説明

検査装置、及び検査方法

【課題】本発明は、検査ワーク12における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、正確に検査ワーク12の不良を検出することができる検査装置1、及び検査方法を提供することを目的とする。
【解決手段】検査ワーク12を取り付けた固定部材10を加振して検査ワーク12に振動を与える加振ユニット20と、振動している検査ワーク12の振動を検出するレーザユニット30とを備え、検出した振動に基づいて検査ワーク12の不良を検出して検査する検査装置1であって、レーザユニット30を、検査ワーク12の表面上に予め設定した複数の測定点に対して順にレーザ光Laを照射するとともに、検査ワーク12の表面で反射した反射光Lbを受光して、ドップラ効果によって測定点における振動を検出する構成とし、各測定点の位置を相互に関連付けるとともに、各測定点における振動を時系列で関連付けた測定データを出力する制御ユニット40を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば検査対象物に振動を与えるとともに、検査対象物に照射したレーザ光のドップラ効果を利用して検査対象物を検査するような検査装置、及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製加工製品等の製造工程において、完成品検査は、製品の品質管理のうえで欠かすことができない工程である。この完成品検査では、完成品が所望の形状であるか、所望の性能を有しているかなどを検査するだけでなく、亀裂の有無などを検出して完成品の良否を判定している。
【0003】
この完成品検査における亀裂などの検出方法の1つとして、完成品をハンマー等で叩いた際の打音を採取して、その打音の振動スペクトルによって完成品の良否を判定する方法がある。
【0004】
ところが、この方法の場合、ハンマー等で完成品を叩くことにより、完成品表面に傷が入る、あるいは強度の低い完成品においては変形し、良品であっても完成品検査のために、不良品となるという問題があった。
【0005】
このような問題に対して、加振機などで振動を完成品に与えて、完成品の振動を検出し、検出した振動に基づいて完成品の良否を判定する検査装置、及び検査方法が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1に記載のクラック検査装置は、所定の周波数、及び所定の強度の振動を完成品に与えて、非接触式変位センサで完成品の変位波形を検出し、亀裂有無と相関関係のある特徴量を変位波形から抽出して、特徴量と基準値とを比較して亀裂有無を判定するとされている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のクラック検査装置では、亀裂有無と相関関係のある特徴量を抽出していることから、亀裂が生じる位置と、その位置における基準値を予め把握しておく必要がある。このため、特許文献1に記載のクラック検査装置は、稼働に至るまでに事前準備が必要であり、非常に手間がかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−214893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑み、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、正確に検査対象物の不良を検出することができる検査装置、及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、検査対象物を取り付けた取付部材を加振して前記検査対象物に振動を与える加振手段と、振動している前記検査対象物の振動を検出する振動検出手段とを備え、検出した振動に基づいて前記検査対象物の不良を検出して検査する検査装置であって、前記振動検出手段を、前記検査対象物の表面上に予め設定した複数の測定点に対して順にレーザ光を照射するとともに、前記検査対象物の表面で反射した反射光を受光して、ドップラ効果によって前記測定点における振動を検出する構成とし、前記各測定点の位置を相互に関連付けるとともに、前記各測定点における振動を時系列で関連付けた測定データを出力する測定データ出力手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記取付部材は、検査対象物を直接固定する部材、あるいは検査対象物を製品として装着する装着対象物や検査対象物を固定する治具を介して間接的に固定する部材とすることができる。
上記検査対象物の不良は、亀裂、穴や欠けなどの欠損、肉厚不足、あるいは振動に対する剛性等から所定の材質や組成であるかなどとすることができる。
上記測定データは、数値データ、グラフデータ、カラーやグレースケールで示した動画像データ、あるいは動画像データをコマ割りした静止画像データなどとすることができる。
【0012】
この発明により、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出できる検査装置を構成することができる。
具体的には、取付部材を加振することで、検査対象物の大きさ、及び形状などに左右されることなく、検査対象物の全体に万遍なく振動を与えることができる。
【0013】
振動検出手段は、所謂、レーザドップラ式の振動検出装置であって、各測定点における振動を非接触で検出することができる。これにより、検査装置は、検査対象物を傷つけることなく、確実に検査対象物の振動を検出することができる。
【0014】
測定データ出力手段は、各測定点の位置を相互に関連付けるとともに、各測定点における振動を時系列で関連付けた測定データを出力することができる。これにより、測定データは、複数の測定点を設定した範囲における振動による検査対象物の挙動を示すデータとすることができる。
【0015】
ゆえに、加振手段、振動検出手段、及び測定データ出力手段を備えた検査装置は、複数の測定点を設定した範囲における振動による検査対象物の挙動を測定するとともに、検査対象物の挙動に基づいて検査を行うことができる。
【0016】
例えば、検査対象物が亀裂などの不良のない良品の場合、振動による検査対象物の挙動は、特定の測定点、あるいは測定点間で途切れたり、検査対象物の形状、材質、あるいは構造と相関しない突出した変化をすることなく、測定点間を連続的に推移する様子を示すこととなる。これを検査対象物の挙動は連続性を有しているとする。
【0017】
これに対して、検査対象物が亀裂のある不良品の場合、振動による検査対象物の挙動は、亀裂箇所において測定点間を連続的に推移しない、または連続的に推移していても検査対象物の形状、材質、あるいは構造と相関しない突出した変化をする様子を示すこととなる。つまり、良品の場合のような連続性を損なっているため、これを検査対象物の挙動は不連続性を有しているとする。
【0018】
同様に、検査対象物が欠損、肉厚不足、あるいは所定の材質や組成と異なるなどのある不良品の場合、振動による検査対象物の挙動は、欠損や肉厚不足などの箇所、あるいは肉厚不足箇所などに支持される部分において突出して変化して連続性を損なった不連続性を有することとなる。これにより、検査装置は、検査対象物における亀裂などの不良を検出することができる。
【0019】
このため、複数の測定点を設定した範囲における検査対象物の挙動を測定することで、検査装置は、不良の生じる箇所を予測する手間を省くとともに、想定しない箇所に生じた不良を検出して効率よく検査することができる。
従って、検査装置は、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出することができる。
【0020】
この発明の態様として、前記測定データの良否判定の基準となる基準データを記憶する記憶手段と、該記憶手段から読み出した前記基準データ、及び前記測定データを比較して前記検査対象物の良否を判定する判定手段と、該判定手段で判定した判定データを出力する判定結果出力手段を備え、前記基準データを、隣接する前記測定点における振動要素の差に対する閾値で構成し、前記判定手段を、前記測定データの隣接する前記測定点における振動要素の差が、前記基準データの閾値以下であれば良品と判定する構成とすることができる。
【0021】
上記振動要素は、周波数、振幅、周期、位相、速度、変位、及び加速度などのうち少なくとも1要素とすることができる。
上記判定データは、検査対象物の良否を示すデータ、測定データに良否を付与した数値データ、グラフデータ、カラーやグレースケールで示した動画像データ、あるいは動画像データをコマ割りした静止画像データなどとすることができる。
【0022】
この発明により、検査装置は、検査対象物の良否を判定することができる。
より詳しくは、振動による検査対象物の挙動を示す測定データと基準データとを比較し、隣接する測定点における振動要素の差から検査対象物の良否を判定することができる。これにより、例えば大きさが小さい検査対象物、あるいは目視が困難な箇所のある検査対象物においても、隣接する測定点における振動要素の差に基づいて良否を判定することができる。
【0023】
従って、検査装置は、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出するとともに、その良否を判定することができる。
【0024】
また、この発明の態様として、前記取付部材に対して前記検査対象物を間接的に取り付け可能にする間接取付冶具を備え、該間接取付冶具を、前記検査対象物を製品として装着する装着対象物と略同等の振動特性を有するとともに、前記検査対象物の製品における取付状態を再現可能な構成とすることができる。
上記間接取付治具は、検査対象物を製品として取り付ける部品や製品自体、あるいは製品を模した冶具とすることができる。
【0025】
この発明により、より製品に近い検査対象物の取付状態を再現することができる。そして、間接取付治具を加振することで、より製品の取付状態に近い振動を検査対象物に与えることができる。これにより、検査装置は、製品の取付状態に近い状態で検査対象物の不良を検出することができる。
従って、検査装置は、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ製品の取付状態に近い状態で正確に検査対象物の不良を検出することができる。
【0026】
また、この発明の態様として、前記検査対象物の形状に応じた測定条件の設定入力を許容する測定条件入力手段を備えることができる。
上記測定条件は、測定の範囲、測定点の位置、測定点の数、測定点の間隔、及び測定の繰り返し回数などとすることができる。
【0027】
この発明により、検査対象物の形状、あるいは検査の目的などに応じて測定の範囲や測定点などを最適に設定することができる。これにより、検査対象物における検査が必要な範囲だけを測定して、効率的に検査することができる。
【0028】
例えば、一部に形状加工を施して形成した検査対象物において、形状加工を施した部位とその周囲とを測定の範囲として指定することで、検査対象物全体を測定の範囲とした場合に対して、レーザ光の照射から測定データの出力、あるいは良否の判定までに要する時間を短縮することができる。
【0029】
また例えば、測定の範囲における測定点を任意に追加する、あるいは測定点の密度、つまり測定点間の距離を小さくすることで、より精密に検査することができる。
従って、検査装置は、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、より効率的、正確に検査対象物の不良を検出することができる。
【0030】
また、この発明の態様として、前記測定データ出力手段を、前記測定データを表示する表示手段で構成し、前記測定データを、前記複数の測定点を設定した範囲における振動を視覚的に示す動画像とすることができる。
上記動画像は、カラー、あるいはグレースケールで示した動画とすることができる。
【0031】
この発明により、検査装置は、振動による検査対象物の挙動を動画像で表示手段に表示することができる。これにより、振動による検査対象物の挙動を視認することができる。
【0032】
さらに、動画像で表示される検査対象物の挙動の連続性から検査対象物の不良の有無、不良の箇所、及びその大きさなどを視認することができる。加えて、検査対象物の動画像と良品の動画像とを比較することで、より正確に不良の有無、不良の箇所、及び大きさなどを視認できるとともに、視認による良否判定を行うことができる。
【0033】
従って、検査装置は、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出するとともに、不良の有無、不良の箇所、及び大きさなどの視認を容易にすることができる。
【0034】
また、この発明の態様として、前記検査対象物を撮影して検査対象物画像を取得する撮影手段と、前記検査対象物画像を合成した所定のデータを出力する合成手段とを備えることができる。
上記所定のデータは、測定データ、基準データ、判定データ、及び動画像などとすることができる。
【0035】
この発明により、検査対象物画像と所定のデータとを合成することで、不良があった場合における検査対象物の不良の箇所をより正確に確認することができる。
例えば、所定のデータが検査対象物の動画像である場合、検査対象物画像に動画像を重ねるように合成して、合成した動画像を表示手段に表示することで、検査対象物における不良の箇所をより正確に確認することができる。
【0036】
また例えば、所定のデータが判定データである場合、不良判定となった測定点をプロットするように検査対象物画像に合成して、合成した判定データを判定結果出力手段で出力することで、検査対象物における不良の箇所をより正確に確認することができる。
【0037】
従って、検査装置は、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出するとともに、検査対象物における不良の箇所などをより正確に確認することができる。
【0038】
また、この発明の態様として、前記検査対象物を、相互に交差する方向にそれぞれ延びるコルゲート形状が形成された1枚または複数枚の薄板材で構成し、前記相互に交差する方向を、直交する第一方向及び第二方向として、前記コルゲート形状を、それぞれが前記第一方向に沿って延びる隆起部と谷部とが前記第二方向に交互に繰り返され、前記隆起部は、前記第一方向に沿って、第一起立部と第二起立部とが前記谷部から立上って交互に配列され、前記谷部は、前記第一方向に沿って、平坦部と凹部とが交互に配列され、前記第一起立部は、前記谷部から略逆台形状に立上がる一対の側壁と、前記側壁の先端が相互に連結されて形成される比較的平坦な頂部とで構成するとともに、前記第一起立部は内曲しており、前記第一起立部の基端部よりも先端部のほうが幅広になり、前記第二起立部は、平坦部からそれぞれ立上がる一対の側壁と、側壁の先端を相互に連結した凹状の凹部とで構成され、前記第一起立部及び前記凹部、並びに前記第二起立部及び平坦部が、前記第二方向に沿ってそれぞれ断続的に連なるように形成することができる。
【0039】
この発明により、検査装置は、コルゲート形状の形状加工を施した薄板材で構成した検査対象物の不良を検出することができる。
具体的には、コルゲート形状の形状加工を施した薄板材で構成した検査対象物は、形状加工の際、伸展によって亀裂などの不良が生じやすい。さらに、コルゲート形状に形状加工したことにより、検査対象物には折り重なるなどして部分的に目視できない箇所が生じる。加えて、コルゲート形状の大きさ、検査対象物の大きさによっては目視がさらに困難になる箇所が生じる。このため、視認、あるいは従来の検査装置では、このような検査対象物における不良の検出、及び良否の判定を行うことが難しい。
【0040】
そこで、本発明の検査装置は、コルゲート形状の形状加工を施した薄板材で構成した検査対象物に対して、複数の測定点を設定した範囲における検査対象物の挙動を測定することで、検査対象物の挙動の連続性から不良の有無を検出することができる。
【0041】
例えば、目視できないような隠れた箇所に亀裂がある場合、測定データが亀裂を境界にするように連続性が途切れた挙動を示すため、検査装置は、隠れた箇所における亀裂の有無を容易に検出することができる。
このため、コルゲート形状の形状加工を施した薄板材で構成した検査対象物において、想定しない箇所に生じた不良も検出することができる。
【0042】
従って、検査装置は、コルゲート形状の形状加工を施した薄板材で構成した検査対象物であっても、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出することができる。
【0043】
この発明は、検査対象物を取り付けた取付部材を加振して前記検査対象物に振動を与えて、振動している前記検査対象物の振動を検出し、検出した振動に基づいて前記検査対象物の不良を検出して検査する検査方法であって、前記検査対象物の表面上に予め設定した複数の測定点に対して順にレーザ光を照射するとともに、前記検査対象物の表面で反射した反射光を受光して、ドップラ効果によって前記測定点における振動を検出し、前記各測定点の位置を相互に関連付けるとともに、前記各測定点における振動を時系列で関連付けた測定データを出力することを特徴とする。
【0044】
この発明により、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出できる検査方法を提供することができる。
具体的には、検査対象物に振動を与えるとともに、検査対象物に照射したレーザ光のドップラ効果によって各測定点における振動を非接触で検出することができる。これにより、検査対象物の大きさに左右されることなく、かつ検査対象物を傷つけることなく、確実に検査対象物の振動を検出することができる。
【0045】
さらに、各測定点の位置を相互に関連付けるとともに、各測定点における振動を時系列で関連付けているため、出力した測定データは、複数の測定点を設定した範囲における振動による検査対象物の挙動を示すデータとすることができる。これにより、複数の測定点を設定した範囲における振動による検査対象物の挙動を測定するとともに、検査対象物の挙動に基づいて検査を行う方法とすることができる。
【0046】
例えば、検査対象物が亀裂などの不良のない良品の場合、振動による検査対象物の挙動は、特定の測定点、あるいは測定点間で途切れたり、形状、材質、あるいは構造と相関しない突出した変化をすることなく、連続的に推移する様子を示す連続性を有する。
【0047】
これに対して、検査対象物が亀裂のある不良品の場合、振動による検査対象物の挙動は、不良箇所において測定点間を連続的に推移しても、形状、材質、あるいは構造と相関しない突出した変化をするため、不連続性を有することとなる。同様に、検査対象物が欠損や肉厚不足のある不良品の場合、振動による検査対象物の挙動は、欠損や肉厚不足箇所、あるいは肉厚不足箇所に支持される部分において突出して変化して連続性を損なった不連続性を有することとなる。これにより、検査装置は、検査対象物における亀裂などの不良を検出することができる。
【0048】
このため、複数の測定点を設定した範囲における検査対象物の挙動を測定する検査方法は、不良の生じる箇所を予測する手間を省いて効率よく検査することができる。
従って、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出できる検査方法とすることができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明により、検査対象物における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査対象物の不良を検出できる検査装置、及び検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】検査装置の構成を示すブロック図。
【図2】固定部材に固定した状態のエキマニを示す斜視図。
【図3】図2中のエキマニに固定した状態のヒートインシュレータを示す斜視図。
【図4】ヒートインシュレータのコルゲート形状についての説明図。
【図5】検査装置の検査処理動作を示すフローチャート。
【図6】ヒートインシュレータの画像に測定点を重ね合わせて表示部に表示した画面を示す測定点表示画面。
【図7】良品のヒートインシュレータにおける測定画像についての説明図。
【図8】不良品のヒートインシュレータにおける測定画像についての説明図。
【図9】図8中の特徴部分についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0051】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は検査装置1の構成のブロック図を示している。
【0052】
検査装置1は、図1に示すように、検査ワーク12に振動を与える加振ユニット20、振動している検査ワーク12にレーザ光を照射して振動を検出するレーザユニット30、及びレーザユニット30を制御する制御ユニット40で構成している。
【0053】
検査ワーク12は、検査装置1で不良の有無を検出する検査対象物であって、被装着物11、及び固定部材10を介して後述する加振ユニット20の加振機本体22に取り付けている。
【0054】
被装着物11は、検査ワーク12を製品として装着する部品や製品自体などと略同等の振動特性を有するとともに、検査ワーク12の製品における取付状態を再現可能な形状で構成している。従って、被装着物11は、検査ワーク12を製品として取り付ける部品や製品自体、あるいは製品を模した冶具などであってよい。
【0055】
固定部材10は、後述する加振ユニット20の加振機本体22に固定するとともに、被装着物11を取り付け可能に構成している。なお、固定部材10は、加振機本体22からの振動により変形、共振等が生じないよう堅固な構成とすることが好ましい。なお、固定部材10に検査ワーク12を直接固定してもよい。
【0056】
加振ユニット20は、加振制御装置21、及び加振機本体22で構成している。
加振制御装置21は、CPUやメモリなどで構成し、各種情報処理を実行する制御部(図示省略)、振幅や周波数など加振条件の設定入力を許容する設定入力部(図示省略)、加振条件や稼働状況を表示する表示部(図示省略)などで構成し、加振機本体22を制御する機能を有している。
【0057】
加振機本体22は、加振制御装置21からの制御信号に基づいて加振部22aを少なくとも一方向に振動させる構成である。なお、加振部22aには、上述した固定部材10を固定している。
【0058】
また、制御ユニット40は、レーザユニット30を制御する機能、及び各種情報を処理するとともに、処理した情報を出力する機能を有しており、制御部41、DA変換部42、記憶部43、表示部44、設定入力部45、及びプリンタ46で構成している。
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどで構成し、記憶部43に格納したプログラムに従って各種制御処理を実行する機能を有している。
【0059】
DA変換部42は、制御部41から出力された出力信号をアナログ変換して後述するレーザユニット30のレーザコントローラ31に出力する機能、及びレーザユニット30のレーザコントローラ31から出力された出力信号をデジタル変換して制御部41に出力する機能を有している。
【0060】
記憶部43は、ハードディスク等の記憶装置で構成して、検査ワーク12の良否判定に用いる基準データや振動パラメータデータを含む各種データ、検査プログラム、あるいは各種装置を制御する制御プログラムを含む各種プログラムを格納している。
表示部44は、CRT、液晶モニタ等で構成し、制御部41からの出力信号に基づいて、各種情報を表示する機能を有している。
【0061】
設定入力部45は、マウス、キーボード等で構成し、検査ワーク12に対して測定点の位置、測定点の数、測定点の間隔、及び測定条件などの設定入力を許容する機能を有している。
プリンタ46は、制御部41からの出力信号に基づいて、各種情報を紙媒体に印刷する機能を有している。
【0062】
また、レーザユニット30は、加振ユニット20で振動を与えた検査ワーク12に対して、レーザ光Laを照射する機能、検査ワーク12の表面で反射した反射光Lbを受光する機能、及び検査ワーク12の映像を取得する機能を有しており、レーザコントローラ31、レーザヘッドセンサ32、ミラー部33、及びCCDカメラ34で構成している。なお、レーザユニット30は、検査ワーク12の検査対象面に対向して配置している。
【0063】
レーザコントローラ31は、制御ユニット40のDA変換部42に接続され、DA変換部42からのアナログ化された出力信号に基づいて、レーザヘッドセンサ32に対してレーザ光照射のON/OFFを切り替えるとともに、反射光の受光を制御する機能を有している。
【0064】
レーザヘッドセンサ32は、レーザコントローラ31からの出力信号に基づいてレーザ光Laを照射する機能、及び検査ワーク12で反射した反射光Lbを受光してレーザコントローラ31に信号を出力する機能を有している。
【0065】
ミラー部33は、詳細な図示を省略するが、表面を鏡面加工した鏡面部や鏡面部の向きを変更する駆動部などで構成し、制御ユニット40の制御部41からの出力信号に基づいて、レーザヘッドセンサ32に対する鏡面部の角度を変更する機能を有している。
CCDカメラ34は、制御ユニット40の制御部41の制御信号に基づいて、検査ワーク12を撮影し動画像を取得する機能を有している。
【0066】
以上のような構成の検査装置1によって、検査ワーク12に振動を与えるとともに、検査ワーク12に照射したレーザ光Laのドップラ効果を利用して検査ワーク12の不良を検出するとともに、良否を判定して検査することができる。
【0067】
このような検査装置1を用いて、自動車用エキゾーストマニホールド110(以下において、エキマニ110という)を被装着物11とし、エキマニ110に装着するヒートインシュレータ120を検査ワーク12として、ヒートインシュレータ120の亀裂を検査する場合について以下で、図2から図6を用いてより具体的に説明する。
【0068】
なお、図2はエキマニ固定部材100に固定した状態のエキマニ110の斜視図を示し、図3は図2中のエキマニ110に固定した状態のヒートインシュレータ120の斜視図を示し、図4はヒートインシュレータ120のコルゲート形状についての説明図を示している。さらに、図5は検査装置1の検査処理動作のフローチャートを示し、図6はヒートインシュレータ120の画像に測定点131を重ね合わせて表示部44に表示した測定点表示画面50を示している。
【0069】
また、図4(a)はヒートインシュレータ120を構成するコルゲート材の斜視図を示し、図4(b)は図4(a)におけるI−I端面図を示し、図4(c)は図4(a)におけるII−II端面図を示し、図4(d)は図4(a)におけるIII−III端面図を示している。
【0070】
被装着物11であるエキマニ110は、図2に示すように、エンジンに固定するエンジン側フランジ111、エンジン側フランジ112から延びるエキマニ本体112、エキマニ本体112の先端に設けた触媒部113、及び触媒部113の先端に設けた触媒側フランジ114で構成している。そして、エンジン側フランジ111の2箇所、触媒部113の中ほどに1箇所、及び触媒側フランジ114の近傍の1箇所にヒートインシュレータ120を固定する固定部115を設けている。
【0071】
検査ワーク12であるヒートインシュレータ120は、薄板状のアルミニウム製金属板で構成するとともに、エキマニ110を覆うような立体形状に形成している。さらに、ヒートインシュレータ120を構成する薄板状のアルミニウム製金属板は、図4(a)に示すように、コルゲート形状の折り曲げ加工を施したコルゲート加工面を全面に有している。
【0072】
具体的には、薄板状のアルミニウム製金属板のコルゲート形状は、図4(b),(c)に示すように、隆起部121と谷部122とが交互に連続してX方向に連なるとともに、Y方向において、各隆起部121と谷部122との高さがそれぞれ、図4(d)に示すように、一定間隔で頂部(121a,122a)と底部(121b,122b)とを繰り返して形成している。
【0073】
なお、隆起部121と谷部122とは、X方向において、等間隔で幅広と幅狭とを一定間隔毎に交互に繰り返して上記コルゲート形状を形成している。
さらに詳述すると、ヒートインシュレータ120のコルゲート形状は、それぞれがY方向に沿って延びる隆起部121と谷部122とがX方向に交互に繰り返されている。
【0074】
隆起部121は、Y方向に沿って、頂部121aと底部121bとが谷部122から立上って交互に配列され、谷部122は、Y方向に沿って、頂部である平坦部122aと底部である凹部122bとが交互に配列されている。
【0075】
頂部121aは、谷部122から略逆台形状に立上がる一対の側壁と、側壁の先端が相互に連結されて形成される比較的平坦な頂部とで構成するとともに、頂部121aは内曲しており、頂部121aの基端部よりも先端部のほうが幅広になる。
【0076】
底部121bは、平坦部122aからそれぞれ立上がる一対の側壁と、側壁の先端を相互に連結した凹状の凹部122bとで構成され、頂部121a及び凹部122b、並びに底部121b及び平坦部122aが、X方向に沿ってそれぞれ断続的に連なるように形成している。
【0077】
まず、ヒートインシュレータ120を検査するにあたり、検査装置1の加振機本体22に、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120を固定する。
具体的には、図2に示すように、固定部材10としてエキマニ固定部材100を加振機本体22に固定し、エキマニ110をエキマニ固定部材100に固定したのち、図3に示すように、エキマニ110にヒートインシュレータ120を固定する。
【0078】
エキマニ固定部材100へのエキマニ110の固定について詳述すると、図2に示すように、エキマニ110のエンジン側フランジ111をエキマニ固定部材100の上部に固定し、エキマニ110の触媒側フランジ114をエキマニ固定部材100の下部に固定している。
【0079】
また、エキマニ110へのヒートインシュレータ120の固定について詳述すると、図3に示すように、ヒートインシュレータ120をエキマニ110に覆い被せるように配置するとともに、各固定部115にボルト2で固定する。なお、ヒートインシュレータ120は、各固定部115に緩衝部材を介在させてボルト2で固定してもよい。
【0080】
次に、検査装置1の検査処理動作について図5を用いて説明する。
加振機本体22にヒートインシュレータ120を固定したのち、オペレータは、制御ユニット40、及び加振制御装置21を操作して検査を行う。
【0081】
オペレータの操作を受付けた制御ユニット40の制御部41が検査処理を開始すると、制御部41は、ヒートインシュレータ120等の画像を取得する制御信号をCCDカメラ34に出力する。制御部41の制御信号に基づいて、CCDカメラ34は、エキマニ固定部材100に固定したヒートインシュレータ120等の画像を取得する。制御部41は、CCDカメラ34が取得した画像を表示部44に表示する。
【0082】
そして、オペレータが設定入力部45を操作してヒートインシュレータ120全体を測定対象物として指定すると、制御部41は、指定されたヒートインシュレータ120の形状をスキャンする制御信号をレーザユニット30に出力する。制御部41からの制御信号に基づいて、レーザユニット30は、ヒートインシュレータ120をスキャンした信号を制御部41に出力する。
【0083】
レーザユニット30からの信号をもとに、制御部41は、振動を測定する複数の測定点131を自動生成するとともに、ヒートインシュレータ120の画像に測定点131を重ね合わせて合成した測定点表示画面50を表示部44に表示する(ステップS201)。
【0084】
測定点表示画面50は、図6に示すように、ヒートインシュレータ120の画像に複数の測定点131を重ね合わせて表示するとともに、各測定点131を相互に結んで形成したヒートインシュレータ120の立体形状を示すメッシュ状の三次元モデル130を表示している。
【0085】
測定点131の自動生成後、オペレータが設定入力部45を操作して入力した測定を繰り返す回数などの測定条件を受付ける。なお、オペレータが設定入力部45を操作して、測定点131を追加してもよい。
【0086】
そして、制御部41は、ヒートインシュレータ120の測定開始の入力を受付けたか否かを判定する(ステップS202)。オペレータにより測定開始の入力がなければ、制御部41は、測定開始の入力を受付けるまで待機する(ステップS202:No)。
【0087】
一方、加振制御装置21にホワイトノイズ(ランダム加振)を加振条件として設定入力したのち、加振機本体22を稼働させたオペレータが制御ユニット40を操作して測定開始を入力すると、制御部41は、測定開始の入力を受付けて測定を開始する(ステップS202:Yes)。
【0088】
測定を開始すると、制御ユニット40の制御部41の制御信号に基づいて、レーザユニット30は、測定点131に対してレーザ光Laを照射するとともに、ヒートインシュレータ120の表面で反射した反射光Lbを受光して測定点131における振動を測定する(ステップS203)。
【0089】
具体的には、制御ユニット30の制御部41の制御信号に基づいて、レーザユニット30のミラー部33は、レーザヘッドセンサ32から照射するレーザ光Laの進行方向を鏡面部で変更して、最初の測定点131にレーザ光Laを照射可能に鏡面部の角度を変更する。
【0090】
そして、制御部41は、レーザコントローラ31に対してレーザ光Laの照射を指示する信号をDA変換部42に出力する。DA変換部42は、制御部41が出力した信号をアナログ信号に変換してレーザコントローラ31に出力する。
【0091】
レーザコントローラ31の制御信号に基づいて、レーザヘッドセンサ32は、レーザ光Laをミラー部33に向けて照射する。レーザ光Laは、ミラー部33により進行方向を変更して最初の測定点131に照射される。
【0092】
最初の測定点131に照射されたレーザ光Laは、ヒートインシュレータ120の表面の振動により周波数が変調した反射光Lbとして反射する。反射光Lbは、ミラー部33により進行方向を変更してレーザヘッドセンサ32に照射される。
【0093】
レーザヘッドセンサ32がミラー部33で反射した反射光Lbを受光すると、レーザヘッドセンサ32は、反射光Lbに基づいて受光信号をレーザコントローラ31に出力する。
【0094】
受光信号に基づいてレーザコントローラ31が出力信号をDA変換部42に出力すると、DA変換部42は、受光信号をデジタル信号に変換して制御部41に出力する。DA変換部42からのデジタル信号とドップラ効果に基づいて、制御部41は、最初の測定点131における振動を測定して一時記憶する。
【0095】
そして、制御部41は、ミラー部33の鏡面部の角度を制御するとともに、レーザ光Laを照射して、複数の測定点131を順に走査するようにして連続的に全ての測定点131における振動を測定して一時記憶する。
【0096】
その後、制御ユニット40の制御部41は、測定の終了条件を満たしているか否かを判定する(ステップS204)。なお、測定の終了条件は、例えば、所定の回数だけ測定を繰り返すなどとする。
【0097】
測定の終了条件を満足してなければ(ステップS204:No)、制御部41は、処理をステップS203に戻して測定の終了条件を満たすまで繰り返す。
一方、測定の終了条件を満たしていれば(ステップS204:Yes)、制御部41は、一時記憶している全ての測定点131における振動に基づいて、ヒートインシュレータ120の測定点131で包囲した範囲における振動特性を解析する(ステップS205)。
【0098】
そして、制御部41は、各測定点131の位置情報を相互に関連付けるとともに、各測定点131における振動を時系列で関連付けた数値データ、及び動画像を測定データとして出力するとともに、動画像を表示部44に表示する(ステップS206)。なお、この動画像は、複数の測定点131で包囲した範囲において、振動による検査対象物の挙動を視覚的に示している。
【0099】
さらに、制御部41は、記憶部43から基準データを読込む(ステップS207)。この基準データは、隣接する測定点131において、振動要素の差の閾値で構成している。なお、ここでは、振動要素の差を変位差、及び位相差とする。
【0100】
測定データと基準データとに基づいて、制御部41は、ヒートインシュレータ120の亀裂有無を判定する(ステップS208)。
具体的には、制御部41は、測定データの隣接する測定点131において、同じタイミングでの変位差、及び位相差を算出し、算出した変位差、及び位相差と基準データの変位差、及び位相差の閾値とを比較する。なお、亀裂有無の判定は、全ての隣接する測定点131の組み合わせに対して実行するとともに、いずれか一組でも基準データの閾値を上回ると不良判定とする。
【0101】
測定データの隣接する測定点131における変位差、及び位相差が、いずれも基準データの閾値以下であれば(ステップS208:Yes)、制御部41は、隣接する測定点131において、振動による検査対象物の挙動に連続性があり、亀裂のない良品であると判定するとともに、ヒートインシュレータ120の画像を合成した動画像、及び判定結果が良品であることを示すメッセージを表示部44に表示する(ステップS209)。その後、制御部41は、検査処理を終了する。
【0102】
一方、測定データの隣接する測定点131における変位差、及び位相差のいずれか一方が基準データの閾値を上回っていれば(ステップS208:No)、制御部41は、隣接する測定点131において、振動による検査対象物の挙動に連続性がなく、亀裂がある不良品であると判定するとともに、ヒートインシュレータ120の画像を合成した動画像、及び判定結果が不良品であることを示すメッセージを表示部44に表示する(ステップS210)。その後、制御部41は、検査処理を終了する。
このようにして、検査装置1は、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120の亀裂の有無を検出するとともに良否を判定する。
【0103】
ここで参考として、検査装置1を用いて実際に振動を測定して検査した亀裂のない良品のヒートインシュレータ220、及び亀裂のある不良品のヒートインシュレータ320の変位量を示す動画像を、あるタイミングで抜き出した測定画像を用いて、検査装置1で検出される良品と不良品との差異について、図7から図9を用いて説明する。
【0104】
なお、図7は良品のヒートインシュレータ220における測定画像についての説明図を示し、図8は不良品のヒートインシュレータ320における測定画像についての説明図を示し、図9は図8中の特徴部分321についての説明図を示している。
また、図7から図9のヒートインシュレータ220、320は、図3、及び図6に図示したヒートインシュレータ120とは形状、及び測定点131の位置が異なる以外は同一構成である。さらに、図7、及び図8は、カラーで出力した測定画像をグレースケースに変換して図示している。
【0105】
亀裂のない良品のヒートインシュレータ220の測定画像は、図7に示すように、ほぼ全面において形状、材質、あるいは構造と相関しないような突出した変化のない変位量を示している。すなわち、良品のヒートインシュレータ220は、測定点131を設定した範囲において形状、材質、あるいは構造に相関した変位量が連続的に推移する連続性を有しているといえる。
【0106】
そして、このような測定画像を連続的に表示する動画像で示されるヒートインシュレータ220の挙動は、測定点131間において変位量が途切れたり、突出した変位量を示すことがない連続性を有している。
【0107】
一方、良品のヒートインシュレータ220の測定画像に対して、亀裂のある不良品のヒートインシュレータ320の測定画像は、図8に示すように、濃淡が多く全体的に変位量が変化していることがわかる。特に、上部中央には周囲より突出して高い変位量(黒色部分)を示す特徴部分321が表示されている。
【0108】
すなわち、不良品のヒートインシュレータ320の測定画像は、不良品の測定点131で設定した範囲において、特徴部分321に変位量が連続的に推移していない部分を有しているといえる。このため、このような測定画像を連続的に表示する動画像で示されるヒートインシュレータ320の挙動は、測定点131間において変位量が突出した変位量を示して連続性を損なった不連続性を有している。
【0109】
そして、ヒートインシュレータ320における特徴部分321に該当する部分には、図9に示すように、縦方向に延びる亀裂Cが生じている。つまり、この亀裂Cにより、振動に対して変位量が突出して大きくなり、ヒートインシュレータ320の挙動が連続性を損なったことを特徴部分321が示している。
【0110】
さらに、ヒートインシュレータ320の測定画像は、良品のヒートインシュレータ220の測定画像と比べて濃淡が多いことから、特徴部分321に該当する亀裂Cにより、ヒートインシュレータ320における全体の剛性バランスが変化していることを示している。
【0111】
このように検査装置1は、不良品のヒートインシュレータ320の測定画像における特徴部分321で示したように、亀裂の有無、亀裂の箇所、及び大きさを検出していることがわかる。そして、検査装置1で出力した測定データと基準データとを対比することで、良否を判定することができる。
【0112】
なお、ヒートインシュレータ320の動画像(測定画像)を用いて、亀裂の有無、亀裂の位置、及び大きさを視認して検出し、良否を判定することができるが、より確実に亀裂を検出して良否を判定するためには、良品であるヒートインシュレータ220の測定画像と対比することが好ましい。
【0113】
以上のような動作を実現する検査装置1、及び検査方法は、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、正確にヒートインシュレータ120の不良を検出することができる。
【0114】
具体的には、固定部材10であるエキマニ固定部材100を加振することで、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120の大きさ、及び形状などに左右されることなく、ヒートインシュレータ120の全体に万遍なく振動を与えることができる。
【0115】
レーザユニット30は、所謂、レーザドップラ式の振動検出装置であって、各測定点131における振動を非接触で検出することができる。これにより、検査装置1は、ヒートインシュレータ120を傷つけることなく、確実にヒートインシュレータ120の振動を検出することができる。
【0116】
制御ユニット40は、各測定点131の位置を相互に関連付けるとともに、各測定点131における振動を時系列で関連付けた測定データを出力することができる。これにより、測定データは、複数の測定点131を設定した範囲における振動によるヒートインシュレータ120の挙動を示すデータとすることができる。
【0117】
ゆえに、加振ユニット20、レーザユニット30、及び制御ユニット40を備えた検査装置1は、複数の測定点131を設定した範囲における振動によるヒートインシュレータ120の挙動を測定するとともに、ヒートインシュレータ120の挙動に基づいて検査を行うことができる。
【0118】
例えば、ヒートインシュレータ120が亀裂などの不良のない良品の場合、振動によるヒートインシュレータ120の挙動は、特定の測定点131、あるいは測定点131の間で途切れたり、形状、材質、あるいは構造と相関しない突出した変化をすることなく、測定点131の間を連続的に推移する様子を示す連続性を有する。
【0119】
これに対して、ヒートインシュレータ120が亀裂や欠損のある不良品の場合、振動によるヒートインシュレータ120の挙動は、不良箇所において測定点131の間を連続的に推移しても、形状、材質、あるいは構造と相関しない突出した変化をするため、不連続性を有することとなる。これにより、検査装置1は、ヒートインシュレータ120における亀裂などの不良を検出することができる。
【0120】
このため、複数の測定点131を設定した範囲におけるヒートインシュレータ120の挙動を測定することで、検査装置1は、不良の生じる箇所を予測する手間を省くとともに、想定しない箇所に生じた不良を検出して効率よく検査することができる。
【0121】
より具体的には、アルミニウム製金属板にコルゲート形状の形状加工を施したヒートインシュレータ120は、形状加工の際、伸展によって亀裂などの不良が生じやすい。加えて、コルゲート形状に形状加工したことにより、ヒートインシュレータ120は、折り重なるなどして部分的に目視できない箇所が生じる。このため、視認、あるいは従来の検査装置では、ヒートインシュレータ120における亀裂の検出、及び良否の判定を行うことが難しい。
【0122】
そこで、検査装置1は、コルゲート形状の形状加工を施したヒートインシュレータ120に対して、複数の測定点131で包囲した範囲におけるヒートインシュレータ120の挙動を測定することで、ヒートインシュレータ120における挙動の連続性から亀裂の有無を検出することができる。
【0123】
例えば、目視できないような隠れた箇所に亀裂がある場合、測定データが亀裂を境界にするように連続性が途切れた挙動を示すため、検査装置1は、隠れた箇所における亀裂の有無を容易に検出することができる。
このため、検査装置1は、ヒートインシュレータ120の想定しない箇所に生じた不良も確実に検出することができる。
【0124】
従って、検査装置1は、アルミニウム製金属板にコルゲート形状の折り曲げ加工を施したヒートインシュレータ120における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、正確にヒートインシュレータ120の亀裂を検出することができる。
【0125】
また、測定データと基準データとを比較することで、ヒートインシュレータ120の良否を判定することができる。
より詳しくは、隣接する測定点131における変位差、及び位相差の閾値で構成した基準データに対して、測定データの隣接する測定点131における変位差、及び位相差からヒートインシュレータ120の良否を判定することができる。
【0126】
さらに、ヒートインシュレータ120のように、形状加工によって目視が困難な箇所が生じやすい検査ワーク12の場合、目視が困難な箇所の周囲に複数の測定点131を設定することで、隣接する測定点131における変位差、及び位相差から隠れた箇所における良否を判定することができる。
【0127】
さらにまた、大きさが小さいコルゲート形状の形状加工を施して構成した大きさの小さい検査ワーク12は、コルゲート形状の凹部122bなどに生じる亀裂を目視で発見することは困難である。このような検査ワーク12においても、検査装置1は、隣接する測定点131における変位差、及び位相差から良否を判定することができる。
【0128】
従って、検査装置1は、検査ワーク12における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確に検査ワーク12の不良を検出するとともに、その良否を判定することができる。
【0129】
また、固定部材10であるエキマニ固定部材100に被装着物11であるエキマニ110を取り付けることにより、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120を確実に取り付けることができるとともに、より製品に近い取付状態を再現することができる。
【0130】
そして、エキマニ固定部材100とともにエキマニ110を加振することで、より製品の取付状態に近い振動をヒートインシュレータ120に与えることができる。これにより、検査装置1は、製品の取付状態に近い状態でヒートインシュレータ120の不良を検出することができる。
【0131】
従って、検査装置1は、ヒートインシュレータ120における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ製品の取付状態に近い状態で正確にヒートインシュレータ120の不良を検出することができる。
【0132】
また、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120の形状に応じた測定条件の設定入力を許容する設定入力部45を備えたことにより、ヒートインシュレータ120の形状、あるいは検査の目的などに応じて測定の範囲や測定点131などを最適に設定することができる。これにより、ヒートインシュレータ120における検査が必要な範囲だけを測定して、効率的に検査することができる。
【0133】
従って、検査装置1は、ヒートインシュレータ120における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、より効率的、正確にヒートインシュレータ120の不良を検出することができる。
【0134】
また、測定データを複数の測定点131を設定した範囲における振動を視覚的に示す動画像として表示部44に表示することにより、検査装置1は、振動によるヒートインシュレータ120の挙動を動画像で表示手段に表示することができる。これにより、振動によるヒートインシュレータ120の挙動を視認することができる。
【0135】
さらに、動画像で表示されるヒートインシュレータ120の挙動の連続性からヒートインシュレータ120の亀裂の有無、亀裂の箇所、及びその大きさなどを視認することができる。
【0136】
従って、検査装置1は、ヒートインシュレータ120における不良の発生箇所を予め把握する必要がなく、かつ正確にヒートインシュレータ120の不良を検出するとともに、不良の有無、不良の箇所、及び大きさなどの視認を容易にすることができる。
【0137】
また、CCDカメラ34で取得したヒートインシュレータ120の画像に動画像を合成して出力することにより、亀裂があった場合におけるヒートインシュレータ120の亀裂の箇所をより正確に確認することができる。
【0138】
従って、検査装置1は、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120の亀裂を正確に検出するとともに、インシュレータ120における亀裂の箇所などをより正確に確認することができる。
【0139】
なお、本実施形態において、検査装置1は、加振機本体22を加振制御装置21で制御する構成としたが、加振機本体22を制御ユニット40に接続して制御ユニット40で制御する構成としてもよい。これにより、検査にかかる一連の制御を制御ユニット40で一括して行うことができるので、より効率的に検査を行うことができる。
【0140】
また、制御ユニット40は、本実施形態の構成に限定するものではなく、通信回線に接続する回線接続部、外部記憶装置など適宜の構成としてもよい。
また、被装着物11をエキマニ110とし、検査ワーク12をヒートインシュレータ120としたが、これに限定するものではなく、任意の検査ワーク12、及び検査ワーク12を装着する被装着物11とすることができる。
【0141】
加えて、検査ワーク12は、熱による赤外線の波長とレーザ光Laの波長とが干渉しなければ、直接、あるいは間接的に加熱した状態であってもよい。これにより、加熱により振動特性が変化するような検査ワーク12の亀裂を、より製品の取付状態に近い状態で検出することができる。
【0142】
また、レーザユニット30は、ミラー部33でレーザ光Laの進行方向を変更して測定点131に照射する構成としたが、これに限定せず、レーザヘッドセンサ32に駆動部を備えて、測定点131に向けて直接レーザ光Laを照射可能な構成としてもよい。あるいは、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120に沿うようにレーザユニット30を移動可能に構成して、レーザユニット30が移動しながら測定点131に向けてレーザ光Laを直接照射する構成としてもよい。
【0143】
また、測定点131を検査ワーク12であるヒートインシュレータ120の表面に設定したが、これに限定せず、ヒートインシュレータ120の裏面に測定点131を設定するとともに、ヒートインシュレータ120の裏面側にレーザ光Laの進行方向を測定点131に向けて変更可能な鏡面体を配置する構成としてもよい。これにより、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120の表裏を入れ替えることなく、ヒートインシュレータ120の裏面における振動を測定して、亀裂を検出するとともに良否を判定することができる。
【0144】
また、オペレータが設定入力部45を操作して検査ワーク12であるヒートインシュレータ120を指定したが、ヒートインシュレータ120のCADデータやCAEモデルなどを読込ませて測定点131を自動生成してもよい。
【0145】
また、オペレータが設定入力部45を操作して検査ワーク12における特定の範囲を指定して測定点131を自動生成してもよい。これにより、検査ワーク12全体に測定点131を設定した場合に対して、レーザ光Laの照射から測定データの出力、あるいは良否の判定までに要する時間を短縮することができる。
【0146】
例えば、アルミニウム製金属板の一部に凹凸状の形状加工を施して形成した検査ワーク12の場合、形状加工を施した部位とその周囲を測定点131として指定することで、検査に要する時間を短縮することができる。
【0147】
また、制御ユニット40によって測定点131を自動生成するのではなく、オペレータが設定入力部45を操作して測定点131を設定してもよい。さらに、部分的に測定点131を追加する、あるいは測定点131の間の距離を調整して部分的に測定点131の密度を高くしてもよい。
【0148】
また、上述の実施形態では測定範囲、及び測定点の設定入力を設定入力部45で受付けたが、これに限定にせず、タッチペンやタッチパネルなどで受付けてもよい。
【0149】
また、基準データを隣接する測定点131における変位差、及び位相差の閾値としたが、これに限定せず、周波数、振幅、周期、位相、速度、変位、及び加速度など振動要素を1つ、あるいは適宜に組み合わせた構成としてもよい。
【0150】
また、ヒートインシュレータ120の画像に重ね合わせて合成した動画像を表示部44に表示したが、測定データ、基準データ、及び判定データなど任意のデータにヒートインシュレータ120の画像を重ね合わせて合成するとともに、プリンタ46などに出力してもよい。
【0151】
例えば、不良判定となった測定点131をプロットするようにヒートインシュレータ120の画像に合成して、プリンタ46で印刷してもよい。これにより、ヒートインシュレータ120における亀裂の箇所をより正確に確認することができるとともに、検品票として記録を残すことができる。
【0152】
また、本実施形態では、ヒートインシュレータ120の亀裂有無を検出して良否の判定を行ったが、これに限定せず、部分的な穴や欠けなどの欠損、検査ワーク12の肉厚が所望する肉厚であるか否か、及び振動に対する剛性等から所定の材質や組成であるか否かなどを検出してもよい。
【0153】
この場合、振動によるヒートインシュレータ120の挙動は、欠損、肉厚不足箇所、あるいは肉厚不足箇所に支持される部分などにおいて突出して変化して連続性を損なった不連続性を有することとなる。これにより、検査装置1は、ヒートインシュレータ120における亀裂などの不良を検出することができる。
【0154】
また、図5におけるステップS207からS210に相当する判定処理を備えず、検査ワーク12であるヒートインシュレータ120の動画像と良品であるヒートインシュレータの動画像とを目視比較して、目視による良否判定を行うようにしてもよい。これにより、検査装置1は、より正確に亀裂の有無、亀裂の箇所、及び大きさなどを視認できるとともに、視認による良否判定を行うことができる。
【0155】
もしくは、ヒートインシュレータ120の動画像で示されるヒートインシュレータ120の挙動に基づいて、目視による良否判定を行うようにしてもよい。あるいは、反射光Lbの色調差で良否判定を行うようにしてもよい。これにより、検査装置1は、亀裂の有無、亀裂の箇所、及び大きさなどを簡易的な方法で検出して検査することができる。
【0156】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の検査対象物は、実施形態の検査ワーク12、及びヒートインシュレータ120に対応し、
以下同様に、
取付部材は、固定部材10、及びエキマニ固定部材100に対応し、
振動検出手段は、レーザユニット30に対応し、
撮影手段は、CCDカメラ34に対応し、
判定手段、及び合成手段は、制御ユニット40に対応し
記憶手段は、記憶部43に対応し、
測定データ出力手段、表示手段、及び判定結果出力手段は、表示部44に対応し、
測定条件入力手段は、設定入力部45に対応し、
間接取付治具は、被装着物11、及びエキマニ110に対応し、
第一起立部は、頂部121aに対応し、
第二起立部は、底部121bに対応し、
第1方向は、X方向に対応し、
第2方向は、Y方向に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、生産工程における完成品の検査だけでなく、開発工程における試験品の不具合の検出などにも適用することができる。
【符号の説明】
【0158】
1…検査装置
10…固定部材
11…被装着物
12…検査ワーク
20…加振ユニット
30…レーザユニット
34…CCDカメラ
40…制御ユニット
43…記憶部
44…表示部
45…設定入力部
100…エキマニ固定部材
110…エキマニ
120…ヒートインシュレータ
121…隆起部
121a…頂部
121b…底部
122…谷部
122a…平坦部
122b…凹部
131…測定点
La…レーザ光
Lb…反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を取り付けた取付部材を加振して前記検査対象物に振動を与える加振手段と、
振動している前記検査対象物の振動を検出する振動検出手段とを備え、
検出した振動に基づいて前記検査対象物の不良を検出して検査する検査装置であって、
前記振動検出手段を、
前記検査対象物の表面上に予め設定した複数の測定点に対して順にレーザ光を照射するとともに、前記検査対象物の表面で反射した反射光を受光して、ドップラ効果によって前記測定点における振動を検出する構成とし、
前記各測定点の位置を相互に関連付けるとともに、前記各測定点における振動を時系列で関連付けた測定データを出力する測定データ出力手段を備えた
検査装置。
【請求項2】
前記測定データの良否判定の基準となる基準データを記憶する記憶手段と、
該記憶手段から読み出した前記基準データ、及び前記測定データを比較して前記検査対象物の良否を判定する判定手段と、
該判定手段で判定した判定データを出力する判定結果出力手段を備え、
前記基準データを、
隣接する前記測定点における振動要素の差に対する閾値で構成し、
前記判定手段を、
前記測定データの隣接する前記測定点における振動要素の差が、前記基準データの閾値以下であれば良品と判定する構成とした
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記取付部材に対して前記検査対象物を間接的に取り付け可能にする間接取付冶具を備え、
該間接取付冶具を、
前記検査対象物を製品として装着する装着対象物と略同等の振動特性を有するとともに、前記検査対象物の製品における取付状態を再現可能な構成とした
請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記検査対象物の形状に応じた測定条件の設定入力を許容する測定条件入力手段を備えた
請求項1から3のいずれか1つに記載の検査装置。
【請求項5】
前記測定データ出力手段を、
前記測定データを表示する表示手段で構成し、
前記測定データを、
前記複数の測定点を設定した範囲における振動を視覚的に示す動画像とした
請求項1から4のいずれか1つに記載の検査装置。
【請求項6】
前記検査対象物を撮影して検査対象物画像を取得する撮影手段と、
前記検査対象物画像を合成した所定のデータを出力する合成手段とを備えた
請求項1から5のいずれか1つに記載の検査装置。
【請求項7】
前記検査対象物を、
相互に交差する方向にそれぞれ延びるコルゲート形状が形成された1枚または複数枚の薄板材で構成し、
前記相互に交差する方向を、直交する第1方向及び第2方向として、
前記コルゲート形状を、
それぞれが前記第一方向に沿って延びる隆起部と谷部とが前記第二方向に交互に繰り返され、
前記隆起部は、前記第一方向に沿って、第一起立部と第二起立部とが前記谷部から立上って交互に配列され、
前記谷部は、前記第一方向に沿って、平坦部と凹部とが交互に配列され、
前記第1起立部は、前記谷部から略逆台形状に立上がる一対の側壁と、前記側壁の先端が相互に連結されて形成される比較的平坦な頂部とで構成するとともに、前記第一起立部は内曲しており、前記第一起立部の基端部よりも先端部のほうが幅広になり、
前記第二起立部は、平坦部からそれぞれ立上がる一対の側壁と、側壁の先端を相互に連結した凹状の凹部とで構成され、前記第一起立部及び前記凹部、並びに前記第二起立部及び平坦部が、前記第二方向に沿ってそれぞれ断続的に連なるように形成した
請求項1から6のいずれか1つに記載の検査装置。
【請求項8】
検査対象物を取り付けた取付部材を加振して前記検査対象物に振動を与えて、振動している前記検査対象物の振動を検出し、検出した振動に基づいて前記検査対象物の不良を検出して検査する検査方法であって、
前記検査対象物の表面上に予め設定した複数の測定点に対して順にレーザ光を照射するとともに、前記検査対象物の表面で反射した反射光を受光して、ドップラ効果によって前記測定点における振動を検出し、
前記各測定点の位置を相互に関連付けるとともに、前記各測定点における振動を時系列で関連付けた測定データを出力する
検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−72669(P2013−72669A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210151(P2011−210151)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成22年度経済産業省「戦略的基盤技術高度化支援事業(難成形材の超薄板・微細コルゲート加工による電磁シールド・熱対策深絞り成形品の開発)」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(391061831)三和パッキング工業株式会社 (28)
【Fターム(参考)】