説明

検知装置及び検知方法

【課題】光回線終端装置(ONU)の装置を目視で確認することなく、光回線終端装置の有無を確認することを可能とすること。
【解決手段】検知装置が、光通信網に用いられる光ケーブルを変形させ、変形部分から漏れる光を受光し電気信号を生成し、電気信号のうち、加入者側に配置された光回線終端装置から送信される光の送信周期に相当する電気信号を通過させ、フィルタを通過した電気信号の強度に基づいて、光の有無を判定し、判定結果を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加入者側に配置されたONU(Optical Network Unit:光回線終端装置)を検知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光アクセス網への加入者の増加に伴い、実際には光アクセス網へ加入していない者(未加入者)の宅内にも、光アクセス網の光ケーブルが引き入れられている場合がある。近年新築された集合住宅などでは、このように加入か未加入かにかかわらず光ケーブルが予め引き入れられていることが多い。未加入者は加入を望んだ場合、わざわざ宅内へ光ケーブルを引き入れる工事を行うことなく、既に引き入れられている光ケーブルにONUを接続することによってサービスを受けることが可能となる。
【0003】
光アクセス網の光ケーブルの検査や工事を行う際には、回線切断などの不慮の事故を防止するために、各宅内に引き込まれた光ケーブルが実際に通信に用いられているか否かを調べる必要がある。このような検査は、一般的には光ケーブルの先にONUが接続されているか否かに基づいて行われる。すなわち、光ケーブルの先にONUが接続されていれば、その光ケーブルが実際に通信に用いられていることを表す。一方、光ケーブルの先にONUが接続されていなければ、その光ケーブルは通信に用いられていないことを表す。具体的には、検査員が宅内に入りONUの有無を確認することによって検査が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−252192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、宅内に入らなければONUの有無を確認することができないため、種々の問題が生じている。例えば留守宅には入ることができないため、ONUの有無を確認することができない。留守とならないように予め宅内に入る日を連絡し立ち会ってもらう方法もあるが、検査側にとっては予定確立のための手間がかかり、立ち会う側も予定を空けておかなければならず、双方に負担がかかっていた。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、光回線終端装置(ONU)の装置を目視で確認することなく、光回線終端装置の有無を確認することを可能とする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、検知装置であって、光通信網に用いられる光ケーブルを変形させ、変形部分から漏れる光を受光し電気信号を生成する漏れ光取得部と、前記電気信号のうち、加入者側に配置された光回線終端装置から送信されるバースト状の光の送信周期に応じた電気信号を通過させるフィルタ部と、前記フィルタ部を通過した電気信号の強度に基づいて、前記バースト状の光の有無を判定する判定部と、前記判定部による判定結果を表示する表示部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様は、上記の検知装置であって、前記漏れ光取得部は、複数の受光部を有し、一部の受光部は前記光ケーブルの一方から他方に流れる光の漏れた光を受光し、他部の受光部は前記光ケーブルの他方から一方に流れる光の漏れた光を受光し、前記判定部は、前記一部の受光部によって受光された光と、前記他部の受光部によって受光された光とに基づいて、前記バースト状の光が一方から他方に流れたか他方から一方に流れたかを判断し、前記表示部は、前記バースト状の光が流れた方向を検出結果として表示する。
【0009】
本発明の一態様は、検知方法であって、検知装置が、光通信網に用いられる光ケーブルを変形させ、変形部分から漏れる光を受光し電気信号を生成する漏れ光取得ステップと、検知装置が、前記電気信号のうち、加入者側に配置された光回線終端装置から送信されるバースト状の光の送信周期に応じた電気信号を通過させるフィルタステップと、検知装置が、前記フィルタステップで通過した電気信号の強度に基づいて、前記バースト状の光の有無を判定する判定ステップと、検知装置が、前記判定ステップによる判定結果を表示する表示ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、光回線終端装置(ONU)の装置を目視で確認することなく、光回線終端装置の有無を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】光通信システムの構成を表すシステム構成図である。
【図2】光通信システムの詳細な具体例を表すシステム構成図である。
【図3】検知装置の機能構成を表す機能ブロック図である。
【図4】漏れ光取得部による増幅処理の概略を表す図である。
【図5】漏れ光取得部の構成例を表す図である。
【図6】受光素子による受光の概念を示す図である。
【図7】フィルタ部の構成を表す図である。
【図8】表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、光通信システム1の構成を表すシステム構成図である。光通信システム1は、OLT(Optical Line Terminal:局側光回線終端装置)10、光ケーブル20、光分岐素子30、ONU40を備える。光ケーブル20は、OLT10と光分岐素子30とを繋ぎ、光分岐素子30とONU40とを繋ぐ。
OLT10は、通信事業者側に設置される光回線終端装置である。OLT10がONU40へ向けて発した光は、光ケーブル20を伝わって光分岐素子30へ到達する。光分岐素子30は、光ケーブル20を伝わってきた光を、複数の光ケーブル20へ分岐させる。光分岐素子30によって分岐された各光は、光ケーブル20を伝わってONU40に到達する。
【0013】
光通信システム1では、OLT10からONU40に向けた方向を「下り方向」と呼び、ONU40からOLT10に向けた方向を「上り方向」と呼ぶ。また、下り方向に流れる光を「下り光」と呼び、上り方向に流れる光を「上り光」と呼ぶ。
ONU40は、所定の周期でバースト状の光(以下、「バースト光」という。)を用いた信号を上り方向に送信する。したがって、ONU40が接続された光ケーブル20には、所定の周期で上り光が発生する。また、ONU40が接続された光ケーブル20と光分岐素子30を介して接続された光ケーブル20にも、所定の周期で上り光が発生する。
【0014】
検知装置60は、ONUの存在を検知する装置である。検知装置60は、光ケーブル20を挟むことによって、その光ケーブル20の下り方向の先にONU40が接続されているか否か判定する。検知装置60が挟む光ケーブル20は、OLT10から光分岐素子30までの間の光ケーブル20であっても良いし、光分岐素子30からONU40までの間の光ケーブル20であっても良い。検知装置60は、ONU40から発せられるバースト光を検出することによって、ONU40の存在を検知する。
【0015】
図2は、光通信システム1の詳細な具体例を表すシステム構成図である。図2に示される光通信システム1は、映像配信用OLT101、IP通信用OLT102、分岐配線クロージャ301、引落しクロージャ302、ONU40を備える。映像配信用OLT101及びIP通信用OLT102は、OLT10の具体例である。映像配信用OLT101は1.55マイクロメートル帯の波長の下り光を送り、IP通信用OLT102は1.49マイクロメートル帯の波長の下り光を送る。
【0016】
分岐配線クロージャ301及び引落しクロージャ302は、光分岐素子30の具体例である。分岐配線クロージャ301は、配線柱に設置され、引上柱を伝って地中から空中に引き上げられた光ケーブル20に接続される。分岐配線クロージャ301は、映像配信用OLT101及びIP通信用OLT102から光ケーブル20を伝わってきた下り光を、複数の光ケーブル20に分岐させる。引落しクロージャ302は、引落柱に設置され、分岐配線クロージャ301によって分岐された光ケーブル20に接続される。引落しクロージャ302は、分岐配線クロージャ301によって分岐された光を、ONU40へ分岐させる。
ONU40は1.31マイクロメートル帯の波長の上り光を送る。ONU40から発せられた上り光は、光ケーブル20を介して引落しクロージャ302へ到達し、さらに光ケーブル20を介して分岐配線クロージャ301に到達し、さらに光ケーブル20を介して映像配信用OLT101及びIP通信用OLT102に到達する。
【0017】
図2に示される光通信システム1において、検知装置60が挟む光ケーブルは、ONU40から引落しクロージャ302までの間の光ケーブル20のうち、宅外に出ている部分の光ケーブル20であっても良い。また、検知装置60が挟む光ケーブル20は引落しクロージャ302から分岐配線クロージャ301までの間の光ケーブル20であっても良いし、分岐配線クロージャ301から映像配信用OLT101及びIP通信用OLT102までの間の光ケーブル20であっても良い。ただし、検知装置60によって得られる検知結果は、挟んだ光ケーブル20の下り方向にONU40が設置されているか否かである。そのため、光ケーブル20を挟む位置が映像配信用OLT101及びIP通信用OLT102側であればあるほどおおまかな検知結果しか得られない。例えば、ONU40から引落しクロージャ302までの間の光ケーブル20を挟む場合には、その光ケーブル20は分岐されることなくONU40に到達するため、その光ケーブル20に対してONU40が設置されているか否かを検知することが出来る。
【0018】
一方、引落しクロージャ302から分岐配線クロージャ301までの間の光ケーブルを挟む場合には、その光ケーブルは引落しクロージャ302によって分岐されていることがあるため、得られる検知結果は、その複数の分岐先のいずれか一つにONU40が設置されているか否かである。複数の分岐先のいずれか一つの光ケーブル20にONU40が設置されていれば、検知装置60はONU40が存在すると検知する。そのため、その分岐先の中にONU40が設置されていない光ケーブル20があるとしても、それがどの光ケーブル20であるかを検知することは出来ない。分岐配線クロージャ301から映像配信用OLT101及びIP通信用OLT102までの間の光ケーブル20を挟む場合においても同様である。そのため、検知装置60で光ケーブル20を挟む位置は、検査の対象などに応じて適宜判断される必要がある。
【0019】
図3は、検知装置60の機能構成を表す機能ブロック図である。検知装置60は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、検知プログラムを実行する。検知装置60は検知プログラムの実行によって、漏れ光取得部601、フィルタ部602、判定部603、表示部604を備える装置として機能する。なお、検知装置60の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。検知プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。
【0020】
漏れ光取得部601は、光ケーブル20を挟むことによって光ケーブル20を変形させる。漏れ光取得部601は、変形することによって光ケーブル20から漏れた光(以下、「漏れ光」という。)を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号を生成し増幅する。図4は、漏れ光取得部601による増幅処理の概略を表す図である。図4Aは、漏れ光を表す。図4Bは、漏れ光の強度に応じた電気信号を増幅した後の信号を表す。漏れ光取得部601は、生成した電気信号を増幅させる際、バースト状の上り信号を一塊のパルス波形として捉えてフィルタ部602に出力する。
【0021】
フィルタ部602は、漏れ光取得部601から出力された電気信号のうち、バースト光に応じて生成された電気信号(以下、「バースト光電気信号」という。)を通過させるフィルタである。例えば、フィルタ部602は、バースト光電気信号のバースト周期のバンドパスフィルタとして構成される。フィルタ部602は、例えばデジタルフィルタとして構成されても良い。フィルタ部602がデジタルフィルタとして構成されることにより、遮断すべきノイズの周波数と、通過させるべき信号(バースト光電気信号)のバースト周期とが近い場合であっても、ノイズを有効に遮断するとともに、過度に減衰させることなくバースト光電気信号を通過させることが可能となる。
【0022】
判定部603は、フィルタ部602を通過した電気信号にバースト光電気信号が含まれているか否か判定する。判定部603には、電気信号の強度の閾値が予め設定されている。判定部603は、閾値に基づいて、バースト光電気信号が存在するか否か判定する。判定部部604は、検出結果を表示部604に通知する。
表示部604は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成される。表示部604は、判定部603による判定結果を表示する。
【0023】
図5は、漏れ光取得部601の構成例を表す図である。図5Aは上方から見下ろした場合の正面図であり、図5Bは斜視図である。漏れ光取得部601は、第一壁部6011、第二壁部6012、光ケーブル経路6013、受光部6014を備える。第一壁部6011及び第二壁部6012は、図5A紙面の略垂直方向に幅を持った壁面であり、両壁面によって挟まれた光ケーブル経路6013を形成する。第一壁部6011は、第二壁部6012に向けて凸状に形成される。例えば、図示されるように第一壁部6011は第二壁部6012に向けて伸びる凸部を有している。第二壁部6012の壁面は、図示されるように第一壁部6011から遠ざかる方向に凹んだ形状に構成される。光ケーブル経路6013は、光ケーブル20を通す経路である。光ケーブル経路6013を通った光ケーブル20は、第一壁部6011及び第二壁部6012によって挟まれることにより、受光部6014が配置された側に凸状に変形する。なお、光ケーブルから漏れる光を取得するより詳細な構成については、特開2010−121968の公開特許公報に開示されており、開示された構成を採用することが可能である。
【0024】
図6は、受光素子6014による受光の概念を示す図である。図6に示すように変形された光ケーブル20の凸部からは、上り光と下り光とがそれぞれ漏れ出す。図6のように左側にOLT10が設置され右側にONU40が設置されている場合、上り光の漏れ光は左側に配置された受光素子6014aによって受光され、下り光の漏れ光は右側に配置された受光素子6014bによって受光される。なお、受光素子6014a及び受光素子6014bは、それぞれ上り光の漏れ光及び下り光の漏れ光のみを受光するのではなく、他の光も受光する可能性が有る。受光素子6014a及び受光素子6014bは、漏れ光の受光によって生成した電気信号をそれぞれフィルタ部602へ出力する。フィルタ部602に出力された電気信号は、フィルタ部602を通過する。判定部603は、受光素子6012aから出力された電気信号と、受光素子6014bから出力された電気信号とに基づいて、どちらの受光素子によってバースト光電気信号が検出されたかに基づいて、上り方向が左右どちらであるか、下り方向が左右どちらであるか判定する。
【0025】
図7は、フィルタ部602の構成を表す図である。図7Aはフィルタ部602に入力される電気信号とフィルタ部602のフィルタを示す図である。図7Bは、フィルタ部602を通過した電気信号を表す図である。図7A及び図7Bにおいて、横軸は周期を表し、縦軸は電気信号の強度を表す。バースト光とノイズとは互いに異なる周期で変化する。フィルタ部602は、例えば曲線80によって示されるような特性のバンドパスフィルタである。すなわち、フィルタ部602は、バースト光電気信号が発生する周期の信号を通過させ、他の周期の信号を遮断する。そのため、フィルタ部602を通過した電気信号では、図7Bに示されるようにバースト光電気信号はほとんど減衰せず、他の周期の信号が大幅に減衰している。
判定部603は、フィルタ部602を通過した電気信号において、予め設定された閾値を超える強度の信号がある場合には、バースト光電気信号が存在すると判定する。一方、判定部603は、フィルタ部602を通過した電気信号において、予め設定された閾値を超える強度の信号が無い場合には、バースト光電気信号が存在しないと判定する。
【0026】
図8は、表示部604の表示例を示す図である。表示部604は、左方向表示部6041、右方向表示部6042、検出レベル表示部6043、無信号表示部6044を有する。左方向表示部6041及び右方向表示部6042は、下り方向がどちら側であるかを示す。挟んだ光ケーブル20の右側が上り方向であり左側が下り方向である場合には、左方向表示部6041が点灯する。挟んだ光ケーブル20の左側が上り方向であり右側が下り方向である場合には、右方向表示部6042が点灯する。検出レベル表示部6043は、検出された上り光の強度(フィルタ部602を通過後の強度)と、検出された下り光の強度(不図示の測定部によって測定された強度)とをそれぞれ表示する。検出レベル表示部6043に表示される値は、例えばそれぞれの方向で測定された値のうち最も大きい値であっても良い。無信号表示部6044は、判定部603によってバースト光電気信号が検出されたか否かを示す。例えば、判定部603によってバースト光電気信号が検出された場合には、無信号表示部6044は点灯しない。一方、判定部603によってバースト光電気信号が検出されなかった場合には、無信号表示部6044は点灯する。
【0027】
そもそも、上り光は僅かマイクロ秒オーダーという非常に短い期間しか存在しないため、非常に検出が困難である。また、一般的に、漏れ光は波長が短くなるほど漏れにくくなる性質がある。上り光及び下り光の三つの光のうち、最も波長が短い光は上り光である。そのため、検知すべき上り光が最も漏れにくく、映像信号が存在した場合の最悪条件では下り光の漏れ光のレベルの方が高くなることがある。また、下り光には、検知すべき上り光のバースト信号の周期(周波数)の近傍にノイズ成分が含まれることがある。さらに、光分岐素子30を収納した筐体の設計によっては、光ケーブル20の素線部が無くなり、保護チューブで囲われた光ケーブル20を検知装置で挟む必要が生じる場合がある。このような場合には、保護チューブ越しに漏れる微量な光量に基づいてONU40の検知を行わなければならない。このような問題に対し、漏れ光を増幅させているため、上記のような状況であっても精度良くバースト光を検知することができる。
【0028】
また、検知対象であるバースト光以外の光(例えば下り方向の光など)による電気信号も増幅されてしまい、バースト光の検知精度が低下してしまうおそれがある。このような問題に対し、バースト光の周波数帯域以外の帯域の光を遮断するデジタルフィルタを用いることによって、バースト光の検知精度を向上させている。
【0029】
例えば以下のような場面で検知装置60を使用することができる。
保留解除時、すなわち保留又は未撤去の光ケーブル20を切断しようとする際に、検知装置60を用いてその光ケーブル20が現用であるか否か判断できる。現用でなければ、その光ケーブル20を切断して撤去しても良いし、切断して他の宅内に転用しても良い。
開通工事で配線用光ケーブルを切断する際に、検知装置60を用いることによって、線番指定された光ケーブル20が現用であるか否か判断できる。そのため、現用となっていないことを確認してから配線用光ケーブル等を切断することが可能となる。
【0030】
故障修理を行った際に、通信が復旧したか否かについて、ONU40を目視することなく検知装置60を用いることによって確認することが可能となる。
データベースで各光ケーブル20が現用であるか否かを管理している場合に、現場で各光ケーブル20を検知装置60で調べることによって、データベースの内容が正しいか否かを容易に判断することができる。そして、データベースの内容が誤っている場合には、容易に修正することが可能となる。
【0031】
<変形例>
上述した漏れ光取得部601の構成は一例にすぎず、例えば受光部6014は一つの受光素子によって構成されても良い。以下、このように構成された場合の検知装置60について説明する。受光素子は、上り光の漏れ光と下り光の漏れ光とを受光する。判定部603は、上り光の漏れ光であるか下り光の漏れ光であるかを区別することなく、バースト光電気信号を検出する。表示部604は、左方向表示部6041及び右方向表示部6042を備えず、下り方向及び上り方向がどちらであるかについては表示しない。このように構成された場合であっても、バースト光の有無に基づいてONU40を検知することができる。
【0032】
上述した表示部604の表示態様は一例にすぎず、異なる様に構成されても良い。例えば、判定部603によってバースト光電気信号が検出された場合に無信号表示部6044が点灯し、バースト光電気信号が検出されなかった場合に無信号表示部6044が点灯しなくても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0033】
10…OLT, 20…光ケーブル, 30…光分岐素子, 40…ONU, 60…検知装置, 601…漏れ光取得部, 602…フィルタ部, 603…判定部, 604…表示部, 6011…第一壁部, 6012…第二壁部, 6013…光ケーブル経路, 6014…受光部, 80…曲線(バンドパスフィルタ), 6041…左方向表示部, 6042…右方向表示部, 6043…検出レベル表示部, 6044…無信号表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信網に用いられる光ケーブルを変形させ、変形部分から漏れる光を受光し電気信号を生成する漏れ光取得部と、
前記電気信号のうち、加入者側に配置された光回線終端装置から送信されるバースト状の光の送信周期に応じた電気信号を通過させるフィルタ部と、
前記フィルタ部を通過した電気信号の強度に基づいて、前記バースト状の光の有無を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を表示する表示部と、
を備える検知装置。
【請求項2】
前記漏れ光取得部は、複数の受光部を有し、一部の受光部は前記光ケーブルの一方から他方に流れる光の漏れた光を受光し、他部の受光部は前記光ケーブルの他方から一方に流れる光の漏れた光を受光し、
前記判定部は、前記一部の受光部によって受光された光と、前記他部の受光部によって受光された光とに基づいて、前記バースト状の光が一方から他方に流れたか他方から一方に流れたかを判断し、
前記表示部は、前記バースト状の光が流れた方向を検出結果として表示する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
検知装置が、光通信網に用いられる光ケーブルを変形させ、変形部分から漏れる光を受光し電気信号を生成する漏れ光取得ステップと、
検知装置が、前記電気信号のうち、加入者側に配置された光回線終端装置から送信されるバースト状の光の送信周期に応じた電気信号を通過させるフィルタステップと、
検知装置が、前記フィルタステップで通過した電気信号の強度に基づいて、前記バースト状の光の有無を判定する判定ステップと、
検知装置が、前記判定ステップによる判定結果を表示する表示ステップと、
を有する検知方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−205284(P2012−205284A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70931(P2011−70931)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】