略円筒状に形成される第1開口部と、前記球体部が内装され、前記第1開口部と連通すると共に球面状に形成される内装部と、前記内装部と連通すると共に、球体部側の前記貫通孔部と連通可能な略円筒状の第2開口部と、を有することを特徴とする検出座。
【0012】
(2) 前記内装部には、前記内装部を構成する壁面に複数の軸受け部が設けられており、前記球体部は、前記複数の軸受け部により転動可能に支持されることを特徴とする(1)に記載の検出座。
【0013】
(3) 前記支持ベース部には、外部から前記内装部に貫通し、所定のネジ部材を螺合させることにより、前記内装部に内装される前記球体部を固定可能な固定ネジ部が設けられることを特徴とする(1)又は(2)に記載の検出座。
【0014】
(4) 検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、前記検出管を挿入させた状態で前記検出器を固定可能な固定支持部と、前記固定支持部を貫通させた状態で前記固定支持部を支持する支持ベース部と、を備え、前記固定支持部は、前記検出管が挿入される単管部と、前記単管部の一方端側に設けられ、前記検出器を固定する第1フランジ部と、を有し、前記支持ベース部は、一方側の開口が他方側の開口よりも大きく形成され、前記単管部を挿入可能なレジューサ部と、前記レジューサ部の前記一方側の端部に設けられ、前記第1フランジ部と締結可能な第2フランジ部と、を有することを特徴とする検出座。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検出器の取り付け及び取り外しを容易にし、検出器の保守メンテナンス性を向上可能な検出座を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る検出座の内部構成を示す断面図である。
【図4】石炭ボイラの煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【図5】ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。
【図6】傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。
【図8】第2実施形態に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。
【図9】第2実施形態に係る検出座の内部構成を示す断面図である。
【図10】ボイラの煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【図11】ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。
【図12】傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【図14】第2実施形態に係る検出座から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【図15】火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラの外観を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラ100から排出される排ガスに含まれる物質の濃度を測定する検出器10を取り付けるための検出座1を用いて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る検出座1が設けられる石炭ボイラ100について説明する。図15は、第1実施形態に係る石炭ボイラの正面図である。石炭ボイラ100は、火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラ100であり、1000トンを超える重量を有する。第1実施形態においては、石炭ボイラ100は、鉄骨で形成された複数の縦支柱101及び梁102から構成される支持構造物103に上方から吊り下げられるように設置されている。
【0019】
図15に示すように、石炭ボイラ100は、火炉部110と、後伝部120と、を主体に構成されている。火炉部110は、縦方向に長い形状を有しており、内部は空洞となっている。火炉部110の内部には、側部壁111に複数のバーナー(図示せず)が設置されており、火炉部110は、複数のバーナーを使用して火炉部110の内部で燃料(石炭)を燃焼させ、燃焼排ガスを発生させる。後伝部120は、火炉部110の側方に位置し、上部で火炉部110と連通している。後伝部120の内部は空洞に形成されており、この空洞部に水を加熱して蒸気にする複数の過熱機121,122,123,124,125が設置されている。
【0020】
火炉部110の内部で発生した燃焼排ガスは、矢印130,131の方向に流れる。そして、流れてきた燃焼排ガスの熱を後伝部120に設けられた複数の過熱機121,122,123,124,125で熱交換し、発電用のタービン(図示せず)を回すことにより、石炭ボイラ100は電気的エネルギーを得る。また、複数の過熱機121,122,123,124,125で熱交換により温度が低下した燃焼排ガスは、ボイラ煙道Bを通り、電気集塵機(図示せず)により濾過される。本実施形態に係る検出座1は、石炭ボイラ100と連結されるボイラ煙道Bに設けられる。
【0021】
次に、図1から図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る検出座1について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。図2は、前記実施形態に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。図3は、前記実施形態に係る検出座の内部構成を示す断面図である。図4は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【0022】
検出座1は、ボイラ煙道Bの所定の位置に開口を設け、開口から検出管11が挿入されるようにボイラ煙道Bに接合される。つまり、検出座1は、固定支持部2に設けられる貫通孔23とボイラ煙道Bの開口とが連通するようにボイラ煙道Bに接合されている。
【0023】
なお、第1実施形態に係る検出座1に装着される検出器10は、ボイラ煙道Bに挿入される単管状の検出管11と、検出管11の一端部側に設けられ、検出座1に締結可能な固定フランジ12と、を備えて構成されている。
【0024】
図1から図4に示すように、検出座1は、検出管11を貫通させた状態で検出器10を固定支持する固定支持部2と、固定支持部2を傾動可能に支持する支持ベース部3と、を備えて構成されている。検出座1は、支持ベース部3に支持される固定支持部2が支持ベース部3に対して、検出管11を貫通させた状態で傾動可能に支持されるように構成されている。言い換えると、検出座1は、検出管11を貫通させた固定支持部2を支持ベース部3に対して傾動させることにより、固定支持部2に支持された検出器10の検出管11の取り外し方向を調整可能とするように構成されている。
【0025】
固定支持部2は、球体状に形成された球体部20と、検出器10を固定するフランジ部21と、球体部20とフランジ部21とを連結する円筒状の連結部22と、を備えて構成されている。また、固定支持部2には、フランジ部21から連結部22を介して球体部20を貫通する貫通孔23が設けられている。貫通孔23は、球体部20の重心部を貫通するように設けられており、フランジ部21側から挿入される検出管11が球体部20を突き抜け可能に形成されている。
【0026】
フランジ部21には、複数のボルト孔21aが設けられている。ボルト孔21aは、検出器10の固定フランジ12に設けられている複数のボルト孔12aと対応するように設けられている。固定支持部2は、ボルト孔21aとボルト孔12aのそれぞれを重ね合わせ、ボルト孔21a,12aそれぞれにボルト13を挿入し、フランジ部21と固定フランジ12とを螺嵌することによりに検出器10を固定する。
【0027】
支持ベース部3は、分割可能に形成されており、第1ベース3aと第2ベース3bとを備えて構成されている。第1ベース3aと第2ベース3bとは、互いに接合可能に形成されており、支持ベース部3は、第1ベース3aと第2ベース3bとを接合することにより、矩形箱状に形成される。
【0028】
また、支持ベース部3の内部には、球体部20を転動可能に内装する内装部30が設けられている。内装部30は、球面状に形成されており、その壁面には、球体部20を転動可能に支持する複数の軸受け部であるベアリング31が設けられている。
【0029】
更に、支持ベース部3の一方側の面である第1の面32には、外部と内装部30とを連通させる第1開口部33が設けられている。第1開口部33は略円筒状に形成されており、内装部30に内装される球体部20と連結する連結部22が内装部30側から突出可能に形成されている。
【0030】
また、第1開口部33は、その口径が連結部22の口径よりも大きくなるように形成されている。球体部20に連結される連結部22が、内装部30における球体部20の転動に連動して第1開口部33において移動可能とするためである。そして、連結部22の移動範囲を大きくすることにより、貫通孔23に挿入される検出管11の傾斜角度を大きくすることが可能になる。つまり、第1開口部33の口径が大きいほど、連結部22の移動範囲が大きくなり、検出管11の傾斜角度、言い換えると、検出管11の取り出し方向における調整角度を大きくすることが可能になる。
【0031】
一方、第1の面32と対向する第2の面34には、第2開口部35が形成されている。第2開口部35は、略円筒状に形成されており、内装部30に内装される球体部20を貫通する貫通孔23と連通可能に形成されている。また、第2開口部35は、その口径が第1開口部33と同じ大きさになるように形成されている。
【0032】
また、第1の面32及び第2の面34と直交すると共に、互いに向かい合う第3の面36及び第4の面37それぞれには、固定ネジ部38が設けられている。固定ネジ部38は、ネジ穴部38aと、固定ボルト38bと、を備えて構成されている。ネジ穴部38aは、外部から内装部30に向かって貫通されており、外部から固定ボルト38bを螺嵌することにより、内装部30に内装される球体部20を両側から押圧し、固定させることが可能となる。
【0033】
次に、第1実施形態に係る検出座1の作用及び効果について説明する。図5は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。図6は、傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【0034】
まず、検出座1に取り付けられた検出器10の取り外し方法について説明する。図5に示すように、検出器10を取り外すためには、まず、検出器10を固定支持部2に固定したまま(固定フランジ12とフランジ部21とを締結させたまま)、支持ベース部3において固定支持部2を固定する固定ボルト38bを弛める。
【0035】
固定ボルト38bが弛められると、固定支持部2は、固定ボルト38bによる両側からの押圧が解除される。固定ボルト38bによる両側からの押圧が解除されると、固定支持部2は、球体部20が内装部30において、内装部30の周壁に設けられた複数のベアリング31により転動可能に支持されているため、貫通孔23を中心軸として、支持ベース部3に対して傾動可能になる。
【0036】
ここで、検出器10の検出管11は、固定支持部2の貫通孔23に貫通させた状態で支持されている。つまり、固定支持部2を傾斜させることにより貫通孔23から検出管11を取り出すための取り出し方向の角度(以下、「取り出し角度」という)を変更させることが可能になる。
【0037】
固定支持部2を傾動させ、検出管11の取り出し角度が決定すると、固定支持部2の取り出し角度を保持した状態で固定ボルト38bを支持ベース部3に締め込む。固定ボルト38bが支持ベース部3に締め込まれると、固定ボルト38bは、内装部30に貫通し、内装部30において、固定支持部2を押圧する。そして、固定ボルト38bにより押圧された固定支持部2は、傾斜した状態で支持ベース部3に固定される。
【0038】
支持ベース部3に固定された固定支持部2は、ボルト13を取り外すことにより、固定フランジ12とフランジ部21との締結が解除される。これにより、検出器10が取り外し可能になる。このとき、固定支持部2を傾斜させて検出管11の取り外し角度を変更しているため、例えば、検出管11の取り外し方向に障害物Wが設置され、検出器10が取り外せない状態になった場合においても、取り外し角度を変更することにより障害物Wを回避して、検出器10を取り外すことが可能になる(図6参照)。これにより、容易に検出器を取り外すことが可能になる。
【0039】
なお、取り付け方法においては、上述の取り外し方法の逆の手順を行うことにより可能になる。これにより、例えば、検出座1の真上等に障害物Wが配置されてしまった場合のいても、検出座1の取り出し角度を調節しておくことにより、検出器10を容易に取り付けることが可能になる。
【0040】
このように、第1実施形態に係る検出座1によると、支持ベース部3に支持されている固定支持部2を検出管11が挿入される貫通孔23を中心軸として傾動させることが可能になる。つまり、検出管11を支持ベース部3に対して、傾斜させることが可能になる。すなわち、検出管11の取り外し方向の角度を調節することが可能になる。これにより、例えば、検出器10の取り外し方向に増設した配管等の障害物Wが新たに設置された場合においても、検出器10の取り外し方向の角度を調節することにより、障害物Wに干渉されることなく検出器10を取り外すことが可能になる。
【0041】
また、支持ベース部3の内部には、球面状に形成された内装部30が設けられている。内装部30には、球面状に形成された壁面に球体部20を転動可能な複数のベアリング31が設けられている。そのため、固定支持部2を転動させ、容易に固定支持部2の傾斜角度を調節することが可能になる。
【0042】
更に、支持ベース部3には、固定ボルト38bが設けられている。これにより、固定支持部2を固定した状態で検出器10の取り付け及び取り外しが可能になる。これにより、検出器10の取り付け及び取り外しを安全に行うことが可能になる。
【0043】
[変形例]
次に、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aについて説明する。なお、変形例に係る検出座1Aにおいては、主として、第1実施形態と異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。つまり、変形例に係る検出座1Aにおいて特に説明されない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用されるものとする。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0044】
図7は、第1実施形態の変形例に係る検出座の外観を示す外観斜視図である。図8は、前記変形例に係る検出座の構成を示す分解斜視図である。図9は、前記変形例に係る検出座の内部構成を示す断面図である。図10は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。
【0045】
図7から図10に示すように、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aは、支持ベース部3Aの第1の面32に設けられる第1開口部33Aの周囲に、固定支持部2Aに設けられるフランジ部21Aと接合可能な接合フランジ39が設けられていることにおいて、第1実施形態と異なる。つまり、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aは、ボイラ煙道Bを流れる燃焼排ガスが固定支持部2と支持ベース部3との隙間から外部に排出されることを防止可能に構成されている。
【0046】
固定支持部2Aは、球体状に形成された球体部20と、検出器10を固定するフランジ部21Aと、球体部20とフランジ部21Aとを連結する円筒状の連結部22と、を備えて構成されている。また、固定支持部2には、フランジ部21Aから連結部22を介して球体部20を貫通する貫通孔23が設けられている。貫通孔23は、球体部20の重心部を貫通するように設けられており、フランジ部21A側から挿入される検出管11が球体部20を突き抜け可能に形成されている。
【0047】
フランジ部21Aには、複数のボルト孔21aが設けられている。ボルト孔21aは、検出器10の固定フランジ12に設けられている複数のボルト孔12aと対応するように設けられている。固定支持部2は、ボルト孔21aとボルト孔12aのそれぞれを重ね合わせ、ボルト孔21a,12aそれぞれにボルト13を挿入し、フランジ部21Aと固定フランジ12とを螺嵌することによりに検出器10を固定する。
【0048】
更に、固定支持部2Aのフランジ部21Aには、接合フランジ39と接合するための複数のボルト孔21bが設けられている。ボルト孔21bは、接合フランジ39に設けられる複数のボルト孔39aと対応可能に形成されており、ボルトナット40により接合可能に形成されている。
【0049】
支持ベース部3Aは、分割可能に形成されており、第1ベース3aAと第2ベース3bAとを備えて構成されている。第1ベース3aAと第2ベース3bAとは、互いに接合可能に形成されており、支持ベース部3Aは、第1ベース3aAと第2ベース3bAとを接合することにより、矩形箱状に形成される。
【0050】
また、支持ベース部3Aの内部には、球体部20を転動可能に内装する内装部30Aが設けられている。内装部30Aは、球面状に形成されている。
【0051】
更に、支持ベース部3の一方側の面である第1の面32には、外部と内装部30Aとを連通させる第1開口部33が設けられている。第1開口部33は略円筒状に形成されており、内装部30Aに内装される球体部20と連結する連結部22が内装部30側から突出可能に形成されている。第1の面32の端部の周囲には、接合フランジ39が設けられている。接合フランジ39には、複数のボルト孔39aが設けられている。
【0052】
一方、第1の面32と対向する第2の面34には、第2開口部35が形成されている。第2開口部35は、略円筒状に形成されており、内装部30Aに内装される球体部20を貫通する貫通孔23と連通可能に形成されている。また、第2開口部35は、その口径が第1開口部33と同じ大きさになるように形成されている。
【0053】
また、第1の面32及び第2の面34と直交すると共に、互いに向かい合う第3の面36及び第4の面37それぞれには、固定ネジ部38が設けられている。固定ネジ部38は、ネジ穴部38aと、固定ボルト38bと、を備えて構成されている。ネジ穴部38aは、外部から内装部30Aに向かって貫通されており、外部から固定ボルト38bを螺嵌することにより、内装部30Aに内装される球体部20を両側から押圧し、固定させることが可能となる。
【0054】
次に、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aの作用及び効果について説明する。図11は、ボイラ煙道に取り付けられた検出座の固定支持部を傾動させた状態を示す断面図である。図12は、傾動させた固定支持部から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【0055】
図11に示すように、検出座1Aに取り付けられた検出器10を取り外すには、まず、検出器10を固定支持部2Aに固定したまま(固定フランジ12とフランジ部21Aとを締結させたまま)、接合フランジ39とフランジ部21Aとを接合するボルトナット40を外す。次いで、検出器10を固定支持部2Aに固定したまま(固定フランジ12とフランジ部21Aとを締結させたまま)、固定支持部2Aを固定する固定ボルト38bを弛める。
【0056】
固定ボルト38bを弛めたら、次に、検出管11が取り出し可能になるように固定支持部2Aを傾斜させる。ここで、本変形例においては、内装部30Aは、球体部20が転動可能に球面状に形成されている。そのため、例えば、ボールベアリング等の軸受け部を設けない場合においても、内装部30Aの内部で転動可能になる。
【0057】
固定支持部2Aを傾斜させると、固定支持部2Aの取り出し角度を保持した状態で固定ボルト38bを支持ベース部3Aに締め込む。固定ボルト38bが支持ベース部3Aに締め込まれると、固定ボルト38bは、内装部30Aに貫通し、内装部30Aにおいて、固定支持部2Aを押圧する。そして、固定ボルト38bにより押圧された固定支持部2Aは、支持ベース部3Aに固定される。
【0058】
支持ベース部3Aに固定された固定支持部2Aは、ボルト13を取り外すことにより、固定フランジ12とフランジ部21Aとの締結が解除され、検出器10の取り外しが可能になる。このとき、固定支持部2Aを傾斜させて検出管11の取り外し角度を変更しているため、例えば、検出管11の取り外し方向に障害物Wが設置され、検出器10が取り外せない状態になった場合においても、取り外し角度を変更することにより障害物Wを回避して、検出器10を取り外すことが可能になる。これにより、容易に検出器10を取り外すことが可能になる。
【0059】
このように、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aによると、例えば、第1実施形態においては、検出座1は、大型の石炭ボイラ100のボイラ煙道Bに取り付けられており、ボイラ煙道Bを流れる燃焼排ガスは、電気集塵機(図示せず)により吸引され、濾過されていた。そのため、支持ベース部3の内部には、電気集塵機の吸引力により負圧が生じ、燃焼排ガスが検出座1から外部に排出されない構成となっていた。
【0060】
一方、例えば、小型のボイラのように電気集塵機等による支持ベース部3Aの内部に負圧が生じない場合においては、固定支持部2Aと支持ベース部3Aとの隙間から外部に燃焼排ガスが排出してしまうおそれがある。本変形例においては、固定支持部2Aと支持ベース部3Aとの隙間を接合フランジ39により接合することにより、燃焼排ガスの排出を防止することが可能になる。
【0061】
なお、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aにおいては、内装部30Aにベアリングを設けない構成として説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、内装部30Aに複数のベアリングを設け、球体部20の転動を補助する構成としてもよい。また、複数のベアリングは、球体部20を軸支可能なものであればよい。
【0062】
また、第1実施形態の変形例に係る検出座1Aにおいては、第1開口部33Aの周囲に接合フランジ39を設ける構成としたが、本発明においてはこれに限らない。例えば、接合フランジ39は、第1開口部33Aにおいて、取り外し可能に構成されたものであってもよい。例えば、割フランジにより構成されるものであってもよい。取り外し可能なフランジを用いることにより、必要な場合のみ装着させる構成とすることが可能になる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、図13及び図14を参照して、本発明の第2実施形態に係る検出座1Bについて説明する。なお、第2実施形態に係る検出座1Bにおいては、主として、第1実施形態と異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。つまり、第2実施形態に係る検出座1Bにおいて特に説明されない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0064】
図13は、本発明の第2実施形態に係る検出座に検出器が装着された状態を示す断面図である。図13に示すように、第2実施形態に係る検出座1Bは、固定支持部2Bが単管状の単管部50を主体に構成されていることにおいて、第1実施形態と異なる。また、支持ベース部3Bの一方側の第1開口61が他方側の第2開口62よりも大きく形成されたレジューサ部60を主体に構成されていることにおいて、第1実施形態と異なる。
【0065】
図13に示すように、固定支持部2Bは、ボイラ煙道Bの内部に挿入される単管状の単管部50と、検出器10を固定するフランジ部51と、を備えて構成されている。また、単管部50の略中央部には、外方に突出する円環状に形成された防振サポート部52が設けられている。
【0066】
フランジ部51には、複数のボルト孔51aが設けられている。ボルト孔51aは、検出器10の固定フランジ12に設けられている複数のボルト孔12aと対応するように設けられている。固定支持部2Bは、ボルト孔51aとボルト孔12aのそれぞれを重ね合わせ、ボルト孔51a,12aそれぞれにボルト13を挿入し、フランジ部51と固定フランジ12とを螺嵌することによりに検出器10を固定する。
【0067】
更に、フランジ部51には、後述の接合フランジ63と接合するための複数のボルト孔51bが設けられている。ボルト孔51bは、接合フランジ39に設けられる複数のボルト孔63aと対応可能に形成されており、ボルトナット54により接合可能に形成されている。
【0068】
支持ベース部3Bは、中空の単管状に形成されており、一方側の開口である第1開口61が他方側の開口である第2開口62よりも大きく形成されるレジューサ部60を備えて構成されている。レジューサ部60は、第1開口61側から固定支持部2Bが挿入され、第2開口62側がボイラ煙道に接続される構成となっている。
また、レジューサ部60の略中央部には、第1開口61から第2開口に向かうように形成される絞り部64が設けられている。絞り部64には、絞り部64からボイラ煙道Bに向かって立設し、絞り部64とボイラ煙道Bとを接合するサポート部65が設けられている。
【0069】
第1開口61の近傍には、固定支持部2Bと接合される接合フランジ63が設けられている。接合フランジ63には、複数のボルト孔63aが設けられており、複数のボルト孔63aは、フランジ部51に設けられるボルト孔51bと対応可能に形成されている。
【0070】
次に、第2実施形態に係る検出座1Bの作用及び効果について説明する。図14は、第2実施形態に係る検出座から検出器を取り外す状態を示す断面図である。
【0071】
図14に示すように、検出座1Bに取り付けられた検出器10を取り外すには、まず、検出器10を固定支持部2Bに固定したまま(固定フランジ12とフランジ部51とを締結させたまま)、接合フランジ63とフランジ部51とを接合するボルトナット54を外す。
【0072】
次いで、検出管11が取り出し可能になるように固定支持部2Bを傾斜させる。ここで、第2実施形態においては、レジューサ部60は、単管部50が挿入される第1開口61が第2開口62よりも口径が大きく形成されており、第2開口62は、単管部50の口径よりも口径が大きく形成されている。そのため、レジューサ部60は、支持ベース部3Bの内部において、単管部50を傾斜させることが可能になる。そして、単管部50には、検出管11が挿入されている。これにより、支持ベース部3Bは、検出管11の取り出し角度を調節することが可能になる。
【0073】
支持ベース部3から取り外された固定支持部2Bは、ボルト13を取り外すことにより固定フランジ12とフランジ部51との締結が解除され、検出器10の取り外しが可能になる。
【0074】
このように、第2実施形態に係る検出座1Bは、検出器10の取り外し時に、固定支持部2Aを傾斜させて検出管11の取り外し角度を変更しているため、例えば、検出管11の取り外し方向に障害物Wが設置され、検出器10が取り外せない状態になった場合においても、取り外し角度を変更することにより障害物Wを回避して、検出器10を取り外すことが可能になる。これにより、容易に検出器10を取り外すことが可能になる。
【0075】
なお、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、石炭ボイラ100のボイラ煙道Bに設けられ、ボイラ煙道Bを流れる燃焼ガスの成分分析を行う検出器10を取り付けるための検出座1を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、検出座1は、排水処理装置等の排水路に設けられ、排水路を流れる排水の成分分析を行う検出器を取り付けるように構成されたものであってもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、火力発電プラントに使用される大型の石炭ボイラ100から排出される燃焼ガスの成分分析を行う検出器10を取り付けるための検出座1を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、重油炊きボイラ等の発電ボイラに用いる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1,1A,1B 検出座
2 貫通支持部
3 支持ベース部
10 検出器
11 検出管
20 球体部
21 フランジ部
22 連結部
23 貫通孔
30 内装部
31 ベアリング
33 第1開口部
35 第2開口部
38 固定ネジ部
100 石炭ボイラ
B ボイラ煙道
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、
前記検出管を貫通させた状態で前記検出器を支持する固定支持部と、
前記固定支持部を傾動可能に支持する支持ベース部と、を備え、
前記固定支持部は、
球体状に形成される球体部と、
前記検出器を固定可能なフランジ部と、
前記球体部と前記フランジ部とを連結する円筒状の連結部と、
前記フランジ部、前記連結部及び前記球体部を貫通し、前記検出管が貫通可能な貫通孔部と、を有し、
前記支持ベース部は、
前記連結部が配置され、略円筒状に形成される第1開口部と、
前記球体部が内装され、前記第1開口部と連通すると共に球面状に形成される内装部と、
前記内装部と連通すると共に、球体部側の前記貫通孔部と連通可能な第2開口部と、を有することを特徴とする検出座。
【請求項2】
前記内装部には、前記内装部を構成する壁面に複数の軸受け部が設けられており、
前記球体部は、前記複数の軸受け部により転動可能に支持されることを特徴とする請求項1に記載の検出座。
【請求項3】
前記支持ベース部には、外部から前記内装部に貫通し、所定のネジ部材を螺合させることにより、前記内装部に内装される前記球体部を固定可能な固定ネジ部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の検出座。
【請求項4】
検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、
前記検出管を挿入させた状態で前記検出器を固定可能な固定支持部と、
前記固定支持部を貫通させた状態で前記固定支持部を支持する支持ベース部と、を備え、
前記固定支持部は、
前記検出管が挿入される単管部と、
前記単管部の一方端側に設けられ、前記検出器を固定する第1フランジ部と、を有し、
前記支持ベース部は、
一方側の開口が他方側の開口よりも大きく形成され、前記単管部を挿入可能なレジューサ部と、
前記レジューサ部の前記一方側の端部に設けられ、前記第1フランジ部と締結可能な第2フランジ部と、を有することを特徴とする検出座。
【請求項1】
検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、
前記検出管を貫通させた状態で前記検出器を支持する固定支持部と、
前記固定支持部を傾動可能に支持する支持ベース部と、を備え、
前記固定支持部は、
球体状に形成される球体部と、
前記検出器を固定可能なフランジ部と、
前記球体部と前記フランジ部とを連結する円筒状の連結部と、
前記フランジ部、前記連結部及び前記球体部を貫通し、前記検出管が貫通可能な貫通孔部と、を有し、
前記支持ベース部は、
前記連結部が配置され、略円筒状に形成される第1開口部と、
前記球体部が内装され、前記第1開口部と連通すると共に球面状に形成される内装部と、
前記内装部と連通すると共に、球体部側の前記貫通孔部と連通可能な第2開口部と、を有することを特徴とする検出座。
【請求項2】
前記内装部には、前記内装部を構成する壁面に複数の軸受け部が設けられており、
前記球体部は、前記複数の軸受け部により転動可能に支持されることを特徴とする請求項1に記載の検出座。
【請求項3】
前記支持ベース部には、外部から前記内装部に貫通し、所定のネジ部材を螺合させることにより、前記内装部に内装される前記球体部を固定可能な固定ネジ部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の検出座。
【請求項4】
検出管を有する検出器の前記検出管を所定の機器に挿入させる検出座であって、
前記検出管を挿入させた状態で前記検出器を固定可能な固定支持部と、
前記固定支持部を貫通させた状態で前記固定支持部を支持する支持ベース部と、を備え、
前記固定支持部は、
前記検出管が挿入される単管部と、
前記単管部の一方端側に設けられ、前記検出器を固定する第1フランジ部と、を有し、
前記支持ベース部は、
一方側の開口が他方側の開口よりも大きく形成され、前記単管部を挿入可能なレジューサ部と、
前記レジューサ部の前記一方側の端部に設けられ、前記第1フランジ部と締結可能な第2フランジ部と、を有することを特徴とする検出座。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−185848(P2011−185848A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53288(P2010−53288)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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